JP2010249788A - 気体用超音波流量計 - Google Patents

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Abstract

【課題】 測定精度が高くかつ安全性の高い超音波流量計を提供すること。
【解決手段】 超音波流量計1は、ステンレス製の配管に孔を設け、測定流体の流れ方向に対してθの角度で一対の超音波送受波器が対向するように配置する。ステンレス製の配管とステンレス製のガイド管、ステンレス製のガイド管と接合部がステンレス製のフランジを持つ超音波送受波器は溶接で接合して気体が漏れないようにする。
【選択図】図3

Description

本発明は、測定対象の流体中に超音波を伝播させ、流路の上流方向と下流方向への伝播時間差から流体の流速や流量を測定する超音波流量計に関するものであり、特に、金属管内を流れる気体の流量を測定する超音波流量計に関するものである。
近年、超音波が伝播経路を伝達する時間を計測し、流体の移動速度を測定して流量を針測する超音波流量計がガスメータ等に利用されつつある。図1は、このようなタイプの超音波流量計の主要部断面構成を示している。
超音波流量計1は、流量を測定すべき測定対象となる流体5が配管2の内部を流れるように配置されており、配管2には、一対の超音波送受波器3a、3bが対向して設置されている。
配管2は、典型的な円筒形状を有している。超音波送受波器3a、3bは、電気エネルギー/機械エネルギー変換素子として構成されており、圧電ブザー、圧電発振子と同様に共振特性を示す。
以下、図1に示す超音波流量計1の動作を説明する。
超音波送受波器3aの共振周波数近傍の周波数を持つ交流電圧を、超音波送受波器3a内の圧電素子に印加すると、超音波送受波器3aは超音波送波器として機能し、流体5中に超音波6を放射する。放射された超音波6は、図示した超音波6の経路L1を伝播して、超音波送受波器3bに到達する。このとき、超音波送受波器3bは、受波器として機能し、超音波を受けて電圧に変換する。
次に、超音波送受波器3bが超音波送波器として機能し、超音波送受波器3aが超音波送受器として機能する。すなわち、超音波送受波器3bの共振周波数近傍の周波数を持つ交流電圧を、超音波送受波器3b内の圧電素子に印加することにより、超音波送受波器3bから流体5中に超音波6を放射する。放射された超音波は、経路L2を伝播して、超音波送受波器3aに到達する。超音波送受波器3aは、伝播してきた超音波を受けて電圧に変換する。
このように、超音波送受波器3a、3bは、送波器としての機能と受波器としての機能を交互に果たすために、一般に超音波送受波器と総称される。
図1に示す超音波流量計では、連続的に交流電圧を印加すると超音波送受波器から連続的に超音波が放射されて伝播時間を測定することが困難になるので、通常はパルス信号を搬送波とするバースト電圧信号を駆動電圧として用いる。
以下上記超音波流量計の測定原理をより詳細に説明する。
駆動用のバースト電圧信号を超音波送受波器3aに印加することにより、超音波送受波器3aからバースト信号を放射すると、超音波バースト信号は経路L1を伝播してt時間後に超音波送受波器3bに到達する。経路L1の距離は、経路L2の距離と同様にLであるとする。
超音波送受波器3bは、伝播してきた超音波バースト信号のみを高いSN比で電気バースト信号に変換することができる。このバースト電圧信号を電気的に増幅して、再び、超音波送受波器3aに印加して超音波バースト信号を放射する。この装置を「シング・アラウンド型装置」と呼ぶ。
また、超音波パルスが超音波送受波器3aから放射された後、超音波送受波器3bに到達するまでの時間を「シング・アラウンド周期」という。「シング・アラウンド周期」の逆数は「シング・アラウンド周波数」と呼ばれる。
図1において、管の中を流れる流体の流速をV、流体中の超音波の速度をC、流体の流れる方向と超音波パルスの伝播方向の角度をθとする。超音波送受波器3aを超音波送波器、超音波送受波器3bを超音波受波器として用いたときに、超音波送受波器3aから出た超音波パルスが超音波送受波器3bに到達する時間であるシング・アラウンド周期をt1、シング・アラウンド周波数をf1とすれば式1が成立する。
Figure 2010249788
逆に、超音波送受波器3bを超音波送波器、超音波送受波器3aを超音波受波器として用いたときのシング・アラウンド周期をt2、シング・アラウンド周波数f2とすれば、式2の関係が成立する。
Figure 2010249788
両シング・アラウンド周波数の周波数差Δfは式3で示される。
Figure 2010249788
式3によれば、超音波の伝播経路の距離Lと周波数差Δfとから、流体の流速Vを求めることができる。そしてその流速Vから、流量を決定することができる。式3には流体の音速Cが入っていないため、流体の種類によらず、また温度変化による流体の音速変化にも影響を受けることがない。
ところで、このような超音波流量計では、高い精度が求められる。高い精度を実現するためには超音波を高い感度で送受波することが重要である。
ところが図1の超音波流量計では、気体などの低密度な流体を高精度に測定することは困難である。
これは図1に示す超音波流量計では、金属などで構成される配管から直接に測定すべき流体へ超音波が伝播させる構成となっているため、配管と測定流体の音響インピーダンスが大きく異なる場合、配管と流体との界面で超音波の大部分が反射してしまい、流体中へ超音波がほとんど伝播せず、またわずかに流体に放射され伝搬してきた超音波も、受波器となる超音波送受波器に到達する前に、流体と配管の界面でほとんどが反射してしまうためである。
ここで音響インピーダンスとは、材質の音速Cと密度ρで規定されるもので式4に定義される。
Figure 2010249788
図1の場合において、配管をステンレスとし、流体を空気と仮定して音響インピーダンスを算出してみると、ステンレスは、密度7.9×10kg/m、音速は約5500m/秒であり、音響インピーダンスは、約4.3×10kg/m/秒である。空気は、密度1.18kg/m、音速は約340m/秒であり、音響インピーダンスは、約4.0×10kg/m/秒であり、配管と空気の音響インピーダンスは10程度異なる(ステンレスの音響インピーダンスは空気の約100000倍)。
このように音響インピーダンスが大きく異なる媒体に効率よく超音波を伝搬させるために、音響整合部が一般に用いられる。
図2は、音響整合部4を有する超音波送受波器3a、3bを用いた超音波流量計1を示している。図2に示す超音波流量計1では、圧電素子8の超音波放射面側の電極を介して音響整合部4を有する超音波送受波器3a、3bを用い、この一対の超音波送受波器3a、3bが測定流体5の流れに対して、所定の角度θの超音波6の送受波が可能なように配管2に設けた穴の部分に配置されている。
このような超音波流量計1では、圧電素子8で発生した超音波6は、音響整合部4を介して、測定流体5へ伝搬していく。音響整合部4は圧電素子8と気体の間の音響インピーダンスの不整合による超音波の低い透過効率を改善して、高感度な送受波を可能とするものであり、特に式5で示す音響インピーダンスZ2を持つ物質を挿入すると効率よく超音波の伝搬を実現することが知られている。
Figure 2010249788
このような音響インピーダンスZ2を持つ物質を挿入すると、境界面での反射が抑えられ、音波の透過率が向上する。
しかしながら、従来の超音波流量計には、以下の問題がある。
図1に示す超音波流量計では、金属などからなる配管から直接に流体に超音波を伝搬させるため、特に気体や上記などの低密度の流体を測定の場合には、送受波効率が極めて悪く、送受波感度が低くなる結果、測定精度が低下してしまう場合がある。
また、図2に示す超音波流量計では、電圧の印加される圧電素子が測定流体と直接接しているため、流体が可燃性や爆発性を有する場合には引火や爆発の危険があった。また、超音波送受波器の封止がゴムなどにより行われているが、ゴムの劣化や、内圧が加わった際に、信頼性が、通常の配管の接続部などに比べ低い場合があり、ガス漏れの危険性があった。
上記の問題を解決するために特許文献1では、配管の外側に超音波送受波器を接合し、さらに低密度の音響整合層を配管に設けるものがある。しかし、低密度の音響整合層は、機械的強度が低く、気体の流れにより損傷または摩耗する虞があり、もし損傷又は摩耗した場合は、音響整合層の性能が劣化して、送受波感度が低くなり、測定精度が低下する。また、気体に損傷又は摩耗した音響整合層の破片または粉末が混入し、配管部品に悪影響を与える。
さらに特許文献1では、配管の外側に超音波送受波器を接合しているので、配管に超音波が伝搬し、受信されるので信号のSN比が低下するという問題点もある。
特開2006−30142
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、可燃性や爆発性を有するガスが、比較的高い圧力で流れる場合でおいても、安全かつ高精度で流量の測定が可能となる超音波流量計を提供することにある。
本発明は、被測定流体を流す測定用配管の流れ方向の上流と下流側とに一対の超音波送受波器を配置して、前記超音波送受波器間の超音波の伝播所要時間から測定用配管の内部を流れる被測定流体の流量または流速を測定する超音波流量計において、前記被測定流体が金属のみと接触させ、かつ配管またはガイド管が蛇腹状とするものである。
本発明はまた、前記の超音波流量計において、ダイアフラム間の金属の最短経路長さが(金属の音速/気体の音速)×(ダイアフラム間の距離)より大きく、(金属の音速/気体の音速)×(ダイアフラム間の距離)の2倍より小さいことである。
本発明はまた、前記の超音波流量計において、金属ダイアフラムに接合する超音波振動子を圧電素子とするものである。
本発明はまた、前記の圧電素子を複合圧電素子とするものである。
本発明はまた、前記被測定流体を気体とするものである。
本発明はまた、前記気体が可燃性または爆発性を有するものとする。
本発明はまた、前記超音波流量計において、気体が可燃性または爆発性を有するものである。
本発明の超音波流量計によれば、安全にそして、高精度に液体、気体の質量流量を測定することができる。
第1の実施の形態である基本的な構成を図3の断面図で示す。
図3で示す超音波流量計1は、ステンレス製の配管2に孔を設け、測定流体の流れ方向に対してθの角度で一対の超音波送受波器3a、3bが対向するように配置する。超音波送受波器は、圧電素子を接合したダイアフラムを云う。ステンレス製の配管とステンレス製のガイド管11、ステンレス製のガイド管11とダイアフラム12を溶接で接合して気体が漏れないようにする。
測定流体5は、配管の内部を点線で示す矢印方向に移動する。流体5の流速は、Vで示される。流体5は、例えば可燃性を有するガス(メタン)である。超音波6は、一対の超音波送受波器3a、3bの間を伝搬する。
本発明で最も特徴的な点の一つは各超音波送受波器の圧電素子が複合圧電素子である。各超音波送受波器は、圧電素子の両面に電極を設けた公知の構成を有している。ここに用いる圧電素子は、複合圧電素子である。
複合圧電素子は、圧電セラミックなどの圧電体と樹脂が構造的に複合化され、圧電セラミックや圧電高分子にはない特徴を持つ材料である。非特許文献1に詳しく記載されているが、複合圧電振動子は圧電素子単体では、実現不可能な特性を得るために開発されたものであり、現在はその価格が高いこともあり医療用として主に使用されている。複合圧電振動子は、セラミックと高分子の複合体は、セラミックと高分子の各々が何次元の物理的(いくつの方向)に自己結合しているかにより分類される。すなわち、圧電活性な成分である圧電セラミックがその複合体の中で連なっている次元数mと圧電非活性な成分である高分子が連なっている次元数nでm−n複合体と表示する。複合圧電振動子の中でも、もっとも実用的な1−3複合体であり、本発明に用いた。
塩嵜 忠、「新・圧電材料の製造と応用」、株式会社シーエムシー、1987年12月、p99−109
図3に示す超音波送受器3は、複合圧電振動子81a、81bをステンレス製のダイアフラムに導電性接着剤を用いて接合して作成する。そして複合圧電素子81a、81bを接合したダイアフラム面を水冷しつつステンレスベローズ状のガイド管11a、11bをダイアフラム12a、12bに溶接する。本発明の最も特徴的な点の別の一つは、配管内には、気体以外存在させないことである。このことにより、気体が可燃性のガスであっても全く安全である。また、従来のように強度が低い音響整合層を配管内に使用していないので、測定対象の気体に不純物が混入しない。
従来、強度が低い音響整合層を配管内に使用したのは、配管の外側に超音波送受器を取り付けただけでは、流量を正確に測定できるほどの超音波を気体中に伝搬させることが困難であった。これは、通常の圧電素子である鉛系圧電セラミックとステンレスの音響インピーダンスの比が約0.7であるのに対して、ステンレスと気体とは大きく異なるため、ほとんどの超音波振動がステンレスに伝搬してしまい、気体中にはほとんど伝搬しないことによるものであると考えられる。
そこで、鉛系圧電セラミックに比較して音響インピーダンスが約1/3低い複合圧電振動子を用いることで、複合圧電振動子で発生した超音波振動をステンレスに伝搬させる割合を小さくすることにより相対的に気体に伝搬させる超音波を高め、SN比を向上させる。
参考までにここで用いた、又は比較した材料の物性を示す。
鉛系圧電セラミックの密度約7.8×10kg/m、音速4100m/s、音響インピーダンス約3.2×10kg/msである。
複合圧電素子の密度約3.7×10kg/m、音速約2700m/s、音響インピーダンス約1.0×10kg/msである。
ステンレスの密度約7.9×10kg/m、音速約5500m/s、音響インピーダンス約4.3×10kg/msである。
メタンの約密度7.1kg/m、音速約449m/s、音響インピーダンス約3.2×10kg/msである。
ここで1.0mm厚、直径40mmのステンレス製ダイアフラム12に直径20mm、厚さ3mmの複合圧電素子81を導電性接着剤を用いて接合した。ステンレス製ダイアフラム12の厚さは4mmを超えると超音波受波信号のSN比が小さくなり測定が困難になる。そしてステンレス製ダイアフラム81にリード線15を同じく導電性接着剤を用いて接続した。ステンレス製ダイアフラムと反対側の複合圧電素子の面にリード線を、導電性接着剤を用いて接続した。なお複合圧電素子81の両側の面にはスパッタにより銀の薄膜電極9を設ける。
図4に複合圧電素子81の詳細を示す。直径20mm、厚さ3mmであり、個々の圧電素子8は2mm角で長さ3mmであり、圧電素子8と圧電素子8を接合しているエポキシ樹脂22の幅は1mmである。圧電素子8は、鉛系圧電セラミックであり、いわゆるLow Q材である。
ここで、メタンの音速が、約449m/s、ステンレスの音速が約5500m/sであるので、ステンレスはメタンの音速の約12.2倍である。メタンを伝搬した超音波の後ろにステンレスを伝搬した超音波が到達するようにするためには、メタンを測定するダイアフラム距離を50mmとすると、複合圧電素子81を接合したダイアフラム12面までのステンレス間の距離を610mmより大きくする必要がある。しかし、気体の測定最大流速を約40m/sとし、メタンの音速の温度変化、ステンレスの音速の温度変化などを考慮すると、さらにメタンとステンレスの伝搬時間に差を設ける必要がある。
メタンの音速が約449m/sそして測定距離が50mmであるので、約111μsそして、ステンレスの音速が約5500m/s、ステンレス伝搬長さが610mmであるので約111μsであるのでほぼ同時となる。
これを図5に示す。ここでは、時間軸、駆動波形、検出波形を説明を容易にするための大きさとした。駆動波形23はサイン波のバースト波とした。気体を伝搬し検出した気体を伝搬した検出波形24を実線で示す。金属を伝搬し検出した金属を伝搬した検出波形25を点線で示す。
ステンレス伝搬長さを710mmとすると約129μsとなり、メタンを伝搬する超音波に比較して約18μs遅くなる。これはメタンを伝搬する約300KHzの超音波の約5.5波長分遅れた時間にステンレスを伝搬した超音波が到達することになる。
これを図6に示す。ここでは、時間軸、駆動波形、検出波形を説明容易にするための大きさとした。駆動波形23はサイン波のバースト波とした。気体を伝搬し検出した気体を伝搬した検出波形24を実線で示す。金属を伝搬し検出した金属を伝搬した検出波形25を点線で示す。図でわかるように気体を伝搬した検出波形24をSN比を高く検出できる。
さらにメタンを伝搬する約300KHzの超音波の10波長分だけステンレスを伝搬する超音波の到達時間を遅くしたいときは、メタンを伝搬した超音波が到達した後、約33μs後にステンレスを伝搬した超音波が到達するようにする。このときのステンレスの伝搬長さは約792mmになる。
これを図7に示す。ここでは、時間軸、駆動波形、検出波形を説明を容易にするための大きさとした。駆動波形23はサイン波のバースト波とした。気体を伝搬し検出した気体を伝搬した検出波形24を実線で示す。金属を伝搬し検出した金属を伝搬した検出波形25を点線で示す。図でわかるように気体を伝搬した検出波形24と金属を伝搬した検出波形25を完全に分離できる。分離する上限としては、気体を伝搬した検出波形24が到達した時間の2倍未満に金属を伝搬した検出波形25を到達させることである。これ以上に気体を伝搬した検出波形24と金属を伝搬した検出波形25を分離することは、単位時間当たりの測定回数を小さくしてしまうので好ましくない。
図8の断面図で概略を示すが、ステンレスの伝搬距離を長くするために配管をそのまま長くすると例えばステンレス管の長さを上記の例では約710mmまたは約792mmにしなければならない。これは、流量計が大きくなりすぎ実際には使用できない。そこで、伝搬方向と垂直方向の長さを長くすることにより、伝搬方向の長さを小さくすることができる。
このためには、伝搬方向と逆方向にガイド管を設け、ガイド管を蛇腹状にする方法がある。もう一つは、例えば流体が流れる管を蛇腹状にする方法である。これを説明する容易にするために流体の流れと超音波の伝搬方向が同じである超音波流量計を用いて説明する。
図9に示すように配管2の両側に、ダイアフラム12を接合したガイド管11a、11bを配置する。ガイド管11a、11bと配管2の合計距離を(金属の音速/気体の音速)×(ダイアフラム間の距離)よりも大きくすることにより、気体を伝搬する超音波の信号を、金属を伝搬する超音波より早く検出することができる。またガイド管11a、11bと配管2の合計距離を(金属の音速/気体の音速)×(ダイアフラム間の距離)の2倍未満にすることである。この理由は前にも述べたが単位時間の測定回数を多くするためである。図9の中で2点鎖線は流体の流れを、点線は超音波の伝搬を示す。
図10に示すように配管2を蛇腹状にする。配管2の蛇腹状形状は、配管2を伝搬する超音波の伝搬距離が(金属の音速/気体の音速)×(ダイアフラムの距離)よりも大きくすることが必要である。このことにより、気体を伝搬する超音波信号が金属を伝搬する超音波より早く検出することができる。また配管2の超音波伝搬距離を(金属の音速/気体の音速)×(ダイアフラム間の距離)の2倍未満にすることである。この理由は前にも述べたが単位時間の測定回数を多くするためである。図9の中で2点鎖線は流体の流れを、点線は超音波の伝搬を示す。
上記のように気体を伝搬する超音波が金属を伝搬する超音波より早く受信できることで、ノイズとなる金属を伝搬する超音波に影響されること無く、正確な流速を測定できる。
また、通常の圧電素子に比較して機械的損失の大きい圧電複合振動子を用いることで、信号波形の立ち上がりが良くなるため、測定分解能が向上するため、流量測定精度が向上する。
本発明では、複合圧電素子のみならず、様々な圧電素子を用いることが可能である。
圧電素子としては圧電セラミック、圧電単結晶などもある。圧電セラミックは、チタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、ニオブ酸鉛などある。また圧電単結晶は、チタン酸ジルコン酸鉛単結晶、ニオブ酸リチウム、水晶などがある。
本発明では、圧電素子として複合圧電素子を使用したが、さらに高い性能を要求される場合は、圧電単結晶を圧電素子とする複合圧電素子も考えられる。また、製造コストを小さくするためには、ニオブ酸鉛などの圧電セラミックを使用できる。
以下に上記の構成の超音波流量計の動作を図3を用いて説明する。
一対の超音波送受波器3a、3bにおける一方の複合圧電素子81a上に設けたれた電極に電圧信号が印加されると、電圧信号に基づいて、その複合圧電素子81aが伸縮し、複合圧電素子の超音波送受波面から超音波が放射される。この超音波6は、ダイアフラム12aに伝搬し、流体5に放射される。一方、流体5を伝搬してきた超音波6は、ダイアフラム12bを介して複合圧電素子81bへ伝搬して、その電極間に電圧信号を発生させる。
以上の動作を一対の超音波送受波器3a、3bによる送受波を交互にスイッチしながら繰り返して実行することにより、同じ経路にそって逆方向に伝搬した超音波6の伝搬時間の差が計測され、その計測値に基づいて流速を計算する。そして、測定された流速および配管の断面積から流量が求められる。
本発明の超音波送受波器は次のような特性を備えていることが好ましい。
1:測定する流体が外部に漏れないように内部に保持する。
2:ガイド管が内圧の変化や外部からの衝撃に安定である。
以上の観点から、本発明ではダイアフラムとガイド管、配管は金属材料から形成している。そして、ダイアフラムとガイド管は溶接により接合する。ガイド管と配管も溶接により接合する。さらに蛇腹状にガイド管は複数の部品を溶接により接合して作成する。
第2の実施の形態を図11の断面図で示す。
図11で示す超音波流量計1は、流体5の流方向と超音波6の送受信方向を一致させる構成であり、特徴は流体5の流方向と超音波6の伝搬方向が一致しているため超音波が流体6の流速に影響されることなく正確に送受信できることである。両側が開放された段差を持つステンレス製の配管2に2個孔を設け、流体5を導入する導入配管13と流体5を導出する導出配管14を溶接により接続する。そして開放されたステンレス製の配管2の両側にステンレス製のダイアフラム12a、12bに複合圧電素子81a、81bを接合した超音波送受波器3a、3bを接合する。第1の実施の形態と同様にステンレス製のダイアフラム12a、12bとステンレス製のガイド管11a、11b、ステンレス製の配管2とステンレス製のガイド管11a、11bを溶接で接合して気体が漏れないようにする。
測定流体は、配管の内部を点線で示す矢印方向に移動する。流体の流速は、Vで示される。流体は、例えば可燃性を有するガス(水素)である。超音波は、一対の超音波送受波器の間を伝搬する。
第1の実施の形態で用いた図2に示した超音波送受器を用いる。複合圧電振動子81a、81bをステンレス製のダイアフラム12a、12bに導電性接着剤を用いて接合する。そして複合圧電素子81a、81bを接合したダイアフラム12a、12b面を水冷しつつステンレスベローズ状のガイド管11a、11bをダイアフラム12a、12bに溶接する。本発明の最も特徴的な点の別の一つは、配管2内には、気体以外存在させないことである。このことにより、気体が可燃性の水素であっても安全である。また、従来のように強度が低い整合材料を配管内に使用していないので、測定対象の気体に不純物が混入しない。
測定流体5は、配管2の内部を点線で示す矢印方向に移動する。流体の流速は、Vで示される。流体は、例えば爆発性を有するガス(水素)である。超音波6は、一対の超音波送受波器3a、3bの間を伝搬する。流体の流れと超音波の送受方向が同じであるため、流速により超音波が流されても影響されない。
ここで直径40mm、2.0mm厚のステンレス製ダイアフラム12a、12bに直径20mm、厚さ3mmの複合圧電素子81a、81bを、エポキシ系接着剤を用いて接合した。
図4に複合圧電素子81の詳細を示す。直径20mm、厚さ3mmであり、個々の圧電素子8は2mm角で長さ3mmであり、圧電素子8と圧電素子8を接合しているエポキシ樹脂22の幅は1mmである。圧電素子8は、鉛系圧電セラミックであり、いわゆるLow Q材である。複合圧電素子81の両面にはスパッタにより銀電極を設け、さらに燐青銅板をエポキシ樹脂により接合する。そしてさらにスパッタにより銀電極を設ける。このようにすることで信頼性の高いハンダ接合によりリード線を接合できる。
ここで、水素の音速が、約1270m/s、ステンレスの音速が約5500m/sであるので、水素の流量を測定する距離を50mmとすると、ステンレスと水素の音速比が約4.3倍であるので、複合圧電素子を接合したダイアフラム面までのステンレスの最短距離が215mm以上であるが、気体の測定最大流速を約40m/sとし、水素の音速の温度変化、ステンレスの音速の温度変化などを考慮すると、さらに水素とステンレスの受波器に到達する伝搬時間に差を設ける必要がある。
このような構成の超音波流量計にすることで、一方の送受信器が発生した超音波が、水素を伝搬して他方の送受信器で受信した超音波振が、同じ一方の送受信器が発生した超音波が金属を伝搬して他方の送受信器で受信した超音波の到達時間より小さくできる。例えば水素を伝搬する約230KHzの超音波の10波長分金属を伝搬する超音波の到達時間を遅くしたいときは、水素を伝搬した超音波が到達した後、約44μs後にステンレスを伝搬した超音波が到達するようにする。またガイド管11a、11bと配管2の合計距離を(金属の音速/気体の音速)×(ダイアフラム間の距離)の2倍未満にすることである。この理由は前にも述べたが単位時間の測定回数を多くするためである。
第2の実施の形態の超音波流量計を用いて、一般的な測定回路について説明する。
測定シーケンスのある期間では、図示されている超音波送受波器3aが超音波送波器として働き、超音波送受波器3bが超音波受波器として働く。また他の期間では超音波送受波器3aが超音波受波器として働き、超音波送受波器3bが超音波送波器として働く。この切り替えは切替回路16によって行われる。
超音波送受波器3aおよび超音波送受波器3bは、切替回路16を介して、超音波送受波器3aおよび超音波送受波器3bを駆動する駆動回路17と、超音波パルスを検知する受波検知回路18とに接続されている。受波検知回路18の出力は、超音波パルスの伝搬時間を計測するタイマ19に送られる。
タイマ19の出力は、流量を演算する演算部20に送られる。演算部20では、測定された超音波パルスの伝播時間に基づいて、配管2の内部を流れる流体5の速度Vが計算され、流量が求められる。駆動回路17およびタイマ19は制御部21に接続され、制御部21から出力された制御信号によって制御される。
以下、この超音波流量計の動作をより詳細に説明する。
被測定流体として、水素ガスが配管の内部を流れる場合を考える。超音波送受波器3aおよび超音波送受波器3bの駆動周波数を約230KHzとする。制御部21は、駆動回路17に送波開始信号を出力すると同時に、タイマ19の時間計測を開始させる。
駆動回路17は送波開始信号を受けると、超音波送受波器3aを駆動し、超音波パルスを送波する。送波された超音波パルス、配管2、配管2の内部の水素を伝搬して、超音波送受波器3bで受波される。受波された超音波パルスは超音波送受波器3bで電気信号に変換され、受波検知回路18に出力される。
受波検知回路18では、受波信号の受波タイミングを決定し、タイマ19を停止させる。演算20部は、伝搬時間t1を演算する。
次に、切替回路16により駆動回路17および受波検知回路18に接続する超音波送受波器3aおよび超音波送受波器3bを切り替える。そして、再び、制御部21は駆動回路17に送波開始信号を出力すると同時に、タイマ19の時間計測を開始させる。
伝搬時間t1の測定と逆に、超音波送受波器3bで超音波パルスを送波し、超音波送受波器3aで受波し、演算部20で伝搬時間t2を演算する。
伝搬時間t1、t2は、それぞれ測定によって求められる。距離Lは既知であるので時間t1とt2を測定すれば流速Vから流量を決定することができる。
このような超音波流量計において、伝搬時間t1、t2は、ゼロクロス法と呼ばれる方法によって好適に測定される。
上記のように気体を伝搬する超音波が金属を伝搬する超音波より早く受信できることで、ノイズとなる金属を伝搬する超音波に影響されること無く、正確な流速を測定できる。
また、通常の圧電素子に比較して機械的損失の大きい圧電複合振動子を用いることで、信号波形の立ち上がりが良くなるため、測定分解能が向上するため、流量測定精度が向上する。
本発明は、可燃性ガスなどを測定する超音波流量計に用いることができる。
従来の超音波流量計を示す断面図である。 従来の他の超音波流量計を示す断面図である。 本発明による超音波流量計の第1の実施形態を示す断面図である。 複合圧電素子の形状を示す平面図である。 流体を伝搬した超音波と金属を伝搬した受信波を示す概略図である。 流体を伝搬した超音波と金属を伝搬した受信波を示す別の概略図である。 流体を伝搬した超音波と金属を伝搬した受信波を示すさらに別の概略図である。 本発明と比較のための超音波流量計の概略断面図である。 本発明においてガイド管を用いた超音波流量計の概略断面図である。 本発明において蛇腹構造の配管を用いた超音波流量計の概略断面図である。 本発明による超音波流量計の第2の実施形態を示す断面図である。
1 超音波流量計
2 配管
3 超音波送受波器
4 音響整合部
5 流体
6 超音波
7 取付け部
8 圧電素子
81 複合圧電素子
9 電極
10 超音波伝搬体
11 ガイド管
12 ダイアフラム
13 導入管
14 導出管
15 リード線
16 切替回路
17 駆動回路
18 受波検知回路
19 タイマ
20 演算部
21 制御部
22 エポキシ樹脂
23 駆動波形
24 気体を伝搬した検出波形
25 金属を伝搬した検出波形

Claims (6)

  1. 被測定流体を流す測定用配管の流れ方向の上流と下流側とに一対の超音波送受波器を配置して、前記超音波送受波器間の超音波の伝播所要時間から測定用配管の内部を流れる被測定流体の流量または流速を測定する超音波流量計において、前記被測定流体が金属のみと接触していること、かつ配管またはガイド管が蛇腹状であることを特徴とする。
  2. ダイアフラム間の金属の最短経路長さが(金属の音速/気体の音速)×(ダイアフラム間の距離)より大きく、(金属の音速/気体の音速)×(ダイアフラム間の距離)の2倍より小さいことを特徴とする請求項1に記載の超音波流量計。
  3. 金属ダイアフラムに接合する超音波振動子が圧電素子であることを特徴とする請求項1に記載の超音波流量計。
  4. 請求項3に記載の圧電素子が複合圧電素子であることを特徴とする。
  5. 前記被測定流体は気体である請求項1から4のいずれかに記載の超音波流量計。
  6. 前記気体は可燃性または爆発性を有している請求項5に記載の超音波流量計。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP5524378B1 (ja) * 2013-03-15 2014-06-18 株式会社又進 高温用超音波センサ

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