JP6393074B2 - 超音波吸収体の貼付方法及び超音波流量計 - Google Patents

超音波吸収体の貼付方法及び超音波流量計 Download PDF

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Description

本発明は、超音波吸収体の貼付方法及び超音波流量計に関する。
従来より、各種流体の流量を計測するための超音波流量計が提案され、実用化されている。現在においては、超音波振動子と斜角楔とによって構成した1対(乃至複数対)の超音波送受信器を流体の流れる配管の外壁に設置し、流体の流れ方向及び逆方向に超音波を伝搬させたときのそれぞれの伝搬時間を計測し、これら伝搬時間の差に基づいて流体の流量を算出する、いわゆる「伝搬時間差」方式の超音波流量計が提案されている。
このような「伝搬時間差」方式の超音波流量計においては、ノイズとなる配管伝搬波(超音波振動子から発せられた超音波のうち、配管の管壁で反射して配管を伝搬する伝搬波)を抑制するために、配管の周囲にダンピング材(超音波吸収材)を設置する必要がある。近年においては、円弧型のダンピング材を配管に取り付ける方法が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
米国特許第6626049号明細書 米国特許第7000485号明細書
ところで、気体計測用の超音波流量計においては、低圧の気体流量の計測が求められている。計測対象となる気体の圧力が低い場合には通過信号成分のエネルギーも小さくなるため、ダンピング材によるノイズ減衰効果が十分でないと、信号成分とノイズ成分が混ざり、流量を正確に計測することができなくなる。このようなノイズ減衰効果を得るためには、ダンピング材を配管に密着させる必要がある。
ここで、近年においては、取扱い易さや引張強度等を考慮して、特定の材料硬さ(例えば30 IRHD(デュロメータ計測値)以上の材料硬さ)を有するダンピング材を採用することが多い。このような特定の材料硬さを有するダンピング材100をシート状にして、図5(B)や図6(B)に示すように比較的小径の配管(例えば曲率半径が数mmから20mm程度の外形を有する配管)200や凹凸表面300を有する配管に貼り付けると、ダンピング材100と配管表面との間に間隙(空気層)Gが形成されて両者の密着が阻害され、十分なノイズ減衰効果が得られなくなるという問題があった。
本発明は、かかる状況に鑑みてなされたものであり、特定の材料硬さを有する超音波吸収体を、比較的小径の配管や凹凸表面を有する配管に貼り付ける方法を提供することを目的とする。
本発明に係る超音波吸収体の貼付方法は、内部を流体が流れる配管における上流側の外周に設けられ超音波の送信及び受信を行う第1超音波送受信部と、配管における下流側の外周に設けられ超音波の送信及び受信を行う第2超音波送受信部と、第1超音波送受信部から送信された超音波が第2超音波送受信部に受信されるまでの時間と第2超音波送受信部から送信された超音波が第1超音波送受信部に受信されるまでの時間とに基づいて流体の流量を算出する流量算出部と、配管の外周に設けられ超音波の配管伝搬波を吸収する超音波吸収体と、を備える超音波流量計の超音波吸収体の貼付方法であって、30 IRHD以上の材料硬さを有する材料で構成されるとともに複数片に分割された超音波吸収体を調製する調製工程と、複数片に分割された超音波吸収体を配管に貼り付ける貼付工程と、を含むものである。
また、本発明に係る超音波流量計は、内部を流体が流れる配管における上流側の外周に設けられ超音波の送信及び受信を行う第1超音波送受信部と、配管における下流側の外周に設けられ超音波の送信及び受信を行う第2超音波送受信部と、第1超音波送受信部から送信された超音波が第2超音波送受信部に受信されるまでの時間と第2超音波送受信部から送信された超音波が第1超音波送受信部に受信されるまでの時間とに基づいて流体の流量を算出する流量算出部と、配管の外周に設けられ超音波の配管伝搬波を吸収する超音波吸収体と、を備える超音波流量計であって、超音波吸収体は、30 IRHD以上の材料硬さを有する材料で構成されるとともに複数片に分割された状態で配管の外周に貼り付けられるものである。
かかる構成及び方法を採用すると、特定の材料硬さ(30 IRHD以上)を有する材料で構成した超音波吸収体を複数片に分割した状態で配管の外周に貼り付けるため、比較的小径の配管(例えば曲率半径が数mmから20mm程度の外形を有する配管)や凹凸表面を有する配管の表面に対しても、超音波吸収体を密着させることができる。従って、超音波吸収体と配管表面との間に間隙(空気層)が形成されるのを抑制することができるので、ノイズとなる配管伝搬波を十分に減衰させることができる。また、超音波吸収体を複数片に分割した状態で配管の外周に貼り付けているため、従来のように配管に巻き付けたシート状の超音波吸収体の端部が剥離することを懸念する必要がなくなる。なお、超音波吸収体の材料硬さが30 IRHD未満であると、粘性分が大きくなり貼り付けた後に自重により超音波吸収体の厚さが変わってしまったり、十分な引張強度が得られなくなったりする等、種々の問題が発生するため好ましくない。
本発明に係る超音波流量計において、配管伝搬波を減衰させるための主材料と、超音波吸収体の音響インピーダンスを配管の音響インピーダンスに近づけるための粒子材料と、を含む超音波吸収体を採用することが好ましい。主材料としては、ブチルゴム、シリコーン、アスファルト又は粘土を採用することができる。粒子材料としては、タングステン、フェライト又は硫酸バリウムを採用することができる。
かかる構成を採用すると、超音波吸収体が、配管伝搬波を減衰させるための主材料と、超音波吸収体の音響インピーダンスを配管の音響インピーダンスに近づけるための粒子材料と、を含むため、配管伝搬波を減衰させることができるだけでなく、超音波が超音波吸収体を透過し易くなり、結果的に、配管伝搬波を抑制することができる。
本発明によれば、特定の材料硬さを有する超音波吸収体を、比較的小径の配管や凹凸表面を有する配管に貼り付ける方法を提供することが可能となる。
本発明の実施形態に係る超音波流量計の概略構成を示す構成図である。 図1に示す超音波流量計の第1超音波送受信部の構成を説明する拡大断面図である。 図1に示す超音波流量計を用いて配管の内部を流れる気体の流量を算出する方法を説明するための説明図である。 図1に示す超音波流量計の第1超音波送受信部から送信された超音波が第2超音波送受信部に受信される様子を説明するための説明図である。 (A)は、複数片に分割した超音波吸収体を配管に貼り付けた状態を説明するための説明図であり、(B)は従来のシート状の超音波吸収体を配管に貼り付けた状態を説明するための説明図である。 (A)は、複数片に分割した超音波吸収体を凹凸表面を有する配管に貼り付けた状態を説明するための説明図であり、(B)は従来のシート状の超音波吸収体を凹凸表面を有する配管に貼り付けた状態を説明するための説明図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号で表している。なお、図面は実際の寸法を示すものではなく、具体的な寸法等は以下の説明を照らし合わせて判断するべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。なお、以下の説明において、図面の上側を「上」、下側を「下」、左側を「左」、右側を「右」という。
まず、図1〜図4を用いて、本発明の実施形態に係る超音波流量計1の構成について説明する。本実施形態に係る超音波流量計1は、図1に示すように、配管Aの内部を流れる気体(ガス)の流量を測定するためのものである。超音波流量計1の測定対象である気体は、図1において白抜き矢印で示す方向(図1における左から右の方向)に流れている。超音波流量計1は、第1超音波送受信部20Aと、第2超音波送受信部20Bと、本体部50と、超音波吸収体10と、を備える。
第1超音波送受信部20A及び第2超音波送受信部20Bは、それぞれ配管Aの外周に設けられる。図1に示す例では、第1超音波送受信部20Aが配管Aにおける上流側に、第2超音波送受信部20Bは配管Aにおける下流側に、それぞれ配置される。第1超音波送受信部20A及び第2超音波送受信部20Bは、それぞれ超音波の送信及び受信を行い、相互に超音波を送受信する。すなわち、第1超音波送受信部20Aが送信した超音波は、第2超音波送受信部20Bによって受信され、第2超音波送受信部20Bが送信した超音波は、第1超音波送受信部20Aによって受信される。
第1超音波送受信部20Aは、図2に示すように、くさび21と、圧電素子22と、を備える。
くさび21は、配管Aに対して所定の鋭角で超音波を入射させるためのものであり、樹脂製又は金属製の部材である。くさび21は、底面21aが配管Aの外周面に接触するように設置される。また、くさび21は、底面21aに対して所定の角度を有する斜面21bが形成されている。斜面21bには、圧電素子22が設置される。本実施形態では、底面21aが配管Aの外周面に接触する例を示したが、これに限定されない。底面21aと配管Aの外周面との間に接触媒質(カプラント)を介在させてもよい。
圧電素子22は、超音波を送信するとともに、超音波を受信するためのものである。圧電素子22には、リード線(図示省略)が電気的に接続されている。リード線を介して所定周波数の電気信号が印加されると、圧電素子22は、当該所定周波数で振動して超音波を発する。これにより、超音波が送信される。図2において破線の矢印で示すように、圧電素子22から送信された超音波は、斜面21bの角度でくさび21を伝搬する。くさび21を伝搬する超音波は、くさび21と配管Aの外壁との界面で屈折して入射角が変化し、配管Aの内壁と配管Aの内部を流れる気体との界面でさらに屈折して入射角が変化し、当該気体を伝搬する。界面における屈折は、スネルの法則に従うので、配管Aを伝搬するときの超音波の速度、気体を伝搬するときの超音波の速度に基づいて、斜面21bの角度をあらかじめ設定することにより、超音波を所望の入射角で気体に入射させ、伝搬させることができる。
一方、圧電素子22に超音波が到達すると、圧電素子22は、当該超音波の周波数で振動して電気信号を発生させる。これにより、超音波が受信される。圧電素子22に発生した電気信号は、リード線を介して後述する本体部50で検出される。
なお、第2超音波送受信部20Bは、第1超音波送受信部20Aと同様の構成を備える。すなわち、第2超音波送受信部20Bも、くさび21と、圧電素子22と、を備える。よって、前述した第1超音波送受信部20Aの説明をもって、第2超音波送受信部20Bの詳細な説明を省略する。
図1に示す本体部50は、超音波が配管Aの内部を流れる気体を伝搬する時間に基づいて当該気体の流量を測定するためのものである。本体部50は、切替部51と、送信回路部52と、受信回路部53と、計時部54と、演算制御部55と、入出力部56と、を備える。
切替部51は、超音波の送信及び受信を切り替えるためのものである。切替部51は、第1超音波送受信部20A及び第2超音波送受信部20Bに接続されている。切替部51は、例えば、切替スイッチ等を含んで構成することが可能である。演算切替部51は、演算制御部55から入力される制御信号に基づいて切替スイッチを切り替え、第1超音波送受信部20A及び第2超音波送受信部20Bのうちの一方を送信回路部52に接続させるとともに、第1超音波送受信部20A及び第2超音波送受信部20Bのうちの他方を受信回路部53と接続させる。これにより、第1超音波送受信部20A及び第2超音波送受信部20Bのうちの一方が超音波を送信し、第1超音波送受信部20A及び第2超音波送受信部20Bのうちの他方が当該超音波を受信することができる。
送信回路部52は、第1超音波送受信部20A及び第2超音波送受信部20Bに超音波を送信させるためのものである。送信回路部52は、例えば、所定周波数の矩形波を生成する発振回路、第1超音波送受信部20A及び第2超音波送受信部20Bを駆動する駆動回路等を含んで構成することが可能である。送信回路部52は、演算制御部55から入力される制御信号に基づいて、駆動回路が発振回路により生成された矩形波を駆動信号として第1超音波送受信部20A及び第2超音波送受信部20Bのうちの一方の圧電素子22に出力する。これにより、第1超音波送受信部20A及び第2超音波送受信部20Bの一方の圧電素子22が駆動され、当該圧電素子22が超音波を送信する。
受信回路部53は、第1超音波送受信部20A及び第2超音波送受信部20Bが受信した超音波を検出するためのものである。受信回路部53は、例えば、信号を所定の利得(ゲイン)で増幅する増幅回路、所定周波数の電気信号を取り出すためのフィルタ回路等を含んで構成することが可能である。受信回路部53は、演算制御部55から入力される制御信号に基づいて、第1超音波送受信部20A及び第2超音波送受信部20Bのうちの一方の圧電素子22から出力された電気信号を増幅し、フィルタリングして受信信号に変換する。受信回路部53は、変換した受信信号を演算制御部55に出力する。
計時部54は、所定の期間における時間を計測するためのものである。計時部54は、例えば、発振回路等で構成することが可能である。なお、発振回路は、送信回路部52と共有するようにしてもよい。計時部54は、演算制御部55から入力されるスタート信号及びストップ信号に基づいて、発振回路の基準波の数をカウントして時間を計測する。計時部54は、計測した時間を演算制御部55に出力する。
演算制御部55は、配管Aの内部を流れる気体の流量を演算により算出するためのものである。演算制御部55は、例えば、CPU、ROMやRAM等のメモリ、入出力インターフェース等で構成することが可能である。また、演算制御部55は、切替部51、送信回路部52、受信回路部53、計時部54、及び、入出力部56等の本体部50の各部を制御する。なお、演算制御部55が気体の流量を算出する方法については、後述する。
入出力部56は、ユーザ(利用者)が情報を入力し、かつ、ユーザに対して情報を出力するためのものである。入出力部56は、例えば、操作ボタン等の入力手段、表示ディスプレイ等の出力手段等で構成することが可能である。ユーザが操作ボタン等を操作することにより、設定等の各種の情報が入出力部56を介して演算制御部55に入力される。また、入出力部56は、演算制御部55により算出された気体の流量、気体の速度、所定期間における積算流量等の情報を、表示ディスプレイ等に表示して出力する。
ここで、図3を用いて、配管Aの内部を流れる気体の流量の算出方法について説明する。図3に示すように、配管Aの内部を所定の方向(図3において左側から右側への方向)に流れる気体の速度(以下、流速という)をV[m/s]、当該気体中を超音波が伝搬するときの速度(以下、音速という)をC[m/s]とし、当該気体を伝搬する超音波の伝搬経路長をL[m]とし、配管Aの管軸と超音波の伝搬経路とのなす角度をθとする。ここで、配管Aの上流側(図3において左側)に設置された第1超音波送受信部20Aが超音波を送信し、配管Aの下流側(図3において右側)に設置された第2超音波送受信部20Bが当該超音波を受信するときに、当該超音波が配管Aの内部の気体を伝搬する伝搬時間t12は、以下の式(1)で表される。
12=L/(C+Vcosθ) …(1)
一方、配管Aの下流側に設置された第2超音波送受信部20Bが超音波を送信し、配管Aの上流側に設置された第1超音波送受信部20Aが当該超音波を受信するときに、当該超音波が配管Aの内部の気体を伝搬する伝搬時間t21は、以下の式(2)で表される。
21=L/(C−Vcosθ) …(2)
式(1)及び式(2)から、気体の流速Vは、以下の式(3)で表される。
V=(L/2cosθ)・{(1/t12)−(1/t21)} …(3)
式(3)において、伝搬経路長L及び角度θは、流量の測定前に既知の値であるから、流速Vは、伝搬時間t12及び伝搬時間t21を計測することで、式(3)から算出することができる。
そして、配管Aの内部を流れる気体の流量Q[m3/s]は、流速V[m/s]と、補数係数K及び配管Aの断面積S[m3/s]と、を用いて以下の式(4)で表される。
Q=KVS …(4)
従って、演算制御部55は、伝搬経路長L、角度θ、補数係数K及び配管Aの断面積Sをあらかじめメモリ等に記憶しておく。そして、演算制御部55は、受信回路部53から入力される受信信号に基づいて、計時部54により伝搬時間t12及び伝搬時間t21を計測することで、式(3)及び式(4)から、配管Aの内部を流れる気体の流量Qを算出することができる。すなわち、演算制御部55は、本発明における流量算出部として機能するものである。
本実施計形態では、図3と式(1)〜(4)とを用いて、伝搬時間逆数差法により気体の流量を算出する例を示したが、これに限定されない。演算制御部55は、他の方法、例えば、周知の伝搬時間差法により気体の流量を算出するようにしてもよい。
なお、図1では、第1超音波送受信部20A及び第2超音波送受信部20Bが互いに対向するように、図1において配管Aの上側に第1超音波送受信部20Aを配置し、配管Aの下側に第2超音波送受信部20Bを配置する例を示したが、これに限定されない。第1超音波送受信部20A及び第2超音波送受信部20Bは、配管Aの上流側と下流側との外周に設けられていればよい。
また、本実施計形態では、第1超音波送受信部20A及び第2超音波送受信部20Aの一方が送信した超音波が、配管Aの内部の気体を伝搬し、第1超音波送受信部20A及び第2超音波送受信部20Aの他方で直接受信する例を示したが、これに限定されない。配管Aの内部の気体を伝搬する超音波は、配管Aの内壁において反射し得る。よって、第1超音波送受信部20A及び第2超音波送受信部20Aの他方は、配管Aの内壁で2n回(nは正の整数)反射した超音波を受信してもよい。
一般に、超音波は、20kHz以上の周波数帯の音波を意味する。よって、第1超音波送受信部20A及び第2超音波送受信部20Bが送信する超音波は、20kHz以上の周波数帯の音波である。好ましくは、第1超音波送受信部20A及び第2超音波送受信部20Bが送信する超音波は、100kHz以上であって2.0MHz以下の周波数帯の超音波である。より好ましくは、第1超音波送受信部20A及び第2超音波送受信部20Bが送信する超音波は、0.5MHz以上であって1.0MHz以下の周波数帯の超音波である。なお、いずれの場合であっても、第1超音波送受信部20Aが送信する超音波と第2超音波送受信部20Bが送信する超音波とは、同一周波数であってもよいし、異なる周波数であってもよい。
図4は、第1超音波送受信部20Aから送信された超音波が第2超音波送受信部20Bに受信される様子を説明するための断面図である。図4に示すように、例えば、第1超音波送受信部20Aから送信された超音波は、配管Aを通過(透過)して配管Aの内部の気体を伝搬する気体伝搬波W1と、配管Aの管壁で反射して配管Aを伝搬する配管伝搬波W2と、に分けられる。気体伝搬波W1は、再び配管Aを通過して第2超音波送受信部20Bに到達する。一方、配管伝搬波W2も、配管Aの内壁及び外壁を複数回反射しながら第2超音波送受信部20Bに到達し得る。図示及びその詳細な説明を省略するが、第1超音波送受信部20Aから送信された超音波と同様に、第2超音波送受信部20Aから送信された超音波も、気体伝搬波W1と配管伝搬波W2とに分けられ、気体伝搬波W1は配管Aを通過して第1超音波送受信部20Aに到達するとともに、配管伝搬波W2も配管Aの内壁及び外壁を複数回反射しながら第1超音波送受信部20Aに到達し得る。
一般に、一方の媒質を伝搬する音波が、他方の媒質との界面で透過(通過)するか、反射するかは、一方の媒質と他方の媒質との音響インピーダンスの差によって決まる。すなわち、音響インピーダンスの差が小さいほど、一方の配質を伝搬する音波は他方の媒質に透過し、音響インピーダンスの差が大きいほど、一方の配質を伝搬する音波は他方の媒質との界面で反射する傾向がある。
配管Aの内部を流れる流体が、例えば液体である場合、液体の音響インピーダンスと、配管の材料、例えば、ステンレス(SUS)等の金属や合成樹脂等の高分子化合物の音響インピーダンスと、の差が相対的に小さいので、超音波は、配管Aを透過(通過)して内部を流れる液体を伝搬する割合(透過率)が多く(大きく)、つまり、配管Aの管壁で反射する割合(反射率)が少なく(小さく)、配管伝搬波W2のエネルギー(大きさ、又は強度)は小さい。これに対し、気体の音響インピーダンスは、液体の音響インピーダンスと比較して小さい。そのため、配管Aの内部を流れる流体が気体である場合、気体の音響インピーダンスと、配管Aの音響インピーダンスと、の差が相対的に大きくなるので、超音波は、配管Aを透過(通過)して内部を流れる液体を伝搬する割合(透過率)が少なく(小さく)、つまり、配管Aの管壁で反射する割合(反射率)が多く(大きく)、配管伝搬波W2のエネルギー(大きさ、又は強度)は大きい。
ここで、超音波の気体伝搬波W1を受信して伝搬時間を計測し、当該伝搬時間に基づいて流量を測定する超音波流量計において、気体伝搬波W1は検出すべき信号(信号成分)であり、配管伝搬波W2は信号に対するノイズ(ノイズ成分)である。本実施形態においては、このようなノイズ成分としての配管伝搬波W2を抑制するために、図1〜図4に示すように配管Aの外周面に超音波吸収体10を設けている。
超音波吸収体10は、配管Aの外周面において、少なくとも第1超音波送受信部20Aと第2超音波送受信部20Bとの間の領域を覆うように配置され、配管Aの外周面に密着して固定される。本実施形態においては、超音波吸収体10を、30 IRHD(デュロメータ計測値)以上の材料硬さを有する材料で構成するとともに、図4に示すように複数の小片10Aに分割した状態で配管Aの外周面に貼り付けている。なお、第1超音波送受信部20A及び第2超音波送受信部20Bが配管Aの外周面に直接接触するように、超音波吸収体10のうちの第1超音波送受信部20A及び第2超音波送受信部20Bが配置される部分には、図4に示すように超音波吸収体10(小片10A)を貼り付けないようにする。
超音波吸収体10は、ノイズ成分(配管伝搬波W2)を減衰させるための主材料と、超音波吸収体10の音響インピーダンスを配管Aの音響インピーダンスに近づけたり超音波の周波数帯の振動を吸収する能力(吸収性能)を向上させたりするための粒子材料と、を含んでいる。主材料としては、ブチルゴム、シリコーン、アスファルト、粘土等を採用することができる。主材料と混合される粒子材料としては、例えば、タングステン等の金属の粒子、フェライト等の有機化合物の粒子、硫酸バリウム等の無機化合物の粒子等を採用することができる。
次に、図5及び図6を用いて、本発明の実施形態に係る超音波吸収体10の貼付方法について説明する。
まず、30 IRHD以上の材料硬さを有する材料で構成されるとともに複数の小片10Aに分割された超音波吸収体10を調製する(調製工程)。小片10Aの幅や厚さは、貼り付ける配管の外形や凹凸の寸法に応じて適宜設定することができる。例えば、曲率半径が約17mmの外形を有する比較的小径の配管に貼り付ける場合には、小片10Aの幅を10.0mm程度に設定し、厚さを1.0mm程度に設定することができる。また、小片10Aの長さは、第1超音波送受信部20Aと第2超音波送受信部20Bとの間の領域を覆うことができるような長さに設定する。
次いで、複数の小片10Aに分割された超音波吸収体10を配管に貼り付ける(貼付工程)。図5(A)は、比較的小径の配管(例えば曲率半径が数mmから20mm程度の外形を有する配管)200に、複数の小片10Aに分割された超音波吸収体10を貼り付けた状態を示すものである。従来のシート状の超音波吸収体100を配管200に巻き付けると、図5(B)に示すように超音波吸収体100と配管表面との間に間隙(空気層)Gが形成されていたが、本実施形態の貼付方法を採用すると、超音波吸収体10と配管表面との間に間隙Gが形成されなくなり、両者を密着させることができる。
図6(A)は、塗膜の除去等に起因した凹凸表面300を有する配管に、複数の小片10Aに分割された超音波吸収体10を貼り付けた状態を示すものである。従来のシート状の超音波吸収体100を、凹凸表面300を有する配管に貼り付けると、図6(B)に示すように超音波吸収体100と配管表面との間に間隙(空気層)Gが形成されていたが、本実施形態の貼付方法を採用すると、超音波吸収体10と配管表面との間に間隙Gが形成されなくなり、両者を密着させることができる。なお、貼り付けた小片10A間にさらに間隙が形成されるような場合には、その間隙を埋めるような小片を調製し、その小片を間隙に埋めるようにする。
以上説明した実施形態に係る超音波流量計1においては、特定の材料硬さ(30 IRHD以上)を有する材料で構成した超音波吸収体10を複数の小片10Aに分割した状態で配管の外周に貼り付けるため、比較的小径の配管(例えば曲率半径が数mmから20mm程度の外形を有する配管)200や凹凸表面300を有する配管の表面に対しても、超音波吸収体10を密着させることができる。従って、超音波吸収体10と配管表面との間に間隙(空気層)Gが形成されるのを抑制することができるので、ノイズとなる配管伝搬波W2を十分に減衰させることができる。また、超音波吸収体10を複数の小片10Aに分割した状態で配管の外周に貼り付けているため、図5(B)に示すように配管200に巻き付けたシート状の超音波吸収体100の端部101が剥離することを懸念する必要がなくなる。
また、以上説明した実施形態に係る超音波流量計1においては、超音波吸収体10が、配管伝搬波W2を減衰させるための主材料と、超音波吸収体10の音響インピーダンスを配管Aの音響インピーダンスに近づけたり超音波の周波数帯の振動を吸収する能力(吸収性能)を向上させたりするための粒子材料と、を含むため、配管伝搬波W2を減衰させることができるだけでなく、超音波が超音波吸収体10を透過し易くなり、結果的に、配管伝搬波W2を抑制することができる。
なお、以上の実施形態においては、複数の小片10Aに分割した超音波吸収体10を配管の外周に単層で貼り付けた例を示したが、単層間に間隙が形成されたり薄い層が形成されたりした場合には、その間隙や薄い層を埋めるように複数層の小片化した超音波吸収体10を貼り付けることもできる。これにより、超音波吸収体10の層を厚くし、ダンピング性能を引き上げることが可能となる。
本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、この実施形態に当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。すなわち、上記実施形態が備える各要素及びその配置、材料、条件、形状、サイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、上記実施形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
1…超音波流量計
10…超音波吸収体
10A…小片
20A…第1超音波送受信部
20B…第2超音波送受信部
55…演算制御部(流量算出部)
A…配管
2…配管伝搬波

Claims (2)

  1. 内部を流体が流れる配管における上流側の外周に設けられ超音波の送信及び受信を行う第1超音波送受信部と、前記配管における下流側の外周に設けられ超音波の送信及び受信を行う第2超音波送受信部と、前記第1超音波送受信部から送信された前記超音波が前記第2超音波送受信部に受信されるまでの時間と前記第2超音波送受信部から送信された前記超音波が前記第1超音波送受信部に受信されるまでの時間とに基づいて前記流体の流量を算出する流量算出部と、前記配管の外周に設けられ前記超音波の配管伝搬波を吸収する超音波吸収体と、を備える超音波流量計の超音波吸収体の貼付方法であって、
    30 IRHD以上の材料硬さを有する材料で構成されるとともに複数片に分割された超音波吸収体を調製する調製工程と、
    前記複数片に分割された前記超音波吸収体を、前記第1超音波送受信部と前記第2超音波送受信部との間の領域を覆うように前記配管の外周面密着させて貼り付ける貼付工程と、を含む、超音波吸収体の貼付方法。
  2. 内部を流体が流れる配管における上流側の外周に設けられ超音波の送信及び受信を行う第1超音波送受信部と、前記配管における下流側の外周に設けられ超音波の送信及び受信を行う第2超音波送受信部と、前記第1超音波送受信部から送信された前記超音波が前記第2超音波送受信部に受信されるまでの時間と前記第2超音波送受信部から送信された前記超音波が前記第1超音波送受信部に受信されるまでの時間とに基づいて前記流体の流量を算出する流量算出部と、前記配管の外周に設けられ前記超音波の配管伝搬波を吸収する超音波吸収体と、を備える超音波流量計であって、
    前記超音波吸収体は、30 IRHD以上の材料硬さを有する材料で構成されるとともに複数片に分割された状態で前記第1超音波送受信部と前記第2超音波送受信部との間の領域を覆うように前記配管の外周密着させて貼り付けられる、超音波流量計。
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