JPH09230873A - 制振構造体及び制振用ゴム組成物 - Google Patents

制振構造体及び制振用ゴム組成物

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JPH09230873A
JPH09230873A JP8058484A JP5848496A JPH09230873A JP H09230873 A JPH09230873 A JP H09230873A JP 8058484 A JP8058484 A JP 8058484A JP 5848496 A JP5848496 A JP 5848496A JP H09230873 A JPH09230873 A JP H09230873A
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JP
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vibration
damping
rubber
weight
parts
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JP8058484A
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Yoshiaki Miki
良明 三木
Takamitsu Mikuni
隆光 三国
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Zeon Kasei Co Ltd
Original Assignee
Zeon Kasei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】保存中にブロッキングを生ずるおそれがなく、
巻きつけ作業が容易であり、巻きつけたのちの反発力が
小さく、耐熱性に優れ、高温下でも伸びあるいは落下す
ることがない制振構造体及び該構造体に好適に用いられ
る制振用ゴム組成物を提供する。 【解決手段】自己粘着性を有する制振ゴムシートと、該
制振ゴムシート表層部に貼り合わされたプラスチックフ
イルムとからなり、前記表層部側に複数条の溝を形成し
てなることを特徴とする制振構造体、並びに、ブチルゴ
ム100重量部に対して、100℃におけるムーニー粘
度が20〜50のジエン系ゴム40〜150重量部、2
0℃における粘度が103〜107cpsのポリブテン10
〜100重量部、加硫剤1〜5重量部及び無機充填剤5
00〜900重量部を添加してなるものであることを特
徴とする制振用ゴム組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制振構造体及び制
振用ゴム組成物に関する。さらに詳しくは、本発明は、
振動機器、例えば、ルームエアコン、カーエアコン、冷
蔵庫などのコンプレッサー及びそれらのキャピラリー配
管に巻いて使用するのに適した制振構造体及び該構造体
に好適に用いられる制振用ゴム組成物に関する。
【0002】騒音と振動の防止技術として、粘弾性高分
子材料によるエネルギー吸収を利用した制振材料が応用
されている。ルームエアコン、カーエアコン、冷蔵庫な
どの騒音対策としては、一般にブチルゴムを主成分とす
るシート状の粘着性制振材料を、粘着性を利用してコン
プレッサー用キャピラリー配管などに巻きつけて使用す
ることが多い。騒音防止効率を高めるために、ブチルゴ
ムなどに比重の大きい無機充填剤を多量に添加して比重
を高め、多量のタッキファイヤーを添加して自己粘着性
を付与した制振ゴムシートが利用されている。また、近
年では、自己粘着性の制振ゴムシートの表面に、ブロッ
キング防止を目的としたフイルムやネットを貼り合わせ
た制振ゴムシートや、ブロッキング防止塗料を塗布した
制振ゴムシートなどが利用されている。自己粘着性の制
振ゴムシートの表面にフイルムやネットを貼り合わせる
と、2層構造となるためにシートを折り曲げたときの反
発力が強く、巻きつけたのち長時間使用しているうちに
剥離することが多い。また、エアコンのキャピラリー配
管は使用時には高温になるので、粘着性を確保するため
に多量にタッキファイヤーを添加したゴムシートは加熱
されて軟化し、無機充填剤の添加による自重にも耐えら
れなくなって、伸びあるいは落下するなどのトラブルが
多い。自己粘着性に制振ゴムシートの折り曲げたときの
反発力を減少し、耐熱性を改良するために、制振ゴムシ
ートと感圧接着剤つき不織布を貼り合わせてなるエアコ
ンのキャピラリー用防振ゴムシートが提案されている
(特開平7−120106号公報)。しかし、制振ゴム
シートに不織布を貼り合わせると、厚みが増し、巻きつ
け作業性が悪くなり、長時間、特に高温で長時間が経過
すると剥離を生じやすい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、保存中にブ
ロッキングを生ずるおそれがなく、巻きつけ作業が容易
であり、巻きつけたのちの反発力が小さく、耐熱性に優
れ、高温下でも伸びあるいは落下することがない制振構
造体及び該構造体に好適に用いられる制振用ゴム組成物
を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、自己粘着性の制
振ゴムシートの表層部に複数条の溝を設け、プラスチッ
クフイルムを溝内に嵌装して該表層部に貼り合わせるこ
とにより巻きつけ性が良好となり、さらに、ムーニー粘
度の低いジエン系ゴムを添加し、加硫剤を添加して巻き
つけ後に加硫せしめることにより、優れた耐熱性を付与
し得ることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完
成するに至った。すなわち、本発明は、(1)自己粘着
性を有する制振ゴムシートと、該制振ゴムシート表層部
に貼り合わされたプラスチックフイルムとからなり、前
記表層部側に複数条の溝を形成してなることを特徴とす
る制振構造体、及び、(2)ブチルゴム100重量部に
対して、100℃におけるムーニー粘度が20〜50の
ジエン系ゴム40〜150重量部、20℃における粘度
が103〜107cpsのポリブテン10〜100重量部、
加硫剤1〜5重量部及び無機充填剤500〜900重量
部を添加してなるものであることを特徴とする制振用ゴ
ム組成物、を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の制振構造体は、ルームエ
アコン、カーエアコン、冷蔵庫などの、本体及びキャピ
ラリー配管を被覆して、その振動及び騒音を防止するた
めに使用することができる。本発明の制振構造体は、特
にキャピラリー配管の被覆に好適に使用することができ
る。ルームエアコン、カーエアコン、冷蔵庫などの機器
のキャピラリー配管の直径は、通常5〜10mm程度であ
ることが多く、このような細い配管に制振構造体を巻き
つける作業は煩雑であり、また、一旦巻きつけた制振構
造体が、制振ゴムシートの反発力によってキャピラリー
配管から外れる口開き現象が生ずる場合が多い。特に、
機器の使用中にはキャピラリー配管の温度は130℃に
も達する場合があるので、制振ゴムシートのキャピラリ
ー配管と接する部分の軟化と粘着力の低下により、口開
きのみならず、伸びや落下を生ずることすら稀ではな
い。本発明の制振構造体は、自己粘着性を有する制振ゴ
ムシートの表層部に複数条の溝を設け、プラスチックフ
イルムをその溝内に嵌装して該表層部に貼り合わせたも
のである。図1は、本発明の制振構造体の部分断面図で
ある。制振ゴムシート1の表層部に、溝2が設けられ、
プラスチックフイルム3が溝内に嵌装されて貼り合わせ
られる。本発明に使用する制振ゴムシートの厚みは、1
〜10mmであることが好ましく、3〜10mmであること
がより好ましい。制振ゴムシートの厚みが1mm未満であ
ると、表層部に溝を設ける加工が困難となり、強度も劣
ることとなる。制振ゴムシートの厚みが10mmを超える
と、制振構造体の作業取扱性が低下するおそれがある。
【0006】本発明において、制振ゴムシートの表層部
に設ける溝の深さは、制振ゴムシートの厚みの10〜4
5%とすることが好ましい。溝の深さが制振ゴムシート
の厚みの10%未満であると、本発明の効果が顕著に発
現しないおそれがある。溝の深さが制振ゴムシートの厚
みの45%を超えると、制振構造体の強度が低下するお
それがある。溝の形状には特に制限はないが、断面がU
字状の溝とすることにより、巻きつける際に制振構造体
にクラックが発生することを防止することができる。本
発明に使用するプラスチックフイルムには特に制限はな
く、例えば、高密度ポリエチレンフイルム、低密度ポリ
エチレンフイルム、線状低密度ポリエチレンフイルム、
ポリプロピレンフイルム、ポリエチレンテレフタレート
フイルム、ポリ塩化ビニルフイルム、ポリ塩化ビニリデ
ンフイルムなどを使用することができる。使用するフイ
ルムの厚みは、5〜40μmであることが好ましい。フ
イルムの厚みが5μm未満であると、制振ゴムシートの
表層部に設けた溝への嵌装が困難となり、嵌装時に破損
するおそれがある。フイルムの厚みが40μmを超える
と、制振構造体を巻きつける際の反発力が強くなるおそ
れがある。フイルムは、制振ゴムシートに対して適度な
粘着性と適度な剥離性を有するので、制振ゴムシートの
表層部に設けた溝内にフイルムを嵌装して貼り合わせた
本発明の制振構造体を積み重ねて保存しても、制振構造
体がブロッキングを起こすことがなく、フイルムが溝を
設けた表層部に貼り合わせられた状態で、制振構造体を
1枚ずつ取り出すことができる。
【0007】本発明の制振構造体は、溝がキャピラリー
配管の軸と平行になるように巻きつける。図2は、本発
明の制振構造体をキャピラリー配管に巻きつけた状態を
示す断面図である。キャピラリー配管4に、適当な幅と
長さに切断した本発明の制振構造体5を、溝がキャピラ
リー配管の軸と平行になるように巻きつけると、溝2が
開いて制振構造体の反発力が緩和され、制振構造体は合
わせ目6で接して筒状となり、キャピラリー配管を被覆
する。また、溝が開くことにより、キャピラリー配管へ
の巻きつけ作業が容易となる。本発明の制振構造体は、
付着性と耐熱性に優れるので、キャピラリー配管の表面
の温度が130℃のような高温に達しても、口開きや、
伸びや、落下のような現象を生ずることがない。図3
は、従来の制振構造体をキャピラリー配管に巻きつけた
状態を示す断面図である。従来の制振構造体5は表層部
に溝がなく、特定組成によるゴムシートでないので、図
3(a)に示すようにキャピラリー配管4に巻きつけたと
き、制振ゴムシート及び表面のフイルムの変形による強
い反発力を受け、常温においても合わせ目6から離れて
図3(b)に示す口開きの状態になりやすく、さらにキャ
ピラリー配管が高温となったときは、伸びを生じたり、
全体がキャピラリー配管から外れて落下する場合があ
る。このため、従来の制振構造体は、キャピラリー配管
へ巻きつけたのち、さらに口開きや落下を防止するため
の工事を行う必要があった。本発明の制振構造体は自己
の粘着力でキャピラリー配管に付着し、高温になって口
開きや落下を生ずることがないので、簡便にキャピラリ
ー配管へ施工することができる。
【0008】本発明の制振用ゴム組成物は、ブチルゴム
100重量部に対して、100℃におけるムーニー粘度
が20〜50のジエン系ゴムを40〜150重量部と、
20℃における粘度が103〜107cpsのポリブテン1
0〜100重量部、加硫剤1〜5重量部及び無機充填剤
500〜900重量部を添加してなるものである。本発
明に使用するブチルゴムには特に制限はないが、通常の
ブチルゴムが好適である。ブチルゴムは、主鎖がメチル
基によって囲まれているため主鎖の回転が困難であり、
内部摩擦が大きく制振材料として優れている。ブチルゴ
ムは、それ自体が粘着性を有するので、ジエン系ゴムや
ポリブテンを添加してさらに粘着性を強めることによ
り、キャピラリー配管などに強く付着する制振用ゴム組
成物とすることができる。ブチルゴムは、イソブチレン
のカチオン重合によって得ることができる。本発明に使
用するブチルゴムは、不飽和度0.5〜2.5モル%であ
り、100℃におけるムーニー粘度が35〜70である
ことが好ましい。
【0009】本発明に使用するジエン系ゴムには特に制
限はなく、例えば、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジ
エンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロ
プレンゴム、イソプレンゴム、エチレン−プロピレン−
ジエンゴムなどの合成ゴムのほか、天然ゴムなども使用
することができる。本発明に使用するジエン系ゴムは、
100℃におけるムーニー粘度が20〜50である。こ
のように低粘度のジエン系ゴムを添加することにより、
制振用ゴム組成物の硬度が低くなって良好な柔軟性が発
現し、キャピラリー配管などへの巻きつけ作業が容易と
なる。100℃におけるムーニー粘度が20未満のジエ
ン系ゴムは製造が容易でないばかりでなく、このように
極端な低粘度のジエン系ゴムを添加すると、制振構造体
の耐熱性が低下する。ジエン系ゴムの100℃における
ムーニー粘度が50を超えると、制振構造体の巻きつけ
作業性が低下するおそれがある。本発明においては、ブ
チルゴム100重量部に対して、ジエン系ゴム40〜1
50重量部を添加する。ジエン系ゴムの添加量がブチル
ゴム100重量部当たり40重量部未満であると、加硫
の効果が十分に現れず、耐熱性が不足するおそれがあ
る。ジエン系ゴムの添加量がブチルゴム100重量部当
たり150重量部を超えると、耐熱性が不足するおそれ
がある。本発明に使用するポリブテンは、20℃におけ
る粘度が103〜107cpsであることが好ましい。ポリ
ブテンの添加により制振用ゴム組成物の粘着性を増し
て、付着性を向上することができる。ポリブテンの20
℃における粘度が103cps未満であると、制振構造体の
耐熱性が不足するおそれがある。ポリブテンの20℃に
おける粘度が107cpsを超えると、制振構造体の巻きつ
け作業性が低下するおそれがある。本発明においては、
ブチルゴム100重量部当たりポリブテン10〜100
重量部を添加する。ポリブテンの添加量がブチルゴム1
00重量部当たり10重量部未満であると、制振構造体
の付着性が不足するおそれがある。ポリブテンの添加量
がブチルゴム100重量部当たり100重量部を超える
と、制振構造体の耐熱性が不足するおそれがある。
【0010】本発明の制振用ゴム組成物は、加硫剤を添
加する。加硫剤は、添加されたジエン系ゴムを加硫し
て、制振用ゴム組成物に耐熱性を付与し、高温のキャピ
ラリー配管などへの長時間の巻きつけを可能とする。ジ
エン系ゴムは、ブチルゴム100重量部当たり40〜1
50重量部添加されるので、加硫剤は、ブチルゴム10
0重量部当たり1〜5重量部を添加する。使用する加硫
剤に特に制限はないが、制振構造体が銅製などのキャピ
ラリー配管などに使用されること及び加硫効果を考慮す
ると、加硫剤として一般的に使用される硫黄よりも、有
機過酸化物系の加硫剤を使用することが好ましい。この
ような有機過酸化物系加硫剤としては、例えば、ケトン
パーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオ
キサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオ
キサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネ
ートなどを挙げることができる。加硫剤の添加量がブチ
ルゴム100重量部当たり1重量部未満であると、加硫
が十分に行われず、耐熱性が不足するおそれがある。加
硫剤の添加量がブチルゴム100重量部当たり5重量部
を超えると、ブチルゴムの分子量が低下し、制振性に劣
るおそれがある。本発明の制振構造体は、常温でも作業
性を損なわない硬さを有し、高温では制振ゴムシートは
軟化するが、前記加硫剤により短時間で加硫が始まるの
で、制振ゴムシートの軟化は抑えられる。
【0011】本発明においては、制振用ゴム組成物に無
機充填剤を添加して高比重とする。本発明の制振用ゴム
組成物は、比重を1.8〜3.0とすることが好ましい。
高比重とすることによって、キャピラリー配管振動時の
共振周波数を低周波数側に移動させることができ、さら
に、共振周波数を移動させることによって、騒音低減を
図ることができる。使用する無機充填剤には特に制限は
なく、例えば、炭酸カルシウム、酸化鉄、硫酸バリウ
ム、水酸化アルミニウム、マイカなどを挙げることがで
きる。無機充填剤の添加量は、ブチルゴム100重量部
当たり500〜900重量部である。無機充填剤の添加
量がブチルゴム100重量部当たり500重量部未満で
あると、制振構造体の制振性が十分向上しないおそれが
ある。無機充填剤の添加量がブチルゴム100重量部当
たり900重量部を超えると、制振構造体の柔軟性が低
下するおそれがある。無機充填剤は、高比重の製品をつ
くって制振性を向上させるため、できるだけ高比重の無
機充填剤を使用して、添加量を少なくすることが、制振
構造体の柔軟性を高める上で好ましい。また、巻きつけ
の際のクラック発生の防止など、物性面でも無機充填剤
の少ないものの方が一般的に有利である。本発明の制振
用ゴム組成物は、ムーニー粘度の低いジエン系ゴムを添
加して、作業取扱性を容易にするとともに、ブチルゴム
以外のジエン系ゴムを加えて加硫剤で加硫することによ
って耐熱性を向上したものである。本発明の制振構造体
は、制振ゴムシートの表面層に溝を設け、溝内にオレフ
ィン系などの粘着保護フイルムを嵌装することによっ
て、巻きつけの際にフイルムが伸ばされたときに反発力
が働き難くなる。また、制振ゴムシート表面に溝を設け
ることによって、見掛けの厚み及び重量を下げる効果が
あり、また巻きつけ作業も容易となる。従来の制振材料
は、損失係数によってその性能が表されるが、本発明の
制振構造体は、コンプレッサーなどのキャピラリー配管
などに巻いて使用することから、損失係数により制振性
能を表すのではなく、共振周波数を低周波数側に移動さ
せることによって配管などの振動を抑制し、騒音の音質
を変え、騒音を下げる効果を有するものである。
【0012】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。 実施例1 加圧ニーダーを用いてブチルゴム[エクソンブチル26
8、エクソン化学製]100重量部に、スチレン−ブタ
ジエンゴム[SBR Nipol 1507、100℃に
おけるムーニー粘度35、結合スチレン23.5重量
%、日本ゼオン(株)製]100重量部及びポリブテン
[HU−1900、20℃における粘度9×105cps、
日本石油化学(株)製]75重量部を混練し、さらに酸化
鉄700重量部を加えて混合し、最後にパーオキシケタ
ール[パーヘキサ3M、日本油脂(株)製]2.5重量部
を添加して均一に混合した。この混合物を押出機で押し
出して、厚さ7mmの制振ゴムシートとし、その表層部に
厚さ20μmのポリエチレンフイルムをラミネートする
のと同時に深さ3mmのV字型の溝を4mm間隔に設け、ポ
リエチレンフイルムを溝内に嵌装して制振構造体を得
た。シート硬度(JIS K 2207、針入度、23℃
で測定)は、58であった。直径6.35mm、長さ1,0
00mmの銅製のキャピラリー配管に、溝が配管長手方向
になるように20×1,000mmに切断した上記の制振
構造体を図2に示すように一周して巻きつけた試料を3
本作製した。送風式恒温器の中に垂直に立てて、23℃
(室温)×4時間、100℃×168時間及び140℃
×168時間保持した。試験終了後の3本の試料には、
いずれにも、口開き、伸び、落下は認められなかった。 実施例2 ジエン系ゴムとして、スチレン−ブタジエンゴムの代わ
りに、ブタジエンゴム[Nipol BR1220、1
00℃におけるムーニー粘度43、日本ゼオン(株)製]
を用いた以外は、実施例1と同じ操作を繰り返した。シ
ート硬度は、51であった。また、23℃×4時間、1
00℃×168時間及び140℃×168時間保持して
試験した3本の試料には、いずれにも、口開き、伸び、
落下は認められなかった。 実施例3〜10 第1表に示す組成にしたがって、実施例1と同様にして
制振構造体を作製し、シート硬度を測定した。また、実
施例1と同様にして、制振構造体を銅製のキャピラリー
配管に巻きつけた試料を3本ずつ作製し、23℃×4時
間、100℃×168時間及び140℃×168時間の
巻きつけ試験を行った。結果を第1表に示す。
【0013】
【表1】
【0014】[注] 1)ブチルゴム:エクソンブチル268、エクソン化学
製。 2)ジエン系ゴムA:スチレン−ブタジエンゴム、SB
R Nipol 1507、100℃におけるムーニー粘
度35、結合スチレン23.5重量%、日本ゼオン(株)
製。 3)ジエン系ゴムB:ブタジエンゴム、Nipol B
R1220、100℃におけるムーニー粘度43、日本
ゼオン(株)製。 4)ポリブテン:HU−1900、20℃における粘度
9×105cps、日本石油化学(株)製。 5)加硫剤:パーオキシケタール、パーヘキサ3M、日
本油脂(株)製。 6)充填剤:酸化鉄。 実施例1〜10の本発明の制振構造体は、いずれの巻き
つけ試験においても、口開き、伸び、落下は全く認めら
れず、良好な付着性を示している。 比較例1 実施例1の組成中、ジエン系ゴム及び加硫剤を加えない
以外は、同じ組成物で加圧ニーダーを用いて混練、混合
し、押出機により成形し、厚さ7mmのシートとした。こ
のシートの表面に、溝を設けることなく、厚さ20μm
のポリエチレンフイルムを貼り合わせて制振構造体を得
た。シート硬度(JIS K 2207、針入度、23℃
で測定)は40であった。直径6.35mm、長さ1,00
0mmの銅製のキャピラリー配管に、20×1,000mm
に切断した上記の制振構造体を一周して巻きつけた試料
を3本作製した。なお、巻きつけ作業性は悪かった。そ
れぞれを送風式恒温器の中に垂直に立てて、23℃×4
時間、100℃×168時間及び140℃×168時間
保持した。23℃×4時間保持した試料には、口開きが
大きく認められ、付着性はよくなかった。かつ、100
℃×168時間及び140℃×168時間保持した試料
は、いずれも落下した。
【0015】
【発明の効果】本発明の制振構造体及び制振用ゴム組成
物に係るゴムシート製品は、保存時のブロッキングがな
く、ルームエアコンなどのコンプレッサー及びそれらの
キャピラリー配管などに巻いて使用する際に、巻きつけ
やすく、巻きつけに対する反発力が小さく、耐熱性に優
れ、高温で使用しても口開き、伸びあるいは落下するこ
とがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の制振構造体の部分断面図であ
る。
【図2】図2は、本発明の制振構造体をキャピラリー配
管に巻きつけた状態を示す断面図である。
【図3】図3は、従来の制振構造体をキャピラリー配管
に巻きつけた状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 制振ゴムシート 2 溝 3 プラスチックフイルム 4 キャピラリー配管 5 制振構造体 6 合わせ目

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自己粘着性を有する制振ゴムシートと、該
    制振ゴムシート表層部に貼り合わされたプラスチックフ
    イルムとからなり、前記表層部側に複数条の溝を形成し
    てなることを特徴とする制振構造体。
  2. 【請求項2】ブチルゴム100重量部に対して、100
    ℃におけるムーニー粘度が20〜50のジエン系ゴム4
    0〜150重量部、20℃における粘度が103〜107
    cpsのポリブテン10〜100重量部、加硫剤1〜5重
    量部及び無機充填剤500〜900重量部を添加してな
    るものであることを特徴とする制振用ゴム組成物。
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