JP2018070676A - 自己粘着性シート及び保護材 - Google Patents
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Abstract
【課題】使用時の剥がれを抑制できる自己粘着性シート及びその自己粘着性シートからなる保護材を提供する。【解決手段】損失正接の最大ピークが20℃以下であり、かつ20℃の貯蔵弾性率が1×103MPa〜1×106MPaであるエラストマーを含み、自己粘着性を有する片側表面aの中心線平均粗さRaが0.5μm以下であり、反対側表面bの最大高さRzが、5μm以上である、自己粘着性シートとする。反対側表面bの少なくとも一つの端部領域又は一部領域に、中心線平均粗さRaが0.5μm以下である表面cが形成されているように構成することができる。【選択図】なし
Description
本発明は、自己粘着性シート及び保護材に関する。
自動車に配索される多数の電線群からなるワイヤーハーネスは、電線群を集束するとともに保護するためにテープで巻きつけられている場合が多い。しかし、近年、作業工程が多いテープでの巻きつけを廃止して、電線群にシートを一括で貼り付けて、電線群を集束保護する場合が増加している。この種のワイヤーハーネス用シートは、一方の面に粘着層が設けられており、剥離紙を剥がして指定位置に電線群をセットし、粘着層同士を貼り合せるシートが知られている(特許文献1)。また、剥離紙を使用しないシートとして、粘着層を自己粘着層として自己粘着層同士を合わせることによってのみ貼り合せることができるシートが知られている(特許文献2)。
特開平11−7856号公報
特開2013−168322号公報
しかしながら、粘着層を自己粘着層にしたシートでは、シート基材層と自己粘着層とが異種材料で形成されるため、使用時に、経年劣化でシート基材層と自己粘着層との界面で剥がれてしまうという問題があった。
本発明は、使用時の剥がれを抑制できる自己粘着性シート及びその自己粘着性シートからなる保護材を提供することを課題とする。
すなわち、本発明に係る自己粘着性シートは、損失正接の最大ピークが20℃以下であり、かつ20℃の貯蔵弾性率が1×103MPa〜1×106MPaであるエラストマーを含み、自己粘着性を有する片側表面aの中心線平均粗さRaが0.5μm以下であり、反対側表面bの最大高さRzが、5μm以上である、自己粘着性シートである。
本発明において、反対側表面bの少なくとも一つの端部領域又は一部領域に、中心線平均粗さRaが0.5μm以下である表面cが形成されているように構成することができる。
本発明において、エラストマーが、芳香族ビニル−オレフィン系共重合体からなる主鎖75質量%〜95質量%と、芳香族ビニル単量体単位からなる重合体からなるクロス鎖5質量%〜25質量%とを含むクロス共重合体であり、主鎖を構成する芳香族ビニル−オレフィン系共重合体が、芳香族ビニル単量体単位8.99モル%〜15.99モル%、オレフィン単量体単位84モル%〜91モル%、及び芳香族ポリエン単量体単位0.01モル%〜0.5モル%からなる構成とすることができる。
本発明において、上記クロス共重合体の主鎖を構成する芳香族ビニル−オレフィン系共重合体の組成分布が、オレフィン単量体単位が85モル%以上92モル%以下である芳香族ビニル−オレフィン系共重合体の含有量が50質量%以上であり、オレフィン単量体単位が85モル%未満である芳香族ビニル−オレフィン系共重合体の含有量が35質量%未満であり、かつ、オレフィン単量体単位が92モル%を超える芳香族ビニル−オレフィン系共重合体の含有量が15質量%未満である構成とすることができる。
本発明において、クロス共重合体中の芳香族ビニル単量体単位がスチレンであることが好ましい。また、オレフィン単量体単位がエチレンであることが好ましい。
本発明において、表面a同士の粘着力が、1N/10mm〜10N/10mmであることが好ましい。また、表面aと表面cとの粘着力が、1N/10mm〜10N/10mmであることが好ましい。
本発明は、上記に記載の自己粘着性シートからなる保護材であって、長尺物品の外装材である。この保護材は、自動車用ワイヤーハーネスの外装材とすることができる。
本発明によれば、使用時の剥がれを抑制できる自己粘着性シート及びその自己粘着性シートからなる保護材とすることができる。
以下、本発明の一実施形態について詳細に説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の効果を阻害しない範囲で適宜変更を加えて実施することができる。
[自己粘着性シート]
自己粘着性シート(以下、単に「シート」ともいう。)は、所定の損失正接の最大ピーク及び貯蔵弾性率を有するエラストマーを含み、自己粘着性を有する片側表面aの中心線平均粗さRaが0.5μm以下であり、反対側表面bの最大高さRzが、5μm以上である。
自己粘着性シート(以下、単に「シート」ともいう。)は、所定の損失正接の最大ピーク及び貯蔵弾性率を有するエラストマーを含み、自己粘着性を有する片側表面aの中心線平均粗さRaが0.5μm以下であり、反対側表面bの最大高さRzが、5μm以上である。
(エラストマー)
エラストマーは、損失正接の最大ピークが20℃以下であり、かつ20℃の貯蔵弾性率が1×103MPa〜1×106MPaである。損失正接の最大ピークが20℃より高いと、使用する温度雰囲気で弾性を維持できず、シート形状を確保できない可能性がある。20℃の貯蔵弾性率が1×103MPaより低いとシートがべたつき過ぎ、作業性が悪くなる可能性がある。20℃の貯蔵弾性率が1×106MPaより大きいと自己粘着性が喪失する可能性がある。なお、貯蔵弾性率は、芳香族ビニル化合物、オレフィン化合物、及び芳香族ポリエン化合物の組成(含有量)や、主鎖及びクロス鎖の分子量を調整することで上記範囲内にすることができる。
エラストマーは、損失正接の最大ピークが20℃以下であり、かつ20℃の貯蔵弾性率が1×103MPa〜1×106MPaである。損失正接の最大ピークが20℃より高いと、使用する温度雰囲気で弾性を維持できず、シート形状を確保できない可能性がある。20℃の貯蔵弾性率が1×103MPaより低いとシートがべたつき過ぎ、作業性が悪くなる可能性がある。20℃の貯蔵弾性率が1×106MPaより大きいと自己粘着性が喪失する可能性がある。なお、貯蔵弾性率は、芳香族ビニル化合物、オレフィン化合物、及び芳香族ポリエン化合物の組成(含有量)や、主鎖及びクロス鎖の分子量を調整することで上記範囲内にすることができる。
「損失正接」とは、(損失弾性率)/(貯蔵弾性率)から求められる値であり、動的粘弾性測定装置により測定及び算出することができる。「損失正接の最大ピーク」とは、周辺の温度変化において、材料の弾性と粘性が大きく変化する温度のことである。損失正接の最大ピークの下限値は、特に限定されず、−30℃以上、又は−25℃以上、とすることができる。貯蔵弾性率は、動的粘弾性測定装置により測定することができる。貯蔵弾性率の範囲は、好ましくは、1×104MPa〜1×106MPaである。
エラストマーは、自己粘着性を有する熱可塑性エラストマーであることが好ましい。「自己粘着性」とは、それ自身が粘着性を呈する性質を有することをいう。つまり、粘着剤を用いないにもかかわらず、樹脂自体の性質として粘着性を有していることをいう。上記自己粘着性を有する熱可塑性エラストマーとしては、例えば、天然ゴム(NR)やブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)などのジエン系ゴム、ポリ(n−ブチルアクリレート)、ポリイソブチルアクリレート、ポリヘキシルアクリレート、ポリ(2−エチルヘキシルアクリレート)、ポリイソオクチルアクリレート、ポリ(n−オクチルアクリレート)、ポリ(2−メチルブチルアクリレート)などのアクリル系ポリマー、ポリエーテル系やポリエステル系などのウレタンゴム、シリコーンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SEBS)、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)、スチレン−エチレン−プロピレン共重合体(SEP)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)、スチレン−イソプレン−プロピレン−スチレン共重合体(SIPS)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン-メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、クロス共重合体などの熱可塑性エラストマーが挙げられる。このうち、自己粘着性、軟質性、耐油性に優れる面から、クロス共重合体であることが好ましい。
(クロス共重合体)
クロス共重合体としては、芳香族ビニル単量体単位、オレフィン単量体単位、及び芳香族ポリエン単量体単位からなる芳香族ビニル−オレフィン系共重合体からなる主鎖と、芳香族ビニル単量体単位からなる重合体からなるクロス鎖とを含み、芳香族ビニル単量体単位からなる重合体が、主鎖の芳香族ポリエン単量体単位を介して結合している構造を有するものを挙げることができる。
クロス共重合体としては、芳香族ビニル単量体単位、オレフィン単量体単位、及び芳香族ポリエン単量体単位からなる芳香族ビニル−オレフィン系共重合体からなる主鎖と、芳香族ビニル単量体単位からなる重合体からなるクロス鎖とを含み、芳香族ビニル単量体単位からなる重合体が、主鎖の芳香族ポリエン単量体単位を介して結合している構造を有するものを挙げることができる。
クロス共重合体は、後述する、芳香族ビニル−オレフィン系共重合体からなる主鎖75質量%〜95質量%と、芳香族ビニル単量体単位からなる重合体からなるクロス鎖5質量%〜25質量%とを含むことが好ましい。芳香族ビニル−オレフィン系共重合体からなる主鎖が75質量%以上である場合に、軟質性が向上する。芳香族ビニル−オレフィン系共重合体からなる主鎖は、好ましくは80質量%以上である。芳香族ビニル−オレフィン系共重合体からなる主鎖が95質量%以下である場合に、引張特性が向上する。芳香族ビニル−オレフィン系共重合体からなる主鎖は、好ましくは90質量%以下である。クロス鎖が5質量%以上である場合に、引張特性が向上する。クロス鎖は、好ましくは10質量%以上である。クロス鎖が25質量%以下である場合に、軟質性が向上する。クロス鎖は、好ましくは20質量%以下である。
(クロス共重合体の主鎖)
クロス共重合体の主鎖は、芳香族ビニル単量体単位、オレフィン単量体単位、及び芳香族ポリエン単量体単位からなる芳香族ビニル−オレフィン系共重合体からなることが好ましい。芳香族ビニル単量体単位としては、スチレン及び各種の置換スチレン、例えばp−メチルスチレン、m−メチルスチレン、o−メチルスチレン、o−t−ブチルスチレン、m−t−ブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−クロロスチレン、o−クロロスチレン等の各スチレン系単量体に由来する単位が挙げられる。これらの中でも好ましくはスチレン単位、p−メチルスチレン単位、p−クロロスチレン単位であり、特に好ましくはスチレン単位である。これら芳香族ビニル単量体単位は、1種類でもよく、2種類以上の併用であってもよい。
クロス共重合体の主鎖は、芳香族ビニル単量体単位、オレフィン単量体単位、及び芳香族ポリエン単量体単位からなる芳香族ビニル−オレフィン系共重合体からなることが好ましい。芳香族ビニル単量体単位としては、スチレン及び各種の置換スチレン、例えばp−メチルスチレン、m−メチルスチレン、o−メチルスチレン、o−t−ブチルスチレン、m−t−ブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−クロロスチレン、o−クロロスチレン等の各スチレン系単量体に由来する単位が挙げられる。これらの中でも好ましくはスチレン単位、p−メチルスチレン単位、p−クロロスチレン単位であり、特に好ましくはスチレン単位である。これら芳香族ビニル単量体単位は、1種類でもよく、2種類以上の併用であってもよい。
オレフィン単量体単位としては、エチレン及び炭素数3〜20のα−オレフィン、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、ビニルシクロヘキサンや、環状オレフィンすなわちシクロペンテン、ノルボルネン等、各α−オレフィン系単量体及び環状オレフィン系単量体に由来する単位が挙げられる。好ましくは、エチレン単位、プロピレン単位、1−ブテン単位、1−ヘキセン単位、1−オクテン単位等の混合物が用いられ、特に好ましくはエチレン単位が用いられる。
芳香族ポリエン単量体単位としては、10以上30以下の炭素数を持ち、複数の二重結合(ビニル基)と単数又は複数の芳香族基を有した芳香族ポリエンであり、例えば、o−ジビニルベンゼン、p−ジビニルベンゼン、m−ジビニルベンゼン、1,4−ジビニルナフタレン、3,4−ジビニルナフタレン、2,6−ジビニルナフタレン、1,2−ジビニル−3,4−ジメチルベンゼン、1,3−ジビニル−4,5,8−トリブチルナフタレン等、芳香族ポリエン単量体に由来する単位が挙げられ、好ましくはオルトジビニルベンゼン単位、パラジビニルベンゼン単位及びメタジビニルベンゼン単位のいずれか1種又は2種以上の混合物が好適に用いられる。
主鎖を構成する芳香族ビニル−オレフィン系共重合体中の各構成単位の含有割合は、芳香族ビニル単量体単位8.99モル%〜15.99モル%、オレフィン単量体単位84モル%〜91モル%、芳香族ポリエン単量体単位0.01モル%〜0.5モル%であることが好ましい。より好ましくは、芳香族ビニル単量体単位9.97モル%〜13.97モル%、オレフィン単量体単位86モル%〜90モル%、芳香族ポリエン単量体単位0.03モル%〜0.3モル%である。
芳香族ビニル単量体単位が8.99モル%以上である場合に、オレフィン連鎖構造に由来する結晶構造が抑制されるため、軟質性、透明性が向上する。芳香族ビニル単量体単位は、好ましくは9.97モル%以上である。芳香族ビニル単量体単位が15.99モル%以下である場合に、オレフィン連鎖構造に由来する結晶構造により引張特性が向上する。芳香族ビニル単量体単位は、好ましくは13.97モル%以下である。
オレフィン単量体単位が84モル%以上である場合に、オレフィン連鎖構造に由来する引張特性が向上する。オレフィン単量体単位は、好ましくは86モル%以上である。また、オレフィン単量体単位が91モル%以下である場合に、オレフィン連鎖構造に由来する結晶構造が抑制されるため、クロス共重合体の軟質性が向上する。オレフィン単量体単位は、好ましくは90モル%以下である。
芳香族ポリエン単量体単位が0.01モル%以上である場合に、芳香族ビニル単量体単位からなる重合体のクロス鎖を形成することができるため、引張特性が向上する。芳香族ポリエン単量体単位は、好ましくは0.03モル%以上である。芳香族ポリエン単量体単位が0.5モル%以下である場合に、架橋反応による分子量増大を抑制することができるため、生産安定性、成形加工性が良好となる。芳香族ポリエン単量体単位は、好ましくは0.3モル%以下である。
クロス共重合体の主鎖を構成する芳香族ビニル−オレフィン系共重合体の共重合組成分布の好適な範囲としては、例えば、オレフィン単量体単位が85モル%〜92モル%である芳香族ビニル−オレフィン系共重合体の含有量が50質量%以上であり、オレフィン単量体単位が85モル%未満である芳香族ビニル−オレフィン系共重合体の含有量が35質量%未満であり、オレフィン単量体単位が92モル%を超える芳香族ビニル−オレフィン系共重合体の含有量が15質量%未満である芳香族ビニル−オレフィン系共重合体を挙げることができる。
芳香族ビニル−オレフィン系共重合体の重量平均分子量は、特に制限はないが、成形加工性の観点から、好ましくは3万〜30万であり、特に好ましくは5万〜20万である。なお、重量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて測定されるポリスチレン換算の値であり、下記の測定条件における測定値である。
装置名:HLC−8220(東ソー社製)
カラム:Shodex GPC KF−404HQを4本直列
温度:40℃
検出:示差屈折率
溶媒:テトラヒドロフラン
検量線:標準ポリスチレン(PS)を用いて作製した。
装置名:HLC−8220(東ソー社製)
カラム:Shodex GPC KF−404HQを4本直列
温度:40℃
検出:示差屈折率
溶媒:テトラヒドロフラン
検量線:標準ポリスチレン(PS)を用いて作製した。
(クロス共重合体のクロス鎖)
クロス鎖は、芳香族ビニル単量体単位からなる重合体からなる。クロス鎖を構成している芳香族ビニル単量体単位からなる重合体は、1種類の芳香族ビニル単量体単位からなる重合体でもよく、2種類以上の芳香族ビニル単量体単位からなる共重合体であってもよい。芳香族ビニル単量体単位としては、上述した主鎖と同じものを用いることができる。
クロス鎖は、芳香族ビニル単量体単位からなる重合体からなる。クロス鎖を構成している芳香族ビニル単量体単位からなる重合体は、1種類の芳香族ビニル単量体単位からなる重合体でもよく、2種類以上の芳香族ビニル単量体単位からなる共重合体であってもよい。芳香族ビニル単量体単位としては、上述した主鎖と同じものを用いることができる。
クロス鎖を構成している芳香族ビニル単量体単位からなる重合体の重量平均分子量は、特に制限はないが、成形加工性の観点から、好ましくは0.3万〜15万であり、特に好ましくは0.5万〜7万である。
(表面a,b)
自己粘着性シートは、自己粘着性を有する片側表面a(単に「表面a」ともいう。)と、片側表面aの反対側の表面である反対側表面b(以下、単に「表面b」ともいう。)とを有する。「自己粘着性」とは、上述のとおり、それ自身が粘着性を呈する性質を有し、粘着層を設けなくても、樹脂自体の性質として粘着性を有していることをいう。本実施形態では、シート表裏面の凹凸を制御することで、シート表裏面の粘着性を制御する。すなわち、表面aの中心線平均粗さRaと表面bの最大高さRzとを所定の範囲することで、自己粘着性を有する表面aと自己粘着性を有さない表面bとを形成する。自己粘着性を有する表面aと自己粘着性を有さない表面bとを形成するので、自己粘着性を有する表面a同士を合せることによってのみ貼り合せることが可能なシートとすることができる。その結果、粘着層を設けなくてもよいので、剥離紙を使用する必要がない。また、基材層と粘着層とを別々に設ける必要もないので、使用時に基材層と自己粘着層との界面で剥がれてしまうこともない。さらに、保管時にブロッキングが生じ難く、シートを重ねて保管することができる。
自己粘着性シートは、自己粘着性を有する片側表面a(単に「表面a」ともいう。)と、片側表面aの反対側の表面である反対側表面b(以下、単に「表面b」ともいう。)とを有する。「自己粘着性」とは、上述のとおり、それ自身が粘着性を呈する性質を有し、粘着層を設けなくても、樹脂自体の性質として粘着性を有していることをいう。本実施形態では、シート表裏面の凹凸を制御することで、シート表裏面の粘着性を制御する。すなわち、表面aの中心線平均粗さRaと表面bの最大高さRzとを所定の範囲することで、自己粘着性を有する表面aと自己粘着性を有さない表面bとを形成する。自己粘着性を有する表面aと自己粘着性を有さない表面bとを形成するので、自己粘着性を有する表面a同士を合せることによってのみ貼り合せることが可能なシートとすることができる。その結果、粘着層を設けなくてもよいので、剥離紙を使用する必要がない。また、基材層と粘着層とを別々に設ける必要もないので、使用時に基材層と自己粘着層との界面で剥がれてしまうこともない。さらに、保管時にブロッキングが生じ難く、シートを重ねて保管することができる。
表面aは、表面粗度が、中心線平均粗さRaが0.5μm以下である。「中心線平均粗さRa」とは、表面の凹凸の程度を表す指標であり、JIS B 0601:2013によって測定する値である。中心線平均粗さRaが0.5μm以下であるので、表面aは、自己粘着性が大きく、表面a同士が剥がれることを抑制することができる。中心線平均粗さRaが0.5μmより大きいと、自己粘着性を有する表面同士を合わせた際、粘着力を十分に発揮できず、剥れる可能性がある。表面aの中心線平均粗さRaの下限値は、特に限定されず、例えば、0.05μm以上とすることができる。
表面aの表面粗度を、中心線平均粗さRaが0.5μm以下となるように調整する方法としては、シート作製時に、表面の中心線平均粗さRaが0.5μm以下であるゴムロールを通過させることによって調整する方法を挙げることができる。
反対側表面bは、一部又は全面に凹凸が形成されており、その凸部の最大高さRzが、5μm以上である。「最大高さRz」とは、粗さ曲線から、その平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線から最も高い山頂までの高さZpと最も低い谷底までの深さZvとの和(式I)であり、JIS B 0601:2013によって測定する値である。
Rz=Zp+Zv ・・・(I)
Rz=Zp+Zv ・・・(I)
最大高さRzが、5μm以上であるので、表面bは、自己粘着性が小さいか、自己粘着性がない。そのため、保管時に表面aと接触してもブロッキングが生じ難く、シートを重ねて保管することができる。最大高さRzが5μmより小さいと、自己粘着性を有する表面aと接触した場合、ブロッキングが生じ、シートを重ねて保管することができなくなる可能性がある。表面bの最大高さRzの上限値は、特に限定されず、例えば、50μm以下とすることができる。なお、後述する表面cが表面bの少なくとも一つの端部領域又は一部領域に形成される場合、表面bには、その領域を除いた領域に凹凸が形成されており、その凸部の最大高さRzが5μm以上である。
表面bの最大高さRzが5μm以上となるように調整する方法としては、シート作製時に、表面の凹凸の凹部の最大深さが5μm以上のエンボスロールを通過させることによって調整する方法を挙げることができる。
このように、シート表面の凹凸を制御して自己粘着性を有する表面aと自己粘着性を有さない表面bとを設けることで、自己粘着性を有する面同士を合わせることによってのみ貼り合わすことが可能なシートにすることができる。例えば、表面aの反対側の面全体に表面bが設けられる場合、表面aの一つの端部領域と、表面aの他の端部領域とを貼り合せて、貼り合せ部分が外側に突き出る形状で、電線群を収束保護することができる。この場合の表面a同士の粘着力は、1N/10mm〜10N/10mmであることが好ましい。粘着力が1N/10mmより低いと、粘着力が足りず、剥れる可能性があり、10N/10mmより高いと表面bと接触した際、ブロッキングが発生する可能性がある。
(表面c)
自己粘着性シートは、反対側表面bの少なくとも一つの端部領域又は一部領域に、中心線平均粗さRaが0.5μm以下である表面cが形成されているように構成することができる。
自己粘着性シートは、反対側表面bの少なくとも一つの端部領域又は一部領域に、中心線平均粗さRaが0.5μm以下である表面cが形成されているように構成することができる。
「端部領域」とは、ここでは、シートの縁からシートの内方へ一定領域入った部分をいう。「一部領域」とは、シートの端部領域以外の一部の領域をいう。表面bの端部領域又は少なくとも一部領域に、中心線平均粗さRaが0.5μm以下である表面cが形成されているので、表面cが形成されている部分は、表面aと同様に、自己粘着力が大きい。そのため、自己粘着性シートを電線群等の保護材として用いる際に、表面cを表面aの内側に巻き込むようにして表面aと表面cとを貼り合せて使用することができ、かつ使用時に剥がれることを抑制することができる。一方、表面cの中心線平均粗さRaが0.5μmより大きいと、自己粘着性を有する表面aと合わせた際、粘着力を十分に発揮できず、剥れる可能性がある。表面cを表面aの内側に巻き込むようにして表面aと表面cとを貼り合せて使用する場合、貼り合せ部分が外側に突き出ずに電線群を収束保護することが可能となる。
表面cの表面bに対する面積割合は、25%〜50%であることが好ましい。また、表面aと表面cとの粘着力は、1N/10mm〜10N/10mmであることが好ましい。粘着力が1N/10mmより低いと、粘着力が足りず、剥れる可能性があり、10N/10mmより高いと表面bと接触した際、ブロッキングが発生する可能性がある。
(自己粘着性シート)
自己粘着性シートは、自己粘着性を有する表面a同士、及び表面aと表面cの粘着力が1N/10mm〜10N/10mmである。粘着力が1N/10mmより低いと、粘着力が足りず、剥れる可能性があり、10N/10mmより高いと表面bと接触した際、ブロッキングが発生する可能性がある。シートの厚さは、特に限定されず、100μm〜500μmとすることができる。
自己粘着性シートは、自己粘着性を有する表面a同士、及び表面aと表面cの粘着力が1N/10mm〜10N/10mmである。粘着力が1N/10mmより低いと、粘着力が足りず、剥れる可能性があり、10N/10mmより高いと表面bと接触した際、ブロッキングが発生する可能性がある。シートの厚さは、特に限定されず、100μm〜500μmとすることができる。
自己粘着性シートは、上記したエラストマーからなるように構成することができ、必要に応じて、本発明の効果を阻害しない範囲で、可塑剤、改質剤、無機充填剤、着色剤、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤等を配合することができる。
自己粘着性シートの製造方法は、自己粘着性を有する熱可塑性エラストマー、その他添加剤などを混合した組成物を溶融混練して得ることができる。溶融混練方法は特に限定されるものではないが、二軸押出機、連続式及びバッチ式のニーダー、ロール、バンバリーミキサー等の加熱装置を備えた各種混合機、混練機が使用でき、前記組成物が均一分散するように混合し、得られる混合物を慣用の成形方法である押出機にTダイ押出しを行い、直後に引取機にて冷却しながら製膜を行い、自己粘着性シートを得ることができる。
また、自己粘着性シートは、必要に応じて、本発明の効果を阻害しない範囲で、上記表面bの上に耐摩耗性に優れたポリ塩化ビニルやゴム層、衝撃吸収性のある発泡層、消音効果のある織布層、摺動性のある超高分子ポリエチレン層等の層を設けても良い。また、これらシート層と自己粘着性シートの表面b及び表面cの密着性を向上させるため、これらシート層と表面b及びcの間にアンカー層を設けても良い。
本実施形態の自己粘着性シートは、粘着性を有する熱可塑性エラストマーからなるシートの自己粘着性を有する表面同士を貼り合わせることによってのみ貼り合わすことができるシートである。貼り合せは、自己粘着性を有する表面同士を加熱せずに押し当てる等の方法で行うことができる。
この自己粘着性シートは、粘着力が優れているとともに、使用時に剥がれることを抑制することができる。また、自己粘着性を有するので接着層を設ける必要がなく、接着層が他の層に接着することを防ぐための剥離紙が不要である。剥離紙が不要であるため、使用時の作業工程が少なくて済むとともに、廃棄物を少なくすることができる。さらに、異なる素材からなる基材層と粘着層とを用いる必要がないので、シート基材層と自己粘着層との界面で剥れることがない。
自己粘着性シートは、電線群などの長尺物品の外装材として用いることができ、外部干渉材のエッジ等からの電線群を保護するための保護材として好適に用いることができる。また、自己粘着性シートは、自動車用ワイヤーハーネスの集束保護の外装材とすることもできる。外装材として用いる場合、収束する電線を束ねた後、電線束の両端を固定して、電線束の長手方向を自己粘着性シートで覆い、表面a同士、又は表面aと表面cとを押し当てて貼り付けるだけで使用することができる。
以下に実施例をあげて本発明を更に詳細に説明する。これらはいずれも例示的なものであって、本発明の内容を限定するものではない。
[実施例1]
クロス共重合体樹脂を、特開2009−102515号公報に記載の方法により合成した。すなわち、触媒としてrac−ジメチルメチレンビス(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロライドを用い、エチレンモノマー、スチレンモノマー及びジビニルベンゼン(メタ、パラ混合品)の共重合を行い、芳香族ビニル−オレフィン系共重合体としてスチレン−エチレン−ジビニルベンゼン共重合体を合成した(配位重合工程)。次いで、このスチレン−エチレン−ジビニルベンゼン共重合体とスチレンモノマーの共存下、アニオン重合開始剤を用いて重合し、クロス共重合体を得た(アニオン重合工程)。
クロス共重合体樹脂を、特開2009−102515号公報に記載の方法により合成した。すなわち、触媒としてrac−ジメチルメチレンビス(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロライドを用い、エチレンモノマー、スチレンモノマー及びジビニルベンゼン(メタ、パラ混合品)の共重合を行い、芳香族ビニル−オレフィン系共重合体としてスチレン−エチレン−ジビニルベンゼン共重合体を合成した(配位重合工程)。次いで、このスチレン−エチレン−ジビニルベンゼン共重合体とスチレンモノマーの共存下、アニオン重合開始剤を用いて重合し、クロス共重合体を得た(アニオン重合工程)。
このクロス共重合体を、Tダイを設置したφ40mmの押出機にて、押出温度190℃、線速10m/分で押出製膜し、その後、シートを、表面の凹凸の中心線粗さRaが0.5μmのゴムロールと、表面の凹凸の凹部の最大高さが5μmのエンボスロールでニップする(挟んで加圧する)形で通過させた。これにより、自己粘着性を有する表面aの表面粗度が、中心線平均粗さRaが0.5μmであり、反対側の表面bの最大高さRzが5μmの平均厚み200μmの自己粘着性シートを形成した。
なお、ここで用いたクロス共重合体の組成は、スチレン含有量15モル%、エチレン含有量84.9%、及びジビニルベンゼン含有量0.08モル%からなり、主鎖88質量%、クロス鎖12質量%である。
なお、ここで用いたクロス共重合体の組成は、スチレン含有量15モル%、エチレン含有量84.9%、及びジビニルベンゼン含有量0.08モル%からなり、主鎖88質量%、クロス鎖12質量%である。
[実施例2〜6]
クロス共重合体の損失正接の最大ピークの温度、20℃の貯蔵弾性率、自己粘着性シートの表面a、及び表面bの中心線平均粗さRa、最大高さRzを表1に記載の値に調整した他は、実施例1と同様にして自己粘着性シートを得た。
クロス共重合体の損失正接の最大ピークの温度、20℃の貯蔵弾性率、自己粘着性シートの表面a、及び表面bの中心線平均粗さRa、最大高さRzを表1に記載の値に調整した他は、実施例1と同様にして自己粘着性シートを得た。
[比較例1〜4]
クロス共重合体の損失正接の最大ピークの温度、20℃の貯蔵弾性率、自己粘着性シートの表面a、及び表面bの中心線平均粗さRa、最大高さRzを表1に記載の値に調整した他は、実施例1と同様にして自己粘着性シートを得た。
クロス共重合体の損失正接の最大ピークの温度、20℃の貯蔵弾性率、自己粘着性シートの表面a、及び表面bの中心線平均粗さRa、最大高さRzを表1に記載の値に調整した他は、実施例1と同様にして自己粘着性シートを得た。
[測定及び評価]
(貯蔵弾性率)
実施例及び比較例で用いたクロス共重合体について、ティー・エイ・インスツルメント社製 動的粘弾性測定装置「RSA3」を用いて、昇温速度4℃/分で、周波数1Hzの引っ張り方向の応力、及び歪みを加えて貯蔵弾性率を測定した。結果を表1に示した。
(貯蔵弾性率)
実施例及び比較例で用いたクロス共重合体について、ティー・エイ・インスツルメント社製 動的粘弾性測定装置「RSA3」を用いて、昇温速度4℃/分で、周波数1Hzの引っ張り方向の応力、及び歪みを加えて貯蔵弾性率を測定した。結果を表1に示した。
(損失正接の最大ピーク温度)
実施例及び比較例で用いたクロス共重合体について、ティー・エイ・インスツルメント社製 動的粘弾性測定装置「RSA3」を用いて、昇温速度4℃/分で、周波数1Hzの引っ張り方向の応力、及び歪みを加えて、損失正接((損失弾性率)/(貯蔵弾性率))の最大ピーク温度を測定及び算出した。結果を表1に示した。
実施例及び比較例で用いたクロス共重合体について、ティー・エイ・インスツルメント社製 動的粘弾性測定装置「RSA3」を用いて、昇温速度4℃/分で、周波数1Hzの引っ張り方向の応力、及び歪みを加えて、損失正接((損失弾性率)/(貯蔵弾性率))の最大ピーク温度を測定及び算出した。結果を表1に示した。
(表面a同士の粘着力)
SUS板と自己粘着性シートの表面bとを両面テープを介して貼り合せ、貼り合せた自己粘着性シートの表面aにさらに自己粘着性シートの表面aを押し当てて貼り合せ、JIS Z 0237:2009に規定の「粘着テープ・粘着シート試験法」に準拠して、粘着力(180度引き剥がし粘着力)を測定した。測定結果については以下の様に判断し、結果を表1に示した。
良 :1N/10mm〜10N/10mm
不良:1N/10mmより低い、又は10N/10mmより高い
SUS板と自己粘着性シートの表面bとを両面テープを介して貼り合せ、貼り合せた自己粘着性シートの表面aにさらに自己粘着性シートの表面aを押し当てて貼り合せ、JIS Z 0237:2009に規定の「粘着テープ・粘着シート試験法」に準拠して、粘着力(180度引き剥がし粘着力)を測定した。測定結果については以下の様に判断し、結果を表1に示した。
良 :1N/10mm〜10N/10mm
不良:1N/10mmより低い、又は10N/10mmより高い
(表面aと表面bの粘着力)
SUS板と自己粘着性シートの表面aとを両面テープを介し貼り合せ、貼り合せた自己粘着性シートの表面bにさらに自己粘着性シートの表面aを押し当てて貼り合せ、JIS Z 0237:2009に規定の「粘着テープ・粘着シート試験法」に準拠して、粘着力(180度引き剥がし粘着力)を測定した。測定結果については以下の様に判断し、結果を表1に示した。
良 :2N/10mm以下
不良:2N/10mmより高い
SUS板と自己粘着性シートの表面aとを両面テープを介し貼り合せ、貼り合せた自己粘着性シートの表面bにさらに自己粘着性シートの表面aを押し当てて貼り合せ、JIS Z 0237:2009に規定の「粘着テープ・粘着シート試験法」に準拠して、粘着力(180度引き剥がし粘着力)を測定した。測定結果については以下の様に判断し、結果を表1に示した。
良 :2N/10mm以下
不良:2N/10mmより高い
(剥がれ)
温度23±2℃、湿度50±5%RHに設定された評価試験室内にて、直径1mm、長さ200mmの電線を15本束ねて、直径10mmの電線束を作成した。該電線束の中央部分に、自己粘着性シート(長さ100mm、幅50mm)を、幅方向が電線束の長手方向と垂直となる様に1周巻き付け、表面a同士を貼り合せた。その後、貼り合せた部分を重さ2kgのローラーにて毎分300mmの速度で1往復圧着した。圧着後、電線束の両端を固定し、宙吊り状態にし、1週間静置した後に貼り合せた部分の剥がれの有無を目視観察で判定し、以下の基準で判断した。結果を表1に示した。
良:端末部分に剥がれの無いもの
不良:端末部分に剥がれの有るもの
温度23±2℃、湿度50±5%RHに設定された評価試験室内にて、直径1mm、長さ200mmの電線を15本束ねて、直径10mmの電線束を作成した。該電線束の中央部分に、自己粘着性シート(長さ100mm、幅50mm)を、幅方向が電線束の長手方向と垂直となる様に1周巻き付け、表面a同士を貼り合せた。その後、貼り合せた部分を重さ2kgのローラーにて毎分300mmの速度で1往復圧着した。圧着後、電線束の両端を固定し、宙吊り状態にし、1週間静置した後に貼り合せた部分の剥がれの有無を目視観察で判定し、以下の基準で判断した。結果を表1に示した。
良:端末部分に剥がれの無いもの
不良:端末部分に剥がれの有るもの
(加熱後の剥がれ)
直径1mm、長さ200mmの電線を15本束ね、直径10mmの電線束を作成した。該電線束の中央に、自己粘着性シート(長さ100mm、幅50mm)を、幅方向が電線束の長手方向と垂直となる様に1周巻き付け、表面a同士を貼り合せた。その後、貼り合せた部分を重さ2kgのローラーにて毎分300mmの速度で1往復圧着した。圧着後、電線束の両端を固定し、宙吊り状態にし、70℃のオーブンで1週間加熱後に取り出し、温度23±2℃、湿度50±5%RHに設定された評価試験室内で2時間静置後、貼り合せた部分の剥がれの有無を目視観察で判定し、以下の基準で判断した。結果を表1に示した。
良:端末部分に剥がれの無いもの
不良:端末部分に剥がれの有るもの
直径1mm、長さ200mmの電線を15本束ね、直径10mmの電線束を作成した。該電線束の中央に、自己粘着性シート(長さ100mm、幅50mm)を、幅方向が電線束の長手方向と垂直となる様に1周巻き付け、表面a同士を貼り合せた。その後、貼り合せた部分を重さ2kgのローラーにて毎分300mmの速度で1往復圧着した。圧着後、電線束の両端を固定し、宙吊り状態にし、70℃のオーブンで1週間加熱後に取り出し、温度23±2℃、湿度50±5%RHに設定された評価試験室内で2時間静置後、貼り合せた部分の剥がれの有無を目視観察で判定し、以下の基準で判断した。結果を表1に示した。
良:端末部分に剥がれの無いもの
不良:端末部分に剥がれの有るもの
本発明に係る自己粘着性シートを用いることによって、剥離紙等の廃棄物が出ず、電線群を集束保護できる保護材として、自動車用ワイヤーハーネス等の保護材として期待できる。
Claims (10)
- 損失正接の最大ピークが20℃以下であり、かつ20℃の貯蔵弾性率が1×103MPa〜1×106MPaであるエラストマーを含み、
自己粘着性を有する片側表面aの中心線平均粗さRaが、0.5μm以下であり、
反対側表面bの最大高さRzが、5μm以上である、自己粘着性シート。 - 反対側表面bの少なくとも一つの端部領域又は一部領域に、中心線平均粗さRaが0.5μm以下である表面cが形成されている、請求項1に記載の自己粘着性シート。
- エラストマーが、芳香族ビニル−オレフィン系共重合体からなる主鎖75質量%〜95質量%と、芳香族ビニル単量体単位からなる重合体からなるクロス鎖5質量%〜25質量%とを含むクロス共重合体であり、
主鎖を構成する芳香族ビニル−オレフィン系共重合体が、芳香族ビニル単量体単位8.99モル%〜15.99モル%、オレフィン単量体単位84モル%〜91モル%、及び芳香族ポリエン単量体単位0.01モル%〜0.5モル%からなる、請求項1又は2に記載の自己粘着性シート。 - クロス共重合体の主鎖を構成する芳香族ビニル−オレフィン系共重合体の組成分布が、オレフィン単量体単位が85モル%以上92モル%以下である芳香族ビニル−オレフィン系共重合体の含有量が50質量%以上であり、オレフィン単量体単位が85モル%未満である芳香族ビニル−オレフィン系共重合体の含有量が35質量%未満であり、かつ、オレフィン単量体単位が92モル%を超える芳香族ビニル−オレフィン系共重合体の含有量が15質量%未満である、請求項3に記載の自己粘着性シート。
- クロス共重合体中の芳香族ビニル単量体単位がスチレンである、請求項3又は4に記載の自己粘着性シート。
- クロス共重合体中のオレフィン単量体単位がエチレンである、請求項3から5のいずれか一項に記載の自己粘着性シート。
- 表面a同士の粘着力が、1N/10mm〜10N/10mmである、請求項1から6のいずれか一項に記載の自己粘着性シート。
- 表面aと表面cとの粘着力が、1N/10mm〜10N/10mmである、請求項2から7のいずれか一項に記載の自己粘着性シート。
- 長尺物品の外装材である、請求項1から8のいずれか一項に記載の自己粘着性シートからなる保護材。
- 自動車用ワイヤーハーネスの外装材である、請求項9に記載の保護材。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2021187595A1 (ja) | 2020-03-19 | 2021-09-23 | 三井化学株式会社 | 自己粘着シート |
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