JP2003329501A - 音響整合部材、超音波送受波器および超音波流量計 - Google Patents

音響整合部材、超音波送受波器および超音波流量計

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JP2003329501A
JP2003329501A JP2002135668A JP2002135668A JP2003329501A JP 2003329501 A JP2003329501 A JP 2003329501A JP 2002135668 A JP2002135668 A JP 2002135668A JP 2002135668 A JP2002135668 A JP 2002135668A JP 2003329501 A JP2003329501 A JP 2003329501A
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JP2002135668A
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Masaaki Suzuki
正明 鈴木
Taku Hashida
卓 橋田
Kazuhiko Hashimoto
和彦 橋本
Masahiko Hashimoto
雅彦 橋本
Hidetomo Nagahara
英知 永原
Seigo Shiraishi
誠吾 白石
範久 ▲高▼原
Norihisa Takahara
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超音波送受波器を構成した際の各界面におけ
る音波の損失をできるだけ低減し、効率的に音波を送受
信できる超音波送受波器用の音響整合部材を提供する。 【解決手段】 音響整合部材を充填材および密度調整材
の複合体で構成し、前記充填材の密度を50kg/m3
〜500kg/m3とし、かつ前記充填材中を通過する
音の速度を500m/s未満とし、前記密度調整材の密
度を前記充填材の密度以上とする。また、前記音響整合
部材を、超音波送受波器および流量計に用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波センサの音
響整合層に用いる音響整合部材、超音波の送受信を行う
超音波送受波器、および前記超音波送受波器を使用した
超音波流量計に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、超音波が伝搬路伝達する時間を計
測し、流体の移動速度を測定して流量を計測する超音波
流量計がガスメータなどに利用されつつある。図17は
超音波の流量を測定する原理を説明するための超音波流
量計の構成を概念的に示す図である。図17に示すよう
に、流量測定部を形成する流路管103内には、被測定
流体(以下、単に「流体」ともいう。)が速度Vにて矢
印に示す方向に流れている。流路管103には、一対の
超音波送受波器101および102が対向して設置され
ている。超音波送受波器101および102は、電気エ
ネルギー/機械エネルギー変換素子である圧電セラミッ
クなどの圧電振動子を用いて構成されており、圧電ブザ
ーおよび圧電発振子などと同様に共振特性を示す。ここ
では超音波送受波器101を超音波送波器として用い、
超音波送受波器102を超音波受波器として用いる場合
を説明する。
【0003】超音波送受波器101を構成する圧電振動
子に、超音波送受波器101の共振周波数近傍における
周波数の交流電圧を印加すると、超音波送受波器101
は超音波送波器として働き、流路管103内の測定流体
中に図17の矢印L1で示す伝搬経路に超音波を放射す
る。そして、超音波送受波器102が伝搬してきた超音
波を受けて電圧に変換する。続いて、反対に超音波送受
波器102を超音波送波器として用い、超音波送受波器
101を超音波受波器として用いる。一方、超音波送受
波器102を構成する圧電振動子に、超音波送受波器1
02の共振周波数近傍における周波数の交流電圧を印加
すると、超音波送受波器102は流路管103内の被測
定流体中に図17の矢印L2で示す伝搬経路に超音波を
放射する。そして、超音波送受波器101は伝搬してき
た超音波を受けて電圧に変換する。このように、超音波
送受波器101および102は、受波器としての役目と
送波器としての役目を果たすので、一般に超音波送受波
器と呼ばれる。
【0004】また、このような超音波流量計では、連続
的に交流電圧を印加すると超音波送受波器から連続的に
超音波が放射されて伝搬時間を測定することが困難にな
るため、通常はパルス信号を搬送波とするバースト電圧
信号を駆動電圧として用いる。以下、この場合の超音波
流量の測定原理についてさらに詳細に説明する。駆動用
のバースト電圧信号を超音波送受波器101に印加して
超音波送受波器101から超音波バースト信号を放射さ
せると、この超音波バースト信号は距離がLの伝搬経路
L1を伝搬してt時間後に超音波送受波器102に到達
する。超音波送受波器102では、伝達して来た超音波
バースト信号のみを高いS/N比で電気バースト信号に
変換することができる。この電気バースト信号を電気的
に増幅して、再び超音波送受波器101に印加して超音
波バースト信号を放射する。このような原理に基づく装
置をシング・アラウンド装置と呼び、超音波パルスが超
音波送受波器101から放射され伝搬路を伝搬して超音
波送受波器102に到達するのに要する時間をシング・
アラウンド周期といい、その逆数をシング・アラウンド
周波数という。
【0005】図17において、流路管103内を流れる
流体の流速をV、流体中の超音波の速度をC、流体の流
れる方向(流路管103の管壁に平行な方向)と超音波
パルスの伝搬方向との角度をθとする。超音波送受波器
101を超音波送波器として用い、超音波送受波器10
2を超音波受波器として用いた場合、超音波送受波器1
01から出た超音波パルスが超音波送受波器102に到
達する時間であるシング・アラウンド周期をt1、シン
グ・アラウンド周波数f1とすれば、式(2): f1=1/t1=(C+Vcosθ)/L (2) が成立する。逆に、超音波送受波器102を超音波送波
器として用い、超音波送受波器101を超音波受波器と
して用いたときのシング・アラウンド周期をt2、シン
グ・アラウンド周波数f2とすれば、式(3): f2=1/t2=(C−Vcosθ)/L (3) が成立する。
【0006】したがって、シング・アラウンド周波数f
1およびf2の周波数差Δfは、式(4): Δf=f1−f2=2Vcosθ/L (4) で表され、超音波の伝搬経路の距離Lと周波数差Δfか
ら流体の流速Vを求めることができる。すなわち、超音
波の伝搬経路の距離Lと周波数差Δfから流体の流速V
を求めることができ、その流速Vから流量を調べること
ができる。このような超音波流量計には高い精度が要求
され、精度を向上させるためには、気体に超音波を送
波、または気体を伝搬して来た超音波を受波する超音波
送受波器を構成する圧電振動子の超音波送受波面に形成
される音響整合層の音響インピーダンスが重要となる。
【0007】図15は、従来の超音波送受波器10の概
略縦断面図である。この超音波送受波器10は、音響整
合手段である音響整合部材1、センサケース(容器)5
および振動手段である圧電体4を具備する。センサケー
ス5と音響整合部材1、およびセンサケース5と圧電体
4は、エポキシ系の接着剤などを用いて接合されてい
る。圧電体4で振動された超音波は特定の周波数で振動
し、その振動は接着剤の層を介してケースに伝わり、さ
らに接着剤の層を介して音響整合部材1に伝わる。整合
した振動は空間に存在する媒体である気体に音波として
伝搬する。この音響整合部材1の役割は、振動手段であ
る圧電体4の振動を効率よく気体に伝搬させることにあ
る。物質中の音速をC、密度をρとすると、音響インピ
ーダンスは、式(5): Z=ρ×C (5) で定義される。
【0008】振動手段である圧電体4の音響インピーダ
ンスは、超音波の放射媒体である気体の音響インピーダ
ンスと大きく異なる。例えば、一般的な圧電体であるP
ZT(チタン酸ジルコン酸鉛)などのピエゾセラミック
スの音響インピーダンスZ1は、30×106kg/m2
/s程度である。また、放射媒体である気体、例えば空
気の音響インピーダンスZ3は400kg/m2/s程
度である。このような音響インピーダンスの異なる媒体
の境界面上では、伝搬する音波の一部が反射され、透過
する音波の強さが弱くなる。このような問題を解決する
ために、振動手段である圧電体(音響インピーダンスZ
1)と超音波の放射媒体である気体(音響インピーダン
スZ3)との間に、式(6): Z2=(Z1×Z3)1/2 (6) の関係を有する音響インピーダンスZ2を持つ部材(音
響整合部材)を挿入することによって、音の反射を軽減
して透過する音波の強度を高める方法が一般に知られて
いる。
【0009】以上の条件を満たすことによって整合させ
た音響インピーダンスの最適値は、11×104kg/
2/s程度となる。この音響インピーダンスを満たす
音響整合部材は、式(5)からわかるように、固体で小
さい密度を有し、かつ当該部材を通過する音の速度が低
いものであることが要求される。このような音響整合部
材の一般的なものとしては、例えばガラスバルーンまた
はプラスチックバルーンを樹脂材料で固めて得られるも
のがあげられ、当該部材は圧電体で構成された超音波振
動子の面に形成して使用されている。また、熱圧縮した
中空ガラス球を用いる方法、および溶融材料を発泡させ
て得られる部材を用いる方法なども使用されている。こ
れらの技術は、例えば特許第2559144号公報など
に開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これら従来の
音響整合部材の音響インピーダンスは、50×104
g/m2/sより大きい値であり、さらに、気体との整
合を取って高感度を得るためには音響インピーダンスが
さらに小さい部材が必要である。このことは、音響的な
条件が充分に満たされていないときには、超音波送受波
器を構成する圧電体と音響整合層とを接合した際に生じ
る圧電体と音響整合層との境界界面、または音響整合層
と音波を放射する媒体との境界界面における反射強度が
大きくなる。そうすると、前記境界界面を通過する音波
の強度が小さくなり、超音波送受波器の感度が低くなっ
てしまう。
【0011】以上のような実情に鑑み、本発明は、上記
問題点を解決することを目的とする。すなわち、本発明
の目的は、超音波送受波器を構成した際の各界面での音
波の損失をできるだけ低減することによって、効率的に
音波の送受信を行うことのできる超音波送受波器用音響
整合部材を提供することにある。さらに、本発明は、前
記音響整合部材を用いた超音波送受波器、および前記超
音波送受波器を用いた流量計を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、圧電体を用い
て超音波を送信または受信する超音波送受波器に用いる
音響整合部材であって、厚み方向において密度が連続的
に変化している音響整合部材を提供する。前記音響整合
部材は、充填材および密度調整材の複合体で構成され、
前記充填材の密度が50kg/m3〜500kg/m3
あり、かつ前記充填材中を通過する音の速度が500m
/s未満であり、前記密度調整材の密度が前記充填材の
密度以上であるのが好ましい。
【0013】また、前記音響整合部材の厚みは、超音波
発信波長の8分の1より大きく、前記超音波発信波長の
一波長未満であるのが好ましい。また、前記音響整合部
材は、複数個の単位密度調整材を含むのが好ましい。さ
らに、前記音響整合部材の一縦断面において、前記単位
密度調整材が鋸歯状に配置されているのが好ましく、ま
た、前記音響整合部材の平面において、前記単位密度調
整材がライン状に配列しているのが好ましい。
【0014】また、前記音響整合部材の平面に対し、前
記ラインにおいて鋸歯状の前記単位密度調整材が形成す
る2つの面のうち、一方の面が傾斜し他方の面が略鉛直
であるのが好ましい。また、前記傾斜面に対して前記充
填材の厚みが一定であるのが好ましい。また、前記充填
材が無機酸化物の乾燥ゲルであるのが好ましく、また、
無機酸化物の乾燥ゲルの固体骨格部が撥水化されている
のが好ましい。
【0015】一方、本発明は、上記音響整合部材で構成
された音響整合層と、圧電体と、容器とを具備する超音
波を送信または受信する超音波送受波器であって、前記
圧電体から前記超音波を放射する媒体に向かって前記音
響整合層の密度が低下している超音波送受波器を提供す
る。前記超音波送受波器においては、前記圧電体が前記
容器の内面に配置され、前記音響整合層が前記容器の外
面の前記圧電体に対向する位置に配置されているのが好
ましい。また、前記容器が金属で構成されているのが好
ましい。
【0016】加えて、本発明は、上記音響整合部材で構
成された音響整合層と、圧電体と、容器とを具備する超
音波を送信または受信する超音波送受波器の製造方法で
あって、(A)圧電体に、または前記圧電体を内面に配
置した容器の外面の前記圧電体に対向する位置に、密度
調整材を形成する工程、(B)前記密度調整材上にゲル
原料液を塗布する工程、(C)前記ゲル原料液を固体化
して湿潤ゲルとする工程、および(D)前記湿潤ゲル中
の溶媒を除去して乾燥ゲルを得、前記密度調整材と前記
乾燥ゲルで構成された充填材とを具備する音響整合部材
を得る工程を含む超音波送受波器の製造方法を提供す
る。
【0017】さらに、本発明は、上記音響整合部材で構
成された音響整合層と、圧電体と、容器とを具備する超
音波を送信または受信する超音波送受波器の製造方法で
あって、(a)密度調整材上にゲル原料液を塗布する工
程、(b)前記ゲル原料液を固体化して湿潤ゲルとする
工程、(c)前記湿潤ゲル中の溶媒を除去して乾燥ゲル
を得、前記密度調整材と前記乾燥ゲルで構成された充填
材とを具備する音響整合部材を得る工程、および(d)
前記音響整合部材を、圧電体に、または前記圧電体を内
面に配置した容器の外面の前記圧電体に対向する位置に
接合する工程を含む超音波送受波器の製造方法を提供す
る。これらの製造方法は、前記密度調整材を成型加工に
より作製する工程を含むのが好ましい。
【0018】また、本発明は、上記超音波送受波器を具
備する超音波流量計であって、被測定流体が流れる流量
測定部と、前記流量測定部を挟んで設けられ超音波信号
を送受信する一対の前記超音波送受波器と、前記超音波
送受波器間の超音波伝搬時間を計測する計測回路と、前
記計測回路からの信号に基づいて流量を算出する流量演
算手段とを具備し、前記超音波送受波器を構成する容器
が、前記被測定流体と前記圧電体を遮断している超音波
流量計も提供する。
【0019】上記超音波流量計においては、前記一対の
超音波送受波器における前記密度調整材の傾斜面が互い
に対向し、前記音響整合層の平面からの前記傾斜面の傾
斜角φ、および互いに対向する前記傾斜面を鉛直に結ん
だ線と前記流量測定部の壁面とがなす角度θが、関係式
(1): φ=90°−θ (1) (但し、θは0°から90°の範囲)を満たすのが好ま
しい。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の音響整合部材は、圧電体
を用いて超音波を送信または受信する超音波送受波器に
用いるものであって、音響整合部材の厚み方向にわたっ
て、密度が連続的に変化する構成に特徴を有するもので
ある。実際に音響整合部材を構成するためには、特に、
音響整合部材を密度の異なる密度調整材と充填材との2
種の材料を組み合わせて複合化することによって構成
し、その充填材の密度が50kg/m3から500kg
/m3の範囲でかつ音速が500m/s未満のものを用
い、その密度調整材の密度をその充填材の密度以上であ
るものとする。
【0021】具体的には、本発明における超音波送受波
器を構成する圧電振動子は、図10に示すように音波を
発振する圧電体4と、密度調整材3および充填材2から
なる音響整合部材1とが接合されて構成される。密度調
整材3はその一方向の断面が鋸歯形状のくさび形を構成
し、その密度調整材3に密度が低い充填材2を複合化し
て層構造を有する音響整合部材1を構成したものであ
る。この構成によって、音響整合部材1の面内で平均し
た密度が、圧電体4側より放射媒体側(図3の矢印の方
向)へ向かって小さくなっている。この構成において超
音波を発信または受信する際に、音響整合部材1からな
る音響整合層を通過する超音波の音速等によって、当該
超音波の波長が異なることになる。したがって、その音
響整合部材1からなる音響整合部材1の厚み方向におけ
る超音波の平均の波長よりも、音響整合部材1の厚みが
薄い場合には、見かけ上、連続的な密度勾配が形成され
ることになる。
【0022】この音響整合部材1の構成によれば、音響
整合層が単一の密度の材質で構成された場合に比較し
て、音波の反射減衰を生じる圧電体4と音響整合部材1
との界面、および音響整合部材1と放射媒体との界面に
おいて、それぞれの界面の両端における密度の差を小さ
くすることができる。そのため、それぞれの界面におけ
る反射減衰を低く抑えることができ、超音波の送受信に
おける感度を向上させることができる。以下に、本発明
の具体的な実施の形態について図面を参照しながらより
具体的に説明する。
【0023】(1)音響整合部材について 本発明に係る音響整合部材1の一断面において、密度調
整材3が鋸歯形状に配置して構成することによって、音
響整合部材1の面内平均密度が厚み方向に連続的に密度
勾配を有する。この際に、構造体として密度勾配を持た
せるために、充填材2を用いる。充填材2は、密度調整
材3よりも密度が小さく、おおよそ空気の音速か、それ
よりも低い音速を有する材料で構成することによって本
発明の効果を得ることができる。充填材2は、その密度
が50kg/m3から500kg/m3の範囲でかつその
音速が500m/s未満である。
【0024】図1〜5に、本発明の実施の形態に係る音
響整合部材1の概略縦断面図を示す。これらの図面は、
音響整合部材1の一断面における鋸歯状の密度調整材3
の形状の例を示すものである。図1は、密度調整材3の
厚みと音響整合部材1の厚みが一致している音響整合部
材1の概略縦断面図である。また、図2に示す音響整合
部材1においては、密度調整材3の厚みよりも音響整合
部材1の厚みが大きく、上部表面側に充填材2のみから
なる層が形成されている。
【0025】さらに、図3に示す音響整合部材1におい
ては、密度調整材3の厚みと音響整合部材1の厚みが一
致し、密度調整材3に支持層が形成されている。また、
図4に示す音響整合部材1においては、密度調整材3の
鋸歯の片側のみが音響整合部材1の平面に対して傾斜
し、その形状は左右で非対称である。図5に示す音響整
合部材1においては、密度調整材3の鋸歯形状の片側の
みが傾斜しその傾斜面に充填材2の層が形成されている
場合である。本発明に係る音響整合部材1の構造は、厚
み方向において連続的な密度勾配を形成できる限り、こ
れらの構造に限られるものではない。
【0026】また、図6〜8に本発明の音響整合部材1
における密度調整材3の形状を示す上面図を示す。ここ
で、個々の密度調整材3’のことを単位密度調整材とい
う。図6は一縦断面が鋸歯形状となるくさび構造として
個々の単位密度調整材3’の形状を円錐形状とした場
合、図7は一縦断面が鋸歯形状となるくさび構造として
単位密度調整材3’の形状を四角錐形状とした場合を示
す。また、図8は一縦断面が鋸歯形状となるくさび構造
として、その音響整合部材1の平面内において鋸歯状の
単位密度調整材3’をライン状に配列した場合を示す。
【0027】また、図8に示す密度調整材3の概略斜視
図を図9に示す。図9に示すように、この密度調整材3
は、音響整合部材1の一縦断面においては(X方向から
見た場合)、鋸歯状の形状を有しており、音響整合部材
1の平面においては(Y方向から見た場合)、単位密度
調整材が前記縦断面と垂直な方向にライン形状に連続し
ている。
【0028】特に、図7に示す単位密度調整材3’にお
いては、単位密度調整材3’の一方の面のみが音響整合
部材1の平面に対して傾斜しており、他方の面が音響整
合部材1の平面に対して略鉛直であってもよい(図4参
照)。単位密度調整材の形状は、図6〜8に示すものの
他、三角錐などの錐体でもよく、音響整合部材1の厚み
方向において連続的な密度勾配を形成できるのであれば
よい。
【0029】音響整合部材1の厚み方向における密度を
見かけ上連続的に変化させるためには、超音波の発信周
波数に対して音響整合部材1の厚みがその音響整合部材
1を通過する平均音速で決まる平均波長より薄い場合で
あり、超音波発信波長の八分の一より大きく、その超音
波発信波長の一波長未満の範囲であるように構成するこ
とが好ましい。
【0030】また、単位密度調整材3’の配置間隔とし
ては、単位密度調整材3’は図6〜8に示すように接し
ているのが好ましいが、これらに限られるものではな
く、間隔が空いていても音響整合部材1の厚み方向にお
いて平均での密度勾配が得られればよい。また、鋸歯状
の単位密度調整材3’の傾斜部(隣接する頂点)の間隔
は単位密度調整材3’の高さと同等程度が好ましいが、
特に限定されるものではない。
【0031】密度調整材3と複合化させる充填材2とし
ては、できるだけ密度が小さい充填材を用いるのが好ま
しく、50kg/m3から500kg/m3の範囲で形成
することができる材料を用いることが必要である。この
ような材料としては、有機高分子および無機材料の繊維
体、フォーム体、焼結多孔体ならびに乾燥ゲルなどが挙
げられるが、特に乾燥ゲルを用いるのが好ましい。ここ
で、乾燥ゲルとは、ゾルゲル反応によって形成される多
孔体であり、まず、ゲル原料液の反応によって固体化し
た固体骨格部と当該骨格部に含まれた溶媒とで構成され
た湿潤ゲルを得、ついで乾燥して溶媒を除去することに
よって形成することができる。
【0032】この乾燥ゲルは、ナノメートルサイズの固
体骨格部によって平均細孔直径が1nm〜100nmの
範囲にある連続気孔が形成されているナノ多孔体であ
る。そのため、ナノ多孔体である乾燥ゲルの密度が50
0kg/m3以下の低密度な状態にあると、固体部分を
伝搬する音速が極端に小さくなるとともに、細孔によっ
て多孔体内の気体部分を伝搬する音速も極端に小さくな
る。そのため、音速は500m/s以下の非常に遅い値
となり、低い音響インピーダンスを得ることができる。
また、ナノメートルサイズの細孔部では気体の圧損が大
きいため、前記多孔体を音響整合層として用いた場合、
音波を高い音圧で放射することができる。なお、ナノ多
孔体の比表面積としては、200m2/g以上であり、
好ましくは500m2/g以上のものが用いられる。
【0033】さらに、乾燥ゲルを構成する材料として
は、無機材料および有機高分子材料などを用いることが
できる。無機酸化物の乾燥ゲルの固体骨格部は、酸化ケ
イ素(シリカ)または酸化アルミニウム(アルミナ)な
どゾルゲル反応で得られる一般的なセラミックスで構成
することができる。これらの材料によって耐熱性のある
音響整合部材を提供することができる。さらに、吸湿に
対する耐湿性を付与するために、無機酸化物で構成され
撥水化された固体骨格部も好ましい。
【0034】密度調整材3を構成する材料としては、無
機材料、有機高分子材料、金属材料、またはこれらの複
合材料などを用いることができる。また、これらの材料
は、バルク体または多孔体の状態で用いることができ
る。例えば、有機高分子、無機セラミックス、フォーム
体、焼結多孔体、乾燥ゲル、ガラスバルーンもしくはプ
ラスチックバルーンを樹脂材料で固化した材料、ならび
に中空ガラス球を熱圧縮して得られた材料などが挙げら
れる。
【0035】これらの材料の選定においては、密度調整
材と充填材との密着性、音響整合部材における密度調整
材と圧電体および容器との接合性、密度調整材を含む超
音波送受波器の感度および温度特性の安定性、耐熱性お
よび耐湿性などの耐環境性、ならびに音響整合のための
密度の制御性などについての観点から検討した結果、無
機酸化物のバルク体または多孔体を好ましく用いること
ができることがわかった。無機酸化物の多孔体の密度と
しては、充填材よりも密度を高ければよく、好ましくは
500kg/m3以上、材料の固有密度までの範囲であ
るのがよい。
【0036】音響整合部材の一縦断面を構成する密度調
整材の鋸歯形状を形成するためには、密度調整材を構成
する材料を用いて所定の形状を有する密度調整材を作製
する必要がある。この場合、例えば切削加工、加圧成
型、射出成型、およびエンボス加工などの一般的な加工
方法を用いて密度調整材を作製することができる。ま
た、例えば、ゾルゲル反応によって無機酸化物の膜を形
成する際に、当該膜に型を押し当ててながら加熱による
ゲル化、乾燥、および離型を行って、所定の形状を有す
る密度調整材を作製することもできる。この方法では、
無機酸化物のバルク体、および乾燥ゲルの多孔体を作製
することも可能である。無機酸化物としては、酸化ケイ
素(シリカ)または酸化アルミニウム(アルミナ)など
ゾルゲル反応で得られる一般的なセラミックスを用いる
ことができる。
【0037】なお、密度調整材がその内部に連続気孔を
有する場合は、乾燥ゲルからなる充填材を形成するとき
に用いる原料液が密度調整材に浸透してしまうことがあ
る。この場合には、浸透させたまま充填材を形成するこ
ともできるが、その浸透を避けるために密度調整材の表
面に膜状の構造支持材を形成してもよい。ただし、充填
材が密度調整材に部分的に浸透した場合には両者の密着
性が上がるという効果もあるため、充填材と密度調整材
との組合せによって構成を決定する必要がある。
【0038】本発明の音響整合部材における充填材およ
び密度調整材の両方に無機酸化物を用いた場合には、超
音波送受波器を用いる動作環境の温度に対して、出力が
変動する温度特性が小さくなるため、好ましい。また、
本発明の音響整合部材における充填材と密度調整材とは
化学結合しているのが好ましい。これによって、超音波
振動に対する密着性の確保、取り扱いの容易さ、および
超音波送受波器の使用時の振動に対する耐久性などを確
保することができる。
【0039】この際、充填材の乾燥ゲルおよび密度調整
材の無機酸化物が酸化ケイ素で構成されている場合、ゾ
ルゲル反応による音響整合層を作製し易いため、好まし
い。さらに、密度調整材にも酸化ケイ素を用いると、材
質の違いが特性に及ぼす影響を低減させることができる
と思われる。加えて、無機酸化物には吸湿による耐湿性
の問題が懸念されるため、無機酸化物の固体骨格部を撥
水化しておくのが好ましい。
【0040】また、音響整合部材の厚みが超音波発信波
長の一波長以上である場合、音響整合部材の一断面にお
いて密度調整材が鋸歯形状であり、その音響整合部材の
平面内において密度調整材の鋸歯形状の各単位をライン
形状に配列してなる構成にしておき、さらにその密度調
整材の各単位ラインにおいて、その単位ラインの一面の
みを傾斜させ、他の面が音響整合部材の平面に略鉛直で
ある構成とするのが好ましい。
【0041】この構成によると、音波の放射方向を傾斜
面の略法線方向に制御することができる。この密度調整
材の単位ラインの傾斜面に対して、充填材が一定の厚み
で形成されて構成することによって、放射強度を高くす
ることができる。特に、充填材の厚みが、充填材を透過
する音波の波長の四分の一にした際に感度が良くなり、
受信、送信出力が高くなる。この構成の際には、密度調
整材の厚みに対して傾斜面の間隔を長くすることによっ
て、放射効率が良くなるために好ましい。
【0042】(2)圧電振動子について 図10に本発明に係る超音波送受波器に用いる圧電振動
子の一実施の形態を示す。具体的には、図10は、超音
波流量計に用いる超音波送受波器の圧電振動子の断面図
である。図10において、電気−超音波相互変換を行う
圧電振動子8は、圧電体4と上述した音響整合部材1と
で構成されている。圧電体4は、超音波振動を発生する
もので、圧電セラミックまたは圧電単結晶などからな
り、厚み方向に分極され、上下面に電極を有している。
【0043】音響整合部材1は、前述したように気体に
超音波を送波、または気体を伝搬して来た超音波を受波
するもので、駆動交流電圧により励振される圧電体4の
機械的振動が、外部の媒体に対する超音波として効率よ
く出ていき、到来した超音波を効率よく電圧に変換する
役目を有する。また、音響整合部材1は、圧電体4との
間に超音波の送受波面を形成するように、圧電体4の片
側の面上に形成されている。
【0044】本発明の音響整合部材を用いて作製した圧
電振動子には、取り扱いの簡便さなどの観点から、構造
支持層を設けることが有効である。このとき、音響整合
部材1が構造支持層を有し、前記構造支持層が密度80
0kg/m3以上であり、その構造支持層の厚みが構造
支持層中の超音波発振波長の八分の一未満であることが
有用である。構造支持材層が高い密度を有し、その内部
を通過する音の速度が速く、かつその厚みが超音波発振
波長よりも十分に小さいときには、構造支持材層の超音
波の送受波に対する影響が極めて小さくなる。
【0045】このような構造支持層としては、例えば金
属材料、セラミックおよびガラスなどからなる無機シー
ト、ならびにプラスチックシートなどの保護コートを用
いることができる。構造支持層の形状を容器状にしても
構わない。構造支持層を形成・配置する位置に関して
は、圧電体4と音響整合部材1との間に構造支持層を設
けるのが一般的である。金属材料で構成された容器を構
造支持層として用いる場合、圧電体4を前記容器内に配
置すればよい。また、接着剤または接着シートを用いて
圧電体4と音響整合部材1とを貼り合わせてもよい。こ
の場合、接着材または接着シートからなる層が構造支持
層になる。
【0046】(3)超音波送受波器について 図11に、本発明の一実施の形態における超音波送受波
器の概略縦断面図を示す。図11に示す超音波送受波器
10は、上述の特徴を有する構成の音響整合部材1と、
圧電体4とを用いて構成した圧電振動子を含む。構造支
持層として、超音波発振波長よりも十分に小さい厚みを
有する容器5が、音響整合部材1と圧電体4との間に介
在しており、圧電体4を密封している。
【0047】この容器5は、超音波送受波器の構造を機
械的に支持する働きをし、金属などの導電性材料で構成
されていることから、圧電体4を発振させる働き、およ
び受信した超音波を検知する電極の働きも有する。ま
た、圧電体4が構造支持層である容器5の内面に配置さ
れており、音響整合部材1がその容器5の外面において
圧電体4に対向する位置に配置されている。その圧電体
4から超音波を媒体に向かって放射する方向に、音響整
合部材1の密度が連続して低くなる構成を採用すること
によって、感度が高く、応答性の良い超音波送受波器1
0を提供することができる。
【0048】可燃性ガスを検知対象とする場合は、容器
5を密閉状態にすることで、圧電体4をガスと隔離する
ことができる。容器5の内部は窒素などの不活性ガスで
パージしておくのが好ましい。このように構成されてい
る超音波送受波器10では、駆動端子7に超音波送受波
器の共振周波数近傍となる周波数の交流信号成分を持つ
バースト信号電圧を印加すると、圧電振動子8は厚み振
動モードで振動し、気体または液体などの流体中にバー
スト状の超音波を放射することになる。
【0049】図12に本発明の別の実施の形態における
超音波送受波器の概略縦断面図を示す。図12に示す超
音波送受波器10は、非導電材料で構成された部分を有
する密閉状態の容器(センサケース)13を含み、圧電
体4がその容器13の内面に配置されてなり、音響整合
部材1が容器13の外面において圧電体4に対向する位
置に配置されている。非導電材料で構成された容器13
が構造支持層としての役割を果たしている。そのため、
容器13は音響整合層としての役割も発揮することがで
きるが、構造を支持するために比較的密度が高い材料で
構成する必要がある。
【0050】したがって、非導電材料で構成された容器
13を用いるだけでは、圧電体4の音響インピーダンス
と超音波の放射媒体である気体の音響インピーダンスと
の整合は取りにくい。したがって、図12に示すよう
に、一部が非導電性材料で構成された容器13を用いる
場合には、受信出力、送信出力および感度の向上という
観点から、音響整合部材1を複数積層させるのが効果的
である。この際には、音響整合層を兼ねる非導電材料で
構成された容器13の密度は、音響整合部材1が容器1
3に接する面の平均密度と同等か、それ以上である必要
がある。
【0051】(4)超音波送受波器の製造方法について 図13に、本発明の一実施の形態における超音波送受波
器の製造方法の説明図を示す。本発明の超音波送受波器
の製造方法においては、圧電体または圧電体を内面に配
置した容器の外面に密度調整材を形成した後、密度調整
材の上から乾燥ゲルからなる充填材で構成された層を形
成し、密度調整材および充填材を含む音響整合部材で構
成された音響整合層を作製する。
【0052】まず、図13の(1)に示すように、圧電
体4を接合した容器5に、ゾルゲル法によって原料溶液
を塗布する。得られた塗膜を、当該塗膜に押し型を当て
た状態で加熱し、無機酸化物からなる断面鋸歯形状を有
するくさび構造の密度調整材3を形成する(図13の
(2))。この密度調整材3の上にゲル原料液を塗布お
よび充填し、乾燥ゲルからなる充填材2を形成し、充填
材2および密度調整材3で構成された音響整合層を得る
(図13の(3))。
【0053】最後に、図13の(4)に示すように、圧
電体4に電極5aおよび端子板5bを取りつけて本発明
の超音波送受波器を得る。音響整合部材1の充填材2を
形成する工程(図13の(3))においては、密度調整
材3の上に、ゲル原料液を塗布する成膜工程、そのゲル
原料液より湿潤ゲルを得る固体化工程、得られた湿潤ゲ
ル層中の溶媒を除去して乾燥ゲルの層を得る乾燥工程に
よって充填材を形成することができる。
【0054】音響整合部材を構成する密度調整材と充填
材の耐久性を向上させるために、密度調整材と充填材と
を化学的に結合させることが効果的である。両者を構成
する材料に無機酸化物を用いることによって、特に好ま
しい効果が得られる。あらかじめ、密度調整材に洗浄な
どの処理を施すことによって当該密度調整材の表面に水
酸基を存在させておけば、さらに良好な密着性を確保す
ることができる。この処理方法としては、酸またはアル
カリによる洗浄、水洗、紫外線照射、オゾン処理、酸素
プラズマ処理などを用いて行うことができる。
【0055】図14に、本発明の別の実施の形態におけ
る超音波送受波器の製造方法の説明図を示す。本発明の
超音波送受波器の製造方法においては、図14の(1)
に示すように、あらかじめ鋸歯形状の断面を有するくさ
び構造の密度調整材3を形成しておく。この密度調整材
3のくさび構造の上面に、乾燥ゲルからなる充填材2を
形成して音響整合部材1を得る(図14の(2))。ま
た、容器5の内面に圧電体4を設置する(図14の
(3))。ただし、音響整合部材1を直接圧電体4に接
合する場合は、容器5の内面に圧電体4を接合しなくて
もよい。
【0056】密度調整材3に充填材2を形成するために
は、密度調整材3のくさび構造の面に、ゲル原料液を塗
布する成膜工程、そのゲル原料液より湿潤ゲルを得る固
体化工程、得られた湿潤ゲル層中の溶媒を除去して乾燥
ゲルの層を得る乾燥工程によって形成することができ
る。また、得られた音響整合部材1と、圧電体4または
容器5とを接着剤などによって接合する(図14の
(4))。そして、最後に、圧電体4に電極5aおよび
端子板5bを取りつけて本発明の超音波送受波器を得
る。
【0057】(4)超音波流量計について 図16に、本発明に係る超音波送受波器を用いた超音波
流量計の構成を説明するためのブロック図を示す。図1
6における超音波流量計は、流量測定部51である管内
を被測定流体が速度Vにて図16の矢印で示す方向に流
れるように設置される。その流量測定部51を形成する
流路管52の壁には、本発明に係る超音波送受波器であ
る圧電振動子101および102が相対して配置されて
いる。
【0058】ここでは、圧電振動子101を超音波送波
器として用い、圧電振動子102を超音波受波器として
用いている。また、超音波送波器101と超音波受波器
102には、これらの送受信を切り替える切替回路55
を介して、超音波送受波器101および102を駆動す
る駆動回路54と、超音波パルスを検知する受信検知回
路56、超音波パルスの伝搬時間を計測するタイマ5
7、該タイマ57の出力より流量を演算する演算部5
8、駆動回路54とタイマ57に制御信号を出力する制
御部59が接続されている。
【0059】つぎに、このように構成された超音波流量
計の動作を説明する。例えばLPガスなどの被測定流体
を用い、超音波送受波器101および102の駆動周波
数を約500kHzとする。制御部59では駆動回路5
4に送信開始信号を出力すると同時に、タイマ57の時
間計測を開始させる。駆動回路54は送信開始信号を受
けると超音波送受波器101を駆動し、超音波パルスを
送信する。送信された超音波パルスは流量測定内を伝搬
して、超音波送受波器102で受信される。受信された
超音波パルスは超音波送受波器102で電気信号に変換
され、受信検知回路56に出力される。受信検知回路5
6では受信信号の受信タイミングを決定し、タイマ57
を停止させ、演算部58で伝搬時間t1を演算する。
【0060】引き続き切替回路55で駆動回路54と受
信検知回路56に接続する超音波送受波器101および
102を切り替え、再び制御部59では駆動回路54に
送信開始信号を出力すると同時に、タイマ57の時間計
測を開始させる。伝搬時間t1の測定と逆に、超音波送
受波器102で超音波パルスを送信し、超音渡送受波器
101で受信し、演算部58で伝搬時間t2を演算す
る。
【0061】ここで、超音波送受波器101と超音渡送
受波器102の中心を結ぶ距離をL、LPガスの無風状
態での音速をC、流量測定部51内での流速をV、非測
定流体の流れの方向と超音波送受波器101および10
2の中心を結ぶ線との角度をθとすると、伝搬時間t1
およびt2をそれぞれ求めることができる。また、距離
Lは既知であるので時間t1およびt2を測定すれば、
流速Vを求めることができ、その流速Vから流量を調べ
ることができる。
【0062】図18に、本発明の超音波送受波器を用い
た別の超音波流量計のブロック図を示す。また、図19
に図18に示す超音波流量計の測定原理を説明するため
の流量測定部の模式的な断面図を示す。上述した本発明
に係る音響整合部材の厚みが超音波発信波長の一波長以
上である場合、音響整合部材において、その一縦断面に
おいて密度調整材を鋸歯形状とし、その音響整合部材の
平面内において密度調整材の鋸歯形状の各単位をライン
形状に配列させておき、さらにその単位密度調整材の各
ラインにおいて形成される一方の面のみを傾斜させ、他
方の面を音響整合部材の平面に対して略鉛直とする。本
発明に係る超音波流量計に含まれる超音波送受波器は、
以上の構成の音響整合部材を含む圧電振動子を具備す
る。
【0063】図18に示す超音波流量計は、超音波送受
波器104および105の配置に関してのみ、図16に
示す超音波流量計と異なる。その他の測定原理および制
御方法などは同じである。ここで用いる超音波送受波器
104および105においては、超音波送受波器の放射
面に対して、音波の放射方向を傾斜面の略法線方向に制
御することができる。ここで、図19は、図18に示す
超音波流量計の寸法などの設計を説明するための図であ
る。図19の(a)に示す流路管103の壁内に設けら
れた超音波信号を送受信する一対の超音波送受波器10
4および105には、図19の(b)に示される単位密
度調整材21が含まれている。すなわち、ここでは、一
縦断面において図4に示す鋸歯形状を有する音響整合部
材が用いられている。
【0064】図19の(b)に示すように、それぞれの
超音波送受波器104および105における単位密度調
整材21が形成するラインの傾斜面23が互いに対向す
るように配置されている場合、単位密度調整材21が形
成するラインの傾斜面23が、音響整合層の平面と平行
な面22からの傾斜面23の傾斜角φと、互いに対向す
る傾斜面23を鉛直に結んだ線24と流路管103の壁
面と平行な面22とのなす角度θとが、概ね、関係式
(1): φ=90°−θ (1) (但し、θは0°から90°の範囲)を満たすのが好ま
しい。
【0065】このような構成を有する本発明に係る超音
波流量計を用いれば、図17に示すような一般的な構造
の超音波流量計を用いる場合と比較して、流路に窪んだ
部分がないため流路を流れる被測定対象である流体の流
れを乱すことがなく、より正確な流量の計測が可能にな
る。以下に、実施例を用いて本発明をより具体的に説明
するが、本発明はこれらのみに限定されるものではな
い。
【0066】
【実施例】《実施例1》図13に示す方法にしたがっ
て、本発明の超音波送受波器の製造を以下のように行っ
た。 密度調整材の形成 ここでは、密閉し得る容器5の内部天面にエポキシ系接
着剤を印刷し、圧電体4を合わせて加圧しながら加熱し
て硬化接合した。テトラメトキシシラン(TMOS)と
pH2以下に調整した水とを重量比で約8対2に調製し
てシリカゾル液を得、このシリカゾル液にpH11に調
整したアンモニア水溶液を数滴滴下した。その後、シリ
カゾル液を上記容器5の外面において前記圧電体4に対
向する位置に塗布し、縦断面が鋸歯形状で四角錘状の凹
部を有する金型で、前記天面を保持した。
【0067】この状態で前記シリカゾル液を1日間かけ
てゲル化させ、金型をはずして室温で放置乾燥し、続い
て60℃で放置乾燥して酸化ケイ素(シリカ)からなる
密度調整材3を形成した。この密度調整材の密度は約1
100kg/m3であり、シリカのバルク密度約220
0kg/m3に比較して小さな値であるために、多孔質
構造であると考えられる。また、この密度調整材のシリ
カ部分における音速は、超音波約500kHzに対し
て、約3000m/sであった。
【0068】音響整合層の形成 前記容器5の外面に形成した密度調整材3の上から、電
気透析によりケイ酸ソーダからナトリウム成分を除去し
て得られたpH9〜10のケイ酸水溶液(水溶液中のシ
リカ成分濃度14重量%)を塗布した。得られた塗膜が
ゲル化して固体化し、シリカ湿潤ゲル層が得られた後、
ジメトキシジメチルシラン溶液中で前記シリカ湿潤ゲル
層の表面の疎水化処理を行った。その後、前記シリカ湿
潤ゲル層を、二酸化炭素を使用して12MPa、50℃
で超臨界乾燥させ、シリカ乾燥ゲルからなる充填材2と
シリカからなる密度調整材3とで構成された音響整合部
材1を形成した。こうして、圧電体4、容器5および音
響整合部材1を具備する圧電振動子ケースを得た。
【0069】なお、シリカ乾燥ゲルからなる充填材は、
超音波約500kHzに対して、音速180m/s、密
度200kg/m3であった。このときの音響整合部材
1の平均音速は約1600m/sであった。音響整合部
材1の厚みは約1mmで、単位密度調整材3の傾斜面
(頂点)の間隔も約1mmとした。 超音波送受波器の形成 前記圧電振動子ケースに蓋板および駆動端子などを取り
付けて、本発明に係る超音波送受波器を作製した。
【0070】《実施例2》本実施例においては、図14
に示す方法により本発明に係る超音波送受波器を製造し
た。 密度調整材の形成 数十μm径の球状アクリル樹脂粉末と径1μm以下の焼
結シリカ粉末とを混合し、得られた混合物を加圧成形し
た。得られた成形体を、乾燥した後、900℃で焼成し
てシリカ多孔体を形成した。このシリカ多孔体の厚みが
1mmになるように調製し、研削加工によって縦断面に
おいて図3に示すように支持部(250μm)を有し、
かつ上面において図8に示すライン形状の構造を有する
密度調整材3を得た。なお、この密度調整材の固体部分
は、超音波約500kHzに対して、音速1500m/
s、密度570kg/m3であった。
【0071】音響整合部材の形成 上記密度調整材3にプラズマクリーニングを施すことに
より、その表面に水酸基を導入した。ついで密度調整材
3上に、TMOSとエタノールとアンモニア水溶液
(0.1規定)をモル比で1対3対4になるように調製
したゲル原料液を塗布した。この後、得られた塗膜をゲ
ル化し、固体化したシリカ湿潤ゲルの充填材2を得た。
このシリカ湿潤ゲルをトリメチルエトキシシランの5重
量%ヘキサン溶液中で疎水化処理を行った後に、二酸化
炭素による超臨界乾燥(12MPa、50℃)を行っ
て、シリカ乾燥ゲルの充填材2と密度調整材3で構成さ
れた音響整合部材1を得た。
【0072】なお、密度調整材3上の水酸基とTMOS
のアルコキシ基が反応して化学結合をしているため、得
られた音響整合部材1は密着性に優れていた。また、シ
リカ乾燥ゲルからなる充填材2は、超音波約500kH
zに対して、音速180m/s、密度200kg/m3
であった。さらに、このときの音響整合部材の平均音速
は約840m/sであった。音響整合部材1の厚みは約
1mmで、密度調整材3の縦断面における鋸歯の高さは
750μm、傾斜面の間隔は800μmとした。
【0073】音響整合部材と容器、圧電体との接合 容器5の天面の内面および外面にエポキシ系接着剤を塗
布した後、圧電体4および音響整合部材1と容器5とを
合わせて仮結着し、加圧しながら加熱して硬化接合し
た。ついで、圧電体4と音響整合部材1を接合した容器
5に蓋板および駆動端子などを取り付け、本発明に係る
超音波送受波器を得た。
【0074】《比較例1および2》均質な密度を有する
音響整合層として、ガラスバルーンをエポキシ樹脂で硬
化したガラスエポキシ音響整合層を形成した。この音響
整合層は、治具にガラスバルーンを充填した後にエポキ
シ溶液を含浸させて、120℃で熱硬化させることによ
って作製した。得られた硬化成形体を、厚みが超音波発
振波長の四分の一となるように切削し、音響整合層とし
た。こうして得られた音響整合層を用いた他は実施例1
と同様にして、超音波送受波器を作製した(比較例
1)。なお、超音波約500kHzに対して、音速25
00m/s、密度500kg/m3、厚み1.25mm
であった。また、圧電振動子ケース上にシリカ乾燥ゲル
のみからなる均質な密度の音響整合層を形成した他は実
施例1と同様にして、超音波送受波器を得た(比較例
2)。
【0075】[評価]以下に、上述の実施例1および
2、ならびに比較例1および2で得られた超音波送受波
器の超音波500kHzに対する送受波特性を評価し
た。実施例1および2、ならびに比較例1および2の超
音波送受波器をそれぞれ2個ずつ作製し、図16に示す
構造を有する超音波流量計を作製した。なお、比較例1
および2の超音波送受波器においては、密度調整材が含
まれていないため、傾斜面の角度などの制御は必要とし
なかった。こうして得られた超音波流量計において、一
方の超音波送受波器から発信した音波を他方の超音波送
受波器で受信したときの出力波形を測定した。得られた
出力波形の振幅強度の大きさに基づいて、それぞれの超
音波送受波器の感度を比較した。その結果、感度は、 (実施例2)≧(実施例1)>(比較例2)≫(比較例
1) の順に優れていた。この結果から、従来から一般に用い
られている比較例1の音響整合層を用いた超音波送受波
器に対して、比較例2は約8〜10倍、実施例1では約
15倍、実施例2では約20倍の優れた特性を示すこと
がわかった。
【0076】《実施例3》本実施例においては、実施例
2と同様に図14に示す方法にしたがって、図18に示
す構造を有する超音波送流量計を製造した。 密度調整材の形成 実施例2と同様にして密度調整材3を形成した。ただ
し、ラインの傾斜面は片方のみに形成し、他方の面は音
響整合部材1の平面に対して鉛直になるように設定し
た。密度調整材3の高さは3.5mmであり、傾斜面
(鋸歯の頂点)の間隔は3.3mmとした。 音響整合部材の形成 実施例2と同様にして充填材2を形成した。ただし、ラ
インの傾斜面のみに、厚み90μmの乾燥ゲルからなる
充填材2からなる層を形成し、音響整合部材1を得た。
【0077】実施例2と同様にして、音響整合部材1
と容器5および圧電体4とを接合し、ついで超音波送受
波器を作製した。さらに、この超音波送受波器2個を用
い、図19に示すように縦断面における鋸歯のラインに
おいて形成される傾斜面が対向させるように配置し、本
発明にかかる超音波流量計を構成した。この超音波流量
計によれば、感度約10倍以上の良好な送受信を行うこ
とができることを確認できた。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、音響
整合部材として、音響整合部材の厚み方向にわたって、
密度が連続的に変化するように構成する。特に、密度の
連続的な変化を得るために、音響整合部材の厚みをその
超音波発信波長の一波長未満であるように構成し、かつ
音響整合部材の一断面において、密度調整材が鋸歯形状
に配置されて構成する。この音響整合部材を超音波送受
波器へ適用することによって、超音波の放射媒体側で
は、その音響整合層との境界界面で反射減衰を低減する
ことができる。また、圧電体側でも、その音響整合層と
の境界界面での反射減衰を低減することができる。これ
らによって、本発明の超音波送受波器は優れた送受信感
度を得られるものである。
【0079】さらに、本発明の超音波流量計は、本発明
の超音波送受波器が高感度および特性バラツキが少ない
ことから流量計測の安定性の向上が図れる。また、流量
計測の際にシング・アラウンド方式では、高感度化によ
って繰返しの回数を低減することができるために、1回
当りの測定に必要とされる消費電力を低減することもで
きる。また、音響整合部材をすべて無機酸化物で構成す
ることで流量計測の温度特性が優れた特性が得られ、信
頼性の高い計測を行うことができる。さらに、音響整合
部材を撥水化することによって耐湿性に優れた信頼性の
高い超音波流量計を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る音響整合部材の概略
縦断面図
【図2】本発明の実施の形態に係る別の音響整合部材の
概略縦断面図
【図3】本発明の実施の形態に係るさらに別の音響整合
部材の概略縦断面図
【図4】本発明の実施の形態に係る別の音響整合部材の
概略縦断面図
【図5】本発明の実施の形態に係る別の音響整合部材の
概略縦断面図
【図6】本発明の音響整合部材における密度調整材の形
状を示す上面図
【図7】本発明の音響整合部材における密度調整材の形
状を示す上面図
【図8】本発明の音響整合部材における密度調整材の形
状を示す上面図
【図9】図8に示す密度調整材の概略斜視図
【図10】本発明に係る超音波送受波器に用いた圧電振
動子の概略縦断面図
【図11】本発明の一実施の形態における超音波送受波
器の概略縦断面図
【図12】本発明の別の実施の形態における超音波送受
波器の概略縦断面図
【図13】本発明の一実施の形態における超音波送受波
器の製造方法の説明図
【図14】本発明の別の実施の形態における超音波送受
波器の製造方法の説明図
【図15】従来の超音波送受波器の概略縦断面図
【図16】本発明に係る超音波送受波器を用いた超音波
流量計の構成を説明するためのブロック図
【図17】超音波の流量を測定する原理を説明するため
の超音波流量計の構成を概念的に示す図
【図18】本発明の超音波送受波器を用いた別の超音波
流量計のブロック図
【図19】図18に示す超音波流量計を用いて超音波の
流量を測定する原理を説明するための説明図
【符号の説明】
1 音響整合部材 2 充填材 3 密度調整材 4 圧電体 5 容器 7 駆動端子 8 圧電振動子 10 超音波送受波器 13 容器 51 流量測定部 52 流路管 54 駆動回路 55 切替回路 56 受信検知回路 57 タイマ(計測回路) 58 演算部 59 制御部 101、102 超音波送受波器 103 流路管 104、105 超音波送受波器
フロントページの続き (72)発明者 橋本 和彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 橋本 雅彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 永原 英知 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 白石 誠吾 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 ▲高▼原 範久 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2F035 AA06 DA05 DA16 5D019 AA22 GG02

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電体を用いて超音波を送信または受信
    する超音波送受波器に用いる音響整合部材であって、厚
    み方向において密度が連続的に変化している音響整合部
    材。
  2. 【請求項2】 充填材および密度調整材の複合体で構成
    され、前記充填材の密度が50kg/m3〜500kg
    /m3であり、かつ前記充填材中を通過する音の速度が
    500m/s未満であり、前記密度調整材の密度が前記
    充填材の密度以上である請求項1記載の音響整合部材。
  3. 【請求項3】 超音波発信波長の8分の1より大きく、
    前記超音波発信波長の一波長未満である厚みを有する請
    求項1または2記載の音響整合部材。
  4. 【請求項4】 前記密度調整材が複数個の単位密度調整
    材を含む請求項1〜3のいずれかに記載の音響整合部
    材。
  5. 【請求項5】 前記音響整合部材の一縦断面において、
    前記単位密度調整材が鋸歯状に配置されている請求項1
    〜4のいずれかに記載の音響整合部材。
  6. 【請求項6】 前記音響整合部材の平面において、前記
    単位密度調整材がライン状に配列している請求項5記載
    の音響整合部材。
  7. 【請求項7】 前記音響整合部材の平面に対し、前記ラ
    インにおいて鋸歯状の前記単位密度調整材が形成する2
    つの面のうち、一方の面が傾斜し他方の面が略鉛直であ
    る請求項5記載の音響整合部材。
  8. 【請求項8】 前記傾斜面に対して前記充填材の厚みが
    一定である請求項7記載の音響整合部材。
  9. 【請求項9】 前記充填材が無機酸化物の乾燥ゲルであ
    る請求項1〜8のいずれかに記載の音響整合部材。
  10. 【請求項10】 無機酸化物の乾燥ゲルの固体骨格部が
    撥水化されている請求項9記載の音響整合部材。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかに記載の音
    響整合部材で構成された音響整合層と、圧電体と、容器
    とを具備する超音波を送信または受信する超音波送受波
    器であって、前記圧電体から前記超音波を放射する媒体
    に向かって前記音響整合層の密度が低下している超音波
    送受波器。
  12. 【請求項12】 前記圧電体が前記容器の内面に配置さ
    れ、前記音響整合層が前記容器の外面の前記圧電体に対
    向する位置に配置されている請求項11記載の超音波送
    受波器。
  13. 【請求項13】 前記容器が金属で構成されている請求
    項12記載の超音波送受波器。
  14. 【請求項14】 請求項1〜10のいずれかに記載の音
    響整合部材で構成された音響整合層と、圧電体と、容器
    とを具備する超音波を送信または受信する超音波送受波
    器の製造方法であって、 (A)圧電体に、または前記圧電体を内面に配置した容
    器の外面の前記圧電体に対向する位置に、密度調整材を
    形成する工程、 (B)前記密度調整材上にゲル原料液を塗布する工程、 (C)前記ゲル原料液を固体化して湿潤ゲルとする工
    程、および (D)前記湿潤ゲル中の溶媒を除去して乾燥ゲルを得、
    前記密度調整材と前記乾燥ゲルで構成された充填材とを
    具備する音響整合部材を得る工程を含む超音波送受波器
    の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項1〜6のいずれかに記載の音響
    整合部材で構成された音響整合層と、圧電体と、容器と
    を具備する超音波を送信または受信する超音波送受波器
    の製造方法であって、 (a)密度調整材上にゲル原料液を塗布する工程、 (b)前記ゲル原料液を固体化して湿潤ゲルとする工
    程、 (c)前記湿潤ゲル中の溶媒を除去して乾燥ゲルを得、
    前記密度調整材と前記乾燥ゲルで構成された充填材とを
    具備する音響整合部材を得る工程、および (d)前記音響整合部材を、圧電体に、または前記圧電
    体を内面に配置した容器の外面の前記圧電体に対向する
    位置に接合する工程を含む超音波送受波器の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記密度調整材を成型加工により作製
    する工程を含む請求項14または15記載の超音波送受
    波器の製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項11〜13のいずれかに記載の
    超音波送受波器を具備する超音波流量計であって、 被測定流体が流れる流量測定部と、 前記流量測定部を挟んで設けられ超音波信号を送受信す
    る一対の前記超音波送受波器と、 前記超音波送受波器間の超音波伝搬時間を計測する計測
    回路と、 前記計測回路からの信号に基づいて流量を算出する流量
    演算手段とを具備し、 前記超音波送受波器を構成する容器が、前記被測定流体
    と前記圧電体を遮断している超音波流量計。
  18. 【請求項18】 前記一対の超音波送受波器における前
    記密度調整材の傾斜面が互いに対向し、前記音響整合層
    の平面からの前記傾斜面の傾斜角φ、および互いに対向
    する前記傾斜面を鉛直に結んだ線と前記流量測定部の壁
    面とがなす角度θが、関係式(1): φ=90°−θ (1) (但し、θは0°から90°の範囲)を満たす請求項1
    7記載の超音波流量計。
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