JP2023053437A - 振動伝搬部材、およびこれを用いた振動送受波器、流量計、流速計、濃度計、及び製造方法 - Google Patents

振動伝搬部材、およびこれを用いた振動送受波器、流量計、流速計、濃度計、及び製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本開示は、振動手段に接合して動作する振動伝搬部材およびこれを用いた振動送受波器、これを用いた計測器を提供する。【解決手段】振動手段1の一つの面に接合して動作する振動伝搬部材2であって、振動伝搬部材2は、天板3と、側壁4と、天板3に対し概垂直に配置した垂直隔壁5とで形成し、天板3と垂直隔壁5とで形成される複数の膜構造を備えることで、垂直隔壁5の厚み、垂直隔壁5間の距離、天板3の厚みになどで形成される複数の膜構造で誘発される振動を個別に制御できる構成とした。【選択図】図2

Description

本開示は、振動手段に接合して動作する振動伝搬部材およびこれを用いた振動送受波器、流量計、流速計、濃度計などの計測器に関する。
従来、この種の振動伝搬部材は、エポキシ樹脂と微小ガラス球体との混合体からなる円板体として用いていた。この円板体を圧電体の一面に接合し、振動送受波器、超音波領域の振動を用いた超音波計測器として用いていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2004-125804号公報
しかしながら、前記従来の振動伝搬部材を用いた振動送受波器では、被計測流体が腐食性流体、高温高湿環境、超高温環境である場合には、安定した動作が困難である。
さらに、振動伝搬部材の設計は、自由度が低く、厚み、外形寸法などでしか実施することができない。また、周波数設計の自由度も低い。このような課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、被計測流体が腐食性流体あるいは高温高湿の環境下において安定した動作が可能であり、かつ設計自由度の高い振動伝搬部材の提供を目的とする。
従来、振動手段と、前記振動手段の一つの面に接合して動作する振動伝搬部材は、振動を伝搬する媒質に応じて、振動伝搬部材の密度、音速等を考慮に入れ材料選定し、振動伝搬部材の厚み、外径などの形状寸法による設計を行っていた。また、振動伝搬部材は一般的に単一材料であるため、振動伝搬部材の部分的な特性を制御することは困難であった。
本発明の振動伝搬部材は、天板と、側壁と、前記天板に対し概垂直に配置した垂直隔壁とで形成され、前記天板と前記垂直隔壁とで形成される複数の膜構造で発生する振動を用いた振動伝搬部材とし、振動伝搬部材の構成要素である垂直隔壁の厚み、垂直隔壁間の距離、天板の厚みになどで形成される複数の膜構造で誘発される振動が個別に制御できる構成とした。その結果、圧電体に張り付けた振動送受波器とした場合に、複数の膜構造を構成する、垂直隔壁の厚み、垂直隔壁間の距離、天板の厚みを個別に制御することが可能で、設計自由度の高い振動伝搬部材とすることができる。
また、天板と、底板と、垂直隔壁とで形成される空間を密閉空間とすることで、腐食環境、あるいは高温高湿環境に暴露された場合でも、安定した動作が可能となる。加えて、厚み方向の振動を使わないため、振動伝搬部材自体を薄くすることが可能となる。
実施の形態1における振動手段の一面に設けられた振動伝搬部材の断面図 (a)実施の形態1における振動伝搬部材の断面図、(b)実施の形態1における振動伝搬部材の線分X断面図 本実施の形態1における振動伝搬部材の厚み方向に直交する方向に切断した振動伝搬部材の断面図 実施の形態1における振動伝搬部材の製造手順を示す斜視図 実施の形態1における振動送受波器の断面図 実施の形態1における振動送受波器の製造手順を示す断面図 本発明の実施の形態1における振動伝搬部材の垂直隔壁間の距離と振動伝搬部材の膜構造共振周波数との相関図 (a)振動伝搬波形計測方法の断面模式図、(b)本実施の形態1における振動送受波器の受信波形を示す図 本実施の形態1における振動送受波器感度と垂直隔壁間の距離との相関グラフ 本実施の形態1における一方の膜振動fと他方の膜振動fと受信波形との関係を示す図 実施の形態1における流量計、流速計の模式図 実施の形態1における濃度計の模式図 実施の形態2における振動手段の一面に設けられた振動伝搬部材の断面図 (a)実施の形態2における振動伝搬部材の断面図、(b)実施の形態2における振動伝搬部材の線分X断面図 実施の形態2における振動伝搬部材内部空間圧力P1と振動伝搬媒質圧力P2の定義を説明する断面図 実施の形態2における振動伝搬部材の断面一部拡大図 実施の形態2における振動伝搬部材の断面一部拡大図 実施の形態2における振動伝搬部材の断面一部拡大図 実施の形態2における振動伝搬部材の断面一部拡大図 実施の形態2における振動伝搬部材の側壁と垂直隔壁を含む断面一部拡大図 実施の形態2における振動伝搬部材の製造手順を示す斜視図 実施の形態3における振動手段の一面に設けられた振動伝搬部材の断面図 (a)実施の形態3における振動伝搬部材の断面図、(b)実施の形態3における振動伝搬部材の線分X断面図 実施の形態3における振動伝搬部材の製造手順を示す斜視図 (a)実施の形態4における振動伝搬部材の断面図、(b)実施の形態4における振動伝搬部材の線分X断面図 (a)実施の形態5における振動伝搬部材の断面図、(b)実施の形態5における振動伝搬部材の線分X断面図 実施の形態5における振動伝搬部材の製造手順を示す斜視図 (a)実施の形態6における振動伝搬部材の断面図、(b)実施の形態6における振動伝搬部材の線分X断面図、(c)実施の形態6における振動伝搬部材の線分X断面図 実施の形態6における振動伝搬部材の製造手順を示す斜視図 実施の形態7における振動送受波器の断面図 実施の形態7における振動伝搬部材の製造手順を示す断面図
(本開示の基礎となった知見等)
発明者らが本開示に想到するに至った当時、被計測流体として、可燃性ガス、空気等の乾燥空気の流速、流量、濃度を計測するため、被計測流体に効率よく超音波などの振動を伝搬させる必要があることから、被計測流体と振動手段のひとつとして用いられる圧電体との間に介在させる振動伝搬部材の物性をコントロールする必要がある。
上記の振動伝搬部材に関する物理的解釈を以下に示す。
まず、音響インピーダンスの定義である密度と音速の積は、その物質の微小単位要素を構成する物質の運動量を示す。すなわち、微小単位要素を構成する物質の運動量をΔP、質量をΔM、速度をVとすると、運動量の定義より、
ΔP(運動量)=ΔM×V(音響インピーダンス) ・・・(1)
となり、音響インピーダンスは微小単位要素を構成する物質の運動量であることが判る。
従って、ある物質( 超音波発生源) から隣接する物質への効率的なエネルギー伝播は、音響インピーダンスが近いことが望ましいことが判る。
これらを踏まえて、上記音響整合層にて起こる現象を記述する。
一般に物質の音速は、
V=(κ/ρ)1/2 ・・・(2)
と表される。ここでκは体積弾性率、ρは密度である。即ち、物質の音速は体積弾性率と密度により一意的に決まることから、音速を意図的に制御することは困難であることが判る。
従って、音響インピーダンスを低減するためには密度を低減することが有効である。
このような振動伝搬部材は、密度を低減し、その伝搬方向の音速に基づいて、厚み、あるいは、外径等の形状寸法による設計を行っていた。また、用いる構成材料のほとんどは、単一材料、あるいは、ほぼ均一な複合材料を用いるため、振動伝搬部材の特性を部分的に制御することは困難であった。
また、従来構成では、振動伝搬媒質として、高温高湿の気体を想定する場合、振動伝搬部材の穴、あるいは貫通部に水分が混入し、振動伝搬部材の密度が、見かけ上大きくなるため、音響整合体の音響インピーダンスが大きくなってしまい、振動伝搬媒質への振動の伝搬効率が低下し、結果として、これを用いた流量計、濃度計等の計測器の性能が低下する、或いは、最悪の場合計測不能となってしまう課題がある。
本願発明者らは、従来技術におけるそのような問題を見出し、その問題を解決するために、本開示の主題を構成するに至った。
本開示は、設計自由度が高く、振動伝搬媒質が高温高湿流体であっても長期間、安定して、高精度に振動を伝搬することができる振動伝搬部材を提供する。加えて、この振動伝搬部材を、振動手段の一面に接合して形成した振動送受波器、これを用いた流量計、流速計、濃度計などの計測器を提供する。
以下、図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が必要以上に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下で説明する実施の形態は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、いずれも本開示の一例を示すものであり、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
なお、以下の実施の形態では、便宜的に、本開示の構成要素の形状を示す図面にX軸、Y軸、Z軸の3軸を示し、必要に応じて、X軸、Y軸、Z軸を用いて説明を行う。また、以下の実施の形態では、便宜的に、超音波送受波器を図1に示す向きに配置したときに、図1の紙面において左から右に向かう方向をX軸正方向とし、図1の紙面において下から
上に向かう方向をZ軸正方向とし、図1の紙面において表から裏に向かう方向をY軸正方向とする。また、構成要素におけるZ軸に平行な大きさを「厚み」と呼び、Z軸正方向を上または上方、Z軸負方向を下または下方と呼ぶことがある。なお、X軸、Y軸、Z軸、上、下を用いた説明は本開示の理解を容易にするために便宜的に行うものに過ぎず、上下については本開示の超音波送受波器の設置の向きによって変化する相対的なものである。したがって、以下の実施の形態におけるこれらを用いた説明により本開示が限定されるものではない。
(実施の形態1)
以下、図1~12を用いて、実施の形態1の振動伝搬部材、この振動伝搬部材を用いた振動送受波器、この振動送受波器を用いた、流量計、濃度計を説明する。
[1-1.振動伝搬部材]
[1-1-1.振動伝搬部材の構成]
図1は、実施の形態1における振動手段1の一面に設けられた振動伝搬部材2構成の一例を模式的に示す断面図である。図1では、振動伝搬部材2を厚み方向(Z軸に平行)に切断した断面図(X-Z平面における断面図)を示す。図1に示すように、振動伝搬部材2は、振動手段1の一面に面接合され、振動手段1の振動に応じて振動する。振動伝搬部材2は、天板3と、側壁4と、天板3に対して概ね垂直に形成した垂直隔壁5で構成される。天板3と、垂直隔壁5と、振動手段1とで構成される空間は、密閉空間6とすることも可能で、目的に応じて密閉空間とし、場合によっては貫通穴を設け、振動伝搬媒質と貫通孔を介して連続した空間とすることもできる。
次に、図2を用いて振動伝搬部材2の内部構造を説明する。図2は、実施の形態1における振動伝搬部材2の構成の一例を示す断面図である。
なお、図2の(a)には、振動伝搬部材2を厚み方向(Z軸に平行)に切断した断面図(X-Z平面における断面図)を示している。また、図2の(b)には、図2の(a)におけるII-II線分断面図、すなわち振動伝搬部材2を厚み方向に直交する方向(X-Y平面に平行)に切断した断面図(X-Y平面における断面図)、を示している。図中のTは、矢印で示す振動伝達部材2(Z軸に平行)の厚さを示す。なお、振動伝搬部材2を厚み方向に直交する方向の断面は、図2(b)に示されているように、例えば、格子状に形成されている。天板3と垂直隔壁5で構成される膜構造7は、天板3の厚み、対向する垂直隔壁5の間の距離によって、固有振動を持ち、一方の膜構造8と、他方の膜構造9とは、対向する垂直隔壁5の間の距離が異なる。
対向する垂直隔壁5の間の距離が異なる振動伝搬部材2はその他にも想定され、図3に、この一例として、3つの断面形状を示した。
図3(a)~(c)は、本実施の形態1における振動伝搬部材2の厚み方向に直交する方向(X-Y平面に平行)に切断した対向する垂直隔壁5の間の距離が異なる振動伝搬部材の断面図を示している。図3(a)~(c)のいずれの断面図においても、複数の異なる垂直隔壁間の距離で形成された膜構造を備える構造を示している。
[1-1-2.振動伝搬部材の製造手順]
次に、図4を用いて、振動伝搬部材2の製造手順を説明する。
図4は、実施の形態1における振動伝搬部材2の製造手順を示す斜視図である。振動伝搬部材2の製造工程は、図4に示す(a)、(b)、(c)、(d)の順に進行する。
図4(a)に示すように、まず複数のパターン構造を取り出せる大きさの金属板10、個別のパターン構造を取り出せる金属板10を複数準備する。図4(a)には一枚の金属板10を示す。次に、図4(b)に示すように、金属板10を天板3とするために円形状にパターニングした金属板11、振動伝搬部材2の側壁4と垂直隔壁5とをパターニングした金属板12を示しており、個別、あるいは同時に作製する。金属板10のパターニングには、例えば、金属板10のプレスによる打ち抜き加工、フォトリソグラフィによるエッチング加工、レーザー加工、或いは、放電ワイヤーを利用した加工等を用いることができる。
なお、本開示では、天板3とするため円形状にパターニングした金属板11、パターン形成した金属板12が、上面視において(Z軸に平行に見たときに)外形が円形(円盤状)になるように形成されている例を示す。しかし、これは単なる一例を示したものに過ぎず、本開示に示す天板3、パターン形成した金属板12の外形の形状は何ら円形(円盤状)に限定されるものではなく、楕円形や多角形であってもよい。
次に、図4(c)に示すように、複数のパターン形成した金属板12と天板3とを、位置決めを実施しつつ順に積層する。具体的には、まず所定枚数のパターン形成した金属板12を積層する。次に、複数のパターン形成した金属板12の最上面(Z軸正方向における最も端に配置されたパターン形成した金属板12のZ軸正方向側の面)に天板3を積層する。次に、パターニングした金属板同士を、直接接合の一つとして例示する拡散接合によって一体的な材料となるように、加熱加圧、真空環境で接合する。加熱温度については、例えばステンレスの場合、融点約1500℃に対し、拡散接合時の温度はおよそ1000℃程度であるので、相互に積層した複数の金属板12、天板3がステンレス製であれば、それらを、真空中、この温度に加熱して加圧することで、母材を溶融させることなく接合界面の原子を拡散させ接合することが可能となる。
拡散接合には、平面性が要求されるので、図4(c)に示す加工方法によっては、図3(b)に示す工程の後に、円形状にパターン形成した金属板11、パターン形成した金属板12のバリや変形を解消する後加工が必要となる場合がある。加えて、直接接合方法として、母材を一部溶融させる、溶融溶接も想定される。その場合、ステンレスであれば1500℃近傍まで加熱することで、複数の金属板同士を接合することも可能である。また、金属板通しの接合を行う方法として。金属板との間に接合材として想定される、エポキシ樹脂、シアノアクリレート系の接着剤を用いることも可能である。加えて、接合材として、無機材料を選定する場合、ろう付けを用いることも可能である。
以上の製造手順によって、図4の(d)に示すように、各金属パターニングを本実施の形態で例示した接合方法によって接合した、本実施の形態1における振動伝搬部材2を作ることができる。なお、本実施の形態では、振動伝搬部材が、円柱状の外形になるように形成されている例を示したが、これは単なる一例を示したものに過ぎず、本開示に示す振動伝搬部材の形状は何ら円柱状に限定されるものではなく、楕円柱や多角柱であってもよい。
[1-2.振動送受波器]
[1-2-1.振動送受波器構成]
図5は、実施の形態1における振動送受波器14の構成の一例を模式的に示す断面図である。
図5では、振動送受波器14を厚み方向(Z軸に平行)に切断した断面図(X-Z平面における断面図)を示す。
図5に示すように、振動送受波器14は、一方の電極15と、他方の電極16とを備え
る振動手段1と、振動手段1の一面に接合された振動伝搬部材2と、振動手段1の電極15、16に電気的に接続されたリード線18,19とで構成されている。
[1-2-2.振動送受波器製造手順]
次に、図6を用いて、振動送受波器14の製造手順を説明する。
図6は、実施の形態1における振動送受波器14の製造手順を示す断面図である。振動送受波器14の製造工程は、図6に示す(a)、(b)、(c)、(d)の順に進行する。
図6(a)は、本実施の形態1で説明した振動伝搬部材2の断面図を示しており、図6(b)は、一方の電極15と、他方の電極16とを備える振動手段1の一方の電極15の面に接合体17を塗布した断面を示している。この接合体17は、例えば、エポキシ接着剤、フェノール接着剤、シアノアクリレート接着剤等の一般的な接着剤で接合することができる。接合材20は、例えば、熱硬化性接着剤は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂など熱硬化性樹脂であれば特に限定されない。場合によっては、熱可塑性樹脂であっても、ガラス点移転が高温使用温である70℃以下であれば使用可能である。
図6(c)は、これら接合体17を化学反応させることで、振動手段1と、振動伝搬部材2とが接合された状態を示している。図6(d)は、振動手段1に備えられた一方の電極15、他方の電極16とリード線18,19とを、はんだ付けによって、電気的に接合し、本実施の形態1における振動送受波器14が完成した状態を示している。
[1-2-3.振動送受波器動作、作用効果]
振動送受波器14の動作作用について説明する。なお、振動手段1は一例として、圧電振動子を用いる例を示す。
振動送受波器14は、振動手段1として用いる圧電振動子の、一方のリード線18、他方のリード線19を介して、所定の周波数の正弦波、あるいは矩形波の電気パルスが加えられ、この電気パルスによって、振動手段1である圧電振動子が振動し、この振動が、振動伝搬部材2の垂直隔壁5を介して天板3に伝達される。この時、振動伝搬部材2に伝わった振動は、振動伝搬部材2の形状、振動伝搬部材2の天板3と、側壁4の内部空間に形成する垂直隔壁5の形状、垂直隔壁5の厚み、垂直隔壁間の距離、側壁4の厚み、 振動伝搬部材2の厚みTとを変更することで、振動伝搬部材2が大きく共振し、振動を伝えたい気体や、液体などの振動伝搬媒質に対して効率よく振動を伝えることが可能となる。結果として、振動送受波器14の特性を、多くの設計パラメーター(振動伝搬部材2の形状、垂直隔壁5の形状、垂直隔壁5の厚み、垂直隔壁5間の距離、側壁4の厚み、振動伝搬部材2の厚みTなど)で制御することが可能となり、振動伝搬部材2として、設計自由度が高いことがわかる。
[1-2-4.振動伝搬部材構造と振動送受波器特性との相関]
図7から9を用いて、振動伝搬部材2の膜構造と、振動送受波器14としての特性との相関に関して説明する。
図7は、本発明の実施の形態1の振動送受波器14としたときの、振動伝搬部材2の垂直隔壁間の距離と、振動伝搬部材2の共振周波数との相関を示している。図7に示す様に、垂直隔壁間の距離を変更することで、膜構造の共振周波数を制御することが可能となる。
図8(a)は、振動伝搬波形の計測方法の断面図を示している。送信波発生器より送信パルス波を振動送受波器14aに送信すると、振動送受波器14aの振動手段1aが送信パルスに応じた周波数で振動し、この振動に振動伝搬部材2aが共振して、振動が増幅し振動伝搬媒質に振動が伝搬する。伝搬した振動が一定の距離を置いて配置した振動送受波器14bに到達したとき、振動送受波器14bの振動伝搬部材2bが共振し、この振動が振動手段1bを振動させ、この振動手段1bによって電気信号に変換され、受信波計測器で計測することができる。図8(b)は、図8(a)を用いて計測された受信波形を示しており、この図に記載した波形の最大値から最小値までの値を感度と呼ぶこととする。
図9は、本実施の形態1における振動送受波器14の感度と、垂直隔壁間の距離との相関を示している。
感度は、垂直隔壁間の距離に応じて、振動伝搬効率が極大値を示している。これは、振動手段として用いた、例えば圧電体の振動周波数に対して、垂直隔壁間の距離、天板3の厚みによって形成される膜構造7で誘発される固有振動が、垂直隔壁の距離を変化させることで、振動手段1の振動に対して、膜構造7が大きく共振し、感度が極大を示したと推察される。この共振振動は、垂直隔壁間の距離、天板の厚み、垂直隔壁の厚み等、垂直隔壁5と天板3で形成される膜構造7を制御することで共振周波数を制御することが可能である。
本実施の形態における振動伝搬部材は、天板3と垂直隔壁5とで形成される複数の膜構造で発生する振動を備える構造であり、たとえば図9に記載の通り、一方の膜構造、他方の膜構造となるように、垂直隔壁間の距離を制御することで、高感度な振動送受波器14とすることが可能となる。
図10(a)は、図8(a)の振動波形計測方法を用いた時の受信波形を示している。これは、本発明の振動伝搬部材2の一方の膜構造8で誘発する振動の共振周波数(以降、一方の膜振動共振周波数fと称す)を485kHz、他方の膜構造9で誘発する振動の共振周波数(以降、他方の膜振動共振周波数fと称す)を515kHzとしたときのとの共振周波数の差(f-f)が30kHzとし、図10(b)は、一方の膜構造8で誘発する振動の共振周波数を475kHz、他方の膜構造9で誘発する振動の共振周波数を525kHzとしたときの共振周波数の差が50kHzとしたときのそれぞれの受信波形を示している。
様々な計測システムの中で、波形の大きさ(感度)が要求される場合は、図10(a)に示す受信波となる設計とし、波形の波数が少ない方が要求される場合は、図10(b)に示す受信波となる設計とすればよく、要求されるシステムに応じた、受信波形を想定し、振動伝搬部材2の構造を変えることで、様々な計測システムに対応することが可能となる。一方の膜振動共振周波数f,他方の膜振動共振周波数fは、本実施の形態の振動伝搬部材とすることで、独立して制御可能であるため、本実施の形態の振動伝搬部材2を用いることにより、振動伝搬波形の設計も、比較的に自由に行うことが可能となる。
[1-2-5.効果、作用]
以上のように、本実施の形態において、本実施の形態の振動送受波器14は、振動手段1と、振動手段の一つの面に接合して動作する振動伝搬部材であって、振動伝搬部材2は、天板3と、側壁4と天板3に対し概垂直に配置した垂直隔壁5とで形成した振動伝搬部材2とすることにより、垂直隔壁の厚み、垂直隔壁間の距離、天板の厚みになどで形成される膜構造7で誘発される振動を制御でき、この膜構造を複数備える構成とし、振動手段に張り付けた振動送受波器14とした場合に、送受信する振動の周波数を自在に制御することが可能で、設計自由度の高い振動伝搬部材2とすることができる。
また、天板3と、垂直隔壁5と、振動手段1で形成される空間を密閉空間6とすることで、腐食環境、あるいは高温高湿環境に暴露された場合でも、安定した動作が可能となる。加えて、厚み方向の振動を使わないため、振動伝搬部材自体を薄くすることが可能となる。
[1-3.流速計、または流量計]
[1-3-1.流速計、または流量計の構成]
次に、本実施の形態の流量計に関して、図11を用いて説明する。なお、以下では流量計23について説明するが、この流量計23を流速計24に置き換えることができる。その場合、以下の説明における流量は流速に読み替えればよい。あるいは、図11に示す計測器は流量と流速の双方を測定できる計測器であってもよい。
図11は、実施の形態1における流量計23の構成の一例を模式的に示すブロック図である。
本実施の形態1の流量計23では、送受信する振動周波数領域として、超音波領域を例示し、振動送受波器を、超音波を送受信する超音波送受波器とし、流量計を超音波流量計と呼ぶこととする。
図11に示す様に、本実施の形態の流量計23は、流体の流れる流路25の上流と下流に、実施の形態1に示した振動送受波器14の構成を用いた一対の超音波送受波器26、27が、対向配置された構成となっている。流路25では流体の流れる向きを矢印で示す。図11の紙面において左側が流路25の上流であり右側が流路25の下流である。図4において破線矢印で示すL1は、上流側に配置された超音波送受波器26から超音波送受波器27へ伝搬する振動の伝搬経路を示している。図4において破線矢印で示すL2は下流側に配置された超音波送受波器27から超音波送受波器26へ伝搬する振動の伝搬経路を示している。また、本実施の形態の流量計23は、超音波送受波器26、27が接続され超音波送受波器26、27間の一方から他方への振動の到達時間を計時する計時装置28と、計時装置28が接続され計時装置28により求められた超音波の到達時間より、流路25を流れる流体の流量を演算する演算手段29とを備えている。
なお、図11に示す計測器を流速計24とする場合、流速計24は流量計23と同様の構成であるが、演算手段29は、計時装置28により求められた超音波の到達時間から、流路25を流れる流体の流速を演算する。なお、演算手段29は、流路25を流れる流体の流速および流量の双方を演算するように構成されていてもよい。
[1-5.流速計、または流量計の計測動作]
流路25を流れる流体の流速をV、流体中の超音波の速度をC(図示せず)、流体の流れる方向と振動の伝搬方向の角度をθとする。超音波送受波器26を超音波送波器として用い、超音波送受波器27を振動受波器として用いたときに、超音波送受波器26から放出された振動が超音波送受波器27に到達するまでの伝搬時間t1は、以下の式(3)で示される
t1=L/(C+Vcosθ) ・・・(3)
次に、超音波送受波器27から放出された振動パルスが超音波送受波器26に到達するまでの伝搬時間t2は、以下の式(4)で示される。
t2=L/(C-Vcosθ) ・・・(4)
そして、式(3)と式(4)の両方の式から流体の音速Cを消去すると、以下の式(5)が得られる。
V=L/2cosθ(1/t1-1/t2) ・・・(5)
Lとθが既知であれば、計時装置28にてt1とt2を測定すれば流速Vを求めることができる。加えて、演算手段29によって、この流速Vに断面積Sと補正係数Kとを乗じれば、流量Qを求めることができる。流量計23における演算手段29は、上記Q=KSVを演算するものである。
[1-3-2.流速計、または流量計の効果]
以上のように、本実施の形態において、本実施の形態の振動送受波器14は、振動手段1と、振動手段の一つの面に接合して動作する振動伝搬部材であって、振動伝搬部材2は、天板3と、側壁4と天板3に対し概垂直に配置した垂直隔壁5とで形成した振動伝搬部材2とすることにより、垂直隔壁の厚み、垂直隔壁間の距離、天板の厚みになどで形成される膜構造7で誘発される振動が個別に制御でき、この膜構造を複数備える構成とし、振動手段張り付けた振動送受波器14とした場合に、送受信する振動の周波数を自在に制御することが可能で、設計自由度の高い振動伝搬部材2とすることができるため、流速計、流量計として適した振動送受波器とすることが容易に可能となるため、結果として、高精度、安定した流速、流量計測が可能となる。
また、天板3と、垂直隔壁5と、振動手段1で形成される空間を密閉空間6とすることで、計測対象として、腐食性流体、あるいは高温高湿流体に対しても、流速、流量を直接計測することが可能となる。加えて、振動伝搬部材2は、厚み方向の振動を使わないため、振動伝搬部材2自体を薄くすることが可能となり、振動送受波器14も小型化が可能となるため、流速計、流量計を小型化することが可能となる。
[1-4.濃度計]
[1-4-1.濃度計の構成、計測原理]
図12を用いて、超音波を用いた気体の濃度計の動作について説明する。
図12には、本発明の実施形態における濃度計の断面模式図を示している。
本実施の形態1の濃度計30では、送受信する振動周波数領域として、超音波領域を例示し、振動送受波器14を、超音波を送受信する超音波送受波器33,34とし、濃度計を超音波濃度計と呼ぶこととする。
本発明の濃度計は、気体濃度を測定するための空間を有する筐体31を備えており、筐体31には、被計測流体を通気するための通気孔32が設けられている。筐体31における濃度測定空間の形状は、例えば、直方体形状、円筒形状等とする。濃度測定空間は、必ずしも筐体31の壁によって全方向が囲まれていなくてもよく、少なくとも超音波を送受信できる空間であればよい。例えば、筐体31の一部を欠損させ、その欠損部において濃度測定空間が外部に開放されていてもよい。
濃度計は、筐体31内に、一対の超音波送受波器33、34を対向するように配置し、さらに、温度センサ35を収容し、計時装置36および演算手段37に接続されている。超音波送受波器33を超音波送波器として用いる場合、計時装置36の動作に基づいて超音波を送信する。超音波送受波器34は、超音波受波器として機能し、超音波送受波器33から送信された超音波は、筐体31内部に満たされた被計測流体中を伝搬し、超音波受波器として用いた超音波送受波器34は、超音波を受信する。計時装置36は、超音波が送信されてから受信されるまでの伝搬時間と、予め定められた超音波の伝搬距離Lに基づいて、超音波の伝搬速度Vを求める。
この被計測流体である混合ガス中を伝搬する超音波の伝搬速度Vは、式(6)で表され
るように、混合ガスの平均分子量M、比熱比γ、気体定数R及び絶対温度T(K)によって決まる。音速及び温度を測定すれば平均分子量が求まる。
V=γ・R・T/M ・・・(6)
混合ガス中のガス成分が既知のときは、ガス温度T及び伝搬速度Vを測定して平均分子量Mを求め、平均分子量Mから求めるガス濃度を演算できる。濃度演算式はa,bからなる2種混合理想気体の場合、式(7)のごとくなる。
aガスの濃度(%)= M-mb/ma-mb×100 ・・・・(7)
ma及びmbはそれぞれaガス及びbガスの分子量を表す。
[1-4-2.濃度計の効果]
以上のように、本実施の形態の振動送受波器14は、振動手段1と、振動手段の一つの面に接合して動作する振動伝搬部材であって、振動伝搬部材2は、天板3と、側壁4と天板3に対し概垂直に配置した垂直隔壁5とで形成した振動伝搬部材2とすることにより、振動伝搬部材の構成要素である、垂直隔壁の厚み、垂直隔壁間の距離、天板の厚みになどで形成される膜構造7で誘発される振動を制御でき、この膜構造を複数備える構成とし、振動手段を張り付けた振動送受波器14とした場合に、送受信する振動の周波数を自在に制御することが可能で、設計自由度の高い振動伝搬部材2とすることができるため、濃度計して適した振動送受波器とすることが容易に可能となるため、結果として、高精度、安定した流速、流量計測が可能となる。
また、天板3と、垂直隔壁5と、振動手段1で形成される空間を密閉空間6とすることで、計測対象として、腐食性流体、あるいは高温高湿流体に対しても、濃度を直接計測することが可能となる。加えて、振動伝搬部材2は、厚み方向の振動を使わないため、振動伝搬部材2自体を薄くすることが可能となり、振動送受波器14も小型化が可能となるため、流速計、流量計を小型化することが可能となる。 (実施の形態2)
以下、図13から21を用いて、実施の形態2の振動伝搬部材、及び、この振動伝搬部材を用いた振動送受波器を説明する。
[2-1.振動伝搬部材]
[2-1-1.振動伝搬部材の構成]
図13は、実施の形態2における振動伝搬部材42を振動手段41の一面に設けた構成の一例を模式的に示す断面図である。図13では、振動伝搬部材42厚み方向(Z軸に平行)に切断した断面図(X-Z平面における断面図)を示す。図13に示すように、振動伝搬部材42は、振動手段41の一面に面接合され、振動手段41の振動に応じて共振する。振動伝搬部材42は、天板43と、底板47と、側壁44と、天板43および底板47に対して概ね垂直に形成した垂直隔壁45で構成される。天板43と、垂直隔壁45と、底板47とで構成される空間は、密閉空間46とすることも可能で、目的に応じて密閉空間46とし、場合によっては貫通穴を設け、振動伝搬媒質と貫通孔を介して連続した空間とすることもできる。天板3と垂直隔壁5で構成される膜構造48,49は、天板3の厚み、対向する垂直隔壁5の間の距離によって、固有振動を持ち、一方の膜構造48と、他方の膜構造49とは、対向する垂直隔壁45の間の距離が異なる。
次に、図14を用いて振動伝搬部材42の内部構造を説明する。図14は、実施の形態2における振動伝搬部材42の構成の一例を示す断面図である。
なお、図14(a)には、振動伝搬部材42を厚み方向(Z軸に平行)に切断した断面図(X-Z平面における断面図)を示している。また、図14(b)には、図14(a)におけるII-II線分断面図、すなわち振動伝搬部材42を厚み方向に直交する方向(
X-Y平面に平行)に切断した断面図(X-Y平面における断面図)、を示している。図中の厚みTは、矢印で示す振動伝達部材2(Z軸に平行)の厚さを示す。なお、振動伝搬部材42を厚み方向に直交する方向の断面は、図14(b)に示されているように、例えば、格子状に形成されている。
以下、本実施の形態2における振動伝搬部材42の天板43と底板47と側壁44と天板43に対して概ね垂直に形成した垂直隔壁45で構成される密閉空間46に関して図15を用いて説明する。
図15は、本実施の形態2における、振動伝搬部材42の断面図、図15(a)は、振動伝搬部材42の密閉空間46の内部圧力Pと、振動伝搬媒質の圧力Pとが概ね同一であるときの振動伝搬部材2の一部拡断面大図、図15(b)は、密閉空間46内部圧力Pが、振動伝搬媒質の圧力Pよりも高い時の振動伝搬部材2の一部断面拡大図、図15(c)は、密閉空間46内部圧力Pが、振動伝搬媒質の圧力Pよりも低い時の振動伝搬部材2の一部断面拡大図を示している。
図15(a)で示したP=Pとした場合、膜構造48の振動は、圧力によって規制されず、高感度とすることができる。例えば、振動伝達媒質の圧力、高圧配管内部などのあらかじめ伝搬媒質の対象が明らかな場合、振動伝搬部材42の密閉空間46の内部圧力を、伝搬媒質と同一にすることで、振動伝搬媒質への振動伝搬効率が向上でき、安定した振動伝搬性能が確保される。
図15(b)で示したP>Pとした場合、 天板が凸形状となるため、高温高湿流体を計測する場合、湿度による結露でも、 天板の振動面に液滴がたまりにくく、高湿環境でも安定して、振動伝搬媒質への振動伝搬効率が向上でき、安定した振動伝搬性能が確保される。
図15(c)で示したP<Pとした場合、天板が凹形状となるため、集音効果で振動伝搬媒質への振動伝搬効率が向上する。 なお、振動伝搬部材42内部を真空とすることも可能で、天板の撓みを抑制することができる。天板43が圧力によって規制されるため、振動伝搬部材42の振動が残存する、残響課題を低減することが可能となる。
この密閉空間46内部に、アルゴンガス(Ar)、窒素ガス(N),ヘリウムガス(He)などの不活性ガスを充填することも可能で、振動伝搬部材42の内部からの腐食を抑制することが可能となる。
また、密閉空間46内部の一部に、高粘性の液体を挿入することで、液体の粘度を変更することで、所定の周波数の振動を抑制するダンピング効果が期待でき、目的の振動周波数のみの振動伝搬効率だけを向上することも可能となる。
以下、本実施の形態2における振動伝搬部材42の垂直隔壁45の断面形状の違いと効果についていくつか例示して説明する。
図16は、本実施の形態2における事例1として振動伝搬部材42aのA部の断面拡大図を示している。図16において、振動伝搬部材42aの天板43に対して、垂直隔壁45は、パターン形成した金属板52を積層した構造となっており、この積層するパターン形成した金属板52の壁厚を例えば、t1からt2まで変化させることもできる。これにより、振動伝搬部材42aの内部構造の中で、部分的に強度の強い部分と弱い部分を形成することが可能である。
図16に示すように、振動伝搬部材42aの垂直隔壁45の壁厚を、底板47近傍は厚く、天板43近傍は、薄くすることで、振動伝搬部材42aの底板47付近は、振動手段41の振動を効率よく伝え、振動手段41の振動を効率よく伝搬させることが可能となる。加えて、垂直隔壁45の壁厚を天板43近傍は薄く(壁厚t)、底面に向かって厚く(壁厚t)することで、天板43の膜構造48の振動が効率よく行われ、伝搬媒質への振動伝搬効率が向上する。加えて、天板43と、垂直隔壁45とで形成される膜構造48,49の、振動する天板43の振動面積をより広く確保することができる。
図17は、本実施の形態2における事例2の振動伝搬部材42bのB部の断面拡大図を示している。この図に示すように、垂直隔壁45の壁厚が振動伝搬方向で異なり、壁厚が徐々に変化し、壁厚が振動伝搬方向で異なり、壁厚が徐々に変化し、壁厚の厚みの大小を繰り返すことも可能である。
振動伝搬部材42の垂直隔壁45を伝わる振動で、抑制したい振動の腹となる部分の壁厚を厚くすることで、目的とする周波数振動のみを抑制することができる。加えて、垂直隔壁45は、振動伝搬部材42bの振動を伝える非常に重要な柱となり、振動伝搬部材42bの壁厚において、一部弱い部分(壁厚t)を作ることによって、振動伝搬部材42bの振動の減衰率が高くなり、結果として、残響が素早く収まるという効果が期待できる。加えて振動が素早く立ち上がる効果も期待できる。
図18は、実施の形態2における事例3の振動伝搬部材42cのC部の断面拡大図を示している。この図に示すように、
垂直隔壁45を形成するパターン形成した金属板52をすこしずつずらしてパターン形成し、積層することも可能で、結果として、垂直隔壁45が斜めに形成することができるため、振動の伝達経路が長くなり、振動到達時間を遅らせることが可能となり、音速をコントロールすることが可能となる。
図19は、実施の形態2における事例4の振動伝搬部材42dのD部の断面拡大図を示している。この図に示すように、
また、垂直隔壁45を形成するパターン形成した金属板52をすこしずつずらしてパターン形成し、屈曲部55を設けることで、振動伝搬部材42dに柔軟性が付与され、振動伝搬部材42の振動の減衰率が高くなり、結果として、残響が素早く収まるという効果が期待できる。
図20は、実施の形態2における事例5の振動伝搬部材の側壁と垂直隔壁を含む断面一部拡大図を示している。
図20(a)に示す振動伝搬部材42eは、側壁44とつながる垂直隔壁57で構成されているのに対し、図20(b)に示す振動伝搬部材42fは、側壁44とつながる垂直隔壁57と、側壁44とつながらない垂直隔壁58とが混在する。このような構造とすることで、振動伝搬方向と垂直方向の、不要振動を発生する要因となる、垂直隔壁57と側壁44との振動伝搬経路を減らすことで、不要振動が低減する。
[2-1-2.振動伝搬部材の製造手順]
次に、図21を用いて、振動伝搬部材42の製造手順を説明する。上記説明では、垂直隔壁の形状の違いから振動伝搬部材の符号を42a~42fとして区別して説明したが、以下では、区別の必要が無いた為、振動伝搬部材42として説明する。
図21は、実施の形態2における振動伝搬部材42の製造手順を示す斜視図である。振動伝搬部材42の製造工程は、図21に示す(a)、(b)、(c)、(d)の順に進行
する。
図21(a)に示すように、まず複数のパターン構造を取り出せる大きさの金属板50、個別のパターン構造を取り出せる金属板50を複数準備する。図21(a)には一枚の金属板50を示す。次に、図21(b)に示すように、金属板50を天板43とするために円形状にパターニングした金属板51、振動伝搬部材42の側壁44と垂直隔壁45とをパターニングした金属板50を示しており、個別、あるいは同時に作製する。金属板50のパターニングには、例えば、金属板50のプレスによる打ち抜き加工、フォトリソグラフィによるエッチング加工、レーザー加工、或いは、放電ワイヤーを利用した加工等を用いることができる。なお、本開示では、天板43とするため円形状にパターニングした金属板51、パターン形成した金属板52が、上面視において(Z軸に平行に見たときに)外形が円形(円盤状)になるように形成されている例を示す。しかし、これは単なる一例を示したものに過ぎず、本開示に示す天板43、パターン形成した金属板52の外形の形状は何ら円形(円盤状)に限定されるものではなく、楕円形や多角形であってもよい。
次に、図21(c)に示すように、複数のパターン形成した金属板52と天板43とを、位置決めを実施しつつ順に積層する。具体的には、まず所定枚数のパターン形成した金属板52を積層する。次に、複数のパターン形成した金属板12の最上面(Z軸正方向における最も端に配置されたパターン形成した金属板52のZ軸正方向側の面)に天板43を積層する。次に、パターニングした金属板同士を、直接接合の一つとして例示する拡散接合によって一体的な材料となるように、加熱加圧、真空環境で接合する。加熱温度については、例えばステンレスの場合、融点約1500℃に対し、拡散接合時の温度はおよそ1000℃程度であるので、相互に積層した複数の金属板52、天板43がステンレス製であれば、それらを、真空中、この温度に加熱して加圧することで、母材を溶融させることなく接合界面の原子を拡散させ接合することが可能となる。拡散接合には、平面性が要求されるので、図21(c)に示す加工方法によっては、図21(b)に示す工程の後に、円形状にパターン形成した金属板51、パターン形成した金属板52のバリや変形を解消する後加工が必要となる場合がある。加えて、直接接合方法として、母材を一部溶融させる、溶融溶接も想定される。その場合、ステンレスであれば1500℃近傍まで加熱することで、複数の金属板同士を接合することも可能である。また、金属板通しの接合を行う方法として。金属板との間に接合材として想定される、エポキシ樹脂、シアノアクリレート系の接着剤を用いることも可能である。加えて、接合材として、無機材料を選定する場合、ろう付けを用いることも可能である。
以上の製造手順によって、図21(d)に示すように、各金属パターニングを本実施の形態で例示した接合方法によって接合した、本実施の形態1における振動伝搬部材2を作ることができる。なお、本実施の形態では、振動伝搬部材が、円柱状の外形になるように形成されている例を示したが、これは単なる一例を示したものに過ぎず、本開示に示す振動伝搬部材の形状は何ら円柱状に限定されるものではなく、楕円柱や多角柱であってもよい。
[2-1-3.振動伝搬部材の効果]
以上のように、本実施の形態の振動伝搬部材42は、振動手段41と、振動手段41の一つの面に接合して動作する振動伝搬部材42であって、振動伝搬部材は、天板43と、底板47と、側壁44と天板43および底板47に対し概垂直に配置した垂直隔壁45とで形成した振動伝搬部材42とし、天板43と前記垂直隔壁45とで形成される一方の膜構造48と他方の膜構造49の複数の膜構造で発生する振動を備える構成としたものである。
これにより、振動伝搬部材42の構成要素である、振動伝搬部材42の垂直隔壁の厚み
、垂直隔壁間の距離、天板43の厚みになどで形成される膜構造48、49で誘発される振動が制御でき、振動手段41に張り付けた振動送受波器とした場合に、送受信する振動の周波数を自在に制御することが可能で、設計自由度の高い振動伝搬部材42とすることができる。
また、天板43と、垂直隔壁45と、底板47とで形成される空間を密閉空間46とすることで、天板43と、垂直隔壁45と、底板47とで構成される空間の一部、あるいはすべてを密閉空間46とすることで、天板43と側壁44と、底板80とで囲まれる振動伝搬部材42の内部の空間が、垂直隔壁45によってより多くの密閉空間46に分割されており、振動手段の一面に貼り付けた振動伝搬部材42としたときに、形成する壁面が腐食等で、貫通孔が形成し、一つの空間が浸水したとしても、振動伝搬部材42としてみると、一部の空間のみが浸水したに過ぎず、振動伝搬部材42の性能変化がゆっくり進行することになり、信頼性の高い振動伝搬部材42とすることができる。
また、底板47と、振動手段41との接合部材による接合性が向上し、振動送受波器としたときに、ばらつきが少なく、安定した特性とすることが可能となる。
また、振動伝搬部材42の密閉空間46内部圧力Pと、振動伝搬媒質の圧力Pとが概ね同一であるとき、振動伝搬部材42の密閉空間46の内部圧力を、伝搬媒質と同一にすることで、振動伝搬媒質への振動伝搬効率が向上でき、安定した振動伝搬性能が確保される。
また、振動伝搬部材42の密閉空間46内部圧力Pが、振動伝搬媒質の圧力Pよりも高い時、天板が凸形状となるため、高温高湿流体を計測する場合、湿度による結露でも、天板の振動面に液滴がたまりにくく、高湿環境でも安定して、振動伝搬媒質への振動伝搬効率が向上でき、安定した振動伝搬性能が確保される。
また、振動伝搬部材42の密閉空間46内部圧力Pが、振動伝搬媒質の圧力Pよりも低い時、天板が凹形状となるため、集音効果で振動伝搬媒質への振動伝搬効率が向上する。 なお、振動伝搬部材内部を真空とすることも可能で、天板の撓みを抑制することができる。天板が圧力によって規制されるため、振動伝搬部材42の振動が残存する、残響課題を低減することが可能となる。
また、この密閉空間46内部に、アルゴンガス(Ar)、窒素ガス(N),ヘリウムガス(He)などの不活性ガスを充填することも可能で、振動伝搬部材42の内部からの腐食を抑制することが可能となる。
また、密閉空間46内部の一部に、高粘性の液体を挿入することで、液体の粘度を変更することで、所定の周波数の振動を抑制するダンピング効果が期待でき、目的の振動周波数のみの振動伝搬効率だけを向上することも可能となる。
また、振動伝搬部材42aとして例示したように、垂直隔壁45の壁厚を、底板47近傍は厚く、天板43近傍は、薄くすることで、振動伝搬部材42aの底板47付近は、振動手段41の振動を効率よく伝え、振動手段41の振動を効率よく伝搬させることが可能となる。加えて、垂直隔壁45の壁厚を天板43近傍は薄く(壁厚t)、底面に向かって厚く(壁厚t)することで、天板43の膜構造48の振動が効率よく行われ、伝搬媒質への振動伝搬効率が向上する。
また、振動伝搬部材42bとして例示したように、垂直隔壁45の壁厚が振動伝搬方向で異なり、壁厚が徐々に変化し、壁厚が振動伝搬方向で異なり、壁厚が徐々に変化し、壁
厚の厚みの大小を繰り返すことも可能であり、振動伝搬部材42bの垂直隔壁45を伝わる振動で、抑制したい振動の腹となる部分の壁厚を厚くすることで、目的とする周波数振動のみを抑制することができる。加えて、垂直隔壁45は、振動伝搬部材42bの振動を伝える非常に重要な柱となり、振動伝搬部材42の壁厚において、一部弱い部分(壁厚t)を作ることによって、振動伝搬部材42の振動の減衰率が高くなり、結果として、残響が素早く収まるという効果が期待できる。加えて振動が素早く立ち上がる効果も期待できる。
また、振動伝搬部材42cとして例示したように、垂直隔壁45を形成するパターン形成した金属板52をすこしずつずらしてパターン形成し、積層することも可能で、垂直隔壁45が斜めに形成することができるため、振動の伝達経路が長くなり、振動到達時間を遅らせることが可能となり、音速をコントロールすることが可能となる。
また、振動伝搬部材42dして例示したように、垂直隔壁45を形成するパターン形成した金属板52をすこしずつずらしてパターン形成し、屈曲部55を設けることで、振動伝搬部材42に柔軟性が付与され、振動伝搬部材42dの振動の減衰率が高くなり、結果として、残響が素早く収まるという効果が期待できる。
また、振動伝搬部材42fとして例示したように、側壁とつながらない垂直隔壁58を一部備える構造とすることで、不要振動を発生する要因となる、垂直隔壁57と側壁44との振動伝搬経路を減らすことで、不要振動が低減する。
また、振動伝搬部材42cとして例示したように、振動伝搬部材42の厚み振動を使わないため、振動伝搬部材42自体を薄くすることが可能となる。
(実施の形態3)
以下、図22から24を用いて、実施の形態3の振動伝搬部材、及び、この振動伝搬部材を用いた振動送受波器を説明する。
[3-1.振動伝搬部材]
[3-1-1.振動伝搬部材の構成]
図22は、実施の形態3における振動伝搬部材60を振動手段59の一面に設けた構成の一例を模式的に示す断面図である。図22では、振動伝搬部材60厚み方向(Z軸に平行)に切断した断面図(X-Z平面における断面図)を示す。図22に示すように、振動伝搬部材60は、振動手段59の一面に面接合され、振動手段59の振動に応じて振動する。振動伝搬部材60は、天板61と、底板65と、側壁62と、天板61および底板65に対して概ね垂直に形成した垂直隔壁63と、天板61と、底板65に対して概ね平行に形成した水平隔壁66で構成される。天板61と、垂直隔壁63と、水平隔壁66とで構成される空間、対向する水平隔壁66と、対向する垂直隔壁63とで構成される空間、水平隔壁66と、垂直隔壁63と底板65とで構成される空間の一部、あるいはすべてを密閉空間67とすることも可能で、目的に応じて密閉空間67とし、場合によっては貫通穴を設け、振動伝搬媒質と貫通孔を介して連続した空間とすることもできる。天板61と垂直隔壁63で構成される膜構造68、69は、天板61の厚み、対向する垂直隔壁63の間の距離によって、固有振動を持ち、一方の膜構造68と、他方の膜構造69とは、対向する垂直隔壁63の間の距離が異なる。
次に、図23を用いて振動伝搬部材60の内部構造を説明する。図23は、実施の形態3における振動伝搬部材60の構成の一例を示す断面図である。
なお、図23(a)には、振動伝搬部材60を厚み方向(Z軸に平行)に切断した断面図(X-Z平面における断面図)を示している。また、図23(b)には、図23(a)
におけるII-II線分断面図、すなわち振動伝搬部材60を厚み方向に直交する方向(X-Y平面に平行)に切断した断面図(X-Y平面における断面図)、を示している。図中のTは、矢印で示す振動伝達部材60(Z軸に平行)の厚さを示す。なお、振動伝搬部材60を厚み方向に直交する方向の断面は、図23(b)に示されているように例えば、格子状に形成されている。天板61と垂直隔壁63で構成される膜構造68、69は、天板61の厚み、対向する垂直隔壁63の間の距離に応じた、固有振動を持ち、一方の膜構造68と、他方の膜構造69とは、対向する垂直隔壁63の間の距離が異なる。
図23(a)に示した振動伝搬部材60の密閉空間内の圧力をP1、振動伝搬媒質の圧力をP2としたとき、P1,P2の圧力に応じた効果は、実施の形態2と同様のため省略する。
[3-1-2.振動伝搬部材の製造手順]
次に、図24を用いて、振動伝搬部材60の製造手順を説明する。
図24は、実施の形態3における振動伝搬部材60の製造手順の斜視図である。振動伝搬部材60の製造工程は、図24に示す(a)、(b)、(c)、(d)の順に進行する。
図24(a)に示すように、まず複数のパターン構造を取り出せる大きさの金属板70、個別のパターン構造を取り出せる金属板70を複数準備する。図24(a)には一枚の金属板70を示す。次に、図24(b)に示すように、金属板70を天板61および底板65および水平隔壁66とするために円形状にパターニングした金属板71、振動伝搬部材60の側壁62と垂直隔壁63とをパターニングした金属板72を示しており、個別、あるいは同時に作製する。金属板70のパターニングには、例えば、金属板70のプレスによる打ち抜き加工、フォトリソグラフィによるエッチング加工、レーザー加工、或いは、放電ワイヤーを利用した加工等を用いることができる。なお、本開示では、円形状にパターニングした金属板71、パターン形成した金属板72が、上面視において(Z軸に平行に見たときに)外形が円形(円盤状)になるように形成されている例を示す。しかし、これは単なる一例を示したものに過ぎず、本開示に示す円形状にパターンニングした金属板71、パターン形成した金属板72の外形の形状は何ら円形(円盤状)に限定されるものではなく、楕円形や多角形であってもよい。
次に、図24(c)に示すように、天板61および底板65および水平隔壁66とするために円形状にパターニングした金属板71、垂直隔壁63と側壁62とをパターン形成した金属板72とを、位置決めを実施しつつ、交互に積層する。具体的には、水平隔壁66として円形状にパターンニングした金属板71を、垂直隔壁63および側壁62としてパターン形成した金属板72を積層する。そして、交互に積層した複数の円形状にパターニングした金属板71、パターン形成した金属板72の最上面(Z軸正方向における最も端に配置されたパターン形成した金属板72のZ軸正方向側の面)に、天板61として円形状にパターニングした金属板71を積層する。次に、交互に積層した複数の金属板71,72の最底面(Z軸負方向における最も端に配置されたパターン形成した金属板72のZ軸負方向側の面)に底板65として円形状にパターンニングした金属板71を積層する。
次に、パターニングした金属板同士を、直接接合の一つとして例示する拡散接合によって一体的な材料となるように、加熱加圧、真空環境で接合する。加熱温度については、例えばステンレスの場合、融点約1500℃に対し、拡散接合時の温度はおよそ1000℃程度であるので、相互に積層した複数の円形状にパターニングした金属板71、パターン形成した金属板72、天板61、底板65がステンレス製であれば、それらを、真空中、
この温度に加熱して加圧することで、母材を溶融させることなく接合界面の原子を拡散させ接合することが可能となる。拡散接合には、平面性が要求されるので、図24(c)に示す加工方法によっては、図24(b)に示す工程の後に、円形状にパターニングした金属板71、パターン形成した金属板72のバリや変形を解消する後加工が必要となる場合がある。加えて、直接接合方法として、母材を一部溶融させる、溶融溶接も想定される。その場合、ステンレスであれば1500℃近傍まで加熱することで、複数の金属板同士を接合することも可能である。また、金属板通しの接合を行う方法として。金属板との間に接合材として想定される、エポキシ樹脂、シアノアクリレート系の接着剤を用いることも可能である。加えて、接合材として、無機材料を選定する場合、ろう付けを用いることも可能である。
以上の製造手順によって、図24(d)に示すように、各金属パターニングを本実施の形態で例示した接合方法によって接合した、本実施の形態3における振動伝搬部材60を作ることができる。なお、本実施の形態では、振動伝搬部材60が、円柱状の外形になるように形成されている例を示したが、これは単なる一例を示したものに過ぎず、本開示に示す振動伝搬部材の形状は何ら円柱状に限定されるものではなく、楕円柱や多角柱であってもよい。
[3-1-3.振動伝搬部材の効果]
以上のように、本実施の形態の振動伝搬部材60は、振動手段59と、振動手段59の一つの面に接合して動作する振動伝搬部材60であって、振動伝搬部材60は、天板61と、底板65と、振動伝搬部材60の側壁62と天板61および底板65に対し概垂直に配置した垂直隔壁63と、天板61および底板65に対し概水平に配置した水平隔壁66とで形成した振動伝搬部材とし、天板61と垂直隔壁63とで形成される一方の膜構造68と他方の膜構造69の複数の膜構造で発生する振動を備える構成としたものである。
これにより、水平隔壁66によって、垂直隔壁63の振動伝搬ロスも軽減され、伝搬媒質への振動伝搬効率も向上する。
また、天板61と、垂直隔壁63と、水平隔壁66とで構成される空間、対向する水平隔壁66と、垂直隔壁63とで構成される空間、水平隔壁66と、垂直隔壁63と底板とで構成される空間の一部、あるいはすべてを密閉空間67とすることで、高温高湿流体中でも安定に動作する振動伝搬部材60となる。加えて、天板61と側壁62と、底板65とで囲まれる振動伝搬部材60の内部の空間が、垂直隔壁63、水平隔壁66によってより多くの密閉空間に分割されており、振動手段59の一面に貼り付けた振動伝搬部材60としたときに、腐食等で一つの空間が浸水したとしても、振動伝搬部材60としてみると、一部の空間のみが浸水したに過ぎず、振動伝搬部材60の性能変化がゆっくり進行することになり、信頼性の高い振動伝搬部材60とすることができる。
また、垂直隔壁63、水平隔壁66の一部、あるいはすべてに貫通穴があってよく、振動伝搬媒質と貫通孔を介して連続した空間とすることもでき、振動伝搬媒質が超高圧流体でも、天板61と、垂直隔壁63と、水平隔壁66とで構成される空間、対向する水平隔壁66と、垂直隔壁63とで構成される空間、水平隔壁66と、垂直隔壁63と底板とで構成される空間と、振動伝搬媒質とが貫通孔でつながる構造とすることで、振動伝搬部材60自体が、圧力によって変形することがないため、安定して機能する振動伝搬部材60とすることができる。加えて、厚み方向の振動を使わないため、振動伝搬部材自体を薄くすることが可能となる。
(実施の形態4)
以下、図25を用いて、実施の形態4の振動伝搬部材に、複数の垂直隔壁形状を備える
事例を説明する。
[4-1.振動伝搬部材]
[4-1-1.振動伝搬部材の構成]
図25を用いて振動伝搬部材75の内部構造を説明する。図25は、実施の形態4における振動伝搬部材75の構成の一例を示す断面図である。
なお、図25(a)には、振動伝搬部材75を厚み方向(Z軸に平行)に切断した断面図(X-Z平面における断面図)を示している。また、図25(b)には、図25(a)におけるII-II線分断面図、すなわち振動伝搬部材75を厚み方向に直交する方向(X-Y平面に平行)に切断した断面図(X-Y平面における断面図)、を示している。図中の厚みTは、矢印で示す振動伝達部材75(Z軸に平行)の厚さを示す。なお、振動伝搬部材75を厚み方向に直交する方向の断面は、図25(b)に示されているように、例えば、四角形と八角形で形成されている。天板76と垂直隔壁78で構成される膜構造83、84は、天板76の厚み、対向する垂直隔壁78の間の距離に応じた、固有振動を持ち、一方の膜構造83と、他方の膜構造84とは、対向する垂直隔壁78の間の距離と、振動伝搬部材75を厚み方向に直交する方向(X-Y平面に平行)に切断した断面形状が異なる。本実施の形態においては、四角形と、八角形の異なる垂直隔壁の形状を例示したが、これは単なる一例を示したものに過ぎず、本開示に示す垂直隔壁78で形作られる複数の形状の組み合わせは、何ら四角形と、八角形に限定されるものではなく、六角形と三角形、十二角形と三角形、三角形と四角形と六角形であってもよい。
[4-1-2.振動伝搬部材の効果]
以上のように、本実施の形態の振動伝搬部材75は、振動手段と、振動手段の一つの面に接合して動作する振動伝搬部材75であって、振動伝搬部材75は、天板76と、底板80と、振動伝搬部材75の側壁77と天板76および底板80に対し概垂直に配置した垂直隔壁78と、天板76および底板80に対し概水平に配置した水平隔壁81とで形成した振動伝搬部材75とし、天板76と垂直隔壁78とで形成される一方の膜構造83と他方の膜構造84の複数の膜構造で発生する振動を備え、振動伝搬方向に対し垂直断面方向の複数の垂直隔壁形状を備える構造としたものである。
これにより、振動伝搬部材75の構成要素である、垂直隔壁78の厚み、垂直隔壁間の距離、天板76の厚みに加え、振動伝搬方向に対し垂直断面方向の垂直隔壁形状と、制御する構造が非常に多く、形成される膜構造83、84で誘発される振動が制御でき、振動手段41に張り付けた振動送受波器とした場合に、送受信する振動の周波数を自在に制御することが可能で、設計自由度の高い振動伝搬部材75とすることができる。
また、天板76と、垂直隔壁78と、水平隔壁81とで構成される空間、対向する水平隔壁81と、垂直隔壁78とで構成される空間、水平隔壁81と、垂直隔壁78と底板80とで構成される空間の一部、あるいはすべてを密閉空間82とすることで、天板76と側壁77と、底板80とで囲まれる振動伝搬部材75の内部の空間が、垂直隔壁78、水平隔壁81によってより多くの密閉空間に分割されており、振動手段の一面に貼り付けた振動伝搬部材75としたときに、形成する壁面が腐食等で、貫通孔が形成し、一つの空間が浸水したとしても、振動伝搬部材60としてみると、一部の空間のみが浸水したに過ぎず、振動伝搬部材60の性能変化がゆっくり進行することになり、信頼性の高い振動伝搬部材60とすることができる。加えて、厚み方向の振動を使わないため、振動伝搬部材自体を薄くすることが可能となる。
(実施の形態5)
以下、図26、27を用いて、実施の形態5の天板の厚みが異なる振動伝搬部材の事例
を説明する。
[5-1.振動伝搬部材]
[5-1-1.振動伝搬部材の構成と動作]
図26を用いて振動伝搬部材85の内部構造、特に、異なる厚みの天板86を備える振動伝搬部材に関して説明する。
図26は、実施の形態5における振動伝搬部材85の構成の一例を示す断面図である。
なお、図26(a)には、振動伝搬部材85を厚み方向(Z軸に平行)に切断した断面図(X-Z平面における断面図)を示している。また、図26(b)には、図26(a)におけるII-II線分断面図、すなわち振動伝搬部材75を厚み方向に直交する方向(X-Y平面に平行)に切断した断面図(X-Y平面における断面図)、を示している。図中の厚みTは、矢印で示す振動伝達部材85(Z軸に平行)の厚さを示す。なお、振動伝搬部材85を厚み方向に直交する方向の断面は、図26(b)に示されているように、例えば、ハニカム形状で形成されている。天板86と垂直隔壁88で構成される膜構造93、94は、異なる厚みの天板86、対向する垂直隔壁78の間の距離は同一として形成している。一方の膜構造83と、他方の膜構造84とは、天板86の厚みが異なるため、振動手段の一面に、本実施の形態の振動伝搬部材85を張り付けた場合、天板86と垂直隔壁88とで形成される膜構造93、94は、天板86の厚みが異なるため、異なる固有振動を持ち、一方の膜構造93と、他方の膜構造94とは、異なる共振周波数を持つ。
[5-1-2.振動伝搬部材の製造手順]
次に、図27を用いて、振動伝搬部材85の製造手順を説明する。
図27は、実施の形態5における振動伝搬部材85の製造手順の斜視図である。振動伝搬部材60の製造工程は、図27に示す(a)、(b)、(c)、(d)の順に進行する。
図27(a)に示すように、まず複数のパターン構造を取り出せる大きさの金属板96、個別のパターン構造を取り出せる金属板96を複数準備する。図27(a)には一枚の金属板96を示す。次に、図27(b)に示すように、金属板96を天板61および底板65とするために円形状にパターニングした金属板97、天板86の厚みが厚い他方の膜構造94の天板とするパターン形成した金属板98、振動伝搬部材85の側壁87と垂直隔壁88とをパターニングした金属板99を示しており、個別、あるいは同時に作製する。金属板96のパターニングには、例えば、金属板96のプレスによる打ち抜き加工、フォトリソグラフィによるエッチング加工、レーザー加工、或いは、放電ワイヤーを利用した加工等を用いることができる。
なお、本開示では、円形状にパターニングした金属板97、他方の膜構造とするパターン形成した金属板98、側壁87と垂直隔壁88とをパターニングした金属板99が、上面視において(Z軸に平行に見たときに)外形が円形(円盤状)になるように形成されている例を示す。しかし、これは単なる一例を示したものに過ぎず、本開示に示す円形状にパターンニングした金属板96、パターン形成した金属板99の外形の形状は何ら円形(円盤状)に限定されるものではなく、楕円形や多角形であってもよい。
次に、図27(c)に示すように、円形状にパターニングした金属板97、他方の膜構造とするパターン形成した金属板98、側壁87と垂直隔壁88とをパターニングした金属板99とを、位置決めを実施しつつ、交互に積層する。具体的には、まず側壁87と垂直隔壁88とをパターニングした金属板99を積層し、その上に、他方の膜構造とするパ
ターン形成した金属板98を積層する。次に、先ほど積層した金属板の最上下面にそれぞれ天板86、底板90を積層する。次に、パターニングした金属板同士を、直接接合の一つとして例示する拡散接合によって一体的な材料となるように、加熱加圧、真空環境で接合する。加熱温度については、例えばステンレスの場合、融点約1500℃に対し、拡散接合時の温度はおよそ1000℃程度であるので、相互に積層した複数の円形状にパターニングし積層した金属板がステンレス製であれば、それらを、真空中、この温度に加熱して加圧することで、母材を溶融させることなく接合界面の原子を拡散させ接合することが可能となる。
拡散接合には、平面性が要求されるので、図27(c)に示す加工方法によっては、図27(b)に示す工程の後に、円形状にパターニングした金属板97、他方の膜構造とするパターン形成した金属板98、側壁87と垂直隔壁88とをパターニングした金属板99のバリや変形を解消する後加工が必要となる場合がある。加えて、直接接合方法として、母材を一部溶融させる、溶融溶接も想定される。その場合、ステンレスであれば1500℃近傍まで加熱することで、複数の金属板同士を接合することも可能である。また、金属板通しの接合を行う方法として。金属板との間に接合材として想定される、エポキシ樹脂、シアノアクリレート系の接着剤を用いることも可能である。加えて、接合材として、無機材料を選定する場合、ろう付けを用いることも可能である。
以上の製造手順によって、図27(d)に示すように、各金属パターニングを本実施の形態で例示した接合方法によって接合した、本実施の形態3における振動伝搬部材85を作ることができる。なお、本実施の形態では、振動伝搬部材85が、円柱状の外形になるように形成されている例を示したが、これは単なる一例を示したものに過ぎず、本開示に示す振動伝搬部材の形状は何ら円柱状に限定されるものではなく、楕円柱や多角柱であってもよい。
[5-1-3.振動伝搬部材の効果]
以上のように、本実施の形態の振動伝搬部材85は、振動手段と、振動手段の一つの面に接合して動作する振動伝搬部材85であって、振動伝搬部材85は、天板86と、底板90と、前記振動伝搬部材85の側壁87と天板86および底板90に対し概垂直に配置した垂直隔壁88とで構成され、天板86と垂直隔壁88とで形成される一方の膜構造93と他方の膜構造94の複数の膜構造は、少なくとも天板厚みが異なる構造とし、異なる膜構造は、天板86の厚みが異なる構造としたものである。
これにより、振動伝搬部材85の構成要素である、天板86の厚み調整によって、容易に一方の膜構造93と、
他方の膜構造94を形成することが可能となる。また、天板86の膜構造を、天板86の厚み、本実施例では積層する金属板の枚数によって容易に変更し、共振周波数を容易に制御することができるため、実施の形態1に示したように、本実施の形態における、振動伝搬部材85は、振動伝搬波形の設計も、比較的に自由に行うことが可能となる。加えて、厚み方向の振動を使わないため、振動伝搬部材自体を薄くすることが可能となる。
(実施の形態6)
以下、図28、29を用いて、実施の形態6の膜構造ごとに、異なる振動伝搬部材の厚みで構成した振動伝搬部材の事例を説明する。
[6-1.振動伝搬部材]
[6-1-1.振動伝搬部材の構成と動作]
図28は、実施の形態6における振動伝搬部材102の構成の一例を示す断面図である。
なお、図28(a)には、振動伝搬部材102を厚み方向(Z軸に平行)に切断した断面図(X-Z平面における断面図)を示している。また、図28(b)は、図28(a)におけるI-I線分断面図、図28(c)は、図2(a)におけるII-II線分断面図を示しており、すなわち振動伝搬部材102を厚み方向に直交する方向(X-Y平面に平行)に切断した断面図(X-Y平面における断面図)を示している。図中の矢印は、振動伝達部材102(Z軸に平行)の振動伝搬方向を示す。
図28(a)において、振動伝搬部材102は、側壁104と、垂直隔壁105と、底板107と、天板110、111とで構成され、振動伝搬部材102の内部の複数の膜構造として、一方の膜構造108、他方の膜構造109とを備える。一方の膜構造108は、垂直隔壁105と、一方の天板110とで構成され、他方の膜構造109は、垂直隔壁105と、他方の天板111とで構成され、一方の膜構造108と他方の膜構造109とは、垂直隔壁間の距離、底板107から天板までの距離が異なる。まず、一方の膜構造108と他方の膜構造109とは垂直隔壁105の間の距離が異なるため、実施の形態1の図7に示したように、一方の膜構造108と他方の膜構造109とは、固有振動を持ち、一方の膜構造8と、他方の膜構造9とは、対向する垂直隔壁5の間の距離が異なる膜構造の共振周波数を持つ。加えて、一方の膜構造108と他方の膜構造109とは底板107から天板までの距離が異なるため、振動手段の一面に本発明の振動送受波器を貼り付けた振動送受波器としたときに、振動手段の振動によって誘発された一方の膜構造108による共振振動強度、他方の膜構造109による共振振動強度の違いが生じる。
つまり、本実施の形態においては、一方の膜構造108が、振動手段と張り付けた場合に、振動手段の振動の減衰がより小さく、一方の膜構造108による共振振動強度は、他方の膜構造109による共振振動強度よりも強くすることができる。このように、各膜構造の底板107から天板108(109)までの距離、垂直隔壁105の厚み等を制御することによって、膜構造の共振強度を個別に制御することが可能となる。そのため、膜構造の共振強度を個別に制御することで、伝搬媒質への振動波形を制御することができ、振動伝搬波形の設計も、自由に行うことが可能となる。
また、一方の膜構造108は、垂直隔壁105と、一方の天板110と、底板107とで形成される空間を一方の膜構造密閉空間113、他方の膜構造109は、垂直隔壁105と、他方の天板111と、底板107とで形成される空間を他方の膜構造密閉空間114とし、一方の膜構造密閉空間113の内部圧力(P3)と、他方の膜構造密閉空間114の内部圧力(P4)とは異なる圧力とすることができる。これらの密閉空間の圧力を異なる圧力とすることで、各膜構造の共振周波数を変更することが可能となる。
[6-1-2.振動伝搬部材の製造手順]
次に、図29を用いて、振動伝搬部材102の製造手順を説明する。
図29は、実施の形態6における振動伝搬部材102の製造手順を示す斜視図である。振動伝搬部材102の製造工程は、図29に示す(a)、(b)、(c)、(d)の順に進行する。
図29(a)に示すように、まず複数のパターン構造を取り出せる大きさの金属板115、個別のパターン構造を取り出せる金属板115を複数準備する。図29(a)には一枚の金属板115を示す。次に、図29(b)に示すように、金属板115を底板107とするために円形状にパターニングした金属板116、側壁104と垂直隔壁105とをパターニングした金属板117、他方の膜構造の天板111と側壁104と垂直隔壁105とをパターニングした金属板118、一方の膜構造の天板110と側壁104と垂直隔
壁105とをパターニングした金属板119を示しており、個別、あるいは同時に作製する。金属板115のパターニングには、例えば、金属板115のプレスによる打ち抜き加工、フォトリソグラフィによるエッチング加工、レーザー加工、或いは、放電ワイヤーを利用した加工等を用いることができる。なお、本開示では、金属板115を底板107とするために円形状にパターニングした金属板116、側壁104と垂直隔壁105とをパターニングした金属板117、他方の膜構造の天板111と側壁104と垂直隔壁105とをパターニングした金属板118、一方の膜構造の天板110と側壁104と垂直隔壁105とをパターニングした金属板119が、上面視において(Z軸に平行に見たときに)外形が円形(円盤状)になるように形成されている例を示す。しかし、これは単なる一例を示したものに過ぎず、金属板115を底板107とするために円形状にパターニングした金属板116、側壁104と垂直隔壁105とをパターニングした金属板117、他方の膜構造の天板111と側壁104と垂直隔壁105とをパターニングした金属板118、一方の膜構造の天板110と側壁104と垂直隔壁105とをパターニングした金属板119の外形の形状は何ら円形(円盤状)に限定されるものではなく、楕円形や多角形であってもよい。
次に、図29(c)に示すように、振動伝搬部材102の底面より、底板107となる円形状にパターニングした金属板116、その上に、順に複数の側壁と垂直隔壁とをパターニングした金属板117、他方の膜構造の天板と側壁と垂直隔壁とをパターニングした金属板118,複数の側壁と垂直隔壁とをパターニングした金属板117、一方の膜構造の天板と側壁と垂直隔壁とをパターニングした金属板119とを、位置決めを実施しつつ積層する。次に、パターニングした金属板同士を、直接接合の一つとして例示する拡散接合によって一体的な材料となるように、加熱加圧、真空環境で接合する。加熱温度については、例えばステンレスの場合、融点約1500℃に対し、拡散接合時の温度はおよそ1000℃程度であるので、相互に積層した複数の円形状にパターニングし積層した金属板がステンレス製であれば、それらを、真空中、この温度に加熱して加圧することで、母材を溶融させることなく接合界面の原子を拡散させ接合することが可能となる。
拡散接合には、平面性が要求されるので、図29(c)に示す加工方法によっては、図29(b)に示す工程の後に、円形状にパターニングした金属板116、側壁104と垂直隔壁105とをパターニングした金属板117、他方の膜構造の天板111と側壁104と垂直隔壁105とをパターニングした金属板118、一方の膜構造の天板110と側壁104と垂直隔壁105とをパターニングした金属板119のバリや変形を解消する後加工が必要となる場合がある。加えて、直接接合方法として、母材を一部溶融させる、溶融溶接も想定される。その場合、ステンレスであれば1500℃近傍まで加熱することで、複数の金属板同士を接合することも可能である。また、金属板通しの接合を行う方法として。金属板との間に接合材として想定される、エポキシ樹脂、シアノアクリレート系の接着剤を用いることも可能である。加えて、接合材として、無機材料を選定する場合、ろう付けを用いることも可能である。
以上の製造手順によって、図29(d)に示すように、各金属パターニングを本実施の形態で例示した接合方法によって接合した、本実施の形態6における振動伝搬部材102を作ることができる。なお、本実施の形態では、振動伝搬部材102が、円柱状の外形になるように形成されている例を示したが、これは単なる一例を示したものに過ぎず、本開示に示す振動伝搬部材の形状は何ら円柱状に限定されるものではなく、楕円柱や多角柱であってもよい。
[6-1-3.振動伝搬部材の効果]
以上のように、本実施の形態の振動伝搬部材102は、振動手段と、振動手段の一つの面に接合して動作する振動伝搬部材102であって、振動伝搬部材102は、側壁104
と、垂直隔壁105と、底板107と、天板110、111とで構成され、振動伝搬部材102の内部の複数の膜構造として、一方の膜構造108、他方の膜構造109とを備える。一方の膜構造108は、垂直隔壁105と、一方の天板110とで構成され、他方の膜構造109は、垂直隔壁105と、他方の天板111とで構成され、一方の膜構造108と他方の膜構造109とは、垂直隔壁間の距離、底板107から天板までの距離が異なる構造としたものである。
これにより、振動伝搬部材102の構成要素である、垂直隔壁105の厚み、垂直隔壁105間の距離、一方の膜構造108の厚み、他方の天板111の厚み、各膜構造の底板107から天板108(109)までの距離を制御することで、一方の膜構造108、他方の膜構造109で誘発される振動を制御でき、振動手段張り付けた振動送受波器とした場合に、送受信する振動の共振周波数を自在に制御することが可能で、設計自由度の高い振動伝搬部材102とすることができる。
また、一方の膜構造108が、振動手段と張り付けた場合に、振動手段の振動の減衰がより小さく、一方の膜構造108による共振振動強度は、他方の膜構造109による共振振動強度よりも強くすることができる。このように、各膜構造の底板107から天板108(109)までの距離、垂直隔壁105の厚み等を制御することによって、膜構造の共振強度を個別に制御することが可能となる。そのため、膜構造の共振強度を個別に制御することで、伝搬媒質への振動波形を制御することができ、振動伝搬波形の設計も、自由に行うことが可能となる。
また、一方の膜構造108は、垂直隔壁105と、一方の天板110と、底板107とで形成される空間を一方の膜構造密閉空間113、他方の膜構造109は、垂直隔壁105と、他方の天板111と、底板107とで形成される空間を他方の膜構造密閉空間114とし、一方の膜構造密閉空間113の内部圧力(P3)と、他方の膜構造密閉空間114の内部圧力(P4)とは異なる圧力とすることができる。これらの密閉空間の圧力を異なる圧力とすることで、各膜構造の共振周波数を変更することが可能となる。加えて、厚み方向の振動を使わないため、振動伝搬部材自体を薄くすることが可能となる。
(実施の形態7)
以下、図30,31を用いて、実施の形態6の振動送受波器を説明する。
[7-1.振動送受波器]
[7-1-1.振動送受波器の構成]
図30は、実施の形態7における振動送受波器121の構成の一例を示す断面図である。図30には、振動送受波器121を厚み方向(Z軸に平行)に切断した断面図(X-Z平面における断面図)を示している。
図30に示すように、振動送受波器121は、有天筒状金属ケース129と、有天筒状金属ケース129の天部内壁面130に配置された振動手段131と、有天筒状金属ケース129の天部外壁面132に配置された、実施の形態1で説明した振動伝搬部材2、または実施の形態2で説明した振動伝搬部材42、または、実施の形態3で説明した振動伝搬部材60、または実施の形態4で説明した振動伝搬部材75、または実施の形態5で示した振動伝搬部材85、または、実施の形態6で示した振動伝搬部材102のいずれかを配置する。
天部内壁面130は、有天筒状金属ケース129内側の天面(Z軸負方向側の表面)であり、天部外壁面132は有天筒状金属ケース129外側の天面(Z軸正方向側の表面)である。
振動手段131は、振動手段131の振動伝搬方向に対し平行に溝133を備え、振動伝搬部材122の垂直隔壁125と、振動手段131の溝133とが概平行であるように配置する。
端子137は金属材料で形成され、端子板135、有天筒状金属ケース129を介して、振動手段131の一方の電極136に電気的に接続されている。端子134は、端子137とは、絶縁シール材138を介して絶縁され、振動手段131の他方の電極140と、導電ゴム導電部139を介して電気的に接続されている。導電ゴム導電部139は概ね円筒状であり、外周には導電ゴム絶縁部141を備え、導電ゴム導電部139と端子板135および端子134とは電気的に絶縁されている。導電ゴム導電部139および、導電ゴム絶縁部141は端子板135によって上方向(Z軸正方向)に押圧されている。なお、以降の説明では、有天筒状金属ケース129の天部外壁面132に振動伝搬部材122が接合されているものとして説明する。
[7-2.振動送受波器の製造手順]
次に、図31を用いて、振動送受波器121の製造手順を説明する。
図31は、実施の形態4における振動送受波器121の製造手順を示す断面図である。
図31(a)に示すように、まず、実施の形態2で説明した振動伝搬部材42を用意する。並行して、図31(b)に示すように、振動手段131の上面(Z軸正方向側の面)に接合体143として用いる熱硬化性接着剤を塗布形成し、有天筒状金属ケース129の天部外壁面132にも同様の接合体144を塗布形成する。次に、図31(c)に示すように、振動手段131の上に有天筒状金属ケース129を重ねて振動手段131の上面(Z軸正方向側の面)と有天筒状金属ケース129の天部内壁面130とを接合体143を間に挟んで貼り合わせる。また、有天筒状金属ケース129の上に振動伝搬部材122を重ねて有天筒状金属ケース129の天部外壁面132と振動伝搬部材122の底板47(Z軸負方向側の面)とを接合体144を間に挟んで貼り合わせる。このとき、振動手段131、有天筒状金属ケース129、および振動伝搬部材122に、約1kg/cm^2から10kg/cm^2の圧力を加えた状態で加熱を行い、熱硬化性接着剤を硬化させる。これにより、有天筒状金属ケース129に振動伝搬部材122と振動手段131とが固着される。
次に、図31(d)に示すように、以上の工程によって加熱硬化され相互に接合された振動伝搬部材122と有天筒状金属ケース129と振動手段131との接合物の開口端に、導電ゴム145を挿入した端子板135を下から重ね合わせ、有天筒状金属ケース129のフランジと端子板135の周縁部とを溶接する。この溶接時に、端子板135と有天筒状金属ケース129とで囲まれた密閉空間にアルゴンガス、窒素ガス、ヘリウムガスなどの不活性ガスを封入する。これにより、振動手段131の電極の劣化、振動手段131と有天筒状金属ケース129との接合部分の劣化を軽減することができる。
有天筒状金属ケース129を形成する材料は、鉄、真鍮、銅、アルミ、ステンレス、あるいは、これらの合金、あるいはこれらの金属の表面にめっきを施した金属などの導電性を有する材料であれば良い。
接合体143、141として用いた熱硬化性接着剤は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂など熱硬化性樹脂であればよく、特に限定されない。場合によっては、熱可塑性樹脂であっても、ガラス転移点が振動送受波器121の使用温度の上限として定められた温度である高温使用温以上(例えば、70℃以上)であれば、
接着剤として使用できる。
このようにして、図31(e)に示すように、振動送受波器121は完成状態となる。
[7-1-3.振動送受波器の効果]
以上のように、本実施の形態において、振動送受波器121は、有天筒状金属ケース129と、有天筒状金属ケース129の天部内壁面130に配置された振動手段131と、有天筒状金属ケース129の天部外壁面132に配置された、実施の形態1から3で説明した振動伝搬部材のいずれか一つを備える構成とする。これにより、本開示の振動送受波器121を、振動伝搬部材の構成要素である、垂直隔壁の厚み、垂直隔壁間の距離、天板の厚みになどで形成される膜構造で誘発される共振周波数制御でき、振動手段張り付けた振動送受波器121とした場合に、送受信する振動の周波数を自在に制御することが可能で、設計自由度の高い振動伝搬部材とすることができる。
また、振動送受波器の内部構造によって形成される空間を密閉空間とすることで、計測対象として、腐食性流体、あるいは高温高湿流体に対しても、濃度を直接計測することが可能となる。
本開示は、気体の流量、流速及び濃度を計測する超音波流量計、流速計、濃度計に適用可能である。具体的には、家庭用流量計、医療用麻酔ガス濃度計、燃料電池用水素濃度計などに本開示は適用可能である。
1、1a、1b 振動手段
2、2a、2b 振動伝搬部材
3 天板
4 側壁
5 垂直隔壁
6 密閉空間
7 膜構造
8 膜構造
9 膜構造
10 金属板
11 金属板
12 金属板
14、14a、14b 振動送受波器
15 電極
16 電極
17 接合体
18 リード線
19 リード線
23 流量計
24 流速計
25 流路
26 超音波送受波器
27 超音波送受波器
28 計時装置
29 演算手段
30 濃度計
31 筐体
32 通気孔
33 超音波送受波器
34 超音波送受波器
35 温度センサ
36 計時装置
37 演算手段
41 振動手段
42、42a、42b、42c、42d、42e、42f 振動伝搬部材
43 天板
44 側壁
45 垂直隔壁
46 密閉空間
47 底板
48 膜構造
49 膜構造
50 金属板
51 金属板
52 金属板
55 屈曲部
57 垂直隔壁
58垂直隔壁
59 振動手段
60 振動伝搬部材
61 天板
62 側壁
63 垂直隔壁
65 底板
66 水平隔壁
67 密閉空間
68 膜構造
69 膜構造
70 金属板
71 金属板
72 金属板
75 振動伝搬部材
76 天板
77 側壁
78 垂直隔壁
80 底板
81 水平隔壁
82 密閉空間
83 膜構造
84 膜構造
85 振動伝搬部材
86 天板
87 側壁
88 垂直隔壁
90 底板
92 密閉空間
93 膜構造
94 膜構造
96 金属板
97 金属板
98 金属板
99 金属板
101 振動手段
102 振動伝搬部材
104 側壁
105 垂直隔壁
106 密閉空間
107 底板
108 膜構造
109 膜構造
110 天板
111 天板
113 膜構造密閉空間
114 膜構造密閉空間
115 金属板
116 金属板
117 金属板
118 金属板
119 金属板
121 振動送受波器
122 振動伝搬部材
123 天板
124 側壁
125 垂直隔壁
126 密閉空間
127 底板
129 有天筒状金属ケース
130 天部内壁面
131 振動手段
132 天部外壁面
133 溝
134 端子
135 端子板
136 電極
137 端子
138 絶縁シール材
139 導電ゴム導電部
140 電極
141 導電ゴム絶縁部
143 接合体
144 接合体
145 導電ゴム

Claims (25)

  1. 振動手段の一つの面に接合して動作する振動伝搬部材であって、
    前記振動伝搬部材は、天板と、側壁と、前記天板に対し概垂直に配置した垂直隔壁とで形成され、
    前記天板と前記垂直隔壁とで形成される複数の膜構造で発生する振動を用いた振動伝搬部材。
  2. 前記振動伝搬部材は、
    前記天板と、前記垂直隔壁と、前記振動手段とで少なくとも一部を密閉空間とした請求項1記載の振動伝搬部材。
  3. 振動手段の一つの面に接合して動作する振動伝搬部材であって、
    前記振動伝搬部材は、天板と、底板と、側壁と、前記天板および底板に対し概垂直に配置した垂直隔壁とで形成され、
    前記天板と前記垂直隔壁とで形成される複数の膜構造で発生する振動を用いた振動伝搬部材。
  4. 前記振動伝搬部材は、前記天板と、前記底板と、垂直隔壁とで形成される空間の少なくとも一部を密閉空間とした請求項3に記載の振動伝搬部材。
  5. 振動手段の一つの面に接合して動作する振動伝搬部材であって、
    前記振動伝搬部材は、天板と、底板と、前記振動伝搬部材の側壁と、前記天板および底板に対し概垂直に配置した垂直隔壁と、前記天板および底板に対し概水平に配置した水平隔壁と、で形成され、
    前記天板と前記垂直隔壁とで形成される複数の膜構造で発生する振動を用いた振動伝搬部材。
  6. 前記振動伝搬部材は、前記天板と垂直隔壁と水平隔壁のいずれかの面で形成される空間の少なくとも一部を、密閉空間とした請求項5に記載の振動伝搬部材。
  7. 前記複数の膜構造は、異なる垂直隔壁間の距離で形成した請求項1から6のいずれか1項に記載の振動伝搬部材。
  8. 前記複数の膜構造は、振動伝搬方向に対し垂直断面方向の複数の垂直隔壁形状を備える請求項1から6のいずれか1項に記載の振動伝搬部材。
  9. 前記複数の膜構造は、異なる厚みの天板を備える請求項1から6のいずれか1項に記載の振動伝搬部材。
  10. 前記複数の膜構造は、異なる密閉空間内部圧力とした請求項1から6のいずれか1項に記載の振動伝搬部材。
  11. 前記複数の膜構造は、密閉空間内部に異なる充填物質を充填した請求項1から6のいずれか1項に記載の振動伝搬部材。
  12. 前記複数の膜構造は振動伝搬部材の異なる振動伝搬方向厚みを備える請求項1から6のいずれか1項に記載の振動伝搬部材。
  13. 前記垂直隔壁は、前記側壁とつながらない部分を有する構造とした、請求項1から12の
    いずれか1項に記載の振動伝搬部材。
  14. 前記垂直隔壁は、壁厚が振動伝搬方向で異なることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の振動伝搬部材。
  15. 前記垂直隔壁は、壁厚が振動伝搬方向で異なり、壁厚が徐々に変化することを特徴とする請求項14に記載の振動伝搬部材。
  16. 前記垂直隔壁は、壁厚が振動伝搬方向で異なり、壁厚が徐々に変化し、壁厚の厚みの大小を繰り返すことを特徴とする請求項14記載の振動伝搬部材。
  17. 前記垂直隔壁は、壁厚が厚み方向で積層する位置をずらすことを特徴とする請求項1から16のいずれか1項に記載の振動伝搬部材。
  18. 前記振動伝搬部材は、同一材料の複数のパターン形成した板材を積層し、層間を直接接合したことを特徴とする請求項1から17のいずれか1項に記載の振動伝搬部材。
  19. 前記振動伝搬部材は、
    複数のパターン形成した板材を積層し、層間を接合材で接合したことを特徴とする請求項1から17のいずれか1項に記載の振動伝搬部材。
  20. 振動手段と、前記振動手段の一つの面に接合した請求項1から19のいずれか1項に記載の振動伝搬部材とを備える振動送受波器。
  21. 有天筒状金属ケースと、前記有天筒状金属ケースの天部外壁面に接合した請求項1から19のいずれか1項に記載の振動伝搬部材と、前記有天筒状金属ケースの天部内壁面に、振動手段を備える振動送受波器。
  22. 前記振動手段は圧電体とし、前記圧電体の振動伝搬方向に対し平行に溝を形成し、前記圧電体の溝とは概平行であることを特徴とする請求項20または21に記載の振動送受波器。
  23. 前記振動伝搬部材の製造方法であって、
    前記振動伝搬部材は、金属板にパターンを形成する工程と、パターン形成した金属板を積層する工程と、
    前記積層した金属板を高温で荷重を加え複数の金属板を直接接合する工程とが順に施されることを特徴とする請求項1から19のいずれか1項に記載の振動伝搬部材の製造方法。
  24. 被計測流体を通じる流路と、前記流路に対向するように取り付けられた請求項20から22のいずれか1項に記載の一対の振動送受波器と、前記振動送受波器により送信された信号の到達時間を計時する計時装置と、前記計時装置により求めた到達時間より、流速、流量を演算する演算手段とを備える流量計、流速計。
  25. 被計測流体である混合ガスを通じる通気口を備える筐体と、前記筐体内部に所定の距離を離し対向して配置した請求項20から22のいずれか1項に記載の一対の振動送受波器と、前記筐体内部に配置した温度センサと、前記振動送受波器により送信された信号の到達時間を計時する計時装置と、前記計時装置により求めた到達時間より、伝搬速度、混合ガスの平均分子量、ガス濃度を演算する演算手段とを備える濃度計。
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