JP2008256597A - 超音波トランスジューサ及び超音波レベル計 - Google Patents

超音波トランスジューサ及び超音波レベル計 Download PDF

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Abstract

【課題】市販品などの量産性の良好な薄型圧電素子を複数積層することにより、低コストで安定した液面検出を可能とする超音波トランスジューサを提供する。
【解決手段】超音波トランスジューサ10は、容器の底部外壁面に取り付けられ、容器内部に収容された液体の液面に向けて超音波を送信させると共に、液面からの反射波を受信する。この超音波トランスジューサ10は、複数の金属製の振動板111〜115と、複数の圧電素子121〜125とが交互に積層された圧電素子部100と、圧電素子部100を構成する各圧電素子の電気的反共振周波数のいずれにも音響整合された音響整合層14とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、超音波トランスジューサ及び超音波レベル計、より詳細には、超音波の伝播時間を利用して容器内の液体の液面レベルなどを計測するための超音波トランスジューサ及び該超音波トランスジューサを備えた超音波レベル計に関する。
送受信兼用の超音波トランスジューサを備えた超音波レベル計は、超音波トランスジューサから超音波を送信し、その反射波を受信するまでの時間を計測し、その時間に基づいて対象物までの距離を算出するもので、対象物までの距離を正確かつ容易に計測することができるため、各種用途で利用されている(例えば、特許文献1参照)。
このような超音波レベル計において、容器または貯槽内部に既存の液体の残量を計測する場合、使用する周波数特性に合わせて圧電素子から試作するか、仕様に近い専用のトランスジューサを購入して使用していた。
特開2004−257981号公報
しかしながら、仕様に適した性能を満足させるべく、例えば欲しい周波数特性を得るため、圧電素子そのものから設計開発を行い、仕様に適した超音波トランスジューサを開発していたのでは、コスト高になってしまう。同様に、汎用品と比べて割高な専用のトランスジューサを購入していたのでは、やはりコスト高になってしまう。
更に、周波数帯域が極めて広い仕様を満足するためには、限られた実装スペースに複数個のトランスジューサを配置しなくてはならない。このため実装スペースが充分確保できない場合、具体的に言えば複数個配置できない場合には、必要な周波数帯域が確保できないため、容器又は貯槽の板の厚みや、表面の塗装状態によっては、安定した液面検出ができない場合がある。また、液面に揺れが発生するような液充填時では、液面検出のマージンが低下する場合もあった。
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたものであり、市販品などの量産性の良好な薄型圧電素子を複数積層することにより、低コストで安定した液面検出を可能とする超音波トランスジューサ及び該超音波トランスジューサを備えた液面レベル計を提供すること、を目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、容器の底部外壁面に取り付けられ、該容器内部に収容された液体の液面に向けて超音波を送信させると共に、前記液面からの反射波を受信する超音波トランスジューサであって、少なくとも1つの金属製の振動板と、複数の圧電素子とが積層された圧電素子部を備えることを特徴としたものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記圧電素子部は、前記振動板と前記圧電素子とが交互に複数積層されていることを特徴としたものである。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記圧電素子部は、共振周波数が異なる複数の圧電素子が積層されていることを特徴としたものである。
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記圧電素子部を構成する各圧電素子の電気的反共振周波数のいずれにも音響整合された音響整合層を備えることを特徴としたものである。
請求項5の発明は、請求項3又は4の発明において、前記圧電素子部は、略等しい厚みの複数の圧電素子が一体的に形成されていることを特徴としたものである。
請求項6の発明は、請求項4の発明において、前記複数の振動板のうち、少なくとも1つの振動板の端部に半田付けすることにより、前記圧電素子部の振動に応じた電圧信号を取り出すことを特徴としたものである。
請求項7の発明は、請求項4の発明において、前記複数の振動板のうち、少なくとも1つの振動板の端部を部分的に延長させることにより、前記圧電素子部の振動に応じた電圧信号を取り出すことを特徴としたものである。
請求項8の発明は、請求項4の発明において、前記圧電素子部は、残響による振動を抑止するための振動抑止部材を、前記音響整合層が貼り合わされている面と反対側の面に設けたことを特徴としたものである。
請求項9の発明は、請求項1乃至8のいずれか1の発明において、前記圧電素子部は、前記圧電素子の上面と、前記振動板の下面とが導電性接着剤により電気的に結合されていることを特徴としたものである。
請求項10の発明は、請求項1乃至9のいずれか1の発明における超音波トランスジューサと、該超音波トランスジューサにより超音波を送信した時点からその反射波を受信する時点までの時間情報に基づいて前記液面の検出動作を制御する制御部とが接続されたことを特徴とする超音波レベル計である。
本発明によれば、市販品などの量産性の良好な薄型圧電素子を複数積層することにより、低コストで安定した液面検出を行うことができる。
図1は、本発明の超音波トランスジューサを備えた超音波レベル計を容器に設置した状態の一例を示す図である。図中、10は超音波トランスジューサ、20はコントローラ(制御部)、30は液化ガスや灯油等を収容する貯槽又は容器(以下、容器で代表する)、31は液面を示す。超音波レベル計は、薄型圧電素子を複数個積層してなる圧電素子部(後述)を備えた超音波トランスジューサ10と、超音波トランスジューサ10により超音波を送信した時点からその反射波を受信する時点までの時間情報に基づいて液面31の検出動作を制御するコントローラ20とで構成される。超音波トランスジューサ10は、容器30の外壁底面に図示しないマグネット等により設置され、有線によりコントローラ20に接続されている。
なお、超音波トランスジューサ10とコントローラ20との間の通信を無線を介して行うように構成してもよく、この場合、配線の損傷や第三者による故意の切断等による動作不良を回避することが可能となる。
上記のような構成において、例えば、液体の液面31を検出しようとする際に、作業者はコントローラ20を操作して、超音波トランスジューサ10から超音波wを送信し、主に液面31で反射して戻ってきた反射エコーを受信し、この受信した反射エコーに基づいて液面位置、すなわち液面31までの液面距離を算出し、さらに算出した液面距離に基づいて容器30内の液体容量を算出することができる。
液面31の高さを検出する際に、超音波トランスジューサ10は、容器30の底部壁に向けて上方に超音波wを送信する。送信した超音波wは、液面31で反射して戻ってくるが、液面31の高さに応じて超音波トランスジューサ10が反射波を受信するまでの遅延時間が異なる。コントローラ20は、受信した反射波の遅延時間から液面距離を算出するためのデータ、例えば温度や伝播速度(空気又は液体等)に応じた音速データ等を保持しており、このデータに基づいて液面距離を算出する。
図2は、本発明に係る超音波トランスジューサ10の構成例を説明するための図である。図中、100は圧電素子部、11,111〜115は金属製の振動板、12,121〜125は薄型の圧電素子、131〜134は接着層、14は音響整合層14を示す。図2(A)は一般的な超音波トランスジューサの構成例を示し、図2(B)は本発明の超音波トランスジューサの構成例を示し、図2(C)は本発明の超音波トランスジューサの他の構成例を示す。
図2(A)に示すように、一般的な超音波トランスジューサは、市販されている汎用的な圧電素子12(例えば、直径:φ1)に、金属製の振動板11(例えば、直径:φ2)を貼り合わせて構成される。そして、本発明の超音波トランスジューサ10は、図2(B)に示すように、図2(A)の超音波トランスジューサを、圧電素子12の分極方向となる厚さ方向へ積み上げ、貼り合わせた積層構造とする。
すなわち、図2(B)において、音響整合層14の上部には振動板111が設けられ、振動板111に貼り合わされた圧電素子121の上部には振動板112が接着層131を介して接着固定される。以下、同様に、振動板112に貼り合わされた圧電素子122の上部には振動板113が接着層132を介して接着固定される。このように超音波トランスジューサ10は、振動板111〜115と圧電素子121〜125が交互に複数積層された圧電素子部100を備える。なお、本例の場合、5層構成としているが、これに限定されるものではない。
また、図2(C)において、音響整合層14の上部には振動板111が設けられ、振動板111に貼り合わされた圧電素子121の上部には圧電素子122が接着層131を介して接着固定される。以下、同様に、圧電素子122の上部には圧電素子123が接着層132を介して接着固定される。このように超音波トランスジューサ10は、1つの振動板111と複数の圧電素子121〜125が積層された圧電素子部100を備えるようにしてもよい。
図2(B)及び(C)において、圧電素子部100は、少なくとも1つの振動板と、複数の圧電素子とが積層された構成であればよく、1つの振動板と1つの圧電素子とを交互に複数積層してもよいし、1つの振動板と複数の圧電素子とを交互に積層するようにしてもよい。また、接着層131〜134は導電性接着剤により形成される。これにより圧電素子部100を構成する各層は、圧電素子の厚み方向に電気的に結合された状態となる。このように、振動板及び圧電素子を厚み方向へ電気的に積層させることで、厚み方向に一定の周波数で振動する厚み振動を利用した超音波トランスジューサが構成される。
本発明の超音波トランスジューサは、汎用的で安価な薄型圧電素子で構成されているため、製造コストを抑えることができる。また、薄型圧電素子を複数積層しているため、低周波数帯にも対応することができ、容器の板厚が極めて薄い場合や、板厚固有の周波数帯域外であっても、超音波の波長の影響を受けることなく、液面計測が可能となる。
図3は、共振周波数の異なる2以上の圧電素子で構成される超音波トランスジューサ10の構成例とその共振特性の例を示す図である。本例の圧電素子部100は、共振周波数が異なる複数の圧電素子121〜126が積層された構造とする。ターゲットとする圧電素子の電気的反共振周波数の比と、個々の圧電素子単体の厚みにより積層する枚数は異なるが、図3(A)に示すように、圧電素子121に振動板111を貼り合わせたものを、例えば高さ方向へ6層積み上げて各層を貼り合わせた積層構造とする。
ここで、音響整合層14から4層までをX部、6層(最上面)までをY部、そして、X部の反共振周波数をf1、Y部の反共振周波数をf2とし、2種類の共振周波数特性を有する場合について考える。このときのX部(4層),Y部(6層)の共振特性の例を図3(B)に示す。
例えば、反共振周波数f1とf2の比を、f1:f2=3:2となるような2種類の周波数特性を獲得する場合、具体的には、f1=1500KHz(X部)、f2=1000KHz(Y部)の周波数特性を獲得する場合、これら2種類の周波数に対して、音響整合させるための条件を下記に示す。
N1・{m+n・(f1/f2)}=N2・{n+m・(f2/f1)} …式(1)
但し、N1、N2はそれぞれ反共振周波数f1,f2による音響整合層14を伝播する音波の半波長分の個数と関係し、f1はX部の反共振周波数、f2はY部の反共振周波数である。
この式(1)の条件を成立させるために、整数N1、N2、n、mの組を満足させなければならない。2種類の周波数比、と音響整合層14の波長との関係で、N1=2、N2=3、m=3、n=2、すなわち、X部の反共振周波数f1では半波長の3個分に、Y部の反共振周波数f2では半波長の2個分に相当する音響整合層14の厚みとなって、両者は等しくなり、2種類の周波数いずれに対してもマッチングした値となっている。
ここで、圧電素子の厚み方向の周波数定数を“Nt=2000[KHz・mm]”、圧電素子の基本の厚みを“t=0.333mm”とすれば、積層するX部の反共振周波数f1の圧電素子の枚数M1は、
2000[KHz・mm]/{0.333・1500[KHz]}≒4枚
となり、同様に、Y部の反共振周波数f2の圧電素子の枚数M2は、
2000[KHz・mm]/{0.333・1000[KHz]}≒6枚
となる。
X部及びY部の2種類の反共振周波数f1,f2が、4層、6層の積層ブロックで区分され、区分けされた各電気端子には、2種類の共振特性を動作させるために、反共振周波数f1、f2とほぼ等しい駆動周波数を有するバースト信号が外部回路から印加される。これにより、2種類の周波数を有する超音波がそれぞれ独立に、または、同時に超音波を放射することができる。
積層の枚数は基本となる圧電素子の厚みに依存する。従って、圧電素子の基本の厚さを2倍、すなわち、“t=0.666mm”とした場合、積層するX部の反共振周波数f1の圧電素子の枚数M1は、
2000[KHz・mm]/{0.666・1500[KHz]}≒2枚
となり、同様に、Y部の反共振周波数f2の圧電素子の枚数M2は、
2000[KHz・mm]/{0.666・1000[KHz]}≒3枚
となる。後述の図9(B)に示すように、2層及び3層の積層構造であっても2つの共振特性を持つことが可能となる。このように、圧電素子の厚みを増やすことで、積層枚数を減らすようにして、最小の積層枚数で構成してもよい。
次に、他の実施例として、反共振周波数f1とf2の比を、f1:f2=4:3となるような2種類の周波数特性を獲得する場合を考える。具体的には、f1=1200KHz、f2=900KHzの周波数特性を獲得するために、これら2種類の周波数に対して、音響整合させるための条件である前述の式(1)を成立させる整数N1、N2、n、mの組を求める。
この場合、これらを満足する整数の関係はN1=3、N2=4、m=4、n=3となる。すなわち、X部の反共振周波数f1では半波長の4個分に、Y部の反共振周波数f2では半波長の3個分に相当する音響整合層14の厚みとなって、両者は等しくなり、2種類の周波数いずれに対してもマッチングした値となっている。
例えば、圧電素子の基本厚みの最小値を“0.277mm”とすれば、X部の反共振周波数f1の圧電素子の枚数M1は、
2000[KHz・mm]/{0.277・1200[KHz]}≒6枚
となり、同様に、Y部の反共振周波数f2の圧電素子の枚数M2は、
2000[KHz・mm]/{0.277・900[KHz]} ≒8枚
となる。
さらに圧電素子の厚みを2倍(0.277×2≒0.555)とすれば、圧電素子の枚数を削減できる。すなわち、X部の反共振周波数f1の圧電素子の枚数M1は、
2000[KHz・mm]/{0.555・1200[KHz]}≒3枚
となり、同様に、Y部の反共振周波数f2の圧電素子の枚数M2は、
2000[KHz・mm]/{0.555・900[KHz]} ≒4枚
となる。もちろん、圧電素子の基本厚み(t≒0.333mm)が固定であれば、個々の周波数の絶対値が異なるだけで、整数倍の関係は変わらないことは言うまでも無い。
このように、周波数帯域を広くすることができるため、広範囲の容器及び貯槽に適用でき、さらに、板厚の交差等にも適応が可能となり、汎用性も高い。
また、複数の周波数帯域を有する超音波を同一ポイントから同時に発射し、送受信が可能であるため、液面に揺れがある場合や、液面の時間的変化が急峻である場合でも液面変化に追従でき、効率良く安定した液面検出を実現することができる。
さらには、周波数帯域を任意に変化させることができるため、近距離検出にも対応が可能となり、広範囲に液面レベルを計測することができる。
図4は、本発明の超音波トランスジューサが備える圧電素子部の積層構造の例を説明するための図である。本例の超音波トランスジューサ10は、圧電素子部100を構成する各圧電素子の電気的反共振周波数のいずれにも音響整合された音響整合層14を備える。
ここで、2つの異なる共振周波数を有する積層型圧電素子において、音響整合層14から4層(X部)までの反共振周波数f1(高周波数側)と、音響整合層14から最上面を含む6層(Y部)までの反共振周波数f2(低周波数側)との2種類の共振周波数特性を持つ場合について説明する。
1つの音響整合層14からそれぞれ独立に、または同時に超音波を放射させる際に、音響整合層14を伝播する縦波の音速をCとし、その厚みをt′とした場合、
t′=m1・{C/(2・f1)}=m2・{C/(2・f2)} …式(2)
を満足させる必要がある。
このため、個々の反共振周波数f1、f2と、各反共振周波数による音響整合層14の内部の音波における半波長と倍数(整数比)との関係式は、
m2・f1=m1・f2 …式(3)
となる。
具体例として、f1=1500KHz(X部)、f2=1000KHz(Y部)とした場合、すなわち、その比が、f1:f2=3:2となるような2種類の周波数特性を獲得する場合について説明する。この場合、音響整合層14の関係は、m2:m1=2:3となり、X部の反共振周波数f1では半波長の3倍、Y部の反共振周波数f2では半波長の2倍に相当する厚みとなる。
具体的には、2種類の共振特性(X部、Y部)に対して、t′1=m1・{C/(2・f1)}=3x{2000/(2x1500x10)}=2.00mm、t′2=m2・{C/(2・f2)}=2x{2000/(2x1000x10)}=2.00mmとなる。ただし、Cは音響整合層を伝播する縦波の速度、本例の場合C=2000m/sである。このように、共振特性の異なるX部及びY部に対して共通の厚み(t′1=t′2=2.00mm)の音響整合層14が必要となる。
さらに、他の実施例として、反共振周波数の関係が、f1=1200KHz、f2=900KHzとした場合、すなわち、その比が、f1:f2=4:3となるような2種類の周波数特性を獲得する場合について説明する。この場合、音響整合層14の関係は、m2:m1=3:4となり、X部の反共振周波数f1では半波長の4倍、Y部の反共振周波数f2では反波長の3倍に相当する厚みとなる。
具体的には、t′1=m1・{C/(2・f1)}=4x{2000/(2x1200x10)}=3.333mm、t′2=m2・{C/(2・f2)}=3x{2000/(2x900x10)}=3.333mmとなる。このように、共振特性の異なるX部及びY部に対して共通の厚み(t′1=t′2=3.333mm)の音響整合層14が必要となる。
この1種類の音響整合層14の厚みを用いることにより、積層化された複数の圧電素子の周波数特性を変化させずに、異なる2種類f1、f2の共振特性を発生する超音波トランスジューサが獲得できる。そして、図4に示すように、6層、4層の積層ブロックで区分され、区分けされた各電気端子には、2種類の共振特性を動作させるために、f1、f2とほぼ等しい周波数を有する超音波ビームを媒質中へ独立に、または同時に放射することが可能である。
このように、異なる複数の周波数帯域を有する積層型圧電素子を用いて、個々の圧電素子の共振特性を損なうこと無く、また、周波数特性を変化させること無く、音響的整合が図れるため、共振スプリアスの発生が抑えられ、超音波受信時でのS/Nを良好に確保することができる。
また、図4において、S1〜S3は半田点を示す。複数の振動板111〜116のうち、少なくとも1つの振動板の端部に半田付け(本例の場合、S1〜S3の3点)することにより、圧電素子部100の振動に応じた電圧信号を取り出すことができる。これによれば、市販の薄型金属板付き圧電素子から直接的に、しかも簡単な方法で電極を取り出して、引き回すことができるため、大幅なコスト低減が可能となる。
図5は、本発明の超音波トランスジューサが備える圧電素子部を一体構造としたときの例を示す図である。図5(A)は、異なる2つの共振特性を有する積層構造として、例えば、X部(圧電素子が4層)とY部(圧電素子が6層)の共振特性が異なる積層構造を示す。
ここで、図5(B)に示すように、略等しい厚みの複数の圧電素子により一体的に形成するようにしてもよい。本例の場合、略等しい厚みの同一周波数特性である圧電素子を6個積層し、一体型構造としている。
このように、圧電素子を積層する際に、圧電素子の個々の厚みが等しいか、あるいは、その厚みを整数倍にすることで、これらの関係に基づいて圧電素子を選定することができ、また、厚みによる交差がある場合でも、その前後の圧電素子を選定できるため、異なる2つ以上の共振特性が共存していても、周波数ズレが少なく高い精度で音響整合が図れ、安定した特性が確保できる。
図6は、本発明の超音波トランスジューサが備える圧電素子部の電極構造の例を説明するための図である。複数の電気的反共振周波数のいずれにも整合する積層構造において、複数の振動に応じた電圧信号を取り出すための電極を構成する。すなわち、図6(A)に示すように、圧電素子121〜126と交互に積層され接着された振動板111〜116の端部に、半田点S1〜S3で半田付けして取り出すようにしてもよい。あるいは、図6(B)に示すように、薄い振動板11の端部を部分的に延長することにより電極11aを構成するようにしてもよい。図6(A)及び(B)に示す構成によれば、超音波トランスジューサ10と回路端子とを簡単に接続することができる。
このように、市販の薄型金属板付きの圧電素子から直接的に、しかも簡単な構成で電極を取り出せ、引き回すことができるため、大幅なコスト低減を図ることができる。
図7は、本発明の超音波トランスジューサが備える圧電素子部の接着層の例を説明するための図である。図7(A)は、圧電素子12の上面に、接着層13として、導電性接着剤あるいはアルミ粉を混ぜたエポキシ接着剤が塗布された状態を示す。また、図7(B)は、圧電素子121の上面と、振動板112の下面とが接着層131を介して接着固定される際の状態を示す。接着層131の接着剤は接着時に加圧されると、図7(A)に示す方向に均一に広がり、積層された圧電素子121と、元々別の部材であった振動板112とが互いに導電性接着剤により電気的に結合される。具体例としては、エポキシ接着剤にアルミの粉を一様に混ぜ、アルミ紛の琉径程度に極めて薄く接着することで、金属粉を介して電気的に導通を取ることができる。
このように、複数の薄型金属板付き圧電素子間において電気的に道通が取れ、しかも接続部分の信頼性が高いため、長期に渡って安定した性能を確保することが出来る。
図8は、本発明の超音波トランスジューサが備える圧電素子部にダンパー部材を設けたときの例を説明するための図である。本例の圧電素子部は、残響による振動を抑止するための振動抑止部材としてダンパー部材15が、音響整合層14が貼り合わされている面と反対側の面に設けられている。ここでは最上位の圧電素子12の上面となる箇所に、エポキシ系樹脂を充填し硬化させるか、あるいは、樹脂板を接着剤により接着固定させるようにして、ダンパー効果を持たせるようにしている。
このようにして、超音波トランスジューサ駆動後の残響波の影響により発生する振動であって、検出には不要となる振動が抑えられるため、検出時のS/N向上を図ることができる。
図9は、本発明の超音波トランスジューサが備える圧電素子部の積層構造の他の例を説明するための図である。図9(A)は4層,6層の積層ブロック構成の例を示し、図9(B)は2層,3層の積層ブロック構成の例を示す。ここで、前述したように、圧電素子の厚み方向の周波数定数を“Nt=2000[KHz・mm]”、圧電素子の基本の厚みを“t=0.333mm”とすれば、積層するX部の反共振周波数f1の圧電素子の枚数M1は、
2000[KHz・mm]/{0.333・1500[KHz]}≒4枚
となり、同様に、Y部の反共振周波数f2の圧電素子の枚数M2は、
2000[KHz・mm]/{0.333・1000[KHz]}≒6枚
となる。
X部及びY部の2種類の反共振周波数f1,f2が、4層、6層の積層ブロックで区分され、区分けされた各電気端子には、2種類の共振特性を動作させるために、反共振周波数f1、f2とほぼ等しい駆動周波数を有するバースト信号が外部回路から印加される。これにより、2種類の周波数を有する超音波がそれぞれ独立に、または、同時に超音波を放射することができる。
積層の枚数は基本となる圧電素子の厚みに依存する。従って、圧電素子の基本の厚さを2倍、すなわち、“t=0.666mm”とした場合、積層するX′部の反共振周波数f1の圧電素子の枚数M1は、
2000[KHz・mm]/{0.666・1500[KHz]}≒2枚
となり、同様に、Y′部の反共振周波数f2の圧電素子の枚数M2は、
2000[KHz・mm]/{0.666・1000[KHz]}≒3枚
となり、2層及び3層の積層構造においても、4層及び6層と同様に2つの共振特性を持つことが可能となる。
以上説明したように、本発明によれば、市販品などの量産性の良好な薄型圧電素子を複数積層することにより、低コストで安定した液面検出を行うことができる。
また、薄型圧電素子を複数個積層することにより、必要な周波数帯域の超音波を同一ポイントから発射できるため、超音波トランスジューサの取付位置に左右されず、低周波帯にも対応することができる。これにより、板厚が極めて薄い場合等の板厚の影響や、容器表面の塗装状態の影響を大幅に低減することができるため、安定した液面検出を実現することができる。
さらには、同一ポイントからの異なる複数個の周波数を含む超音波を同時に発射させることができるため、液面の変化(液面の高さが時間的に急激に変化する場合を含む)に追従して、常に安定した液面検出が可能となる。また、周波数帯域を任意に可変できるため、近距離検出にも対応が可能となり、広範囲の液面レベルを計測することができる。
本発明の超音波トランスジューサを備えた超音波レベル計を容器に設置した状態の一例を示す図である。 本発明に係る超音波トランスジューサの構成例を説明するための図である。 共振周波数の異なる2以上の圧電素子で構成される超音波トランスジューサの構成例とその共振特性の例を示す図である。 本発明の超音波トランスジューサが備える圧電素子部の積層構造の例を説明するための図である。 本発明の超音波トランスジューサが備える圧電素子部を一体構造としたときの例を示す図である。 本発明の超音波トランスジューサが備える圧電素子部の電極構造の例を説明するための図である。 本発明の超音波トランスジューサが備える圧電素子部の接着層の例を説明するための図である。 本発明の超音波トランスジューサが備える圧電素子部にダンパー部材を設けたときの例を説明するための図である。 本発明の超音波トランスジューサが備える圧電素子部の積層構造の他の例を説明するための図である。
符号の説明
10…超音波トランスジューサ、11,111〜116…振動板、12,121〜126…圧電素子、13,131〜134…接着層、14…音響整合層、15…ダンパー部材、100…圧電素子部、20…制御部(コントローラ)、30…容器、31…液面。

Claims (10)

  1. 容器の底部外壁面に取り付けられ、該容器内部に収容された液体の液面に向けて超音波を送信させると共に、前記液面からの反射波を受信する超音波トランスジューサであって、
    少なくとも1つの金属製の振動板と、複数の圧電素子とが積層された圧電素子部を備えることを特徴とする超音波トランスジューサ。
  2. 請求項1に記載の超音波トランスジューサにおいて、前記圧電素子部は、前記振動板と前記圧電素子とが交互に複数積層されていることを特徴とする超音波トランスジューサ。
  3. 請求項1又は2に記載の超音波トランスジューサにおいて、前記圧電素子部は、共振周波数が異なる複数の圧電素子が積層されていることを特徴とする超音波トランスジューサ。
  4. 請求項3に記載の超音波トランスジューサにおいて、前記圧電素子部を構成する各圧電素子の電気的反共振周波数のいずれにも音響整合された音響整合層を備えることを特徴とする超音波トランスジューサ。
  5. 請求項3又は4に記載の超音波トランスジューサにおいて、前記圧電素子部は、略等しい厚みの複数の圧電素子が一体的に形成されていることを特徴とする超音波トランスジューサ。
  6. 請求項4に記載の超音波トランスジューサにおいて、前記複数の振動板のうち、少なくとも1つの振動板の端部に半田付けすることにより、前記圧電素子部の振動に応じた電圧信号を取り出すことを特徴とする超音波トランスジューサ。
  7. 請求項4に記載の超音波トランスジューサにおいて、前記複数の振動板のうち、少なくとも1つの振動板の端部を部分的に延長させることにより、前記圧電素子部の振動に応じた電圧信号を取り出すことを特徴とする超音波トランスジューサ。
  8. 請求項4に記載の超音波トランスジューサにおいて、前記圧電素子部は、残響による振動を抑止するための振動抑止部材を、前記音響整合層が貼り合わされている面と反対側の面に設けたことを特徴とする超音波トランスジューサ。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の超音波トランスジューサにおいて、前記圧電素子部は、前記圧電素子の上面と、前記振動板の下面とが導電性接着剤により電気的に結合されていることを特徴とする超音波トランスジューサ。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の超音波トランスジューサと、該超音波トランスジューサにより超音波を送信した時点からその反射波を受信する時点までの時間情報に基づいて前記液面の検出動作を制御する制御部とが接続されたことを特徴とする超音波レベル計。
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