JPH08340597A - 超音波送受波器 - Google Patents

超音波送受波器

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Publication number
JPH08340597A
JPH08340597A JP14735195A JP14735195A JPH08340597A JP H08340597 A JPH08340597 A JP H08340597A JP 14735195 A JP14735195 A JP 14735195A JP 14735195 A JP14735195 A JP 14735195A JP H08340597 A JPH08340597 A JP H08340597A
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JP
Japan
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signal
transmission
piezoelectric vibrator
ultrasonic wave
reception
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Application number
JP14735195A
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English (en)
Inventor
Mitsuhiko Nanri
光彦 南利
Yoshiyuki Ozawa
義幸 小澤
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 連続した広い周波数範囲において一定かつ高
レベルな感度を得ることができる超音波送受波器を提供
する。 【構成】 超音波送受波器1aは、圧電振動子2,3、
整合層4を積層した構造を有する。ここで、水等である
音響放射媒体100との音響インピーダンスを整合させ
るため、圧電振動子2,3、整合層4の順で音響インピ
ーダンスが段々小さくなるように各材料を選択してい
る。また、圧電振動子2、3、整合層4の厚さは、要求
される基本共振周波数における各材料の音の波長の1/
4にしている。さらに、圧電振動子2および3の電気的
インピーダンスを整合させるために、圧電振動子2を2
層(2a,2b)構造、圧電振動子3を4層(3a〜3
d)構造にして、各層の圧電振動子を、接合面が同一の
極性になるように積層している。信号線5aは極性に対
応して各圧電振動子を並列に接続し、送受信信号を伝送
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波の送信や受信を
行う超音波送受波器に関し、特に、複数の圧電振動子を
積層した構造を有する超音波送受波器に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】超音波の送信および受信を行う超音波送
受波器には、例えば、セラミック等でできた圧電振動子
で構成されたものがある。この種の超音波送受波器で、
音響インピ−ダンスの小さい空気や水を音響放射媒体と
して通信や計測を行う場合、圧電振動子の音響インピ−
ダンスが音響放射媒体に対して非常に大きいために、送
受波時の感度の周波数特性は、圧電振動子の共振周波数
を中心とした非常に狭帯域な特性、すなわちQの高い特
性となる。このため、この超音波送受波器で広い周波数
帯域を占めるパルス信号の送信や受信を行う場合には、
送受波の立上り特性が劣化する等の理由で、使用条件等
に制約が生じていた。
【0003】この問題を解決する技術として、「カラ−
画像伝送用200kHz広帯域水中超音波トランスデュ
−サ」(電子情報通信学会技術研究報告:S92−3
5:P9〜P16:1992年8月20日)が提案され
ている。ここに示される整合層付き超音波送受波器は、
圧電振動子に、ウレタン系やエポキシ系、ガラス等の材
料でできた整合層を備えたもので、整合層の厚みを、共
振周波数における圧電振動子の材料の音の波長λ1の1
/4にしている。これにより、圧電振動子の共振周波数
付近に生じる複数の共振を重ね合わせ、超音波送受波器
の広帯域化を実現している。しかし、この超音波送受波
器に用いられる圧電振動子は、上記の波長λ1の1/2
の厚みで構成されているため、基本共振周波数の2倍の
周波数における振動モ−ドでは、圧電振動子の厚み方向
の中心を基準とすると、1/4λ1の厚みにて伸びてい
るモードと縮むモードがそれぞれ同数だけ同時に発生す
る。同様の現象は、4倍、6倍・・・の周波数において
も生じる。すなわち、基本周波数の偶数倍の周波数で
は、送信時には機械的振動が、受信時には電気信号が、
圧電振動子においてそれぞれ打ち消し合うように作用す
るため、感度が極端に低下する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、超音波送受
波器を用いて距離等の計測を行う場合に、計測の精度
(分解能)を上げるには、計測に用いるパルス信号の周
波数を上げる必要がある。しかし、計測に用いる超音波
の周波数が高いと音響放射媒体にける超音波の減衰が大
きくなるため、遠距離の対象物を計測することができな
くなる。このため、超音波の周波数を低い周波数から高
い周波数まで変化させて計測を行うことができる広帯域
な超音波送受波器が望まれている。
【0005】しかしながら、基本共振周波数の偶数倍の
周波数で感度が落ち込む、従来の超音波送受波器では、
上記の要求を満たすのに十分ではなかった。
【0006】そこで、本発明は、連続した、より広い周
波数領域において高感度な特性を得ることができる超音
波送受波器を提供することを目的とする。
【0007】また、上記の超音波送受波器の送受信信号
に処理を施すことにより、感度の周波数特性を改善する
超音波送受波器を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、供給された電気的な送信信号を超音波
に変換、もしくは、受信した超音波を電気的な受信信号
に変換する圧電振動子を有し、音響放射媒体を介して超
音波の送信、もしくは、受信を行う超音波送受波器に、
音響インピーダンスが互い異なる複数の圧電振動子を備
え、各圧電振動子は、当該各圧電振動子の音響インピー
ダンスが超音波の放射方向に向かって段々に前記音響放
射媒体の音響インピーダンスに近づくように配置され、
かつ、当該各圧電振動子の接合面から、電気信号を伝送
するケーブルを引き出したことを特徴とする。
【0009】また、上記の超音波送受波器に、信号を生
成する信号源と、信号源が生成した信号を、供給先であ
る前記各圧電振動子の電気的インピーダンスに応じた増
幅率でそれぞれ増幅する複数の送信用アンプと、供給さ
れた受信信号を供給元である前記各圧電振動子の電気的
インピーダンスに応じた増幅率でそれぞれ増幅する複数
の受信用アンプと、送信時、前記複数の送信用アンプが
出力する各送信信号を対応する前記各圧電振動子に供給
し、受信時、前記各圧電振動子の出力する各受信信号を
対応する前記各受信用アンプに供給する送受切替回路と
を備えたことを特徴とする。
【0010】さらに、上記の超音波送受波器に、前記各
送信信号の位相を当該送信信号の周波数に応じて補正す
る送信用位相制御部と、前記各受信信号の位相を当該受
信信号の周波数に応じて補正する受信用位相制御部と、
位相の補正された各受信信号を加算する加算器とを備え
たことを特徴とする。
【0011】
【作用】「カラー画像伝送用200kHz広帯域水中超
音波トランスデューサ」(電子情報通信学会技術研究報
告:S92−35:P9〜P16:1992年8月20
日)に記載された、整合層付き超音波送受波器は、圧電
振動子としてジルコン酸チタン酸鉛(PZT)を用い、
整合層を、硼珪酸ガラス、エポキシ複合樹脂、ウレタン
樹脂の、3層で構成している。この超音波送受波器の送
波電圧感度の周波数特性を、図9に示す。この図からわ
かるように、基本共振周波数(200kHz)周辺の感
度はフラットになっているが、基本共振周波数の2倍の
周波数(400kHz)にかけて感度は大きく落ち込ん
でいる。
【0012】これに対し、本発明によれば、特定の周波
数における超音波送受波器の感度の落ち込みをなくし、
高帯域な特性を実現することができる。以下で、このこ
とを図10に示す簡単な具体例を用いて説明する。
【0013】図10に示す超音波送受波器において、圧
電振動子10にはジルコン酸チタン酸鉛(PZT)、圧
電振動子11にはジルコン酸チタン酸鉛に気孔を入れた
もの(P−PZT)、整合層12にはエポキシ系樹脂にガ
ラスを混入したものをそれぞれ用い、超音波の放射方向
に向かって圧電振動子10,11、整合層12の順で積
層している。ここで、各層の厚みは、共振周波数におけ
る各材料の音の波長の1/4の長さとし、圧電振動子1
0を3層、圧電振動子11と整合層12を単層の構造と
し、各積層面が同一の極性となるように各層を積層し
た。なお、この時の圧電振動子10,11の電気インピ
ーダンスは、それぞれ300Ω,2000Ωである。ま
た、圧電振動子10,11、整合層12の順で音響イン
ピーダンスは段々と小さくなっている。
【0014】図11の●印は、上記の構造の超音波送受
波器において、圧電振動子11(P−PZT)だけを駆
動した場合の送波電圧感度を示す。図からわかるよう
に、基本共振周波数である65kHzや、その2倍の周
波数(以下、2次高調波周波数)では、高い送波電圧感
度が得られているが、その中間の周波数(100Hz)
付近では感度が大きく低下している。一方、○印は、上
記の構造の超音波送受波器において、圧電振動子10
(PZT)だけを駆動した場合の送波電圧感度を示す。
図からわかるように、2次高調波周波数付近で強く共振
しているるものの、100Hz周辺の周波数における感
度は大きく向上している。これは、圧電振動子10にと
って、圧電振動子11は整合層として機能するために、
第1の圧電振動子から放射される音波が第2の圧電振動
子と整合層を介し効率良く伝搬されるからである。すな
わち、圧電振動子10を単独で駆動した場合にも、基本
共振周波数からその2倍の周波数にかけて、感度の落ち
込みのない周波数特性が得られる。
【0015】図12の●印は、上記の圧電振動子10,
11を並列に結線し、各圧電振動子に同一の送信信号を
供給したときの送波電圧感度を示す。この図からわかる
ように、送波電圧感度は、65kHz〜130kHzま
でフラットな周波数特性となっており、第1の圧電振動
子を単独で用いた場合(図10の○印)と比較して、特
に低域(60Hz周辺)の感度が向上している。このよ
うに、複数種類の圧電振動子を積層して同時に用いるこ
とにより、感度の周波数特性を向上させることができ
る。
【0016】図12の○印は、圧電振動子11に、圧電
振動子10に供給する送信信号の2倍の振幅(電圧)の
送信信号を同相で供給した時の送波電圧感度を示す。こ
こでは、電圧の増加に対応して感度の正規化を行ってい
る。図からわかるように、○印の感度は、同図に●印で
示した特性と比べ、周波数特性がさらにフラットになっ
ている。このように、各圧電振動子の入力電圧を変化さ
せることにより、感度の周波数特性を向上させることが
できる。
【0017】ここで、圧電振動子に供給する電圧を2倍
にすることと、その圧電振動子の電気インピーダンスを
1/2にすることは等価である。また、圧電振動子の分
割数を増やすと、その圧電振動子の電気インピーダンス
は低下するという特徴がある。これらから、例えば圧電
振動子11を複数の層に分割すれば、上記と同様な効果
を得られる、ということがわかる。
【0018】さて、上記の第1および第2の圧電振動子
の送信時の振動振幅の位相と、受信時の電気的な受信信
号の位相は、周波数に応じて変化する。例えば基本振動
周波数の2倍の周波数においては、各圧電振動子におけ
る振動や受信信号の位相は180°ずれ、振動や受信信
号は打ち消し合うように作用する。このため、この周波
数においては、各圧電振動子の送受信号の位相を反転す
ることにより感度を向上させることができる。すなわ
ち、各圧電振動子の送受電気信号の位相を、その信号の
周波数に応じて制御することにより、感度の周波数特性
をさらに改善することができる。
【0019】以上で述べたように、本発明によれば、複
数種類の圧電振動子を積層することにより、連続した、
より広い周波数領域において一定かつ高レベルの感度を
得ることができる超音波送受波器を実現できる。
【0020】また、各圧電振動子の送受信信号を制御す
ることにより、感度の周波数特性をさらに改善すること
ができる超音波送受波器を実現できる。
【0021】
【実施例】
<第1実施例>以下で、図面を用いて本発明の実施例を
説明する。
【0022】図1は、本発明の第1の実施例に係る超音
波送受波器の構造を示す図である。図に示すように、超
音波送受波器1aは、振動エネルギー、電気エネルギー
間の変換を行う圧電振動子2,3と、整合層4と、送信
信号と受信信号を伝送する信号線5aとから構成され、
音波の放射方向に向かって、圧電振動子2、3、整合層
4の順で積層した構造を有する。また、水等である音響
放射媒体100は圧電振動子と比べると音響インピーダ
ンスが小さいため、圧電振動子2、3、整合層4の順
で、音響インピーダンスが段々小さくなるように、各材
料が選択されている。ここでは、圧電振動子2としてジ
ルコンチタン酸鉛(PZT)を、圧電振動子3としてジ
ルコンチタン酸鉛に気孔を入れたもの(P−PZT)を、
整合層4としてタングステン等を紛入したエポキシを、
それぞれ選択している。また、圧電振動子2,3、整合
層4のそれぞれの、音波の放射方向の厚みは、必要とさ
れる基本共振周波数における各材料の音の波長の1/4
の長さにしている。また、本実施例においては、圧電振
動子2の電気的インピーダンスを、圧電振動子3の電気
的インピーダンスと大きく異ならず、かつ、圧電振動子
3の電気的インピーダンスより小さい値にするために、
圧電振動子2を2層(2a,2b)に、圧電振動子3を
4層(3a〜3d)に分割して、分割した圧電振動子2
a,2b,3a〜3dを各接合面が同極性となるように
積層している。信号線5aは、極性に対応して圧電振動
子2,3に共通に配線している。
【0023】図2は、図1に示す構造の超音波送受波器
1aに、送受信回路を備えた構成を示す図である。図に
おいて、送受切り替え回路6aは、外部からの制御信号
にしたがって、信号の切り替え接続を行うもので、送信
時にはパワーアンプ8aからの送信信号を信号線5aに
出力し、受信時には信号線5aからの受信信号をプリア
ンプ9aに供給する。信号発生器7aは、計測等の目的
に利用される、FM波やPCW(パルス連続波)等の送
信信号を発生する。パワーアンプ8aは、信号発生器7
aより供給される送信信号の増幅を行う。
【0024】上記の構成において、送信時、信号発生器
7aの発生した送信信号は、パワーアンプ8aで増幅さ
れた後、送受切り替え回路6aを介して圧電振動子3
a,3d,2a,2bに供給される。圧電振動子3a〜
3d,2a,2bは供給された信号を機械的な振動に変
換し、それにより生じた振動波(超音波)は整合層4を
介して音響放射媒体100に放射される。この放射を一
定時間行った後、超音波送受波器は制御信号にしたがっ
て受信状態となる。
【0025】放射された超音波は対象物で反射され、エ
コーとなって返ってくる。このエコーは整合層4を介し
て圧電振動子3a〜3d,2a,2bに伝達され、それ
により生じる機械的な振動が電気的な受信信号に変換さ
れる。この受信信号は、送受切り替え回路6aを介して
プリアンプ9aに供給され、増幅された後、出力され
る。
【0026】なお、圧電振動子2および3は、上記のも
のとは異なる他の材料で構成してもよい。ただし、そう
する場合には、使用する材料の性質に応じて、配置、厚
さ、分割数を上述した条件で調整する必要がある。
【0027】また、以上では、超音波送受波器1aは、
超音波の送信と受信の両方を行うものとしたが、送信専
用または受信専用として用いることができる。
【0028】<第2実施例>図3および図4に、本発明
の第2の実施例の構成を示す。図3に示す超音波送受波
器1bは、図1を用いて説明した超音波送受波器1aの
圧電振動子3を2層(3a’,3b’)に分割し、各圧
電振動子2,3’から個別に、信号線5b,5cを引き
出したものである。すなわち、本実施例においては、圧
電振動子3’の音響インピーダンスは、圧電振動子2’
のほぼ2倍となっている。なお、圧電振動子2,3’お
よび整合層4の各厚みは、第1の実施例と同様に、必要
とされる基本共振周波数における各材料の音の波長の1
/4の長さにした。
【0029】図4に、この超音波送受波器1bに送受信
回路を備えた構成を示す。この図において、送受切り替
え回路6bは、外部からの制御信号にしたがって信号の
切り替え接続を行うもので、送信時にパワーアンプ8b
からの送信信号を信号線5bに出力し、受信時に信号線
5bからの受信信号をプリアンプ9aに供給する。一
方、送受切り替え回路6cは、信号線5c、パワーアン
プ8c、プリアンプ9cに接続されており、上記の送受
切り替え回路6bと同一のタイミングで同一の動作を行
う。また、これらのアンプ8c,9cは、増幅率を調整
できる構成を有しており、ここでは、上記のアンプ8
b,9bに対してそれぞれ2倍の増幅率に設定されてい
る。位相制御部10aは、信号発生器7aからパワーア
ンプ8cに供給される送信信号の周波数を検出し、その
検出結果に応じて当該送信信号の位相を制御する。この
制御により、各圧電振動子2,3’に供給される各送信
信号間の位相は、圧電振動子2,3’内の振動を強め合
うような位相となる。また、位相制御部10bは、プリ
アンプ9cから出力される受信信号の周波数を検出し、
その検出結果に応じて当該受信信号の位相を制御する。
加算器11は、プリアンプ9bが出力する受信信号と、
信号位相制御部10bが出力する、位相調整された受信
信号とを加算する。このとき、加算器11に供給される
2つの受信信号の位相は、位相制御部10bにより同相
となっている。
【0030】以上の構成において、送信時には、まず、
信号発生器7bが出力するFM、PCW等の送信信号
は、パワーアンプ8bで増幅された後、送受切り替え回
路6bを介して圧電振動子2に供給される。同時に、信
号発生器7bが出力する送信信号は、位相制御部10a
で位相を調整され、さらに、パワーアンプ8cで増幅さ
れた後、送受切り替え回路6cを介して圧電振動子3’
に供給される。圧電振動子2,3’は供給される送信信
号に応じて振動し、これにより生じる超音波が整合層4
を介して媒体100に放射される。
【0031】放射された超音波は対象物で反射され、エ
コーとなって返ってくる。このエコーは整合層4を介し
て圧電振動子3’,2に伝達され、それぞれの圧電振動
子において電気的な受信信号に変換される。圧電振動子
2の出力する受信信号は、送受切り替え回路6bを介し
て、プリアンプ9bに供給され、そこで増幅された後、
加算器11へ出力される。また、圧電振動子3’の出力
する受信信号は、プリアンプ9cで増幅され、さらに、
位相制御部10bで位相調整された後、加算器11へ出
力される。加算器11は、供給された2つの受信信号を
加算し、最終的な受信信号として出力する。
【0032】本実施例においては、上述したように、圧
電振動子3’の電気インピーダンスは圧電振動子2’の
ほぼ2倍となっているが、アンプ8cおよび9cにより
圧電振動子3’の送受信信号になされる増幅を、圧電振
動子2の送受信信号になされる増幅の2倍にしているた
め、図2で説明した超音波送受波器と同様な効果が得ら
れる。すなわち、本実施例によれば、各圧電素子2,
3’の積層数を、電気的インピーダンスに応じて決定す
る必要がなく、パワーアンプ8cおよびプリアンプ9c
のゲイン調整を行うことにより、感度の周波数特性を改
善することができる。
【0033】また、圧電素子3’の送信信号および受信
信号の位相を周波数に応じて制御しているため、周波数
特性をさらに向上させることができる。
【0034】なお、本実施例においては、各圧電振動子
の送受信信号に対する増幅率の調整と、位相の調整を共
に実施しているが、そのいずれか1つを実施することで
も効果が得られる。
【0035】<第3実施例>図5に、本発明の第3の実
施例に係る超音波送受波器の構成を示す。この図に示す
実施例は、図3で説明した超音波送受波器1bの圧電振
動子2を送信だけに利用し、圧電振動子3’を受信だけ
に利用するものであり、超音波送受波器1bと、送信信
号を発生させる信号発生器7dと、送信信号を増幅する
パワーアンプ8dと、受信信号を増幅するプリアンプ9
dとから構成される。なお、ここでは、圧電振動子2,
3’は同時に送信、または受信を行わないため、圧電振
動子2,3’の電気的インピーダンスを整合させる必要
はない。
【0036】本実施例の動作は、送信時と受信時で信号
の切り替えが行われない点を除き、図2で説明したもの
と基本的に同じであるため、その説明は省略する。
【0037】図5と図4の比較から明らかなように、本
実施例のように超音波送受波器を構成することにより、
その回路規模や重量を大幅に削減することができる。
【0038】なお、上記の構成とは逆に、圧電振動子2
を受信専用に、圧電振動子3’を送信専用にそれぞれ用
いてもよい。
【0039】<第4実施例>図6に、本発明の第4の実
施例に係る超音波送受波器の構成を示す。この図に示す
超音波送受波器1cは、図1の超音波送受波器1aの整
合層4を、圧電振動子12に置き替えたものである。
【0040】ここで、圧電振動子12は、圧電振動子2
および3よりも音響インピーダンスの小さい例えばポリ
フッ化ビニリデン(PVDF)からなり、圧電振動子2
および3と同様な方法で、厚さが決定されている。ま
た、圧電振動子12は、電気的インピーダンスを、圧電
振動子2,3と整合させるために8層(12a〜12
h)構造とし、各層は圧電振動子2,3と同様な状態で
積層および配線されている。
【0041】このように、整合層4を圧電振動子12に
置き替えることにより、周波数特性をさらに改善するこ
とができる。
【0042】<第5実施例>図7に、本発明の第5の実
施例に係る超音波送受波器の構成を示す。この実施例
は、図3で説明した超音波送受波器1bにおいて、圧電
振動子2,3の厚みを変化させたものである。
【0043】ここで、圧電振動子2’の厚みは、必要と
される基本共振周波数における当該材料の音の波長の1
/3とし、圧電振動子3”の厚みは、必要とされる基本
共振周波数における当該材料の音の波長の2/3として
いる。すなわち、ここでは圧電振動子3”の厚さを決定
する比を、圧電振動子2’の比よりも大きくしている。
また、電気的インピーダンスを整合させるため、圧電振
動子2’は2層(2a’,2b’)構造に、圧電振動子
3”は4層(3a”〜3d”)にしている。
【0044】以上のように各圧電振動子の厚さを決定す
ることにより、圧電振動子2’を単独で使用した場合の
共振点が、基本共振周波数の3倍の周波数まで上がり、
圧電振動子2’,3”を同時に使用した場合には、さら
に広帯域な特性を得ることができる。
【0045】<第6実施例>以上の実施例では、直方体
の圧電振動子を多層に積層することにより超音波送受波
器を構成したが、本発明はこの構造に限定されるもので
はない。図8に、本発明の第5の実施例に係る超音波送
受波器の構成を示す。これは、利用する超音波の周波数
が数kHz〜100kHzの範囲に含まれる場合によく
用いられるボルト締めランジュバン送受波器に、本発明
を適用した例である。この図に示す超音波送受波器1e
は、電気音響変換を行う圧電振動子2”(2a”〜2
d”)を、アルミ等の金属からなるヘッドマス13と、
鉄、真鍮等の金属からなるテールマス14とではさみ、
ボルト15によって締め付け、さらに、ヘッドマス13
の音響放射面に、音響インピーダンスの小さい圧電振動
子16(16a〜16b)を積層することにより構成さ
れる。
【0046】ここでも、圧電振動子16の材料、厚さお
よび分割数は、ヘッドマス13や圧電振動子2”の特性
を考慮して、上述した方法で選択すればよい。
【0047】
【発明の効果】以上で説明したように、本発明によれ
ば、複数種類の圧電振動子を積層することにより、連続
した、より広い周波数領域において一定かつ高レベルな
感度を得ることができる超音波送受波器を実現できる。
【0048】また、超音波送受波器を構成する各圧電振
動子の送受信信号の振幅や位相を制御することにより、
感度の周波数特性をさらに改善することができる超音波
送受波器を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例に係る超音波送受波器
の構成を示す図。
【図2】 図1の超音波送受波器に送受信回路を備えた
構成を示す図。
【図3】 本発明の第2の実施例に係る超音波送受波器
の構成を示す図。
【図4】 図3の超音波送受波器に送受信回路を備えた
構成を示す図。
【図5】 図3の超音波送受波器に送受信回路を備え
た、他の構成を示す図。
【図6】 本発明の第4の実施例に係る超音波送受波器
の構成を示す図。
【図7】 本発明の第5の実施例に係る超音波送受波器
の構成を示す図。
【図8】 本発明の第6の実施例に係る超音波送受波器
の構成を示す図。
【図9】 従来例である音波送受波器の、感度の周波数
特性を示す図。
【図10】 本発明の説明に用いる超音波送受波器の構
成を示す図。
【図11】 図10の超音波送受波器の各圧電振動子の
特性を示す図。
【図12】 図10の各圧電振動子を同時に駆動した時
の特性を示す図。
【符号の説明】
1a,1b,1c,1d,1e・・・超音波送受波器、
2a,2b,2a’,2b’,2a”,2b”,2
c”,2d”・・・圧電振動子A、3a,3b,3c,
3d,3a’,3b’,3a”,3b”,3c”,3
d”・・・圧電振動子 B、4・・・整合層、5a,5b,5c,5d・・・信
号線、6a,6b,6c・・・送受切り替え回路、7
a,7b,7d・・・信号発生器、8a,8b,8c,
8d・・・パワーアンプ、9a,9b,9c,9d・・
・プリアンプ、10a,10b・・・位相制御部、11
・・・加算器、12a,12b・・・圧電振動子C、1
3・・・ヘッドマス、14・・・リアマス、15・・・
ボルト、16a,16b・・・圧電振動子D。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】供給された電気的な送信信号を超音波に変
    換、もしくは、受信した超音波を電気的な受信信号に変
    換する圧電振動子を有し、音響放射媒体を介して超音波
    の送信、もしくは、受信を行う超音波送受波器であっ
    て、 音響インピーダンスが互い異なる複数の圧電振動子を有
    し、各圧電振動子は、当該各圧電振動子の音響インピー
    ダンスが超音波の放射方向に向かって段々に前記音響放
    射媒体の音響インピーダンスに近づくように配置され、
    かつ、各圧電振動子の接合面から、電気信号を伝送する
    ケーブルを引き出したことを特徴とする超音波送受波
    器。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の超音波送受波器であっ
    て、前記各圧電振動子は、当該各圧電振動子の電気的イ
    ンピーダンスが互いに、より近い値となるように複数の
    圧電振動子に分割され、分割された各圧電振動子の接合
    面から、電気信号を伝送するケーブルを引き出したこと
    を特徴とする超音波送受波器。
  3. 【請求項3】第1の圧電振動子の両端に金属等でできた
    ヘッドマスおよびテールマスを配置し、当該ヘッドマス
    およびテールマスをボルトで締め付けた構造のランジュ
    バン送受波器と、 前記フロントマスの超音波の放射面に積層される、第2
    の圧電振動子を有することを特徴とする超音波送受波
    器。
  4. 【請求項4】請求項2に記載の超音波送受波器であっ
    て、 信号を生成する信号源と、 信号源が生成した信号を増幅する送信用アンプと、 供給された受信信号を増幅する受信用アンプと、 送信時、前記送信用アンプで増幅された信号を送信信号
    として前記超音波送受波器に供給し、受信時、前記超音
    波送受波器の出力した受信信号を前記受信用アンプに供
    給する送受切替回路とを備え、 前記各圧電振動子のすべてが同時に超音波の送信、もし
    くは、受信を行うことを特徴とする超音波送受波器。
  5. 【請求項5】請求項1に記載の超音波送受波器であっ
    て、 信号を生成する信号源と、 信号源が生成した信号を、供給先である前記各圧電振動
    子の電気的インピーダンスに応じた増幅率でそれぞれ増
    幅する複数の送信用アンプと、 供給された受信信号を供給元である前記各圧電振動子の
    電気的インピーダンスに応じた増幅率でそれぞれ増幅す
    る複数の受信用アンプと、 送信時、前記複数の送信用アンプが出力した各送信信号
    を対応する前記各圧電振動子に供給し、受信時、前記各
    圧電振動子の出力した各受信信号を対応する前記各受信
    用アンプに供給する送受切替回路とを備え、 前記各圧電振動子のすべてが同時に超音波の送信、もし
    くは、受信を行うことを特徴とする超音波送受波器。
  6. 【請求項6】前記各送信信号の位相を当該送信信号の周
    波数に応じて補正する送信用位相制御部と、前記各受信
    信号の位相を当該受信信号の周波数に応じて補正する受
    信用位相制御部と、位相の補正された各受信信号を加算
    する加算器とを備えることを特徴とする請求項5記載の
    超音波送受波器。
  7. 【請求項7】請求項1に記載の超音波送受波器であっ
    て、 信号を生成する信号源と、 信号源が生成した信号を、供給先である前記各圧電振動
    子の電気的インピーダンスに応じた増幅率でそれぞれ増
    幅する複数の送信用アンプと、 供給される受信信号を供給元である前記各圧電振動子の
    電気的インピーダンスに応じた増幅率でそれぞれ増幅す
    る複数の受信用アンプとを有し、 前記各圧電振動子を個々独立に送信専用、または、受信
    専用としたことを特徴とする超音波送受波器。
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