JP4888112B2 - 超音波送受波器および超音波流量計 - Google Patents
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Description
精度が要求され、その精度を向上させるために、気体に超音波を送波、または気体を伝搬して来た超音波を受波する超音波送受波器において、構成している音響整合層の音響インピーダンスが重要となる。
音響インピーダンスは振動手段である圧電振動子と超音波の放射媒体である気体とでは大きく異なる。例えば、一般的な圧電振動子であるPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等のピエゾセラミックスの音響インピーダンス(Z0)は30×106kg/m2/s程度である。また、放射媒体である気体、例えば空気の音響インピーダンス(Z3)は400kg/m2/s程度である。このような音響インピーダンスの異なる境界面上では音波の伝搬に反射を生じて、透過する音波の強さが弱くなる。これを解決する方法として、振動手段である圧電振動子と超音波の放射媒体である気体とのそれぞれの音響インピーダンスZ0とZ3に対して、両者の間に式(5)の関係を有する音響インピーダンスを持つ物質を挿入することによって、音の反射を軽減して音波の透過する強度を高める方法が一般に知られている。
この条件を満たす音響インピーダンスが整合した時の最適な値は、11×104kg/m2/s程度となる。この音響インピーダンスを満たす音響整合層は、固体で密度が小さく音速の遅いものであることが要求され、超音波送受波器としたときにおいても破壊しないことが要求される。
図1は本発明第1の実施の形態における超音波送受波器の断面図を示すものである。
した導電性ペースト、あるいは、銀ロウなどのロウ付け材料など接合部材として使用可能である。超音波送受波器1の製造方法は、まず、音響整合層2を1/4波長の厚さに調整し、音響整合層2あるいは振動手段3である圧電体の少なくとも一方の電極面に接合部材4を塗布形成し、振動手段3の一方の電極5と、音響整合層2とを張り合わせ、治具などによって加圧固定し、治具ごとオーブンに入れて、接合部材4を硬化して接合する。接合部材4は、加熱によって一時的に粘度が低下して音響整合層2に浸透し、さらに加熱されることによって硬化する材料を選択した。
図2は本発明第2の実施の形態における超音波送受波器10の断面図を示すものであり、図3は本発明第2の実施の形態における音響整合層10の断面拡大図を示すものである。
される酸化物材料であるガラスセラミックで構成される。一方の構造体19がガラスセラミックスで構成されていると、熱膨張係数が小さいため、保持体の超音波送受信器の音響整合部材として使用した場合には、広い温度範囲において安定に音波を送受信できるという点で好ましい。
セラミックスの粉砕は、ボールミルやポットミル等で混合、粉砕等することにより得られる。セラミック粉の平均粒径は特に限定しないが、好ましくは、10μm以下である。この範囲の平均粒径のセラミックスを用いると、スラリー中での粉末分散性が向上されるとともに、焼結性も向上されるからである。
セラミックススラリーにおいて、セラミックス粉末を懸濁する媒体は、水、有機溶媒、これらの混合溶媒等を使用することができる。好ましくは水を使用する。セラミックススラリー中に、セラミックス粉末を均一に含有させるためには、適当な分散剤を使用することが好ましい。分散剤として、ポリカルボン酸系分散剤(アニオン系分散剤)を使用でき、具体的には、ポリカルボン酸アンモニウムやポリカルボン酸ナトリウムを使用できる。好ましくは、分散剤の添加量に伴うスラリー粘度変化が大きい分散剤を使用する。分散剤の使用量は、好ましくは、セラミックス粉末の重量に対して5重量%以下であり、より好ましくは、1重量%以下である。
ルホン酸等の陰イオン性界面活剤や、高級アルキルアミノ酸等の陽イオン界面活性剤を例示できる。具体的には、n−ドデシルベンゼンスルホン酸、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリレート、ポリオキシエチレンモノオレート、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル及びこれらのナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩を挙げることができる。また、トリエタノールアミンラウリルエーテル等及びこれらのハロゲン化塩や、硫酸塩、酢酸塩、塩酸塩等を挙げることができる。また、ジエチルヘキシルコハク酸及びそのアルカリ金属塩等を挙げることができる。
以上のようにして作製したスラリーに気泡を導入する。この気泡導入工程において、ゲル化材料として重合性材料を用いる場合には、重合性材料とともに、重合開始剤、あるいは重合開始剤と重合触媒とを添加することが好ましい。重合触媒を添加すれば、ゲル化温度やその添加量によりゲル化工程の時間を調整することができる。通常、重合触媒を添加すると、室温付近で速やかにゲル化(重合)が開始される。したがって、気泡導入方法や気泡導入量等を考慮して、重合触媒の使用や種類が選択される。重合触媒としては、例えば、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等を挙げることができる。
このようにして調製した含気泡セラミックススラリーを、成形型等に注入して、ゲル化させ、ゲル状多孔質成形体を形成する。含気泡セラミックススラリー円筒状の型に流し込み、重合反応あるいはゲル化反応を行って、固化させる。スラリーが固化すると、スラリー中に存在していた気泡も、ゲル状体中に保存される。この結果、固化体が多孔質となり、ゲル状多孔質成形体が得られる。これを脱型して、乾燥、脱脂、焼成する。乾燥は、ゲル状多孔質成形体中に含まれている水、溶媒を蒸発させるように行う。乾燥条件(温度、湿度、時間等)は、スラリー調製に用いた溶媒の種類とゲル状多孔質成形体の骨格部分を構成する成分(ゲル化剤あるいは重合体)によって適宜調整する。通常は、20℃以上であり、好ましくは、25℃以上80℃以下であり、より好ましくは、25℃以上40℃以下である。
つぎに、乾燥体から有機分を除去するために、さらに高温で加熱する。脱脂のための温度と時間は、使用した有機分の量および種類によって調整する。例えば、ゲル化のための材料としてメタクリルアミドとN,N−メチレンビスアクリルアミドを用いたスラリーから調製したゲル状多孔質成形体の場合、700℃で2日間脱脂する。
音響整合層11に含まれる有機ガラスの材質は特に限定されない。有機ガラスの製造方法に関して詳細に説明する。図5は本発明第2の実施の形態における他の構造体の製造工程を示している。図に示しように4つの工程によって形成される。以下詳細に説明する。
本実施形態では、まず、いわゆるゾルゲル法により第1湿潤ゲルを形成する。その際、第1ゲル原料に第1触媒(ゲル化触媒)を加えてゲル化を進行させる。
本発明を実現するための加水分解性有機基と非加水分解性有機基が同一の珪素に直接結合したケイ素化合物は以下のようなものが例示できる。
化水素基、例えば、トリメトキシシリルプロピル基、ジメトキシメチルシリルプロピル基、モノメトキシジメチルシリルプロピル基、トリエトキシシリルプロピル基、ジエトキシメチルシリルプロピル基、エトキシジメチルシリルプロピル基、トリクロロシリルプロピル基、ジクロロメチルシリルプロピル基、クロロジメチルシリルプロピル基、クロロジメトキシシリルプロピル基、ジクロロメトキシシリルプロピル基等であるものの内の少なくとも1種である。
式(1)から式(6)で表される化合物または重合物或いは共重合物はいずれも乾燥ゲルを柔軟化させ、割れや剥がれを生じさせにくくする成分である。式(1,2)で表される化合物を分子量200以上となるように重合してもちいることで、得られるゲルに対する柔軟化の効果が大きくなる。例えば、式(1,2)で表される化合物を用いた場合においても、分子量が小さいモノマー等を用いた場合には、乾燥ゲルを柔軟化することが出来ず、十分な効果は得られない。式(3)で表される化合物も柔軟化の効果が大きく、特に式(7)で示されるテトラアルコキシシランと同時に用いる場合には、これと共重合(架橋)し易いために、反応速度の制御が容易である。式(4,5,6)で表される化合物もゲルの柔軟化に大きな効果がある。式(4)で表されるような比較的単純な化学式で表されるものでもよいが、特に式(5)で表される化合物を用いると、被接合層との密着性が向上し、また、式(6)で表される化合物を用いると、式(7)で示されるテトラアルコキシシランと同時に用いる場合において、これと共重合(架橋)し易いために、より大きな柔軟化の効果が得られる。
式(1)から式(6)で表される化合物または重合物或いは共重合物の乾燥ゲル中に含まれる濃度は特に規定はされないが、0.01%乃至100であることが好ましい。この成分の濃度が低すぎると乾燥ゲルの割れ、剥がれが防げなくなる。逆に高すぎると強度が低下して湿潤ゲルの乾燥の際に収縮を生じる。これらの理由から、この化合物の濃度は0.1乃至10%であることがさらに好ましい。
ながら、新たな固体骨格(第2固体骨格)を形成する。具体的には、まず再構築工程のための再構築原料と、再構築触媒および水と、必要に応じて溶媒を添加混合することによって再構築原料溶液を調製し、これに第1ゲル化工程で得られた第1湿潤ゲルを浸漬させる。
本発明を実現するための加水分解性有機基と非加水分解性有機基が同一の珪素に直接結合したケイ素化合物は以下のようなものが例示できる。
ン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシランなどが例示できる。
式(1)から式(6)で表される化合物または重合物或いは共重合物はいずれも乾燥ゲルを柔軟化させ、割れや剥がれを生じさせにくくする成分である。式(1,2)で表される化合物を分子量200以上となるように重合してもちいることで、得られるゲルに対する柔軟化の効果が大きくなる。例えば、式(1,2)で表される化合物を用いた場合においても、分子量が小さいモノマー等を用いた場合には、乾燥ゲルを柔軟化することが出来ず、十分な効果は得られない。式(3)で表される化合物も柔軟化の効果が大きく、特に式(7)で示されるテトラアルコキシシランと同時に用いる場合には、これと共重合(架橋)し易いために、反応速度の制御が容易である。式(4,5,6)で表される化合物もゲルの柔軟化に大きな効果がある。式(4)で表されるような比較的単純な化学式で表されるものでもよいが、特に式(5)で表される化合物を用いると、被接合層との密着性が向上し、また、式(6)で表される化合物を用いると、式(7)で示されるテトラアルコキシシランと同時に用いる場合において、これと共重合(架橋)し易いために、より大きな柔軟化の効果が得られる。
式(1)から式(6)で表される化合物または重合物或いは共重合物の乾燥ゲル中に含まれる濃度は特に規定はされないが、0.01%乃至100であることが好ましい。この成分の濃度が低すぎると乾燥ゲルの割れ、剥がれが防げなくなる。逆に高すぎると強度が低下して湿潤ゲルの乾燥の際に収縮を生じる。これらの理由から、この化合物の濃度は0.1乃至10%であることがさらに好ましい。
再構築工程に続き、疎水化工程を実施する。この工程では、再構築工程までに得られた湿潤ゲルの表面に、溶媒中に溶解した疎水化剤を反応させることで、疎水基を導入する。疎水化剤は、後述するクロロシラン等の場合は、水と反応して湿潤ゲル表面との反応性が低下するため、疎水化の前に、水溶性の溶媒により洗浄することで、あるいは水と共沸する溶媒を用いて留去することで水を除くことが好ましい。
、エタノール、ブタノール等のアルコール類、さらに水あるいは水と有機溶媒との混合溶媒からの乾燥が好ましい。本実施の形態では湿潤ゲルが、一方の構造体19によって全体的に保持されているため、アルコール類、水をはじめとする多くの溶媒からの乾燥によっても割れ、収縮が抑制される。
電気透析により得られるケイ酸水溶液から第1ゲル化を行った後、得られた湿潤ゲルを、水溶性溶媒を用いること等により、ゲル原料であるアルコキシシランと、疎水化剤であるシラザン化合物等とを溶解させた溶液中で、再構築と疎水化とが同時に行われる。
図10は、本発明第3の実施の形態における超音波送受波器35の断面図を示しており、図11は超音波送受波器35の製造方法を示す工程断面図である。
い。
図12は、本発明第4の実施の形態における超音波流速・流量計の断面図を示すものである。
t1=L/(C+Vcosθ) (1)
で示される。
t2=L/(C−Vcosθ) (2)
で示される。
そして、(1)と(2)の式から流体の音速Cを消去すると、
V=(L/2cosθ)・((1/t1)−(1/t2)) (3)
の式が得られる。
2 音響整合層
3 振動手段
4 接合部材
19 一方の構造体
20 他方の構造体
37 音響整合層
35 超音波送受波器
46 振動手段
42 密閉容器
50 流量計測部
51、52 超音波送受波器
53 計測回路
54 演算手段
Claims (2)
- 音響整合層に接合部材を浸透させ、振動手段を接合して得られる超音波送受波器において、
前記音響整合層は、多孔体で形成される第1構造体と、前記第1構造体の空隙の一部または全部に形成される第2構造体とから成り、
前記第2構造体は、前記第1構造体の多孔体よりも小さい空隙を有する疎水性の多孔体で形成され、
前記接合部材は前記第2構造体の多孔体の空隙よりも小さい粒子を含む部材よりなり、
前記第2構造体は、式(1)で表される化合物または式(1)で表される化合物の部分加水分解重合物を、重合させてなる湿潤ゲルの存在下、加水分解性有機基と、非加水分解性有機基とが同一のケイ素に直接結合したオルガノシラン化合物を重合させると共に乾燥してなり、
前記オルガノシラン化合物は、式(5)と、式(6)との少なくとも一方と、式(7)で表される化合物との共重合体を含んでいる超音波送受波器。
式(1) Si(OR1)4
式(5) CH2=CR3(COOR4)
ここで、R3は水素原子及び/またはメチル基を示す。
R4は置換もしくは非置換の炭素数1〜9の1価炭化水素基である。
式(6) CH2=CR3(COOR5)
ここで、R5はエポキシ基、グリシジル基及びこれらのうち少なくとも一方を含む炭化水素基からなる群の中から選ばれる少なくとも1種の基である。
式(7) CH2=CR3(COOR6)
ここで、R6はアルコキシシリル基及び/またはハロゲン化シリル基を含む炭化水素基である。 - 請求項1に記載の超音波送受波器を具備する超音波流量計であって、
被測定流体が流れる流量計測部と、前記流量計測部に、前記被測定流体の流れの上流側と下流側とに、対向させて配置した一対の前記超音波送受波器と、前記一対の超音波送受波器間の超音波伝搬時間計測回路と、前記伝搬時間に基づき前記被測定流体の流量を算出する演算手段とを具備する超音波流量計。
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