JP2017012435A - 音響波プローブ用組成物、これを用いた音響波プローブ用シリコーン樹脂、音響波プローブおよび超音波プローブならびに音響波測定装置、超音波診断装置、光音響波測定装置および超音波内視鏡 - Google Patents

音響波プローブ用組成物、これを用いた音響波プローブ用シリコーン樹脂、音響波プローブおよび超音波プローブならびに音響波測定装置、超音波診断装置、光音響波測定装置および超音波内視鏡 Download PDF

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Abstract

【課題】音響インピーダンスが生体の値に近く、かつ、音響波減衰量が低減され、シリコーン樹脂の硬度および機械強度(引裂強度および屈曲耐久性)を大幅に向上させることができる音響波プローブ用組成物、これを用いた音響波プローブ用シリコーン樹脂、音響波プローブ、超音波プローブ、音響波測定装置、超音波診断装置、光音響波測定装置および超音波内視鏡を提供する。【解決手段】ビニル基を有するポリシロキサン、分子鎖中に2個以上のSi−H基を有するポリシロキサン、酸化亜鉛および平均一次粒子径が12nm未満のシリカを含むポリシロキサン混合物を含有する組成物を音響波プローブ用シリコーン樹脂として,特に音響レンズ1として用いる。【選択図】図1

Description

本発明は、音響波プローブ用組成物ならびにこれを用いた音響波プローブ用シリコーン樹脂、音響波プローブおよび超音波プローブに関する。さらに、本発明は、音響波測定装置、超音波診断装置、光音響波測定装置および超音波内視鏡に関する。
音響波測定装置においては、音響波を被検対象に照射し、その反射波(エコー)を受信して信号を出力する音響波プローブが用いられる。この音響波プローブで受信した反射波から変換された電気信号を、画像として表示する。これにより、被検対象内部が映像化して観察される。
音響波としては、超音波や光音響波などから、被検対象や測定条件などに応じて適切な周波数を有するものが選択される。
例えば、超音波診断装置は、被検対象内部に向けて超音波を送信し、被検対象内部の組織で反射された超音波を受信し、画像として表示する。光音響波測定装置は、光音響効果によって被検対象内部から放射される音響波を受信し、画像として表示する。光音響効果とは、可視光、近赤外光、マイクロ波等の電磁波パルスを被検対象に照射した際に、被検対象が電磁波を吸収して発熱し熱膨張することにより、音響波(典型的には超音波)が発生する現象である。
音響波測定装置は、被検対象である生体との間で音響波の送受信を行うため、生体(典型的には人体)との音響インピーダンスの整合性や、音響波減衰量の低減といった要件を満たすことが求められる。
例えば、音響波プローブの1種である超音波診断装置用探触子(超音波プローブとも称される)は、超音波を送受信する圧電素子と生体に接触する部分である音響レンズを備える。圧電素子から発せられる超音波は音響レンズを透過して生体に入射される。音響レンズの音響インピーダンス(密度×音速)と生体の音響インピーダンスとの差が大きいと、超音波が生体表面で反射されるため、効率良く生体内に入射されない。そのため、良好な分解能を得ることが困難である。また、超音波を高感度で送受信するためには、音響レンズの超音波減衰量は小さいことが望まれる。
このため、音響レンズの材料の1つとして、生体の音響インピーダンス(人体の場合、1.4〜1.7×10kg/m/sec)に近く、超音波減衰量の小さいシリコーン樹脂が用いられている。
音響レンズ用組成物として、例えば、特許文献1においてはシリコーンゴムと酸化亜鉛粉末とを含む音響レンズ組成物が記載されている。また、特許文献2においては、シリコーン樹脂及びナノ粒子単斜アルファ相酸化ビスマスからなる充てんシリコーン組成物が記載されている。
特開2005−125071号公報 特開2009−240782号公報
シリコーン樹脂は、単独では柔らかく機械強度が低い。そのため、硬度および機械強度の向上を目的として、上記特許文献1および2のように無機フィラー(無機充填剤とも称される)をシリコーン樹脂を形成するための組成物に配合させている。
しかしながら、上記特許文献1および2に記載の組成物から調製されるシリコーン樹脂は、屈曲耐久性に問題がある。
そのため、上記特許文献1および2に記載の組成物から調製されるシリコーン樹脂は、音響波プローブに要求される、樹脂硬度および屈曲耐久性ならびに音響波減衰量の低減の全てを高いレベルで満足することは困難である。
上記状況に鑑み、本発明は、音響インピーダンスが生体の値に近く、かつ、音響波減衰量が低減され、シリコーン樹脂の硬度および機械強度(引裂強度および屈曲耐久性)を大幅に向上させることができる音響波プローブ用組成物、これを用いた音響波プローブ用シリコーン樹脂、音響波プローブ、超音波プローブ、音響波測定装置、超音波診断装置、光音響波測定装置および超音波内視鏡を提供することを課題とする。
また、容量性マイクロマシン超音波振動子(cMUT:Capacitive Micromachined Ultrasonic Transducers)を超音波診断用トランスデューサアレイとして用いる超音波プローブ、光音響波測定装置、および、超音波内視鏡において、感度を向上させることが可能な、音響波プローブ用組成物および音響波プローブ用シリコーン樹脂を提供することも課題とする。
本発明者らは、シリコーン樹脂に添加する無機化合物について鋭意検討を行った結果、酸化亜鉛および平均一次粒子径が特定の範囲内にあるシリカならびにポリシロキサンを含有する組成物を用いて調製したシリコーン樹脂が、音響インピーダンスが生体の値に近いこと、かつ、音響波減衰量が低減されており、硬度および機械強度に優れ、音響波プローブに好適に用いることができることを見出した。本発明はこの知見に基づきなされたものである。
上記の課題は以下の手段により解決された。
<1>ビニル基を有するポリシロキサン、分子鎖中に2個以上のSi−H基を有するポリシロキサン、酸化亜鉛および平均一次粒子径が12nm未満のシリカを含むポリシロキサン混合物を含有する音響波プローブ用組成物。
<2>ポリシロキサン混合物の合計100質量部中に、酸化亜鉛を0.1〜14.9質量部含有する<1>に記載の音響波プローブ用組成物。
<3>ポリシロキサン混合物の合計100質量部中に、平均一次粒子径が12nm未満のシリカを0.1〜30質量部含有する<1>または<2>に記載の音響波プローブ用組成物。
<4>酸化亜鉛に対する平均一次粒子径が12nm未満のシリカの質量比(12nm未満のシリカの含有量/酸化亜鉛の含有量)が、0.2〜3.0である<1>〜<3>のいずれか1つに記載の音響波プローブ用組成物。
<5>ポリシロキサン混合物の合計100質量部中に、ビニル基を有するポリシロキサンを10〜99.4質量部、分子鎖中に2個以上のSi−H基を有するポリシロキサンを0.5〜90質量部含有する<1>〜<4>のいずれか1つに記載の音響波プローブ用組成物。
<6>平均一次粒子径が12nm未満のシリカが、シラン化合物で表面処理されたものである<1>〜<5>のいずれか1つに記載の音響波プローブ用組成物。
<7>平均一次粒子径が12nm未満のシリカが、トリメチルシリル化剤で表面処理されたものである<1>〜<6>のいずれか1つに記載の音響波プローブ用組成物。
<8>ビニル基を有するポリシロキサンが、フェニル基を有する<1>〜<7>のいずれか1つに記載の音響波プローブ用組成物。
<9>ビニル基を有するポリシロキサンの質量平均分子量が、10,000〜200,000である<1>〜<8>いずれか1つに記載の音響波プローブ用組成物。
<10>ビニル基を有するポリシロキサンの質量平均分子量が、30,000〜150,000である<1>〜<9>のいずれか1つに記載の音響波プローブ用組成物。
<11>分子鎖中に2個以上のSi−H基を有するポリシロキサンが、フェニル基を有する<1>〜<10>のいずれか1つに記載の音響波プローブ用組成物。
<12>ポリシロキサン混合物100質量部に対し、白金または白金含有化合物を0.0001〜0.1質量部含有する<1>〜<11>のいずれか1つに記載の音響波プローブ用組成物。
<13> <1>〜<12>のいずれか1つに記載の音響波プローブ用組成物を硬化反応させてなる音響波プローブ用シリコーン樹脂。
<14> <13>に記載の音響波プローブ用シリコーン樹脂を含んでなる音響レンズおよび音響整合層からなる群から選択される少なくとも1つを有する音響波プローブ。
<15>容量性マイクロマシン超音波振動子および<13>に記載の音響波プローブ用シリコーン樹脂を含んでなる、音響レンズを備える超音波プローブ。
<16> <14>に記載の音響波プローブを備える音響波測定装置。
<17> <14>に記載の音響波プローブを備える超音波診断装置。
<18> <13>に記載の音響波プローブ用シリコーン樹脂を含んでなる音響レンズを備える光音響波測定装置。
<19> <13>に記載の音響波プローブ用シリコーン樹脂を含んでなる音響レンズを備える超音波内視鏡。
本発明の説明において、一般式に同一符号の基が存在する場合、特に断りがない限りこれらは互いに同一であっても異なってもよく、また、各基で特定する基(例えば、アルキル基)はさらに置換基で置換されていてもよい。
また、本発明の説明において、「〜」とは、その前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
なお、本発明における質量平均分子量は、特に断りのない限り、ゲル浸透クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography:GPC)による測定値(ポリスチレン換算)である。
本発明により、音響インピーダンスが生体の値に近く、音響波(特に好ましくは超音波)減衰量を低減し、シリコーン樹脂の硬度と機械強度(引裂強度および屈曲耐久性)を大幅に向上することが可能な音響波プローブ用組成物、これを用いた音響波プローブ用シリコーン樹脂(以下、単に「シリコーン樹脂」とも称す。)、音響波プローブ、音響波測定装置および超音波診断装置を提供することができる。
また、cMUTを超音波診断用トランスデューサアレイとして用いる超音波プローブ、光音響波測定装置および超音波内視鏡における感度を向上させることが可能な音響波プローブ用シリコーン樹脂を提供することができる。
音響波プローブの一態様であるコンベックス型超音波プローブの一例についての斜視透過図である。
<音響波プローブ用組成物>
本発明の音響波プローブ用組成物(以下、単に「組成物」とも称す。)は、ビニル基を有するポリシロキサン、分子鎖中に2個以上のSi−H基を有するポリシロキサン、酸化亜鉛および平均一次粒子径が12nm未満のシリカを少なくとも含むポリシロキサン混合物を含有する音響波プローブ用組成物である。
ポリシロキサン混合物の合計100質量部中の、酸化亜鉛の含有量は特に制限されないが、0.1〜14.9質量部が好ましく、1.0〜14.5質量部がより好ましく、5.0〜13.0質量部が特に好ましい。
酸化亜鉛の含有量が上記範囲内にあることにより、音響波プローブ用シリコーン樹脂の音響インピーダンスを人体により近い値にし、屈曲耐久性および音響波感度をより高めることができる。
ポリシロキサン混合物の合計100質量部中の、平均一次粒子径が12nm未満のシリカの含有量は特に制限されないが、0.1〜30質量部が好ましく、5〜25質量部がより好ましく、10〜20質量部が特に好ましい。
平均一次粒子径が12nm未満のシリカの含有量が上記範囲内にあることにより、引裂強度および屈曲耐久性、そして音響波感度が高くなる。
また、酸化亜鉛に対する平均一次粒子径が12nm未満のシリカの質量比(12nm未満のシリカの含有量/酸化亜鉛の含有量)が、0.1〜4.0が好ましく、0.2〜3.0がより好ましく、0.5〜2.5が特に好ましい。
質量比が12nm未満のシリカの含有量が上記範囲内にあることにより、引裂強度と音響波感度とのバランスに優れる。
また、ポリシロキサン混合物の合計100質量部中の、ビニル基を有するポリシロキサンの含有量は10〜99.4質量部が好ましく、分子鎖中に2個以上のSi−H基を有するポリシロキサンの含有量は0.5〜90質量部が好ましい。なお、ビニル基を有するポリシロキサンの含有量は、50〜90質量部がより好ましく、分子鎖中に2個以上のSi−H基を有するポリシロキサンの含有量は、1〜50質量部がより好ましい。
なお、ポリシロキサン混合物とは、ビニル基を有するポリシロキサンと分子鎖中に2個以上のSi−H基を有するポリシロキサンとを架橋重合させる触媒を含まない混合物である。従って、ポリシロキサン混合物中には、酸化亜鉛および平均一次粒子径が12nm未満のシリカが含まれ、触媒は含まれない。
ポリシロキサン混合物中に含有する上記の各ポリシロキサンは、ビニル基や分子鎖中に2個以上のSi−H基を有するものであれば、どのようなポリシロキサンでも構わない。ただし、本発明では、ビニル基を有するポリオルガノシロキサン(A)および分子鎖中に2個以上のSi−H基を有するポリオルガノシロキサン(B)が好ましい。
従って、本発明では、ポリオルガノシロキサン混合物中に、ビニル基を有するポリオルガノシロキサン(A)、分子鎖中に2個以上のSi−H基を有するポリオルガノシロキサン(B)、酸化亜鉛および平均一次粒子径が12nm未満のシリカを少なくとも含有することが好ましい。
以降の詳細な説明においては、好ましい態様である、ビニル基を有するポリオルガノシロキサン(A)および分子鎖中に2個以上のSi−H基を有するポリオルガノシロキサン(B)について記載する。しかし、本発明は以下に記載する態様に限定されるものではない。
<ビニル基を有するポリオルガノシロキサン(A)>
本発明に用いられるビニル基を有するポリオルガノシロキサン(A)(以下、単にポリオルガノシロキサン(A)とも称す。)は、分子鎖中に2個以上のビニル基を有する。
ビニル基を有するポリオルガノシロキサン(A)としては、例えば、少なくとも分子鎖両末端にビニル基を有するポリオルガノシロキサン(a)(以下、単にポリオルガノシロキサン(a)とも称す。)、または分子鎖中に−O−Si(CH(CH=CH)を少なくとも2つ有するポリオルガノシロキサン(b)(以下、単にポリオルガノシロキサン(b)とも称す。)が挙げられる。なかでも、少なくとも分子鎖両末端にビニル基を有するポリオルガノシロキサン(a)が好ましい。
ポリオルガノシロキサン(a)は直鎖状が好ましく、ポリオルガノシロキサン(b)は、−O−Si(CH(CH=CH)が主鎖を構成するSi原子に結合しているポリオルガノシロキサン(b)が好ましい。
ビニル基を有するポリオルガノシロキサン(A)は、白金触媒の存在下、2個以上のSi−H基を有するポリオルガノシロキサン(B)との反応によりヒドロシリル化される。このヒドロシリル化反応(付加硬化反応)により、架橋構造が形成される。
ポリオルガノシロキサン(A)のビニル基の含有量は、特に限定されない。なお、音響波プローブ用組成物に含まれる各成分との間に十分なネットワークを形成する観点から、例えば、ビニル基の含有量は0.01〜5モル%が好ましく、0.05〜2モル%がより好ましい。
また、ポリオルガノシロキサン(A)は、フェニル基を有することが好ましく、フェニル基の含有量は、特に限定されない。音響波プローブ用シリコーン樹脂としたときの機械的強度の観点から、例えば、フェニル基の含有量は1〜80モル%が好ましく、2〜40モル%がより好ましい。
ここで、ビニル基の含有量とは、ポリオルガノシロキサン(A)を構成する全ユニットを100モル%としたときのビニル基含有シロキサンユニットのモル%であり、主鎖を構成するSi−O単位および末端のSiの全てのSi原子が少なくとも1つのビニル基で置換されている場合、100モル%となる。
同じく、フェニル基の含有量とは、ポリオルガノシロキサン(A)を構成する全ユニットを100モル%としたときのフェニル基含有シロキサンユニットのモル%であり、主鎖を構成するSi−O単位および末端のSiの全てのSi原子が少なくとも1つのフェニル基で置換されている場合、100モル%となる。
なお、ユニットとは、主鎖を構成するSi−O単位および末端のSiを言う。
重合度および比重は、特に限定されるものではない。なお、得られる音響波プローブ用シリコーン樹脂の機械強度、硬度、化学的安定性等の向上の点から、重合度は200〜3000が好ましく、400〜2000がより好ましく、比重は0.9〜1.1が好ましい。
ビニル基を有するポリオルガノシロキサンの質量平均分子量は、機械強度、硬度、加工のしやすさの点から、10,000〜200,000が好ましく、20,000〜200,000がより好ましく、30,000〜150,000がさらに好ましく、40,000〜120,000が特に好ましい。
質量平均分子量は、例えば、GPC装置HLC−8220(東ソー株式会社製)を用意し、溶離液としてトルエン(湘南和光純薬株式会社製)を用い、カラムとしてTSKgel(登録商標)G3000HXL+TSKgel(登録商標)G2000HXLを用い、温度23℃、流量1mL/minの条件下、RI検出器を用いて測定することができる。
25℃における動粘度は、1×10−5〜10m/sが好ましく、1×10−4〜1m/sがより好ましく、1×10−3〜0.5m/sがさらに好ましい。
なお、動粘度は、JIS Z8803に従い、ウベローデ型粘度計(例えば、柴田化学社製、商品名SU)を用い、温度23℃にて測定して求めることができる。
少なくとも分子鎖両末端にビニル基を有するポリオルガノシロキサン(a)は、下記一般式(A)で表されるポリオルガノシロキサンが好ましい。
Figure 2017012435
一般式(A)において、Ra1はビニル基を表し、Ra2およびRa3は各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基またはアリール基を表す。x1およびx2は各々独立に1以上の整数を表す。ここで、複数のRa2、複数のRa3は各々において、互いに同一でも異なってもよい。また、Ra2およびRa3の各基はさらに置換基で置換されていてもよい。
a2およびRa3におけるアルキル基の炭素数は1〜10が好ましく、1〜4がより好ましく、1または2がさらに好ましく、1が特に好ましい。アルキル基は、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、n−ヘキシル、n−オクチル、2−エチルへキシル、n−デシルが挙げられる。
a2およびRa3におけるシクロアルキル基の炭素数は3〜10が好ましく、5〜10がより好ましく、5または6さらに好ましい。また、シクロアルキル基は、3員環、5員環または6員環が好ましく、5員環または6員環がより好ましい。シクロアルキル基は、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロへキシルが挙げられる。
a2およびRa3におけるアルケニル基の炭素数は2〜10が好ましく、2〜4がより好ましく、2がさらに好ましい。アルケニル基は、例えば、ビニル、アリル、ブテニルが挙げられる。
a2およびRa3におけるアリール基の炭素数は6〜12が好ましく、6〜10がより好ましく、6〜8がさらに好ましい。アリール基は、例えば、フェニル、トリル、ナフチルが挙げられる。
これらのアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基およびアリール基は置換基を有していてもよい。このような置換基は、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、シリル基、シアノ基が挙げられる。
置換基を有する基としては、例えば、ハロゲン化アルキル基が挙げられる。
a2およびRa3は、アルキル基、アルケニル基またはアリール基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基、ビニル基またはフェニル基がより好ましく、メチル基、ビニル基またはフェニル基がさらに好ましい。
a2はなかでもメチル基が好ましく、Ra3はなかでもフェニル基が好ましい。また、x1の繰り返し中のRa3が両方ともフェニル基であることがさらに好ましい。
x1は1〜3000の整数が好ましく、5〜1000の整数がより好ましい。
x2は、1〜3000の整数が好ましく、40〜1000の整数がより好ましい。
少なくとも分子鎖両末端にビニル基を有するポリオルガノシロキサンは、例えば、Gelest社製の商品名、DMSシリーズ(例えば、DMS−V31、DMS−V31S15、DMS−V33、DMS−V35、DMS−V35R、DMS−V41、DMS−V42、DMS−V46、DMS−V51、DMS−V52)、Gelest社製の商品名、PDVシリーズ(例えば、PDV−0341、PDV−0346、PDV−0535、PDV−0541、PDV−1631、PDV−1635、PDV−1641、PDV−2335、PMV−9925、PVV−3522、FMV−4031、EDV−2022)が挙げられる。
なお、DMS−V31S15は、予めフュームドシリカが配合されているため、特別な装置での混練は不要である。
本発明におけるビニル基を有するポリオルガノシロキサン(A)は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<分子鎖中に2個以上のSi−H基を有するポリオルガノシロキサン(B)>
本発明に用いられる分子鎖中に2個以上のSi−H基を有するポリオルガノシロキサン(B)(以下、単にポリオルガノシロキサン(B)とも称す。)は、分子鎖中に2個以上のSi−H基を有する。
分子鎖中にSi−H基を2つ以上有することで、重合性不飽和基を少なくとも2つ有するポリオルガノシロキサンを架橋することができる。
ポリオルガノシロキサン(B)は、直鎖状構造と分岐状構造が存在し、直鎖状構造が好ましい。
直鎖状構造の質量平均分子量は、機械強度および硬度の点から、500〜100,000が好ましく、1,500〜50,000がより好ましい。
また、ポリオルガノシロキサン(B)は、フェニル基を有することが好ましく、フェニル基の含有量は、特に限定されない。音響波プローブ用シリコーン樹脂としたときの機械的強度の観点から、例えば、1〜80モル%であり、好ましくは10〜60モル%である。
ここで、フェニル基の含有量は、上記ポリオルガノシロキサン(A)におけるフェニル基の含有量において、ポリオルガノシロキサン(A)をポリオルガノシロキサン(B)に置き換えて算出される含有量である。
本発明において、ポリオルガノシロキサン(A)および(B)が両方ともフェニル基を有することが相溶性を向上させるため好ましい。
本発明のシリコーン音響波プローブ用シリコーン樹脂は、嵩高いフェニル基を有することで、音速を高め、かつ、硬度および比重を大きくすることができる。そのため、音響インピーダンスを効率的に高めることができる。その結果、酸化亜鉛の添加量を少なくすることができ、音響波感度を高く維持することができる。
分子鎖中に2個以上のSi−H基を有する、直鎖状構造のポリオルガノシロキサン(B)は、下記一般式(B)で表されるポリオルガノシロキサンが好ましい。
Figure 2017012435
一般式(B)において、Rb1およびRb2は各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または−O−Si(Rb5(Rb4)を表す。Rb4およびRb5は各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を表す。Rb3は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基または−O−Si(Rb7(Rb6)を表す。Rb6およびRb7は各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基またはアリール基を表す。y1は0以上の整数を表し、y2は1以上の整数を表す。ここで、複数のRb1、複数のRb2、複数のRb3、複数のRb4、複数のRb5、複数のRb6および複数のRb7は各々において、互いに同一でも異なってもよく、また、Rb1〜Rb7の各基はさらに置換基で置換されていてもよい。ただし、分子鎖中に2個以上のSi−H基を有する。
b1およびRb2におけるアルキル基、シクロアルキル基およびアリール基は、Ra2およびRa3におけるアルキル基、シクロアルキル基およびアリール基と同義であり、好ましい範囲も同じである。Rb3におけるアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基およびアリール基は、Ra2およびRa3におけるアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基およびアリール基と同義であり、好ましい範囲も同じである。
−O−Si(Rb5(Rb4)のRb4およびRb5におけるアルキル基、シクロアルキル基およびアリール基は、Rb1およびRb2におけるアルキル基、シクロアルキル基およびアリール基と同義であり、好ましい範囲も同じである。
−O−Si(Rb7(Rb6)のRb6およびRb7におけるアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基およびアリール基は、Rb3におけるアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基およびアリール基と同義であり、好ましい範囲も同じである。
b1およびRb2は水素原子、アルキル基、アリール基または−O−Si(Rb5(Rb4)が好ましく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基または−O−Si(CHHがより好ましい。
b3は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基または−O−Si(Rb7(Rb6)が好ましく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ビニル基、フェニル基または−O−Si(CHHがより好ましい。
このうち、Rb1およびRb2は、水素原子、アルキル基またはアリール基が好ましく、水素原子またはアルキル基がより好ましく、水素原子またはメチル基がさらに好ましい。
b3は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基または−O−Si(Rb7(Rb6)が好ましく、水素原子またはアリール基がより好ましく、水素原子またはフェニル基が特に好ましい。
なお、本発明では、Rb3がフェニル基である場合、Rb1は水素原子が好ましく、さらに好ましくは、Rb1が水素原子であって、以下の条件を満たすことがより好ましい。
1)y1の繰り返し中の1つのRb2が水素原子であって、残りのRb2がアルキル基であり、かつy2の繰り返し中のRb2がアルキル基で、Rb3がフェニル基
2)y1が0であり、y2の繰り返し中のR2bがアルキル基で、Rb3がフェニル基
3)y1が0であり、y2の繰り返し中のRb2が−O−Si(Rb5(Rb4)で、Rb3がフェニル基
なお、上記3)では、Rb4が水素原子で、かつRb5がアルキル基である場合が、なかでも好ましい。
y1は、0〜2000の整数が好ましく、0〜50の整数がより好ましく、0〜30の整数がさらに好ましい。
y2は、2〜2000の整数が好ましく、2〜50の整数がより好ましく、2〜30の整数がさらに好ましい。
y1+y2は5〜2000の整数が好ましく、7〜1000の整数がより好ましく、10〜50がさらに好ましく、15〜30の整数がなかでも好ましい。
b1〜Rb3の組み合わせとしては、Rb1が水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、Rb2が炭素数1〜4のアルキル基、Rb3が水素原子の組み合わせが好ましく、Rb1が炭素数1〜4のアルキル基、Rb2が炭素数1〜4のアルキル基、Rb3が水素原子の組み合わせがより好ましい。
この好ましい組み合わせにおいては、y2/(y1+y2)で表されるヒドロシリル基の含有量は、0.1を超え1.0以下が好ましく、0.2を超え1.0以下がより好ましく、0.4を超え1.0以下がさらに好ましい。
ここで、Rb1〜Rb3のいずれかがフェニル基である場合、y2/(y1+y2)は、100がなかでも好ましく、Rb1〜Rb3のいずれもフェニル基でない場合、y2/(y1+y2)は、0.4を超え0.6未満がなかでも好ましい。
直鎖状構造のポリオルガノシロキサン(B)は、例えば、いずれもGelest社製のメチルヒドロシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー(トリメチルシロキサン末端)である、HMS−064(MeHSiO:5−7mol%)、HMS−082(MeHSiO:7−8mol%)、HMS−301(MeHSiO:25−30mol%)、HMS−501(MeHSiO:50−55mol%)、メチルヒドロシロキサン−フェニルメチルシロキサンコポリマーであるHPM−502(MeHSiO:45−50mol%)、メチルヒドロシロキサンポリマーであるHMS−991(MeHSiO:100mol%)が挙げられる。
ここで、MeHSiOのmol%は、y2/(y1+y2)×100と同義である。
なお、直鎖状構造、分岐状構造ともに、分子内における架橋反応の進行を防止する点から、ビニル基を有さないことが好ましく、なかでも分岐状構造のものは、ビニル基を有さないことが好ましい。
分子鎖中に2個以上のSi−H基を有する、分岐状構造のポリオルガノシロキサン(B)は、分岐構造と2個以上のヒドロシリル基(Si−H基)を有する。
比重は、0.9〜0.95が好ましい。
分岐状構造のポリオルガノシロキサン(B)は、下記平均組成式(b)で表されるものが好ましい。
平均組成式(b):[H(Rb83‐aSiO1/2y3[SiO4/2y4
ここで、Rb8は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基またはアリール基を表し、aは0.1〜3を表し、y3およびy4は各々独立に1以上の整数を表す。
b8におけるアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基およびアリール基は、Ra2およびRa3におけるアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基およびアリール基と同義であり、好ましい範囲も同じである。
aは、好ましくは1である。
a/3で表されるヒドロシリル基の含有量は、0.1を超え0.6未満が好ましく、0.1を超え0.4未満がより好ましい。
一方、分岐状構造のポリオルガノシロキサン(B)を化学構造式で表すと、−O−Si(CH(H)が主鎖を構成するSi原子に結合しているポリオルガノシロキサンが好ましく、下記一般式(Bb)で表される構造を有するものがより好ましい。
Figure 2017012435
一般式(Bb)において、*は少なくともシロキサンのSi原子と結合することを意味する。
分岐状構造のポリオルガノシロキサン(B)は、例えば、HQM−107(商品名、Gelest社製、水素化Qレジン)、HDP−111(商品名、Gelest社製、ポリフェニル−(ジメチルヒドロキシ)シロキサン(水素末端)、[(HMeSiO)(CSi)O]:99−100mol%)が挙げられる。
本発明における分子鎖中に2個以上のSi−H基を有するポリオルガノシロキサン(B)は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、直鎖状構造のポリオルガノシロキサン(B)と分岐状構造のポリオルガノシロキサン(B)を組み合わせて用いてもよい。
<酸化亜鉛>
本発明において、音響インピーダンスを高め、音響減衰量を低減するため、酸化亜鉛を添加する。
一方、樹脂硬度や引裂強度、繰り返し屈曲疲労などの機械特性の向上には微粒子フィラーの添加が有効であり、さらに、その粒子径が小さい方が添加量に対し高い機械特性を発現することができる。本発明では酸化亜鉛の一部を後述の、平均一次粒子径が特定の範囲内にあるシリカに代替することで、音響特性と機械特性を両立することができる。これは、平均一次粒子径の小さいシリカが、音響波プローブ用シリコーン樹脂に機械的応力が加わった際にストッパーとして機能するためと考えられる。特に、平均一次粒子径が小さいことで粒子間距離が小さくなるため、ストッパーとしての機能をより発揮し、シリコーン樹脂の引裂強度が大幅に向上するものである。
この結果、音響波減衰量の上昇が抑制され、かつ音響波プローブ用シリコーン樹脂の硬度および機械強度(引裂強度および屈曲耐久性)が向上するものと思われる。
本発明に用いられる酸化亜鉛の平均一次粒子径は、シリコーン樹脂の音響波減衰量の上昇を抑制し、かつ引裂強度を向上させる観点から1μm未満が好ましく、5nmを超え500nm未満がより好ましく、10nmを超え100nm未満がさらに好ましく、15nmを超え50nm未満が特に好ましい。なお、平均一次粒子径が上記範囲内にあって、かつ小さいほど、引裂強度が高く、かつ音響波感度に優れるため好ましい。
なお、平均一次粒子径は、酸化亜鉛の製造メーカーのカタログに記載されている。ただし、カタログに平均一次粒子径が記載されていないもの、または、新たに製造したものは、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscopy:TEM)により測定した粒子径を平均することで求めることができる。すなわち、TEMにより撮影した電子顕微鏡写真の1つの粒子について、短径と長径を測定し、その平均値を1つの粒子の粒子径として求める。本発明においては、300個以上の粒子の粒子径を平均し、平均一次粒子径として求める。
また、酸化亜鉛に後述する表面処理が施されている場合は、表面処理された状態での平均一次粒子径を意味する。
酸化亜鉛は市販のものを用いることができ、例えば、堺化学工業社製FINEX−30S−LPT、FINEX−50S−LPT、FINEX−30、FINEX−30W−LP2およびFINEX−25−LPT(いずれも商品名)が挙げられる。
酸化亜鉛は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いられる酸化亜鉛は、表面が処理された酸化亜鉛粒子が好ましく、シラン化合物で表面処理された酸化亜鉛粒子がより好ましい。
酸化亜鉛粒子をシラン化合物で表面処理することでシリコーン樹脂との相互作用が強くなり、また、シリコーン樹脂との親和性が高くなるため、平均一次粒子径の小さい酸化亜鉛粒子の微分散が可能になると考えられる。このため、酸化亜鉛微粒子は、機械適応力が加わった際のストッパーとしての機能をより発揮し、シリコーン樹脂の硬度および機械強度が向上するものと考えられる。
表面処理の手法は通常の手法であればよい。シラン化合物での表面処理の手法としては、例えば、シランカップリング剤で表面処理する手法およびシリコーン化合物で被覆する手法が挙げられる。本発明においては、シリコーン化合物で被覆する手法が好ましい。
(i)シランカップリング剤
シランカップリング剤は、シリコーン樹脂の硬度や機械強度の向上の点から、加水分解性基を有するシランカップリング剤が好ましい。シランカップリング剤における加水分解性基は、水により加水分解されて水酸基となり、この水酸基が酸化亜鉛粒子表面の水酸基と脱水縮合反応することで、酸化亜鉛粒子の表面改質が行われ、得られるシリコーン樹脂の硬度や機械強度が向上される。加水分解性基は、例えば、アルコキシ基、アシルオキシ基、ハロゲン原子が挙げられる。
なお、酸化亜鉛粒子の表面が疎水性に表面改質されていると、酸化亜鉛粒子とポリオルガノシロキサン(A)および(B)との親和性が良好となり、得られるシリコーン樹脂の硬度および機械強度が向上するため好ましい。
官能基として疎水性基を有するシランカップリング剤としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシランのようなアルコキシシラン;メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン(DDS)、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシランのようなクロロシラン;ヘキサメチルジシラザン(HMDS)が挙げられる。
また、官能基としてビニル基を有するシランカップリング剤としては、例えば、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシランのようなアルコキシシラン;ビニルトリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシランのようなクロロシラン;ジビニルテトラメチルジシラザンが挙げられる。
シランカップリング剤で表面処理された酸化亜鉛粒子は、トリアルキルシリル化剤で処理された酸化亜鉛粒子が好ましく、トリメチルシリル化剤で処理された酸化亜鉛粒子がより好ましい。
シラン化合物としては、例えば、上記シランカップリング剤や、シランカップリング剤における官能基がアルキル基で置換されたシランカップリング剤が挙げられる。
また、トリメチルシリル化剤としては、例えば、上記シランカップリング剤に記載のトリメチルクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)や、官能基がアルキル基で置換されたシランカップリング剤であるトリメチルメトキシシランが挙げられる。
市販のシランカップリング剤としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)(商品名:HEXAMETHYLDISILAZANE(SIH6110.1)、Gelest社製)が挙げられる。
酸化亜鉛粒子表面に存在する水酸基は、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)との反応によりトリメチルシリル基で覆われ、酸化亜鉛粒子表面が疎水性に改質される。
(ii)シリコーン化合物
酸化亜鉛粒子を被覆するシリコーン化合物は、シロキサン結合で構成されたポリマーであればよい。
シリコーン化合物としては、例えば、ポリシロキサンの側鎖や末端の全部または一部がメチル基になっているシリコーン化合物、側鎖の一部が水素原子であるシリコーン化合物、側鎖や末端の全部または一部にアミノ基、エポキシ基等の有機基を導入した変性シリコーン化合物、分岐構造を有するシリコーンレジンが挙げられる。なお、シリコーン化合物は直鎖状、環状のいずれの構造でもよい。
ポリシロキサンの側鎖や末端の全部または一部がメチル基になっているシリコーン化合物としては、例えば、ポリメチルヒドロシロキサン(水素末端)、ポリメチルヒドロシロキサン(トリメチルシロキシ末端)、ポリメチルフェニルシロキサン(水素末端)、ポリメチルフェニルシロキサン(トリメチルシロキシ末端)のようなモノメチルポリシロキサン、例えば、ジメチルポリシロキサン(水素末端)、ジメチルポリシロキサン(トリメチルシロキシ末端)、環状ジメチルポリシロキサンのようなジメチルポリシロキサンが挙げられる。
側鎖の一部が水素原子であるシリコーン化合物としては、例えば、メチルヒドロシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー(トリメチルシロキシ末端)、メチルヒドロシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー(水素末端)、ポリメチルヒドロシロキサン(水素末端)、ポリメチルヒドロシロキサン(トリメチルシロキシ末端)、ポリエチルヒドロシロキサン(トリエチルシロキシ末端)、ポリフェニル−(ジメチルヒドロシロキシ)シロキサン(水素末端)、メチルヒドロシロキサン−フェニルメチルシロキサンコポリマー(水素末端)、メチルヒドロシロキサン−オクチルメチルシロキサンコポリマー・ターポリマーが挙げられる。
また、有機基を導入した変性シリコーンとしては、例えば、アミノ基、エポキシ基、メトキシ基、(メタ)アクリロイル基、フェノール基、カルボン酸無水物基、、ヒドロキシ基、メルカプト基、カルボキシ基、水素原子の有機基を導入した反応性シリコーンや、例えば、ポリエーテル、アラルキル、フルオロアルキル、長鎖アルキル、長鎖アラルキル、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、ポリエーテルメトキシで変性された非反応性シリコーンが挙げられる。
シリコーン化合物で被覆された酸化亜鉛粒子は、常法により得ることができる。例えば、酸化亜鉛粒子をジメチルポリシロキサン中で一定時間混合撹拌し、濾過することにより得られる。
また、シリコーン化合物として反応性の変性シリコーンを用いる場合には、有機基が酸化亜鉛粒子表面の水酸基と反応することで、酸化亜鉛粒子の表面改質が行われ、得られるシリコーン樹脂の硬度や機械強度が向上される。
市販のシリコーン化合物としては、例えば、ポリメチルヒドロシロキサン(トリメチルシロキシ末端)であるメチルハイドロジェンシリコーンオイル(MHS)(商品名:KF−99、信越化学工業株式会社製)が挙げられる。
ポリオルガノシロキサン(A)の有するビニル基とポリオルガノシロキサン(B)の有するSi−H基は、通常、化学量論的には1:1で反応するものである。
しかしながら、本発明においては、酸化亜鉛粒子が、ポリオルガノシロキサン(A)および(B)の隙間に密に充填されているため、ポリオルガノシロキサン(A)および(B)の分子鎖の運動は制限されている。
従って、全てのビニル基がSi−H基と反応するためには、ポリオルガノシロキサン(A)の有するビニル基に対するポリオルガノシロキサン(B)の有するSi−H基の当量は、ビニル基:Si−H基=1:1.1〜1:8が好ましく、1:1.2〜1:5がより好ましい。
<平均一次粒子径が12nm未満のシリカ>
本発明におけるポリシロキサン混合物は、平均一次粒子径が12nm未満のシリカ(以下、単にシリカ粒子とも称す。)をさらに含有する。
シリカ粒子は、得られるシリコーン樹脂の硬度や機械強度(引裂強度および屈曲耐久性)の向上、特に引裂強度の向上を目的として添加される成分である。
シリカ粒子の平均一次粒子径を12nm未満と小さくすることにより、音響波減衰量の上昇が抑制され、かつシリコーン樹脂の引裂強度および屈曲耐久性を向上させることが可能になったものと思われる。
すなわち、機械的応力によるシリコーン樹脂のクラックが、微細なシリカ粒子がストッパーとして機能することで抑制されていると考えられる。特に、平均一次粒子径が小さいことで粒子間距離が小さくなるため、ストッパーとしての機能をより発揮し、シリコーン樹脂の引裂強度および屈曲耐久性が大幅に向上するものと推定される。
シリカ粒子の平均一次粒子径が12nmを超えると、無機粒子の粒子間距離が大きくなりクラックが成長し易くなるため、平均一次粒子径が12nmを超えるシリカ粒子を含有する組成物から作製させるシリコーン樹脂は屈曲耐久性が低い。
シリカ粒子としては、例えば、フュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、ビニル基含有シリコーンレジンが挙げられる。シリカ粒子は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シリカ粒子の平均一次粒子径は、シリコーン樹脂の音響波減衰量の上昇を抑制し、かつ引裂強度を向上させる観点から12nm未満であり、3nmを超え12nm未満が好ましく、3nmを超え10nm未満がより好ましい。なお、平均一次粒子径が上記範囲内にあって、かつ小さいほど引裂強度および屈曲耐久性が高いため、好ましい。
なお、平均一次粒子径は、シリカ粒子の製造メーカーのカタログに記載されている。ただし、カタログに平均一次粒子径が記載されていないもの、または、新たに製造したものは、上記酸化亜鉛と同様にしてTEMを用いて平均一次粒子径を求めることができる。
シリカ粒子は、得られるシリコーン樹脂の硬度や機械強度の向上の点から、比表面積は50〜400m/gが好ましく、100〜400m/gがより好ましい。
シリカ粒子は、粒子の表面が表面処理されたシリカ粒子が好ましい。表面処理としては、飽和脂肪酸やシランで処理されたシリカ粒子が好ましく、なかでもシラン処理されたシリカ粒子が好ましい。
シラン処理は、シランカップリング剤でシリカ粒子表面を処理することが好ましい。シリコーン樹脂の硬度や機械強度の向上の点から、加水分解性基を有するシランカップリング剤が好ましい。シランカップリング剤における加水分解性基は、水により加水分解されて水酸基となり、この水酸基がシリカ粒子表面の水酸基と脱水縮合反応することで、シリカ粒子の表面改質が行われ、得られるシリコーン樹脂の硬度や機械強度が向上される。加水分解性基は、例えば、アルコキシ基、アシルオキシ基、ハロゲン原子が挙げられる。
なお、シリカ粒子の表面が疎水性に表面改質されていると、シリカ粒子とポリオルガノシロキサン(A)および(B)との親和性が良好となり、得られるシリコーン樹脂の硬度および機械強度が向上するため好ましい。
官能基として疎水性基を有するシランカップリング剤としては、上記「(i)シランカップリング剤」で挙げたものが挙げられる。
シリカ粒子は、シラン化合物で処理されたシリカ粒子が好ましく、トリアルキルシリル化剤で処理されたシリカ粒子がより好ましく、トリメチルシリル化剤で処理されたシリカ粒子がさらに好ましい。
シラン化合物としては、例えば、上記シランカップリング剤や、シランカップリング剤における官能基がアルキル基で置換されたシランカップリング剤が挙げられる。
また、トリメチルシリル化剤としては、例えば、上記シランカップリング剤に記載のトリメチルクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)や、官能基がアルキル基で置換されたシランカップリング剤であるトリメチルメトキシシランが挙げられる。
市販のシランカップリング剤としては、例えば、上記SIH6110.1が挙げられる。
シリカ粒子表面に存在するシラノール基(Si−OH基)は、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)との反応によりトリメチルシリル基で覆われ、シリカ粒子表面が疎水性に改質される。
市販のシリカ粒子としては、例えば、いずれも日本アエロジル株式会社製の疎水性フュームドシリカである、アエロジル(登録商標)R812(平均一次粒子径7nm、HMDS表面処理)、アエロジル(登録商標)R812S(平均一次粒子径7nm、HMDS表面処理)、アエロジル(登録商標)RX300(平均一次粒子径7nm、HMDS表面処理)、アエロジル(登録商標)RX380S(平均一次粒子径5nm、HMDS表面処理)、アエロジル(登録商標)R976S(平均一次粒子径7nm、DDS表面処理)や、いずれも日本アエロジル株式会社製の親水性フュームドシリカである、アエロジル(登録商標)300(平均一次粒子径7nm)、アエロジル(登録商標)300CF(平均一次粒子径7nm)、アエロジル(登録商標)380(平均一次粒子径7nm)、アエロジル(登録商標)RX380S(平均一次粒子径5nm、HMDS表面処理)、アエロジルR(登録商標)8200平均一次粒子径12nm、HMDS表面処理)、アエロジル(登録商標)R972(平均一次粒子径16nm、DDS表面処理)が挙げられる。
<その他の成分>
本発明の音響波プローブ用組成物は、ビニル基を有するポリオルガノシロキサン(A)、分子鎖中に2個以上のSi−H基を有するポリオルガノシロキサン(B)、酸化亜鉛および平均一次粒子径が12nm未満のシリカ以外に、付加重合反応のための触媒、硬化遅延剤、溶媒、分散剤、顔料、染料、帯電防止剤、酸化防止剤、難燃剤、熱伝導性向上剤等を適宜配合することができる。
<触媒>
触媒としては、例えば、白金または白金含有化合物(以下、「白金化合物」ともいう。)が挙げられる。白金または白金化合物としては、任意のものを使用することができる。
具体的には、白金黒、白金を無機化合物やカーボンブラック等に担持させたもの、塩化白金酸または塩化白金酸のアルコール溶液、塩化白金酸とオレフィンの錯塩、塩化白金酸とビニルシロキサンとの錯塩等が挙げられる。触媒は1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
触媒の含有量は、触媒量の範囲で適宜設定することができる。
触媒は、ポリオルガノシロキサン(B)のSi−H基が、ポリオルガノシロキサン(A)のビニル基に対して付加するヒドロシリル化反応において必要である。ヒドロシリル化による付加硬化反応によって、ポリオルガノシロキサン(A)がポリオルガノシロキサン(B)により架橋され、シリコーン樹脂が形成される。
ここで、触媒は本発明の音響波プローブ用組成物中に含有させてもよく、また、音響波プローブ用組成物に含有させずに、音響波プローブ用組成物と接触させてもよい。なお、後者の方が好ましい。
市販の白金触媒としては、例えば、白金化合物(商品名:PLATINUM CYCLOVINYLMETHYLSILOXANE COMPLEX IN CYCLIC METHYLVINYLSILOXANES(SIP6832.2)、Pt濃度2質量%、Gelest社製)が挙げられる。
触媒をポリシロキサン混合物に対して存在させる場合は、触媒の存在量は、反応性の観点から、ポリシロキサン混合物100質量部に対し、Pt量として0.00001質量部以上が好ましく、0.00002質量部以上がより好ましく、0.00005質量部以上がさらに好ましく、0.0001質量部以上が特に好ましい。一方、0.1質量部以下が好ましく、0.05質量部以下がより好ましく、0.01質量部以下がさらに好ましく、0.005質量部以下が特に好ましい。
また、適切な白金触媒を選択することにより硬化温度を調節することができる。例えば、白金−ビニルジシロキサンは50℃以下での室温硬化(RTV)に、白金−環状ビニルシロキサンは130℃以上での高温硬化(HTV)に使用される。
<音響波プローブ用組成物および音響波プローブ用シリコーン樹脂の製造方法>
本発明の音響波プローブ用組成物は、常法により作製することが可能である。
例えば、音響波プローブ用組成物を構成する成分を、ニーダー、加圧ニーダー、バンバリーミキサー(連続ニーダー)、2本ロールの混練装置で混練りすることにより得ることができる。各成分の混合順序は特に限定されない。
なお、均一な組成物を得る観点からは、まず、ビニル基を有するポリオルガノシロキサン(A)および分子鎖中に2個以上のSi−H基を有するポリオルガノシロキサン(B)に、酸化亜鉛および平均一次粒子径が12nm未満のシリカを分散させたポリオルガノシロキサン混合物とすることが好ましい。その後、酸化亜鉛および平均一次粒子径が12nm未満のシリカを分散させたポリオルガノシロキサン混合物に触媒を添加し、減圧脱泡することで、音響波プローブ用組成物を作製することができる。
このようにして得られた本発明の音響波プローブ用組成物を硬化させることにより、本発明の音響波プローブ用シリコーン樹脂を得ることができる。具体的には、例えば、20〜200℃で5分〜500分加熱硬化させることにより、音響波プローブ用シリコーン樹脂を得ることができる。
<シリコーン樹脂の機械強度および音響波特性>
以下に、シリコーン樹脂の機械強度および音響波特性について詳細に記載する。
ここで、音響波特性は、超音波特性について記載する。ただし、音響波特性は超音波特性に限定されるものではなく、被検対象や測定条件等に応じて選択される、適切な周波数の音響波特性に関するものである。
[硬度]
硬度は30以上が好ましく、35以上がより好ましい。なお、現実的な上限値は80以下である。上記範囲内にあることで、音響波プローブの一部として組み込み使用する際の変形を防止することができる。
なお、シリコーン樹脂シートの硬度は後述の実施例の項に記載の測定方法により求めることができる。
[引裂強度試験]
引裂強度は、10N/cm以上が好ましく、15N/cm以上がより好ましく、20N/cm以上がさらに好ましく、30N/cm以上が特に好ましい。なお、現実的な上限値は100N/cm以下である。
なお、引裂強度は後述の実施例の項に記載の測定方法により求めることができる。
[屈曲耐久試験]
厚み2mmのシリコーン樹脂シートについて、JIS K6260(2010)に従い、耐屈曲き裂性(3級に達するのに要する屈曲回数)を、デマチャ屈曲試験機(東洋精機社製)を用いて測定する。
音響波プローブを生体と接触させる観点から1万回以上が好ましく、2万回以上がより好ましい。なお、現実的な上限値は10万回以下である。
[音響インピーダンス]
本発明のシリコーン樹脂シートの音響インピーダンスは、生体のもの(1.4〜1.7×10kg/m/sec)に近い程好ましく、1.2〜1.8kg/m/secが好ましく、1.3〜1.7kg/m/secがより好ましく、1.4〜1.6kg/m/secが特に好ましい。
なお、音響インピーダンスは後述の実施例の項に記載の方法により求めることができる。
[音響波(超音波)感度]
本発明における評価系においては、音響波(超音波)感度は、−74dB以上が好ましく、−73dB以上がより好ましく、−72dB以上がさらに好ましく、−71dB以上が特に好ましい。
なお、音響波(超音波)感度は、後述の実施例の項に記載の方法により求めることができる。
本発明の音響波プローブ用組成物は、医療用部材に有用であり、例えば、音響波プローブや音響波測定装置に好ましく用いることができる。なお、本発明の音響波測定装置とは、超音波診断装置や光音響波測定装置に限らず、被検対象で反射または発生した音響波を受信し、画像または信号強度として表示する装置を称する。
特に、本発明の音響波プローブ用組成物は、超音波診断装置の音響レンズ、あるいは圧電素子と音響レンズの間に設けられて圧電素子と音響レンズとの間の音響インピーダンスを整合させる役割を有する音響整合層の材料、光音響波測定装置や超音波内視鏡における音響レンズの材料ならびに超音波トランスデューサアレイとして容量性マイクロマシン超音波振動子(cMUT:Capacitive Micromachined Ultrasonic Transducers)を備える超音波プローブにおける音響レンズの材料等に好適に用いることができる。
本発明の音響波プローブ用シリコーン樹脂は、具体的には、例えば、特開2005−253751号公報、特開2003−169802号公報などに記載の超音波診断装置や、特開2013−202050号公報、特開2013−188465号公報、特開2013−180330号公報、特開2013−158435号公報、特開2013−154139号公報などに記載の光音響波測定装置などの音響波測定装置などに好ましく適用される。
<音響波探触子(プローブ)>
以下に、本発明の音響波プローブの構成を、図1に記載する、超音波診断装置における超音波プローブの構成に基づき、より詳細に説明する。なお、超音波プローブとは、音響波プローブにおける音響波として、特に超音波を使用するプローブである。そのため、超音波プローブの基本的な構造は音響波プローブに適用することができる。
<超音波プローブ>
超音波プローブ10は、超音波診断装置の主要構成部品であって、超音波を発生するとともに、超音波ビームを送受信する機能を有するものである。超音波プローブ10の構成は、図1に示すように、先端(被検対象である生体に接する面)部分から音響レンズ1、音響整合層2、圧電素子層3、バッキング材4の順に設けられている。なお、近年、高次高調波を受信することを目的に、送信用超音波振動子(圧電素子)と、受信用超音波振動子(圧電素子)を異なる材料で構成し、積層構造としたものも提案されている。
<圧電素子層>
圧電素子層3は、超音波を発生する部分であり、圧電素子の両側に電極が貼り付けられており、電圧を加えると圧電素子が伸縮と膨張を繰り返し振動することにより、超音波が発生する。
圧電素子を構成する材料としては、水晶、LiNbO、LiTaO、KNbOなどの単結晶、ZnO、AlNなどの薄膜、Pb(Zr,Ti)O系などの焼結体を分極処理した、いわゆるセラミックスの無機圧電体が広く利用されている。一般的には、変換効率のよいPZT:チタン酸ジルコン酸鉛等の圧電セラミックスが使用されている。
また、高周波側の受信波を検知する圧電素子には、より広い帯域幅の感度が必要である。このため、高周波、広帯域に適した圧電素子として、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などの有機系高分子物質を利用した有機圧電体が使用されている。
さらに、特開2011−071842号公報等には、優れた短パルス特性、広帯域特性を示し、量産性に優れ、特性ばらつきの少ないアレイ構造が得られる、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を利用したcMUTが記載されている。
本発明においては、いずれの圧電素子材料も好ましく用いることができる。
<バッキング材>
バッキング材4は、圧電素子層3の背面に設けられており、余分な振動を抑制することにより超音波のパルス幅を短くし、超音波診断画像における距離分解能の向上に寄与する。
<音響整合層>
音響整合層2は、圧電素子層3と被検対象間での音響インピーダンスの差を小さくし、超音波を効率よく送受信するために設けられる。
本発明の超音波プローブ用組成物は、人体の音響インピーダンス(1.4〜1.7×10kg/m/sec)との差が小さいことから、音響整合層の材料として好ましく用いることができる。本発明の音響整合層は、本発明の音響波プローブ用組成物を硬化反応させてなる音響波プローブ用シリコーン樹脂を10質量%以上含むことが好ましい。
<音響レンズ>
音響レンズ1は、屈折を利用して超音波をスライス方向に集束し、分解能を向上させるために設けられる。また、被検対象である生体と密着し、超音波を生体の音響インピーダンス(人体では、1.4〜1.7×10kg/m/sec)と整合させること、および、音響レンズ1自体の超音波減衰量が小さいことが求められている。
すなわち、音響レンズ1の材料としては、音速が人体の音速よりも十分小さく、超音波の減衰が少なく、また、音響インピーダンスが人体のような生体の皮膚の値に近ければ、超音波の送受信感度がよくなる。
本発明の超音波プローブ用組成物は、音響レンズ材としても、好ましく用いることができる。本発明に用いられる音響レンズは、本発明の音響波プローブ用組成物を硬化反応させてなる音響波プローブ用シリコーン樹脂を10質量%以上含むことが好ましい。
このような構成の超音波プローブ10の動作を説明する。圧電素子の両側に設けられた電極に電圧を印加して圧電素子層3を共振させ、超音波信号を音響レンズから被検対象に送信する。受信時には、被検対象からの反射信号(エコー信号)によって圧電素子層3を振動させ、この振動を電気的に変換して信号とし、画像を得る。
特に、本発明の超音波プローブ用組成物から得られる音響レンズは、一般的な医療用超音波トランスデューサとしては、およそ5MHz以上の超音波の送信周波数で、顕著な感度改善効果を確認できる。特に10MHz以上の超音波の送信周波数で、特に顕著な感度改善効果が期待できる。
以下、本発明の超音波プローブ用組成物から得られる音響レンズが、従来の課題に対し特に機能を発揮する装置について、詳細に記載する。
なお、下記に記載する以外の装置に対しても、本発明の超音波プローブ用組成物は優れた効果を示す。
<cMUT(容量性マイクロマシン超音波振動子)を備える超音波プローブ>
特開2006−157320号公報、特開2011−71842号公報などに記載のcMUTデバイスを超音波診断用トランスデューサアレイに用いる場合、一般的な圧電セラミックス(PZT)を用いたトランスデューサと比較して、一般的には、その感度が低くなる。
しかし、本発明の音響波プローブ用組成物から得られる音響レンズを用いることで、cMUTの感度不足を補うことが可能である。これにより、cMUTの感度を、従来のトランスデューサの性能に近づけることができる。
なお、cMUTデバイスはMEMS技術により作製されるため、圧電セラミックスプローブよりも量産性が高く、低コストな超音波プローブを市場に提供することができる。
<光超音波イメージングによる光音響波測定装置>
特開2013−158435号公報などに記載の光超音波イメージング(PAI:Photo Acoustic Imaging)は、人体内部へ光(電磁波)を照射し、照射した光によって人体組織が断熱膨張する際に発生する超音波を画像化したもの、または超音波の信号強度を表示する。
ここで、光照射によって発生する超音波の音圧は微量であるため、人体深部の観察が困難であるという課題がある。
しかし、本発明の音響波プローブ用組成物から得られる音響レンズを用いることで、この課題に対して有効な効果を発揮することができる。
<超音波内視鏡>
特開2008−311700号公報などに記載の超音波内視鏡における超音波は、その構造上、信号線ケーブルが体表用トランスデューサと比較して長いため、ケーブル損失によるトランスデューサの感度向上が課題である。また、この課題に対しては、下記の理由により、効果的な感度向上手段がないと言われている。
第一に、体表用の超音波診断装置であれば、トランスデューサ先端にアンプ回路、AD変換IC等の設置が可能である。これに対して、超音波内視鏡は体内に挿入して使用するため、トランスデューサの設置スペースがなく、トランスデューサ先端への設置は困難である。
第二に、体表用の超音波診断装置におけるトランスデューサで採用されている圧電単結晶は、その物理特性・プロセス適性上、超音波の送信周波数7〜8MHz以上のトランスデューサへの適用は困難である。しかしながら、内視鏡用超音波は概して超音波の送信周波数7〜8MHz以上のプローブであるため、圧電単結晶材による感度向上も困難である。
しかし、本発明の音響波プローブ用組成物から得られる音響レンズを用いることで、内視鏡超音波トランスデューサの感度を向上させることが可能である。
また、同一の超音波の送信周波数(例えば10MHz)を使用する場合でも、内視鏡用超音波トランスデューサにおいて本発明の音響波プローブ用組成物から得られる音響レンズを用いる場合には、特に有効性が発揮される。
以下に本発明を、音響波として超音波を用いた実施例に基づいてさらに詳細に説明する。なお、本発明は超音波に限定されるものではなく、被検対象や測定条件等に応じて適切な周波数を選択してさえいれば、可聴周波数の音響波を用いてもよい。
以下の実施例において「部」および「%」というときには、特に断らない限り質量基準である。また、表中で使用する「−」は、その組成を有さないことを意味する。
[実施例1]
ポリオルガノシロキサン(A)として、ビニル末端ジフェニルシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー(下記表1の成分(A)、Gelest社製、商品名「PDV−1641」、質量平均分子量55,000、ジフェニルシロキサン量16mol%)68.0質量部、ポリオルガノシロキサン(B)として、メチルヒドロシロキサン−フェニルメチルシロキサンコポリマー(下記表1の成分(B)、Gelest社製、商品名「HPM−502」、質量平均分子量4,500)2.0質量部、酸化亜鉛(堺化学工業社製「FINEX(登録商標)−30S−LPT」、平均一次粒子径35nm、シリコーン表面処理)12.0質量部、フュームドシリカ(「アエロジル(登録商標)RX300」、平均一次粒子径7nm、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)表面処理品)18.0質量部をニーダーにより、温度23℃で2時間混練し、均一なペースト(ポリシロキサン混合物)とした。これに白金触媒溶液(Gelest社製、商品名「SIP6832.2」、Pt濃度2質量%)を500ppm添加して混合した後、減圧(1mmHg)下で脱泡し、縦150mm×横150mm×深さ2mmの金属型に入れ、60℃で3時間熱処理をして、音響波プローブ用シリコーン樹脂(縦150mm×横150mm×厚み2mmのシート)を作製した。以下、このようにして作製した音響波プローブ用シリコーン樹脂を「シリコーン樹脂シート」と称す。
[実施例2〜25、比較例1〜4]
実施例1のポリシロキサン混合物の組成を下記表1に記載の組成に変えた以外は、実施例1と同様にして所定のシリコーン樹脂シートを得た。
ここで、比較例2は、特開2005−125071号公報の実施例を模した追試験である。
<機械強度および超音波特性の評価>
実施例1〜25および比較例1〜4のシリコーン樹脂シートについて、以下の評価を行った。
[硬度]
得られた厚み2mmのシリコーン樹脂シートについて、JIS K6253−3(2012)に従い、タイプAデュロメータ硬さを、ゴム硬度計(エクセル社製、商品名「RH−201A」)を用いて測定した。
[引裂強度試験]
得られた厚み2mmのシリコーン樹脂シートについて、JIS K6252(2007)に従い、トラウザー型試験片を作製し、引裂強度を測定した。
[屈曲耐久試験]
得られた厚み2mmのシリコーン樹脂シートについて、JIS K6260(2010)に従い、耐屈曲き裂性(3級に達するのに要する屈曲回数)を、デマチャ屈曲試験機(東洋精機社製)を用いて測定した。
[音響インピーダンス]
得られた厚み2mmのシリコーン樹脂シートについて、25℃における密度をJIS K7112(1999)に記載のA法(水中置換法)の密度測定方法に準じて、電子比重計(アルファミラージュ社製、商品名「SD−200L」)を用いて測定した。超音波音速は、JIS Z2353(2003)に従い、シングアラウンド式音速測定装置(超音波工業株式会社製、商品名「UVM−2型」)を用いて25℃において測定し、測定した密度と音速の積から音響インピーダンスを求めた。
[音響波(超音波)感度]
超音波発振器(岩通計測株式会社製、ファンクション・ジェネレータ、商品名「FG−350」)から出力された5MHzの正弦波信号(1波)を超音波プローブ(ジャパンプローブ株式会社製)に入力し、超音波プローブから中心周波数が5MHzの超音波パルス波を水中に発生させた。発生させた超音波が、得られた厚み2mmのシリコーン樹脂シートを通過する前と後の振幅の大きさを超音波受信機(松下電器産業株式会社製、オシロスコープ、商品名「VP−5204A」)により、水温25℃の環境で測定し、音響波(超音波)感度を比較することで、各素材の音響波(超音波)減衰量を比較した。
なお、音響波(超音波)感度は、超音波発振器による、半値幅50nsec以下の入力波の電圧ピーク値Vinに対し、発生させた音響波(超音波)がシートを通過し、シートの対面から反射してきた音響波(超音波)を超音波発振器が受信したときに得られる電圧値をVsとし、下記計算式より算出した。
音響波(超音波)感度=20×Log(Vs/Vin)
得られた結果をまとめて、下記表1に示す。
なお、下記表1では、ポリオルガノシロキサン(A)および(B)の質量平均分子量を単に分子量として記載し、各成分の種類は商品名を記載した。
Figure 2017012435
Figure 2017012435
Figure 2017012435
Figure 2017012435
<表の注>
[ポリオルガノシロキサン成分(A)]
いずれもGelest社製のPDV(商品名)、DMS(商品名)シリーズ
・PDV−1641:商品名、ビニル末端ジフェニルシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー、質量平均分子量55,000、ジフェニルシロキサン量16mol%
・PDV−1635:商品名、ビニル末端ジフェニルシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー、質量平均分子量35,300、ジフェニルシロキサン量16mol%
・PDV−1631:商品名、ビニル末端ジフェニルシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー、質量平均分子量19,000、ジフェニルシロキサン量16mol%
・PDV−0541:商品名、ビニル末端ジフェニルシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー、質量平均分子量60,000、ジフェニルシロキサン量5mol%
・PDV−0535:商品名、ビニル末端ジフェニルシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー、質量平均分子量47,500、ジフェニルシロキサン量5mol%
・DMS−V41:商品名、ビニル末端ポリジメチルシロキサン、質量平均分子量62,700
[ポリオルガノシロキサン成分(B)]
・HPM−502:商品名、Gelest社製メチルヒドロシロキサン−フェニルメチルシロキサンコポリマー、質量平均分子量4,500
・HMS−991:商品名、Gelest社製メチルヒドロシロキサンポリマー、質量平均分子量1,600
[酸化亜鉛]
いずれも堺化学工業社製の酸化亜鉛、FINEX(登録商標)シリーズ、上記表では「FINEX−」を省略して記載してある。
・FINEX−30S−LPT:商品名、平均一次粒子径35nm、シリコーン表面処理
・FINEX−50S−LPT:商品名、平均一次粒子径20nm、シリコーン表面処理
・FINEX−30:商品名、平均一次粒子径35nm、表面処理なし
・FINEX−30W−LP2:商品名、平均一次粒子径35nm、シリカ/シリコーン表面処理
・FINEX−25−LPT:商品名、平均一次粒子径60nm、シリコーン表面処理
[シリカ]
日本アエロジル株式会社製のフュームドシリカ、アエロジル(登録商標)シリーズ、上記表では「アエロジル」を省略して記載してある。HDK H 20は旭化成ワッカーシリコーン製である。上記表では「HDK」を省略して記載してある。
・アエロジルRX300:商品名、平均一次粒子径7nm、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)表面処理
・アエロジルR976S:商品名、平均一次粒子径7nm、ジメチルジクロロシラン(DDS)表面処理
・アエロジル300:商品名、平均一次粒子径7nm、表面処理なし
・アエロジルRX380S:商品名、平均一次粒子径5nm、HMDS表面処理
・アエロジルR8200:商品名、平均一次粒子径12nm、HMDS表面処理
・アエロジルR972:商品名、平均一次粒子径16nm、DDS表面処理
・HDK H 20:商品名、平均一次粒子径10nm、HMDS表面処理
表1から明らかなように、実施例1〜25の音響波プローブ用シリコーン樹脂は、音響インピーダンスが生体のものに近く、いずれも音響波(超音波)感度が−74dB以上である。感度が−74dB以上であることから、音響波減衰量が低減されていることが分る。さらに、実施例1〜25の音響波プローブ用シリコーン樹脂は、硬度、引裂強度および屈曲耐久性に優れた。これに対して、比較例1〜4の音響波プローブ用シリコーン樹脂は、いずれも屈曲耐久性が不十分であった。
この結果から、本発明の音響波プローブ用組成物は、医療用部材に好適であることがわかる。また、本発明のシリコーン樹脂は、音響波プローブの音響レンズおよび/または音響整合層、ならびに、音響波測定装置および超音波診断装置にも好適に用いることができることがわかる。特に、音響波プローブ用組成物および音響波プローブ用シリコーン樹脂は、cMUTを超音波診断用トランスデューサアレイとして用いる超音波プローブ、光音響波測定装置および超音波内視鏡において、感度向上を目的として、好適に用いることができる。
1 音響レンズ
2 音響整合層
3 圧電素子層
4 バッキング材
7 筐体
9 コード
10 超音波探触子(プローブ)

Claims (19)

  1. ビニル基を有するポリシロキサン、分子鎖中に2個以上のSi−H基を有するポリシロキサン、酸化亜鉛および平均一次粒子径が12nm未満のシリカを含むポリシロキサン混合物を含有する音響波プローブ用組成物。
  2. 前記ポリシロキサン混合物の合計100質量部中に、前記酸化亜鉛を0.1〜14.9質量部含有する請求項1に記載の音響波プローブ用組成物。
  3. 前記ポリシロキサン混合物の合計100質量部中に、前記平均一次粒子径が12nm未満のシリカを0.1〜30質量部含有する請求項1または2に記載の音響波プローブ用組成物。
  4. 前記酸化亜鉛に対する前記平均一次粒子径が12nm未満のシリカの質量比が、0.2〜3.0である請求項1〜3のいずれか1項に記載の音響波プローブ用組成物。
  5. 前記ポリシロキサン混合物の合計100質量部中に、前記ビニル基を有するポリシロキサンを10〜99.4質量部、前記分子鎖中に2個以上のSi−H基を有するポリシロキサンを0.5〜90質量部含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の音響波プローブ用組成物。
  6. 前記平均一次粒子径が12nm未満のシリカが、シラン化合物で表面処理されたものである請求項1〜5のいずれか1項に記載の音響波プローブ用組成物。
  7. 前記平均一次粒子径が12nm未満のシリカが、トリメチルシリル化剤で表面処理されたものである請求項1〜6のいずれか1項に記載の音響波プローブ用組成物。
  8. 前記ビニル基を有するポリシロキサンが、フェニル基を有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の音響波プローブ用組成物。
  9. 前記ビニル基を有するポリシロキサンの質量平均分子量が、10,000〜200,000である請求項1〜8いずれか1項に記載の音響波プローブ用組成物。
  10. 前記ビニル基を有するポリシロキサンの質量平均分子量が、30,000〜150,000である請求項1〜9のいずれか1項に記載の音響波プローブ用組成物。
  11. 前記分子鎖中に2個以上のSi−H基を有するポリシロキサンが、フェニル基を有する請求項1〜10のいずれか1項に記載の音響波プローブ用組成物。
  12. 前記ポリシロキサン混合物100質量部に対し、白金または白金含有化合物を0.0001〜0.1質量部含有する請求項1〜11のいずれか1項に記載の音響波プローブ用組成物。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の音響波プローブ用組成物を硬化反応させてなる音響波プローブ用シリコーン樹脂。
  14. 請求項13に記載の音響波プローブ用シリコーン樹脂を含んでなる、音響レンズおよび音響整合層からなる群から選択される少なくとも1つを有する音響波プローブ。
  15. 容量性マイクロマシン超音波振動子および請求項13に記載の音響波プローブ用シリコーン樹脂を含んでなる音響レンズを備える超音波プローブ。
  16. 請求項14に記載の音響波プローブを備える音響波測定装置。
  17. 請求項14に記載の音響波プローブを備える超音波診断装置。
  18. 請求項13に記載の音響波プローブ用シリコーン樹脂を含んでなる音響レンズを備える光音響波測定装置。
  19. 請求項13に記載の音響波プローブ用シリコーン樹脂を含んでなる音響レンズを備える超音波内視鏡。
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