JP2010213983A - 超音波探触子及びそれを用いた超音波医用画像診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】音響レンズの磨耗による問題を回避することができるように改善した超音波探触子を提供する。また、それを用いた超音波医用画像診断装置を提供する。
【解決手段】被検体表面に接触させる音響レンズを備えた超音波探触子であって、当該音響レンズの被検体表面に近い領域に、励起光を照射することにより発光する物質が添加されていることを特徴とする超音波探触子。
【選択図】なし

Description

本発明は、超音波探触子及びそれを用いた超音波医用画像診断装置に関する。詳しくは、超音波探触子先端部分の磨耗による交換時期が、滅菌消毒作業と共に明確にわかりやすくした超音波探触子に関するものである。
超音波画像診断用の超音波探触子(「超音波探触子」ともいう。)は、患者身体内へ超音波を放射し、身体内からの反射波を受波するためのものであり、通常、多数の超音波振動子を1列に配列し、放射・受波面側に音響整合層、音響レンズなどを設けて構成されている。当該超音波探触子を使用する際には、放射・受波面を被検体表面、すなわち、身体(皮膚)表面に接触させて使用されるが、接触させたときに、わずかに発生する隙間に存在する空気の影響を除去するため、ゼリー状の物質を体表に塗り、そのゼリー状物質を介して超音波の送受波をすることが一般的である。そのため、使用後にはゼリーをふき取る作業が必要となるが、そのふき取り作業で音響レンズ面が徐々に磨耗し、フォーカス位置が当初の設計から合わなくなってくる。本来なら、磨耗し、ある限界を超えたら交換しなければならないが、その限界を超えた状態で診断行為を行うと、重要な疾患を見逃す可能性も出てくるという問題を生じる。
従来の超音波探触子では、音響レンズが磨耗すると、その厚さは初期状態より薄くなるとともに曲率半径が大きくなる。すなわち、フォーカス距離が長くなってしまう。すると、音響レンズとしての性能の劣化が生じるとともに、安全面でも問題が惹起される。
音響レンズとしての性能の劣化については、フォーカス距離が長くなるというレンズ特性の変化により、放射される超音波ビームの特性に悪影響があり、超音波断層像などの画像の画質が劣化し、診断能力の低下がもたらされてしまう。
安全面では、次のような問題が生じる。第1に、振動子1より発生した超音波は音響レンズを通って身体内に放射されるが、音響レンズ内での超音波の減衰量は比較的大きい。音響レンズが薄くなると、その減衰量が小さくなるため、初期状態よりも大きな音響出力が身体内に放射される。
第2に、音響レンズの皮膚に接する表面温度が高くなる問題を生じる。超音波を放射する振動子は、診断装置本体から供給される電気エネルギーを音響エネルギーに変換するものであるが、その変換効率は100%ではなく、一部は音響エネルギーとはならずに熱となる。このため、振動子は一種の熱源となっており、実際、音響レンズの表面でもその熱を感じることができる。そのため、皮膚が熱による障害を受けないよう、超音波探触子の表面温度についての規格はその上限を定めている。振動子の上に設けられた音響レンズの厚さが薄くなると、音響レンズ表面と熱源である振動子との距離が近くなって、音響レンズ表面の温度が規格を超えて高くなり、皮膚に損傷を与えるおそれが生じる。
上記の問題に対する改善策として、特許文献1には、音響レンズの超音波放射側表面から所定深さに領域に、その音響レンズを形成する材質の音響インピーダンスと同じ音響インピーダンスではあるが、その材質とは異なる色の材質により形成される色違い部を埋め込んだ超音波探触子(超音波探触子)が開示されている。そして、当該超音波探触子では、音響レンズの表面が磨耗して、その磨耗量が性能・安全面で無視し得ない問題を起こすような状態になると、色違い部が露出してくるので、超音波探触子の使用者はそれを見て、磨耗の度合いに気付くことになり、新たな超音波探触子に交換するなどの適切な処置をとることができるとされている。
しかしながら、当該超音波探触子では、異なる色の材質同士の接着状態、着色のために使用する染料、顔料等が音響インピーダンスに影響し、実用上問題のない超音波探触子の作製が困難であるという問題がある。
特許第4222050号明細書
本発明は、上記問題・状況にかんがみてなされたものであり、その解決課題は、音響レンズの磨耗による問題を回避することができるように改善した超音波探触子を提供することである。また、それを用いた超音波医用画像診断装置を提供することである。
本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.被検体表面に接触させる音響レンズを備えた超音波探触子であって、当該音響レンズの被検体表面に近い領域に、励起光を照射することにより発光する物質が添加されていることを特徴とする超音波探触子。
2.前記発光する物質が、音響レンズの厚さ方向における最外表面から最厚部分の厚さに対して30%までの領域に添加されていることを特徴とする前記1に記載の超音波探触子。
3.前記励起光が、紫外線であることを特徴とする前記1又は前記2に記載の超音波探触子。
4.電気信号を発生する手段と、前記電気信号を受けて超音波を被検体に向けて送信し、前記被検体から受けた反射波に応じた受信信号を生成する複数の振動子が配置された超音波探触子と、前記超音波探触子が生成した前記受信信号に応じて、前記被検体の画像を生成する画像処理手段とを有する超音波医用画像診断装置であって、前記超音波探触子として、前記1から前記3のいずれか一項に記載の超音波探触子を用いたことを特徴とする超音波医用画像診断装置。
本発明の上記手段により、音響レンズの磨耗による問題を回避することができるように改善した超音波探触子を提供することができる。また、それを用いた超音波医用画像診断装置を提供することができる。
超音波探触子の主要部の構成を示す断面図 超音波医用画像診断装置の主要部の構成を示す概念図 金型による加圧成型の概念図 加圧成型物の接着面で貼り合わせることを示す概念図
本発明の超音波探触子は、被検体表面に接触させる音響レンズを備えた超音波探触子であって、当該音響レンズの被検体表面に近い領域に、励起光を照射することにより発光する物質が添加されていることを特徴とする。この特徴は、請求項1から請求項4に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、前記発光する物質が、音響レンズの厚さ方向における最外表面から最厚部分の厚さに対して30%までの領域に添加されていることが好ましい。また、前記励起光が、紫外線であることが好ましい。
本発明の超音波探触子は、電気信号を発生する手段と、前記電気信号を受けて超音波を被検体に向けて送信し、前記被検体から受けた反射波に応じた受信信号を生成する複数の振動子が配置された超音波探触子と、前記超音波探触子が生成した前記受信信号に応じて、前記被検体の画像を生成する画像処理手段とを有する態様の超音波医用画像診断装置に好適に用いることができる。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態等について詳細な説明をする。
(超音波探触子の構成概要)
本発明の超音波探触子は、超音波画像診断装置の主要構成部品であって、超音波を発生するとともに、超音波ビームを送受信する機能を有するものである。当該超音波探触子の内部の構成は、種々の態様を採り得るが、一般的構成としては、先端(被検体である生体に接する面)部分から「音響レンズ」、「音響整合層」、「超音波振動子(素子)」、「バッキング」という順に並置された態様の構成である。なお、近年、高次高調波を受信することを目的に、送信用超音波振動子(圧電素子)と、受信用超音波振動子(圧電素子)を異なる材料で構成し、積層構造としたものも提案されている。
以下、各構成要素について説明する。
(音響レンズ)
本発明に係る音響レンズは、屈折を利用して超音波ビームを集束し分解能を向上するために配置されている。本発明にいては、当該音響レンズの被検体表面に近い領域に、励起光を照射することにより発光する物質すなわち発光物質が添加されていることを特徴とする。
当該音響レンズは、超音波を収束するとともに、生体とよく密着して生体の音響インピーダンス(密度×音速;(1.4〜1.6)×10kg/m・sec)と整合させ、超音波の反射を少なくしうること、レンズ自体の超音波減衰量が小さいことが必要条件とされている。
すなわち、超音波ビームを集束するため人体と接触する部分に、従来ゴム等の高分子材料をべースにして作られた音響レンズが設けられている。ここに用いられるレンズ材料としては、その音速が人体のそれより十分小さくて、減衰が少なく、又、音響インピーダンスが人体の皮膚の値に近いものが望まれる。レンズ材が、音速が人体のそれより十分小さければ、レンズ形状を凸状となすことができ、診断を行う際に滑りが良くなり、安全に行えるし、また、減衰が少なくなれば、感度良く超音波の送受信が行え、さらに、音響インピーダンスが人体の皮膚の値に近いものであれば、反射が小さくなり、換言すれば、透過率が大きくなるので、同様に超音波の送受信感度が良くなるからである。
本発明において、音響レンズを構成する素材としては、従来公知のシリコンゴム、フッ素シリコンゴム、ポリウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム等のホモポリマー、エチレンとプロピレンとを共重合させてなるエチレンープロピレン共重合体ゴム等の共重合体ゴム等を用いることができる。これらのうち、シリコン系ゴムを用いることが好ましい。
本発明に使用されるシリコン系ゴムとしては、シリコンゴム、フッ素シリコンゴム等が挙げられる。就中、レンズ材の特性上、シリコンゴムを使用することが好ましい。シリコンゴムとは、Si−O結合からなる分子骨格を有し、そのSi原子に複数の有機基が主結合したオルガノポリシロキサンをいい、通常は、その主成分はメチルポリシロキサンで、全体の有機基のうち90%以上はメチル基である。メチル基に代えて水素原子、フェニル基、ビニル基、アリル基等を導入したものも使用することができる。当該シリコンゴムは、例えば、高重合度のオルガノポリシロキサンに過酸化ベンゾイルなどの硬化剤(加硫剤)を混練し、加熱加硫し硬化させることにより得ることができる。必要に応じてシリカ、ナイロン粉末等の有機又は無機充填剤、硫黄、酸化亜鉛等の加硫助剤等を添加してもよい。
本発明に使用されるブタジエン系ゴムとしては、ブタジエン単独またはブタジエンを主体としこれに少量のスチロールまたはアクリロニトリルが共重合した共重合ゴム等が挙げられる。就中、レンズ材の特性上、ブタジエンゴムを使用することが好ましい。ブタジエンゴムとは、共役二重結合を有するブタジエンの重合により得られる合成ゴムをいう。ブタジエンゴムは、共役二重結合を有するブタジエン単独が1,4又は1.2重合することにより得ることができる。ブタジエンゴムは、硫黄等により加硫させたものが使用できる。
本発明に係る音響レンズにおいては、シリコン系ゴムとブタジエン系ゴムとを混合し加硫硬化させることにより得ることができる。例えば、シリコンゴムとブタジエンゴムとを適宜割合で、混練ロールにより、混合し、過酸化ベンゾイルなどの加硫剤を添加し、加熱加硫し架橋(硬化)させることにより得ることができる。その際に、加硫助剤として、酸化亜鉛を添加することが好ましい。酸化亜鉛は、レンズ特性を落とさずに、加硫促進を促し、加硫時間を短縮できる。他に、着色剤や音響レンズの特性を損なわない範囲内で他の添加剤を添加してもよい。シリコン系ゴムとブタジエン系ゴムとの混合割合は、その音響インピーダンスが人体に近似しているとともに、その音速が人体より小さく、減衰が少ないものを得るには、通常、1:1が好ましいが、当該混合割合は適宜変更可能である。
なお、本発明においては、上記シリコン系ゴム等のゴム素材をベース(主成分)として、音速調整、密度調整等の目的に応じ、シリカ、アルミナ、酸化チタンなどの無機充填剤や、ナイロンなどの有機樹脂等を配合することもできる。
(発光物質)
本発明に係る音響レンズは、被検体表面に近い領域に、励起光を照射することにより発光する物質すなわち発光物質が添加されていることを特徴とする。
当該発光物質は、励起光を照射することにより発光する物質であることを要する。本発明においては、無機蛍光体、有機蛍光色素等の従来公知の種々の蛍光発光性物質を用いることができるが、無機蛍光体、特に蛍光体ナノ粒子を用いることが、耐久性等の観点から、好ましい。
本発明においては、前記発光する物質が、音響レンズの厚さ方向における最外表面から最厚部分の厚さに対して30%までの領域に添加されていることが好ましい。また、蛍光体ナノ粒子等の発光物質の添加量は、音響レンズを構成するシリコンゴム等のゴム成分総量に対して1×10−4〜1×10質量%であることが好ましい。
なお、当該蛍光体ナノ粒子等の発光物質が添加されていない領域には、例えば平均粒径12nmのアエロジル200などのシリカ微粒子を添加し、音響特性、特に音速、音響インピーダンスが発光物質添加領域と同等にすることが望ましい。
〈蛍光体ナノ粒子〉
本発明に係る蛍光体ナノ粒子の材料としては、公知の種々の蛍光発光性化合物及びその原料を用いることができる。
半導体ナノ粒子の材料としては、公知の種々の蛍光発光性化合物及びその原料を用いることができる。例えば、従来、半導体ナノ粒子の材料として知られている種々の半導体材料を用いて形成することができる。
具体的には、Si、Ge、MgS、MgSe、MgSe、MgTe、CaS、CaSe、CaTe、SrS、SrSe、SrTe、BaS、BaSe、BaTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、HgS、HgSe及びHgTeを挙げることができる。
また、GaAs、GaN、GaPGaSb、InGaAs、InP、InN、InSb、InAs、AlAs、AlP、AlSb及びAlSを挙げることができる。
例えば、上記半導体材料のほかに、エルビウム(Er)、ホロミウム(Ho)、プラセオジウム(Pr)、ツリウム(Tm)、ネオジウム(Nd)、ガドリニウム(Gd)、ユウロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)、サマリウム(Sm)およびセリウム(Ce)等の希土類元素及びこれらを含有するハロゲン化合物等を用いることができる。
本発明においては、上記各種材料のうち、元素の周期表の14族の元素を含有する半導体化合物及びこれらの半導体の原料化合物、すなわち14族の元素を含有するハロゲン化物等を用いることが好ましい。
具体的には、四塩化ケイ素、四塩化ゲルマニウム、四臭化ケイ素、四臭化ゲルマニウム、四ヨウ化ケイ素、四ヨウ化ゲルマニウムなどが挙げられる。
なお、本発明においては、特に毒性が低く、環境負荷の小さい材料とされるSi(シリコン)又はGe(ゲルマニウム)を構成成分とするナノ粒子を形成することが好ましい。
最も好ましい材料は、Si(シリコン)である。
また、本発明においては、蛍光体ナノ粒子をコア/シェル構造を有する粒子にすることも好ましい態様である。この場合、該コア粒子とシェル層の化学組成が相異するものであることが好ましい。
また、本発明に係る蛍光体ナノ粒子の平均粒径は、1〜50nmとすることが好ましい。更には、2〜10nmにすることが、量子サイズ効果発現の観点から好ましい。なお、シェルを加えたコア/シェル型蛍光体粒子の平均粒径としても、10nm以下にすることが好ましい。
なお、本発明において、蛍光体ナノ粒子の平均粒径は本来3次元で求める必要があるが、微粒子過ぎるため難しく、現実には二次元画像で評価せざるを得ないため、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて電子顕微鏡写真の撮影シーンを変えて数多く撮影し平均化することで求めることが好ましい。従って、本発明において、当該平均粒径は、TEMを用いて電子顕微鏡写真を撮影し十分な数の粒子について断面積を計測し、その計測値を相当する円の面積としたときの直径を粒径として求めて、その算術平均を平均粒径とする。TEMで撮影する粒子数としては100個以上の粒子を撮影するのが好ましい。
〈還元剤〉
半導体前駆体を還元する還元剤としては、従来周知の種々の還元剤を反応条件に応じて選択し用いることができる。本発明においては、還元力の強さの観点から、水素化アルミニウムリチウム(LiAlH)、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム、水素化トリ(sec−ブチル)ホウ素リチウム(LiBH(sec−C)、エチルホウ素リチウム(LiBH(CHCH)及び水素化トリ(sec−ブチル)ホウ素カリウム、水素化トリエチルホウ素リチウムなどの還元剤が好ましい。
本発明においては、上記の還元剤のうち、LiAlH、LiBH、NaBH、及びLiBH(CHCHから選択される還元剤であることが好ましい。特に、還元力の強さから水素化アルミニウムリチウム(LiAlH)が好ましい。
〈溶媒〉
半導体前駆体の分散用溶媒としては、従来周知の種々の溶媒を使用できるがエーテル類、トルエン、デカン、ヘキサンなどの炭化水素類溶媒を使用することが好ましい。本発明においては、特に、トルエン等の疎水性の溶媒が分散用溶媒として好ましい。
〈界面活性剤〉
界面活性剤としては、従来周知の種々の界面活性剤を使用でき、陰イオン、非イオン、陽イオン、両性界面活性剤が含まれる。なかでも第四級アンモニウム塩系である、テトラブチルアンモニウムクロリド、ブロミド又はヘキサフルオロホスフェート、テトラオクチルアンモニウムブロミド(TOAB)、またはトリブチルヘキサデシルホスホニウムブロミドが好ましい。特に、テトラオクチルアンモニウムブロミドが好ましい。
〈ナノ粒子の製造方法〉
本発明のナノ粒子の製造方法は、従来公知のナノ粒子の製造方法を用いることができるが、原料を溶媒に溶解した溶液、すなわち、反応液を、マイクロ流路を通過させることによる製造方法、すなわち、マイクロ流路法により製造することが好ましい。
マイクロ流路を使う利点の一つとしてバッチ式と比べ、各液の供給速度を精密に制御することができること、液体同士の混合が瞬時かつ均一に行えることがある。
還元反応により14族ナノ粒子を形成するにあたり、逆ミセル反応場にある原料と還元剤溶液のそれぞれの流速を制御することで等量比を精密に制御し、かつ瞬時に反応を完結させることが可能になり、それが形成される粒子の成長速度を制御することにつながり、所望の発光波長のナノ粒子を得ることができる。
なお、本発明において、「逆ミセル」とは、炭化水素などの疎水性有機溶剤に溶解した界面活性剤を、その親水基を内側に、疎水基を外側にした集合体のこと。該親水基が集合した中に、極性液を可溶化した状態をいう。
なお、本発明においては、後述する界面活性剤を含む有機溶媒とナノ粒子の原料を含む(極性)溶液とを混合してなる逆ミセル溶液を使用する。
また、マイクロ流路の内径は、圧力損失、乱流等の防止の観点から、1μm〜1mmであることが好ましい。
なお、本発明に係るマイクロ流路の材料としては、ガラス、金属、合金、プラスチック例えばポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリエステル、フッ素樹脂などを用いることができる。そのほか、金属や合金のような耐熱性基板上に、シリカ、アルミナ、チタニアのような金属酸化物又はフッ化樹脂のような耐熱性プラスチックの層を設け、それに幅1μm〜1mmの溝を刻設したものを用いることもできる。
具体的には、上記の壁厚さ及び内径の条件を満たすガラスキャピラリーをマイクロ流路として用いることができる。また、昇温は赤外線加熱装置等を用いることにより制御することができる。
〈蛍光色素〉
本発明に使用できる蛍光色素としては、フルオレセイン類、ローダミン類、クマリン類、ダンシル型(ジメチルアミノナフタレンスルホン酸型)蛍光色素、NBD型色素、ピレン、BODIPY誘導体、サイ(cy)色素,マラカイトグリーンなどが挙げられる。また、特許文献などで例示されている蛍光色素としては、例えば米国特許第5486616号明細書、特開平2−191674号公報、同5−287209号公報、同5−287266号公報、同8−47400号公報、同9−127115号公報、同7−145148号公報、同6−222059号公報に記載される蛍光色素、Journal of Fluorescence,5,231ページ(1995年)に記載される蛍光色素などを用いることができ、また、特開平2−191674号公報等に記載されている蛍光色素などを用いることができる。
(励起光)
本発明においては、励起光の波長に特に制限はないが、上記発光物質の励起波長に応じて、当該励起波長の励起光を発する励起光源を用いることが好ましい。
本発明においては、励起光として、波長180〜500nmの紫外線ないし可視光線を用いることがこのましい。その光源としては、例えば、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、水銀−キセノンランプ、エキシマーランプ、ショートアーク灯、ヘリウム・カドミニウムレーザー、アルゴンレーザー、エキシマーレーザー、太陽光が挙げられる。
(超音波振動子)
一般に、超音波振動子は、膜状の圧電材料からなる層(又は膜)(以下、圧電体層」又は「圧電体膜」という。)を挟んで一対の電極を配設して構成され、複数の振動子を例えば1次元配列して超音波探触子が構成される。
そして、複数の振動子が配列された長軸方向の所定数の振動子を口径として設定し、その口径に属する複数の振動子を駆動して被検体内の計測部位に超音波ビームを収束させて照射すると共に、その口径に属する複数の振動子により被検体から発する超音波の反射エコー等を受信して電気信号に変換する機能を有している。
本発明に係る超音波医用画像診断装置は、一般に、超音波送信用振動子と超音波送信用振動子を具備していることから、以下、それぞれについて詳細に説明する。
〈超音波受信用振動子〉
超音波振動子を構成する材料としては、従来、水晶、LiNbO、LiTaO、KNbOなどの単結晶、ZnO、AlNなどの薄膜、Pb(Zr,Ti)O系などの焼結体を分極処理した、いわゆるセラミックスの無機圧電体が広く利用されている。また、高周波側の受信波を検知する圧電素子には、より広い帯域巾の感度が必要であることから、高周波、広帯域に適した圧電素子として、ポリフッ化ビニリデン(以下「PVDF」とも略称する。)などの有機系高分子物質を利用した有機圧電体が知られている。
本願においては、典型的な例として、フッ化ビニリデンを主成分とする有機圧電材料を用いる例について説明する。
本発明に係る超音波受信用振動子を構成する受信用圧電材料の構成材料としての有機圧電材料としては、良好な圧電特性、入手容易性等の観点から、フッ化ビニリデンを主成分とする高分子材料であることが好ましい。
具体的には、大きい双極子モーメントをもつCF基を有する、ポリフッ化ビニリデンの単独重合体又はフッ化ビニリデンを主成分とする共重合体であることが好ましい。
なお、共重合体における第二組成分としては、テトラフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロパン、クロロフルオロエチレン等を用いることができる。
例えば、フッ化ビニリデン/3フッ化エチレン共重合体の場合、共重合比によって厚さ方向の電気機械結合定数(圧電効果)が変化すので、前者の共重合比が60〜99モル%であること、更には、85〜99モル%であることが好ましい。
なお、フッ化ビニリデンを85〜99モル%にして、パーフルオロアルキルビニルエーテル、パーフルオロアルコキシエチレン、パーフルオロヘキサエチレン等を1〜15モル%にしたポリマーは、送信用無機圧電素子と受信用有機圧電素子との組み合わせにおいて、送信基本波を抑制して、高調波受信の感度を高めることができる。
上記高分子圧電材料は、セラミックスからなる無機圧電材料に比べ、薄膜化できることからより高周波の送受信に対応した振動子にすることができる点が特徴である。
本発明においては、当該有機圧電材料は、厚さ共振周波数における比誘電率が10〜50であることを特徴とするが、比誘電率の調整は、当該有機圧電材料を構成する化合物が有するCF基やCN基のような極性官能基の数量、組成、重合度等の調整、及び後述する分極処理によって行うことができる。
なお、本発明の受信用振動子を構成する有機圧電体膜は、複数の高分子材料を積層させた構成とすることもできる。この場合、積層する高分子材料としては、上記の高分子材料の他に下記の比誘電率の比較的低い高分子材料を併用することができる。
なお、下記の例示において、括弧内の数値は、高分子材料(樹脂)の比誘電率を示す。
例えば、メタクリル酸メチル樹脂(3.0)、アクリルニトリル樹脂(4.0)、アセテート樹脂(3.4)、アニリン樹脂(3.5)、アニリンホルムアルデヒド樹脂(4.0)、アミノアルキル樹脂(4.0)、アルキッド樹脂(5.0)、ナイロン−6−6(3.4)、エチレン樹脂(2.2)、エポキシ樹脂(2.5)、塩化ビニル樹脂(3.3)、塩化ビニリデン樹脂(3.0)、尿素ホルムアルデヒド樹脂(7.0)、ポリアセタール樹脂(3.6)、ポリウレタン(5.0)、ポリエステル樹脂(2.8)、ポリエチレン(低圧)(2.3)、ポリエチレンテレフタレート(2.9)、ポリカーポネート樹脂(2.9)、メラミン樹脂(5.1)、メラミンホルムアルデヒド樹脂(8.0)、酢酸セルローズ(3.2)、酢酸ビニル樹脂(2.7)、スチレン樹脂(2.3)、スチレンブタジェンゴム(3.0)、スチロール樹脂(2.4)、フッ化エチレン樹脂(2.0)等を用いることができる。
なお、上記比誘電率の低い高分子材料は、圧電特性を調整するため、或いは有機圧電体膜の物理的強度を付与するため等の種々の目的に応じて適切なものを選択することが好ましい。
〈超音波送信用振動子〉
本発明に係る超音波送信用振動子は、上記受信用圧電材料を有する振動子との関係で適切な比誘電率を有する圧電体材料により構成されることが好ましい。また、耐熱性・耐電圧性に優れた圧電材料を用いることが好ましい。
超音波送信用振動子構成用材料としては、公知の種々の有機圧電材料及び無機圧電材料を用いることができる。
有機圧電材料としては、上記超音波受信用振動子構成用有機圧電材料と同様の高分子材料を用いることできる。
無機材料としては、水晶、ニオブ酸リチウム(LiNbO)、ニオブ酸タンタル酸カリウム[K(Ta,Nb)O]、チタン酸バリウム(BaTiO)、タンタル酸リチウム(LiTaO)、又はチタン酸ジルコン酸鉛(PZT:登録商標)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、チタン酸バリウムストロンチウム(BST)等を用いることができる。尚、PZT:登録商標はPb(ZrTi)O(0.47≦n≦1)が好ましい。
(有機圧電体膜の作製方法)
本発明に係る有機圧電体膜は、上記高分子材料を主たる構成成分として種々の方法で作製することができる。
有機圧電体膜の作製方法としては、基本的には、上記高分子材料の溶液を基板上に塗布し、乾燥して得る方法、又は上記高分子材料の原料化合物を用いて従来公知の蒸着重合法や溶液重合塗布法などにより高分子膜を形成する方法を採用することができる。
蒸着重合法の具体的方法・条件については、特開平7−258370号公報、特開平5−311399号公報、及び特開2006−49418号公報に開示されている方法等が参考となる。
溶液重合塗布法の具体的方法・条件については、従来公知の種々の方法等に従って行うことができる。例えば、原料の混合溶液を基板上に塗布し、減圧条件下である程度乾燥後(溶媒を除去した後)、加熱し、熱重合し、その後又は同時に分極処理をして有機圧電体膜を形成する方法が好ましい。
《延伸製膜》
本発明に係るフッ化ビニリデンを含む有機圧電材料を振動子とする場合、フィルム状に形成し、ついで電気信号を入力するための表面電極を形成するのが一般的である。
フィルム形成は、溶融法、流延法など一般的な方法を用いることができる。ポリフッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体の場合、フィルム状にしたのみで自発分極をもつ結晶型を有することが知られているが、さらに特性を上げるには、分子配列を揃える処理を加えることが有用である。手段としては、延伸製膜、分極処理などが挙げられる。
延伸製膜の方法については、種々の公知の方法を採用することができる。例えば、上記高分子材料をエチルメチルケトン(MEK)などの有機溶媒に溶解した液をガラス板などの基板上に流延し、常温にて溶媒を乾燥させ、所望の厚さのフィルムを得て、このフィルムを室温で所定の倍率の長さに延伸する。当該延伸は、所定形状の有機圧電体膜が破壊されない程度に一軸・ニ軸方向に延伸することができる。延伸倍率は2〜10倍、好ましくは2〜6倍である。
なお、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体および/またはフッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体において、230℃における溶融流動速度(Melt Flow Rate)が0.03g/min以下である。より好ましくは、0.02g/min以下、更に好ましくは、0.01g/minである高分子圧電体を使用すると高感度な圧電体の薄膜が得られる。
《電子線照射》
本発明においては、ポリフッ化ビニリデンの相転移温度の低さを解決するために、分子配列が揃った状態で、当該材料について電子線照射による分子間架橋を行うことを特徴とする。適切な量の電子線を照射すると分子内に壊裂が起こり、フッ化水素の脱離を伴う分子間架橋反応を起こすことができる。
なお、分子間架橋反応を補助する形で2官能以上の多官能の架橋剤を添加することもできる。当該架橋剤としては、例えば、イソシアネート等の官能基を有するトリアリルイソシアネート等を使用することができる。
一般的にフッ素系の高分子に電子線照射を行うと分子内壊裂が優先して起こる。このため、得られる材料の力学的特性は弱くなるが、本発明においては、延伸後、分極処理をする前の分子配列状態において、0.1〜50kGyの電子線量を照射することでフィルムの物性を損ねることなく耐熱性が向上する。
《分極処理》
本発明に係る分極処理における分極処理方法としては、従来公知の直流電圧印加処理、交流電圧印加処理又はコロナ放電処理等の方法が適用され得る。
例えば、コロナ放電処理法による場合には、コロナ放電処理は、市販の高電圧電源と電極からなる装置を使用して処理することができる。
放電条件は、機器や処理環境により異なるので適宜条件を選択することが好ましい。高電圧電源の電圧としては−1〜−20kV、電流としては1〜80mA、電極間距離としては、1〜10cmが好ましく、印加電圧は、0.5〜2.0MV/mであることが好ましい。
電極としては、従来から用いられている針状電極、線状電極(ワイヤー電極)、網状電極が好ましいが、本発明ではこれらに限定されるものではない。
(基板)
基板としては、本発明に係る有機圧電体膜の用途・使用方法等により基板の選択は異なる。本発明においては、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリカーボネート樹脂、シクロオレフィンポリマーのようなプラスチック板又はフィルムを用いることができる。また、これらの素材の表面をアルミニウム、金、銅、マグネシウム、珪素等で覆ったものでもよい。またアルミニウム、金、銅、マグネシウム、珪素単体、希土類のハロゲン化物の単結晶の板又はフィルムでもかまわない。
(電極)
本発明に係る圧電材料を有する振動子は、圧電体膜(層)の両面上又は片面上に電極を形成し、その圧電体膜を分極処理することによって作製されるものである。当該電極は、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)などを主体とした電極材料を用いて形成する。
電極の形成に際しては、まず、チタン(Ti)やクロム(Cr)などの下地金属をスパッタ法により0.02〜1.0μmの厚さに形成する。その後、上記金属元素を主体とする金属及びそれらの合金からなる金属材料、さらには必要に応じ一部絶縁材料をスパッタ法、その他の適当な方法で1〜10μmの厚さに形成する。これらの電極形成はスパッタ法以外でも微粉末の金属粉末と低融点ガラスを混合した導電ペーストをスクリーン印刷やディッピング法、溶射法で形成することもできる。
さらに、圧電体膜の両面に形成した電極間に、所定の電圧を供給し、圧電体膜を分極することで圧電素子が得られる。
(超音波探触子)
本発明においては、超音波の送受信の両方をひとつの振動子で担ってもよいが、より好ましくは、送信用と受信用で振動子は分けて探触子内に構成される。
送信用振動子を構成する圧電材料としては、従来公知のセラミックス無機圧電材料でも、有機圧電材料でもよい。
本発明に係る超音波探触子においては、送信用振動子の上もしくは並列に本発明の超音波受信用振動子を配置することができる。
より好ましい実施形態としては、超音波送信用振動子の上に本発明の超音波受信用振動子を積層する構造が良く、その際には、本発明の超音波受信用振動子は他の高分子材料(支持体として上記の比誘電率が比較的低い高分子(樹脂)フィルム、例えば、ポリエステルフィルム)の上に添合した形で送信用振動子の上に積層してもよい。その際の受信用振動子と他の高分子材料と合わせた膜厚は、探触子の設計上好ましい受信周波数帯域に合わせることが好ましい。実用的な超音波医用画像診断装置および生体情報収集に現実的な周波数帯から鑑みると、その膜厚は、40〜150μmであることが好ましい。
なお、当該探触子には、バッキング層、音響整合層、音響レンズなどを設けても良い。また、多数の圧電材料を有する振動子を2次元に並べた探触子とすることもできる。複数の2次元配列した探触子を順次走査して、画像化するスキャナーとして構成させることもできる。
(バッキング(ダンパー))
本発明においては、超音波振動子の背面に配置し、後方への超音波の伝搬を抑制することを目的としてバッキングを備えることも好ましい。これにより、パルス幅を短くすることができる。
(音響整合層)
音響整合層(「λ/4層」ともいう。)は、振動子と生体間の音響インピーダンス差を少なくし、超音波を効率よく送受信するために多層配置される。
超音波探触子の一例の主要部の構成を示す断面図を図1に示す。図1において、フレキシブル基板25は、基板材20の両面に導電部である銅箔21、22の配線パターンを形成した両面基板である。
突出部19aに形成された第1電極9と銅箔21、突出部19bに形成された第2電極10と銅箔22は、図示せぬ導電性接着剤やハンダなどによりそれぞれ接続され、フレキシブル基板25a、25bは、送信用超音波振動子層2の側(Z軸負方向)に折り曲げられている。銅箔21、22の厚さは3〜50μm程度であり、折り曲げても全く問題ない。
ダイシング後の突出部19a、19bのY軸方向の間隔Pは非常に狭いので、フレキシブル基板25a、25bの第1電極9、第2電極10と接続する部分の配線パターンを等間隔にすると実装が困難である。本実施形態では、図示せぬフレキシブル基板25a、25bの第1電極9、第2電極10と接続する部分のパターン間隔を2倍の2Pにし、フレキシブル基板25aとフレキシブル基板25bとが交互に突出部19a、19bに設けられた電極と接続するようにパターニングしている。
フレキシブル基板25a、25bの銅箔21、22はカバーレイ23に覆われて所定の位置まで配線され、フレキシブル基板25a、25bに設けられた図示せぬコネクタによりケーブル33と着脱可能に接続される。
このように、本実施形態では、第1電極9、第2電極10が突出部19a、19bの面に形成されているので、フレキシブル基板25a、25bと容易に接続することができるとともに、接続後に振動などにより第1電極9、第2電極10がひび割れることがない。また、このことにより超音波診断装置100の信頼性を高めることができる。
なお、第1電極9、第2電極10との接続は、両面フレキシブル基板に限らず片面フレキシブル基板やそのほかの配線材を用いても良い。また、突出部19a、19bの面に第1電極9、第2電極10の何れか一方を形成しても良い。
(超音波医用画像診断装置)
本発明に係る上記超音波探触子は、種々の態様の超音波医用画像診断装置に用いることができる。例えば、図2に示すような超音波医用画像診断装置において好適に使用することができる。
図2は、本発明の実施形態の超音波医用画像診断装置の主要部の構成を示す概念図である。この超音波医用画像診断装置は、患者などの被検体に対して超音波を送信し、被検体で反射した超音波をエコー信号として受信する圧電体振動子が配列されている超音波探触子(プローブ)を備えている。また当該超音波探触子に電気信号を供給して超音波を発生させるとともに、当該超音波探触子の各圧電体振動子が受信したエコー信号を受信する送受信回路と、送受信回路の送受信制御を行う送受信制御回路を備えている。
更に、送受信回路が受信したエコー信号を被検体の超音波画像データに変換する画像データ変換回路を備えている。また当該画像データ変換回路によって変換された超音波画像データでモニタを制御して表示する表示制御回路と、超音波医用画像診断装置全体の制御を行う制御回路を備えている。
制御回路には、送受信制御回路、画像データ変換回路、表示制御回路が接続されており、制御回路はこれら各部の動作を制御している。そして、超音波探触子の各圧電体振動子に電気信号を印加して被検体に対して超音波を送信し、被検体内部で音響インピーダンスの不整合によって生じる反射波を超音波探触子で受信する。
なお、上記送受信回路が「電気信号を発生する手段」に相当し、画像データ変換回路が「画像処理手段」に相当する。
上記のような超音波医用画像診断装置によれば、本発明の圧電特性及び耐熱性に優れかつ高周波・広帯域に適した超音波受信用振動子の特徴を生かして、従来技術と比較して画質とその再現・安定性が向上した超音波像を得ることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されない。
(音響レンズの作製)
2本ロールなどで混練ができるいわゆるミラブルタイプのシリコン樹脂で、実質的にフィラーが添加されていないシリコンガムベースにケイ素塩化物を気化し高温の水素炎中において気相反応によって合成されるフュームドシリカ微粒子(平均一次粒径12nm)をガムベース100質量部に対し3.8質量部添加した、さらに、酸化亜鉛(平均一次粒径70nm)を82質量部添加し混練した後、図3(a)に示すような形状に金型による加圧成型を行った。
同様にミラブルシリコンガムベースに、特願2008−202865号明細書の実施例1に記載の方法で製造したSi/SiOコア/シェル型ナノ粒子を3.8質量部添加し、同様に同一の酸化亜鉛を同一量添加し、混練した後、図3(b)に示すような形状に金型による加圧成型を行った。
これら2つの成型物を、図4(a)、及び図4(b)に示す接着面でそれぞれ貼り合わせた。一方の接着面に、フィラー無添加のRTVシリコン樹脂に酸化亜鉛(平均一次粒径70nm)47質量部添加したものを塗布し、十分脱泡した後にもう一方の成型物を張り合わせ、加圧密着させた後、50℃で2時間硬化させた。
これをトランスデューサーの音響整合層の上に接着し、超音波トランスデューサー101を作製し、これを用いた超音波探触子201を作製し、同じものを合計6台作製した。
なお、Si/SiOコア/シェル型ナノ粒子は、下記の方法に従って調製した。
熱処理したSiOx(x≦1.999)のフッ酸中溶解によりSiの半導体ナノ粒子(以下において「Si半導体微粒子」又は「Siコア粒子」ともいう。)を製造する場合、先ず、プラズマCVDによりシリコンウエハー上に成膜したSiOx(x≦1.999)を不活性ガス雰囲気中で1100℃、アニールを行う。これにより、SiO膜中にSi半導体微粒子(結晶)が析出する。アニール時間を調整させることによりサイズの異なるSi微粒子を析出させた。
次に、このシリコンウエハーを室温で1%程度のフッ酸水溶液で処理することによりSiO膜を除去し、液面に凝集した数nmサイズのSi半導体微粒子を回収する。なお、このフッ酸処理により、半導体微粒子(結晶)表面のSi原子のダングリングボンド(未結合手)が水素終端され、Si結晶が安定化する。その後、回収したSi半導体微粒子の表面を酸素雰囲気中800℃〜1000℃で約1.5時間加熱して熱酸化し、Si半導体微粒子からなるコアの周囲にSiOからなるシェル層を形成した。
一方、超音波探触子101に対し、Si/SiOコア/シェル型ナノ粒子に替えて、平均一次粒径12nmのフュームドシリカを同様に添加した以外は、同様にしてレンズを作製し、これをトランスデューサーの音響整合層の上に接着し、超音波トランスデューサー102を作製し。これを用いた超音波トランスデューサー202を作製し、同じものを計6台作製した。
各々の超音波探触子2個のうちの1個の音響レンズ部にエコーゼリーを3g塗り、旭化成(株)製BEMCOT M−3II(商品名)でふき取る作業をそれぞれ200回、400回、600回、800回、1000回繰り返したもの1台ずつ計5台を作製し、残り1台は塗布ふき取り作業は行わなかった。それぞれのプローブに254nmで20mJ/cmのUV光を照射した。超音波探触子201(本発明)は、400回塗布ふき取りを繰り返したものは、はっきりと蛍光が視認できるものであったが、600回塗布ふき取りのものはかなり蛍光が低くなり、800回塗布ふき取りのものでは通常の室内照明下では蛍光が視認できない状態となっていた。また、各々の超音波探触子を200回、400回、600回、800回、1000回のプローブでそれぞれ、同一の被検者の同じ患部の画像診断を、6名の医師、及び2名のソノグラファーにより行った。6名の医師、及び2名のソノグラファーは、各々どのプローブがどの様な状態のものかは分からない状態である。計8名による画像診断の結果、600回ふき取り後のものでは1名が、800回ふき取り後のものではさらに1名が、1000回ふき取り後のものではさらに2名が診断できないと判断した。一方、エコーゼリー塗布、ふき取りを全く行っていない残りの1台で、前記8名による診断を行ったところ、8名全てが病変をみつけ、同じ診断をした。その結果、800回ふき取り後のプローブによる診断でも、診断した6名のうち、3名はふき取りを行っていないプローブとは異なる診断結果であった。
次に、超音波探触子の音響レンズ部を、ゼリーを塗った人間の腹部に接触させ、ゼリーをふき取った後に紫外線照射したものと、しないものを用意し、1週間放置した。その後、滅菌蒸留水と滅菌処理した綿棒を用意し、綿棒に滅菌蒸留水を浸し、前記2種類の超音波探触子の音響レンズ面をこすった。こすった綿棒をスライドガラスにこすりつけ、グラム染色法により細菌を染色し、顕微鏡により視野内の細胞の数を数えたところ、グラム陽性菌では、紫外線照射ありのものに対して紫外線照射なしのものの約80倍、グラム陰性菌では同様に約110倍の数の細菌が確認された。
このように、本発明により、超音波探触子の被検体と接する部分を紫外線により効果的に消毒すると共に、音響レンズ部分の磨耗を視覚的に知らせることができ、画像診断における誤診を効果的に減少させることができることが分かる。
1 超音波探触子
2 送信用超音波振動子
3 受信用超音波振動子
5 バッキング材
6 整合層
9 第1電極
10 第2電極
13 中間層
14 第3電極
15 第4電極
19 突出部
20 基板材
21、22 銅箔
23 カバーレイ
25 フレキシブル基板
1A 受信用圧電材料
2A 支持体
3A 送信用圧電材料
4A バッキング層
5A 電極
6A 音響レンズ

Claims (4)

  1. 被検体表面に接触させる音響レンズを備えた超音波探触子であって、当該音響レンズの被検体表面に近い領域に、励起光を照射することにより発光する物質が添加されていることを特徴とする超音波探触子。
  2. 前記発光する物質が、音響レンズの厚さ方向における最外表面から最厚部分の厚さに対して30%までの領域に添加されていることを特徴とする請求項1に記載の超音波探触子。
  3. 前記励起光が、紫外線であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の超音波探触子。
  4. 電気信号を発生する手段と、前記電気信号を受けて超音波を被検体に向けて送信し、前記被検体から受けた反射波に応じた受信信号を生成する複数の振動子が配置された超音波探触子と、前記超音波探触子が生成した前記受信信号に応じて、前記被検体の画像を生成する画像処理手段とを有する超音波医用画像診断装置であって、前記超音波探触子として、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の超音波探触子を用いたことを特徴とする超音波医用画像診断装置。
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