JP2008193290A - 音響整合部材、超音波送受波器、および超音波流量計 - Google Patents
音響整合部材、超音波送受波器、および超音波流量計 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】本発明の音響整合部材15は、圧電振動子11を備え、超音波を送信または受信する超音波送受波器に組み込むための音響整合部材15であって、保持体2と前記保持体の孔部4に前記保持体2よりも小さい孔径を備える乾燥ゲル3を形成した音響整合部材15とすることにより、乾燥ゲル3は保持体2によって保持され、ゲルの乾燥工程あるいは熱衝撃試験時の歪に対する耐性が向上するので、音響整合部材のクラック、割れ、剥離などの破壊が起こりにくく、故障しにくい音響整合部材、超音波送受波器、超音波流量計を提供することができる。
【選択図】図1
Description
器18から出た超音波パルスが超音波送受波器19に到達する伝搬時間t1は、
t1=L/(C+Vcosθ) (1)
で示される。
t2=L/(C−Vcosθ) (2)
で示される。
V=L/2cosθ((1/t1)−(1/t2)) (3)
の式が得られる。
音響インピーダンスは振動手段である圧電振動子と超音波の放射媒体である気体とでは大きく異なる。例えば、一般的な圧電振動子であるPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等のピエゾセラミックスの音響インピーダンス(Z0)は30×106kg/m2/s程度である。また、放射媒体である気体、例えば空気の音響インピーダンス(Z3)は400kg/m2/s程度である。このような音響インピーダンスの異なる境界面上では音波の伝搬に反射を生じて、透過する音波の強さが弱くなる。これを解決する方法として、振動手段である圧電振動子と超音波の放射媒体である気体のそれぞれの音響インピーダンスZ0とZ3に対して、両者の間に式(5)の関係を有する音響インピーダンスを持つ物質を挿入することによって、音の反射を軽減して音波の透過する強度を高める方法が一般に知られている。
この条件を満たす音響インピーダンスが整合した時の最適な値は、11×104kg/m2/s程度となる。この音響インピーダンスを満たす物質は、式(4)からわかるように固体で密度が小さく音速の遅いものであることが要求される。
する。
ができる。
図1は本発明第1の実施の形態における音響整合部材の断面拡大図を示すものである。
セラミックスの粉砕は、ボールミルやポットミル等で混合、粉砕等することにより得られる。セラミック粉の平均粒径は特に限定しないが、好ましくは、10μm以下である。この範囲の平均粒径のセラミックスを用いると、スラリー中での粉末分散性が向上されるとともに、焼結性も向上されるからである。
セラミックススラリーにおいて、セラミックス粉末を懸濁する媒体は、水、有機溶媒、これらの混合溶媒等を使用することができる。好ましくは水を使用する。セラミックススラリー中に、セラミックス粉末を均一に含有させるためには、適当な分散剤を使用することが好ましい。分散剤として、ポリカルボン酸系分散剤(アニオン系分散剤)を使用でき、具体的には、ポリカルボン酸アンモニウムやポリカルボン酸ナトリウムを使用できる。好ましくは、分散剤の添加量に伴うスラリー粘度変化が大きい分散剤を使用する。分散剤の使用量は、好ましくは、セラミックス粉末の重量に対して5重量%以下であり、より好ましくは、1重量%以下である。
以上のようにして作製したスラリーに気泡を導入する。この気泡導入工程において、ゲル化材料として重合性材料を用いる場合には、重合性材料とともに、重合開始剤、あるいは重合開始剤と重合触媒とを添加することが好ましい。重合触媒を添加すれば、ゲル化温度やその添加量によりゲル化工程の時間を調整することができる。通常、重合触媒を添加すると、室温付近で速やかにゲル化(重合)が開始される。したがって、気泡導入方法や気泡導入量等を考慮して、重合触媒の使用や種類が選択される。重合触媒としては、例えば、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等を挙げることができる。
このようにして調製した含気泡セラミックススラリーを、成形型等に注入して、ゲル化させ、ゲル状多孔質成形体を形成する。含気泡セラミックススラリー円筒状の型に流し込み、重合反応あるいはゲル化反応を行って、固化させる。スラリーが固化すると、スラリー中に存在していた気泡も、ゲル状体中に保存される。この結果、固化体が多孔質となり、ゲル状多孔質成形体が得られる。これを脱型して、乾燥、脱脂、焼成する。乾燥は、ゲル状多孔質成形体中に含まれている水、溶媒を蒸発させるように行う。乾燥条件(温度、湿度、時間等)は、スラリー調製に用いた溶媒の種類とゲル状多孔質成形体の骨格部分を構成する成分(ゲル化剤あるいは重合体)によって適宜調整する。通常は、20℃以上であり、好ましくは、25℃以上80℃以下であり、より好ましくは、25℃以上40℃以下である。
つぎに、乾燥体から有機分を除去するために、さらに高温で加熱する。脱脂のための温
度と時間は、使用した有機分の量および種類によって調整する。例えば、ゲル化のための材料としてメタクリルアミドとN,N−メチレンビスアクリルアミドを用いたスラリーから調製したゲル状多孔質成形体の場合、700℃で2日間脱脂する。
ただし、かさ密度=試料の重量/試料のかさ体積である。真密度は、例えば、極めて微粉化した試料の任意量をピクノメータに投入し、所定の容積に至るまで水を注入して煮沸等してボイドを排除した上で、その重さと容積との関係から求めることができる。前記効率が、60%以下では、音響整合部材1の密度ρ1が大きくなり孔径90%を超えると機械的強度の低下が著しいからである。開気孔率は、より好ましくは、65%以上であり、また、85%以下である。以上の材料、および製造条件を最適化し、本発明の実施の形態における音響整合部材1の保持体2の密度を200kg/m3以上400kg/m3未満で調整することで密度の低く強度の大きい保持体2を実現することができた。
本実施形態では、まず、いわゆるゾルゲル法により第1湿潤ゲルを作製する。その際、
第1ゲル原料に第1触媒(ゲル化触媒)を加えてゲル化を進行させる。
第1ゲル化工程に引き続き、再構築工程が実施される。
群の中のものを使用することができるが、特に、第1ゲル化工程時のゲル化触媒と同一のものである必要はない。
再構築工程に続き、疎水化工程を実施する。この工程では、再構築工程までに得られた湿潤ゲルの表面に、溶媒中に溶解した疎水化剤を反応させることで、疎水基を導入する。疎水化剤は、後述するクロロシラン等の場合は、水と反応して湿潤ゲル表面との反応性が低下するため、疎水化の前に、水溶性の溶媒により洗浄することで、あるいは水と共沸する溶媒を用いて留去することで水を除くことが好ましい。
疎水化工程に続き、乾燥工程を実施する。この工程では、疎水化工程までに得られた湿潤ゲルから溶媒を除くことにより、乾燥ゲルを得る。
塩化水素等の気体状態で導入可能な触媒を用いることも有効である。
図4は、本発明第2の実施の形態における超音波送受波器の製造方法を示す工程断面図である。以下超音波送受波器15の製造工程に関して説明する。工程(a)は音響整合部材1を形成する工程であり、実施の形態1と同様のため省略する。工程(b)は、密閉容器9である有天筒状の金属ケースの天面外壁部10および、上下に銀電極備えた圧電振動
子11の上面12に接着剤をスクリーン印刷する工程である。金属ケースは、鉄、真鍮、銅、アルミ、あるいは、これらの合金、あるいはこれらの金属の表面にめっきを施した金属など何でも良く、限定されるものではない。
図5は、本発明第3の実施の形態における保持体2の断面写真を示すものであり、(a)は孔径が相対的に大きく、(b)は相対的に小さい。
2 保持体
3 乾燥ゲル
4 孔部
9 密閉容器
11 圧電振動子
15、20 超音波送受信器
17 流量計測部
18 計測回路
19 演算手段
Claims (12)
- 圧電振動子を備え、超音波を送信または受信する超音波送受波器に組み込むための音響整合部材であって、保持体と前記保持体の孔部に前記保持体よりも小さい孔径を備える乾燥ゲルを形成した音響整合部材。
- 保持体の密度ρ1と乾燥ゲルの密度ρ2との関係が、ρ1>ρ2なる関係とした請求項1に記載の音響整合部材。
- 保持体のヤング率E1と乾燥ゲルのヤング率E2との関係が、E1>E2なる関係とした請求項1または2に記載の音響整合部材。
- 保持体の厚さは、乾燥ゲルの厚さに略等しい請求項1〜3のいずれか1項に記載の音響整合部材。
- 保持体の密度ρ1が200kg/m3以上400kg/m3未満とした請求項1〜4のいずれか1項に記載の音響整合部材。
- 保持体の孔径は500μm以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の音響整合部材。
- 保持体の気孔率を60%以上90%以下とした項1〜6のいずれか1項に記載の音響整合部材。
- 保持体はセラミックスを含む材料で形成した請求項1〜7のいずれか1項に記載の音響整合部材。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の音響整合部材と圧電振動子とを備えた、超音波を送信または受信する超音波送受波器。
- 圧電振動子が密閉容器の内面に配置されてなり、音響整合部材が密閉容器の前記圧電振動子の配置位置に対向した外面に配置されている請求項9に記載の超音波送受波器。
- 密閉容器が金属材料である請求項10に記載の超音波送受波器。
- 請求項9〜11のいずれか1項に記載の超音波送受波器を具備する超音波流量計であって、被測定流体が流れる流量計測部と、前記流量計測部に、前記被測定流体の流れの上流側と下流側とに、対向させて配置した一対の前記超音波送受波器と、前記一対の超音波送受波器間の超音波伝搬時間計測回路と、前記伝搬時間に基づき、前記被測定流体の流量を算出する演算手段とを具備する超音波流量計。
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