JP2008263419A - 音響整合体、超音波送受波器、および超音波流速流量計 - Google Patents
音響整合体、超音波送受波器、および超音波流速流量計 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】音響整合体10はセラミック多孔体の骨格を形成する表面に、所定の厚みになるように蒸着処理で撥水性を有する樹脂膜13を施したセラミック多孔体で形成してあるので、性質上吸湿しやすいセラミック多孔体の表面が樹脂膜13で覆われ露出しなくなり、温度変化、或いは高温高湿下に放置されても音響整合体の吸湿が抑制され、良好な出力感度を維持できることとなる。また、堅くて脆いセラミック多孔体の表面に柔軟性を有する樹脂膜で覆い脆さをカバーするため、セラミック多孔体の一部が欠けたり、発塵する心配もなくなる。
【選択図】図2
Description
も空隙が形成できるため、セラミック多孔体の密度を小さくすることで、被測定流体との振動の伝搬効率を向上することができる。
本発明の音響整合体を使用して構成する、超音波送受波器の一例を図1に示す。図1において、音響整合体は、圧電体3に、接合体4である接着剤で接合されて、超音波送受波器1を形成する。圧電体3には、対向する電極5、6が形成されている。電極は、銀または金などの導電性ペーストを加熱し、焼き付けて形成する。電極5、6と電極リード7、8とは、はんだ又は銀ロウなどによって電気的に接合されている。以下、音響整合体について説明し、さらに、音響整合体を形成する多孔体について説明する。
セラミックの粉砕は、ボールミルやポットミル等で混合、粉砕等することにより得られる。セラミック粉の平均粒径は特に限定しないが、好ましくは、10μm以下である。この範囲の平均粒径のセラミックを用いると、スラリー中での粉末分散性が向上されるとともに、焼結性も向上されるからである。
セラミックスラリーにおいて、セラミック粉末を懸濁する媒体は、水、有機溶媒、これらの混合溶媒等を使用することができる。好ましくは水を使用する。セラミックスラリー中に、セラミック粉末を均一に含有させるためには、適当な分散剤を使用することが好ましい。分散剤として、ポリカルボン酸系分散剤(アニオン系分散剤)を使用でき、具体的には、ポリカルボン酸アンモニウムやポリカルボン酸ナトリウムを使用できる。好ましくは、分散剤の添加量に伴うスラリー粘度変化が大きい分散剤を使用する。分散剤の使用量は、好ましくは、セラミック粉末の重量に対して5重量%以下であり、より好ましくは、1重量%以下である。
以上のようにして作製したスラリーに気泡を導入する。この気泡導入工程において、ゲル化材料として重合性材料を用いる場合には、重合性材料とともに、重合開始剤、あるいは重合開始剤と重合触媒とを添加することが好ましい。重合触媒を添加すれば、ゲル化温度やその添加量によりゲル化工程の時間を調整することができる。通常、重合触媒を添加すると、室温付近で速やかにゲル化(重合)が開始される。したがって、気泡導入方法や気泡導入量等を考慮して、重合触媒の使用や種類が選択される。重合触媒としては、例えば、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等を挙げることができる。
このようにして調製した含気泡セラミックスラリーを、成形型等に注入して、ゲル化させ、ゲル状多孔質成形体を形成する。含気泡セラミックスラリー円筒状の型に流し込み、重合反応あるいはゲル化反応を行って、固化させる。スラリーが固化すると、スラリー中に存在していた気泡も、ゲル状体中に保存される。この結果、固化体が多孔質となり、ゲル状多孔質成形体が得られる。これを脱型して、乾燥、脱脂、焼成する。乾燥は、ゲル状多孔質成形体中に含まれている水、溶媒を蒸発させるように行う。乾燥条件(温度、湿度、時間等)は、スラリー調製に用いた溶媒の種類とゲル状多孔質成形体の骨格部分を構成する成分(ゲル化剤あるいは重合体)によって適宜調整する。通常は、20℃以上であり、好ましくは、25℃以上80℃以下であり、より好ましくは、25℃以上40℃以下である。
つぎに、乾燥体から有機分を除去するために、さらに高温で加熱する。脱脂のための温度と時間は、使用した有機分の量および種類によって調整する。例えば、ゲル化のための材料としてメタクリルアミドとN,N-メチレンビスアクリルアミドを用いたスラリーから調製したゲル状多孔質成形体の場合、700℃で2日間脱脂する。
ただし、かさ密度=試料の重量/試料のかさ体積である。真密度は、例えば、極めて微粉化した試料の任意量をピクノメータに投入し、所定の容積に至るまで水を注入して煮沸等してボイドを排除した上で、その重さと容積との関係から求めることができる。前記効率が、60%以下では、音響整合体1の密度ρ1が大きくなり孔径90%を超えると機械的強度の低下が著しいからである。開気孔率は、より好ましくは、65%以上であり、また、85%以下である。以上の材料、および製造条件を最適化し、本発明の実施の形態における音響整合体1のセラミック多孔体11の密度を200kg/m3以上400kg/m3未満で調整することで密度の低く強度の大きいセラミック多孔体11を実現することができた。
図4に示す超音波送受波器20は、有天筒状ケース21を有し、ケースの有天部内壁面に接合手段22によって密着するように配設した圧電体23と、前記ケースの有天部外壁面に接合手段24で密着するように配設したセラミック多孔体25で形成された音響整合体26を接着して固定するとともに、その反対面にフィルム状の音響膜27を形成してある。
脂膜を形成することによって、多孔体の欠け、発塵性が低減される。
図7は、本発明第3の実施の形態における超音波流速・流量計の断面図を示すものである。
t1 = L /(C+Vcosθ) (2)
で示される。
t2 = L /(C−Vcosθ) (3)
で示される。
そして、(2)と(3)の式から流体の音速Cを消去すると、
V = L /2cosθ(1/t1−1/t2) (4)
の式が得られる。
3 圧電体
10 音響整合体
13 撥水性を有する膜
14 音響膜
Claims (14)
- 圧電体を備え、超音波を送信または受信する超音波送受波器に組み込むための音響整合体であって、多孔体で形成される骨格に撥水性を有する膜を形成した音響整合体。
- 多孔体は、セラミックス多孔体とした請求項1記載の音響整合体。
- 撥水性を有する膜は、蒸着法によって形成した請求項1記載の音響整合体。
- 撥水性を有する膜は、モノマー状態で気化し、多孔体付着時にポリマーとなる材料を用いた請求項3記載の音響整合体。
- 音響整合体天部外壁面に音響膜を備え、前記音響膜は他の基材に印刷後、多孔体に転写して形成した請求項1から4のいずれか1項記載の音響整合体。
- 他の基材は、離型フィルムとした請求項5記載の音響整合体。
- 多孔体は、セラミックス粉末を少なくとも1種類有する含気泡セラミックススラリーを成形型内でゲル化してゲル状多孔質成形体を得ること、ゲル状多孔質成形体を乾燥または脱脂すること、およびゲル状多孔質成形体を焼成することを含む方法により形成した請求項2記載の音響整合体の製造方法。
- 多孔体は、セラミックス粉末を少なくとも1種類と、空隙形成部材とを含むセラミックスラリーを成形型内でゲル化してゲル状多孔質成形体を得ること、ゲル状多孔質成形体を乾燥または脱脂すること、およびゲル状多孔質成形体を焼成することを含む方法により形成した請求項2記載の音響整合体の製造方法。
- 撥水性を有する膜は、多孔体を請求項7または8に記載の製造方法によって棒状に形成したセラミック多孔体の骨格に形成し、所定の形状にスライスして形成した請求項1から8のいずれか1項記載の音響整合体。
- 音響整合体と圧電体とを具備し、前記音響整合体が請求項1から9のいずれか1項記載の音響整合体とした超音波送受波器。
- 有天筒状ケースと前記有天筒状ケース天部内壁面に固定した圧電体と、前記有天筒状ケース天部外壁面に固定した音響整合体と、前記有天筒状ケース支持部に溶接固定した導電性の端子板とを具備し、前記音響整合体が請求項1から9のいずれか1項記載の音響整合体とした超音波送受波器。
- 撥水性を有する膜は、少なくとも前記ケースの天部外壁面に音響整合体を密着手段で密着するように配設した状態で形成した請求項10または11記載の超音波送受波器。
- 撥水性を有する膜は、少なくとも前記端子板とケースを接合した状態で形成した請求項10または11記載の超音波送受波器。
- 被測定流体が流れる流路、
1対の、請求項10から13のいずれか1項記載の超音波送受波器、および
超音波送受波器間の超音波伝播時間を測定する計時装置
を含む、超音波流速流量計。
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