JP2003309890A - 超音波探触子 - Google Patents

超音波探触子

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JP2003309890A
JP2003309890A JP2002115355A JP2002115355A JP2003309890A JP 2003309890 A JP2003309890 A JP 2003309890A JP 2002115355 A JP2002115355 A JP 2002115355A JP 2002115355 A JP2002115355 A JP 2002115355A JP 2003309890 A JP2003309890 A JP 2003309890A
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ultrasonic
ultrasonic probe
sound
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Shigeyoshi Hasegawa
重好 長谷川
Kazuyoshi Irioka
一吉 入岡
Jun Koizumi
順 小泉
Michiyo Hirayama
道代 平山
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】音響ウインドウと超音波振動子間に介在する音
響伝播液のウインドウ材料内への浸潤とウインドウ外部
への透過を防止し、ウインドウ内部の音響伝播液の圧力
を維持することのできる超音波探触子を提供する。 【解決手段】被検体に接触し超音波が通過する音響ウイ
ンドウ4の内面に気体及び液体の浸潤と透過を防止する
ポリパラキシレン層3と、超音波送受信する振動子2
と、振動子2よりの超音波を伝播する音響伝播液5とを
備え、音響伝播液5が音響ウインドウ4に包囲される密
封状態を形成し、音響伝播液5の圧力変化を小さくす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は音響ウインドウを有
した超音波探触子の気体および液体透過阻止構造に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】超音波探触子は、魚群探知器や生体を対
象とした超音波診断装置などに用いられている。従来、
この種の超音波探触子は特開平02―98341号公報
に記載されたものが知られている。図4に示す従来の超
音波探触子は、超音波を送受波する振動子11と、音響
ウインドウ19と超音波媒体としての音響伝播液27で
構成されており、音響ウインドウ19を被検体に接触さ
せ、音響伝播液の密封状態を維持しつつ振動子11を機
械的に走査して超音波送受波を行なっていた。また、振
動子11はハウジング12内に格納され、両端には回転
軸12a,12bが設けられ、下側には傘歯車18が固
着されている。回転軸12a,12bは中空軸で信号ケ
ーブル用のリール15が固着されている。回転軸12
a,12bは、円環状の支持体24に装着される2個の
軸受23によって支承され、支持体24は筒体25の上
部に固定されている。モータの出力軸13の先端には傘
歯車17が固着され、軸部にはシール14が装着されて
いる。支持体24の外周面にはU字溝が形成され、ここ
にOリング20が挿入されている。音響ウインドウ19
の下部の外側には連続したリング状のバンド21が嵌め
られその締め付け力によってOリング20がとの接触個
所がシールされる。そして、全体は外部ハウジング26
に収納されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
超音波探触子においては、音響伝播液の気密性を必要と
しながらも音響ウインドウ19への浸透、さらに音響ウ
インドウ19外側への透過があり、暖期外気温環境にて
数ヶ月程度で内部圧力下限値を基準とすると負圧とな
り、初期状態を維持するために随時音響伝播液27を補
充しなければならないという問題があった。
【0004】本発明は、従来の問題を解決するため、液
体及びガス遮断性の高いバリア層により音響ウインドウ
からの音響伝播液の透過を防止し、液量の減少を抑止し
て補充を回避することのできる超音波探触子を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明の超音波探触子は、超音波を送受波する圧電体か
らなる素子と、前記素子を包囲する音響ウインドウ内に
超音波伝播液が充填されている超音波探触子であって、
前記音響ウインドウには、液体及び気体透過を遮断する
バリア層が形成されていることを特徴とする。
【0006】前記バリア層は、前記音響ウインドウの内
面または外側に形成されていても良いが、好ましくは内
側である。また、前記バリア層はポリパラキシリレンま
たは金属薄膜により形成されていることが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において、音響ウインドウ
は、例えばポリ(メチルペンテン−1)の厚さ1〜3m
m程度のものを用いる。体表への押し当てに対して変形
が少なくて抽出画像が歪まず、超音波減衰が許容できる
程度の厚さだからである。これは従来例のものを用いる
ことができる。この音響ウインドウの内面には、液体及
び気体透過を遮断するバリア層を形成する。バリア層と
しては、ポリパラキシレリン層の場合は、液体透過阻止
性および製造方法から厚さ0.1μm〜500μmが可
能だが、膜の取り扱い性や生産性面から1μm〜100
μmが好適である。
【0008】金属層の場合は、例えば厚さ0.1〜30
μm程度のアルミニウムを用いることが好ましい。蒸着
膜厚形成容易な厚さでバリア効果は0.1μmでも十分
に発揮できる。
【0009】ポリパラキシリレン層を用いる場合は、音
響ウインドウの内面とポリパラキシリレン層を堆積密着
させて形成するのが好ましい。
【0010】ポリパラキシレリン層はジパラキシレリン
を化学蒸着してポリパラキシレリン樹脂層として形成す
ることができ、スリーボンド社製商品名”パリレン”な
どが適用できる。前記ポリパラキシレリン樹脂について
さらに詳しく説明する。この樹脂は、ます下記式(化
1)に示すように、パラキシレンを約900℃、水存在
下で熱分解してラジカル化し、ベンゼン又はトルエン中
で50〜250℃に急冷する。これにより、ジパラキシ
レンが得られる。
【0011】
【化1】
【0012】得られたジパラキシレンを下記式(化2)
に示すように、低圧下において約600℃に昇温し、熱
分解させ、パラキシリレンラジカルガス中間体にする。
このガスは非常に反応性に富んでおり、これを音響ウイ
ンドウ内面表面に導くと、凝縮して重合し、分子量約5
0万の高分子量のポリパラキシリレンが得られる。した
がって、蒸着法により被膜を形成できる。なお、(化
2)において、nはくり返し単位を示す。
【0013】
【化2】
【0014】本発明によれば、極めて薄い層が形成で
き、音響伝播液の透過流出を防止することができる。
【0015】さらに、本発明の超音波探触子は、音響ウ
インドウ内面のバリア層として、金属性薄膜を貼り付け
てもよい。これにより、一層薄膜の層が形成でき、音響
伝播液の透過による流出を防止することができる。
【0016】本発明の予備タンクは、伝播液の圧力保持
および体積変化のバッファ作用を有する。この構成によ
り、音響ウインドウ内の音響伝播液は音響ウインドウ材
料への浸潤および外部への透過が防止される。
【0017】(第1の実施の形態)以下、本発明の実施
の形態について、図面を用いて説明する。図1は本発明
の第1の実施の形態における超音波探触子の断面図であ
る。
【0018】図1において、モータ1は、超音波を送受
波する素子2の回転駆動源に接続されている。音響ウイ
ンドウ4は内面に厚さ5μmのポリパラキシリレン層3
が密着して形成されている。音響ウインドウ4の内部に
は音響伝播液5が充満している。そして図示しない音響
伝播液予備タンクが設けられている。この予備タンクは
液体の温度変化等による圧力変動吸収および作動圧力を
維持する。
【0019】薄膜層形成にはスリーボンド社製商品名”
パリレン”のように真空蒸着法のように堆積方法を採用
し、膜厚層や単純形状には貼り付け方法を採用すること
で効率良く施工することができる。このようにして形成
されたポリパラキシリレン層3は通常の室内環境におい
ての使用の場合、液体の透過による液量の減少が極めて
少なく、これにより内圧の降下もほとんどないので、安
定した音響ウインドウ4の形状が確保できる。
【0020】以上のように構成された超音波探触子につ
いて、図2を用いてその動作を説明する。まず、モータ
1は自己回転型で素子2を搭載し回転による機械走査を
行う。素子2より発振された音波は音響ウインドウ4内
の音響伝播液5を介し音響ウインドウ4を透過し被検体
にあたり反射し、戻って来る超音波を素子2にて受信す
る。受信された超音波は電気信号に変換され、図示しな
い電線にて同図示しない処理回路に送られる。
【0021】前記第1の実施の形態によれば音響ウイン
ドウ4の内面にポリパラキシリレン層3を設けることに
より音響伝播液5の音響ウインドウ4材料への浸潤ある
いは透過を防止することができ、音響ウインドウ4の形
状が維持され音響伝播液5が充満されていることにより
忠実な超音波の伝播を行うことができる。
【0022】本発明の第1の実施の形態においては、ポ
リパラキシリレン層3を音響ウインドウ4の内面に設け
ることとしたが、音響ウインドウの外面に設けても良
い。あるいは、複数層で形成した音響ウインドウの層間
に挟まれた間の面に設けても同様の効果が得られる。
【0023】以上のとおり、本実施形態によれば、被検
体に接触し超音波が通過する音響ウインドウ4の内面に
気体及び液体の浸潤と透過を防止するポリパラキシレン
層3と、超音波送受信する振動子2と、振動子2よりの
超音波を伝播する音響伝播液5とを備え、音響伝播液5
が音響ウインドウ4に包囲される密封状態を形成し、音
響伝播液5の圧力変化を小さくする。これにより、音響
ウインドウと超音波振動子間に介在する音響伝播液のウ
インドウ材料内への浸潤とウインドウ外部への透過を防
止し、ウインドウ内部の音響伝播液の圧力を維持するこ
とのできる超音波探触子を提供できる。
【0024】(第2の実施の形態)次に、本発明の第2
の実施の形態の超音波探触子を図3に示す。図3におい
て、音響ウインドウ4の内面の金属膜層6はアルミニウ
ム、金等の蒸着膜または貼り付け膜で構成されている。
金属薄膜の好ましい厚さは0.1〜30μmが好適であ
る。
【0025】以上のように構成された超音波探触子につ
いて、図3を用いてその動作を説明する。まず、モータ
1は自己回転型で素子2を搭載し回転による機械走査を
行う。素子2より発振された音波は音響ウインドウ4内
の音響伝播液5を介し音響ウインドウ4、金属膜層6を
通過し被検体にあたり、反射して戻って来る超音波を素
子2にて受信する。受信された超音波は電気信号に変換
され、図示しない電線にて処理回路に送られる。
【0026】以上のように本発明の、第2の実施の形態
によれば音響ウインドウ4の内面に金属膜層を設けるこ
とにより音響伝搬液5の音響ウインドウ材料への浸潤あ
るいは透過を防止することができ、音響ウインドウ4の
形状が維持され、音響伝播液5が充満されていることに
より忠実な超音波の伝播を行うことができる。また、音
響ウインドウ内面は金属膜層を露出させることなくウイ
ンドウ材質と同材質の同厚被覆を設けても良く、成形に
おける密着性を上げるため金属膜の一部に貫通部を設け
ることも良い。また、素子2をモータ1で回転させる機
械走査式の構成した例について説明したが、短冊状に配
列して成るアレイ素子による電子走査式の構成でも同様
に実施可能である。
【0027】なお、以上の説明では、バリヤ層をポリパ
ラキシリレンまたは金属蒸着膜で構成した例について説
明したが、バリヤ層をポリパラキシリレン及び金属蒸着
膜の2層で構成してもよい。また、これに限らず音響伝
播液に対応した物性を有する膜を設けることについても
同様に実施可能である。
【0028】
【発明の効果】以上のように本発明は、音響ウインドウ
内面にガスリキッドバリアの層を設けることにより音響
伝搬液の音響ウインドウ材料への浸潤および透過を阻止
できる超音波探触子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における超音波探触
子の概略断面図。
【図2】本発明の第1の実施の形態における超音波探触
子の拡大断面図。
【図3】本発明の第2の実施の形態における超音波探触
子の拡大断面図。
【図4】従来の超音波探触子の断面図。
【符号の説明】
1 モータ 2 素子 3 ポリパラキシリレン層 4 音響ウインドウ 5 音響伝搬液 6 金属膜層 7 音響レンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小泉 順 神奈川県横浜市港北区綱島東四丁目3番1 号 松下通信工業株式会社内 (72)発明者 平山 道代 神奈川県横浜市港北区綱島東四丁目3番1 号 松下通信工業株式会社内 Fターム(参考) 2G047 EA11 GA01 GB32 GB33 4C301 BB26 EE12 GA20 GB33 GB34 GC12 GC25 4C601 BB05 BB09 EE10 GB41 GB42 GC09 GC10 GC21 GC24 GC25 5D019 AA14 AA19 EE01 FF02 FF04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波を送受波する圧電体からなる素子
    と、前記素子を包囲する音響ウインドウ内に超音波伝播
    液が充填されている超音波探触子であって、 前記音響ウインドウには、液体及び気体透過を遮断する
    バリア層が形成されて いることを特徴とする超音波探触子。
  2. 【請求項2】 前記バリア層が前記音響ウインドウの内
    面に形成されている請求項1に記載の超音波探触子。
  3. 【請求項3】 バリア層がポリパラキシリレンにより形
    成されている請求項1または2に記載の超音波探触子。
  4. 【請求項4】 バリア層が金属薄膜である請求項1〜3
    のいずれかに記載の超音波探触子。
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