JP2003284191A - 音響整合部材とその製造方法、それを用いた超音波送受波器、および超音波流量計 - Google Patents

音響整合部材とその製造方法、それを用いた超音波送受波器、および超音波流量計

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JP2003284191A
JP2003284191A JP2002080327A JP2002080327A JP2003284191A JP 2003284191 A JP2003284191 A JP 2003284191A JP 2002080327 A JP2002080327 A JP 2002080327A JP 2002080327 A JP2002080327 A JP 2002080327A JP 2003284191 A JP2003284191 A JP 2003284191A
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JP2002080327A
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Kazuhiko Hashimoto
和彦 橋本
Taku Hashida
卓 橋田
Masaaki Suzuki
正明 鈴木
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性があり感度のある、可能な限り音響イ
ンピーダンスの低い、音響インピーダンス整合用複合材
を提供する。 【解決手段】 音響整合部材が乾燥ゲル13および補強
材12からなり、補強材12が基体に固定されている乾
燥ゲル複合体から構成されることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音響インピーダン
スのマッチングに適用される音響整合用複合材、並びに
この複合材を適用した音響整合部材の製造方法、及びこ
の音響整合部材を用いた超音波送受波器、この超音波送
受波器を使用した超音波流量計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図14は従来の超音波発生器の構成を示
す断面図である。1はセンサケース、2は振動手段、1
00は整合手段である。センサケース1と振動手段2と
はエポキシ系の接着剤を用いて接着されている。ケース
1と整合手段100とは、同様にエポキシ系の接着剤を
用いて接続されている。振動手段は約500kHzで振
動し、その振動はエポキシ系の接着剤を介してケースに
伝わり、さらにエポキシ系の接着剤を介して整合手段に
伝わる。整合手段の振動は空間に存在する気体に音波と
して伝搬する。
【0003】整合手段の役割は振動手段の振動を効率良
く気体に伝搬させることにある。物質の音速Cと密度ρ
とで(数1)のように定義される音響インピーダンスZが Z=ρC ・・・(数1) 振動手段と気体とで大きく異なる。振動手段の音響イン
ピーダンスZ1は30×106(kg/sm2)で気体、
例えば空気の音響インピーダンスZ3は4.28×10
2(kg/sm2)である。振動手段と金属の音響インピ
ーダンスはほぼ等しい。このように音響インピーダンス
の異なる境界面上では音(振動)の伝搬に反射が生じる
ようになり、その結果、透過する音の強さが弱くなる。
ところが、2つの異なる音響インピーダンスの物質の間
に別の音響インピーダンスを持つ物質を挿入することに
よって、音の反射を軽減することができる。
【0004】振動手段と空間との間に(数2)の関係を
満たす音響インピーダンスZ2を持つ物質を挿入するこ
とにより音の反射をなくせることが一般に知られてい
る。
【0005】 Z2=(Z1・Z3)1/2 ・・・(数2) このZ2の値は0.11×106(kg/sm2)とな
る。この音響インピーダンスを満たす物質は、固体で密
度が小さく音速の遅いものであることが要求される。
【0006】PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電
素子を用いた気体用圧電振動子においても、一般に、P
ZTで発生した超音波を効率良く伝搬媒体である気体
(空気)に放射するため、その振動面に空気との音響イ
ンピーダンスを整合するための整合層が設けられる。P
ZTで発生した超音波を空気中に放射する超音波トラン
スデューサでは、空気(気体)の音響インピーダンスZ
1(約340kg/s・m2)がPZT(固体)の音響
インピーダンスZ3(約30×106kg/s・m 2)に
対して略10万分の1と桁違いに小さいため、整合層の
音響インピーダンスが極めて重要になる。
【0007】従来、図15に示すように、PZT等のピ
エゾセラミックスを用いた超音波振動子の振動面にガラ
スビーズ(中空の微小なガラス球であり、またはガラス
バルーンと称す)110が混入されたエポキシ樹脂から
なる音響インピーダンス整合用の整合手段100が知ら
れている。整合手段は微小な中空のガラスビーズ110
をセラミックやエポキシ樹脂で固めたものを用いて密度
を小さくしている。中空のガラスビーズは整合手段を伝
わる音の波長よりも十分小さくする必要があるので、1
00μm以下の大きさのものを用いている。
【0008】さらに整合手段を透過して気体に伝達する
音の強さは整合手段の長さにも関係する。振動手段から
の音の波は透過する波と、整合手段と気体との境界面で
反射する波とに分かれる。反射した波は整合手段と振動
手段の境界面で反射し、この場合、位相が反転した波と
なる。この波の一部が整合手段と気体との境界面で透過
する波となる。これらの波が合成されることによって、
透過率Tが最大となる距離tを求めると、t=λ/4と
なる(なお、λは波の波長を表す)。
【0009】中空のガラスビーズを整合手段として用い
た場合、その音速は2000m/sなので、音の周波数
が500kHzの場合は波長λが4mmとなる。従って
整合手段の長さはlmmが最適値となる。
【0010】超音波振動子の振動面に音響インピーダン
スの整合層を設けた場合の超音波振動子から外部伝搬媒
体への超音波エネルギー透過率Tを求める理論式は、整
合層の厚みtをλ/4の整数倍に設定すると下記(数
3)のように簡素化されて表される。
【0011】 T=4・Z1・Z3・Z22/(Z1・Z3+Z222 ・・・(数3) 従来のエポキシ樹脂を用いた整合層において、空気に対
する超音波エネルギー透過率Tと整合層の音響インピー
ダンスZ2との関係を検討すると、エポキシ樹脂の音響
インピーダンスはおよそ3×106kg/s・m2で、Z
2≒9×101 2となるのに対し、上述の例ではZ1・
Z3はZ1・Z3=340×30×106=914×1
7で、Z1・Z3≪Z22となるので上記(3)式は、
更にT≒4・Z1・Z3/Z22に近似され、超音波エ
ネルギー透過率Tは整合層の音響インピーダンスZ2の
2乗に反比例することがわかる。すなわち、整合層の音
響インピーダンスZ2は小さい程、超音波エネルギー透
過率Tは向上する。
【0012】また、図13は上記した超音波発生手段で
ある圧電振動子10を気体の流路である管に配置した様
子を示している。超音波発生器が割れると気体が管の外
部に漏れるので、超音波発生器のケース材料にはセラミ
ックや樹脂などの割れやすい材質を選択することが困難
である。従って、ケースにはステンレス、鉄、などの金
属が用いられる。
【0013】今、図13に示すように、管内には流体が
速度Vにて図に示す方向に流れているとする。管壁に
は、一対の超音波送受波器1a、1bが相対して設置さ
れている。超音波送受波器1a、1bは、電気エネルギ
ー/機械エネルギー変換素子として圧電セラミック等の
圧電振動子を用いて構成されていて、圧電ブザー、圧電
発振子と同様に共振特性を示す。ここでは超音波送受波
器1aを超音波送波器として用い、超音波送受波器1b
を超音波受波器として用いる。また、超音波送波器1a
と超音波受波器1bには、これらの送受信を切り替える
切替回路55を介して、超音波送受波器1a,1bを駆
動する駆動回路54と、超音波パルスを検知する受信検
知回路56、超音波パルスの伝搬時間を計測するタイマ
57、該タイマ57の出力より流量を演算する演算部5
8、駆動回路54とタイマ57に制御信号を出力する制
御部59が接続されている。
【0014】その動作は、超音波送波器1aの共振周波
数近傍の周波数の交流電圧を圧電振動子に印加すると、
超音波送波器1aは外部の流体中に同図中のLで示す伝
搬経路に超音波を放射し、超音波受波器1bが伝搬して
きた超音波を受けて電圧に変換する。続いて、反対に超
音波送受波器1bを超音波送波器として用い、超音波送
受波器1aを超音波受波器として用いる。超音波送波器
1bの共振周波数近傍の周波数の交流電圧を圧電振動子
に印加することにより、超音波送波器1bは外部の流体
中に同図中のLで示す伝搬経路に超音波を放射し、超音
波受波器1aは伝搬してきた超音波を受けて電圧に変換
する。このように、超音波送波器1a,1bは、受波器
としての役目と送波器としての役目を果たすので、一般
に超音波送受波器と呼ばれる。
【0015】図13において、管の中を流れる流体の流
速をV、流体中の超音波の速度をC、流体の流れる方向
と超音波パルスの伝搬方向の角度をθとする。超音波送
受波器1aを送波器、超音波送受波器1bを受波器とし
て用いたときに、超音波送受波器1aから出た超音波パ
ルスが超音波送受波器1bに到達する時間であるシング
・アラウンド周期をt1、シング・アラウンド周波数f
1とすれば、(数4)が成立する。
【0016】 f1=1/t1=(C+Vcosθ)/L ・・・(数4) 逆に、超音波送受波器1bを送波器として、超音波送受
波器1aを受波器として用いたときのシング・アラウン
ド周期をt2、シング・アラウンド周波数f2とすれ
ば、次式(数5)の関係が成立する。
【0017】 f2=1/t2=(C−Vcosθ)/L ・・・(数5) したがって、両シング・アラウンド周波数の周波数差Δ
fは、(数6)となり、超音波の伝搬経路の距離Lと周
波数差Δfから流体の流速Vを求めることができる。
【0018】 Δf=f1−f2=2Vcosθ/L ・・・(6) すなわち、超音波の伝搬経路の距離Lと周波数差Δfか
ら流体の流速Vを求めることができ、その流速Vから流
量を調べることができる。
【0019】従って、音響インピーダンスを低く抑える
のに音響整合層には密度が小さな材料、例えばガラスバ
ルーンやプラスチックバルーンを樹脂材料で固めた材料
が使用されている。また、これらの中空ガラス球を熱圧
縮、あるいは、溶融材料を発泡させる等の方法が採用さ
れていた。これは、例えば特許第2559144号公報
等で知ることができる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
超音波発生器10では、整合手段100とケース1との
接着にエポキシ系の樹脂を用いている。また、整合手段
100を構成する中空のガラス110を固めるために、
エポキシ系樹脂の接着剤を用いている。流量を測定した
い気体中には水分が含まれていることがあり、このよう
な場合に水分がエポキシ系樹脂に浸透することがある。
このようになると、整合手段の音響インピーダンスが変
化し、整合手段の本来の目的である効率的な音の放射が
阻害され、正確な計測に支障を来すことがある。また、
流量を測定したい気体中にイオウが含まれていることが
ある。このような場合、超音波発生器を構成する整合手
段と、整合手段とケースとの接着に用いているエポキシ
系の樹脂がイオウによって腐食される懸念がある。整合
手段が腐食され、接着強度が変わると整合手段の本来の
目的である効率的な音の放射が阻害され、正確な計測に
支障を来すことになる。
【0021】従来の整合層は、エポキシ樹脂に超音波の
波長に比べて粒径の小さいガラスバルーンを混入するこ
とにより(すなわち、エポキシ樹脂内に超音波を乱反射
させないような音響インピーダンスの小さい空気の隙問
を散在させることにより)整合層の音響インピーダンス
Z2を低下させるものであるから、エポキシ樹脂剤に対す
るガラスバルーンの混合比率を高めて音響インピーダン
スの一層の低下を図ることも考えられるが、ガラスバル
ーンの混合比率を高くすると、ガラスバルーン入りのエ
ポキシ樹脂剤の粘度が高くなり、ガラスバルーンとエポ
キシ樹脂剤とを均―に混合することが困難となるので、
エポキシ樹脂剤に対するガラスバルーンの混合比率を高
めるには一定の限界がある。従って、ガラスバルーン入
リエポキシ樹脂でより一層、音響インピーダンスの低い
整合層を製造することは困難である。
【0022】また、上記従来のガラスバルーン入リエポ
キシ樹脂からなる整合層の音響インピーダンスはおよそ
3×106kg/s・m2で、エポキシ樹脂のみからなる
整合層の音響インピーダンスに対して略2/3であるか
ら、エポキシ樹脂のみからなる整合層を用いたものに比
べると、超音波エネルギー透過率Tは9/4倍に改善さ
れる。しかし、それでも上記(3)式よリガラスバルー
ン入リエポキシ樹脂からなる整合層を用いた場合の超音
波エネルギー透過率Tを算出すると、T≒1%であるか
ら、十分でないことが分かる。
【0023】また、超音波流量計に使用している従来の
超音波送受波器に使用している音響整合層は、上述した
ように中空ガラス球を熱圧縮したり、溶融材料を発泡し
たりする等の方法が採られていた。このため、圧力によ
るガラス球の破損、圧力不足による分離、剥離溶融材料
の発泡等の原因によって媒質が不均質になり易く、特性
にバラツキが生じ、これが機器精度のバラツキを発生さ
せているという問題があった。また、音響整合層が気体
中に露出しているため、湿度で表面が崩壊したり、化学
活性物質による劣化が早く、耐久性が悪いという問題等
もあった。
【0024】さらに、上記従来のガラスバルーン入リエ
ポキシ樹脂からなる整合層ではカットしたり、表面を研
磨したりすることによって作製するため、表面の凹凸や
厚みの不均一性の問題があり、超音波送受波器としての
十分な感度を得ることができなかった。
【0025】また、密度の低い材料、例えば音響インピ
ーダンスの低いゲル材料を用いたとしても、密度が低い
材料は強度的に弱く、また基体との密着性が弱いので、
信頼性や感度の点で十分ではないといえる。
【0026】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であり、多孔体からなる材料に補強材を混合することに
よって、強度を強くし耐久性の向上を図り、またその補
強材を多孔体材料の一部に混合することによって整合層
内部の密度に変化を持たせることによって感度を向上さ
せ、可能な限り音響インピーダンスの低い、音響インピ
ーダンス整合用複合材及びこの複合材の製造方並びにこ
の複合材を適用した超音波送受波器、それを用いた流量
計を提供するものである。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明の音響整合部材
は、圧電体を用いて超音波を送信または受信する超音波
送受波器で用いられる音響整合部材において、前記音響
整合部材が乾燥ゲルおよび補強材からなり、前記補強材
が基体に固定されている乾燥ゲル複合体から構成される
ことを特徴とするものである。
【0028】さらに、本発明の音響整合部材は、圧電体
を用いて超音波を送信または受信する超音波送受波器で
用いられる音響整合部材において、前記音響整合部材が
乾燥ゲル層および補強材を含んだ乾燥ゲル複合体層とか
らなり、前記乾燥ゲル複合体層が基体に密着しており、
前記乾燥ゲル層の密度ρ1と前記乾燥ゲル複合体層の密
度ρ2との関係がρ1<ρ2であることを特徴とする音
響整合部材を提供するものである。
【0029】また、本発明の音響整合部材は、圧電体を
用いて超音波を送信または受信する超音波送受波器で用
いられる音響整合部材において、前記音響整合部材が補
強材層および補強材を含んだ乾燥ゲル複合体層とからな
り、前記乾燥ゲル複合体層が基体に密着しており、前記
補強材層の密度ρ1’と前記乾燥ゲル複合体層の密度ρ
2との関係がρ1’<ρ2であることを特徴とする音響
整合部材を提供するものである。
【0030】さらに、本発明の音響整合部材は、前記音
響整合部材の平均密度が50〜500kg/m3である複
合体から構成されることを特徴とするものである。
【0031】また、本発明の音響整合部材は、前記補強
材がガラス繊維により構成され、前記ガラス繊維が低融
点ガラス(400から600℃で軟化するガラス)によ
り前記基体に固定されていることを特徴とする音響整合
部材を提供するものである。
【0032】本発明の音響整合部材の製造方法は、圧電
体を用いて超音波を送信または受信する超音波送受波器
で用いられる音響整合部材の製造方法において、(a
1)ゲル原料にゲル化触媒を添加して混合物を得る工
程、(b1)前記混合物を前記複合体層を構成する補強
材と共存させた後にゲル化を完了させ、湿潤ゲル複合体
を形成する工程、および(c1)前記湿潤ゲル複合体か
らゲル中の非水溶媒を除去して乾燥ゲル複合体を得る乾
燥工程を、工程(a1)〜(c1)の順に含み、前記補
強材が基体に固定されている前記乾燥ゲル複合体から構
成されていることを特徴とする音響整合部材の製造方法
を提供するものである。
【0033】また、本発明の音響整合部材の製造方法
は、圧電体を用いて超音波を送信または受信する超音波
送受波器で用いられる音響整合部材の製造方法におい
て、(a2)ゲル原料と補強材とを共存させる工程、
(b2)工程(a2)に引き続き、ゲル化触媒を加える
ことにより、ゲル化を進行させ湿潤ゲル複合体を形成す
る工程、および(c2)前記湿潤ゲル複合体からゲル中
の非水溶媒を除去して乾燥ゲル複合体を得る乾燥工程
を、工程(a2)〜(c2)の順に含み、前記補強材が
基体に固定されている前記乾燥ゲル複合体から構成され
ていることを特徴とするものである。
【0034】さらに、本発明の音響整合部材の製造方法
は、圧電体が容器の内面に配置されてなる超音波送受波
器の音響整合部材の製造方法において、前記容器の前記
圧電体の配置位置に対向した外面の位置に1×105
g/m2の強度に耐え得る、超音波発振波長の4分の1
の厚みをもつ補強部を有してなり、前記容器上に乾燥ゲ
ルおよび補強材との乾燥ゲル複合体からなる音響整合層
を形成し、前記補強材が基体に固定されている前記乾燥
ゲル複合体から構成していることを特徴とする音響整合
部材の製造方法を提供するものである。
【0035】これらの製造方法を用いて得られる音響整
合部材は、低音響インピーダンスで強度が強く、最適な
密度を持った音響整合層を得ることができるので、超音
波送受波器の高感度化ならびに特性の安定化を図ること
ができる。
【0036】本発明の超音波送受波器は、圧電体と音響
整合層を用いて超音波を送信または受信する超音波送受
波器において、前記音響整合層が請求項1〜5記載の乾
燥ゲル複合体で構成され、前記圧電体の上に直接形成さ
れていることを特徴とする超音波送受波器を提供するも
のである。
【0037】また、本発明の超音波送受波器は、圧電体
と音響整合層を用いて超音波を送信または受信する超音
波送受波器において、前記圧電体が容器の内面に配置さ
れており、前記音響整合層が請求項1〜5記載の乾燥ゲ
ル複合体で構成され、前記音響整合層が前記容器の前記
圧電体の配置位置に対向した外面に配置されてなること
を特徴とする超音波送受波器を提供するものである。
【0038】さらに、本発明の超音波送受波器は、圧電
体と音響整合層を用いて超音波を送信または受信する超
音波送受波器において、前記圧電体が容器の内面に配置
されており、セラミックから成る前記音響整合層が前記
容器の前記圧電体の配置位置に対向した外面に配置され
ており、前記セラミック音響整合層上に請求項1〜5記
載の乾燥ゲル複合体で構成される音響整合層が積層され
ており、前記セラミック音響整合層の密度ρ3と前記乾
燥ゲル複合体層の密度ρ2との関係がρ2<ρ3である
ことを特徴とする超音波送受波器を提供するものであ
る。
【0039】また、本発明の超音波送受波器は、圧電体
と音響整合層を用いて超音波を送信または受信する超音
波送受波器において、前記音響整合層が請求項1〜5記
載の乾燥ゲル複合体で構成され、前記音響整合層の表面
に保護層が形成されていることを特徴とするものであ
る。
【0040】本発明の超音波流量計は、被測定流体が流
れる流量測定部と、前記流量測定部に設けられ超音波信
号を送受信する一対の超音波送受波器と、前記超音波送
受波器間の超音波伝搬時間を計測する計測回路と、前記
計測回路からの信号に基づいて流量を算出する流量演算
手段とを備えてなる超音波流量計において、請求項9〜
12のいずれか記載された前記超音波送受波器が前記測
定流体と圧電体とを遮断した容器で構成された超音波送
受波器を用いることを特徴とする超音波流量計を提供す
るものである。
【0041】この超音波流量計は、前記超音波送受波器
が高感度および特性バラツキが少ないことから流量計測
の安定性の向上が図れる。
【0042】
【発明の実施の形態】次に、図1乃至図9を用いて図1
0から13に示した音響整合層100を製造し、それを
圧電体2あるいはケース1に貼り付け超音波送受波器を
製造する方法の実施の形態について説明する。
【0043】(第1の実施の形態)図1は本発明の第1
の実施の形態の超音波送受波器における音響整合部材を
説明する断面図である。
【0044】本発明の乾燥ゲル複合体の特徴は、図1に
示したように、乾燥ゲル複合体11が乾燥ゲル層13と
補強材層12とからなることである。乾燥ゲル層13の
全体が補強材層12によって保護されているために、全
体の強度が確保され、ゲルの欠落が防止される。補強材
層12は乾燥ゲル層13の内部全体に形成されており、
乾燥ゲル層13を固定しているような状態である。
【0045】すなわち、補強材層12が乾燥ゲル層13
に固定されている方が、より強度が増すため好ましく、
固定の形態としては、図1のように補強材層12が乾燥
ゲル層13内の全体の領域に侵入して形成される構成が
簡単で好ましい。また、乾燥ゲル複合体11は補強材層
12を混合しても50〜500kg/m3という低密度で
あるため、良好な低い音響インピーダンスを示し、超音
波送受波器の音響整合部材として十分機能することがで
きる。
【0046】本発明で用いられる補強材としては、ハニ
カム構造体、ガラス繊維、カーボン繊維、ロックウール
などの鉱物繊維、アルミナ繊維や窒化ケイ素繊維などの
セラミック繊維、またはポリエステル系繊維、アラミド
系繊維、ナイロン系繊維などの合成繊維および天然繊維
などの有機繊維、ならびにこれらの繊維からなる繊維布
ならびに不織布などの繊維集合体も使用することができ
る。
【0047】また、ポリウレタン系、ポリエステル系、
塩化ビニル系、ポリオレフィン系、ポリスチレン系、シ
リコン系などのフォームも用いることができる。
【0048】(第2の実施の形態)図2は本発明の第2
の実施の形態の超音波送受波器における音響整合部材を
説明する断面図である。
【0049】本発明の乾燥ゲル複合体の特徴は、図2に
示したように、乾燥ゲル複合体11が乾燥ゲル層13と
補強材層12とからなることである。乾燥ゲル層13の
全体が補強材層12によって保護されているために、全
体の強度が確保され、ゲルの欠落が防止される。補強材
層12は乾燥ゲル層13の内部全体に形成されており、
乾燥ゲル層13を固定しているような状態である。さら
に、乾燥ゲル複合体11は補強材層12によって下地の
基体14に固定されている。こうすることによって乾燥
ゲル複合体11と基体14との密着性を向上させること
ができる。
【0050】すなわち、補強材層12が乾燥ゲル層13
に固定され、さらにこの補強材層12によって基体14
に固定されることによって、より強度が増すため好まし
く、固定の形態としては、図2のように補強材層12が
乾燥ゲル層13内の全体の領域に侵入して形成される構
成が簡単で好ましい。また、乾燥ゲル複合体11は補強
材層12を混合しても50〜500kg/m3という低密
度であるため、良好な低い音響インピーダンスを示し、
超音波送受波器の音響整合部材として十分機能すること
ができる。
【0051】(第3の実施の形態)図3は本発明の第3
の実施の形態の超音波送受波器における音響整合部材を
説明する断面図である。
【0052】超音波送受波器における音響整合部材にお
いては、乾燥ゲル複合体11が深さ方向に密度分布をも
っていることが好ましい。図1において、補強材層12
は乾燥ゲル層13の全体に形成されているが、図3のよ
うに下の領域にのみ補強材層12を設け、上の領域は乾
燥ゲル13のみとすることによって乾燥ゲル複合体11
を構成する。下の領域に補強材層12があるので強度を
確保することができ、また密度が上の乾燥ゲル層の密度
ρ1と下の補強材層12の密度ρ2の関係がρ1<ρ2
であるので、良好な低い音響インピーダンスを示し、超
音波送受波器の音響整合部材として十分機能することが
できる。
【0053】つまり、この補強材層12によって乾燥ゲ
ル複合体11の密度が深さ方向に密度分布を持っている
場合、密度の低い部分が表面近傍であることが好まし
い。上部の密度ρ1と下部の密度ρ2の関係がρ1<ρ
2であれば、良好な低い音響インピーダンスを示し、超
音波送受波器の音響整合部材として十分機能することが
できる。
【0054】さらに、乾燥ゲル複合体11の下部に補強
材層12を設けることによって下地の基体に固定される
ことも容易である。こうすることによって乾燥ゲル複合
体11と基体との密着性を向上させることができる。
【0055】(第4の実施の形態)図4は本発明の第4
の実施の形態の超音波送受波器における音響整合部材を
説明する断面図である。
【0056】超音波送受波器における音響整合部材にお
いては、乾燥ゲル複合体11が深さ方向に密度分布をも
っていることが好ましい。図1において、補強材層12
は乾燥ゲル層13の全体に形成されているが、図4のよ
うに乾燥ゲル層13の全体および上部にも補強材層12
を設け、上の領域は補強材層12のみとすることによっ
て乾燥ゲル複合体11を構成する。乾燥ゲル複合体11
全体に補強材層12があるので強度を十分に確保するこ
とができ、また密度が上の補強材層12の密度ρ1’と
下の乾燥ゲル複合体11の密度ρ2の関係がρ1’<ρ
2であるので、良好な低い音響インピーダンスを示し、
超音波送受波器の音響整合部材として十分に機能するこ
とができる。
【0057】つまり、この補強材層12によって乾燥ゲ
ル複合体11の密度が深さ方向に密度分布を持つことが
でき、密度の低い部分が表面近傍であるので音響インピ
ーダンス的に非常に好ましい。上部の密度ρ1と下部の
密度ρ2の関係がρ1<ρ2であれば、良好な低い音響
インピーダンスを示し、超音波送受波器の音響整合部材
として十分機能することができる。
【0058】さらに、乾燥ゲル複合体11の下部に補強
材層12を設けることによって下地の基体に固定される
ことも容易である。こうすることによって乾燥ゲル複合
体11と基体との密着性を向上させることができる。
【0059】(第5の実施の形態)図5は本発明の第5
の実施の形態の超音波送受波器における音響整合部材を
説明する断面図である。
【0060】図5のように補強材層12の外側表面に保
護層15が形成される構成が好ましい。保護層15が補
強材に接着して形成されているために、乾燥ゲル層13
上に直接保護層を形成するよりも下地との接着性が増
し、強固な保護層15が形成される。特に、乾燥ゲル層
13のゲルが疎水性のゲルの場合にはゲルと保護層15
との接着性が落ちるため、補強材層12の表面に保護層
15が形成された構成をとることが好ましい。
【0061】また、補強材層12の上部に、乾燥ゲル層
13が重ならない部分がある場合、補強材と保護層15
との接着する面積が増えるため、接着力が増し、好まし
い。
【0062】保護層15は、各種有機高分子材料または
無機高分子材料から構成することができる。この保護層
を熱可塑性の有機高分子材料で形成する場合、補強材に
も熱可塑性樹脂を用いることで、熱可塑性樹脂からなる
シートを前記補強材層に融着させて保護膜を容易に形成
することができる。
【0063】また、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂の
前駆体を有機溶媒の溶液または水性エマルジョンとして
補強材層上に塗布し、加熱、紫外線照射、水蒸気の浸入
などにより硬化させて保護層を形成することも可能であ
る。
【0064】さらに、各種の接着剤を用いて、補強材上
にその有機高分子あるいはシリコン系樹脂などからなる
シートを貼り付けることでも形成可能である。
【0065】また、上記の有機溶媒や水性エマルジョン
の粘度が低い場合は、ノズルを通して吹き付けて塗布す
ることも可能である。特に、乾燥ゲル層のゲルが疎水性
の場合は、前記ゲルへの有機溶媒の浸入が容易であり、
有機溶媒が乾燥する際にゲルの収縮がおこるため、水溶
性高分子の水溶液あるいは非水溶性高分子の水性エマル
ジョンを用いることが好ましい。
【0066】(第6の実施の形態)図6は本発明の第6
の実施の形態の超音波送受波器における音響整合部材の
製造方法を説明する工程図である。
【0067】本発明の乾燥ゲル複合体の好ましい製造方
法は、(a1)ゲル原料にゲル化触媒を添加して混合物
を得る工程、(b1)前記混合物を前記補強材層を構成
する補強材と共存させた後にゲル化を完了させ、湿潤ゲ
ル複合体を形成する工程、(b1')必要に応じて非水
溶媒中で疎水化剤によって、前記湿潤ゲル複合体中のゲ
ル表面に疎水化処理を施す工程、および(c1)前記湿
潤ゲル複合体からゲル中の非水溶媒を除去して乾燥ゲル
複合体を得る工程を、工程(a1)〜(c1)の順に含
む。
【0068】工程(a1)において用いるゲル原料とし
ては、ゾル−ゲル法に用いられる金属酸化物化合物など
が挙げられる。例えば、ケイ素、アルミニウム、ジルコ
ニウム、チタンなどの酸化物がある。このなかでも、ケ
イ素の酸化物化合物が入手の容易性から好ましい。ケイ
素の酸化物化合物としては、テトラメトキシシランなど
のケイ素アルコキシドやそのオリゴマー、コロイダルシ
リカ、水ガラスなどがあり、水ガラスから電気透析によ
り得られるケイ酸水溶液が好適に用いられる。
【0069】また、金属酸化物の他に、フェノール類−
ホルムアルデヒド、メラミン−ホルムアルデヒド、ポリ
オール−イソシアネートなどの有機化合物も用いること
ができる。
【0070】上記ゲル原料に用いるゲル触媒としては、
一般的には、アンモニア水、塩酸、硫酸などの無機塩基
および酸の他、有機酸およびピリジンなどの有機塩基を
用いることができる。その他、メラミン−ホルムアルデ
ヒドを原料とする場合には、炭酸ナトリウムなどの金属
塩も好適に用いられる。
【0071】工程(b1)において、補強材に対するゲ
ル原料の量を調整することによって、または補強材層を
浸漬する深さによって、図1〜4に示されるような構成
を実現できる。
【0072】また、工程(b1)において、ゲル化時
に、補強材を上から板状のもので押さえつけて成型する
ことによって、上面に近い部分の密度が高い乾燥ゲル複
合体を得ることができる。上から押さえつけて成型する
場合には、特に繊維集合体を補強材として用いる際に生
じ易い深さ方向のムラ(部分的に補強材のない部分が生
じる)が圧縮によりなくなり、表面の強度が得られ易い
ため、好ましい。
【0073】また、工程(b1)において、繊維集合体
や各種フォームとゲル原料を共存させる際、ゲル化が短
時間で進む場合あるいはゲル原料の粘度が高い場合に
は、補強材に充分ゲル原料が含浸されないうちにゲル化
が起こり、最終的に乾燥ゲル層内に空気が残ることがよ
くある。この場合、得られる乾燥ゲル複合体の密度は前
記の空気の存在のために低くなる。
【0074】これを避けるためには、ゲル原料と触媒と
の混合物を補強材に加える前に、補強材が占める空間を
減圧状態とし、その中へ前記の混合物を注入することが
好ましい。簡単には、密閉された容器を用意し、その中
に補強材を設置し、この容器内を減圧にした後、減圧に
された容器内に前記の混合物を注入する。こうすること
で、補強材中に空気が残ることなく短時間でゲル原料と
ゲル化触媒との混合物を補強材と共存させることができ
る。
【0075】つぎに工程(b1')では、必要に応じて
疎水化剤処理を行う。超音波送受波器における音響整合
層として用いる場合には水の吸着を抑制することが重要
であり、特にケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チ
タンなどの金属酸化物をゲル原料とする際には、この疎
水化処理を行うことが好ましい。疎水化処理の前には、
後述する疎水化剤が水と反応して失われることを避ける
ために、通常は水溶性溶媒による溶媒置換により水を除
くが、水溶性溶媒と非水溶性溶媒の混合溶媒中で疎水化
を行えば、前記の溶媒置換を行わなくても疎水化処理を
行うことも可能である。また、疎水化処理は、乾燥後に
疎水化剤蒸気を用いて行うことも可能である。
【0076】本発明に用いることのできる疎水化剤とし
てはシリル化剤が反応性が高く好ましく、例えばジシラ
ザン、クロロシラン、アルキルシラノール、アルコキシ
シランなどがあげられる。これらのシリル化剤がジシラ
ザン化合物、クロロシラン化合物、アルコキシシラン化
合物の場合は、直接あるいは加水分解を受けて、対応す
るアルキルシラノールになってからゲル表面のシラノー
ル基と反応する。またアルキルシラノールをシリル化剤
として用いれば、そのまま表面のシラノール基と反応す
る。
【0077】具体的には、トリメチルクロロシラン、メ
チルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシランなどの
クロロシラン化合物、ヘキサメチルジシラザンなどのシ
ラザン化合物、メトキシトリメチルシラン、エトキシト
リメチルシラン、ジメトキシジメチルシラン、ジメトキ
シジエチルシラン、ジエトキシジメチルシランなどのア
ルコキシシラン化合物、トリメチルシラノール、トリエ
チルシラノールなどのシラノール化合物に代表されるシ
リル化剤を好適に用いることができる。
【0078】これらの表面にトリメチルシリル基などの
アルキルシリル基を導入することによって疎水化が進行
する。
【0079】また、疎水化剤として、フッ素化されたシ
リル化剤を用いれば、疎水性が強くなり非常に効果的で
ある。例えば、パーフルオロフルオロアルキル基を有し
たクロロシラン類を好適に用いることができる。
【0080】また、疎水化剤としてはエタノール、プロ
パノール、ブタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、
オクタノール、エチレングリコール、グリセロールなど
のアルコール類の他、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、コハ
ク酸などのカルボン酸なども用いることができる。これ
らは、ゲル表面の水酸基と反応してエステルを形成する
ことで疎水化を進めるが、反応が比較的遅いため高温の
条件が必要である。
【0081】また、本発明の疎水化処理で使用される非
水溶媒としては、水溶性の溶媒と非水溶性の溶媒がある
が、水溶性の溶媒と、非水溶性の溶媒の混合溶媒が用い
られることが疎水化を好適に進めるため好ましい。
【0082】疎水化処理時に使用する水溶性溶媒として
は、アセトン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン、1,3−ジオキソランなどが好適に用いられる。そ
の他にも、メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、ターシャリ−ブタノールなどの低級アルコール、蟻
酸、酢酸、プロピオン酸などの低級カルボン酸も用いる
ことができる。しかし、疎水化剤としてクロロシランを
用いる場合、低級アルコールの存在でクロロシランの疎
水化が阻害されることがあるため、低級アルコールの使
用は避けるべきである。
【0083】非水溶性の溶媒としては、特に制限は受け
ないが、入手の容易性と乾燥の容易性から、低沸点の炭
化水素であるペンタン、ヘキサン、へプタンあるいはそ
れらの混合物であることが好ましい。
【0084】最後に、工程(c1)において、湿潤ゲル
複合体からゲル中の非水溶媒を除去して乾燥ゲル複合体
を得る。乾燥は、超臨界乾燥によれば、収縮無く良好な
低密度乾燥ゲル複合体を得ることが可能である。一方、
超臨界乾燥によらなくても、凍結乾燥の適用も可能であ
る他、湿潤ゲル表面が疎水化されている場合には、臨界
点未満条件で加熱乾燥が可能となる。
【0085】臨界点未満条件での乾燥では、湿潤ゲル中
に保持される非水溶媒は、その表面張力の小さい方が、
毛管力が小さくなるため、収縮を起こしにくく有利であ
る。従って、乾燥する際に、表面張力の低い液体に置換
することも効果がある。このような本発明で好適に用い
られる非水溶媒としては、官能基を含まない炭化水素、
フッ素化された炭化水素、エーテル、アルコールの他、
アルキルシラン、ジメチルポリシロキサンなどのケイ素
化合物が好ましい。特に沸点での表面張力が0.016
N/m以下の液体が好ましい。
【0086】この条件を満たす液体として、デカン、ノ
ナン、オクタン、ヘプタン、ヘキサン、ペンタン、ブタ
ンなどで環状構造を有しない炭化水素および、その異性
体がある。その他に、ハイドロフルオロカーボン化合物
(HFC)であるHFC−134a、HFC−152
a、オクタフルオロシクロペンタンなど、ハイドロフル
オロエーテル化合物(HFE)であるノナフルオロブチ
ルメチルエーテル、ノナフルオロブチルエチルエーテル
など、フルオロアルコールであるヘキサフルオロイソプ
ロパノールなど、アルキルシランであるテトラメチルシ
ランなど、ジメチルポリシロキサンであるヘキサメチル
ジシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オ
クタメチルトリシロキサンなどがある。
【0087】また、乾燥工程で表面張力を低下させて毛
管力を低減するために、界面活性剤を添加させることが
効果的で好ましい。また、界面活性剤の添加による表面
張力の低下は、繊維などの補強材へのゲル原料の含浸を
容易にするためにも好ましい。界面活性剤としては、シ
リコン系、炭化水素系に加え、前記の界面活性剤がフッ
素化されたフッ素系などがあり、各々アニオン型、カチ
オン型、ノニオン型があるが、実現される表面張力の低
さからフッ素系の界面活性剤が好ましい。例えば、パー
フルオロアルキル基を有するフッ素系では0.02N/
m程度以下まで表面張力が低下するものもある。このよ
うに界面活性剤の添加は、水系だけでなく、ゲルに保持
される液体がアルコールの場合でも有効であり、水溶性
溶媒と水との混合系に関しても効果がある。
【0088】以上より、低密度で、強度の強い、音響イ
ンピーダンスの低い、信頼性の高い、高精度な音響整合
層を形成することができ、これを用いることによって高
感度な信頼性の高い安定な超音波送受波器を得ることが
できる。
【0089】(第7の実施の形態)図7は本発明の第7
の実施の形態の超音波送受波器における音響整合部材の
製造方法を説明する工程図である。
【0090】また、本発明の乾燥ゲル複合体の別の製造
方法は、(a2)ゲル原料と補強材とを共存させる工
程、(b2)工程(a2)に引き続き、ゲル化触媒を加
えることにより、ゲル化を進行させ湿潤ゲル複合体を形
成する工程、(b2')必要に応じて非水溶媒中で疎水
化剤によって、前記湿潤ゲル複合体中のゲル表面に疎水
化処理を施す工程、および(c2)前記湿潤ゲル複合体
からゲル中の非水溶媒を除去して乾燥ゲル複合体を得る
乾燥工程を、工程(a2)〜(c2)の順に含む。
【0091】この製造方法が、上記の製造方法と異なる
のは、ゲル原料と繊維体を共存させてからゲル化触媒を
加える点である。この方法により、上で既に述べたよう
に、ゲル化が短時間で進む場合、あるいはゲル原料の粘
度が高い場合に補強材の間に空気が残ることを回避する
ことができる。つまり、この製造方法では、繊維体にゲ
ル原料が充分に含浸されてからゲル化が進行するため、
上で述べた空気の残存がなく、強度の強いものが得られ
る効果がある。
【0092】また、シリカ乾燥ゲル複合体を製造する場
合、コストの点からは、価格の低い水ガラスを用いるこ
とが好ましいが、水ガラスをゲル化触媒によりゲル化さ
せる場合、水ガラスの粘度が高いために、繊維体などの
補強材に含浸あるいは混合させることが困難な場合があ
る。また、水ガラスをイオン交換してゲル化させる場
合、ゲル化時間をコントロールするのが難しい上に、形
成されたゲルは、湿潤ゲルの状態で収縮を起こしやすい
ために、複雑な型に入れて成型した場合割れの発生を抑
制することが難しい。
【0093】これに対して、水ガラスから電気透析によ
って得られたケイ酸水溶液を用いると、粘度が低く繊維
体などの補強材に含浸あるいは混合が容易なのに加え
て、湿潤ゲル形成時の収縮が小さく、型に入れてゲル化
させた場合の割れなどが生じにくい効果がある。
【0094】また、さらにケイ酸水溶液に界面活性剤を
添加することで表面張力を低下させることも繊維集合体
などの細かな空隙を有する補強材に含浸するには有効で
ある。
【0095】本発明の製造方法では、乾燥工程を、流通
させる気体の圧力を調製することで、前記湿潤ゲル複合
体中の非水溶媒の蒸気圧よりも高い圧力で行うことが好
ましい。これは、乾燥を行う圧力が、非水溶媒の蒸気圧
以下になると、前記非水溶性溶媒の沸騰が起こり、この
ことによりゲルの欠損などの損傷が生じ易いためであ
る。例えば、乾燥容器内に加圧気体を導入し、乾燥容器
から排出される気体の量を調整することで、乾燥容器内
の圧力を非水溶媒の蒸気圧よりも高い状態に保つことが
できる。
【0096】以上より、低密度で、強度の強い、音響イ
ンピーダンスの低い、信頼性の高い、高精度な音響整合
層を形成することができ、これを用いることによって高
感度な信頼性の高い安定な超音波送受波器を得ることが
できる。
【0097】(第8の実施の形態)図8は本発明の第8
の実施の形態の整合層を備えた超音波送受波器の製造方
法を説明する工程図である。この図を工程1〜工程4の
順に説明する。
【0098】・工程1:センサケース1に圧電体2を接
着させる。
【0099】・工程2:このセンサケース1の上に整合
層の強度を向上させるためにガラスフィラー等から成る
補強材51を設置する。
【0100】・工程3:この補強材51が設置されたセ
ンサケース1の上に、ゾル溶液としてpH9〜10のケ
イ酸水溶液を滴下し、ケイ酸水溶液のpHを5.5に調
整する。その後、上から平板32で押え、湿潤ゲル33
を形成する。この湿潤ゲルがゲル化するときに、ケース
1の表面のOH基と原料のアルコキシ基が反応して化学
結合し、ケース1の表面に湿潤ゲル膜が形成される。
【0101】・工程4:ゲル化されたケイ酸水溶液をト
リメチルクロルシラン(TMSC)のアセトン溶液にて疎
水化し、脱水処理を行う。また、ヘキサンに溶媒置換
後、100℃に維持した容器中で乾燥し、酸化ケイ素の
シリカ乾燥ゲル膜34を形成する。そうすると、低密度
で強度の高い、乾燥ゲル膜が固定化され、整合層を得る
ことができる。
【0102】このようにすることによって、乾燥ゲルか
らなる整合層は、接着剤を使用せずにセンサケース1に
接着することができる。
【0103】また、この時、圧電体は乾燥ゲルからなる
整合層を形成した後に接着させてもよい。
【0104】以上より、低密度で、強度の強い、音響イ
ンピーダンスの低い、信頼性の高い、高精度な音響整合
層を形成することができ、これを用いることによって高
感度な信頼性の高い安定な超音波送受波器を得ることが
できる。
【0105】(第9の実施の形態)図9は本発明の第9
の実施の形態の整合層を備えた超音波送受波器の製造方
法を説明する工程図である。この図を工程1〜工程4の
順に説明する。
【0106】・工程1:センサケース1に圧電体2、セ
ラミック61を接着させる。
【0107】・工程2:このセンサケース1の上のセラ
ミック61上に整合層の厚みを制御しλ/4の厚みにな
るように、また整合層の強度を強くするために、ガラス
ファイバーからなる補強材31を設置する。
【0108】・工程3:この補強材31が設置されたセ
ラミック61上に、ゾル溶液としてpH9〜10のケイ
酸水溶液を滴下し、ケイ酸水溶液のpHを5.5に調整
する。その後、上から平板32で押え、湿潤ゲル33を
形成する。この湿潤ゲルがゲル化するときに、セラミッ
ク61の表面のOH基と原料のアルコキシ基が反応して
化学結合し、セラミック61の表面に湿潤ゲル膜が形成
される。
【0109】・工程4:ゲル化されたケイ酸水溶液をト
リメチルクロルシラン(TMSC)のアセトン溶液にて疎
水化し、脱水処理を行う。また、ヘキサンに溶媒置換
後、100℃に維持した容器中で乾燥し、酸化ケイ素の
シリカ乾燥ゲル膜34を形成する。そうすると、低密度
の乾燥ゲル膜が固定化され、整合層を得ることができ
る。その後、ケース1に蓋板、駆動端子等を組み付ける
と圧電振動子10が出来上がる。
【0110】このようにすることによって、乾燥ゲルか
らなる整合層は、接着剤を使用せずにセラミック61に
接着することができ、さらに2層整合層による高感度化
を達成することができる。
【0111】また、この時、圧電体は乾燥ゲルからなる
整合層を形成した後に接着させてもよい。
【0112】さらに、補強材31を先にセラミック61
の上に設置したが、あらかじめゾル溶液の中に入れてお
き、ゾル溶液の滴下と一緒に補強材をセラミック上に形
成しても良い。
【0113】以上より、低密度で、強度の高い、音響イ
ンピーダンスの低い、信頼性の高い、高精度な2層音響
整合層を形成することができ、これを用いることによっ
て高感度な信頼性の高い安定な超音波送受波器を得るこ
とができる。
【0114】(第10の実施の形態)図10は本発明の
第10の実施の形態の超音波流量計に用いる超音波送受
波器の圧電振動子の断面図である。
【0115】この図において、電気−超音波相互変換を
行う圧電振動子10は、圧電体2と音響整合層100で
構成されている。圧電体2は、超音波振動を発生するも
ので、圧電セラミックや圧電単結晶等からなり、厚さ方
向に分極され、上下面に電極を有している。音響整合層
100は、気体に超音波を送波、または気体を伝搬して
来た超音波を受波するためのもので、駆動交流電圧によ
り励振される圧電体2の機械的振動が外部の媒体に超音
波として効率よく出ていき、到来した超音波が効率よく
電圧に変換される役目を有し、上記実施の形態を用いて
形成され、圧電体2における超音波の送受波面を形成す
る状態にして圧電体2の上側に化学結合により貼り合わ
されている。また、音響整合層100は無機酸化物また
は有機高分子の乾燥ゲルでなり、乾燥ゲルの固体骨格部
が疎水化され、その密度が500kg/m3以下で、平
均の細孔直径が100nm以下のナノ多孔体乾燥ゲル
(ナノ多孔質乾燥ゲル)として形成されている。さら
に、補強材101によって整合層100の強度および厚
みが規定されので、厚み精度の高い、強度の強い音響整
合層を得ることができる。
【0116】また、この整合層において補強材を下部の
み、あるいは整合層の上部にも形成することによって、
整合層内部の密度に変化を持たせることによって、感度
の高い、信頼性の高い超音波送受波器を得ることができ
る。
【0117】なお、無機酸化物の乾燥ゲルの固体骨格部
は、少なくとも酸化ケイ素(シリカ)または酸化アルミ
ニウム(アルミナ)を成分としている。また、有機高分
子の乾燥ゲルの固体骨格部は、一般的な熱硬化性樹脂、
熱可塑性樹脂により構成することができる。例えば、ポ
リウレタン、ポリウレア、フェノール硬化樹脂、ポリア
クリルアミド、ポリメタクリル酸メチルなどを適用する
こともできる。
【0118】このように構成されている超音波送受波器
では、駆動端子に超音波送受波器の共振周波数近傍の周
波数の交流信号成分を持つバースト信号電圧を印加する
と、圧電振動子10は厚み振動モードで振動し、気体ま
たは液体中等の流体中にバースト状の超音波を放射する
ことになる。
【0119】(第11の実施の形態)図11は本発明の
第11の実施の形態の超音波流量計に用いる超音波送受
波器の圧電振動子の断面図である。
【0120】この図において、電気−超音波相互変換を
行う圧電振動子10は、圧電体2と音響整合層100で
構成されている。圧電体2は、超音波振動を発生するも
ので、圧電セラミックや圧電単結晶等からなり、厚さ方
向に分極され、上下面に電極を有している。音響整合層
100は、気体に超音波を送波、または気体を伝搬して
来た超音波を受波するためのもので、駆動交流電圧によ
り励振される圧電体2の機械的振動が外部の媒体に超音
波として効率よく出ていき、到来した超音波が効率よく
電圧に変換される役目を有し、上記実施の形態を用いて
形成され、圧電体2における超音波の送受波面を形成す
る状態にしてセンサケース1の外側に化学結合により貼
り合わされている。また、音響整合層100は無機酸化
物または有機高分子の乾燥ゲルでなり、乾燥ゲルの固体
骨格部が疎水化され、その密度が500kg/m3以下
で、平均の細孔直径が100nm以下のナノ多孔体乾燥
ゲル(ナノ多孔質乾燥ゲル)として形成されている。さ
らに、補強材101によって整合層100の強度および
厚みが規定されので、厚み精度の高い、強度の強い音響
整合層を得ることができる。
【0121】また、この整合層において補強材を下部の
み、あるいは整合層の上部にも形成することによって、
整合層内部の密度に変化を持たせることによって、感度
の高い、信頼性の高い超音波送受波器を得ることができ
る。
【0122】(第12の実施の形態)図12は本発明の
第12の実施の形態の超音波流量計に用いる超音波送受
波器の圧電振動子の断面図である。
【0123】この図において、電気−超音波相互変換を
行う圧電振動子10は、圧電体2とセラミック102、
および音響整合層100で構成されている。圧電体2
は、超音波振動を発生するもので、圧電セラミックや圧
電単結晶等からなり、厚さ方向に分極され、上下面に電
極を有している。音響整合層100は、気体に超音波を
送波、または気体を伝搬して来た超音波を受波するため
のもので、駆動交流電圧により励振される圧電体2の機
械的振動が外部の媒体に超音波として効率よく出てい
き、到来した超音波が効率よく電圧に変換される役目を
有し、上記実施の形態を用いて形成され、圧電体2にお
ける超音波の送受波面を形成する状態にしてセラミック
102の外側に化学結合により貼り合わされている。ま
た、音響整合層100は無機酸化物または有機高分子の
乾燥ゲルでなり、乾燥ゲルの固体骨格部が疎水化され、
その密度が500kg/m3以下で、平均の細孔直径が
100nm以下のナノ多孔体乾燥ゲル(ナノ多孔質乾燥
ゲル)として形成されている。また、このセラミック音
響整合層の密度ρ3と乾燥ゲル複合体層の密度ρ2との
関係がρ2<ρ3であり、さらに、補強材101によっ
て整合層100の強度および厚みが規定されるので、厚
み精度の高い、高感度な、強度の強い音響整合層を得る
ことができる。このような2層整合層にすることによっ
て、感度の高い、信頼性の高い超音波送受波器を得るこ
とができる。
【0124】(第13の実施の形態)本発明の第13の
実施の形態の音響整合層を用いた超音波送受波器による
超音波流量計について説明する。
【0125】第6の実施の形態の作製方法を用いて作製
した音響整合層が、第1の実施の形態の音響整合層のよ
うな乾燥ゲル複合体から構成されている。この音響整合
層が、第8の実施の形態のようなプロセスで超音波送受
波器に取り付けられている。この補強材が混合した乾燥
ゲル複合体からなる音響整合層を持った超音波送受波器
が、測定流体と圧電体とを遮断した密閉容器で構成され
ている。この配管の被測定流体に面するようなかたちで
設置した超音波信号を送受信する一対の超音波送受波器
からなる流量測定部と、この超音波送受波器間の超音波
伝搬時間を計測する計測回路と、この計測回路からの信
号に基づいて流量を算出する流量演算手段とからなる超
音波流量計を構成する。こうすることによって、高精度
で高信頼性な超音波流量計を得ることができる。
【0126】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、乾燥ゲ
ルに補強材を混合した乾燥ゲル複合体からなる音響整合
層からなるので、機械的強度や耐久性が強く、極めて軽
量で音響インピーダンスが小さく、また、補強材が基体
に固定されているので、密着状態もよく、高感度な特性
バラツキが少ない安定した音響整合層を有する超音波送
受波器が得られる。さらに、補強材を乾燥ゲルの一部に
混合することによって、音響整合層の内部の密度に最適
な変化を持たせることができ、高感度な音響整合層を有
する超音波送受波器が得られる。
【0127】また、乾燥ゲル複合体の表面に保護層を形
成することによって信頼性や感度を向上させることが可
能です。
【0128】さらに、乾燥ゲル複合体形成時に、圧電体
表面または容器(ケース)表面に補強材が固定化される
ことによって、接着層の無い、いわゆる接着層レスの超
音波送受波器が得られるという優れた効果も期待でき
る。
【0129】また、従来の整合層の上層に、この機械的
強度の高い、乾燥ゲル複合体からなる音響整合層を形成
することによって、さらに高感度な超音波送受波器が得
られるという優れた効果も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の超音波送受波器に
おける音響整合部材を説明する図
【図2】本発明の第2の実施の形態の超音波送受波器に
おける音響整合部材を説明する図
【図3】本発明の第3の実施の形態の超音波送受波器に
おける音響整合部材を説明する図
【図4】本発明の第4の実施の形態の超音波送受波器に
おける音響整合部材を説明する図
【図5】本発明の第5の実施の形態の超音波送受波器に
おける音響整合部材を説明する図
【図6】(工程a1)〜(工程c1)は本発明の第6の
実施の形態の超音波送受波器における音響整合部材の製
造方法を説明する工程図
【図7】(工程a2)〜(工程c2)は本発明の第7の
実施の形態の超音波送受波器における音響整合部材の製
造方法を説明する工程図
【図8】(工程1)〜(工程4)は本発明の第8の実施
の形態の整合層を備えた超音波送受波器の製造方法を説
明する工程図
【図9】(工程1)〜(工程4)は本発明の第9の実施
の形態の整合層を備えた超音波送受波器の製造方法を説
明する工程図
【図10】本発明の第10の実施の形態の超音波送受波
器の断面図
【図11】本発明の第11の実施の形態の超音波送受波
器の断面図
【図12】本発明の第12の実施の形態の超音波送受波
器の断面図
【図13】従来の超音波送受波器を用いた超音波流量計
を示すブロック図
【図14】従来の超音波受波器の断面図
【図15】従来の超音波受波器の整合層の断面および表
面図
【符号の説明】
1 センサケース 2 圧電体 10 圧電振動子 11 乾燥ゲル複合体 12 補強材層 13 乾燥ゲル 14 基体 15 保護層 31 補強材 32 平板 33 湿潤ゲル 34 乾燥ゲル 51 補強材 61 セラミック 100 整合層 101 補強材 102 セラミック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 正明 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2F035 DA05 DA16 DA19 5D019 AA14 AA21 AA26 FF02 GG01

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電体を用いて超音波を送信または受信
    する超音波送受波器で用いられる音響整合部材におい
    て、 前記音響整合部材が乾燥ゲルおよび補強材からなり、前
    記補強材が基体に固定されている乾燥ゲル複合体から構
    成されることを特徴とする音響整合部材。
  2. 【請求項2】 圧電体を用いて超音波を送信または受信
    する超音波送受波器で用いられる音響整合部材におい
    て、 前記音響整合部材が乾燥ゲル層および補強材を含んだ乾
    燥ゲル複合体層とからなり、前記乾燥ゲル複合体層が基
    体に密着しており、前記乾燥ゲル層の密度ρ1と前記乾
    燥ゲル複合体層の密度ρ2との関係がρ1<ρ2である
    ことを特徴とする音響整合部材。
  3. 【請求項3】 圧電体を用いて超音波を送信または受信
    する超音波送受波器で用いられる音響整合部材におい
    て、 前記音響整合部材が補強材層および補強材を含んだ乾燥
    ゲル複合体層とからなり、前記乾燥ゲル複合体層が基体
    に密着しており、前記補強材層の密度ρ1’と前記乾燥
    ゲル複合体層の密度ρ2との関係がρ1’<ρ2である
    ことを特徴とする音響整合部材。
  4. 【請求項4】 前記音響整合部材の平均密度が50〜5
    00kg/m3である複合体から構成されることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれかに記載の音響整合部材。
  5. 【請求項5】 前記補強材がガラス繊維により構成さ
    れ、前記ガラス繊維が低融点ガラスにより前記基体に固
    定されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    に記載の音響整合部材。
  6. 【請求項6】 圧電体を用いて超音波を送信または受信
    する超音波送受波器で用いられる音響整合部材の製造方
    法において、 (a1)ゲル原料にゲル化触媒を添加して混合物を得る
    工程、 (b1)前記混合物を前記複合体層を構成する補強材と
    共存させた後にゲル化を完了させ、湿潤ゲル複合体を形
    成する工程、および (c1)前記湿潤ゲル複合体からゲル中の非水溶媒を除
    去して乾燥ゲル複合体を得る乾燥工程を、工程(a1)
    〜(c1)の順に含み、前記補強材が基体に固定されて
    いる前記乾燥ゲル複合体から構成されていることを特徴
    とする音響整合部材の製造方法。
  7. 【請求項7】 圧電体を用いて超音波を送信または受信
    する超音波送受波器で用いられる音響整合部材の製造方
    法において、 (a2)ゲル原料と補強材とを共存させる工程、 (b2)工程(a2)に引き続き、ゲル化触媒を加える
    ことにより、ゲル化を進行させ湿潤ゲル複合体を形成す
    る工程、および (c2)前記湿潤ゲル複合体からゲル中の非水溶媒を除
    去して乾燥ゲル複合体を得る乾燥工程を、工程(a2)
    〜(c2)の順に含み、前記補強材が基体に固定されて
    いる前記乾燥ゲル複合体から構成されていることを特徴
    とする音響整合部材の製造方法。
  8. 【請求項8】 圧電体が容器の内面に配置されてなる超
    音波送受波器の音響整合部材の製造方法において、 前記容器の前記圧電体の配置位置に対向した外面の位置
    に1×105kg/m2の強度に耐え得る、超音波発振波
    長の4分の1の厚みをもつ補強部を有してなり、前記容
    器上に乾燥ゲルおよび補強材との乾燥ゲル複合体からな
    る音響整合層を形成してなり、前記補強材が前記容器に
    固定されている前記乾燥ゲル複合体から成ることを特徴
    とする音響整合部材の製造方法。
  9. 【請求項9】 圧電体と音響整合層を用いて超音波を送
    信または受信する超音波送受波器において、 前記音響整合層が請求項1〜5のいずれかに記載の乾燥
    ゲル複合体で構成され、前記圧電体の上に直接形成され
    ていることを特徴とする超音波送受波器。
  10. 【請求項10】 圧電体と音響整合層を用いて超音波を
    送信または受信する超音波送受波器において、 前記圧電体が容器の内面に配置されており、前記音響整
    合層が請求項1〜5のいずれかに記載の乾燥ゲル複合体
    で構成され、前記音響整合層が前記容器の前記圧電体の
    配置位置に対向した外面に配置されてなることを特徴と
    する超音波送受波器。
  11. 【請求項11】 圧電体と音響整合層を用いて超音波を
    送信または受信する超音波送受波器において、 前記圧電体が容器の内面に配置されており、セラミック
    から成る前記音響整合層が前記容器の前記圧電体の配置
    位置に対向した外面に配置されており、前記セラミック
    音響整合層上に請求項1〜5記載の乾燥ゲル複合体で構
    成される音響整合層が積層されており、前記セラミック
    音響整合層の密度ρ3と前記乾燥ゲル複合体層の密度ρ
    2との関係がρ2<ρ3であることを特徴とする超音波
    送受波器。
  12. 【請求項12】 圧電体と音響整合層を用いて超音波を
    送信または受信する超音波送受波器において、 前記音響整合層が請求項1〜5のいずれかに記載の乾燥
    ゲル複合体で構成され、前記音響整合層の表面に保護層
    が形成されていることを特徴とする超音波送受波器。
  13. 【請求項13】 被測定流体が流れる流量測定部と、前
    記流量測定部に設けられ超音波信号を送受信する一対の
    超音波送受波器と、前記超音波送受波器間の超音波伝搬
    時間を計測する計測回路と、前記計測回路からの信号に
    基づいて流量を算出する流量演算手段とを備えてなる超
    音波流量計において、 請求項9〜12のいずれかに記載された前記超音波送受
    波器が前記測定流体と圧電体とを遮断した容器で構成さ
    れた超音波送受波器を用いることを特徴とする超音波流
    量計。
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