JP4699967B2 - 情報処理装置 - Google Patents
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Description
この特許文献1に記載の冷却構造では、発熱量の低いチップセットを情報処理装置(PC)の内部空気で冷却し、発熱量の高いCPUを、当該内部空気と、情報処理装置外部から別途導入した外部空気とで冷却する。これによれば、内部空気よりも低温の外部空気を用いてCPUを冷却することができる。
また、特許文献1に記載の冷却構造では、冷却対象であるCPUにヒートシンクが当接していないため、当該CPUからヒートシンクに熱が直接伝導しない。このため、CPUで生じた熱は、当該CPUのケーシングでのみ放熱されることとなるので、ファンからの冷却空気を送風しても、放熱面積が小さく、冷却効率が低いという問題がある。
また、付勢板と冷却手段とが、冷却対象である集積回路を挟むように支持するので、冷却手段が冷却対象にねじ等の固定具により取り付けられる場合のように、冷却対象に一方向からのみ荷重が加わることを防ぐことができる。従って、集積回路の変位を抑制することができるほか、冷却手段の安定性を高めることができる。
ここで、回路基板における集積回路が実装される面の反対側の面とは、集積回路のケーシングが位置する面とは反対側の面を示しており、当該集積回路が回路基板を貫通する端子を備えている場合には、当該端子を回路基板にはんだ等により固定する回路基板の面を指している。
また、付勢板が、回路基板における集積回路が実装される面とは反対側の面側に設けられているので、当該集積回路において高温となり易いケーシングを冷却手段に当接させることができる。従って、集積回路の冷却効率を向上することができる。
さらに、回路基板上に配設された集積回路に圧着するように、当該回路基板に対して大型の冷却手段をねじ等により固定すると、回路基板に反りが生じる可能性がある。これに対し、付勢板が、回路基板を挟んで当該回路基板上に設けられた集積回路に圧着するように、冷却手段を引っ張ることにより、回路基板に反りが生じることを防ぐことができる。従って、回路基板の変位を防ぐことができる。
本発明によれば、付勢板を冷却手段に取り付ける際に生じる取付部材の押込力を、回路基板に伝わらないようにすることができる。すなわち、取付部材は、一対のフレーム部材及び回路基板に形成された開口及び孔を挿通し、冷却手段の係止部により係止されるので、当該取付部材の冷却手段への押込力(取付部材がねじの場合は締め付け力)は、回路基板に作用しない。従って、取付部材による回路基板の冷却手段側への押し付けを防ぐことができるので、回路基板に歪みや反り等の変位が生じることを一層確実に抑制することができる。
本発明によれば、回路基板と板状体とが絶縁性の材料により形成された突起部を介して接続されるので、当該回路基板を流れる電流が、板状体及び板ばねに導通することを防ぐことができる。従って、回路基板を流れる電流にノイズが混入したり、信号誤り等が生じたりすることを防ぐことができる。
本発明によれば、付勢板が板状体に対して10kgの荷重を加えることにより、当該板状体を介して集積回路に冷却手段に適切に圧着させることができる。すなわち、当該荷重で冷却手段と集積回路とを圧着させることにより、適度な圧力状態で、それぞれの密着度を高めることができる。
これによれば、第2フレーム部材の開口を挿通した集積回路を冷却手段に当接させる際に、一対の挟持片が当該冷却手段を挟持することで、集積回路に対する冷却手段の位置を適切に合わせることができ、当該集積回路を冷却手段に適切に圧着させることができる。従って、集積回路から冷却手段への熱の伝導効率を高めることができるので、集積回路の冷却効率を高め、当該集積回路の温度上昇を一層抑制することができる。
さらに、集積回路が圧着する冷却手段の部分と、挟持片とが電導性を有している場合には、これらを介して、回路基板上を流れる電流を第2フレーム部材に導通させることができる。従って、不要な輻射ノイズを第2フレーム部材に導通させることができるので、EMI対策を施すことができる。
本発明によれば、冷却手段は、集積回路から熱が伝導される受熱部に対して、送風部により冷却空気を送風して、当該伝導された熱を冷却する。これによれば、冷却手段が、集積回路から伝導された熱を放熱するのみの構成である場合に比べ、受熱部に伝導された熱を、送風部から送風される冷却空気により強制的に冷却するので、当該熱を効率よく冷却することができる。従って、集積回路の冷却効果をより一層高めることができる。
(1)情報処理装置1の構成
図1は、本実施形態に係る情報処理装置1を正面側から見た斜視図であり、図2は、蓋部材23を開放した状態の情報処理装置1を正面側から見た斜視図である。
本実施形態の情報処理装置1は、使用者が操作するコントローラ(図示略)からの指示に応じて、あるいは自動で、CD、DVD及びBD等の光ディスク等の記録媒体や、各種半導体メモリカード及びHDD(Hard Disk Drive)等の記憶媒体に記録または記憶された情報、並びに、接続されたネットワークから情報を取得し、当該取得情報に含まれる画像情報及び音声情報を再生するほか、当該取得情報に含まれるプログラムを実行する電子機器である。また、この情報処理装置1は、使用する光ディスクの種類によっては、当該光ディスクに対する情報の記録を行うことができるほか、装着された半導体メモリカード及びHDD等の記憶媒体への情報の記録を行うことができるように構成されている。このような情報処理装置1は、図示を省略するが、テレビジョン受像機等の画像表示装置と電気的に接続されており、コントローラを使用者が操作することにより、使用者の操作に応じた所定の処理を行い、当該処理結果から画像信号および音声信号を当該画像表示装置に出力する。
この情報処理装置1は、外装筐体2(図1〜図6)と、当該外装筐体2内に収納される装置本体3(図7〜図9)とを備えて構成されている。
外装筐体2は、図1及び図2に示すように、全体略楕円柱状を有している。このような外装筐体2は、化粧板24が取り付けられる上部筐体21と、下部筐体22とから構成されている。
上部筐体21は、円弧状の湾曲部分を有する箱型形状に形成され、下部筐体22と組み合わされてねじ固定される。この上部筐体21には、正面部211(図1、図2及び図4)、上面部212(図3及び図4)および側面部213(図1、図2及び図4),214(図3)が形成されている。
さらに、図1及び図2における右側の側面部213には、外装筐体2内に収納された装置本体3を冷却する冷却空気を、当該外装筐体2外から吸気する複数の吸気口2131が形成されている。
上部筐体21の上面部212には、図3に示すように、当該上面部212を覆う化粧板24が摺動自在に取り付けられている。この化粧板24は、上面部212の湾曲形状に沿うように形成され、当該上面部212の長手方向に沿って摺動させることにより、上面部212に取り付けられる。
このうち、溝部2121は、上面部212の短手方向の両端において、当該上面部212の長手方向に沿って形成され、化粧板24の上面部212に沿った摺動を案内する。係合部2122は、化粧板24の裏面(上面部212と対向する面)に突設され、かつ、略鉤状を有する係止部(図示省略)と係合して、上面部212から化粧板24が外れることを防止する。ねじ挿入口2123には、上部筐体21と装置本体3とを固定するねじが挿入される。
また、側面部214の長手方向両端には、図3に示すように、ゴム等により形成された脚部2141が設けられている。
下部筐体22は、図1及び図2に示すように、直方体と半円柱とを組み合わせた形状を有し、半円柱状部分を向い合わせるように前述の上部筐体21と組み合わさる。
この下部筐体22は、上部筐体21と対向する側に、後述する装置本体3を収納するための開口22A(図6)を有し、当該下部筐体22には、正面部221(図1及び図2)、側面部222(図1及び図2),223(図3)、背面部224(図3)、底面部225(図5)及び内面部226(図6)が形成されている。
さらに、正面部221における延出部分の下面には、外装筐体2外の空気を導入する吸気口2213(図5)が形成されている。
このため、外装筐体2における側面部213,222によって形成される面2Aには、吸気口2131及び排気口2221,2222が同一の面に形成されていることとなる。
また、側面部223の略中央には、略矩形状の開口2232が形成されており、当該開口2232を介して、図示しないHDD(Hard Disk Drive)ユニットが取り付けられる。この開口2232は、当該開口2232に応じた形状を有する蓋部材25により閉塞されている。
さらに、開口2232の下方には、側面部223の長手方向に沿って複数の吸気口2233が形成されている。
具体的に、開口2241〜2244には、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)端子を接続可能な端子、IEEE802.3iに準拠し、10Base−Tおよび100Base−TX等のLAN(Local Area Network)ケーブルが接続可能な端子、USB規格に準拠したB端子が接続可能な端子、及び、一端側に映像用の1本の端子及び音声用の2本の端子が設けられた同軸ケーブルの他端側が接続可能な端子が、それぞれ露出する。
加えて、背面部224における開口2241〜2244,2246が形成された部分、及び、電源スイッチ2245が設けられた部分以外の領域には、外装筐体2内の装置本体3を冷却した冷却空気を外部に排出する排気口2248が形成されている。
なお、詳しい図示を省略したが、背面部224の内面には、後述する冷却ユニット32の吐出口328(図22及び図23)と排気口2248とを接続し、当該吐出口328から吐出される空気が、冷却ユニット32により吸引されないようにするスポンジが設けられている。
下部筐体22の底面部225は、下部筐体22における上部筐体21とは反対側の直方体部分の底面に対応する部分である。この底面部225には、図5に示すように、下方に突出した2段の第1段差部2251及び第2段差部2252が形成されている。
詳述すると、第1段差部2251は、底面部225において、正面部221及び側面部222側が内側にずれ、かつ、側面部223及び背面部224(図3)側が面一となるように形成されている。また、第2段差部2252は、当該第1段差部2251の内側に、正面部221及び側面部222側が内側にずれ、側面部223及び背面部224側が面一となるように形成されている。これらのうち、第1段差部2251の正面側には、前述の開口2211及び吸気口2212が形成され、当該第1段差部2251の側面には、前述の排気口2222が形成されている。
また、第2段差部2252には、側面部223に近接する側に、吸気口2233(図3)と同様の吸気口22522が、当該底面部225の短手方向(側面部223に沿う方向)に沿って形成されている。
下部筐体22の内面部226には、前述のように、装置本体3を収納するための開口22Aが形成されており、また、詳しい図示を省略したが、当該下部筐体22の外周に沿って複数のねじ孔が形成されている。これらねじ孔には、下部筐体22に装置本体3及び上部筐体22を固定するねじが螺合する。
また、下部筐体22における正面部221側の両端には、嵌合穴2261,2262が形成されている。これら嵌合穴2261,2262には、装置本体3の制御ユニット31を構成する後述するメインフレーム4に設けられたピン48(48R,48L)(図14)が嵌合し、これにより、下部筐体22に制御ユニット31が位置決めされる。なお、側面部222に近接する側に形成された嵌合穴2261は、平面視略長円形状に形成され、側面部223に近接する側に形成された嵌合穴2262は、略円形状に形成されている。このため、ピン48R,48Lと、嵌合穴2261,2262との位置が製造誤差等により僅かにずれた場合でも、当該嵌合穴2261,2262にピン48R,48Lを嵌合することができる。なお、嵌合穴2261には、ピン48Rが嵌合し、嵌合穴2262には、ピン48Lが嵌合する。
図7は、上部筐体21を外した状態の情報処理装置1を正面側から見た斜視図である。また、図8は、装置本体3を正面側から見た斜視図であり、図9は、装置本体3を示す分解斜視図である。
装置本体3は、図7に示すように、外装筐体2内に収納されている。この装置本体3は、図7〜図9に示すように、制御ユニット31(図7〜図9)、冷却ユニット32(図8及び図9)、ディスクユニット33(図7〜図9)、電源ユニット34(図7〜図9)、リーダライタユニット35(図7〜図9)及び板ばね36(図9)を備えて構成されている。そして、装置本体3は、これら各ユニット31〜35及び板ばね36が互いにねじ等により固定され、一体的に組み合わさっている。
このディスクユニット33は、詳しい図示を省略するが、ユニット本体331と、当該ユニット本体331を内部に収納する金属製の筐体332とを備えて構成されている。このうち、筐体332の正面には、直径12cmの光ディスクが挿抜される開口3321が形成されている。
図10及び図11は、制御ユニット31を上方及び下方から見た斜視図である。また、図12は、制御ユニット31及び冷却ユニット32を示す分解斜視図である。
制御ユニット31は、装置本体3、ひいては、情報処理装置1の駆動を制御するユニットである。この制御ユニット31は、図10〜図12に示すように、メインフレーム4と、制御基板5と、サブフレーム6とを備えて構成されており、制御基板5及びサブフレーム6は、メインフレーム4に対して位置決めされる。
図13及び図14は、メインフレーム4を上方及び下方から見た斜視図である。
メインフレーム4は、後述するサブフレーム6とともに制御基板5を挟持し、後述する冷却ユニット32に接続されるフレーム部材であり、本発明の第2フレーム部材に相当する。このメインフレーム4は、平面視略長方形状を有する平板状に形成され、放熱及びEMI(Electro Magnetic Interference、電磁干渉)を考慮してアルミ等の金属により形成されている。また、メインフレーム4の中央には、図13に示すように、下面側、すなわち、制御基板5に対向する側とは反対側に没入した凹部40が形成されている。この凹部40と後述するサブフレーム6の凹部60とにより形成される空間内に制御基板5が収納配置され、メインフレーム4は、当該メインフレーム4に取り付けられる制御基板5上に配設された各種チップが押圧されないように形成されている。さらに、メインフレーム4には、複数の略円形状の孔が形成されており、当該孔は、メインフレーム4を軽量化するとともに、当該メインフレーム4とサブフレーム6とに挟持される制御基板5に冷却空気を通風させる。
挟持片4Aは、図15及び図16に示すように、断面視略U字状を有する金属性部材であり、前述のように、メインフレーム4の延出部411,421にそれぞれ取り付けられる。この挟持片4Aは、制御ユニット31に後述する冷却ユニット32が取り付けられた際に、メインフレーム4の開口41,42に応じた冷却ユニット32の位置に設けられた受熱ブロック325(図23)を挟持する。具体的に、開口41の端縁に形成された一対の延出部411にそれぞれ設けられた各挟持片4Aは、当該開口41内に配置される受熱ブロック325Cを側方から挟持し、開口42の端縁に形成された一対の延出部411にそれぞれ設けられた各挟持片4Aは、当該開口42内に配置される受熱ブロック325Gを側方から挟持する。
正面部4A1には、背面部4A2から離間する方向に断面略V字状に突出した突出部4A11が形成されている。また、正面部4A1には、突出部4A11を分割する複数の切欠4A12が形成されている。このうち、突出部4A11は可撓性を有し、受熱ブロック325に当接した際に、当該受熱ブロック325を押圧する方向に付勢力を付与する。
背面部4A2には、2つの略円形状の開口4A21が形成されている。これら開口4A21には、図17に示すように、メインフレーム4の延出部411,421に形成され、かつ、当該開口4A21と略同じ形状及び寸法で形成された突起部(図17では、延出部411に形成された突起部4111のみ図示)が嵌合する。これにより、挟持片4Aが延出部411,421から外れることが防がれる。
また、メインフレーム4の正面側(図13及び図14における手前側)には、略矩形の開口43が2つ並列して形成されている。これら開口43には、メインフレーム4に制御基板5を載置した際に、当該制御基板5に設けられた2つの端子接続部53(図19)が挿通する。
このうち、図13における左側に形成された側面部44には、寸法の異なる4つの開口441〜444が形成されている。これら開口441には、制御基板5に設けられ、下部筐体22に形成された開口2241〜2244から露出する各端子59(図19)が挿通する。また、側面部44には、当該開口441,443,444の上側に、細長い略矩形の開口445〜447が形成されている。また、図13における右側に形成された側面部45には、開口445〜447と同様の開口451が形成されている。これら開口445〜447,451には、後述するサブフレーム6に形成された起立部65が係合し、これにより、メインフレーム4にサブフレーム6が取り付けられる。
また、メインフレーム4の上面における短手方向に沿った端縁の略中央には、当該端縁から起立する断面略L字状の起立部47(メインフレーム4の右側の起立部を47Rとし、左側の起立部を47Lとする)がそれぞれ形成されている。これら起立部47は、メインフレーム4に制御基板5及びサブフレーム6を位置決めする際に、当該制御基板5及びサブフレーム6の短手方向に沿った端縁の略中央を挟むようにして、当該位置決めを案内する。
図18及び図19は、制御基板5を上方及び下方から見た斜視図である。
制御基板5は、装置本体3、ひいては、情報処理装置1全体を制御するものであり、略中央にそれぞれ配置された集積回路であるCPU51(図19における右側)及びGPU52(図19における左側)のほか、詳しい図示を省略したが、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及び、チップセット等の各種IC(Integrated Circuit)チップ等が実装された回路基板として構成されている。そして、制御基板5は、CPU51及びGPU52を含めた各種ICチップが実装される面、すなわち、各ICチップのケーシングが配置される下面を、メインフレーム4に対向させ、かつ、抵抗等の素子の端子が露出する上面を、サブフレーム6に対向させるようにして配置される。なお、CPU51及びGPU52の端子は、制御基板5の下面側に設けられ、かつ、CPU51及びGPU52の端子と接続されるソケット511,521(図26)に取り付けられる。これらソケット511,521は、平面的に見て、CPU51及びGPU52より僅かに大きな寸法を有している。
また、制御基板5の正面側の長手方向両端部には、それぞれ孔部55(制御基板5における右側の孔部を55Rとし、左側の孔部を55Lとする)が形成されている。これら孔部55R,55Lには、メインフレーム4に形成されたピン46R,46Lがそれぞれ挿通し、これにより、制御基板5はメインフレーム4に位置決めされる。
このうち、一対の電源ピン571は、詳しい図示を省略したが、それぞれ略S字状を有し、一方の端部が円筒状に形成され、当該円筒状部分が筐体外に突出している。このため、一対の電源ピン571は、筐体572内で揺動可能に構成されている。これにより、電源ユニット34の製造時に寸法等の誤差が生じた場合でも、サブフレーム6上に配置される当該電源ユニット34に、電源ピン571が適切に挿入される。
コネクタ58は、HDDユニットに設けられた端子と接続される接続部581と、当該接続部581を支持する筐体582とを備えて構成されている。
このうち、接続部581は、側面視略L字状に形成され、一方の端部が筐体582から制御基板5の下面に沿って突出しており、当該突出方向の先端部分に形成された開口(図示省略)を介して、接続部581内部に設けられた端子(図示省略)と、HDDユニットの端子とが接続される。この接続部581は、筐体582に対して、当該突出方向とは反対方向、及び、当該突出方向に略直交する方向に揺動可能に構成されている。このため、接続部581に対してHDDユニットの端子がずれた場合でも、接続部581が揺動して、当該接続部581に端子が適切に挿入される。
図20及び図21は、サブフレーム6を上方及び下方から見た斜視図である。
サブフレーム6は、メインフレーム4とともに制御基板5を支持するとともに、前述のディスクユニット33、電源ユニット34及びリーダライタユニット35を支持するフレーム部材であり、本発明の第1フレーム部材に相当する。このサブフレーム6は、メインフレーム4と同様に、放熱及びEMIを考慮してアルミ等の金属により形成されている。このサブフレーム6は、図20及び図21に示すように、平面視略長方形状の平板状に形成され、略中央部分には、制御基板5と対向する側とは反対側に没入した凹部60が形成されている。そして、前述のように、凹部60と、メインフレーム4の凹部40とにより形成される空間内に、前述の制御基板5が収納配置される。
また、サブフレーム6の短手方向に沿った端縁の略中央には、制御基板5に形成された切欠56(図18)と同様の切欠67(サブフレーム6の右側の切欠を67Rとし、左側の切欠を67Lとする)が形成されている。これら切欠67は、メインフレーム4に対して制御基板5を位置決めした後、当該メインフレーム4にサブフレーム6を位置決めする際に、メインフレーム4に形成された起立部47が嵌まり込む。これにより、メインフレーム4へのサブフレーム6の位置決めが案内される。なお、切欠67Lが形成された位置からサブフレーム6の中央寄りの位置には、制御基板5に設けられた電源接続端子57の電源ピン571(図18)が挿通する略矩形の開口601が形成されている。
図22は、制御ユニット31に組み合わせた冷却ユニット32を下方から見た斜視図である。また、図23は、冷却ユニット32を上方から見た斜視図である。
冷却ユニット32は、前述のように、板ばね36により、制御ユニット31と一体となり、当該制御ユニット31を構成する制御基板5を冷却するほか、外装筐体2外部から冷却空気を導入する過程で、当該冷却空気の流路上に位置する電源ユニット34等を冷却する冷却手段である。この冷却ユニット32は、図22に示すように、一部がメインフレーム4のHDD取付部49を覆うようにして配置される。
送風部321は、モータの回転に伴って回転する羽根部材3211により、筐体322に形成された後述する吸気口3231,3244から筐体322外の空気を吸引し、吐出口327,328から吸引した空気を吐出する。これらモータ及び羽根部材3211の回転により送風される冷却空気は、筐体322に設けられた後述する受熱ブロック325を介して放熱フィン3245,3246に伝導された熱を冷却する。
この筐体322の下面部323、すなわち、下部筐体22と対向する下面部323には、図22に示すように、平面視略円形状の吸気口3231が形成されている。この吸気口3231には、下部筐体22の正面部221に形成された吸気口2212を介して外装筐体2内部に導入された冷却空気が引き込まれる。
上面部324の略中央には、これら2つの板部材3241,3242に跨るように、平面視略円形状の吸気口3244が形成されている。この吸気口3244には、送風部321の羽根部材3211の回転に伴って、装置本体3を冷却した冷却空気が冷却ユニット32内に導入される。
これら受熱ブロック325の段差部3252には、それぞれねじ孔32521が形成され、当該ねじ孔32521には、後述する板ばね36の孔部3632(図24)、制御基板5の孔部54(図18)及びメインフレーム4の孔部412,422を挿通したねじ37(図12)が螺合する。これにより、冷却ユニット32が制御ユニット31に取り付けられる。すなわち、ねじ孔32521は、取付部材であるねじ37を係止する係止部に相当する。
また、受熱ブロック325G(図23における右側)は、吸気口3244及び板部材3242のそれぞれの一部を覆う位置であり、かつ、制御基板5のGPU52に対応する位置に設けられている。そして、同じく、冷却ユニット32が制御ユニット31に取り付けられた際に、当該受熱ブロック325Gの平坦部3251がGPU52に当接し、当該受熱ブロック325Gには、GPU52で生じた熱が伝導する。
このうち、3本のヒートパイプ326Cは、受熱ブロック325Cと板部材3241とを接続しており、当該受熱ブロック325Cに伝導されたCPU51の熱を吸熱し、板部材3241に伝導させる。また、2本のヒートパイプ326Gは、受熱ブロック325Gと板部材3242とを接続しており、当該受熱ブロック325Gに伝導されたGPU52の熱を吸熱し、板部材3242に伝導させる。
そして板部材3241,3242に伝導されたCPU51及びGPU52の熱は、放熱フィン3246,3245にそれぞれ伝導し、当該熱は、送風部321を構成するモータ及び羽根部材3211の回転に伴って流通する冷却空気により冷却される。
これら吐出口327,328のうち、吐出口327は、下部筐体22の側面部222に形成された排気口2221,2222に接続され、当該排気口2221,2222を介して、放熱フィン3245を冷却した空気が排出される。この吐出口327の周囲、具体的には、当該吐出口327を形成する筐体322の下面及び側面には、下部筐体22の内面部226に形成された当接部2265に当接されるスポンジ3271が設けられている。このスポンジ3271により、吐出口327と下部筐体22に形成された排気口2222(図1)が接続され、外装筐体2内の装置本体3を冷却し、かつ、吐出口327から吐出された冷却空気が、漏れなく排気口2221,2222から排出される。
そして、冷却ユニット32は、情報処理装置1を横置きした場合には、内部を冷却した冷却空気を側方(面2A(図1)側)及び背面側に排出し、縦置きした場合には、上方及び背面側に排出する。
次に、板ばね36の構成について説明する。
図24は、板ばね36を上方から見た斜視図である。また、図25は、板ばね36を示す断面図である。
2つの板ばね36は、前述のように、制御ユニット31に、冷却ユニット32を取り付ける部材であり、本発明の付勢板に相当する。この板ばね36は、図24に示すように、略点対称な平面視略長円形状に形成されている。具体的に、板ばね36は、サブフレーム6の開口61,62に応じた形状を有し、それぞれサブフレーム6の開口61,62に嵌合する。
板ばね36の略中央には、図24及び図25に示すように、細長い平坦部361が形成されており、当該平坦部361の略中央には、サブフレーム6側に突出し、当該サブフレーム6の板状体63,64の上面略中央に当接する1つの突出部3611が形成されている。また、板ばね36には、当該平坦部361を挟むように、上方に向かって傾斜した一対の傾斜部362が形成されている。また、これら一対の傾斜部362を挟むように、平坦部361に略平行な平坦部363が形成されている。
このうち、孔部3632より内側に形成された孔部3631は、板ばね36が板状体63,64に当接した際に、当該板状体63,64の上面側に露出した突起部631,641に対応する位置に設けられている。
また、板ばね36の両端に形成された孔部3632は、冷却ユニット32の受熱ブロック325に形成されたねじ孔32521(図23)に螺合するねじ37(図12)が挿通する。
ここで、制御ユニット31の組立工程について説明する。
制御ユニット31の組立は、冷却ユニット32上で行われる。すなわち、制御ユニット31の組立に際しては、まず、冷却ユニット32の上面部324に形成された位置決めピン329(図23)をメインフレーム4に形成されたピン挿入口401(図13)に挿通させて、冷却ユニット32に対するメインフレーム4の位置決めを行う。
この後、メインフレーム4及びサブフレーム6の外周に形成された図示しない孔部を挿通するようにして、ねじ固定することにより、制御ユニット31を組み立てる。
次に、冷却ユニット32の制御ユニット31への取り付けを説明する。
図26は、制御ユニット31を構成する各部材4〜6と冷却ユニット32とを示す断面図である。図27は、制御ユニット31に冷却ユニット32が取り付けられた状態の当該制御ユニット31及び冷却ユニット32を示す断面図である。なお、図26については、制御基板5のCPU51に応じた位置での断面図であり、同様の構成であるGPU52に係る各部材については、括弧書きで符号を付している。
前述のように、冷却ユニット32は、制御ユニット31に対して板ばね36及びねじ37により押圧固定される。以下、冷却ユニット32の取り付けについて説明する。
また、これら板状体63,64は、制御基板5のCPU51及びGPU52と略同じ寸法で形成され、かつ、当該CPU51及びGPU52に応じた位置に配置されている。このため、板状体63,64の四隅に設けられた突起部631,641から加わる荷重は、CPU51及びGPU52の四隅をそれぞれ均等に受熱ブロック325C,325Gに圧着させることとなる。従って、CPU51及びGPU52に設けられ、制御基板5に設けられたソケット511,521に挿入される端子の歪み等の変位を抑制できるとともに、当該CPU51及びGPU52を確実かつ適切に、受熱ブロック325C,325Gに圧着させることができる。
詳述すると、ねじ37には、平面視略円形状を有するねじ頭371と、当該ねじ頭371から面外方向に突出する円筒部372と、当該円筒部372の先端部分からさらに突出し、円筒部372より外径寸法の小さい略円筒状の螺合部373とが形成されている。
このうち、ねじ頭371の外径寸法は、板ばね36の孔部3632の内径寸法より大きく、また、円筒部372の外径寸法は、板ばね36、制御基板5及びメインフレーム4に形成された各孔部3632,54,412,422より僅かに小さい。さらに、螺合部373の外径寸法は、受熱ブロック325に形成されたねじ孔32521の内径寸法より僅かに小さく形成され、当該螺合部373の外周には、ねじ溝が形成されている。
このようにして、制御基板5のCPU51及びGPU52と、冷却ユニット32の受熱ブロック325C,325Gとが圧着した際には、図28に示すように、メインフレーム4の開口41,42の端縁の延出部411,421(図28では、延出部411のみ図示)に取り付けられた一対の挟持片4Aにより、受熱ブロック325C,325G(図28では、受熱ブロック325Cのみ図示)が挟持される。このため、開口41,42内に、受熱ブロック325C,325Gが位置し、当該受熱ブロック325C,325Gを、開口41,42から冷却ユニット32側に露出するCPU51及びGPU52に適切に当接させることができる。また、挟持片4Aが熱伝導性の金属により形成されているので、受熱ブロック325に伝導された熱を、さらにメインフレーム4に伝導して放熱することができる。さらに、前述のように、受熱ブロック325C,325G及び挟持片4Aを介して、CPU51及びGPU52とメインフレーム4とが電気的に接続されるので、EMIを防止することができる。
そして、放熱フィン3245を冷却した空気は、吐出口327から排気口2221,2222を介して外装筐体2外部に排出され、また、放熱フィン3246を冷却した空気は、吐出口328から排気口2248を介して外装筐体2外部に排出される。
以上のような本実施形態の情報処理装置1によれば、以下の効果を奏することができる。
すなわち、制御基板5に配設されたCPU51及びGPU52に当接する受熱ブロック325C,325Gを有する冷却ユニット32は、制御基板5に対して冷却ユニット32とは反対側に設けられた板ばね36により、制御基板5に近接する方向に付勢される。そして、冷却ユニット32の受熱ブロック325C,325Gは、板ばね36により引かれるようにして制御基板5に配設された冷却対象であるCPU51及びGPU52に押圧され、当該CPU51及びGPU52で生じた熱は、受熱ブロック325C,325Gに伝導され、送風部321から送風される冷却空気により冷却される。
従って、放熱面積を大きくすることができるので、当該CPU51及びGPU52の冷却を効率よく、かつ、速やかに行うことができる。
さらに、受熱ブロック325C,325GをCPU51及びGPU52に密着させるように、冷却ユニット32を制御基板5にねじ等により固定する場合には、当該ねじ固定の際に一方向からの荷重が制御基板5に加わるので、当該制御基板5に反り等の変位が生じる可能性がある。これに対し、本実施形態の情報処理装置1では、冷却ユニット32と、当該冷却ユニット32にねじ37によって取り付けられる板ばね36とにより、制御基板5を挟持するので、板ばね36からと、冷却ユニット32からとの両方向からの荷重を制御基板5に加えることができる。従って、CPU51及びGPU52、ひいては、制御基板5の変位を抑制することができる。
さらに、板ばね36は、制御基板5におけるCPU51及びGPU52のケーシングが配置される側とは反対側に設けられているので、CPU51及びGPU52における発熱部位であるケーシングを受熱ブロック325C,325Gに当接させることができる。これによれば、熱の発生部位であるCPU51及びGPU52のケーシングから熱を伝導させることができるので、当該CPU51及びGPU52の冷却効率を一層向上することができる。
さらに、制御基板5は、メインフレーム4及びサブフレーム6の中央に形成された各凹部40,60により形成される空間内に配置されている。これによれば、制御基板5を覆うメインフレーム4及びサブフレーム6の寸法を最小とすることができる。従って、これらメインフレーム4、制御基板5及びサブフレーム6により構成される制御ユニット31の小型化及び薄型化を図ることができる。
これによれば、ねじ孔32521へのねじ37の締め付け力は、制御ユニット31に作用しない。従って、制御ユニット31、特に制御基板5に変位が生じることを一層確実に抑制することができる。なお、このような作用及び効果は、GPU52に対応する位置に配置された板ばね36によっても同様に奏することができる。
また、CPU51の四隅に均等に押圧力を作用させることができるので、押圧力が偏ってCPU51に作用する場合に生じるCPU51の変位、例えば、当該CPU51に設けられ、かつ、ソケット511に取り付けられる端子の変位を防ぐことができる。
なお、このような作用及び効果は、GPU52に対応する位置に配置された板ばね36及び板状体64によっても同様に奏することができる。
加えて、受熱ブロック325C,325GがCPU51及びGPU52に当接した際に、挟持片4Aが受熱ブロック325C,325Gを挟持するので、CPU51及びGPU52は、金属製の受熱ブロック325C,325G及び挟持片4Aを介して、メインフレーム4と電気的に接続される。これによれば、制御基板5で生じた不要な輻射ノイズを、メインフレーム4に導通させることができる。従って、情報処理装置1の一層確実なEMI対策を施すことができる。
本発明を実施するための最良の構成などは、以上の記載で開示されているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (6)
- 発熱体である冷却対象と、前記冷却対象に当接して、当該冷却対象から伝導された熱を冷却する冷却手段とを備えた情報処理装置であって、
所定の演算処理を実行する集積回路が実装された回路基板と、
前記回路基板を挟む金属性の一対のフレーム部材と、
前記回路基板における前記集積回路が実装される面とは反対側に設けられ、かつ、前記冷却手段に取り付けられる付勢板と、
前記付勢板を前記冷却手段に取り付ける取付部材と、を備え、
前記冷却対象は、前記集積回路であり、
前記一対のフレーム部材には、前記回路基板に対向する側とは反対側に向かって没入し、内部に前記回路基板を収納する凹部がそれぞれ形成され、
前記付勢板には、前記取付部材が挿通する孔が形成され、
前記付勢板は、前記一対のフレーム部材のうち、前記回路基板において前記集積回路が実装される面とは反対側の面に対向する第1フレーム部材に前記集積回路に応じた位置に形成された開口内に配置され、
前記回路基板には、前記取付部材が挿通する孔が形成され、
前記一対のフレーム部材のうち、前記回路基板において前記集積回路が実装される面に対向する第2フレーム部材には、前記取付部材が挿通する孔が形成され、
前記冷却手段は、前記第2フレーム部材を挟んで前記回路基板とは反対側に設けられ、
前記冷却手段は、前記取付部材を係止する係止部を有し、
前記付勢板は、前記集積回路に圧着する方向に前記冷却手段を付勢し、
前記取付部材は、前記付勢板、前記第1フレーム部材、前記回路基板及び前記第2フレーム部材を介して、前記係止部に係止されることを特徴とする情報処理装置。 - 請求項1に記載の情報処理装置において、
前記付勢板と前記回路基板との間には、前記集積回路に応じた寸法を有し、剛性を有する板状体が当該集積回路に応じた位置に設けられ、
前記付勢板は、前記板状体に対応する位置に配置され、
前記付勢板の前記板状体に対向する面には、面外方向に突出し、かつ、前記板状体の略中央に当接する突出部が設けられ、
前記板状体の前記回路基板に対向する面の隅部には、前記回路基板に当接し、前記付勢板による付勢力を分散させて前記回路基板に作用させる突起部がそれぞれ設けられていることを特徴とする情報処理装置。 - 請求項2に記載の情報処理装置において、
前記突起部は、絶縁性の材料により形成されていることを特徴とする情報処理装置。 - 請求項2または請求項3に記載の情報処理装置において、
前記付勢板は、前記板状体に対して略10kgの荷重を加えるように取り付けられることを特徴とする情報処理装置。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の情報処理装置において、
前記第2フレーム部材には、前記集積回路が挿通する開口が形成され、
前記開口の周囲には、前記集積回路に前記冷却手段が当接した際に、当該冷却手段を挟持する一対の挟持片が設けられていることを特徴とする情報処理装置。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載の情報処理装置において、
前記冷却手段は、
前記集積回路が当接し、かつ、当該集積回路からの熱が伝導される受熱部と、
当該受熱部に冷却空気を送風し、当該受熱部を冷却する送風部とを備えることを特徴とする情報処理装置。
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