JP4686012B2 - コーミング装置のトップコーマ - Google Patents

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  • Textile Engineering (AREA)
  • Preliminary Treatment Of Fibers (AREA)
  • Prevention Of Fouling (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はコーミング装置のトップコーマであって、間隔をおいて相並んで配置されて支持部材に固定された複数の歯が設けられており、互いに隣り合った2つの歯の間に自由な貫通開口が設けられている形式のものに関する。
【0002】
【従来の技術】
このような形式のトップコーマは例えばドイツ連邦共和国特許出願公開第19531605号明細書および欧州特許第351443号明細書および欧州出願公開第557698号明細書に基づき公知である。ニッパユニットに対するトップコーマの対応配置は例えば欧州特許出願公開第619389号明細書に記載されている。
【0003】
例えば欧州特許出願公開第619389号明細書に記載されたようなコーミング装置では、ニッパが最も前方の開放位置に位置しているとコーミングされた繊維タフトの剥離過程が行われるようになっている。ニッパは引き続くデタッチングローラのクランプ点に対して最も小さな間隔を有している。ニッパから突出したコーミングされるラップ端部は、この位置でデタッチングローラから逆転運動によって戻り搬送された繊維フリース端部に載置され、次いで前進運動が開始することによってデタッチングローラのクランプ点に移送される。これにより両端部の重なり合いもしくは接合が生ぜしめられる。さらにデタッチングローラの前進運動によって、タフトもしくはニッパユニットによって引き留められなかった繊維が取り除かれる。デタッチングローラ間のクランプ点に向かう繊維材料縁部の搬送過程中かつ実際の剥離過程中、ラップ端部はニッパユニットに固定されたトップコーマの針もしくは歯の間に到達する。デタッチングローラによって引き出された繊維はトップコーマの針ストライプを介して引き抜かれ、この場合特に繊維塊(ネップ)、切り屑、その他の不純部材が引き留められる。繊維をトップコーマを介して引き抜く間、特に短い繊維(約2mmまでの長さ)がトップコーマの歯の脚部の周りに巻掛けられこの位置で帯状体が各歯の周りに形成される。歯に付着され得る繊維は主としていわゆる「浮遊繊維」であり、これらの繊維は、繊維材料をトップコーマガーニチュアを介して引き抜く間、設けられたクランプ線(デタッチングローラまたはフィードローラ)によってもはや保持されない。引き続く刺込みサイクルによって帯状体は歯脚部の方向に向かって移動させられそこで硬化させられる。この帯状体は再びこの領域において不純物の堆積を助長させ、その他にコーミング作業のために必要な自由な貫通領域を小さくする。このような堆積物を除外しかつトップコーマの機能を正常に保つために特別なクリーニング装置が設けられている。これらのクリーニング装置は空圧式の手段または機械的な手段でトップコーマの連続的なまたは非連続的なクリーニングを行う。このようなクリーニング装置は例えば欧州特許第351443号明細書、欧州特許第531740号明細書、ドイツ連邦共和国特許出願公告第2320200号明細書およびドイツ連邦共和国特許出願公開第3815896号明細書に基づき公知である。
【0004】
しかしこのようなトップコーマをクリーニングするための特別な装置は、部分的に高価でありかつそれ自体汚れに対して敏感である装置を必要とする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、特に短い繊維が歯に堆積するのを十分に防止するようなトップコーマの歯を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題を解決するために本発明の構成では、歯がその長手方向で見て、異なって形成された少なくとも2つの区分を有しており、前記歯の脚部領域に延在する区分が、該脚部領域における不純物特に繊維の付着を防止するように形成されているようにした。
【0007】
【発明の効果】
本発明による歯の構成によって、コーミング作業に最適に適合されるように歯の第1区分を形成することができる。歯の脚部領域に繋がる別の歯区分を、この領域に特に繊維帯状体が堆積しないように構成することができる。このような形式で形成された歯を例えば押抜き部材として製造することができ、この押し抜き部材を次いで先端領域において型押し成形することができる。「歯の長手方向」はここでは歯先端部から歯脚部にまで延び、繊維材料の搬送方向に対して直交する方向をさしている。特に前述した後側の歯フランク構成および第2の歯区分における歯脚部幅の適当な構成によって、コーミング過程の間コーミングされるラップを完全にコーミングガーニチュアに引き込むことと、短い繊維が歯の脚部領域に付着するのを防止することとが保証される。
【0008】
コーミングガーニチュアへのラップの引き込みは、一方で第1区分の後側の歯フランクの前述した角度位置によって促進され、他方で歯脚部における適当な歯幅に関連した、第2区分の後側の歯フランクの傾斜位置が、歯に巻きかかった繊維帯状部の剥離を引き起こす。歯脚部の方向に向かって繊維帯状体が移動する場合、この繊維帯状体は歯幅の拡径および後側の歯フランクの適当な角度位置に基づいて剥離され、自動的に下方に向かって落下するかまたは次いで行われるコーミング過程において通り抜けていく繊維材料によって連行され排除される。
【0009】
さらに歯の第2区分の脚部における歯幅は3mmより大きく形成されるようになっている。短い繊維は約12mmまでの長さを有している。歯脚部の適当な幅を選択することによって歯脚部の周りに短い繊維による閉鎖された帯状体が形成されないように保証されている。これにより第1区分に場合によっては形成される繊維帯状体が、拡径された歯脚部の方向に移動した際に自動的に剥離され排除されるようになる。
【0010】
コーミング過程のために、歯の第1区分の長さは搬送方向に直交する方向で見て第2区分よりも大きく構成されている。これにより歯長さの大部分は実際のコーミング作業のために提供され、他方で残りの部分は「クリーニング作業」を行うために十分である。有利には第1区分の長さは第2区分の長さの2倍である。
【0011】
前側の歯フランクを円弧状または直線状に形成することができる。対応して適合された形によって、トップコーマを引き続くデタッチングローラのクランプ線にできるだけ近づけて対応配置することが可能である。後側の歯フランクを円弧状に形成する構成も考えられ得る。
【0012】
さらに第1区分から第2区分への移行部に存在する歯幅は搬送方向に直交する方向で見て第2区分の端部にまで拡大する。これにより、特にこの繊維帯状体が拡径された歯脚部の方向に向かって移動させられる際に、第1区分に形成された繊維帯状体の剥離が助成される。
【0013】
さらに歯を特に第1区分において、直線的な搬送方向からの繊維の変向がコーミングガーニチュアを通り抜ける間行なわれるように構成することができる。これによりコーミング効果を高めることができる。繊維を直線的な搬送方向から変向できるように、歯の第1区分に型押し成形部を設けることができる。このような型押し成形部を、クリーニングするための付加的な空気ガイド部を装着するために働かせることもできる(例えばドイツ連邦共和国特許第3937899号明細書参照)。または搬送方向で見て、歯の間の繊維ガイドに影響を与えるように、歯横断面形状を適当に構成することも考えられる。このことは同様にコーミング効果の強化にも影響している(例えばドイツ連邦共和国特許出願公開第3146006号明細書参照)。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に図面に示した実施例に基づき本発明の実施形態を詳説する。
【0015】
図1にはコーミング装置のニッパユニットの前方部分が示されていて、下方のニッパナイフ10と上方のニッパナイフ11とが部分的に示されている。このニッパにはフィードローラ12が回転可能に支承されており、このフィードローラ12はラップWを断続的に供給するまたは搬送するために設けられている。ニッパユニットの下方にはコーミングセグメント16を有するコーミングシリンダ15が回転可能に支承されている。ニッパ下方部分19にはトップコーマ1が固定されている(図示せず)。このような固定手段は欧州特許出願公開第354456号明細書の例を参照としている。トップコーマ1は支持部材3を有しており、この支持部材はプレート3の形で図示されている。この支持部材3には複数の歯2が平行な間隔を置いて相並んで固定されている。これらの互いに隣り合って位置する歯2の間の貫通開口Dは、歯2の端部に取り付けられたスペーサ20によって形成される(図3)。
【0016】
このようなスペーサ20は例えば欧州特許第557698号明細書にも示されている。ドイツ連邦共和国特許出願公開第19631605号明細書に記載されているように歯自体に型押し成形部を設けることもまた可能である(後で1例を示す)。
【0017】
搬送方向Fで見てトップコーマ1に続いてクランプ線KLを形成するデタッチングローラ対18が回転可能に支承されている。剥離過程および接合過程(Loetung)はすでに上述したので、ここで詳しくは説明しない。
【0018】
図2には歯2の1つを拡大して示してある。この際、歯2は歯の先端部4から見て、長さL1を有する第1区分A1を有している。この第1区分A1は搬送方向Fに対して鈍角αをなして傾けられている後側の歯フランク6を有している。つまり後側の歯フランク6は歯2の第1の区分A1において搬送方向Fに傾けられている。この区分A1における後側の歯フランク6に接続する、歯脚部5に至るまで延びる第2区分A2の歯フランク6は長さL2を有しかつ搬送方向Fに対して鋭角βを成して傾けられているように構成されている。第1区分A1から第2区分A2への移行部では歯幅は第2区分A2の脚部領域5における歯幅B2よりも小さい幅B1を有している。この際、繊維ループもしくは繊維帯状体を開繊するために、歯幅B1は第2区分A2の脚部領域5に至るまで常に拡大されている。しかしまた歯幅B1が段階的に広がっている構成も考えられる。図3から分かるように、個々の歯(針であってもよい)2は互いに平行な間隔をおいて取り付けられていて、スペーサ20を用いて、繊維材料Wを開繊するための自由な貫通開口Dを形成している。繊維材料Wへの歯2の刺込みを促進するために、歯2の第1区分A1は歯先端部に向かって円錐形状に延びていて、これにより貫通開口Dは歯先端部4の領域でより大きくなる。これによって歯先端部4の領域における不純物の付着も減少する。概略的に示したように、歯2は支持部材3に溶接されているかまたは接着されている。歯2を平行な間隔をおいて固定するために、特にトップコーマ1の製造中にスペーサ20が設けられる。
【0019】
歯2の前側の歯フランク8は円弧状に形成されている。これによりトップコーマ1を引き続くデタッチングローラ対18のクランプ線KLにできるだけ近づけて配置することが可能である。これによってフィードローラ12のクランプ線KSとデタッチングローラ対18のクランプ線KLとの間の間隔をもわずかに保つことができる。
【0020】
トップコーマ1の幅に関連して歯2を種々異なる形状で構成することも考えられる。加工しようとする繊維材料Wの公知である縁部における繊維問題を考慮するために、特に縁部領域において歯2を様々に形成することができる。
【0021】
このような問題はドイツ連邦共和国特許出願公開第19736582号明細書に示唆されている。またはドイツ連邦共和国特許出願公開第19531605号明細書の図2に記載してあるように歯を多列式に形成することも考えられ得る。また歯2が異なる区分A1,A2を2つより多く有していてもよい。
【0022】
図4に記載した別の実施例では、1つの歯形が示されており、前側の歯フランク8は直線的なエッジで構成されている。後側の歯フランク6には図2の実施例に示したように各区分A1,A2において、搬送方向Fに対して角度αもしくはβをなして傾けられた各直線が設けられている。これらの歯2の第1区分A1には型押し成形部22が設けられており、この型押し成形部22はA−A線に沿って断面され幾分拡大した図5に示されている。これらの型押し成形部22は繊維を直線的な搬送方向Fから変向させるために働き、その結果、コーミング効果が高められるようになる。歯の間の中間スペースに付加的に空気を吹き出すための空気ガイドを可能にするためにこのような型押し成形部22を歯脚部領域にまで延在させることもできる。
【0023】
図6にはさらに別の構成の、A−A線に沿った歯の断面図が示されている。後側の歯フランク6の厚さが前側の歯フランク8の厚さよりも薄く形成されている。図7には図6に基づく変化実施例が示されている。この場合歯クランク6,8の厚さの割合は図6とは逆に形成されている。適用例に応じて一方のまたは他方の構成を用いるのが最適なコーミング作業のために有利である。図8にはさらに別の変化実施例がA−A線に沿った断面図で示されている。この場合に歯は少なくとも第1区分A1において搬送方向Fに対して角度γを成すように傾けられて配置されている。この構成によってもコーミング作用は高められる。
【0024】
このような構成では、歯形を適当に形成するだけで付加的なクリーニング装置を組み込む必要なくトップコーマをクリーンに保つことができる。しかしまた歯を適当に形成することによって、存在するクリーニング装置の効果を助成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ニッパユニットにおけるトップコーマの概略的な側面図である。
【図2】図1によるトップコーマの歯領域を示した部分拡大図である。
【図3】図2による歯領域の側面図である。
【図4】図2に基づいて示した本発明の別の実施例である。
【図5】図4のA−A線に沿った歯の1断面図である。
【図6】図4のA−A線に沿った歯の1断面図である。
【図7】図4のA−A線に沿った歯の1断面図である。
【図8】図4のA−A線に沿った歯の1断面図である。
【符号の説明】
1 トップコーマ、 2 歯、 3 支持部材、 4 歯先端部、 5 脚部領域、 6,8 歯フランク、 9 ニッパ下方部分、 10,11 ニッパナイフ、 12 フィードローラ、 15 コーミングシリンダ、 16 コーミングセグメント、 18 デタッチングローラ対、 20 スペーサ、 22 型押し成形部、 A1,A2 区分、 B1,B2 幅、 F 搬送方向、 L1,L2 長さ、 KL,KS クランプ位置、 W ラップ(繊維材料)、 α,β 角度

Claims (8)

  1. コーミング装置のトップコーマであって、間隔をおいて相並んで配置されて支持部材(3)に固定された複数の歯(2)が設けられており、互いに隣り合った2つの歯の間に自由な貫通開口(D)が設けられている形式のものにおいて、
    歯(2)がその長手方向(L)で見て、異なって形成された少なくとも2つの区分(A1,A2)を有しており、第1区分(A1)は第2区分(A2)に対して歯(2)の先端部(4)寄りに配置されており、前記第1区分(A1)における歯(2)は搬送方向(F)に対して鈍角(α)を成しており、前記第2区分(A2)における歯(2)は搬送方向(F)に対して鋭角(β)を成しており、刃先端部(4)から出発する、歯(2)の第1区分(A1)が、トップコーマ(1)に導通される繊維材料(W)の搬送方向(F)で見て歯(2)の後側に形成されている後側の歯フランク(6)を有しており、該後側の歯フランク(6)が少なくとも部分的に前記搬送方向(F)に傾けられており、前記第1区分(A1)に続く第2区分(A2)の後側の歯フランク(6)が少なくとも部分的に搬送方向(F)とは逆に傾けられており、前記歯(2)の脚部領域(5)に延在する第2区分(A2)が形状において、搬送方向(F)に対して直交する方向で見て、第1区分(A1)から第2区分(A2)への移行部における歯(2)の幅(B1)が、反対側に位置する第2区分(A2)の端部(5)の幅(B2)より小さく構成されていて、前記脚部領域における不純物である繊維の付着を防止するように形成されていることを特徴とする、コーミング装置のトップコーマ。
  2. 歯脚部領域(5)における第2区分(A2)の幅(B2)が3mmより大きく形成されている、請求項1記載のトップコーマ。
  3. 前記歯(2)の長手方向(L)で見て歯(2)の第1区分(A1)の長さ(L1)が、第2区分(A2)の長さ(L2)よりも大きく形成されている、請求項1または2記載のトップコーマ。
  4. 前記第1区分(A1)の長さ(L1)が前記第2区分(A2)の長さ(L2)の少なくとも2倍である、請求項3記載のトップコーマ。
  5. 前記歯(2)の歯フランク(6,8)がそれぞれ、円弧状または直線状に形成されている、請求項1から4までのいずれか1項記載のトップコーマ。
  6. 搬送方向(F)に対して直交する方向で見て、第1区分から第2区分への移行部における歯幅(B1)が、第2区分(A2)の端部(5)に向かって増大するように形成されている、請求項1から5までのいずれか1項記載のトップコーマ。
  7. 歯(2)が少なくとも第1区分(A1)において、繊維が歯(2)の間を通り抜ける際に少なくとも部分的に直線的な搬送方向(F)から変向されるように方向付けられているかまたは成形されている、請求項1から6までのいずれか1項記載のトップコーマ。
  8. 前記歯(2)に型押し成形部(22)が設けられている、請求項7記載のトップコーマ。
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