JP4650083B2 - 液圧制御装置および作動特性取得装置 - Google Patents

液圧制御装置および作動特性取得装置 Download PDF

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Description

本発明は、電磁制御弁の作動特性に基づいて液圧を制御する液圧制御装置に関するものである。
特許文献1には、電磁制御弁の電流制御において使用される作動特性を電磁制御弁の応答性に基づいて補正することが記載されている。電磁制御弁のコイルへ所定の電流が供給されてから実際に電磁制御弁が開状態に切り換えられるまでの間の時間が設定時間より長い場合は開弁電流が大きくなるように作動特性が補正され、設定時間より短い場合は開弁電流が小さくなるように補正される。
特開2001−294140号公報
本発明の課題は、電磁制御弁の作動特性をより正確に取得することである。
課題を解決するための手段および効果
請求項1に記載の液圧制御装置は、(x)少なくとも、高圧側と低圧側との差圧に応じた差圧作用力と、コイルへの供給電流に応じた電磁駆動力との関係により開閉する電磁制御弁と、(y)前記コイルへの供給電流が漸変させられる状態において、前記電磁制御弁の高圧側と低圧側とのいずれか一方の側の液圧が開弁判定しきい値になった場合に、前記電磁制御弁が閉状態から開状態に切り換わったとして、その時の供給電流である開弁電流と前記差圧との関係である作動特性を取得する作動特性取得装置と、(z)その作動特性取得装置によって取得された作動特性に基づいて、前記コイルへの供給電流を制御することによって、前記いずれか一方の側の液圧を制御する液圧制御部とを含み、
前記作動特性取得装置が、(a)前記いずれか一方の側の液圧が前記液圧制御部によって設定圧に近づくように制御された後、前記いずれか一方の側の液圧の変化状態を取得し得る期間を含む保持期間の間、前記電磁制御弁が閉状態に保たれるはずの大きさに、前記コイルへの供給電流を保持する電流保持部と、(b)前記コイルの供給電流を、前記保持期間が経過した後、漸変期間において漸変させる電流漸変部と、(c)前記液圧の変化状態を取得し得る期間において取得された前記いずれか一方の側の液圧の変化状態に基づいて、前記開弁判定しきい値を、時間の経過に伴って変化する値として決定する開弁判定しきい値決定部とを含むものとされる。
本項に記載の液圧制御装置においては、電磁制御弁についての開弁作動電流と高圧側と低圧側との差圧との関係である作動特性が取得され、その取得された作動特性に基づいて、電磁制御弁の高圧側と低圧側とのいずれか一方の液圧が制御される。電磁制御弁の高圧側と低圧側とのいずれか一方には、液圧制御対象装置が接続されるのが普通であり、その場合には、電磁制御弁のコイルへの供給電流の制御により液圧制御対象装置の液圧が制御されることになる。
作動特性取得装置においては、コイルへの供給電流が漸変させられる状態で、電磁制御弁の高圧側と低圧側との少なくとも一方の液圧(以下、電磁制御弁の液圧あるいは単に液圧と略称する)が開弁判定しきい値になった場合に、電磁制御弁が閉状態から開状態に切り換わったとして、その時の供給電流である開弁電流が取得されるとともに前後の差圧が取得される。そして、本項に記載の液圧制御装置においては、その開弁判定しきい値が、電磁制御弁への供給電流が保持された状態における電磁制御弁の液圧の変化状態に基づいて決定される。開弁判定しきい値は、例えば、開弁直前の実際の電磁制御弁の液圧に設定圧(設定圧は正の値の場合と負の値の場合とがある)を加えた値とすることができる。この場合の設定圧は、電磁制御弁の閉状態から開状態に切り換わることに起因して変化すると考えられる液圧の変化量に応じた大きさであり、電磁制御弁の開弁作動により、液圧が高くなる場合と低くなる場合とがある。この場合には、実際の電磁制御弁の液圧が、設定圧以上変化した場合に開弁したと判定されることになる。
しかし、電磁制御弁の開弁直前の実際の液圧を検出することは困難であるため、電磁制御弁への供給電流が漸変させられる直前(保持期間から漸変期間への移行時と考えることもできる)の液圧に設定圧を加えた値が開弁判定しきい値とされることがある。漸変期間の電磁制御弁が開状態にされるまでの間、液圧が一定である場合や常に同じ状態(勾配)で変化する場合には、このように決定された開弁判定しきい値に基づいて電磁制御弁が作動したことを正確に検出することができるが、漸変期間において、常に同じ状態で変化するとは限らない場合には、電磁制御弁が開弁したことを正確に検出することができない。
この不定の液圧変化は、電磁制御弁における漏れに起因して生じる場合や液圧制御対象装置の特性に起因して生じる場合等がある。
一方、コイルへの供給電流が保持された状態においては、本来、電磁制御弁の液圧も保持されるべきである。そうであるのに保持期間において電磁制御弁の液圧が変化する場合には、電磁制御弁における漏れ、液圧制御対象装置の特性等に起因すると考えられる。
電磁制御弁における漏れは、設計当初から予定されている場合とそうでない場合(例えば、予定されない異物の介入等に起因する場合)とがある。漏れを許容すれば、電磁制御弁の加工精度が低くても差し支えない。そこで、コストダウンを図るために、設計上漏れが許容された電磁制御弁が製造されることがあるのである。いずれにしても、電磁制御弁において漏れがある場合には、上述のように、保持期間において液圧が変化する。また、漏れに起因する場合には、保持期間においても漸変期間の電磁制御弁の作動前においても同じ勾配で液圧が変化すると考えられる。そのため、保持期間における液圧変化に基づけば、漸変期間における液圧変化を推定することが可能となり、開弁判定しきい値を決定することができる。
また、液圧制御対象装置が車両の車輪の回転を抑制する液圧のディスクブレーキであり、電磁制御弁によりディスクブレーキのブレーキシリンダの液圧が制御される場合には、保持期間(ブレーキシリンダに作動液が供給された後、保持された場合)において、キャリパ等の弾性変形に起因して電磁制御弁の液圧が変化する(その他、パッド等の弾性変形、液圧の伝達遅れ等も原因となる)。このキャリパ等の弾性変形に起因する電磁制御弁の液圧変化は、ブレーキシリンダの液圧が保持された後(電磁制御弁への供給電流が保持された後)の時間の経過に伴って小さくなるのが普通であるが、この場合の液圧変化の状態は、常に同じであるとは限らない。例えば、ブレーキシリンダに作動液が供給される場合におけるその供給状態(例えば、液圧の増加勾配等)に起因して、あるいは、保持されたブレーキシリンダの液圧の大きさ自体に起因して、異なることがある。しかし、キャリパの弾性変形に起因する液圧変化の状態(減衰の状態)は実験、あるいは、理論的に予めわかるため、保持期間における液圧の変化状態に基づけば、漸変期間における液圧の変化状態を推定し得、開弁判定しきい値を取得することができる。
さらに、液圧制御対象装置が、工作機械等のシリンダであり、電磁制御弁によりシリンダの液圧が制御される場合も同様である。シリンダ本体等の弾性変形に起因して電磁制御弁のコイルへの供給電流が保持された後に、電磁制御弁の液圧が変化するが、その液圧変化の状態は常に同じであるとは限らない。この場合に、保持期間における液圧の変化状態に基づけば、漸変期間における液圧の変化状態を推定し得、開弁判定しきい値を取得することができる。
いずれにしても、開弁判定しきい値が、保持期間における液圧変化に基づいて決定されるようにすれば、保持期間における液圧変化に基づかないで決定される場合に比較して、電磁制御弁が開弁したか否かを正確に取得することができ、真の作動特性に近い特性を取得することができる。
なお、作動特性取得装置は、漸変期間に電磁制御弁が閉状態から開状態に切り換わった時点の供給電流と前後の差圧との関係を前記作動特性として取得する開弁特性取得部を含むものと考えることができる。
また、開弁電流は、電磁制御弁が閉状態から開状態に切り換わった瞬間の供給電流である。電磁制御弁のコイルへの供給電流は、閉状態にある電磁制御弁が開状態に切り換わるように制御されるのであり、供給電流は漸増させられる場合と漸減させられる場合とがある。
閉状態保持部によれば、コイルに、電磁制御弁を閉状態に保ち得る大きさの電流が供給される。電流制御弁の閉状態とは、漏れが予定されていない電磁制御弁において、異物の介入等がない状態(正常な状態)において、流体の流れが阻止される状態である。そのため、保持期間における実際の電磁制御弁の液圧の変化状態に基づけば、漏れが予定されていない電磁制御弁における漏れ(異物の介入)に起因する液圧変化の状態を取得することができ、それに基づいて作動判定しきい値が決定されるようにすることは妥当なことである。また、電磁制御弁の閉状態における液圧の変化状態に基づくことは、液圧制御対象装置の特性に起因する液圧変化の状態を取得するにも適している。
なお、漏れが予定されている電磁制御弁においては、前後の差圧が同じ場合に、液圧変化が最小となる状態を、電磁制御弁の閉状態とすることができる。
請求項2に記載の液圧制御装置においては、前記液圧の変化状態を取得し得る期間が、前記保持期間の前記電流保持部によって前記コイルへの供給電流が保持されてから設定時間が経過した時点以降の期間とされ、前記開弁判定しきい値決定部が、前記液圧の変化状態を取得し得る期間におけるいずれか一方の液圧の変化状態に基づいて、前記開弁判定しきい値を、時間の経過に伴って変化する値として決定する待ち型開弁判定しきい値決定部を含むものとされる。
例えば、前述のように、電磁制御弁の液圧が、キャリパ等の弾性変形の影響を受ける場合に、キャリパ等の弾性変形に起因する液圧変化は、保持期間の当初において大きく、時間が経過すると小さくなることが知られている。その場合に、作動判定しきい値は、キャリパ等の弾性変形の影響が小さくなった後の液圧変化に基づいて決定されることが望ましい。
請求項3に記載の液圧制御装置においては、前記開弁判定しきい値決定部が、前記保持期間の前記電流保持部によって前記コイルへの供給電流が保持された状態における前記いずれか一方の側の液圧の変化状態に基づいて前記電磁制御弁の漏れの有無を検出する漏れ検出部を含むものとされる。
電磁制御弁の漏れに起因する液圧変化が検出されることは漏れの有無が検出されることにもなる。また、電磁制御弁の液圧変化に、液圧制御対象装置の特性に起因して生じる液圧変化と漏れに起因する液圧変化との両方が含まれる場合において、請求項3に記載のように、液圧制御対象装置の特性に起因する液圧変化が小さい状態における液圧変化に基づく方が、漏れの有無をより正確に判定することができる。
なお、漏れの程度が大きい場合、すなわち、漏れに起因する液圧変化が大きい場合には、開弁電流、高圧側と低圧側との差圧等のデータ対を取得することや作動特性を取得することが行われないようにすることもできる。
請求項4に記載の液圧制御装置は、車両の車輪と共に回転するブレーキ回転体に摩擦部材をブレーキシリンダの液圧により押し付けることにより前記車輪の回転を抑制する液圧ブレーキを含むブレーキ装置において、前記ブレーキシリンダの液圧を制御するブレーキシリンダ液圧制御装置であり、前記作動特性取得装置が、前記作動特性を取得するのに先だって、前記ブレーキシリンダの液圧を予め定められた設定圧以上として、前記摩擦部材と前記ブレーキ回転体との間のクリアランスを小さくする手段を含むものとされる。
請求項5に記載の作動特性取得装置は、少なくとも、高圧側と低圧側との差圧に応じた差圧作用力と、コイルへの供給電流に応じた電磁駆動力との関係により開閉する電磁制御弁について、その電磁制御弁が閉状態から開状態に切り換わった場合の前記コイルへの供給電流である開弁電流と前記差圧との関係である作動特性を取得する作動特性取得装置であって、(i)前記電磁制御弁の高圧側と低圧側とのいずれか一方の側の液圧を検出する液圧検出装置と、(ii)前記コイルへの供給電流の制御により、前記いずれか一方の側の液圧が設定圧に近づけられた後、前記いずれか一方の側の液圧の変化状態を取得し得る期間を含む保持期間の間、前記電磁制御弁が閉状態に保たれるはずの大きさに、前記コイルへの供給電流を保持する電流保持部と、(iii)前記コイルの供給電流を、前記保持期間が経過した後、漸変期間において漸変させる電流漸変部と、(iv)前記液圧の変化状態を取得し得る期間において、前記液圧検出装置によって検出された前記いずれか一方の側の液圧の変化状態に基づいて、前記開弁判定しきい値を、時間の経過に伴って変化する値として取得する開弁判定しきい値決定部と、(v)前記電流漸変部によって前記コイルへの供給電流が漸変させられている状態において、前記液圧検出装置によって検出される液圧が前記開弁判定しきい値決定部によって決定された開弁判定しきい値に達した場合に、前記電磁制御弁が閉状態から開状態に切り換わったとして、前記開弁電流と前記差圧とを取得するデータ取得部とを含むものとされる。
本項に記載の作動特性取得装置によれば、真の特性に近い作動特性を取得することができる。また、本項に記載の作動特性取得装置には、請求項1〜のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。
請求項6に記載の作動特性取得装置が、前記コイルへの供給電流を、前記液圧検出装置によって検出された液圧が目標値に近づくように制御する目標値対応電流制御部と、前記目標値を段階的に変化させる目標値変化部とを含み、前記電流保持部が、前記コイルへの供給電流を、前記液圧検出装置によって検出された液圧が前記目標値に達した場合の大きさに保持する目標値対応電流保持部を含むものとされる。
電磁制御弁の漏れに起因する液圧変化の状態は、高圧側と低圧側との差圧が変わると、変わるのが普通である。そのため、作動特性が、目標液圧を段階的に変化させつつ取得される場合に、目標値が変わり、電磁制御弁の高圧側と低圧側との差圧が変わる毎に、液圧変化を検出し、その液圧変化に基づいて作動判定しきい値が決定されるようにすることが望ましい。
請求項7に記載の作動特性取得装置においては、前記データ対取得部が、前記コイルへの供給電流を制御することにより、互いに異なる複数の開弁電流と前記差圧とのデータ対を取得する複数データ対取得部を含み、当該作動特性取得装置が、前記複数データ対取得部によって取得された複数のデータ対に基づいて前記作動特性を取得する作動特性取得部を含むとともに、その作動特性取得部が、前記複数データ対取得部によって取得された複数のデータ対の相関関係の度合いを表す相関係数の絶対値が設定値以上である場合に、前記複数の前記データ対に基づいて前記作動特性を取得する相関係数勘案決定部を含むものとされる。
高圧側と低圧側との差圧は、高圧側の液圧から低圧側の液圧を引いた大きさであるが、電磁制御弁の高圧側と低圧側とのいずれか一方の液圧は、ほぼ一定で、かつ、予めわかっていることがある。その場合には、高圧側と低圧側との他方の側の液圧を検出すれば、前後の差圧を検出することができる。作動特性は少なくとも2つの互いに異なるデータ対に基づいて作成することができるが、3つ以上の互いに異なるデータ対に基づいて作成することが望ましい。
また、電磁制御弁の種類によって、高圧側と低圧側との差圧と開閉作動電流との関係が正の相関を示す場合と負の相関を示す場合とがある。いずれにしても相関係数の絶対値が大きい場合は小さい場合より作動特性を正確に取得することができる。
請求項8に記載の作動特性取得装置が、車両の車輪と共に回転するブレーキ回転体に摩擦部材をブレーキシリンダの液圧により押し付けることにより前記車輪の回転を抑制する液圧ブレーキを含むブレーキ装置において、ブレーキシリンダの液圧を制御するブレーキシリンダ液圧制御装置に設けられたものであり、前記ブレーキシリンダの液圧が予め定められた設定圧以上とされて、前記摩擦部材と前記ブレーキ回転体との間のクリアランスが小さくされた後に、前記作動特性を取得する手段を含むものとされる。
請求項8に記載の作動特性取得装置は、車両の車輪と共に回転するブレーキ回転体に摩擦部材をブレーキシリンダの液圧により押し付けることにより前記車輪の回転を抑制する液圧ブレーキを含むブレーキ装置において、ブレーキシリンダの液圧を制御するブレーキシリンダ液圧制御装置に搭載される。
この場合に、電磁制御弁は、少なくとも、高圧側と低圧側との差圧に応じた差圧作用力と、コイルへの供給電流に応じた電磁駆動力との関係により開閉するものとすることができる。電磁制御弁は、弁座と、その弁座に着座・離間可能に設けられた弁子と、その弁子を前記弁座から離間させる向きに付勢するスプリングとを含むとともに、前記電磁駆動力が前記弁子を前記弁座に着座させる向きに作用するものである常開の液圧制御弁としたり、弁座と、その弁座に着座・離間可能に設けられた弁子と、その弁子を前記弁座に着座させる向きに付勢するスプリングとを含むとともに、前記電磁駆動力が前記弁子を前記弁座から離間させる向きに作用するものである常閉の液圧制御弁としたりすることができる。
また、電磁制御弁は、高圧源(動力の供給により液圧を発生可能な動力式液圧源)と前記ブレーキシリンダとの間に設けられた増圧制御弁としたり、前記ブレーキシリンダと低圧源との間に設けられた減圧制御弁としたりすることができる。 さらに、前記作動特性を取得するのに先だって、前記ブレーキシリンダの液圧を予め定められた設定圧以上として、前記摩擦部材とブレーキ回転体との間のクリアランスを小さくすることが望ましい。

以下、本発明の一実施例である液圧制御装置を備えた液圧ブレーキ装置について図面に基づいて詳細に説明する。本液圧制御装置は、作動特性取得装置を含む。
図2に示す液圧ブレーキ装置は、ブレーキ操作部材としてのブレーキペダル10,2つの加圧室を含むマスタシリンダ12,動力により作動させられる動力式液圧源としてのポンプ装置14,左右前後に位置する車輪にそれぞれに設けられた液圧ブレーキ16〜19等を含む。本実施例においては、液圧ブレーキ16〜19がディスクブレーキとされる。
液圧ブレーキ16〜19は、それぞれ、図3に示すように、ブレーキシリンダ20の液圧により作動させられる。ブレーキシリンダ20の液圧によって、キャリパ21に軸線方向に相対移動可能に保持された摩擦部材としてのパッド22が車輪と一体的に回転させられるブレーキ回転体としてのロータ23に押し付けられる。これらの間の摩擦係合により車輪の回転が抑制される。
マスタシリンダ12は、2つの加圧ピストンを含み、2つの加圧ピストンのそれぞれの前方の加圧室には運転者によるブレーキペダル10の操作によって、その操作力に応じた液圧が発生させられる。マスタシリンダ12の2つの加圧室は、それぞれ、マスタ通路26,27を介して左右前輪の液圧ブレーキ16,17のブレーキシリンダ20に接続される。マスタ通路26,27の途中には、それぞれ、マスタ遮断弁29,30が設けられる。マスタ遮断弁29,30は常開の電磁開閉弁である。
また、ポンプ装置14には、4つのブレーキシリンダ20がポンプ通路36を介して接続される。左右前輪のブレーキシリンダ20がマスタシリンダ12から遮断された状態で、4輪のブレーキシリンダ20にポンプ装置14から液圧が供給されて、液圧ブレーキ16〜19が作動させられる。ブレーキシリンダ20の液圧は液圧制御弁装置38により制御される。
ポンプ装置14は、ポンプ56,ポンプ56を駆動するポンプモータ58を含む。ポンプ56の吸入側は吸入通路60を介してマスタリザーバ62に接続され、吐出側にはアキュムレータ64が接続される。ポンプ56によってリザーバ62の作動液が汲み上げられてアキュムレータ64に供給され、加圧された状態で蓄えられる。
また、ポンプ56の吐出側と吸入側とがリリーフ通路66によって接続され、リリーフ通路66にはリリーフ弁68が設けられる。リリーフ弁68は、高圧側であるアキュムレータ側の液圧が設定圧を越えると閉状態から開状態に切り換えられる。
液圧制御弁装置38は、ブレーキシリンダ20毎にそれぞれ対応して設けられた個別液圧制御弁装置70〜73を含む。個別液圧制御弁装置70〜73は、それぞれ、ポンプ通路36に設けられた電磁増圧制御弁としての増圧リニアバルブ80〜83と、ブレーキシリンダ20とリザーバ62とを接続する減圧通路86に設けられた電磁減圧制御弁としての減圧リニアバルブ90〜93とを含む。これら増圧リニアバルブ80〜83と減圧リニアバルブ90〜93との制御により前後左右の各車輪に設けられたブレーキシリンダ20の液圧がそれぞれ別個独立に制御され得る。
前後左右の各輪に対応して設けられた増圧リニアバルブ80〜83,左右前輪に対応して設けられた減圧リニアバルブ90,91は、コイル100に電流が供給されない間は、閉状態にある常閉弁であるが、左右後輪に対応する減圧リニアバルブ92,93は、コイル102に電流が供給されない間は開状態にある常開弁である。
本実施例においては、増圧リニアバルブ80〜83,減圧リニアバルブ90〜93は、いずれも、予め漏れが生じることが予定されていないバルブである。
図4に常閉弁である増圧リニアバルブ80〜83,減圧リニアバルブ90,91を示す。増圧リニアバルブ80〜83,減圧リニアバルブ90,91は、それぞれ、コイル100、プランジャ103等を備えたソレノイド104と、弁子105および弁座106,弁子105を弁座106に着座させる向きに付勢するスプリング108等を備えたシーティング弁110とを含む。
コイル100に電流が供給されない場合には、スプリング108の付勢力Fsにより弁子105が弁座106に着座させられる閉状態にある。コイル100に電流が供給されると、電流に応じた電磁駆動力Fdがプランジャ103に加えられ、弁子105を弁座106から離間させる向きに作用する。また、高圧側と低圧側との差圧(以下、前後の差圧と称する)に応じた差圧作用力Fpが弁子105を弁座106から離間させる向きに作用する。弁子105の弁座106に対する相対位置は、これら電磁駆動力Fd、差圧作用力Fpおよびスプリングの付勢力Fsの関係で決まる。
増圧リニアバルブ80〜83は、ポンプ装置14とブレーキシリンダ20との間の差圧に応じた差圧作用力Fpが弁子105を弁座106から離間させる向きに加わる状態で設けられ、減圧リニアバルブ90,91は、ブレーキシリンダ20とリザーバ62との間の差圧に応じた差圧作用力Fpが弁子105を弁座106から離間させる向きに加わる状態で設けられる。
この常閉弁である増圧リニアバルブ80〜83,減圧リニアバルブ90,91についての作動特性を図5に示す。上述のように、電磁駆動力Fd と差圧作用力Fpとが同じ向きに、かつ、スプリング108の付勢力Fsと逆向きに作用するため、スプリング108の付勢力がほぼ一定であると考えた場合には、これらリニアバルブを閉状態に保つのに必要な電磁駆動力Fdは、差圧作用力Fpが大きい場合は小さい場合より小さくなる。換言すれば、リニアバルブを閉状態から開状態に切り換えるのに必要な電磁駆動力Fdは、差圧作用力Fpが大きい場合は小さい場合より小さくてよいことになる。このリニアバルブを閉状態から開状態に切り換えるのに必要な電磁駆動力Fdに対応する供給電流を開弁電流と称する。本実施例においては、作動特性が、差圧作用力Fpに対応する差圧ΔPと、開弁電流値Iopenとの関係で表される。
図6に常開弁である減圧リニアバルブ92,93を示す。減圧リニアバルブ92,93は、コイル102、プランジャ111等を備えたソレノイド112と、弁子114および弁座116,弁子114を弁座116から離間させる向きに付勢するスプリング118等を備えたシーティング弁120とを含む。
減圧リニアバルブ92,93は、左右後輪のブレーキシリンダ20とリザーバ62との間に、ブレーキシリンダ20とリザーバ62との間の差圧に応じた差圧作用力Fpが弁子114を弁座115から離間させる向きに加わる状態で設けられる。コイル102に電流が供給されない間は、差圧作用力Fpおよびスプリング118の付勢力Fsにより弁子114が弁座116から離間させられた開状態にある。コイル102に電流が供給されると、電流に応じた電磁駆動力Fdが弁子114を弁座116に着座させる向きに作用する。これらスプリング118の付勢力Fsおよび差圧作用力Fpと、電磁駆動力Fdとの関係で弁子114の弁座116に対する相対位置が決まる。
この常開弁である減圧リニアバルブ92,93についての作動特性を図7に示す。減圧リニアバルブ92,93においては、差圧作用力Fpとスプリングの付勢力Fsとが同じ向きに、電磁駆動力Fdと逆向きに作用する。そのため、スプリングの付勢力Fsが一定であると考えた場合に、リニアバルブを閉状態に保つために必要な電磁駆動力Fdは、差圧作用力Fpが大きい場合は小さい場合より大きくなる。換言すれば、リニアバルブを開状態から閉状態に切り換えるのに必要な電磁駆動力Fdに対応する供給電流を閉弁電流Ishutと称するが、閉弁電流Ishutは、前後の差圧が大きい場合は小さい場合より大きくなる。なお、後述するように、作動特性を取得する際には減圧リニアバルブ92,93が閉状態から開状態に切り換えられる際の供給電流が取得されること、閉弁電流と開弁電流とは同じであるとみなし得ること等により、常開弁の減圧リニアバルブ92,93においても、作動特性は、開弁電流と前後の差圧との関係であると考えることにする。
なお、閉弁電流と上述の開弁電流とを総称して開閉作動電流と称することもある。
一方、マスタ通路26には、ストロークシミュレータ装置150が設けられる。ストロークシミュレータ装置150は、ストロークシミュレータ152と常閉のシミュレータ用開閉弁154とを含み、シミュレータ用開閉弁154の開閉により、ストロークシミュレータ152がマスタシリンダ12に連通させられる連通状態と遮断される遮断状態とに切り換えられる。本実施例においては、液圧ブレーキ16〜19がポンプ装置14からの作動液により作動させられる状態にある場合に開状態とされ、液圧ブレーキ16,17がマスタシリンダ12からの作動液により作動させられる状態にある場合に閉状態とされる。
液圧ブレーキ装置は、ブレーキECU200の指令に基づいて制御される。ブレーキECU200は、コンピュータを主体とするもので、実行部202,記憶部204,入出力部206等を含む。入出力部206には、ストロークセンサ210,マスタシリンダ圧センサ214,ブレーキシリンダ圧センサ216,車輪速センサ218、液圧源液圧センサ220等が接続されるとともに、増圧リニアバルブ80〜83,減圧リニアバルブ90,91のコイル100、減圧リニアバルブ92,93のコイル102、マスタ遮断弁29,30、シミュレータ制御弁154の各コイルが図示しないスイッチ回路を介して接続されるとともに、ポンプモータ58が駆動回路を介して接続される。
記憶部204には、図5,7のマップで表される作動特性テーブル、図8のフローチャートで表される供給電流制御プログラム、図9のフローチャートで表される作動特性学習プログラム等が格納されている。
以上のように構成された液圧ブレーキ装置において、増圧リニアバルブ80〜83、減圧リニアバルブ90〜93の各コイル100,102への供給電流が、前後左右の各ブレーキシリンダ20の実際の液圧(実液圧)が目標値(目標液圧)に近づくように制御される。
ブレーキシリンダ20の目標液圧は、通常制動時には、運転者によるブレーキペダル10の操作状態に基づいて決定される。ブレーキペダル10の操作ストロークと操作力(マスタ圧に対応)との少なくとも一方に基づいて要求制動力が求められ、要求制動力が得られるように決定される。各輪のブレーキシリンダ20における目標液圧は同じ大きさとしても、左右前輪のブレーキシリンダ20についての目標液圧を同じとし、左右後輪のブレーキシリンダ20についての目標液圧を同じとし、これら左右前輪の目標液圧と左右後輪の目標液圧との比率が理想制動力配分線に沿った比率となるように決定されるようにしてもよい。
アンチロック制御中においては、前後左右の各ブレーキシリンダ20の目標液圧が、それぞれ、車輪の制動スリップ状態が路面の摩擦係数に対して適した状態となるように決定され、ビークルスタビリティ制御中においては、車輪の横スリップ状態が摩擦係数に対して適した状態となるように決定される。これらの場合には、目標液圧はブレーキシリンダ毎に(車輪毎に)決定される。
液圧ブレーキ16〜19を作動させる要求がある場合には、供給電流制御プログラムが予め定められた設定時間毎に実行される。
ステップ1(以下、S1と略称する。他のステップについても同様とする)において、ストロークセンサ210,マスタシリンダ圧センサ214によりブレーキペダル10の操作ストローク、操作力等のブレーキ操作状態が検出され、S2において、車輪速センサ218により車輪のスリップ状態等が検出される。S3において、これらに基づいて各車輪について目標液圧が決定され、S4において、各車輪毎の実際のブレーキシリンダ20の液圧がそれぞれ検出される。S5において、制御対象輪および制御対象バルブが決定されて、制御対象バルブへの供給電流が記憶部206に記憶された作動特性テーブルに基づいて決定される。その結果、実際のブレーキシリンダ液圧を目標液圧に近づけることができる。
なお、ポンプ装置14においては、フローチャートの記載を省略するが、アキュムレータ圧が予め定められた設定範囲内に保たれるように、ポンプモータ58が制御される。
作動特性は、リニアバルブ80〜83、90〜93について予め定められた特性を使用することができるが、本実施例においては、学習により作動特性が取得され(修正され)、その取得された作動特性が使用される。作動特性の学習において、リニアバルブ80〜83,90〜93の各々のコイル100,102への供給電流が制御されつつ、リニアバルブ80〜83,90〜93が閉状態から開状態に切り換えられたか否かが判定され、閉状態から開状態に切り換えられた瞬間の、コイル100,102への供給電流値およびその時点の前後の差圧が検出される。これら供給電流値および前後の差圧によりデータ対が構成される。リニアバルブ80〜83,90〜93が閉状態から開状態に切り換えられたことは、ブレーキシリンダ液圧センサ216による検出液圧に基づいて検出される。
増圧リニアバルブ80〜83については、ブレーキシリンダ液圧センサ216による検出液圧が開弁判定しきい値以上になった場合に、閉状態から開状態に切り換えられたとし、減圧リニアバルブ90〜93については、ブレーキシリンダ液圧センサ216による検出液圧が開弁判定しきい値以下になった場合に、閉状態から開状態に切り換えられたとする。また、前後の差圧は、増圧リニアバルブ80〜83については、液圧源液圧センサ220による検出液圧とブレーキシリンダ液圧センサ216による検出液圧との差として取得される。液圧源液圧センサ220による検出液圧はほぼ一定であるとみなすこともできる。減圧リニアバルブ90〜93については、ブレーキシリンダ液圧センサ216による検出液圧が前後の差圧とされる。リザーバ62の液圧は大気圧であるからである。
作動特性の学習は、個別液圧制御弁装置70〜73毎に行われ、ブレーキシリンダ液圧が図18に示すように変化するように、増圧リニアバルブ80〜83,減圧リニアバルブ90〜93のコイル100,102への供給電流が制御される。減圧リニアバルブ90,91は常閉弁であるが、減圧リニアバルブ92,93は常開弁であるため、供給電流の制御の態様が異なる。図1に示すように、実際に、リニアバルブが閉状態から開状態に切り換えられた場合に取得された複数のデータ対に基づいて作動特性(常閉弁についての作動特性の一例を図1の破線で示す)が取得される。
本実施例においては、図18に示すように、実際のブレーキシリンダ液圧が段階的に増加させられ、段階的に減少させられる。アキュムレータ64の液圧は予め定められた設定範囲内に保たれた状態にある。
ブレーキシリンダ液圧は、増圧リニアバルブ80〜83の制御により増加させられ、減圧リニアバルブ90〜93の制御により減少させられる。作動特性の学習においては、ブレーキシリンダ液圧の増減が予め定められた設定回数繰り返される。設定回数繰り返し実行されることにより、データ対が複数個取得されるが、それら複数個のデータ対が作動特性を取得するのに適したデータ対であるか否かが判定される。取得された複数個のデータ対が、作動特性を作成するのに適切なデータ対であるとされた場合に、それら複数個のデータ対に基づいて作動特性が作成され、適切でないとされた場合には、作動特性が作成されることがない。本明細書において、作動特性の学習が行われる際の1回のブレーキシリンダ液圧の増減を「山」と称することがある。
図19には、左右前輪の個別液圧制御装置70,71について作動特性の学習が行われる場合において、ブレーキシリンダ液圧と、増圧リニアバルブ80,81,減圧リニアバルブ90,91への供給電流との関係を示す。
増圧リニアバルブ80,81への供給電流が断続的に制御される場合には、減圧リニアバルブ90,91への供給電流は0に保たれ、減圧リニアバルブ90,91への供給電流が断続的に制御される場合には、増圧リニアバルブ80,81への供給電流は0に保たれる。
増圧リニアバルブ80,81について、供給電流が増加させられて、実液圧が目標液圧に達すると、供給電流が0とされる。供給電流は、予め定められた保持期間の間(保持期間の長さが保持時間である)0に保たれる。図20に示すように、保持期間は、後述するように、静定期間(静定期間の長さが静定時間である)と勾配計測期間(勾配計測期間の長さが勾配計測時間である)とを含む。この保持期間中においては、増圧リニアバルブ80,81への供給電流も減圧リニアバルブ90,91への供給電流も0とされるため、原則として、増圧リニアバルブ80,81も減圧リニアバルブ90,91も閉状態にある。
保持期間の経過後に(供給電流の保持状態の後に)、電流探索期間(電流探索状態とされる期間)とされる。電流探索状態(電流探索モード)においては、増圧リニアバルブ80,81への供給電流が予め定められた勾配で漸増させられる。供給電流の増加により増圧リニアバルブ80,81が閉状態から開状態に切り換えられたことが検出されると、その瞬間の前後の差圧が検出されて、供給電流値とともにデータ対として記憶される。この意味において、電流探索状態は、開弁ポイント探索状態(開弁ポイント探索モード)と称することができる。
本実施例においては、電流探索状態においてブレーキシリンダ液圧が検出され、開弁判定しきい値に達した場合に、増圧リニアバルブ80,81が閉状態から開状態に切り換わったと判定される。この場合の開弁判定しきい値は、前述の勾配計測期間内における液圧の変化勾配に基づいて決定される。
図20に示すように、増圧リニアバルブ80,81への供給電流が増加させられた後に0にされた場合(ブレーキシリンダ20の液圧が増加させられた後に保持された場合)には、キャリパ21等の弾性変形に起因して、ブレーキシリンダ液圧は実線で示すように変化する。キャリパ21は、供給電流が0にされた後の比較的短い時間内において弾性変形量が大きく、その後、小さくなる。
弾性変形量が大きい時間が静定時間とされ、小さい時間が勾配計測時間とされる。換言すれば、静定時間は、キャリパ21等の弾性変形に起因する液圧変化勾配が穏やかになるのに要する時間である。また、勾配計測時間は、開弁判定しきい値を決定するためのブレーキシリンダ液圧の変化状態を取得し得る時間である。勾配計測時間においては、キャリパ21の弾性変形に起因する圧力変化は非常に小さく、ブレーキシリンダ液圧はほぼ一定である。
それに対して、ブレーキシリンダ液圧は、減圧リニアバルブ90,91に漏れがある場合には、一点破線が示すように変化し、増圧リニアバルブ80,81に漏れがある場合には、二点鎖線が示すように変化する。減圧リニアバルブ90,91に漏れがある場合には、ブレーキシリンダ液圧の低下勾配が大きくなり、増圧リニアバルブ80,81に漏れがある場合にはブレーキシリンダ20の液圧の低下勾配が小さくなったり、増加したりする。
一方、電流探索状態において、ブレーキシリンダ液圧が、開弁前液圧より設定圧(開弁判定変化量)以上大きくなった場合に、増圧リニアバルブ80,81が閉状態から開状態に切り換わったと判定される。
この場合の開弁前液圧は、ブレーキシリンダ液圧の変化直前の液圧とすることが考えられるが、電流探索状態において変化直前の液圧を検出することは困難である。また、保持状態から電流探索状態に移行した時点の液圧を開弁前液圧として、開弁前液圧に設定圧を加えた値を開弁判定しきい値とすることもできる。
このように、移行時の液圧を開弁前液圧として開弁判定しきい値が決定される場合において、増圧リニアバルブ80,81および減圧リニアバルブ90,91に漏れがない場合には、上述のように、電流探索状態のリニアバルブの作動開始前におけるブレーキシリンダ液圧はほぼ一定であるため、上記開弁判定しきい値に基づけば、増圧リニアバルブ80,81が閉状態から開状態に切り換わったことを正確に検出することができる。しかし、増圧リニアバルブ80,81や減圧リニアバルブ90,91に漏れがある場合には、図20に示すように、ブレーキシリンダ液圧は電流探索状態のリニアバルブの作動開始前においても変化するため、上記開弁判定しきい値に基づくと、増圧リニアバルブ80,81が開弁したことを正確に検出することができない。
そこで、本実施例においては、図20に示すように、勾配計測時間における液圧変化勾配に基づいて開弁前液圧が決定され、その開弁前液圧に開弁判定変化量だけ大きい値が開弁判定しきい値として決定される。
電流探索状態においては、その時点における前後の差圧と現に記憶部206に記憶されている作動特性とに基づいて決まる開弁電流より設定値だけ小さい値の電流が加えられ、その後、予め定められた一定の勾配で増加させられる。設定勾配は、増圧リニアバルブ80,81が閉状態から開状態に切り換えられたことを検出し得る勾配とされる。
ブレーキシリンダ液圧が開弁判定しきい値以上となると、増圧リニアバルブ80,81が閉状態から開状態に切り換えられたと判定される。この時点の供給電流値と前後の差圧とがデータ対として記憶される。
そして、目標液圧が増加させられ、実液圧が目標液圧に近づくように増圧リニアバルブ80,81への供給電流が制御される。増圧リニアバルブ80,81が開状態に切り換えられた後に、実液圧が目標液圧に近づくように制御される場合においても、電流探索状態における場合と同様の勾配でコイル100への供給電流が漸増させられるようにしても、電流探索状態とは異なる勾配で、例えば、早急に目標液圧に近づくように供給電流が制御されるようにしてもよい。また、目標液圧は予め定められた設定量ずつ増加させられる。図18,19に示すように、階段状に変化させられる場合の目標液圧の増加量は同じにされるのである。
減圧リニアバルブ90,91への供給電流の制御についても同様である。図19の一点鎖線で示すように、保持時間の経過後に、電流探索状態とされて、その時点における前後の差圧と現に記憶部206に記憶されている作動特性とに基づいて決まる開弁電流より設定値だけ小さい値の電流が加えられ、設定勾配で増加させられる。供給電流の増加により、減圧リニアバルブ90,91が閉状態から開状態に切り換えられると、ブレーキシリンダ20の液圧が低下する。ブレーキシリンダ20の液圧が開弁判定しきい値以下になった場合に開状態に切り換えられたとされて、その瞬間の前後の差圧が、減圧リニアバルブ90,91のコイル100への供給電流値とともにデータ対として記憶される。
開弁判定しきい値は、増圧リニアバルブ80,81における場合と同様に、勾配計測時間における液圧変化勾配に基づいて決定される。
なお、実液圧P*が開弁判定しきい値Popenを1回越えた場合に、閉状態から開状態に切り換えられたとしても、予め定められた設定回数以上越えた場合に、切り換えられたとしてもよい。また、増圧リニアバルブ80,81についての開弁判定変化量ΔPopenと減圧リニアバルブ90,91についての開弁判定変化量ΔPopenとは同じ大きさであっても、異なる大きさであってもよい。
本実施例においては、作動特性の学習が行われる前に、図18,19に示すように、液圧ブレーキ16〜19においてパッド22とロータ23との間のクリアランスが0となるようにブレーキシリンダ20の液圧が制御される。なお、図19には、液圧ブレーキ16,17において、学習前制御が行われる場合の制御例を示す。
本実施例においては、ブレーキシリンダ液圧を学習前第1設定圧以上になるまで増加させた後に、学習前第2設定圧(クリアランスを小さくし得る設定圧であり、例えば、ファーストフィルが終了する場合の液圧、あるいは、ファーストフィルが終了する場合の液圧より多少大きい液圧)まで減少させる。
このように、ブレーキシリンダ液圧が学習前第1設定圧以上とされて、パッド22に大きな押付力が付与されれば、パッド22をロータ23に確実に接近させることができ、その後に、供給電流を小さくした場合に、クリアランスを確実に0にすることができる。
パッド22とロータ23との間のクリアランスが大きい場合は、図21に示すように、ブレーキシリンダ20への作動液の供給され始めにおいて、ブレーキシリンダの液圧の増加勾配が小さくなり、増圧リニアバルブ80,81が開弁したことを正確に検出できないおそれがある。それに対して、クリアランスが小さくされた後に作動特性の取得が開始されるようにすれば、ブレーキシリンダ20への作動液の供給開始時のブレーキシリンダ液圧の増加勾配が小さくなることを回避することができ、開弁したことを正確に検出することが可能となる。
このクリアランスを小さくする制御を学習前制御(プレ制御)、クリアランス減少制御と称することができる。
次に、個別液圧制御弁装置72,73について作動特性の学習が行われる場合について説明する。増圧リニアバルブ82,83のコイルへの供給電流の制御については、個別液圧制御装置70,71における場合と同様であるが、減圧リニアバルブ92,93は常開弁であるため、常閉弁である場合とでは供給電流が異なる態様で制御される。
増圧リニアバルブ82,83の制御によりブレーキシリンダ20の液圧が段階的に大きくされる場合には、図18に示すように、減圧リニアバルブ92,93への供給電流も大きくされる。作動特性の学習が行われる場合において、減圧リニアバルブ92,93への供給電流がブレーキシリンダ20の液圧が作動特性の取得の際の最大値になっても閉状態に保ち得る大きさに保持されるようにすることができるが、そのようにした場合には、消費電力量が多くなり望ましくない。そこで、本実施例においては、減圧リニアバルブ92,93への供給電流がブレーキシリンダ20の液圧の増加に伴って増加させられるようにされている。
また、減圧リニアバルブ92,93については、図22に示すように、供給電流が制御される。減圧リニアバルブ92,93への供給電流の減少により、ブレーキシリンダ液圧が目標液圧に達した後に、供給電流が増加させられ、静定時間が経過するまでの間は、その値に保持される。その後、勾配計測時間が経過するまでの間は、供給電流が小さくされて、その値に保たれる。弁子114を弁座116に着座させる向きの電磁駆動力Fdが小さくされるのである。弁子114を弁座116に押し付ける力が小さくされれば、漏れに起因する液圧の変化勾配の差が現れやすくなる。減圧リニアバルブ92,93を閉状態に保つのに必要な電磁駆動力より設定値だけ大きい駆動力が得られる大きさの電流が供給されるのである。
なお、減圧リニアバルブ92,93のコイルへの供給電流は、2段階に変化させることは不可欠ではなく、保持時間の間は一定の大きさに保たれるようにすることもできる。
以上のように作動特性が学習されるのであるが、図9のフローチャートで表される作動特性学習プログラムは予め定められた設定時間毎に実行される。前述のように、個別液圧制御弁装置70〜73毎に実行される。
S21において、作動特性学習許可条件が満たされるか否かが判定される。例えば、システムが正常であること、テストモードにあること、車両が停止状態にあること等の予め定められた学習許可条件が満たされた場合に、S21の判定がYESとなり、S22以降が実行される。
S22において、学習前制御が行われ、S23において、データ対の取得が行われる。図18に示すように、山の数が設定個となるまで、ブレーキシリンダ20の液圧が繰り返し増加・減少させられ、増圧リニアバルブ80〜83、減圧リニアバルブ90〜93が閉状態から開状態に切り換えられる瞬間の供給電流値、前後の差圧から成るデータ対(たいていの場合には複数個のデータ対)が取得される。
S24においてそれぞれ取得されたデータ対についての適否が判定され、適切である場合にはS25の判定がYESとなり、S26において作動特性が作成される。この作成された作動特性を表すテーブルが新たに記憶される。その後、増圧リニアバルブ80〜83,減圧リニアバルブ90〜93についての供給電流が、それまで記憶された作動特性に代わって、新しい作動特性に基づいて制御される。
取得されたデータ対が適切でない場合には、S25の判定がNOとなり、S27において、ブレーキシリンダ液圧が1回増加・減少させられ(1山分)、データ対が取得される。S28において、S23において取得されたデータ対とS27において取得されたデータ対とを合わせたデータ対の適否が判定され、適切である場合には、S26において作動特性が取得され、適切でない場合には、S30において山の数Nyが予め定められた設定個(データ対の取得の際に実行される増減の許容最大回数)Nymaxを越えたか否かが判定される。山の数Nyが許容最大回数Nymaxを越えるまでは、取得された(複数個の)データ対が適切であると判定されるまでブレーキシリンダ液圧の増減が繰り返し実行されるのであるが、許容最大回数Nymaxを越えても適切なデータ対が得られない場合には、S31において、エラー処理が行われる。
S22の学習前制御は、図10のフローチャートで表される学習前制御ルーチンの実行により行われる。本ルーチンは、各車輪の液圧ブレーキ16〜19毎に実行される。
学習前制御が、左右前輪の液圧ブレーキ16,17について行われる場合には、S40において、減圧リニアバルブ90,91への供給電流が設定値0(Ib←0:設定値)とされ、閉状態にされる。減圧リニアバルブ90,91は、増圧リニアバルブ80,81への供給電流の制御中は閉状態に保たれるのである。S41において、増圧リニアバルブ80、81への供給電流が増加させられ(Ia←Ia+ΔIa)、S42において、ブレーキシリンダ20の実液圧P*が学習前第1設定圧Pref1に達したか否かが判定される。実液圧P*が学習前第1設定圧Pref1以上になると、S42の判定がYESとなり、S43において増圧リニアバルブ80,81への供給電流が0とされ(Ia←0)、ブレーキシリンダ液圧が保持される。
次に、S44において、ブレーキシリンダ液圧が学習前第1設定圧Pref1以上である状態が設定時間保たれたか否かが判定され、設定時間保たれた場合には、S45において、減圧リニアバルブ90,91への供給電流Ibが増加させられる(Ib←Ib+ΔIb)ことによりブレーキシリンダ20の液圧が減少させられる。実液圧P*がほぼ学習前第2設定圧Pref2まで低下すると、S47において、減圧リニアバルブ90,91への供給電流が0にされる(Ib←0=Ipre)。それによって、ブレーキシリンダ液圧は学習前第2設定圧Pref2に保たれる。この状態においては、パッド22とロータ23との間のクリアランスはほぼ0にある。
左右後輪の液圧ブレーキ18,19について学習前制御が行われる場合において、増圧リニアバルブ82,83の供給電流の制御が行われる間(S41〜44)、減圧リニアバルブ92,93には、最大の電流(Ib←Imax:設定値)が供給されて閉状態に保たれる(S40)。学習前第1設定圧に達してから設定時間が経過すると、S45において、減圧リニアバルブ92,93への供給電流が減少させられて(Ib←Ib−ΔIb)、ブレーキシリンダ液圧が低下させられる。ブレーキシリンダ液圧が学習前第2設定圧まで低下すると、S46の判定がYESとなり、S47において、減圧リニアバルブ92,93への供給電流がその時点の電流(Ib←Ibpre=Ipre)に保持される。それによって、ブレーキシリンダ液圧が学習前第2設定圧に保たれ、クリアランスが0とされる。
なお、減圧リニアバルブ92,93への供給電流は、一旦、最大の大きさとされた後にブレーキシリンダ液圧を学習前第2設定圧に保持し得る大きさまで減少させることもできる。
このように、本実施例においては、学習前第1設定圧Ppre1がアキュムレータ圧に近い大きな値に設定されているため、パッド22を摩擦力等に抗して確実にロータ23に接近させることができる。また、その後、ブレーキシリンダ液圧を学習前第2設定圧Ppre2まで低下させた場合に、確実にクリアランスを0にすることができる。さらに、学習前第2設定圧Ppre2をクリアランスをほぼ0にし得るできる限り小さい値にすれば、作動特性の学習が行われる場合のブレーキシリンダ液圧の変化範囲を大きくすることができるという利点もある。
なお、学習前第1設定圧Pref1の大きさは、上記実施例における場合に限らず、それより小さい値にすることもできる。学習前第1設定圧Pref1は、それに応じて加えられる押付力がパッド22を摩擦力等に抗して確実にロータ23に接近させ得る大きさ以上とすればよい。
また、学習前制御において、ブレーキシリンダ液圧を増加させた後に減少させることは不可欠ではない。ブレーキシリンダ液圧が、クリアランスが確実に0になる液圧まで増加させられた後に、その値に保持されるようにすることができる。例えば、ファーストフィルが終了した場合の液圧、あるいは、その液圧より設定圧以上大きい液圧になるまで増加させ、その液圧から作動特性が学習が行われるようにするのである。特に、液圧ブレーキがドラムブレーキである場合等、リターンスプリングが含まれる場合には、ブレーキシリンダ液圧が減少させられないようにする方が望ましい。
さらに、学習前制御においては、ブレーキシリンダ液圧をクリアランスが0になるまで増加させることは不可欠ではない。ブレーキシリンダ液圧を、クリアランスが小さくされるまで増加させれば、学習前制御が行われない場合に比較して、作動特性をより正確に取得することができる。
また、学習前制御が終了した場合に減圧リニアバルブ92,93に供給される電流は、一旦増加させた後に、クリアランスをほぼ0とし得る液圧を保持し得る大きさまで減少させることができる。
S23のデータ対の取得は、図11のフローチャートで表されるデータ対取得ルーチンの実行により行われる。
S51においてパラメータの初期化が行われる。データ対の取得に使用されるフラグ、カウンタ等がリセットとされ、初期値が代入される。
S52において、増圧リニアバルブ80〜83についてデータ対が取得され、S53において、減圧リニアバルブ90〜93についてデータ対が取得される。S54,55において、増圧バルブ終了フラグ、減圧バルブ終了フラグがセット状態にあるか否かが判定される。増圧バルブ終了フラグがセット状態にない場合にはS52が実行され、増圧バルブ終了フラグがセット状態にあるが、減圧バルブ終了フラグがセット状態にない場合にはS53が実行される。
増圧バルブ終了フラグは、図18に示す1つの山において、ブレーキシリンダ液圧が予め定められた上限値まで増加させられた場合にセットされるフラグであり、減圧バルブ終了フラグは、1つの山において、ブレーキシリンダ液圧が予め定められた下限値まで減少させられた場合にセットされるフラグである。増圧バルブ終了フラグ、減圧バルブ終了フラグの両方がセットされた状態にある場合には、図18における1つの山が作成されたことになる。
増圧バルブ終了フラグ、減圧バルブ終了フラグの両方がセット状態にある場合には、S56において、カウンタのカウント値Nyがカウントアップされ、S57において、設定値Ny0以上になったか否かが判定される。カウンタは、山の数をカウントするものである。
本実施例においては、山の数Nyが予め定められた設定個Ny0となるまでデータ対の取得が行われる。カウント値Nyが設定値Ny0より小さい場合には、S58において、終了フラグがリセットされて、S52以降が実行される。S52、53はカウント値Nyが、設定値Ny0以上になるまで繰り返し実行される。
S52,53の実行は、前輪側(個別液圧制御弁装置70,71)と後輪側(個別液圧制御弁装置72,73)とで異なるため、それぞれについて説明する。
まず、前輪側の常閉弁である増圧リニアバルブ80,81、減圧リニアバルブ90,91についてデータ対が取得される場合について説明する。
データ対取得対象バルブが増圧リニアバルブ80,81である場合について、図12のフローチャートに基づいて説明する。
S70において実液圧P*が検出され、S71において初期処理フラグがセットされているか否かが判定される。最初にS71が実行される場合には、初期処理フラグがリセット状態にあるため、判定がNOとなり、S72〜79において初期処理が行われる。
具体的には、S72において実液圧P*が基準液圧Pmとされ、開弁判定しきい値Poepn が基準液圧Pmに開弁判定変化量ΔPopen を加えた大きさ(Popen←Pm+ΔPopen)とされ、S73において、供給電流Iが、その時点の前後の差圧と記憶部206に現に記憶されている作動特性とに基づいて決まる開弁電流Iopenより設定値ΔIsだけ小さい値(I←Iopen−ΔIs)に決定される。S74において、実液圧P*が開弁判定しきい値Popen を越えたか否かが判定される。実液圧P*が開弁判定しきい値Popen以下である間は、S75において実液圧P*が検出され、S76において、供給電流IがS73において決定された供給電流Ioepnに増加量ΔIを加えた値とされて、S74に戻される。S74〜76が繰り返し実行されることにより、供給電流Ioepnが漸増させられつつ、開弁判定しきい値Popenを越えたか否かが判定される。
実液圧P*が開弁判定しきい値Popen を越えた場合には、S74の判定がYESとなり、S77において、その瞬間の前後の差圧、供給電流値が読みとられ、これらが対応付けられてデータ対として記憶される。前後の差圧は、液圧源液圧センサ220による検出値Paccからブレーキシリンダ圧センサ216による検出液圧(実液圧)P*を引いた値である。その後、S78において、初期処理フラグがセットされ、探索中フラグ、保持フラグがリセットされて、S79において、目標液圧Prefが基準液圧Pmに設定値ΔPrefを加えた大きさ(Pref←Pm+ΔPref)とされる。
基準液圧Pmは目標液圧を決定する際の基準となる液圧であるが、初期処理においては、開弁判定しきい値を決定する際の基準液圧としても使用される。
初期処理が終了すると、S71の判定がYESとなり、S80以降が実行される。S80において、保持フラグがセット状態にあるか否かが判定され、S81において、電流探索中フラグがセット状態にあるか否かが判定され、S82において、実液圧P*が目標液圧Pref以上か否かが判定される。
この場合には、保持フラグも、電流探索中フラグもリセット状態にあるため、S82において、実液圧P*が目標液圧Prefに達したか否かが判定される。初期処理終了後に、最初にS82が実行される場合には、実液圧P*は目標液圧Prefより小さいため、S83において、供給電流がΔIだけ増加させられる。以下、目標液圧に達するまで、S70,71、S80〜83が繰り返し実行され、供給電流が漸増させられる。
実液圧P*が目標液圧Prefに達すると、S82の判定がYESとなり、S84において保持フラグがセットされる。また、時間の計測が開始されるのであり、時間カウンタが0にリセットされる。
次に、S85において供給電流Iが0とされる。保持状態とされるのであり、S86において保持時間が経過したか否か、S87において静定時間が経過したか否かが判定される。増圧リニアバルブ80,81は常閉弁であり、供給電流Iが0とされた場合に、弁子105が弁座06に着座する閉状態とされる。
保持フラグが最初にセットされた場合は、静定時間が経過する以前であるため、S86,87の判定がNOとなる。静定時間が経過するまでの間、S70,71,80,85〜87が繰り返し実行される。静定時間が経過すると、S87の判定がYESとなり、S88において、S70において検出された実液圧P*が、時間tとともに記憶される。静定時間が経過し、勾配計測時間に移行したのであり、勾配計測期間の間、S87の実行により、実液圧P*(t)が記憶される。
そして、勾配計測時間が経過するとともに保持時間が経過すると、S86の判定がYESとなり、S89において、実液圧P*が基準液圧Pmとされ、S90において、目標液圧Prefが決定される。基準液圧Pmに設定値ΔPrefを加えた値とされるのであり、図19に示すように、目標液圧が階段状に増加させられる。
S91において、目標液圧が予め定められた最大値に達したか否かが判定され、最大値より小さい場合は、S92において、勾配計測時間中に記憶された実液圧P*(t)から実液圧P*の変化勾配が取得され、S93において、開弁前液圧Pm(t)が取得される。本実施例においては、電流探索状態においても、保持状態における場合と同様の勾配でブレーキシリンダ液圧が変化すると推定される。したがって、勾配計測時間中の液圧の変化勾配(保持状態における場合の液圧の実際の変化勾配)と、ある任意の時間t0における実液圧P*(t0)とに基づいて開弁前液圧Pm(t)が時間の関数として取得される。そして、S94において、開弁判定しきい値Popen(t)が、開弁前液圧Pm(t)に開弁判定変化量ΔPopenだけ大きい値として決定される(Popen(t)←Pm(t)+ΔPopen)。
開弁判定しきい値は、図20の破線が示すように決定される。増圧リニアバルブ80,81に漏れがある場合には、正常な場合より大きい値となり、減圧リニアバルブ90,91に漏れがある場合には、小さい値となる。
その後、S95において、保持フラグがリセットされ、電流探索中フラグがセットされて、供給電流の初期値Iが上述の場合(S73)と同様に、その時点の前後の差圧に基づいて決まる開弁電流Iopenから設定値ΔIsだけ小さい値とされる。
次に、本プログラムが実行される場合には、保持フラグがリセット状態、電流探索中フラグがセット状態にあるため、S81の判定がYESとなり、S96において、供給電流がΔIだけ大きくされ、S97において、実液圧P*が開弁判定しきい値Popen(t)を越えたか否かが判定される。実液圧P*が開弁判定しきい値Popen(t)以下である間は、S70,71,80,81,96,97が繰り返し実行されることにより、増圧リニアバルブ80,81への供給電流が漸増させられる。実液圧P*が開弁判定しきい値Popen (t)を越えた場合には、S97の判定がYESとなり、S98において、その瞬間の前後の差圧、供給電流値が読みとられ、これらが対応付けられてデータ対として記憶される。その後、S99において、電流探索中フラグがリセットされる。
S97においては、保持フラグが設定されてから計測が開始された時間に基づいて開弁判定しきい値Popen(t)が取得され、実液圧P*が、時間で決まる開弁判定しきい値Popen(t)より大きいか否かが判定されるのである。
次に、本プログラムが実行される場合には、電流探索中フラグも保持フラグもリセット状態にあるため、S80,81の判定がいずれもNOとなり、S82において、実液圧P*が目標液圧Prefより小さいか否かが判定される。
電流探索モードの終了時には、実液圧P*は目標液圧Prefより小さいため、S82の判定がNOとなり、実液圧P*が目標液圧Prefに達するまで、供給電流が漸増させられる。目標液圧Prefに達すると、S82の判定がYESとなり、S84,85において、供給電流Iが0とされて、保持フラグがセットされる。以下、目標液圧Prefが最大値Pmaxに達するまでの間、保持状態、電流探索状態が繰り返し実行されて、目標液圧が階段状に増加させられつつデータ対が取得される。実液圧P*が目標液圧Prefに達して保持状態が設定される毎に、ブレーキシリンダ液圧の変化勾配が取得され、開弁判定しきい値が決定されるのであり、電流探索状態においては、その決定された開弁判定しきい値に基づいて増圧リニアバルブ80,81が閉状態から開状態に切り換わったか否かが判定され、その時点のデータ対が取得されるのである。目標液圧Prefが最大値Pmaxに達すると、S91の判定がYESとなり、S100,101において、増圧バルブ終了フラグがセットされ、初期処理フラグがリセットされる。
図18において、第1の山の頂上に達したのであり、上りの部分に対応する制御が終了し、増圧リニアバルブ80,81についてデータ対が取得されたのである。
目標液圧の最大値Pmaxは、例えば、アキュムレータ圧Pacc等に基づいて決定することができる。最大値Pmaxは、その都度決定されても、予め定められた値としてもよい。
なお、漏れ勾配計測中において検出された実液圧P*に基づいて取得されたブレーキシリンダ液圧の変化勾配が設定勾配以上である場合には、データ対の取得が行われないようにすることもできる。漏れの程度が大きい場合には、開弁判定しきい値を変更しても、開弁電流を正確に取得できない場合があるからである。
次に、データ対取得対象バルブが減圧リニアバルブ90,91である場合について(S53の実行について)図13のフローチャートに基づいて説明する。
S119において、増圧バルブ終了フラグがセット状態にあるか否かが判定される。セット状態にない場合には、S120以降が実行されることはない。
増圧バルブ終了フラグがセット状態にある場合には、S120において実液圧P*が取得され、S121において、初期処理フラグがセット状態にあるか否かが判定される。最初にS121が実行される場合には、初期処理フラグはリセット状態にあるため、S122〜129において初期処理が行われる。増圧リニアバルブ80,81についての初期処理とほぼ同じであるが、開弁判定しきい値Popenが基準液圧Pmから開弁判定変化量ΔPopenだけ小さい値(Popen←Pm−ΔPopen)とされるとともに、実液圧P*が開弁判定しきい値Popenより小さくなった場合(P*<Popen)に閉状態から開状態に切り換えられたとされること、開弁時の前後の差圧ΔP*openが実液圧P*とされること、目標液圧Prefが基準液圧Pmより設定値ΔPrefだけ小さい値とされること(Pref←Pm−ΔPref)等が異なる。
次に、本プログラムが実行される場合には、初期処理フラグがセット状態にあるため、S121の判定はYESとなるが、保持フラグも電流探索中フラグもリセット状態にあるため、S130,131の判定がいずれもNOとなり、S132において、実液圧P*が目標液圧Pref以下であるか否かが判定される。最初にS132が実行される場合には、実液圧P*は目標液圧Prefより大きいため、S133において、減圧リニアバルブ90,91への供給電流が漸増させられる。実液圧P*が目標液圧Pref以下になると、S134において、保持フラグがセットされて時間の計測が開始され、S135において、減圧リニアバルブ90,91への供給電流が0とされる。以下、増圧リニアバルブ80,81における場合と同様に、S136において、保持時間が経過したか否かが判定され、S137において、静定時間が経過したか否かが判定される。静定時間が経過して勾配計測時間に移行すると、S138において、実液圧P*が時間tとともに記憶され、保持時間が経過すると、S139,140において、基準液圧Pmが取得され、目標液圧Prefが取得される。
そして、S141において、目標液圧Prefが最小値Pmin以下であるか否かが判定される。最初値Pminより大きい間、S142〜144において、S138において記憶された勾配計測時間中の実液圧の変化勾配が取得されて、開弁前液圧、開弁判定しきい値が決定される。この場合においても、増圧リニアバルブ80,81に漏れがある場合には、実液圧P*は増加し、減圧リニアバルブ90,91に漏れがある場合には低下する。S145において、保持フラグがリセットされるとともに、電流探索中フラグがセットされ、電流探索状態における供給電流の初期値がその時点の開弁電流Iopenより設定値ΔIsだけ小さい値とされる。
次に本プログラムが実行される場合には、電流探索中フラグがセット状態にあるため、S131の判定がYESとなり、S146〜149において、電流が漸増させられつつ、実液圧P*が開弁判定しきい値より小さくなるか否かが判定される。実液圧P*が開弁判定しきい値より小さくなると、データ対が記憶されて、電流探索中フラグがリセットされる。
以下同様に、目標液圧が階段状に小さくされつつ、保持状態と電流探索状態とが繰り返し実行されて、データ対が取得されるのであるが、目標液圧が目標液圧の最低値Pmin以下になると、S141の判定がYESとなり、S150において、減圧バルブ終了フラグがセットされ、S151において、初期処理フラグがリセットされる。図18の第1の山の下りの部分に対応する制御が終了したのである。最低値Pminは、大気圧としたり、ファーストフィルが終了した場合の大きさとしたり、それらの値より設定圧だけ大きい値としたりすること等ができる。
以下、増圧リニアバルブ80,81についてのデータ対の取得および減圧リニアバルブ90,91についてのデータ対の取得が、山の数Nyが設定数Ny0になるまで繰り返し実行され、設定数Ny0になると、S24においてデータ対の適否が判定される。
次に、後輪の個別液圧制御装置72,73についてデータ対が取得される場合について説明する。この場合には、減圧リニアバルブ92,93が常開弁である。
S52の増圧リニアバルブ82,83についてのデータ対の取得は図14のフローチャートで表す。S70〜S101までの処理は前輪の個別液圧制御弁装置70,71における場合と同じであるため説明を省略する。ここでは、実液圧P*が設定圧より大きい場合は小さい場合より、減圧リニアバルブ92,93のコイル102への供給電流が大きくされる。減圧リニアバルブ92,93は常開弁であるため、増圧リニアバルブ82,83の制御により後輪のブレーキシリンダ20の液圧が高くなり、減圧リニアバルブ92,93の前後の差圧が大きくなると閉状態に保つために大きな電流が必要となるからである。
S171において、実液圧P*が設定圧Ph以上であるか否かが判定される。設定圧以上である場合には、S172において、減圧リニアバルブ92,93のコイル102への供給電流が大きくされ(I=Ih1)、設定圧より小さい場合には、S173において、小さくされる(I=Ih2<Ih1)。
なお、本実施例においては、減圧リニアバルブ92,93への供給電流が2段階で制御されるようにされていたが、3段階以上で制御されるようにしたり、実液圧P*に応じて(前後の差圧に応じて)連続的に制御されるようにしたりすることもできる。いずれにしても、最大のブレーキシリンダ液圧に応じた電流に保持される場合より消費電力の低減を図ることができる。
S54の減圧リニアバルブ92,93についてのデータ対の取得は図15のフローチャートで表す。大部分のステップの実行は図13のフローチャートで表される減圧リニアバルブ90,91についての実行と同じであるが、常開弁と常閉弁との差に起因して異なるステップがあるため、その部分について説明する。
S123′において決定される供給電流Iは、その時点の前後の差圧に応じて決まる開弁電流より設定値大きい値とされる(I←Iopen+ΔIs)。S145′においても同様である。
また、電流探索中において、あるいは、実液圧P*が目標液圧Pref以上である場合には、減圧リニアバルブ92,93のコイル102への供給電流がS126′,133′,146′において漸減させられる。そして、実液圧P*が開弁判定しきい値Popenより小さくなると、開状態に切り換えられたとされる。
さらに、保持フラグがセット状態にある場合には、減圧リニアバルブ92,93のコイル102への供給電流が大きくされて、ブレーキシリンダ20からリザーバ72への作動液の流れが阻止される。この場合において、静定時間が経過する以前においては、S181の判定がNOとなり、S182において、供給電流が大きくされて(I=Ia=Ih1)、大きな押付力で弁子114が弁座115に押し付けられるが、静定時間を超えると、S183において供給電流が小さくされて(I=Ib<Ia)、押付力が小さくされる。
この押付力が小さくされた状態が勾配計測時間であり、S138において、実液圧P*が記憶される。
本実施例においては、静定時間が経過する以前においては、図14のフローチャートで表されるプログラムのS172において供給される電流と同じ大きさの電流が供給され(Ia=Ih1)、静定時間を超えた場合には、それより小さい電流であって、開弁電流Iより設定値ΔId大きい電流が供給される(Ib=Iopen+ΔId)。
図22に示すように、保持状態において、弁子114を弁座115に強く押し付けることにより、これらを確実に閉状態とすることが可能となる。また、その後、供給電流が小さくされて、押付力が小さくされることにより、漏れに起因する圧力変化が検出され易くされる。また、開弁電流を検出する際にも、電流Iaから減少させるより電流Ibから減少させた方が、検出時間が短くなるという利点もある。
なお、静定時間においては、最大電流が供給されるようにすることができる。また、保持期間において2段階で供給電流を制御することは不可欠ではなく、一定(例えば、Ib)に保持されるようにすることができる。
複数のデータ対の適否判定について図16のフローチャートに基づいて説明する。このルーチンは、各リニアバルブ毎に実行される。S221において、記憶されたデータ対の数Md(キャンセルされたデータ対の数は含まない)が取得され、S222において、データ対の数Mdが山の数Ny0に自然数αを加えた値以上であるか否かが判定される(Md≧Ny0+α)。データ対の数が山の数Ny0と同じである場合には、互いに同じデータ対(前後の差圧、供給電流が同じ)である可能性があり、それを排除するためである。自然数αは1であれば、少なくとも2点を取得することができる。山の数Ny0は、図18に示す場合においては3であるが、それに限らない。
S222の判定がYESの場合には、S223において相関係数γが演算され、S224において、相関係数の絶対値|γ|が設定値γ0以上であるか否かが判定される。常開弁である場合には正の相関があり、常閉弁である場合には負の相関があるからである。作動特性を取得する際には、相関係数の絶対値|γ|が大きく、前後の差圧と供給電流量との相関関係の度合いが強いことが望ましい。
取得されたデータ対の個数がMdである場合の、前後の差圧ΔP*open(i)と開弁電流Iopen(i)との間の相関係数γは、前後の差圧のデータ各々の平均値<ΔP*open>からの差をX(i)とし、開弁電流のデータの各々の平均値<Iopen>からの差をY(i)とした場合、すなわち、
X(i)=ΔP*open(i)−<ΔP*open>
ただし、<ΔP*open>=(ΣΔP*open(i))/Md
とし、
Y(i)=Iopen(i)−<Iopen>
ただし、<Iopen>=(ΣΔIopen(i))/Md
とした場合に、式
γ={(ΣX(i)・Y(i))/Md}/{√(ΣX(i)2)・√(ΣY(i)2)}
に従って取得される。
相関係数の絶対値|γ|が設定値γ0以上である場合には、S225において、取得されたデータ対は適切であるとされ、設定値γ0より小さい場合にはS226において、適切でないとされる。
適切である場合には、S26において作動特性が取得される。例えば、複数のデータ対の前後の差圧、供給電流のデータの各々に基づいて直線の傾き、切片が取得されて、1つの直線で表される作動特性を取得することができる。
例えば、傾きKは、式
K=[Σ(ΔP*open(i)・Iopen(i))−{(ΣΔP*open(i)・ΣIopen(i))/Md}]
/{ΣΔP*open(i)2−(ΣΔP*open(i))2/Md}
に従って取得し、切片Ioffsetは式
Ioffset={ΣIopen(i)+K・(−ΣΔP*open(i))}/Md
に従って取得することができる。
複数のデータ対が適切でないとされた場合には、図9のフローチャートのS27において、さらに、データ対の取得が行われるが、S27の実行は、S23の実行(図11のフローチャートのS57)において山の数の設定値Ny0が1とされた場合と同様である。そのため、図11のフローチャートにおいて、S54,55において、増圧バルブ終了フラグ、減圧バルブ終了フラグがセットされて、S56において、カウンタのカウント値Nyが1になると、S57の判定がYESとなる。
S28(図9参照)のデータ対の適否判定においては、図17のフローチャートに示すように、取得されたデータ対の個数は、S23において取得された個数とS27において取得された個数との和となり、S251において、山の数が、S23における山の数Ny0と追加して行われた山の数Nmとを合わせた数(Ny0+Nm)となるため、データ対の数Mdが(Ny0+Nm+α)以上か否かが判定されることになる。S27の実行回数が1回である場合には、Nmは1であるが、複数回実行された場合には、その回数となる。S223において、取得された(データ対の数は増えることが多い)データ対について相関係数γが演算により取得され、以下同様に実行される。
本実施例においては、最初に、山の数が設定個数Ny0になるまでデータ対が取得されるが、取得されたデータ対が適切でない場合には、ブレーキシリンダ液圧の増減が1回行われ(山の数が1つ増やされて)、データ対が取得されて、適否が判定される。そして、適切でないとされた場合には、さらに山の数が1つ増やされ、以下同様に実行される。取得されたデータ対が適切でないとされた場合には、ブレーキシリンダ液圧の増減が1回行われて、データ対が取得されるのであり、ブレーキシリンダ液圧の増減が1回行われる毎(山の数が増える毎)に適否が判定されるようにされている。その結果、できる限り少ないデータ対の個数で、正確に作動特性が取得されるようにすることができる。
このように、本実施例においては、データ対を取得する際の開弁判定しきい値が勾配計測時間中のブレーキシリンダ液圧P*の変化勾配に基づいて決定される。その結果、リニアバルブ80〜83,90〜93に漏れがあっても、閉状態から開状態に切り換わったことを正確に検出することができ、開弁電流を正確に検出することができる。データ対を正確に取得することができるのであり、真の特性に近い作動特性を得ることが可能となり、それに基づくブレーキシリンダ液圧の制御精度を向上させることができる。
また、リニアバルブにおける漏れに起因する圧力変化の状態は、リニアバルブの前後の差圧が異なると、異なるのが普通である。それに対して、本実施例においては、目標液圧が変化させられて保持される毎に、ブレーキシリンダ液圧の変化状態が検出されて、開弁判定しきい値が決定されるようにされている。そのため、開弁判定しきい値に基づけば、リニアバルブが開弁したことを正確に検出することができる。このように、本発明は、目標液圧を段階的に変化させつつ開弁したことが検出されて、作動特性が取得される場合に、特に有効である。
さらに、データ対が取得される以前に液圧ブレーキ16〜19において、ブレーキシリンダ20の液圧を設定圧以上として、パッド22とロータ23との間のクリアランスが小さくされるため、ブレーキシリンダ液圧が増加させられる場合に、最初にデータ対が取得される場合に、開弁したことを正確に検出することができる。特に、パッド22を交換した後等に有効である。
また、複数のデータ対について、相関係数が取得され、相関係数の絶対値が大きい場合に、複数のデータ対が適切であるとされて、作動特性が作成されるため、作動特性を真の特性に近づけることが可能となる。
以上のように、本実施例においては、ブレーキECU200の記憶部206の図9のフローチャートで表される作動特性学習プログラムを記憶する部分、実行する部分により作動特性取得装置が構成され、図8のフローチャートで表される供給電流制御プログラムを記憶する部分、実行する部分等により液圧制御部が構成される。作動特性取得装置は、開弁特性取得部でもある。
作動特性取得装置のうちの、図12〜15のフローチャートのS85,96(S135,146、S182,183,146′)を記憶する部分、実行する部分等により電流制御部が構成され、S92〜94(S142〜144)を記憶する部分、実行する部分等により作動判定しきい値決定部が構成される。電流制御部のうちのS85(S135,S182,183)を記憶する部分、実行する部分等により閉状態保持部が構成され、S96(S146、S146′)を記憶する部分、実行する部分等により電流漸変部が構成される。閉状態保持部は、目標値対応電流保持部でもあり、作動判定しきい値決定部は、待ち型作動判定しきい値決定部でもある。また、S98(S148)を記憶する部分、実行する部分等によりデータ取得部が構成される。さらに、S82,83(S132,133)を記憶する部分、実行する部分等により目標値対応電流制御部が構成され、S79,90(S129.140)を記憶する部分、実行する部分等により目標値変化部が構成される。
なお、上記実施例においては、増圧リニアバルブ、減圧リニアバルブが液圧ブレーキ装置に組み付けられた状態で作動特性が取得される場合について説明したが、同様の実行を、組み付ける以前において実行することができる。例えば、液圧ブレーキ装置の製造工程において作動特性が取得されることになる。このように、作動特性が個々のリニアバルブそれぞれについて取得されれば、予め決められた作動特性が利用される場合より、ブレーキシリンダ液圧の制御精度を向上させることができる。
また、上記実施例においては、開弁前液圧に一定の値である開弁判定変化量ΔPopenを加えることによって開弁判定しきい値Popenが決定されるようにされていたが、増圧リニアバルブ80〜83,減圧リニアバルブ90〜93の漏れに起因する前後の差圧の変化、それに伴う開弁電流の変化等を考慮して、開弁判定変化量ΔPopenが決定されるようにすることができる。
さらに、上記実施例においては、増圧リニアバルブ80〜83、減圧リニアバルブ90〜93が漏れが許容されないものであったが、漏れが許容されるバルブについて作動特性を取得する場合にも適用することができる。漏れが許容されるバルブにおいては、常閉弁において、供給電流が0とされても、一定の漏れがあるが、この漏れに起因するブレーキシリンダ液圧の変化勾配は常に同じとは限らない。そのため、保持状態とされる毎に液圧変化が検出されて、それに基づいて開弁判定しきい値が決定され、その決定された開弁判定しきい値に基づいてリニアバルブが開弁したか否かが判定されるようにすることは妥当なことである。特に、前後の差圧が異なると、漏れに起因する液圧の変化状態も異なる。そのため、漏れが許容されるリニアバルブについての作動特性が、目標液圧が段階的に変化させられることにより、前後の差圧が段階的に変化させられつつ開弁したか否かが判定され、データ対が取得される作動特性取得装置によって取得される場合に、本発明を適用することは有効なことである。なお、加工精度に起因して漏れが生じる場合には、リニアバルブ個々で漏れの程度が異なるのが普通である。そのため、リニアバルブ個々について作動特性を取得する際に、本発明を適用することも有効である。
また、上記実施例においては、静定時間の経過後に勾配計測時間に移行されるようにされていたが、静定時間を短くしたり、静定時間を無くしたりすることもできる。静定時間においては、キャリパ21の弾性変形に起因する圧力変化が大きく、かつ、常に同じであるとは限らない。そのため、静定時間を含む保持時間における圧力変化に基づいて開弁判定しきい値を決定する場合には、キャリパ21の弾性変形に起因する圧力変化の減衰の状態を考慮して、電流探索状態における液圧変化の状態を推定し、それに基づいて、開弁前液圧、開弁判定しきい値が決定されるようにする。本実施形態におけるように、静定時間を無くしたり、短くしたりすれば、作動特性を取得するのに要する時間を短くすることができる。
さらに、キャリパ21等の弾性変形に起因する圧力変化は、保持される以前のブレーキシリンダ20の液圧の増加勾配、供給電流が保持された時点における液圧の大きさ自体等の影響を受ける。そのため、保持状態におけるブレーキシリンダ液圧の目標値が変更される毎に、保持時期における圧力変化を取得し、それに基づいて開弁判定しきい値を決定することは有効なことである。また、ブレーキシリンダの液圧を増加する場合の増加勾配が一定でない場合にも有効である。
また、勾配計測時間における実際のブレーキシリンダ液圧の変化勾配の絶対値が設定値以上であるか否かを判定し、設定値以上である場合には、データ対が記憶されないようにしたり、異物除去制御が行われるようにしたりすることができる。異物除去制御としては、異物が介在していると推定されるバルブについて、開度が設定値以上となるように、コイルに電流が供給されるようにする。バルブに大きな流量で作動液が流れ、異物を除去することができる。
その場合のデータ対の取得の一例を図23のフローチャートで表し、異物除去制御の一例を図24のフローチャートで表す。
本実施例においては、S92において、勾配計測時間内におけるブレーキシリンダ液圧に基づいて、液圧変化勾配ΔP*が取得された後、S201において、変化勾配の絶対値|ΔP*|が設定値ΔPth以上であるか否かが判定され、設定値ΔPthより小さい場合には、S93以降において、上記実施例における場合と同様に開弁判定しきい値が決定されて、データ対が取得されるが、変化勾配の絶対値|ΔP*|が設定値ΔPth以上である場合には、S202において、異物除去制御が行われる。
また、この場合には、保持フラグも電流探索中フラグもリセット状態のままであるため、S82において、実液圧P*がS90において決定された目標液圧Prefに達するまで電流が漸増させられる。この場合には、S96〜99が実行されないため、データ対が取得されることがない。漏れが大きい場合には、データ対が取得されない方が望ましいこともあるのである。
なお、異物除去制御が行われた後に(S202の実行の後に)、保持フラグがセットされるようにして、保持状態が設定されるようにすることもできる。異物除去制御が行われた後には、勾配計測時間において検出されたブレーキシリンダ液圧に基づいて取得された変化勾配の絶対値|ΔP*|は小さくなると考えられるからである。
また、前輪側の増圧リニアバルブ80,81についての作動特性が取得される場合に限らず、減圧リニアバルブ90,91、後輪側の増圧リニアバルブ82,83,減圧リニアバルブ92,93についての作動特性が取得される場合も同様である。
異物除去制御において、S251において、漏れが大きいとされたリニアバルブに開度が最大となる電流が供給される。本実施例においては、常閉弁については最大の電流が供給され、常開弁については0とされる。S252において、設定時間が経過したか否かが判定される。設定時間の間、開度が最大に保たれるのであり、それによって、大きな流量で作動液が流れ、異物を除去し、弁子の弁座に対する相対姿勢を正規な姿勢とすることができる。設定時間の経過後、S253において、供給電流が所定の電流に戻される。例えば、異物除去制御が行われる以前の電流としたり、その時点の目標液圧より小さい液圧となるような電流としたりすること等ができる。
なお、異物が介在していると推定されるバルブに限らず、増圧リニアバルブと減圧リニアバルブとの両方の開度を大きくすれば、作動液がより一層流れ易くなるため、異物を除去し易くなる。
さらに、作動特性は、リニアバルブの供給電流のフィードバック制御に利用されても、フィードフォワード制御に利用されてもよい。
また、上記実施例においては、ブレーキシリンダ液圧の制御において、目標液圧がリニアバルブが閉状態から開状態に切り換えられた場合に変化させられるようにされていたが、電流探索状態に切り換えられる場合に変化させられるようにすることもできる等、リニアバルブへの供給電流の制御の態様は、上記実施例におけるそれに限らない。
その他、液圧ブレーキはドラムブレーキとする等本発明は、前述に記載の態様の他、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
本発明の一実施例である液圧制御装置において取得された作動特性の一例を示す図である。 上記液圧制御装置を含む液圧ブレーキ装置の回路図である。 上記液圧ブレーキ装置に含まれる液圧ブレーキの断面図である。 上記液圧制御装置に含まれる常閉のリニアバルブの断面図である。 上記常閉のリニアバルブの作動特性テーブルを表すマップである。 上記液圧制御装置に含まれる常開のリニアバルブの断面図である。 上記常開のリニアバルブの作動特性テーブルを表すマップである。 上記液圧制御装置のブレーキECUの記憶部に記憶された供給電流制御プログラムを表すフローチャートである。 上記ブレーキECUの記憶部に記憶された作動特性学習プログラムを表すフローチャートである。 上記作動特性学習プログラムの一部(S22の学習前制御)を表すフローチャートである。 上記作動特性学習プログラムの一部(S23のデータ対取得)を表すフローチャートである。 データ対取得対象バルブが、前輪の増圧リニアバルブである場合の上記作動特性学習プログラムの一部(S52)を表すフローチャートである。 データ対取得対象バルブが、前輪の減圧リニアバルブである場合の上記作動特性学習プログラムの一部(S53)を表すフローチャートである。 データ対取得対象バルブが、後輪の増圧リニアバルブである場合の図12のフローチャートで表される実行に対応する実行を表すフローチャートである。 データ対取得対象バルブが、後輪の減圧リニアバルブである場合の図13のフローチャートで表される実行に対応する実行を表すフローチャートである。 上記作動特性学習プログラムの一部(S24の適否判定)を表すフローチャートである。 上記作動特性学習プログラムの一部(S28の適否判定)を表すフローチャートである。 作動特性が取得される場合の、リニアバルブへの供給電流の制御とブレーキシリンダ液圧との関係を示す図である。 ブレーキシリンダ液圧が増減させられる場合のリニアバルブへの供給電流の制御の状態を示す図である。 増圧リニアバルブへの供給電流が0にされた後のブレーキシリンダ液圧の変化の状態を示す図である。 学習前制御の効果を示す図である。 常開の減圧リニアバルブへの供給電流とブレーキシリンダ液圧との関係を示す図である。 データ対取得対象バルブが、前輪の増圧リニアバルブである場合の上記作動特性学習プログラムの一部(S52)の別の態様を表すフローチャートである。 上記プログラムの一部(S202)を現すフローチャートである。
符号の説明
80〜83:増圧リニアバルブ 90〜93:減圧リニアバルブ 100、102:コイル 200:ブレーキECU 216:ブレーキシリンダ液圧センサ 220:液圧源液圧センサ

Claims (8)

  1. 少なくとも、高圧側と低圧側との差圧に応じた差圧作用力と、コイルへの供給電流に応じた電磁駆動力との関係により開閉する電磁制御弁と、
    前記コイルへの供給電流が漸変させられる状態において、前記電磁制御弁の高圧側と低圧側とのいずれか一方の側の液圧が開弁判定しきい値になった場合に、前記電磁制御弁が閉状態から開状態に切り換わったとして、その時の供給電流である開弁電流と前記差圧との関係である作動特性を取得する作動特性取得装置と、
    その作動特性取得装置によって取得された作動特性に基づいて、前記コイルへの供給電流を制御することによって、前記いずれか一方の側の液圧を制御する液圧制御部と
    を含み、
    前記作動特性取得装置が、(a)前記いずれか一方の側の液圧が前記液圧制御部によって設定圧に近づくように制御された後、前記いずれか一方の側の液圧の変化状態を取得し得る期間を含む保持期間の間、前記電磁制御弁が閉状態に保たれるはずの大きさに、前記コイルへの供給電流を保持する電流保持部と、(b)前記コイルの供給電流を、前記保持期間が経過した後、漸変期間において漸変させる電流漸変部と、(c)前記液圧の変化状態を取得し得る期間において取得された前記いずれか一方の側の液圧の変化状態に基づいて、前記開弁判定しきい値を、時間の経過に伴って変化する値として決定する開弁判定しきい値決定部とを含むことを特徴とする液圧制御装置。
  2. 前記液圧の変化状態を取得し得る期間が、前記保持期間の前記電流保持部によって前記コイルへの供給電流が保持されてから設定時間が経過した時点以降の期間とされ、前記開弁判定しきい値決定部が、前記液圧の変化状態を取得し得る期間におけるいずれか一方の液圧の変化状態に基づいて、前記開弁判定しきい値を、時間の経過に伴って変化する値として決定する待ち型開弁判定しきい値決定部を含む請求項に記載の液圧制御装置。
  3. 前記開弁判定しきい値決定部が、前記保持期間の前記電流保持部によって前記コイルへの供給電流が保持された状態における前記いずれか一方の側の液圧の変化状態に基づいて前記電磁制御弁の漏れの有無を検出する漏れ検出部を含む請求項1または2に記載の液圧制御装置。
  4. 当該液圧制御装置が、車両の車輪と共に回転するブレーキ回転体に摩擦部材をブレーキシリンダの液圧により押し付けることにより前記車輪の回転を抑制する液圧ブレーキを含むブレーキ装置において、前記ブレーキシリンダの液圧を制御するブレーキシリンダ液圧制御装置であり、前記作動特性取得装置が、前記作動特性を取得するのに先だって、前記ブレーキシリンダの液圧を予め定められた設定圧以上として、前記摩擦部材と前記ブレーキ回転体との間のクリアランスを小さくする手段を含む請求項1ないし3のいずれか1つに記載の液圧制御装置。
  5. 少なくとも、高圧側と低圧側との差圧に応じた差圧作用力と、コイルへの供給電流に応じた電磁駆動力との関係により開閉する電磁制御弁について、その電磁制御弁が閉状態から開状態に切り換わった場合の前記コイルへの供給電流である開弁電流と前記差圧との関係である作動特性を取得する作動特性取得装置であって、
    前記電磁制御弁の高圧側と低圧側とのいずれか一方の側の液圧を検出する液圧検出装置と、
    前記コイルへの供給電流の制御により、前記いずれか一方の側の液圧が設定圧に近づけられた後、前記いずれか一方の側の液圧の変化状態を取得し得る期間を含む保持期間の間、前記電磁制御弁が閉状態に保たれるはずの大きさに、前記コイルへの供給電流を保持する電流保持部と、
    前記コイルの供給電流を、前記保持期間が経過した後、漸変期間において漸変させる電流漸変部と、
    前記液圧の変化状態を取得し得る期間において、前記液圧検出装置によって検出された前記いずれか一方の側の液圧の変化状態に基づいて、前記開弁判定しきい値を、時間の経過に伴って変化する値として取得する開弁判定しきい値決定部と、
    前記電流漸変部によって前記コイルへの供給電流が漸変させられている状態において、前記液圧検出装置によって検出される液圧が前記開弁判定しきい値決定部によって決定された開弁判定しきい値に達した場合に、前記電磁制御弁が閉状態から開状態に切り換わったとして、前記開弁電流と前記差圧とを取得するデータ取得部と
    を含むことを特徴とする作動特性取得装置。
  6. 当該作動特性取得装置が、前記コイルへの供給電流を、前記液圧検出装置によって検出された液圧が目標値に近づくように制御する目標値対応電流制御部と、前記目標値を段階的に変化させる目標値変化部とを含み、前記電流保持部が、前記コイルへの供給電流を、前記液圧検出装置によって検出された液圧が前記目標値に達した場合の大きさに保持する目標値対応電流保持部を含む請求項に記載の作動特性取得装置。
  7. 前記データ対取得部が、前記コイルへの供給電流を制御することにより、互いに異なる複数の開弁電流と前記差圧とのデータ対を取得する複数データ対取得部を含み、当該作動特性取得装置が、前記複数データ対取得部によって取得された複数のデータ対に基づいて前記作動特性を取得する作動特性取得部を含むとともに、その作動特性取得部が、前記複数データ対取得部によって取得された複数のデータ対の相関関係の度合いを表す相関係数の絶対値が設定値以上である場合に、前記複数の前記データ対に基づいて前記作動特性を取得する相関係数勘案決定部を含む請求項5または6に記載の作動特性取得装置。
  8. 当該作動特性取得装置が、車両の車輪と共に回転するブレーキ回転体に摩擦部材をブレーキシリンダの液圧により押し付けることにより前記車輪の回転を抑制する液圧ブレーキを含むブレーキ装置において、ブレーキシリンダの液圧を制御するブレーキシリンダ液圧制御装置に設けられたものであり、前記ブレーキシリンダの液圧が予め定められた設定圧以上とされて、前記摩擦部材と前記ブレーキ回転体との間のクリアランスが小さくされた後に、前記作動特性を取得する手段を含む請求項5ないし7のいずれか1つに記載の作動特性取得装置。
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