JP6502762B2 - リニア弁特性取得方法,リニア弁特性取得装置 - Google Patents
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Description
前記増圧リニア弁の差圧と開閉均衡電流との関係を取得すべく、前記パイロット圧室の液圧をある大きさの液圧である保持圧に保持した状態から前記増圧リニア弁を開弁させるべくその増圧リニア弁に供給する励磁電流を漸変させ、前記調整圧センサの検出結果に基づいて前記増圧リニア弁が開弁したことが検出された時に、その時点での差圧を取得するとともに、その時点での励磁電流をその差圧に対する開閉均衡電流として取得する増圧弁開閉均衡電流取得工程と、
前記減圧リニア弁の差圧と開閉均衡電流との関係を取得すべく、前記パイロット圧室の液圧を保持圧に保持した状態から前記減圧リニア弁を開弁させるべくその減圧リニア弁に供給する励磁電流を漸変させ、前記調整圧センサの検出結果に基づいて前記減圧リニア弁が開弁したことが検出された時に、その時点での差圧を取得するとともに、その時点での励磁電流をその差圧に対する開閉均衡電流として取得する減圧弁開閉均衡電流取得工程と
を含んで、
それら増圧弁開閉均衡電流取得工程と減圧弁開閉均衡電流取得工程との各々を、前記保持圧を変更しつつ、繰り返し行うことで、前記増圧リニア弁および前記減圧リニア弁の各々における差圧と開閉均衡電流との関係を取得するものであり、
当該リニア弁特性取得方法が、さらに、
前記増圧弁開閉均衡電流取得工程の前、前記スプールが前記他端側に移動している場合に、前記増圧リニア弁を開弁して前記スプールを前記一端側に移動させるスプール増圧側移動工程と、
前記減圧弁開閉均衡電流取得工程の前、前記スプールが前記一端側に移動している場合に、前記減圧リニア弁を開弁して前記スプールを前記他端側に移動させるスプール減圧側移動工程と
を含むことを特徴とするリニア弁特性取得方法。
前記増圧弁開閉均衡電流取得工程の実施後、前記減圧弁開閉均衡電流取得工程の実施前に、前記スプール減圧側移動工程を実施するとともに、
前記減圧弁開閉均衡電流取得工程の実施後、前記増圧弁開閉均衡電流取得工程の実施前に、前記スプール増圧側移動工程を実施する(1)項に記載のリニア弁特性取得方法。
前記増圧弁開閉均衡電流取得工程中において前記パイロット圧室の液圧を保持圧に保持しようとした状態で、前記調整圧センサにより検出された調整圧が高くなっていく場合に、前記増圧弁開閉均衡電流取得工程を中断して前記増圧リニア弁を全開に開弁させ、前記調整圧センサにより検出された調整圧が低くなっていく場合に、前記増圧弁開閉均衡電流取得工程を中断して前記減圧リニア弁を全開に開弁させるフラッシング工程を含み、
前記減圧リニア弁に対して前記フラッシング工程を実施した後、前記増圧弁開閉均衡電流取得工程の再開前に、前記スプール増圧側移動工程を実施する (1)項または(2)項に記載のリニア弁特性取得方法。
前記減圧弁開閉均衡電流取得工程中において前記パイロット圧室の液圧を保持圧に保持しようとした状態で、前記調整圧センサにより検出された調整圧が高くなっていく場合に、前記減圧弁開閉均衡電流取得工程を中断して前記増圧リニア弁を全開に開弁させ、前記調整圧センサにより検出された調整圧が低くなっていく場合に、前記減圧弁開閉均衡電流取得工程を中断して前記減圧リニア弁を全開に開弁させるフラッシング工程を含み、
前記増圧リニア弁に対して前記フラッシング工程を実施した後、前記減圧弁開閉均衡電流取得工程の再開前に、前記スプール減圧側移動工程を実施する(1)項ないし (3)項のいずれか1つに記載のリニア弁特性取得方法。
(I)前記増圧リニア弁の差圧と開閉均衡電流との関係を取得すべく、前記パイロット圧室の液圧をある大きさの液圧である保持圧に保持した状態から前記増圧リニア弁を開弁させるべくその増圧リニア弁に供給する励磁電流を漸変させ、前記調整圧センサの検出結果に基づいて前記増圧リニア弁が開弁したことが検出された時に、その時点での差圧を取得するとともに、その時点での励磁電流をその差圧に対する開閉均衡電流として取得する増圧弁開閉均衡電流取得処理と、(II)前記減圧リニア弁の差圧と開閉均衡電流との関係を取得すべく、前記パイロット圧室の液圧を保持圧に保持した状態から前記減圧リニア弁を開弁させるべくその減圧リニア弁に供給する励磁電流を漸変させ、前記調整圧センサの検出結果に基づいて前記減圧リニア弁が開弁したことが検出された時に、その時点での差圧を取得するとともに、その時点での励磁電流をその差圧に対する開閉均衡電流として取得する減圧弁開閉均衡電流取得処理との各々を、前記保持圧を変更しつつ、繰り返し行うことで、前記増圧リニア弁および前記減圧リニア弁の各々における差圧と開閉均衡電流との関係を取得するように構成され、
当該リニア弁特性取得装置が、さらに、
前記増圧弁開閉均衡電流取得処理の前、前記スプールが前記他端側に移動している場合に、前記増圧リニア弁を開弁して前記スプールを前記一端側に移動させるとともに、前記減圧弁開閉均衡電流取得処理の前、前記スプールが前記一端側に移動している場合に、前記減圧リニア弁を開弁して前記スプールを前記他端側に移動させることを特徴とするリニア弁特性取得装置。
(a)全体構成
請求可能発明の実施例であるリニア弁特性取得方法が採用される液圧供給装置は、車両用の液圧ブレーキシステムに搭載される。本液圧ブレーキシステムは、ハイブリッド車両に搭載され、ブレーキオイルを作動液とする液圧ブレーキシステムである。本液圧ブレーキシステムは、図1に示すように、大まかには、(a) 4つの車輪10に設けられ、それぞれがブレーキ力を発生させる4つのブレーキ装置12と、(b) ブレーキ操作部材としてのブレーキペダル14の操作が入力されるとともに、加圧された作動液を各ブレーキ装置12に供給するマスタシリンダ16と、(c) マスタシリンダ16と4つのブレーキ装置12の間に配置されたアンチロックユニット18〔ABS〕と、(d) 作動液を低圧源であるリザーバ20から汲み上げて加圧することにより、高圧の作動液を供給する高圧源装置22と、(e) 高圧源装置22から供給される作動液を調圧してマスタシリンダ16に供給するレギュレータ24と、(f) レギュレータ24に供給される作動液の圧力を調整するための電磁式の増圧リニア弁[SLA]26および減圧リニア弁[SLR]28と、(g) それらの装置,機器,弁を制御することで当該液圧ブレーキシステムの制御を司るブレーキ電子制御ユニット[ECU]30とを含んで構成されている。なお、4つの車輪10は、左右前後を表わす必要のある場合に、右前輪10FR,左前輪10FL,右後輪10RR,左後輪10RLと表わすこととする。また、4つのブレーキ装置12等の構成要素も、左右前後を区別する必要がある場合に、車輪10と同様の符号を付して、12FR,12FL,12RR,12RL等と表わすこととする。ちなみに、[ ]の文字は、図面において表わす場合に用いる符号である。
各車輪10に対応して設けられたブレーキ装置12は、車輪10とともに回転するディスクロータ,キャリアに保持されたキャリパ,キャリパに保持されたホイールシリンダ,キャリパに保持されてそのホイールシリンダによって動かされることでディスクロータを挟み付けるブレーキパッド等を含んで構成されたディスクブレーキ装置である。また、ABSユニット18は、各車輪に対応して設けられて対をなす増圧用開閉弁および減圧用開閉弁,ポンプ装置等を含んで構成されたユニットであり、スリップ現象等によって車輪10がロックした場合に作動させられて、車輪のロックが持続することを防止するための装置である。
i)マスタシリンダの構造
マスタシリンダ16は、ストロークシミュレータ一体型のマスタシリンダであり、概して言えば、ハウジング40の内部に、2つの加圧ピストンである第1加圧ピストン42,第2加圧ピストン44,入力ピストン46が配設されるとともに、ストロークシミュレータ機構48が組み込まれている。なお、マスタシリンダ16に関する以下の説明において、便宜的に、図における左方を前方,右方を後方と呼び、同様に、後に説明するピストン等の移動方向について、左方に動くことを前進,右方に動くことを後退と呼ぶこととする。
通常の状態では、上記連通切換弁72は、開弁状態、上記低圧源遮断弁76は、閉弁状態にあり、ピストン間室R3と対向室R5とによって、上記反力室R6が形成されている。本マスタシリンダ16では、第1加圧ピストン42を前方に移動させるべくピストン間室R3の作動液の圧力が作用する第1加圧ピストン42の受圧面積(対ピストン間室受圧面積)、すなわち、第1加圧ピストン42の突出部60の後端面の面積と、第1加圧ピストン42を後方に移動させるべく対向室R5の作動液の圧力が作用する第1加圧ピストン42の受圧面積(対対向室受圧面積)、すなわち、第1加圧ピストン42の鍔56の前端面の面積とが、等しくされている。したがって、ブレーキペダル14を操作して入力ピストン46を前進させても、操作力、すなわち、反力室R6の圧力によっては、第1加圧ピストン42,第2加圧ピストン44は前進せず、マスタシリンダ16によって加圧された作動液がブレーキ装置12に供給されることはない。その一方で、入力室R4に高圧源装置22からの作動液の圧力が導入されると、その作動液の圧力に依存して第1加圧ピストン42,第2加圧ピストン44は前進し、入力室R4の作動液の圧力に応じた圧力に加圧された作動液が、ブレーキ装置12に供給される。つまり、本マスタシリンダ16によれば、通常状態(通常時)において、ブレーキペダル14に加えられた操作力に依存せずに高圧源装置22からマスタシリンダ16に供給される作動液の圧力、つまり、レギュレータ24からマスタシリンダ16に供給される作動液の圧力に依存した大きさのブレーキ力を、ブレーキ装置12が発生させるのである。
高圧源装置22は、リザーバ20から作動液を汲み上げるポンプ90と、そのポンプ90を駆動するポンプモータ92と、ポンプ90から吐出された作動液を加圧された状態で蓄えるアキュムレータ[ACC]94とを含んで構成される。ポンプモータ92は、アキュムレータ94に蓄えられている作動液の圧力(以下、「高圧源圧PACC」という場合がある。いわゆる「アキュムレータ圧」である。)が、高圧源圧センサ[PACC]96の検出値に基づいて、予め定められた範囲内にあるように制御される。
i)レギュレータの構造
レギュレータ24は、自身に供給される作動液の液圧(パイロット圧)に応じて機械的に作動するパイロット式の圧力制御弁であり、そのパイロット圧に応じて高圧源装置22の液圧を調圧し、その調圧した作動液をマスタシリンダ16の入力室R4に供給するものである。
本レギュレータ24では、増圧リニア弁26と減圧リニア弁28とによって第2パイロット圧室R10の作動液の圧力である第2パイロット圧PPLT2が増加させられた場合に、スプール110が、その第2パイロット圧PPLT2によって付勢されて他端側の移動端から一端側に移動する。この移動によって、スプール弁機構102が高圧源装置22と調整圧室R8,R11とを連通させることで、マスタシリンダ16の入力室R4に供給される作動液の圧力、すなわち、サーボ圧PSRVが上昇させられる。その一方で、サーボ圧PSRVの上昇で、調整圧室R8の作動液の圧力も上昇し、スプール110が、サーボ圧PSRVによって付勢される。つまり、第2パイロット圧PPLT2によってスプール110を前進させる力と、サーボ圧PSRVによってスプール110を後退させる力とがバランスする状態が維持されて、マスタシリンダ16に供給される作動液の圧力であるサーボ圧PSRVが第2パイロット圧PPLT2に応じた大きさに調圧される。なお、スプール110の第2パイロット圧室R10の液圧(第2パイロット圧PPLT2)を受ける受圧面積と、スプール110の第1調整圧室R8の液圧(サーボ圧PSRV)を受ける受圧面積とは、ほぼ等しくされており、サーボ圧PSRVは、第2パイロット圧PPLT2とほぼ同じ大きさに調圧される(厳密にいえば、サーボ圧PSRVは、第2パイロット圧PPLT2より僅かに小さくなる)。
増圧リニア弁26は、高圧源装置22とレギュレータ24との間に配設された常閉型の電磁式リニア弁である。その増圧リニア弁26は、図3(a)に示すように、ポペット弁170とソレノイド172とを含んで構成される。ポペット弁170は、弁座174および弁子176と、弁子176を弁座174に接近させる向きに付勢するスプリング178とを備えている。ソレノイド172は、コイル180と、コイル180に電流が供給されることにより生じる電磁駆動力Fdを弁子176に付与するプランジャ182とを備えている。弁子176には、高圧源装置22と第2パイロット圧室R10との液圧差に応じた差圧作用力Fpが、弁座174から離間させる向きに作用するようになっている。
本システムの制御、つまり、ブレーキ制御は、ブレーキECU30によって行われる。ブレーキECU30は、大まかには、高圧源装置22(詳しくは、それが有するモータ92)の制御を行い、また、増圧リニア弁26および減圧リニア弁28の制御を行う。ブレーキECU30は、図5に示すように、コンピュータを主体とするものであり、後に説明する制御を実行するためのプログラム等が記憶された記憶部200と、それらのプログラムを実行する実行部202と、高圧源装置22のモータ92,増圧リニア弁26,減圧リニア弁28等をそれぞれ駆動するための制御回路204とを含んで構成されている。
本液圧ブレーキシステムが搭載された車両では、通常、ブレーキ操作量センサ160の検出値に基づいて取得されたブレーキ操作量δPDLと、反力圧センサの検出値PRCTに基づいて取得されたブレーキ操作力FPDLとの両者に基づいて、必要とされるブレーキ力である必要ブレーキ力が算出される。その必要ブレーキ力から回生ブレーキシステムで発生させられる回生ブレーキ力を減算したものが、必要液圧ブレーキ力として決定される。本液圧ブレーキシステムは、この必要液圧ブレーキ力を発生させるべく作動する。
ISLA=ISLA-OPEN+KSLA・ΔPSRV KSLA:制御ゲイン
なお、前後の差圧ΔPSLAは、高圧源圧センサ96の検出値と第2パイロット圧PPLT2(実サーボ圧PSRVから推定)との差から求められる。そして、開弁電流ISLA-OPENは、図3(b)に示した、差圧ΔPSLAと開弁電流ISLA-OPENとの関係を示すマップデータから求められるようになっているのである。
ISLR=ISLR-OPEN−KSLR・ΔPSRV KSLR:制御ゲイン
なお、前後の差圧ΔPSLRは、第2パイロット圧PPLT2(実サーボ圧PSRVから推定)とリザーバ20の液圧(大気圧PATM)の差から求められる。そして、開弁電流ISLA-OPENは、図4(b)に示した、差圧ΔPSLRと開弁電流ISLR-OPENとの関係を示すマップデータから求められるようになっているのである。
ここで、先の説明において留保しているところのリニア弁26,28の特性を取得する方法について説明する。本実施例のリニア弁特性取得方法は、まず、増圧リニア弁26および減圧リニア弁28の各々に対する差圧と開弁電流との関係の基準値、つまり、先に述べた、差圧と開弁電流との関係を示すマップデータを取得する際に用いられる。つまり、本実施例のリニア弁特性取得方法は、上述した液圧ブレーキシステムが搭載された車両が出荷される前に、工場内で、ブレーキECU30に記憶させるマップデータを取得する際に用いられるのである。なお、当該ブレーキシステムが、車体に組み付けられた後であっても、組み付けられる前であってもよい。
本実施例のリニア弁特性取得方法は、増圧リニア弁26に対して、まず、サーボ圧PSRV(第2パイロット圧PPLT2)をある大きさの液圧である保持圧に保持した状態から、増圧リニア弁26を開弁させるべくその増圧リニア弁26への励磁電流ISLAを、開弁することない大きさの励磁電流から一定の勾配で漸増させつつ、サーボ圧センサ152の検出結果を監視する。そして、サーボ圧PSRVが設定値ΔP以上増加した場合に、増圧リニア弁26が開弁したと判断し、その時点での差圧を、高圧源圧センサ96により検出された高圧源PACCと、サーボ圧センサ152により検出されたサーボ圧PSRVとの差から取得する。
ΔPSLA=PACC−PSRV
また、その時点での励磁電流ISLAをその差圧ΔPSLAに対する開弁電流ISLA-OPENとして取得するのである。
次いで、増圧リニア弁26が開弁した状態で、設定された時間だけ経過させ、再び、増圧リニア弁26の励磁電流を0として閉弁し、ある保持圧に保持した状態とするのである。そして、上述した処理により、差圧ΔPSLAとその差圧ΔPSLAに対する開弁電流ISLA-OPENを取得するのである。この処理を、サーボ圧PSRVが予め設定された最大値PMAXに達するまで複数回行って、差圧ΔPSLAおよびその差圧ΔPSLAに対する開弁電流ISLA-OPENを複数組取得するようになっている。なお、図6(a)では、3回しか示していないが、実際には、10回以上繰り返して行っている。
ΔPSLR=PSRV−PATM
また、その時点での励磁電流ISLRをその差圧ΔPSLRに対する開弁電流ISLR-OPENとして取得するのである。そして、サーボ圧PSRVが大気圧PATMとなるまで、サーボ圧PSRVを減圧しつつ同様の処理を繰り返し行って、差圧ΔPSLRおよびその差圧ΔPSLRに対する開弁電流ISLR-OPENを複数組取得するのである。
そして、上述した増圧弁開弁電流取得工程および減圧弁開弁電流取得工程を、図6(a)に示すように、複数回繰り返して行って、それらのデータに基づいて、増圧リニア弁26および減圧リニア弁28の各々に対する差圧と開弁電流との関係の基準値、つまり、先に述べた、差圧と開弁電流との関係を示すマップデータ(図3(b),図4(b))が作成されるようになっている。
本実施例のリニア弁特性取得方法の対象となる液圧供給装置は、前述したように、スプール弁機構102を主体とするレギュレータ24を含んで構成されている。そのレギュレータ24において、調整圧室R8とリザーバ20との連通、詳しくは、調整圧室R8と大気圧ポートP10に連通する内部ポート118との連通を許容していた後に、その連通を遮断してサーボ圧PSRVが保持される状態とした場合には、スプール110は、図7(a)に示す位置に位置する。一方、調整圧室R11と高圧源装置22との連通、詳しくは、調整圧室R11に連通する内部ポート124と高圧ポートP11に連通する内部ポート122との連通を許容していた後に、その連通を遮断してサーボ圧PSRVが保持される状態とした場合、スプール110は、図7(b)に示す位置に位置する。つまり、同じサーボ圧PSRVが保持される状態であっても、スプール110の位置が異なるのである。
なお、増圧弁開弁電流取得工程および減圧弁開弁電流取得工程の各々において、サーボ圧PSRVを保持状態とする場合、増圧リニア弁26および減圧リニア弁28の両者が確実に閉弁状態となっているか否かの判定が行われる。具体的には、サーボ圧センサ152により検出されたサーボ圧PSRVが、保持状態とすべく増圧リニア弁26および減圧リニア弁28の両者に閉弁状態とする指令が出された時点におけるサーボ圧PSRVからの変化量ΔPSRVが設定値+ΔP0以上となった場合に、増圧リニア弁26に漏れが生じていると判断され、変化量ΔPSRVが設定値−ΔP0以下となった場合に、減圧リニア弁28に漏れが生じていると判断される。
本実施例のリニア弁特性取得方法は、図10にフローチャートを示すリニア弁特性取得プログラムによって実行される。なお、そのリニア弁特性取得プログラムは、図5に示すように、工場内の設備に含まれる装置250(以下、「外部装置250」と呼ぶこととする)に記憶されており、リニア弁特性取得プログラムの実行時においては、ブレーキECU30との間で、リニア弁26,28等への指令や、センサの検出結果等のデータの受け渡しが行われるようになっている。なお、外部装置250は、コンピュータを主体とするものであり、以下に説明するプログラム等が記憶されている記憶部252と、そのプログラムを実行する実行部254とを含んで構成されている。
本実施例のリニア弁特性取得方法を行うための上記リニア弁特性取得プログラムは、外部装置250の記憶部252に記憶されている。つまり、図5に示すように、外部装置250の記憶部252は、リニア弁特性取得プログラムが記憶されたリニア弁特性取得プログラム記憶部260を有していると考えることができる。一方、ブレーキECU30の記憶部200は、リニア弁の特性である差圧と開弁電流との関係(マップデータ)が記憶されるリニア弁特性記憶部262を有していると考えることができる。したがって、本実施例においては、外部装置250とブレーキECU30とを含んで、リニア弁特性取得装置が構成されていると考えることができる。
Claims (5)
- (A)高圧源からの高圧の作動液をパイロット圧によって調整圧に調圧し、その調圧された作動液を供給するレギュレータであって、 (a-1)前記調整圧に調圧される作動液が収容される調整圧室と、 (a-2)当該レギュレータの軸線方向に移動可能とされて自身の一端側から前記調整圧室の液圧を受けるスプールを有し、そのスプールが可動範囲において他端に位置する場合に、低圧源と前記調整圧室との連通を許容するとともに、高圧源と前記調整圧室との連通を遮断し、そのスプールが前進して一端に位置する場合に、低圧源と前記調整圧室との連通を遮断するとともに、高圧源と前記調整圧室との連通を許容するスプール弁機構と、(a-3)前記スプールの他端側に形成され、前記パイロット圧の作動液が導入されて前記スプールを一端側に向かって付勢するためのパイロット圧室とを備えたレギュレータと、(B)高圧源から作動液の供給を受け、前記パイロット圧室に供給する作動液を任意の圧力に調整する増圧リニア弁および減圧リニア弁と、(C)前記レギュレータから供給される作動液の液圧を測定して前記調整圧を検出する調整圧センサとを含んで構成された液圧供給装置において、前記増圧リニア弁および前記減圧リニア弁の各々における(i)前後の差圧と(ii)その差圧下において開弁状態と閉弁状態との境目である弁開閉均衡状態となる励磁電流である開閉均衡電流との関係を取得するリニア弁特性取得方法であって、
前記増圧リニア弁の差圧と開閉均衡電流との関係を取得すべく、前記パイロット圧室の液圧をある大きさの液圧である保持圧に保持した状態から前記増圧リニア弁を開弁させるべくその増圧リニア弁に供給する励磁電流を漸変させ、前記調整圧センサの検出結果に基づいて前記増圧リニア弁が開弁したことが検出された時に、その時点での差圧を取得するとともに、その時点での励磁電流をその差圧に対する開閉均衡電流として取得する増圧弁開閉均衡電流取得工程と、
前記減圧リニア弁の差圧と開閉均衡電流との関係を取得すべく、前記パイロット圧室の液圧を保持圧に保持した状態から前記減圧リニア弁を開弁させるべくその減圧リニア弁に供給する励磁電流を漸変させ、前記調整圧センサの検出結果に基づいて前記減圧リニア弁が開弁したことが検出された時に、その時点での差圧を取得するとともに、その時点での励磁電流をその差圧に対する開閉均衡電流として取得する減圧弁開閉均衡電流取得工程と
を含んで、
それら増圧弁開閉均衡電流取得工程と減圧弁開閉均衡電流取得工程との各々を、前記保持圧を変更しつつ、繰り返し行うことで、前記増圧リニア弁および前記減圧リニア弁の各々における差圧と開閉均衡電流との関係を取得するものであり、
当該リニア弁特性取得方法が、さらに、
前記増圧弁開閉均衡電流取得工程の前、前記スプールが前記他端側に移動している場合に、前記増圧リニア弁を開弁して前記スプールを前記一端側に移動させるスプール増圧側移動工程と、
前記減圧弁開閉均衡電流取得工程の前、前記スプールが前記一端側に移動している場合に、前記減圧リニア弁を開弁して前記スプールを前記他端側に移動させるスプール減圧側移動工程と
を含むことを特徴とするリニア弁特性取得方法。 - 当該リニア弁特性取得方法が、
前記増圧弁開閉均衡電流取得工程の実施後、前記減圧弁開閉均衡電流取得工程の実施前に、前記スプール減圧側移動工程を実施するとともに、
前記減圧弁開閉均衡電流取得工程の実施後、前記増圧弁開閉均衡電流取得工程の実施前に、前記スプール増圧側移動工程を実施する請求項1に記載のリニア弁特性取得方法。 - 当該リニア弁特性取得方法が、
前記増圧弁開閉均衡電流取得工程中において前記パイロット圧室の液圧を保持圧に保持しようとした状態で、前記調整圧センサにより検出された調整圧が高くなっていく場合に、前記増圧弁開閉均衡電流取得工程を中断して前記増圧リニア弁を全開に開弁させ、前記調整圧センサにより検出された調整圧が低くなっていく場合に、前記増圧弁開閉均衡電流取得工程を中断して前記減圧リニア弁を全開に開弁させるフラッシング工程を含み、
前記減圧リニア弁に対して前記フラッシング工程を実施した後、前記増圧弁開閉均衡電流取得工程の再開前に、前記スプール増圧側移動工程を実施する請求項1または請求項2に記載のリニア弁特性取得方法。 - 当該リニア弁特性取得方法が、
前記減圧弁開閉均衡電流取得工程中において前記パイロット圧室の液圧を保持圧に保持しようとした状態で、前記調整圧センサにより検出された調整圧が高くなっていく場合に、前記減圧弁開閉均衡電流取得工程を中断して前記増圧リニア弁を全開に開弁させ、前記調整圧センサにより検出された調整圧が低くなっていく場合に、前記減圧弁開閉均衡電流取得工程を中断して前記減圧リニア弁を全開に開弁させるフラッシング工程を含み、
前記増圧リニア弁に対して前記フラッシング工程を実施した後、前記減圧弁開閉均衡電流取得工程の再開前に、前記スプール減圧側移動工程を実施する請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載のリニア弁特性取得方法。 - (A)高圧源からの高圧の作動液を調整圧に調圧し、その調圧された作動液を供給するレギュレータであって、 (a-1)前記調整圧に調圧される作動液が収容される調整圧室と、 (a-2)当該レギュレータの軸線方向に移動可能とされて自身の一端側から前記調整圧室の液圧を受けるスプールを有し、そのスプールが可動範囲において他端側に位置する場合に、低圧源と前記調整圧室との連通を許容するとともに、高圧源と前記調整圧室との連通を遮断し、そのスプールが前進して一端側に位置する場合に、低圧源と前記調整圧室との連通を遮断するとともに、高圧源と前記調整圧室との連通を許容するスプール弁機構と、(a-3)前記スプールの他端側に形成されてそのスプールを一端側に向かって付勢するためのパイロット圧室とを備えたレギュレータと、(B)高圧源から作動液の供給を受け、前記パイロット圧室に供給する作動液を任意の圧力に調整する増圧リニア弁および減圧リニア弁と、(C)前記レギュレータから供給される作動液の液圧を測定して前記調整圧を検出する調整圧センサとを含んで構成された液圧供給装置において、前記増圧リニア弁および前記減圧リニア弁の各々における(i)前後の差圧と(ii)その差圧下において開弁状態と閉弁状態との境目である弁開閉均衡状態となる励磁電流である開閉均衡電流との関係を取得するリニア弁特性取得装置であって、
(I)前記増圧リニア弁の差圧と開閉均衡電流との関係を取得すべく、前記パイロット圧室の液圧をある大きさの液圧である保持圧に保持した状態から前記増圧リニア弁を開弁させるべくその増圧リニア弁に供給する励磁電流を漸変させ、前記調整圧センサの検出結果に基づいて前記増圧リニア弁が開弁したことが検出された時に、その時点での差圧を取得するとともに、その時点での励磁電流をその差圧に対する開閉均衡電流として取得する増圧弁開閉均衡電流取得処理と、(II)前記減圧リニア弁の差圧と開閉均衡電流との関係を取得すべく、前記パイロット圧室の液圧を保持圧に保持した状態から前記減圧リニア弁を開弁させるべくその減圧リニア弁に供給する励磁電流を漸変させ、前記調整圧センサの検出結果に基づいて前記減圧リニア弁が開弁したことが検出された時に、その時点での差圧を取得するとともに、その時点での励磁電流をその差圧に対する開閉均衡電流として取得する減圧弁開閉均衡電流取得処理との各々を、前記保持圧を変更しつつ、繰り返し行うことで、前記増圧リニア弁および前記減圧リニア弁の各々における差圧と開閉均衡電流との関係を取得するように構成され、
当該リニア弁特性取得装置が、さらに、
前記増圧弁開閉均衡電流取得処理の前、前記スプールが前記他端側に移動している場合に、前記増圧リニア弁を開弁して前記スプールを前記一端側に移動させるとともに、前記減圧弁開閉均衡電流取得処理の前、前記スプールが前記一端側に移動している場合に、前記減圧リニア弁を開弁して前記スプールを前記他端側に移動させることを特徴とするリニア弁特性取得装置。
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