JP6003826B2 - 圧力制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、実特性に基づいて電磁弁を制御して制御対象装置の圧力を制御する圧力制御装置に関するものである。
特許文献1には、車両用油圧作動式変速機のクラッチ等の油圧を制御する油圧制御装置が記載されている。この油圧制御装置において、リニアソレノイドに加えられる電圧の制御により電流が制御されてクラッチ等の油圧が制御される。
また、リニアソレノイドに加えられる電圧を電流で割った値である抵抗値が、リニアソレノイドの非作動状態において取得される。その結果、温度変化による抵抗値の変化に起因する油圧の制御精度の低下を良好に抑制することができる。
特開平9−280411
本発明の課題は、圧力制御装置の改良であり、例えば、実特性がより適正に取得されるようにすることである。
課題を解決するための手段および効果
本願発明に係る圧力制御装置においては、常開の電磁弁の、作動後、閉状態への切換え前において、コイルに加えられる電圧と流れる電流との実際の関係である実特性が取得される。
電磁弁が開状態から閉状態に切り換えられると、音が発生する場合がある。また、実特性を精度よく取得するためには、大きな電流または電圧を加える方が望ましい。
それに対して本願発明に係る圧力制御装置においては、実特性が、電磁弁の作動後、閉状態への切換え前において取得されるため、音の発生を良好に回避しつつ、実特性を精度よく取得することができる。
特許請求可能な発明
以下、本願において特許請求が可能と認識されている発明、あるいは、発明の特徴点について説明する。
(1)コイルへの電流の供給により開状態から閉状態に切り換えられる常開の電磁弁について、前記コイルに加えられる電圧と流れる電流との実際の関係である実特性を取得する実特性取得装置。
本項に記載の実特性取得装置においては、常開の電磁弁のコイルについての実特性が取得される。常開の電磁弁は、制御対象装置と低圧源との間に設けられ、制御対象装置の圧力を減圧制御する減圧制御弁として用いられることがある。
コイルに設定電圧を加えた状態でコイルに実際に流れる電流を取得することによって、実特性を取得しても、コイルに設定電流を供給した状態でコイルに実際に加えられた電圧を取得することによって、取得してもよい。特に限定した場合を除き、以下の各項においても同様とする。
(2)前記電磁弁が開状態から閉状態に切り換えられるまでの間に、前記実特性を取得する切換前取得部を含む(1)項に記載の実特性取得装置。
(3)前記電磁弁の可動部材が後退端と前進端との間の中間位置にある状態において、前記実特性を取得する中間時取得部を含む(1)項または(2)項に記載の実特性取得装置。
本項に記載の実特性取得装置においては、可動部材の移動が開始させられた後、移動が終了していない状態で、実特性が取得される。可動部材には、弁子、弁子に駆動力を付与するプランジャ(弁子と一体的に設けられる場合もある)、スプール等が該当する。
電磁弁が弁子と弁座とを備えたポペット弁部を含む場合には、弁子の弁座への接近開始から当接まで(当接時は含まない)の状態で、実特性が取得される。
(4)前記コイルに流れる電流が設定電流より大きい状態で、前記実特性を取得する(1)項ないし(3)項のいずれか1つに記載の実特性取得装置。
設定電流は、例えば、電磁弁のプランジャの移動開始に必要な電流とすることができる。移動開始に必要な電流は、電磁弁に設けられるスプリングのセット荷重等で決まる場合がある。
なお、実特性は、コイルに流れる電流Iが、設定電流Isより大きく、閉状態に切り換えるのに必要な電流Iopenより小さい状態(Is<I<Iopen)で、取得されるようにすることができる。例えば、{(Iopen−Is)・(k/n)+Is}の電流が供給された状態で、実特性が取得されるようにすることができる(k<n)。
(5)前記電磁弁の開度が、その電磁弁の最大開度より設定開度以上小さくならない状態で、前記実特性を取得する最大開度保持時取得部を含む(1)項ないし(4)項のいずれか1つに記載の実特性取得装置。
電磁弁の開度は、固定絞り部と可変絞り部とのうちの開口面積、流路横断面積のうちの最小値で決まると考えることができる。可変絞り部の開口面積が固定絞り部の流路横断面積以上である場合には電磁弁の開度は固定絞り部によって決まり、最大開度で一定である。それに対して、可変絞り部の開口面積が固定絞り部の流路横断面積より小さい場合には電磁弁の開度は可変絞り部によって決まり、最大開度より小さくなる。電磁弁の開度が固定絞り部によって決まる状態を「可変絞り部が絞りにならない状態」と称し、可変絞り部によって決まる状態(例えば、可変絞り部の開口面積が固定絞り部の流路横断面積より小さい状態)を「可変絞り部が絞りになる状態」と称することができる。
本項に記載の実特性取得装置においては、電磁弁の開度が固定絞り部によって決まる状態(開度が最大開度である状態)、または、電磁弁の開度が可変絞り部によって決まる状態にあり、その可変絞り部の開度と最大開度との差が設定値より小さい状態で、実特性が取得される。
なお、固定絞り部は、電磁弁の流入ポート、流出ポート等で構成される。固定絞り部の流路横断面積とは、固定絞り部の絞り効果を奏する部分の流路横断面積をいい、例えば、流入ポート、流出ポート等の流路横断面積が最小の部分の横断面積をいう。また、流路横断面積が、ポートの開口部の開口面積に対応する場合もある。
また、可変絞り部は、ポペット弁部(弁子および弁座等を含む)、スプール弁部等で構成される。
(6)前記電磁弁が、固定絞り部と可変絞り部とを備え、
当該実特性取得装置が、前記可変絞り部の開口面積が前記固定絞り部の流路横断面積以上である場合に前記コイルに供給される電流の最大値を利用して、前記実特性を取得する(5)に記載の実特性取得装置。
電磁弁の開度が最大開度である場合に供給される電流の最大値は、電磁弁の可動部材の移動を開始させるのに要する電流と、電磁弁を閉状態に切り換えるのに要する電流との中間であって、閉状態に切り換えるのに要する電流に近い大きさである。
(7)前記電磁弁の高圧側と低圧側との差圧が一定の状態において、前記電磁弁を流れる流体の流量が前記差圧で決まる最大流量より設定流量以上小さくならない状態で、前記実特性を取得する最大流量保持時取得部を含む(1)項ないし(6)項のいずれか1つに記載の実特性取得装置。
電磁弁を流れる流体の流量は、高圧側と低圧側との差圧が一定の場合は、開度が大きい場合は小さい場合より大きくなり、開度が一定の場合には、差圧が大きい場合は小さい場合より大きくなるのが普通である。そのため、電磁弁を流れる流体の流量は差圧と開度とで決まるのであり、電磁弁の最大流量は、差圧と固定絞り部における流路横断面積とによって決まる。
差圧が一定の状態において、電磁弁の開度が固定絞り部の流路横断面積で決まる開度より小さくなると、電磁弁を流れる流量が最大流量より小さくなる。本項に記載の実特性取得装置においては、最大流量との差が設定流量より小さい状態において実特性が取得される。
(8)前記最大流量保持時取得部が、前記電磁弁を流れる流体の流量が前記電磁弁の最大流量である場合に供給される電流の最大値を利用して、前記実特性を取得するものである(7)項に記載の実特性取得装置。
最大の電流は、プランジャの移動開始時の電流と閉状態に切り換わる時の電流との中間より大きい。
(9)前記電磁弁が固定絞り部と可変絞り部とを備え、
当該実特性取得装置が、前記電磁弁を流れる流体の流量が前記固定絞り部によって決まる範囲と、前記可変絞り部によって決まるが、その可変絞り部によって決まる流量と前記固定絞り部によって決まる流量との差の絶対値が設定値より小さい範囲とを含む範囲において前記コイルに供給される電流の最大値を用いて、前記実特性を取得するものである(1)項ないし(8)項のいずれか1つに記載の実特性取得装置。
設定値は0近傍の値とすることができる。
(10)当該実特性取得装置が、前記コイルの温度が設定温度以下であると想定した場合に、前記電磁弁の可動部材の移動を開始させるのに要する電流より大きく、前記電磁弁を閉状態に切り換えるのに要する電流より小さい電流が供給された状態で、前記実特性を取得するものである(1)項ないし(9)項のいずれか1つに記載の実特性取得装置。
(11)当該実特性取得装置が、前記電磁弁のコイルに学習用電圧を加えることにより前記特性を取得する学習用電圧印加取得部を含み、
その学習用電圧印加取得部が、前記電磁弁が開状態から閉状態に切り換えられる前の予め定められた状態にある場合に前記コイルに流れる電流と、前記コイルの温度が設定温度より低い場合に前記コイルに加えられる電圧とコイルに流れる電流との関係である低温特性とに基づいて前記学習用電圧を決定する学習用電圧決定部を含む(1)項ないし(10)項のいずれか1つに記載の実特性取得装置。
特性は、コイルの温度が高い場合は低い場合より、同じ電流に対する電圧が高くなる。そのため、例えば、流量が減少しない範囲の最大の電流と高温時の特性とに基づいて学習用電圧が決定された場合において、コイルの実際の温度が低い場合には、流量が減少しない範囲の最大の電流より大きい電流が供給され、特性の取得時に流量が減少する場合がある。それに対して、低温特性に基づいて学習用電圧が決定された場合には、実際のコイルの温度が高くても低くても流量が減少することがない。
なお、低温特性は、予め記憶部に記憶しておくことができる。
(12)前記電磁弁が、制御対象装置と低圧源との間に設けられ、前記制御対象装置の圧力を減圧制御する減圧制御弁である(1)項ないし(11)項のいずれか1つに記載の実特性取得装置。
(13)固定絞り部と可変絞り部とを備え、コイルへの電流の供給により前記可変絞り部の開口面積が小さくされて、開状態から閉状態に切り換えられる電磁弁において、その電磁弁の高圧側と低圧側との差圧と、前記可変絞り部の開口面積を前記固定絞り部の流路横断面積より設定値小さくするのに要する電流との関係である絞り特性を取得することを特徴とする電磁弁絞り特性取得装置。
設定値は0とすることもできる。
本電磁弁絞り特性取得装置には、(1)項ないし(12)項のいずれか1つに記載の技術的特徴を採用することができる。
(14)常開の電磁弁のコイルに加えられる電圧とコイルに流れる電流との実際の関係である実特性を取得する実特性取得部と、
その実特性取得部によって取得された前記実特性に基づいて、前記電磁弁のコイルに加えられる電圧を制御して電流を制御することにより、制御対象装置の圧力を制御する電流制御部と
を含む圧力制御装置であって、
前記実特性取得部が、前記電磁弁の、開状態において可動部材の移動が開始させられた後、閉状態に切り換えられるまでの状態において、前記実特性を取得する切換前取得部を含むことを特徴とする圧力制御装置。
「電磁弁の開状態において可動部材の移動が開始させられた後、閉状態に切り換えられるまでの状態」には、「電磁弁の可動部材が後退端位置において静止している場合」、「閉状態」は含まない。
圧力制御装置は、制御対象装置の流体圧を制御するものであるが、流体圧としては液圧であっても気圧であってもよい。
また、例えば、圧力制御装置がブレーキ液圧制御装置に適用される場合には、最終的な制御対象装置はブレーキのブレーキシリンダであるが、ブレーキシリンダに供給する流体圧を制御する流体圧制御機構(例えば、電磁弁が接続されたレギュレータ等が該当する)を制御対象装置とすることもできる。
本項に記載の実特性取得部には、(1)項ないし(13)項のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。
(15)前記電磁弁が、前記制御対象装置と低圧源との間に設けられた減圧制御弁であり、
当該圧力制御装置が、前記制御対象装置と高圧源との間に設けられた増圧制御弁を含み、
前記実特性取得部が、前記増圧制御弁の制御により、前記制御対象装置と前記高圧源との差圧が一定に保持された状態で、前記減圧制御弁のコイルへの供給電流を増加させつつ、前記制御対象装置の圧力が増加した時点の前記供給電流を取得する圧力増加時電流取得部を含み、その圧力増加時電流取得部によって取得された前記供給電流を用いて、前記実特性を取得する(14)項に記載の圧力制御装置。
制御対象装置の圧力が増加した時点の供給電流を用いれば、その差圧において、制御対象装置の圧力が増加しない場合に供給される電流の最大値を用いて実特性が取得されるようにすることができる。その結果、実特性が取得される場合に、制御対象装置の圧力が増加し難くすることができる。
高圧源の流体は、増圧制御弁、制御対象装置、減圧制御弁を経て低圧源に至るが、増圧制御弁、減圧制御弁、これらを接続する流体通路における流路抵抗等に起因して、制御対象装置の圧力が大きくなる場合がある。制御対象装置の圧力は、減圧制御弁を介して低圧源へ流出する流体の流量が小さいほど高くなり、制御対象装置に高圧源から増圧制御弁を介して供給される流体の流量が大きいほど高くなる。
以上の事情に基づけば、増圧リニア弁を介して供給される高圧源の流体の流量が一定の状態で、減圧リニア弁への供給電流を変化させつつ、制御対象装置の圧力が増加した場合には、減圧リニア弁の開度が小さくなった、すなわち、減圧リニア弁から低圧源へ流出させられる流体の流量が小さくなったことがわかる。
「制御対象装置の圧力が増加した時点」とは、圧力が設定値以上増加した時点と、圧力の増加勾配が設定勾配以上大きくなった時点との少なくとも一方の時点をいう。
(16)当該圧力制御装置が、
(a)制御ピストンと、(b)その制御ピストンの後方に設けられ制御圧室と、(c)前記制御ピストンの前方に設けられたサーボ室とを備えたレギュレータと、
前記制御圧室と高圧源との間に設けられた増圧制御弁と
を含み、
前記電磁弁が、前記制御圧室と低圧源との間に設けられた減圧制御弁であり、
前記電流制御部が、前記増圧制御弁のコイルと減圧制御弁のコイルとの各々への供給電流を制御することにより、前記サーボ室の圧力を制御するサーボ圧制御部を含み、
前記実特性取得部が、
前記サーボ室の圧力を検出するサーボ圧センサと、
前記増圧制御弁のコイルへの供給電流が一定に保持された状態で、前記減圧制御弁のコイルに供給される電流を増加させつつ、前記サーボ圧センサの検出値が増加した場合の前記減圧制御弁のコイルに流れる電流を取得する検出値増加時電流取得部と、
その検出値増加時電流取得部によって取得された電流値を利用して、前記実特性としての温度補正係数を取得する温度補正係数取得部と
を含む(14)項または(15)項に記載の圧力制御装置。
「検出値が増加した場合」とは、検出値が設定値以上増加した場合と、検出値の増加勾配が設定勾配以上大きくなった場合との少なくとも一方の場合をいう。
レギュレータが制御対象装置に対応すると考えたり、制御圧室あるいはサーボ室が制御対象装置に対応すると考えたりすることができる。
(17)電磁弁のコイルに加えられる電圧とコイルに流れる電流との実際の関係である実特性を取得する際に用いられる前記コイルに加えられる電圧である学習用電圧を決定する学習用電圧決定装置であって、
前記電磁弁の前記コイルへの供給電流を増加させつつ、前記電磁弁の高圧側と低圧側との少なくとも一方の圧力が変化した場合の、前記コイルへの供給電流と、前記高圧側と低圧側との差圧とを対応づけて複数対取得する複数対取得部と、
その複数対取得部によって取得された複数対の前記差圧および前記供給電流に基づいて、前記差圧が0である場合の前記コイルへの供給電流を取得する切片電流取得部と、
その切片電流取得部によって取得された供給電流と、予め記憶されている前記コイルの温度が設定温度以下である場合の前記コイルに加えられる電圧と流れる電流との関係である低温特性とに基づいて前記学習用印加電圧を取得する低温特性対応取得部と
を含むことを特徴とする学習用電圧決定装置。
学習用電圧決定装置は、圧力制御装置に設けても、圧力制御装置とは別の外部装置に設けてもよい。圧力制御装置が車両に設けられたものである場合において、外部装置は工場等に設けられたコンピュータとすることもできる。
「高圧側と低圧側との少なくとも一方の圧力が変化した場合」とは、圧力が設定値以上変化した場合と圧力の変化勾配が設定勾配以上変化した場合との少なくとも一方の場合をいう。
本項に記載の学習用電圧決定装置には、(1)項ないし(16)項のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。
本発明の実施例1に係る圧力制御装置を含む液圧ブレーキシステムの回路図である。本圧力制御装置には学習用印加電圧決定装置、絞り特性取得装置が含まれる。 (a)上記液圧ブレーキシステムに含まれる増圧リニア弁の断面図である。(b)前記増圧リニア弁の差圧と開弁電流との関係を示す図である。 (a)上記液圧ブレーキシステムに含まれる減圧リニア弁の断面図である。(b)上記減圧リニア弁の差圧と開弁電流との関係を示す図である。 上記液圧ブレーキシステムのブレーキECUの周辺を示す図である。 (a)前記ブレーキECUに含まれる制御回路の回路図である。(b)(a)の制御回路における電流の変化を示す図である。 (a)前記制御回路の特性を示す図であり、上記ブレーキECUの記憶部に記憶された特性(標準特性、低温特性)である。(b)前記制御回路の実特性と標準特性とを示す図である。 上記ブレーキECUの記憶部に記憶されたリニア弁制御プログラムを表すフローチャートである。 上記記憶部に記憶された学習用デューティ比決定プログラムを表すフローチャートである。 上記記憶部に記憶された温度補正係数学習プログラムを表すフローチャートである。 (a)上記減圧リニア弁のコイルへの供給電流と流量との関係を示す図である。(b)上記減圧リニア弁の差圧と開弁電流、絞り効果を奏する電流、動き始め電流との関係を示す図である。 (a)上記増圧リニア弁の漏れ量と、減圧リニア弁の開口の大きさと、サーボ圧の増加量との関係を示す図である。(b)上記液圧ブレーキシステムに含まれるレギュレータを模式的に示す断面図である。 学習用電流を決定する際のサーボ圧、増圧リニア弁、減圧リニア弁のコイルへの供給電流を示す図である。 減圧リニア弁の絞り特性を示す図である。 温度補正係数の学習タイミングとコイルの温度変化とを示す図である。 本発明の課題を説明するための図である。(a)第1回目の制御指令値が不適切な大きさであった場合の実際の電流の変化を示す図である。(b)電流モニタの検出値のばらつきと特性のばらつきとを示す図である。 本発明の実施例2に係る外部装置を概念的に示すブロック図である。本外部装置には、学習用電圧決定装置、絞り特性取得装置が含まれる。
発明の実施形態
以下、本発明の一実施形態に係る圧力制御装置を備えた液圧ブレーキシステムについて図面に基づいて詳細に説明する。圧力制御装置は、流体圧としての液圧を制御するものであり、学習電圧決定装置、電磁弁絞り特性取得装置が含まれる。
なお、本液圧ブレーキシステムは、ハイブリッド車両に搭載したり、電気自動車、燃料電池車両に搭載したり、内燃駆動車両に搭載することもできる。ハイブリッド車両、電気自動車、燃料電池自動車等に搭載された場合には、駆動輪に回生制動力が加えられるため、回生協調制御が行われるが、内燃駆動車両においては、回生協調制御が行われることはない。いずれにしても、本液圧ブレーキシステムにおいて、液圧ブレーキのブレーキ力が所望の大きさとなるよう電気的に制御される。
<液圧ブレーキシステムの構成>
図1に示すように、液圧ブレーキシステムは、(i)左右前輪2FL,2FRに設けられた液圧ブレーキ4FL,4FRのブレーキシリンダ6FL,6FRおよび左右後輪8RL,8RRに設けられた液圧ブレーキ10RL,10RRのブレーキシリンダ12RL,12RR、(ii)これらブレーキシリンダ6FL,6FR,12RL,12RRに液圧を供給可能な液圧発生装置14、(iii)これらブレーキシリンダ6FL,6FR,12RL,12RRと液圧発生装置14との間に設けられたスリップ制御弁装置16等を含む。液圧発生装置14、スリップ制御弁装置16等は、コンピュータを主体とするブレーキECU20(図3参照)によって制御される。
[スリップ制御弁装置]
スリップ制御弁装置16は、複数の電磁開閉弁16a,16rを含むものである。複数の電磁開閉弁16a,16rは、各々、コイル18a,18rへの供給電流の制御により個別に開閉させられ、ブレーキシリンダ6FL,6FR,12RL,12RRの液圧が個別に制御される。なお、電磁開閉弁16a,16rは、スリップ制御弁と称することができる。
[液圧発生装置]
液圧発生装置14は、(i)ブレーキ操作部材としてのブレーキペダル24、(ii)マスタシリンダ26、(iii)マスタシリンダ26の背面室の液圧を制御する背面液圧制御装置28等を含む。
{マスタシリンダ}
マスタシリンダ26は、(a)ハウジング30、(b)ハウジング30に形成されたシリンダボアに、互いに直列に、液密かつ摺動可能に嵌合された加圧ピストン32,34および入力ピストン36等を含む。
加圧ピストン32,34の前方が、それぞれ、前方加圧室40,42とされる。前方加圧室40には液通路44を介して左右前輪2FL,2FRの液圧ブレーキ4FL,4FRのブレーキシリンダ6FL,6FRが接続され、前方加圧室42には液通路46を介して左右後輪8RL,8RRの液圧ブレーキ10RL,10RRのブレーキシリンダ12RL,12RRが接続される。これら液圧ブレーキ4FL,4FR,10RL,10RRは、それぞれ、ブレーキシリンダ6FL,6FR,12RL,12RRに液圧が供給されることにより作動させられ、車輪2FL、2FR,8RL,8RRの回転を抑制する。
以下、本明細書において、液圧ブレーキ等につき、車輪位置を区別する必要がない場合等には、車輪位置を表すFL,FR,RL,RRを省略する場合がある。
また、加圧ピストン32とハウジング30との間、2つの加圧ピストン32,34の間には、それぞれ、リターンスプリングが配設され、加圧ピストン32,34を後退方向に付勢する。加圧ピストン32,34が後退端位置にある場合において、前方加圧室40,42は、それぞれ、リザーバ52に連通させられる。
加圧ピストン34は、(a)前部に設けられた前ピストン部56と、(b)中間部に設けられ、半径方向に突出した中間ピストン部58と、(c)後部に設けられ、中間ピストン部58より小径の後小径部60とを含む。前ピストン部56と中間ピストン部58とは、ハウジング30にそれぞれ液密かつ摺動可能に嵌合され、前ピストン部56の前方が前方加圧室42とされ、中間ピストン部58の前方が環状室62とされる。
一方、ハウジング30には、円環状の内周側突部64が設けられ、中間ピストン部58の後方、すなわち、後小径部60が液密かつ摺動可能に嵌合される。その結果、中間ピストン部58の後方の、中間ピストン部58と内周側突部64との間に背面室66が形成される。
なお、前ピストン部56と中間ピストン部58とによって加圧ピストンが構成されると考えたり、前ピストン部56と中間ピストン部58とによって加圧ピストン部が構成されると考えたりすること等ができる。
加圧ピストン34の後方に入力ピストン36が位置し、後小径部60と入力ピストン36との間が入力室70とされる。入力ピストン36の後部には、ブレーキペダル24がオペレイティングロッド72等を介して連携させられる。
環状室62と入力室70とは連結通路80によって連結され、連結通路80に連通制御弁82が設けられる。連通制御弁82は、コイル82sへの供給電流のON・OFFにより開閉させられる電磁開閉弁であり、OFFの場合に閉状態にある常閉弁である。また、連結通路80の連通制御弁82より環状室62側の部分は、リザーバ通路84によってリザーバ52に接続され、リザーバ通路84にはリザーバ遮断弁86が設けられる。リザーバ遮断弁86は、コイル86sへの供給電流のON・OFFにより開閉させられる電磁開閉弁であり、OFFの場合に開状態にある常開弁である。
また、連結通路80の連通制御弁82より環状室62側の部分に、シミュレータ通路88を介してストロークシミュレータ90が接続される。ストロークシミュレータ90は、シミュレータ通路88、連結通路80を介して入力室70に接続されるため、連通制御弁82の開状態において作動が許容され、閉状態において阻止される。また、リザーバ遮断弁86の開状態においては、入力室70がリザーバ52に連通させられるため、ストロークシミュレータ90の作動が阻止される。このように、連通制御弁82、リザーバ遮断弁86はシミュレータ制御弁としての機能も有する。
さらに、連結通路80のリザーバ通路84が接続された部分より環状室側の部分に、液圧センサ92が設けられる。液圧センサ92は、環状室62,入力室70が互いに連通させられ、かつ、リザーバ52から遮断された状態において、環状室62,入力室70の液圧を検出する。液圧センサ92によって検出された液圧は、ブレーキペダル24の操作力に応じた大きさとなるため、操作力センサ、あるいは、操作液圧センサと称することができる。
{背面液圧制御装置}
背面室66には背面液圧制御装置28が接続される。
背面液圧制御装置28は、(a)高圧源100,(b)レギュレータ102,(c)リニア弁装置104等を含む。
高圧源100は、ポンプ105およびポンプモータ106を備えたポンプ装置と、ポンプ装置から吐出された作動液を加圧した状態で蓄えるアキュムレータ108とを含む。アキュムレータ108に蓄えられた作動液の液圧であるアキュムレータ圧は、アキュムレータ圧センサ109よって検出されるが、アキュムレータ圧が予め定められた設定範囲内に保たれるように、ポンプモータ106が制御される。
レギュレータ102は、(d)ハウジング110と、(e)ハウジング110に、軸線Lと平行な方向に、互いに直列に並んで設けられたパイロットピストン112および制御ピストン114とを含む。ハウジング110には、段付き形状を成したシリンダボアが形成され、大径部に、パイロットピストン112、制御ピストン114が液密かつ摺動可能に嵌合され、小径部に高圧源100に接続された高圧室116が形成される。パイロットピストン112とハウジング110との間がパイロット圧室120とされ、制御ピストン114の後方が制御圧室122とされ、制御ピストン114と、シリンダボアの大径部と小径部との段部との間がサーボ室124とされる。また、サーボ室124と高圧室116との間に高圧供給弁126が設けられる。
高圧供給弁126は常閉弁であり、(f)弁座130、(g)弁座130に対して着座、離間可能に設けられた弁子132、(h)弁子132を弁座130に着座させる向き(後退方向)に弾性力を加えるスプリング136等を含む。
一方、制御ピストン114の本体の中央部には、軸線Lと平行に延びた嵌合穴が形成されるとともに、軸線Lと直交する方向(半径方向)に延びた部分を有し、嵌合穴に連通させられた液通路140が形成される。液通路140は、リザーバ52に接続された低圧ポートに常時連通させられる。
嵌合穴には、軸線Lと平行に延びた開弁部材144が嵌合される。開弁部材144の中央部には軸線Lと平行に軸方向通路146が形成され、後側の端部が液通路140に開口し、前側の端部が弁子132に対向する。その結果、開弁部材144の弁子132に対向する前端部と低圧ポートとが、軸方向通路146,液通路140を介して接続される。
また、開弁部材144とハウジング110との間にはスプリング150が設けられ、制御ピストン114(開弁部材144を有する)を後退方向に付勢する。
このように、制御ピストン114は、概して段付き形状を成し、大径部の後方が制御圧室122とされ、大径部と小径部との段部の前方がサーボ室124とされる。
なお、パイロット圧室120はパイロット通路152を介して液通路46に接続される。そのため、パイロットピストン112には、マスタシリンダ26の前方加圧室42の液圧が作用する。
さらに、サーボ室124にはサーボ通路154を介してマスタシリンダ26の背面室66が接続される。サーボ室124と背面室66とは直接接続されるため、サーボ室124の液圧であるサーボ圧Psrvと背面室66の液圧とは原則として同じ高さになる。なお、サーボ通路154にはサーボ圧センサ156が設けられ、サーボ圧Psrvが検出される。
制御圧室122には、増圧制御弁としての増圧リニア弁160と減圧制御弁としての減圧リニア弁162とを含むリニア弁装置104が接続され、制御圧室122の液圧が、これら増圧リニア弁160,減圧リニア弁162の制御により制御される。増圧リニア弁160は、制御圧室122と高圧源100との間に設けられた常閉弁であり、減圧リニア弁162は、制御圧室122とリザーバ52との間に設けられた常開弁である。
増圧リニア弁160は、図2(a)に示すように、ポペット弁部170とソレノイド172とを含み、ポペット弁部170は、弁座174および弁子176と、弁子176を弁座174に接近させる向きに弾性力Fsを加えるスプリング178とを備え、ソレノイド172は、コイル180とプランジャ182とを備える。コイル180に電流が供給されると、プランジャ182を介して、弁子176を弁座174から離間させる向きの電磁駆動力Fdが弁子176に加えられる。また、増圧リニア弁160は、高圧源100と制御圧室122との液圧差に応じた差圧作用力Fpが、弁子176を弁座174から離間させる向きに作用する姿勢で設けられる。
Fp+Fd:Fs
増圧リニア弁160は、差圧作用力Fpと電磁駆動力Fdとの和がスプリング178の弾性力Fsより大きくなると、閉状態から開状態に切り換えられるのであるが、開弁電流Iopenと差圧との関係を図2(b)に示す。
減圧リニア弁162は、図3(a)に示すように、ポペット弁部186とソレノイド188とを含み、ポペット弁部186は、弁座190および弁子191と、弁子191を弁座190から離間させる向きに弾性力Fsを付与するスプリング192とを備え、ソレノイド188はコイル194と電磁駆動力Fdを弁子191に付与するプランジャ195とを備える。コイル194に電流が供給されると、プランジャ195により弁子191を弁座190に着座させる向きの電磁駆動力Fdが加えられる。また、制御圧室122とリザーバ52との差圧(リザーバ52の液圧がほぼ大気圧であると考えれば、差圧は制御圧室122の液圧と同じであると考えることができる)に応じた差圧作用力Fpが弁子191を弁座190から離間させる向きに作用する。
Fs+Fp:Fd
減圧リニア弁162は、電磁駆動力Fdが差圧作用力Fpとスプリング192の弾性力Fsとの和より大きくなると、開状態から閉状態に切り換えられるのであるが、この開弁電流Iopenと差圧(上述のように制御圧室122の液圧と考えることができる)との関係を図3(b)に示す。
[ブレーキECU]
ブレーキECU20には、図4に示すように、上述の操作液圧センサ92,アキュムレータ圧センサ109,サーボ圧センサ156が接続されるとともに、ブレーキペダル24のストローク(以下、操作ストロークと称する場合がある)を検出するストロークセンサ200,コイルに流れる電流を検出する電流モニタ202等が接続されるとともに、ポンプモータ106、増圧リニア弁160のコイル180、減圧リニア弁162のコイル194等が接続される。
ブレーキECU20は、コンピュータを主体とするものであり、実行部210、記憶部212、制御回路214等を含む。記憶部212には、回路特性記憶部220、学習用デューティ比決定プログラム記憶部222、学習用デューティ比記憶部224等が含まれ、複数のプログラムやテーブル等が記憶されている。制御回路214は、電磁弁160、162のコイル180,194等への供給電流を制御するものであるが、本実施例においては、減圧リニア弁162のコイル194への供給電流を制御する場合について説明する。
また、本液圧ブレーキシステムは、電源250から供給される電気エネルギにより作動させられる。
制御回路214は、図5(a)に示すように、電源250、スイッチング素子252、コイル194が直列に接続されて構成される。抵抗254はコイル194、スイッチング素子252を有する抵抗等、制御回路214の全体の抵抗を等価的に記載したものである。スイッチング素子252は例えばトランジスタとすることができ、デューティ制御されることにより、コイル194に印加される電圧が制御されて、コイル194に流れる電流が制御される。コイル194に印加される電圧は、デューティ比が大きい場合は小さい場合より大きくなるため、本実施例においては、電圧をデューティ比で表す。
図5(a)の制御回路において、
u(t)=R・i(t)+L・di(t)/dt
が成立する。u(t)はスイッチング素子252のデューティ制御によりコイル194に印加された電圧であり、i(t)はコイル194に流れる電流である。また、Lはコイル194のインダクタンスであり、Rは制御回路214全体の抵抗値である。
上式をラプラス変換すると(d/dt=s)、下式が得られる。
I(s)={1/(L・s+R)}・U(s)
上式に示すように、電圧(デューティ比)と電流との間の伝達関数は一次遅れ応答の式で表される。図5(b)に示すように、電流値は、デューティ比の変化に対して(過渡的に)、遅れて増加し、その後(定常的に)、デューティ比および抵抗値で決まる一定の大きさとなる。
一方、コイル194の抵抗値Rは、下式に示すように、温度が高くなると大きくなる。
R(T)=R(T0)+γ(T−T0)
Tはコイル194の実際の温度であり、T0は標準温度(例えば、25℃とすることができるが、それに限らない)であり、γは正の係数である。そのため、電流とデューティ比との関係は、図6(a)に示すように、標準温度である場合には実線が示す関係となり、温度が高くなると二点鎖線に示す関係となり、温度が低くなると一点鎖線に示す関係となる。
<液圧ブレーキシステムにおける作動>
[概略]
本液圧ブレーキシステムが電気自動車、ハイブリッド自動車等に搭載される場合には、原則として回生協調制御が行われる。
例えば、運転者によってブレーキペダル24が踏み込まれた場合等には制動要求が出される。この制動要求に応じた制動力が回生制動力で満たされる場合には液圧ブレーキ4,10が作動させられることはない。
リニア弁装置104が制御されることはなく、レギュレータ102は非作動状態にある。マスタシリンダ26の背面室66はリザーバ52に連通させられる。マスタシリンダ26において、連通制御弁82が開状態、リザーバ遮断弁86が閉状態にある。ブレーキペダル24の前進に伴って入力ピストン36が、加圧ピストン34に対して相対的に前進させられ、ストロークシミュレータ90が作動させられる。また、中間ピストン部58の環状室62に対向する受圧面の面積と後小径部60の入力室70に対向する受圧面の面積とが同じであるため、加圧ピストン34において、入力室70の液圧に起因する前進方向の力と、環状室62の液圧に起因する後退方向の力とが釣り合う。そのため、原則として、加圧ピストン34は前進させられず、前方加圧室40,42に液圧が発生させられることはない。
それに対して、運転者が要求する制動力が回生制動力で不足する場合には液圧ブレーキ4,10が作動させられる。
レギュレータ102において、リニア弁装置104の制御により制御圧室122の液圧である制御圧Psiが増加させられると、制御ピストン114が前進させられる。それにより、サーボ圧Psrvが増加させられ、背面室66に供給される。
マスタシリンダ26において、背面室66の液圧により加圧ピストン34が前進させられ、前方加圧室40,42に液圧が発生させられ、ブレーキシリンダ6,12に供給されて、液圧ブレーキ4,10が作動させられる。
このようにリニア弁装置104の制御によって、ブレーキシリンダ6,12の液圧が制御されるのであり、液圧制動力と回生制動力とにより運転者が要求する制動力が満たされるように制御される。
なお、本液圧ブレーキシステムが内燃駆動車両に搭載された場合、また、回生協調制御が行われない場合には、運転者の要求する制動力が液圧制動力により満たされるように、リニア弁装置104が制御される。
[リニア弁の制御]
増圧リニア弁160、減圧リニア弁162は、それぞれ、図7のフローチャートで表されるリニア弁制御プログラムにより制御される。
ステップ1(以下、S1と略称する。他のステップについても同様とする。)において、液圧ブレーキ4,10の作動要求があるか否かが判定される。ブレーキ作動要求がある場合には、S2において、運転者が要求する制動力に応じて、前方加圧室40,42の目標液圧が決定され、目標サーボ圧が決定される。そして、実際のサーボ圧が目標サーボ圧に近づくように、増圧リニア弁160、減圧リニア弁162のコイル180,194への供給電流の目標値である目標電流Irefa,Irefrがそれぞれ決定される。S3において、目標電流Irefa,Irefrと、コイル180,194の各々について予め取得された後述する実特性とに基づいてデューティ比Dza,Dzrが決定され、S4において、それぞれ、スイッチング素子252がデューティ比Dza,Dzrで制御される。
レギュレータ102において、制御圧Psiとサーボ圧Psrvとの間には予め定められた関係があり、制御圧Psiとサーボ圧Psrvとは1対1に対応する。以下、本実施例においては、制御圧Psiとサーボ圧Psrvとがほぼ同じであるとして、減圧リニア弁162のコイル194への供給電流の制御について説明する。
減圧リニア弁162のコイル194に対する目標電流Irefrは、サーボ圧Psrvが目標液圧に達しても閉状態を保持し得る大きさに決定される。そして、仮に、目標電流Irefrと、回路特性記憶部220に記憶された図6(a)の実線で示す標準特性とに基づいて、デューティ比Drが決定されて、それによりスイッチング素子252が制御される場合を想定する。標準特性とは、コイル194の温度が標準温度(たとえば、25℃)である場合の電流とデューティ比との関係である。一方、制御回路214の抵抗値Rは前述のように、温度の変化に伴って変化するため、特性である電流とデューティ比との関係も変化する。そのため、図6(a)の実線で示す標準特性と目標電流Irefrとに基づいて決まるデューティ比Drでスイッチング素子252が制御された場合において、コイル194の実際の温度が標準温度より低い場合には目標電流Irefrより大きい電流が流れ(Ia1>Irefr)、実際の温度が標準温度より高い場合には目標電流Irefrより小さい電流が流れる(Ia2<Irefr)。例えば、液圧ブレーキ4,10の作動開始時等、減圧リニア弁162のコイル194に対して第1回目に制御指令値が出力された場合において、図15(a)の一点鎖線が示すように、コイル194の実際の温度が高い場合には、コイル194に流れる電流が不足し、減圧リニア弁162を経て制御圧室122の作動液がリザーバ52に流出させられるおそれがある。それに対して、破線が示すように、コイル194の実際の温度が低い場合には、過大な電流が流れることにより、オーバーシュートにより、異音が発生したり、目標電流に近づくのに長時間を要したりする等の問題がある。
そこで、本実施例においては、目標電流と、コイル194の温度が実際の温度である場合の特性である実特性とに基づいてデューティ比が決定され、スイッチング素子252が制御されるようにした。
{温度補正係数について}
図6(b)に示すように、標準特性は、下式
D=αn・I+β
で、表すことができる(直線)。勾配αnは、コイル194の温度が標準温度である場合の電流に対するデューティ比の勾配であり、抵抗値に対応する。切片βは、電流Iが0の場合のデューティ比であり、コイル194の温度が変化しても同じである。
温度補正係数KTは、上述の標準温度である場合の勾配αnに対する、実際の温度である場合の勾配α(=ΔDa/ΔIa)の比率である(KT=α/αn)。
温度補正係数KTは、液圧ブレーキ4,10の非作用状態であって、かつ、予め定められた学習間隔が経過する毎、すなわち、学習タイミングに達する毎に取得される。学習タイミングにおいて、コイル194に加えられる実際の電圧と電流とで表される実測点Zが1点取得される。電圧は、スイッチング素子252に対して実際に行われた制御のデューティ比で表され、電流は、電流モニタ202によって実際に検出される。そして、取得された実測点Z(Dx0,Ixr)と標準特性(αn、βで決まる)とに基づいて温度補正係数KTが、下式に示すように決定される。
KT=(Dx0−β)/(Ixr・αn)
コイル194の温度が実際の温度である場合の実特性は、下式に示すように、実測点Zと切片βとを通る直線で表される。
D=α・KT+β
α=αn・KT
このように、実特性は、標準特性と温度補正係数とに基づいて決まるものであるが、実特性は、温度補正係数KTで決まるため、温度補正係数KTを実特性とすることができる。
なお、目標電流Irefrと標準特性とに基づいて決まるデューティ比Drを温度補正係数KTを用いて補正すれば、目標電流Irefrと実特性とに基づいて決まるデューティ比D*を取得することができる。
D*=KT・(Dr−β)+β
「ポペット弁部186の絞り効果」
減圧リニア弁162は、図3に示すように、流入ポート280、流出ポート282等で構成される固定絞り部と、ポペット弁部186等で構成される可変絞り部とを含む。可変絞り部の開度(開口面積)が固定絞り部の流路横断面積(流入ポート280、流出ポート282等のうち流路横断面積の最小値をいう。以下、同様とする。)以上である間は、減圧リニア弁162の開度は固定絞り部によって決まる最大開度にある。それに対して、可変絞り部の開口面積が固定絞り部の流路横断面積より小さくなると、減圧リニア弁162の開度は可変絞り部によって決まり、最大開度より小さくなる。差圧作用力Fp、スプリング192の弾性力Fs、電磁駆動力Fdの関係で、弁子191の弁座190に対する相対位置関係、すなわち、ポペット弁部186の開度が決まる。そして、差圧作用力Fpが一定である場合には電磁駆動力Fdが大きくなると、弁子191が弁座190に接近し、開度が小さくなる。
例えば、高圧側と低圧側との液圧差がほぼ一定(ΔP=ΔPa)である場合において、図10(a)、(b)に示すように、供給電流の増加に伴って電磁駆動力Fdが大きくなり、差圧作用力Fpとスプリング192の弾性力Fsとの和(差圧がほぼ0の場合にはスプリング192のセット荷重となる)より大きくなる(Is)と、図3(a)に示すように、可動部材としての弁子191(プランジャ195)が弁座190に向かって移動し始める。弁子191の弁座190への接近に伴ってポペット弁部186の開度が小さくなるが、開度が流入ポート280等の固定絞り部の流路横断面積以上である間は、減圧リニア弁162の開度は最大開度であり、流量はほぼ一定である(流量は、差圧で決まる最大流量である)。この状態において、ポペット弁部186は絞りにならない。
コイル194への供給電流が増加させられ、ポペット弁部186の開口面積が流入ポート280等の流路横断面積より小さくなると、減圧リニア弁162の開度が減少し、流量が減少する。この流量が減少し始めた場合(厳密に言えば、流量が設定値小さくなった場合)の供給電流Ixは、減圧リニア弁162の流量が減少しない状態(減圧リニア弁162の開度が固定絞り部で決まる状態、ポペット弁部186が絞りにならない状態と称することができる)で供給される電流の最大値となる。
その後、コイル194への供給電流の増加に伴って可変絞り部の開度が小さくなり、流量が小さくなって、閉状態となる(Iopen)。可変絞り部の開口面積が固定絞り部の流路横断面積より小さい状態であって、閉状態に切り換えられる前の状態は、減圧リニア弁162の開度が可変絞り部で決まる状態であり、ポペット弁部186が絞りになる状態である。
なお、図10(b)において、弁子191が弁座190に接近し始める電流Is、ポペット弁部186が絞りにならない電流の最大値Ix,開弁電流Iopenを表す線を、簡単のため、直線で、かつ、互いに平行に記載したが、これらの各線は互いに平行になるとは限らない。
「温度補正係数KTを取得する場合に用いる学習用電流、学習用デューティ比の決定」
[1]コイル194への供給電流はできる限り大きい方が望ましい。
電流モニタ202の検出値のばらつきは、電流の大きさとは関係なくほぼ一定であるのが普通である。そのため、図15(b)に示すように、温度補正係数KTを取得する際に供給される電流(デューティ比)が大きい場合は小さい場合より取得される実特性のばらつきが小さくなるのであり、大きな電流が供給される方が精度よく実特性を取得することができる。そこで、温度補正係数KTを取得する際には、減圧リニア弁162の作動開始時(弁子191が弁座190に向かって接近し始めた時)の電流(Is)より大きい電流が供給されることが望ましい(I>Is)。
[2]コイル194への供給電流は開弁電流Iopenより小さい電流とすることが望ましい。開弁電流Iopen以上の電流が供給されると、弁子191が弁座190に当接して音が生じるからである(Iopen>I)。
[3]ポペット弁部186が絞りにならない範囲の電流が供給されることが望ましい。
図11(b)に示すように、減圧リニア弁162は、制御圧室122とリザーバ52との間に設けられ、増圧リニア弁160が制御圧室122と高圧源100との間に設けられる。そして、増圧リニア弁160、減圧リニア弁162の開状態においては、高圧源100から流出した作動液が制御圧室122を経てリザーバ52に流れる。この場合には、アキュムレータ108とリザーバ52との間の液圧差、増圧リニア弁160、減圧リニア弁162の絞り効果、これらを接続する液通路の流路抵抗等に起因して、制御圧Psiが大気圧より高くなり、サーボ圧Psrvも大気圧より高くなる場合がある。
一方、増圧リニア弁160のコイル180に電流が供給されない場合には、増圧リニア弁160は閉状態にあるため、制御圧室122に高圧源100の作動液は供給されず、サーボ圧Psrvはほぼ大気圧にあると思われる。しかし、増圧リニア弁160の事情(例えば、異物の詰まり等)に起因する漏れ等により、高圧源100から増圧リニア弁160を経て制御圧室122に作動液が供給される場合がある。その場合に、減圧リニア弁162が閉状態に切り換えられたり、ポペット弁部186が絞りになる状態とされたりすると、サーボ圧Psrvが高くなる場合がある。そして、背面室66の液圧が高くなり、加圧ピストン34が前進させられ、前方加圧室40,42に液圧が発生させられ、液圧ブレーキ4,10が作動させられるおそれがある。
なお、増圧リニア弁160においては、実特性の学習の最初から漏れが生じている場合に限らず、途中から漏れが生じる場合がある。
図11(a)に示すように、サーボ圧Psrvの増加量は、増圧リニア弁160の漏れ量と減圧リニア弁162の絞り効果(固定絞り部によって決まる場合、可変絞り部によって決まる場合がある。)とに基づいて決まる。サーボ圧Psrvの増加量は、減圧リニア弁162の絞り効果が同じである場合には、増圧リニア弁160の漏れ量が大きい場合は小さい場合より大きくなり、増圧リニア弁160の漏れ量が同じ場合には、減圧リニア弁162の絞り効果が大きい場合(開口面積小)は小さい場合(開口面積大)より大きくなる。
また、減圧リニア弁162の開度が最大の状態においては、増圧リニア弁160の漏れ量が大きくてもサーボ圧Psrvの増加量は許容しきい値ΔPsth以下となる。そのため、サーボ圧Psrvが大気圧から許容しきい値ΔPsth増加して、背面室66に供給されても、リターンスプリング等により加圧ピストン34が前進しないと考えられる。また、仮に、加圧ピストン34が前進して、前方加圧室40,42に液圧が発生して、液圧ブレーキ4,10が作動しても、運転者が違和感を感じ難いと考えられる。
以上の事情から、温度補正係数KTの取得時には、減圧リニア弁162の開度が最大開度に保持される範囲(固定絞り部で決まる)の電流が供給されることが望ましい(I≦Ix)。
以上[1]〜[3]に基づき、本実施例においては、温度補正係数KTを取得する際に、減圧リニア弁162の開度が最大開度である場合に供給される電流の最大値(以下、最大電流と略称する場合がある)Ixを用いることにした。
なお、最大電流Ixは、プランジャ195の動き始めの電流Isより大きく、開弁電流Iopenより小さい。
Is<Ix<Iopen
また、最大電流Ixは、Iopen/2より大きい(Ix>Iopen/2)のが普通であり、{(Iopen+Is)/2}より大きい場合もある。このように、最大電流Ixは、[1]、[2]、[3]の要件を満たす値である。
[4]学習用電流の取得
減圧リニア弁162の差圧が0である場合の最大電流Ix0が学習用電流とされる。学習用電流Ix0は、例えば、車両が走行可能な状態にされる前に、車両工場において、コイル194の温度がほぼ標準温度である状態で取得される。
減圧リニア弁162のコイル194に電流が供給されていない状態でサーボ圧PsrvがそれぞれP1,P2に制御された状態から、コイル194への供給電流を増加させつつ、サーボ圧センサ156によってサーボ圧Psrvが検出される。そして、サーボ圧Psrvが設定値以上増加した時点のコイル194に実際に流れた電流(Ix1,Ix2)がそれぞれ取得される。サーボ圧P1,P2は、互いに異なる大きさであり、実際にコイル194に流れた電流Ix1,Ix2も互いに異なる大きさである。
サーボ圧Psrvは、増圧リニア弁160のコイル180への供給電流の制御により制御される。サーボ圧PsrvがP1,P2である状態は、それぞれ、減圧リニア弁162の高圧側と低圧側との差圧がP1,P2である状態であると考えることができる。
図12に示すように、サーボ圧PsrvがP1、P2で一定である場合において、減圧リニア弁162の開度が最大開度で一定である場合には、サーボ圧Psrvは変化しないはずである。それに対して、減圧リニア弁162の開度が最大開度より小さくなり、流量が差圧で決まる最大流量より小さくなると、サーボ圧Psrvは増加する。
換言すれば、サーボ圧Psrvが設定値Δp以上増加した場合に、減圧リニア弁162の開度が小さくなり、流量が小さくなったとすることができるのであり、その時点における供給電流を、その差圧における最大電流Ixとして取得することができる。
このように、減圧リニア弁162の高圧側と低圧側との差圧と、減圧リニア弁162のその差圧で決まる最大電流Ixとで表される実測点Yが複数求められ、図13に示すように、複数の実測点(本実施例においては2つの実測点Y1,Y2が取得される)を通る直線が求められる。この直線は、減圧リニア弁162の差圧と、ポペット弁部186が絞りにならない状態で供給される電流の最大値との関係であり、本実施例において、絞り特性と称する。
そして、図13に示す絞り特性に基づいて、減圧リニア弁162の差圧が0である場合の最大電流(0切片電流)が学習用電流Ix0として取得されるのである。
増圧リニア弁160は常閉弁であるため、増圧リニア弁160のコイル180に電流が供給されなければ、閉状態にあり、制御圧室122に高圧源100の液圧が供給されないはずである。そのため、温度補正係数KTを取得する際に、減圧リニア弁162に作用する差圧作用力Fpはほぼ0のはずである。一方、増圧リニア弁160の事情に起因して、制御圧室122に高圧源100から作動液が供給されると、減圧リニア弁162に作用する差圧作用力Fpは0より大きくなる場合がある。しかし、本実施例においては、学習用電流が減圧リニア弁162の差圧が0の場合の最大電流Ix0とされるため、温度補正係数KTを取得する際に、減圧リニア弁162に作用する差圧作用力Fpが0より大きくても、減圧リニア弁162の開度を最大開度に保持することができる。
なお、図10(a)に示すように、ヒステリシスを考慮した場合、減圧リニア弁162のコイル194への供給電流を増加させる場合の方が減少させる場合より、最大電流Ixが大きくなる。そのため、学習用電流Ix0を決定する際に、減圧リニア弁162のコイル194への供給電流を漸増させれば、学習用電流をより大きい値に決定することができる。温度補正係数KTを取得する際にも、コイル194への供給電流を増加させれば、減圧リニア弁162の開度を最大開度に保持し得る状態で、かつ、できる限り大きい電流を供給することができる。
[5]学習用デューティ比の決定
本実施例においては、スイッチング素子282のデューティ制御によりコイル194に加えられる電圧が制御されて電流が制御される。そのため、学習用電流Ix0に対応するデューティ比が決定され、学習用デューティ比Dx0とされる。
学習用デューティ比Dx0は、学習用電流Ix0と、図6(a)の一点鎖線が示す低温特性とに基づいて決定される。低温特性は、温度が設定温度より低く、かつ、標準温度より低い場合の特性であり、予め取得されて、回路特性記憶部220に記憶されている。また、学習用デューティ比Dx0が低温特性に基づいて決定されるため、コイル194の温度が高くても、温度補正係数KTを取得する際に、減圧リニア弁162の開度が最大開度より小さくならないようにすることができ、サーボ圧Psrvの増加を良好に抑制することができる。
学習用デューティ比は、図8のフローチャートで表される学習用デューティ比決定プログラムの実行により決定される。本プログラムは車両工場等において実行されるが、その場合に、液圧ブレーキシステムが車両に搭載された状態で実行されるようにしても、背面液圧制御装置28、ブレーキECU20等を含む液圧ブレーキシステムの一部が車体から分離された状態で実行されるようにしてもよい。また、本プログラムの実行は、予め定められた開始トリガ(車両工場等に設けられた外部装置から供給される場合もある)により開始される。
S11において、ポンプモータ106を始動させて、アキュムレータ108に液圧を蓄える。ポンプモータ106は、アキュムレータ108の液圧が設定圧以上になった後に、停止させても、継続して駆動させてもよい。
S12〜17において、サーボ圧PsrvがP1である場合の最大電流Ix1が取得されるのであり、実測点Y1(P1,Ix1)が取得されて、記憶される。
S12において増圧リニア弁160のコイル180に設定電流Ia1が供給され、S13において、サーボ圧センサ156によってサーボ圧Psrv(P1)が検出されて記憶される(Psrv1←P1)。そして、S14において、減圧リニア弁162のコイル194への通電が開始される(Ir)のであり、供給電流Islrとされる(Islr←Ir)。その後、S15において、サーボ圧Psrvが検出され、P1から設定値Δp以上増加したか否かが判定される。
サーボ圧Psrvが、ほぼ一定で、P1である場合には、判定がNOとなり、S16において、減圧リニア弁162のコイル194に流れる電流が設定電流Δiだけ増加させられ、S14において、コイル194への供給電流Islrが(Ir+Δi)とされる。本実施例において、{(Ir+Δi),Δi,Ir}は制御指令値ではなく、コイル194に実際に流れる電流である。例えば、電流モニタ202によって、コイル194に流れる電流が実際に検出され、電流の増加量がΔiとなるようにスイッチング素子252が制御される。
S14〜16が繰り返し実行され、増圧リニア弁160のコイル180への供給電流(Ia1)が保持された状態で、減圧リニア弁162のコイル194への供給電流が漸増させられつつ、サーボ圧Psrvが検出され、P1(Psrv1)よりΔp以上増加したか否かが判定される。そして、サーボ圧Psrvが(Psrv1+Δp)以上になると、S17において、その時点における減圧リニア弁162のコイル194への供給電流Islrが最大電流Ix1として記憶される。最大電流Ix1がサーボ圧P1と対応づけて記憶されるのであり、実測点Y1(P1,Ix1)が取得される。
図12に示す場合においては、時間t1において、サーボ圧PsrvがP1よりΔp以上増加したため、S15の判定がYESとなり、その時点におけるコイル194への供給電流Islrが最大電流Ix1とされる。
S18〜23において、サーボ圧がP2(P2>P1)である場合の最大電流Ix2が取得されて、実測点Y1とは異なる実測点Y2(P2,Ix2)が取得される。
S18において、増圧リニア弁160のコイル180への供給電流がIa2(Ia2>Ia1)とされ、S19において、サーボ圧Psrv(P2)が検出されて、記憶される(Psrv2←P2)。その後、S20において、減圧リニア弁162のコイル194への通電が開始され(Ir)、S21において、サーボ圧Psrvが検出されて、P2からΔp以上増加したか否かが判定される。サーボ圧Psrvがほぼ一定(P2)である場合には、S21判定がNOとなり、S22において、減圧リニア弁162のコイル194への供給電流がΔiだけ増加させられる。
以下、S20〜22が繰り返し実行され、検出されたサーボ圧Psrvが(P2+Δp)以上になった場合に、S21の判定がYESとなり、S23において、その時点における減圧リニア弁162のコイル194への供給電流Islrが取得され、最大電流Ix2とされる。サーボ圧P2と対応づけて記憶されるのであり、実測点Y2(P2,Ix2)が取得される。
図12に示す場合においては、時間t2において、サーボ圧PsrvがP2よりΔp以上高くなったため、S21の判定がYESとなり、S23において、実測点Y2(P2,Ix2)が取得される。
このように、互いに異なる2つの実測点Y1(P1,Ix1)、Y2(P2,Ix2)が取得された後、S24において、図13に示すように、2つの実測点Y1,Y2を通る直線である絞り特性が取得されて、切片電流としての学習用電流Ix0が取得される。そして、S25において、図6(a)の一点鎖線が示す低温特性と学習用電流Ix0とに基づいて、学習用デューティ比Dx0が決定され、S26において、ブレーキECU20の記憶部212の学習用デューティ比記憶部224に記憶される。
なお、絞り特性(学習用デューティ比)は、互いに異なる3つ以上の実測点Ynに基づいて取得することもできる。例えば、3つ以上の実測点Ynを統計的に処理して1つの直線を取得することができる。
また、S15,21において、サーボ圧センサ156によって検出されたサーボ圧Psrvの変化勾配が設定勾配以上大きくなった場合に、減圧リニア弁162の流量が減少したと検出されるようにすることもできる。
「温度補正係数の学習」
学習用デューティ比Dx0が記憶された液圧ブレーキシステムを備えた車両において、図9のフローチャートで表される温度補正係数学習プログラムの実行により、実際の温度における温度補正係数KTが取得される。本実施例においては、予め定められた学習間隔で、かつ、液圧ブレーキ4,10の非作用状態において取得される。
温度補正係数学習プログラムは、温度補正係数KTが取得される毎に実行される。
S31において、学習間隔時間(タイマの値)がリセットされ、S32において、S31の実行時からの経過時間が予め定められた学習間隔T0に達したか否かが判定される。学習間隔T0に達する前には、S33において、経過時間(学習間隔時間)の計測が継続して行われる。そして、S32,33が繰り返し実行されることにより、S31の実行時からの経過時間が学習間隔T0に達すれば、学習タイミングであるとされ、S32の判定がYESとなる。
S34において、液圧ブレーキ4,10が非作用状態にあるかどうかが判定される。本実施例においては、ストロークセンサ200の検出値と操作液圧センサ92の検出値との少なくとも一方により判定される。液圧ブレーキ4,10が作用状態にある場合には、S34の判定がNOとなり、非作用状態にされるのが待たれる。そして、液圧ブレーキ4,10が非作用状態である場合には、判定がYESとなり、S35において、スイッチング素子252が学習用デューティ比記憶部224に記憶された学習用デューティ比Dx0で制御され、S36において、減圧リニア弁162のコイル194に流れる電流I(Ixr)が電流モニタ202によって検出される。そして、S37において、温度補正係数KTが取得され{KT=(Dx0−β)/(Ixr・αn)}、S38において、更新される。本実施例においては、記憶部212の回路特性記憶部220に記憶された温度補正係数KTが更新される。
図14に示すように、学習間隔が経過する毎(定期的)に、液圧ブレーキ4,10の非作用状態において、温度補正係数KTが学習されるのであるが、実際の液圧ブレーキ4,10を作動させる必要が生じた場合には、直前に学習された温度補正係数(最新の温度補正係数)KTを用いて減圧リニア弁162のコイル194への供給電流が制御される。
本実施例においては、温度補正係数KTを取得する際に、ポペット弁部186が絞りにならない状態の最大電流が用いられるため、増圧リニア弁160の漏れに起因して、高圧源100の液圧が制御圧室122に供給されても、それに起因してサーボ圧Psrvの増加量が増圧許容しきい値ΔPsthを超えることが良好に回避される。その結果、温度補正係数KTの取得時に、液圧ブレーキ4,10が作動させられ、運転者が違和感を感じることを良好に回避することができる。
また、温度補正係数KTが取得される際に、学習用電流Ix0が用いられるため、実特性を精度よく取得することができる。液圧ブレーキ4,10の作動要求があった場合に、減圧リニア弁162のコイル194への供給電流が実特性を用いて制御されるが、適正な大きさの電流を供給することが可能となる。第1回目の制御指令値が出力される場合であっても、コイル194への供給電流が不足したり、過大となったりすることを良好に回避することができ、減圧リニア弁162を介して作動液がリザーバ52に流出したり、異音が発生したりすることを良好に回避することができるのであり、サーボ圧Psrvを精度よく制御することができる。
本実施例においては、ブレーキECU20の図7のフローチャートで表されるリニア弁制御プログラムを記憶する部分、実行する部分等により電流制御部が構成され、図8のフローチャートで表される学習用デューティ比決定プログラム、図9のフローチャートで表される温度補正係数学習プログラムを記憶する部分、実行する部分等により実特性取得部が構成される。電流制御部はサーボ圧制御部であり、実特性取得部は切換前取得部、最大流量保持時取得部、最大開度保持時取得部である。
また、実特性取得部のうちの、図8のフローチャートで表される学習用デューティ比決定プログラムを記憶する部分、実行する部分等により学習用電圧決定部、学習用電圧決定装置が構成され、図9のフローチャートで表される温度補正係数学習プログラムを記憶する部分、実行する部分等により学習用電圧印加時取得部が構成される。
さらに、実特性取得部のうちの図8のフローチャートで表される学習用デューティ比決定プログラムのS15〜17、S21〜23を記憶する部分、実行する部分等により圧力増加時電流取得部、検出値増加時電流取得部が構成され、S17,23を記憶する部分、実行する部分等により複数対取得部が構成され、S24を記憶する部分、実行する部分等により切片電流取得部が構成され、S25を記憶する部分、実行する部分等により低温特性対応決定部が構成され、S24のうち絞り特性を取得する部分等により絞り特性取得装置が構成される。
また、制御圧室122が制御対象装置に対応すると考えたり、レギュレータ102が制御対象装置に対応すると考えたりすることができる。制御圧室122の液圧とサーボ室124の液圧とは同じ大きさとされるため、サーボ圧Psrvの検出と制御圧Psiの検出とは対応する。制御圧Psiは、減圧リニア弁162の高圧側の圧力である。
なお、本実施例においては、各差圧における最大電流Ix0を用いて学習用電流Ix0,学習用デューティ比Dx0が決定され、学習用デューティ比Dx0が直接用いられて実特性が取得されるが、各差圧における最大電流Ix0を用いて実特性が取得されると考えることもできる。
なお、上記実施例においては、学習用デューティ比Dx0がポペット弁部186が絞りにならない状態で供給される電流の最大値(最大電流)Ixに基づいて決定されるようにされていたが、最大電流Ixより小さい電流に基づいて決定したり、最大電流Ixより大きい電流に基づいて決定したりすることもできる。例えば、ポペット弁部186が絞りになるが、絞り効果が小さい電流に基づいて決定(最大開度と実際の開度との差が設定値となる電流に基づいて決定)すること等もできる。
また、学習用デューティ比Dx0は、車両の出荷後(車両が走行可能な状態)に取得することもできる。例えば、イグニッションスイッチがOFFの間、シフト位置がパーキング位置である間等に取得すること等もできる。この場合には、コイル194の温度を取得できない場合があるが、取得された学習用電流Ix0と低温特性とに基づいて学習用デューティ比が決定されるため、ポペット弁部186が絞りにならない状態において温度補正係数KTの学習を行うことができる。
さらに、温度補正係数の学習の際に、サーボ圧センサ156によってサーボ圧Prsvを検出し、設定値より大きい場合には、増圧リニア弁160の漏れであると検出されるようにすることもできる。設定値としての漏れ判定しきい値は、図10(a)の実線に基づいて決めることができる。
学習用デューティ比決定プログラムは、図16に示すように、外部装置に記憶しておくこともできる。本実施例においては、外部装置300が、実行部302、記憶部304等を含むコンピュータを主体とするものであり、記憶部304に学習用デューティ比決定プログラム記憶部306が設けられる。それに対して、車両のブレーキECU310においては記憶部212に学習用デューティ比決定プログラム記憶部が設けられていない。車両工場等において、外部装置300とブレーキECU310とが接続され、外部装置300とブレーキECU310との間で適宜必要な情報の通信が行われ、増圧リニア弁160、減圧リニア弁162のコイル180,194には、外部装置300からの指令により電流が供給される。そして、外部装置300において、学習用デューティ比Dx0が決定されるが、学習用デューティ比Dx0は、車両のブレーキECU310に供給されて、学習用デューティ比記憶部224に記憶させられる。
本実施例においては、外部装置300等によって、学習用電圧決定装置、電磁弁絞り特性取得装置が構成される。
その他、本発明は、上述に記載の態様の他、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
20:ブレーキECU 102:レギュレータ 122:制御圧室 124:サーボ室 156:サーボ圧センサ 160:増圧リニア弁 162:減圧リニア弁 180,194:コイル 202:電流モニタ 214:制御回路 212:記憶部 220:回路特性記憶部 222:学習用デューティ比決定プログラム記憶部 224:学習用デューティ比記憶部 252:スイッチング素子 254:抵抗 300:外部装置 306:学習用デューティ比決定プログラム記憶部

Claims (10)

  1. 常開の電磁弁のコイルに加えられる電圧と流れる電流との実際の関係である実特性を取得する実特性取得部と、
    その実特性取得部によって取得された前記実特性に基づいて、前記電磁弁のコイルに加えられる電圧を制御することにより電流を制御して、制御対象装置の圧力を制御する電流制御部と
    を含む圧力制御装置であって、
    前記実特性取得部が、前記電磁弁の、開状態において可動部材の移動が開始させられた後、閉状態に切り換えられるまでの状態において、前記実特性を取得する切換前取得部を含むことを特徴とする圧力制御装置。
  2. 前記切換前取得部が、前記電磁弁の高圧側と低圧側との差圧が一定の状態において、前記電磁弁を流れる流体の流量が、その電磁弁の前記差圧で決まる最大流量より設定流量以上小さくならない状態で、前記実特性を取得する最大流量保持時取得部を含む請求項1に記載の圧力制御装置。
  3. 前記最大流量保持時取得部が、前記電磁弁を流れる流体の流量が最大流量である場合に供給される電流の最大値を利用して、前記実特性を取得するものである請求項2に記載の圧力制御装置。
  4. 前記切換前取得部が、前記電磁弁の開度が、その電磁弁の最大開度より設定開度以上小さくならない状態で、前記実特性を取得する最大開度保持時取得部を含む請求項1ないし3のいずれか1つに記載の圧力制御装置。
  5. 前記電磁弁が固定絞り部と可変絞り部とを備え、
    前記最大開度保持時取得部が、前記可変絞り部における開口面積が前記固定絞り部における流路横断面積以上である場合に前記コイルに供給される電流の最大値を利用して、前記実特性を取得するものである請求項4に記載の圧力制御装置。
  6. 前記実特性取得部が、前記電磁弁が開状態から閉状態に切り換えられる前の予め定められた状態にある場合に前記コイルに流れる電流と、前記コイルの温度が設定温度より低い場合の前記コイルに加えられる電圧と流れる電流との関係である低温特性とに基づいて前記実特性を取得する際に、前記コイルに加える電圧である学習用電圧を決定する学習用電圧決定部を含む請求項1ないし5のいずれか1つに記載の圧力制御装置。
  7. 前記電磁弁が、前記制御対象装置と低圧源との間に設けられた減圧制御弁であり、
    当該圧力制御装置が、前記制御対象装置と高圧源との間に設けられた増圧制御弁を含み、
    前記実特性取得部が、前記増圧制御弁の制御により、前記制御対象装置と前記高圧源との差圧が一定に保持された状態で、前記減圧制御弁のコイルへの供給電流を増加させつつ、前記制御対象装置の圧力が増加した時点の前記供給電流を取得する圧力増加時電流取得部を含み、その圧力増加時電流取得部によって取得された前記供給電流を利用して、前記実特性を取得する請求項1ないし6のいずれか1つに記載の圧力制御装置。
  8. 当該圧力制御装置が、
    (a)制御ピストンと、(b)その制御ピストンの後方に設けられた制御圧室と、(c)前記制御ピストンの前方に設けられたサーボ室とを備えたレギュレータと、
    前記制御圧室と高圧源との間に設けられた増圧制御弁と
    を含み、
    前記電磁弁が、前記制御圧室と低圧源との間に設けられた減圧制御弁であり、
    前記電流制御部が、前記増圧制御弁のコイルと減圧制御弁のコイルとの各々への供給電流を制御することにより、前記サーボ室の圧力を制御するサーボ圧制御部を含み、
    前記実特性取得部が、
    前記サーボ室の圧力を検出するサーボ圧センサと、
    前記増圧制御弁のコイルへの供給電流が一定に保持された状態で、前記減圧制御弁のコイルへの供給電流を増加させつつ、前記サーボ圧センサの検出値が増加した場合の前記減圧制御弁のコイルへの供給電流を取得する検出値増加時電流取得部と、
    その検出値増加時電流取得部によって取得された電流を用いて、前記実特性としての温度補正係数を取得する温度補正係数取得部と
    を含む請求項1ないし7のいずれか1つに記載の圧力制御装置。
  9. 電磁弁のコイルに加えられる電圧と流れる電流との実際の関係である実特性を取得する際に用いられる電圧である学習用電圧を決定する学習用電圧決定装置であって、
    前記電磁弁の前記コイルへの供給電流を増加させつつ、前記電磁弁の高圧側と低圧側との少なくとも一方の圧力が変化した場合の、前記コイルへの供給電流と、前記高圧側と低圧側との差圧との組を複数組取得する複数組取得部と、
    その複数組取得部によって取得された複数組の前記差圧および前記供給電流によって決まるこれらの間の関係に基づいて、前記差圧が0である場合の前記コイルへの供給電流を取得する切片電流取得部と、
    その切片電流取得部によって取得された前記供給電流と、前記コイルの温度が設定温度より低い場合の前記電圧と電流との関係である低温特性とに基づいて前記学習用印加電圧を決定する低温特性対応決定部と
    を含むことを特徴とする学習用電圧決定装置。
  10. 固定絞り部と可変絞り部とを備え、コイルへの電流の供給により前記可変絞り部の開口面積が小さくされて、開状態から閉状態に切り換えられる電磁弁において、その電磁弁の高圧側と低圧側との差圧と、前記可変絞り部の開口面積を前記固定絞り部の流路横断面積より設定値小さくするのに要する電流との関係である絞り特性を取得することを特徴とする絞り特性取得装置。
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