JP4636925B2 - 弾性クローラの加硫成形金型とこの金型を使用した弾性クローラの製造方法 - Google Patents
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本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、偶数突起型クローラ、奇数突起型クローラのどちらも成形できる加硫成形金型とその製造方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、突起用凹部が内周側に形成されたキャビティを内部に有する複数の分割型よりなり、前記突起用凹部が周方向に所定のピッチで並んだ状態で前記分割型の端部同士を接続することにより、前記キャビティが周方向に連続した無端帯状のクローラ成形空間が形成される、未加硫の予備成形品を加硫成形して弾性クローラを得るための弾性クローラの加硫成形金型において、前記複数の分割型は、次に定義される各パーツ(a)〜(c)のうち、パーツ(a)と二つのパーツ(b)、或いは、パーツ(a)とそれぞれ一つのパーツ(b)及びパーツ(c)から構成されることを特徴とする弾性クローラの加硫成形金型である。
(a)互いに平行でかつ同一長さ又は異なる長さに形成された一対の直線型部
(b) 前記一対の直線型部における長手方向同側の端部間に配置され、一方の前記直線型部の長手方向端部に接続可能な短寸接続部と、他方の前記直線型部の長手方向端部に接続可能でかつ前記短寸接続部よりも半ピッチ分又は整数ピッチと半ピッチの和の分だけ前記直線型部側へ入り込んだ位置に配置される長寸接続部とを備えている第一ターン型部
(c)前記短寸接続部と前記長寸接続部の配置を逆にすることで前記第一ターン型部の場合と鏡面対称関係になっている第二ターン型部
また、弾性クローラの内周側の突起数が奇数である奇数突起型クローラを成形する場合には、パーツ(a)とそれぞれ一つのパーツ(b)及びパーツ(c)から構成される分割型を使用する。この場合、各直線型部の一方側にパーツ(b)が、他方側にもう一つのパーツ(c)が配置されることになり、当該パーツ(b)は一端側の短寸接続部と他端側の長寸接続部とを備え、パーツ(c)は当該パーツ(b)と鏡面対称の関係になっていることから、各直線型部のうち一方の直線型部の両端には短寸接続部が接続され、他方の直線型部の両端には長寸接続部が接続される。
詳細は後述するが、このような各パーツからなる分割型とすることで、偶数突起型クローラを成形する場合には、図6(a)に示すように上下の直線部を合わせた長さは偶数ピッチ分となり、左右の円弧部を合わせた長さは奇数ピッチ分となるため、型の全体の長さは奇数ピッチ分となる。一方、奇数突起型クローラを成形する場合には、図6(b)に示すように上下の直線部を合わせた長さは奇数ピッチ分となり、左右の円弧部を合わせた長さも奇数ピッチ分となるため、型の全体の長さは偶数ピッチ分となる。
従って、上記パーツ(a)〜(c)を組み替えて使用することにより、偶数突起型クローラ、奇数突起型クローラのどちらの弾性クローラも得ることができる。
このように直線型部を複数の直線状ピースで構成すれば、上記第一ターン型部や第二ターン型部の配置に合わせて当該直線型部の長さを当該直線ピースの長さ単位で自在に変更することができ、弾性クローラの様々な周長に対応できる。
この場合には、円弧状ピースの一方の端部に上記第一異形ピースを配置すれば第一ターン型部が構成され、同じ当該円弧状ピースの他方の端部に上記第二異形ピースを配置すれば第二ターン型部が構成される。従って、偶数突起型クローラを成形する分割型から、奇数突起型クローラを成形する分割型(あるいはその逆でもよい)に変える際には、円弧状ピースをずらすと共に、当該第一異形ピース及び第二異形ピースを置き換えるだけでよい。
上記分割型31及び分割型41は、いずれも次に定義されるパーツA〜C組み合わせて構成されたものである。パーツAとは、互いに平行でかつ同一長さ又は異なる長さに形成された一対の直線型部である。なお、このパーツAは、一つの突起用凹部8が形成されたキャビティを内部に有する複数の直線状ピースAaからなるものである。パーツBとは、一対の直線型部の長手方向同側の端部間に配置され、一方の直線型部の長手方向端部に接続可能な短寸接続部sと、他方の直線型部の長手方向端部に接続可能でかつ短寸接続部sよりも半ピッチ分の直線部分t1だけ直線型部側へ入り込んだ位置に配置された長寸接続部pとを備えている第一ターン型部として構成されたものである。パーツCとは、短寸接続部sと長寸接続部pの配置を逆にすることでパーツB(第一ターン型部)の場合と鏡面対称関係になっている第二ターン型部として構成されたものである。
なお、上記パーツB(第一ターン型部)及びパーツC(第二ターン型部)は、いずれも同形状の円弧状部分を有しており、パーツBは当該円弧状部分の一方の端部に長寸接続部pを構成する第一異形ピースBiが接続されたものであり、パーツCは円弧状部分の他方の端部に長寸接続部pを構成する第二異形ピースCiが接続されたものである。なお、第一、第二異形ピースBi、Ciは直線部分と円弧部分とからなり、円弧状部分は、一つの突起用凹部8が形成されたキャビティを内部に有する二つの円弧状ピースBa、Caからなるものである。
図6(a)は、奇数突起型クローラを成形できる型K(例えば、図4に示す型31)を表しており、図6(b)は、偶数突起型クローラを成形できる型G(例えば、図5に示す型41)を表している。なお、同図において左右両一点鎖線の内側を直線部といい、その外側を左右の円弧部という。
本実施形態が上記第一実施形態との主な相違点は、型51が予備成形品6Aの幅方向から加圧するように構成されている点である。図7に示すように、予備成形品6Aは、複数の環状のベースゴム11aと、芯金13と、抗張体15とを有している。また、この予備成形品6Aにはラグを形成するベースゴムを含まないため、予備成形品6Aの外形は完成品の外形より若干小さく成形されている。
上型51uは、クローラ成形装置5に設けられた上下方向に移動可能なヘッド部(図示せず。)に脱着可能に固定されている。また、下型51sは、クローラ成形装置5のベッド5a上に載置されるとともに脱着可能に固定されている。このクローラ成形装置5のヘッド部は下降することによって、ベッド5aとの間で型51を挟持し、当該型51を介して予備成形品6Aに圧力を付与するようになっている。また、上型51u及び下型51sは、加温装置(図示せず)に接続されており、加圧と同時に当該型51を介して予備成形品6Aを加温できるようになっている。
この場合においても、弾性クローラの内周側の突起数が偶数である偶数突起型クローラを成形する場合には直線型部Aと二つの第一ターン型部Bから構成された分割型を使用すればよく、弾性クローラの内周側の突起数が偶数である偶数突起型クローラを成形する場合には、直線型部Aとそれぞれ一つの第一ターン型部B及び第二ターン型部Cから構成された分割型を使用すればよい。すなわち、上記直線型部A、第一ターン型部B、第二ターン型部Cを組み替えて使用することにより、偶数突起型クローラ、奇数突起型クローラのどちらの弾性クローラも得ることができる。
1A 予備成形品
3 クローラ成形装置
11 クローラ本体
12 係合孔
14 ラグ
31、41,51、81 型
A パーツ(直線型部)
B パーツ(第一ターン型部)
C パーツ(第二ターン型部)
Claims (4)
- 突起用凹部が内周側に形成されたキャビティを内部に有する複数の分割型よりなり、前記突起用凹部が周方向に所定のピッチで並んだ状態で前記分割型の端部同士を接続することにより、前記キャビティが周方向に連続した無端帯状のクローラ成形空間が形成される、未加硫の予備成形品を加硫成形して弾性クローラを得るための弾性クローラの加硫成形金型において、
前記複数の分割型は、次に定義される各パーツ(a)〜(c)のうち、パーツ(a)と二つのパーツ(b)、或いは、パーツ(a)とそれぞれ一つのパーツ(b)及びパーツ(c)から構成されることを特徴とする弾性クローラの加硫成形金型。
(a) 互いに平行でかつ同一長さ又は異なる長さに形成された一対の直線型部
(b) 前記一対の直線型部における長手方向同側の端部間に配置され、
一方の前記直線型部の長手方向端部に接続可能な短寸接続部と、他方の前記直線型部の長手方向端部に接続可能でかつ前記短寸接続部よりも半ピッチ分又は整数ピッチと半ピッチの和の分だけ前記直線型部側へ入り込んだ位置に配置される長寸接続部とを備えている第一ターン型部
(c) 前記短寸接続部と前記長寸接続部の配置を逆にすることで前記第一ターン型部の場合と鏡面対称関係になっている第二ターン型部 - 前記一対の直線型部は、少なくとも一つの突起用凹部が内周側に形成されたキャビティを内部に有する複数の直線状ピースの端部同士を互いに接続することによって構成されている請求項1に記載の弾性クローラの加硫成形金型。
- 前記第一ターン型部は、円弧状ピースと、この円弧状ピースの一方の端部に接続されることで当該第一ターン型部の長寸接続部を構成する第一異形ピースとからなり、
前記第二ターン型部は、前記円弧状ピースと、この円弧状ピースの他方の端部に接続されることで当該第二ターン型部の長寸接続部を構成する第二異形ピースとからなる請求項1又は2に記載の弾性クローラの加硫成形金型。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の加硫成形金型のクローラ成形空間に未加硫の予備成型品を充填してこれを加硫成形することによって弾性クローラを得るようにした弾性クローラの製造方法において、
前記弾性クローラの内周側の突起数が偶数である偶数突起型クローラの場合には、前記パーツ(a)と二つのパーツ(b)から構成された分割型を使用し、
前記弾性クローラの内周側の突起数が奇数である奇数突起型クローラの場合には、前記パーツ(a)とそれぞれ一つの前記パーツ(b)及びパーツ(c)から構成された分割型を使用することを特徴とする弾性クローラの製造方法。
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