JP4795804B2 - ゴムクローラ製造装置 - Google Patents
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Description
クローラには極めて大きな応力が作用するので、その強度を高めるためにゴムクローラの内部に複数列にスチールコードなどの芯線が内蔵される。
強度の高いゴムクローラを効率的に製造するものとして、例えば、特許文献1に示されるものが提案されている。
これは、成形ドラムとして加硫機の内型を用い、この成形ドラムの外周にゴム層と芯線とを巻いてエンドレスな芯線入りのゴムクローラを成形し、その外側に加硫機の外型を適用して加硫を行なうものであり、高強度のゴムクローラを生産性良く製造することができる。
このため、強度、効率を維持して作業環境を改善するものとして、成形後の内型を取り出し、そのままの形、すなわち、軸線が略水平方向となる形で別の場所へ搬送し、加硫を行なうことが提案されている。
これは、分割式の内型を組立状態で保持する機構を必要とし、かつ、その状態で受け渡しを行なう構造が複雑で高価となる。また、数トンの重量となる内型を装置間で受け渡す際、内型を支持する軸がこの重量でたわむため両方の支持軸間の軸線中心にずれが生じるので、それらの位置を合わせる機構が必要となる等、構造が複雑で高価となるという問題がある。
すなわち、本発明にかかるゴムクローラ製造装置は、内型が少なくとも成形機および加硫機を含む複数の機械間を搬送されてゴムクローラを製造するゴムクローラ製造装置であって、前記内型は、前記成形機への受け渡しを除いて軸線方向が上下方向となるように搬送され、受渡されることを特徴とする。
このため、受け渡しに際し内型の重量によって軸線中心がずれることがないので、ずれを補正する機構を必要とせず、装置構造が簡素化され安価となる。
上記発明では、前記内型は、周方向に複数個に分割され、外周が略連続面を形成するように配置されるセグメントを備えていることが好適である。
このようにすると、加硫後に内型からゴムクローラを取り出すのが容易となる。
なお、搬送装置としては機械の上方に設けられた軌道に沿って走行するものが好適である。また、各機械は軌道に沿って配置されているのがゴムクローラの製造効率を高めるのに好適である。
搬送装置はクランプ部を把持部に係合させてクランプ部を持上げるとセグメントの上下方向の移動が制限されるので、内型を作業位置を維持したままで搬送することができる。
そして、次の機械のところでセグメントの第一係合部がその機械の第一係止部に係合するように降下させれば内型は作業位置を保持したままで受け渡しを行うことができる。
このため、内型を組立状態に保持するための固定用の部材を必要としないので、その分安価となるし、内型の組立、分解を容易にかつ短時間に行なうことができる。
なお、ここで「略連続面」とは、分割されたセグメントが構成する面であり、完全な連続面を意味するものではなく、ゴムクローラの製造に差し支えない程度の面が構成されていればよい。また、ゴムクローラに凹凸を形成する場合には、そのための凸凹が存在していてもよい。
このようにすると、セグメントは下面ばかりでなく、上面でも径方向の移動を制限されるので、セグメントの外周面が略連続面を形成した内型を一層強固に形成することができる。
また、隣り合う第一係合部の位置を径方向にずらしておけば、相互に干渉が少なくなるのでセグメントの組立を容易に行なうことができる。
このため、受け渡しに際し内型の重量によって軸線中心がずれることがないので、ずれを補正する機構を必要とせず、装置構造が簡素化され安価となる。
図1は、本実施形態にかかるゴムクローラ製造装置1の全体概略構成を示す模式図である。
ゴムクローラ製造装置1には、成形機3と、反転機(姿勢転換機)5と、加硫機7と、分解機9と、モールド搬送装置(搬送装置)11と、製品搬送装置13と、製品テーブル15と、レール17と、成形用の材料置場19と、が備えられている。
反転機5、加硫機7および分解機9が、本発明にいう成形機以外の機械に相当する。
加硫機7および分解機9は、その中心位置を結ぶ線(以下、配置線という)が、反転機5のモールド20(後述参照)受け渡し位置を通るように配置されている。
製品テーブル15は、その一部が配置線と交差するように設置されている。
支持部18に支持された一対のレール17は、配置線に沿って反転機5、加硫機7、分解機9および製品テーブル15をカバーするようにそれらの上方に設置されている。
配置線は成形機3と反転機5とを結ぶ線に対して略直交するようにされている。
なお、配置線は成形機3と反転機5とを結ぶ線に対して直交させる必要はなく、任意の角度に傾斜させてもよい。
モールド20は、組み立てられた時に円筒形状をしており、周方向に交互に配置される大セグメント(セグメント)22と小セグメント(セグメント)24に分割されている。
図8に示されるように、大セグメント22および小セグメント24が略円筒形状をしている場合には、外周面が略連続面を形成していることになる。この状態を作業位置といい、モールド20は作業位置にいる時各種作業を行うこととなる。
大セグメント22と小セグメント24との内周側の周方向長さは略同等であるのに対し、外周側の周方向長さは大セグメント22の方が小セグメント24に比べて略倍の長さとなっている。
大セグメント22および小セグメント24の上部には、周方向の略中央位置に、内側に突出するように矩形状の上係止板26が固定して取り付けられている。
上係止板26の内側端部近くには、上下方向に貫通した貫通孔(第二係止部)28が設けられている。
把持板30には、内側に開口し貫通しない把持穴(把持部)32が設けられている。
大セグメント22および小セグメント24の下部には、周方向の略中央位置に、大セグメント22および小セグメント24と略同等の厚さを有する矩形状の下係止板34が固定して取り付けられている。
下係止板34の下面内周側には、係止溝(第一係止部)36が周方向に貫通して設けられている。
成形機3および反転機5は、床21の上に設置された細長い直方体形状をした台23に設置されている。
成形機3には、本体25と、主軸27と、駆動機構29と、保持部31と、が備えられている。
本体25は、直方体形状をしており、下部に取り付けられたコロ33によって台23の上面に長手方向に延在するレール35に沿って移動可能とされている。
主軸の内部には、同一軸線を有する保持軸39が主軸27の両端から突出するよう貫通して取り付けられている。保持軸39の反転機5側端部には、他端部からの操作によって周面側に出没する突出片41が取り付けられている。
保持部31の外側端部には、作業位置にあるモールド20の貫通孔28に対応する位置に押圧部43が取り付けられている。
支柱59は、矩形断面で、台23の成形機3と反対端部に、一面が成形機3と対向するように立設されている。この対向する面には、上下方向略全長に亘りレール63が取り付けられている。
ボールネジ65には、移動駒67が螺合されている。
垂直スライダ61は、レール63に摺動自在に支持されるとともに移動駒67に上下方向の移動を制限されるように取り付けられている。
本体55の一端は、ヒンジ53を介して垂直スライダ61に取り付けられている。本体55の他端は、ヒンジ49,51を介して水平スライダ47に取り付けられている。本体55は水平スライダ47と垂直スライダ61とによって支持されていることになる。
テーブル69は、円板であり、本体55に取り付けられたバイオネット機構83,83によって本体55に着脱可能に取り付けられている。
係合リング71はリング状をし、外周側が略直角に上方に折れ曲がり係合部(第一係合部)73を形成している。係合部73は、作業位置にあるモールド20の係合溝36に嵌合できる位置に設置されている。
嵌合部81は中空円筒状をし、テーブル69と略同一軸線中心を有するように配置され、一端がテーブルに固定されている。
嵌合部81の中空部は主軸27の先端部が挿入できる大きさの径を有している。
嵌合部81の軸線方向における略中間位置には、略中央部に保持軸39が通過する程度の大きさの孔が開いた隔壁85が設けられている。
テーブル69の係合リング71の内周側には、複数、例えば8本の支柱75が周方向に略等間隔空けて立設されている。
頂板77の上面には、8個の係合ピン(第二係合部)79が作業位置にあるモールド20の貫通孔28に嵌合できる位置に設置されている。
なお、テーブル69から頂板77の上面までの高さは、大セグメント22および小セグメント24の上端部(係止板26の下面)までの高さと略同等とされているので、係合ピン79は貫通孔28に下側から挿入されることとなる。
図12および図13はモールド20を装着した状態を示し、図12は平面図、図13は図12のZ−Z断面図である。
加硫機7には、架台87と、外型組立89と、内型組立91とが備えられている。
架台87は、鋼構造物であり、外型組立89および内型組立91の大重量を支持するものである。
加圧用シリンダ95は、周方向に略等間隔に複数、例えば12個フレームに取り付けられている。加圧シリンダ95のロッドは内側の中心に向けて伸縮し、その先端に外モールド97が取り付けられている。
内型組立91には、大セグメント22および小セグメント24のそれぞれの内側に、バックアップ部材99と、モールド20の支持する支持座103とが備えられている。
バックアップ部材99は、径方向に進退自在に構成されている。バックアップ部材99の内側には、バックアップ部材99を進退させる駆動機構101が備えられている。
図16は分解機9の平面図、図14の下部は図16のA−A断面図である。
分解機9には、平面視が正八角形状をしたフレーム構造105と、大セグメント22を扱う大移動機構107と、小セグメント22を扱う小移動機構109と、が備えられている。
大移動機構107および小移動機構109は、相互に隣り合って配置され、それぞれフレーム構造105の上面に、それぞれ正八角形の頂点から中心に向かうように取り付けられている。
大移動機構107および小移動機構109はそれぞれ基本的な構造は同じであり、長さが異なるだけである。
箱体111は、フレーム構造105に固定されており、直方体で、外側端部が拡幅した形状をし、上部が開放されている。
レール113は、箱体111の上部両側に長手方向に延在するように取り付けられている。レール113は、箱体111の内側端から拡幅部の直前までに亘り配置されている。
移動体115の下部には、スライダ117が設けられている。スライダ117の外側がレール113の内側面に案内されることによって移動体115はレール113に沿って移動可能とされている。
油圧シリンダ123は、箱体111の内部空間にその長手方向に延在するように配置されている。油圧シリンダの一端は、箱体111の外側端部に固定され、他端側となるロッドの先端は移動体115の下部に連結されている。すなわち、油圧シリンダ123のロッドの伸縮によって移動体115はレール113に沿って移動するように構成されている。
支柱119の頂部には、支柱119と略直交するように頂板125が取り付けられている。頂板125は略長方形をし、その内側は支柱119よりも内側に突出するように取り付けられている。
頂板125の内側端部上面には、軸線が上下方向となるように係合ピン(第二係合部)127が取り付けられている。係合ピン127の径はモールド20の貫通孔28に嵌合できる大きさとされている。
係合板121は、その長手方向が移動体の長手方向に沿うように配置されている。係合板121の内側部上面には、幅方向に全幅に渡り突起部(第一係合部)129が設けられている。移動体115の長手方向における突起部129の長さは、モールド20の係合溝36に嵌合できる大きさとされている。
一対のレール17の上部には、それぞれ略全長に亘り軌条131が敷設されている。一方のレール17の上部には、軌条131と略平行してラック133がレール17の略全長に亘り取り付けられている。
モールド搬送装置11には、走行本体135と、昇降機構137と、昇降体139と、図示しない走行駆動機構とが備えられている。
走行本体135はレール17の上方に配置され、その下部に取り付けた走行スライダ141が軌条131を挟持することによってレール17に支持されている。
昇降機構137には、ネジ軸143と、昇降モータ145と、昇降駒147とが備えられている。
ネジ軸143は、走行本体135を貫通して上下方向に延在するように配置され、上部はネジ加工されていない。ネジ軸143は、ネジ加工されていない部分で走行本体135に回転可能に支持されている。
昇降モータ145は、走行本体135に支持され、ネジ軸143を回転駆動するように構成されている。
ネジ軸143の幅方向両側には、それぞれ走行本体135に支持されたガイド軸149,149が上下方向に延在するように設置されている。
ガイド軸149,149の下端位置は、ネジ軸143の下端位置と略同じとされている。
上部昇降体151は、昇降駒147に固定されている。また、上部昇降体151はガイド軸149,149に摺動自在に嵌合している。
上部昇降体151は、ガイド軸149,149に案内され水平方向の回転運動を制限されて昇降駒147と一体的に昇降するように構成されている。
連結部153は中空の円筒体であり、ネジ軸143を包囲するように配置されている。
連結部153の上部は、昇降駒147および上部昇降体151に固定して取り付けられている。
上円板159および下円板161は、中心部に連結部153の外径よりも大きい径の穴が設けられている。また、ガイド軸149,149が通る穴が設けられている。
上円板159および下円板161は、上下方向に間隔を空けて配置され、それぞれ連結部153の下部外周に固定して取り付けられている。
上円板159と下円板161との間には、両者を連結し、構造を強化する補強材が取り付けられている。
クランプ部157は、下円板161の外周端から径方向に延在するように配置されている。
クランプ部157には、取付座163と、エアシリンダ165と、ガイド部材167と、係合ピン169と、規制部材171とが備えられている。
取付座163は、長方形状をした板であり、下円板161の下部に固定して取り付けられている。
ガイド部材167は、直方体形状をし、その上面が板部材173に固定されている。ガイド部材167には、エアシリンダ165のロッド端に軸線方向が同じに取り付けられた係合ピン169を案内する貫通孔が設けられている。
規制部材171は、上部が外側に折れ曲がった板材であり、この折れ曲がり部が取付座163に固定されて取り付けられている。
また、ガイド部材167と規制部材171との下面位置は略同一位置で、そこから係合ピン169の軸線中心までの距離は、上係止板26の上面と把持穴32の軸線中心との距離と略同じとされている。
係合ピン169の外径と把持穴32の内径とは略同じとされている。
図17は横断面図、図18は図17のW−W断面図である。
製品搬送装置13には、走行本体175と、ガイド軸177と、昇降体179と、が備えられている。
走行本体175はレール17の上方に配置され、その下部に取り付けた走行スライダ181が軌条131を挟持することによってレール17に支持されている。
図示しない走行駆動機構には、走行本体175に取り付けられたモータと、ラック133と噛合いモータで回転駆動されるピニオンとが備えられている。走行本体175はピニオンの回転によってレール17に沿って移動することができる。
ガイド軸177は幅方向に2本近接して設置されている。
昇降体179には、ガイド駒183と、接続部185と、昇降部187と、支持部189と、取付部191と、把持部193とが備えられている。
ガイド駒183は各ガイド軸177の側部を覆うように設けられ、摺動自在とされている。
昇降部187には、走行本体175の下部に取り付けられた図示しない油圧シリンダのロッド先端が接続されており、昇降部187はこのロッドの伸縮によって昇降するように構成されている。
支持部189には、円筒体195と、柱状体197と、補強ブラケット199とが備えられている。
断面が矩形をした柱状体197は、内側端が円筒体195の側面上部に固定され、径方向へ延在するように構成されている。柱状体197は、円筒体195の回りに略90度間隔で4本取り付けられている。
補強ブランケット199は、円筒体195の側面と柱状体197の側面とを連結するように取り付けられており、柱状体197の強度を補強している。
把持部193は、取付部191の下部で、各頂点部に取り付けられている。
把持部193には、エアシリンダ201と、把持板203とが備えられている。エアシリンダ201は、ロッドが内側に向き、軸線中心が円筒体の軸線中心を向くように取り付けられている。把持板203は、板状体であり、エアシリンダ201のロッドの先端に面がエアシリンダ201の軸線と略直交するように取り付けられている。
まず、モールド20を組立てる。
例えば、分割機9を用いて次のように組立てる。
図16の状態から小移動機構109の油圧シリンダ123を伸長させ、移動体115を最も内側に移動させる。
この状態で、小セグメント24を適宜手段で搬入し、小セグメント24の把持穴32を突起部129へ係合させるとともに係合ピン127を小セグメントの貫通孔28に係合させ、小セグメント24を小移動機構109にセットする。
これを順次行なって4個の小セグメントをそれぞれの小移動機構109にセットする。
全ての大セグメント22を所定の大移動機構107にセットし終わると、小移動機構109の油圧シリンダ123を縮長させ、移動体115を外側に移動させる。
これにより、小セグメント24が外側に移動し、隣り合う大セグメント22の間に移動し、モールド20は図8に示されるように各セグメントは作業位置になるように組立てられる。
また、隣り合うセグメントが離れた位置で作業を行なえるので、作業が簡単となる。
なお、別の場所で組立てたモールド20を、例えば製品テーブル15の上等モールド搬送装置の下方に持ち込んでもよい。
昇降体139を降下させる。
昇降体139はガイド軸149,149によって水平方向の回転、移動を制限されているので、クランプ部157は所定の位置、すなわち上係止板26の上に降下する。
ガイド部材167と規制部材171とが把持板30を挟む形で降下し、これらが上係止板26に当接した状態で昇降体139の降下を停止させる。
係合ピン169が把持穴32に挿入されると、昇降体139とモールド20との上下方向の移動は制限される。
また、ガイド部材167および規制部材171の先端面が上係止板26の上面に当接しているので、モールド20が傾斜する等の動きを制限していることになる。
したがって、この状態で昇降体139を上昇させれば、モールド20は組立てられた状態で持上げられることになる。
昇降体139の降下によってモールド20が降下し、反転機5のモールド保持部57のところに到ることとなる。
モールド20がモールド保持部57に到ると、各大セグメント22および各小セグメント24の係止溝36がモールド保持部57の係合部73に嵌合する。略同時に、モールド保持部57の係合ピン79が各大セグメント22および各小セグメント24の貫通孔28に挿入される。
そして、エアシリンダ165を縮長させると、係合ピン169は内側に移動し、把持板30の把持穴32から離脱される。この状態で、昇降体139を上昇させれば、モールド20の反転機5への受け渡しが完了し、図5に示される状態となる。
また、モールド搬送装置11での搬送中、および反転機5への受け渡し作業中、モールド20の軸線中心は上下方向となっているので、モールド20の重量は軸線中心に交差する方向にかからない。このため、受け渡し時に軸線中心の位置がずれる恐れがない。
図5の状態で、ボールネジ65を所定方向に回転させると、移動駒67が上方に移動するので、これに連れて垂直スライダ61が上方に移動する。
垂直スライダ61が上方に移動すると、ヒンジ53が上方に移動するので、本体55の支柱59側が上昇する。この動きによって本体55のヒンジ51側が支柱59側に引っ張られるので、水平スライダ47は支柱59側に移動する。
移動駒67の上昇が続くと、本体55は徐々に傾斜度を高め、図6に示されるように略垂直の状態となる。
この時、ヒンジ51が上昇することになるが、この上昇はヒンジ49によって吸収されるので、水平スライダ47が上昇することを防止することができる。
この状態で、突出片41を保持軸36の側部から突出させる。また、保持部31のエアシリンダ37を伸長させ、押圧部43をモールド28の貫通孔28に挿入し、モールド保持部57の係合ピン79を押圧する。
これによって、突出片41と押圧部43とによって、モールド保持部57およびモールド20を保持することとなる。
成形機3を反転機5から離れる方向に移動させると、図2に示すように成形機3は、モールド20およびモールド保持部57を保持した状態で元の成形作業位置に戻ることとなり、反転機5から成形機3への受け渡しが完了することになる。
成形機3はモールド20の回りにゴム等の成形材料を巻きつけ成形作業を行う。
成形作業が終了すると、上述と逆の動作を行って、成形作業が終了したモールド20およびモールド保持部57を成形機3から反転機5に受け渡し、図5に示す状態とする。
モールド搬送装置11を反転機5の上に移動させ、昇降体139を降下させる。
これにより、上述の分解機9からモールド搬送装置11への受け渡しと同様な動作となり、クランプ部157は上係止板26の上に降下し、ガイド部材167と規制部材171とが上係止板26に当接した状態で昇降体139の降下を停止させる。
この状態で、エアシリンダ165を伸長させ、係合ピン169を把持板30の把持穴32に挿入すると、昇降体139とモールド20との上下方向の移動は制限される。
モールド20はモールド保持部57によって上下方向には拘束されていないので、この状態で昇降体139を上昇させれば、モールド20は持上げられることになる。
昇降体139の降下によってモールド20は降下し、加硫機7のところに到ることとなる。
モールド20が加硫機7に到ると、モールド20の内周面がバックアップ部材99の外周面に案内されて降下する。そして、下係止板34の下面が支持座103に到るとモールド20は降下しなくなるので、昇降体139の降下を停止する。
そして、エアシリンダ165を縮長させると、係合ピン169は内側に移動し、把持板30の把持穴32から離脱される。この状態で、昇降体139を上昇させれば、モールド20の加硫機7への受け渡しが完了する。
加硫作業が終了すると、加圧用シリンダ95を縮長させ、外モールド97を外側に移動する。同時に駆動機構101を作動させてバックアップ部材99を内側に移動させる。
モールド搬送装置11を加硫機7の上に移動させ、昇降体139を降下させる。
これにより、上述の分解機9からモールド搬送装置11への受け渡しと同様な動作となり、クランプ部157は上係止板26の上に降下し、ガイド部材167と規制部材171とが上係止板26に当接した状態で昇降体139の降下を停止させる。
この状態で、エアシリンダ165を伸長させ、係合ピン169を把持板30の把持穴32に挿入すると、昇降体139とモールド20との上下方向の移動は制限される。
モールド20はモールド保持部57によって上下方向には拘束されていないので、この状態で昇降体139を上昇させれば、モールド20は持上げられることになる。
昇降体139の降下によってモールド20が降下し、分解機9の大移動機構107および小移動機構109のところに到ることとなる。
モールド20が大移動機構107および小移動機構109に到ると、各大セグメント22および各小セグメント24の係止溝36が突起部129に嵌合する。略同時に、係合ピン127が各大セグメント22および各小セグメント24の貫通孔28に挿入される。
そして、エアシリンダ165を縮長させると、係合ピン169は内側に移動し、把持板30の把持穴32から離脱される。この状態で、昇降体139を上昇させれば、モールド20の分解機9への受け渡しが完了する。
次いで、各大移動機構107の油圧シリンダ123を伸長させ、移動体115を最も内側に移動させる。これにより、各大セグメント22が内側に移動し、図10の状態となり、大セグメント22および小セグメント24とゴムクローラとが分離される。
モールド搬送装置11を移動させ、製品搬送装置13を分解機9の上に移動させる。
製品搬送装置13の昇降体179を降下させ、把持板203がゴムクローラの外周の所定位置に到ると停止させる。
この状態で、昇降体179を上昇させた後、製品搬送装置13を製品テーブル15の上に移動させる。
そして、昇降体179を降下させ、ゴムクローラが製品テーブル15の上に載置された時停止する。
そこで、エアシリンダ201を縮長し、把持板203をゴムクローラから離し、昇降体179を上昇させると、製品となったゴムクローラが製品テーブル15の上に残ることになる。
このため、軸線方向と交差する方向にモールド20の重量がかからないので、受け渡しに際し、モールド20の軸線中心のずれ、すなわち、モールド20を支持する部分の変位がなくなる。したがって、変位を補正する機構を省略できるので、装置構造が簡素化され、安価とすることができる。
3 成形機
5 反転機
7 加硫機
9 分解機
11 モールド搬送装置
20 モールド
22 大セグメント
24 小セグメント
28 貫通孔
32 把持穴
36 係止溝
73 係合部
79 係合ピン
127 係合ピン
129 突起部
157 クランプ部
Claims (7)
- 内型が少なくとも成形機および加硫機を含む複数の機械間を搬送されてゴムクローラを製造するゴムクローラ製造装置であって、
前記内型は、前記成形機への受け渡しを除いて軸線方向が上下方向となるように搬送され、受渡されることを特徴とするゴムクローラ製造装置。 - 前記内型は、周方向に複数個に分割され、外周が略連続面を形成するように配置されるセグメントを備えていることを特徴とする請求項1に記載のゴムクローラ製造装置。
- 前記成形機を除く前記機械として、前記内型を着脱可能に保持し、前記内型の軸線方向が少なくとも上下方向から略水平方向までの間に位置するように調節できる姿勢転換機が備えられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のゴムクローラ製造装置。
- 前記成形機を除く前記機械間における前記内型の搬送は、前記内型の上部を持上げ得る搬送装置で行なうことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のゴムクローラ製造装置。
- 前記セグメントの下面には、第一係止部が設けられ、
前記セグメントの上面には、把持部が設けられ、
前記成形機を除く前記機械には、前記セグメントの外周面が略連続面を形成する作業位置において前記第一係止部と係合し、前記セグメントの径方向の移動を制限する第一係合部が設けられ、
前記搬送装置には、前記作業位置において前記把持部と係合し、前記セグメントの上下方向の移動を制限するクランプ部とが備えられていることを特徴とする請求項4に記載のゴムクローラ製造装置 - 前記セグメントの上面には、第二係止部が設けられ、
前記成形機を除く前記機械には、前記セグメントの外周面が略連続面を形成する作業位置において前記第二係止部と係合し、前記セグメントの径方向の移動を制限する第二係合部が設けられていることを特徴とする請求項5に記載のゴムクローラ製造装置 - 前記成形機を除く前記機械として、前記各第一係合部が径方向に移動可能に取り付けられている分解機が備えられていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のゴムクローラ製造装置。
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