JP4623453B2 - アミドフェノール化合物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術的分野】
本発明は、ポジ型感光性樹脂組成物の成分として好適なアミドフェノール化合物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から半導体素子の表面保護膜、層間絶縁膜には、優れた耐熱性と電気特性、機械特性などを併せ持つポリイミド樹脂が用いられている。このポリイミド樹脂は、一般に感光性ポリイミド前駆体組成物の形で供され、これを塗布、活性光線によるパターニング、現像、熱イミド化処理等を施すことによって微細加工された耐熱性皮膜を容易に形成させることが出来、従来の非感光型ポリイミドに比べて大幅な工程短縮が可能となるという特徴を有している。
【0003】
ところが、その現像工程においては、現像液としてN―メチル−2―ピロリドンなどの大量の有機溶剤を用いる必要があり、安全性および近年の環境問題の高まりなどから、脱有機溶剤対策が求められてきている。これを受け、最近になってフォトレジストと同様に、希薄アルカリ水溶液で現像可能な耐熱性感光性樹脂材料の提案が各種なされている。
中でもアルカリ水可溶性のポリヒドロキシアミド、例えばポリベンズオキサゾール(PBO)前駆体を、キノンジアジド(NQD)などの光活性成分(PAC)と混合して用いる方法が近年注目されている。(特公平1−46862 号公報、特開昭63―96162号公報など)これらの方法によると、ポジ型パターンの形成が容易でかつ保存安定性も良好、またポリイミドと同等の熱硬化膜特性が得られるなど優れた性能が得られることから、有機溶剤現像型ポリイミド前駆体の有望な代替材料として注目されている。この他、フェノール性水酸基を主鎖中に導入したポリマーとPACとの組み合わせ(特開平11−106651号公報など)や、側鎖にフェノール性水酸基を導入したポリマーとPACとの組み合わせ(特許公報2890213号など)が提案されている。
【0004】
しかしながら、これまでに開示されている方法によって得られるパターニング性能には、未だ問題点も多い。
元来NQDを用いた感光性組成物の場合、アルカリ可溶性ポリマーにNQDを添加することにより、組成物のアルカリ溶解性を低下させる(溶解抑止)能力が発現し未露光部の現像液耐性が生じる。一方露光部は、NQDがインデンカルボン酸に変換され、現像液に溶解するようになる。この露光部、未露光部のアルカリ溶解性の差を利用してパターニングを行う訳であるが、高感度でかつ高コントラスト(高残膜率)のパターニング性能を得るには、両者の溶解性の差を十分に取ることが重要である。
【0005】
これを実現するため一般に、アルカリ可溶性樹脂と強く相互作用するいわゆる溶解抑止能の高いPACを添加することが有効であり、従来のフォトレジストにおいて広く用いられてきたヒドロキシベンゾフェノン系やビスフェノール系化合物をNQD化したPACによる検討(特開昭64−6947号公報、特開平3−20743号公報など)に加え、種々のPACが検討されてきている(特開平8−123034号公報、特開平11−258795号公報)。
【0006】
しかし、これらのPACは、ポリマーと強く相互作用するため未露光部のみならず露光部のアルカリ溶解性をも低下させるので、高コントラストのパターンは得られるもののより高露光量が必要となり、すなわち感度の低下が起る。また、現像時間も長くなるため作業性が悪くなるという課題があった。この他現像プロセスにより改良すべく、アルカリ現像液として従来広く用いられている2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)を希釈して用いる方法もあるが、この場合、同様に高コントラストのパターンは得られるが、別途専用の現像液を準備する必要があり合理的とは言えない。
【0007】
そこでこれを解決するために、アルカリ溶解性を高める目的で組成物中に特定のフェノール化合物を用いることが提案されている(特開平11−102069号公報、特開平11−65107号公報、特開平9−302221号公報)。
しかし、これらの化合物は露光部の溶解速度を高める効果が低く、現像時間を十分短縮することはできない。また溶解速度を高め感度を向上させるために、該フェノール化合物の添加量を増やすことも行なわれるが、その場合、同時に未露光部の溶解速度も高くなるため膜減りが大きくなりコントラストが低下するという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、ポジ型感光性樹脂組成物に用いた場合に短時間で現像が行え、かつ高感度、高コントラストのパターニング性能を発現する材料を開発すべく鋭意検討を行った。その結果、特定の構造を有するアミドフェノール化合物を含む組成物が前記特性を満足し得ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
【0009】
1.下記一般式(1)又は(2)
【化7】
[式中Xは下記に示される中から選ばれる基または単結合を示し、
【0010】
【化8】
Yは下記(a)または(b)に示される基、
【0011】
【化9】
・・・(a)
【0012】
(式中R 1 は炭素数1〜15の炭化水素基、R 2 は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基またはハロゲン、R 3 は炭素数2〜10の飽和脂肪族炭化水素基)
【化10】
・・・(b)
]で表されるアミドフェノール化合物、アルカリ可溶性ポリマー、及びo−ナフトキノンジアジド化合物からなるポジ型感光性樹脂組成物。
【0013】
2.前記アミドフェノール化合物が、下記一般式(1)または(2)
【化11】
[式中Xが下記に示される基であり、
【0014】
【化12】
かつ、Yが下記に示される基
【0015】
【化13】
【0016】
]で表されるアミドフェノール化合物である上記1に記載のポジ型感光性樹脂組成物
ここで用いられるビスアミノフェノールとしては、下記一般式(5)または(6)
【0017】
【化12】
【0018】
(式中、Xは下記に示される基)
【0019】
【化13】
【0020】
ならびに下記に示される化合物が挙げられる。
【0021】
【化14】
【0022】
このうち、好ましい例としては
【0023】
【化15】
【0024】
等を挙げることができる。ビスアミノフェノールに作用させる化合物としては、下記式で示される化合物、
【0025】
【化16】
【0026】
(式中R1は炭素数1〜15の炭化水素基、R2は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基またはハロゲン、R3は炭素数2〜10の飽和脂肪族炭化水素基)または、アルケニル基もしくはアルキニル基を少なくとも1個を有する脂肪族、芳香族もしくは環式の酸無水物等が挙げられる。
【0027】
このうち好ましい例としては、メタンスルホニルクロリド、p−トルエンスルホニルクロリド、ベンゼンスルホニルクロリド、無水p−トルエンスルホン酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸、二炭酸ジ−t−ブチル、5−ノルボルネン−2、3−ジカルボン酸無水物、5−メチル−5−ノルボルネン−2、3−ジカルボン酸無水物、シス−4−シクロヘキセン−1、2−ジカルボン酸無水物、4−フェニルエテニルフタル酸無水物等を挙げることができる。
【0028】
前記アミドフェノール化合物を合成する際に用いられる溶剤としては、原料のビスアミノフェノールおよびスルホニルクロリド、スルホン酸無水物または分子内環状酸無水物を共に溶解するものが好ましく、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMAc)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、γ−ブチロラクトン(GBL)、 ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン(THF)等が挙げられる。
【0029】
また、本化合物を合成する際に反応を加速するために、ピリジン、ピコリン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、DABCO、DBU等の塩基性化合物を共存させることが好ましい。このようにして合成されたアミドフェノール化合物は、水等の貧溶媒中で再沈殿させた後、THF等の溶剤に再溶解し、陽イオン交換樹脂で処理することで塩基性化合物を除去できる。本化合物を合成する際、スルホニルクロリド等の使用により塩素イオン等が発生する場合は、これを除去するために陰イオン交換樹脂を併用することが好ましい。
【0030】
こうして処理された溶液を水中にて再沈殿後、濾過、加熱乾燥することにより目的物を単離することができる。
上記方法により得られるアミドフェノール化合物において下記で示される化合物が、特にアルカリ溶解促進効果が高く好ましい。
【0031】
【化17】
【0032】
(式中Yは下記から選ばれる基)
【0033】
【化18】
【0034】
本発明のアミドフェノール化合物は、アルカリ可溶性ポリマーおよびo−ナフトキノンジアジド(NQD)化合物からなるポジ型感光性樹脂組成物の成分として好適に用いられるに用いられ、特に上記ポリマーがフェノール性水酸基を有するポリアミド(ヒドロキシポリアミド)の場合に有用である。
このようなポリマーとしては、ポリイミド前駆体のポリアミド酸エステルやポリベンズオキサゾール前駆体のヒドロキシポリアミド等が挙げられ、ポリアミド酸エステルとしては下記構造で示されるものである。
【0035】
【化19】
【0036】
(式中A1は4価の有機基、B1は2価の有機基、Eは1価の有機基を示す。ただし、A1,B1,Eのうち少なくとも1つにフェノール性水酸基を含む。)
上記ポリマー構造において、A1は従来公知の芳香族テトラカルボン酸残基の他に、フェノール性水酸基を含むものとして
【0037】
【化20】
【0038】
等の構造のものを挙げることができる。B1は従来公知の芳香族ジアミン残基の他に、フェノール性水酸基を含むものとして先に示した本発明のアミドフェノール原料であるビスアミノフェノール化合物残基を挙げることができる。Eは1価のアルコール残基であるが、3−ヒドロキベンジル基、3,5−ジヒドロキシベンジル基等のフェノール性水酸基を含む基を挙げることができる。
ポリベンズオキサゾール前駆体のヒドロキシポリアミドとしては、次式で示されるものである。
【0039】
【化21】
【0040】
(式中A2は2価の有機基、B2は前記一般式(3)で示されるビスアミノフェノール残基である)
上記ポリマー構造において、 A2として次式
【0041】
【化22】
【0042】
で示される基が特に好ましい。またB2としては、次式
【0043】
【化23】
【0044】
で示される基が特に好ましい。
ポジ型感光性樹脂組成物中で用いられるNQDは、米国特許第2772972号公報、米国特許第2797213号公報、米国特許第3669658号公報、および特開平8−123034号公報、特開平11−258795号公報等に記載のある化合物が挙げられ、このうち例えば下記のものを挙げることができる。
【0045】
【化24】
【0046】
(式中Qは水素原子、
【0047】
【化25】
【0048】
である。)
ポジ型感光性樹脂組成物におけるNQDの配合比は、樹脂100重量部に対し1〜100重量部の範囲で用いられる。
本発明のアミドフェノール化合物が上記組成物中で用いられる量は、樹脂100重量部に対し1〜50重量部であり、これより少ないと高感度化および現像時間の短縮効果が得られない。また50重量部より多いと塗膜全体の溶解速度が高くなりコントラストの低下が起る。
【0049】
また、本発明のアミドフェノール化合物を含有する感光性樹脂組成物は、これらの成分を溶剤に溶解したワニス状の形態をとる。ここで用いられる溶剤としては、NMP、GBL、DMAc、 DMF、DMSO、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート等が挙げられ、単独でも混合して用いても良い。溶剤の使用量は、得られる膜厚によって異なり、樹脂100重量部に対し、70〜1900重量部の範囲で用いられる。
【0050】
本発明のアミドフェノール化合物を含有する感光性樹脂組成物の使用方法は、まず該組成物を適当な支持体、例えばシリコンウエハー、セラミック、アルミ基板などに塗布する。塗布方法は、スピンナーを用いた回転塗布、スプレーコーターを用いた噴霧塗布、浸漬、印刷、ロールコーティングなどで行う。次に、60〜130℃でプリベークして塗膜を乾燥後、所望のパターン形状に化学線を照射する。化学線としては、X線、電子線、紫外線、可視光線などが使用できるが、200〜500nmの波長のものが好ましい。次に照射部を現像液で溶解除去することによりレリーフパターンを得る。
【0051】
ここで用いられる現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水などの無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミンなどの第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミンなどの第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミンなどの第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシドなどの第四級アンモニウム塩などアルカリ類の水溶液、及びこれにメタノール、エタノールのようなアルコール類などの水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加した水溶液を好適に使用することができる。
【0052】
現像方法としては、スプレー、パドル、浸漬、超音波などの方式が可能である。次に、現像によって形成したレリーフパターンをリンスする。リンス液としては、蒸留水を使用する。次に加熱処理を行うことにより、イミド環もしくはオキサゾール環を形成し、耐熱性に優れた最終パターンが得られる。
本発明のアミドフェノール化合物を含有する感光性樹脂組成物は、半導体用途のみならず、多層回路の層間絶縁膜、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜や液晶配向膜などとしても有用である。
【0053】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0054】
【実施例1】
1Lのセパラブルフラスコに、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン109.88g(0.3mol)、THF330g、ピリジン4.75g(0.6mol)を入れ、これに室温下で無水フタル酸88.9g(0.6mol)を粉体のまま加えた。そのまま室温で一晩撹拌反応を行った後、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて反応を確認したところ、原料は全く検出されず、生成物が単一ピークとして純度99%で検出された。この反応液をそのまま1Lのイオン交換水中に撹拌下で滴下し、生成物を析出させた。
【0055】
次に析出物を濾別した後、これにTHF500mLを加え撹拌溶解し、この均一溶液を陽イオン交換樹脂:アンバーリスト15(オルガノ株式会社製)100gが充填されたガラスカラムを通し残存するピリジンを除去した。次にこの溶液を3Lのイオン交換水中に高速撹拌下で滴下することにより生成物を析出させ、これを濾別した後真空乾燥することにより下記構造のアミドフェノール化合物(AF−2)を収率89%で得た。本化合物の構造は、 FT−IR、1H−NMRで同定された。
【0056】
【化26】
【0057】
【実施例2】
1Lのセパラブルフラスコに、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン109.88g(0.3mol)、THF330gを入れ、これに室温下で二炭酸ジ−t−ブチル130.8g(0.6mol)をTHF60gに溶解したものを滴下により加えた。
この反応液をそのまま室温で一晩撹拌反応を行った後、HPLCにて反応を確認したところ原料は全く検出されず、生成物が単一ピークとして純度99%で検出された。この反応液をそのまま3Lのイオン交換水中に撹拌下で滴下し生成物を析出させ、これを濾過により分取した後真空乾燥することにより下記構造のアミドフェノール化合物(AF−3)を収率85%で得た。本化合物の構造は、FT−IR、1H−NMRで同定された。
【0058】
【化27】
【0059】
【実施例3】
1Lのセパラブルフラスコに、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン109.88g(0.3mol)、GBL330g、ピリジン4.75g(0.6mol)を入れ、これに氷冷下でメタンスルホニルクロリド68.7g(0.6mol)をGBL60gに溶解したものをゆっくり滴下した。滴下後この反応液を室温まで戻し、そのまま1時間撹拌反応を行った後HPLCにて反応を確認したところ原料は全く検出されず、生成物が単一ピークとして純度99%で検出された。この反応液をそのまま1Lのイオン交換水中に撹拌下で滴下し、生成物を析出させた。
【0060】
次に析出物を分離した後、これにTHF600mLを加え撹拌溶解し、この均一溶液を陽イオン交換樹脂:アンバーリスト15(オルガノ株式会社製)100gおよびA−21(オルガノ株式会社製)220gが充填されたガラスカラムを通し残存するピリジンおよび塩素イオンの除去を行った。次にこの溶液を5Lのイオン交換水中に高速撹拌下で滴下することにより生成物を析出させ、これを濾別した後真空乾燥することにより下記構造のアミドフェノール化合物(AF−4)を収率86%で得た。本化合物の構造は、 FT−IR、1H−NMRで同定された。
【0061】
【化28】
【0062】
以下に、樹脂組成物とする場合に用いられるポリマーの製造例を示す。
<ポリマー製造例1>
容量2Lのセパラブルフラスラスコ中で、DMAc370g、ピリジン13.4g(0.17mol)、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン61.5g(0.17mol)を室温(25℃)で混合攪拌し均一な溶液とした。これに、別途ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)120g中にジフェニルエーテルジカルボン酸ジクロリド41.3g(0.14mol)を溶解させたものを、滴下ロートより滴下した。この際、セパラブルフラスコは15〜20℃の水浴で冷却した。滴下に要した時間は20分、反応液温は最大で30℃であった。
【0063】
滴下終了から1時間攪拌した後、反応液にメタンスルホニルクロリド6.9g(0.06mol)、ピリジン18.2g(0.23mol)を添加し、室温で15時間撹拌放置し、ポリマー鎖の全アミン末端基の99%をメタンスルホニル基で封止した。この際の反応率は、投入したメタンスルホニルクロリドの残量をHPLCで追跡することにより容易に算出することができる。その後、上記反応液を5Lの水に高速攪拌下で滴下し重合体を分散析出させ、これを回収した後、適宜水洗、脱水後に真空乾燥を施し、ヒドロキシポリアミド(P −1)を得た。
【0064】
また、さらにポリマーの精製が必要な場合は、以下の方法にて実施することが可能である。すなわち、上記で得られたポリマーをGBLに再溶解した後、これを前記アミドフェノールの合成に用いたのと同様方法により陽イオンおよび陰イオン交換樹脂にて処理し、次にこの溶液をイオン交換水中に投入することでポリマーを再沈、析出させる。さらにこれを、水洗、濾過を繰り返した後真空乾燥することにより精製されたポリマーを得ることができる。
【0065】
<ポリマー製造例2>
500mL容のセパラブルフラスコに、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物32.2g(0.1mol)と3,5ジヒドロキシベンジルアルコール28.6g(0.204mol)とDMAc100mLを入れた。この混合液を室温で24時間撹拌した。
次にこのフラスコ内を5℃まで冷却した後、m-フェニレンジアミン10.3g(0.095mol)、ピリジン15.8g(0.2mol)およびDMAc20mLを加えた。さらに、ジシクロヘキシルカルボジイミド41.3g(0.2mol)をDMAc40mLに溶解させた溶液を前記フラスコに約30分間かけて滴下した。その後室温まで戻しそのまま3時間反応させ、生成した不溶物を濾別した後、得られた溶液をイオン交換水4L中に滴下することでポリマーを析出させ、これを分取後真空乾燥することにより側鎖にフェノール性水酸基を有するポリアミド酸エステル(P−2)を得た。
【0066】
【参考例1】
製造したポリマー(P−1)100重量部、下記構造式で示されるジアゾナフトキノン(Q−1)15重量部、実施例1で合成したアミドフェノール(AF−2)5量部をGBLに150gに溶解し、感光性樹脂組成物を調製した。
【0067】
【化29】
【0068】
【化30】
【0069】
このポジ型感光性樹脂組成物を、事前にアミノシラン系カップリング剤にて処理したシリコンウェハー上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレート120℃で4分乾燥し、膜厚約12μmの塗膜を得た。
この塗膜に、テストパターン付きレチクルを通してi線ステッパー(ニコン製)で350mJ/cm2の露光を行った。次にこの露光膜を東京応化製NMD−3現像液(2.38%TMAH水溶液)を用いて露光部を溶解除去したところ、75秒という実用上申し分のない短時間で現像が完了した。その後純水で30秒間リンスを行い、得られたパターンを光学顕微鏡観察で観察したところ5μmのパターン(バイアホール、ラインアンドスペースなど)が残渣もなくきれいに解像されていた。また、この時の残膜率(現像後の膜厚/現像前の膜厚)は91%でり、高いコントラストを示した。
【0070】
【参考例2】
アミドフェノールを(AF−3)に、PACを下記構造式で示される(Q−2)に代えたこと以外は、参考例1と同様にして感光特性評価を行った。
【0071】
【化31】
【0072】
【化32】
【0073】
【参考例3】
アミドフェノールを(AF−4)に代えたこと以外は、参考例1と同様にして感光特性評価を行った。
【0074】
【参考例4】
ポリマーを(P−2)に、PACを(Q−2)に代えた以外は、参考例1と同様にして感光特性評価を行った。
【0075】
【比較例1】
アミドフェノールを使用しないこと以外は、参考例1と同様にして感光特性評価を行った。その結果、現像時間が180秒とアミドフェノールを使用しない場合に比べ2倍以上を要した。また、そのため未露光部の残膜率は75%とかなり低くなり、満足の行くコントラストが得られなかった。
【0076】
【比較例2】
アミドフェノールの代りにビスフェノールFを使用すること以外は、参考例1と同様にして感光特性評価を行った。
【0077】
【比較例3】
アミドフェノールの代りに下記構造式で示されるフェノール(PH−1)を使用すること以外は、参考例1と同様にして感光特性評価を行った。
【0078】
【化33】
【0079】
以上、参考例1〜4、比較例1〜3の評価結果を表1に示す。
【0080】
【表1】
【0081】
【発明の効果】
本発明により新規なアミドフェノール化合物が提供され、本発明のアミドフェノール化合物を含むポジ型感光性樹脂組成物を用いことにより、短時間で現像が行なわれ、かつ高感度、高コントラストのパターン形成が可能となる。

Claims (2)

  1. 下記一般式(1)又は(2)
    [式中Xは下記に示される中から選ばれる基または単結合を示し、
    は下(a)または(b)に示される基、
    ・・・(a)
    (式中R1は炭素数1〜15の炭化水素基、R2は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基またはハロゲン、R3は炭素数2〜10の飽和脂肪族炭化水素基
    ・・・(b)
    で表されるアミドフェノール化合物、アルカリ可溶性ポリマー、及びo−ナフトキノンジアジド化合物からなるポジ型感光性樹脂組成物
  2. 前記アミドフェノール化合物が、下記一般式(1)または(2)
    式中Xが下記に示される基であり、
    かつ、Yが下記に示される基
    ]で表されるアミドフェノール化合物である請求項1に記載のポジ型感光性樹脂組成物
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