JP5284665B2 - ナフトキノンジアジド化合物含有感光性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、光活性剤として好適に利用できる新規ナフトキノンジアジド化合物、該化合物を用いたポジ型感光性樹脂組成物、並びに該ポジ型感光性樹脂組成物から形成された耐熱性被膜を有する半導体装置及び当該半導体装置の製造方法に関する。
従来、半導体素子の表面保護膜や層間絶縁膜としては、優れた耐熱性、電気特性、機械特性などを併せ持つポリイミド樹脂やポリベンゾオキサゾール樹脂が用いられている。これら樹脂は、通常、その前駆体組成物を塗布した後、熱処理を行い、イミド化又はオキサゾール化により、樹脂層を形成する。この樹脂層をパターン化する必要がある場合は、一般に感光性の前駆体組成物が用いられている。その理由は、感光性前駆体組成物であれば、これを塗布した後、活性光線により露光し、次いで現像、熱イミド化等の処理を施すことによって簡単にポリイミドパターンを形成させることができるので、非感光性のポリイミドを用いた場合に比べて大幅な工程の短縮が可能となるからである。
これらの感光性性能として、添加する感光剤の選択によりポジ型とネガ型、及びアルカリ現像タイプと溶剤現像タイプが挙げられるが、最近では、フォトレジストと同様に希薄アルカリ水溶液で現像可能なアルカリ現像タイプの耐熱性感光性樹脂材料の提案が種々なされている。
中でもアルカリ現像タイプのヒドロキシポリアミド、例えばポリベンゾオキサゾール(以下、「PBO」ともいう。)前駆体をナフトキノンジアジドなどの光活性成分(以下、「PAC」ともいう。)と混合して用いる方法が近年注目されている(例えば、特許文献1、2参照)。
これらの樹脂は露光及びアルカリ水溶液による現像で、ポジパターンを容易に形成することができ、現像性、保存安定性も良好で、パターン化後熱硬化によりポリベンズオキサゾール化することができ、耐熱性、機械特性、電気特性などの膜特性を有する被膜を得ることができる。
元来、ナフトキノンジアジドを用いた感光性樹脂組成物の場合、アルカリ可溶性ポリマーにナフトキノンジアジドを添加することにより、組成物のアルカリ溶解性を低下させる(溶解抑止)能力が発現し、未露光部の現像液への溶解に対する耐性が生じる。一方、露光部は、ナフトキノンジアジドがインデンカルボン酸に変換され、溶解抑止能力が消失して現像液に溶解するようになる。
この露光部と未露光部の間のアルカリ溶解性の差を利用してパターニングを行うわけであるが、高感度でかつ高残膜率(高コントラスト)のパターニング性能を得るに際しては、露光部と未露光部の間の溶解性の差を十分に取ることができるPACの選定が重要となる。
すなわち、未露光部では、PACの添加によりアルカリ可溶性ポリマーのアルカリ水溶液への溶解性を極端に低下させることで、アルカリ現像液への溶解に対する十分な耐性を持たせ、一方、露光部では、僅かな光によっても効率よく分解し、十分なアルカリ溶解性が発現するような高感度なPACを用いなければならない。
中でも、ある特定の構造をもつPACを用いることで、高感度を達成するポジ型感光性樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献3参照)。ある特定の構造をもつPACは、厚膜条件下においても、未露光部の現像液への溶解に対する耐性を高いレベルに保ったまま、露光部における短時間の露光によっても充分なアルカリ溶解性を実現しうる高感度なものであるが、半導体用途として特許文献3に開示のポジ型感光性樹脂組成物を用いる場合、保存安定性が悪いという問題点があり、未だ改良する必要性がある。
特公平01−046862号公報 特開昭63−096162号公報 特開2003−131368号公報
本発明が解決しようとする課題は、感度が高く、高解像度を示し、保存安定性が良好な、ポジ型感光性樹脂組成物を実現するための新規光活性剤を提供することであり、更に詳しくは、ハロゲン元素を含まないナフトキノンジアジド化合物を提供することである。
本発明者らは、特定の構造を有するアミドフェノール化合物から得られる新規ナフトキノンジアジド化合物が、前記要求特性を満足し得ることを発見し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下[1]〜[9]に記載の通りのものである。
[1] 下記一般式(1):
Figure 0005284665
{式中、R及びR2は、互いに独立に、1価の有機基(水素は除く)であり、Q及びQは、互いに独立であり、かつ、Q及びQの内の少なくとも1つは下記式(2):
Figure 0005284665
で示される二つの基のいずれかであり、そしてXは、ハロゲン元素を含まない2価の基又は単結合である。}で表されるナフトキノンジアジド化合物。
[2] R及びRがアルキル基である、前記[1]に記載のナフトキノンジアジド化合物。
[3] Xが−CR−(ここで、R及びRは1価の有機基である。)である、前記[1]又は[2]に記載のナフトキノンジアジド化合物。
[4] R、R、R、及びRがメチル基である、前記[3]に記載のナフトキノンジアジド化合物。
[5] Xが下記式(3):
Figure 0005284665
である、前記[1]1又は[2]に記載のナフトキノンジアジド化合物。
[6] R及びRがメチル基である、前記[5]に記載のナフトキノンジアジド化合物。
[7] アルカリ可溶性樹脂100質量部に対し、前記[1]〜[6]のいずれかに記載のナフトキノンジアジド化合物1〜50質量部を含有することを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物。
[8] 前記[7]に記載のポジ型感光性樹脂組成物から形成された耐熱性被膜を有することを特徴とする半導体装置。
[9] 前記[7]に記載のポジ型感光性樹脂組成物を、半導体素子上に塗布し、プリベーク、露光、現像、そして加熱することを特徴とする半導体装置の製造方法。
本発明のナフトキノンジアジド化合物はハロゲン元素を含まず、ポジ型感光性樹脂組成物に用いた場合に、高感度、高解像度を示し、保存安定性が良好である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のナフトキノンジアジド化合物:
Figure 0005284665
は、特定のアミノフェノール化合物からイミドフェノール化合物を経由して合成される。
<イミドフェノール化合物の合成方法>
本発明のイミドフェノール化合物は、アミノフェノール化合物1当量に対して、1.5〜2.5当量のジカルボン酸無水物を作用させて得ることができる。
出発物質であるアミノフェノール化合物からイミドフェノール化合物を合成するための反応は、塩基触媒を加え、約0〜100℃で、約1〜30時間で行う。出発物質であるアミノフェノール化合物の具体例としては、以下のものが挙げられる:
Figure 0005284665
また、アミノフェノール化合物に作用させるジカルボン酸無水物の具体例としては、メチルノルボルネン無水物を置換基として有するメチル−5−ノルボルネンジカルボン酸無水物が挙げられる。
前記イミドフェノール化合物を合成する際に、通常用いられる溶剤としては、原料のアミノフェノール化合物及びカルボン酸又はカルボン酸クロリドを共に溶解するものが好ましく、N,N−ジメチルアセトアミド(以下、「DMAc」ともいう。)、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン(以下、「NMP」ともいう。)、γ−ブチロラクトン(以下、「GBL」ともいう。)、ジメチルスルホキシド(以下、「DMSO」ともいう。)、テトラヒドロフラン(以下、「THF」ともいう。)等が挙げられる。溶剤の添加量は選択するアミノフェノールとカルボン酸無水物が溶解する量であれば、いくらでも構わないが、アミノフェノール化合物100質量部に対して、約100〜1000質量部が好ましい。
また、塩基触媒はイミドフェノール化合物の合成反応を加速するために加えられる。塩基触媒としては、例えば、ピリジン、ピコリン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(以下、「DABCO」ともいう)、ジアザビシクロウンデセン(以下、「DBU」ともいう)が挙げられる。
塩基触媒の添加量は、アミノフェノールの有するアミノ基1当量に対して、約1〜2当量である。
このようにして合成されたイミドフェノール化合物は、水等の貧溶媒中で再沈殿させた後、THF等の溶剤に再溶解し、陽イオン交換樹脂で処理することで塩基性化合物を除去することができる。こうして処理された溶液を水中にて再沈殿後、濾過、加熱乾燥することにより目的物を単離することができる。
<ナフトキノンジアジド化合物の合成方法>
ナフトキノンジアジド化合物(以下、「NQD」ともいう。)は、前記したイミドフェノール化合物のフェノール性水酸基の一部又は全てをキノンジアジドスルホン酸エステル化することにより、得ることができる。
キノンジアジドスルホン酸エステル化に当たっては、1,2−ナフトキノンジアジド構造を有する各種のスルホン酸誘導体を用いることができるが、好ましくは、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニルクロライド又は1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロライドが好ましい。また、これらのエステル化剤は単独で又は混合して使用してもよい。
NQDは、イミドフェノールのヒドロキシ基1当量に対して、スルホン酸誘導体約0.8〜1当量を約25〜40℃で約1時間〜3時間反応させることで得られる。
この反応は、通常、脱ハロゲン化水素剤の存在下で行われる。脱ハロゲン化水素剤としては、一般にハロゲン化水素と塩を形成しうる塩基性の化合物、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどの無機塩基類、エチルアミン、エタノールアミン、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジンなどのアミン類などが挙げられる。
脱ハロゲン化水素剤は、単独で又は数種を混合して用いることができ、数種を段階的に添加して用いてもよい。添加量はアミドフェノールのヒドロキシ基1当量に対して、約1〜1.3当量である。
エステル化反応は、通常、溶媒中で行われる。反応溶媒としては、ジオキソラン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどのエーテル類、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのグライム類、ガンマブチロラクトンなどのラクトン類、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド類、アセトン、メチルエチルケトンなどの脂肪族ケトン類などを使用することができるがこれらに限定されない。溶媒の添加量はエステル化反応が進行する量であればいくらでも構わないが、好ましくは、イミドフェノール100質量部に対して、約200〜2000質量部である。
<ポジ型感光性樹脂組成物>
本発明のナフトキノンジアジド化合物は、アルカリ可溶性樹脂を含むポジ型感光性樹脂組成物の成分として好適に用いられ、特に該アルカリ可溶性樹脂がフェノール性水酸基を有するポリマー、好ましくは重量平均分子量(Mw)が約5000〜50000のポリマー、具体的にはポリイミド、ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾオキサゾール前駆体、ノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレンなどの場合に、有用である。
ナフトキノンジアジド化合物の添加量は、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、約1〜50質量部の範囲である。
また、本発明のナフトキノンジアジド化合物を含有するポジ型感光性樹脂組成物は、これらの成分を溶剤に溶解したワニス状の形態をとる。ここで用いる溶剤としては、DMAc、ジメチルホルムアミド、NMP、GBL、DMSO、THF等が挙げられ、溶剤は単独でも混合して用いてもよい。溶剤の使用量は、得られる膜厚によって異なり、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、約70〜1900質量部の範囲である。
本発明のナフトキノンジアジド化合物を含有するポジ型感光性樹脂組成物は、次のように使用しうる。まず、該組成物を、適当な基板、例えばシリコンウエハー、セラミック基板、アルミ基板等にスピナーを用いた回転塗布やロールコーターによって塗布する。これをオーブンやホットプレートを用いて50〜140℃で10秒〜1時間乾燥し、マスクを介して、コンタクトアライナーやステッパーを用いて化学線の照射を行う。次に照射部を現像液で溶解除去し、引き続きリンス液によるリンスを行うことで所望のレリーフパターンを得る。現像方法としては、スプレー、パドル、ディップ、超音波等の方式が可能である。リンス液は蒸留水、脱イオン水等を使用しうる。得られたレリーフパターンを約200〜380℃で約10秒〜2時間、加熱処理して、耐熱性被膜を形成する。
上記ポジ型感光性樹脂組成物は半導体用途のみならず、多層回路の層間絶縁やフレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜や液晶配向膜としても有用である。半導体用途の具体的な好ましい例は、半導体表面保護膜、層間絶縁膜、再配線用絶縁膜、フリップチップ装置用保護膜、バンプ構造を有する装置の保護膜などである。
以下、非制限的な実施例に基づき、本発明の実施形態の具体例を説明する。
[参考例1]
<ポリマー製造例1>
容量2リットルのセパラブルフラスラスコ中で、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン197.8g(0.54mol)、ピリジン71.2g(0.9mol)、DMAc692gを室温(25℃)で混合攪拌し、ジアミンを溶解させた。これに、別途ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)88g中に5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物29.6g(0.18mol)を溶解させたものを、滴下ロートより滴下した。滴下に要した時間は40分、反応液温は最大で28℃であった。
滴下終了後、湯浴により50℃に加温し18時間撹拌した後、反応液のIRスペクトルの測定を行い1385−1及び1772cm−1のイミド基の特性吸収が現れたことを確認した。
次にこれを水浴により8℃に冷却し、これに別途DMDG398g中に4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸ジクロリド132.8g(0.45mol)を溶解させたものを、滴下ロートより滴下した。滴下に要した時間は80分、反応液温は最大で12℃であった。
滴下終了から3時間後、上記反応液を12Lの水に高速攪拌下で滴下し、重合体を分散析出させ、これを回収し、適宜水洗、脱水の後に真空乾燥を施し、ポリベンゾオキサゾール前駆体(P−1)を得た。
このようにして合成されたポリベンゾオキサゾール前駆体(P−1)のゲルパーミテションクロマトグラフィー法(以下、「GPC」という。)による重量平均分子量は、ポリスチレン換算で8900であった。GPCの分析条件は以下のとおりであった:
カラム:昭和電工社製 商標名 Shodex KF807/806M/806M/80 2.5
容離液:テトラヒドロフラン 40℃
流速 :1.0ml/分
検出器:昭和電工製 商標名 Shodex RI RI−101
[参考例2]
<ポリマー製造例2>
容量1リットルのセパラブルフラスラスコ中で、(4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス(2−アミノフェノール)69.2g(0.268mol)、ピリジン12.7 g(0.16mol)、NMP276gを室温(25℃)で混合攪拌し、ジアミンを溶解させた。
次にこれをドライアイス−メタノール浴により−20℃に冷却し、これに別途GBL280g中にビス(クロロカルボニル)トリシクロ[5,2,1,02,6]デカン70.0g(0.268mol)を溶解させたものを、滴下ロートより滴下した。滴下に要した時間は30分、反応液温は最大で−10℃であった。
滴下終了後、反応容器を氷浴に浸し、0〜10℃に保って2時間攪拌した。さらにピリジン29.65g(375ミリモル)を添加した。
上記反応液にエタノールを加えていき、重合体を析出させた後、回収し、NMP350ミリリットルに溶解させた。次いで、陽イオン交換樹脂(オルガノ社製、アンバーリストA21)78g、陰イオン交換樹脂(オルガノ社製、アンバーリスト15)75gでイオン交換した。この溶液をイオン交換水3リットルに高速攪拌下で滴下し、これを回収し、適宜水洗、脱水の後に真空乾燥を施し、ポリベンゾオキサゾール前駆体(P−2)を得た。
このようにして合成されたポリベンゾオキサゾール前駆体(P−2)のGPCによる重量平均分子量は、ポリスチレン換算で36800であった。GPCの分析条件は以下のとおりであった:
カラム:昭和電工社製 商標名 Shodex 805M/806M直列
容離液:N−メチルピロリドン 40℃
流速 :1.0ml/分
検出器:日本分光社製 商標名 RI−930
[参考例3]
<イミドフェノール化合物の合成>
容量500mlのセパラブルフラスラスコに4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス(2−アミノフェノール)25.8g(0.1mol)、GBL129g、ピリジン15.8g(0.2mol)を入れ、これに室温でメチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物35.6g(0.2mol)を投入した。そのまま室温で一晩撹拌反応を行った後、低分子GPCにて反応を確認したところ、原料は全く検出されず、生成物が単一ピークとして純度99%で検出された。この反応液をそのまま2リットルのイオン交換水中に撹拌下で滴下し、生成物を析出させた。これを濾別した後、真空乾燥することにより下記構造:
Figure 0005284665
を有するイミドフェノール化合物(A−1)を収率85%で得た。
得られたイミドフェノール化合物(A−1)のH−NMRの測定結果を次に示す:
H−NMRシグナルピーク:1.3〜1.7(m)、1.8(m)、2.1〜2.2(m)、2.4〜2.5(m)、2.8〜3.4(m)、4.2〜4.3(m)、5.6〜7.1(m)、7.3(m)、7.8(m)、8.6(m)、9.4(br)、9.8(br)。
また、得られたイミドフェノール化合物(A−1)のH−NMRスペクトルデータを図1に示す。
H−NMRの測定条件は以下のとおりであった:
装置:ブルカー・バイオスピン株式会社製 BulkerGPX スペクトロメーター
溶媒:重クロロホルム(Uvasol社製 Chloroform−D1 MERCK)
測定温度:25℃
[実施例1]
<ナフトキノンジアジド化合物の合成>
参考例3で得られたイミドフェノール化合物(A−1)28.9g(0.05モル)に、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニルクロライド26.2g(0.0975モル)、及びアセトン258gを加え、30℃で撹拌溶解した。これに、トリエチルアミン12.1g(0.12モル)をアセトン48gで希釈したものを、30分かけて一定速度で滴下した。この際、反応液は氷水浴などを用いて20〜30℃の範囲で温度制御した。
滴下終了後、更に30分間、30℃で撹拌放置した後、反応液に、36重量%濃度の塩酸水溶液3.3gを加え、次いで反応液を氷水浴で冷却し、析出した固形分を吸引濾別した。こうして得られた濾液を、0.5重量%濃度の塩酸水溶液1リットルに、その撹拌下で1時間かけて滴下し、目的物を析出させ、吸引濾別して回収した。得られたケーク状回収物を、再度イオン交換水5リットルに分散させ、撹拌、洗浄、濾別回収し、この水洗操作を3回繰り返した。最後に得られたケーク状物を、40℃で24時間真空乾燥し、下記構造:
Figure 0005284665
を有するナフトキノンジアジド化合物(Q−1)を得た。
参考例3で得られたイミドフェノール化合物(A−1)のH−NMRの測定条件と同じ条件で、ナフトキノンジアジド化合物(Q−1)のH−NMRを測定した結果を次に示す:
H−NMRシグナルピーク:1.1ppm(m)、1.2ppm(m)、1.3ppm(m)、1.4〜1.6ppm(m)、1.8ppm(m)、1.9〜2.2ppm(m)、2.4〜2.5ppm(m)、2.7〜3.6ppm(m)、4.2ppm(m)、5.4ppm(m)、5.7〜5.8ppm(m)、5.8(m)〜6.1ppm(m)、6.2〜6.5ppm(m)、6.8〜7.5ppm(m)、7.6〜8.6ppm(m)。
また、得られたナフトキノンジアジド化合物(Q−1)のH−NMRスペクトルデータを図2に示す。
[参考例4]
<イミドフェノール化合物の合成>
参考例1の(4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス(2−アミノフェノール)25.8gの代わりに、下記構造:
Figure 0005284665
を有するアミノフェノールを32.4g使用する以外は、同様の操作を行った。
その結果、下記構造:
Figure 0005284665
を有するイミドフェノール化合物(A−2)を得た。
参考例3で得られたイミドフェノール化合物(A−1)のH−NMRの測定条件と同じ条件で得られたイミドフェノール化合物(A−2)のH−NMRを測定した結果を次に示す:
H−NMRシグナルピーク:1.3〜1.8ppm(m)、2.1〜2.2ppm(m)、2.3〜2.5ppm(m)、2.8ppm(s)、2.9ppm(s)、3.1ppm(s)、3.2ppm(s)、3.3〜3.5ppm(m)、4.2〜4.3ppm(m)、5.7ppm(br)、5.8ppm(s)、6.2ppm(br)、6.3ppm(s)、6.4〜6.6ppm(m)、6.7〜6.9ppm(m)、7.1ppm(br)、7.3〜7.5ppm(m)、7.7〜7.8(m)、8.6ppm(s)、9.9ppm(s)、10.2ppm(br)。
また、得られたイミドフェノール化合物(A−2)のH−NMRスペクトルデータを図3に示す。
[実施例2]
<ナフトキノンジアジド化合物の合成>
実施例1において使用したイミドフェノール化合物(A−1)28.9gの代わりに、参考例4において得られたイミドフェノール化合物(A−2)32.2gを、使用する以外は、実施例1と同様の操作を行い、下記構造:
Figure 0005284665
を有するナフトキノンジアジド(Q−2)を得た。
実施例1で得られたイミドフェノール化合物(Q−1)のH−NMRの測定条件と同じ条件で得られたナフトキノンジアジド(Q−2)のH−NMRを測定した結果を次に示す:
H−NMRシグナルピーク:1.2ppm(s)、1.2〜1.8ppm(m)、2.1〜2.2ppm(m)、2.3〜2.5ppm(m)、2.6〜3.5ppm(m)、4.2〜4.3ppm(m)、4.6ppm(s)、5.7〜6.4ppm(m)、6.7〜8.5ppm(m)。
また、得られたナフトキノンジアジド(Q−2)のH−NMRスペクトルデータを図4に示す。
[比較例1]
参考例3のメチル−5−ノルボルネンジカルボン酸無水物の代わりに、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物32.8g(0.2mol)を用いて、参考例3と同様に合成を行ったところ、得られたイミドフェノール化合物(B−1)がアセトンに溶解せず、ナフトキノンジアジド化するのが困難であった。
[比較例2]
参考例4のメチル−5−ノルボルネンジカルボン酸無水物の代わりに、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物32.8g(0.2mol)を用いて、参考例4と同様に合成を行ったところ、得られたイミドフェノール化合物(B−2)がアセトンに溶解せず、ナフトキノンジアジド化するのが困難であった。
<ポジ型感光性樹脂組成物の調製およびその評価>
(実施例3〜6、比較例3及び4)
上記参考例1及び2において得られたポリベンゾオキサゾール前駆体(P−1)又は(P−2)各100質量部に対し、実施例1又は2において得られたナフトキノンジアジド化合物(Q−1)又は(Q−2)、下記構造:
Figure 0005284665
を有する化合物(Q−3)、あるいは下記構造:
Figure 0005284665
を有する化合物(Q−4)の特定量を、それぞれ、GBL185質量部に溶解し、以下の表1に示す組合せで実施例3〜6、及び比較例3及び4の組成物を調製した。その後、1.0μmのフィルターで濾過してポジ型感光性樹脂組成物を最終調製し、そのパターニング特性感度及び解像度)評価、及び保存安定性(ワニス析出安定性)評価を実施した。
(1)パターニング特性(感度及び解像度)評価
上記ポジ型感光性樹脂組成物を東京エレクトロン社製スピンコーター(CLEANTRACK MK−8)にて、6インチシリコンウエハーにスピン塗布し、125℃、180秒間ホットプレートにてプリベークを行い、11μmの塗膜を形成した。膜厚は大日本スクリーン製造社製膜厚測定装置(ラムダエース)にて測定した。
この塗膜に、テストパターン付きレチクルを通してi線(365nm)の露光波長を有するニコン社製ステッパー(NSR2005i8A)を用いて露光量を段階的に変化させて露光した。
これをAZエレクトロニックマテリアルズ社製アルカリ現像液(AZ300MIFデベロッパー、2.38重量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液)を用い、23℃の条件下で現像後膜厚が9.3μmとなるように調整して現像を行い、ポジ型レリーフパターンを形成した。感光性樹脂組成物の感度、及び解像度を以下の表1に示す。
なお、感光性樹脂組成物の感度、及び解像度は、次のようにして評価した。
[感度(mJ/cm)]
所定の現像時間において、塗膜の露光部を完全に溶解除去しうる最小露光量。
[解像度(μm)]
上記露光量での最小解像パターン寸法。
以下の表1に示す結果から、本発明のポジ型感光性樹脂組成物を用いることにより、高感度、高解像度のパターンを形成することができることが分かる。
(2)保存安定性(ワニス析出安定性)評価
上記、ポジ型感光性樹脂組成物を、室温で1週間又は2週間放置したときに、固形分の析出が認められるかどうかを目視で観察した結果を以下の表1に示す。
表1に示した結果から、本発明のナフトキノンジアジド化合物は、感光性樹脂組成物中での保存安定性に優れていることが分かる。
Figure 0005284665
本発明のナフトキノンジアジド化合物及びその製造に有用な中間体であるアミドフェノール化合物は、ポジ型感光性樹脂組成物の成分として使用することにより、半導体装置の表面保護膜、層間絶縁膜、及び再配線用絶縁膜、フリップチップ装置用保護膜、バンプ構造を有する装置の保護膜、多層回路の層間絶縁膜、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、電子部品、表示素子、並びに液晶配向膜等として好適に利用できる。
参考例3で合成したイミドフェノール化合物(A−1)のH−NMRの測定結果を示すスペクトルである。 実施例1で合成したナフトキノンジアジド化合物(Q−1)のH−NMRの測定結果を示すスペクトルである。 参考例4で合成したイミドフェノール化合物(A−2)のH−NMRの測定結果を示すスペクトルである。 実施例2で合成したナフトキノンジアジド化合物(Q−2)のH−NMRの測定結果を示すスペクトルである。

Claims (4)

  1. アルカリ可溶性樹脂100質量部、及び該アルカリ可溶性樹脂100質量部に対し、下記一般式(1):
    Figure 0005284665
    {式中、R及びR2は、メチル基であり、Q及びQの内の少なくとも1つは下記式(2):
    Figure 0005284665
    で示される二つの基のいずれかであり、残りは水素原子であり、そしてXは、単結合、−CR−(ここで、R及びRメチル基である。)、下記式(3):
    Figure 0005284665
    で示される基、又は下記式(4):
    Figure 0005284665
    で示される基である。}で表されるナフトキノンジアジド化合物1〜50質量部を含有することを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載のポジ型感光性樹脂組成物から形成された耐熱性被膜を有することを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項1に記載のポジ型感光性樹脂組成物を、半導体素子上に塗布し、プリベーク、露光、現像、そして加熱することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 下記一般式(1):
    Figure 0005284665
    {式中、R及びR2は、メチル基であり、Q及びQの内の少なくとも1つは下記式(2):
    Figure 0005284665
    で示される二つの基のいずれかであり、残りは水素原子であり、そしてXは、単結合、−CR −(ここで、R 及びR はメチル基である。)、下記式(3):
    Figure 0005284665
    で示される基、又は下記式(4):
    Figure 0005284665
    で示される基である。}で表されるナフトキノンジアジド化合物。
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