JP4942552B2 - ポリアミド及びポジ型感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
ところが、上記感光性ポリイミド前駆体組成物を使用する場合、その現像工程においては、現像液として多量の有機溶剤を用いる必要があり、コストの観点、安全性、および近年の環境問題への関心の高まり、などから、脱有機溶剤対策が求められてきている。これを受け、最近になってフォトレジストと同様に、希薄アルカリ水溶液、中でも半導体装置の製造行程で通常使用される現像液(2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液)で現像可能な耐熱性感光性樹脂材料の提案が各種なされている。
この他にも、フェノール性水酸基を主鎖に導入したポリマーとPACとの組み合わせ、フェノール性水酸基を側鎖に導入したポリマーとPACとの組み合わせ、及び骨格にトリメリット酸を利用しポリイミド前駆体ユニットとPBO前駆体ユニットが交互に連なるポリイミド前駆体−PBO前駆体ポリマーとPACとの組み合わせ等多数のものが、希薄アルカリ水溶液で現像可能な耐熱性感光性樹脂組成物として提案されている。
ポリアミドにフェノール性水酸基を導入する方法としては、互いにオルト位にあるアミノ基及びフェノール性水酸基を有する芳香族ジアミン(以下、「フェノール性ジアミン」ともいう。)をポリアミドの原料としてカルボン酸と脱水縮合させる方法が一般的である。このフェノール性ジアミンの水酸基の酸性度が低い場合は、ポリアミドが希薄アルカリ水溶液に溶解せず、現像時に露光部の溶け残りが生じたり、現像そのものが不可能となることがある。一方、フェノール性ジアミンの水酸基の酸性度が高い場合にはPACとの相互作用が弱く、現像時に未露光部も溶けてしまい、良質なレリーフパターンを得ることができない。また、感光性樹脂組成物として使用するために、ポリアミドがi線等の化学線に対する透明性に優れることが必要がある。
そのような透明性がより高く、ハロゲン原子を含まない耐熱性樹脂前駆体組成物としては、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホンとジカルボン酸との脱水縮合物からなるPBO前駆体、及び該前駆体を含むポジ型感光性樹脂組成物が、例えば特許文献2及び特許文献3で提案されている。しかしながら、後述する比較例で示すように、本発明者らが確認したところ、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホンは酸性が強く、半導体装置の製造工程で通常使用される現像液(2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液)では良好なレリーフパターンを得ることができなかった。特許文献2に記載されている実施例によると、ジカルボン酸としてフッ素原子を有する化合物を使用しており、さらに、現像液も0.79%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を使用している。すなわち、未露光部の現像液への溶解性を下げる為に、特定のジカルボン酸と組合せ、かつ現像液のアルカリ性を低下させる必要があったものと理解される。
また、有機溶剤に可溶であり、かつアルカリ水溶液で現像が可能である組成物として、フェノール性水酸基を有するポリイミドとPACからなる組成物が、特許文献5で提案されている。また、フェノール性水酸基を有するイミドとカルボン酸基を有するベンゾオキサゾールのコポリマーとPACからなる組成物が特許文献5で提案されている。しかしながら、両文献に開示のポリマーは共に、元来、溶剤可溶性の重縮合物であり、熱硬化反応後も膜の溶剤に対する溶解性が高く、耐溶剤性が低いという課題があった。
なお、下記の特許文献10は、ポリイミドに含まれるジカルボン酸である5−アミノイソフタル酸誘導体の先行技術であり、後述する発明を実施するための最良の形態で引用する。下記の特許文献11は、本発明におけるポリアミドにおいて、その末端基における封止基の先行技術であり、後述する発明を実施するための最良の形態で引用する。また、下記の特許文献12〜18は、PBO前駆体と好適なPACの組合せを記載した先行技術であり、後述する発明を実施するための最良の形態で引用する。
つまり、共重合比を調整することで、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホンとジカルボン酸からなるポリベンゾオキサゾール前駆体ユニットに由来するアルカリ現像液に対する高い溶解性をコントロールすることにより、熱硬化前のポリマーの有機溶剤に対する溶解度を上げ、熱硬化後のレリーフパターンの耐溶剤性はビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホンとジカルボン酸からなるポリベンゾオキサゾール前駆体ユニットに含まれるヒドロキシアミド部が熱硬化時にオキサゾール環化反応を起こさせることで可能にするとの着想を得て、検討の結果、本発明をなすに至った。
本発明の第三は、本発明の第二のポジ型感光性樹脂組成物を層またはフィルムの形で基板上に形成する塗布工程、該層または該フィルムをマスクを介して化学線で露光するか、または光線、電子線、もしくはイオン線を直接照射する露光工程、該露光部または該照射部を現像液で溶出または除去する現像工程、及び得られたレリーフパターンを加熱する加熱工程を含む、硬化レリーフパターンの形成方法である。
本発明の第四は、本発明の第三の形成方法により得られる硬化レリーフパターンを有してなる半導体装置である。
<ポリアミド>
本発明のポリアミドについて、以下説明する。
本発明のポリアミドはビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン及びジカルボン酸を脱水縮合した繰り返し構造を有するポリベンゾオキサゾール前駆体ユニット、ならびにフェノール性水酸基を有さないジアミン及びフェノール性水酸基を有さないテトラカルボン酸を脱水縮合した繰り返し構造を有するポリイミドユニットの両方のユニット構造を有するポリアミドであり、下記一般式(1)〜(3)のいずれかで表されるポリアミドである。
本発明における溶剤可溶のポリアミドの製造方法としては、まず、ポリイミドユニットの原料であるフェノール性水酸基を有さないテトラカルボン酸無水物とフェノール性水酸基を有さないジアミンとを有機溶媒に溶かし、30℃〜220℃、好ましくは50℃〜180℃に加熱することにより脱水縮合反応させ、ポリイミドユニットを合成する。また、γ−バレロラクトンと、ピリジンまたはメチルモルフォリンを触媒として組み合わせて用いることができる。
脱水縮合反応を行う際の反応溶媒としては、水を共沸させるための溶媒であるトルエンに加え、ポリイミドユニットを溶解させるための極性の有機溶媒を使用することが好ましい。これらの極性溶媒としては、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、テトラメチル尿素、又はスルホラン等が用いられる。
イミド化が終了した後、反応液の温度を下げ、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホンと予め酸クロリド化したジカルボン酸を、トリエチルアミン、又はピリジン等の酸受容剤の存在下で、室温乃至−30℃で反応させることにより、所望のビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホンを含むポリベンゾオキサゾール前駆体ユニットと、ポリイミドユニットの両方のユニット構造を有する溶剤に可溶なポリアミドを得ることが出来る。
重量平均分子量の好ましい範囲としては、ポリスチレン換算での重量平均分子量で5000〜50000が好ましく、8000〜25000がより好ましい。分子量が5000以上で機械物性が向上し、50000以下で2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液への分散性がよくなり、レリーフパターンの解像性能が向上する。重量平均分子量を制御するには、フェノール性水酸基を有さないテトラカルボン酸二無水物とジカルボン酸の和に対して、ジアミン成分の和のモル比を1:0.75〜0.9または、0.75〜0.9:1の比で反応させることが好ましい。1:1で仕込み、反応時間を短くすることで分子量を制御することも可能であるが、この場合は、組成物の室温時の保存安定性が良くない。
さらに、本発明におけるポリアミドにおいて、その末端基を特定の有機基で封止することも本発明の範囲に含まれる。このような封止基としては、例えば、特許文献11に記載されている有機基が挙げられ、これらで封止した場合、加熱硬化後の硬化レリーフパターンの機械物性や形状が良好となることが期待される。
このようにして得られたポリアミド溶液は、そのまま後述する感光性ジアゾキノン化合物を加えてポジ型感光性樹脂組成物として使用してもよいし、精製工程を経てポリアミド(以下、「重合体」ともいう。)を単離し、有機溶剤に再溶解させてから使用してもよい。具体的な精製工程としては、まず、上記製法により得られたポリアミド溶液にメタノール、エタノール、イソプロパノール、または水といった貧溶媒を加えてポリアミドを析出させ、次にγ−ブチロラクトンやN−メチルピロリドン等の良溶媒に再度溶解させ、その溶解液をイオン交換樹脂を充填したカラムに通すことでイオン性の不純物を取り除く。最後に、その溶解液を純水に落として析出物を濾別し、真空乾燥を行うといった精製工程である。これにより、低分子量成分やイオン性の不純物等を取り除くこともできる。
本組成物に用いられる(B)感光性ジアゾナフトキノン化合物は、以降に詳述する特定構造を有するポリヒドロキシ化合物の1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、及び該ポリヒドロキシ化合物の1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルからなる群から選択される少なくとも一種の化合物(以下、「ポリヒドロキシ化合物のNQD化物」ともいう。)である。
該感光性ジアゾナフトキノン化合物は、常法に従って、ナフトキノンジアジドスルホン酸化合物を、クロロスルホン酸または塩化チオニルでスルホニルクロライドとし、得られたナフトキノンジアジドスルホニルクロライドと、ポリヒドロキシ化合物とを縮合反応させることにより得られる。例えば、ポリヒドロキシ化合物と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリドまたは1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニルクロリドの所定量をジオキサン、アセトン、またはテトラヒドロフラン等の溶媒中において、トリエチルアミン等の塩基性触媒の存在下反応させてエステル化を行い、得られた生成物を水洗、乾燥することにより得ることができる。
1.下記一般式(5)で表されるポリヒドロキシ化合物のNQD化物
そのなかでも、以下のポリヒドロキシ化合物のNQD化物が、感度が高く、感光性樹脂組成物中での析出性が低いことから好ましい。
本組成物において、(B)感光性ジアゾナフトキノン化合物の添加量は、(A)ポリアミド100質量部に対して1〜100質量部であり、好ましくは3〜40質量部であり、さらに好ましくは10〜30質量部の範囲である。1質量部以上の添加量で感度が向上し、100質量部以下の添加量で感度が向上する。
有機溶剤としては、極性溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、γ−ブチロラクトン、及びモルフォリン等が挙げられる。その他、この極性溶媒以外に、一般的有機溶媒であるケトン類、エステル類、ラクトン類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、または炭化水素類を混合してもよく、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シュウ酸ジエチル、乳酸エチル、乳酸メチル、乳酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ベンジルアルコール、フェニルグリコール、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、アニソール、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等も使用することができる。
本組成物において、(C)有機溶剤の添加量は、(A)ポリアミド100質量部に対して100〜1000質量部であり、好ましくは120〜700質量部であり、さらに好ましくは150〜500質量部の範囲である。100質量部以上の添加量で組成物の粘度が低くなり、塗布膜の膜厚均一性が向上し、1000質量部以下の添加量で組成物の粘度が低下しすぎることが無く、通常、必要とするパターンの膜厚を塗布することが容易になる。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物には、必要に応じて従来からポジ型感光性樹脂組成物の添加剤として公知の染料、界面活性剤、基板との密着性を高めるための接着助剤、溶解促進剤を添加することも可能である。
上記添加剤について更に具体的に述べると、染料としては、メチルバイオレット、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーン等が挙げられる。
染料の添加量は、(A)ポリアミド100質量部に対して0.01〜5.0質量部の範囲が好ましい。
また、界面活性剤としては、ポリプロピレングリコール、またはポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリグリコール類、あるいはその誘導体からなる非イオン系界面活性剤、フロラード(商品名、住友3M社製)、メガファック(商品名、大日本インキ化学工業社製)、あるいはスルフロン(商品名、旭硝子社製)等のフッ素系界面活性剤、KP341(商品名、信越化学工業社製)、DBE(商品名、チッソ社製)、グラノール(商品名、共栄社化学社製)等の有機シロキサン系界面活性剤が挙げられるが、非フッ素という観点からは、有機シロキサン系界面活性剤が好ましい。
界面活性剤の添加量は、(A)ポリアミド100質量部に対して0.01〜5.0質量部の範囲が好ましい。
シランカップリング剤の具体的な好ましい例としては、3−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジアルコキシアルキルシラン、3−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、3−グリシドキシプロピルジアルコキシアルキルシラン、3−アミノプロピルトリアルコキシシラン又は3−アミノプロピルジアルコキシアルキルシランと、酸無水物又は酸二無水物の反応物、3−アミノプロピルトリアルコキシシラン又は3−アミノプロピルジアルコキシアルキルシランのアミノ基をウレタン基やウレア基に変換したものが挙げられる。この際のアルキル基としてはメチル基、エチル基、ブチル基などが、酸無水物としてはマレイン酸無水物、フタル酸無水物などが、酸二無水物としてはピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物などが、ウレタン基としてはt−ブトキシカルボニルアミノ基などが、ウレア基としてはフェニルアミノカルボニルアミノ基などが挙げられる。
また、溶解促進剤としては、フェノール性水酸基を有する化合物が好ましく、例えば、ビスフェノール、あるいはMtrisPC、MtetraPC等の直鎖状フェノール化合物(本州化学工業社製)、TrisP−HAP、TrisP−PHBA、TrisP−PA等の非直鎖状フェノール化合物(本州化学工業社製)、ジフェニルメタンのフェニル基の水素原子2〜5個を水酸基に置換した化合物、3,3−ジフェニルプロパンのフェニル基の水素原子1〜5個を水酸基に置換した化合物、ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホンと1,2−シクロヘキシルジカルボン酸無水物の1対2反応物などを挙げることができる。
溶解促進剤の添加量は、(A)ポリアミド100質量部に対して0.5〜20.0質量部の範囲が好ましい。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物を用いて基板上に硬化レリーフパターンを形成する方法(以下、「本方法」ともいう。)の一例を以下に示す。
まず、該組成物を層またはフィルムの形で基板上に形成する塗布工程を行う。該基板としては、例えば、シリコンウエハー、セラミック基板、またはアルミ基板などが挙げられ、該基板上に塗布する。この時、形成するレリーフパターンと基板との接着性を向上させるため、あらかじめ該基板にシランカップリング剤などの接着助剤を塗布しておいても良い。該組成物の塗布方法としては、スピンナーを用いた回転塗布、スプレーコーターを用いた噴霧塗布、浸漬、印刷、またはロールコーティング等が挙げられる。
上述の硬化レリーフパターンの形成方法を、半導体装置のバッファーコート膜または層間絶縁膜の形成方法として公知の半導体装置製造方法と組み合わせることで、半導体装置を製造することが可能となる。
(ポリマー溶液の製造)
<参考例1>
テフロン製の碇型攪拌器を取り付けた、ガラス製のセパラブル4つ口フラスコに、ディーンスタークトラップ付き冷却管を取り付け、窒素ガスを通じながら、上記フラスコをシリコンオイル浴につけて加熱攪拌し得る反応装置とした。
該反応装置に、2ビシクロ(2、2、2)−オクト−7−エン−2、3、5、6−テトラカルボン酸ジ無水物(東京化成工業社製)(以後BCDという)を7.45g(30ミリモル)、4,4’−ジ(4−アミノフェノキシ)フェニルスルフォンを21.62g(50ミリモル)、γ−バレロラクトンを1.0g(10ミリモル)、ピリジン2.4g(30ミリモル)、N−メチルピロリドン100g、トルエン20gを加えて、窒素ガスを通じながらシリコン浴温度180℃で、180rpmで2時間加熱攪拌する。反応中トルエン、水の留出分を除去した。イミド化反応終了後、室温に戻し、この溶液にビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン(小西化学工業株式会社製)(以後SO2 −HOABという)29.43g(105ミリモル)を加えて溶解した後、反応液を氷浴により冷却し8℃とし、ピリジン2.37g(30ミリモル)を加え、これに別途γ−ブチロラクトン100g中に4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸ジクロライド31.1g(105ミリモル)を溶解させたものを、滴下ロートより滴下した。滴下に要した時間は40分、反応液温は最大で12℃であった。
滴下終了から3時間後に5−ノルボルネン−2、3−ジカルボン酸無水物6.57g(40ミリモル)を加え、4時間攪拌した。
カラム:昭和電工社製、商標名 Shodex 805M/806M直列
容離液:N−メチルピロリドン、40℃
流速 :1.0ml/分
検出器:日本分光社製、商標名 RI−930
ポリスチレン換算の分子量は重量平均分子量(Mw)13000の単一のシャープな曲線であり、単一組成物である。この重合体(以下、「ポリマー」とも言う。)にN−メチルピロリドンを加えて、35重量%樹脂濃度のポリマー溶液を調整した(P−1)。
参考例1のBCD7.45g(30ミリモル)の代わりに、rel−[1S,5R,6R]−3−オキサビシクロ[3,2,1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3'−(テトラヒドロフラン−2',5'−ジオン)6.73g(30ミリモル)、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸ジクロライド31.1g(105ミリモル)の代わりに、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジクロライド21.93(105ミリモル)を用い、参考例1と同様の操作を行い、ポリスチレン換算の分子量は重量平均分子量(Mw)14000のポリマーを得た。このポリマーにγ−ブチロラクトンを加えて、35重量%樹脂濃度のポリマー溶液を調整した(P−2)。
参考例1の4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸ジクロライド31.1g(105ミリモル)の代わりに、イソフタル酸ジクロライド22.4g(110ミリモル)を用い、参考例1と同様の操作を行い、ポリスチレン換算の分子量は重量平均分子量(Mw)16000のポリマーを得た。このポリマーにγ−ブチロラクトンを加えて、35重量%樹脂濃度のポリマー溶液を調整した(P−3)。
テフロン製の碇型攪拌器を取り付けた、ガラス製のセパラブル3つ口フラスコに、ディーンスタークトラップ付冷却管を取り付けた。SO2 −HOAB28.03g(100ミリモル)、N−メチルピロリドン200g、ピリジン2.37g(30ミリモル)を加え、氷浴にて0℃に冷却をした。これに別途γ−ブチロラクトン100g中にイソフタル酸ジクロライド12.2g(60ミリモル)を溶解させたものを、滴下ロートより滴下した。滴下に要した時間は40分、反応液温は最大で12℃であった。反応終了後、ドライアイスで冷やしたメタノール浴で−20℃に冷却をした。これに、別途γ−ブチロラクトン30g中にトリメリット酸無水物クロリド16.9g(80ミリモル)を溶解させたものを、滴下ロートより滴下した。滴下に要した時間は5分、反応液温は最大で−18℃であった。滴下終了後、−20℃で30分、−5℃で30分、室温で30分撹拌した。これに、ピリジン26.9g(340ミリモル)を加え、系中を塩基性にした。BCDを17.27g(70ミリモル)、4,4’−ジ(4−アミノフェノキシ)フェニルスルフォンを25.95g(60ミリモル)、トルエン30g、γ−バレロラクトンを1.0g(10ミリモル)を加えて、窒素ガスを通じながらシリコン浴温度130℃で、180rpmで2時間加熱攪拌した。
滴下終了から3時間後に上記反応液を3lの水に高速攪拌下で滴下し重合体を分散析出させ、これを回収し、適宜水洗、脱水の後に真空乾燥を施し、ポリマーを得た。このポリマーのポリスチレン換算の分子量は重量平均分子量(Mw)15000の単一のシャープな曲線であり、単一組成物である。このポリマーにγ−ブチロラクトンを加えて、35重量%樹脂濃度のポリマー溶液を調整した(P−4)。
容量1lのセパラブルフラスラスコ中で、SO2 −HOAB56.1g(200ミリモル)、ピリジン40g(500ミリモル)、DMAc220gを室温(25℃)で混合攪拌し、ジアミンを溶解させた。
次にこれを水浴により5℃に冷却し、これに別途シクロヘキサン398g中に4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジベンゾイルクロライド60.1g(140ミリモル)と4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸ジクロライド11.8g(40ミリモル)を溶解させたものを、滴下ロートより滴下した。滴下に要した時間は80分、反応液温は最大で12℃であった。
滴下終了から3時間後に上記反応液を8lの水に高速攪拌下で滴下しポリマーを分散析出させ、これを回収し、適宜水洗、脱水の後に真空乾燥を施し、ポリマーを得た。このようにして合成された該ポリマーのポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は19000であった。このポリマーにγ−ブチロラクトンを加えて、35重量%樹脂濃度のポリマー溶液を調整した(P−5)。
参考例5の4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジベンゾイルクロライド60.1g(140ミリモル)と4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸ジクロライド11.8g(40ミリモル)を全て、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸ジクロライド53.12g(180ミリモル)とし、参考例5と同様の操作を行い、ポリスチレン換算の分子量は重量平均分子量(Mw)14000のポリマーを得た。このポリマーは、γ−ブチロラクトンには溶解しなかった。そこで、N−メチルピロリドンを加えて、35重量%樹脂濃度のポリマー溶液を調整した(P−6)。
テフロン製の碇型攪拌器を取り付けた、ガラス製のセパラブル3つ口フラスコに、水分分離トラップを備えた玉付ディーンスタークトラップ付き冷却管を取り付けた。温度計、滴下漏斗、乾燥管を取り付けて、室温でSO2 −HOAB28.03g(100ミリモル)、N−メチルピロリドン224gを加えて攪拌し、SO2 −HOABを溶解した。上記フラスコをドライアイスで−30℃に冷却したメタノール浴につけて反応液が−15℃になるように調整した。毎分150回転で攪拌しながら、無水トリメリット酸クロリド42.11g(200ミリモル)をγ−ブチロラクトン126gに溶解した液を、滴下漏斗に加え、反応液の液温が−10℃を越えないように30分かけて滴下した。滴下終了後、1時間攪拌し、室温に戻し、ピリジン15.8g(200ミリモル)を加えた。
その後さらに4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(以後、DADPEという)22.03g(110ミリモル)、N−メチルピロリドン50g、トルエン50g、γ−バレロラクトンを1.0g(10ミリモル)を加え30分間攪拌した。その後、窒素ガスを通じながらシリコン浴温度130℃で、180rpmで2時間加熱攪拌した。2時間後、反応液を80℃まで冷却し、5−ノルボルネン−2、3−ジカルボン酸無水物3.28g(20ミリモル)を加え、4時間攪拌した。
反応終了後に上記反応液を5lの水に高速攪拌下で滴下し重合体を分散析出させ、これを回収し、もう一度、N−メチルピロリドン500gに溶解し、N−メチルピロリドン500gで置換された陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂各20gがそれぞれ充填されたガラスカラムに流すことで処理を行った。この反応液をもう一度、5lの水に高速攪拌下で滴下し、重合体を分散析出させ、これを回収し、適宜水洗、脱水の後に真空乾燥を施し、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)13000のポリマーを得た。このポリマーにγ−ブチロラクトンを加えても溶解しなかった為、N−メチルピロリドンを加え、38重量%樹脂濃度のポリマー溶液を調整した(P−7)。
テフロン製の碇型攪拌器を取り付けた、ガラス製のセパラブル3つ口フラスコに、水分分離トラップを備えた玉付ディーンスタークトラップ付き冷却管を取り付けた。温度計、滴下漏斗、乾燥管を取り付けて、室温でSO2 −HOAB28.03g(100ミリモル)、N−メチルピロリドン224gを加えて攪拌し、SO2 −HOABを溶解した。上記フラスコをドライアイスで−30℃に冷却したメタノール浴につけて反応液が−15℃になるように調整した。毎分150回転で攪拌しながら、無水トリメリット酸クロリド42.11g(200ミリモル)をγ−ブチロラクトン126gに溶解した液を、滴下漏斗に加え、反応液の液温が−10℃を越えないように30分かけて滴下した。滴下終了後、1時間攪拌し、室温に戻し、ピリジン15.8g(200ミリモル)を加えた。DADPE33.04g(165ミリモル)、N−メチルピロリドン50g、トルエン50g、γ−バレロラクトンを1.0g(10ミリモル)を加え30分間攪拌した。
その後、窒素ガスを通じながらシリコン浴温度130℃で、180rpmで2時間加熱攪拌した。反応中トルエン、水の留出分を除去した。2時間後、反応液を50℃まで冷却し、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテルニ無水物を15.51g(50ミリモル)を加えて、30分間攪拌し、その後、窒素ガスを通じながらシリコン浴温度130℃で、180rpmで2時間加熱攪拌した。反応中トルエン、水の留出分を除去した。その後、反応液を80℃まで冷却し、5−ノルボルネン−2、3−ジカルボン酸無水物4.92g(30ミリモル)を加え、4時間攪拌した。反応終了後に上記反応液を5Lの水に高速攪拌下で滴下し重合体を分散析出させ、これを回収し、もう一度、N−メチルピロリドン500gに溶解し、N−メチルピロリドンで置換された陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂各20gがそれぞれ充填されたガラスカラムに流すことで処理を行った。この反応液をもう一度、5lの水に高速攪拌下で滴下し、重合体を分散析出させ、これを回収し、適宜水洗、脱水の後に真空乾燥を施し、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)13000のポリマーを得た。このポリマーにγ−ブチロラクトンを加えても溶解しなかった為、N−メチルピロリドンを加え、38重量%樹脂濃度のポリマー溶液を調整した(P−8)。
テフロン製の碇型攪拌器を取り付けた、ガラス製のセパラブル3つ口フラスコに、水分分離トラップを備えた玉付ディーンスタークトラップ付き冷却管を取り付けた。温度計、滴下漏斗、乾燥管を取り付けて、2、2−ビス(3、4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物を26.66g(60ミリモル)、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン20.14g(55ミリモル)N−メチルピロリドンを150g、トルエン30gを加え、窒素ガスを通じながらシリコン浴温度180℃で、180rpmで1時間40分間加熱攪拌する。反応中トルエン、水の留出分を除去した。このようにして製造されたポリアミド溶液のポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)24600である。この反応液を5lの水に高速攪拌下で滴下し、重合体を分散析出させ、これを回収し、適宜水洗、脱水の後に真空乾燥を施し、ポリマーを回収した。このポリマーにγ−ブチロラクトンを加えて、25重量%樹脂濃度のポリマー溶液を調整した(P−9)。
<参考例10>
撹拌機、滴下ロート及び温度計を付した1lセパラブルフラスコにポリヒドロキシ化合物として4,4’−(1−(2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル)フェニル)エチリデン)ビスフェノール(本州化学工業社製、商品名;Tris−PA)の化合物30g(0.071モル)を用い、このOH基の83.3モル%に相当する量の1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルフォン酸クロライド47.49g(0.177モル)をアセトン300gに撹拌溶解した後、フラスコを恒温槽にて30℃に調整した。次にアセトン18gにトリエチルアミン17.9gを溶解し、滴下ロートに仕込んだ後、これを30分かけてフラスコ中へ滴下した。滴下終了後更に30分間撹拌を続け、その後塩酸を滴下し、更に30分間撹拌をおこない反応を終了させた。その後濾過し、トリエチルアミン塩酸塩を除去した。ここで得られた濾液を純水1640gと塩酸30gを混合撹拌した3lビーカーに撹拌しながら滴下し、析出物を得た。この析出物を水洗、濾過した後、40℃減圧下で48時間乾燥し、感光性ジアゾナフトキノン化合物(PAC−1)を得た。
<実施例1〜4、比較例1〜5>
下記表1の組合せで、上記各参考例1〜9にて得られたポリマー溶液(P−1〜P−9)に、上記参考例10にて得られた感光性ジアゾナフトキノン化合物(PAC−1)を溶解した後、0.5μmのフィルターで濾過し、ポジ型感光性樹脂組成物を得た。
(1)パタ−ニング特性評価
5インチシリコンウエハー上に、3−アミノプロピルトリエトキシシシラン1重量%メタノール溶液を塗布し、250℃で10分間加熱処理を行い、接着助剤処理を行った。上記感光性樹脂組成物を接着助剤処理を行った5インチシリコンウエハー上にスピンコーター(東京エレクトロン社製、クリーントラックMark7)により塗布し、125℃で210秒間乾燥し、4.5μmの膜厚の塗膜を得た。
この塗膜に、i線ステッパー露光機(ニコン社製、NSR2005i8A)により、レチクルを通して露光量を段階的に変化させて露光した。このウエハーを2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(クラリアントジャパン社製、AZ300MIF)により23℃の条件下で、現像後膜厚が3.83μmとなるように現像時間を調整して現像を行い、純水で15秒間リンスし、ポジ型のレリーフパターンを得た。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物を用い、上記方法によってレリーフパターンを作製したところ、比較例1、2は、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に浸積したと同時に、未露光部まで現像液が染み込み、未露光部と露光部の溶解度差が十分に得られず、現像後膜厚を3.83μmにコントロールすることが、現像時間を3秒前後まで短くすることでも出来ず、結果として所望のレリーフパターンを得られなかった。
比較例5のパターンは1分間で溶解し、レリーフパターンが消失した。こうして、実施例1〜4では、ハロゲン原子であるフッ素原子を含まず、高感度で、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて現像可能な、耐溶剤性の高い硬化レリーフパターンを得ることが出来た。
Claims (8)
- ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン及びジカルボン酸を脱水縮合した化合物の繰り返し構造を有するポリベンゾオキサゾール前駆体ユニット、ならびにフェノール性水酸基を有さないジアミン及びフェノール性水酸基を有さないテトラカルボン酸を脱水縮合した化合物の繰り返し構造を有するポリイミドユニットの両方のユニット構造を有するポリアミドであり、下記一般式(1)〜(3)のいずれかで表される構造を有し、ハロゲン原子を骨格に含まないことを特徴とするポリアミド。
1〜100までの整数である。)
独立に1〜100までの整数である。)
独立に1〜100までの整数である。) - フェノール性水酸基を有さないジアミン及びフェノール性水酸基を有さないテトラカルボン酸を脱水縮合した化合物の繰り返し構造を有するポリイミドユニットのうち、フェノール性水酸基を有さないテトラカルボン酸が脂環式構造を有することを特徴とする請求項1に記載のポリアミド。
- フェノール性水酸基を有さないジアミン及びフェノール性水酸基を有さないテトラカルボン酸を脱水縮合した化合物の繰り返し構造を有するポリイミドユニットのうち、フェノール性水酸基を有さないテトラカルボン酸がビシクロ(2,2,2)−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸を有することを特徴とする請求項1または2に記載のポリアミド。
- フェノール性水酸基を有さないジアミン及びフェノール性水酸基を有さないテトラカルボン酸を脱水縮合した化合物の繰り返し構造を有するポリイミドユニットのうち、フェノール性水酸基を有さないテトラカルボン酸として、テトラカルボン酸の無水物であるrel−[1S,5R,6R]−3−オキサビシクロ[3,2,1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3'−(テトラヒドロフラン−2',5'−ジオン)を有することを特徴とする請求項1または2に記載のポリアミド。
- ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン及びジカルボン酸を脱水縮合した化合物の繰り返し構造を有するポリベンゾオキサゾール前駆体ユニットのうち、ジカルボン酸が1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、イソフタル酸、及び下記一般式(4)で表される5−アミノイソフタル酸誘導体からなる群から選択される少なくとも1つの構造を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリアミド。
- (A)請求項1〜5に記載のポリアミド100質量部に対して、(B)感光性ジアゾナフトキノン化合物1〜100質量部、及び(C)有機溶剤100〜1000質量部を含むことを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物。
- 請求項6に記載のポジ型感光性樹脂組成物を層またはフィルムの形で基板上に形成する塗布工程、該層または該フィルムをマスクを介して化学線で露光するかまたは光線、電子線もしくはイオン線を直接照射する露光工程、該露光部または該照射部を現像液で溶出除去する現像工程、及び得られたレリーフパターンを加熱する加熱工程を含むことを特徴とする硬化レリーフパターンの形成方法。
- 請求項7に記載の形成方法により得られる硬化レリーフパターンを有してなる半導体装置。
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