JP4918312B2 - 感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
ところが、上記感光性ポリイミド前駆体組成物を使用する場合、その現像工程においては、現像液として多量の有機溶剤を用いる必要があり、コストの観点、安全性、および近年の環境問題への関心の高まりから、脱有機溶剤対策が求められてきている。これを受け、最近になってフォトレジストと同様に、希薄アルカリ水溶液で現像可能な耐熱性感光性樹脂材料の提案が各種なされている。
すなわち、本発明の一は、(A)アルカリ水溶液可溶性重合体100質量部に対して、(B)感光性ジアゾナフトキノン化合物1〜100質量部、(C)希釈溶剤100〜1000質量部、(D)下記一般式(1)で表される化合物0.5〜20質量部からなる感光性樹脂組成物である。
また、PBO前駆体であるポリヒドロキシアミドとしては、下記一般式(2)であらわされる化合物である。
また、(B)感光性ジアゾナフトキノン化合物は、ポリヒドロキシ化合物の1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、及び1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルからなる群から選択される少なくとも一種の化合物である。
(C)成分の希釈溶媒は、(A)成分、(B)成分、(D)成分を完全に溶解する溶媒であれば何でもよい。
本発明の三は、本発明の二の製造方法により得られる硬化レリーフパターンを有してなる半導体装置である。
<感光性樹脂組成物>
本発明の感光性樹脂組成物(以下、「本組成物」ともいう。)を構成する成分について、以下説明する。
(A)アルカリ水溶液可溶性重合体
本組成物に用いられる(A)成分は、フェノール性水酸基もしくはカルボキシル基を分子構造に有し、アルカリ水溶液に可溶な樹脂、又はそれらの前駆体であるが、具体的には、(1)フェノール性水酸基を有する溶剤可溶性のポリイミド、(2)テトラカルボン酸とジアミンより誘導され、アミド結合のオルト位にカルボキシル基を有すポリイミド前駆体であるポリアミド、(3)PBO前駆体であるポリヒドロキシアミド、(4)フェノール樹脂及びその誘導体、(5)ポリヒドロキシスチレン及びその誘導体、さらに、これら樹脂を分子内に共重合した構造を有する樹脂である。
前述の互いにオルト位にあるアミノ基及びフェノール性水酸基を有する芳香族ジアミン(以下、「フェノール性ジアミン」ともいう。)、すなわち、ここで用いるフェノール性ジアミンは、芳香環上に1つの水酸基(すなわち、フェノール性水酸基)と、該フェノール性水酸基とオルトの位置に1つのアミノ基を有し、さらに別の位置にもう1つのアミノ基を有するものであり、好ましくは互いにオルト位にあるアミノ基及びフェノール性水酸基を少なくとも2組有する炭素数が6〜30の芳香族ジアミンである。
脱水縮合反応は、上記テトラカルボン酸二無水物と上記フェノール性ジアミンとを酸、もしくは塩基触媒の存在下、30℃〜220℃、好ましくは170℃〜200℃に加熱することにより行うことができる。酸触媒としては、ポリイミドの製造に通常用いられている硫酸のような無機酸やp−トルエンスルホン酸のような有機酸を用いることも可能であるが、これらの酸触媒は反応終了後も重縮合物溶液中に残存するため、本発明の組成物の劣化要因となり、重縮合物を沈殿、再溶解してこれらの触媒を除去する必要がある。このため、重縮合物Aを製造するにあたっては、酸触媒として、ラクトン−塩基触媒の存在下に上記脱水縮合を行うことによりその場で生成される酸基が好ましく用いられる。すなわち、酸触媒として、ラクトンと塩基と水の次の平衡反応を利用した触媒系を用いることが好ましい。
この{酸基}+{塩基}ー系を触媒として、脱水縮合を行うことができる。生成する水は、トルエンと共沸させて反応系外へ除く。反応系のイミド化が終了した時点で、{酸基}+{塩基}−はラクトンと塩基になり、触媒作用を失うと同時にトルエンと共に反応系外へ除かれる。この方法により製造される重縮合物Aの溶液は、上記触媒物質が、反応後のポリイミド溶液に含まれないため高純度の重縮合物溶液として、そのまま工業的に使用可能となる。
ここで用いられるラクトンとしてはγ−バレロラクトンが好ましく、塩基としてはピリジン及びメチルモルフォリンの少なくとも片方を使用することが好ましい。
さらに、特に重縮合触媒等を加えずに、反応液の温度をイミド化反応が生ずる温度以上で保持し、脱水反応により生ずる水をトルエン等の水との共沸溶媒を利用して反応系外へ除き、イミド化脱水縮合反応を完結させる方法がより好ましい。この方法により製造される重縮合物Aの溶液も、触媒物質が反応後のポリイミド溶液に含まれないため高純度の重縮合物溶液として、そのまま工業的に使用可能となる。
なお、上記ラクトン−塩基触媒を用いる場合、反応開始時における反応混合物全体中のテトラカルボン酸二無水物の濃度は4〜25重量%程度が好ましく、ラクトンの濃度は0〜0.6重量%程度が好ましく、塩基の濃度は0〜0.9重量%程度が好ましい。
重縮合物Aにおいては、テトラカルボン酸二無水物、並びに前述のフェノール性ジアミン、及びフェノール性水酸基を有さないジアミン(以下、「非フェノール性ジアミン」という。)を共重縮させた重縮合物とすることにより、物性をより自由にコントロールすることができる。非フェノール性ジアミンは、フェノール性水酸基を有さない炭素数が6〜30の芳香族ジアミン、及びジアミノポリシロキサンである。
ブロック共重縮合体とする場合、非フェノール性ジアミンとテトラカルボン酸二無水物が重縮合したブロックにおいて、芳香族テトラカルボン酸は、高弾性のポリマーを得る観点から好ましく、脂肪族テトラカルボン酸は、溶媒に対する溶解性とi線に対する透明性の観点から好ましく、ビシクロ(2,2,2)−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物が特に好ましい。非フェノール性ジアミンは、芳香族ジアミンが高弾性率のポリマーを得る観点から好ましい。
重縮合物Aの末端を不飽和結合を有する有機基で修飾してもよい。重縮合物Aの末端を修飾する方法としては、マレイン酸無水物、コハク酸無水物、けい皮酸無水物、ノルボルネン酸無水物、4−エチニルフタル酸無水物、フェニルエチニルフタル酸無水物、4−アミノスチレン、4−エチニルアニリン、または3−エチニルアニリン等を重縮合物Aの合成時に適量添加すればよい。
重縮合物溶液中の重縮合物Aの濃度は5重量%〜50重量%が好ましい。所望により、該溶液を後述する(C)希釈溶剤により、さらに希釈することができる。
また、製造された重縮合物溶液をそのままで使用せずに、精製工程を経て重縮合物を単離し、再度上記(C)希釈溶剤に再溶解させてから使用してもよい。具体的な精製工程としては、まず、上記製法により得られた重縮合物溶液にメタノール、エタノール、イソプロパノール、または水といった貧溶媒を加えて重縮合物を析出させる。次にγ−ブチロラクトンやN−メチルピロリドン等の良溶媒に再度溶解させ、その溶解液をイオン交換樹脂を充填したカラムに通すことでイオン性の不純物を取り除く。最後に、その溶解液を純水に落として析出物を濾別し、真空乾燥をおこなうといった精製工程である。これにより、低分子量成分やイオン性の不純物等を取り除くこともできる。
ヒドロキシポリアミドには、必要に応じて、上記一般式(2)のジアミド単位n個を有してもよい。該ジアミド単位は、X2(NH2)2の構造を有するジアミンおよびY2(COOH)2の構造を有するジカルボン酸を重縮合させた構造を有する。nは0〜500の範囲が好ましく、0〜10の範囲がより好ましい。
ヒドロキシポリアミド中における上記のジヒドロキシジアミド単位の割合が高いほど、現像液として使用するアルカリ性水溶液への溶解性が向上するので、m/(m+n)の値は0.5以上であることが好ましく、0.7以上であることがより好ましく、0.8以上であることが最も好ましい。
また、X1(NH2)2(OH)2の構造の化合物として、分子内に2組の互いにオルト位にあるアミド結合とフェノール性水酸基を有するジアミン(以下、「分子内にPBO前駆体構造を有するジアミン」という。)を使用することもできる。例えば、上記のX1(NH2)2(OH)2の構造を有するビスアミノフェノールに2分子のニトロ安息香酸を反応させて還元することにより得られる、下記一般式で示されるジアミンが挙げられる。
このうち芳香族ジアミンとしては、上述した非フェノール性ジアミンから選ばれる。
Y1(COOH)2及びY2(COOH)2構造を有するジカルボン酸としては、Y1およびY2がそれぞれ下記から選ばれた芳香族基または、脂肪族基であるジカルボン酸があげられる。
また、ビスアミノフェノールに対してトリメリット酸クロリドを反応させて、テトラカルボン酸二無水物を生成し、上記のテトラカルボン酸ニ無水物と同様の方法で開環してジカルボン酸として使用することもできる。ここで得られるテトラカルボン酸ニ無水物としては下記の化学式で示される化学式が挙げられる。
前述の一般式(2)で示される繰り返し単位を有するヒドロキシポリアミドにおいて、その末端基を有機基(以下、封止基という)で封止して使用することも好ましい。ヒドロキシポリアミドの重縮合において、ジカルボン酸成分をビスアミノフェノール成分とジアミン成分の和に比べて過剰のモル数で使用する場合には、封止基としては、アミノ基、または水酸基を有する化合物を用いるのが好ましい。該化合物の例としては、アニリン、エチニルアニリン、ノルボルネンアミン、ブチルアミン、プロパルギルアミン、エタノール、プロパルギルアルコール、ベンジルアルコール、ヒドロキシエチルメタクリレート、及びヒドロキシエチルアクリレート等が挙げられる。
前述の(4)のフェノール樹脂及びその誘導体としては、具体的にはノボラック樹脂が上げられる。ノボラック型樹脂としては、レジストの技術分野で広く用いられているものを使用することができる。このノボラック型樹脂は、例えば、フェノール類と、アルデヒド類又はケトン類とを酸性触媒の存在下で反応させることにより得ることができる。
分子量は、重量平均分子量で、通常、1000〜20000、好ましくは1500〜15000、より好ましくは2000〜12000である。上記樹脂の重量平均分子量は、合成条件を調整することにより、所望の範囲に制御することができる。また、分子量分布が狭い方が光感度が高くなるため、合成により得られた樹脂を適当な溶解度を持つ有機溶剤で固−液抽出したり、樹脂を良溶剤に溶解させ、貧溶剤中に滴下するか、または貧溶剤を滴下して、固−液もしくは液−液抽出する方法などにより分子量分布を制御してもよい。
前述の(5)ポリヒドロキシスチレン及びその誘導体の具体例としては、例えば、ポリ−o−ヒドロキシスチレン、ポリ−m−ヒドロキシスチレン、ポリ−p−ヒドロキシスチレン、ポリ−α−メチル−o−ヒドロキシスチレン、ポリ−α−メチル−m−ヒドロキシスチレン、ポリ−α−メチル−p−ヒドロキシスチレンまたはこれらの部分アセチル化物、シリル化物等が挙げられる。これらのポリヒドロキシスチレンまたはその誘導体の重量平均分子量3000〜100000、特に好ましくは10000〜30000である。
本組成物に用いられる(B)感光性ジアゾナフトキノン化合物は、以降に詳述する特定構造を有するポリヒドロキシ化合物の1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、及び該ポリヒドロキシ化合物の1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルからなる群から選択される少なくとも一種の化合物(以下、「NQD化合物B」ともいう。)である。
該NQD化合物Bは、常法に従って、ナフトキノンジアジドスルホン酸化合物をクロルスルホン酸、または塩化チオニルでスルホニルクロライドとし、得られたナフトキノンジアジドスルホニルクロライドと、ポリヒドロキシ化合物とを縮合反応させることにより得られる。例えば、ポリヒドロキシ化合物と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリドまたは1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニルクロリドの所定量をジオキサン、アセトン、またはテトラヒドロフラン等の溶媒中において、トリエチルアミン等の塩基性触媒の存在下反応させてエステル化を行い、得られた生成物を水洗、乾燥することにより得ることができる。
具体的な化合物としては、下記に記載してあるポリヒドロキシ化合物のNQD化物であるが、これに限定されるものではない。
本組成物において、NQD化合物Bの添加量は、重縮合物A100質量部に対して1〜100質量部であり、好ましくは3〜40質量部であり、さらに好ましくは10〜30質量部の範囲である。
本組成物に用いられる(C)希釈溶剤としては、極性溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、及びγ−ブチロラクトン、モルフォリン等が挙げられる。その他、この極性溶媒以外に、一般的有機溶媒であるケトン類、エステル類、ラクトン類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類を混合してもよく、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シュウ酸ジエチル、乳酸エチル、乳酸メチル、乳酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ベンジルアルコール、フェニルグリコール、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、アニソール、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等も使用することができる。なお、重縮合物が重縮合物溶液として得られる場合は、該重縮合物溶液用の有機溶剤を希釈溶剤に含めるものとする。
本組成物において、(C)希釈溶剤の添加量は、重縮合物A100質量部に対して100〜1000質量部であり、好ましくは120〜700質量部であり、さらに好ましくは150〜500質量部の範囲である。
本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じて下記に示すメチロール基を含む架橋剤及びアルカリ化合物からなる群より選択される少なくとも1つの化合物を重縮合物100質量部に対して1〜50質量部の範囲で添加しても良い。特に、重縮合物Aとして、(1)フェノール性水酸基を有する溶剤可溶性のポリイミド、(4)フェノール樹脂及びその誘導体、(5)ポリヒドロキシスチレン及びその誘導体の中から選択される樹脂を使用する際には、耐薬品性や物性を向上する目的で添加することが好ましい。メチロール基を含む架橋剤としては以下の化合物が例示される。
更に、基板との接着性を高める目的で、シリコーン系カプラ−を重縮合物A100質量部に対して0.5〜10質量部の範囲で添加しても良い。上記、シリコーン系カプラ−としては、下記化学式で表される化合物が挙げられる。
本組成物を用いて基板上に硬化レリーフパターンを形成する方法(以下、「本方法」ともいう。)の一例を以下に示す。
まず、本組成物を層またはフィルムの形で基板上に形成する塗布工程を行う。該基板としては、例えばシリコンウェハー、セラミック基板、またはアルミ基板などに塗布する。この時、形成するレリーフパターンと基板との接着性を向上させるため、あらかじめ該基板にシランカップリング剤などの接着助剤を塗布しておいても良い。該組成物の塗布方法は、スピンナーを用いた回転塗布、スプレーコーターを用いた噴霧塗布、浸漬、印刷、またはロールコーティング等で行う。
次に、60〜140℃でプリベークして塗膜を乾燥後、コンタクトアライナー、ミラープロジェクション、ステッパー等の露光装置を用いて、該層またはフィルムをマスクを介して化学線で露光するか、または光線、電子線、もしくはイオン線を直接照射する露光工程を行う。該化学線としては、X線、電子線、紫外線、または可視光線などが使用できるが、200〜500nmの波長のものが好ましい。パターンの解像度及び取扱い性の点で、その光源波長は水銀ランプのg線、h線もしくはi線が好ましく、単独でも混合していても良い。露光装置としてはコンタクトアライナー、ミラープロジェクション、ステッパが特に好ましい。
上述の硬化レリーフパターンの形成方法を、半導体装置のバッファーコート膜または層間絶縁膜の形成方法として公知の半導体装置製造方法と組み合わせることで、半導体装置を製造することが可能となる。
以下、実施例により本発明の実施形態の例を詳細に説明する。
<参考例1>
攪拌棒、ディーンスターク型トラップ、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物を26.66g(60ミリモル)、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン20.14g(55ミリモル)、γーバレロラクトンを0.6g(6ミリモル)、ピリジン1.8g(18ミリモル)、NMPを150g、トルエン30gを加え、窒素ガスを通じながらシリコンオイル浴温度180℃で、180rpmで1時間40分間加熱攪拌する。反応中トルエン、水の留出分を除去した。このようにして製造されたポリマーのポリスチレン換算の重量平均分子は24600である。この反応液を5Lの水に高速攪拌下で滴下し、ポリマーを分散析出させ、これを回収し、適宜水洗、脱水の後に真空乾燥を施し、ポリマーを回収した。このポリマーにγーブチロラクトン(以下「GBL」という)を加えて、30重量%樹脂濃度のポリマー溶液を得た(P−1)。
攪拌棒、ディーンスターク型トラップ、窒素導入管を備えた4つ口フラスコにビシクロ(2,2,2)−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物(アルドリッチ製、分子量:248.19)14.89g(60ミリモル)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(和歌山精化製、分子量:200.00)6.01g(30ミリモル)を仕込んだ。さらに、溶媒としてGBL93.5g、トルエン30gを系に加えた。室温において窒素雰囲気下で100rpmで20分攪拌した後、180℃の油浴につけて加熱を始め、液全体を180rpmで攪拌した。反応中、副生成物である水がトルエンと共沸して留出し、30分毎に還流管の底に溜まっている水を抜いた。加熱してから2時間後、2段階目の仕込みをスタートし、(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン(小西化学工業製、分子量:280.3)16.82g(60ミリモル)を加え1時間攪拌を行った。続いてビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物)13.96g(45ミリモル)を系に加えた。180℃、180rpmで3時間加熱攪拌後、油浴を下げ、加熱を止めた。反応中、反応の副生成物である水とトルエンの留出分を除去した。このようにして製造されたポリマーのポリスチレン換算重量平均分子量は16000であった。こうして35重量%樹脂濃度のポリマー溶液を得た(P−2)。
容量2Lのセパラブルフラスラスコ中で、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(6FAP)183.2g(0.50mol)、ピリジン71.2g(0.9mol)、ジメチルアセトアミド(以下、DMAcという。)692gを室温(25℃)で混合攪拌し、ジアミンを溶解させた。
次にこれを水浴により8℃に冷却し、これに別途ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)398g中に4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸ジクロライド124g(0.42mol)を溶解させたものを、滴下ロートより滴下した。滴下に要した時間は80分、反応液温は最大で12℃であった。滴下終了から3時間後に上記反応液を12Lの水に高速攪拌下で滴下しポリマーを分散析出させ、これを回収し、適宜水洗、脱水の後に真空乾燥を施し、ヒドロキシポリアミドを得た。このようにして合成された該ヒドロキシポリアミドのポリスチレン換算の重量平均分子量は23700である。このポリマーにGBLを加えて、30重量%樹脂濃度のポリマー溶液を得た(P−3)。
<参考例4>
撹拌機、滴下ロート及び温度計を付した1Lセパラブルフラスコにポリヒドロキシ化合物として4,4‘−(1−(2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル)フェニル)エチリデン)ビスフェノール(本州化学工業社製 商品名 Tris−PA)の化合物30g(0.0707モル)を用い、このOH基の83.3モル%に相当する量の1,2-ナフトキノンジアジド-4-スルフォン酸クロライド47.49g(0.177モル)をアセトン300gに撹拌溶解した後、フラスコを恒温槽にて30℃に調整した。次にアセトン18gにトリエチルアミン17.9gを溶解し、滴下ロートに仕込んだ後、これを30分かけてフラスコ中へ滴下した。滴下終了後更に30分間撹拌を続け、その後塩酸を滴下し、更に30分間撹拌をおこない反応を終了させた。その後濾過し、トリエチルアミン塩酸塩を除去した。ここで得られた濾液を純水1640gと塩酸30gを混合撹拌した3Lビーカーに撹拌しながら滴下し、析出物を得た。この析出物を水洗、濾過した後、40℃減圧下で48時間乾燥し、感光剤(PAC-1)を得た。
次に、本発明における実施例を示す。
[実施例1〜5、比較例1〜5]
上記各参考例1〜3にて得られたポリマー溶液(P−1〜P−3)、m−クレゾールとホルムアルデヒドとの縮合により得られる、重量平均分子量が6050、数平均分子量が1706であるフェノールノボラック樹脂(旭有機材工業社製)をGBL溶液に35重量%で溶解したポリマー溶液(P−4)、重量平均分子量が21900、数平均分子量が3400であるポリヒドロキシスチレン(丸善石油化学社製 製品名マルカリンカー)
を同じく、GBL溶液に35重量%で溶解したポリマー溶液(P−5)を調整した。表1に示す通り、それぞれの溶液に、上記参考例4にて得られた光活性成分(PAC−1)をポリマー純分100重量部に対して22重量部溶解した後、1,3,5−トリメトキシベンゼン(東京化成工業社製)(以下、TMBともいう)をポリマー純分100重量部に対して5重量部加えて溶解し、更に0.5μmのフィルターで濾過し、実施例1〜5の感光性樹脂組成物を得た。また、実施例1により得られた感光性樹脂組成物から、TMBを除いて調製した感光性樹脂組成物を比較例1とし、同様に、実施例2〜5により得られた感光性樹脂組成物から、TMBを除いて調製した感光性樹脂組成物を比較例2〜5として、表1に記載した。
この塗膜に、i線ステッパー露光機NSR2005i8A(ニコン社製)により、レチクルを通してを露光量を500mJ/cm2照射して露光した。このウェハーを2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(クラリアントジャパン社製 AZ300MIF)により、23℃の条件下で現像後膜厚が3.83μmとなるように現像時間を調整して現像を行い、純水で15秒間リンスし、ポジ型のパターンを得た。このパターンを顕微鏡にて観察し、パターンの膨潤が無く良質な形状をしていることを確認した。ただし、実施例4及び比較例4は、プリベーク後の膜厚が3.9μmとなるようにし、現像時間は40秒に固定して評価を行った。
Claims (9)
- (A)アルカリ水溶液可溶性重合体が、フェノール性水酸基もしくはカルボキシル基を分子構造に有し、アルカリ水溶液に可溶な樹脂、またはそれらの前駆体である請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- (A)アルカリ水溶液可溶性重合体が、1または2以上のテトラカルボン酸二無水物と、互いにオルト位にあるアミノ基およびフェノール性水酸基を有する1または2以上の芳香族ジアミンとが、脱水縮合した構造を有する重縮合物である請求項2または3に記載の感光性樹脂組成物。
- (A)アルカリ水溶液可溶性重合体が、ビシクロ(2,2,2)−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物とビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホンが脱水縮合した構造を有する重縮合物である請求項4に記載の感光性樹脂組成物。
- (A)アルカリ水溶液可溶性重合体が、フェノール樹脂である請求項2または3に記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を層またはフィルムの形で基板上に形成し、マスクを介して化学線で露光するか、または光線、電子線、またはイオン線と直接照射した後、露光部または照射部を溶出または除去し、次いで得られたレリーフパターンを加熱することを特徴とする、硬化レリーフパターンの製造方法。
- 請求項8に記載の製造方法により得られる硬化レリーフパターンを有してなる半導体装置。
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