JP2001181249A - アミドフェノール化合物 - Google Patents

アミドフェノール化合物

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JP2001181249A
JP2001181249A JP2000307676A JP2000307676A JP2001181249A JP 2001181249 A JP2001181249 A JP 2001181249A JP 2000307676 A JP2000307676 A JP 2000307676A JP 2000307676 A JP2000307676 A JP 2000307676A JP 2001181249 A JP2001181249 A JP 2001181249A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ポジ型感光性樹脂組成物の成分として好適な
新規アミドフェノール化合物を提供する。 【解決手段】 一般式(1)〜(4)で示されるアミド
フェノール化合物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術的分野】本発明は、ポジ型感光性樹
脂組成物の成分として好適なアミドフェノール化合物に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から半導体素子の表面保護膜、層間
絶縁膜には、優れた耐熱性と電気特性、機械特性などを
併せ持つポリイミド樹脂が用いられている。このポリイ
ミド樹脂は、一般に感光性ポリイミド前駆体組成物の形
で供され、これを塗布、活性光線によるパターニング、
現像、熱イミド化処理等を施すことによって微細加工さ
れた耐熱性皮膜を容易に形成させることが出来、従来の
非感光型ポリイミドに比べて大幅な工程短縮が可能とな
るという特徴を有している。
【0003】ところが、その現像工程においては、現像
液としてN―メチル−2―ピロリドンなどの大量の有機
溶剤を用いる必要があり、安全性および近年の環境問題
の高まりなどから、脱有機溶剤対策が求められてきてい
る。これを受け、最近になってフォトレジストと同様
に、希薄アルカリ水溶液で現像可能な耐熱性感光性樹脂
材料の提案が各種なされている。中でもアルカリ水可溶
性のポリヒドロキシアミド、例えばポリベンズオキサゾ
ール(PBO)前駆体を、キノンジアジド(NQD)な
どの光活性成分(PAC)と混合して用いる方法が近年
注目されている。(特公平1−46862 号公報、特
開昭63―96162号公報など)これらの方法による
と、ポジ型パターンの形成が容易でかつ保存安定性も良
好、またポリイミドと同等の熱硬化膜特性が得られるな
ど優れた性能が得られることから、有機溶剤現像型ポリ
イミド前駆体の有望な代替材料として注目されている。
この他、フェノール性水酸基を主鎖中に導入したポリマ
ーとPACとの組み合わせ(特開平11−106651
号公報など)や、側鎖にフェノール性水酸基を導入した
ポリマーとPACとの組み合わせ(特許公報28902
13号など)が提案されている。
【0004】しかしながら、これまでに開示されている
方法によって得られるパターニング性能には、未だ問題
点も多い。元来NQDを用いた感光性組成物の場合、ア
ルカリ可溶性ポリマーにNQDを添加することにより、組
成物のアルカリ溶解性を低下させる(溶解抑止)能力が
発現し未露光部の現像液耐性が生じる。一方露光部は、
NQDがインデンカルボン酸に変換され、現像液に溶解
するようになる。この露光部、未露光部のアルカリ溶解
性の差を利用してパターニングを行う訳であるが、高感
度でかつ高コントラスト(高残膜率)のパターニング性
能を得るには、両者の溶解性の差を十分に取ることが重
要である。
【0005】これを実現するため一般に、アルカリ可溶
性樹脂と強く相互作用するいわゆる溶解抑止能の高いP
ACを添加することが有効であり、従来のフォトレジス
トにおいて広く用いられてきたヒドロキシベンゾフェノ
ン系やビスフェノール系化合物をNQD化したPACに
よる検討(特開昭64−6947号公報、特開平3−2
0743号公報など)に加え、種々のPACが検討され
てきている(特開平8−123034号公報、特開平1
1−258795号公報)。
【0006】しかし、これらのPACは、ポリマーと強
く相互作用するため未露光部のみならず露光部のアルカ
リ溶解性をも低下させるので、高コントラストのパター
ンは得られるもののより高露光量が必要となり、すなわ
ち感度の低下が起る。また、現像時間も長くなるため作
業性が悪くなるという課題があった。この他現像プロセ
スにより改良すべく、アルカリ現像液として従来広く用
いられている2.38%テトラメチルアンモニウムヒド
ロキシド(TMAH)を希釈して用いる方法もあるが、
この場合、同様に高コントラストのパターンは得られる
が、別途専用の現像液を準備する必要があり合理的とは
言えない。
【0007】そこでこれを解決するために、アルカリ溶
解性を高める目的で組成物中に特定のフェノール化合物
を用いることが提案されている(特開平11−1020
69号公報、特開平11−65107号公報、特開平9
−302221号公報)。しかし、これらの化合物は露
光部の溶解速度を高める効果が低く、現像時間を十分短
縮することはできない。また溶解速度を高め感度を向上
させるために、該フェノール化合物の添加量を増やすこ
とも行なわれるが、その場合、同時に未露光部の溶解速
度も高くなるため膜減りが大きくなりコントラストが低
下するという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、ポジ型
感光性樹脂組成物に用いた場合に短時間で現像が行え、
かつ高感度、高コントラストのパターニング性能を発現
する材料を開発すべく鋭意検討を行った。その結果、特
定の構造を有するアミドフェノール化合物を含む組成物
が前記特性を満足し得ることを見い出し、本発明を完成
するに至った。すなわち、本発明の第一は、下記一般式
(1)または(2)で表されるアミドフェノール化合物
である。
【0009】
【化8】
【0010】[式中Xは下記に示される中から選ばれる
基または単結合を示し、
【0011】
【化9】
【0012】Yは(a)下記に示される基、
【0013】
【化10】
【0014】(式中R1は炭素数1〜15の炭化水素
基、R2は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基ま
たはハロゲン、R3は炭素数2〜10の飽和脂肪族炭化
水素基)または、(b)アルケニル基もしくはアルキニ
ル基を少なくとも1個を有する脂肪族基もしくは環式化
合物基] また、本発明の第二は、下記一般式(3)または(4)
で表されるアミドフェノール化合物である。
【0015】
【化11】
【0016】(式中Yは前記第一の発明の場合と同じ) 本発明のアミドフェノール化合物は、相当するビスアミ
ノフェノール1当量とスルホニルクロリド、スルホン酸
無水物または分子内環状酸無水物等の2当量を適当な溶
剤中で作用させることにより定量的に得ることができ
る。ここで用いられるビスアミノフェノールとしては、
下記一般式(5)または(6)
【0017】
【化12】
【0018】(式中、Xは下記に示される基)
【0019】
【化13】
【0020】ならびに下記に示される化合物が挙げられ
る。
【0021】
【化14】
【0022】このうち、好ましい例としては
【0023】
【化15】
【0024】等を挙げることができる。ビスアミノフェ
ノールに作用させる化合物としては、下記式で示される
化合物、
【0025】
【化16】
【0026】(式中R1は炭素数1〜15の炭化水素
基、R2は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基ま
たはハロゲン、R3は炭素数2〜10の飽和脂肪族炭化
水素基)または、アルケニル基もしくはアルキニル基を
少なくとも1個を有する脂肪族、芳香族もしくは環式の
酸無水物等が挙げられる。
【0027】このうち好ましい例としては、メタンスル
ホニルクロリド、p−トルエンスルホニルクロリド、ベ
ンゼンスルホニルクロリド、無水p−トルエンスルホン
酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸、二
炭酸ジ−t−ブチル、5−ノルボルネン−2、3−ジカ
ルボン酸無水物、5−メチル−5−ノルボルネン−2、
3−ジカルボン酸無水物、シス−4−シクロヘキセン−
1、2−ジカルボン酸無水物、4−フェニルエテニルフ
タル酸無水物等を挙げることができる。
【0028】前記アミドフェノール化合物を合成する際
に用いられる溶剤としては、原料のビスアミノフェノー
ルおよびスルホニルクロリド、スルホン酸無水物または
分子内環状酸無水物を共に溶解するものが好ましく、
N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド
(DMAc)、N−メチル−2−ピロリドン(NM
P)、γ−ブチロラクトン(GBL)、 ジメチルスル
ホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン(THF)
等が挙げられる。
【0029】また、本化合物を合成する際に反応を加速
するために、ピリジン、ピコリン、コリジン、ルチジ
ン、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、
DABCO、DBU等の塩基性化合物を共存させること
が好ましい。このようにして合成されたアミドフェノー
ル化合物は、水等の貧溶媒中で再沈殿させた後、THF
等の溶剤に再溶解し、陽イオン交換樹脂で処理すること
で塩基性化合物を除去できる。本化合物を合成する際、
スルホニルクロリド等の使用により塩素イオン等が発生
する場合は、これを除去するために陰イオン交換樹脂を
併用することが好ましい。
【0030】こうして処理された溶液を水中にて再沈殿
後、濾過、加熱乾燥することにより目的物を単離するこ
とができる。上記方法により得られるアミドフェノール
化合物において下記で示される化合物が、特にアルカリ
溶解促進効果が高く好ましい。
【0031】
【化17】
【0032】(式中Yは下記から選ばれる基)
【0033】
【化18】
【0034】本発明のアミドフェノール化合物は、アル
カリ可溶性ポリマーおよびo−ナフトキノンジアジド
(NQD)化合物からなるポジ型感光性樹脂組成物の成
分として好適に用いられるに用いられ、特に上記ポリマ
ーがフェノール性水酸基を有するポリアミド(ヒドロキ
シポリアミド)の場合に有用である。このようなポリマ
ーとしては、ポリイミド前駆体のポリアミド酸エステル
やポリベンズオキサゾール前駆体のヒドロキシポリアミ
ド等が挙げられ、ポリアミド酸エステルとしては下記構
造で示されるものである。
【0035】
【化19】
【0036】(式中A1は4価の有機基、B1は2価の有
機基、Eは1価の有機基を示す。ただし、A1,B1,E
のうち少なくとも1つにフェノール性水酸基を含む。) 上記ポリマー構造において、A1は従来公知の芳香族テ
トラカルボン酸残基の他に、フェノール性水酸基を含む
ものとして
【0037】
【化20】
【0038】等の構造のものを挙げることができる。B
1は従来公知の芳香族ジアミン残基の他に、フェノール
性水酸基を含むものとして先に示した本発明のアミドフ
ェノール原料であるビスアミノフェノール化合物残基を
挙げることができる。Eは1価のアルコール残基である
が、3−ヒドロキベンジル基、3,5−ジヒドロキシベ
ンジル基等のフェノール性水酸基を含む基を挙げること
ができる。ポリベンズオキサゾール前駆体のヒドロキシ
ポリアミドとしては、次式で示されるものである。
【0039】
【化21】
【0040】(式中A2は2価の有機基、B2は前記一般
式(3)で示されるビスアミノフェノール残基である) 上記ポリマー構造において、 A2として次式
【0041】
【化22】
【0042】で示される基が特に好ましい。またB2
しては、次式
【0043】
【化23】
【0044】で示される基が特に好ましい。ポジ型感光
性樹脂組成物中で用いられるNQDは、米国特許第27
72972号公報、米国特許第2797213号公報、
米国特許第3669658号公報、および特開平8−1
23034号公報、特開平11−258795号公報等
に記載のある化合物が挙げられ、このうち例えば下記の
ものを挙げることができる。
【0045】
【化24】
【0046】(式中Qは水素原子、
【0047】
【化25】
【0048】である。) ポジ型感光性樹脂組成物におけるNQDの配合比は、樹
脂100重量部に対し1〜100重量部の範囲で用いら
れる。本発明のアミドフェノール化合物が上記組成物中
で用いられる量は、樹脂100重量部に対し1〜50重
量部であり、これより少ないと高感度化および現像時間
の短縮効果が得られない。また50重量部より多いと塗
膜全体の溶解速度が高くなりコントラストの低下が起
る。
【0049】また、本発明のアミドフェノール化合物を
含有する感光性樹脂組成物は、これらの成分を溶剤に溶
解したワニス状の形態をとる。ここで用いられる溶剤と
しては、NMP、GBL、DMAc、 DMF、DMS
O、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコール
ジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエ
ーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、
乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3
−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレング
リコール−3−モノメチルエーテル、ピルビン酸メチ
ル、ピルビン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオ
ネート等が挙げられ、単独でも混合して用いても良い。
溶剤の使用量は、得られる膜厚によって異なり、樹脂1
00重量部に対し、70〜1900重量部の範囲で用い
られる。
【0050】本発明のアミドフェノール化合物を含有す
る感光性樹脂組成物の使用方法は、まず該組成物を適当
な支持体、例えばシリコンウエハー、セラミック、アル
ミ基板などに塗布する。塗布方法は、スピンナーを用い
た回転塗布、スプレーコーターを用いた噴霧塗布、浸
漬、印刷、ロールコーティングなどで行う。次に、60
〜130℃でプリベークして塗膜を乾燥後、所望のパタ
ーン形状に化学線を照射する。化学線としては、X線、
電子線、紫外線、可視光線などが使用できるが、200
〜500nmの波長のものが好ましい。次に照射部を現
像液で溶解除去することによりレリーフパターンを得
る。
【0051】ここで用いられる現像液としては、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸
ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水など
の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン
などの第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−プロピ
ルアミンなどの第二アミン類、トリエチルアミン、メチ
ルジエチルアミンなどの第三アミン類、ジメチルエタノ
ールアミン、トリエタノールアミンなどのアルコールア
ミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テト
ラエチルアンモニウムヒドロキシドなどの第四級アンモ
ニウム塩などアルカリ類の水溶液、及びこれにメタノー
ル、エタノールのようなアルコール類などの水溶性有機
溶媒や界面活性剤を適当量添加した水溶液を好適に使用
することができる。
【0052】現像方法としては、スプレー、パドル、浸
漬、超音波などの方式が可能である。次に、現像によっ
て形成したレリーフパターンをリンスする。リンス液と
しては、蒸留水を使用する。次に加熱処理を行うことに
より、イミド環もしくはオキサゾール環を形成し、耐熱
性に優れた最終パターンが得られる。本発明のアミドフ
ェノール化合物を含有する感光性樹脂組成物は、半導体
用途のみならず、多層回路の層間絶縁膜、フレキシブル
銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜や液晶配向
膜などとしても有用である。
【0053】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。
【0054】
【実施例1】1Lのセパラブルフラスコに、2,2−ビ
ス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフル
オロプロパン109.88g(0.3mol)、THF3
30g、ピリジン4.75g(0.6mol)を入れ、
これに室温下で無水フタル酸88.9g(0.6mo
l)を粉体のまま加えた。そのまま室温で一晩撹拌反応
を行った後、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)
にて反応を確認したところ、原料は全く検出されず、生
成物が単一ピークとして純度99%で検出された。この
反応液をそのまま1Lのイオン交換水中に撹拌下で滴下
し、生成物を析出させた。
【0055】次に析出物を濾別した後、これにTHF5
00mLを加え撹拌溶解し、この均一溶液を陽イオン交
換樹脂:アンバーリスト15(オルガノ株式会社製)1
00gが充填されたガラスカラムを通し残存するピリジ
ンを除去した。次にこの溶液を3Lのイオン交換水中に
高速撹拌下で滴下することにより生成物を析出させ、こ
れを濾別した後真空乾燥することにより下記構造のアミ
ドフェノール化合物(AF−2)を収率89%で得た。
本化合物の構造は、 FT−IR、1H−NMRで同定さ
れた。
【0056】
【化26】
【0057】
【実施例2】1Lのセパラブルフラスコに、2,2−ビ
ス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフル
オロプロパン109.88g(0.3mol)、THF3
30gを入れ、これに室温下で二炭酸ジ−t−ブチル1
30.8g(0.6mol)をTHF60gに溶解した
ものを滴下により加えた。この反応液をそのまま室温で
一晩撹拌反応を行った後、HPLCにて反応を確認した
ところ原料は全く検出されず、生成物が単一ピークとし
て純度99%で検出された。この反応液をそのまま3L
のイオン交換水中に撹拌下で滴下し生成物を析出させ、
これを濾過により分取した後真空乾燥することにより下
記構造のアミドフェノール化合物(AF−3)を収率8
5%で得た。本化合物の構造は、FT−IR、1H−N
MRで同定された。
【0058】
【化27】
【0059】
【実施例3】1Lのセパラブルフラスコに、2,2−ビ
ス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフル
オロプロパン109.88g(0.3mol)、GBL3
30g、ピリジン4.75g(0.6mol)を入れ、
これに氷冷下でメタンスルホニルクロリド68.7g
(0.6mol)をGBL60gに溶解したものをゆっ
くり滴下した。滴下後この反応液を室温まで戻し、その
まま1時間撹拌反応を行った後HPLCにて反応を確認
したところ原料は全く検出されず、生成物が単一ピーク
として純度99%で検出された。この反応液をそのまま
1Lのイオン交換水中に撹拌下で滴下し、生成物を析出
させた。
【0060】次に析出物を分離した後、これにTHF6
00mLを加え撹拌溶解し、この均一溶液を陽イオン交
換樹脂:アンバーリスト15(オルガノ株式会社製)1
00gおよびA−21(オルガノ株式会社製)220g
が充填されたガラスカラムを通し残存するピリジンおよ
び塩素イオンの除去を行った。次にこの溶液を5Lのイ
オン交換水中に高速撹拌下で滴下することにより生成物
を析出させ、これを濾別した後真空乾燥することにより
下記構造のアミドフェノール化合物(AF−4)を収率
86%で得た。本化合物の構造は、 FT−IR、1H−
NMRで同定された。
【0061】
【化28】
【0062】以下に、樹脂組成物とする場合に用いられ
るポリマーの製造例を示す。 <ポリマー製造例1>容量2Lのセパラブルフラスラス
コ中で、DMAc370g、ピリジン13.4g(0.
17mol)、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロ
キシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン61.5g
(0.17mol)を室温(25℃)で混合攪拌し均一
な溶液とした。これに、別途ジエチレングリコールジメ
チルエーテル(DMDG)120g中にジフェニルエー
テルジカルボン酸ジクロリド41.3g(0.14mo
l)を溶解させたものを、滴下ロートより滴下した。こ
の際、セパラブルフラスコは15〜20℃の水浴で冷却
した。滴下に要した時間は20分、反応液温は最大で3
0℃であった。
【0063】滴下終了から1時間攪拌した後、反応液に
メタンスルホニルクロリド6.9g(0.06mo
l)、ピリジン18.2g(0.23mol)を添加
し、室温で15時間撹拌放置し、ポリマー鎖の全アミン
末端基の99%をメタンスルホニル基で封止した。この
際の反応率は、投入したメタンスルホニルクロリドの残
量をHPLCで追跡することにより容易に算出すること
ができる。その後、上記反応液を5Lの水に高速攪拌下
で滴下し重合体を分散析出させ、これを回収した後、適
宜水洗、脱水後に真空乾燥を施し、ヒドロキシポリアミ
ド(P −1)を得た。
【0064】また、さらにポリマーの精製が必要な場合
は、以下の方法にて実施することが可能である。すなわ
ち、上記で得られたポリマーをGBLに再溶解した後、
これを前記アミドフェノールの合成に用いたのと同様方
法により陽イオンおよび陰イオン交換樹脂にて処理し、
次にこの溶液をイオン交換水中に投入することでポリマ
ーを再沈、析出させる。さらにこれを、水洗、濾過を繰
り返した後真空乾燥することにより精製されたポリマー
を得ることができる。
【0065】<ポリマー製造例2>500mL容のセパ
ラブルフラスコに、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二
無水物32.2g(0.1mol)と3,5ジヒドロキ
シベンジルアルコール28.6g(0.204mol)
とDMAc100mLを入れた。この混合液を室温で2
4時間撹拌した。次にこのフラスコ内を5℃まで冷却し
た後、m-フェニレンジアミン10.3g(0.095m
ol)、ピリジン15.8g(0.2mol)およびD
MAc20mLを加えた。さらに、ジシクロヘキシルカ
ルボジイミド41.3g(0.2mol)をDMAc4
0mLに溶解させた溶液を前記フラスコに約30分間か
けて滴下した。その後室温まで戻しそのまま3時間反応
させ、生成した不溶物を濾別した後、得られた溶液をイ
オン交換水4L中に滴下することでポリマーを析出さ
せ、これを分取後真空乾燥することにより側鎖にフェノ
ール性水酸基を有するポリアミド酸エステル(P−2)
を得た。
【0066】
【参考例1】製造したポリマー(P−1)100重量
部、下記構造式で示されるジアゾナフトキノン(Q−
1)15重量部、実施例1で合成したアミドフェノール
(AF−2)5量部をGBLに150gに溶解し、感光
性樹脂組成物を調製した。
【0067】
【化29】
【0068】
【化30】
【0069】このポジ型感光性樹脂組成物を、事前にア
ミノシラン系カップリング剤にて処理したシリコンウェ
ハー上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプ
レート120℃で4分乾燥し、膜厚約12μmの塗膜を
得た。この塗膜に、テストパターン付きレチクルを通し
てi線ステッパー(ニコン製)で350mJ/cm2
露光を行った。次にこの露光膜を東京応化製NMD−3
現像液(2.38%TMAH水溶液)を用いて露光部を
溶解除去したところ、75秒という実用上申し分のない
短時間で現像が完了した。その後純水で30秒間リンス
を行い、得られたパターンを光学顕微鏡観察で観察した
ところ5μmのパターン(バイアホール、ラインアンド
スペースなど)が残渣もなくきれいに解像されていた。
また、この時の残膜率(現像後の膜厚/現像前の膜厚)
は91%でり、高いコントラストを示した。
【0070】
【参考例2】アミドフェノールを(AF−3)に、PA
Cを下記構造式で示される(Q−2)に代えたこと以外
は、参考例1と同様にして感光特性評価を行った。
【0071】
【化31】
【0072】
【化32】
【0073】
【参考例3】アミドフェノールを(AF−4)に代えた
こと以外は、参考例1と同様にして感光特性評価を行っ
た。
【0074】
【参考例4】ポリマーを(P−2)に、PACを(Q−
2)に代えた以外は、参考例1と同様にして感光特性評
価を行った。
【0075】
【比較例1】アミドフェノールを使用しないこと以外
は、参考例1と同様にして感光特性評価を行った。その
結果、現像時間が180秒とアミドフェノールを使用し
ない場合に比べ2倍以上を要した。また、そのため未露
光部の残膜率は75%とかなり低くなり、満足の行くコ
ントラストが得られなかった。
【0076】
【比較例2】アミドフェノールの代りにビスフェノール
Fを使用すること以外は、参考例1と同様にして感光特
性評価を行った。
【0077】
【比較例3】アミドフェノールの代りに下記構造式で示
されるフェノール(PH−1)を使用すること以外は、
参考例1と同様にして感光特性評価を行った。
【0078】
【化33】
【0079】以上、参考例1〜4、比較例1〜3の評価
結果を表1に示す。
【0080】
【表1】
【0081】
【発明の効果】本発明により新規なアミドフェノール化
合物が提供され、本発明のアミドフェノール化合物を含
むポジ型感光性樹脂組成物を用いことにより、短時間で
現像が行なわれ、かつ高感度、高コントラストのパター
ン形成が可能となる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)又は(2) 【化1】 [式中Xは下記に示される中から選ばれる基または単結
    合を示し、 【化2】 Yは(a)下記に示される基、 【化3】 (式中R1は炭素数1〜15の炭化水素基、R2は水素原
    子または炭素数1〜6のアルキル基またはハロゲン、R
    3は炭素数2〜10の飽和脂肪族炭化水素基)または、
    (b)アルケニル基もしくはアルキニル基を少なくとも
    1個を有する脂肪族基、芳香族基もしくは環式化合物
    基]で表されるアミドフェノール化合物。
  2. 【請求項2】 一般式(1)または(2)において、X
    が下記に示される基であり、 【化4】 かつ、Yが下記に示される基であることを特徴とする請
    求項1記載のアミドフェノール化合物。 【化5】
  3. 【請求項3】 下記一般式(3)又は(4) 【化6】 [式中、Yは(a)下記に示される基、 【化7】 (式中R1は炭素数1〜15の炭化水素基、R2は水素原
    子または炭素数1〜6のアルキル基またはハロゲン、R
    3は炭素数2〜10の飽和脂肪族炭化水素基)、また
    は、(b)アルケニル基もしくはアルキニル基を少なく
    とも1個を有する脂肪族基、芳香族基もしくは環式化合
    物基]で表されるアミドフェノール化合物。
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