JP4612882B2 - シートカセット及びシート給送装置及び画像形成装置 - Google Patents

Description

本発明は、シートを収容する着脱可能なシートカセットに関し、特にシートを給送するシート給送装置、或いはシートに画像を形成するプリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置に用いられるシートカセットに関する。

従来、画像形成装置は、画像形成のために供給するシートを収容したシートカセットを着脱可能に備えている。このように画像形成装置に着脱可能に装着して用いられるシートカセットには、特許文献１に開示されているように、異なるサイズのシートを収容できるようにしたものがある。図１０に、Ａ３サイズのシートＳ１及び１１×１７インチのサイズのシートＳ２が選択的に収容できるシートカセット５０を例示している。

図１０に示すシートカセット５０は、収容したシートＳ１又はシートＳ２の幅方向の位置を規制するための一対のシート幅規制板５１，５２を備えている。このシート幅規制板５１，５２は、収容するシートＳ１，Ｓ２の側端に合わせるためにシートの幅方向に移動自在に設けられている。

更に、図１０に示すシートカセット５０は、画像形成装置本体に対して、シート搬送方向と直交する幅方向に引き出し収納可能に設けられている。このようなシートカセット５０においては、シートカセット挿入時の衝撃によるシートの回転を防止するために、Ａ３及び１１×１７インチのサイズに対応する位置にぞれぞれリブ５３，５４が設けられている。

特許第３３５９１７４号

近年、カラー画像が形成可能な画像形成装置の普及により、ユーザが使用するシートサイズは多様化してきている。具体的には、例えばユーザが使用するシートサイズが、前述のＡ３サイズよりも幅の広いサイズの需要が高まってきており、シートカセットもこれらのシートサイズをサポートする必要がある。なお、Ａ３サイズよりも幅の広いサイズとしては、例えば、ＲＡ３（３０５ｍｍ×４３０ｍｍ）、１２×１８インチ（３０４．８ｍｍ×４３１．８ｍｍ）、ＳＲＡ３（３２０ｍｍ×４５０ｍｍ）等のフルブリード紙と呼ばれるシートサイズがある。

ここで、Ａ３サイズよりも幅の広いサイズのシートをサポートする場合、前述のシート回転防止のためのリブをそのサポートするシートサイズの数だけ増設しなければならない。しかしながら、シートはサイズよって搬送方向の長さ及び幅方向の長さがまちまちなため、サポートするシートサイズを増やしたとしても、それに応じて回転防止用のリブを増設することが出来ない。このため、シートカセットに収容可能なサイズを増やしたとしても、収容されたシートのサイズによっては、シートカセット挿入時にシートが回転してしまうという問題があった。

本発明の目的は、シートカセットの挿入時に、収容可能な全てのサイズのシートの回転を防止することが可能なシートカセットを提供することである。

上記目的を達成するための本発明の代表的な構成は、異なるサイズのシートが収容可能であり、シートの搬送方向と直交する幅方向に着脱可能なシートカセットであって、収容されるシートの幅方向の位置を規制する第１のガイド部材と、前記シートカセットの装着方向奥側で前記シートの後端付近の幅方向端部を規制する第２のガイド部材と、を有し、前記第２のガイド部材は、上部及び下部が前記シートカセットにより支持されて、上下方向の軸心を中心として回動可能に設けられ、前記第２のガイド部材には、回転方向の所定の角度毎に異なるシートサイズに対応してシートの後端付近の幅方向の端部を規制するための複数のガイド面が設けられており、前記ガイド面によりシートを規制するための規制位置で前記ガイド面を保持するために、突起と窪みの組み合わせにより前記第２のガイド部材の位置を保持する位置保持手段を設け、収容されるシートのサイズに応じたガイド面が、収容されるシートの端部に対応するように前記第２のガイド部材を回転させて、前記位置保持手段により前記第２のガイド部材を保持することを特徴とする。

本発明によれば、シートカセットの挿入時に、収容可能な全てのサイズのシートの回転を防止することができる。

以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。

〔第１実施形態〕
第１実施形態に係るシートカセットを有する画像形成装置として、レーザビームプリンタ（以下、単にプリンタという）を例示して具体的に説明する。なお、以下の説明では、まずプリンタの概略構成について説明し、次いでシートカセットの詳細について説明する。

まず図８及び図９を用いてプリンタの概略構成について説明する。図８はプリンタの斜視図、図９はプリンタの模式断面図である。

図８及び図９において、１はプリンタ本体であり、その下部にはシートＳを載置して収容するシートカセット２が着脱可能に装着されている。このシートカセット２は、プリンタ本体１に対して、シートの搬送方向と直交する幅方向に引き出し可能な構成となっている。またシートカセット２は、２つ以上の異なるサイズのシートが収容可能な構成となっている。このシートカセット２については後で詳細に説明する。

シートカセット２に収容されたシートは、シート給送手段を構成するローラ３，４，５により給送される。３はピックアップローラであり、シートカセット２に載置されたシートＳを適宜選択的に最上位側から送り出す。４はフィードローラ、５はリタードローラであり、ピックアップローラ３により送り出されたシートを一枚ずつに分離し、給送する。

フィードローラ４により給送されたシートは、搬送ローラ対６，７によりレジストローラ対８に向けて搬送される。レジストローラ対８は一旦停止した状態で、搬送ローラ対７により搬送されたシートの先端をレジストローラ対８のニップ部に当接させてループを形成する事により斜行を補正する。斜行が補正されたシートは、レジストローラ対８により所定のタイミングで、画像形成手段を構成するプロセスカートリッジ１０内の感光体ドラム１１と、これに対向する転写ローラ９とのニップ部に搬送される。

前記プロセスカートリッジ１０は、前記感光体ドラム１１のほか、既知のプロセス手段（帯電手段１２、現像手段１４、クリーニング手段１５）が一体に内蔵されており、プリンタ本体１に対して着脱可能に設けられている。１３はレーザ露光光学系であり、一様に帯電された感光体ドラム１１の表面に、画像情報に応じたレーザ光を照射して静電潜像を形成する。静電潜像が形成された感光体ドラム１１には、プロセスカートリッジ１２内の現像手段１４によりトナーが付与され、トナー画像が形成される。

そして、感光体ドラム１１の回転と同期してレジストローラ対８により感光体ドラム１１と転写ローラ９とのニップ部に搬送されたシートに、転写ローラ９の作用により感光体ドラム１１の表面に形成されたトナー画像が転写される。

トナー画像が転写されたシートは、定着装置１６を通過する際に加熱，加圧処理されてトナー画像がシートに永久定着される。トナー画像が定着されたシートは、排出ローラ対１７によりプリンタ本体１の上面に形成された排出トレイ１８上に排出される。

次に図１〜図４を用いてシートカセット２の詳細について説明する。図１〜図３はシートカセットの上面図、図４はシートカセットにおける後端奥ガイドの拡大斜視図である。

シートカセット２は、カセット内に収容されるシートＳの幅方向の位置を規制する一対のサイドガイド（第１のガイド部材）２１，２２を有している。サイドガイド２１，２２は図示しないラックとピニオンで連結されており、一方のサイドガイドを操作することにより他方のサイドガイドも連動してシート幅方向に移動する構成となっている。すなわち、本例のサイドガイド２１，２２は、シートＳの幅方向中央を基準にして、該シートＳの幅方向の位置を規制するものである。

また、シートカセット２は、シートＳの搬送方向後端を規制するバックガイド２３を有している。バックガイド２３は独立してシート搬送方向に移動可能となっている。

また、シートカセット２は、カセット２の装着方向奥側でシートＳの後端付近の幅方向端部を規制する後端奥ガイド（第２のガイド部材）２４を有している。この後端奥ガイド２４は、異なるシートサイズに対応する複数の規制位置に回動可能となっている。以下、詳しく説明する。

後端奥ガイド２４は、シート積載方向の上部及び下部がシートカセット２により回動可能に支持されている。本例の後端奥ガイド２４は、図４に示すように、後端奥ガイド２４の下部２４ｂがシートカセット２に、上部２４ａがカセット２に取り付けられた保持部材２５により回動可能に支持されている。

後端奥ガイド２４は、異なるシートサイズに対応する３つの規制位置に回動可能となっている。第１の規制位置は、図１に示すように、２つの異なるサイズ（本例ではＡ３及び１１×１７インチ）のシートＳ１，Ｓ２に対応する位置である。第２の規制位置は、図２に示すように、第１の規制位置におけるシートサイズよりも幅の広い、２つの異なるサイズ（本例ではＲＡ３及び１２×１８インチ）のシートＳ３，Ｓ４に対応する位置である。第３の規制位置は、図３に示すように、第２の規制位置におけるシートサイズよりも幅の広い、１つのサイズ（本例ではＳＲＡ３）のシートＳ５に対応する位置である。

後端奥ガイド２４は、図１０（ａ）に示すように後端奥ガイド上面に設けられた突起２４ｇが、保持部材２５に設けられた前述の３つの規制位置に対応する窪み２５ａ、２５ｂ、２５ｃに係合する事により保持される構成となっている。そして、後端奥ガイド２４を回転させる際は、図１０（ｂ）に示すように保持部材２５を上方に撓ませる事により回転可能となる。なお、この位置保持手段による後端奥ガイド２４の保持力は、カセット挿入時の衝撃によるシートの回転防止が可能な程度の力であり、かつ規制位置の切り替え時に保持解除可能な程度の力であることが好ましい。

Ａ３又は１１×１７インチのサイズのシートＳ１，Ｓ２を使用する際は、後端奥ガイド３１を図１に示す第１の規制位置に回動させる。後端奥ガイド３１は、Ａ３サイズのシートＳ１と１１×１７インチサイズのシートＳ２のシート幅及び長さの違いを利用した階段状の形状となっており、各シートＳ１，Ｓ２を規制する２つのガイド面２４ｃ，２４ｄを有している。よって、１つの規制位置でＡ３及び１１×１７インチの２種類のシートサイズに対応可能となっている。

ＲＡ３及び１２×１８インチのサイズのシートＳ３，Ｓ４を使用する際は、後端奥ガイド２４を第１の規制位置から反時計回り方向に９０°回転させ、図２に示す第２の規制位置に移動する。なお、ＲＡ３及び１２×１８インチのシートサイズはシート幅がほぼ同じであるため、第２の規制位置における後端奥ガイド２４のガイド面は１つ（図４のガイド面２４ｅ）となっている。

ＳＲＡ３のサイズのシートを使用する際は、後端奥ガイド２４を第１の規制位置から時計回り方向に９０°回転させ、図３に示す第３の規制位置に移動する。なお、本例では、第３の規制位置で規制するシートサイズが１つであるため、第３の規制位置における後端奥ガイド２４のガイド面も１つ（図４のガイド面２４ｆ）となっている。

上述したように、異なるシートサイズに対応する複数の規制位置に回動可能な後端奥ガイド２４を設けることにより、カセット２の挿入時に、収容可能な全てのサイズのシートの回転を防止することができる。本例では、シートカセット２に収容可能な全てのサイズ、すなわちＡ３、ＲＡ３、ＳＲＡ３、１１×１７インチ、１２×１８インチのシートサイズにおいて、カセット２をプリンタ本体１に挿入する際の衝撃によるシートの回転を防止することができる。

〔第２実施形態〕
図５〜図７を用いて第２実施形態に係るシートカセットについて説明する。図５〜図７はシートカセットの上面図である。

本実施形態に係るシートカセット２は、前述した構成に加えて更に、カセット２の装着方向手前側でシートの後端付近の幅方向端部を規制する後端前ガイド（第３のガイド部材）２６を有している。この後端前ガイド２６は、シート幅方向において前述した後端奥ガイド２４と対向する位置に配置されている。また後端前ガイド２６は、シート幅方向中央を基準にして、後端奥ガイド２４とは対称形状且つ対称位置に配置されている。更に後端前ガイド２６は、後端奥ガイド２４と同様に、２つ以上の異なるシートサイズに対応する規制位置に回動可能となっている。

この後端前ガイド２６の、カセットによる保持構成、及び異なるシートサイズに対応する規制位置への回動構成は、前述した後端奥ガイド２４と同様に構成されている。このため、前述した後端奥ガイド２４の説明を援用するものとし、ここでは詳しい説明は省略する。

なお、後端前ガイド２６は、後端奥ガイドとは対称関係にあるため、各シートサイズに対する回動方向が後端奥ガイド２４とは反対方向となっている。図５に示す位置が、２つの異なるサイズ（本例ではＡ３及び１１×１７インチ）のシートＳ１，Ｓ２に対応する第１の規制位置である。図６に示す位置が、第１の規制位置におけるシートサイズよりも幅の広い、２つの異なるサイズ（本例ではＲＡ３及び１２×１８インチ）のシートＳ３，Ｓ４に対応する第２の規制位置である。図７に示す位置が、第２の規制位置におけるシートサイズよりも幅の広い、１つのサイズ（本例ではＳＲＡ３）のシートＳ５に対応する第３の規制位置である。

上述したように、異なるシートサイズに対応する複数の規制位置に回動可能な後端前ガイド２６を設けることにより、前述した実施形態と同様の効果が得られるだけでなく、更にユーザがシートカセット２にシートを積載する際には、シート搬送方向に対し平行に載置可能となり、シートの斜行の防止が可能となる。

〔他の実施形態〕
前述した実施形態では、シートの幅方向の位置を規制する第１のガイド部材が、シートの幅方向中央を基準にして、その幅方向の位置を規制する構成を例示したが、本発明はこれに限定するものではない。例えば、シートの幅方向一方側（カセット内壁など）を基準にして、幅方向他方側に移動可能な第１のガイド部材を有するシートカセットであっても良い。この場合、幅方向他方側は、カセットの引き出し方向奥側となる。このようなシートカセットに本発明を適用しても同様の効果が得られる。

また前述した実施形態では、後端奥ガイド２４及び後端前ガイド２６が、異なるシートサイズに対応する各規制位置において、１つシートサイズ又は２つの異なるシートサイズが規制可能な構成を例示した。しかしながら、後端奥ガイド２４及び後端前ガイド２６が各規制位置において規制可能なシートサイズの数は、前述した数に限定されるものではなく、必要に応じて適宜設定すれば良い。また、後端奥ガイド２４及び後端前ガイド２６が回動可能な規制位置も前述した３つに限定されるものはなく、必要に応じて適宜設定すれば良い。

また前述した実施形態では、画像形成装置としてプリンタを例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば複写機、ファクシミリ装置等の他の画像形成装置であっても良い。或いはこれらの機能を組み合わせた複合機等の他の画像形成装置であっても良い。これらの画像形成装置に着脱可能に装着されるシートカセットに本発明を適用することにより同様の効果を得ることができる。

また前述した実施形態では、画像形成装置に対して着脱自在なシートカセットを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば画像形成装置に着脱自在なオプションユニットとしての給送デッキなどのシート給送装置であっても良い。すなわち、シートカセットが着脱自在であり、カセットからシートを送り出すシート給送手段を備えたシート給送装置であっても良く、該シート給送装置に本発明を適用することにより同様の効果を得ることができる。

第１実施形態に係るシートカセットの上面図 第１実施形態に係るシートカセットの上面図 第１実施形態に係るシートカセットの上面図 シートカセットにおける後端奥ガイドの拡大斜視図 第２実施形態に係るシートカセットの上面図 第２実施形態に係るシートカセットの上面図 第２実施形態に係るシートカセットの上面図 プリンタの斜視図 プリンタの模式断面図 第２のガイド部材を保持するための構成を説明するための斜視図 従来のシートカセットの上面図

符号の説明

Ｓ，Ｓ１，Ｓ２，Ｓ３，Ｓ４，Ｓ５ …シート
１ …プリンタ本体
２ …シートカセット
３ …ピックアップローラ
４ …フィードローラ
５ …リタードローラ
６，７ …搬送ローラ対
８ …レジストローラ対
９ …転写ローラ
１０ …プロセスカートリッジ
１１ …感光体ドラム
１２ …帯電手段
１４ …現像手段
１５ …クリーニング手段
１６ …定着装置
１７ …排出ローラ対
１８ …排出トレイ
２１，２２ …サイドガイド（第１のガイド部材）
２３ …バックガイド
２４ …後端奥ガイド（第２のガイド部材）
２４ａ …上部
２４ｂ …下部
２４ｃ，２４ｄ，２４ｅ，２４ｆ …ガイド面
２５，２６ …保持部材
２６ …後端前ガイド（第３のガイド部材）

Claims (5)

1. 異なるサイズのシートが収容可能であり、シートの搬送方向と直交する幅方向に着脱可能なシートカセットであって、
   収容されるシートの幅方向の位置を規制する第１のガイド部材と、
   前記シートカセットの装着方向奥側で前記シートの後端付近の幅方向端部を規制する第２のガイド部材と、を有し、
   前記第２のガイド部材は、上部及び下部が前記シートカセットにより支持されて、上下方向の軸心を中心として回動可能に設けられ、前記第２のガイド部材には、回転方向の所定の角度毎に異なるシートサイズに対応してシートの後端付近の幅方向の端部を規制するための複数のガイド面が設けられており、
   前記ガイド面によりシートを規制するための規制位置で前記ガイド面を保持するために、突起と窪みの組み合わせにより前記第２のガイド部材の位置を保持する位置保持手段を設け、
   収容されるシートのサイズに応じたガイド面が、収容されるシートの端部に対応するように前記第２のガイド部材を回転させて、前記位置保持手段により前記第２のガイド部材を保持することを特徴とするシートカセット。
2. 前記第２のガイド部材を階段状に形成し、前記位置保持手段により保持された位置で、２つの異なるサイズのシートを規制可能とする２つのガイド面が設定されることを特徴とする請求項１に記載のシートカセット。
3. 前記シートカセットの装着方向手前側で前記シートの後端付近の幅方向端部を規制する第３のガイド部材を有し、前記第３のガイド部材は前記第２のガイド部材と同一の構造を有することを特徴とする請求項１又は２に記載のシートカセット。
4. 請求項１乃至３のいずれか１項に記載のシートカセットと、前記シートカセットからシートを送り出すシート給送手段と、を有することを特徴とするシート給送装置。
5. 請求項１乃至３のいずれか１項に記載のシートカセットと、前記シートカセットから送り出されたシートに画像を形成する画像形成手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。

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