JP2004238150A - 給紙装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】大容量の給紙装置においては、用紙から受ける衝撃力でサイドガイドが変形したり、位置がずれたりする問題があった。そこで、サイドガイドが操作性に優れ、安価で、しかも、変形や位置のずれが生じにくい給紙装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置に複数サイズの記録媒体を供給可能な給紙装置200において、積層載置された記録媒体Pの端縁を給紙方向の左右両側から位置決めするサイドガイド215,216を、箱体構造にした。給紙装置を、給紙方向と直交する方向に出し入れする際、停止時に記録媒体Pの慣性力でサイドガイドに衝撃力が加わるが、箱体構造にすることで、衝撃力に耐えることができる。箱体内の中空部分を、ファンを取り付けるための空間として利用することもできる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、画像形成装置などに記録紙を供給する給紙装置に関し、特に、複数サイズの記録紙を供給することができる給紙装置及び画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
コピー機やプリンターなどの画像形成装置には、A4、B4、B5サイズ等の複数のサイズの記録紙を収容できる給紙装置を用いている。このような給紙装置には、500枚を越える記録紙を装填できる大容量給紙装置がある(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
図6は、上記特許文献1(特開2001−253563号)に記載されたもので、大容量の給紙装置10と、デジタル複写機からなる画像形成装置本体100とから構成される従来の画像形成装置を示す図である。
【0004】
画像形成装置本体100の上部には、原稿Gが載置される原稿載置板101が設けられている。原稿Gは、露光ランプ110と一体に移動するミラー111と、このミラー111の移動距離の半分を移動するV型に構成されたミラー112,113と、結像レンズ114と、CCD115とで読み取られる。
【0005】
ドラム状の感光体102の外周には、帯電器103、現像器104、転写器105、分離器106、クリーニング装置107が各々動作順に配置されている。
【0006】
CCD115で読み取られたデジタル画像データは、図示しないレーザから出射されるレーザ光に重畳され、ポリゴンミラー116により走査される。走査されたレーザ光は、ミラー117,118により反射され、fレンズ119、シリンドリカルレンズ120、ミラー121を介して、感光体102上に原稿画像を結像する。感光体102は、その表面の感光層面に帯電器103で電荷が付与されており、原稿画像が結像することによって、感光層面上に原稿画像に応じた静電潜像を形成する。
【0007】
この静電潜像は、現像器104に達すると、静電潜像にトナーが付着してトナー画像となり、可視像を形成する。
【0008】
更に、画像形成装置本体100の下方位置には、上下方向に両面複写用給紙ユニット130と、給紙ユニット140,150,160が配置されており、給紙ユニット140,150,160には異なるサイズの記録媒体としての記録紙Pが収納されている。
【0009】
例えば、給紙ユニット140内に収納された記録紙Pが選択されると、記録紙Pを給紙ローラ141にて1枚のみ給紙し、この記録紙Pを案内ローラ142により搬送する。
【0010】
同様にして、給紙ユニット150,160内に収納された記録紙Pが選択されると、記録紙Pを給紙ローラ151,161にて1枚のみ給紙し、この記録紙Pを案内ローラ152,162により搬送する。
【0011】
そして、記録紙Pは、搬送路170をトナー画像が形成された感光体102方向に搬送される。そして、記録紙Pはレジストローラ172で一旦停止させられ、感光体102に形成されたトナー画像と記録紙Pとが一致するようにして給紙が行われる。
【0012】
次に、感光体102のトナー画像が転写器105により記録紙Pに転写され、この記録紙Pは分離器106により感光体102面より分離される。そして、記録紙Pは搬送装置173で定着器180に搬送される。
【0013】
定着器180は加熱ローラ181と加圧ローラ182とを備えており、記録紙Pのトナー画像が加熱ローラ181と加圧ローラ182とにより記録紙Pに安定に定着した状態にされる。
【0014】
定着が完了した記録紙Pは排紙案内ローラ174により排紙される。片面複写の場合は排紙切換部材175が下降し、そのまま排紙トレイ176に記録紙Pが排紙される。
【0015】
両面複写の場合は排紙切換部材175が上昇し、記録紙案内部177が開放され、記録紙Pは下方に搬送される。
【0016】
そして、搬送機構178により記録紙Pは下方に搬送され、記録紙反転部179によりスイッチバックさせられ、記録紙Pの後端部は先端部となって両面複写用給紙ユニット130内に搬送される。
【0017】
記録紙Pは両面複写用給紙ユニット130に設けられた搬送ベルト131で給紙方向に移動し、給紙ローラ132で記録紙Pを再給紙し、記録紙Pを搬送路170に案内する。
【0018】
再び、上述したように感光体102方向に記録紙Pを搬送し、記録紙Pの裏面にトナー画像を転写し、定着器180で定着した後、排紙トレイ176に排紙する。
【0019】
給紙装置10は、上述の各種サイズの給紙ユニット140,150,160とは異なり、通常サイズの大容量の給紙が可能で且つサイズの切り換えを可能にした給紙装置である。即ち、使用頻度の多いサイズの記録媒体P(記録紙)を大量に装填しておき補給頻度を少なくさせ、効率の良い給紙をさせたものである。因みに現在使われる記録紙サイズで、頻度の最も多いのはA4サイズであり、業界によっては葉書サイズの頻度も多い。従ってこの両サイズを兼用できるようにした大容量の給紙装置を設けることが望まれている。
【0020】
積層された大容量の記録紙Pは、上下方向に昇降可能なトレイ11上に載置され、記録紙Pの最上位置が常に給紙位置に保たれるように調整される。
【0021】
積層配置された記録紙Pの最上の一枚は、送り出しローラ12により送り出され、送り出しローラ12によって送り出された記録紙Pが二枚以上であった場合、重送防止ローラ対13によって、一番上の記録紙Pのみを搬送し、他の記録紙Pは押し戻される。送り出しローラ12によって送り出された一番上の記録紙Pは、搬送ローラ対14によって、画像形成装置本体100内の搬送路170へ搬送される。
【0022】
図7は、給紙装置10の構造を示す上面図である。給紙装置10は、本体枠10aに囲まれた内部を記録紙Pの収容部とし、この中に、トレイ11が昇降自在に設けられている。図7の矢印Aは給紙方向を示し、矢印Bは、給紙装置10を画像形成装置に出し入れする方向を示す。
【0023】
給紙装置10の底板には、記録紙Pの両側端縁を規制するサイドガイド15,16と、記録紙Pの後端縁を規制するためのエンドガイド17とを配置している。トレイ11には、サイドガイド15,16やエンドガイド17によって昇降が抑制されないように幾つかの切欠が形成されている。そして、上記2種類のガイド部材15,16,17をトレイ11上に積層された記録紙Pに押圧して規制することにより、給紙装置10から送り出される記録紙Pの位置決めを行う。
【0024】
給紙装置10の底板には、記録紙搬送方向に対して横方向に設けられた横ガイドロッド18,19があり、これらが、両サイドガイド15,16のスライド部材15a,16aに挿通されている。エンドガイド17は、底板に形成された縦ガイド20内を記録紙搬送方向(矢印A方向)に沿って移動可能であって、任意の位置に固定保持できるように設けられている。
【0025】
一対のスライド部材15a,16aには対向する面にラック15b,16bが形成されており、中央部に設けているピニオン21に同時に噛み合って、一対のスライド部材15a,16aの一方を移動させることで、他方のスライド部材を連動して移動させることができる。したがって、図7に示した2つのサイドガイド15,16のうちの1つを移動させることにより、トレイ11上に載置した記録紙Pに対して、その両側端縁にサイドガイド15,16を位置決めする作業を容易に行うことができる。
【0026】
図8は、図7の給紙装置10の要部斜視図である。この図のサイドガイド15,16は、金属板製で、記録紙の搬送方向の前後に2分割されている。ラック15b,16b及びピニオン21は、トレイ11の下にあって、この図には表れていない。
【0027】
図8(a)に示すように、本体枠10aのサイドガイド16側には、ブレーキロッド22が固定されており、サイドガイド16の一部が二重構造で、二重構造の一方がスイング可能な板状レバー16cとなっていて、図8(b)に示すように、この下端の切欠16eにブレーキロッド22が挿通されている。板状レバー16cは通常は、バネ手段16dによって、外側に付勢されている。
【0028】
図8(a)及び(c)に示すように、板状レバー16cは通常は、バネ手段16dの付勢力によってブレーキロッド22に対して傾斜しており、切欠16eの端部がブレーキロッド22に圧接してブレーキをかけ、サイドガイド16が移動するのを阻止している。バネ手段16dの付勢力に抗して板状レバー16cをブレーキロッド22と直角になるようにすると、図8(d)に示すように、ブレーキロッド22と切欠16eとの間に隙間ができるので、板状レバー16cはブレーキロッド22上をスライド自在となり、サイドガイド16は横ガイドロッド18に沿って移動可能となる。すなわち、図8(c)がサイドガイド15,16の固定位置で、図8(d)が移動可能位置である。以上の構成によって、サイドガイド15,16は、任意の位置に移動し、その位置でロックできることになる。
【0029】
このような大容量給紙装置では、サイドガイド15,16の高さが高くなるので、積載される記録紙の重量により、記録紙積載時にサイドガイド15,16やエンドガイド17が変形したり、固定位置がずれるなどの問題がある。また、給紙装置10は、画像形成装置本体100に出し入れ可能に取り付けられており、その出し入れ方向は、一般に、図8(a)に示す記録紙の搬送方向(矢印A方向)に対して直交方向(矢印B方向)である。そのため、収納完了時に、記録紙Pの慣性力によって、奥側のサイドガイド15に大きな衝撃力が加わることになり、この衝撃力によっても、サイドガイド15が変形したり、位置がずれたりするという問題があった。
【0030】
これに対し、上記特許文献1や特許文献2(特開平11−11691号)では、記録紙を充填する場合、記録紙を載置するトレイの高さを最下部まで下げずに、中間位置に保ち、数回に分けて記録紙を供給するようにしている。このようにすることで、記録紙の不揃いを防止し、かつ、記録紙充填時におけるサイドガイド等へ加わる力を小さくしているが、収納時の衝撃を防止することには対応できない。
【0031】
図9は、特許文献3(特開2002−46869号)に記載されたもので、上記の問題の解決を図ったものである。図9では、金属板製のサイドガイド25,26を用いているが、これらの上端に上部固定板25a,26aを設けている。そして、上部固定板25a,26aには長孔25b,26bを穿け、ここにビス27を挿通して上部固定板25a,26aを本体枠に固定する。これによって、サイドガイド25,26は上下両端で固定されることになり、変形や位置ズレを防止することができるようになった。記録紙サイズが変更される場合は、長孔25b,26bに挿通されたビス27を弛め、サイドガイド25,26の位置を新しい記録紙サイズの位置に合わせてから、ビス27を締め付けて固定する。
【0032】
又は、図10のような構成もある。ここでは、サイドガイド15,16のうち、出し入れ方向で奥側になるサイドガイド15にだけ、上端に上部支え部材15cを設けている。これによって、給紙装置10を画像形成装置本体100に収納したとき、奥側のサイドガイド15に加わる衝撃力を受けることができ、サイドガイド15の変形や位置ずれを防止できるようにしている。ただし、この場合も、記録紙サイズが変更になるとサイドガイド15も移動する必要があるので、上部支え部材15cは、ラックとピニオンを用いた複雑な機構となっている。
【0033】
また、図示は省略するが、サイドガイドなどの裏面に補強用の板金部材を固定しているものもある。さらに、特許文献4(特開2001−19173号)では、サイドガイドの上下にラックを形成し、サイドガイドに沿って垂直に延びるピニオンシャフトを配置し、このピニオンシャフトの両端にサイドガイドの上下のラックに噛み合うピニオンを取り付け、サイドガイドが上下同時に進退するようにしたものもある。
【0034】
【特許文献1】
特開2001−253563号 図2
【特許文献2】
特開平11−11691号 図2
【特許文献3】
特開2002−46869号 図4
【特許文献4】
特開2001−19173号 図2、図3
【0035】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、サイドガイドの上部を固定板25a,26aで固定したり、上部支え部材15cで支持したりする構成では、サイドガイド15,16の動きが悪くなり、操作性が劣る。また、ラックとピニオンを用いた構造では、サイドガイドの構造が複雑になり、コストアップとなり、しかも、十分な強度を得られない。
【0036】
本発明は、このような事実に鑑みてなされたもので、大容量の給紙装置であって、サイドガイドが操作性に優れ、安価で、しかも、変形や位置のずれが生じにくい給紙装置及びこのような給紙装置を備えた画像形成装置を提供することを目的としている。
【0037】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明の給紙装置は、画像形成装置に複数サイズの記録媒体を供給可能な給紙装置であって、積層載置された記録媒体の端縁を給紙方向の左右両側から位置決めするサイドガイドと、給紙方向の後端側から位置決めするエンドガイドとを有し、上記サイドガイドとエンドガイドの少なくとも一つが中空の箱体であることを特徴としている。
【0038】
上記給紙装置が、上記画像形成装置に給紙方向と直交する方向に出し入れ可能に取り付けられ、上記サイドガイドが上記箱体構造である構成としたり、上記給紙装置が、上記画像形成装置に出し入れ可能に取り付けられ、出し入れ方向の奥側のガイドが上記箱体構造である構成としてもよい。
【0039】
上記給紙装置が上記サイドガイドの移動をガイドする軌道部材を有し、上記サイドガイドが上記軌道部材と係合するための接続部材を備え、左右のサイドガイドを上記箱体と上記接続部材とに分割し、両者を着脱可能な構造とすることもできる。上記箱体を、複数の金属製の薄板で構成してもよい。
【0040】
上記箱体の中空内にファンを取り付け、該ファンの送風口を上記箱体に形成し、積層載置された記録媒体の上部に吹き付け可能な構成とすることもできる。
本発明の画像形成装置は、上記いずれかの給紙装置を備えてなるものである。
【0041】
【作用】
給紙装置におけるサイドガイド又はエンドガイドを中空の箱体にしたので、ガイドの剛性が上昇し、記録紙充填時や給紙装置出し入れ時に加わる衝撃力に十分耐えることができる。
【0042】
給紙装置が画像形成装置に給紙方向と直交する方向に出し入れされるものの場合、サイドガイドが出し入れ方向の前後に配置されることになる。給紙装置を引き出したとき手前側のサイドガイドに衝撃力が加わり、押し込んだときは奥側のサイドガイドに衝撃力が加わる。そこで、左右のサイドガイドを箱体構造にすることで、両方の衝撃力に耐えることができるようになる。
【0043】
引き出したとき手前側のサイドガイドに加わる衝撃力と、押し込んだときに奥側のサイドガイドに加わる衝撃力とを比較すると、押し込んだときに奥側に加わる衝撃力の方が大きい。そこで、奥側のサイドガイドのみを箱体構造にしてもよい。
【0044】
サイドガイドを上記箱体と上記接続部材とに分割し、両者を着脱可能な構造とすれば、サイドガイドが破損した場合や、ファンの付いたサイドガイドに変更することができる。
【0045】
上記箱体の中空内にファンを取り付けることができ、ファンの送風口を上記箱体に形成し、積層載置された記録媒体の上部に吹き付けるようにすると、記録媒体の分離を良くすることができ、スペースの有効活用にもなる。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下に図面を用いて本発明の実施例を説明する。
図1は本発明の給紙装置の要部を示す斜視図である。この給紙装置200は、記録媒体として複数サイズの記録紙Pを収容できるもので、基本的な構成は従来例に示すものと同じである。
【0047】
すなわち、給紙装置200は、本体枠200a内の空間を記録紙Pの収容部とし、この内部にトレイ211が昇降自在に設けられている。図1の矢印Aは給紙方向を示し、矢印Bは、給紙装置200を画像形成装置に収納する出し入れ方向を示す。
【0048】
給紙装置200の底部には、記録紙Pの両側面を規制するサイドガイド215,216と、記録紙Pの後端部を規制するためのエンドガイド217とを配置している。出し入れ方向Bに対し、サイドガイド215が奥側で、サイドガイド216が手前側となる。そして、上記2種類のガイド部材215,216,217で記録紙Pの位置決めをする。以上は従来例で説明したのと同様である。
【0049】
図2(a)は、給紙装置200の要部上面図で、図2(b)は(a)のI−I断面図である。図3は一方のサイドガイド215の図で、(a)は正面図、(b)は(a)のII−II断面図、(c)は上面図である。図4は一方(奥側)のサイドガイド215を取り付ける接続部材230の図で、(a)は上面図、(b)は正面図である。図5は他方(手前側)のサイドガイド216を取り付ける接続部材240の図で、(a)は上面図、(b)は正面図である。
【0050】
サイドガイド215は、給紙装置200に設けられた金属製丸棒製のガイドロッドからなる2本の軌道部材218,219によって、また、サイドガイド216は、同様の2本の軌道部材220,221によって、それぞれ移動方向が規制されている。サイドガイド216には、これらの他にもう一本のブレーキロッド222が挿通されている。エンドガイド217は、給紙装置200の底部中央に記録紙Pの搬送方向に沿って形成された軌道部材223上をスライド自在にかつ、記録紙Pサイズに合致した位置に固定可能な状態で取り付けられている。
【0051】
サイドガイド215,216は、接続部材230,240上にビスなどで固定され、軌道部材218〜221が接続部材230,240とサイドガイド215,216とに挿通されることで、記録紙Pの搬送方向と直角の方向(矢印Bの方向)にスライド可能となってる。接続部材230と接続部材240は、金属薄板をプレス加工などで打ち抜き、折り曲げ加工して形成されたもので、対向する部分にラック231,241が形成されている。給紙装置200の底部にはピニオン250が設けられ、このピニオン250が上記対向するラック231,241の双方に同時に噛み合っている。この構造によって一方のサイドガイドを動かせば、他方のサイドガイドも連動して動き、記録紙Pを搬送方向の左右両側から挟んで位置決めすることができる。
【0052】
図3に示すように、サイドガイド215は、金属薄板からなる中空の箱体で、複数の金属薄板をそれぞれプレスなどで折曲加工し、溶接或いはネジ止めなどの適当な方法で接続して中空の箱体にしたものである。サイドガイド215の下端は、箱体の外側に折り曲げて固定片215aとし、この固定片215aにビスなどの通孔をあけて接続部材230に固定する。サイドガイド215の内部空間には、ファン260が取り付けられている。そして、サイドガイド215の上方には、ファンの吹出口215bが穿設されている。ファン260が回転すると吹出口215aから吹き出された風が積層された記録紙Pの上部に当たり、記録紙Pの1枚ずつの分離を良くすることができる。さらに、風を吹き付けたとき、上部の記録紙Pが浮き上がり過ぎる場合に備えて、ローラ状の押さえ部材261を記録紙Pの先端近傍の位置に設けている。この押さえ部材261は折畳式にして、使用しないときは、サイドガイド215の内部に収容できるようにしてもよい。また、サイドガイド215の下端には、軌道部材218,219,220を挿通するための切欠215cを必要な個所に必要な個数形成している。この切欠215cに軌道部材218,219,220を直接挿通してもよく、切欠215cに軸受を取り付けてこれに挿通させてもよい。
【0053】
他方のサイドガイド216も図2(b)に示すように、金属薄板からなる箱体である。そして、図示しないが、軌道部材を挿通する切欠を有する。ただし、ファン260は設けていない。これは、ファン260は、両側のサイドガイド215,216のいずれか一方にあれば十分だからである。したがって、必要な場合には、こちらのサイドガイド216にもファン260と吹出口を形成することは可能である。また、図には表れていないが、ブレーキロッド222を挿通させるために、切欠215cと同様の切欠を備えている。そして、サイドガイド215,216の固定手段としてのブレーキ装置を有する。
【0054】
このブレーキ装置は、ブレーキロッド222と、切欠板216aと、回動軸216bと、レバー216cとから構成されるが、原理的には、図8のブレーキロッド22と板状レバー16cの切欠16eによるブレーキ装置と同様になっている。すなわち、サイドガイド216の下部に切欠があって、ここにブレーキロッド222が挿通され、このブレーキロッド222が遊嵌できる幅の切欠を有する切欠板216aが設けられている。この切欠板216aはレバー216cに固定され、レバー216cは回動軸216bに固定され、レバー216cと回動軸216bはサイドガイド216の上部にまで延びていて、サイドガイド216の上端の開口にレバー216cが露出している。レバー216cは回動軸216bを中心に回動自在で、図示しないバネ手段によって、通常は、図2の仮想線に示す216c’の位置にある。そのため、切欠板216aの切欠は、図8(c)に示す固定位置に保持される。レバー216cをバネ手段に抗して点線に示す移動位置に回動すると、切欠板216aの切欠は、図8(d)に示す移動可能位置になり、サイドガイド215,216の移動が可能になる。
【0055】
図4に示す接続部材230は、L型をしており、幅の狭い方の辺には図の上側にラック231が形成され、太い方の辺には、両側に起立片232,233が形成されている。また、幅の狭い方の辺の先端にも起立片234が形成されている。起立片232,233はサイドガイド215支持用で、起立片234は軌道部材218の挿通用の孔を有する。接続部材230は、その太い方の辺の下端にもラック235が形成されている。これは、図2に示すようにピニオン251と噛み合い、サイドガイド215,216の位置が記録紙サイズによって変化するのをピニオン251の回転角度で検知して図示しない記録紙サイズセンサに伝達するためのものである。
【0056】
図5に示す接続部材240もL型で、幅の狭い方にはラック231と向き合うように下側にラック241が形成され、太い方の辺には、両側に起立片242,243が形成されている。また、幅の狭い方の辺の先端にも起立片244が形成されている。起立片242,243はサイドガイド216支持用で、起立片244は軌道部材220の挿通される孔を有する。
【0057】
サイドガイド215,216は、箱体本体の部分215,216と接続部材230,240とがビスなどで着脱自在になっているので、後から簡単に別の箱体と交換することができる。たとえば、破損した箱体を交換したり、当初はファン260の無いタイプであったのを、ファン付きのものに交換することなどが可能となる。
【0058】
次に、本発明の給紙装置200の使用方法を説明する。
トレイ211を適当な高さに保ち、積層された記録紙Pをトレイ211上に載置する。レバー216cを仮想線216c’の位置から点線216cの位置に回動してロックを解除し、サイドガイド215,216を同時に移動して積載された記録紙Pの両側の端縁の位置を決める。引き続きエンドガイド217を移動して後端端縁の位置を決める。ラック235に噛み合っているピニオン251の回転角によって記録紙Pのサイズが読み取られる。この後、トレイ211を所定の量だけ降下させ、記録紙Pを追加していく。記録紙Pを追加するとき、必要に応じてサイドガイド215,216とエンドガイド217を動かして記録紙Pを充填し易くなるよう調整する。記録紙Pの充填が終了したら、給紙装置200を画像形成装置本体100に収納する。このとき給紙装置200は、図2(b)の矢印B方向に移動し、画像形成装置の所定の位置に達すると停止する。記録紙Pが停止する際の慣性力により奥側のサイドガイド215に大きな力が加わる。従来の金属板製のサイドガイドであれば、この力によって、変形したり、位置がずれたりしていた。しかし、本発明のサイドガイド215は、箱体になっているので、剛性が高く、記録紙Pが大量であって、慣性力が大きくても、十分に耐えることができ、変形したり、ずれたりすることはない。
【0059】
給紙装置200を収容する際にサイドガイド215,216に加わる衝撃力は、奥側のサイドガイド215に加わる慣性力の方が大きい。手前側のサイドガイド216の方は、従来とおなじ板状の構造でも良い。しかし、サイドガイド215,216は、ラック231,241とピニオン250とで連動していることから、奥側のサイドガイド215への衝撃力が手前側のサイドガイド216にも衝撃力が及ぶので、両方とも箱体構造にすることが望ましい。
【0060】
エンドガイド217であるが、この実施例では給紙装置200の出し入れ方向と平行に設けられているので、特に、強化する必要はない。ただし、給紙装置200の出し入れ方向が、エンドガイド217と直交する方向になれば、エンドガイド217を箱体構造にすることが望ましいと言える。
【0061】
箱体は、本発明の実施例では、金属製としている。しかし、金属製に限定せず、樹脂製でもよい。金属製にすると安価にでき、しかも、薄く形成することができて内部の空間も広くなる。箱体の厚さであるが、箱体の高さに対し、10〜45%程度が適当である。10%未満では剛性の向上が十分ではなく、45%を越えると、給紙装置が大型化してしまう弊害が生じるからである。
【0062】
また、画像形成装置では、一般に、記録紙やトナーの供給や、ジャム処理の際に操作すべき部品を、目印となる一定の色彩の合成樹脂部材で形成したり、合成樹脂部材を取り付けたりしている。サイドガイドやエンドガイドもこれらの操作部材に含まれるので、箱体の最上部に目印となる合成樹脂製の部材を、たとえば、カバーとして取り付ける構成としてもよい。
【0063】
【発明の効果】
以上に説明したように本発明の給紙装置は、サイドガイドとエンドガイドの少なくとも一つが中空の箱体である構成としたので、簡単な構成で、箱体とされたガイドの剛性を大幅に向上させることができる。
【0064】
上記給紙装置が、上記画像形成装置に給紙方向と直交する方向に出し入れ可能に取り付けられる構造の場合、左右両サイドガイドに衝撃力が加わるので、これらを上記箱体構造とすれば、記録紙から両サイドガイドに加わる慣性力に十分耐えることができ、ガイドがずれたり、変形したりすることを防止できる。
【0065】
この場合、出し入れ方向の奥側のサイドガイドの方が、大きな衝撃力を受けるので、こちらだけを上記箱体構造にしてもよい。
【0066】
上記給紙装置が上記サイドガイドの移動をガイドする軌道部材を有し、上記サイドガイドが上記軌道部材と係合するための接続部材を備え、左右のサイドガイドを上記箱体と上記接続部材とに分割し、両者を着脱可能な構造とすれば、サイドガイドの交換を容易にすることができる。
【0067】
上記箱体の中空内にファンを取り付け、該ファンの送風口を上記箱体に形成し、積層載置された記録媒体の上部に吹き付け可能とすれば、箱体内の空間を有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の給紙装置の要部を示す斜視図である。
【図2】(a)は、給紙装置の要部上面図で、(b)は(a)のI−I断面図である。
【図3】一方のサイドガイドの図で、(a)は正面図、(b)は(a)のII−II断面図、(c)は上面図である。
【図4】一方(奥側)のサイドガイドを取り付ける接続部材の図で、(a)は上面図、(b)は正面図である。
【図5】他方(手前側)のサイドガイドを取り付ける接続部材の図で、(a)は上面図、(b)は正面図である。
【図6】大容量の給紙装置と、デジタル複写機からなる画像形成装置本体とから構成される従来の画像形成装置を示す図である。
【図7】給紙装置の構造を示す上面図である。
【図8】(a)は、図7と同様の給紙装置の要部斜視図、(b)は板状レバーと切欠部分の斜視図、(c)はサイドガイドの固定状態、(d)はサイドガイドの移動可能状態を示す図である。
【図9】サイドガイドの上部を上部固定板で固定する従来例を示す斜視図である。
【図10】サイドガイドの上部を上部支え部材で支持する従来例を示す斜視図である。
【符号の説明】
P 記録紙(記録媒体)
200 給紙装置
215 サイドガイド(奥側)
216 サイドガイド(手前側)
217 エンドガイド
218,219,220,221 軌道部材
230,240 接続部材
260 ファン

Claims (6)

  1. 画像形成装置に複数サイズの記録媒体を供給可能な給紙装置であって、積層載置された記録媒体の端縁を給紙方向の左右両側から位置決めするサイドガイドと、給紙方向の後端側から位置決めするエンドガイドとを有し、上記サイドガイドとエンドガイドの少なくとも一つが中空の箱体であることを特徴とする給紙装置。
  2. 上記給紙装置が、上記画像形成装置に給紙方向と直交する方向に出し入れ可能に取り付けられ、上記サイドガイドが上記箱体構造であることを特徴とする請求項1記載の給紙装置。
  3. 上記給紙装置が、上記画像形成装置に給紙方向と直交する方向に出し入れ可能に取り付けられ、出し入れ方向の奥側のサイドガイドが上記箱体構造であることを特徴とする請求項1記載の給紙装置。
  4. 上記給紙装置が上記サイドガイドの移動をガイドする軌道部材を有し、上記サイドガイドが上記軌道部材と係合するための接続部材を備え、左右のサイドガイドを上記箱体と上記接続部材とに分割し、両者を着脱可能な構造としたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の給紙装置。
  5. 上記箱体の中空内にファンを取り付け、該ファンの送風口を上記箱体に形成し、積層載置された記録媒体の上部に吹き付け可能としたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の給紙装置。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の給紙装置を備えてなることを特徴とする画像形成装置。
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