以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
[画像形成装置10の構成]
まず、図1を参照しつつ、本発明の実施形態に係る画像形成装置10の構成について説明する。ここで、図1は画像形成装置10の構成を示す断面模式図である。
なお、説明の便宜上、画像形成装置10が使用可能な設置状態(図1に示される状態)で鉛直方向を上下方向D1と定義する。また、図1に示される画像形成装置10の右側の面を正面(前面)として前後方向D2を定義する。また、前記設置状態の画像形成装置10の正面を基準として左右方向D3を定義する。
画像形成装置10は、画像データに基づいて画像を形成するプリント機能を有するプリンターである。なお、画像形成装置10は、ファクシミリ装置、コピー機、及び複合機などであってもよい。また、本発明は、画像形成装置10に増設されて画像形成装置10に用紙を供給するオプションフィーダーなどの用紙搬送装置に適用されてもよい。
図1に示されるように、画像形成装置10は、筐体10A、画像形成部3、及び用紙供給部4を備える。
筐体10Aは、画像形成装置10の各構成要素を収容する。図1に示されるように、画像形成部3及び用紙供給部4は、筐体10Aの内部に設けられる。筐体10Aの上面には、不図示の操作表示部、及び排紙トレイ47が設けられている。画像形成装置10のユーザーは、前記操作表示部を操作して、画像形成装置10に印刷処理等の各種の処理を実行させることが可能である。
画像形成部3は、外部のパーソナルコンピューター等の情報処理装置から入力された画像データに基づいて電子写真方式で画像を形成することが可能である。具体的に、画像形成部3は、図1に示されるように、感光体ドラム31、帯電装置32、光走査装置33、現像装置34、転写部材35、クリーニング装置36、及び定着装置37を備える。
感光体ドラム31は、図1に示されるように、筐体10Aの中央部に回転可能に設けられる。感光体ドラム31は、不図示のモーターから伝達される回転駆動力を受けて、図1に示される回転方向D4に回転する。感光体ドラム31の表面には、静電潜像が形成される。
帯電装置32は、図1に示されるように、感光体ドラム31の上方に配置される。帯電装置32は、感光体ドラム31の表面を帯電させる。
光走査装置33は、図1に示されるように、帯電装置32より上側に配置される。光走査装置33は、感光体ドラム31の表面に静電潜像を形成する。具体的に、光走査装置33は、帯電装置32によって帯電された感光体ドラム31の表面に、画像データに基づく光を照射する。
現像装置34は、図1に示されるように、感光体ドラム31の前方側の側方に配置される。現像装置34は、トナーを用いて感光体ドラム31の表面に形成される静電潜像を現像する。例えば、現像装置34は、感光体ドラム31の表面にトナーを供給する現像ローラー341を備える。
転写部材35は、図1に示されるように、感光体ドラム31の下方に配置される。例えば、転写部材35は、感光体ドラム31の表面と接触して回転するローラー部材である。転写部材35は、感光体ドラム31と接触する転写位置P1(図1参照)で、感光体ドラム31に形成されたトナー像を、搬送方向D5(図1参照)に沿って搬送される用紙Sに転写する。
クリーニング装置36は、図1に示されるように、感光体ドラム31の後方側の側方に配置される。クリーニング装置36は、転写部材35によるトナー像の転写後の感光体ドラム31の表面を清掃する。例えば、クリーニング装置36は、感光体ドラム31の表面に残存するトナーを除去するブレード状のクリーニング部材、及び前記クリーニング部材によって除去されたトナーを不図示のトナー収容容器まで搬送する搬送スクリューを備える。
定着装置37は、図1に示されるように、転写位置P1より用紙Sの搬送方向D5の下流側に設けられる。定着装置37は、転写部材35によって用紙Sに転写されたトナー像を用紙Sに定着させる。例えば、定着装置37は、定着部材及び加圧部材を備える。前記定着部材は、前記加圧部材と接触して設けられ、用紙Sに転写されたトナー像を加熱して用紙Sに定着させる。前記加圧部材は、前記定着部材との間で形成されるニップ部を通過する用紙Sを加圧する。
用紙供給部4は、画像形成部3に用紙Sを供給する。具体的に、用紙供給部4は、図1に示されるように、用紙搬送路40、給紙カセット41、ピックアップローラー42、フィードローラー43A、リタードローラー43B、搬送ローラー44、レジストローラー45、排出ローラー46、及び排紙トレイ47を備える。
用紙搬送路40は、給紙カセット41及び排紙トレイ47の間に形成される用紙Sの移動通路である。例えば、用紙搬送路40は、筐体10A内に設けられた一対の搬送ガイド部材により形成される。
図1に示されるように、用紙搬送路40には、搬送ローラー44、レジストローラー45、及び排出ローラー46が配置される。搬送ローラー44、レジストローラー45、及び排出ローラー46は、不図示のモーターで生じる駆動力が伝達されて回転することで、用紙Sを図1に示される搬送方向D5に沿って搬送する。
また、図1に示されるように、用紙搬送路40には、感光体ドラム31、転写部材35、及び定着装置37が配置されている。例えば、感光体ドラム31及び転写部材35は、不図示のモーターで生じる駆動力が伝達されて回転することで、用紙Sを図1に示される搬送方向D5に沿って搬送する。また、定着装置37の前記定着部材は、不図示のモーターで生じる駆動力が伝達されて回転することで、用紙Sを図1に示される搬送方向D5に沿って搬送する。
給紙カセット41は、図1に示されるように、筐体10Aの底部に設けられる。給紙カセット41は、画像形成部3によって画像が形成される用紙Sを収容する。例えば、用紙Sには、紙、コート紙、ハガキ、封筒、及びOHPシートなどのシート部材が含まれる。
給紙カセット41は、筐体10Aに対して前後方向D2へ挿抜可能に構成されている。給紙カセット41は、筐体10Aの前面の下部に形成されている開口10B(図1参照)を通じて、筐体10Aの内部に挿入される。例えば、給紙カセット41は、筐体10Aの内部において、前後方向D2へスライド移動可能に支持されている。給紙カセット41の移動機構としては、例えば、筐体10Aに設けられた前後方向D2に長いレールと、このレールに係合して前後方向D2へのスライド移動を可能にするレールガイドとからなるレール支持機構が考えられる。これにより、給紙カセット41は、画像形成装置10に装着された状態から、筐体10Aの前面よりも前方外側へ引き出すことが可能である。もちろん、給紙カセット41の移動機構は、前記レール支持機構以外のものであってもよい。
給紙カセット41は、リフト部材412(図1参照)と、一対のサイドカーソル414、415(図1及び図2参照)とを備える。リフト部材412は、給紙カセット41の底部に設けられ、給紙カセット41に収容された複数枚の用紙Sのうち、最上位の用紙Sをピックアップローラー42との接触位置P2(図1参照)まで持ち上げる。一対のサイドカーソル414、415は、ピックアップローラー42による用紙Sの搬送方向D5と直交する用紙Sの幅方向(左右方向D3)へ移動可能に設けられ、給紙カセット41に収容される用紙Sの左右方向D3への移動を規制可能である。具体的に、サイドカーソル414は、図2〜図5に示されるように、用紙Sにおける左右方向D3の左端部と接触する第1規制面414Eを有する。また、サイドカーソル415は、図3〜図5に示されるように、用紙Sにおける左右方向D3の右端部と接触する第1規制面415Eを有する。給紙カセット41の構成については、後段で詳述する。
ピックアップローラー42は、図1に示されるように、給紙カセット41の前方端の上方に設けられる。例えば、ピックアップローラー42は、筐体10Aに設けられたローラーホルダー42A(図1参照)によって、フィードローラー43Aと共に回転可能に支持される。
フィードローラー43Aは、図1に示されるように、ピックアップローラー42の前方側の側方に配置される。例えば、フィードローラー43Aは、ローラーホルダー42Aによってピックアップローラー42と共に回転可能に支持される。また、リタードローラー43Bは、フィードローラー43Aの下方でフィードローラー43Aと接触して設けられる。例えば、リタードローラー43Bは、後述する給紙カセット41の用紙ガイド部411Fの下方に設けられたローラーホルダー43C(図1参照)によって回転可能に支持される。例えば、ローラーホルダー43Cは、リタードローラー43Bがフィードローラー43Aと接触する接触位置からリタードローラー43Bがフィードローラー43Aから離間する離間位置の間で揺動可能に設けられる。また、ローラーホルダー43Cは、不図示の移動機構により前記接触位置と前記離間位置との間を揺動する。また、ローラーホルダー43Cは、不図示の付勢部材によって前記接触位置側へ付勢される。
ピックアップローラー42は、給紙カセット41に収容された複数枚の用紙Sのうち、最上位の用紙Sを給紙カセット41から搬送方向D5へ搬送する。フィードローラー43Aは、ピックアップローラー42によって給紙カセット41から搬送された用紙Sを用紙搬送路40へ搬送する。リタードローラー43Bは、フィードローラー43Aとの間でニップ部を形成し、ピックアップローラー42によって複数枚の用紙Sが給紙カセット41から搬送された場合に、最上位の用紙Sと他の用紙Sとを前記ニップ部で分離する。ピックアップローラー42及びフィードローラー43Aは、給紙カセット41に収容される用紙Sを搬送方向D5へ給送する給送機構として機能する。ここに、ピックアップローラー42及びフィードローラー43Aが、本発明における給送機構の一例である。また、搬送方向D5が、本発明における予め定められた給送方向の一例である。また、接触位置P2が、本発明における給送位置の一例である。
搬送ローラー44は、フィードローラー43Aによって用紙搬送路40へ搬送された用紙Sを、搬送方向D5へ搬送する。
レジストローラー45は、図1に示されるように、用紙搬送路40における搬送ローラー44より搬送方向D5の下流側であって、転写位置P1より搬送方向D5の上流側に設けられる。レジストローラー45は、不図示のモーターから伝達される回転駆動力を受けて回転することによって、用紙Sを転写位置P1へ搬送する。
排出ローラー46は、図1に示されるように、用紙搬送路40における定着装置37より搬送方向D5の下流側に設けられる。排出ローラー46は、定着装置37によってトナー像が定着された用紙Sを排紙トレイ47に排出する。排紙トレイ47には、画像形成部3によって画像が形成された用紙Sが排出される。
画像形成部3では、用紙供給部4から供給される用紙Sに以下の手順で画像が形成される。まず、帯電装置32によって感光体ドラム31の表面が所定の電位に一様に帯電される。次に、光走査装置33によって感光体ドラム31の表面に画像データに基づく光が照射される。これにより、感光体ドラム31の表面に画像データに対応する静電潜像が形成される。
そして、感光体ドラム31の表面に形成された静電潜像は現像装置34によってトナー像として現像(可視像化)される。感光体ドラム31の表面に形成されたトナー像は、回転方向D4に沿って回転する感光体ドラム31により、転写部材35による転写位置P1まで搬送される。
一方、用紙供給部4は、画像形成部3による画像形成動作と並行して、転写位置P1に用紙Sを供給する。具体的に、給紙カセット41は、給紙カセット41の底部に設けられたリフト部材412を用いて、給紙カセット41に収納されている用紙Sをピックアップローラー42との接触位置P2まで持ち上げる。
リフト部材412によって接触位置P2まで持ち上げられた用紙Sは、ピックアップローラー42及びフィードローラー43Aによって搬送ローラー44まで給送される。ここで、ピックアップローラー42及びフィードローラー43Aによって給送される用紙Sの搬送方向D5の後端は、一対のサイドカーソル414、415によって左右方向D3への移動が規制される。これにより、ピックアップローラー42及びフィードローラー43Aによって給送される用紙Sが搬送ローラー44に到達するまでの間、用紙Sが搬送方向D5に対して傾くことが抑制される。なお、用紙Sの搬送方向D5の先端が搬送ローラー44に到達すると、フィードローラー43Aとリタードローラー43Bとにより形成されるニップ部、及び搬送ローラー44と搬送ローラー44に対向して設けられる従動ローラー44A(図1参照)とにより形成されるニップ部の2点で用紙Sが保持されるため、用紙Sの給送姿勢が安定する。
搬送ローラー44は、用紙Sをレジストローラー45まで搬送する。また、画像形成装置10では、搬送ローラー44によって用紙Sがレジストローラー45まで搬送される際に、用紙Sのスキュー(搬送方向D5に対する傾き)が補正される。例えば、画像形成装置10では、用紙搬送路40におけるレジストローラー45よりも搬送方向D5の上流側に、用紙Sの通過を検出可能な不図示のセンサーが設けられている。画像形成装置10では、前記センサーによって用紙Sの通過が検出された場合に、不図示の制御部によって、レジストローラー45の回転が停止した状態で搬送ローラー44が予め定められた時間の間だけ回転される。これにより、用紙Sの先端が、レジストローラー45とレジストローラー45に対向して設けられた従動ローラー45A(図1参照)との間に形成されるニップ部に突き当てられて、用紙Sのスキューが補正される。
レジストローラー45は、感光体ドラム31によってトナー像が転写位置P1へ搬送されるタイミングに合わせて、転写位置P1に用紙Sを搬送する。例えば、画像形成装置10では、前記制御部が、前記センサーによる用紙Sの通過の検出タイミングに基づいて、レジストローラー45による用紙Sの搬送タイミングを設定する。そして、レジストローラー45は、前記制御部によって設定された前記搬送タイミングに基づいて、用紙Sを転写位置P1へ搬送する。これにより、前記搬送タイミングで転写位置P1へ搬送された用紙Sの表面に感光体ドラム31によって搬送されるトナー像が転写されて、用紙Sに画像が形成される。なお、感光体ドラム31の表面に残存したトナーは、クリーニング装置36によって除去される。
転写位置P1でトナー像が転写された用紙Sは、感光体ドラム31及び転写部材35の回転によって定着装置37へ搬送される。定着装置37では、用紙Sに転写されたトナー像が加熱される。これにより、トナー像が用紙Sに定着する。定着装置37でトナー像が定着された用紙Sは、排出ローラー46へ搬送される。排出ローラー46は、定着装置37から搬送された画像形成後の用紙Sを排紙トレイ47へ排出する。
ところで、給紙カセット41では、用紙Sの長手方向が搬送方向D5に対して直交する姿勢で、用紙Sが収容されることがある。この場合、ピックアップローラー42及びフィードローラー43Aによって給送される用紙Sの搬送方向D5の先端が搬送ローラー44に到達する前に、用紙Sの搬送方向D5の後端が一対のサイドカーソル414、415を通過して用紙Sの給送姿勢が不安定になり、用紙Sが搬送方向D5に対して傾くことがある。例えば、給紙カセット41では、収容される用紙SのサイズがA5横サイズである場合に、用紙Sの搬送方向D5の先端が搬送ローラー44に到達する前に、用紙Sの搬送方向D5の後端が一対のサイドカーソル414、415を通過して用紙Sの給送姿勢が不安定になる。用紙Sが搬送方向D5に対して傾くと、用紙Sに形成される画像が傾く不具合が生じるおそれがある。また、用紙Sが搬送方向D5に対して傾くと、筐体10Aの内部で用紙Sが詰まるジャムが発生する、搬送される用紙Sが筐体10Aの内部フレームと接触して損傷するなどの不具合が生じるおそれがある。
なお、画像形成装置10では、搬送ローラー44及びレジストローラー45によって用紙Sのスキュー(搬送方向D5に対する傾き)が補正される。しかしながら、搬送ローラー44及びレジストローラー45による用紙Sのスキューの補正量を多く設定するためには、その分、用紙搬送路40における搬送ローラー44からレジストローラー45までの区間における前記一対の搬送ガイド部材間の間隔を広げる必要がある。そのため、ピックアップローラー42及びフィードローラー43Aによる用紙Sの給送時における用紙Sの搬送方向D5に対する傾きは、可能な限り抑制することが望ましい。
これに対し、本発明の実施形態に係る画像形成装置10では、以下に説明するように、ピックアップローラー42及びフィードローラー43Aによって給送される用紙Sが搬送方向D5に対して傾くことを抑制することが可能である。
以下、図1〜図6を参照しつつ、給紙カセット41について説明する。ここで、図2は、給紙カセット41の構成を示す斜視図である。また、図3〜5は、給紙カセット41の底部の構成を示す断面模式図である。また、図6は図5におけるVI−VI矢視断面図である。
給紙カセット41は、リフト部材412、及び一対のサイドカーソル414、415と共に、図2に示されるように、筐体411、後端カーソル413、及び一対の補助カーソル416、417を備える。
筐体411は、図2及び図6に示されるように、底部411A、前壁部411B、後壁部411C、左側壁部411D、右側壁部411E、用紙ガイド部411F、及び壁面411Gを有する。用紙ガイド部411Fは、前壁部411Bの後方側の側部に設けられており、図6に示されるように、搬送方向D5に沿って上方へ向けて傾斜する用紙Sの搬送面を形成する。壁面411Gは、図1に示されるように、底部411Aから上方向へ立設されている。壁面411Gの上端部は、用紙ガイド部411Fの後端部411F1と接続されている。給紙カセット41では、底部411A、壁面411G、後壁部411C、左側壁部411D、及び右側壁部411Eによって、用紙Sを収容する用紙収容部41A(図2参照)が形成されている。また、給紙カセット41では、ピックアップローラー42によって用紙収容部41Aから給送される用紙Sが、リフト部材412が設けられる用紙収容部41Aより搬送方向D5の下流側に位置する用紙ガイド部411Fによって、搬送方向D5の下流側へ案内される。用紙ガイド部411Fにおける左右方向D3の中央部には、図2に示されるように、リタードローラー43Bが設けられる。
リフト部材412は、図2に示されるように、筐体411の底部411Aに設けられる。リフト部材412は、搬送方向D5の先端部412A及び後端部412Bが、搬送方向D5の中央部より左右方向D3に幅広に形成されている。リフト部材412の上に用紙Sが積載される。リフト部材412の後端部412Bは、筐体411の左側壁部411D及び右側壁部411Eに回動可能に支持されており、先端部412Aは自由端となっている。リフト部材412は、不図示のモーターなどの駆動源からの駆動力を受けて上下方向D1に昇降される。リフト部材412が上下方向D1へ変位されると、リフト部材412上の用紙Sも上下方向D1へ昇降される。
後端カーソル413は、図2に示されるように、筐体411の底部411Aにおいて、前後方向D2へ移動可能に設けられる。例えば、給紙カセット41では、図2に示されるように、筐体411の底部411Aに前後方向D2へ延びるレール413Aが設けられている。後端カーソル413は、レール413Aによって、前後方向D2へスライド移動可能に支持されている。後端カーソル413は、用紙収容部41Aに収容された用紙Sの搬送方向D5における後端部の位置を揃えるために用いられる。
一対のサイドカーソル414、415は、リフト部材412における搬送方向D5の先端部412Aより搬送方向D5の上流側に設けられる。例えば、一対のサイドカーソル414、415は、リフト部材412における搬送方向D5の中央部を挟んで、左右方向D3上で対向して設けられる。具体的に、サイドカーソル414は、筐体411の底部411Aにおける左側壁部411D側に配置されている。また、サイドカーソル415は、筐体411の底部411Aにおける右側壁部411E側に配置されている。ここに、サイドカーソル414、及びサイドカーソル415が、本発明における第1規制部材の一例である。
一対のサイドカーソル414、415は、左右方向D3上で互いに接近又は離間する方向へ連動可能に設けられている。例えば、サイドカーソル414は、図2及び図3に示される平板状の底部414Aが、筐体411の底部411Aに設けられたレール414D(図6参照)によって、左右方向D3へスライド移動可能に支持されている。また、底部414Aは、図2及び図3に示されるように、右方向へ延出されたラック414Bを備える。
また、サイドカーソル415は、図2及び図3に示される平板状の底部415Aが、筐体411の底部411Aに設けられた不図示のレールによって、左右方向D3へスライド移動可能に支持されている。また、底部415Aは、図2及び図3に示されるように、左方向へ延出されたラック415Bを備える。
サイドカーソル414のラック414B及びサイドカーソル415のラック415Bは、図3に示されるように、筐体411の底部411Aに設けられたピニオン418に噛合される。ラック414B、ラック415B、及びピニオン418によって、一対のサイドカーソル414、415のいずれか一方が左右方向D3へ移動されると、他方が連動して左右方向D3へ移動する連動機構が構成される。
一対の補助カーソル416、417は、リフト部材412における搬送方向D5の先端部412Aより搬送方向D5の下流側に設けられる。一対の補助カーソル416、417は、ピックアップローラー42及びフィードローラー43Aによって給送される用紙Sの左右方向D3への移動を規制することが可能である。具体的に、補助カーソル416は、図2及び図6に示されるように、用紙Sにおける左右方向D3の左端部と接触する第2規制面416Eを有する。また、補助カーソル417は、用紙Sにおける左右方向D3の右端部と接触する不図示の第2規制面を有する。ここに、補助カーソル416、補助カーソル417が、本発明における第2規制部材の一例である。
例えば、一対の補助カーソル416、417は、図2に示されるように、用紙ガイド部411Fに設けられる。例えば、一対の補助カーソル416、417は、用紙ガイド部411Fにおける左右方向D3の中央部に設けられたリタードローラー43Bを挟んで、左右方向D3上で対向して設けられる。具体的に、補助カーソル416は、図2及び図6に示されるように、用紙ガイド部411Fにおける左端部に設けられた開口部411F2を通って、筐体411の底部411Aから用紙ガイド部411Fの上方へ突出して設けられる。また、補助カーソル417は、図2に示されるように、用紙ガイド部411Fにおける右端部に設けられた開口部411F3を通って、筐体411の底部411Aから用紙ガイド部411Fの上方へ突出して設けられる。
一対の補助カーソル416、417は、一対のサイドカーソル414、415の第1可動範囲における左右方向D3の外側の予め定められた第2可動範囲で、一対のサイドカーソル414、415に連動して左右方向D3へ移動することが可能である。
具体的に、給紙カセット41は、図3に示されるように、付勢部416A及び付勢部417Aを備える。付勢部416Aは、補助カーソル416を左右方向D3の内側(右方向)へ付勢する。例えば、付勢部416Aは、一端が筐体411の左側壁部411Dに固定されて、他端が補助カーソル416の下端部における左側面に固定されたコイルばねである。例えば、補助カーソル416の下端部は、図3〜図5に示されるように、搬送方向D5に長尺状であって、搬送方向D5下流側の端部から左方向へ屈曲するL字形状に形成されている。また、補助カーソル416は、図6に示されるように、筐体411の底部411Aに設けられた左右方向D3へ延びるレール416Dによって左右方向D3へ移動可能に支持されている。例えば、補助カーソル416の下端部には、搬送方向D5下流側の端部において下方へ向けて突出する突条部416F(図6参照)が設けられている。補助カーソル416は、突条部416Fがレール416Dによって案内されることで、左右方向D3へ移動することが可能である。
また、付勢部417Aは、補助カーソル417を左右方向D3の内側(左方向)へ付勢する。例えば、付勢部417Aは、一端が筐体411の右側壁部411Eに固定されて、他端が補助カーソル417の下端部における右側面に固定されたコイルばねである。例えば、補助カーソル417の下端部は、図3〜図5に示されるように、搬送方向D5に長尺状であって、搬送方向D5下流側の端部から右方向へ屈曲するL字形状に形成されている。また、補助カーソル417は、補助カーソル416と同様に、筐体411の底部411Aに設けられた左右方向D3へ延びる不図示のレールによって左右方向D3へ移動可能に支持されている。
また、給紙カセット41は、図3に示されるように、規制部416B及び規制部417Bを備える。規制部416Bは、付勢部416Aによって付勢された補助カーソル416の右方向への移動を規制する。例えば、規制部416Bは、筐体411の左側壁部411Dと一体に形成される。例えば、規制部416Bは、図3に示される接触位置P3で補助カーソル416の下端部における右側面416Cと接触して、補助カーソル416の移動を規制する。例えば、右側面416Cは、第2規制面416Eと同一平面上に形成される。また、規制部417Bは、付勢部417Aによって付勢された補助カーソル417の左方向への移動を規制する。例えば、規制部417Bは、筐体411の右側壁部411Eと一体に形成される。例えば、規制部417Bは、図3に示される接触位置P4で補助カーソル417の下端部における左側面417Cと接触して、補助カーソル417の移動を規制する。ここに、接触位置P3及び接触位置P4が、本発明における予め定められた特定位置の一例である。なお、規制部416B及び規制部417Bは、筐体411の底部411Aと一体に形成されてもよい。
また、サイドカーソル414は、図3に示されるように、搬送方向D5の下流側へ延出して設けられたアーム部414Cを有する。アーム部414Cは、サイドカーソル414が前記第2可動範囲に配置されている場合に補助カーソル416の下端部における右側面416Cと接触して、補助カーソル416をサイドカーソル414に連動して移動させる。例えば、アーム部414Cは、サイドカーソル414の底部414Aから搬送方向D5の下流側へ延出して設けられる。同様に、サイドカーソル415は、搬送方向D5の下流側へ延出して補助カーソル417の下端部における左側面417Cと接触するアーム部415Cを有する。
例えば、給紙カセット41では、図3及び図5に示されるように、サイドカーソル414が左右方向D3における第1位置P5から第2位置P6まで移動することが可能である。即ち、左右方向D3における第1位置P5から第2位置P6までが、サイドカーソル414の前記第1可動範囲である。
ここで、サイドカーソル414のアーム部414Cは、図4及び図5に示されるように、サイドカーソル414が第1位置P5と第2位置P6との間の中間位置P7へ移動された際に、補助カーソル416の下端部における右側面416Cと接触する。サイドカーソル414が中間位置P7から第2位置P6へ移動されると、アーム部414Cは、付勢部416Aの付勢力に抗って、補助カーソル416を左方向へ移動させる。例えば、補助カーソル416は、サイドカーソル414が第2位置P6へ移動された際に、図5に示される第3位置P8へ移動される。
これにより、補助カーソル416は、サイドカーソル414の前記第1可動範囲における中間位置P7から第2位置P6までの範囲で、サイドカーソル414に連動して左右方向D3へ移動する。即ち、サイドカーソル414の前記第2可動範囲は、前記第1可動範囲において左右方向D3の外側に位置する中間位置P7から第2位置P6までの範囲である。また、補助カーソル416の第2規制面416E(図6参照)は、サイドカーソル414の第1規制面414Eが中間位置P7から第2位置P6までの範囲内に配置されている場合に、サイドカーソル414の第1規制面414Eと同一平面上に配置される。
例えば、中間位置P7は、用紙収容部41AにA4縦サイズ(210ミリメートル×297ミリメートル)の用紙Sが収容された場合に、用紙Sの左端部とサイドカーソル414の第1規制面414Eとが接触する位置である。また、第2位置P6は、用紙収容部41Aにレターサイズ(215.9ミリメートル×279.4ミリメートル)の用紙Sが収容された場合に、用紙Sの左端部とサイドカーソル414の第1規制面414Eとが接触する位置である。
また、サイドカーソル415のアーム部415Cは、図4及び図5に示されるように、サイドカーソル414が中間位置P7へ移動された際に、サイドカーソル414に連動して補助カーソル417の下端部における左側面417Cと接触する。サイドカーソル414が中間位置P7から第2位置P6へ移動されると、アーム部415Cは、サイドカーソル414に連動して、付勢部417Aの付勢力に抗って補助カーソル417を右方向へ移動させる。例えば、補助カーソル417は、サイドカーソル414が第2位置P6へ移動された際に、図5に示される第4位置P9へ移動される。即ち、補助カーソル417も、補助カーソル416と同様に、サイドカーソル415の可動範囲における左右方向D3の外側の予め定められた範囲でサイドカーソル415に連動して左右方向D3へ移動する。
このように、給紙カセット41では、リフト部材412における搬送方向D5の先端部412Aより搬送方向D5の下流側に、一対の補助カーソル416、417が設けられている。これにより、用紙Sの搬送方向D5の後端が一対のサイドカーソル414、415を通過した後も、一対の補助カーソル416、417によって用紙Sの左右方向D3への移動が規制される。そのため、ピックアップローラー42及びフィードローラー43Aによって給送される用紙Sの搬送方向D5の先端が搬送ローラー44に到達する前に、用紙Sの搬送方向D5の後端が一対のサイドカーソル414、415を通過する場合であっても、用紙Sの給送姿勢を安定させることが可能である。従って、ピックアップローラー42及びフィードローラー43Aによって給送される用紙Sが搬送方向D5に対して傾くことを抑制することが可能である。
また、給紙カセット41では、一対の補助カーソル416、417が、一対のサイドカーソル414、415の可動範囲における左右方向D3の外側の予め定められた範囲で、一対のサイドカーソル414、415に連動して移動可能である。これにより、一対のサイドカーソル414、415の可動範囲における全範囲で、一対の補助カーソル416、417が一対のサイドカーソル414、415に連動して移動可能である構成と比較して、用紙ガイド部411Fの下方に配置されるローラーホルダー43Cなどの構成の配置空間の低減量を抑制することが可能である。そのため、用紙ガイド部411Fの下方における構成のレイアウトの自由度を損なうことなく、一対の補助カーソル416、417を設けることが可能である。また、用紙ガイド部411Fの上面に形成される開口部411F2、411F3の左右方向D3における範囲が低減されるため、開口部411F2、411F3が用紙Sの搬送を妨げることもない。