JP4607969B2 - 金属材料用表面処理剤、表面処理方法及び表面処理金属材料 - Google Patents

金属材料用表面処理剤、表面処理方法及び表面処理金属材料 Download PDF

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Description

本発明は、金属を素材としたシートコイル、成形品の表面に耐食性、耐薬品性、耐熱変色性及び耐候性を付与でき、かつクロムを含まない皮膜を形成させるために用いる金属表面処理剤、表面処理金属材料に関する。さらに詳しくは、鉄、亜鉛、亜鉛めっき鋼、亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼、アルミニウム、アルミニウム合金を素材とする自動車部材、家電製品、さらには外壁材、農業用ビニールハウスの支柱等の建材製品、ガードレール、防音壁、排水溝等の土木製品に使用されるシートコイル、成形加工品、鋳造品等に優れた耐食性、耐薬品性、耐熱変色性及び耐候性を付与し、クロムを含まない皮膜を形成させるために用いる表面処理剤、表面処理方法及び表面処理金属材料に関する。
鋼、亜鉛めっき鋼、亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼等の鋼材、アルミニウム材、亜鉛材は、大気中の酸素、水分、水分中に含まれるイオン等によって酸化され腐食する。これらの腐食を防止する方法として、従来からクロム酸クロメート、リン酸クロメート等のクロムを含有する処理液に金属材料表面を接触させてクロメート皮膜を形成させる方法がある。これらのクロメート処理を用いて形成された皮膜は優れた耐食性を有しているが、その処理液中に有害な6価クロムを含んでおり、廃水処理に手間やコストがかかる他、処理によって形成された皮膜中にも6価クロムを含有されているので環境或いは人体への悪影響が懸念されており、環境規制される方向にある。
また、上記各種分野において表面処理したシートコイルを成型加工する時に金型で傷が付いたり、皮膜が損傷したりすることがある。さらにシートコイルの輸送時、或いは成型加工後に物品同士がぶつかり、切り傷が入ることもある。これら外的要因により、皮膜を介して金属素地まで傷が到達するとその部位から集中的に腐食する。
また、表面処理したシートコイルを成型加工するときにプレス油を使用しており、それを除去するために脱脂する場合がある。最近、脱脂剤の種類としてはアルカリ性脱脂剤を使用することが殆どであるが、一部酸性脱脂剤も使用されている。生産性を向上させるために、脱脂剤の濃度や処理温度を高くすることがあり、被覆層を形成した金属材料は、脱脂後に表面処理皮膜が一部、場合によっては全部脱落することでムラが発生する現象が起こり、脱脂した成型加工品の耐食性を著しく低下させることがある。そのため、皮膜形成した金属材料の洗浄後の耐久性、すなわち耐薬品性の要求レベルが高くなっている。
また、成型加工品を塗装せずに使用する場合があり、長期に渡って屋外で使用すると酸性雨によって金属材料が変色、腐食する不具合が生じ、それを保護する要求が増えている。そこで、さきの耐薬品性に関連して、金属材料に形成する皮膜の耐酸性を向上させることが重要となっている。
また、樹脂等で表面被覆処理した成型加工品を溶剤或いは水系の塗料により塗装する場合がある。塗装がクリアー塗膜であったり、カラー塗料で片面塗装のみの場合の未塗装側は、200〜280℃程度の高温で焼付けると黄変して、ひどい場合は褐変することがある。さらに、400〜500℃程度のさらに高い温度が局所的に集中する溶接時、或いは加熱雰囲気に曝されると皮膜が褐変し、酷い場合は金属素材が腐食して白錆、赤錆が発生することがある。そのため、金属材料に対して耐熱変色性が要求される。
クロムを含まないノンクロメート処理液を用いる方法としては、特開2004−183015号公報にバナジウム化合物と、コバルト、ニッケル、亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム等の群より選ばれる少なくとも1種の金属を含む金属化合物、さらにはジルコニウム、チタニウム、モリブデン、タングステン、マンガン及びセリウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属化合物とを含有する金属表面処理剤が開示されている。
また、特開2003−13252号公報にカチオン性もしくはノニオン性のウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びポリアミド樹脂から選ばれる少なくとも1種の水溶性樹脂もしくは水系エマルション樹脂と、特定の構造式で表される樹脂化合物と、ジルコン、チタン、バナジウム、モリブデン、タングステン及びセリウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を含む金属化合物とから選ばれ金属表面処理剤が開示されている。
また、特開2005−3069094号公報にはカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂、シランカップリング剤、無定形シリカと鱗片状シリカとの混合物からなる無機充填材から形成される表面処理金属板が開示されている。
特開2004−183015号公報及び特開2003−13252号公報は6価クロムを含有しない利点があり耐食性には優れる技術であるが、耐熱変色性及び耐薬品性を兼備した技術という点では十分とはいえない。
特開2005−3069094号公報は上層と下層の複数層で形成した2段処理の表面処理鋼板であり経済的でなく、更に傷部の耐食性が十分とはいえない。
したがって、現状では、金属材料表面にクロムを使用しない皮膜を単層で形成し、耐食性、耐薬品性、耐熱変色性及び耐候性の全てを満足するような金属表面処理剤、表面被覆金属材料は得られていない。
本発明は前記従来技術の抱える問題を解決するために成されたものであって、金属材料に優れた耐食性、耐薬品性、耐熱変色性及び耐候性を付与するために用いるクロムを含まない金属表面処理剤、表面被覆金属材料を提供することを目的とする。本発明の耐食性に関しては、材料に加工や傷が入らない平板での性能は当然ながら、皮膜に傷が入り金属材料が露出するような傷部耐食性、さらにはアルカリ洗浄後耐食性についても考慮している。
本発明者は、前記課題を解決する手段について、特定の組成からなる表面処理剤を用いて金属材料表面に皮膜を処理することにより、優れた耐食性、耐薬品性、耐熱変色性及び耐候性を有する皮膜が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、0℃以上のガラス転移温度を有するアニオン性水分散性樹脂(A)、並びにケイ酸アルカリ金属塩及び塩基性ジルコニウム化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属化合物(B)を水に配合してなり、該ケイ酸アルカリ金属塩において、MO部分とSiO部分の質量比MO/SiOが1/1000〜6/10であり、Mがリチウム、ナトリウム及びカリウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種である金属材料用表面処理剤に関する。
上記本発明においては、アニオン性水分散性樹脂(A)と金属化合物(B)の質量比が、(B)/(A)として1/100〜85/10の範囲であることが平板耐食性、傷部耐食性及び耐アルカリ性の向上の観点から好ましい。
また、アニオン性水分散性樹脂(A)がシリル変性したものであることが、上記した性能中耐熱変色性以外の全ての性能を向上させる観点から好ましい。
また、上記表面処理剤に、隣り合った炭素原子に結合したエポキシ基、アミノ基、ビニル基、メルカプト基及びイソシアナト基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有するシランカップリング剤(C)を、成分(C)と成分(A)及び成分(B)の合計との質量比(C)/[(A)+(B)]が1/1000〜3/10となるように配合することが、平板耐食性、傷部耐食性、アルカリ洗浄後耐食性及び耐薬品性の少なくとも1つを向上させる観点から好ましい。
また、上記表面処理剤に、バナジウム化合物(D)を、成分(D)と成分(A)及び成分(B)の合計との質量比(D)/[(A)+(B)]が1/1000〜1/5となるように配合することが、平板耐食性、傷部耐食性及びアルカリ洗浄後耐食性の少なくとも1つを向上させる観点から好ましい。
また、上記表面処理剤に、チタン化合物(E)を、成分(E)と成分(A)及び成分(B)の合計との質量比(E)/[(A)+(B)]が1/1000〜1/5となるように配合することが、平板耐食性、傷部耐食性及びアルカリ洗浄後耐食性の少なくとも1つを向上させる観点から好ましい。
また、上記表面処理剤に、有機ホスホン酸及び多価アルコールのリン酸エステル並びにそれらの塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の有機リン化合物(F)を、成分(F)と成分(A)及び成分(B)の合計との質量比(F)/[(A)+(B)]が1/1000〜1/10となるように配合することが、平板耐食性の向上の観点から好ましい。
また、上記表面処理剤に、無機酸及びその塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の無機酸系化合物(G)を、成分(G)と成分(A)及び成分(B)の合計との質量比(G)/[(A)+(B)]が1/1000〜1/10となるように配合することが、平板耐食性の向上の観点から好ましい。
また、上記表面処理剤に、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ニオブ、酸化ホウ素及びホウ酸亜鉛よりなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物(H)を、成分(H)と成分(B)との質量比(H)/(B)が1/1000〜1/10となるように配合することが、全ての性能を向上させる観点から好ましい。
本発明は、また、上記表面処理剤を金属材料表面の少なくとも片面に塗布し乾燥して、乾燥皮膜質量として0.1〜3g/mの皮膜を形成させることを特徴とする金属材料の表面処理方法、及び該表面処理方法で表面処理された金属材料に関する。
上記金属材料は鋼材、亜鉛材、亜鉛めっき鋼材、亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼材、アルミニウム材又はアルミニウム合金材であることが好ましい。
本発明の金属表面処理剤は有害なクロム化合物を含まないノンクロメートタイプであり、本表面処理剤から形成される表面被覆金属材料は、従来のクロメート皮膜や従来技術のノンクロメート皮膜と比較すると全般的に優れた耐食性、耐薬品性、耐熱変色性及び耐候性を有しており、本発明の表面処理剤、表面処理方法及び表面処理金属材料は産業上の利用価値が極めて大きいものであると言える。
本発明の金属表面処理剤の改善効果が最も発揮されるのは腐食し易い金属材料である鋼、亜鉛、亜鉛めっき鋼に対してであり、一般的に材料として多く使用されている亜鉛めっき鋼に適応した例を中心に具体的に説明する。
本発明の表面処理剤に配合するアニオン性水分散性樹脂(A)は、0℃以上のガラス転移温度を有するものである。ガラス転移温度は樹脂がガラス状態からゴム状態に変化する温度である。基本的にガラス転移温度が高い樹脂を利用すると耐食性及び耐薬品性が優れていることが多い。ガラス転移温度が低いと樹脂が柔らかく自由度が大きくなるため、水や薬品が浸透し易くなり、金属素材の変色や腐食が促進される場合が多い。そこで、本発明で使用するウレタン樹脂(A)ではガラス転移温度を0℃以上にすることで水や薬品を浸透しにくい耐食性及び耐薬品性皮膜を形成できるようにした。このガラス転移温度は、耐食性及び耐薬品性の観点から、30℃以上であることが好ましく、60℃以上であることがより好ましく、100℃以上であることがさらに一層好ましい。0℃未満では樹脂が柔軟過ぎるが故に、高温高湿下で皮膜のベタツキや水分の浸透性が大きくなる。逆に130℃を超えると造膜性が劣り密着性が劣る場合がある。いずれにしても、耐食性や耐薬品性の低下に繋がり、本発明の効果が得られなくなる。また、ガラス転移温度を0℃以上に設定することで金属化合物(B)、さらには任意成分として配合する成分(C)〜(F)を皮膜内に保持し易くなり、各成分の効果をより高めることができる。
本発明で使用する樹脂成分(A)をアニオン性にする理由は、カチオン性水分散性樹脂を使用すると本発明の表面処理剤の液安定性が低く、ノニオン性水分散性樹脂は樹脂自体の耐水性が比較的低く、ひいては耐食性の低下に繋がるのに対し、アニオン性水分散性樹脂にはかかる問題がないからである。
本発明のアニオン性水分散性樹脂(A)の種類としては、アニオン性ウレタン樹脂、アニオン性アクリル樹脂、アニオン性エポキシ樹脂、アニオン性フッ素樹脂、アニオン性ポリエステル樹脂等が挙げられ、特に限定するものではない。これらの樹脂のなかで、耐食性及び耐薬品性の観点から、アニオン性ウレタン樹脂、アニオン性アクリル樹脂、アニオン性エポキシ樹脂が好ましく、アニオン性ウレタン樹脂が特に好ましい。これらの樹脂について以下に説明する。
本発明のアニオン性水分散性樹脂(A)は合成する段階でシランカップリング剤を用いてシリル変性するのが好ましい。シリル変性とは、樹脂の合成段階においてシランカップリング剤を樹脂原料に存在する官能基と反応させることをさし、シランカップリング剤の反応物がアニオン性水分散樹脂の骨格に存在している。樹脂骨格の主鎖に存在する場合、側鎖に存在する場合のいずれでも構わない。シリル変性するときのシランカップリング剤の種類、シリル変性量については特に制限はない。シリル変性量は樹脂(固形分)に対するケイ素原子の質量割合として定義する。アニオン性水分散性樹脂(A)に対するケイ素原子の割合は0.001質量%以上であるのが好ましく、0.01質量%以上であるのがより好ましく、0.1質量%以上であるのがより一層好ましい。シリル変性量の上限については特に制限されないが、5質量%程度である。5質量%を超えると、シリル変性の効果が飽和し、経済的に無駄になる。シリル変性することで皮膜形成時に金属素材との密着性が高くなり、さらには皮膜が緻密になるため、平面耐食性、傷部耐食性、洗浄後耐食性及び耐薬品が向上する。シランカップリング剤は反応性が高いのでシリル変性量は通常仕込み量から割り出せるが、樹脂のNMR分析によっても測定し得る。なお、シリル変性の方法については各樹脂の説明のところで説明する。
アニオン性水分散性樹脂(A)として用いるアニオン性ウレタン樹脂の酸価については、特に制限はないが、該樹脂を水分散性にするためにもさらには該樹脂から形成される皮膜の物性の点からも、10〜50の範囲であることが好ましく、15〜40の範囲であることがより好ましく、20〜30の範囲であることがより一層好ましい。酸価が10〜50の範囲である場合には、金属材料との密着性、耐食性及び耐薬品性がより向上する。酸価が10未満では金属基材との密着性が劣り、耐薬品性及び傷部耐食性が低下する。酸価が50を超えると皮膜の親水度が高くなり、水を引き込み易くなり、耐食性及び耐薬品性が低下する場合がある。
アニオン性ウレタン樹脂の分子量については特に制限はないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した場合、10,000〜1,000,000程度であることが好ましく、50,000〜1,000,000程度であることがより好ましく、100,000〜1,000,000程度であることがより好ましい。
分子量をより大きくすることで金属化合物(B)、或いはそれ以外の任意成分(C)〜(G)を皮膜内に保持することができ、各成分の効果をより高めることができる。
アニオン性ウレタン樹脂は、ポリイソシアネート(特にジイソシアネート)、ポリオール(特にジオール)、ヒドロキシル基を2個以上、好ましくは2個有するカルボン酸もしくはその反応性誘導体、及びポリアミン(特にジアミン)を原料として一般的な合成方法により得られるものである。より具体的には、限定的に解釈されるものではないが、例えば、ジイソシアネートとジオールから両端にイソシアナト基を有するウレタンプレポリマーを製造し、これにヒドロキシル基を2個有するカルボン酸もしくはその反応性誘導体を反応させて両端にイソシアナト基を有する誘導体とし、ついでトリエタノールアミンなどを加えてアイオノマー(トリエタノールアミン塩)としてから水に加えてエマルジョンとし、さらにジアミンを加えて鎖延長を行うことにより、アニオン性ウレタン樹脂を得ることができる。
アニオン性ウレタン樹脂を製造する際に用いるポリイソシアネートとしては、脂肪族、脂環式及び芳香族ポリイソシアネートがあり、いずれも使用可能である。具体的には、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。これらの中で、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂肪族または脂環式ポリイソシアネートを用いる場合には、耐薬品性、耐食性等だけではなく、耐熱変色性、耐候性にも優れた皮膜が得られるので好ましい。
アニオン性ウレタン樹脂を製造する際に用いるポリオールとしてはポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールなどがあり、本発明ではウレタン樹脂の製造に通常用いられるものであれば、いずれも使用可能であるが、本発明では、特に、ポリエステルポリオールが好ましい。
ポリエステルポリオールとしては、グリコール成分とジカルボン酸もしくはその反応性誘導体(酸無水物等)とを脱水縮合反応に付して得られるポリエステルポリオール;ε−カプロラクトン等の環状エステル化合物を多価アルコールを開始剤として開環重合して得られるポリエステルポリオールなどが挙げられる。
ポリエステルポリオールの製造に使用するグリコール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ブチルエチルプロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール(分子量300〜6,000)、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ハイドロキノンなどが挙げられる。
ポリエステルポリオールの製造に使用するジカルボン酸及びその反応性誘導体としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、フマル酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p’−ジカルボン酸及びこれらのジカルボン酸の無水物などが挙げられる。
アニオン性ウレタン樹脂を製造する際に用いるヒドロキシル基を2個以上、好ましくは2個有するカルボン酸もしくはその反応性誘導体はウレタン樹脂に酸性基を導入するため、及びウレタン樹脂を水分散性にするために用いる。ヒドロキシル基をヒドロキシル基を2個以上、好ましくは2個有するカルボン酸としては、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロールペンタン酸、ジメチロールヘキサン酸などのジメチロールアルカン酸を例示することができる。また、反応性誘導体としては、酸無水物などが挙げられる。このようにウレタン樹脂を自己水分散性にし、乳化剤を使用しないか極力使用しないようにすることにより、耐水性に優れた皮膜が得られる。
アニオン性ウレタン樹脂を製造する際に用いるポリアミンとしては、例えばヒドラジン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、テトラメチレンジアミン、イソホロンジアミン、キシリレンジアミン、ピペラジン、1,1’−ビシクロヘキサン−4,4’−ジアミン、ジフェニルメタンジアミン、エチルトリレンジアミン、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミンなどが挙げられる。
なお、アニオン性ウレタン樹脂の合成時の樹脂の安定性、造膜時の周囲環境が低温乾燥下にある場合の造膜性を高めるために、合成に際して造膜助剤を配合するのが好ましい。造膜助剤としては、ブチルセロソルブ、N−メチル−2−ピロリドン、ブチルカルビトール、テキサノールなどが挙げられ、N−メチル−2−ピロリドンがより好ましい。
アニオン性ウレタン樹脂は、前記したごとく、シリル変性したものであることが好ましい。このシリル変性はアニオン性ウレタン樹脂の合成段階でシランカップリング剤を用いることにより行われ、より具体的な変性方法については特に制限されないが、例えばポリオールをアミノ基もしくはグリシジル基を有するシランカップリング剤とを反応させた後にポリイソシアネートと縮重合させたり、ポリオールとポリイソシアネートとの縮重合物にアミノ基もしくはエポキシ基を有するシランカップリング剤を反応させることにより行われる。シランカップリング剤はケイ素原子に結合したアルコキシ基が加水分解されて生じるシラノール基によっても反応し得る。
シリル変性する際のシランカップリング剤の種類については特に制限はなく、シランカップリング剤としては、後述のシランカップリング剤(C)に包含されるシランカップリング剤を用いることができる。シリル変性する際のシランカップリング剤として好ましいものはアミノ基(1級もしくは2級アミノ基)又はグリシジル基を有するシランカップリング剤であるが、メルカプト基やイソシアナト基を有するシランカップリング剤も使用し得し、特別の官能基を有さないシランカップリング剤もシラノール基による反応を利用して使用し得る。シリル変性する際の反応温度については特に制限はなく、例えば0〜150℃で反応を行えばよい。
次にアニオン性水分散性樹脂(A)として用いるアニオン性アクリル樹脂について説明する。アニオン性アクリル樹脂の酸価及び分子量は上記したアニオン性ウレタン樹脂の場合と同様の観点から同様の数値範囲であることができる。
アクリル樹脂を合成するモノマー種には特に制限はないが、以下に示すようなモノマーを用いてガラス転移温度が0℃以上になるように任意に組み合わせることができる。モノマー成分としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、マレイン酸、イタコン酸、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレート、スチレン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。酸価の調整は例えばアクリル酸やメタクリル酸によって行うことができる。
さらに、次に示す変性アクリルモノマーを組み合わせることで耐薬品性が向上する。例えば、2塩基酸以上の有機酸(例えばフタル酸)とアニオン性ウレタン樹脂の説明で挙げたようなポリオールと例えば(メタ)アクリル酸との反応により得られるポリエステル(メタ)アクリレート;ポリオールとポリイソシアネートと例えば(メタ)アクリル酸との反応により得られるポリウレタン(メタ)アクリレート;エポキシ樹脂と例えば(メタ)アクリル酸との反応により得られるエポキシ(メタ)アクリレート;ポリエーテル樹脂と例えば(メタ)アクリル酸との反応により得られるポリエーテル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アニオン性アクリル樹脂は、前記したごとく、シリル変性したものであることが好ましい。シリル変性アクリル樹脂としては、アミノ基などを有するシランカップリング剤と(メタ)アクリル酸やグリシジル(メタ)アクリレートとを反応させて得られるシリル変性アクレートモノマーと他のアクリルモノマーとを共重合させて得られるアクリル樹脂;(メタ)アクリル酸単位やグリシジル(メタ)アクリレート単位を含むアクリル樹脂の合成の最終段階でカルボキシル基やグリシジル基と反応し得るアミノ基などを有するシランカップリング剤を添加して得られるアクリル樹脂などを例示し得る。なお、シリル変性アクリル樹脂のアニオン性は既述のごとく、(メタ)アクリル酸等で調整し得る。シリル変性はアニオン性ウレタン樹脂のシリル変性で挙げたものと同様のシランカップリング剤を用い同様の手法により行い得る。
なお、シリル変性アクリル樹脂は、ケイ素原子に結合したアルコキシ基が部分的にもしくはすべて加水分解していても構わない。しかしながら、皮膜形成時の金属材料との密着性の向上や皮膜が緻密になることによる耐食性や耐薬品性の向上の観点から、シリル変性アクリル樹脂のケイ素原子に結合したアルコキシ基の残存率が50〜95モル%であるのが好ましく、60〜90モル%であるのがより好ましい。
次に、本発明のアニオン性水分散性樹脂(A)として用いるアニオン性エポキシ樹脂について説明する。アニオン性エポキシ樹脂としては、例えば、フェノールノボラック、オルソクレゾールノボラック、エチルフェノールノボラック、ブチルフェノールノボラック、オクチルフェノールノボラック、レゾルシンノボラック、ビスフェノールAノボラック、ビスフェノールFノボラック等のフェノール系ノボラックとエピクロルヒドリンとの反応によって得られるポリグリジルエーテル化合物でアニオン性のものが挙げられる。フェノール性水酸基はアニオン性を示すのでグリジル化に際しフェノール性水酸基を残すことでアニオン性が保持される。これらのエポキシ樹脂は、常法により水分散物とすることができる。
エポキシ樹脂のエポキシ当量(エポキシ基1個あたりのエポキシ樹脂の化学式量、換言するとエポキシ樹脂の分子量をエポキシ樹脂に含まれるエポキシ基の数で割った値)については、100〜5000であるのが好ましく、500〜2000であるのがより好ましい。該エポキシ当量が100未満では、形成する皮膜が柔らかくなり耐薬品性が低下する可能性がある。また、5000よりも大きい場合には、形成する皮膜が脆くなり、諸性能に悪影響を与える可能性があるため好ましくない。
上記エポキシ樹脂は、グリシジル基の一部が変性されたエポキシ樹脂であっても構わない。エポキシ樹脂の変性としてはシリル変性、リン酸変性が挙げられる。シリル変性は前記したウレタン樹脂やアクリル樹脂のシリル変性の手法を取り入れて行うことができる。
リン酸変性は、上記したようなフェノール系ノボラック構造を有するエポキシ樹脂をリン酸類又はそのエステルと反応させることにより行われる。リン酸類としてはメタリン酸、ホスホン酸、オルトリン酸、ピロリン酸などを用いることができ、リン酸類のエステルとしては、メタリン酸、ホスホン酸、オルトリン酸、ピロリン酸などのモノエステル、例えばモノメチルリン酸、モノオクチルリン酸、モノフェニルリン酸などを用いることができる。リン酸類変性の程度は、変性による効果が認められる程度以上であれば特に制限はないが、通常、P−OH基当量(P−OH基1個あたりのエポキシ樹脂の化学式量、換言するとエポキシ樹脂の分子量をエポキシ樹脂に含まれるP−OH基の数で割った値)が150〜1,000の範囲となるように変性されるのが好ましく、300〜800の範囲となるように変性されるのがより好ましい。
シリル変性による効果は既に述べた。リン酸変性については、リン酸変性することで皮膜形成時に金属素材との密着性が高くなり、さらには皮膜が緻密になるため、耐薬品性が向上する。しかし、シリル変性とリン酸変性を比べた場合、耐薬品性の向上の点からはシリル変性の方がより好ましい。
本発明の表面処理剤に配合する金属化合物(B)、すなわちケイ酸アルカリ金属塩及び塩基性ジルコニウム化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種は平板耐食性、傷部耐食性、及び耐薬品性中の耐酸性の向上に寄与する。
まず、金属化合物(B)として用いるケイ酸アルカリ金属塩について説明する。ケイ酸アルカリ金属塩のMO部分(Mはリチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属を表す)とSiO部分との質量比MO/SiOは1/1000〜6/10の範囲であることが必要であり、1/100〜1/2の範囲であることが好ましい。MOの割合が1/1000より少なくなると皮膜と金属材料の界面で発生する金属材料の溶解による腐食の緩和効果が乏しくなり、全般的な耐食性の低下に繋がる。MOの割合が6/10より多くなると皮膜からアルカリ金属が解離し易くなり、耐水性が低下する現象により全般的な耐食性の低下や耐アルカリ性の低下に繋がる。
本発明の金属化合物(B)として用いる塩基性ジルコニウム化合物としては炭酸ジルコニウムアンモニウム、炭酸ジルコニウムリチウム、炭酸ジルコニウムナトリウム、炭酸ジルコニウムカリウム、水酸化ジルコニウム等が挙げられる。
金属化合物(B)とアニオン性水分散性樹脂(A)との質量比(B)/(A)は、平板耐食性、傷部耐食性及び耐アルカリ性の向上の観点から、1/100〜85/10の範囲であることが好ましく、10/90〜80/20の範囲であることがより好ましく、15/85〜40/60の範囲であることがより一層好ましい。
金属化合物(B)(炭酸ジルコニウムアンモニウムを除く)の割合が1/100より少なくなると皮膜と金属材料の界面で発生する金属材料の溶解による腐食の緩和効果が乏しくなり、全般的な耐食性及び耐アルカリ性の低下に繋がる。また、金属化合物(B)の割合が85/10より多くなると皮膜からアルカリ金属が解離しやすくなり、耐水性が低下する現象により全般的な耐食性や耐アルカリ性の低下に繋がる。
塩基性ジルコニウム化合物の場合、皮膜を形成するときに炭酸イオンが外れ、それによりジルコニウム同士が酸素を介して結合して高分子量化することで皮膜のバリア性が高まることによっても上記効果が生ずる。炭酸ジルコニウムアンモニウムの場合、その割合が1/100より少なくなると、このバリア性を十分発揮できなくなり、85/10より多くなると本発明の表面処理剤の液安定性が低下する。また、塩基性ジルコニウム化合物の場合、アニオン性水分散性樹脂がカルボキシル基をもつ場合には架橋反応が起こり、耐水性が向上して耐食性の向上に繋がる。
本発明の表面処理剤にシランカップリング剤(C)を配合する場合には、平板耐食性、傷部耐食性、アルカリ洗浄後耐食性及び耐薬品性の少なくとも1つをさらに向上させることができる。シランカップリング剤(C)としては、例えば、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシシラン)、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、2−(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリキシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリキシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、ウレイドプロピルトリエトキシシラン、テトラもしくはトリメトキシシラン(テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン等)等が挙げられる。また、テトラもしくはトリメトキシシランとグリシドールとの脱メタノール反応により得られるグリシジル基含有部分縮合物も使用可能である。
シランカップリング剤(C)の配合量は、成分(C)とアニオン性水分散性樹脂(A)及び金属化合物(B)の合計との質量比(C)/[(A)+(B)]として1/1000〜3/10の範囲であるのが好ましく、1/100〜1/5の範囲であるのがより好ましい。成分(C)の割合が1/1000を下回ると配合効果が発現せず、3/10を超えると本発明の効果を阻害する場合がある。
本発明の表面処理剤にバナジウム化合物(D)を配合する場合には、平板耐食性、傷部耐食性及びアルカリ洗浄後の耐食性の少なくとも1つをさらに向上させることができる。バナジウム化合物(D)としては、バナジウムの酸化数が5価、4価、3価もしくは2価のバナジウム化合物、例えば五酸化バナジウム(V)、メタバナジン酸(HVO)、メタバナジン酸アンモニウム、メタバナジン酸ナトリウム、オキシ三塩化バナジウム(VOCl)等の酸化数5価のバナジウム化合物、三酸化バナジウム(V)、二酸化バナジウム(VO)、オキシ硫酸バナジウム(VOSO)、バナジウムオキシアセチルアセトネート[VO(OC(CH)=CHCOCH))]、バナジウムアセチルアセトネート[V(OC(CH)=CHCOCH))]、三塩化バナジウム(VCl)、リンバ等モリブデン酸{H15−X[PV12−xMoxO40]・nHO(6<x<12,n<30)}、硫酸バナジウム(VSO・8HO)、ニ塩化バナジウム(VCl)、酸化バナジウム(VO)等の酸化数4〜2価のバナジウム化合物等が挙げられる。
バナジウム化合物(D)は耐食性に関してはバナジウムの酸化数はいずれでも同様に効果的であるが、耐水性に関しては5価のバナジウム化合物より、4〜2価のバナジウム化合物の方が優れている。本発明の表面処理剤に4〜2価のバナジウム化合物を配合する方法としては、前記したような4〜2価のバナジウム化合物を用いる他、5価のバナジウム化合物を予め還元剤を用いて4〜2価に還元したものを用いることができる。用いる還元剤は無機系、有機系いずれでもよいが、有機系のなかでも有機酸を用いるのが特に好ましい。5価のバナジウム化合物を4価、3価もしくは2価に還元してから配合する方が、バナジウム化合物の安定性を向上させることができるため好ましい。
バナジウム化合物(D)の配合量は、成分(D)とアニオン性水分散性樹脂(A)及び金属化合物(B)の合計との質量比(D)/[(A)+(B)]として1/1000〜1/5の範囲であるのが好ましく、1/500〜1/10の範囲であるのがより好ましい。成分(D)の割合が1/1000を下回ると配合効果が発現せず、1/5を超えると耐熱変色性及び耐候性が低下する場合がある。
本発明の表面処理剤にチタン化合物(E)を配合する場合には、平板耐食性、傷部耐食性及びアルカリ洗浄後の耐食性の少なくとも1つをさらに向上させることができる。チタン化合物(D)としては、例えば、硫酸チタニルTiOSO、ジイソプロポキシチタニウムビスアセチルアセトン(CTi[OCH(CH、乳酸とチタニウムアルコキシドとの反応物、チタンラウレート、チタニウムアセチルアセトネートTi(OC(=CH)CHCOCH、テトライソプロピルチタネート[Ti(OCH(CH]、テトラノルマルブチルチタネート[Ti(O(CH(CH))]、ブチルチタネートダイマー[((CH)(CHO)−Ti−O−Ti(O(CH(CH))]、テトラオクチルチタネート[Ti(O(CH(CH))]、チタンオクチルグリコレート、チタンテトラアセチルアセトナート、チタンエチルアセトアセテートなどを用いることができる。
チタン化合物(E)の配合量は、成分(E)とアニオン性水分散性樹脂(A)及び金属化合物(B)の合計との質量比(E)/[(A)+(B)]として1/1000〜1/5の範囲であるのが好ましく、1/500〜1/10の範囲であるのがより好ましい。成分(E)の割合が1/1000を下回ると配合効果が発現せず、1/5を超えると耐熱変色性及び耐候性が低下する場合がある。
本発明の表面処理剤に有機ホスホン酸及び多価アルコールのリン酸エステル並びにそれらの塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の有機リン化合物(F)を配合する場合には、平板耐食性をさらに向上させることができる。有機ホスホン酸としては、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N´,N´−テトラ(メチレンホスホン酸)、ヘキサメチレンジアミン−N,N,N´,N´−テトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミン−N,N,N´,N´´,N´´−ペンタ(メチレンホスホン酸)、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸等が挙げられ、多価アルコールのリン酸エステルとしてはイノシトールヘキサリン酸エステル等が挙げられる。有機ホスホン酸や多価アルコールのリン酸エステルの塩としてはアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アンモニウム塩等が挙げられる。有機ホスホン酸や多価アルコールのリン酸エステルがホスホン基やリン酸基を2つ以上有する場合、そのアルカリ金属塩もしくはアンモニウム塩は部分的な塩であっても全体的な塩であってもよい。
成分(F)の配合量は、成分(F)とアニオン性水分散性樹脂(A)及び金属化合物(B)の合計との質量比(F)/[(A)+(B)]として1/1000〜1/10の範囲であるのが好ましく、1/500〜1/20の範囲であるのがより好ましい。成分(F)の割合が1/1000を下回ると配合効果が発現せず、1/10を超えるとアルカリ洗浄後耐食性及び耐薬品性が低下する場合がある。
本発明の表面処理剤に無機酸及びその塩並びに金属フッ化物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の無機酸系化合物(G)を配合する場合には、平板耐食性をさらに向上させることができる。成分(G)は金属材料をエッチングして酸化皮膜を除去したり亜鉛等を溶出させる(亜鉛イオンは金属化合物(B)と難溶性塩を形成する)ことを通して平板耐食性向上に寄与する。また、成分(G)には金属化合物(B)自体を不溶化、すなわちアルカリ金属イオンの解離を抑制する効果があり、耐水性が高まることで耐食性の向上に繋がる。
無機酸としては、リン酸、テトラフルオロホウ素酸(HBF)、ヘキサフルオロケイ酸(HSiF)、ヘキサフルオロジルコニウム酸(HZrF)、ヘキサフルオロチタン酸(HTiF)等が挙げられ、それらの塩としてはアンモニウム塩、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)が挙げられ、金属フッ化物としてはフッ化スズ(I)(SnF)、フッ化スズ(II)(SnF)、フッ化第一鉄、フッ化第二鉄等が挙げられる。
成分(G)の配合量は、成分(G)とアニオン性水分散性樹脂(A)及び金属化合物(B)の合計との質量比(G)/[(A)+(B)]として1/1000〜1/10の範囲であるのが好ましく、1/500〜1/20の範囲であるのがより好ましい。成分(G)の割合が1/1000を下回ると配合効果が発現せず、1/10を超えるとアルカリ洗浄後耐食性及び耐薬品性が低下する場合がある。
本発明の表面処理剤に酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ニオブ、酸化ホウ素及びホウ酸亜鉛よりなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物(H)を配合する場合には、本発明の効果のすべてをさらに向上させることができる。これらの酸化物は水和物であっても構わない。成分(H)は金属化合物(B)の水溶液にあらかじめ配合しておくことにより使用する。金属化合物(B)のうちでケイ酸アルカリ金属塩を用いる方が好適であり、本発明の表面処理剤の効果を最大限に発揮させるうえで好ましい。
酸化物(H)は金属化合物(B)と反応して水に難溶性の塩を形成することで、アンモニウムイオンもしくはアルカリ金属イオン、特にアルカリ金属イオンを固定化することにより、上記効果を発揮する。すなわち、形成した皮膜からアルカリ金属イオン等が皮膜から流去することを抑制、遅延させることで皮膜全体の耐水性を高めることができる。その結果、水を含んだ腐食環境下や薬品に浸漬したときに、耐水性の高い皮膜が形成できているため、腐食因子の透過の抑制に繋がり、全般的な耐食性を向上させ、さらに耐薬品性に優れる被覆金属材料が得られる。また、固定化されたアルカリ金属イオンは、酸性雨が被覆金属材料と接触することにより皮膜に浸透した酸分を中和する効果があり、金属材料の腐食を抑制できる。さらに、金属材料の表面で局部的に金属が溶解するアノード反応が進行するときにその部位が酸性となるが、アルカリ金属イオンはそれを中和する作用(いわゆる金属が溶解する腐食現象の緩衝作用)を有する。したがって、酸化物(H)は本発明に関わる全ての性能を向上させることができる。また、上記難溶性もしくは不溶性の塩はゲル状物質として存在するため、皮膜形成の段階でゲル化を促進する作用も有する。
成分(H)の配合量は、成分(H)と金属化合物(B)との質量比(H)/(B)として1/1000〜1/10の範囲であるのが好ましく、1/500〜1/20の範囲であるのがより好ましい。成分(H)の割合が1/1000を下回ると配合効果が発現せず、1/10を超えると表面処理剤の液安定性が低下する傾向となる。
本発明の表面処理剤には、さらに、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバワックス、ポリテトラフルオロエチレン等の潤滑剤を配合することができる。潤滑剤の配合により滑り性、成形加工性、キズ付き防止性を付与することができる。潤滑剤の配合量は、本発明の表面処理剤の全不揮発成分の1〜20質量%が好ましく、3〜15質量%がより好ましい。
本発明の表面処理剤には、さらに、界面活性剤、消泡剤、レベリング剤、防菌防ばい剤、着色剤等を本発明の趣旨や皮膜性能を損なわない範囲で配合し得る。
本発明の表面処理剤で用いる媒体は水を主体とするが、皮膜の乾燥性の改善等必要に応じて少量(例えば水性媒体全体の10容量%以下)のアルコール、ケトン、セロソルブ系の水溶性有機溶剤を併用してもよい。
なお、本発明の表面処理剤を構成する必須成分、任意成分の記載は配合時の状態を表すものであって、配合後に成分間で反応が生じても本発明の範囲から外れるものではない。
本発明の表面処理剤の合計固形分濃度については、本発明の効果が達成し得る限り特に制限はないが、通常、1〜35質量%の範囲に調整するのが好ましく、5〜25質量%の範囲に調整するのがより好ましい。
本発明の表面処理剤は種々の金属材料に適用できるが、材質が鋼、亜鉛、亜鉛めっき鋼、亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼、アルミニウムもしくはアルミニウム合金である金属材料に適用するのが好ましい。金属材料は金属板、シートコイル、パイプ、丸棒、角材等;これらの一次材料から作製した成形加工品もしくは鋳造品(自動車部材、家電製品、外壁材、建材製品、土木製品等)等を包含する。
本発明の表面処理剤による処理の前工程については特に制限はないが、通常は、本処理を行う前に金属材料(以下素材という場合がある)に付着した油分、汚れを取り除くためにアルカリ脱脂剤、又は酸性脱脂剤で洗浄するか、湯洗、溶剤洗浄等を行う。その後、必要に応じて酸、アルカリ等による表面調整を行う。素材表面の洗浄においては、洗浄剤が素材表面になるべく残留しないように洗浄後に水洗することが好ましい。なお、当然ながら、表面が汚れていない場合は洗浄しなくても構わない。
本発明の金属表面処理剤による処理は、金属表面処理剤を塗布した後、乾燥することにより行う。塗布方法については特に制限はなく、金属材料表面に処理剤をロール転写させて塗り付けるロールコート法、或いはシャワーリンガー等によって流し掛けた後ロールで絞るもしくはエアーナイフで液切りをする方法、処理液中に金属材料を浸漬する方法、金属材料に処理剤をスプレーする方法などから適宜選択すればよい。本処理剤の溶媒は水が主体であるため、処理液温度は0〜60℃であるのが好ましく、5〜40℃であるのがより好ましい。
乾燥工程は、必ずしも熱を必要とせず風乾、もしくはエアーブロー等の物理的除去でも構わないが、皮膜形成性、層間密着性を向上させるために加熱乾燥してもよい。その場合の温度は、30〜250℃の範囲が好ましく、60〜220℃の範囲がより好ましく、80〜200℃の範囲がさらに好ましい。
形成される皮膜の付着量は乾燥皮膜量で0.1〜3g/mが好ましく、0.2〜2.5g/mがより好ましい。0.1g/m未満では耐薬品性、アルカリ洗浄後耐食性が低下する場合がある。また、3g/mを超えると本発明の効果が飽和し、経済的に好ましくない。
本発明の表面処理剤から形成される皮膜上に、さらに別の機能性を付与したり、本発明の効果を更に高めるために乾燥皮膜量が0.3〜50g/mになるような樹脂層を設けることも可能である。これにより、被処理金属材料の耐食性、耐薬品性が向上する他、耐指紋性、耐溶剤性及び表面潤滑性を向上させることができる。
このような樹脂層を設ける方法としては、樹脂をあらかじめ溶解又は分散した溶剤系塗料や水系塗料を塗布して30〜280℃で乾燥する方法;フィルム状の樹脂をラミネートする方法等が挙げられる。樹脂の種類としては、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
上記水系塗料には、皮膜の強靭性や耐指紋性を向上させるために水分散性シリカを配合することが望ましく、また潤滑性を向上させるために水系ワックスを配合することが望ましい。水系塗料中の各成分の含有量は、全固形分を100質量部としたとき、固形分として、樹脂を50〜100質量部、水分散性シリカを0〜40質量部、水系ワックスを0〜30質量部とするのが好ましい。また、樹脂を架橋し得る架橋剤を含有させることも可能である。
本発明の表面処理剤を金属材料表面に塗布し、乾燥して得られる皮膜が優れた耐食性、耐薬品性、耐熱変色性及び耐候性を示す理由は以下のように推定されるが、本発明はかかる推定によって何ら制限されるものではなく、また、かかる推定は本発明の特許性に何ら不利な影響を及ぼすものではない。
まず、金属材料表面に表面処理剤を塗布すると、金属化合物(B)、すなわちケイ酸アルカリ金属塩及び塩基性ジルコニウム化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種(B)が金属材料の表面に存在する金属酸化物もしくは金属と反応することでアルカリ金属、ケイ素及び金属を含む複合酸化物(酸素酸塩)又はアルカリ金属、ジルコニウム及び金属を含む複合酸化物(酸素酸塩)よりなる難溶性複合皮膜が形成され、これにより、金属材料の活性度が低減する。さらに、腐食環境下で水、塩素等の腐食因子が皮膜を介して浸透し、金属材料の腐食反応が発生すると金属材料のアノード反応が起こり、局部的に酸性度が高まる。その部位に対して、成分(B)に存在するアルカリ金属イオン(一部アンモニウムイオンの場合あり)が、解離し中和することにより金属材料の腐食に対する緩衝効果が発現される。また、アルカリ金属イオンが解離することで、金属化合物(B)の形成する皮膜のバリア性がより高まる(例えば、ジルコニウム同士が酸素を介して結合して高分子量化することでバリア性が高まる)ことや成分(B)自体の充填効果(物理的遮蔽効果)により、耐水性の向上に繋がり、本発明の効果がより一層高まる。
ただし、金属化合物(B)のみでは流出し易く、この効果が長期に亘り持続しないため、アニオン性水分散性樹脂(A)が不可欠になる。ガラス転移温度が高く、耐薬品性に優れる樹脂成分を用いることで上記成分(B)の効果を長期に渡り持続することが可能となるのである。成分(B)は概してかなり強いアルカリ性を示すため耐アルカリ性に優れる樹脂の使用が必要である。ガラス転移温度が本発明で規定する最低温度を下回ると樹脂が柔軟であるが故に、腐食環境下で皮膜が流動性をもち耐水性が低下し、さらに成分(B)の保持性が損なわれる。
なお、成分(A)をシリル変性することで金属材料との密着性が高まり、さらに耐薬品性も高まる。
傷部耐食性に関しては、皮膜が損傷して金属材料が露出したときでも、アルカリ金属イオンが解離する中和効果や、アルカリ金属(一部アンモニウム成分)が解離することで珪素化合物やジルコニウム化合物が、腐食環境下で金属材料の溶出する活性な部位に対して被覆する効果があり、腐食の進行を遅延させるのである。
アルカリ洗浄後耐食性は、バリア性の高い皮膜が形成されることにより発現され、また、樹脂皮膜の中に保持されるケイ酸アルカリ金属塩やジルコニウム化合物の充填効果(物理的遮蔽効果)により、アルカリ洗浄後でも皮膜内に成分(B)が留まることで発現されるのである。
任意成分(C)〜(H)の作用効果は前記したとおりであり、上記成分(A)と成分(B)の効果をより高めることが可能となる。
耐候性については、酸性雨がもたらす酸分が皮膜を介して浸透した場合でも皮膜に存在するアルカリ金属イオンが中和することで金属材料を保護する効果がある。
耐熱変色性については、本発明の表面処理剤は特にアルカリ側で不働態域を示す金属材料に対して耐熱変色性を発揮する。一般に樹脂を含む皮膜は300℃以上の高温になると樹脂の分解にともない破損して金属が露出し、金属の腐食による変色が起ってしまう。本発明の表面処理剤においては特に金属化合物(B)が熱変色を防止ないし遅延する役割を担っている。
以下に実施例及び比較例を掲げて本発明をその効果と共にさらに具体的に説明するが、これらの実施例は例示であって、本発明はこれらの実施例によって何ら制限されるものではない。
以下、溶融亜鉛メッキ鋼板、アルミニウム−亜鉛系合金メッキ鋼板もしくはマグネシウム−アルミニウム合金板を供試材とした場合について、実施例及び比較例の表面処理剤の調製(表1〜7)、供試材並びにその前処理及び表面処理、評価方法の説明、評価結果の解説、及び評価結果(表8〜14)の順に説明する。次に、冷延鋼板を供試材とした場合についての試験及びその結果を説明する。
1.表面処理剤の製造
以下に示す成分を、表1〜7に示す組合せ及び割合で用いて、表1〜7に示す実施例及び比較例の表面処理剤を調製した。すなわち、脱イオン水に、アニオン性水分散性樹脂(A)、金属化合物(B)、並びに使用する場合のシランカップリング剤(C)、バナジウム化合物(D)、チタン化合物(E)、有機リン化合物(F)、無機酸系化合物(G)及び酸化物(H)をこの順序で添加し、最後に脱イオン水を用いて固形分濃度が15質量%になるように調整した。
<アニオン性水分散性樹脂(A)>
A1:Tg40℃ ポリエステルポリオール系ウレタン樹脂
A2:Tg80℃ ポリエステルポリオール系ウレタン樹脂
A3:Tg120℃ ポリエステルポリオール系ウレタン樹脂
A4:Tg80℃ ポリエーテルポリオール系ウレタン樹脂
A5:Tg80℃ ポリカーボネートポリオール系ウレタン樹脂
A6:Tg70℃ アクリル樹脂
A7:Tg100℃ エポキシ樹脂
A8:Tg90℃ シリル変性ポリエステルポリオール系ウレタン樹脂
A9:Tg90℃ シリル変性ポリカーボネートポリオール系ウレタン樹脂
A10:Tg70℃ シリル変性アクリル樹脂
ポリエステルポリオール系ウレタン樹脂(A1)の製造
反応器内に1,6−ヘキサンジオールとアジピン酸から得られた数平均分子量5000のポリエステルポリオール100質量部、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール5質量部、2,2−ジメチロールプロピオン酸20質量部、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート100質量部、N−メチル−2−ピロリドン100質量部を加えて反応させて、不揮発分に対する遊離のイソシアナト基含有量が5%であるウレタンプレポリマーを得た。次に、テトラメチレンジアミン16質量部及びトリエチルアミン10質量部を脱イオン水500質量部に加えてホモミキサーで攪拌しながら、上記ウレタンプレポリマーを加えて乳化分散し、最後に脱イオン水を加えて不揮発分25質量%の水分散性ウレタン樹脂を得た。
ポリエステルポリオール系ウレタン樹脂(A2)の製造
1,6−ヘキサンジオールとアジピン酸から得られた数平均分子量5000のポリエステルポリオール100質量部に代えて1,6−ヘキサンジオールとアジピン酸から得られる数平均分子量2000のポリエステルポリオール100質量部を用いた以外、A1の製造と同様にして不揮発分25質量%の水分散性ウレタン樹脂を得た。
ポリエステルポリオール系ウレタン樹脂(A3)の製造
反応器内に1,4−ブタンジオールとアジピン酸から得られた数平均分子量1500のポリエステルポリオール100質量部、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール5質量部、2,2−ジメチロールプロピオン酸15質量部、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート100質量部、N−メチル−2−ピロリドン120質量部を加えて反応させ、不揮発分に対する遊離のイソシアナト基含有量が5%であるウレタンプレポリマーを得た。次に、ピペラジン16質量部及びトリエチルアミン10質量部を脱イオン水500質量部に加えてホモミキサーで攪拌しながら、上記ウレタンプレポリマーを加えて乳化分散し、最後に脱イオン水を加えて不揮発分25質量%の水分散性ウレタン樹脂を得た。
ポリエーテルポリオール系ウレタン樹脂(A4)の製造
反応器内にポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとから得られた数平均分子量2000のポリエーテルポリオール100質量部、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール5質量部、2,2−ジメチロールプロピオン酸20質量部、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート100質量部、N−メチル−2−ピロリドン120質量部を加えて反応させて、不揮発分に対する遊離のイソシアナト基含有量が5%であるウレタンプレポリマーを得た。次に、テトラメチレンジアミン16質量部及びトリエチルアミン10質量部を脱イオン水500質量部に加えてホモミキサーで攪拌しながら、上記ウレタンプレポリマーを加えて乳化分散し、最後に脱イオン水を加えて不揮発分25質量%の水分散性ウレタン樹脂を得た。
ポリカーボネートポリオール系ウレタン樹脂(A5)の製造
反応器内にポリカーボネートポリオール(合成成分:1,6−ヘキサンカーボネートジオール、エチレングリコール、数平均分子量2000)100質量部、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール5質量部、2,2−ジメチロールプロピオン酸20質量部、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート100質量部、N−メチル−2−ピロリドン120質量部を加えて反応させて、不揮発分に対する遊離のイソシアナト基含有量が5%であるウレタンプレポリマーを得た。次に、テトラメチレンジアミン16質量部及びトリエチルアミン10質量部を脱イオン水500質量部に加えてホモミキサーで攪拌しながら、上記ウレタンプレポリマーを加えて乳化分散し、最後に脱イオン水を加えて不揮発分25質量%の水分散性ウレタン樹脂を得た。
アクリル樹脂(A6)の製造
反応器内に脱イオン水300質量部とアニオン性反応性界面活性剤2質量部を加えてホモミキサーで攪拌しながら、脱イオン水50質量部と過硫酸カリウム1質量部の混合物と、脱イオン水287質量部、反応性乳化剤4質量部、メチルメタクリレート60質量部、スチレン158質量部、2−エチルヘキシルアクリレート18質量部、メタクリル酸4.5質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.5質量部及びグリシジルメタクリレート45質量部の混合物とを同時に少しずつ配合して水分散性アクリル樹脂を得た。さらに30質量部のブチルセロソルブを加え、最後に脱イオン水を加えて不揮発分25質量%に調整した。
エポキシ樹脂(A7)の製造
反応器内にエポキシ当量1950のビスフェノールA型エポキシ樹脂680質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル132質量部、反応性乳化剤168質量部を入れ、ホモミキサーで攪拌しながら、脱イオン水1000質量部を少しずつ添加してエポキシ当量3500の水分散性エポキシ樹脂を得、最後に脱イオン水を加えて不揮発分25質量%に調整した。
シリル変性ポリエステルポリオール系ウレタン樹脂(A8)の製造
反応器内に1,6−ヘキサンジオールとアジピン酸から得られた数平均分子量2000のポリエステルポリオール100質量部、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール5質量部、3−アミノプロピルトリエトキシシラン6質量部、2,2−ジメチロールプロピオン酸20質量部、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート100質量部、N−メチル−2−ピロリドン150質量部を加えて反応させて、不揮発分に対する遊離のイソシアナト基含有量が5%であるウレタンプレポリマーを得た。次に、テトラメチレンジアミン16質量部及びトリエチルアミン10質量部を脱イオン水500質量部に加えてホモミキサーで攪拌しながら、上記ウレタンプレポリマーを加えて乳化分散し、最後に脱イオン水を加えて不揮発分25質量%の水分散性ウレタン樹脂を得た。
シリル変性ポリカーボネートポリオール系ウレタン樹脂(A9)の製造
反応器内に数平均分子量2000の1,6−ヘキサンジオールレングリコール100質量部、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1質量部、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール5質量部、2,2−ジメチロールプロピオン酸20質量部、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート100質量部、N−メチル−2−ピロリドン150質量部を加えて反応させて、不揮発分に対する遊離のイソシアナト基含有量が5%であるウレタンプレポリマーを得た。次に、テトラメチレンジアミン16質量部及びトリエチルアミン10質量部を脱イオン水500質量部に加えてホモミキサーで攪拌しながら、上記ウレタンプレポリマーを加えて乳化分散し、最後に脱イオン水を加えて不揮発分25質量%の水分散性ウレタン樹脂を得た。
シリル変性アクリル樹脂(A10)の製造
反応器内に脱イオン水400質量部とアニオン性反応性界面活性剤2質量部を加えてホモミキサーで攪拌しながら、脱イオン水50質量部と過硫酸カリウム1質量部の混合物と、脱イオン水287質量部、反応性乳化剤4質量部、メチルメタクリレート60質量部、スチレン158質量部、2−エチルヘキシルアクリレート18質量部、メタクリル酸4.5質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.5質量部、グリシジルメタクリレート45質量部及び3−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン7.5質量部の混合物とを同時に少しずつ添加して水分散性アクリル樹脂を得た。さらに30質量部のブチルセロソルブを加え、最後に脱イオン水を加えて不揮発分25質量%に調整した。
<金属化合物(B)>
実施例で使用
B1:炭酸ジルコニウムアンモニウム
B2:炭酸ジルコニウムカリウム
B3:ケイ酸リチウム LiO/SiO=0.15
B4:ケイ酸ナトリム NaO/SiO=0.01
B5:ケイ酸ナトリム NaO/SiO=0.15
B6:ケイ酸ナトリム NaO/SiO=0.33
B7:ケイ酸ナトリム NaO/SiO=0.48
B8:ケイ酸カリウム KO/SiO=0.44
比較例で使用
B9 :ケイ酸ナトリウム NaO/SiO=0.0005
B10:ケイ酸ナトリウム NaO/SiO=0.8
B11:コロイダルシリカ 平均粒子径10nm
<シランカップリング剤(C)>
C1:3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン
C2:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
C3:3−アミノプロピルトリエトキシシラン
C4:ビニルトリメトキシシラン
<バナジウム化合物(D)>
D1:メタバナジン酸ナトリウム
D2:メタバナジン酸アンモニウム
D3:硫酸バナジル
D4:バナジルアセチルアセトネート
<チタン化合物(E)>
E1:硫酸チタニル
E2:テトライソプロピルチタネート
E3:チタニウムアセチルアセトネート
E4:チタンオクチルグリコレート
<有機リン化合物(F)>
F1:1−ヒドロキシエチレン−1,1−ジホスホン酸
F2:2−ホスホン酸ブタン−1,2,4−トリカルボン酸
F3:イノシットヘキサホスホン酸
<無機酸系化合物(G)>
G1:リン酸水素ニアンモニウム
G2:フッ化アンモニウム
G3:ヘキサフルオロケイ酸アンモニウム
<酸化物(H)>
H1:酸化マグネシウム
H2:酸化カルシウム
H3:ホウ酸亜鉛
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2.前処理及び表面処理剤による表面処理
(1)供試板
a:溶融亜鉛メッキ鋼板(板厚:0.6mm、片面めっき量80g/m
b:55質量%アルミニウム−亜鉛系合金メッキ鋼板(板厚:0.5mm、片面めっき量120g/m
c:4.5質量%マグネシウム−アルミニウム合金板(A5182)、(板厚0.3mm)
(2)脱脂処理
日本パーカライジング(株)製アルカリ脱脂剤パルクリーンN364S(20g/L建浴、60℃、10秒スプレー、スプレー圧50kPa)で供試板を脱脂した後、スプレー水洗を10秒行った。
(3)表面処理及び乾燥
上記で調製した実施例及び比較例の表面処理剤を、それぞれ表1〜7に示した乾燥皮膜量が得られるように、バーコーターで、脱脂処理後の供試板の表面に塗布した。ついで、熱風乾燥炉でそれぞれ表1〜7に示す到達板温になるように乾燥した。
3.評価試験
上記で作製した表面処理供試板を以下に示す試験に付した。
(1)耐食性
(1)−1 平板耐食性
塩水噴霧試験法JIS−Z−2381に基づき塩水噴霧120時間後、240時間後の白錆発生面積の割合を目視で求めて評価した。本発明では240時間で評価基準の□以上を満たすものを実用レベルと判断した。
評価基準:白錆発生面積 ◎1%未満、○1%以上5%未満、□5%以上15%未満 △15%以上30%未満、×30%以上
(1)−2 Xカット部耐食性(傷部耐食性)
NTカッターで処理板にクロスカットを付した。ついで塩水噴霧試験法JIS−Z−2381に基づき塩水噴霧120時間後、240時間後に白錆が発生している箇所で錆幅の長い方から最大3点の平均値を求めて評価した。本発明では240時間で評価基準の□以上を満たすものを実用レベルと判断した。
評価基準:◎1mm未満、○1mm以上2mm未満、□2mm以上4mm未満、△4mm以上8mm未満、×8mm以上
(1)−3 アルカリ洗浄後耐食性
日本パーカライジング(株)製アルカリ脱脂剤パルクリーンN364Sを20g/Lに建浴し、60℃に調整した脱脂剤水溶液を処理板に2分間スプレーした。水洗した後、80℃で乾燥した。この板について、上記(1)−1及び(1)−2に記載した条件、評価法で耐食性を評価した。本発明では240時間で評価基準の□以上を満たすものを実用レベルと判断した。
(2)耐薬品性
(2)−1 耐酸性
0.5質量%濃度に調整した25℃の硫酸水溶液に処理板を30分間浸漬した。水洗した後に80℃で乾燥し、処理板の外観を目視判定した。本発明では耐酸性が□以上を満たすものを実用レベルと判断した。
評価基準:変色面積(皮膜及び素材変色を含む):◎1%未満、○1%以上5%未満、□5%以上15%未満、△15%以上30%未満、×30%以上
(2)−2 耐アルカリ性
1質量%濃度に調整した25℃の水酸化ナトリウム水溶液に処理板を1時間浸漬した。水洗した後、80℃で乾燥し、処理板の外観を目視判定した。本発明では耐アルカリ性が□以上を満たすものを実用レベルと判断した。
評価基準:変色面積(皮膜及び素材変色を含む):◎1%未満、○1%以上5%未満、□5%以上15%未満、△15%以上30%未満、×30%以上
(3)耐熱変色性
処理板を250℃もしくは400℃で30分間加熱し、加熱前後の処理板の変色度合いを目視判定した。本発明では耐熱変色性が○以上を満たすものを実用レベルと判断した。
評価基準:変色面積:◎殆ど変色なし、○僅かに変色が認められる、□変色が明らかに認められる、△黄変あるいは黒変が認められる、×褐変、赤変あるいは黒変が認められる
(4)耐候性
処理板を平塚市で屋外暴露し、1年経過した後の変色度合いを目視判定した。本発明では耐候性が○以上を満たすものを実用レベルと判断した。
評価基準:変色面積:◎殆ど変色なし、○僅かに変色が認められる、□変色が明らかに認められる、△黄変あるいは黒変が認められる、×褐変、赤変あるいは黒変が認められる
4.評価結果
処理板の評価結果を表8〜14に示す。表8〜14より特定のアニオン性水分散性樹脂(A)と金属化合物(B)とを配合する本発明の表面処理剤を用いた実施例1〜実施例80は、平板耐食性、傷部耐食性、アルカリ洗浄後耐食性、耐薬品性、耐熱変色性及び耐候性において総合的に優れた結果を示すことが分かる。そのなかでも、実施1〜32と比較して、実施例33〜41はアニオン性水分散性樹脂(A)をシリル変性しており、平板耐食性、傷部耐食性、アルカリ洗浄後耐食性、耐薬品性及び耐候性が全体的に向上することが分かる。また、シランカップリング剤(C)を配合した実施42〜44のなかで、ウレタン樹脂を使用した場合は傷部耐食性が向上し、アクリル樹脂もしくはエポキシ樹脂を使用した場合は平板耐食性、アルカリ洗浄後耐食性及び耐薬品性が向上することが分かる。
また、本発明の成分(D)〜成分(H)を配合した実施例45〜72は、平板耐食性、傷部耐食性及び洗浄後耐食性のいずれかが向上していており、全ての項目で○以上の評点であることが分かる。
また、本発明の処理条件において、皮膜量と到達板温を変動した実施例73〜75及び供試材の種類を変更した実施例76〜80は、全ての項目で○以上の評点であることが分る。
一方、アニオン性水分散性樹脂(A)もしくは金属化合物(B)を配合しない比較例1〜2、金属化合物(B)に占めるアルカリ金属の量が本発明の範囲外となる比較例3〜4、金属化合物(B)の替わりにコロイダルシリカを配合した比較例5、クロメート皮膜を形成した比較例6では、全ての性能を満足するものはなかった。
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金属材料の中で最も腐食し易い鋼板を用いた実施例を比較例と共に示す。実施例43、比較例5及び比較例6の表面処理剤を使用し、金属材料を溶融亜鉛めっき鋼板(a)から冷延鋼板(板厚:0.8mm)に変更し、表15に示す処理条件で処理板を作製した。
鋼板は溶融亜鉛めっき鋼板と比較して、赤錆が発生し易いため、前記評価方法では実用性の判断としては厳しいため、次のような評価方法に変更した。すなわち、耐食性は塩水噴霧試験を6時間とした。冷延鋼板の場合、上層として上塗り塗装やラミネート等を施す場合を除いて、本発明の表面処理剤より形成されるような皮膜に対して、前記評価方法で示すような厳しい耐薬品性や耐候性は要求されない。従って、耐食性、耐熱変色性のみで試験、評価を実施した。なお、耐熱変色性の評価は前記評価方法で行った。評価結果を表15に示す。
表15から、実施例81は比較例7及び比較例8と比較し、傷部耐食性、アルカリ洗浄後耐食性、耐熱変色性に優れることが分かる。特に、400℃に加熱した場合、比較例7及び比較例8は全面に赤錆が発生しているのに対して、実施例81は全面にマグネタイトの形成に由来すると推定される黒色の安定錆により全面が黒化しているが、赤錆の発生はなかった。
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Claims (13)

  1. 0℃以上のガラス転移温度を有するアニオン性水分散性樹脂(A)及びケイ酸アルカリ金属塩(B1)を水に配合してなり、該ケイ酸アルカリ金属塩において、MO部分とSiO部分の質量比MO/SiOが1/1000〜6/10であり、Mがリチウム、ナトリウム及びカリウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種である金属材料用表面処理剤。
  2. 成分(B1)と成分(A)との質量比(B1)/(A)が1/100〜85/10である請求項1記載の表面処理剤。
  3. 成分(A)がシリル変性したものである請求項1又は2記載の表面処理剤。
  4. 塩基性ジルコニウム化合物(B2)を、成分(B1)及び成分(B2)の合計と成分(A)との質量比[(B1)+(B2)]/(A)が1/100〜85/10となるように配合した請求項1〜3のいずれか1項に記載の表面処理剤。
  5. 隣り合った炭素原子に結合したエポキシ基、アミノ基、ビニル基、メルカプト基及びイソシアナト基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有するシランカップリング剤(C)を、成分(C)と成分(A)、成分(B1)及び存在する場合の成分(B2)の合計との質量比(C)/[(A)+(B1)+(B2)]が1/1000〜3/10となるように配合した請求項1〜4のいずれか1項に記載の表面処理剤。
  6. バナジウム化合物(D)を、成分(D)と成分(A)、成分(B1)及び存在する場合の成分(B2)の合計との質量比(D)/[(A)+(B1)+(B2)]が1/1000〜1/5となるように配合した請求項1〜5のいずれか1項に記載の表面処理剤。
  7. チタン化合物(E)を、成分(E)と成分(A)、成分(B1)及び存在する場合の成分(B2)の合計との質量比(E)/[(A)+(B1)+(B2)]が1/1000〜1/5となるように配合した請求項1〜6のいずれか1項に記載の表面処理剤。
  8. 有機ホスホン酸及び多価アルコールのリン酸エステル並びにそれらの塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の有機リン化合物(F)を、成分(F)と成分(A)、成分(B1)及び存在する場合の成分(B2)の合計との質量比(F)/[(A)+(B1)+(B2)]が1/1000〜1/10となるように配合した請求項1〜7のいずれか1項に記載の表面処理剤。
  9. 無機酸及びその塩並びに金属フッ化物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の無機酸系化合物(G)を、成分(G)と成分(A)、成分(B1)及び存在する場合の成分(B2)の合計との質量比(G)/[(A)+(B1)+(B2)]が1/1000〜1/10となるように配合した請求項1〜8のいずれか1項に記載の表面処理剤。
  10. 酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ニオブ、酸化ホウ素及びホウ酸亜鉛よりなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物(H)を、成分(H)と、成分(B1)及び存在する場合の成分(B2)の合計との質量比(H)/[(B1)+(B2)]が1/1000〜1/10となるように配合した請求項1〜9のいずれか1項に記載の表面処理剤。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の表面処理剤を金属材料表面の少なくとも片面に塗布し乾燥して、乾燥皮膜質量として0.1〜3g/mの皮膜を形成させることを特徴とする金属材料の表面処理方法。
  12. 請求項11記載の表面処理方法で表面処理された金属材料。
  13. 金属材料が鋼材、亜鉛材、亜鉛めっき鋼材、亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼材、アルミニウム材又はアルミニウム合金材である請求項12記載の金属材料。
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