JP2000239603A - アニオン性水分散性被覆組成物の製造方法及び該組成物を使用した塗料用トップコート - Google Patents
アニオン性水分散性被覆組成物の製造方法及び該組成物を使用した塗料用トップコートInfo
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- JP2000239603A JP2000239603A JP11042258A JP4225899A JP2000239603A JP 2000239603 A JP2000239603 A JP 2000239603A JP 11042258 A JP11042258 A JP 11042258A JP 4225899 A JP4225899 A JP 4225899A JP 2000239603 A JP2000239603 A JP 2000239603A
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Abstract
を特徴とするアニオン性水分散性被覆組成物の、溶媒を
留去する必要のない製造方法、及び該組成物を使用した
塗料用トップコートを提供する。 【解決手段】 エチレン性不飽和モノマー(b)5〜3
0重量%、及びカルボキシル基含有エチレン性不飽和モ
ノマー(y)を含む親水性エチレン性不飽和モノマー
(c)5〜20重量%を水溶性溶剤(a)5〜30重量
%の中で重合して得られた樹脂(p)の溶液を、中和、
相転換した後に、該樹脂(p)にエポキシ基含有エチレ
ン性不飽和モノマー(d)0.1〜3重量%を付加して
水系分散剤(e)を合成し、得られた水系分散剤(e)
5〜40重量%とエチレン性不飽和モノマー(f)7〜
84.8重量%と該モノマー(f)と共重合可能な親水
性エチレン性不飽和モノマー(g)0〜10重量%を含
有する単量体混合物を、水中で乳化重合させる(なお、
(a)、(b)、(c)、(d)の比率は(e)に対す
る重量%を示し、(e)、(f)、(g)の比率はアニ
オン性水分散性被覆組成物に対する重量%を示す。)。
Description
れた塗膜を形成することを特徴とするアニオン性水分散
性被覆組成物の製造方法及び該組成物を使用した塗料用
トップコートに関するものである。
料の無公害化および安全衛生化が強く要望されており、
溶剤系塗料に代わり水系塗料の用途が拡大されつつあ
る。しかしながら水系塗料は、酢酸ビニル系、アクリル
系、スチレン系塗料の粒子を界面活性剤、分散剤等を用
いて水中に分散させたものを主成分とし、これに顔料、
顔料分散剤、消泡剤、増粘剤、成膜助剤、防腐剤等を配
合した分散型樹脂である。したがって、溶剤系塗料と比
較して基材への濡れ、浸透性が悪いことによる密着性の
低下や、水溶性成分による耐水性が良くないという問題
などがあった。このような水系塗料の問題を解決するた
めの方法として、界面活性剤を使用しないソープフリー
乳化重合法、反応型界面活性剤を用いた乳化重合法など
が種々検討されている。反応型界面活性剤、主にはアニ
オン系の反応型界面活性剤を用いた水分散型樹脂では、
皮膜の耐水性は良好であるが、密着性、耐久性について
は、溶剤系のそれと比較した場合、未だ満足なものは得
られていない。
散剤を用いて得られる水分散型樹脂では、反応型界面活
性剤と比較して、高分子分散剤の乳化力が低いことなど
から少量の使用量では重合できなかったり、粒子径が大
きくなってしまうため、基材への濡れ、浸透性が悪くな
る。また、粒子径をコントロールするために界面活性剤
の使用量を多くすると水分散型樹脂は得られるが水溶性
成分が増えたことにより耐水性の低下が避けられない。
さらに、水溶性の高分子分散剤は、溶液中で重合、そし
て、中和・相転換された後、重合に使用した溶媒を留去
する必要があり工程面、コスト面からも経済的に不利と
なるため汎用性に乏しい。
水性に優れた塗膜を形成することを特徴とするアニオン
性水分散性被覆組成物の、溶媒を留去する必要のない製
造方法及び該組成物を使用した塗料用トップコートを提
供することにある。
性エマルジョンが有する種々の特徴を損なわずに、上記
諸欠点を改善する方法について鋭意検討した結果、エチ
レン性不飽和モノマー(b)とアクリル酸のようなカル
ボキシル基含有エチレン性不飽和モノマー(y)を含む
親水性エチレン性不飽和モノマー(c)を特定の水溶性
溶剤(a)中で重合して得られる樹脂(p)の溶液を、
塩基で中和、相転換した後、該樹脂(p)にエポキシ基
含有エチレン性不飽和モノマー(d)を付加して水系分
散剤(e)を合成し、該水系分散剤(e)にエチレン性
不飽和モノマー(f)と親水性エチレン性不飽和モノマ
ー(g)を水系媒質中で乳化共重合させることにより、
アニオン性水分散性被覆組成物が得られ、溶媒(a)
は、そのまま成膜助剤として作用するため溶媒留去の工
程が不要であり、このようにして得られたアニオン性水
分散性被覆組成物は密着性、耐水性に優れた塗膜を形成
することを見出だし、本発明を完成するに至った。
モノマー(b)5〜30重量%、及びカルボキシル基含
有エチレン性不飽和モノマー(y)を含む親水性エチレ
ン性不飽和モノマー(c)5〜20重量%を水溶性溶剤
(a)5〜30重量%の中で重合して得られた樹脂
(p)の溶液を、中和、相転換した後に、該樹脂(p)
にエポキシ基含有エチレン性不飽和モノマー(d)0.
1〜3重量%を付加して水系分散剤(e)を合成し、得
られた水系分散剤(e)5〜40重量%とエチレン性不
飽和モノマー(f)7〜84.8重量%と該モノマー
(f)と共重合可能な親水性エチレン性不飽和モノマー
(g)0〜10重量%を含有する単量体混合物を、水中
で乳化重合させることを特徴とするアニオン性水分散性
被覆組成物の製造方法(なお、(a)、(b)、
(c)、(d)の比率は(e)に対する重量%を示し、
(e)、(f)、(g)の比率はアニオン性水分散性被
覆組成物に対する重量%を示す。)を提供する。本発明
の2は、親水性エチレン性不飽和モノマー(c)中のカ
ルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマー(y)の重
量比率が5〜20重量%である本発明の1に記載のアニ
オン性水分散性被覆組成物の製造方法を提供する。本発
明の3は、重合時に使用する溶剤(a)が、常圧で沸点
が200℃以下の水溶性溶剤またはそれらの混合物であ
る本発明の1に記載のアニオン性水分散性被覆組成物の
製造方法を提供する。本発明の4は、乳化重合後の水分
散性被覆組成物の粒子径が10〜100nmの範囲であ
る本発明の1に記載のアニオン性水分散性被覆組成物の
製造方法を提供する。本発明の5は、本発明の1〜4の
アニオン性水分散性被覆組成物を使用する塗料用トップ
コートを提供する。
性被覆組成物は、水を主成分とする分散媒にポリマー分
散質が分散したものである。以下、本発明ではアニオン
性水分散性被覆組成物を水分散性被覆組成物または被覆
組成物と略称する場合がある。本発明の水分散性被覆組
成物の製造方法は、水溶性溶剤(a)5〜30重量%を
用いて、エチレン性不飽和モノマー(b)5〜30重量
%と該モノマー(b)と共重合可能なカルボキシル基含
有エチレン性不飽和モノマー(y)を含む親水性エチレ
ン性不飽和モノマー(c)5〜20重量%を上記溶剤
(a)中でラジカル重合開始剤(i)を使用して重合さ
れた樹脂(p)の溶液を、塩基を中和剤(l)に使用し
て中和し、相転換した後に、該樹脂(p)にエポキシ基
含有エチレン性不飽和モノマー(d)0.1〜3重量%
を付加して水系分散剤(e)を合成し、得られた水系分
散剤(e)5〜40重量%と、エチレン性不飽和モノマ
ー(f)5〜30重量%と該モノマー(f)と共重合可
能な親水性エチレン性不飽和モノマー(g)0〜10重
量%を含有する単量体混合物を、水中で水溶性ラジカル
重合開始剤(j)を用いて、乳化共重合させることを特
徴とする。
下の水溶性溶媒が挙げられる。具体的には、メタノー
ル、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール
などの脂肪族系の水溶性アルコール;エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチル
エーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、
プロピレングリコールモノブチルエーテルなどの炭素数
2〜4のアルキレングリコールの炭素数1〜4のモノア
ルキルエーテル類などが挙げられる。またこれらは二種
類以上組み合わせて使用しても差しつかえない。
ー エチレン性不飽和モノマー(b)及び(f)は同じであ
っても異なっていてもよく、具体的には、(メタ)アク
リル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)ア
クリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メ
タ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘ
キシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メ
タ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリ
ルなどの(メタ)アクリル酸のC1〜C24のアルキルま
たはシクロアルキルエステル;ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸のC3〜C8
のヒドロキシアルキルエステル;スチレン、ビニルトル
エン、α−メチルスチレン、N−ビニルピロリドン、ビ
ニルピリジンなどの芳香族不飽和モノマー;グリシジル
(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有の(メタ)
アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸1−メチル2
−ピロリドン、(メタ)アクリル酸1−エチル2−ピロ
リドンなどの(メタ)アクリル酸のC1〜C24のピロー
ル環含有アルキルエステル;(メタ)アクリル酸1−メ
チル2−オキサゾリドン、(メタ)アクリル酸1−エチ
ル2−オキサゾリドンなどの(メタ)アクリル酸のC1
〜C24のオキサゾール環含有アルキルエステル;(エチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート等のアルキレン
グリコールジ(メタ)アクリレート)などが挙げられ
る。またこれらは二種類以上組み合わせて使用しても差
しつかえない。
モノマー 親水性エチレン性不飽和モノマー(c)及び(g)は、
モノマー(b)及び(f)と共重合可能なモノマーであ
って、(c)及び(g)は、同じであっても異なってい
てもよく、具体的には、(メタ)アクリル酸、マレイン
酸、クロトン酸、末端水酸基を有するヒドロキシエチル
(メタ)アクリレートやジエチレングリコール(メタ)
アクリレート等のポリオキシアルキレングリコール(メ
タ)アクリレート(アルキレン基の炭素数は2〜4であ
り、アルキレンオキシ基の付加モル数は1〜50であ
る。);(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メ
タ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アク
リルアミド;ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレー
トなどのアミノ基含有(メタ)アクリル酸エステルなど
が挙げられる。またこれらは二種類以上組み合わせて使
用しても差しつかえない。
和モノマー カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマー(y)と
しては、上記親水性エチレン性不飽和モノマー(c)の
中の(メタ)アクリル酸、マレイン酸、クロトン酸など
のカルボキシル基を1個以上有する不飽和化合物などが
挙げられる。
ノマー 上記エポキシ基含有エチレン性不飽和モノマー(d)と
しては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メ
チルグリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基
含有(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ基含有脂環
式(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。また
これらは二種類以上組み合わせて使用しても差しつかえ
ない。
(y)、(d)、(f)、(g)の使用量については下
記の範囲で使用される。なお、溶媒(a)、モノマー
(b)、(c)、(d)の比率は水系分散剤(e)に対
する重量%である。溶媒(a)の使用量は、5〜30重
量%、好ましくは10〜25重量%である。溶媒(a)
の使用量が上記範囲未満になると水系分散剤を合成する
時に溶液系の粘度が高くなってしまい十分な中和・相転
換ができなくなり、上記範囲を超えると、水系分散剤を
得る事はできるがそれを用いて乳化重合した最終品の成
膜助剤の濃度が高くなるため、結果として皮膜の乾燥が
不十分となり耐水性が低下する。モノマー(b)の使用
量は、5〜30重量%、好ましくは10〜25重量%で
ある。モノマー(b)の使用量が上記範囲未満となると
密着性、耐水性が低下し、上記範囲を超えると親水性の
成分が失われるため十分な分散安定性が得られなくな
る。モノマー(c)の使用量は、5〜20重量%、好ま
しくは10〜15重量%である。モノマー(c)の使用
量が上記範囲未満となると親水性の成分が少ないため十
分な分散安定性が得られなくなり、上記範囲を超えると
得られるエマルジョンの親水性が強くなり、それに従っ
て塗膜の耐水性が低下する傾向にある。カルボキシル基
含有エチレン性不飽和モノマー(y)の使用量は、親水
性エチレン性不飽和モノマー(c)中の5〜20重量%
である。モノマー(y)の使用量が上記範囲未満となる
と十分な分散安定性が得られなくなり、上記範囲を超え
ると親水性が強くなるために塗膜の耐水性が低下する傾
向にある。特に、親水性エチレン性不飽和モノマー
(c)としてアミノ基を有する親水性エチレン性不飽和
モノマー(c)を使用するときには、カルボキシル基含
有エチレン性不飽和モノマー(y)の使用量はアミノ基
を有する親水性エチレン性不飽和モノマー(c)に対し
て1〜30モル倍である。モノマー(d)の使用量は、
0.1〜3重量%、好ましくは0.5〜2重量%であ
る。モノマー(d)の使用量が上記範囲未満となると乳
化重合して得られる製品の粒子径が100nm以上とな
り、エマルジョンの耐水性が失われ皮膜性能として十分
な耐候性が出なくなる。また、使用量が上記範囲を超え
ると皮膜性能として脆性が強くなり、結果として耐久性
低下の原因となる。また、上記で得られた水系分散剤
(e)と以下のモノマー(f)、(g)の比率はカチオ
ン性水分散性被覆組成物に対する重量%である。水系分
散剤(e)の使用量は5〜40重量%、好ましくは10
〜30重量%である。5重量%未満では製品の粒径が1
00nmより大きくなりすぎ、40重量%を超えると親
水性が強くなりすぎて耐水性等が低下する。モノマー
(f)の使用量は、5〜30重量%、好ましくは10〜
25重量%である。モノマー(f)の使用量が上記範囲
未満となると密着性、耐水性が低下し、使用量が上記範
囲を超えると疎水性が強くなりすぎるため、乳化重合時
の安定性が失われ、凝集物発生の原因となる。モノマー
(g)の使用量は、0〜10重量%、好ましくは0.1
以上、さらに好ましくは0.5〜5重量%である。モノ
マー(g)の使用量が上記範囲を超えると水溶性の樹脂
となってしまうため、得られるエマルジョンの親水性が
強くなり、その結果塗膜の耐水性が低下する。
性ラジカル重合開始剤 本発明に使用するラジカル重合開始剤としては、熱、ま
たは還元性物質などによってラジカル分解してモノマー
への付加重合を起こさせるもので水溶性、または油溶性
の過硫酸塩、過酸化物、アゾ化合物などが使用できて、
特に水溶性のものが好ましい。ラジカル重合開始剤
(i)としては、t−ブチルハイドロパーオキサイド、
t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,2−アゾビス
イソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2−ジアミノ
プロパン)ハイドロクロライドなどが挙げられる。水溶
性ラジカル重合開始剤(j)としては、過硫酸カリウ
ム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水
素などが挙げられる。使用量は、得ようとする樹脂に対
して0.05〜2重量%、好ましくは0.1〜0.5重
量%添加される。なお、重合速度の促進、低温での重合
を望む時には、重亜硫酸ナトリウム、塩化第一鉄、アス
コルビン酸塩、ロンガリットなどの還元剤をラジカル重
合開始剤と組み合わせて使用することもできる。
ルメルカプタン、ドデシルメルカプタンなどの連鎖移動
剤を添加することも可能である。
ニアおよび/またはアミン類である。中和剤のアミン類
の具体例としてはジエチルアミン、トリエチルアミン、
イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ブチルア
ミン、ジブチルアミンなどのアルキルアミン;エタノー
ルアミン、ジエタノールアミンなどのアルカノールアミ
ン;ジメチルアミノエタノールなどのアルキルアルカノ
ールアミンなどが挙げられる。使用量は使用する重合性
不飽和モノマーの濃度によって異なるが、通常、カルボ
キシル基のような酸基に対して50〜95モル%であ
る。
系塗料などに添加される成分、例えば、増粘剤、消泡
剤、顔料、分散剤、染料、防腐剤などを添加してもよ
い。
うにカルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマー
(y)による酸を塩基により中和、相転換工程を経るの
で、アニオン性の水分散性被覆組成物である。
合開始剤(i)の存在下で、エチレン性不飽和モノマー
(b)及び親水性エチレン性不飽和モノマー(c)の混
合物を滴下するモノマー滴下法;溶媒(a)、開始剤
(i)、モノマー(b)、(c)の混合物すべての存在
下でラジカル重合を行う一浴重合法(モノマー等を一括
装入して重合する方法。)が挙げられる。安全性の面か
らは、モノマー滴下法が好ましい。
の溶液を、中和剤(l)により中和し、相転換した後
に、該樹脂(p)にエポキシ基含有エチレン性不飽和モ
ノマー(d)0.1〜3重量%を付加して得られる。
剤(e)と、別途用意されたエチレン性不飽和モノマー
(f)及び親水性エチレン性不飽和モノマー(g)の混
合物を水溶性ラジカル重合開始剤(j)の存在下に反応
させて行われ、例えば、水、水系分散剤(e)、開始剤
(j)の存在下でモノマー(f)、(g)の混合物を滴
下するモノマー滴下法;モノマー(f)及び(g)の混
合物を水、水系分散剤(e)の存在下で乳化し、それを
水系分散剤(e)と開始剤(j)の混合系へ滴下しなが
ら重合を行うプレエマルジョン法;水、水系分散剤
(e)、開始剤(j)、モノマー(f)及び(g)の混
合物すべての存在下でラジカル重合を行う一浴重合法な
どの乳化重合法が挙げられる。また、モノマー滴下法、
プレエマルジョン法については滴下量の1〜50重量
%、好ましくは、3〜30重量%を重合開始前に添加す
ることもできる。粒子径コントロール、皮膜性能の面か
らは、モノマー滴下法、プレエマルジョン法が好まし
く、その中でもさらにモノマー滴下法が好ましい。
の粒子径は10〜100nm、好ましくは10〜50n
mの範囲である。水分散性被覆組成物の粒子径が上記範
囲より大きいと基材への浸透性が失われ、皮膜性能とし
て十分な密着性が出なくなる。
被覆組成物は塗料、接着剤、紙加工剤などに利用され、
特に塗料用のクリアートップコートとして有用である。
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、製造実施例、製造比較例、実施例、比較例中の部お
よび%は重量表示である。
段階として、メタクリル酸メチル8.8部、アクリル酸
ブチル5.4部、アクリル酸6.5部、メタクリル酸ジ
エチルアミノエチル6.2部、オクチルメルカプタン
0.5部を混合して均一なモノマー混合溶液を得た。次
に、かくはん機、還流冷却器、滴下ろ斗、温度計を備え
た2リットルの4つ口フラスコにイソプロパノール7.
2部、プロピレングリコールモノメチルエーテル9.0
部、第一段階で得たモノマー混合溶液の一部を仕込んで
窒素ガス気流下に80℃まで加熱し、ここへラジカル重
合開始剤を添加し、残りのモノマー混合溶液を2時間か
けて滴下した。このときの重合温度は79〜81℃の範
囲を維持し、滴下終了後の同温度範囲に5時間維持した
あと、室温まで冷却し、25重量%アンモニア水5.4
部を滴下して中和した。中和終了後、約15分程度攪拌
を行い、脱イオン水49部を1時間かけて滴下して相転
換を行い水溶性の樹脂(p)を得た。得られた樹脂
(p)の不揮発分は27.6%であった。
ロピレングリコールモノメチルエーテルからエチレング
リコールモノブチルエーテルへ変更した以外は、製造実
施例1と同様の操作でおこなった。得られた樹脂(p)
の不揮発分は28.0%であった。
ロピレングリコールモノメチルエーテルから酢酸エチル
へ変更した以外は、製造実施例1と同様の操作でおこな
った。この製造比較例1においては、得られた樹脂
(p)の粘度が高くなって、中和時において、安定な樹
脂(p)が得られなかった。製造実施例1、2及び製造
比較例1の樹脂(p)の合成における組成、性状につい
ては、表1に示す。
0.5部、アクリル酸ブチル4.2部、メタクリル酸シ
クロヘキシル6.3部、エチレングリコールジメタクリ
レート0.1部を混合し均一なモノマー混合溶液を得
た。次に、かくはん機、還流冷却器、滴下ろ斗、温度計
を備えた2リットルの4つ口フラスコに製造実施例1で
合成した樹脂(p)を32.1部、脱イオン水を54.
1部、メタクリル酸グリシジル0.4部を仕込んで窒素
ガス気流下に79〜81℃の範囲を維持するようにし、
同温度範囲において2時間維持した後、60℃まで冷却
を行った。ここへ予め用意したモノマー混合溶液の一部
と重合開始剤を添加し、残りのモノマー混合溶液/開始
剤水溶液を1時間かけて滴下した。このときの重合温度
は59〜61℃の範囲を維持し、滴下終了後の同温度範
囲に1時間維持したあと、室温まで冷却し、200メッ
シュのろ布でろ過した。ろ別された凝集物の乾燥重量は
得られた水分散性被覆組成物に対して0.001%と非
常に僅かであった。得られた水性エマルジョンの不揮発
分は30.4%、平均粒子径は約30nm、pHは8.
5であった。
例1のものから製造実施例2のものに置換えた以外は、
実施例1と同様の操作でおこなった。ろ別された凝集物
の乾燥重量は全モノマーに対して0.002%と非常に
僅かであった。得られた水性エマルジョンの不揮発分は
30.0%、平均粒子径は約50nm、pHは8.5で
あった。
マー混合溶液を、メタクリル酸メチル10.5部、アク
リル酸2−エチルヘキシル4.2部、メタクリル酸シク
ロヘキシル6.3部とした以外は、実施例1と同様の操
作でおこなった。ろ別された凝集物の乾燥重量は全モノ
マーに対して0.002%と非常に僅かであった。得ら
れた水性エマルジョンの不揮発分は30.0%、平均粒
子径は約50nm、pHは8.5であった。
が、製造実施例1の樹脂(p)にメタクリル酸グリシジ
ルを加えず、乳化重合を行った。ろ別された凝集物の乾
燥重量は全モノマーに対して0.002%と非常に僅か
であった。得られた水性エマルジョンの不揮発分は3
0.0%、平均粒子径は約140nm、pHは8.5で
あった。
が、製造実施例2の樹脂(p)にメタクリル酸グリシジ
ルを加えず、乳化重合を行った。ろ別された凝集物の乾
燥重量は全モノマーに対して0.002%と非常に僅か
であった。得られた水性エマルジョンの不揮発分は2
9.8%、平均粒子径は約200nm、pHは8.5で
あった。
散体の樹脂皮膜の耐候性、耐水白化性、および基材への
密着性試験を行った。その結果を表2に示す。テストピ
ースの作成から評価方法について以下に示す。 1.サンプルの作成 下記配合方法により試験サンプルを作成した。 配合処方 実施例または比較例で得られる水性樹脂エマルジョン:
100部 水:18部 2.皮膜の作成 耐水性試験用サンプルの作成 バーコーターNo.14を用いてアクリル板へ塗布し、
105℃の乾燥機で3分乾燥させた後、試験に使用し
た。 密着性、耐久性試験用サンプル作成 スレート板に塗布量150g/m2(wet)になるようにス
プレー塗装し、105℃の乾燥機で3分乾燥させた後、
試験に使用した。 3.耐水性試験方法 上記2.で得られたアクリル板を40℃の温水に24時
間浸漬した。温水から取り出した後、急冷し付着してい
る水を取り除き白化の程度を目視判定する。また、その
サンプルを室温で24時間乾燥し、乾燥後の皮膜の白化
の程度を目視判定する。判定基準は以下のとおりであ
る。 ◎:透明性に変化なし ○:わずかに青白さが認められる △:白化が認められる ×:全面白化、不透明化 4.密着性試験方法 上記2で得られたスレート板についてJIS K540
0に規定される碁盤目試験を実施する。判定基準はJI
S K5400に準じ10点満点で評価する。 5.凍結融解密着性試験 上記2で得られたスレート板についてASTM−C66
6Aに従い、40サイクル繰り返し試験を行ったあとの
皮膜の状態を目視判定する。判定基準は以下のとおりで
ある。 ◎:変化なし ○:わずかに皮膜の浮き、膨れが認められる △:皮膜の浮き、膨れが認められる ×:皮膜の剥離が認められる 6.促進耐候性 上記2.で得られたスレート板についてスーパーUVテ
スターを用いて600時間促進試験を行い皮膜の光沢保
持率を測定した。
組成物では得られなかった密着性、耐水性に優れた塗膜
を得ることができる。さらに、通常の製造装置、製造条
件などで工業的容易にかつ安価に製造できる。
Claims (5)
- 【請求項1】 エチレン性不飽和モノマー(b)5〜3
0重量%、及びカルボキシル基含有エチレン性不飽和モ
ノマー(y)を含む親水性エチレン性不飽和モノマー
(c)5〜20重量%を水溶性溶剤(a)5〜30重量
%の中で重合して得られた樹脂(p)の溶液を、中和、
相転換した後に、該樹脂(p)にエポキシ基含有エチレ
ン性不飽和モノマー(d)0.1〜3重量%を付加して
水系分散剤(e)を合成し、得られた水系分散剤(e)
5〜40重量%とエチレン性不飽和モノマー(f)7〜
84.8重量%と該モノマー(f)と共重合可能な親水
性エチレン性不飽和モノマー(g)0〜10重量%を含
有する単量体混合物を、水中で乳化重合させることを特
徴とするアニオン性水分散性被覆組成物の製造方法(な
お、(a)、(b)、(c)、(d)の比率は(e)に
対する重量%を示し、(e)、(f)、(g)の比率は
アニオン性水分散性被覆組成物に対する重量%を示
す。)。 - 【請求項2】 親水性エチレン性不飽和モノマー(c)
中のカルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマー
(y)の重量比率が5〜20重量%である請求項1に記
載のアニオン性水分散性被覆組成物の製造方法。 - 【請求項3】 重合時に使用する溶剤(a)が、常圧で
沸点が200℃以下の水溶性溶剤またはそれらの混合物
である請求項1に記載のアニオン性水分散性被覆組成物
の製造方法。 - 【請求項4】 乳化重合後の水分散性被覆組成物の粒子
径が10〜100nmの範囲である請求項1に記載のア
ニオン性水分散性被覆組成物の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1〜4のアニオン性水分散性被覆
組成物を使用する塗料用トップコート。
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JP04225899A JP4191302B2 (ja) | 1999-02-19 | 1999-02-19 | アニオン性水分散性被覆組成物の製造方法及び該組成物を使用した塗料用トップコート |
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JP04225899A JP4191302B2 (ja) | 1999-02-19 | 1999-02-19 | アニオン性水分散性被覆組成物の製造方法及び該組成物を使用した塗料用トップコート |
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JP4191302B2 JP4191302B2 (ja) | 2008-12-03 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPWO2007069783A1 (ja) * | 2005-12-15 | 2009-05-28 | 日本パーカライジング株式会社 | 金属材料用表面処理剤、表面処理方法及び表面処理金属材料 |
-
1999
- 1999-02-19 JP JP04225899A patent/JP4191302B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPWO2007069783A1 (ja) * | 2005-12-15 | 2009-05-28 | 日本パーカライジング株式会社 | 金属材料用表面処理剤、表面処理方法及び表面処理金属材料 |
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