JP4605731B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット方式の記録ヘッドを用いて記録用シートに文字や画像等を記録するインクジェット記録装置に関し、特に、互いに分離可能な記録ヘッドとこの記録ヘッドに供給するインクが収容されたインクタンクとを結合してなるインクジェットカートリッジを着脱可能に搭載するインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ、複写機、ファクシミリ等の機能を有する記録装置、あるいはコンピューターやワードプロセッサ等を含む複合型電子機器やワークステーションなどの出力機器として用いられる記録装置は、画像情報や文字情報等に基づいて用紙やプラスチック薄板等の記録用シートに文字や画像等を記録していくように構成されている。この種の記録装置は、記録方式により、インクジェット方式、ワイヤドット方式、サーマル方式、電子写真方式等に分けられる。
【0003】
その中でも、特に個人ユーザ向けの記録装置としては、動作音も静かで、鮮明なフルカラー画像を比較的高速で得ることができ、しかも装置自身のコンパクト化が容易であるという点で、インクジェット方式の記録装置(以下、インクジェット記録装置という)が主流となっている。一般的なインクジェット記録装置はシリアルスキャン方式を採用しており、記録ヘッドを搭載し主走査方向に往復移動可能に設けられたキャリッジと、記録用シートを主走査方向と交差する方向(副走査方向)に搬送する搬送手段と、これらを制御する制御手段とを備えている。シリアルスキャン方式のインクジェット記録装置では、記録用シートを所定の記録位置にセットした後、記録ヘッドの主走査と記録用シートの所定ピッチでの副走査とを交互に繰り返し、記録ヘッドの主走査時に記録ヘッドよりインクを吐出することにより、記録用シート全体に記録を行う。
【0004】
インクジェット記録装置に用いられる記録ヘッドの形態としては、主として、パーマネントヘッドと呼ばれる、半永久的に使用可能な記録ヘッドと、ディスポーザブルヘッドと呼ばれる、交換型の記録ヘッドとがある。
【0005】
パーマネントヘッドを用いるインクジェット記録装置では、記録ヘッドはキャリッジに固定的に取り付けられており、記録ヘッドに供給するインクを収容するインクカートリッジがキャリッジに対して着脱交換可能な形態となっている。記録ヘッドは、微細なノズルからインクを吐出するものであるため、異物や増粘したインクがノズルに詰まることなどによる偶発的な故障や、インク吐出のためのエネルギーを発生するエネルギー発生素子の劣化による経時的な故障などを皆無にすることは非常に困難である。したがって、パーマネントヘッドを用いたインクジェット記録装置においては、記録ヘッドの吐出特性を維持して記録装置自体の信頼性を確保するために、特別なメンテナンスサービス体制を必要とするのが普通である。
【0006】
一方、ディスポーザブルヘッドを用いるインクジェット記録装置では、記録ヘッドとインクタンクとを一体としたインクジェットカートリッジがキャリッジに対して着脱交換可能な形態となっている。したがって、インクタンク内のインクがなくなった時点で記録ヘッドも交換されるので、記録ヘッドの故障はほとんど発生しない。しかし、キャリッジ移動時の負荷を軽減するという観点や、記録ヘッドの信頼性を確保するという観点などから、インクジェットカートリッジの大きさ、特にインクタンクの容量が制限される。このことによりインクジェットカートリッジの交換頻度も高くなり、結果的に、ランニングコストの増大によるユーザの不利益が生じたり、まだ十分に機能する記録ヘッドを廃棄しなければならないといった事態が生じたりすることがある。これらは、近年の世界的な環境問題に関する潮流に逆行する。
【0007】
そこで、信頼性の面ではディスポーザルヘッドの特徴を生かしつつ、ランニングコストの増加や地球環境に対しても配慮を施すべく、インクジェットカートリッジを、インクタンク交換型すなわち記録ヘッドに対してインクタンクが着脱交換可能な構成とし、さらにこのインクジェットカートリッジをキャリッジに対して着脱交換可能に搭載するインクジェット記録装置が実用化されている。これにより、インクタンク内のインクがなくなったときにはインクタンクのみを交換することができ、記録ヘッドが故障した場合には記録ヘッドのみを交換することができる。
【0008】
インクタンク交換型のインクジェットカートリッジの交換時には、インクジェット記録装置はキャリッジをカートリッジ交換ポジションに移動させ、この位置で、ユーザはインクタンクのみまたはインクジェットカートリッジ全体を取り外すことができる。
【0009】
ところで、インクジェット記録装置に用いられる記録ヘッドは、上述したようにノズル内に異物や増粘インクなどが詰まる場合があり、ノズルが目詰まりした状態では所望の吐出特性を得ることができず、最悪の場合には記録ヘッドの故障に至ってしまう。そこで、一般的なインクジェット記録装置には、ノズル内の異物等を除去することによって記録ヘッドの吐出特性を維持するためのヘッド回復ユニットが設けられている。ヘッド回復ユニットは、記録ヘッドのノズル開口面をキャッピングするキャップ、ノズル開口面がキャッピングされた状態でノズル内から異物等を強制的に吸引する吸引手段等を備えている。
【0010】
ヘッド回復ユニットによる記録ヘッドの回復処理は、インクジェット記録装置の電源オン時、記録動作前、記録動作中の所定のタイミング、およびカートリッジ(インクカートリッジおよびインクジェットカートリッジの双方を含む)の交換後などに行われる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したインクタンク交換型のインクジェットカートリッジでは、キャリッジからインクジェットカートリッジを取り外すこともできるし、インクタンクのみを取り外すこともできる構成となっているため、インクタンクを交換しようとしたユーザが、誤ってインクジェットカートリッジ全体を取り外してしまったり、あるいはその逆のケースが生じてしまうことがあった。
【0012】
また、従来のインクジェット記録装置では上述のようにヘッド回復ユニットによる記録ヘッドの回復処理を行っているが、インクタンク交換型のインクジェットカートリッジにおいては、インクタンクを交換した場合と記録ヘッドを交換した場合とで、必要な回復処理が異なることが、本発明者の検討で判明してきた。例えば、インクタンクを交換した場合には、インクタンクと記録ヘッドとの結合部に空気が混入することがあり、この空気はインクタンクから記録ヘッドへのインクの供給の妨げとなるので、記録動作の開始前に除去する必要がある。また、記録ヘッドを交換した場合には、記録とは別の予備吐出を含む記録ヘッド自身のならし駆動(エージング)および物流過程においてノズル内で増粘したインクの除去などが必要である。
【0013】
いずれの場合でも、回復処理にはインクを消費し、また、上述のような回復処理の相違に伴い、インクタンクを交換した場合と記録ヘッドを交換した場合とで、消費されるインクの量も異なってくる。つまり、インクタンクを交換した場合の方が、記録ヘッドを交換した場合よりも、回復処理に必要なインクの量は少なくてよい。しかし、従来のインクジェット記録装置では、交換したのがインクタンクであるのか記録ヘッドであるのかは特に判別しておらず、結果的に、インクタンクを交換した場合であっても記録ヘッドを交換した場合と同様の回復処理を行っており、その分だけインクが無駄になっていた。
【0014】
また、インクタンク交換の頻度は、記録ヘッドの交換の頻度に比べて圧倒的に多く、ユーザの使い勝手を考えると、インクタンクの交換を容易に行えるインクジェット記録装置が望まれている。
【0015】
そこで本発明の目的は、インクタンクを交換しようとしたユーザが誤ってインクジェットカートリッジを外してしまったり、またその逆の事態が発生しないような、インクタンク交換型のインクジェットカートリッジを用いるインクジェット記録装置を提供することである。
【0016】
本発明の他の目的は、カートリッジ交換時のヘッド回復処理の際の無駄なインクの消費を抑える、インクタンク交換型のインクジェットカートリッジを用いるインクジェット記録装置を提供することである。
【0017】
本発明の他の目的は、記録ヘッドに比べて交換頻度の高いインクタンクの交換を容易に行える、インクタンク交換型のインクジェットカートリッジを用いるインクジェット記録装置を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明のインクジェット記録装置は、インクを吐出して記録用シートに記録を行う記録ヘッド部と該記録ヘッド部に供給するインクを収容するインクタンクとが分離交換可能に結合されたインクジェットカートリッジを着脱自在に保持するための、前記記録用シートの搬送方向と交差する方向に移動可能に設けられたキャリッジ手段を有するインクジェット記録装置において、
前記インクタンクを交換するための前記キャリッジの位置であるインクタンク交換位置と、前記インクジェットカートリッジを交換するための前記キャリッジの位置である、前記インクタンク交換位置とは異なるインクジェットカートリッジ交換位置とを有することを特徴とする。
【0019】
本発明のインクジェット記録装置では、インクタンクを交換するためのインクタンク交換位置と、インクジェットカートリッジを交換するためのインクジェットカートリッジ交換位置とが互いに異なっているので、インクタンク交換位置ではインクタンクの交換に最適な構造、インクジェットカートリッジ交換位置ではインクジェットカートリッジの交換に最適な構造を採用することができる。
【0020】
好ましくは、本発明のインクジェット記録装置は、インクタンク交換位置ではキャリッジから記録ヘッド部を取り外すことを不可能とする記録ヘッド部取り外し防止構造を有する。これにより、インクタンク交換位置で誤って記録ヘッド部を取り外すことがなくなる。キャリッジへの記録ヘッド部の保持および解除を行うために操作されるレバー部材がキャリッジに設けられている場合、記録ヘッド部取り外し防止構造は、ユーザがレバー部材の操作部を操作することができないようにする壁構造、あるいは、記録ヘッド部の保持を解除する方向へのレバー部材の動きを規制する壁構造とすることができる。この壁構造は、インクジェット記録装置の外装の一部に設けることで、外装の形状を工夫するだけで新規な部品を追加することなく簡単に記録ヘッド部取り外し防止構造が構成される。
【0021】
また、インクジェットカートリッジ交換位置でキャリッジ手段から記録ヘッド部を取り外すことを可能とするための空間を形成することで、インクジェットカートリッジ交換位置でのインクジェットカートリッジの取り外しが容易になる。この空間は、インクジェット記録装置の外装の一部を切り欠くことによって形成することができる。
【0022】
さらに、本発明の好ましい実施態様によれば、記録ヘッド部の吐出特性を回復および維持するために記録とは別に記録ヘッド部から強制的にインクを排出させる回復処理を行うヘッド回復手段を有しており、この場合には、インクタンク交換位置へ移動した後の回復処理とインクジェットカートリッジ交換位置へ移動した後の回復処理とが異なっていてもよい。これにより、インクタンクを交換した場合と、記録ヘッド部を交換した場合とで最適な回復処理を行うことができ、インクタンク交換位置へ移動した後の回復処理で消費されるインクの量を、インクジェットカートリッジ交換位置へ移動した後の回復処理で消費されるインクの量を少なくすれば、無駄なインクの消費が抑制される。
【0023】
また、本発明の好ましい実施形態によれば、キャリッジがインクタンク交換位置に位置している状態で特定の操作が行われることにより、キャリッジをインクジェットカートリッジ交換位置へ移動させる。この特定の操作は、インクジェット記録装置に設けられたボタンの操作とすることができる。
【0024】
さらに、本発明の好ましい実施態様によれば、開閉可能に設けられたカバーと、このカバーの開閉を検知するカバー開閉検知手段とをさらに有し、カバー開閉検知手段によりカバーが開かれたことが検知されると、キャリッジをインクタンク交換位置へ移動させる。この場合、キャリッジにインクジェットカートリッジが装着されていない状態で、カバー開閉検知手段によりカバーが開かれたことが検知されると、キャリッジをインクジェットカートリッジ交換位置へ移動させてもよい。
【0025】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0026】
図1は、本発明の一実施形態によるインクジェット記録装置の外観の斜視図であり、図2は、図1に示すインクジェット記録装置の記録機構部の斜視図である。このインクジェット記録装置は、図2に示す記録機構部が図1に示すように外装で覆われて構成されている。
【0027】
まず、図2を参照して記録機構部について説明する。
【0028】
図2に示すように、互いに平行になるように両端部がシャーシ17に固定されたキャリッジ軸3およびガイドレール4には、キャリッジ2が摺動自在に支持されている。キャリッジ2は、インクジェットカートリッジ1を着脱交換可能に搭載するものであり、インクジェットカートリッジ1をキャリッジ2に固定するためのヘッド固定レバー5が支軸5aを中心に回動自在に設けられている。ヘッド固定レバー5は、インクジェットカートリッジ1を固定している状態ではインクジェットカートリッジ1の手前側に位置している操作部を有し、この操作部を上方に引き上げて支軸5a回りに回動させることで、キャリッジ2へのインクジェットカートリッジ1の固定が解除されるように構成されている。
【0029】
インクジェットカートリッジ1は、2つのインクタンク102a,102bと、これらインクタンク102a,102bが着脱交換可能に結合され、インクタンク102a,102bから供給されたインクを吐出して記録用シート(不図示)に記録を行うホルダ型の記録ヘッド部101とで構成される。ヘッド固定レバー5は、この記録ヘッド部101をキャリッジ2に固定し、インクタンク102a,102bをキャリッジ2に直接固定するものではない。したがって、ヘッド固定レバー5によりインクジェットカートリッジ1がキャリッジ2に固定された状態でも、インクタンク102a,102bを記録ヘッド部101から取り外すことは可能である。
【0030】
記録ヘッド部101は、インクジェット記録方式の中でも、ノズルからインク(液体)を吐出するのに利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する素子を備えたインク吐出手段を有し、その素子により発生した熱エネルギーによってインクの状態変化を生起させることで、ノズルの開口端である吐出口からインクを吐出する方式のものを用いている。この方式を用いることによって、記録する文字や画像等の高密度化および高精細化を達成している。特に本実施形態では、インク吐出手段は、熱エネルギーを発生する手段としてノズル内に発熱抵抗素子(電気熱変換体)を有し、この発熱抵抗素子によりノズル内のインクを加熱して膜沸騰させ、このときに生じる気泡による圧力を利用して吐出口からインクを吐出している。なお、インク吐出手段のノズルの開口端面をインク吐出面という。本発明においてインクを吐出させる方式はこれに限られるものではなく、ピエゾ素子のような電気機械変換体素子を用いてインクに機械的な振動エネルギーを与え、この振動による圧力を利用してインクを吐出する方式を採用することもできる。
【0031】
インクタンク102a,102bはその底面に、インク供給用開口部を有している。一方、記録ヘッド部101は、インクタンク102a,102bが装着されたときの各インク供給用開口部に対向する位置に、それぞれインク受入部を有している。各インクタンク102a,102bが記録ヘッド部101に装着されることで、インクタンク102a,102bのインク供給用開口部と記録ヘッド部101のインク受入部とが連結され、これによりインクタンク102a,102bから記録ヘッド部101へインクが供給される。
【0032】
本実施形態では、インクタンク102aは、ブラックインクを内部に収容し、インクタンク102bは、イエローインク、シアンインク、およびマゼンタインクの3色のインクを内部に収容している。これに伴い、カラー用のインクタンク102bについては3つのインク供給用開口部を有し、また、記録ヘッド部101は、各色のインクに対応する4つのインク受入部を有する。ただし、インクタンク内に収容されるインクの色や種類、また、記録ヘッド部101に装着されるインクタンクの数等は任意である。
【0033】
キャリッジ2には、タイミングベルト19が連結されており、シャーシ17に固定されたキャリッジ駆動モータ6によりタイミングベルト19を回転させることで、キャリッジ2がキャリッジ軸3の軸線方向に往復移動される。キャリッジ駆動モータ6としては、直流モータを用いることができる。また、このインクジェット記録装置には、キャリッジ2の移動方向における位置を検出するためのリニアエンコーダが搭載されている。リニアエンコーダの種類は特に限定されないが、例えば、シャーシ17に設けられたスリット付きのスケール(不図示)と、このスケールを読み取るためにキャリッジ2に設けられた光学式のセンサとで構成することができる。
【0034】
記録用シートは、インクジェット記録装置の背面側から手前側へ向かって、キャリッジ2の移動方向と交差する方向(本実施形態では直交する方向)に搬送される。シャーシ17の背面側には、記録用シートを積載するオートシートフィーダ8が設けられている。
【0035】
オートシートフィーダ8からの記録用シートの搬送経路中には、オートシートフィーダ8に積載されている記録用シートを不図示の分離手段と協働して1枚ずつ分離して送り出す給紙ローラ9と、シャーシ17に固定された紙送りモータ18によって回転駆動される搬送ローラ11と、付勢ばね13により搬送ローラ11に圧接されるピンチローラ12と、キャリッジ2の移動範囲内で記録ヘッド部101と所定の間隔をあけて対面して設けられたプラテン10と、プラテン10の下流側に設置されて回転駆動される排紙ローラ15と、排紙ローラ15に圧接される拍車16とを有する。なお、搬送ローラ11および排紙ローラ15は、シャーシ17に回転可能に保持されている。
【0036】
さらに、キャリッジ2の往復移動範囲内で、かつプラテン10から外れた領域には、インクジェットカートリッジ1の機能回復および吐出特性を維持するための回復ユニット7が、記録ヘッド部101のインク吐出面と対面するように、シャーシ17に固定されて設置されている。回復ユニット7は、記録ヘッド部101のインク吐出面をキャッピングするためのキャップ部、インク吐出面をキャッピングした状態で記録ヘッド部101から強制的にインクを吸引してノズル内の残留気泡や増粘したインクを除去する吸引機構(不図示)、およびインク吐出面の汚れを払拭するためのクリーニングブレード(不図示)等を有する。
【0037】
インクジェットカートリッジ1の回復処理は、キャリッジ2の移動によってインクジェットカートリッジ1を回復ユニット7と対面させて、吸引機構による吸引、クリーニングブレードによるインク吐出面の払拭、および記録ヘッド部101からの、記録とは別の吐出(予備吐出)を適宜組み合わせて行う。本実施形態では、インクジェットカートリッジ1が回復ユニット7と対面する位置をホームポジション(基準位置)とし、キャリッジ2の全ての動作、および記録ヘッド部101からのインクの吐出の制御は、このホームポジションを基準として、前述したリニアエンコーダによるキャリッジ位置の検出結果に基づいて行われる。
【0038】
次に、本実施形態のインクジェット記録装置の記録動作について説明する。
【0039】
オートシートフィーダ8に積載された記録用シートは、給紙ローラ9と分離手段とにより、1枚ずつ分離されて送り出される。送り出された記録用シートは、搬送ローラ11とピンチローラ12とに挟持され、搬送ローラ11の回転によりインクジェットカートリッジ1とプラテン10との間に搬送される。
【0040】
記録用シートが所定の位置まで搬送されたら、記録用シートの搬送が停止され、キャリッジ2を移動させ、これに同期して記録情報に基づいて記録ヘッド部101からインクを吐出させて、記録用シートに1行分の記録を行う。次いで、記録用シートを所定のピッチだけ搬送し、再びキャリッジ2を移動させながら記録ヘッド部101で次の行の記録を行う。以下、この記録ヘッド部101による1行分の記録と記録用シートの所定のピッチでの搬送とを交互に繰り返すことで、記録用シートに記録が行われる。
【0041】
キャリッジ2の往復移動は、前述のリニアエンコーダを用いてキャリッジ2の位置を検出し、その位置に応じて不図示の制御部がキャリッジ駆動モータ6をフィードバック制御しながら行われる。記録ヘッド部101の駆動タイミング(インク吐出タイミング)は、リニアエンコーダによって得られたキャリッジ2の位置データに基づいて決定されるので、キャリッジ2の走査と同期して記録ヘッド部101からのインク吐出が行われる。
【0042】
インクジェットカートリッジ1からのインク吐出により記録が行われた記録用シートは、プラテン10を通過後、排紙ローラ15と拍車16とに挟持されてインクジェット記録装置から排出される。
【0043】
前述したように、インクジェットカートリッジ1は、インクタンク102a,102bが記録ヘッド部101と分離可能であり、インクタンク102a,102b内のインクがなくなった場合には、インクタンク102a,102bのみを交換してインクを補充し、記録ヘッド部101は引き続き使用可能な構成となっている。また、記録ヘッド部101のインク吐出手段が寿命に達したか、あるいは何らかの原因で不具合が生じた場合には、インクジェットカートリッジ1全体または記録ヘッド部101のみを交換し、インクジェット記録装置を引き続き使用することができる構成となっている。
【0044】
以下に、本実施形態のインクジェット記録装置における、インクタンク102a,102bの交換およびインクジェットカートリッジ1の交換について説明する。本実施形態では、インクタンク102a,102bの交換と、インクジェットカートリッジ1の交換とを、異なる動作モードで実行させるようにしている。
【0045】
まず、インクタンク102a,102bの交換について説明する。
【0046】
図2に示したインクジェット記録装置の記録機構部は、図1に示すように、オートシートフィーダ8を除いて、外装を構成するメインケース22で覆われている。メインケース22は樹脂からなり、複数の部品を組み合わせて構成されていてもよいし、一部品で構成されていてもよい。メインケース22の上面には、インクジェット記録装置の電源のオン/オフを行うための電源ボタン26と、主として、インクジェット記録装置に異常が発生した際にリセットを行うために用いられるリセットボタン24が設けられている。
【0047】
メインケース22の前面には、アクセスカバー21が開閉可能に設けられている。アクセスカバー21は、これを開くことによって、メインケース22内の記録機構部の主要部分を露出させ、インクジェットカートリッジ1の交換時や、インクジェット記録装置の記録機構部のメンテナンス時などに開かれる。
【0048】
図3に、アクセスカバー21を開いた状態での外観の斜視図を示す。2つのインクタンク102a,102bのうち少なくとも一方のインクがなくなったとき、空になったインクタンク102a,102bの交換のために、ユーザはアクセスカバー21を開く。なお、ユーザがインクタンク102a,102b内のインクの有無を知ることができるように、インクジェット記録装置に、インクタンク102a,102b内のインクの残量または有無を検知するインク検知センサを設けることが好ましい。
【0049】
インクジェット記録装置には、アクセスカバー21が開いたことを検知するカバー開閉検知手段が設けられており、これによって、アクセスカバー21が開いたことが検知される。
【0050】
カバー開閉検知手段は、メインケース22に設けられたセンサ31と、アクセスカバー21を閉じたときにセンサ31に対して作用するようにアクセスカバー21に一体的に設けられた突起部21aとを有する。センサ31としては、例えば光学式のセンサを用いることができる。この場合には、センサ31による突起部21aの検知により、アクセスカバー21が開いているか閉じているかを検知することができる。また、センサ31の代わりにスイッチを用いることもできる。この場合には、突起部21aがスイッチと接触しているか否かでスイッチのオン/オフを行える構成とすることで、アクセスカバー21が開いているか閉じているかを検知することができる。また、センサ31の代わりに、この記録装置内に設けられたスイッチのオン/オフを行わせるカバーレバーを設け、突起部21aがカバーレバーを介してこのスイッチのオン/オフを行う構成をとることもできる。
【0051】
カバー開閉検知手段によってアクセスカバー21が開いたことが検知されると、インクタンク交換モードとなり、インクジェット記録装置の制御部は、図3に示すように、キャリッジ2をインクタンク交換位置に移動させる。本実施形態では、インクタンク交換位置は、上述したホームポジションとは反対側の端部である図示左端部に設定している。
【0052】
このインクタンク交換位置において、メインケース22の開口部には壁23が一体的に設けられている。壁23は、ユーザがヘッド固定レバー5の操作部を操作できないようにする位置、または、ユーザがヘッド固定レバー5を回動させようとしてもヘッド固定レバー5が干渉し、ヘッド固定レバー5を回動させることができない位置に設けられている。そのため、ユーザは、インクタンク交換位置ではキャリッジ2から記録ヘッド部101を取り外すことはできない。ただし、インクタンク102a,102bは、ヘッド固定レバー5の操作に関わらず、自由に記録ヘッド部101から取り外すことができる。一方のインクタンク102aを取り外し、他方のインクタンク102bのみが記録ヘッド部101に装着されている状態を図4に示す。
【0053】
このように、キャリッジ2がインクタンク交換位置にあるときに、記録ヘッド部101の取り外しの際に用いられるヘッド固定レバー5の操作を規制する構造を設けることで、インクタンク102a,102bを交換しようとして誤って記録ヘッド部101を取り外してしまうことがなくなる。また、ユーザがアクセスカバー21を開くだけでキャリッジ2がインクタンク交換位置へ移動されるので、記録ヘッド部101と比べて交換頻度の高いインクタンク102a,102bの交換を容易に行うことができる。
【0054】
インクタンク102a,102bを記録ヘッド部101から取り外し、新たなインクタンクを装着したら、ユーザは、アクセスカバー21を閉じる。アクセスカバー21が閉じられたことがカバー開閉検知手段により検知されると、インクジェット記録装置の制御部は、キャリッジ2をホームポジションへ移動させる。その後、回復ユニット7によるインクジェットカートリッジ1の回復処理が行われ、インクジェット記録装置は待機状態となる。ここで行われる回復処理は、インクタンク102a,102bから記録ヘッド部101のノズルまでのインク経路中に混入した気泡の除去など、インクタンク102a,102bの交換した時に必要な、最小限の回復処理である。したがって、この回復処理で消費されるインク量も、後述する記録ヘッド部101の交換時に行われる回復処理で消費されるインク量と比べて少ない。
【0055】
次に、インクジェットカートリッジ1の交換について説明する。
【0056】
インクジェットカートリッジ1の交換は、記録ヘッド部101の交換が必要な場合に行われるので、その頻度はインクタンク102a,102bの交換の頻度に比べて非常に少なく、また交換後のヘッド回復処理もインクタンク102a,102bを交換した場合とは異なる。そこで、インクジェットカートリッジ1の交換は、インクタンク102a,102bの交換とは異なる動作モードで行う。
【0057】
まず、インクタンク102a,102bの交換時と同様に、アクセスカバー21を開く。これにより、インクジェット記録装置はインクタンク交換モードとなり、図3に示したように、キャリッジ2はインクタンク交換位置へ移動される。本実施形態では、この状態で所定の操作を行うことにより、インクジェット記録装置を、インクタンク交換モードからインクジェットカートリッジ交換モードへ移行させる。具体的には、インクジェット記録装置の制御部は、リセットボタン24を一定時間(例えば3秒)以上押し続けることによって、インクジェットカートリッジ交換モードに移行させる。また、インクジェットカートリッジ交換モードに移行させるためのボタンを別に設け、このボタンの操作によりインクジェットカートリッジ交換モードに移行するようにしてもよい。
【0058】
インクジェット記録装置がインクジェットカートリッジ交換モードに移行すると、図5に示すように、キャリッジ2は、その移動範囲のほぼ中間部である、インクジェットカートリッジ交換位置に移動される。
【0059】
インクジェットカートリッジ交換位置において、メインケース22の開口部には、切り欠き部25が形成されており、この切り欠き部25により、ヘッド固定レバー5の操作部を操作できるような空間が形成されている。したがって、この位置では、ユーザは図6に示すようにヘッド固定レバー5を支軸5a回りに回動させて、キャリッジ2へのインクジェットカートリッジ1の固定を解除し、記録ヘッド部101にインクタンク102a,102bが装着されたまま、キャリッジ2からインクジェットカートリッジ1を取り外すことができる。図7に、キャリッジ2からインクジェットカートリッジ1を取り外した状態の斜視図を示す。
【0060】
キャリッジ2からインクジェットカートリッジ1を取り外した後、ユーザは、必要に応じて、インクジェットカートリッジ1全体、または記録ヘッド部101を新規のものと交換し、アクセスカバー21を閉じる。アクセスカバー21が閉じられたことがカバー開閉検知手段により検知されると、インクジェット記録装置の制御部は、キャリッジ2をホームポジションへ移動させる。その後、回復ユニット7によるインクジェットカートリッジ1の回復処理が行われ、インクジェット記録装置はインクジェットカートリッジ交換モードを終了して待機状態となる。
【0061】
インクジェットカートリッジ交換モードでの回復処理は、インクタンク交換モードでの回復処理と異なっている。すなわち、記録ヘッド部101を新規なものと交換した場合には、記録ヘッド部101は、製造時の吐出特性が経時的に変化している場合もあるためそれを回復するための特別な予備吐出などのならし駆動を行ったり、ノズル内に存在しているインクが物流過程で経時的に増粘しノズル内に固着している場合もあるのでそれを吸引などにより除去する。したがって、このインクジェットカートリッジ交換モードでの回復処理で消費されるインク量は、インクタンク交換モードでの回復処理で消費されるインク量と比べて多い。なお、記録ヘッド部101のみを交換する場合には、記録ヘッド部101に対するインクタンク102a,102bの着脱動作も行われ、それに伴ってインクタンク102a,102bから記録ヘッド部101のノズルまでのインク経路中に気泡が混入することがあるが、混入した気泡は、上述のインクジェットカートリッジ交換モードでの回復処理で十分に除去することができる。
【0062】
以上説明したように、インクタンク102a,102bの交換のためのインクタンク交換位置と、インクジェットカートリッジ1の交換のためのインクジェットカートリッジ交換位置とを、別々の位置とすることで、それぞれの位置において、対象となるものの交換に最適な構造を採用し、インクタンク交換位置ではインクタンク102a,102bの交換を容易にし、インクジェットカートリッジ交換位置ではインクジェットカートリッジ1の交換を容易に行うことができる。
【0063】
また、インクタンク102a,102bの交換と記録ヘッド部101(インクジェットカートリッジ1)の交換とを異なる動作モードで実行することで、インクジェットカートリッジ1の回復処理を、交換する対象に応じて最適に設定することができるようになる。その結果、回復処理で消費されるインクの量が必要最小限で済み、インクの、記録への利用効率を向上させることができる。特に、インクタンク102a,102bは記録ヘッド部101に比べて交換頻度は高いため、このようなインクタンクの交換後の回復処理で消費されるインクの量を減少させることは、記録へのインクの利用効率を向上させる点で有効である。
【0064】
しかも、アクセスカバー21を開くことによりキャリッジ2を自動的にインクタンク交換位置へ移動させ、その後の特定の操作によりインクジェットカートリッジ交換位置へ移動させることにより、インクジェットカートリッジ1を交換しようとしたユーザが、インクタンク交換位置で誤ってインクタンク102a,102bのみを取り外し、その誤りに気が付いた場合には、ユーザは取り外したインクタンク102a,102bを装着し直して上述の特定の操作を行うことで、回復処理を行うことなくインクジェットカートリッジ交換位置へ移動させることができる。また、インクタンク102a,102bを交換する必要がないのにユーザが誤ってアクセスカバー21を開いた場合には、そのままアクセスカバー21を閉じることにより、インクタンク交換モードでの回復処理が行われる。ただし、ここで行われる回復処理で消費されるインクの量は少ないので、回復処理を実行させるような操作を誤って行ってしまった場合でも、無駄に消費されるインクの量を最小限に抑えることができる。
【0065】
インクジェット記録装置には、キャリッジ2にインクジェットカートリッジ1が装着されているか否かを検知するカートリッジ検知手段を設けることが好ましい。これにより、キャリッジ2からインクジェットカートリッジ1を取り外した後、ユーザが新たなインクジェットカートリッジ1を装着し忘れてアクセスカバー21を閉じてしまった場合、インクジェットカートリッジ1が装着されていないことをユーザに警告することができる。
【0066】
この際、ユーザは、インクジェットカートリッジ1の装着のためにアクセスカバー21を開く。これまで説明した動作では、アクセスカバー21を開くと、キャリッジ2はインクタンク交換位置へ移動するので、ユーザは、再び特定の操作、具体的にはリセットボタン24を3秒間以上押し続けてキャリッジ2をインクジェットカートリッジ交換位置へ移動させなければならない。そこで、インクジェットカートリッジ1がキャリッジ2に装着されていないことがカートリッジ検出手段により検出された後にアクセスカバー21が開かれた場合には、キャリッジ2をインクジェットカートリッジ交換位置へ直接移動させるようにすることで、インクジェットカートリッジ1の装着を簡易に行うことができる。
【0067】
インクジェット記録装置の、工場からの出荷形態としては、インクジェットカートリッジをキャリッジに装着した状態で出荷される場合と、インクジェットけーとりっじがキャリッジに装着されていない状態で出荷される場合とがある。後者の場合、ユーザは、インクジェット記録装置を新規に購入し、待機状態とするには、まず、インクジェットカートリッジをキャリッジに装着する必要があり、この場合に上述した機能が効果的となる。
【0068】
以上、本実施形態では、インクタンク交換位置をホームポジションとは反対側の位置、インクジェットカートリッジ交換位置をキャリッジ2の移動範囲のほぼ中間位置として説明したが、インクタンク交換位置およびインクジェットカートリッジ交換位置は、互いに異なる位置であればこれらの位置に限定されるものではなく、インクジェット記録装置を構成する種々の部品やユニットのレイアウト等に応じて任意に設定することができる。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、インクタンクを交換するためのインクタンク交換位置と、インクジェットカートリッジを交換するためのインクジェットカートリッジ交換位置とを互いに異なる位置とすることで、インクタンク交換位置ではインクタンクの交換に最適な構造、インクジェットカートリッジ交換位置ではインクジェットカートリッジの交換に最適な構造を採用し、インクタンクおよびインクジェットカートリッジの交換が容易なインクジェット記録装置を達成することができる。特に、インクタンク交換位置ではキャリッジから記録ヘッド部を取り外すことを不可能とする記録ヘッド部取り外し防止構造を有することで、インクタンク交換位置で誤って記録ヘッド部を取り外すことを確実に防止することができる。
【0070】
また、記録ヘッド部の回復処理を行う回復手段を有する場合に、インクタンク交換位置へ移動した後の回復処理とインクジェットカートリッジ交換位置へ移動した後の回復処理とを異ならせることで、記録には使用されない無駄なインクの消費量を抑えることができる。さらに、カバーの開閉動作によってキャリッジをインクタンク交換位置へ移動させる構成とすることで、交換頻度の高いインクタンクの交換をより容易に行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるインクジェット記録装置の外観の斜視図である。
【図2】図1に示すインクジェット記録装置の記録機構部の斜視図である。
【図3】図1に示すインクジェット記録装置において、アクセスカバーを開き、キャリッジがインクタンク交換位置にある状態での斜視図である。
【図4】図3に示すインクタンク交換位置でインクタンクを取り外した状態を示す斜視図である。
【図5】図1に示すインクジェット記録装置において、キャリッジがインクジェットカートリッジ交換位置にある状態の斜視図である。
【図6】図5に示すインクジェットカートリッジ交換位置でヘッド固定レバーを回動させて、キャリッジへのインクジェットカートリッジの固定を解除した状態の斜視図である。
【図7】図6に示す状態からさらに、インクジェットカートリッジを取り外した状態の斜視図である。
【符号の説明】
1 インクジェットカートリッジ
2 キャリッジ
3 キャリッジ軸
4 ガイドレール
5 ヘッド固定レバー
5a 支軸
6 キャリッジ駆動モータ
7 回復ユニット
8 オートシートフィーダ
9 給紙ローラ
10 プラテン
11 搬送ローラ
12 ピンチローラ
15 排紙ローラ
16 拍車
17 シャーシ
18 紙送りモータ
19 タイミングベルト
21 アクセスカバー
21a 突起部
22 メインケース
23 壁
24 リセットボタン
25 切り欠き部
26 電源ボタン
31 センサ
101 記録ヘッド部
102a,102b インクタンク
Claims (14)
- インクを吐出して記録用シートに記録を行う記録ヘッド部と該記録ヘッド部に供給するインクを収容するインクタンクとが分離交換可能に結合されたインクジェットカートリッジを着脱自在に保持するための、前記記録用シートの搬送方向と交差する方向に移動可能に設けられたキャリッジ手段を有するインクジェット記録装置において、
前記インクタンクを交換するための前記キャリッジの位置であるインクタンク交換位置と、前記インクジェットカートリッジを交換するための前記キャリッジの位置である、前記インクタンク交換位置とは異なるインクジェットカートリッジ交換位置とを有することを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記インクタンク交換位置では前記キャリッジから前記記録ヘッド部を取り外すことを不可能とする記録ヘッド部取り外し防止構造を有する、請求項1に記載のインクジェット記録装置。
- 前記キャリッジには、前記キャリッジへの前記記録ヘッド部の保持および解除を行うために操作されるレバー部材が設けられ、
前記記録ヘッド部取り外し防止構造は、ユーザが前記レバー部材の操作部を操作することができないようにする壁構造である、請求項2に記載のインクジェット記録装置。 - 前記キャリッジには、前記キャリッジへの前記記録ヘッド部の保持および解除を行うために操作されるレバー部材が設けられ、
前記記録ヘッド部取り外し防止構造は、前記記録ヘッド部の保持を解除する方向への前記レバー部材の動きを規制する壁構造である、請求項2に記載のインクジェット記録装置。 - 前記壁構造は前記インクジェット記録装置の外装の一部に設けられている、請求項3または4に記載のインクジェット記録装置。
- 前記インクジェットカートリッジ交換位置では、前記キャリッジ手段から前記記録ヘッド部を取り外すことを可能とするための空間が形成されている、請求項1ないし5のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記空間は、前記インクジェット記録装置の外装の一部を切り欠くことによって形成されている、請求項6に記載のインクジェット記録装置。
- 前記記録ヘッド部の吐出特性を回復および維持するために記録とは別に前記記録ヘッド部から強制的にインクを排出させる回復処理を行うヘッド回復手段を有し、
前記インクタンク交換位置へ移動した後の回復処理と前記インクジェットカートリッジ交換位置へ移動した後の回復処理とが異なる、請求項1ないし7のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。 - 前記インクタンク交換位置へ移動した後の回復処理で消費されるインクの量は、前記インクジェットカートリッジ交換位置へ移動した後の回復処理で消費されるインクの量よりも少ない、請求項8に記載のインクジェット記録装置。
- 前記キャリッジが前記インクタンク交換位置に位置している状態で特定の操作が行われることにより、前記キャリッジを前記インクジェットカートリッジ交換位置へ移動させる、請求項1ないし9のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記特定の操作は、前記インクジェット記録装置に設けられたボタンの操作である、請求項10に記載のインクジェット記録装置。
- 開閉可能に設けられたカバーと、前記カバーの開閉を検知するカバー開閉検知手段とを有し、
前記カバー開閉検知手段により前記カバーが開かれたことが検知されると、前記キャリッジを前記インクタンク交換位置へ移動させる、請求項1ないし11のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。 - 前記キャリッジに前記インクジェットカートリッジが装着されていない状態で、前記カバー開閉検知手段により前記カバーが開かれたことが検知されると、前記キャリッジを前記インクジェットカートリッジ交換位置へ移動させる、請求項12に記載のインクジェット記録装置。
- 前記記録ヘッド部は、インクを吐出するために利用されるエネルギーを発生するエネルギー発生体として、熱エネルギーを発生する電気熱変換体を有する、請求項1ないし13のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
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