JP4592654B2 - リソグラフィ投影装置およびそれを使用したデバイスの製造方法 - Google Patents

リソグラフィ投影装置およびそれを使用したデバイスの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、リソグラフィ投影装置であって:
放射線の投影ビームを供給するための照明システム;
所望のパターンに従って投影ビームをパターニングすることが出来るパターニング手段を保持するための第1物体テーブル;
基板を保持するための第2可動物体テーブル;
第2パターニング手段または第2基板を保持するための第3可動物体テーブル;および
このパターン化したビームをこの基板の目標部分上に結像するための投影システム;
を含む投影装置に於ける位置決め装置の衝突防止に関する。
“パターニング手段”という用語は、入射放射線ビームに、基板の目標部分に創成すべきパターンに対応する、パターン化した断面を与えるために使うことができる手段を指すと広く解釈すべきであり;“光バルブ”という用語もこの様な関係に使ってある。一般的に、上記パターンは、集積回路またはその他のデバイス(以下参照)のような、目標部分に作るデバイスの特別の機能層に対応するだろう。そのようなパターニング手段の例には次のようなものがある;
− 上記第1物体テーブルが保持するマスク。マスクの概念は、リソグラフィでよく知られ、二値、交互位相シフト、および減衰位相シフトのようなマスク型、並びに種々のハイブリッドマスク型を含む。そのようなマスクを放射線ビーム中に置くと、このマスク上のパターンに従って、このマスクに入射する放射線の選択透過(透過性マスクの場合)または選択反射(反射性マスクの場合)を生ずる。この第1物体テーブルは、このマスクを入射放射線ビームの中の所望の位置に保持できること、およびもし望むなら、それをこのビームに対して動かせることを保証する。
− 第1物体テーブルと呼ぶ構造体が保持するプログラム可能ミラーアレイ。そのような装置の例は、粘弾性制御層および反射面を有するマトリックスアドレス可能面である。そのような装置の背後の基本原理は、(例えば)この反射面のアドレス指定された領域が入射光を回折光として反射し、一方アドレス指定されない領域が入射光を未回折光として反射するということである。適当なフィルタを使って、上記未回折光を反射ビームから濾過して取除き、回折光だけを後に残すことができ;この様にして、ビームがマトリックスアドレス可能面のアドレス指定パターンに従ってパターン化されるようになる。必要なアドレス指定は、適当な電子手段を使って行える。そのようなミラーアレイについての更なる情報は、例えば、米国特許第5,296,891号および第5,523,193号から集めることができ、それらを参考までにここに援用する。
− 第1物体テーブルと呼ぶ構造体が保持するプログラム可能LCDアレイ。そのような構成の例は、米国特許第5,229,872号で与えられ、それを参考までにここに援用する。
簡単のために、この明細書の残りは、ある場所で、それ自体をマスクを伴う例に具体的に向けるかも知れないが;しかし、そのような場合に議論する一般原理は、上に示すようなパターニング手段の広い文脈で見るべきである。
簡単のために、この投影システムを、以後“レンズ”と呼ぶかも知れないが;この用語は、例えば、屈折性光学素子、反射性光学素子、および反射屈折性光学素子を含む、種々の型式の投影システムを包含するように広く解釈すべきである。この照明システムも放射線のこの投影ビームを指向し、成形しまたは制御するためにこれらの設計形式の何れかに従って作用する部品を含んでもよく、そのような部品も以下で集合的または単独に“レンズ”と呼ぶかも知れない。その上、この第1および第2物体テーブルを、それぞれ、“マスクテーブル”および“基板テーブル”と呼ぶかも知れない。
リソグラフィ投影装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使うことができる。そのような場合、マスク(レチクル)がこのICの個々の層に対応する回路パターンを含んでもよく、このパターンを、エネルギー感応性材料(レジスト)の層で塗被した基板(シリコンウエハ)の目標部分(一つ以上のダイを含む)上に結像することができる。一般的に、単一基板が隣接するダイの全ネットワークを含み、それらをこのマスクを介して、一度に一つずつ、順次照射する。ある型式のリソグラフィ投影装置では、全マスクパターンをこの目標部分上に一度に露出することによって各目標部分を照射し;そのような装置を普通ウエハステッパと呼ぶ。代替装置−それを普通ステップ・アンド・スキャン装置と呼ぶ−では、このマスクパターンを投影ビームの下で与えられた基準方向(“走査”方向)に順次走査し、一方、一般的に、この投影システムが倍率M(一般的に<1)であり、この基板テーブルを走査する速度Vが、倍率M掛けるマスクテーブルを走査する速度であるので、この基板テーブルをこの方向に平行または逆平行に同期して走査することによって各目標部分を照射する。ここに説明したようなリソグラフィ装置に関する更なる情報は、例えば、国際特許出願WO97/33205から収集することができる。
一般的に、この種の装置は、単一第1物体(マスク)テーブルおよび単一第2物体(基板)テーブルを含む。しかし、少なくとも二つの独立に可動の基板テーブルがある機械が利用可能になった;例えば、米国特許第5,969,441号(特許文献1)および1998年2月27日提出の米国特許出願09/180,001(WO98/40791)(特許文献2)に記載されていて、それらを参考までにここに援用する(多段装置参照)。そのような多段装置の背後の基本動作原理は、第1基板テーブルがその上にある第1基板を露光するために投影システムの下にある間に、第2基板テーブルが載荷位置へ移動でき、先に露光した基板を排出し、新しい基板を取上げ、この新しい基板に幾つかの初期測定を行い、および次に第1基板の露光が完了するとすぐ、この新しい基板を投影システムの下の露光位置へ移送するために待機し;そこでこのサイクルを繰返すことであり;この様にして、機械のスループットをかなり向上することが可能であり、それが次にこの機械の所有コストを改善する。
もう一種類の双テーブル装置がWO98/24115(特許文献3)に記載してある。この装置は、二つのキャラクタリゼーション区域と一つの露光区域を有する。これら二つの基板テーブルがそれらそれぞれのキャラクタリゼーション区域とこの露光区域の間を動く。この装置を制御するソフトウェアが二つのテーブルを同時に露光区域へ動かさないことを保証する。
本発明は、テーブルを異なる区域の間で交換する多重テーブル装置に、テーブル間衝突の特別の危険があると判断した。リソグラフィ装置では、テーブルが重く、かなり高速で動く。それらは、極端に脆い材料でも作られ、その位置を非常に高精度で知る必要のある多くの繊細な部品を担持する。従って、テーブル間の衝突は、低速度ででも、非常に深刻なことがある。テーブルのこれらの繊細な部品に著しい損傷を生ずる重大衝突は、精密部品の破損または永久変形のために全装置を使えなくするかも知れない。勿論、衝突させるようなテーブルの運動を防ぐように、この装置を制御するソフトウェアを書くことが出来るが、ソフトウェアエラー、干渉または電力スパイクまたは思い掛けない電力損失によって生ずるエラーがそれでも衝突に導くかも知れない。
米国特許第5,969,441号明細書 国際公開第98/40791号パンフレット 国際公開第98/24115号パンフレット
本発明の目的は、配置する物体間の衝突を避け、および/または衝突の影響を改善出来る、多段物体位置決めシステムを提供することである。
本発明の一つの態様によれば、リソグラフィ投影装置であって:
放射線の投影ビームを供給するための照明システム;
所望のパターンに従ってこの投影ビームをパターニングすることが出来るパターニング手段を保持するための第1物体テーブル;
各々基板を保持するための第2および第3可動物体テーブルにして、少なくとも第1および第2作業区域を含む運動の共通範囲に亘って動き得るテーブル;
パターン化したビームを基板の目標部分上に結像するための投影システム、および
上記第2および第3物体テーブルを動かすためのテーブル位置決め手段;を含み:
上記第2および第3物体テーブル間の衝突を避けるために上記第2および第3物体テーブルの少なくとも一つの運動を物理的に制限する衝突防止手段を含むことを特徴とする投影装置が提供される。
この発明の更なる態様によれば、リソグラフィ投影装置であって:
放射線の投影ビームを供給するための照明システム;
各々所望のパターンに従ってこの投影ビームをパターニングすることが出来るパターニング手段を保持するための第1および第2可動物体テーブルで、少なくとも第1および第2作業区域を含む運動の共通範囲に亘って動き得るテーブル;
基板を保持するための第3可動物体テーブル;
パターン化したビームを基板の目標部分上に結像するための投影システム;および
上記第1および第2物体テーブルを動かすためのテーブル位置決め手段;を含み:
上記第1および第2物体テーブル間の衝突を避けるために上記第1および第2物体テーブルの少なくとも一つの運動を物理的に制限する衝突防止手段に特徴がある投影装置が提供される。
衝突防止のために完全にソフトウェアに頼るのではなく、物理的運動リミタ、例えば、障壁を含む衝突事故防止手段は、重大な電力損失または深刻なシステム故障のような、装置の破局故障の場合にさえ衝突を避けることを保証する。そのような状況での基板またはマスクテーブルへの高価なおよび/または回復不能な損傷の可能性を避ける。
この発明のその上更なる態様によれば、リソグラフィ投影装置で:
放射線の投影ビームを供給するための照明システム;
所望のパターンに従ってこの投影ビームをパターニングすることが出来るパターニング手段を保持するための第1物体テーブル;
各々基板を保持するための第2および第3可動物体テーブルで、少なくとも第1および第2作業区域を含む運動の共通範囲に亘って動き得るテーブル;
このパターン化したビームをこの基板の目標部分上に結像するための投影システム;並びに
上記第2および第3物体テーブルを動かすためのテーブル位置決め手段;を含む投影装置を使うデバイスの製造方法であって;
この照明システムを使って放射線の投影ビームを用意する工程;
この投影ビームにその断面にパターンを与えるためにこのパターニング手段を使う工程;
上記第2物体テーブルを上記第1作業区域内に、および上記第3物体テーブルを上記第2作業区域内に位置決めする工程;
放射線感応層を有する第1基板を上記第1作業区域で上記第2物体テーブルに設ける工程;
上記第2および第3物体テーブルを上記第1および第2作業区域間で交換する工程;
放射線のこのパターン化したビームを上記第2物体テーブルに設けた上記第1基板の放射線感応材料の層の目標部分上に投影する工程;
放射線感応層を有する第2基板を上記第1作業区域で上記第3物体テーブルに設ける工程;および
上記第2および第3物体テーブルを上記第1および第2作業区域間で再び交換する工程;
を含む方法に於いて:
上記第2および第3物体テーブルを交換する上記工程中、上記第2および第3物体テーブルの少なくとも一つの運動を物理的に制限する衝突防止手段が上記第2および第3物体テーブル間の衝突防止をもたらすことを特徴とする方法が提供される。
この発明によるリソグラフィ投影装置を使う製造プロセスでは、マスクの中のパターンを、少なくとも部分的に放射線感応材料(レジスト)の層で覆われた基板上に結像する。この結像工程の前に、この基板は、例えば、下塗り、レジスト塗布およびソフトベークのような、種々の処理を受けるかも知れない。露光後、基板は、例えば、露光後ベーク(PEB)、現像、ハードベークおよび結像形態の測定/検査のような、他の処理を受けるかも知れない。この一連の処理は、デバイス、例えばICの個々の層をパターン化するための基礎として使用する。そのようにパターン化した層は、次に、エッチング、イオン注入(ドーピング)、金属化処理、酸化処理、化学・機械的研磨等のような、全て個々の層の仕上げを意図した種々の処理を受けるかも知れない。もし、幾つかの層が必要ならば、全処理またはその変形を各新しい層に反復しなければならないだろう。結局、デバイスのアレイが基板(ウエハ)上にできる。次に、これらのデバイスをダイシングまたは鋸引のような手法によって互いから分離し、そこから個々のデバイスをキャリヤに取付け、ピンに接続し等できる。そのようなプロセスに関する更なる情報は、例えば、ピータ・バン・ザントの“マイクロチップの製作:半導体加工の実用ガイド”、第3版、マグロウヒル出版社、1997年、ISBN0−07−067250−4という本から得ることができる。
この明細書でICの製造に於けるこの発明による装置の使用を具体的に参照してもよいが、そのような装置は、他の多くの可能な用途があることを明確に理解すべきである。例えば、それを集積光学システム、磁区メモリ用誘導検出パターン、液晶ディスプレイパネル、薄膜磁気ヘッド等の製造に使ってもよい。当業者は、そのような代替用途の関係では、この明細書で使う“レチクル”、“ウエハ”または“ダイ”という用語のどれも、それぞれ、より一般的な用語“マスク”、“基板”および“目標領域”で置換えられると考えるべきであることが分るだろう。
本文書では、“放射線”および“ビーム”という用語を紫外(UV)放射線(例えば、365、248、193、157または126nmの波長の)、超紫外(EUV)放射線、X線、電子およびイオンを含むあらゆる種類の電磁放射線または粒子フラックスを包含するために使用するが、それらに限定されない。
本発明を以下に実施例および添付の概略図を参照して説明する。
これらの図面で、類似の参照数字は、類似の部品を指す。
(実施例1)
図1は、この発明によるリソグラフィ投影装置を概略的に示す。この装置は:
● 放射線(例えば、UVまたはEUV線)の投影ビームPBを供給するための放射線システムLA、IL;
● マスクMA(例えば、レチクル)を保持するためのマスクホルダを備え、このマスクを部材PLに関して正確に位置決めするための第1位置決め手段に結合された第1物体テーブル(マスクテーブル)MT;
● 各々基板W(例えば、レジストを塗被したシリコンウエハ)を保持するための基板ホルダを備え、この基板を部材PLおよびMSに関して正確に位置決めするための第2および第3位置決め手段に結合された第2および第3物体テーブル(基板テーブル)WTa、WTb;
● このマスクMAの被照射部分を基板Wの目標部分C上に結像するための投影システム(“レンズ”)PL(例えば、屈折若しくは反射屈折性のシステム、ミラーグループまたは視界偏向器アレイ);
を含む。
ここに描くように、この装置は、透過型である(即ち、透過性のマスクを有する)。しかし、一般的に、それは、例えば、反射型でもよい。
ここに図示する例で、この放射線システムは、放射線のビームを作る放射源LA(例えば、Hgランプ、またはエキシマレーザ、貯蔵リング若しくはシンクロトロンの電子ビームの経路の周りに設けたアンジュレータ、または電子若しくはイオンビーム源)を含む。このビームをこの照明システムILに含まれる種々の光学部品、例えば、ビーム成形光学系Ex、積分器INおよびコンデンサCOを通して、出来たビームが所望の形状および強度分布を有するようにする。
ビームPBは、次に、マスクテーブルMT上にマスクホルダで保持されたマスクMAを横切る。マスクMAを通過してから、ビームPBは、レンズPLを通過し、それがこのビームを基板Wの目標部分C上に集束する。干渉計変位測定手段IFおよびこの第2位置決め手段の助けをかりて、基板テーブルWTa、WTbは、例えば、異なる目標部分CをビームPBの経路に配置するように、正確に動くことができる。同様に、例えば、マスクMAをマスクライブラリから機械的に検索してから、この第1位置決め手段を使ってマスクMAをビームPBの経路に関して正確に配置することができる。一般的に、物体テーブルMT、WTの運動は、図1にはっきりは示さないが、長ストロークモジュール(粗位置決め)および短ストロークモジュール(微細位置決め)の助けをかりて実現する。
図示する装置は、二つの異なるモードで使うことができる:
1.ステップモードでは、マスクテーブルMTを本質的に固定して保持し、全マスク像を目標部分C上に一度に(即ち、単一“フラッシュ”で)投影する。次に基板テーブルWTをxおよび/またはy方向に移動して異なる目標部分CをビームPBで照射できるようにする;
2.走査モードでは、与えられた目標部分Cを単一“フラッシュ”では露出しないことを除いて、本質的に同じシナリオを適用する。その代りに、マスクテーブルMTが与えられた方向(所謂“走査方向”、例えば、x方向)に速度vで動き得て、それで投影ビームPBがマスク像の上を走査させられ;同時に、基板テーブルWTaまたはWTbがそれと共に同じまたは反対方向に速度V=Mvで動かされ、このMはレンズPLの倍率(典型的には、M=1/4または1/5)である。この様にして、比較的大きい目標部分Cを、解像度について妥協する必要なく、露出できる。
図2は、実施例1のリソグラフィ装置のウエハステージ100を平面図で示す。ウエハステージ100のコアは、基準テーブル、または石110で作られていて、それは平坦な水平上面を有し、その上を二つのウエハテーブルWTa、WTbが動くことができる。ウエハテーブルWTaおよびWTbは、本質的に同じで、各々それぞれのウエハWa、Wb用のウエハホルダ(図示せず)、およびこのテーブルが基準テーブル110の上を本質的に摩擦なしに動けるようにそれを支持する空気足(空気軸受)を含む。これらのウエハテーブルは、既知のH型駆動装置である、二つの駆動ユニット120、130によって配置する。各駆動装置は、Xビーム121、131から成り、その上にXスライダ122、132をこのビームの縦に駆動するXリニアモータのステータが取付けてある。ウエハテーブルWTaおよびWTbは、解放可能なステージ継手125、135によってXスライダ122、132のそれぞれの一つに運動学的に結合されている。各Xビームの各端は、Yスライダ123、124、133、134上に取付けてあって、それらのスライダは、Yリニアモータ(図示せず)によって駆動され、それらのステータは、基準テーブル110を囲む矩形フレームの形を採る釣合い質量140上に取付けてある。それでウエハテーブルWTa、WTbは、X方向にはXスライダ122、132をXビーム121、131に沿って駆動することにより、およびY方向にはYスライダ123、124、133、134を介してXビームを駆動することによって配置する。これらのテーブルは、Yスライダ123、124、133、134の独立の制御によって、Z方向に平行な軸の周りに回転することもできる。
それぞれのリニアモータが作用するXおよびY方向は、一般的に互いに直交し、基準テーブル110の上面に平行である。しかし、上述のように、各駆動ユニットの二つのYスライダ123、124、133、134は、ウエハテーブルWTa、WTbのRz位置を制御するために、ある範囲内で、独立に配置してもよく、それはXビームが釣合い質量140の中のYモータとはもはや正確に垂直でない結果となる。
H型駆動ユニット120、130は、ウエハテーブルの粗位置決め用長ストロークモジュールを効果的に含み、一方ウエハの微細位置決め用短ストロークモジュールは、それぞれのウエハテーブルWTa、WTbに含まれている。
基準テーブル110の一端に、露光区域20があり、そこでマスク像をウエハ上に投影して放射線感応層を露光できる。他端に、準備(キャラクタリゼーション)区域30があり、そこでウエハをウエハテーブルから出し入れすることができ、どんな準備工程でも、例えば、ウエハのこのテーブル上の正確な位置を6自由度で確立するための測定プロセスを、実行できる。この露光プロセスは、ここには簡潔さのために説明しないが、装填、除去および準備工程を既知の装置で既知の方法によって実行できる間に、上述のように実行する。本実施例では、二つの区域20、30をカバーするH型駆動ユニット120、130が同等であるが、もし、二つの区域でのウエハテーブルの運動、速度および加速度の必要範囲が異なるならば、その必要はない。
上述のように、ウエハテーブルWTa、WTbは、解放可能継手125、135によってXスライダ122、132に運動学的に結合されている。継手125、135は、両ウエハテーブルWTa、WTbにおよびそのそれぞれの側面に結合できるように配設してある。以下に詳しく説明するテーブル交換プロセスでは、二つのテーブルが中継区域40a、40bの位置へもたらされ、継手125、135が解放され、Xスライダが他のウエハテーブルへ動き、次にそれにそれらが結合される。
継手125、135は、結合したとき、ウエハテーブルとそれぞれのXスライダの間に、XY平面の力、即ち、XおよびY並進力並びにRzトルクを伝える。しかし、位置決め精度を増すために、この継手は、他の自由度、即ち、Z並進並びにRxおよびRy回転で自由でもよい。そのような自由は、例えば、この継手に伝達すべき力の平面に横たわる板ばねを含めることによって与えてもよい。
この継手は、摩擦継手(例えば、単一または多重積層材上のキャリパクランプ)またはインタロック装置(例えば、穴またはくぼみに係合するピンを使うものまたはインタロックするV形溝および山)によって面内力を伝えてもよい。摩擦継手で、このクランプは、テーブル交換プロセス中のスライダの正確な位置決めに対する要求が軽減するように、Xスライダとウエハテーブルの相対位置の範囲内で係合してもよい。他方、インタロック装置は、低いクランプ力しか要さず、従って小さくて低エネルギー消費の装置を使うことができる。この継手は、摩擦およびインタロックの原理の組合せも使ってよく、異なる方向に相違する力伝達要件に従ってこれらの方向に異なる結合方法を使ってもよい。
動力またはその他の機械故障の場合の結合作用の喪失を防ぐために、この継手は、その自然状態で閉じて(付着して)いて開く(離す)ためには動力動作を要する型式、または双安定で開および閉状態の間を切換えるためには動力動作を要する型式のものである。そのような型式の継手の例には、例えばコイルまたは円錐ばねの堆積によって与えられる弾性エネルギー、永久磁石によって与えられる磁気エネルギー、静電力によって与えられる電気エネルギーまたは高圧下の大量のガスの位置エネルギーによってバイアスを掛けて閉ざされるクランプがある。受動的閉鎖力に抗して作用する開放力は、空気圧式、水圧式(汚染の機会を最小にするために超純水を使うのが好ましい)または電磁式等でもよい。この継手の開閉位置の間のストロークが小さそうなので、機械的拡大率の大きい伝達機構をアクチュエータとクランプの間に使うことができる。そのような伝達機構の例には、単段または多段レバーシステム、空気圧式/水圧式ブースタ等がある。更に、可変機械的拡大率を有し、このストロークの最後の部分でだけ全クランプ力を働かせる伝達機構、例えば、所謂トグル機構または可動有効ピボット点を有するレバーシステムを使ってもよい。
図8Aは、能動開放型の結合機構を示す。この機構では、一般的にXY板に平行な板ばね151がウエハテーブルWTa、WTbに固定してあり、この継手が閉じるとき、Xスライダ122、132に固定してあるアンビル153と可動ハンマ152の間にクランプされる。アンビル153とハンマ152の対向するクランプ面は、摩擦またはインタロッククランプ原理を望むかどうかに従って、摩擦を助長するために粗しまたは板ばね151の対応する突起またくぼみと係合する突起、例えば、ピン若しくは隆起、またはくぼみを備えてもよい。ハンマ152は、レバー154にその第1端でピボット結合してある。このレバー154は、その第1端で、Xスライダ122、132に固定してあるピボット155と結合し、反対の第2端で、Xスライダ122、132上の固定点157に作用してこのレバーにバイアスを掛けるばね156と結合し、それでハンマ152をアンビル153に押付けて板ばね151をクランプする。この継手を開くためには、開放アクチュエータ158がレバー154に、ばね156が働かせる力と反対の向きに力を働かせる。
図8Bは、能動トグル型の結合機構を示す。この場合、ハンマ161がケージ162に包蔵さているが、ばね163によってバイアスを掛けられ、板ばね151をアンビル153にクランプする。第1レバー164が第1端でケージ162にピボット取付けされ、第2レバー165がこの第1レバー上の中間ピボット点167とXスライダ122、132に取付けた固定ピボット166との間にピボット結合してある。アクチュエータ168が第1レバー164の端に、第1および第2レバー164、165が形成するドッグレッグを真っすぐにする向きに力を働かせ、ケージ162を板ばね151の方へ押付け、従って力を増加しそれによってばね163がハンマ161をアンビル153に押付ける。この閉状態は、このアクチュエータがレバー164、165を直線位置を僅かに越えてストッパ(図示せず)に押付けてドッグレッグを“ロック”するように、これらのレバーを配設することによって安定にできる。
図8Cおよび図8Dは、インタロックを改善するためにV山およびV溝を使う代替結合機構を示し;このロック機構は、上に説明した能動トグル型か能動開放型でもよい。図8Cおよび図8Dの結合機構では、アンビル153’が、下方に突出しX方向に細長いV形山を備え、一方板ばね151’は、アンビル153’のV形山に対応するV形溝を有する終端部材を備える。ハンマ152を設けて終端部材159をアンビル153’にクランプする。勿論、この結合機構を逆にできる−即ち、溝をアンビル153’に設け、山を終端部材159に設けられることが判るだろう。
図8Cおよび図8Dの結合機構を係合するためには、終端部材159がアンビル153’とハンマ152の間に位置するように、基板テーブルWTa、WTbおよび駆動手段を配置する。次に、図8Dに示すように、ハンマ152を上方に押付けてこのV形山がV形溝に入り、終端部材159をアンビル153’にしっかり固定する。
図8Cおよび図8Dの結合機構は、V形山および溝がX方向に平行に伸びるという事実のために、幾つかの利点をもたらす。第1に、移動質量、従って駆動力がX方向よりY方向に大きい。ウエハステージ、Xスライダおよび空気足等だけがX方向に動き、一方、XビームおよびYスライダもY方向に動く。それで、この溝および山が強い力をY方向に伝えるためのインタロックをもたらし、一方摩擦は力をX方向に伝えるに十分である。同時に、二つの駆動装置間のウエハテーブルの交換が容易になる。この交換中、アンビル153’が取付けてあるXスライダは、X方向にしか動かない。それで、この結合機構は、終端部材159とアンビル153’の間の結合を断ってこの運動を可能にするに十分なだけ開くだけでよく;このV形山にV形溝を通過させるために必要な大きな運動は必要ない。しかし、もしXおよびYの両方向に伸びる溝および山を設けたら、この大きな運動が必要だろう。交換に必要なこの継手の運動を減らすことは、その交換に要する時間を減らし、この装置のスループットを増す。
次に、図2ないし図7および図9を参照して、ウエハテーブルを交換するための工程の順序を説明する。図2は、動作位置のウエハテーブルを示し、ウエハテーブルWTaが露出区域20にあって駆動ユニット120に結合してあり、一方ウエハテーブルWTbは、準備区域30にあって駆動ユニット130に結合してある。このテーブル交換プロセスの目的は、ウエハテーブルWTaを駆動ユニット130に結合してそれを準備区域30に移し、一方同時にウエハテーブルWTbを駆動ユニット120に結合して露光区域20に移すことである。
図3に示すテーブル交換プロセスの第1工程では、ウエハテーブルWTa、WTbをこれらの作業区域の縁へ動かしてそれぞれのケーブルシャトルCS1、CS2に係合する。これらのケーブルシャトルは、釣合い質量140の側レール、またはその他の平行レールに取付けてあり、ウエハテーブルWTa、WTbがこの交換手順中同期して動くことを保証するために、例えば、鎖(図示せず)によって連結してある。この工程で、ウエハテーブルWTa、WTbは、図9に示し且つ側壁170、180および中央支柱190を含む迷路にも入る。側壁170、180は、各端に突出肩171、172、181、182を有し、それらが基準テーブル110の側面の上に突出し、それでこれらのウエハテーブルの有効運動範囲が中央領域より作業区域、即ち、露光区域および準備区域で狭い。この中央支柱は、基準テーブル110の中央に位置し、これらのウエハテーブルが露出区域20から準備区域30へおよびその逆に直線を移動するのを防ぐ大きさである。その代りに、ウエハテーブルは、肩171、172、181、182の端を通過してから、中継区域40a、40bで外方へ側レールへ動かねばならない。これは図3に示す位置である。センサ173、174、175、183、184、185を設けてこれらのウエハテーブルがこの迷路の特定の点を通過するときを検出することができる。
第2工程では、ウエハテーブルWTa、WTbを、図4に示すように、中継区域40a、40bで並ぶまで前方に動かす。ケーブルシャトルCS1、CS2の間の連結は、両ウエハテーブルがこれらのケーブルシャトルのそれぞれの一つに連結されてソフトウェアの制御の下で同期して動くのでなければ、この工程を行えないことを保証する。この連結は、テーブルは駆動しないが、同期運動の逸脱に繋がるかも知れない間違ったソフトウェア命令を示す。それによって、テーブルは、先にあるものが同時に外へ動くのでなければ、作業区域の一つに入り込めないことを保証する。これらのケーブルシャトルは、制御ケーブルおよびその他の有用導管をそれらそれぞれのテーブルに支持する。このことは、そして、テーブルがそれら自体の側でだけ中央支柱を通過できるという事実は、これらのケーブルが絡まないことを保証する。
第3工程では、ウエハテーブルWTa、WTbを基準テーブル110に、例えば、それらを支持する空気足をそっとオフにすることによって、繋留する。その代りに、通常釣合い質量のくぼみまたは穴に隠されているピン等を突出させてテーブルを固定してもよい。次に、結合機構125、135を開いてウエハテーブルをそれらが元取付けられていたXスライダから解放する。Xスライダ122、132を、次に、図5に示すように、他のウエハテーブルと隣接するように動かして、結合機構125、135を再付勢する。それでウエハテーブルWTaが今度は駆動ユニット130に結合され、ウエハテーブルWTbが今度は駆動ユニット120に結合される。
第4工程では、ウエハテーブルWTa、WTbを、図6に示すように、それらが移し換えられた駆動ユニット130、120によってそれらそれぞれの行先の方へ動かす。このプロセス中、ウエハテーブルはまだケーブルシャトルCS1、CS2に結合されていて、それらが同期して動くことを保証する。
最後に、ウエハテーブルが一旦中央支柱190を通過して動くと、それらはケーブルシャトルCS1、CS2から解放され、それらの作業位置へ動く。図7に示すように、ウエハテーブルWTaが今度は準備区域30にあり、ウエハテーブルWTbが今度は露出区域20にある。
(実施例2)
この発明の第2実施例を図10ないし図13に示す。この実施例では、ケーブルシャトルCS1’、CS2’に駆動装置を設けて、駆動ユニット120、130ではなく、それらがウエハテーブルの測定および露出区域間の移送を行うことによって、衝突事故の可能性を更に減らす。
この第2実施例の移送プロセスの第1工程は、最初のものと同じで;ウエハテーブルWTa、WTbをこの迷路の中へ移動させて、それぞれケーブルシャトルCS1’、CS2’と係合させる。第2工程では、駆動ユニット120、130によってこの迷路を通して案内するのではなく、結合機構125、135を解放してウエハテーブルWTa、WTbを駆動ユニット120、130から切離す。次に、図10に示すように、ウエハテーブルWTa、WTbをケーブルシャトルCS1’、CS2’によってこの迷路を通して駆動する。この第2実施例の第1および第2工程は、移送に取られる時間を減らすために、“大急ぎで”実行することができる。この構成では、ケーブルシャトルCS1’、CS2’がそれぞれのテーブルと係合したままで、ウエハテーブルWTa、WTbを、それらをY方向に加速し続ける駆動ユニット120、130によって迷路の中へ追込む。一旦、ウエハテーブルWTa、WTbが一定速度で動くと、駆動ユニット120、130を切離し、この迷路を通るテーブルの残りの運動をケーブルシャトルCS1’、CS2’によって駆動する。交換に要する時間を減らすと共に、この構成では、これらのケーブルシャトル駆動装置の性能仕様を下げる。ケーブルシャトルCS1、CS2は、Yスライダ123および133間、並びにYスライダ124、134間の衝突を防ぐための衝突防止手段としての役もしてよい。
一旦駆動ユニット120、130をウエハテーブルWTa、WTbから解放すると、図11に示すように、Xスライダ122、132が他の側へ移行し、そこで他のテーブルと再係合してから(図12)、ケーブルシャトルCS1’、CS2’が解放され、これらのテーブルが作業区域へ入る(図13)。駆動ユニット120、130の再係合およびケーブルシャトルからの切離しも、上に説明したプロセスの逆に、大急ぎで行うことができる。
(実施例3)
図14に示す第3実施例では、迷路装置を回転障壁またはドア200で置換える。その他の点で、この第3実施例は、第1か第2実施例と同じでもよい。
回転障壁200は、基準テーブル110の中央にピボット201上に取付ける。ウエハテーブルWTa、WTbの移送を始めるためには、それらをピボット201のどちらかの側の対角線上の対向する位置へ駆動する。次に、ウエハテーブルWTa、WTbを互いおよび障壁200の回転と同期して中継区域40a、40bを通して駆動する。この実施例では、移送プロセス中の運動体の同期をソフトウェアによって制御する。しかし、ソフトウェアエラー、思い掛けない電力損失または干渉のような、重大故障の場合でも、この回転障壁200は、常に二つのテーブルWTa、WTbの間にあってそれらが接触するようになるのを防ぐ。
代替構成では、同じ効果を;一つはウエハテーブルが作業区域にあるとき第1位置に突出し、第2は第2位置に突出して移送プロセス用の二つの経路を形成する、格納式障壁で達成する。
この第3実施例は、移送プロセス中基準テーブルのそれぞれの半分に及ぶ駆動ユニット間の受渡しが要求される、第1および第2実施例で使ったような駆動装置は勿論、例えば、平面モータを使い、各駆動ユニットを基準テーブル110の全領域に亘ってそれぞれのウエハテーブルに配置できる、長ストローク駆動装置に関連して特に有用である。
(実施例4)
図15および16に示す第4実施例では、ウエハテーブルWTa、WTbが突起212、213、215、216を備え、それが側壁170、180と組合さって各ウエハテーブルが中央柱190のそれ自体の側しかこの迷路を通過できないことを保証する。
図15に示すように、ウエハテーブルWTa、WTbが中央柱190の正しい側にあるとき、突起212、213、215、216が側壁170、180の上端を越えて伸び、ウエハテーブルWTa、WTbを基準テーブル110の側面に十分に接近して配置することができ、それらが側壁170、180と中央柱190の間を通過できるようにする。その代りに、これらの突起が側壁の対応する溝に入り込んでウエハテーブルが基準テーブル110の側面に十分接近して動けるようにしてもよい。しかし、中央柱190は、側壁170、180より十分高く突出するように配設し、それで、図16に示すように、ウエハテーブルが中央柱190の“間違った”側にあるとき、このウエハテーブルは、この中央柱190と側壁の間を通過できない。
突起212、213、215、216は、電力損失が起り、他のテーブルがテーブル交換準備位置へ動くとき、テーブルが対角線コースを“間違った”側の方へ動く場合に起る衝突事故の可能性を防ぐ。突起212、213、215、216が無ければ、このテーブルは側壁に当って跳ね返り、少なくとも部分的に、この隙間を通過し、他のテーブルと衝突する。
(実施例5)
図17に示す第5実施例は、第1および第2実施例のケーブルシャトルの代りに、迷路側壁170、180に取付けた交換レール221、222を使う。移送プロセスの最初に、ウエハテーブルWTa、WTbをこの迷路のそれらそれぞれの側の入口位置へ駆動する。これらの位置で、ウエハテーブル上の突起211、214が、交換レール221、222上に取付けた交換キャリッジ223、224と係合する。一旦交換キャリッジと係合すると、これらのテーブルはX方向に固定され、この方向のあらゆる運動が阻止される。この方向のあらゆる衝突エネルギーをこれらの交換レールが吸収する。交換キャリッジ223、224は、鎖によりまたは電子的に連結して、それらが一緒にしか、および両方がそれらそれぞれのウエハテーブルWTa、WTbと係合したときにしか動けないようにしてもよい。
図18に示す、この第5実施例の修正形では、これらのキャリッジを不要にし、突起211、214が直接交換レール221、222と係合するフック217、218を有する。再び、これらの交換レールは、テーブルがそれらと突起211、214およびフック217、218を介して係合するとき、X方向の運動を阻止し、X方向のあらゆる衝突エネルギーを吸収する。
第5実施例のこの修正形では、交換レールをピン240によって区域に分割し、センサ250を設けて各区域のこのテーブルの存在を検出する。これらのピンは、通常交換レールの中に引込んでいるが、もし、センサ250の出力がこれらのテーブルの同期して動いていないことを示すと、これらのピンを交換レール221、222から突出させて突起211、214、従ってテーブルWTa、WTbをX方向は勿論Y方向に閉込めるように制御システムを設ける。ピン240は、電源異常の場合に自動的に突出するように、ばねで突出するようにバイアスを掛けられ、能動アクチュエータ、例えば、電磁石によって引込められるのが好ましい。
(実施例6)
第6実施例(図示せず)では、この移送プロセスを、作業区域20、30で各端に一つずつ二つのウエハテーブルWTa、WTbと係合する両端ロボットアームによって行う。次に、これらのテーブルをそれらの長ストローク駆動ユニットから解放して、このロボットアームがこれら二つのウエハテーブルを作業区域の間で交換するために回転する。
このロボットアームの代替手段は、Y方向にだけ動く交換キャリッジである。この移送プロセスのために、これらのウエハテーブルがそれらそれぞれの駆動ユニットによって対角線的に対向位置へ動かされ、次にこの交換キャリッジによって二つの作業区域間を一度に一つずつ動かされる。この移送は、ウエハテーブルが常に駆動ユニットか交換キャリッジと係合するように行う。
(実施例7)
図19に示す、第7実施例では、二つの基板テーブルWTa、WTbがそれぞれのキャラクタリゼーション区域30a、30bと中央の、共用露光区域20の間を動く。これらの基板テーブルは、常にそれらそれぞれの駆動ユニット120、130に結合されたままで、そこで交換それ自体はない。
この装置の制御システム(ソフトウェア)は、何れの一時にも基板テーブルWTa、WTbが一つしか露光区域20にないことを保証するようにプログラムされているが、それにも拘らず、ソフトウェアエラーまたは機械故障が両テーブルを同時に露光区域へ移動させ、潜在的衝突事故状態に繋がる結果となるかも知れない。脆いテーブルWTa、WTbの間の物理的衝突を防ぐため、衝突防止手段200をYスライダ123、124、133、134上に設ける。この衝突防止手段200は、配置され且つ二つの基板テーブルが実際に接触出来なくなることを保証するに十分の衝撃吸収性能を有するショックアブソーバを含む。
上に説明した全ての実施例で、テーブルそれ自体は勿論、二つのウエハテーブル間の衝突事故を防ぐ物理的障壁手段、例えば、中央支柱190、側壁170、180、および回転障壁200がショックアブソーバを備えてもよい。例えば、ウエハテーブルの周りにショックアブソーバを含むバンパを作ることが可能である。このバンパは、このウエハテーブルが損傷しないように衝突事故で起るあらゆる可能な衝撃を吸収することができる。そのようなショックアブソーバは、関連部材を完全にまたは部分的に弾性材料で作ることによって、または能動的または受動的衝撃吸収装置、例えば、エアバッグ、フェンダ、緩衡器、油圧ダンパ、ばね等を設けることによって達成してもよい。
上にこの発明の特定の実施例を説明したが、この発明を説明したのと別の方法で実施してもよいことが判るだろう。この説明は、この発明を制限することを意図しない。特に、この発明をリソグラフィ装置のレチクルまたはマスクステージに、および平面での物体の迅速且つ正確な位置決めが望ましい、あらゆる他の型式の装置に使ってもよいことが判るだろう。
この発明の第1実施例によるリソグラフィ投影装置を描写している。 二つのウエハテーブルが作業位置にある、図1の装置のウエハステージの平面図である。 図2に類似するが、テーブルが交換プロセスの第1工程にある図である。 図2に類似するが、テーブルが交換プロセスの第2工程にある図である。 図2に類似するが、テーブルが交換プロセスの第3工程にある図である。 図2に類似するが、テーブルが交換プロセスの第4工程にある図である。 図2に類似するが、テーブルが交換プロセスの第5工程にある図である。 この発明の第1実施例におけるウエハステージを駆動手段に解放可能に結合するための結合機構の線図である。 この発明の第1実施例におけるウエハステージを駆動手段に解放可能に結合するための結合機構の線図である。 この発明の第1実施例におけるウエハステージを駆動手段に解放可能に結合するための結合機構の線図である。 この発明の第1実施例におけるウエハステージを駆動手段に解放可能に結合するための結合機構の線図である。 図2のウエハステージに含まれる迷路の平面図である。 ウエハテーブルが交換プロセスの第2工程にある、この発明の第2実施例のウエハステージの平面図である。 図10に類似するが、テーブルが交換プロセスの第3段階にある図である。 図10に類似するが、テーブルが交換プロセスの第4段階にある図である。 図10に類似するが、テーブルが交換完了後の作業位置にある図である。 この発明の第3実施例のウエハステージの平面図である。 この発明の第4実施例のウエハステージの平面図である。 この発明の第4実施例のウエハステージの平面図であって、テーブルが中央支柱の間違った側の通過を妨げられる方法を示す。 この発明の第5実施例のウエハステージの平面図である。 この発明の第5実施例の修正形のウエハステージの平面図である。 この発明の第6実施例のウエハステージの平面図である。
符号の説明
20 第2作業区域
30 第1作業区域
40 中継区域
120 第2駆動手段
125 解放可能継手
135 解放可能継手
130 第1駆動手段
153’ V形山
159 V形溝
170 第1側壁
180 第2側壁
190 支柱
200 回転障壁
C 基板の目標部分
CS1 第1シャトル
CS1’ 第1シャトル
CS2 第2シャトル
CS2’ 第2シャトル
IL 照明システム
MA パターニング手段
MT 第1物体テーブル
PB 投影ビーム
PL 投影システム
W 基板
Wa 第1基板
Wb 第2基板
WTa 第2物体テーブル
WTb 第3物体テーブル

Claims (12)

  1. リソグラフィ投影装置において、
    放射線の投影ビームを供給するための照明システムと、
    所望のパターンに従ってこの投影ビームをパターニングすることが出来るパターニング手段を保持するための第1物体テーブルと、
    各々基板を保持するための第2および第3可動物体テーブルであって、少なくとも第1および第2作業区域を含む共通の運動範囲に亘って動き得るテーブルと、
    パターン化したビームを基板の目標部分上に結像するための投影システムと、
    前記第2および第3物体テーブルを動かすためのテーブル位置決め手段とを含み、
    前記第2および第3物体テーブル間の衝突を避けるために前記第2および第3物体テーブルの少なくとも一つの運動を物理的に制限する衝突防止手段を有し、前記衝突防止手段が、前記第2および第3物体テーブルの少なくとも一つの周りに取付けたエネルギーを吸収するためのショックアブソーバを含み、
    前記第1および第2作業区域間に二つの異なる経路を形成する迷路を含み、前記迷路が第1および第2側壁並びに前記側壁間に配置された支柱を含み、それにより前記異なる経路が前記支柱と前記側壁の間に出来ており、前記支柱にショックアブソーバがさらに備えられていることを特徴とするリソグラフィ投影装置。
  2. 請求項1に記載された装置に於いて、前記異なる経路が直線状でないことを特徴とするリソグラフィ投影装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載された装置に於いて、前記第2および第3物体テーブルと前記迷路とは、前記第2および第3物体テーブルがこれらの異なる経路のそれぞれの一つだけを横断できるような形状・寸法にされていることを特徴とするリソグラフィ投影装置。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載された装置に於いて、各々それぞれ前記第1および第2作業区域に隣接する第1および第2位置間を動き得る第1および第2シャトルを含み、該シャトルは、一つが第1位置から第2位置へ動くと、もう一つが第2位置から第1位置へ動き、各々が前記第2および第3物体テーブルの異なるものに結合されているときだけ動けるように連結されていることを特徴とするリソグラフィ投影装置。
  5. 請求項4に記載された装置に於いて、前記シャトルが、前記第1および第2作業区域間を動くときに前記物体テーブルを駆動するための移送駆動手段を含むことを特徴とするリソグラフィ投影装置。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載された装置において、前記第1と第2の作業区域間の前記運動範囲にピボット取付けした回転可能障壁を含み、前記回転可能障壁が前記第1および第2作業区域を分離する第1状態と、前記障壁が両側に二つの異なる経路を形成し、それによって前記第2および第3物体テーブルが前記第1および第2作業区域間を動き得る第2状態との間を回転出来るようにしたことを特徴とするリソグラフィ投影装置。
  7. 請求項6に記載された装置において、回転可能障壁にショックアブソーバがさらに備えられていることを特徴とするリソグラフィ投影装置。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載された装置であって、更に、各々前記第2および第3物体テーブルのどちらかに選択的に結合可能な第1および第2駆動手段を含み、前記第1駆動手段が物体テーブルを前記第1作業区域および中継区域に位置決めでき、前記第2駆動手段が物体テーブルを前記第2作業区域および前記中継区域に位置決めできることを特徴とするリソグラフィ投影装置。
  9. 請求項8に記載された装置に於いて、第1および第2駆動手段の各々が前記第2および第3物体テーブルのどちらかと係合するための解放可能結合手段を含み、前記解放可能結合手段が前記物体テーブルの一つへの係合を維持するフェールセーフ状態を有することを特徴とするリソグラフィ投影装置。
  10. 請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載された装置において、更に、前記第1作業区域で前記第2および第3物体テーブルに基板を積卸しするための基板装填手段を含み、前記第2作業区域で上記物体テーブルに一つに設けた基板の目標部分上にこのパターン化したビームを結像するために前記投影システムを配設したことを特徴とするリソグラフィ投影装置。
  11. リソグラフィ投影装置において、
    放射線の投影ビームを供給するための照明システムと、
    各々所望のパターンに従って投影ビームをパターニングすることが出来るパターニング手段を保持するための第1および第2可動物体テーブルであって、少なくとも第1および第2作業区域を含む共通の運動範囲に亘って動き得る第1および第2可動物体テーブルと、
    基板を保持するための第3可動物体テーブルと、
    パターン化したビームを基板の目標部分上に結像するための投影システムと、
    前記第1および第2物体テーブルを動かすためのテーブル位置決め手段とを含み、
    前記第1と第2の物体テーブル間の衝突を避けるために前記第1および第2物体テーブルの少なくとも一つの運動を物理的に制限する衝突防止手段を含み、前記衝突防止手段が、前記第1および第2物体テーブルの少なくとも一つの周りに取付けたエネルギーを吸収するためのショックアブソーバを含み、
    前記第1および第2作業区域間に二つの異なる経路を形成する迷路を含み、前記迷路が第1および第2側壁並びに前記側壁間に配置された支柱を含み、それにより前記異なる経路が前記支柱と前記側壁の間に出来ており、前記支柱にショックアブソーバがさらに備えられていることを特徴とするリソグラフィ投影装置。
  12. リソグラフィ投影装置であって、
    放射線の投影ビームを供給するための照明システムと、
    所望のパターンに従って投影ビームをパターニングすることが出来るパターニング手段を保持するための第1物体テーブルと、
    各々基板を保持するための第2および第3可動物体テーブルであって、少なくとも第1および第2作業区域を含む共通の運動範囲に亘って動き得る第2および第3可動物体テーブルと、
    パターン化したビームを基板の目標部分上に結像するための投影システムと、
    前記第2および第3物体テーブルを動かすためのテーブル位置決め手段とを含むリソグラフィ投影装置を使うデバイスの製造方法において、該方法が、
    照明システムを使って放射線の投影ビームを用意する工程と、
    投影ビームにその断面にパターンを与えるためにこのパターニング手段を使う工程と、
    前記第2物体テーブルを前記第1作業区域内に、および前記第3物体テーブルを前記第2作業区域内に位置決めする工程と、
    放射線感応層を有する第1基板を前記第1作業区域における前記第2物体テーブルに設ける工程と、
    前記第2および第3物体テーブルを前記第1および第2作業区域間で交換する工程と、
    放射線のパターン化したビームを前記第2物体テーブルに設けた前記第1基板の放射線感応材料の層の目標部分上に投影する工程と、
    放射線感応層を有する第2基板を前記第1作業区域における前記第3物体テーブルに設ける工程と、
    前記第2および第3物体テーブルを前記第1および第2作業区域間で再び交換する工程とを含み、
    前記第2および第3物体テーブルを交換する前記工程中、前記第2および第3物体テーブルの少なくとも一つの運動を物理的に制限する衝突防止手段が前記第2および第3物体テーブル間の衝突防止をもたらし、前記衝突防止手段が、前記第2および第3物体テーブルの少なくとも一つの周りに取付けたエネルギーを吸収するためのショックアブソーバを含み、
    前記第1および第2作業区域間に二つの異なる経路を形成する迷路を含み、前記迷路が第1および第2側壁並びに前記側壁間に配置された支柱を含み、それにより前記異なる経路が前記支柱と前記側壁の間に出来ており、前記支柱にショックアブソーバがさらに備えられていることを特徴とするデバイスの製造方法。
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