JP2000092889A - テーブル位置決め装置および該テーブル位置決め装置を用いた半導体露光装置 - Google Patents

テーブル位置決め装置および該テーブル位置決め装置を用いた半導体露光装置

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JP2000092889A
JP2000092889A JP10276632A JP27663298A JP2000092889A JP 2000092889 A JP2000092889 A JP 2000092889A JP 10276632 A JP10276632 A JP 10276632A JP 27663298 A JP27663298 A JP 27663298A JP 2000092889 A JP2000092889 A JP 2000092889A
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coil
positioning
drive
driving
coils
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Keiji Emoto
圭司 江本
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体露光装置等に用いられるテーブル位置
決め装置において、駆動系が制御不能になった場合に駆
動装置の駆動部を滑らかに減速させることにより、駆動
部の各取り付け部への悪影響を解消できかつ信頼性の高
いテーブル位置決め装置を提供する。 【解決手段】 テーブル8の位置に応じて通電する各コ
イル17Cを選択的に切り替えることによりテーブル8
を直線的に駆動し位置決めする多相型のリニアモータ1
7において、各コイル17Cへの通電回路にコイル駆動
スイッチ36を配置し、テーブル8の駆動制御になんら
かの異常が検知された際に、コイルコントローラ35を
介してコイル駆動スイッチ36を切り替え制御して、各
コイル17Cの端子両端を短絡させて電気的に閉じ、移
動するテーブル8をコイル17Cの誘導起電力の作用に
より滑らかに減速させ停止させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体露光装置や
形状計測装置のXYテーブルあるいは高精度加工機の精
密位置決め装置等に使用されるテーブル位置決め装置、
特に、リニアモータ駆動方式を利用したテーブル位置決
め装置、およびこのテーブル位置決め装置を用いた半導
体露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のテーブル位置決め装置は、図7に
概略的に図示する構成を備えており、この種のテーブル
位置決め装置においては、コイル支持台11上に多相の
コイルを一直線上に並べたコイル17Cが支持され、こ
れらのコイルの並ぶ方向と平行に一対のガイド13が設
けられている。このガイド13には、位置決めテーブル
8が静圧軸受10を介して取り付けられ、位置決めテー
ブル8は、ガイド13に沿って前記コイルの並ぶ方向に
移動自在に案内される。静圧軸受10を使用した位置決
めテーブルでは、静圧軸受の隙間を所定の値(数μm)
に保つために与圧磁石21を配置し、ガイド(磁性材)
を吸収して与圧を与えている。位置決めテーブル8には
可動磁石17Mが取り付けられ、可動磁石17Mは前記
コイルの並ぶ方向に永久磁石を極性を交互にして4対並
べて構成されている。これらの可動磁石17Mとコイル
17Cは、多相型リニアモータ(17)を構成し、可動
磁石型として位置決めテーブル8をコイルの並ぶ方向に
駆動する。
【0003】また、駆動部の位置を検出するため、リニ
アスケールなどの位置検出器を有するが、特に、高精度
な位置決め精度が必要な半導体露光装置などでは、位置
検出器としてレーザ干渉計15が使用される。位置決め
テーブル8にはレーザ干渉計15に対向するようにミラ
ー16が設けられており、レーザ干渉計15で位置検出
できるように構成されている。レーザ干渉計15からは
テーブルの移動方向に応じて、アップ、ダウン(インク
リメンタル)信号が出力され、これを演算器37内でカ
ウントすることによってテーブルの位置情報が得られ
る。
【0004】可動磁石17Mとコイル17Cからなる多
相型リニアモータは、位置決めテーブル8の位置に応じ
て通電すべきコイル相を選択的に切り替えていくことに
より位置決めテーブルを駆動する形式であり、相切り替
えコントローラ32は、演算器37を介して、レーザ干
渉計15から得られる位置決めテーブル8の位置情報に
応じて相切り替えスイッチ33を切り替え制御するよう
に構成されており、相切り替えスイッチ33は、相切り
替えコントローラ32から出力されるコイル選択信号に
より切り替え制御され、各相切り替えスイッチ33ごと
にコイル相が電流アンプ34を介して接続されている。
また、サーボコントローラ38は、テーブルの目標位置
と演算器37から得られる現在位置との差分を例えばP
ID演算して制御出力を得、これをD/Aコンバータ3
1へ指令値として出力し位置決め制御を行なう。D/A
コンバータ31の出力は、相切り替えコントローラ32
により切り替え制御される相切り替えスイッチ33を介
して所望の電流アンプ34からコイル17Cへ供給さ
れ、通電が行なわれる。
【0005】この種の多相型リニアモータを備えたテー
ブル位置決め装置におけるコイル17Cへの通電パター
ンを図8に示す。なお、図8において、記号AおよびB
は各コイルに流れる電流の向きを示し、記号Bは図面正
面から見て手前向きの電流を示し、記号Aはその逆向き
に流れる電流の向きを示している。図8のケース0〜ケ
ース9に示すように、コイル17Cと可動磁石17Mと
の位置関係によって通電するコイルおよびそのコイルに
流れる電流の向きを切り替え、同一方向に推力を発生さ
せることで、可動磁石17Mを所定の方向に移動させる
とともにテーブルを移動させている。すなわち、可動磁
石を移動させる際にレーザ干渉計から得られた位置情報
を基に、図8に示すような可動磁石とコイルの位置関係
に応じて、相切り替えコントローラ32から出力される
コイル選択信号により、相切り替えスイッチ33を適切
に切り替え制御し、各相切り替えスイッチ33ごとに電
流アンプ34を介して接続されているコイル相の各コイ
ルへの通電が行なわれる。また、電流アンプ34では、
可動磁石17Mとコイル17Cとの相対速度によってコ
イル端子両端に生じる誘導起電圧の影響を受けて電流が
変化しないようにフィードバック制御されており、誘導
起電力による駆動負荷がかからないような構成にしてあ
る。
【0006】また、位置決めを行なっている際になんら
かの原因で駆動制御が不能となり暴走が生じた場合、す
なわち、位置決め対象の位置偏差やD/Aコンバータ3
1の出力あるいはレーザ干渉計15のエラー検出等によ
りCPU内で暴走を判断した場合には、リニアモータの
駆動を停止するように構成されているが、前述した静圧
軸受10の効果により駆動部の摩擦はほとんど存在しな
いために駆動部全体はガイド13の端まで減速すること
なく移動し、ガイド13の両端に設置されているショッ
クアブソーバ51にぶつかり一気に減速し停止するよう
に構成されている。このような暴走は、例えば制御系の
ゲイン調整等を行なう際に頻繁に起こりうることであ
り、ショックアブソーバへの突き当たりによる急激な減
速によりミラー16の取り付けのずれ等が心配されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来技術にお
いては、制御不能となった場合、ガイド13の両端に設
置されているショックアブソーバ51を介して駆動部を
減速させ停止させているものの、質量が20〜40kg
で300〜500mm/sの速度をもって移動している
駆動部が、10mm程度のストロークで一気に減速する
ため、最大10g(g:重力加速度9.8m/s2 )以
上の慣性力が働くことになる。これにより、減速時には
駆動部全体の取り付け部分に非常に大きな力が働き、各
取り付け部分への悪影響が心配されている。特に、ミラ
ー16の取り付けに際しては、ミラーの変形による測長
精度の低下を抑えるためにその取り付け力を極力小さく
しているため、外力によって取り付けがずれやすい構成
になっている。また、精密位置決め装置等においては、
構造体の変形や取り付けずれは致命的であり、特に光測
長器を用いて位置検出する際はミラーの取り付けがずれ
ると全く位置計測ができなくなり、駆動制御が不可能に
なる。そこで、以上のような問題点を解決すべく、駆動
部を緩やかに減速するようにショックアブソーバのスト
ロークを長くし粘性係数を小さくしようとする試みもあ
るが、これでは駆動部の使用可能なストロークが小さく
なるなどの新たな問題が生じる。
【0008】また、駆動部とショックアブソーバとの接
触面積が小さいため、暴走により互いに当接する際に、
駆動部に応力集中を招くこととなり、構造体の変形も心
配されている。さらに、駆動部が制御不能となった場合
は、一般に駆動部の位置や速度等の情報を得ることが難
しいことから、ショックアブソーバに突き当たる前に減
速させるために適切な力を駆動部に与えることは困難で
ある。
【0009】そこで、本発明は、上記の従来技術の有す
る未解決の課題に鑑みてなされたものであって、テーブ
ル位置決め装置において、駆動系が制御不能になった場
合に駆動装置の駆動部を滑らかに減速させることによ
り、駆動部にかかる大きな慣性力による各取り付け部へ
の影響を解消できかつ信頼性の高いテーブル位置決め装
置、および該テーブル位置決め装置を用いる半導体露光
装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のテーブル位置決め装置は、極性が交互に異
なる複数の磁界を生じさせる磁極とこの磁極に対向させ
て配置した複数のコイルとを有し、前記磁極とコイルと
の位置関係に応じて通電するコイルを選択的に切り替え
ることにより直線的に駆動する多相型のリニアモータ、
および該リニアモータにより駆動され位置決めされるテ
ーブルを備えたテーブル位置決め装置において、前記テ
ーブルの駆動および位置決めになんらかの異常を検知し
た際に前記コイルの端子両端を短絡させ電気的に閉じる
ことにより前記テーブルを減速させ停止させる制御手段
を有することを特徴とする。
【0011】本発明のテーブル位置決め装置において
は、制御手段によるテーブルの駆動および位置決めの異
常の検知は、目標位置と現在位置との偏差、D/Aコン
バータの出力、または位置測定手段のエラーを基に判断
することが好ましい。
【0012】本発明のテーブル位置決め装置において
は、制御手段は、テーブルの駆動および位置決めになん
らかの異常を検知した際に、コイルへの通電回路に配置
したコイル駆動スイッチをコイルの端子両端を短絡させ
るように切り替えるコイルコントローラを有することが
好ましい。
【0013】また、本発明の半導体露光装置は、請求項
1ないし3のいずれか1項記載のテーブル位置決め装置
を用いることを特徴とする。
【0014】
【作用】本発明のテーブル位置決め装置によれば、位置
決めテーブルの駆動および位置決めになんらかの異常が
検知された際にコイルの端子両端を短絡させ電気的に閉
じることによりテーブルを減速させ停止させる制御手段
を付加することにより、暴走時におけるテーブルの急激
な減速によってミラーなどの精密取り付け部分に与える
悪影響を解消し、また、減速させる際に駆動部に加わる
局所的な力による駆動部の変形も軽減する。しかも、従
来の構成を大幅に変えることなく実現できるためコスト
的にも非常に優れている。これにより、暴走時の減速時
の衝撃による駆動装置への悪影響が緩和され、従来例と
比べて装置全体の信頼性向上を図ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。
【0016】(実施例1)図1は、本発明に係るテーブ
ル位置決め装置の一実施例の概略構成図であり、図示す
るテーブル位置決め装置において、従来技術として説明
した図7および図8に図示する装置を構成する部材と同
一部材には同一符号を付して説明する。
【0017】コイル支持台11上に多相のコイルを一直
線上に並べたコイル17Cが支持され、これらのコイル
の並ぶ方向と平行に一対のガイド13が設けられてい
る。このガイド13には、位置決めテーブル8が静圧軸
受10を介して取り付けられており、位置決めテーブル
8は、ガイド13に沿って前記コイルの並ぶ方向に移動
自在に案内される。静圧軸受10を使用した位置決めテ
ーブルでは、静圧軸受の隙間を所定の値(数μm)に保
つために与圧磁石21を配置してある。位置決めテーブ
ル8には可動磁石17Mが取り付けられ、可動磁石17
Mは前記コイルの並ぶ方向に永久磁石を極性を交互にし
て4対並べて構成され、これらの可動磁石17Mとコイ
ル17Cは、リニアモータ17を構成し、可動磁石型と
して位置決めテーブル8をコイルの並ぶ方向に駆動す
る。
【0018】また、駆動部の位置を検出するために、特
に、高精度な位置決め精度が必要な半導体露光装置など
では、レーザ干渉計15が使用される。位置決めテーブ
ル8にはミラー16が設けられており、レーザ干渉計1
5により位置検出できるように構成されている。レーザ
干渉計15からはテーブルの移動方向に応じて、アッ
プ、ダウン信号が出力され、これを演算器37に取り込
んでカウントすることによってテーブルの位置情報が得
られる。この位置情報に基づいて相切り替えコントロー
ラ32は図8に図示する通電パターンのようにコイル1
7Cへ通電する。
【0019】可動磁石17Mとコイル17Cからなる多
相型リニアモータは、位置決めテーブル8の位置に応じ
て通電すべきコイル相を選択的に切り替えていくことに
より位置決めテーブルを駆動する形式であり、相切り替
えコントローラ32は、演算器37を介して、レーザ干
渉計15からの位置決めテーブル8の位置情報に応じて
相切り替えスイッチ33を切り替え制御し、相切り替え
スイッチ33は、相切り替えコントローラ32から出力
されるコイル選択信号により切り替え制御され、各相切
り替えスイッチ33ごとにコイル相が電流アンプ34を
介して接続されている。また、サーボコントローラ38
は、テーブルの目標位置と演算器37から得られる現在
位置との差分を例えばPID演算して制御出力を得、こ
れをD/Aコンバータ31へ指令値として出力し位置決
め制御を行なう。D/Aコンバータ31の出力は、相切
り替えコントローラ32により切り替え制御される相切
り替えスイッチ33、電流アンプ34および後述するコ
イル駆動スイッチ36を介してコイル17Cへ供給さ
れ、各コイルへの通電が行なわれる。
【0020】多相型リニアモータを備えたテーブル位置
決め装置におけるコイル17Cへの通電パターンは、レ
ーザ干渉計15により得られる位置情報に基づいて相切
り替えコントローラ32から出力されるコイル選択信号
により、相切り替えスイッチ33を適切に切り替え制御
することにより、図8に図示するように行なわれる。す
なわち、可動磁石17Mを移動させる際にレーザ干渉計
15から得られた位置情報を基に、図8に示すような可
動磁石17Mとコイル17Cの位置関係に応じて、相切
り替えコントローラ32から出力されるコイル選択信号
により、相切り替えスイッチ33を適切に切り替え制御
し、各相切り替えスイッチ33ごとに電流アンプ34を
介して接続されているコイル相の各コイルへの通電が行
なわれる。また、電流アンプ34では、可動磁石17M
とコイル17Cとの相対速度によってコイル端子両端に
生じる誘導起電圧の影響を受けて電流が変化しないよう
にフィードバック制御されており、誘導起電力による駆
動負荷がかからないような構成にしてある。
【0021】駆動部が制御不能となったときに駆動部を
停止させるために各ガイド13の両端部にはショックア
ブソーバ51が設置されており、駆動部の持つ運動エネ
ルギーを吸収して駆動部を停止させるようになってい
る。
【0022】そして、本実施例においては、目標位置と
現在位置との偏差が過度に大きくなっていないか、D/
Aコンバータ31の出力がある一定時間以上過度の大き
さになっていないか、さらに、レーザ干渉計15からの
測定エラーが出ていないか等をCPU内で常に監視し、
目標位置と現在位置との偏差やD/Aコンバータの出力
が過度の大きくなっていることが検出された場合、ある
いは位置測定手段の測定エラーが検出された場合には、
駆動部の制御が不能となり暴走と判断して、駆動部を減
速させ停止させるように制御する制御手段を備えてお
り、この制御手段はコイルコントローラ35を作動させ
るように構成されている。CPU内のコイルコントロー
ラ35は、全ての電流アンプ34とコイル17Cとの間
に挿入配置されるコイル駆動スイッチ36を切り替える
ように構成されており、各コイル駆動スイッチ36は、
図2の(a)に図示するように、コイル17Cの端子を
アース39に接続する端子(1)とコイル17Cを電流
アンプ34に接続する端子(2)とを備え、駆動部の暴
走が検知された際にコイルコントローラ35からの信号
により、端子(2)から端子(1)へ切り替えられる。
すなわち、コイル17Cの一方の端子はコイル駆動スイ
ッチ36に接続され、他方の端子はアース39側に接続
されており、通常時には、コイルコントローラ35は、
コイル駆動スイッチ36に電流アンプ34側の端子
(2)を選択するよう指令信号を送っており、コイル1
7Cの一方の端子はコイル駆動スイッチ36の端子
(2)を介して電流アンプ34に接続されている。そし
て、駆動系等に異常が検出された際に、コイルコントロ
ーラ35は、コイル駆動スイッチ36を端子(2)から
アース39側に接続されている端子(1)に切り替える
指令信号を出す。その結果、コイル17Cの一方の端子
はコイル駆動スイッチ36の端子(1)を介してアース
39側に切り替えられ、コイル17Cの両端子を短絡さ
せる。
【0023】なお、コイルの抵抗が小さいなどで過度の
電流が流れる可能性があるときは図2の(b)のように
適当な値の抵抗器40を通してアース39につながるよ
う構成するとよい。
【0024】次に、前記制御手段の処理フローを、図3
に図示する駆動部が制御不能(暴走)となったときの処
理フローチャートに沿って、説明する。
【0025】ステップS1:CPU内で常に目標位置と
現在位置との偏差が過度に大きくなっていないか、D/
Aコンバータ31の出力がある一定時間以上過度の大き
さになっていないか、あるいはレーザ干渉計15からの
測定エラーが出ていないか等を監視し、目標位置と現在
位置との偏差やD/Aコンバータの出力が過度の大きく
なっていることが検出された場合、あるいは位置測定手
段の測定エラーが検出された場合に、暴走したとみな
す。
【0026】ステップS2:暴走が検知されると、コイ
ルコントローラ35を作動させ、全てのコイル駆動スイ
ッチ36を切り替え、コイル17Cの一方の端子を電流
アンプ34からアース39側に切り替える。すなわち、
前記のような異常が検知されたときに、コイル駆動スイ
ッチ36は、コイルコントローラ35の切り替え指令信
号により、図2の(a)または(b)に示すように、通
常時の端子(2)からアース39側に接続する端子
(1)に切り替えられる。これにより、各コイル17C
は両端子が短絡して電気的に閉じた状態となる。
【0027】ステップS3:各コイル17Cが電気的に
閉じた状態のリニアモータにおいて、駆動部が移動して
いるときは、常にいずれかのコイル17C近傍の磁界を
変化させるため、誘導起電力の働きにより移動方向逆向
きで速度に比例した力が働く。このとき、比例定数つま
り駆動部に働く粘性力は、コイルの巻き数、抵抗などに
よって決まる値である。
【0028】ステップS4:駆動部は、コイルの誘導起
電力の作用により、減速され滑らかに停止される。
【0029】図4の(a)および(b)は、従来例およ
び本発明を適用した場合における速度および加速度の絶
対値をそれぞれ模式的に示したものであり、横軸は、い
ずれも異常が発生した時点つまり制御が不能となった時
点を基準とした時間を示しており、縦軸は、それぞれ速
度と加速度の絶対値を表している。
【0030】従来例においては、制御が不能となってか
らガイド端のショックアブソーバ51に突き当たるまで
力はいっさい働かず、しかも摩擦がほとんどないので、
駆動部は、図4の(a)に破線で示すように、減速せず
一定速でショックアブソーバ51に突き当たる(当接す
る)まで移動し、ショックアブソーバ51に当接した後
に速度は急激に減少していく。このとき駆動部に働く加
速度は、図4の(b)に破線で示すように、ショックア
ブソーバ51に当接した瞬間に非常に大きな加速度が働
き、その後も加速度が急激に減少していくが全体的に大
きな値となっている。
【0031】一方、本発明を適用した場合においては、
制御不能となるとCPUの制御手段が異常を検知し各コ
イル17Cの両端を短絡させ、その瞬間からコイル17
Cの誘導起電力によって、速度に比例して緩やかな力が
働き、速度は、図4の(a)に実線で示すように、従来
例に比べて緩やかに減少させることが可能となる。異常
が発生した地点から進行方向側ガイド13の端までのス
トロークが十分長いときにはショックアブソーバ51に
突き当たる前にほぼ停止するし、また、ストロークがあ
る程度短いときにもかなり減速した状態で突き当たり、
その後ショックアブソーバ51の働きでガイド端までに
停止する。そのときの加速度については、図4の(b)
に実線で示すように、コイル17Cを短絡させた瞬間に
最も大きな加速度が生じるが、従来例に比べると非常に
小さなものにすることができる。そのため、駆動部に働
く慣性力は従来例に比べて非常に小さなものにすること
ができ、ミラー16などの取り付け部への悪影響を防ぐ
ことが可能となる。
【0032】また、ショックアブソーバ51と駆動部と
の接触面積は小さいため駆動部の速度が大きいまま当接
すると、その接触点は非常に大きな力が働くので、駆動
部に働く応力集中による影響で構造体の変形が心配され
る。しかし、本発明によればほとんどの場合に駆動部は
ショックアブソーバ51に当接する前に十分減速されて
いるので、これらの悪影響はほとんどなくなる。特にス
トロークの長い多相型のリニアモータにおいては、ガイ
ド13両端のショックアブソーバ51に当接する前に十
分減速されている可能性が高いため、本発明は非常に有
効である。
【0033】(実施例2)次に、本発明に係るテーブル
位置決め装置を適用した半導体露光装置の実施例につい
て説明する。
【0034】図5は、本発明のテーブル位置決め装置を
適用した半導体露光装置を示し、同図(a)は、基板と
して例えば半導体ウエハを載置するステージと投影レン
ズを保持する構造体を有する半導体露光装置の正面図で
あり、同図(b)は、基板を載置するステージの平面図
である。
【0035】図5において、1は転写すべきパターンを
有するレチクル2を照明する照明部、3はレチクル2の
パターンをウエハ7上に投影する投影レンズ、4は投影
レンズ3を保持する鏡筒支持体、5は鏡筒支持体4を支
持するエアマウント、6はエアマウント5とステージ用
マウント14との相対位置関係を位置決めして、これら
のマウントを載置する位置決め定盤である。なお、ステ
ージ用マウント14としてアクティブマウントを用いて
いる。
【0036】8はX方向(図5の(a)紙面左右方向)
に移動可能でウエハ7を載置するXステージであり、ま
た、9はY方向(図5の(a)紙面垂直方向)に移動可
能なYステージである。Xステージ8の底面は静圧パッ
ド10aによってステージベース12を基準に、側面は
静圧パッド(不図示)によってYステージ9を基準に非
接触に案内される。また、Yステージ9の底面も同様に
静圧パッドによってステージベース12を基準に、側面
は静圧パッド10bによってヨークガイド13を基準に
非接触に案内される。これらのXステージ8とYステー
ジ9によりXYステージを構成しており、ウエハ7をX
Y方向に任意に移動させることができる。
【0037】17MはX磁石であり、X方向可動体であ
るXステージ8に支持されており、17CはXコイルで
あり、Yステージ9に支持されている。これらのX磁石
17MとXコイル17Cは、Xリニアモータ17を構成
しており、可動磁石型としてXステージ8をX方向に駆
動する。同様に18M、19MはY磁石であって、Y方
向可動体であるYステージ9によって連結板20a、2
0bを介して支持される。また、18C、19CはYコ
イルであり、コイル支持台11を介してステージベース
12に支持されている。Y磁石18M、19Mと、Yコ
イル18C、19Cは、Yリニアモータ18、19をそ
れぞれ構成しており、同じく可動磁石型としてYステー
ジ9を介してXステージ8をY方向に駆動する。
【0038】15xは、投影レンズとXYステージとの
相対位置を計測するためのXレーザ干渉計であり、16
xはX反射ミラーである。同様にYレーザ干渉計(15
y)、Y反射ミラー(16y)も設けられているが、図
5には図示されていない。
【0039】51(51x、51y)は、レーザ干渉計
15(15x、15y)の計測光路が遮られたり、駆動
制御の調整がうまくいっていない等の理由により制御不
能となり駆動部が暴走したときに駆動部を停止させるた
めに、駆動部の移動範囲の両端部に設けられたショック
アブソーバであって、51xはXステージ8のX方向の
移動範囲の両端部(例えば、Yステージ9の連結板20
a、20b)に設けられたショックアブソーバであり、
51yはYステージ9のY方向の移動範囲の両端部(例
えば、ステージベース12の両端部)に設けられたショ
ックアブソーバである。
【0040】次に、リニアモータ17、18、19の駆
動制御部の構成を図6に示す。Xリニアモータ17は、
例えば4相のコイル17CをX方向に一直線上に並べた
構成を有し、Xステージの位置に応じて通電すべきコイ
ル相を選択的に切り替えていくことにより駆動する。X
レーザ干渉計15xには、演算器37xを介して、サー
ボコントローラ38xが接続されており、Xステージの
目標位置とXレーザ干渉計15xから得られる現在位置
との差分を例えばPID演算し、D/Aコンバータ31
xへ出力する。32xは相切り替えコントローラであ
り、Xレーザ干渉計15xからのXYステージの位置信
号に応じて、相切り替えスイッチ33xを切り替え制御
するものであり、各相切り替えスイッチ33xごとには
コイル17Cが電流アンプ34xおよびコイル駆動スイ
ッチ36xを介して接続されており、相切り替えコント
ローラ32xから出力されるコイル選択信号により、相
切り替えスイッチ33xが切り替え制御されて各コイル
への通電が行なわれる。
【0041】また、Yリニアモータ18および19も同
様に、例えば4相のコイル18C、19CをY方向に一
直線上に並べた構成を有し、Yステージの位置に応じて
通電すべきコイル相を選択的に切り替えていくことによ
り駆動する。Yレーザ干渉計15yには、演算器37y
を介して、サーボコントローラ38yが接続されてお
り、XYステージの目標位置とYレーザ干渉計15yか
ら得られる現在位置との差分を例えばPID演算し、D
/Aコンバータ31y、31yへ出力する。相切り替え
コントローラ32yは、Yレーザ干渉計15yからのY
ステージの位置信号に応じて、相切り替えスイッチ33
y、33yを切り替え制御するものであり、各相切り替
えスイッチ33yごとにはコイル18C、19Cが電流
アンプ34yおよびコイル駆動スイッチ36yを介して
接続されており、相切り替えコントローラ32yから出
力されるコイル選択信号により、相切り替えスイッチ3
3y、33yが切り替え制御されて各コイルへの通電が
行なわれる。
【0042】そして、コイル駆動スイッチ36(36x
および36y)は、暴走が検知される際にコイルコント
ローラ35からの信号により、コイル17C、18C、
19Cの端子を電流アンプ34x、34y側からコイル
のアース39側に切り替えるように構成されている。コ
イルコントローラ35は、通常はコイル駆動スイッチ3
6(36x、36y)に電流アンプ34(34x、34
y)を選択するよう指令信号を送っているが、駆動系に
異常を検出した際には、コイル駆動スイッチ36(36
x、36y)をアース39側に切り替えるよう指令信号
を出す。
【0043】以上のような構成により、実施例1と同様
に、駆動系の暴走時に、制御手段によりこれを検知し、
コイルコントローラ35を作動させ、全てのコイル駆動
スイッチ36(36x、36y)を切り替え、各コイル
17C、18C、19Cの両端子を短絡させる。これに
より、実施例1において説明したように、誘導起電力に
より駆動部に負荷を発生させて駆動部を滑らかに停止さ
せることができ、従来例に比べて非常に小さな加速度を
もって減速することができ、ミラー16(16x、16
y)等の取り付け部に慣性力による悪影響を取り除くこ
とができる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
暴走時における急激な減速によってミラーなどの精密取
り付け部分に与える悪影響を解消することができ、ま
た、減速させる際に駆動部に加わる局所的な力による駆
動部の変形も軽減される。しかも、従来の構成を大幅に
変えることなく実現できるためコスト的にも非常に優れ
ている。これにより、暴走時の減速時の衝撃による駆動
装置への悪影響が緩和され、従来例と比べて装置全体の
信頼性向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るテーブル位置決め装置の一実施例
の概略構成図である。
【図2】(a)は本発明に係るテーブル位置決め装置の
一実施例におけるコイルコントローラにより切り替え制
御されるコイル駆動スイッチの構成を示す概略構成図で
あり、(b)はコイル駆動スイッチの他の構成を示す概
略構成図である。
【図3】本発明に係るテーブル位置決め装置の一実施例
における制御手段による駆動部の制御不能時の処理フロ
ーチャートである。
【図4】(a)および(b)は、従来例および本発明を
適用した場合における速度および加速度の絶対値をそれ
ぞれ模式的に図示する図表である。
【図5】本発明に係るテーブル位置決め装置を適用した
半導体露光装置を示し、(a)は、基板を載置するステ
ージと投影レンズを保持する構造体を有する半導体露光
装置の正面図であり、(b)は、基板を載置するステー
ジの平面図である。
【図6】図5に図示する半導体露光装置におけるリニア
モータの駆動制御部の概略構成図である。
【図7】従来のテーブル位置決め装置の概略構成図であ
る。
【図8】テーブル位置決め装置における多相型リニアモ
ータのコイルへの通電パターンの一例を図示する概略図
である。
【符号の説明】
1 照明部 2 レチクル 3 投影レンズ 7 基板(ウエハ) 8 位置決めテーブル(Xステージ) 9 Yステージ 10 静圧軸受(静圧パッド) 11 コイル支持台 12 ステージベース 13 ガイド 15(15x、15y) レーザ干渉計 16 (16x、16y) 反射ミラー 17(18、19) リニアモータ 17C(18C、19C) コイル 17M(18M、19M) 可動磁石 31(31x、31y) D/Aコンバータ 32(32x、32y) 相切り替えコントローラ 33(33x、33y) 相切り替えスイッチ 34(34x、34y) 電流アンプ 35 コイルコントローラ 36(36x、36y) コイル駆動スイッチ 37(37x、37y) 演算器 38(38x、38y) サーボコントローラ 51(51x、51y) ショックアブソーバ
フロントページの続き Fターム(参考) 5F031 KA08 LA08 MA27 5F046 BA03 CC02 CC03 CC16 CC18 DA07 5H303 AA06 BB01 BB06 BB11 CC06 DD04 JJ02 KK01 LL03 5H540 AA10 BA10 BB01 BB09 DD03 EE02 GG04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 極性が交互に異なる複数の磁界を生じさ
    せる磁極とこの磁極に対向させて配置した複数のコイル
    とを有し、前記磁極とコイルとの位置関係に応じて通電
    するコイルを選択的に切り替えることにより直線的に駆
    動する多相型のリニアモータおよび該リニアモータによ
    り駆動され位置決めされるテーブルを備えたテーブル位
    置決め装置において、前記テーブルの駆動および位置決
    めになんらかの異常を検知した際に前記コイルの端子両
    端を短絡させ電気的に閉じることにより前記テーブルを
    減速させ停止させる制御手段を有することを特徴とする
    テーブル位置決め装置。
  2. 【請求項2】 制御手段によるテーブルの駆動および位
    置決めの異常の検知は、目標位置と現在位置との偏差、
    D/Aコンバータの出力、または位置測定手段のエラー
    を基に判断することを特徴とする請求項1記載のテーブ
    ル位置決め装置。
  3. 【請求項3】 制御手段は、テーブルの駆動および位置
    決めになんらかの異常を検知した際に、コイルへの通電
    回路に配置したコイル駆動スイッチをコイルの端子両端
    を短絡させるように切り替えるコイルコントローラを有
    することを特徴とする請求項1または2記載のテーブル
    位置決め装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項記載の
    テーブル位置決め装置を用いることを特徴とする半導体
    露光装置。
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JP2006319366A (ja) * 1999-12-21 2006-11-24 Asm Lithography Bv リソグラフィ投影装置およびそれを使用したデバイスの製造方法

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