JP3947652B2 - リソグラフィ投影装置に用いられる位置決め装置 - Google Patents

リソグラフィ投影装置に用いられる位置決め装置 Download PDF

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Description

【発明の属する技術分野】
【0001】
本発明は、3自由度で可動対物テーブルを位置決めするのに使用しうる位置決め装置に関する。特に本発明は、
照射ビームを発する照射システムと、
マスクを保持する第1対物テーブルと、
基板を保持する第2可動対物テーブルと、
マスクの照射部分を基板の目標部分に造影するシステムと、
を有するリソグラフィ投影装置に用いられ位置決めシステムに関する。
【0002】
【従来技術】
簡単のために、投影システムは、以下の説明で“レンズ”と称することにするが、このレンズなる用語は、広義に解釈し、屈折光学素子、反射光学素子、反射屈折光学系、電荷粒子光学素子などを含む種々の投影システムを考慮し得るものである。照射システムも又、照射ビームを指向し、整形しおよび制御する種々の原理のいずれかに従い動作する素子を含んで良く、さらに、第1と第2の対物テーブルは、“マスクテーブル”および“基板テーブル”とそれぞれ称しても良い。
【0003】
リソグラフィ投影装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用し得る。このような場合、マスク(レチクル)は、ICの各層に対応する回路パターン含むことができ、かつこのパターンは、放射線感知性材料層(レジスト)で被覆された基板(シリコンウェファ)上の目標部分(一つ以上のダイを含む)に投影可能である。一般に、一つの基板には、一回に一度で数回にわたり順次マスクを介して照射された各目標部分の全ネットワークを含む。リソグラフィ投影装置のある形式のものは、一気に各目標部分に全マスクパターンを露光させることにより目標部分が照射される。このような装置は、一般にウェファステッパと称されている。一般にステップ‐アンド‐スキャン装置と称する別の装置では、所与の方向(スキャン方向)に投影ビーム下でマスクパターンを逐次スキャンしつつ同方向に平行にあるいは逆平行に基板を同時にスキャンすることにより各目標部分が照射される。一般に、投影システムは、倍率M(通常M<1)があるので、基板テーブルがスキャンされる速度Vは、マスクテーブルがスキャンされる速度のM倍となる。ここで説明されているリソグラフィ装置の詳細な情報は、PCT特許出願WO97/33205から得られる。
【0004】
一般に、この形式の装置は、一つの第1対物(マスク)テーブルと一つの第2対物(基板)テーブルとを含んでいる。しかしながら独立に可動の少なくとも二つの基板テーブルを設けた機械もある。例えば、PCT出願WO98/28665およびWO98/40791に記載の多段装置などである。このような多段装置の作動原理は、投影システムの下に第1基板テーブルがあって該テーブル上に配置した基板が露光可能の状態で、第2基板テーブルが装填位置に行き、露光済み基板を降ろして新基板をピックアップして、これに初期の度量的処理段階を施し、ついで待機して前の基板の露光が完了すると同時に投影システム下の露光位置へ新基板を送り込みできるように構成し、これを繰り返すことにより生産率を高めて、製造設備のコストの低減を図っている。
【0005】
以上の既知のリソグラフィ装置は、基板テーブルの位置決め機構の駆動ユニットが2個の線形Y−モータを有し、各Y−リニアモータは、Y−方向に平行に延在して位置決め機構のベースに固定されたステータと、ステータに沿って移動可能のアマチュア(Y−スライダ)と含む。上記ベースは、リソグラフィ装置のフレームに固定されている。駆動ユニットは、さらにX−リニアモータを有し、該X−リニアモータは、X−方向に平行に延在するステータと、このステータに沿って移動するアマチュア(X−スライダ)を有する。ステータは、各Y−リニアモータのアマチュアにそれぞれ各端付近で固定されたX−桁梁上に装着されている。よって配置構成は、H−形であり、二つのYモータが直立の柱となり、X−モータが横バーとなる。この構成をH駆動機構すなわちガントリと称される。米国特許No.4,655,594は、油圧リニアモータ使用した構成を開示しているが、電力リニアモータも使用し得るとしている。
【0006】
この場合の駆動対象は基板テーブルであるが、これには、いわゆるエアフートが設けられている。エアフートは、ガスベアリングを有し、このガスベアリングにより基板テーブルが指示されてZ−方向に直角の方向に延在するベースの案内面上を移動可能である。
このようなH−駆動機構が駆動対象のヨウ(Z−軸周りの回転)を積極的に制御できるようにするため、2個のY−リニアモータを独立の駆動し、X−ビームは通常Y−モータのアマチュアにピボット(米国特許No.4,655,594では固定継手も使用し得るとしているが)で装着される。しかしながら、この構成では、非常に高い負荷がX−桁梁とY−スライダとの間のピボットに掛かる。ピボットは、X−モータからサイドベアリングを介して周りの構造体へのスラスト反作用ばかりでなく、Y−モータの動作力を伝達する。
【0007】
この事実は、このピボットに通常使用されている弾性ヒンジにかなりの要求がかせられ、これはヨウ運動範囲が大きい場合に著しくなる。
さらにX−桁梁上のピボットがY−モータの力線と必ずしも整合せずY−スライダのサイドスラストベアリングがX−反作用力およびY−アクチュエータ力により発生するモーメントはもちろんピボットとY−力線のオフセットも吸収しなくてはならなくなる。結果としての高負荷が既知の構成では手間の掛かる高重量の設計を余儀なくされている。
【0008】
【発明が解決しようとしている課題】
本発明の目的は、従来の位置決め装置の問題を解消あるいは緩和する改良した位置決め装置を提供するもののである。
【0009】
【課題を解決する手段】
本発明によれば、放射線感光層を設けた基板上にマスクのマスクパターンを結像するリソグラフィ装置にして、このリソグラフィ装置が、
放射線投影ビームを供給する照射システムと、
マスクを保持する第1対物テーブルと、
基板を保持する第2対物テーブルと、
マスクの照射部分を前記基板の目標部分上に結像する投影システムと、
対物テーブルの少なくとも一つを一平面に位置付ける位置決めシステムと、
を有し、位置決めシステムが、
第1と第2のスライダをそれそれ担持するほぼ平行な第1と第2のサイドビームと、
各サイドビームの長手方向に第1と第2のスライダを移動させる第1と第2のモータ手段と、
それぞれ第1と第2端の近くで第1と第2のスライダに装着され、さらに第3のスライダを担持し、第1と第2のスライダとともに一平面内での並進方向と一平面に垂直な軸の周りの回転方向とにおいて剛体である本体を構成するクロスビームと、
第3のスライダに一つの対物テーブルを保持する対物ホルダを持たせてクロスビームの長手方向に第3のスライダを移動させる第3モータ手段と
を有するようになったリソグラフィ装置において、
第1のスライダに枢動可能に装着され、第1平面内で前記第1サイドビームに垂直にクロスビームと第1サイドビームとの間で力を伝達するスラスト軸受
を設けたことを特徴とするリソグラフィ投影装置が提供される。
【0010】
クロスビーム(X−桁梁)と第1と第2のY−スライダ可動対物テーブルの運動面(X−Y平面)に垂直な軸(Z−軸)の周りの回転に対して剛的に、かつ当該平面内で並進運動に剛的に取り付けるX−桁梁とY−スライダがX−Y平面において剛的な本体を構成する。これは、Y−動作力とX−反作用力をX−ビームと間で伝達可能のピボットをもうける必要がなくなる。Y−方向に何らの力を作用させずに、スライダとサイドビームとの間に装着されたスラストベアリングがX−方向(垂直方向)でサイドビームに力を伝達し、ベアリングとピボットの構造を単純化する。X−力とY−力との間に何らクロストークが生ずることなく、X−方向の力の伝達でY−軸方向に力が発生することはない。
【0011】
第1と第2の(Y−)スライダは、ビーム上に装着されたステータとスライダのアマチュアとを有するリニアモータとしても良い。Y−スライダの角度(ヨウ)位置に関係なくほぼ一定の特性を与えるように構成しても良い。たとえば、アマチュアのマグネットをヘリボンパターンで配置したり、ソフトウェアあるいはハードウェアでモータのヨウ依存特性を制御するようにする。
ヨウセンサあるいはヨウレートセンサを設けることにより損傷保護機能が得られ、またX−桁梁のヨウレートあるいはヨウが過上になるとモータへのを動力を遮断する遮断機能も有する。
【0012】
さらに本発明の別の概念によれば、リソグラフィ投影装置を使用してデバイスを製造する方法であって、このリソグラフィ投影装置は、
放射線ビームを供給する放射システムと、
マスクを保持するマスクホルダが設けられた第1の可動対物テーブルと、
基板を保持する基板ホルダが設けられた第2可動対物テーブルと、
マスクの照射部分を基板の目標部分に結像する投影システムと
を有し、この方法は、
パターンを有するマスクを第1対物テーブルに設ける段階と、
放射線感光層を設けた基板を第2対物テーブルに設ける段階と、
マスクの部分を照射し、マスクの照射部分を基板の目標部分に結像させる段階とを有する方法にして、
照射および結像段階の前にあるいはこの段階中に対物テーブルの一つを位置決めするために使用される位置決め装置が、
第1と第2のスライダをそれそれ担持するほぼ平行な第1と第2のサイドビームと、
各サイドビームの長手方向に第1と第2のスライダを移動させる第1と第2のモータ手段と、
それぞれ第1と第2端の近くで第1と第2のスライダに装着され、さらに第3のスライダを担持し、第1と第2のスライダとともに一平面内での並進方向と一平面に垂直な軸の周りの回転方向とにおいて剛体である本体を構成するクロスビームと、
第3のスライダに一つの対物テーブルを保持する対物ホルダを持たせてクロスビームの長手方向に前記第3のスライダを移動させる第3モータ手段と
を有し、さらに
位置決め装置が、第1のスライダに枢動可能に装着され、第1平面内で前記第1サイドビームに垂直にクロスビームと第1サイドビームとの間で力を伝達するスラスト軸受を有していることを特徴とする方法。
【0013】
本発明によるリソグラフィ投影装置を使用した製造方法は、マスクのパターンは、放射線感知性材料(レジスト)の層で少なくとも部分的に被覆された基板上に投影される。この投影段階の前に基板に対して、プライミング、レジスト被覆、ソフトベークなど種々の手順が踏まれる。露光後に基板は、露光後ベーク(PEB)、現像、ハードベークならびに像表現の測定および検査などのさらなる手順が踏まれる。この一連の手順は、ICなどのデバイスの各層をパターン化するための基礎となるものである。このようなパターン化された層は、エッチング、イオン注入(ドーピング)、金属被覆、酸化、化学機械研磨などの種々の手順が踏まれ、これら全てで各層が出来上がる。複数層が要される場合は、これら全手順あるいはこれに類似の手順が各層毎に繰り返して行われることになる。最終的にデバイスの配列は、基板(ウェファ)上に得られる。これら装置は、ダイシングやソウイングにより切り離して、それぞれ担体に装着されてピンなどに接続するようにする。これら手順は、1997年McGraw Hill発行の書籍、Peter van Zant著“マイクロチップ製造、半導体処理加工の実務ガイド“(ISBN0-07-067250-4)に詳細に説明されている。
【0014】
本明細書では、本発明の装置がICの製造に使用するものとして具体的に説明しているが、本発明の装置は、その他への別の応用も可能であり、集積光学素子、磁区メモリ、液晶表示パネル、薄幕磁気ヘッドなどのための案内検出パターンにも使用可能である。このような各種の応用に関して当業者であれば、“レチクル”、“ウェファ”ならびに“ダイ”なる語句が、“マスク”、“基板”ならびに“目標部分”あるいは“露光部分”と取り得ることが容易に判断し得るものである。
本明細書では、投射ならびに投影ビームは、全ての種類の電磁放射線、非限定的であるが紫外線(例えば、365、248、193、157あるいは127nmの波長を有する)、EUV、X線などの粒子線束を包含するのものとして説明する。
本発明を以下に実施例の形で図面を参照しつつ説明する。
【0015】
[発明の実施の形態]
本発明の好適実施例を添付図を参照して説明する。
実施例1
図1は、本発明によるリソグラフィ投影装置を概略的に示す図である。この装置は、
投射ビームPB(例えばUV線あるいはEUV線)を供給する投射システムLA、ILと、
マスクMA(例えばレチクル)を保持するためのマスクホルダ設けられ、このマスクを素子PLに関して正確に位置決めするための第1位置決め手段に結合された第1対物テーブルMTと、
基板W(例えばレジストを被覆されたシリコンウェファ)を保持する基板ホルダが設けられ、この基板を素子PLに関して正確に位置決めするための第2位置決め手段に結合された第2対物テーブルWTと、
マスクMAの照射部分を基板Wの目標部分Cに投影する投影システム(レンズ)PL(例えば、屈折あるいは屈折反射系、反射鏡群あるいはフィ−ルドリフレクタのアレイ)とを
有する。
ここで示している装置は、透過型のもの(すなわち透過性のマスクを有するもの)である。しかしながら、一般に反射型のものでも良い。
ここに示す例では、照射システムは、照射ビームを発する光源LA(例えば、Hgランプ、イクシマレーザ、レーザあるいは放電プラズマ源、ストレージリングあるいはシンクロトロン中の電子ビーム経路の周りに設けたアンジュレータまたは電子あるいはイオンビーム源)を含む。このビームは、ビーム整形光学素子Ex、インテグレータINならびに集光器COなどの照射システムILに含まれる種々の光学素子をこれらに沿って通過する。これによって得られるビームBLは、所望の形で所望の強度分布が得られる。
【0016】
ビームPBは、マスクテーブルMT上のマスクホルダに保持されているマスクMAを横切る。マスクMAを通過後、ビームPBは、レンズPLを通過し、これによりこれによりビームPBは、基板Wの所望の部分Cに集光される。干渉計式の変位測定手段IFが設けてあるために、基板テーブルWTを第2位置決め手段により正確に移動させることができ、ビームPBの経路に正確に異なる目標部分を位置付けることができる。同様に、第1位置決め手段は、干渉計式の変位測定手段により、マスク棚よりマスク取出し後にマスクMAをビームPBの経路に関して正確に位置決め可能である。一般に、対物テーブルMT、WTの移動は、図1には明示されていないが、長いストロークモジュール(コース位置決め)と短いストロークモジュール(微小位置決め)により達成される。
【0017】
図示の装置は、2つ異なるモードで使用できる。すなわち、
1.ステップモード:マスクテーブルMTをほぼ静止させておいて、マスク全体像を一度に(すなわち一度の閃光で)目標部分に投影する。基板テーブルWTは、x軸あるいはy軸方向にシフトされ、ビームPBにより異なる目標部分Cが照射される。
2.スキャンモード:所望の部分Cが単一閃光で露光されないことを除き、同じシナリオが基本的に適用可能である。代わりに、マスクテーブルMTは、所与の方向(いわゆるスキャン方向で例えばX軸方向)に速度Vで移動可能であり、これによりビームPBは、マスク像をスキャンする。同時に基板テーブルWTは、速度V=Mvで同方向あるいは反対方向に同時に移動される。ここでMは、レンズPLの倍率(典型的には、M=1/4あるいは1/5)である。このようにして、比較的大きな目標部分Cを、解像力と妥協を持たせることなく露光できる。
【0018】
図2は、第1実施例のリソグラフィ装置のウェファステージを示す平面図である。ウェファWは、基板(ウェファ)テーブルWTに装着されており、基板テーブルWTは、参照番号10で総称される粗位置決め機構(長いストロークモジュール)により位置決めされる。粗位置決め機構は、ほぼH型形態であり、すなわち、横梁は、X桁梁11で形成され、縦桁は、Y桁梁12a,12bで構成される。これら桁梁がこのように称されているのは、装置に対して定義される参照座標系の直交するX−軸とY−軸とにそれぞれほぼ平行にされているからである。
【0019】
またウェファテーブルWTは、粗位置決め機構の後段に連続する別の位置決め機構を有しており、これによりあり得る6自由度のいずれかあるいは全てでウェファの位置を正確に制御可能である。このような精巧位置決めシステムの動作は、本発明に具体的に関連するものでないので、その詳細な説明は、説明の簡潔化のために省略する。
【0020】
ウェファテーブルWTは、Xスライダ111によりX桁梁11に支持されている。Xスライダ111は、磁気トラック112に対して作用するリニアモータを含んでおり、ウェファテーブルWTをX桁梁11に沿って線形変位させている。本発明の代替実施例においては、ウェファテーブルWTは、Xスライダ111によりX,Y,Zy方向に単純に駆動され、エアフートにより架台あるいはX桁梁11の案内面上に、Z,RxおよびRy方向にそれぞれ支持されている。X桁梁11は、その両端付近で各Yスライダ121a,121bに装着されている。各Yスライダ121a,121bは、Xスライダ111と同様に磁気トラック122a,122bに作用するリニアモータを含み、該桁梁をY−軸方向に沿って変位させる。
【0021】
X桁梁11の長手方向におけるXスライダ111の変位およびY−軸方向のX桁梁の変位でウェファテーブルWTがX−Y平面に租で位置決めされる。Yスライダ121a,121bをそれぞれ独立に制御することにより、ウェファテーブルWTのZ−軸周り(ヨウ)の回転位置決めをある範囲で可能とする。
【0022】
本発明のよれば、X桁梁は、少なくともX−軸方向およびY−軸方向において、そしてZ−軸、Rzのまわりの回転に対して剛的にYスライダに結合され、X−Y平面で剛性の本体を形成している。この構成により、X桁ビーム11とYスライダ121a、121bとの間でRzピボットの必要性をなくし、Y−軸方向の動作力をX桁梁に直接確実に伝達するようになっている。以下に説明するように、X桁梁11とYスライダ121a,121bとの結合は、Z−軸方向においても剛性を与え、かつ一側がRxにおいて剛性である。好ましくは、いずれの側もRyにおいて剛的でないほうが良い。
【0023】
Xスライダ111は、箱形であり、X桁梁11を取り囲んでいる。あるいは、X桁梁の頂部に被せた逆U字形の形状としても良い。Xスライダ11は、対向パッドエア(ガス)ベアリングにより支持されてほぼX桁梁11の長手方向(名目上X−軸方向)に摩擦のない状態で変位可能であるが、X桁梁11に関して抑制され、Y−軸およびX−軸方向にもヨウにも運動ができないようになっている。X桁梁11自体は、多セル中空梁であり少なくとも3本の長手方向に延在するセルを有し、その中の真中のセルは、非対称にZ−軸方向にオフセットされ、X−リニアモータの磁気トラック112あるいはコイル組立体などの固定部を収容し、これによりXリニアモータの駆動力が、運動マスの重心近くに可能な限りに接近して作用する。Xスライダ111およびX桁梁11は、技術セラミック、すなわちAl2O3、SiC,SiSiC,CSiCなどの材料で製造できる。
【0024】
公称X−軸方向の反作用力、すなわちXスライダ111およびウェファテーブルWTがX−桁梁に沿って変位することにより発生する反作用力のX−軸方向成分は、Y桁梁12aに伝達される。これは、Y−スライダ121aにピボット124aを介して接続されたサイドスラストベアリング123aにより得られ、Y桁梁12aの外縁上に設けた垂直壁125aに対して作用する。このサイドスラストベアリング123aは、かなり大きい磁気あるいは負圧予負荷を有する片面静空力学スラストベアリングを含んでいる。この負荷は、安全率を含めて位置決め機構を使用することで予想し得る最大反作用力より充分に大きい。この代わりに、壁125aの両側に作用する両面(対向パッド)エアベアリングも使用可能である。
【0025】
第2サイドベアリング123bは、Yスライダ121bに設けられ、後述するエンコーダ読取ヘッド127bを装着するものである。サイドベアリング123bは、ピボット124bを介してYスライダ121bに装着され、またピボット124bは、クロスローラ軌道のような板ばね構成又はリニアベアリングを含み、X−軸方向に運動の自由度を与えている。これによりヨウ角度が増大するにつれてX−軸方向のX桁梁11の有効長が低減し(いわゆる余弦短縮法)、サイドベアリング123bが壁125aに確実に接触維持される。
【0026】
X桁梁11の一端とYスライダ121とサイドベアリング123の側面図である図8ならびにこれら素子の平面図である図9に図示のように、サイドベアリング123は、ピボット124を介してYスライダ121に装着されたベアリング31を担持するヨーク部材30を含むものである。ヨーク部材30は、桁30a,30bを有し、この桁は、板30cの上方角隅からピボット124まで水平に延在している。板30cは、Yスライダ121とY桁梁12に装着された壁125との間で垂直方向下方に延在し、壁125に作用するベアリング31を担持する。ベアリング31の中心線は、X−桁梁11に沿うXスライダ(図示せず)アマチュアにより発生されるX−反作用力と整合するように配置する。
【0027】
X桁梁11とYスライダ121a,121bとがX−Y平面で剛性体を形成している理由で、もし桁梁11がX−軸に平行に変位してウェファテーブルWTのヨウ位置決めをなさしめると、Yスライダ121a,121bのリニアモータは、磁気トラック122a,122bに相対的に同程度回転する。もしYモータが鉄製のアマチュアを有するものであり磁気トラックの磁石を単に斜に配置している従来形式のものであれば、モータの一定の噛み込み力は、ソフトウェアで補正可能である。また多層ローレンツ形式の無鉄心リニアモータを用いることができ、これによりヨウ角度でモータの性能を大きく変化させるようなことはない。その他、磁石をヘリボンパターンで配置した磁気トラックを使用でき、これによれば、ヘリボンの片側のモータの一定の噛み込み力は、多側の同噛み込み力により打ち消すことができ、結果としてモータ装置がヨウに対して不感となる。
【0028】
図4に図示のように、X桁梁11は、継手126a,126bによりYスライダ121a,121bに結合される。継手126a,126bは、X桁梁11とYスライダ121a,121bとの間のロール(回転Ry)に対する運動の自由度を与えてY桁梁12a,12bの上方ベアリング面における平行のずれを吸収している。このようなずれは、二つの桁梁の高さの違いや非整合により生ずるものである。必要自由度角度範囲は、制限があるが、弾性変形(いわゆるクロスピボット)や通常の回転ベアリング(ローラベアリングやボールベアリング)により提供できる。
【0029】
継手126a,126bの一つ、本実施例では継手126aであるが、この継手は、X−軸方向に平行な軸の周りの回転Rxに対して剛的であり、ピッチに対してX桁梁を支持している。他方の継手、本実施例では126bであるが、この継手は、X桁梁11とYスライダ121bとの間のピッチ運動にかなりの自由度を与えている。これにより、X−桁梁11のねじり力を回避する。さもないと、このねじり力は、2個のY桁梁12a,12bの平行からのずれが原因して発生する。継手126bのRx自由度は、単純ピボットや弾性その他の手段により得られ、これにより2個のYスライダ121a,121bは、ほぼ同じとなり、エンコーダヘッド127bは、その線形格子128bに平行に維持される。ピボットの代わりに、垂直ベアリング装置が用いられ、このベアリング装置によりYスライダが、垂直方向に負荷容量を有するがピッチとロールに対する剛性が無視できるサイド桁梁12bに支持される。
【0030】
Yスライダ121a,121bの位置を決定するために、増分エンコーダ127a,127bおよび線形格子127a,127bがY桁梁12a,12bに装着されている。増分エンコーダ127a,127bは、サイドベアリング123a,123bに簡潔的に取り付けられて線形格子127a,127bに関して方向性を維持している。あるいは、これらは、Yスライダ121a,121bに取り付け、X桁梁のヨウ運動で生ずる余弦短縮をリニアベアリングあるいは板ばね装置などのメカニズムを設けることにより補正する。
【0031】
モータの整流の目的で、モータの中心線に沿ったYスライダ12a,121bのY−軸方向の位置を知ることが必要となる。サイドベアリング123a,123bに装着したエンコーダ123a,127bで、中心線位置が、ピボット124,124bを正確に中心線に位置付けることにより直接得られる。あるいは、中心線位置は、モータの中心点とベアリングピボット点との間の距離を知ることによりハードウェアあるいはソフトウェア補間アルゴリズムにより得られる。この後者の方法は、サイドボアリング装置の物理的レイアウトをかなりのフレキシビリティを与えることができる。
X−軸およびY−軸方向の衝撃保護が簡単な弾性手段(予荷重螺旋あるいは円錐ばねなど)又は粘性手段(油圧ダンパなど)あるいはこれらの組合せで提供される。
【0032】
ヨウの衝撃保護は、位置決め機構全体に高モーメント負荷が必要となり、Yスライダ121a,121bとY桁梁12a,12bの間の力学系が現実に接続のみ与えるのであれば、この力学系で抑制される。X−軸方向のヨウ補正力が過剰となり、サイドベアリング123a,123bがそのベアリング面から引き離されてしまうのを防止するために、ヨウレートセンサ113が、X桁梁11、Xスライダ111あるいはウェファテーブルWT上に設けられている。所定の安全制限値を越えるヨウレートが検出されると、ハード配線の保護回路が動作してすべてのモータの電源を切り、回転運動エネルギのさらなる増大を防止する。モータの電源が切られる前に生じた回転エネルギは、X桁梁に設けてY桁梁12a,12bの側方に係合する弾性あるいは粘性ダンパー114により衝撃を制御して吸収することができる。
あるいは、増分エンコーダ127a,127bおよび線形格子128a,128bを用いてヨウならびにヨウレートを決定するようにしても良い。もしヨウ、ヨウレートあるいはこの組み合わせが、所定安全制限値を超える値で検出されると、全モータの電源が切られ、回転エネルギがさらに増加するのを防止する。
【0033】
実施例2
図5から図7は、衝撃保護にさらなる装置を追加してある本発明の第2実施例の一部を示している。装置の片側を示しているが、その反対側も同様である。図示せず以下に具体的に説明してない部分は、第1実施例と同様のものである。
【0034】
図5および図6に示したように、衝撃バー20がX桁梁11の接続部に隣接してYスライダ121の下方に設けられている。衝撃バー20は、X桁梁11のいずれかの側でY−軸方向に延材し、各端で2つの衝撃ピン21を担持している。衝撃ピン21は、衝撃バー20からY桁梁12方向へ突出し、Y−軸方向に横並びに配置されている。その他の実施例において、これらは上下に対角方向に配置される。
【0035】
図7は、2つの衝撃ピン21の拡大部分横断面図である。各衝撃ピン21は、ほぼ円筒形状の頭部21aと、この頭部21aの基端の周りに設けたフランジ21bと、頭部21aから同軸で延在するロッド部分21cで構成さる。円筒形孔22が衝撃バー20を貫通して延在し、各衝撃ピン21を保持している。各孔22は、X−軸方向に延在し、Y桁梁12に隣接した部分が比較的小さな径で、Y桁梁12と反対側で片部22bを介して部分22cが比較的大径となっている。衝撃ピン21は、Y桁梁12と反対側から孔22に挿入され、頭部21aが部分21aを通ってY桁梁12に向かって延在して、しかしフランジ21bが片部22bと係合するので孔22を完全に貫通するのを防止される。
【0036】
弾性部材12、すなわち、コイルばねがロッド部分21cの周りに設けられており、孔22の端は、プラグ24により閉じられている。このプラグ24には中心孔24aがあり、この孔24aを通してロッド21cが突出している。弾性部材23がプラグ24に対して作用し、これによりピン21をY桁梁の方向へ偏寄させている。弾性部分23の自由長および孔21の寸法は、衝撃ピンに所望の予荷重が課されるように設けられている。
【0037】
衝撃バー20の寸法、衝撃ピン21の位置ならびに頭部21aの突出長さは、X桁梁11のヨウが安全値あるいは許容値を超える場合にヨウ組立体、すなわちX桁梁11、Yスライダ121およびその他これに装着の構成部分が障害物に接触する前に、衝撃ピンがY桁梁の側部に接触することとなる。衝撃ピン21は、X桁梁11の連続するヨウ運動により弾性部材23の弾性の抗して押し込まれ、これにより衝撃ピンはバッファ作用して、ヨウ組立体に対するソフトランディングが可能となる。
【0038】
弾性部材23は、ほぼ純プラスチック製でも良いし、可塑性あるいは摩擦がかなり大きな機能を有して反発を抑制するようにしても良い。粘性などのダンパなどのダンパ作用を発する手段を含めるようにしても良い。衝撃バー20の各端でのピンの相対位置ならびに長さ、弾性部材23の弾性率、印加した予荷重の大きさなどを変更しても良く、ピンを同時あるいは逐次Y桁梁12に接触するようにして、接触を通じて一様あるいは累進的な抵抗をヨウに対して与えるようにしても良い。
【0039】
実施例3
図10および図11は、本発明の第3実施例を示す。この実施例は、第1実施例と第2実施例とは、サイドスライドベアリングの構成において異なっている。実施例3の片側のみ図示されており、図示せぬ部分は、同様であるか、サイドベアリングを欠如させるか、上述の余弦短縮を受容するX併進機構を含むようにしても良い。図10および図11に図示していない部品で以下に具体的説明がない部品は、第1および第2実施例の部品と同様のものとして良い。
【0040】
実施例3において、サイドベアリング123は、板ばね構造150によりYスライダ121に接続されている。構造150内の板ばねは、ほぼ垂直でありZ−軸方向に剛的であり、また有効仮想ピボット点124’を構成するように角度がつけられている。有効仮想ピボット点124’は、Yモータ軌道122の中心線上になるように配置される。
【0041】
実施例4
第4実施例は、以下の記載事項を除き第1から第3実施例のいずれともほとんど同様であるが、図12から図14に図示の衝撃防止機構200を有するものである。この衝撃防止機構200は、過剰のヨウ運動の際にエネルギを吸収するトーションロッドを利用している。
図12に図示のように、第4実施例のX桁梁11は、Y桁梁12から突出する結合部材201を介してYスライダ121に接続されている。架台202がY桁梁12の下側で結合部材201から延在してY−軸方向に伸びるトーションロッド204を支持している。トーションロッド204は、各端にベアリング205を有し、これらベアリング205は、トーションロッドに剛的に結合されて、Y桁梁12の下面に形成した溝26内に突入している。
X桁梁11のヨウ(Rz位置)が許容制限以内にあれば、ベアリング205と溝206の側壁との間にクリアランスが存在する。このクリアランスは、図13に図示している。しかしながら、X桁梁11のヨウが過剰となると、ベアリング205は、図14に図示のように溝26の側壁と接触する。X桁梁11のヨウ運動が継続すると、反作用力F1,F2がベアリング205上に延在することとなる。反作用力F1,F2が反対方向に作用するためにトーションロッド204にトルクが掛かる。よってトーションロッド204は、架台203、204に相対的に少なくと制限値までねじれてエネルギを吸収し、X桁梁11のRz運動に対向作用する。
【0042】
図12から図14は、X桁梁11の一端に設けた衝突防止機構200を図示するものである。質量と使用時に発生し得るヨウレートにより、第2の同様な衝突防止機構を他端に設けるようにしても良い。
【0043】
本発明の種々の実施例において、運動中のボデイの重心、様々な駆動力の作用線ならびに種々の結合のピボットポイントが、単一XY面に近接して、例えば±20mm以内に有るようにする。
本発明の具体的実施例につき説明してきたが、本発明は、上記説明した範囲外でも実施できるものである。すなわち、上記説明は、本発明を限定するものでなく、本発明は、リソグラフ装置のマスクテーブルおよび基板テーブルのいずれか双方とも位置決めするのに使用可能で有る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例のリソグラフィ投影装置を示す図。
【図2】図1に図示の装置の基板テーブルとドライブユニットを含むウエファステージの平面図。
【図3】図2のウエファステージのX桁梁の拡大側面図。
【図4】図2のウエファステージのX桁梁の拡大平面図。
【図5】本発明の第2実施例のウエファステージの一部の平面図。
【図6】図5のウエファステージの一部の側面図。
【図7】図5のウエファステージの衝撃ピンの拡大部分断面図
【図8】図2のウエファステージの一部の拡大側面図。
【図9】図8のウエファステージの一部の拡大平面図。
【図10】本発明の第3実施例で使用されるベアリング構成の平面図。
【図11】図10のベアリング構成の側面図。
【図12】本発明の第4実施例のX桁梁の一端を示し、衝突防止機構を図示する側面図
【図13】本発明の第4実施例のX桁梁の一端の通常時の下面図
【図14】本発明の第4実施例のX桁梁の一端の異常時の下面図

Claims (15)

  1. 放射線感光層を設けた基板上にマスクのマスクパターンを結像するリソグラフィ装置にして、該リソグラフィ装置が、
    放射線投影ビームを供給する照射システムと、
    マスクを保持する第1対物テーブルと、
    基板を保持する第2対物テーブルと、
    前記マスクの照射部分を前記基板の目標部分上に結像する投影システムと、
    前記対物テーブルの少なくとも一つを一平面に位置付ける位置決めシステムと、を有し、前記位置決めシステムが、
    第1と第2のスライダをそれぞれ担持するほぼ平行な第1と第2のサイドビームと、
    前記各サイドビームの長手方向に前記第1と第2のスライダを移動させる第1と第2のモータ手段と、
    それぞれ第1と第2端の近くで前記第1と第2のスライダに装着され、さらに第3のスライダを担持し、前記第1と第2のスライダとともに前記一平面内での並進方向と該一平面に垂直な軸の周りの回転方向とにおいて剛体である本体を構成するクロスビームと、
    前記第3のスライダに前記一つの対物テーブルを保持する対物ホルダを持たせて前記クロスビームの長手方向に前記第3のスライダを移動させる第3モータ手段と
    を有するようになったリソグラフィ装置において、
    前記第1のスライダに枢動可能に装着され、前記一平面内で前記第1サイドビームに垂直に前記クロスビームと前記第1サイドビームとの間で力を伝達するスラスト軸受
    を設けたことを特徴とするリソグラフィ投影装置。
  2. 請求項1に記載の装置において、さらに前記第2のスライダに枢動可能に装着され、前記一平面内で前記第2サイドビームに垂直に前記第2クロスビームと前記第2サイドビームとの間で力を伝達するスラスト軸受をさらに有し、該第2スラスト軸受が、クロスビームの前記一平面に垂直な軸周りの回転で前記サイドビームに垂直に前記クロスビームの長さを実質的に減少させ得る手段を有しているリソグラフィ装置。
  3. 請求項1または2に記載の装置において、前記クロスビームは、継手により前記第1と第2のスライダの少なくとも一つに装着され、前記一平面と平行な少なくとも一つの軸の周りに少なくとも相対回転が可能なようになっている装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の装置において、前記第1および第2モータ手段は、それぞれ対応のサイドビームに装着されたステータと、それぞれ対応のスライダに装着されたアーマチュアとを有するリニアモータを含むようになっている装置。
  5. 請求項4に記載の装置において、前記リニアモータは、前記スライダの角度位置とほぼ無関係な駆動力を与えるようになっている装置。
  6. 請求項5に記載の装置において、前記ステータは、ヘリボンパターンに配列された磁石を有する磁気トラックを含むようになっている装置。
  7. 請求項4に記載の装置において、前記リニアモータを制御して前記第1と第2のスライダを目的の位置まで駆動するための制御手段をさらに含み、該制御手段は、該リニアモータに印加された駆動信号を変化させて前記第1と第2のスライダの前記サイドビームに相対的な角度位置を補正して所望の駆動力を得るようになっている装置。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の装置において、さらに前記クロスビーム、前記第3スライダあるいは前記対物ホルダに装着され、前記一平面に垂直な軸の周りの回転を検出するための回転センサと、該回転センサと同期して該回転センサにより検出された回転速度が所定値を上回る場合に前記第1と第2のモータ手段への駆動力を遮断する遮断手段とをさらに含む装置。
  9. 請求項8に記載の装置において、前遮断手段は、前記第1と第2のモータ手段に対する動力源にハードワイヤー接続されている装置。
  10. 請求項1から9のいずれか一項に記載の装置において、前記第1と第2のスライダおよび前記クロスビームの少なくとも一つ装着され、衝突時に前記サイドビームの少なくとも一つに接触して前記クロスビームの角度位置が許容範囲外となり、クロスビームのさらなる回転を抑制するための衝突保護手段をさらに有する装置。
  11. 請求項10に記載の装置において、前記衝突保護手段は、前記クロスビームに概して垂直であり、一端近くに弾性的に装着された少なくとも一つ突出ピンを有する細長部材を含み、該ピンは、前記サイドビームの一つに向かって突出し前記衝突時にこれと接触して前記クロスビームのさらなる回転に抗するようになっている装置。
  12. 請求項11に記載の装置において、前記ピンは、前記さらなる回転中に弾性部材の偏寄力に抗して前記細長部材へ押しこまれるように設けられている装置。
  13. 請求項10に記載の装置において、前記衝突保護手段は、衝突時に前記サイドビームの一つに設けた溝の対向壁に接触するようになった隔置された支承を有する細長トルクロッドを含んでいる装置。
  14. リソグラフィ投影装置を使用してデバイスを製造する方法にして、該リソグラフィ投影装置は、
    放射線ビームを供給する放射システムと、
    マスクを保持するマスクホルダが設けられた第1の可動対物テーブルと、
    基板を保持する基板ホルダが設けられた第2可動対物テーブルと、
    前記マスクの照射部分を前記基板の目標部分に結像する投影システムと
    を有し、前記方法は、
    パターンを有するマスクを前記第1対物テーブルに設ける段階と、
    放射線感光層を設けた基板を前記第2対物テーブルに設ける段階と、
    マスクの部分を照射し、該マスクの照射部分を前記基板の目標部分に結像させる段階とを有する方法にして、
    前記照射および結像段階の前にあるいはこの段階中に前記対物テーブルの一つを位置決めするために使用される位置決め装置が、
    第1と第2のスライダをそれぞれ担持するほぼ平行な第1と第2のサイドビームと、
    前記各サイドビームの長手方向に前記第1と第2のスライダを移動させる第1と第2のモータ手段と、
    それぞれ第1と第2端の近くで前記第1と第2のスライダに装着され、さらに第3のスライダを担持し、前記第1と第2のスライダとともに前記一平面内での並進方向と該一平面に垂直な軸の周りの回転方向とにおいて剛体である本体を構成するクロスビームと、
    前記第3のスライダに前記一つの対物テーブルを保持する対物ホルダを持たせて前記クロスビームの長手方向に前記第3のスライダを移動させる第3モータ手段と
    を有し、さらに
    前記位置決め装置が、前記第1のスライダに枢動可能に装着され、前記一平面内で前記第1サイドビームに垂直に前記クロスビームと前記第1サイドビームとの間で力を伝達するスラスト軸受を有していることを特徴とする方法。
  15. 可動の対物を一平面内で並進的および回転的に位置決めする位置決め装置において、
    第1と第2のスライダをそれぞれ担持するほぼ平行な第1と第2のサイドビームと、
    前記各サイドビームの長手方向に前記第1と第2のスライダを移動させる第1と第2のモータ手段と、
    それぞれ第1と第2端の近くで前記第1と第2のスライダに装着され、さらに第3のスライダを担持し、前記第1と第2のスライダとともに前記一平面内での並進方向と該一平面に垂直な軸の周りの回転方向とにおいて剛体である本体を構成するクロスビームと、
    前記第3のスライダに前記一つの対物テーブルを保持する対物ホルダを持たせて前記クロスビームの長手方向に前記第3のスライダを移動させる第3モータ手段と、
    前記第1のスライダに枢動可能に装着され、前記一平面内で前記第1サイドビームに垂直に前記クロスビームと前記第1サイドビームとの間で力を伝達するスラスト軸受とを有していることを位置決め装置。
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