JPH11224854A - 露光装置及び露光方法、並びにデバイス製造方法 - Google Patents

露光装置及び露光方法、並びにデバイス製造方法

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JPH11224854A
JPH11224854A JP10333241A JP33324198A JPH11224854A JP H11224854 A JPH11224854 A JP H11224854A JP 10333241 A JP10333241 A JP 10333241A JP 33324198 A JP33324198 A JP 33324198A JP H11224854 A JPH11224854 A JP H11224854A
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mask
exposure
stage
wafer
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Shigeo Murakami
成郎 村上
Koji Miura
孝治 三浦
Shoichi Tanimoto
昭一 谷元
Yutaka Ichihara
裕 市原
Hideo Mizutani
英夫 水谷
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Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スループットを向上させる。 【解決手段】 照明光学系IOP1、IOP2からの照
明光によりマスクステージRS1上のマスクとマスクス
テージRS2上のマスクとをそれぞれ照射した状態で、
マスクステージRS1と基板ステージWS1とを投影光
学系PL1の投影倍率に応じた速度比でY方向に同期移
動するとともに、マスクステージRS2と基板ステージ
RS2とを投影光学系PL2の投影倍率に応じた速度比
で第1方向に同期移動する。これらの露光動作と並行し
て、基板ステージWS3、WS4上でアライメント動作
を行う。これにより、第1基板W1及び第2基板W2に
対する露光動作と、第3基板W3、第4基板W4に対す
るアライメント動作とが同時並行的に行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、露光装置及び露光
方法並びにデバイスの製造方法に係り、更に詳しくはマ
スクに形成されたパターンを基板上に転写する露光装置
及び露光方法、並びにこれらを用いてマイクロデバイス
を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体素子又は液晶表示素子
等をフォトリソグラフィ工程で製造する場合に、種々の
露光装置が使用されているが、現在では、フォトマスク
又はレチクル(以下、「レチクル」と総称する)のパタ
ーンを、投影光学系を介して表面にフォトレジスト等の
感光材が塗布されたウエハ又はガラスプレート等の基板
(以下、適宜「感応基板」と称する)上に転写する投影
露光装置が一般的に使用されている。近年では、この投
影露光装置として、感応基板を2次元的に移動自在な基
板ステージ上に載置し、この基板ステージにより感応基
板を歩進(ステッピング)させて、レチクルのパターン
を感応基板上の各ショット領域に順次転写する露光動作
を繰り返す、所謂ステップ・アンド・リピート方式の縮
小投影露光装置(いわゆるステッパ)が主流となってい
る。
【0003】最近になって、このステッパ等の静止型露
光装置に改良を加えた、ステップ・アンド・スキャン方
式の投影露光装置(例えば特開平7−176468号公
報に記載されたような走査型露光装置)も比較的多く用
いられるようになってきた。このステップ・アンド・ス
キャン方式の投影露光装置は、ステッパに比べると大
フィールドをより小さな光学系で露光できるため、投影
光学系の製造が容易であるとともに、大フィールド露光
によるショット数の減少により高スループットが期待出
来る、投影光学系に対してレチクル及びウエハを相対
走査することで平均化効果があり、ディストーションや
焦点深度の向上が期待出来る等のメリットがある。さら
に、半導体素子の集積度が16M(メガ)ビットから6
4MビットのDRAM、更に将来的には256Mビッ
ト、1G(ギガ)ビットというように時代とともに高く
なるのに伴い、大フィールドが必須になるため、ステッ
パに代わってスキャン型投影露光装置が主流になるであ
ろうと言われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この種の投影露光装置
は、主として半導体素子等の量産機として使用されるも
のであることから、一定時間内にどれだけの枚数のウエ
ハを露光処理できるかという処理能力、すなわちスルー
プットを向上させることが必然的に要請される。
【0005】これに関し、ステップ・アンド・スキャン
方式の投影露光装置の場合、大フィールドを露光する場
合には先に述べたように、ウエハ内に露光するショット
数が少なくなるのでスループットの向上が見込まれる
が、露光はレチクルとウエハとの同期走査による等速移
動中に行なわれることから、その等速移動領域の前後に
加減速領域が必要となり、仮にステッパのショットサイ
ズと同等の大きさのショットを露光する場合には、却っ
てステッパよりスループットが落ちる可能性がある。
【0006】この種の投影露光装置における処理の流れ
は、大要次のようになっている。
【0007】 まず、ウエハローダを使ってウエハを
ウエハテーブル上にロードするウエハロード工程が行な
われる。
【0008】 次に、サーチアライメント機構により
ウエハの大まかな位置検出を行なうサーチアライメント
工程が行なわれる。このサーチアライメント工程は、具
体的には、例えば、ウエハの外形を基準としたり、ある
いは、ウエハ上のサーチアライメントマークを検出する
ことにより行なわれる。
【0009】 次に、ウエハ上の各ショット領域の位
置を正確に求めるファインアライメント工程が行なわれ
る。このファインアライメント工程は、一般にEGA
(エンハンスト・グローバル・アライメント)方式が用
いられ、この方式は、ウエハ内の複数のサンプルショッ
トを選択しておき、当該サンプルショットに付設された
アライメントマーク(ウエハマーク)の位置を順次計測
し、この計測結果とショット配列の設計値とに基づい
て、いわゆる最小自乗法等による統計演算を行なって、
ウエハ上の全ショット配列データを求めるものであり
(特開昭61−44429号公報等参照)、高スループ
ットで各ショット領域の座標位置を比較的高精度に求め
ることができる。
【0010】 次に、上述したEGA方式等により求
めた各ショット領域の座標位置と予め計測したベースラ
イン量とに基づいて露光位置にウエハ上の各ショット領
域を順次位置決めしつつ、投影光学系を介してレチクル
のパターンをウエハ上に転写する露光工程が行なわれ
る。
【0011】 次に、露光処理されたウエハテーブル
上のウエハをウエハアンローダを使ってアンロードさせ
るウエハアンロード工程が行なわれる。このウエハアン
ロード工程は、上記のウエハロード工程と同時に行な
われる。すなわち、ととによってウエハ交換工程が
構成される。
【0012】このように、従来の投影露光装置では、ウ
エハ交換→サーチアライメント→ファインアライメント
→露光→ウエハ交換……のように、大きく4つの動作が
1つのウエハステージを用いて繰り返し行なわれてい
る。
【0013】また、この種の投影露光装置のスループッ
トTHOR[枚/時間]は、上述したウエハ交換時間を
T1〔sec〕、サーチアライメント時間をT2〔se
c〕、ファインアライメント時間をT3〔sec〕、露
光時間をT4〔sec〕とした場合に、次式(1)のよ
うに表すことができる。
【0014】THOR=3600/(T1+T2+T3
+T4) ………(1) 上記T1〜T4の動作は、T
1→T2→T3→T4→T1……のように順次(シーケ
ンシャルに)繰り返し実行される。このため、T1〜T
4までの個々の要素を高速化すれば分母が小さくなっ
て、スループットTHORを向上させることができる。
しかし、上述したT1(ウエハ交換時間)とT2(サー
チアライメント時間)は、ウエハ1枚に対して一動作が
行なわれるだけであるから改善の効果は比較的小さい。
また、T3(ファインアライメント時間)の場合は、上
述したEGA方式を用いる際にショットのサンプリング
数を少なくしたり、ショット単体の計測時間を短縮すれ
ばスループットを向上させることができるが、逆にアラ
イメント精度を劣化させることになるため、安易にT3
を短縮することはできない。
【0015】また、T4(露光時間)は、ウエハ露光時
間とショット間のステッピング時間とを含んでいる。例
えば、ステップ・アンド・スキャン方式のような走査型
投影露光装置の場合は、ウエハ露光時間を短縮させる分
だけレチクルとウエハの相対走査速度を上げる必要があ
るが、同期精度が劣化することから、安易に走査速度を
上げることができない。
【0016】また、この種の投影露光装置で上記スルー
プット面の他に、重要な条件としては、解像度、焦
点深度(DOF:Depth of Focus )、線幅制御精度
が挙げられる。解像度Rは、露光波長をλとし、投影レ
ンズの開口数をN.A.(Numerical Aperture )とする
と、λ/N.A.に比例し、焦点深度DOFはλ/
(N.A.)2に比例する。
【0017】このため、解像度Rを向上させる(Rの値
を小さくする)には、露光波長λを短くするか、あるい
は開口数N.A.を大きくする必要がある。特に、最近
では半導体素子等の高密度化が進んでおり、デバイスル
ールが0.2μmL/S(ライン・アンド・スペース)
以下となってきていることから、これらのパターンを露
光する為には照明光源としてKrFエキシマレーザを用
いている。しかしながら、前述したように半導体素子の
集積度は、将来的に更に上がることは必至であり、Kr
Fエキシマレーザより短波長な光源を備えた装置の開発
が望まれる。このようなより短波長な光源を備えた次世
代の装置の候補として、ArFエキシマレーザを光源と
した装置、電子線露光装置等が代表的に挙げられるが、
電子線露光装置の場合、光露光装置に比べてスループッ
トが著しく低いという不都合がある。
【0018】解像度Rを上げる他の手法としては、開口
数N.A.を大きくすることも考えられるが、N.A.
を大きくすると、投影光学系のDOFが小さくなるとい
うデメリットがある。このDOFは、UDOF(Usable
Depth of Focus :ユーザ側で使用する部分:パターン
段差やレジスト厚等)と、装置自身の総合焦点差とに大
別することができる。これまでは、UDOFの比率が大
きかったため、DOFを大きく取る方向が露光装置開発
の主軸であり、このDOFを大きくとる技術として例え
ば変形照明等が実用化されている。
【0019】ところで、デバイスを製造するためには、
L/S(ライン・アンド・スペース)、孤立L(ライ
ン)、孤立S(スペース)、及びCH(コンタクトホー
ル)等が組み合わさったパターンをウエハ上に形成する
必要があるが、上記のL/S、孤立ライン等のパターン
形状毎に最適露光を行なうための露光パラメータが異な
っている。このため、従来は、ED−TREE(レチク
ルが異なるCHは除く)という手法を用いて、解像線幅
が目標値に対して所定の許容誤差内となり、かつ所定の
DOFが得られるような共通の露光パラメータ(コヒー
レンスファクタσ、N.A.、露光制御精度、レチクル
描画精度等)を求めて、これを露光装置の仕様とするこ
とが行なわれている。しかしながら、今後は以下のよう
な技術的な流れがあると考えられている。
【0020】プロセス技術(ウェハ上平坦化)向上に
より、パターン低段差化、レジスト厚減少が進み、UD
OFが1μm台→0.4μm以下になる可能性がある。
【0021】露光波長がg線(436nm)→i線
(365nm)→KrFエキシマレーザ光(248n
m)と短波長化している。しかし、今後はArFエキシ
マレーザ光(193nm)、及びF2レーザ(157n
m)までの光源しか検討されておらず、その技術的ハー
ドルも高い。その後はEB露光に移行する。
【0022】ステップ・アンド・リピートのような静
止露光に代わりステップ・アンド・スキャンのような走
査露光が投影露光装置の主流になる事が予想されてい
る。この技術は、径の小さい投影光学系で大フィールド
露光が可能であり(特にスキャン方向)、その分高N.
A.化を実現し易い。
【0023】上記のような技術動向を背景にして、限界
解像度を向上させる方法として、二重露光法が見直さ
れ、この二重露光法をArF露光装置に用い、0.1μ
mL/Sまで露光しようという試みが検討されている。
一般に二重露光法は以下の3つの方法に大別される。
【0024】(1)露光パラメータの異なるL/S、孤
立線を別々のレチクルに形成し、各々最適露光条件によ
り同一ウエハ上に二重に露光を行なう。
【0025】(2)位相シフト法等を導入すると、孤立
線よりL/Sの方が同一DOFにて限界解像度が高い。
これを利用することにより、1枚目のレチクルで全ての
パターンをL/Sで形成し、2枚目のレチクルにてL/
Sを間引きすることで孤立線を形成する。
【0026】(3)一般に、L/Sより孤立線は、小さ
なN.A.にて高い解像度を得ることができる(但し、
DOFは小さくなる)。そこで、全てのパターンを孤立
線で形成し、1枚目と2枚目のレチクルによってそれぞ
れ形成した孤立線の組み合わせにより、L/Sを形成す
る。
【0027】上記の二重露光法は解像度向上、DOF向
上の2つの効果がある。
【0028】しかし、二重露光法は、複数のレチクルを
使って露光処理を複数回行なう必要があるため、従来の
装置に比べて露光時間(T4)が倍以上になり、スルー
プットが大幅に劣化するという不都合があったことか
ら、現実には、二重露光法はあまり真剣に検討されてお
らず、従来より露光波長の短波長化、変形照明、位相シ
フトレチクル等により、解像度、焦点深度(DOF)の
向上が行なわれてきた。
【0029】しかしながら、先に述べた二重露光法をA
rF露光装置に用いると0.1μmL/Sまでの露光が
実現することにより、256Mビット、1GビットのD
RAMの量産を目的とする次世代機の開発の有力な選択
肢であることは疑いなく、このためのネックとなる二重
露光法の課題であるスループットの向上のため新技術の
開発が待望されていた。
【0030】これに関し、前述した4つの動作、すなわ
ちウエハ交換、サーチアライメント、ファインアライメ
ント、及び露光動作の内の複数動作同士を部分的にでも
同時並行的に処理できれば、これら4つの動作をシーケ
ンシャルに行なう場合に比べて、スループットを向上さ
せることができると考えられ、そのためには基板ステー
ジを複数設けることが前提となるが、このことは理論上
は簡単に思えるが、現実には基板ステージを複数設け、
充分な効果を発揮させるためには、解決しなければなら
ない多くの問題が山積している。例えば、一方の基板ス
テージ上の基板に対して走査露光を行っている間に、他
方の基板ステージ上の基板に対してアライメントを行っ
ている場合を考えると、一方の基板ステージ及びレチク
ルステージの加減速に起因する反力が、他方のステージ
に対して外乱として働き、アライメント誤差の要因とな
る。また、高精度な重ね合わせを実現するためには、同
一の基板ステージ上の基板に対し、アライメントを実行
した後、そのアライメントの結果を用いてレチクルのパ
ターンと感応基板の位置合わせを実行して露光を行なう
必要があるため、単に2つの基板ステージの内、一方を
例えば露光専用、他方をアライメント専用等とすること
は、現実的な解決策とは成り得ない。
【0031】本発明は、かかる事情の下になされたもの
で、その第1の目的は、スループットの向上を図ること
ができる露光装置及び露光方法を提供することにある。
【0032】また、本発明の第2の目的は、スループッ
トの向上を図ることができるとともに、微細パターンの
高精度な露光を実現することができる露光装置及び露光
方法を提供することにある。
【0033】さらに、本発明の第3の目的は、マイクロ
デバイスを低コストに製造することができるデバイス製
造方法を提供することにある。
【0034】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、マスクに形成されたパターンを基板上に転写する露
光装置であって、マスク(R1、R2)をそれぞれ保持
して第1方向に移動可能な第1、第2マスクステージ
(RS1、RS2)と;前記各マスクに照明光を照射す
る照明系(12A、12B、BMU1、BMU2、IO
P1、IOP2)と;前記各マスクから出射される照明
光を基板(W1、W2)上に投射する第1、第2投影光
学系(PL1、PL2)と;前記第1、第2投影光学系
に対し前記第1、第2マスクステージ側に配置され、前
記基板(W1、W2)をそれぞれ保持して移動可能な第
1、第2基板ステージ(WS1、WS2)と;前記第1
マスクステージと前記第1基板ステージとを前記第1投
影光学系の投影倍率に応じた速度比で前記第1方向に同
期移動させるとともに、前記第2マスクステージと前記
第2基板ステージとを前記第2投影光学系の投影倍率に
応じた速度比で前記第1方向に同期移動させる駆動装置
(22、40)とを備える。
【0035】これによれば、照明系からの照明光により
第1マスクステージ上のマスクと第2マスクステージ上
のマスクとをそれぞれ照射し、この状態で、駆動装置に
より第1マスクステージと第1基板ステージとが第1投
影光学系の投影倍率に応じた速度比で第1方向に同期移
動されるとともに、第2マスクステージと第2基板ステ
ージとが第2投影光学系の投影倍率に応じた速度比で第
1方向に同期移動されると、第1マスクステージ上のマ
スクのパターンが第1投影光学系により第1基板ステー
ジ上の基板に逐次転写されると同時に第2マスクステー
ジ上のマスクのパターンが第2投影光学系により第2基
板ステージ上の基板に逐次転写される。すなわち、第1
基板ステージ上の基板と第2基板ステージ上の基板との
2枚の基板に対するマスクパターンの転写が同時並行的
に行われるので、スループットの向上を図ることができ
る。
【0036】この場合において、2枚の基板に対する同
時並行的処理という観点からは、同期移動時の各ステー
ジの移動方向は、特に問わないが、請求項2に記載の発
明の如く、前記同期移動時の前記第1マスクステージ
(RS1)と第2マスクステージ(RS2)の移動方向
は、前記第1方向において互いに逆向きであり、前記同
期移動時の前記第1基板ステージ(WS1)と第2基板
ステージ(WS2)の移動方向は前記第1方向において
互いに逆向きであっても良い。かかる場合には、それぞ
れのマスクステージの同期移動時前後の加減速時に生じ
る反力同士がお互いにある程度打ち消しあい、また、そ
れぞれの基板ステージの同期移動時前後の加減速時に生
じる反力同士がお互いにある程度打ち消しあうので、各
ステージの支持部材を含む露光装置のボディに与えられ
る第1方向の力を小さくすることができ、これにより上
記各組のステージ間の同期誤差を低減することができ
る。この場合、ボディには、ある程度の大きさの回転モ
ーメントが作用するおそれはあるが、ステージ移動面内
で第1方向に直交する方向には、殆ど力が生じないの
で、例えばボディの6自由度方向の変動(又は振動)を
防止する場合に比べてそれを抑制することが容易であ
る。
【0037】上記請求項1に記載の発明において、請求
項3に記載の発明の如く、前記各マスクステージ(RS
1、RS2)と前記各基板ステージ(WS1、WS2)
とは、同一面上を移動することが望ましい。かかる場合
には、いわゆる2次元リニアアクチュエータ(平面モー
タ)等により前記4つのステージの駆動系を構成するこ
とが可能になるとともに、各ステージの支持部材を含む
ボディには、同一面内での回転モーメントしか作用しな
い(ピッチング、ローリングが生じない)ので、振動等
を簡単に抑制することが可能になる。
【0038】上記請求項1〜3に記載の各発明におい
て、請求項4に記載の発明の如く、前記第1、第2基板
ステージ(WS1、WS2)と同一面上を移動する第3
基板ステージ(WS3)と;前記基板に形成された位置
合わせマークを検出する第1マーク検出系(28A)と
を更に備えていても良い。かかる場合には、第1、第2
基板ステージ上の基板に対して前述の如くして走査露光
によりマスクのパターンが転写されている間に、第3基
板ステージ上の基板に形成された位置合わせマークを第
1マーク検出系により検出することができる。従って、
2つの基板ステージ上の基板に対する露光動作と、1つ
の基板ステージ上の基板に対するマーク位置検出動作
(アライメント動作)とが同時並行的に行われる。
【0039】この場合において、請求項5に記載の発明
の如く、前記駆動装置(22、40)は、前記第1基板
ステージ(WS1)又は前記第2基板ステージ(WS
2)に代えて、前記第3基板ステージ(WS3)を前記
第1マスクステージ(RS1)又は前記第2マスクステ
ージ(RS2)と同期移動させるようにしても良い。か
かる場合には、マーク位置検出が終了した第3基板ステ
ージと第1基板ステージ又は第2基板ステージとを入れ
替えることにより、第1、第2基板ステージ上の基板に
対する露光動作終了の直後に、第3基板ステージ上の基
板に対してマスクパターンの転写のための走査露光が可
能になる。この場合、第3基板ステージ上の基板に対す
るアライメント時間は、第1、第2基板ステージ上の基
板に対する露光時間に完全にオーバーラップされるの
で、前記第1、第2基板ステージ上の基板に対してアラ
イメント、露光を順次繰り返し行う場合に比べて、一層
スループットの向上が可能である。
【0040】上記請求項4に記載の露光装置において、
請求項6に記載の発明の如く、前記基板を保持して前記
第1、第2、第3基板ステージ(WS1、WS2、WS
3)と同一面上を移動する第4基板ステージ(WS4)
と;前記基板に形成された位置合わせマークを検出する
第2マーク検出系(28B)とを更に備えていても良
い。かかる場合には、第1、第2基板ステージ上の基板
に対して前述の如くして走査露光によりマスクのパター
ンが転写されている間に、第3基板ステージ上の基板に
形成された位置合わせマークを第1マーク検出系により
検出するとともに第4基板ステージ上の基板に形成され
た位置合わせマークを第1マーク検出系により検出する
ことができる。従って、2つの基板ステージ上の基板に
対する露光動作と、2つの基板ステージ上の基板に対す
るマーク位置検出動作(アライメント動作)とが同時並
行的に行われる。
【0041】この場合において、請求項7に記載の発明
の如く、前記駆動装置(22、40)は、前記第1基板
ステージ(WS1)、第2基板ステージ(WS2)に代
えて、前記第3基板ステージ(WS3)、第4基板ステ
ージ(WS4)を前記第1マスクステージ(RS1)、
前記第2マスクステージ(RS2)とそれぞれ同期移動
させるようにしても良い。かかる場合には、マーク位置
検出が終了した第3基板ステージと第1基板ステージと
を入れ替え、マーク位置検出が終了した第4基板ステー
ジと第2基板ステージとを入れ替えることにより、第
1、第2基板ステージ上の基板に対する露光動作終了の
直後に、第3基板ステージ上の基板及び第4基板ステー
ジ上の基板に対してマスクパターンの転写のための走査
露光が可能になる。この場合、第3基板ステージ上の基
板、第4基板ステージ上の基板に対するアライメント時
間は、第1、第2基板ステージ上の基板に対する露光時
間に完全にオーバーラップされるので、前記第1、第2
基板ステージ上の基板に対してアライメント、露光を順
次繰り返し行う場合に比べて、一層スループットの向上
が可能である。
【0042】上記請求項2に記載の露光装置において、
請求項8に記載の発明の如く、前記各マスクステージ
(RS1、RS2)がほぼ同一質量を有するとともに、
前記各基板ステージ(WS1、WS2)がほぼ同一質量
を有することが望ましい。かかる場合には、第1マスク
ステージと第1基板ステージの同期移動と、第2マスク
ステージと第2基板ステージの同期移動とを同時にかつ
同一目標走査速度で行う場合に、それぞれのステージの
加減速時に生ずる反力が、マスクステージ同士、基板ス
テージ同士についてそれぞれ相殺され、各ステージを支
持する支持部材を含むボディには第1方向の力が全く作
用しなくなるからである。
【0043】また、上記請求項2、5、7及び8に記載
の各発明において、請求項9に記載の発明の如く、前記
各投影光学系(PL1、PL2)が同一の投影倍率を有
し、前記各マスクステージ(RS1、RS2)の質量が
前記各基板ステージ(WS1、WS2、WS3、WS
4)の質量の前記投影倍率倍であることが望ましい。か
かる場合には、駆動装置により第1マスクステージと第
1基板ステージ(又は第3基板ステージ)とが第1投影
光学系の投影倍率に応じた速度比で第1方向に同期移動
されるとともに、第2マスクステージと第2基板ステー
ジ(又は第4基板ステージ)とが第2投影光学系の投影
倍率に応じた速度比で第1方向に同期移動された際に、
各ステージが支持部材に対して非接触で移動する(リニ
アモータ等で駆動される)ものとすると、相互に同期移
動するマスクステージと基板ステージとの間で運動量保
存の法則が成立し、同期制御回路やアクティブ除振装置
等の特別な装置を設けることなく、ほぼ同期誤差零で走
査することが可能となるからである。
【0044】上記請求項8に記載の露光装置において、
請求項10に記載の発明の如く、前記駆動装置は、前記
第1、第2マスクステージ(RS1、RS2)と前記第
1、第2基板ステージ(WS1、WS2)とを同一直線
上で駆動することが望ましい。かかる場合には、請求項
8に記載の発明と同様に、マクステージ同士、基板ステ
ージ同士についてステージ加減速時の反力がそれぞれ相
殺され、各テージを支持する支持部材を含むボディには
第1方向の力が全く作用しなくなることに加え、回転モ
ーメントも作用しなくなるので、結果的に請求項9に記
載の発明の場合と同様に、同期制御回路やアクティブ除
振装置等の特別な装置を設けることなく、ほぼ同期誤差
零で走査することが可能となるからである。
【0045】上記請求項1〜10に記載の各発明におい
て、請求項11に記載の発明の如く、前記第1マスクス
テージ(RS1)上のマスクと前記第2マスクステージ
(RS2)上のマスクとを交換するマスク交換機構(2
0)を更に備えていても良い。かかる場合には、例え
ば、第1マスクステージ上に第1分解パターンが形成さ
れたマスクを載置し、第2マスクステージ上に第2分解
パターンが形成されたマスクを載置した状態で、それぞ
れ走査露光により第1基板ステージ上の基板、第2基板
ステージ上の基板に対して第1分解パターン、第2分解
パターンをそれぞれ転写した後、マスク交換機構により
第1マスクステージ上のマスクと第2マスクステージ上
のマスクとを交換し、それぞれ走査露光により第1基板
ステージ上の基板、第2基板ステージ上の基板に対して
第2分解パターン、第1分解パターンをそれぞれ転写す
ることにより、簡単に第1分解パターンと第2分解パタ
ーンとの合成パターンを第1基板ステージ上の基板、第
2基板ステージ上の基板に対して転写することができ
る。すなわち、2枚の基板に対する二重露光を同時にか
つ容易に実現することができる。従って、スループット
の向上を図ることができるとともに、解像力及び焦点深
度の向上により微細パターンの高精度な露光を実現する
ことができる。
【0046】上記請求項1〜11に記載の各発明におい
て、請求項12に記載の発明の如く、前記各投影光学系
は、反射屈折光学系であり、前記照明光の波長は200
nm以下であっても良い。かかる場合には、投影光学系
をそれほど大型化することなく、サブミクロンオーダー
以下の微細パターンの高精度な転写が可能になる。
【0047】請求項13に記載の発明は、マスクに形成
されたパターンを基板上に転写する露光方法であって、
第1マスク(R1)と第1基板(W1)とを第1投影光
学系(PL1)の投影倍率に応じた速度比で第1方向に
同期移動させつつ、照明光(EL)により前記第1マス
クを照射して該第1マスクに形成されたパターンを前記
第1投影光学系を介して前記第1基板上の第1区画領域
に転写する第1工程と;前記第1工程と同時に、第2マ
スク(R2)と第2基板(W2)とを第2投影光学系
(PL2)の投影倍率に応じた速度比で前記第1方向に
同期移動させつつ、照明光(EL)により前記第2マス
クを照射し、該第2マスクに形成されたパターンを前記
第2投影光学系を介して前記第2基板上の第2区画領域
に転写する第2工程とを含む。
【0048】これによれば、第1工程の走査露光による
第1基板上の第1区画領域に対する第1マスクのパター
ンの転写と、第2工程の走査露光による第2基板上の第
2区画領域に対する第2マスクのパターンの転写とが同
時に行われる。すなわち、第1基板と第2基板との2枚
の基板に対するマスクパターンの転写が同時並行的に行
われるので、スループットの向上を図ることができる。
【0049】この場合において、請求項14に記載の発
明の如く、前記第1、第2工程と同時に、前記第1、第
2基板と異なる第3基板(WS3)、第4基板(WS
4)にそれぞれ形成された位置合わせマークの検出を行
う第3工程を更に含んでいても良い。かかる場合には、
2つの基板に対する露光動作と、2つの基板に対するマ
ーク位置検出動作(アライメント動作)とが同時並行的
に行われる。この場合、第3基板、第4基板に対するア
ライメント時間は、第1、第2基板に対する露光時間に
完全にオーバーラップされるので、一層スループットの
向上が可能である。
【0050】また、上記請求項13に記載の露光方法に
おいて、請求項15に記載の発明の如く、前記第1、第
2工程の処理の終了後に、前記第2マスク(R2)と前
記第1基板(W1)とを第1投影光学系(PL)の投影
倍率に応じた速度比で第1方向に同期移動させつつ、照
明光(EL)により前記第2マスクを照射して該第2マ
スクに形成されたパターンを前記第1投影光学系(PL
1)を介して前記第1基板(W)上の前記第1区画領域
に重ねて転写する第3工程と;前記第3工程と同時に、
前記第1マスク(R1)と前記第2基板(W2)とを第
2投影光学系(PL2)の投影倍率に応じた速度比で前
記第1方向に同期移動させつつ、照明光により前記第1
マスクを照射し、該第1マスクに形成されたパターンを
前記第2投影光学系を介して前記第2基板上の前記第2
区画領域に重ねて転写する第4工程とを更に含んでいて
も良い。
【0051】かかる場合には、例えば、予め第1マスク
に第1分解パターンを形成し、第2マスクに第2分解パ
ターンを形成しておくことにより、第1、第2工程の走
査露光により第1基板の第1区画領域、第2基板の第2
区画領域に対して第1分解パターン、第2分解パターン
をそれぞれ同時に転写した後、第3、第4工程の走査露
光により、第1基板上の第1区画領域に対して第2分解
パターン、第2基板上の第2区画領域に対して第1分解
パターンをそれぞれ転写する。これにより、簡単に第1
分解パターンと第2分解パターンとの合成パターンを第
1基板の第1区画領域、第2基板の第2区画領域に対し
て転写することができる。すなわち、2枚の基板に対す
る二重露光を同時にかつ容易に実現することができる。
従って、スループットの向上を図ることができるととも
に、解像力及び焦点深度の向上により微細パターンの高
精度露光が可能になる。
【0052】請求項16に記載の発明は、マイクロデバ
イスを製造するフォトリソグラフィ工程で使用される露
光装置であって、第1マスク(R1)を保持する第1マ
スクステージ(RS1)と;少なくとも2つの反射光学
素子(M1、M2、M3)を有する第1投影光学系(P
L1)と;前記第1投影光学系に対して前記第1マスク
ステージ側で第1基板(W1)を保持する第1基板ステ
ージ(WS1)と;第2マスク(R2)を保持する第2
マスクステージ(RS2)と;少なくとも2つの反射光
学素子(M1、M2、M3)を有する第2投影光学系
(PL2)と;前記第2投影光学系に対して前記第2マ
スクステージ側で第2基板(W2)を保持する第2基板
ステージ(RS2)と;前記第1及び第2基板をそれぞ
れ走査露光するとき、前記第1及び第2基板ステージを
所定方向に沿って互いに逆向きに駆動する駆動装置(2
2、40)とを備える。
【0053】これによれば、第1及び第2基板の走査露
光に際し、照明光により第1マスクステージ上のマスク
と第2マスクステージ上のマスクとがそれぞれ照射され
た状態で、駆動装置により前記第1及び第2基板ステー
ジが所定方向に沿って互いに逆向きに駆動される。これ
により、第1基板及び第2基板に対するマスクパターン
の転写が同時並行的に行われるので、スループットの向
上を図ることができる。また、この場合、請求項2に記
載の発明と同様の理由により、第1、第2基板ステージ
の支持部材を含む露光装置のボディに与えられる所定方
向の力を小さくすることができ、これにより第1マスク
ステージと第1基板ステージ、第2マスクステージと第
2基板ステージ間の同期誤差を低減することができる。
【0054】請求項17に記載の発明は、デバイスパタ
ーンを基板上に転写する露光方法であって、第1投影光
学系(PL1)に対して第1マスク(R1)側に第1基
板(W1)を配置し、前記第1マスクと前記第1基板と
を同期移動して前記第1マスクのパターンを前記第1基
板上に転写する第1工程と;第2投影光学系(PL2)
に対して第2マスク(R2)側に第2基板(W2)を配
置し、前記第2マスクと前記第2基板とを同期移動して
前記第2マスクのパターンを前記第2基板上に転写する
第2工程とを含み、前記第1及び第2工程はほぼ同時に
実行され、かつ前記第1及び第2基板は所定方向に沿っ
て互いに逆向きに移動される。
【0055】これによれば、第1、第2工程において、
第1投影光学系により第1マスクのパターンが第1基板
に転写されるとほぼ同時に第2投影光学系により第2マ
スクのパターンが第2基板に転写される。この場合、第
1及び第2基板は所定方向に沿って互いに逆向きに移動
されるので、上記請求項16に記載の発明と同様の理由
により、第1マスクと第1基板、第2マスクと第2基板
との同期誤差を低減することができる。
【0056】上記請求項17に記載の露光方法におい
て、スループット向上の観点からは第1、第2マスクの
移動方向は、特に問わない。従って、例えば請求項18
に記載の発明の如く、前記第1マスクは前記所定方向に
沿って前記第1基板とは逆向きに移動され、前記第2マ
スクは前記所定方向に沿って前記第2基板とは逆向きに
移動されるようにしても良く、かかる場合には、請求項
19に記載の発明の如く、前記第1及び第2マスクと前
記第1及び第2基板は同一直線上で移動されることが望
ましい。
【0057】上記請求項17〜19に記載の各発明にお
いては、請求項20に記載の発明の如く、前記第1マス
ク(R1)と前記第1基板(W1)との同期移動によっ
て生じる反力と、前記第2マスク(R2)と前記第2基
板(W2)との同期移動によって生じる反力とが互いに
打ち消し合うようにしても良い。
【0058】また、上記請求項17〜20に記載の各発
明においては、請求項21に記載の発明の如く、前記第
1及び第2工程の後、前記第1基板と前記第2基板とは
それぞれ前記所定方向と直交する方向に沿って互いに逆
向きに移動されるようにしても良い。かかる場合には、
例えば、第1、第2工程において、例えば第1基板、第
2基板上のそれぞれの1ショット領域に第1マスクのパ
ターン、第2マスクのパターンをそれぞれ転写した後
に、第1、第2基板をそれぞれの次ショット領域の走査
開始位置にステッピングさせる際に、このステッピング
時の第1基板の加減速による反力と第2基板の加減速に
よる反力とがある程度相殺されるようになる。
【0059】請求項22に記載の発明に係るデバイス製
造方法は、請求項1〜12及び16のいずれか一項に記
載の露光装置を用いたリソグラフィ工程を含むことを特
徴とする。かかる場合には、上記各発明に係る露光装置
によりスループットの向上が可能になるので、結果的に
マイクロデバイスを低コストで製造することが可能にな
る。
【0060】請求項23に記載の発明に係るデバイス製
造方法は、請求項13〜15及び17〜21のいずれか
一項に記載の露光方法を用いたことを特徴とする。
【0061】請求項24に記載の発明は、パターンを有
する第1物体(R1、R2)に照射されるエネルギー線
で第2物体(W1、W2等)を露光する装置であって、
第1定盤(18又は180)と;前記エネルギー線に対
して前記第1物体を相対移動するために、前記第1定盤
上に配置される、前記第1物体を保持可能な複数の第1
可動体(RS1、RS2)と;前記第2物体の走査露光
時に、前記第1物体の移動に同期して前記エネルギー線
に対して前記第2物体を相対移動するために、前記第1
定盤上に配置される、前記第2物体を保持可能な複数の
第2可動体(WS1〜WS4)と;前記各第1可動体に
保持される第1物体に前記エネルギー線を照射するため
に、前記第1定盤に関して前記第1物体と反対側に少な
くとも1つの光学素子が配置される照明系(I2A、B
MU1、IOP1、12B、BMU2、IOP2)とを
備える。
【0062】これによれば、各第1可動体に保持される
第1物体にエネルギー線をそれぞれ照射するために、第
1定盤に関して前記第1物体と反対側に少なくとも1つ
の光学素子が配置される照明系を備えていることから、
走査露光時に該照明系からのエネルギ線が第1定盤を介
して第1物体にそれぞれ照射され、各エネルギ線に対し
て複数の第1可動体にそれぞれ保持された第1物体が相
対移動されるとともに、前記各第1可動体に対応する第
2可動体に保持された第2物体が相対移動されて、各第
1物体に照射されたエネルギ線で対応する第2物体がそ
れぞれ露光され、各第2物体に対して対応する第1物体
のパターンがそれぞれ転写される。すなわち、本発明に
よれば、複数の第2物体に対する露光を同時並行的に行
うことができるので、スループットの向上を図ることが
できる。また、例えば第1定盤の上方に複数の第1可動
体、複数の第2可動体を配置する場合には、第1定盤の
下方に照明系の少なくとも1つの光学素子を配置すれば
良い。すなわち第1定盤の下方に照明系の全て又は一部
を配置すれば良く、この場合、その照明系の全て又は一
部は、露光装置が設置されるクリーンルームの床面の上
方又はその床面の下方のユーティリティスペース等のい
ずれにも配置することができ、特に後者の場合には床面
の有効利用が可能となる。また、この場合、露光装置の
上側部分を小型・軽量化することができるので、露光装
置本体の振動を低減することができる。
【0063】この場合において、請求項25に記載の発
明の如く、前記複数の第1及び第2可動体の少なくとも
1つの移動に応じて前記第1定盤(180)が移動する
ように、前記第1定盤を支持する第2定盤(190)を
更に備えていても良い。かかる場合には、複数の第1及
び第2可動体のいずれか1つが移動する場合若しくは複
数の可動体が同時に移動する場合には、その移動に応じ
て第2定盤に支持された第1定盤が移動するので、その
第1定盤の移動により、複数の第1及び第2可動体、第
1定盤及び第2定盤を含む系の重心位置の移動及びそれ
による偏荷重がキャンセルされる。このため、第2定盤
の振動、ひいては露光装置本体の振動を防止することが
できる。
【0064】この場合において、第2定盤は、単に第1
定盤を例えばボール等介して移動可能に支持していても
良いが、請求項26に記載の発明の如く、前記第2定盤
(190)には、前記第1定盤を非接触で支持する浮上
機構を設けても良い。また、この場合、その浮上機構
は、エアベアリングあるいは単に第1定盤を電磁気的相
互作用により浮上支持するものであっても構わないが、
請求項27に記載の発明の如く、前記浮上機構は、前記
第1定盤を2次元方向に駆動する第2のリニアアクチュ
エータであっても良い。かかる場合には、第1及び第2
可動体の位置の変化にて露光装置本体が全体的に傾いた
場合に、第2のリニアアクチュエータの制御応答を数H
zにて制御することにより、その傾き方向に第1定盤が
移動する低周波位置ずれを防止することができる。
【0065】上記請求項24〜27に記載の各発明に係
る露光装置において、請求項28に記載の発明の如く、
前記第1定盤(18又は180)は、前記複数の第1及
び第2可動体(RS1、RS2、WS1〜WS4)をそ
れぞれ非接触で支持し、所定方向に駆動する第1リニア
アクチュエータ(22)が設けられていても良い。かか
る場合には、第1定盤は例えばエアベアリングあるいは
電磁気的相互作用により複数の第1及び第2可動体を浮
上支持し、第1リニアアクチュエータにより摩擦無く、
複数の第1及び第2可動体を駆動できるので、各可動体
の位置制御性が良好となる。勿論、第1リニアアクチュ
エータにより、複数の第1及び第2可動体を浮上支持し
ても良い。
【0066】この場合において、第1のリニアアクチュ
エータは、複数の第1及び第2可動体を少なくとも走査
方向に駆動するものであれば足りるが、例えば、請求項
29に記載の発明の如く、前記第1リニアアクチュエー
タ(22)は、前記複数の第1及び第2可動体(RS
1、RS2、WS1〜WS4)をそれぞれ6自由度で駆
動するものであっても良い。かかる場合には、Zチルト
駆動機構等が不要となり、第1及び第2可動体を単なる
板状物体により構成することが可能となり、該可動体の
構造の簡略化、軽量化等が可能となり、これにより位置
制御性が一層向上する。
【0067】上記請求項24及び25に記載の各発明に
係る露光装置において、請求項30に記載の発明の如
く、前記第2物体(W1、W2等)の走査露光時、前記
複数の第1可動体(RS1、RS2)の2つを互いに逆
向きに移動するために、前記第1定盤(18又は18
0)に設けられるアクチュエータ(22)を更に備えて
いても良い。かかる場合には、走査露光時に、第1定盤
に設けられたアクチュエータにより、複数の第1可動体
の2つが互いに逆向きに移動されるので、個々の第1可
動体の移動(走査)の際の加減速時に発生する第1定盤
に対する反力を少なくとも一部相殺することができる。
この場合において、一方の第1可動体の推力(駆動力)
と他方の第1可動体の推力(駆動力)とが同一になるよ
うにすることにより、2つの第1可動体の移動によって
第1定盤に作用する反力同士をほぼ確実にキャンセルす
ることができる。例えば、第1可動体同士の質量、加減
速度を同じにすれば良い。なお、一方の第1可動体の推
力(駆動力)と他方の第1可動体の推力(駆動力)とが
同一であれば良いので、一方の第1可動体の質量と加速
度の積と、他方のそれとが同一であれば良く、両第1可
動体の質量同士、加速度同士が必ずしも同一でなくでも
良い。
【0068】この場合において、請求項31に記載の発
明の如く、前記アクチュエータ(22)は、前記2つの
第1可動体(RS1、RS2)に対応する2つの第2可
動体(WS1又はWS3、WS2又はWS4)を互いに
逆向きに移動しても良い。この場合、アクチュエータに
より、2つの第1可動体に対応する2つの第2可動体が
互いに逆向きに移動されるので、個々の第2可動体の移
動の際の加減速時に発生する第1定盤に対する反力を少
なくとも一部相殺することができる。この場合におい
て、一方の第2可動体の推力(駆動力)と他方の第2可
動体の推力(駆動力)とが同一になるようにすることに
より、2つの第2可動体の移動によって第1定盤に作用
する反力同士をほぼ確実にキャンセルすることができ
る。
【0069】この場合において、請求項32に記載の発
明の如く、前記アクチュエータ(22)は、前記2つの
第1可動体の1つ(RS1又はRS2)とこれに対応す
る第2可動体(WS1又はWS2)とを互いに逆向きに
移動しても良い。かかる場合には、アクチュエータによ
り、2つの第1可動体の1つとこれに対応する第2可動
体とが互いに逆向きに移動されるので、第1可動体と第
2可動体の移動(走査)の際の加減速時に発生する第1
定盤に対する反力を少なくとも一部相殺することができ
る。この場合において、第1可動体の推力(駆動力)と
対応する第2可動体の推力(駆動力)とが同一になるよ
うにすることにより、これらの可動体の移動によって第
1定盤に作用する反力同士をほぼ確実にキャンセルする
ことができる。
【0070】上記請求項31及び32に記載の各発明に
係る露光装置において、請求項33に記載の発明の如
く、前記アクチュエータ(22)は、前記2つの第1可
動体と前記2つの第2可動体とをほぼ同一直線上で移動
することが望ましい。かかる場合には、各可動体の移動
によって生じる反力に起因して回転モーメントが第1定
盤に作用することもない。
【0071】上記請求項24及び25に記載の各発明に
係る露光装置において、請求項34に記載の発明の如
く、前記複数の第1可動体(RS1、RS2)の位置情
報をそれぞれ検出する複数の第1干渉計(RIX1〜R
IX4、RIY1〜RIY6)を更に備えていても良
い。かかる場合には、複数の第1干渉計によって複数の
第1可動体の位置情報を検出しつつ、当該複数の第1可
動体の位置を高精度に制御することが可能になる。
【0072】この場合において、請求項35に記載の発
明の如く、前記複数の第1干渉計(RIX1〜RIX
4、RIY1〜RIY6)はそれぞれ前記走査露光時に
前記第1物体(R1、R2)が移動される第1軸方向と
これと直交する第2軸方向とに関する位置情報の検出に
用いられる複数の第1測長軸を有していれば良い。これ
により、走査露光中、複数の第1可動体、ひいては第1
物体の位置を複数の第1測長軸で規定される直交座標系
上で高精度に管理することができる。
【0073】この場合において、請求項36に記載の発
明の如く、前記複数の第1測長軸は、前記第1及び第2
軸と直交する第3軸に関する、前記第1可動体(RS
1、RS2)の回転に関する情報の検出に用いられる測
長軸を含んでいても良い。かかる場合には、走査露光
中、複数の第1可動体、ひいては第1物体の直交座標系
上の位置に加え、その移動面内の回転(ヨーイング)を
も高精度に管理することができる。
【0074】この場合において、請求項37に記載の発
明の如く、前記複数の第1測長軸は、前記第1及び第2
軸の少なくとも1つに関する、前記第1可動体の回転に
関する情報の検出に用いられる少なくとも1つの測長軸
を含んでいても良い。かかる場合には、走査露光中、複
数の第1可動体、ひいては第1物体の直交座標系上の位
置、その移動面内の回転(ヨーイング)に加え、第1及
び第2軸の少なくとも1つに関する回転、すなわちピッ
チング及びローリングの少なくとも一方についても高精
度に管理することが可能になる。
【0075】上記請求項34に記載の露光装置におい
て、請求項38に記載の発明の如く、前記複数の第2可
動体(WS1又はWS3、WS2又はWS4)の位置情
報をそれぞれ検出する複数の第2干渉計(WIX1〜W
IX4、WIX9、WIX10、WIY1、WIY2、
WIY9、WIY10)を更に備えていても良い。かか
る場合には、複数の第1干渉計によって複数の第1可動
体の位置情報を検出しつつ、当該複数の第1可動体の位
置を高精度に制御できるとともに、複数の第2干渉計に
よって複数の第2可動体の位置情報を検出しつつ、当該
複数の第2可動体の位置を高精度に制御することができ
る。すなわち、第1可動体と第2可動体との相対位置関
係、ひいては第1物体と第2物体との相対位置関係を高
精度に管理することが可能になる。
【0076】この場合において、請求項39に記載の発
明の如く、前記複数の第2干渉計はそれぞれ前記走査露
光時に前記第2物体(W1又はW3、W2又はW4)が
移動される第1軸方向とこれと直交する第2軸方向とに
関する位置情報の検出に用いられる複数の第2測長軸を
有していれば良い。これにより、走査露光中、複数の第
2可動体、ひいては第2物体の位置を複数の第2測長軸
で規定される直交座標系上で高精度に管理することがで
きる。
【0077】この場合において、請求項40に記載の発
明の如く、前記複数の第2測長軸は、前記第1及び第2
軸と直交する第3軸に関する、前記第2可動体(WS1
又はWS3、WS2又はWS4)の回転に関する情報の検
出に用いられる測長軸を含んでいても良い。かかる場合
には、走査露光中、複数の第2可動体、ひいては第2物
体の直交座標系上の位置に加え、その移動面内の回転
(ヨーイング)をも高精度に管理することができる。
【0078】この場合において、請求項41に記載の発
明の如く、前記複数の第2測長軸は、前記第1及び第2
軸の少なくとも1つに関する、前記第2可動体の回転に
関する情報の検出に用いられる少なくとも1つの測長軸
を含んでいても良い。かかる場合には、走査露光中、複
数の第2可動体、ひいては第2物体の直交座標系上の位
置、その移動面内の回転(ヨーイング)に加え、第1及
び第2軸の少なくとも1つに関する回転、すなわちピッ
チング及びローリングの少なくとも一方についても高精
度に管理することが可能になる。
【0079】上記請求項24〜27に記載の各発明に係
る露光装置において、第1可動体と第2可動体の数は同
一であっても勿論良いが、請求項42に記載の発明の如
く、前記複数の第2可動体(WS1〜WS4)はその数
が前記複数の第1可動体(RS1、RS2)よりも少な
くとも1つ多くても良い。かかる場合には、例えば、複
数の第1可動体に対応する第2可動体上の第2物体の走
査露光を同時並行的に行うのに並行して、残りの第2可
動体上で他の処理、例えば第2物体の交換、第2物体の
アライメントなどを行うことが可能になり、全体として
のスループットが一層向上する。
【0080】この場合において、請求項43に記載の発
明の如く、前記複数の第1可動体とこれに対応する複数
の第2可動体とをそれぞれ同期移動し、かつ前記同期移
動とは無関係に前記少なくとも1つの第2可動体を移動
するために、前記第1定盤(18又は180)に設けら
れる第1リニアアクチュエータ(22)を更に備えてい
ても良い。かかる場合には、同一の第1リニアアクチュ
エータにより、複数の第1可動体とこれに対応する複数
の第2可動体とをそれぞれエネルギー線に対する同期移
動動作、すなわち複数の第2可動体上の第2物体に対す
る走査露光動作と、残りの第2可動体上での他の動作と
の同時並行処理を実現することができる。
【0081】この場合において、請求項44に記載の発
明の如く、前記同期移動される複数の第2可動体(例え
ばWS1、WS2)の位置情報をそれぞれ検出するため
に、少なくとも前記エネルギー線の照射領域内で交差す
る2つの第2測長軸を有する複数の第2干渉計(WIX
1、WIX9、WIY1、WIY9、WIX3、WIX
10、WIY2、WIY10)と、前記少なくとも1つ
の第2可動体(WS3、WS4)の位置情報を検出する
ために、少なくとも前記照射領域外で交差する2つの第
3測長軸を有する第3干渉計(WIX5〜WIX8、W
IY3〜WIY8)とを更に備えていても良い。かかる
場合には、複数の第2可動体上の第2物体に対する走査
露光動作と、残りの第2可動体上での他の動作とのいず
れにおいても、すべての第2可動体の位置を高精度に管
理することが可能になる。
【0082】この場合において、請求項45に記載の発
明の如く、前記複数の第2干渉計の1つと前記第3干渉
計とは、前記複数の第2可動体(WS1〜WS4)の1
つがその1つの第2干渉計の少なくとも1つの第2測長
軸と、前記第3干渉計の少なくとも1つの第3測長軸と
で同一位置で又は同時に検出可能に配置されていても良
い。かかる場合には、第2可動体の1つをその1つの第
2干渉計の少なくとも1つの第2測長軸と、第3干渉計
の少なくとも1つの第3測長軸とで同一位置で又は同時
に検出したときに、両干渉計の計測値の対応付けを行う
ことにより、例えば、第3の干渉計の測長軸で規定され
る座標系上での第2可動体の位置座標を、第2干渉計、
すなわち露光中の可動体(第3基板)の位置管理に用い
られる干渉計の測長軸で規定される座標系上の座標位置
としてそのまま使用することが可能になる。
【0083】上記請求項44及び45に記載の各発明に
係る露光装置において、請求項46に記載の発明の如
く、前記少なくとも1つの第2可動体に保持される第2
物体上のマークを検出するために、前記2つの第3測長
軸の交点にほぼ検出中心を有するマーク検出系を更に備
えていても良い。かかる場合には、マーク検出系による
第2可動体に保持される第2物体上のマーク検出に際
し、その第2可動体の位置を第3干渉計の2つの第3測
長軸の計測値に基づいて、いわゆるアッベの誤差無く、
高精度に計測することが可能になる。
【0084】上記請求項43に記載の露光装置におい
て、請求項47に記載の発明の如く、前記第1リニアア
クチュエータ(22)は、前記複数の第1可動体(RS
1、RS2)の1つと同期移動される1つの第2可動体
(WS1〜WS4のいずれか)と、前記同期移動と無関
係に移動される第2可動体とを、その1つの第2可動体
に保持される第2物体の走査露光の終了後に交換するこ
とを特徴とする。かかる場合には、1つの第1可動体と
対応する第2可動体に保持される第2物体の走査露光が
終了すると、第1リニアアクチュエータにより、その第
2可動体がその同期移動と無関係に移動される別の第2
可動体と交換されるので、1つの第2物体に対する走査
露光の終了後直ちに同一の第1物体を用いた別の第2物
体に対する走査露光を開始することができる。
【0085】請求項48に記載の発明は、マスクに照射
されるエネルギー線で基板を露光する方法において、前
記エネルギー線で第1及び第2基板(W1及びW2)を
それぞれ走査露光するために、第1マスク(R1)と前
記第1基板(W1)とを同期移動するとともに、第2マ
スク(R2)と前記第2基板(W2)とを同期移動し、
かつ前記第1及び第2マスク、又は前記第1及び第2基
板を同一面上で逆向きに移動することを特徴とする。
【0086】これによれば、エネルギ線が第1マスク及
び第2マスクにそれぞれ照射された状態で、第1マスク
と第1基板とが同期移動されるとともに、第2マスクと
第2基板とが同期移動され、各マスクに照射されたエネ
ルギ線で対応する基板がそれぞれ走査露光され、各基板
に対して対応するマスクのパターンがそれぞれ転写され
る。本発明によれば、複数の基板のそれぞれに対して並
行して露光を行うことができ、スループットの向上を図
ることができる。また、この際、第1及び第2マスク、
又は前記第1及び第2基板を同一面上で逆向きに移動す
るので、個々のマスク又は個々の基板の移動(走査)の
際の加減速時に発生する前記同一面が設けられた支持部
材(ベース盤)に対する反力を少なくとも一部相殺する
ことができる。この場合において、一方のマスク(ある
いは基板)の推力(駆動力)と他方のマスク(あるいは
基板)の推力(駆動力)とが同一になるようにすること
により、第1、第2マスク又は第1、第2基板の移動に
よって支持部材に作用する反力同士をほぼ確実にキャン
セルすることができる。
【0087】この場合において、請求項49に記載の如
く、前記第1マスク(R1)と前記第1基板(W1)と
の同期移動と、前記第2マスク(R2)と前記第2基板
(W2)との同期移動とはほぼ同時に行っても良い。
【0088】上記請求項48及び49に記載の各発明に
係る露光方法において、第1及び第2マスクを同一の第
1面上で移動させ、第1及び第2基板を第1面と異なる
第2面上で移動させても良いが、請求項50に記載の発
明の如く、前記第1及び第2マスクと前記第1及び第2
基板とは同一面上に配置されることが望ましい。かかる
場合には、前記第1及び第2マスクと前記第1及び第2
基板との移動によって生じる反力が完全にキャンセルさ
れない場合であっても前記同一面が設けられた支持部材
には前記同一面での回転モーメントしか作用しないの
で、振動等を簡単に抑制することができる。
【0089】上記請求項48〜50に記載の各発明に係
る露光方法において、請求項51に記載の発明の如く、
前記第1及び第2マスク(R1及びR2)、及び前記第
1及び第2基板(W1及びW2)はそれぞれ逆向きに移
動されても良い。かかる場合には、個々のマスク移動に
よって支持部材(ステージベース)に生じる反力同士、
個々の基板の移動によって支持部材に生じる反力同士
を、それぞれ少なくとも一部相殺することができる。こ
の場合において、第1マスクの推力(駆動力)と第2マ
スクの推力、及び第1基板の推力と第2基板の推力を、
ともに同一にすることにより、支持部材に作用する反力
をほぼ確実にキャンセルすることができる。
【0090】この場合において、請求項52に記載の発
明の如く、前記第1マスク(R1)と前記第1基板(W
2)とは逆向きに移動されても良い。かかる場合には、
第1マスクと第1基板、及び第2マスクと第2基板と
が、互いに逆向きに移動されるので、第1マスクと第1
基板との移動(走査)の際の加減速時に発生する支持部
材に対する反力同士、及び第2マスクと第2基板との移
動(走査)の際の加減速時に発生する支持部材に対する
反力同士を、それぞれ少なくとも一部相殺することがで
きる。この場合において、第1マスクの推力(駆動力)
と第1基板の推力(駆動力)とが同一となり、第2マス
クの推力と第2基板の推力とが同一となるようにするこ
とにより、支持部材に作用する反力をほぼ確実にキャン
セルすることができる。
【0091】この場合において、請求項53に記載の発
明の如く、前記第1及び第2マスクと前記第1及び第2
基板とはほぼ同一直線上で移動されることが望ましい。
かかる場合には、前記第1及び第2マスクと前記第1及
び第2基板との移動によって生じる反力が完全にキャン
セルされない場合であってもそれらの反力に起因して支
持部材に回転モーメントが生じることがない。
【0092】上記請求項48〜50に記載の各発明に係
る露光方法において、請求項54に記載の発明の如く、
前記第1基板(W1)は、前記第1マスク(R1)を用
いる第1走査露光に続けて前記第2マスク(R2)を用
いる第2走査露光が行われても良い。
【0093】この場合において、請求項55に記載の発
明の如く、前記第2走査露光前に前記第1マスク(R
1)が前記第2マスク(R2)と交換されても良い。か
かる場合には、上記の第2走査露光と並行して第2基板
を第1マスクあるいはこれと異なる第3マスクのパター
ンで露光しても良い。
【0094】上記請求項54及び55に記載の各発明に
係る露光方法において、請求項56に記載の発明の如
く、前記第1基板(W1)は、前記第1及び第2走査露
光によって多重露光されても良く、あるいは請求項57
に記載の発明の如く、前記第1基板は、前記第1及び第
2走査露光によって、前記第1マスクの第1パターンと
前記第2マスクの第2パターンとが異なる領域に転写さ
れても良い。前者の場合には、解像力及び焦点深度の向
上により微細パターンの高精度な露光が可能になり、ま
た、後者の場合には、例えばスティッチングによる大面
積パターンの転写像を第1基板上に形成することができ
る。
【0095】上記請求項48〜50に記載の各発明に係
る露光方法において、請求項58に記載の発明の如く、
前記第1基板(W1又はW3)の走査露光動作と並行し
て第3基板(W3又はW1)上のマークを検出し、この
検出結果を用いて前記第3基板の走査露光を行っても良
い。これによれば、第1基板の走査露光動作と第3基板
のマーク検出を並行して行い、この第3基板上のマーク
の検出結果を用いて第1基板の走査露光の終了後直ちに
同一の第1マスクにより第3基板の走査露光を開始する
ことができる。
【0096】この場合において、請求項59に記載の発
明の如く、前記第3基板(W3又はW1)の走査露光に
先立って、前記第1マスク(R1)上のマークが、前記
第3基板が保持される可動体(WS3又はWS1)に設
けられる基準マーク(FM3又はFM1)と共に検出さ
れることが望ましい。かかる場合には、前記第3基板の
走査露光に先立って、前記第1マスク上のマークが、前
記第3基板が保持される可動体に設けられる基準マーク
と共に検出されるので、その基準マークと第1マスク上
のマークとの相対位置関係に基づいて、第3基板の走査
露光中の第1マスクと第3基板との相対位置合わせを精
度良く行うことができる。
【0097】この場合において、請求項60に記載の発
明の如く、前記第3基板(W3又はW1)上のマークの
検出と、前記基準マーク(FM3又はFM1)の検出と
で互いに異なる干渉計を用いても良い。
【0098】この場合において、請求項61に記載の発
明の如く、前記第3基板(W3又W1)上のマークの検
出に用いられる干渉計の測長軸と、前記基準マーク(F
M3又はFM1)の検出に用いられる干渉計の測長軸と
によって前記可動体(WS3又はWS1)が同一位置で
又は同時に検出可能なとき、その2つの干渉計の各計測
値を対応付けても良い。かかる場合には、マークの検出
に用いられる干渉計の測長軸で規定される座標系上での
前記マーク等の座標位置を、基準マークの検出に用いら
れる干渉計、すなわち露光中の可動体(第3基板)の位
置管理に用いられる干渉計の測長軸で規定される座標系
上の座標位置としてそのまま使用することが可能にな
る。
【0099】上記請求項48〜50に記載の各発明に係
る露光方法において、請求項62に記載の発明の如く、
前記第1基板(W1又はW3)の走査露光条件と前記第
2基板(W2又はW4)の走査露光条件とを異ならせて
も良い。かかる場合には、第1基板の露光に用いられる
第1マスクと第2基板の露光に用いられる第2マスクの
パターンに応じた最適な走査露光条件をそれぞれ設定す
ることが可能になる。
【0100】この場合において、走査露光条件は種々の
ものが含まれるが、例えば、請求項63に記載の発明の
如く、前記走査露光条件は、前記エネルギー線を射出す
る照明光学系の瞳面上での前記エネルギー線の強度分布
と、前記エネルギー線が通過する投影光学系の開口数と
を含んでいても良い。
【0101】上記請求項48〜50に記載の各発明に係
る露光方法において、請求項64に記載の発明の如く、
前記第1及び第2マスク(R1及びR2)は透過型マス
クであり、前記第1及び第2マスクが配置されるべース
(18又は180)に関してその反対側から前記第1及
び第2マスクにそれぞれ前記エネルギー線を照射しても
良い。
【0102】この場合、エネルギ線は波長200nm以
上の光であっても良いが、請求項65に記載の発明の如
く、前記エネルギー線は、波長が200nm程度以下の
真空紫外光であっても良い。
【0103】上記請求項48〜50に記載の各発明に係
る露光方法において、請求項66に記載の発明の如く、
前記第1及び第2マスク(R1及びR2)は反射型マス
クであり、前記第1及び第2マスクが配置されるべース
(18又は180)に関して同一側から前記第1及び第
2マスクにそれぞれ前記エネルギー線を照射しても良
い。
【0104】この場合において、請求項67に記載の発
明の如く、前記エネルギー線は波長が5〜15nmの範
囲内であるEUV光であり、前記第1及び第2マスクと
直交する方向に対してその主光線が傾けられていても良
い。かかる場合には、EUV光と反射型マスクとの組み
合わせにより、例えば50〜70nmL/S程度の微細
なパターンの転写が可能になる。
【0105】上記請求項48〜67に記載の各発明に係
る露光方法において、第1及び第2マスクにそれぞれ照
射されるエネルギー線は同一波長のエネルギ線であって
も良いが、請求項68に記載の発明の如く、前記第1及
び第2マスクにそれぞれ照射されるエネルギー線は、相
互に波長が異なっていても良い。
【0106】請求項69に記載の発明は、マスクに形成
されたパターンにエネルギー線を照射して前記パターン
で被露光物体を露光する露光装置であって、前記マスク
(R1、R2)を各々保持して移動可能な複数のマスク
ステージ(RS1、RS2)と;前記被露光物体(W
1、W2等)を各々保持して移動可能な複数の物体ステ
ージ(WS1、WS2等)と;前記複数のマスクステー
ジ及び前記複数の物体ステージを移動可能に支持する共
通のベース盤(18又は180)と;前記各マスクを透
過したエネルギー線を、対応する前記被露光物体上に投
影する複数の投影系(PL1、PL2)と;を備え、前
記各投影系に対して前記各マスクステージとそれに対応
する前記物体ステージとを同期移動することによって、
前記各マスクのパターンで前記各被露光物体を露光する
ことを特徴とする。
【0107】これによれば、マスクステージ、物体ステ
ージ及び投影系を複数組備えることから、各組のマスク
ステージ、物体ステージ及び投影系を同時に用いて露光
動作を行うことができる。すなわち、エネルギ線を第1
の組の第1マスクステージ上のマスクと第2の組の第2
マスクステージ上のマスクとにそれぞれ照射し、この状
態で、第1マスクステージ及びこれに対応する第1の組
の第1物体ステージと、第2マスクステージ及びこれに
対応する第2の組の第2物体ステージとがそれぞれの投
影光学系に対して同期移動することによって、各マスク
のパターンで各被露光物体を露光することができる。こ
のように複数の被露光物体の露光を同時並行的に行うこ
とができるので、スループットの向上を図ることができ
る。
【0108】また、第1及び第2マスクステージはいず
れも共通のベース盤によって移動可能に支持されている
ので、マスクステージの移動方向が互いに逆向きになる
ようにすることにより、個々のマスクステージの移動
(走査)の際の加減速時に発生するベース盤に対する反
力を少なくとも一部相殺することができる。この場合に
おいて、第1マスクステージの推力(駆動力)と第2マ
スクステージの推力(駆動力)とが同一になるようにす
ることにより、第1及び第2マスクステージの移動によ
ってベース盤に作用する反力同士をほぼ確実にキャンセ
ルすることができる。例えば、第1、第2マスクステー
ジの質量同士、加減速度同士を同じにすれば良い。この
場合、第1及び第2マスクステージに対応して第1及び
第2物体ステージ同士もまた互いに移動方向を逆向きに
することができるので、個々の物体ステージの移動の際
の加減速時に発生するベース盤に対する反力を少なくと
も一部相殺することができる。この場合において、第1
物体ステージの推力(駆動力)と第2物体ステージの推
力(駆動力)とが同一になるようにすることにより、第
1及び第2物体ステージの移動によってベース盤に作用
する反力同士をほぼ確実にキャンセルすることができ
る。
【0109】あるいは、第1のマスクステージと第1の
物体ステージとの移動方向、第2のマスクステージと第
2の物体ステージとの移動方向を、ともに、相互に逆向
きに設定することによっても、個々の組みのマスクステ
ージと物体ステージの移動(走査)の際の加減速時に発
生するベース盤に対する反力を少なくとも一部相殺する
ことができる。この場合において、各マスクステージの
推力(駆動力)と対応する物体ステージの推力(駆動
力)とが同一になるようにすることにより、各組みのス
テージの移動によってベース盤に作用する反力同士をほ
ぼ確実にキャンセルすることができる。
【0110】従って、本発明の露光装置では、ステージ
移動による反力を装置内でキャンセルして、装置本体の
振動及びそれに起因するステージ間の同期誤差を低減す
ることができる。
【0111】なお、本明細書において、「共通のベース
盤」とは、一つの平坦な表面を有する盤状部材のみなら
ず、複数のステージをそれぞれ移動可能に支持する複数
の面を備え、各面の高さが互いに異なっているような盤
状部材をも含む概念である。すなわち、複数のマスクス
テージ及び複数の物体ステージがそれぞれ盤状部材の少
なくとも一部分上で移動可能に支持されることが可能な
盤状部材であれば足り、その形状、構造及び材料は任意
である。但し、上述した複数のステージの同時移動時に
発生する反力を相殺し、露光装置の振動を抑制するとい
う目的を容易に達成すると言う点からすれば、1つの平
坦な表面を有し且つその表面上を複数のマスクステージ
及び物体ステージが自在に移動できる盤状部材であるこ
とが望ましい。
【0112】
【発明の実施の形態】《第1の実施形態》以下、本発明
の第1の実施形態を図1〜図12に基づいて説明する。
【0113】図1には、第1の実施形態に係る露光装置
10の構成が概略的に示され、図2には、この露光装置
10の投影光学系を取り除いた露光装置本体の平面図が
示されている。
【0114】この露光装置10は、いわゆるステップ・
アンド・スキャン方式の走査露光型の投影露光装置であ
る。この露光装置10は、一対のエキシマレーザ光源1
2A、12Bと、これらのエキシマレーザ光源12A、
12BがビームマッチングユニットBMU1、BMU2
をそれぞれ介して接続された露光装置本体14とを備え
ている。
【0115】図1では、エキシマレーザ光源12A、1
2Bと露光装置本体14とが便宜上近接して図示されて
いるが、実際には、露光装置本体14は、超クリーンル
ーム内に設置され、内部空間が高度に防塵されるととも
に、高精度な温度制御がなされたエンバイロメンタル・
チャンバ(図示省略)に収納され、エキシマレーザ光源
12A、12Bは、超クリーンルームから隔離された別
の部屋(クリーン度の低いサービスルーム)に設置され
ている。
【0116】露光装置本体14は、複数(ここでは4
つ)の除振パッド16によって水平に支持された第1定
盤としてのベース盤18、このベース盤18上を基板
(第1、第2基板)としてのウエハW1、W2をそれぞ
れ保持して独立してXY2次元面内を移動する第1、第
2基板ステージとしての第1、第2ウエハステージWS
1、WS2、ベース盤18上を第1、第2マスクとして
の第1、第2レチクルR1、R2をそれぞれ保持して主
として所定の走査方向、ここではY軸方向(図1におけ
る紙面内左右方向)に移動する第1、第2マスクステー
ジとしての第1、第2レチクルステージRS1、RS
2、ステージWS1、RS1の上方、及びステージWS
2、RS2の上方にそれぞれ配置された第1、第2投影
光学系PL1、PL2、ベース盤18の下方に配置さ
れ、レチクルR1、R2を下方から照明する第1、第2
照明光学系IOP1、IOP2、及び制御系等を備えて
いる。
【0117】ベース盤18上には、図2に示されるよう
に、さらに2つの基板ステージ、すなわち、第3、第4
基板ステージとしての第3、第4ウエハステージWS
3、WS4も配置されている。また、ベース盤18上に
は、マスク交換機構としてのレチクル交換機構20も配
置されている。
【0118】前記エキシマレーザ光源12A、12B
は、露光光源として用いられるもので、ここでは、波長
193nmのArFエキシマレーザ光をパルス発光す
る。ここで、エキシマレーザ光源12A、12Bからの
紫外域のパルスレーザ光を露光用照明光として用いるの
は、256M(メガ)bit〜4G(ギガ)bitクラ
ス以上の半導体メモリ素子(D−RAM)相当の集積度
と微細度とを持つマイクロ回路デバイスの量産製造に必
要とされる最小線幅0.25〜0.10μm程度のパタ
ーン解像力を得るためである。なお、露光用照明光とし
ては、ArFエキシマレーザ光に限らず、例えば波長2
48nmのKrFエキシマレーザ光や波長157nmの
2エキシマレーザ光、あるいは、銅蒸気レーザやYA
Gレーザの高調波、あるいは超高圧水銀ランプからの紫
外域の輝線(g線、i線等)等の他、波長5〜15nm
の軟X線領域の光(EUV光)を用いても良い。但し、
最小線幅0.10μmを実現するためには、F2エキシ
マレーザ光やEUV光等を用いることが望ましい。
【0119】上記ArFエキシマレーザ光(パルスレー
ザ光)の波長幅は、露光装置の照明系や投影光学系PL
1、PL2を構成する各種の屈折光学素子に起因した色
収差が許容範囲内になるように狭帯化されている。狭帯
化すべき中心波長の絶対値や狭帯化幅(0.2pm〜3
00pmの間)の値は、不図示の操作パネル上に表示さ
れるとともに、必要に応じて操作パネルから微調整でき
るようになっている。また操作パネルからはパルス発光
のモード(代表的には自励発振、外部トリガー発振、メ
ンテナンス用発振の3つのモード)が設定できる。
【0120】このように、エキシマレーザを光源とする
露光装置の一例は、特開昭57−198631号公報、
特開平1−259533号公報、特開平2−13572
3号公報、特開平2−294013号公報等に開示さ
れ、エキシマレーザ光源をステップ・アンド・スキャン
露光に利用した露光装置の一例は、特開平2−2294
23号公報、特開平6−132195号公報、特開平7
−142354号公報等に開示されている。従って図1
の露光装置10においても、上記の各特許公報に開示さ
れた基礎技術をそのまま、或いは部分的に変更して適用
することが可能である。
【0121】エキシマレーザ光源12A、12Bからの
レーザ光は、BMU1、BMU2をそれぞれ介して第
1、第2照明光学系IOP1、IOP2にそれぞれ入射
する。
【0122】第1、第2照明光学系IOP1、IOP2
は、ともに、ビームエキスパンダ、透過率が異なる複数
のNDフィルタをその1つが照明光路内に配置されるよ
うに保持するターレット板、(ダブル)フライアイレン
ズ系及び振動ミラーを含む照度均一化光学系、リレーレ
ンズ系、固定ブラインド、可動ブラインド等(いずれも
図示せず)から構成されている。ダブルフライアイレン
ズ系と振動ミラーとを組み合わせた構成については、例
えば、特開平1−235289号公報並びに、特開平7
−142354号公報に詳細に開示されている。
【0123】ここで、照明光学系IOP1、IOP2の
作用を簡単に説明すると、エキシマレーザ光源12A、
12Bから射出されたレーザ光は、照明光学系内に入射
し、ビームエキスパンダにより適当なビーム径に整形さ
れ、照度均一化光学系に入射し、ここでスペックルの低
減化、照度の均一化が行われて、レンズ系によりレチク
ルR(レチクルR1、R2)と共役な位置に設置された
可動ブラインドを通過し、レチクルRの共役面から僅か
にデフォーカスした位置に配置された固定ブラインドに
達し、ここで所定形状にその断面形状が規定された後、
リレーレンズ系及び折り曲げミラーMOを経て均一な照
明光(露光光)ELとして、レチクルR上の上記固定ブ
ラインドによって規定された所定形状、ここでは矩形ス
リット状の照明領域IAR(図6参照)を照明する。そ
して、この照明領域IARを透過した露光光ELが後述
する第1、第2投影光学系PL1、PL2に入射するよ
うになっている。本実施形態では、これらの照明光学系
IOP1、IOP2、ビームマッチングユニットBMU
1、BMU2、及びレーザ光源12A、12Bによって
照明系が構成されている。
【0124】ベース盤18には、折り曲げミラーMOで
折り曲げられた照明光ELを通過させるための開口18
a及び18bがそれぞれ形成されており、照明光ELは
開口18a及び18bを通過してレチクルステージRS
1、RS2にそれぞれ保持されたレチクルR1、R2に
到達する。なお、ベース盤18を光透過性材料により形
成して、開口18a及び18bを省略することもでき
る。この場合、ベース盤18の全体を光透過性材料によ
って形成する必要はなく、開口18a及び18bに相当
する部分のみを光透過性材料によって形成しても良い。
【0125】前記除振パッド16としては、空気式ダン
パが使用され、設置床からの振動をマイクロGレベルで
絶縁できるようになっている。
【0126】前記4つのウエハステージWS1、WS
2、WS3、WS4は、正方形の平面形状を有し、それ
らの質量(より厳密には、各ウエハステージWSとウエ
ハWとの質量の総和)m1、m2、m3、m4はともに
ほぼ等しくなっている。すなわち、m1、m2、m3、
m4=mが成立するように、各ウエハステージの質量が
設定されている。これら4つのウエハステージWS1、
WS2、WS3、WS4は、ベース盤18上に設けられ
た第1リニアアクチュエータとしての磁気浮上型2次元
リニアアクチュエータ22(図1では図示せず、図5参
照)によって数ミクロンの間隔を保った状態でベース盤
18上に浮上支持されるとともに、XY面内で独立して
2次元的に駆動されるようになっている。
【0127】これをさらに詳述すると、ウエハステージ
WS1、WS2、WS3、WS4の底面には不図示のマ
グネットが設けられ、ベース盤18の内部には、一部を
除きコイル(X回路、Y回路、Z回路を構成する)がほ
ぼ全面にわたって所定間隔で埋め込まれており、このコ
イルと前記ウエハステージWS1、WS2、WS3、W
S4の底面にそれぞれ設けられたマグネットとにより2
次元リニアアクチュエータ22(図5参照)の一部が構
成されている。この場合、ウエハステージWS1、WS
2、WS3、WS4はその底面に設けられたマグネット
の磁力と前記Z回路を構成するコイルに流れる電流によ
って生じるZ方向の磁力の作用によってベース盤18上
に浮上支持されている。そして、後述する主制御装置4
0(図1では図示せず、図5参照)により前記コイルに
流す電流を制御することにより、ウエハステージWS
1、WS2、WS3、WS4が、独立してXY2次元面
内で自在に駆動されるとともに、Z軸方向及びXY面に
対する傾斜方向にも微少駆動されるようになっており、
これによりウエハステージWS1、WS2、WS3、W
S4の6自由度方向の位置・姿勢制御が可能な構成とな
っている。
【0128】前記ウエハステージWS1、WS2、WS
3、WS4上には、不図示のウエハホルダを介して第
1、第2、第3、第4ウエハW1、W2、W3、W4が
真空吸着等により固定されている。また、ウエハステー
ジWS1、WS2、WS3、WS4の上面には、種々の
基準マーク(例えば、後述する第1基準マーク及び一対
の第2基準マーク等)が形成された基準マーク板FM
1、FM2、FM3、FM4がウエハW1、W2、W
3、W4とそれぞれほぼ同じ高さになるように設置され
ている。これらの基準マーク板FM1、FM2、FM
3、FM4は、例えば各ウエハステージの基準位置を検
出する際や、レチクルアライメントの際等に用いられ
る。
【0129】また、ウエハステージWS1、WS2、W
S3、WS4のX軸方向両側、Y軸方向両側の面(すな
わち4方の面)は、鏡面仕上げがなされた反射面となっ
ている。これらの反射面に、後述する干渉計システムを
構成する各測長軸の干渉計ビームが投射され、その反射
光を各干渉計で受光することにより、各反射面の基準位
置(一般には投影光学系側面や、アライメント光学系の
側面に固定ミラーを配置し、そこを基準面とする)から
の変位を計測し、これにより、ウエハステージWS1、
WS2、WS3、WS4の2次元位置がそれぞれ計測さ
れるようになっている。なお、干渉計システムの測長軸
の構成については、後に詳述する。
【0130】前記第1、第2レチクルステージRS1、
RS2は、正方形の平面形状を有し、ベース盤18上に
設けられた磁気浮上型2次元リニアアクチュエータ22
によって数ミクロンの間隔を保った状態でベース盤18
上に浮上支持されるとともに、Y軸方向(図1における
紙面左右方向)に独立して駆動されるようになってい
る。また、これらのレチクルステージRS1、RS2
は、磁気浮上型2次元リニアアクチュエータ22によっ
てX軸方向及びθ方向にも微少駆動されるようになって
いる。
【0131】これをさらに詳述すると、レチクルステー
ジRS1、RS2の底面には不図示のマグネットが設け
られ、ベース盤18の内部に埋め込まれたコイル(X回
路、Y回路、Z回路を構成する)と前記レチクルステー
ジRS1、RS2の底面にそれぞれ設けられたマグネッ
トにより2次元リニアアクチュエータ22の一部が構成
されている。この場合、レチクルステージRS1、RS
2の底面に設けられたマグネットの磁力と前記Z回路を
構成するコイルに流れる電流によって生じるZ方向の磁
力の作用によってベース盤18上に浮上支持されてい
る。そして、主制御装置40(図5参照)により前記コ
イルに流す電流を制御することにより、レチクルステー
ジRS1、RS2が、独立してY方向に所定ストローク
で駆動されるとともに、X方向及びX、Y、Z軸回りの
回転方向にも微少駆動可能になっており、これによりレ
チクルステージRS1、RS2の6自由度方向の位置姿
勢制御が可能な構成となっている。
【0132】前記レチクルステージRS1、RS2上に
は、レチクルR1、R2が真空吸着等により固定されて
いる。本実施形態では、レチクルステージRS1の質量
(より厳密には、レチクルステージRS1とレチクルR
1の質量の総和)M1とレチクルステージRS2の質量
(より厳密には、レチクルステージRS2とレチクルR
2の質量の総和)M2とは、ほぼ等しくなっている。す
なわち、M1=M2=Mが成立するように各レチクルス
テージの質量が設定されている。また、本実施形態で
は、後述する投影光学系P1、P2の投影倍率をβとし
て、レチクルステージの質量Mはウエハステージの質量
mの投影倍率β倍とされている。すなわち、M=βmの
関係が成立するように、レチクルステージの質量M、ウ
エハステージの質量mがそれぞれ定められている。
【0133】レチクルステージRS1のY方向一側(図
1における左側)の側面及びX方向一側(図1における
紙面手前側)の側面は、鏡面仕上げがなされた反射面と
なっている。同様に、レチクルステージRS2のY方向
他側(図1における右側)の側面及びX方向一側(図1
における紙面手前側)の側面は、鏡面仕上げがなされた
反射面となっている。これらの反射面に、後述する干渉
計システムを構成する各測長軸の干渉計ビームが投射さ
れ、その反射光を各干渉計で受光することにより、各反
射面の基準位置(一般には投影光学系側面に固定ミラー
を配置し、そこを基準面とする)からの変位を計測し、
これにより、レチクルステージRS1、RS2の2次元
位置がそれぞれ計測されるようになっている。なお、干
渉計システムの測長軸の構成については、後に詳述す
る。
【0134】前記第1、第2投影光学系PL1、PL2
は、それぞれの鏡筒PPが一体化され、ベース盤18上
に設けられた本体コラム24に保持されている。投影光
学系PL1、PL2は、ともに、レチクル対向面部とウ
エハ対向面部とが開口した鏡筒PPと、全体的には縮小
光学系(投影倍率β(βは例えば1/4))を構成する
4つのレンズ群GL1〜GL4と3つの反射光学素子
(凹面鏡と平面鏡)M1〜M3とを備えている。
【0135】図3には、第1投影光学系PL1を構成す
る光学系の具体的構成例が示されている。この図3に示
されるように、第1レンズ群GL1は、レチクルR1の
上方に光軸AXをZ軸方向として配置された凸レンズ
(又は共通のZ軸方向の光軸AXを有する複数のレン
ズ)によって構成されている。また、第2レンズ群GL
2は、第1レンズ群GL1の上方にZ軸方向に沿って配
置された共通のZ軸方向の光軸AXを有する複数の凹レ
ンズ、凸レンズによって構成されている。また、第4レ
ンズ群GL4は、ウエハW1の上方にZ軸方向に沿って
配置された共通のZ軸方向の光軸を有する複数の凹レン
ズ、凸レンズによって構成されている。
【0136】そして、上述した第2レンズ群GL2の上
方には、凹面鏡M1が配置され、また、第2レンズ群G
L2の下方で当該投影光学系PL1の瞳面の位置には、
ミラーM2(の反射面)が斜設されている。また、第4
レンズ群GL4の上方には、比較的大型の平面鏡M3が
斜設され、ミラーM2と平面鏡M3との間には、Z軸と
直交する方向に光軸を有する複数のレンズから成る第3
レンズ群GL3が配置されている。なお、図3において
は、レチクルR1と第1レンズ群GL1との間に、非回
転対称な収差、例えばディストーションを補正するため
の収差補正板26が配置されている。
【0137】上記投影光学系PL1によれば、図1に示
されるように、レチクルRを下方から上方に透過した露
光光ELは、投影光学系PL1内の第1レンズ群GL
1、第2レンズ群GL2の右半部を順次透過して凹面鏡
M1に至り、ここで入射方向と光軸AXに関して対称な
方向に反射され、第2レンズ群GL2の左半部を透過し
てミラーM2に至る。次に、この露光光ELは、ミラー
M2で反射されて第3レンズ群GL3の上半部を透過し
て平面鏡M3に至る。そして、この露光光は、平面鏡M
3で反射されて、第4レンズ群GL4の右半部を透過し
てウエハW1に至る。
【0138】このように、投影光学系PL1は、全体と
して両側テレセントリックな縮小倍率(投影倍率)β
(βは例えば1/4)の縮小光学系を構成している。第
2投影光学系PL2もこの投影光学系PL1と全く同様
に(但し、各光学素子の配置は左右対称である)構成さ
れ、全体として両側テレセントリックな縮小倍率(投影
倍率)β(βは例えば1/4)の縮小光学系を構成して
いる。このため、後述する走査露光時におけるウエハス
テージWS1、WS2(又はウエハステージWS3、W
S4)の走査方向の移動速度は、レチクルステージRS
1、RS2の移動速度の1/4となる。
【0139】投影光学系PL1、PL2のX軸方向の他
側(図1における紙面奥側)には、図1では図示が省略
されているが、実際には、図2の平面図に示されるよう
に、第1、第2マーク検出系としての同じ機能を持った
オフアクシス(off-axis)方式のアライメント系28
A、28Bが、第1、第2投影光学系PL1、PL2の
境界を通るX軸を基準として同一距離だけY方向に離れ
た左右対称の位置に設置されている(図4参照)。これ
らのアライメント系28A、28Bは、LSA(Laser
Step Alignment)系、FIA( Filed Image Alignmen
t)系、LIA(Laser Interferometric Alignment)系
の3種類のアライメントセンサを有しており、基準マー
ク板上の基準マーク及びウエハ上の位置合わせマークと
してのアライメントマークのX、Y2次元方向の位置計
測を行なうことが可能である。
【0140】前記アライメント系28A、28Bとして
は、例えば特開平7−321030号公報に開示されて
いるように、FIA系とLIA系とをその光学系の一部
を共用させて組み合わせたオフアクシス方式のアライメ
ントセンサを用いることもできる。
【0141】ここで、LSA系は、レーザ光をマークに
照射して、回折・散乱された光を利用してマーク位置を
計測する最も汎用性のあるセンサであり、従来から幅広
いプロセスウエハに使用される。FIA系は、ハロゲン
ランプ等から発するブロードバンド(広帯域)光でマー
クを照明し、このマーク像を画像処理することによって
マーク位置を計測するセンサであり、アルミ層やウエハ
表面の非対称マークに有効に使用される。また、LIA
系は、回折格子状のマークに周波数をわずかに変えたレ
ーザ光を2方向から照射し、発生した2つの回折光を干
渉させて、その位相からマークの位置情報を検出するセ
ンサであり、低段差や表面荒れウエハに有効に使用され
る。
【0142】本実施形態では、これら3種類のアライメ
ントセンサを、適宜目的に応じて使い分け、ウエハ上の
3点の一次元マークの位置を検出してウエハの概略位置
計測を行なういわゆるサーチアライメントや、ウエハ上
の各ショット領域の正確な位置計測を行なうファインア
ライメント等を行なうようになっている。
【0143】この場合、アライメント系28Aは、ウエ
ハステージWS3(又WS1)上に保持されたウエハW
3(又はW1)上のアライメントマーク及び基準マーク
板FM3(又はFM1)上に形成された基準マークの位
置計測等に用いられる。また、アライメント系28B
は、ウエハステージWS4(又はWS2)上に保持され
たウエハW4(又はW2)上のアライメントマーク及び
基準マーク板FM4(又はFM2)上に形成された基準
マークの位置計測等に用いられる。
【0144】これらのアライメント系28A、28Bを
構成する各アライメントセンサからの情報は、アライメ
ント制御装置30(図5参照)に送られる。このアライ
メント制御装置30では上記各アライメントセンサから
の情報をA/D変換して、そのデジタル化された波形信
号を演算処理してマーク位置を検出する。このマーク位
置の検出結果が主制御装置40に送られ、主制御装置4
0によりその結果に応じて磁気浮上型2次元リニアアク
チュエータ22が制御され露光時の同期位置補正等が行
われるようになっている。
【0145】また、図1では図示が省略されているが、
第1投影光学系PL1のウエハ対向面側端部近傍には、
鏡筒PPを基準とするウエハW1のZ方向位置を検出す
る斜入射光式のフォーカスセンサ32A(図5参照)が
設けられている。このフォーカスセンサ32Aは、図4
に示されるように、鏡筒PPに不図示の保持部材を介し
て固定され、ウエハW1表面に対し斜め方向から検出ビ
ームFBを照射する送光系34aと、同じく不図示の保
持部材を介して鏡筒PPに固定され、ウエハW1表面で
反射された検出ビームFBを受光する受光系34bとか
ら構成される。第2投影光学系PL2のウエハ対向面側
端部近傍にもフォーカスセンサ32Aと全く同一の構成
のフォーカスセンサ32B(図5参照)が設けられてい
る。これらのフォーカスセンサ32A、32Bの計測値
は、主制御装置40に供給されている。また、これらの
フォーカスセンサ32A、32Bとしては、例えば特開
平6−283403号公報等に開示される多点焦点位置
検出系と同様の構成のものが用いられている。
【0146】なお、フォーカスセンサ32A、32Bに
代えて、例えば特開平7−201699号公報に開示さ
れるフォーカス・レベリング系を用いることもできる。
【0147】なお、フォーカスセンサ32A、32Bと
同様の斜入射光式のフォーカスセンサをアライメント系
28A、28Bにも設けても良い。このようにすると、
アライメント系28A、28Bによるアライメントマー
クの計測時に、露光時と同様のフォーカス・レベリング
計測、制御によるオートフォーカス/オートレベリング
を実行することにより、高精度なアライメント計測が可
能になる。換言すれば、露光時とアライメント時との間
で、ウエハステージの姿勢によるオフセット(誤差)が
発生しなくなる。
【0148】また、斜入射光式のフォーカスセンサの代
わりに、例えば特開平7−321030号公報に開示さ
れるようなオフアクシス方式のアライメント系の対物光
学系を通してウエハのZ方向の位置を検出するTTL方
式のフォーカスセンサを用いることもできる。
【0149】さらに、本実施形態の露光装置10では、
第1、第2照明光学系IOP1、IOP2の内部に、投
影光学系PL1、PL2をそれぞれ介してレチクル上の
レチクルマーク(図示省略)と基準マーク板FM1〜F
M4上のマークとを同時に観察するための露光波長を用
いたTTR(Through The Reticle )アライメント光学
系から成る一対のレチクルアライメント顕微鏡36A、
36B(図1では図示省略、図5参照)が設けられてい
る。これらのレチクルアライメント顕微鏡36A、36
Bとしては、例えば特開平7−176468号公報等に
開示されるものと同様の構成のものが用いられており、
これらの検出信号は、アライメント制御装置30に供給
され、基準マーク板上の基準マークとレチクルマークと
の相対位置関係が算出され、この算出結果が主制御装置
40に供給されるようになっている。
【0150】次に、ウエハステージWS1、WS2、W
S3、WS4及びレチクルステージRS1、RS2の位
置を管理する干渉計システム38(図5参照)につい
て、図2に基づいて説明する。ここで、図2において
は、干渉計システム38を構成する各レーザ干渉計の測
長軸を用いて該当するレーザ干渉計を代表的に示してい
る。
【0151】この図2に示されるように、干渉計システ
ム38は、レチクルステージRS1、RS2のXY面内
の位置を計測する合計10個のレーザ干渉計RIY1〜
RIY6、RIX1〜RIX4と、ウエハステージWS
1〜WS4のXY面内の位置を計測する合計20個のレ
ーザ干渉計WIY1〜WIY10、WIX1〜WIX1
0とを含んで構成されている。
【0152】干渉計RIY1、RY2は、X−Y平面内
で相互に平行なY方向の測長ビームを、レチクルステー
ジRS1の反射面にそれぞれ投射してそれぞれの反射光
を受光することにより、各測長ビームの投射位置でのレ
チクルステージRS1のY方向の位置をそれぞれ計測す
る。上記2つの干渉計RIY1、RIY2の測長ビーム
の投射位置の中心が照明領域IAR(図6参照)の中心
(レチクルR1のX方向の中心)と一致するようになっ
ている。従って、これら2つの干渉計の計測値の平均値
がレチクルステージRS1のY方向位置を、両計測値の
差をX方向の干渉計軸間隔で割ったものがレチクルステ
ージRS1のZ軸回りの回転角を与える。
【0153】また、干渉計RIY5は、Y−Z平面内で
干渉計RIY1の測長ビームと平行な測長ビーム(図2
では干渉計RIY1の測長ビームと重なっている)をレ
チクルステージRS1の反射面に投射してその反射光を
受光することにより、その測長ビームの投射位置でのレ
チクルステージRS1のY方向の位置を計測する。従っ
て、上記2つの干渉計RIY1、RIY5の計測値の差
をそのZ方向の干渉計軸間隔で割ったものがレチクルス
テージRS1のX軸回りの回転角を与える。
【0154】上記3つの干渉計RIY1、RIY2、R
IY5の計測値は、主制御装置40に供給されており、
主制御装置40では上記平均値(Y位置)及び速度情
報、並びにZ軸回りの回転角、及びX軸回りの回転角を
算出するようになっている。
【0155】干渉計RIX1、RIX3は、X−Z平面
内で相互に平行なX方向の測長ビーム(図2では、干渉
計RIX3からの測長ビームは干渉計RIX1からの測
長ビームに重なっている)をレチクルステージRS1の
反射面に投射してそれぞれの反射光を受光することによ
り、各測長ビームの投射位置でのレチクルステージRS
1のX方向の位置をそれぞれ計測する。これら2つの干
渉計RIX1、RIX3の計測値は、主制御装置40に
供給されており、主制御装置40では両計測値のいずれ
か一方又は両者の計測値の平均値に基づいてレチクルス
テージRS1のX方向の位置を求めるとともに、両計測
値の差をそのZ方向の干渉計軸間隔で除算することで、
レチクルステージRS1のY軸回りの回転角を算出する
ようになっている。
【0156】干渉計RIY3、RY4は、X−Y平面内
で相互に平行なY方向の測長ビームを、レチクルステー
ジRS2の反射面にそれぞれ投射してそれぞれの反射光
を受光することにより、各測長ビームの投射位置でのレ
チクルステージRS2のY方向の位置をそれぞれ計測す
る。上記2つの干渉計RIY3、RIY4の測長ビーム
の投射位置の中心が照明領域IAR(図6参照)の中心
(レチクルR2のX方向の中心)と一致するようになっ
ている。従って、これら2つの干渉計の計測値の平均値
がレチクルステージRS2のY方向位置を、両計測値の
差をX方向の干渉計軸間隔で割ったものがレチクルステ
ージRS2のZ軸回りの回転角を与える。
【0157】また、干渉計RIY6は、Y−Z平面内で
干渉計RIY3の測長ビームと平行な測長ビーム(図2
では干渉計RIY3の測長ビームと重なっている)をレ
チクルステージRS2の反射面に投射してその反射光を
受光することにより、その測長ビームの投射位置でのレ
チクルステージRS2のY方向の位置を計測する。従っ
て、上記2つの干渉計RIY3、RIY6の計測値の差
をそのZ方向の干渉計軸間隔で割ったものがレチクルス
テージRS2のX軸回りの回転角を与える。
【0158】上記3つの干渉計RIY3、RIY4、R
IY6の計測値は、主制御装置40に供給されており、
主制御装置40では上記平均値(Y位置)及び速度情
報、並びにZ軸回りの回転角、及びX軸回りの回転角を
算出するようになっている。
【0159】干渉計RIX2、RIX4は、X−Z平面
内で相互に平行なX方向の測長ビーム(図2では、干渉
計RIX4からの測長ビームは干渉計RIX2からの測
長ビームに重なっている)をレチクルステージRS1の
反射面に投射してそれぞれの反射光を受光することによ
り、各測長ビームの投射位置でのレチクルステージRS
2のX方向の位置をそれぞれ計測する。これら2つの干
渉計RIX2、RIX4の計測値は、主制御装置40に
供給されており、主制御装置40では両計測値のいずれ
か一方又は両者の計測値の平均値に基づいてレチクルス
テージRS1のX方向の位置を求めるとともに、両計測
値の差をそのZ方向の干渉計軸間隔で除算することで、
レチクルステージRS2のY軸回りの回転角を算出する
ようになっている。
【0160】干渉計WIY1、WIY9、WIX1、W
IX2、WIX9は、主として、露光位置にあるウエハ
ステージWS1(又はWS3)の位置を管理するための
ものである。この内、干渉計WIY1、WIY9は、露
光位置にあるウエハステージWS1(又はWS3)の反
射面に、Y−Z平面内で相互に平行なY方向の測長ビー
ム(図2では、干渉計WIY9からの測長ビームは干渉
計WIY1からの測長ビームに重なっている)をそれぞ
れ投射してそれぞれの反射光を受光することにより、各
測長ビームの投射位置のウエハステージWS1(又はW
S3)のY方向の位置をそれぞれ計測する。これらの干
渉計WIY1、WIY9の測長ビームの投射位置は、照
明領域IARに対応するウエハ上の露光領域IA(図6
参照)のX方向の中心と一致するようになっている。こ
れら2つの干渉計WIY1、WIY9の計測値は、主制
御装置40に供給されており、主制御装置40では両計
測値のいずれか一方又は両者の計測値の平均値に基づい
てウエハステージWS1(又はWS3)のY方向の位置
を求めるとともに、両計測値の差をそのZ方向の干渉計
軸間隔で除算することで、ウエハステージWS1(又は
WS3)のX軸回りの回転角を算出するようになってい
る。
【0161】干渉計WIX1、WIX9は、露光位置に
あるウエハステージWS1(又はWS3)の反射面にX
−Z平面内で相互に平行なX方向の測長ビームをそれぞ
れ投射してそれぞれの反射光を受光することにより、各
測長ビームの投射位置でのウエハステージWS1(又は
WS3)のX方向の位置をそれぞれ計測する。これらの
干渉計WIX1、WIX9の測長ビームの光軸は照明領
域IARに対応するウエハ上の露光領域IA(図6参
照)のY方向の中心と一致するようになっている。ま
た、干渉計WIX2は、ウエハステージWS1(又はW
S3)の反射面にX−Y面内で干渉計WIX1からの測
長ビームに平行なX方向の測長ビームを投射してその反
射光を受光することにより、その測長ビームの投射位置
でのウエハステージWS1(又はWS3)のX方向の位
置を計測する。上記3つの干渉計WIX1、WIX9、
WIX2の計測値は、主制御装置40に供給されてお
り、主制御装置40では干渉計WIX1、WIX9の計
測値のいずれか一方又は両計測値の平均値に基づいて露
光時のウエハステージWS1(又はWS3)のX方向位
置を管理し、両計測値の差をそのZ方向の干渉計軸間隔
で除算することで、ウエハステージWS1(又はWS
3)のY軸回りの回転角を算出する。また、主制御装置
40では干渉計WIX1、WIX2の計測値の差をその
Y方向の干渉計軸間隔で除してウエハステージWS1
(又はWS3)のZ軸回りの回転角を求める。
【0162】同様に、干渉計WIY2、WIY10、W
IX3、WIX4、WIX10は、主として、露光位置
にあるウエハステージWS2(又はWS4)の位置を管
理するためのものである。この内、干渉計WIY2、W
IY10は、露光位置にあるウエハステージWS2(又
はWS4)の反射面に、Y−Z平面内で相互に平行なY
方向の測長ビーム(図2では、干渉計WIY10からの
測長ビームは干渉計WIY2からの測長ビームに重なっ
ている)をそれぞれ投射してそれぞれの反射光を受光す
ることにより、各測長ビームの投射位置のウエハステー
ジWS2(又はWS4)のY方向の位置をそれぞれ計測
する。これらの干渉計WIY2、WIY10の測長ビー
ムの投射位置は、照明領域IARに対応するウエハ上の
露光領域IA(図6参照)のX方向の中心と一致するよ
うになっている。これら2つの干渉計WIY2、WIY
10の計測値は、主制御装置40に供給されており、主
制御装置40では両計測値のいずれか一方又は両者の計
測値の平均値に基づいてウエハステージWS2(又はW
S4)のY方向の位置を求めるとともに、両計測値の差
をそのZ方向の干渉計軸間隔で除算することで、ウエハ
ステージWS2(又はWS4)のX軸回りの回転角を算
出するようになっている。
【0163】干渉計WIX3、WIX10は、露光位置
にあるウエハステージWS2(又はWS4)の反射面に
X−Z平面内で相互に平行なX方向の測長ビームをそれ
ぞれ投射してそれぞれの反射光を受光することにより、
各測長ビームの投射位置でのウエハステージWS2(又
はWS4)のX方向の位置をそれぞれ計測する。これら
の干渉計WIX3、WIX10の測長ビームの光軸は照
明領域IARに対応するウエハ上の露光領域IA(図6
参照)のY方向の中心と一致するようになっている。ま
た、干渉計WIX4は、ウエハステージWS2(又はW
S4)の反射面にX−Y面内で干渉計WIX3からの測
長ビームに平行なX方向の測長ビームを投射してその反
射光を受光することにより、その測長ビームの投射位置
でのウエハステージWS2(又はWS4)のX方向の位
置を計測する。上記3つの干渉計WIX3、WIX1
0、WIX4の計測値は、主制御装置40に供給されて
おり、主制御装置40では干渉計WIX2、WIX10
の計測値のいずれか一方又は両計測値の平均値に基づい
て露光時のウエハステージWS2(又はWS4)のX方
向位置を管理し、両計測値の差をそのZ方向の干渉計軸
間隔で除算することで、ウエハステージWS2(又はW
S4)のY軸回りの回転角を算出する。また、主制御装
置40では干渉計WIX3、WIX4の計測値の差をそ
のY方向の干渉計軸間隔で除してウエハステージWS2
(又はWS4)のZ軸回りの回転角を求める。
【0164】干渉計WIY4、WIX6は、アライメン
ト位置にあるウエハステージWS4(又はWS2)の位
置を管理するためのもので、干渉計WIY4は、アライ
メント位置にあるウエハステージWS3(又はWS1)
にY方向の測長ビームを投射してその反射光を受光する
ことにより、その測長ビームの投射位置でのウエハステ
ージWS3(又はWS1)のY方向の位置を計測する。
この干渉計WIY4としては、図2では簡略化のため測
長軸が1本しか示されていないが、実際には、測長軸が
2軸の2軸干渉計が用いられており、2本の測長ビーム
の光軸の中心軸はアライメント系28Aの検出中心を通
る。この干渉計WIY4からの各測長軸の計測値がアラ
イメント制御装置30及び主制御装置40に供給されて
おり、主制御装置40では干渉計WIY4の計測値に基
づいてアライメント時(ウエハ上のアライメントマーク
の検出時)のウエハステージWS3(又はWS1)のY
方向位置及びX−Y面内でのθ回転を管理する。
【0165】干渉計WIX6は、アライメント位置にあ
るウエハステージWS3(又はWS1)にX方向の測長
ビームを投射してその反射光を受光することにより、そ
の測長ビームの投射位置でのウエハステージWS3(又
はWS1)のX方向の位置を計測する。この干渉計WI
X6の測長ビームの光軸はアライメント系28Aの検出
中心を通る。この干渉計WIX6の計測値は、アライメ
ント制御装置30及び主制御装置40に供給されてい
る。
【0166】干渉計WIY7、WIX8は、アライメン
ト位置にあるウエハステージWS4(又はWS2)の位
置を管理するためのもので、干渉計WIY7は、アライ
メント位置にあるウエハステージWS4(又はWS2)
にY方向の測長ビームを投射してその反射光を受光する
ことにより、その測長ビームの投射位置でのウエハステ
ージWS4(又はWS2)のY方向の位置を計測する。
この干渉計WIY7としては、図2では簡略化のため測
長軸が1本しか示されていないが、実際には、測長軸が
2軸の2軸干渉計が用いられており、2本の測長ビーム
の光軸の中心軸はアライメント系28Bの検出中心を通
る。この干渉計WIY7からの各測長軸の計測値がアラ
イメント制御装置30及び主制御装置40に供給されて
おり、主制御装置40では干渉計WIY7の計測値に基
づいてアライメント時(ウエハ上のアライメントマーク
の検出時)のウエハステージWS4(又はWS2)のY
方向位置及びX−Y面内でのθ回転を管理する。
【0167】干渉計WIX8は、アライメント位置にあ
るウエハステージWS4(又はWS2)にX方向の測長
ビームを投射してその反射光を受光することにより、そ
の測長ビームの投射位置でのウエハステージWS4(又
はWS2)のX方向の位置を計測する。この干渉計WI
X8の測長ビームの光軸はアライメント系28Bの検出
中心を通る。この干渉計WIX8の計測値は、アライメ
ント制御装置30及び主制御装置40に供給されてい
る。
【0168】なお、ウエハステージWS3(又はWS
1)の位置制御に用いられる干渉計WIY4は2軸干渉
計としたが、Y−Z平面内でその2本の測長軸の一方と
平行な測長軸を更に有する3軸干渉計としてX軸回り
(Y−Z平面内で)の回転角を検出するようにしても良
い。さらに干渉計WIX6を、X−Z平面内で平行な2
本の測長軸を有する2軸干渉計とし、ウエハステージW
S3(又はWS1)のY軸回り(X−Z平面内)の回転
角を検出するようにしても良い。同様に、ウエハステー
ジWS4(WS2)の位置制御に用いられる干渉計WI
Y7、WIX8についても1本ずつ測長軸を追加して、
ウエハステージWS4(WS2)のX軸及びY軸回り
(Y−Z平面及びX−Z平面内で)の各回転角を検出す
るようにしても良い。
【0169】以上より、明らかなように、本実施形態で
は、露光時、アライメント時のいずれのときにおいて
も、主制御装置40により、干渉計システム38を用い
ていわゆるアッベの誤差なく、各ウエハステージのXY
2次元位置が管理されるようになっている。特に、露光
時では、6自由度方向で移動可能となっているレチクル
ステージ及びウエハステージで、それぞれX方向、Y方
向の位置と、X軸、Y軸、及びZ軸回りの回転角を検出
できるようになっている。
【0170】干渉計WIY5、WIX5は、主として、
ウエハ交換位置(ローディングポジション)にあるウエ
ハステージWS1(図7参照)(又はWS3)の位置を
管理するためのもので、干渉計WIY5はウエハステー
ジWS1(又はWS3)にY方向の測長ビームを投射し
てその反射光を受光することにより、ウエハステージW
S1(又はWS3)のY方向の位置を計測する。また、
干渉計WIX5はウエハステージWS1(又はWS3)
にX方向の測長ビームを投射してその反射光を受光する
ことにより、ウエハステージWS1(又はWS3)のX
方向の位置を計測する。これらの干渉計WIY5、WI
X5の計測値は、主制御装置40に供給されている。
【0171】同様に、干渉計WIY8、WIX7は、主
として、ウエハ交換位置(ローディングポジション)に
あるウエハステージWS2(図7参照)(又はWS4)
の位置を管理するためのもので、干渉計WIY8はウエ
ハステージWS2(又はWS4)にY方向の測長ビーム
を投射してその反射光を受光することにより、ウエハス
テージWS2(又はWS4)のY方向の位置を計測す
る。また、干渉計WIX7はウエハステージWS2(又
はWS4)にX方向の測長ビームを投射してその反射光
を受光することにより、ウエハステージWS2(又はW
S4)のX方向の位置を計測する。これらの干渉計WI
Y8、WIX7の計測値は、主制御装置40に供給され
ている。
【0172】なお、ここではローディングポジションで
のウエハステージの位置制御に干渉計WIX5、WIY
5、あるいはWIX7、WIY8を用いるものとした
が、干渉計の代わりに、例えばエンコーダを用いてウエ
ハステージの位置制御を行うようにしても良い。
【0173】残りの干渉計WIY3は、ウエハステージ
WS1とWS3の交換の際のこれらのステージの位置管
理を目的として設けられ、干渉計WIY6はウエハステ
ージWS2とWS4の交換の際のこれらのステージの位
置管理を目的として設けられている。なお、これらの干
渉計の使用方法を含むウエハステージの移動管理方法に
ついては、後述する。
【0174】レチクルステージRS1、RS2の位置を
計測する前記干渉計RIY1〜RIY6は、ウエハステ
ージWS1、WS2(又はWS3、WS4)の上面より
高い位置に計測用ビーム(測長ビーム)があり、ウエハ
ステージWS1、WS2(又はWS3、WS4)の動き
によってビームが遮られないようになっている。
【0175】なお、レチクルステージRS1、RS2の
走査方向(スキャン方向)であるY方向の位置を管理す
る干渉計RIY1、RIY2、RIY5あるいはRIY
3、RIY4、RIY6として、それぞれ一対のダブル
パス干渉計を用いても良い。すなわち、例えば、レチク
ルステージRS1のY方向一側(図1における左側)
に、一対のコーナーキューブミラーを設置し、これらの
コーナーキューブミラーに測長ビームを照射する一対の
ダブルパス干渉計によりレチクルステージRS1のY方
向位置を管理しても良い。このようにすれば、各ダブル
パス干渉計がレチクルステージの回転(ヨーイング)の
影響を受けなくなるので、より正確なレチクルステージ
の位置管理が可能になる。
【0176】次に、レチクル交換機構20について説明
する。このレチクル交換機構20は、レチクルロード・
アンロード用の2本の有関節型のロボットアーム20
b、20cと、これらのロボットアームの駆動装置21
とを備えている。このレチクル交換機構20は、レチク
ル搬送系の一部を成すもので、ロボットアーム20b、
20cにより、不図示のレチクルローダとレチクルステ
ージRS1、RS2との間で、レチクルの受け渡しを行
うとともに、レチクルステージRS1、RS2相互間で
のレチクル交換をも行う。このレチクルステージRS
1、RS2相互間のレチクル交換は、主として二重露光
の際に行われる。
【0177】この他、本実施形態の露光装置10では、
不図示のウエハ交換機構が、2つ設けられており、各ウ
エハ交換機構は、ローディングポジションにあるウエハ
ステージWS1(又はWS3)と、ウエハステージWS
2(又はWS4)との間で、ウエハの交換を行うように
なっている。
【0178】次に、露光装置10の制御系について図5
に基づいて説明する。この制御系は、装置全体を統括的
に制御するワークステーション(又はマイクロコンピュ
ータ)から成る主制御装置40を中心に構成されてい
る。
【0179】図5に示されるように、主制御装置40に
は、干渉計システム38、フォーカスセンサ32A、3
2B、アライメント制御装置30等が接続されている。
また、この主制御装置40には、前記磁気浮上型2次元
リニアアクチュエータ22及び露光量制御装置42が接
続されている。この露光量制御装置42には、シャッタ
駆動装置44等が接続されている。
【0180】ここで、制御系の上記構成各部の動作を中
心に本実施形態に係る露光装置10の露光時の動作につ
いて説明する。
【0181】露光量制御装置42は、レチクルR1、R
2とウエハW1、W2(又はW3、W4)との同期走査
が開始されるのに先立って、シャッタ駆動装置44に指
示を与えて光源12A、12Bの射出端に設けられる不
図示のシャッタをオープンする。さらにシャッタ駆動装
置44は、レチクルR1、レチクルR2の走査位置に応
じて照明光学系IOP1、IOP2内にそれぞれ配置さ
れる可動ブラインドを駆動する。これにより、走査露光
開始直前及び終了直前に、レチクルのパターン領域の外
側を通る照明光が、走査露光すべきウエハ上のショット
領域以外を不要に感光させるのを防止することができ
る。
【0182】この後、主制御装置40により2次元リニ
アアクチュエータ22を介してレチクルR1とウエハW
1、レチクルR2とウエハW2、すなわちレチクルステ
ージRS1とウエハステージWS1、レチクルステージ
RS2とウエハステージWS2の同期走査(スキャン制
御)が開始される。この同期走査は、前述した干渉計シ
ステム38を構成する干渉計RIY1、RIY2、RI
X1、RIX3、RIY5、WIY1、WIY9、WI
X1、WIX2、WIX9及び干渉計RIY3、RIY
4、RIY6、RIX2、RIX4、WIY2、WIY
10、WIX3、WIX4、WIX10の計測値をモニ
タしつつ、主制御装置40によって2次元リニアアクチ
ュエータ22を制御することにより行なわれる。すなわ
ち、本実施形態では、主制御装置40及びこれによって
制御される2次元リニアアクチュエータ22によって駆
動装置が構成されている。
【0183】そして、レチクルステージRS1とウエハ
ステージWS1、及びレチクルステージRS2とウエハ
ステージWS2が所定の許容誤差以内に等速度制御され
た時点で、露光量制御装置42では、エキシマレーザ光
源12A、12B内に設けられたレーザ制御装置46に
指示してパルス発光を開始させる。これにより、照明光
学系IOP1、IOP2からの照明光(露光光)ELに
より、パターンがクロム蒸着されたレチクルR1、R2
上で、固定ブラインドによって規定される矩形の照明領
域IARが照明され、その照明領域内のパターンの像が
投影光学系PL1、PL2により1/4倍に縮小され、
その表面にフォトレジストが塗布されたウエハW1、W
2上に投影される。
【0184】図6には、この走査露光の原理説明図が示
されている。すなわち、本実施形態の露光装置10にお
いては、この図6に示されるように、レチクルR(R1
又はR2)の走査方向(Y方向)に対して垂直な方向に
長手方向を有する長方形(スリット状)の照明領域IA
RでレチクルRが照明され、レチクルRは露光時に−Y
方向に速度VRで走査(スキャン)される。照明領域I
AR(中心は光軸AXとほぼ一致)は投影光学系PL
(PL1又はPL2)を介してウエハW(W1又はW
2)上に投影され、スリット状の露光領域(投影領域)
IAが形成される。ウエハWはレチクルRとは倒立結像
関係にあるため、ウエハWは速度VRの方向とは逆向き
に(+Y方向に)レチクルRと同一直線上をレチクルR
に同期して速度VWで走査され、ウエハW上のショット
領域(区画領域)SAの全面が露光可能となっている。
走査速度の比VW/VRは正確に投影光学系PLの縮小倍
率に応じたものになっており、レチクルRのパターン領
域PAのパターンがウエハW上のショット領域SA上に
正確に縮小転写される。なお、ウエハWの伸縮などに起
因してショット領域SAの走査方向の大きさが変化して
いるときは、走査速度の比VW/VRを縮小倍率から積極
的にずらして、ショット領域SAと転写像との倍率誤差
を補正することもある。照明領域IARの長手方向の幅
は、レチクルR上のパターン領域PAよりも広く、遮光
領域STを含めた最大幅よりも狭くなるように設定さ
れ、走査(スキャン)することによりパターン領域PA
全面が照明されるようになっている。
【0185】ここで、図2からも明らかなように、本実
施形態では、走査露光時には、第1、第2レチクルステ
ージRS1、RS2が相互に逆向きにY方向に沿って同
一直線上を移動し、これらのレチクルステージRS1、
RS2にそれぞれ同期してウエハステージWS1(又は
WS3)、WS2(又はWS4)が、相互に逆向きにY
方向に沿って同一直線上を移動するように、主制御装置
40による各ステージの位置制御が行われる。
【0186】先の動作説明に戻り、前述したパルス発光
の開始と同時に、露光量制御装置42は、照明光学系I
OP1、IOP2を構成する不図示の照度均一化光学系
内の振動ミラーの駆動を制御し、レチクルR上のパター
ン領域が完全に照明領域IAR(図6参照)を通過する
まで、すなわちパターンの全面の像がウエハ上のショッ
ト領域に形成されるまで、連続してこの制御を行なうこ
とで照度均一化光学系内のフライアイレンズなどに起因
して発生する干渉縞のムラ低減を行なう。
【0187】ところで、上述したレーザ制御装置46に
よるパルス発光は、ウエハW1、W2上の任意の点が照
明フィールド幅(w)を通過する間にn回(nは正の整
数)発光する必要があるため、発振周波数をfとし、ウ
エハスキャン速度をVとすると、次式(2)を満たす必
要がある。
【0188】f/n=V/w ………………(2) また、ウエハ上に照射される1パルスの照射エネルギー
をPとし、レジスト感度をEとすると、次式(3)を満
たす必要がある。
【0189】nP=E ………………(3) このように、露光量制御装置42は、照射エネルギーP
や発振周波数fの可変量について全て演算を行ない、レ
ーザ制御装置46に対して指令を出してレーザ光源12
A、12Bに対する印加電圧(又は充電電圧)、及びト
リガパルスの出力間隔を調整することによって照射エネ
ルギーPや発振周波数fを可変させたり、シャッタ駆動
装置44やミラー駆動装置を制御するように構成されて
いる。
【0190】さらに露光量制御装置42は、ウエハW上
のフォトレジストの感度が大きく変わる場合、光源に与
える印加電圧の制御だけでなく、更に照明光学系に設け
られる、複数のNDフィルタを保持するターレット板を
回転させて、照明光路内に配置されるNDフィルタを交
換する、即ち透過率を変化させることで、レチクル(又
はウエハ)上での照明光(パルス光)の強度を調整す
る。
【0191】さらに、主制御装置40では、例えば、ス
キャン露光時に同期走査を行なうレチクルステージとウ
エハステージの移動開始位置(同期位置)を補正する場
合、各ステージを駆動する2次元リニアアクチュエータ
22を介して補正量に応じてステージ位置を補正する。
【0192】次に、図2及び図7〜図10に基づいて、
本実施形態の特徴である4つのウエハステージWS1〜
WS4による並行処理について説明する。但し、ここで
は、ウエハステージWS1とWS2、ウエハステージW
S3とWS4とは、同様の動作を同時並行的に行うの
で、以下では、特に必要がない限り、図2のベース盤1
8の左半分側で動作するウエハステージWS1、WS3
の動作についてのみ説明する。
【0193】最初に、それぞれのウエハステージ上のウ
エハに対して通常の露光が行われる場合について説明す
る。以下の説明においては、ウエハ交換時間をTc、ア
ライメント時間(サーチアライメント及びファインアラ
イメントを含む)をTa、露光時間をTeとする。そし
て、レチクルR1として9インチレチクル、ウエハW
1、W3として14インチウエハを用いるものとして説
明する。
【0194】この場合、ウエハ1枚の露光時間Teと、
ウエハ交換時間Tcとアライメント時間Taとの合計時
間(Tc+Ta)との関係はTe>(Tc+Ta)とな
る。従って、一方のウエハステージ上のウエハに対して
露光が行われている間に、他方のウエハステージには当
然待ち時間が生じることになる。そこで、この待ち時間
をTwとする。
【0195】図10には、この場合のウエハステージW
S1とWS3との処理の流れが示されている。
【0196】図10のステップ101においてウエハス
テージWS1上でウエハ交換が行われる。すなわち、図
7に示されるローディングポジションにあるウエハステ
ージWS1上の露光済みのウエハW1と未露光の新たな
ウエハ(以下、このウエハも便宜上「ウエハW1」と呼
ぶ)とが不図示のウエハ交換装置により交換される。こ
のローディングポジションにおけるウエハステージWS
1の位置は、干渉計WIY5とWIX5の計測値に基づ
いて主制御装置40によって管理される。
【0197】続いて、ステップ102においてウエハス
テージWS1上でアライメント動作が行われるが、これ
に先立ってウエハステージWS1が図7のローディング
ポジションから図8に示されるアライメント位置の近傍
のアライメント系28Aの直下に基準マーク板FM1が
位置する位置まで移動される。この移動の際には、ウエ
ハステージWS1の位置は、当初干渉計WIY5とWI
X5の計測値に基づいて管理されるが、途中でこれらの
干渉計からの測長ビームがウエハステージWS1に当た
らなくなるので、主制御装置40では、その前の干渉計
WIY5、WIX5、及び干渉計WIY4、WIX6の
各測長ビームが同時にウエハステージWS1の反射面に
照射されている位置(状態)で、干渉計WIY5及び干
渉計WIY4の各測定値の対応付けと、干渉計WIX5
及び干渉計WIX6の各測定値の対応付けとを行う。例
えば、アライメント系28AによってウエハWのノッ
チ、あるいはウエハ上の基準となるアライメントマーク
(零レイヤマーク)を検出してアライメント系28Aの
検出中心にそれらが一致する位置に位置決めした状態
で、干渉計WIY4の測定値が干渉計WIY5の測定値
と等しくなり、かつ干渉計WIX6の測定値が干渉計W
IX5の測定値と等しくなるように干渉計WIY4、W
IX6の各測定値をプリセットする。
【0198】この場合において、アライメント系28A
によって基準マーク板FM1を検出した状態で干渉計W
IY4、WIY5、WIX6、WIX5からの測長ビー
ムの全てがウエハステージWS1に当たる場合には、そ
の位置で、上記の干渉計のWIY4、WIX6の各測定
値をプリセットしても良い。あるいは、アライメント系
28Aによって基準マーク板FM1を検出してその位置
ずれ量が所定値(例えば零)となる位置にウエハステー
ジWS1を位置決めした状態で、干渉計WIY4、WI
Y5、WIX6、WIX5からの測長ビームの全てがウ
エハステージWS1に当たる場合には、その位置で、干
渉計WIY4の測定値が干渉計WIY5の測定値と等し
くなり、かつ干渉計WIX6の測定値が干渉計WIX5
の測定値と等しくなるように干渉計WIY4、WIX6
の各測定値をプリセットしても良い。なお、干渉計WI
Y4、WIX6の各測定値をプリセットする代わりに、
その測定値をリセットするだけでも良い。また、干渉計
WIY5、WIY4の各計測値を対応付けるとき、干渉
計WIY3の測長ビームもウエハステージWS1の反射
面に照射されるようにし、干渉計WIY4の測定値と共
に干渉計WIY3の測定値もプリセットしておくことが
好ましい。これにより、例えばアライメント系28Aの
検出中心を原点とする干渉計WIY4とWIX6とで規
定される(X6、Y4)座標系上でウエハステージWS
1の位置が管理される。
【0199】ステップ102のアライメント動作とし
て、まず始めに、主制御装置40では座標系(X6、Y
4)上の原点の位置にウエハステージWS1を移動さ
せ、アライメント系28Aにより基準マーク板FM1上
の第1基準マークとアライメント系28A(その内部の
指標中心)との相対位置関係の計測を行う。これによ
り、例えばアライメント系28Aを構成する例えばFI
A系により第1基準マークの画像が取り込まれ、アライ
メント制御装置30により指標中心を基準とする第1基
準マークの位置が座標系(X6、Y4)上で計測され、
この計測結果が主制御装置40に供給される。
【0200】次に、ウエハステージWS1上のウエハW
1のサーチアライメントが行なわれる。このサーチアラ
イメントとは、ウエハW1の搬送中になされるプリアラ
イメントだけでは位置誤差が大きいため、ウエハステー
ジWS1上で再度行なわれるプリアライメントのことで
ある。具体的には、ステージWS1上に載置されたウエ
ハW1上に形成された3つのサーチアライメントマーク
(図示せず)の位置をアライメント系28AのLSA系
等を用いて計測し、その計測結果に基づいてウエハW1
のX、Y、θ方向の位置合わせを行なう。このサーチア
ライメントの際の各部の動作は、主制御装置40により
制御される。
【0201】このサーチアライメントの終了後、ウエハ
W1上の各ショット領域の配列をここでは例えば、EG
A方式を使って求めるファインアライメントが行なわれ
る。具体的には、座標系(X6、Y4)上でウエハステ
ージWS1の位置を管理しつつ、設計上のショット配列
データ(アライメントマーク位置データ)をもとに、ウ
エハステージWS1を順次移動させつつ、ウエハW1上
の複数のショット領域SAから選択される少なくとも3
つのショット領域SAをサンプルショットとしてそのア
ライメントマーク位置をアライメント系28AのFIA
系等で計測し、この計測結果とショット配列の設計座標
データに基づいて最小自乗法による統計演算により、全
てのショット配列データを演算する。これにより、上記
の座標系(X6、Y4)上で各ショット領域SAの座標
位置が算出される。なお、このEGAの際の各部の動作
は主制御装置40により制御され、上記の演算は主制御
装置40により行なわれる。なお、EGA方式のアライ
メント方法については、例えば特開昭61−44429
号公報に詳細に開示されている。
【0202】そして、主制御装置40では、各ショット
の座標位置から前述した第1基準マークの座標位置を減
算することで、第1基準マークに対する各ショットの相
対位置関係を算出する。
【0203】ウエハステージWS1側で、上記のウエハ
交換、アライメント動作が行なわれている間に、図10
のステップ111に示されるように、ウエハステージW
S3側では、連続してステップ・アンド・スキャン方式
により露光が行なわれる(図7、図8参照)。
【0204】具体的には、前述したウエハW1側と同様
にして事前に基準マーク板FM3上の第1基準マークに
対する各ショットの相対位置関係の算出が行われてお
り、この結果と、レチクルアライメント顕微鏡36A、
36Bによる基準マーク板FM3上の一対の第2基準マ
ークとそれに対応するレチクル上マークのウエハ面上投
影像の相対位置検出(これについては後に詳述する)の
結果とに基づいて、ウエハW3上のショット領域を投影
光学系PL1の光軸下方に順次位置決めしつつ、各ショ
ット領域の露光(レチクルR1のパターンの転写)の都
度、レチクルステージRS1とウエハステージWS3と
を走査方向(Y方向)に同期走査させることにより、ス
キャン露光が行なわれる。この場合、ウエハW3上の1
つのショット領域へのレチクルR1のパターンの転写が
終了すると、次のショット領域の露光のため、ウエハス
テージWS3は次ショットの走査開始位置まで少なくと
もX方向に移動(ステッピング)される。この露光の際
に、主制御装置40では干渉計RIY1、RIY2及び
RIX1の計測値に基づいてレチクルステージRS1の
位置及び速度を管理し、また、干渉計WIY1、WIX
1、WIX2の計測値に基づいてウエハステージWS1
の位置及び速度を管理しつつ、両ステージRS1、WS
1を制御する。
【0205】さらに、主制御装置40は、干渉計RIY
1、RIY2から得られるレチクルステージRS1の回
転量(ヨーイング量)と、干渉計WIX1、WIX2か
ら得られるウエハステージWS3の回転量(ヨーイング
量)とに基づいて、レチクルR1とウエハW1との相対
回転誤差を相殺するように、リニアアクチュエータ22
によってX−Y平面内でレチクルステージRS1とウエ
ハステージWS3との少なくとも一方を回転させる。こ
こで、レチクルステージRS1を回転させるときは、投
影光学系PL1の光軸と一致する照明領域IARの中心
を回転中心とし、ウエハステージWS3を回転させると
きは、投影光学系PL1の光軸と一致する露光領域IA
の中心を回転中心とすることが望ましい。
【0206】また、主制御装置40は走査露光中、露光
領域IA内でウエハW1の表面が投影光学系PL1の焦
点深度内に設定されるように、フォーカスセンサ32A
の検出結果、及び干渉計RIY1、RIY5と干渉計R
IX1、RIX3とからそれぞれ得られるステージWS
3のX軸及びY軸回りの回転量に基づいて、リニアアク
チュエータ22によってウエハステージWS3のZ方向
の位置及び傾斜角を制御する。このとき、干渉計RIY
1、RIY5と干渉計RIX1、RIX3とからそれぞ
れ得られるレチクルステージRS1のX軸及びY軸回り
の回転量を更にウエハステージWS3の位置制御、即ち
ウエハW1のフォーカス・レべリング制御に用いるよう
にしても良い。また、レチクルステージRS1のX軸及
びY軸回りの回転量に基づいて、この回転に起因して生
じ得る投影光学系PL1の結像特性(例えばディストー
ションなどの収差)の変化を補償するように、投影光学
系PL1の少なくとも1つの光学素子を移動するように
しても良い。
【0207】さらに、例えばフォーカスセンサ32Aと
同一構成のフォーカスセンサをレチクルステージRS1
側に設けても良い。かかる場合には、予めダミーの走査
露光を行い、そのフオーカスセンサによってそのダミー
の走査露光中でのレチクルR1のZ方向の位置、及び傾
斜角の情報をレチクルステージRS1の位置と対応付け
てメモリに記憶し、この記憶した情報を用いて実際の走
査露光の際に、レチクルR1のZ方向の位置変化、及び
傾斜を相殺するように、リニアアクチュエータ22によ
ってレチクルステージRS1の移動をフィードフォワー
ドにて制御するようにしても良く、あるいは、実際の走
査露光の際に、フォーカスセンサによってその走査露光
中のレチクルR1のZ方向の位置、及び傾斜角の情報を
リアルタイムに計測し、この計測した情報に基づいて、
その位置変化及び傾斜を相殺するように、リニアアクチ
ュエータ22によってレチクルステージRS1の移動を
フィードバック制御するようにしても良い。
【0208】あるいは、フォーカスセンサ32Aの検出
結果と共に、レチクルステージRS1側のフォーカスセ
ンサの検出結果を用いて、リニアアクチュエータ22に
よってウエハステージWS3の移動を制御して、ウエハ
W1のフォーカス・レべリング制御を行うようにしても
良い。
【0209】ところで、本実施形態では露光時間Teが
ウエハ交換時間とアライメント時間の合計時間よりも長
いので、ウエハステージWS1側は、ウエハステージW
S3側の露光動作が終了するまで待っている(図10ス
テップ103参照)。
【0210】そして、ウエハステージWS3側の露光動
作が終了すると、ウエハステージWS3が、図9に示さ
れるように、ローディングポジションまで移動する。こ
の移動は、干渉計WIX1、WIX2の計測値に基づい
てY座標をほぼ固定した状態で、主制御装置40によっ
て行われる。
【0211】そして、ウエハステージWS3がローディ
ングポジションまで移動すると、アライメントが既に終
了しているウエハステージWS1が図2に示される露光
位置まで移動される。この移動の際には、ウエハステー
ジWS1の位置は、当初干渉計WIY4(及びWIY
3)とWIX6の計測値に基づいて管理されているが、
この移動の途中で干渉計WIY4とWIX6からの測長
ビームがウエハステージWS1に当たらなくなる。しか
し、その前に干渉計WIX6からの測長ビームがウエハ
ステージWS1に当たっている状態で、干渉計WIX
1、WIX2からの測長ビームがウエハステージWS1
に当たるようになるので、主制御装置40ではその時点
で干渉計WIX1、WIX2をリセットし、以後、3つ
の干渉計WIY3、WIX1、WIX2の計測値に基づ
いてウエハステージWS1のXY面内の位置を管理しつ
つ露光位置に向かって移動させる。その移動の途中、干
渉計WIY3からの測長ビームがウエハステージWS1
に当たらなくなる前に、干渉計WIY1、WIY9から
の測長ビームがそれぞれウエハステージWS1に当たる
ようになるので、主制御装置40では、それらの測長ビ
ームがウエハステージWS1に当たった時点で干渉計W
IY1、WIY9をリセットすることにより、ウエハス
テージWS1の位置を干渉計WIY1、WIY9、WI
X1、WIX2で規定される座標系(Xe、Ye)上で
管理することができるようになる。
【0212】なお、上記の説明では、干渉計WIX1、
WIX2と干渉計WIY1、WIY9とを時系列にリセ
ットするものとしたが、6つの干渉計WIX1、WIX
2、WIX6、WIY1、WIY3、WIY9の各測長
ビームがウエハステージWS1に照射されている状態
で、干渉計WIX1、WIX2と干渉計WIY1、WI
Y9とをほぼ同時にリセットするようにしても良い。す
なわち、6つの干渉計WIX1、WIX2、WIX6、
WIY1、WIY3、WIY9の各測長ビームがウエハ
ステージWS1に照射されている状態で、例えばレチク
ルアライメント顕微鏡36A、36Bによって基準マー
ク板FM1上の一対の第2基準マークとそれに対応する
レチクルR1上の一対のマークとを検出する。そして、
レチクルアライメント顕微鏡36A、36Bでそれぞれ
検出される第2基準マークとレチクル上のマークとの位
置ずれ量が所定値(例えば零)となる位置にウエハステ
ージWS1を位置決めした状態で、干渉計WIX1、W
IX2、及び干渉計WIY1、WIY9の各計測値を同
時にリセットする。この揚合、干渉計WIX1、WIX
2、及び干渉計WIY1、WIY9のリセット時におけ
るレチクルステージRS1の位置情報を、干渉計RIX
1、RIY1、RIY2によって検出し、この位置情報
を主制御装置40の内部メモリに記億しておく。これに
より、干渉計WIX1、WIX2、WIY1で規定され
るウエハ側の直交座標系(Xe、Ye)と、干渉計RI
X1、RIY1、RIY2で規定されるレチクル側の直
交座標系とが対応付けられることになり、結果的に後述
するレチクルアライメントが不要となる。そして、主制
制御装置40は走査露光時、この記憶した位置情報と、
干渉計RIX1、RIX3、RIY1、RIY2の各計
測値とに基づいてレチクルステージRS1の移動を制御
する。
【0213】また、干渉計WIX1、WIX2、及び干
渉計WIY1、WIY9の各計測値をリセットする代わ
りに、干渉計WIX1、WIX2の各計測値が干渉計W
IX6の計測値と等しくなり、かつ干渉計WIY1、W
IY9の各計測値が干渉計WIY3の計測値と等しくな
るように、干渉計WIX1、WIX2、及び干渉計WI
Y1、WIY9の各計測値をプリセットするようにして
良い。この場合、前述したEGA方式で決定されるウエ
ハW1上の各ショット領域の座標系(X6、Y4)上で
の座標位置を、干渉計WIX1、WIX2、WIY1で
規定される座標系(Xe、Ye)上での座標位置として
そのまま使用することができる。従って、前述したよう
にEGA方式で決定されるウエハ上の各ショット領城の
座標位置から基準マーク板FM1上の第1基準マークの
座標位置を差し引くことにより、その第1基準マークに
対するウエハ上の各ショット領域の相対位置関係を求め
る必要がなくなる。但し、この場合は、前述した座標系
(X6、Y4)上で計測されアライメント制御装置30
から供給されたアライメント系28Aの指標中心を基準
とする基準マーク板FM1上の第1基準マークの位置の
情報をメモリに記憶しておく必要がある。あるいは、先
に、アライメント系28Aによって基準マーク板FM1
を検出した状態で干渉計WIY4、WIX6の各測定値
をプリセットした場合には、その時のアライメント系2
8Aの指標中心を基準とする基準マーク板FM1上の第
1基準マークの位置の情報(及びそのときの干渉計の計
測値)とをメモリに記憶しておく必要がある。そして、
実際の露光の際には、露光に先立って、レチクル上マー
ク(投影光学系PL1の投影中心)と基準マーク板FM
1上の一対の第2基準マークの座標位置の相対位置関係
(及びそのときの干渉計の計測値)とを求めてメモリに
記憶し、上記の基準マーク板FM1上の第1基準マーク
の位置の情報と、上記相対位置関係と、EGAの計測結
果とに基づいて、ウエハW1上の各ショットの露光を行
うこととなる。
【0214】このようにして、ウエハステージWS1の
露光位置への移動が完了すると、図10のステップ10
4に示されるウエハステージWS1上のウエハW1の露
光が上記と同様にして行われるが、この露光に先立っ
て、次のようにしてレチクルアライメント顕微鏡36
A、36Bによる基準マーク板FM1上の一対の第2基
準マークとそれに対応するレチクル上マークのウエハ面
上投影像の相対位置検出(レチクルアライメント)が行
われる。
【0215】すなわち、主制御装置40では、座標系
(Xe、Ye)座標系上の原点位置にウエハステージW
S1を移動させ、レチクルアライメント顕微鏡36A、
36Bにより露光光を用いて基準マーク板FM1上の一
対の第2基準マークとそれに対応するレチクル上マーク
のウエハ面上投影像の相対位置検出を行なう。
【0216】これにより、座標系(Xe、Ye)におけ
る基準マーク板FM1上の一対の第2基準マークの座標
位置と、レチクル上マークのウエハ面上投影像座標位置
が検出されることとなり、両者の差により露光位置(投
影光学系PL1の投影中心)と基準マーク板FM1上の
一対の第2基準マークの座標位置の相対位置関係が求め
られる。
【0217】そして、主制御装置40では、先に求めた
基準マーク板FM1上の第1基準マークに対する各ショ
ットの相対位置関係と、露光位置と基準マーク板FM1
上の一対の第2基準マークの座標位置の相対関係より、
最終的に露光位置と各ショットの相対位置関係を算出す
る。その結果に応じて、ウエハW1上の各ショットの露
光が行なわれることとなる。
【0218】上述のように、干渉計のリセット動作を行
なっても高精度アライメントが可能な理由は、アライメ
ント系28Aにより基準マーク板FM1上の第1基準マ
ークを計測した後、ウエハW1上の各ショット領域のア
ライメントマークを計測することにより、第1基準マー
クと、ウエハマークの計測により算出された仮想位置と
の間隔を同一のセンサにより算出しているためである。
この時点で第1基準マークと露光すべき位置の相対位置
関係(相対距離)が求められていることから、露光前に
レチクルアライメント顕微鏡36A、36Bにより露光
位置と第2基準マーク位置(第1基準マークとの位置関
係は既知である)との対応がとれていれば、その値に前
記相対距離を加えることにより、干渉計の干渉計ビーム
がウエハステージの移動中に切れて再度リセットを行な
ったとしても高精度な露光動作を行なうことができるか
らである。
【0219】なお、第1基準マーク及び一対の第2基準
マークは常に同じ基準マーク板上にあるので、描画誤差
を予め求めておけばオフセット管理のみで変動要因は無
い。また、一対の第2基準マークもレチクル描画誤差に
よるオフセットを持つ可能性があるが、例えば特開平7
―176468号公報に開示されるように、レチクルア
ライメント時に複数マークを用いて描画誤差の軽減を行
なうか、レチクルマーク描画誤差を予め計測しておけ
ば、同様にオフセット管理のみで対応できる。
【0220】なお、本出願人は、2つのウエハステージ
を用いて、一方のウエハステージでは露光動作を行いつ
つ、他方のウエハステージではウエハの交換及びアライ
メントを行う露光方法及び露光装置について、例えば特
開平10−163098号公報に開示している。この公
報には、2つウエハステージをアライメントする際に、
干渉計の一つの測長ビームで追従できない範囲に渡って
ウエハステージが移動する場合に、干渉計をリセットす
る方法並びにステージ上に形成された基準マークを用い
てウエハステージの位置を追跡する方法等が開示されて
おり、上記の一連の並行処理動作の過程で行われる主制
御装置による干渉計のリセット動作は、上記公報に記載
の動作と全く同様である。
【0221】このようにして、レチクルアライメントが
行われ、ウエハステージWS1上で露光が行われている
間に、これと並行してウエハステージWS3側では、先
に説明したウエハステージWS1側におけると同様のウ
エハ交換、アライメント、待ち(ステップ112〜11
4)の動作が行われている。
【0222】そして、ステップ104の露光が終了する
と、以後、上記と同様の並行処理が繰り返される。
【0223】本実施形態の露光装置10では、このよう
なウエハステージWS1、WS3の並行動作と同時に、
残りのウエハステージWS2、WS4側でも同様の並行
動作が、ウエハステージWS1とWS2、WS3とWS
4の動きが全く左右対称となるようにして行われる。
【0224】発明者等が、簡単なシミュレーションによ
り試算した結果、この露光装置10が採用する基本的構
成であるダブルレチクルステージ+ダブルウエハステー
ジの構成により、上述した通常露光により、露光時間T
eがウエハ交換時間とアライメント時間の総和(Tc+
Ta)の2倍かかる場合には、従来の露光装置と比べて
スループットが約3倍に向上し、露光時間Teが時間
(Tc+Ta)と同等である場合にはスループットが約
4倍に向上するとの結論が得られた。
【0225】次に、前述した第1レチクルR1と第2レ
チクルR2とを用いて、二重露光を行う場合について説
明する。この場合、第1レチクルR1には転写すべきパ
ターンの第1分解パターン(Aパターンとする)が形成
され、第2レチクルR2には転写すべきパターンの第2
分解パターン(Bパターンとする)が形成されているも
のとする。
【0226】図11には、この場合のウエハステージW
S1とWS3との処理の流れが示されている。
【0227】図11のステップ121〜ステップ122
において、前述した通常露光の場合と同様にしてウエハ
ステージWS1上でウエハ交換、アライメントの動作が
行われる。このとき、ウエハステージWS3側では、前
述と同様にしてステップ・アンド・スキャン方式の露光
が行われ、第1レチクルR1のパターンがウエハW3上
の各ショット領域に順次転写される(ステップ13
1)。
【0228】このステップ131における露光の途中
で、ウエハステージWS1は待ち状態に入っているが、
この場合には、ステップ131の露光が終了してもウエ
ハステージWS3側では、直ぐにウエハ交換は行われな
いので、ウエハステージWS1は待ち状態を継続する。
【0229】ところで、ステップ131における露光動
作が行われている間、ウエハステージWS4側では、こ
れと同時に、ウエハステージWS3と同様にしてステッ
プ・アンド・スキャン方式の露光が行われ、第2レチク
ルR2のパターンがウエハW4上の各ショット領域に順
次転写され、ステップ131における露光動作の終了と
ほぼ同時に、このウエハステージWS4側の露光動作も
終了する。
【0230】そして、これらの露光動作が終了すると、
レチクル交換機構20によりレチクルステージRS1上
のレチクルR1とレチクルステージRS2上のレチクル
R2とが交換される(図11のステップ132)。この
レチクル交換は、駆動装置21によりロボットアーム2
0b、20cを用いて行われる。このレチクル交換が終
了すると、ウエハステージWS3側では、前述と同様に
してレチクルアライメントが行われ、それに続いてステ
ップ・アンド・スキャン方式の露光が行われ、第2レチ
クルR2のパターンがウエハW3上の各ショット領域に
順次転写される(ステップ133)。これにより、上記
ステップ131で第1レチクルR1に描画された第1分
解パターンが転写されているウエハW3上の各ショット
領域には、第2レチクルR2に描画された第2分解パタ
ーンが重ねて転写されることとなる。このようなステッ
プ132、133の動作と並行してウエハステージWS
4側ではレチクルアライメント及びステップ・アンド・
スキャン方式の露光が行われ、上記ステップ131と同
時期に第2レチクルR2上の第2分解パターンが転写さ
れているウエハW4上の各ショット領域に、第1レチク
ルR1上の第1分解パターンが重ねて転写されることと
なる。
【0231】上記のステップ133における露光動作が
行われている間も、ウエハステージWS1側では、図1
1のステップ123に示されるように待ち状態を継続し
ている。
【0232】この場合のウエハW3上の具体的な二重露
光の露光順序としては、図12(A)に示されるよう
に、ウエハW3の各ショット領域をレチクルR1(Aパ
ターン)を使ってA1〜A12まで順次スキャン露光を
行なった後、図12(B)に示されるB1〜B12の順
序でレチクルR2(Bパターン)を使って順次スキャン
露光を行なう。
【0233】そして、ウエハステージWS3側の上記の
二重露光動作が終了すると、ウエハステージWS3が、
ローディングポジションまで移動する。この移動は、上
記通常露光の場合と同様にして行われる。
【0234】そして、ウエハステージWS3がローディ
ングポジションまで移動すると、アライメントが既に終
了しているウエハステージWS1が露光位置まで前述し
た通常露光の場合と同様にして移動される。
【0235】このようにして、ウエハステージWS1の
露光位置への移動が完了すると、ウエハステージWS1
上でウエハW1に対するレチクルR2のパターン転写
(ステップ124)、レチクル交換(ステップ12
5)、ウエハW1に対するレチクルR1のパターン転写
(ステップ126)が、上記と同様にして行われる。
【0236】このようにして、ウエハステージWS1上
で二重露光が行われている間に、これと並行してウエハ
ステージWS3側では、先に説明したウエハステージW
S1側におけると同様のウエハ交換、アライメント、待
ち(ステップ134〜136)の動作が行われている。
【0237】そして、ステップ126の露光が終了する
と、以後、上記と同様の並行処理が繰り返される。上記
の二重露光時の各部の動作も主制御装置40によって制
御される。
【0238】本実施形態の露光装置10では、このよう
なウエハステージWS1、WS3の並行動作と同時に、
残りのウエハステージWS2、WS4側でも同様の並行
動作が、ウエハステージWS1とWS2、WS3とWS
4の動きが全く左右対称となるようにして行われる。
【0239】発明者等が、簡単なシミュレーションによ
り試算した結果、この露光装置10が採用する基本的構
成であるダブルレチクルステージ+ダブルウエハステー
ジの構成により、上述した二重露光により、ウエハ1枚
に対する1回の露光時間Teがウエハ交換時間とアライ
メント時間の総和(Tc+Ta)の2倍かかり、レチク
ル交換時間を露光時間Teの約半分とすると、従来の露
光装置と比べてスループットが約2.4倍に向上すると
の結論が得られた。
【0240】このように、本実施形態の露光装置10に
よれば、従来の二重露光にとって最大の課題であったス
ループットを飛躍的に向上させることができるので、先
に説明した種々の二重露光法を用いることにより、高解
像度とDOFの向上効果により0.1μmL/Sまでの
露光を実現するが可能になり、高スループットで256
Mビット、1GビットのDRAMの量産を実現すること
ができる。
【0241】ところで、上記の説明では、図10のステ
ップ103、ステップ114、図11のステップ12
3、ステップ136等の待ち時間が存在することを前提
に説明したが、この待ち時間は、デバイスの生産に何ら
寄与しないので、この待ち時間を短くするための手法と
して、EGAのサンプルショット及び1つのサンプルシ
ョットで検出するアライメントマークの少なくとも一方
を増やすことが考えられる。このようにすれば、アライ
メント精度が向上するというメリットがある。例えば、
先に説明した通常露光の場合には、サンプルショット
を、待ち時間が殆どなくなる程度に増やしても良い。
【0242】また、本実施形態の露光装置10による
と、上記スループット向上の効果に加え、以下のような
数々の効果も得られる。
【0243】例えば、単にウエハステージを2つ用い
て、露光動作と他の動作、例えばアライメント動作を並
行処理する場合には、一方のウエハステージ側のスキャ
ン露光時にレチクルステージ又はウエハステージの加減
速時に生じる反力がベース盤18を含むボディを加振
し、この振動により他方のウエハステージ側のアライメ
ント精度が劣化する等の不都合が考えられるが、本実施
形態では、次のような理由により、このような不都合が
生じないようになっている。
【0244】すなわち、第1、第2レチクルステージR
S1、RS2がほぼ同一質量Mを有するとともに、前記
第1、第2、第3、第4ウエハステージWS1、WS
2、WS3、WS4がほぼ同一質量mを有し、しかも第
1レチクルステージRS1と第2レチクルステージRS
2とが互いに逆向きに、従ってウエハステージWS1と
WS2も互いに逆向きに同一方向に移動しながら同一の
走査速度で走査露光が行われるので、レチクルステージ
RS1とレチクルステージRS2の加減速時にベース盤
18に生ずる反力が相互に打ち消され、また、ウエハス
テージWS1とWS2の加減速時にベース盤18に生ず
る反力が互いに打ち消される。また、この場合、レチク
ルステージRS1、RS2、ウエハステージWS1、W
S2が同一面上を同一直線上に沿って移動するので、ベ
ース盤18には、θ回転(ヨーイング)、ローリング、
ピッチングも殆ど生じない。
【0245】従って、ウエハステージWS1、WS2の
走査露光動作とウエハステージWS3、WS4のアライ
メント動作とが同時並行的に行われるにもかかわらず、
ボディの振動によりアライメント精度が悪化する等の不
都合が生じるのを確実に防止することができる。また、
ウエハステージWS3、WS4のアライメント動作もこ
れらのステージを同時にかつベース盤18を含むボディ
の重心移動が殆ど生じないような順序及び経路で移動し
ながら行うことにより、除振パッド16としてパッシブ
なエアパッド等を用いて設置床からの振動をマイクロG
レベルで絶縁するのみで、ボディには殆ど振動が生じな
い。従って、同期制御回路やアクティブ除振装置等の特
別な装置を設けることなく、アライメント及び露光精度
ともに向上させることができ、ほぼ同期誤差零でレチク
ルステージRS1、RS2と2つのウエハステージとを
走査することが可能となる。
【0246】また、本実施形態では、第1、第2投影光
学系PL1、PL2が同一の投影倍率βを有し、レチク
ルステージRS1、RS2の質量Mが各ウエハステージ
(WS1、WS2、WS3、WS4)の質量mの前記投
影倍率β倍であることから、仮に、レチクルステージR
S1、RS2の走査速度が異なっていても、主制御装置
40により2次元リニアアクチュエータ22を介して、
レチクルステージRS1、RS2の少なくとも一方、及
びウエハステージWS1(又はWS3)、WS2(又は
WS4)の少なくとも一方でそれぞれ加速距離(減速距
離)とを調整して、レチクルステージRS1とRS2と
でその加速度(減速度)、及びウエハステージWS1
(又はWS3)とWS2(又はWS4)とでその加速度
(減速度)がほぼ等しくなるようにその移動を制御する
ことで、レチクルステージRS1とウエハステージWS
1(又はWS3)とを第1投影光学系PL1の投影倍率
βに応じた速度比で第1方向に同期移動するとともに、
レチクルステージRS1とウエハステージWS2(又は
WS4)とを第2投影光学系PL2の投影倍率βに応じ
た速度比で第1方向に同期移動することにより、相互に
同期移動するレチクルステージとウエハステージとの間
で運動量保存の法則が成立し、同期制御回路やアクティ
ブ除振装置等の特別な装置を設けることなく、ほぼ同期
誤差零で走査することが可能となる。
【0247】また、本実施形態では、投影光学系PL
1、PL2がミラーを3つ含む反射屈折光学系であるこ
とから、波長200nm以下の照明光を用いて、投影光
学系をそれほど大型化することなく、サブミクロンオー
ダー以下の微細パターンの高精度な転写が可能になる。
【0248】さらに、本実施形態によると、上述したよ
うな高スループットが得られるため、オフアクシスのア
ライメント系を投影光学系PLより大きく離して設置し
たとしてもスループットの劣化の影響が殆ど無くなる。
このため、直筒型の高N.A.(開口数)であって且つ
収差の小さい光学系を設計して設置することが可能とな
る。
【0249】しかしながら、本発明に係る露光装置及び
露光方法が上記実施形態に限定されないことは勿論であ
る。
【0250】例えば、第1レチクルステージRS1とウ
エハステージWS1(又はWS3)との質量比は第1投
影光学系PL1の投影倍率と等しくなっていなくても良
く、同様にレチクルステージRS2とウエハステージW
S2(又はWS4)との質量比も第2投影光学系PL2
の投影倍率に等しくなっていなくても良い。この場合、
第1レチクルステージRS1と第1ウエハステージWS
1とを逆向きに移動してもその加減速時に相殺されずに
残存する反力と、第2レチクルステージRS2と第2ウ
エハステージWS2とを逆向きに移動してもその加減速
時に相殺されずに残存する反力とが、互いに打ち消し合
うようにしておく。具体的には、第1及び第2レチクル
ステージRS1、RS2の質量と、第1及び第2ウエハ
ステージWS1、WS2の質量との少なくとも一方が異
なっている場合には、第1レチクルステージRS1及び
第1ウエハステージWS1と、第2レチクルステージR
S2及び第2ウエハステージWS2とで加減速度を異な
らせ、その加減速時に生じる反力をほぼ等しくして打ち
消し合わせれば良い。このとき、第1レチクルステージ
RS1及び第1ウエハステージWS1と、第2レチクル
ステージRS2及び第2ウエハステージWS2とで、そ
の各加減速度に応じて走査露光前後の助走距離や加速開
始位置などを調整する。
【0251】また、第1及び第2レチクルステージRS
1、RS2の質量同士、第1及び第2ウエハステージW
S1、WS2の質量同士をそれぞれ等しくしなくても良
い。この場合、第1及び第2レチクルステージRS1、
RS2を逆向きに移動してもその加減速時に相殺されず
に残存する反力と、第1及び第2ウエハステージWS
1、WS2を逆向きに移動してもその加減速時に相殺さ
れずに残存する反力とが、互いに打ち消し合うようにし
ておく。例えば、第1レチクルステージRS1と第1ウ
エハステージWS1との質量比を第1投影光学系PL1
の倍率にほぼ等しくし、かつ第2レチクルステージRS
2と第2ウエハステージWS2との質量比を第2投影光
学系PL2の倍率にほぼ等しくしておけば良い。
【0252】あるいは、第1レチクルステージRS1と
第1ウエハステージWS1との質量比と第1投影光学系
PL1の倍率と、第2レチクルステージRS2と第2ウ
エハステージWS2との質量比と第2投影光学系PL2
の倍率との少なくとも一方が異なっている場合には、第
1レチクルステージRS1及び第1ウエハステージWS
1の加減速度と、第2レチクルステージRS2及び第2
ウエハステージWS2の加減速度とを異ならせ、その加
減速時に生じる反力をほぼ等しくして打ち消し合わせて
も良い。このとき、第1レチクルステージRS1及び第
1ウエハステージWS1と、第2レチクルステージRS
2及び第2ウエハステージWS2とで、その各加減速度
に応じて走査露光前後の助走距離や加速開始位置などを
調整する。
【0253】さらに、第1ウエハW1と第2ウエハW2
とでフォトレジストの感度特性が異なることがある。こ
の場合でも、第1ウエハW1と第2ウエハW2とで走査
露光中の移動速度を異ならせることなく同一として、第
1及び第2ウエハステージWS1、WS2を同一条件で
駆動する。これにより、第1及び第2ウエハステージW
S1、WS2の走査露光前の助走期間中の加速度を同一
とし、かつ加速開始時刻も同一とすることができる。ま
た、第1ウエハW1と第2ウエハW2とでその走査露光
終了時刻が同一となり、減速開始時刻を一致させること
ができ、かつ減速度も同一にすることができる。さらに
スループットを考慮すると、第1及び第2ウエハW1、
W2の走査速度をウエハステージの最高移動速度に設定
することが望ましい。但し、フォトレジストの感度特性
が異なる第1及び第2ウエハW1、W2の走査速度を同
一にするときは、第1及び第2ウエハW1、W2にそれ
ぞれフォトレジストの感度特性に応じた適正露光ドーズ
を与えるために、そのフォトレジストの感度特性と走査
速度とに基づいて、第1及び第2ウエハW1、W2の少
なくとも一方の走査露光条件も変更する。ここで、露光
用照明光が連続光である場合は、ウエハ上での照明光の
強度と、ウエハ上での照明光の走査方向の幅との少なく
とも一方を調整すればよく、露光用照明光がパルス光で
ある場合は、ウエハ上での照明光の強度と、ウエハ上で
の照明光の走査方向の幅と、パルス光源の発振周波数と
の少なくとも1つを調整すれば良い。
【0254】なお、第1及び第2レチクルステージRS
1、RS2の質量同士と、第1及び第2ウエハステージ
WS1、WS2の質量同士との少なくとも一方が異なる
場合には、前述したように第1ウエハW1と第2ウエハ
W2とでそのプリスキャン中に発生する反力がほぼ等し
くなるようにその加速度を異ならせるようにすればよ
く、さらに第1ウエハW1と第2ウエハW2とで走査露
光開始時刻を同一とし、かつその反力の発生の時間差を
極力小さくするように、第1及び第2ウエハの少なくと
も一方の助走距離や加速開始位置などを調整することが
望ましい。
【0255】また、第1ウエハW1と第2ウエハW2と
でその走査速度が異なるときは、第1ウエハW1と第2
ウエハW2とで1ショット当たりの走査露光時間、即ち
走査露光終了時刻も異なり得る。そこで、例えば第1ウ
エハW1の走査露光終了時刻が第2ウエハW2の走査露
光終了時刻よりも早い場合には、走査露光終了後も第1
ウエハW1を、走査露光中の移動速度で移動し続け、第
2ウエハW2の走査露光終了後の減速開始とほぼ同時
に、第1ウエハW1の減速を開始する。このとき、第1
及び第2レチクルステージRS1、RS2や第1及び第
2ウエハステージWS1、WS2の各質量に応じて、走
査露光後の第1及び第2ウエハの減速度をそれぞれ決定
する。これにより、減速期間中に発生する反力をほぼ相
殺することができる。
【0256】なお、第1ウエハW1と第2ウエハW2と
でフォトレジストの感度特性が同じであっても、ショッ
ト領域の走査方向の幅が異なる場合には、第1ウエハW
1と第2ウエハW2とで1ショット当たりの走査露光時
間が異なる。このような場合には、前述と同様に第1及
び第2ウエハW1、W2の少なくとも一方の走査速度を
調整してその走査露光時間を一致させることが望まし
い。このとき、第1及び第2ウエハにそれぞれ適正露光
ドーズを与えるために、その調整された走査速度とフォ
トレジストの感度とに基づいて、走査速度が調整される
第1及び第2ウエハの少なくとも一方の走査露光条件も
変更する。
【0257】なお、上記実施形態では、第1、第2投影
光学系PL1、PL2が共にレチクルパターンの部分倒
立像をウエハ上に投影する場合について説明したが、例
えば、第1投影光学系PL1が第1レチクルR1のパタ
ーンの部分正立像を第1ウエハW1上に投影するような
場合も考えられる。かかる場合には、第1投影光学系P
L1の倍率に応じた速度比で、第1レチクルR1と第1
ウエハW1とをY方向に沿って同じ向きに移動すること
になる。この場合には、第2投影光学系PL2も第2レ
チクルパターンの部分正立像を第2ウエハW2上に投影
するものとし、かつ第2レチクルR2と第2ウエハW2
とをY方向に沿って同じ向きに移動するとともに、その
移動方向を第1レチクルR1及び第1ウエハW1の移動
方向と逆向きに定めるようにする。これにより、第1レ
チクルR1と第1ウエハW1との同期移動によって生じ
る反力と、第2レチクルR2と第2ウエハW2との同期
移動によって生じる反力とがほぼ相殺されることにな
る。
【0258】ところで、第1ウエハW1上の複数の区画
領域(ショット領域)に順次第1レチクルR1のパター
ンを転写し、かつ第2ウエハW2上の複数の区画領域
(ショット領域)に順次第2レチクルR2のパターンを
転写するとき、第1及び第2ウエハステージWS1、W
S2はそれぞれ1つの区画領域の走査露光が終了するた
びに走査方向(Y方向)と直交する方向(X方向)に移
動される。このとき、第1及び第2ウエハステージWS
1、WS2をそれぞれX方向に沿って互いに逆向きにス
テッピングさせることが望ましい。これにより、X方向
に生じる反力がほぼ相殺されることになる。但し、この
場合、第1及び第2ウエハステージWS1、WS2は同
一直線上でステッピングされないので、ベース盤18に
は回転モーメントが発生して振動が生じるが、第1及び
第2ウエハステージWS1、WS2が配置されるベース
盤18を載置する除振パッド16とは別に、その除振パ
ッド16が設置される床(又はベースプレート)上にフ
レームを設け、かつベース盤18とフレームとの間に例
えばボイスコイルモータを配置し、前述の回転モーメン
トを相殺する力をそのベース盤18に与えるようにして
も良い。
【0259】また、上記実施形態では、第1ウエハW1
と第2ウエハW2とのショット領域の数が同一であるこ
とを前提に、第1ウエハステージWS1と第2ウエハス
テージWS2が常に同様の動作をする場合について説明
したが、例えば、第1ウエハW1と第2ウエハW2とで
パターンを転写すべきショット領域(区画領域)の数が
異なる場合もある。例えば、第1ウエハW1の区画領域
の数が第2ウエハW2の区画領域の数よりも多いときに
は、第2ウエハW2上の全ての区画領域に対する第2レ
チクルR2のパターンの転写が終了した後も、第1ウエ
ハW1上の全ての区画領域に対する第1レチクルR1の
パターンの転写が終了するまで、第1レチクルステージ
RS1と第1ウエハステージWS1との同期移動と並行
して、第2レチクルステージRS2と第2ウエハステー
ジWS2とを駆動(空移動)してその反力を相殺するこ
とが望ましい。
【0260】また、ウエハ上の1つの区画領域に形成さ
れたパターンが不良であるときは、通常その区画領域に
は次層以降のパターンを転写しない。しかしながら、上
記実施形態の露光装置10では反力を相殺するために、
不良パターンが形成された区画領域であっても、レチク
ルとウエハとを同期移動してレチクルパターンをその区
画領域に転写する、若しくはレチクルステージとウエハ
ステージとを空移動させることが望ましい。
【0261】これまでの説明では、各レチクルステー
ジ、各ウエハステージの移動に伴う反力がベース盤18
の振動要因とならないように、第1、第2レチクルステ
ージRS1、RS2、第1〜第4ウエハステージWS1
〜WS4の加減速度、走査速度、移動経路、動作シーケ
ンス、質量等を工夫することにより、各ステージの移動
によってベース盤18に作用する反力同士を結果的に相
殺する種々のケースについて説明したが、このようなス
テージに関連する種々の工夫を必ずしも行う必要はな
い。すなわち、第1、第2レチクルステージRS1、R
S2と第1〜第4ウエハステージWS1〜WS4の質量
との比が投影光学系PLの質量比と無関係であり、例え
ばレチクルステージRS1、RS2同士の加減速度、走
査速度が異なっていても、次の第2の実施形態のような
構成を採用することにより、各ステージの移動によって
ベース盤18に作用するそれぞれの反力がベース盤18
の振動要因とならないようにすることができる。
【0262】《第2の実施形態》次に、本発明の第2の
実施形態を図13に基づいて説明する。ここで、前述し
た第1の実施形態と同一若しくは同等の構成部分には同
一の符号を用いるとともに、その説明を簡略にし若しく
は省略するものとする。図13には、第2の実施形態に
係る露光装置200の構成が概略的に示されている。
【0263】この露光装置200は、いわゆるステップ
・アンド・スキャン方式の走査露光型の投影露光装置で
ある。前述した第1の実施形態の露光装置10では、4
つの防振パッド16により水平に支持されたベース盤1
8上に、磁気浮上型2次元リニアアクチュエータ22に
よってウエハステージWS1〜WS4及びレチクルステ
ージRS1、RS2が浮上支持されていたが、この露光
装置200では、前記ベース盤18に代えて定盤190
が設けられ、この定盤190が4つの除振パッド16に
より水平に支持され、定盤190上に上記2次元リニア
アクチュエータ22と同様の不図示の磁気浮上型2次元
リニアアクチュエータ(以下、便宜上「第2リニアアク
チュエータ」と呼ぶ)により、前記ベース盤18と同様
に、磁気浮上型2次元リニアアクチュエータ22によっ
てウエハステージWS1〜WS4及びレチクルステージ
RS1、RS2を浮上支持するベース盤180が浮上可
能に支持されている点に特徴を有する。
【0264】第2リニアアクチュエータは、前述した2
次元リニアアクチュエータ22と同様に、ベース盤18
0の底面に埋め込まれた複数のマグネットと、定盤19
0の内部にほぼ全面に渡って所定間隔で埋め込まれたコ
イル(X回路、Y回路、Z回路を構成する)とによって
構成されている。この場合、ベース盤180は、その底
面に設けられたマグネットの磁力と前記Z回路を構成す
るコイルに流れる電流が前述した主制御装置40(図5
参照)により一定値制御されることにより、発生するZ
方向の磁力の作用によって定盤190上に浮上支持され
ている。また、このベース盤180は、主制御装置40
により前記X回路、Y回路を構成するコイルに流れる電
流が制御されることにより、定盤190に対して任意の
2次元方向に相対駆動されるようになっている。
【0265】また、ベース盤180及び定盤190の照
明光ELが通過する部分には、開口部180a、180
b及び開口部190a、190bがそれぞれ形成されて
いる。この場合、ベース盤180の質量は、上記6つの
ステージの内の質量が最も小さいステージを基準として
少なくとも9倍程度以上に定められている。これは、ウ
エハステージ加速度、最高速度、フットプリントの悪化
を1桁以下に抑えるためである。また、ステージの移動
に伴う、ベース盤180の移動量は、各ステージとベー
ス盤180の質量比に応じて定まるため、本実施形態の
ようにベース盤180の質量を、上記6つのステージの
内の質量が最も小さいステージを基準として少なくとも
9倍程度以上に定めれば、ベース盤180の移動量が小
さくなり、これに応じて開口部190a、190bを小
さくすることができるという利点もある。
【0266】その他の部分の構成は、前述した第1の実
施形態と同様になっている。
【0267】このようにして構成された本第2の実施形
態の露光装置200によれば、前述した第1の実施形態
と同等の効果を得ることができる。
【0268】また、本第2の実施形態の場合、ウエハス
テージWS1〜WS4、レチクルステージRS1、RS
2とベース盤180、ベース盤180と定盤190と
は、それぞれ非接触のため、それぞれの間の摩擦が非常
に小さくなっている結果、ウエハステージWS1〜WS
4、レチクルステージRS1、RS2と、ベース盤18
0と、定盤190とを含む系全体として運動量保存則が
成立する。これは、6つのステージ、すなわちウエハス
テージWS1〜WS4、及びレチクルステージRS1、
RS2の内のいずれか1つ若しくは複数のステージが同
時に移動する場合には、これらのステージの駆動力若し
くは駆動力の合力に対する反力の大きさ及び方向に応じ
て、ベース盤180が、上記系の重心位置の移動及びそ
れによる偏荷重をキャンセルするように移動するからで
ある。
【0269】従って、本第2の実施形態では、上記6つ
のステージのそれぞれが同時に任意の方向に移動(移動
量零を含む)しても、上記系の全体の重心を所定位置に
保持することができ、定盤190の振動、ひいては露光
装置200の本体の振動を防止することができる。この
ため、本実施形態では、レチクルステージRS1、RS
2同士、4つのステージWS1〜WS4の質量が異なっ
ていても良く、レチクルステージ間、1組のレチクルス
テージとウエハステージ間のいずれにおいても駆動反力
同士が相殺されなくても、結果的にベース盤180に作
用する反力の合力及び大きさに応じて定盤190に対し
てベース盤180が移動し、これにより露光装置200
の振動を防止することができる。
【0270】すなわち、この露光装置200では、ステ
ージの移動に起因する露光装置本体の振動を考慮する必
要がないので、前述したステージの空移動等が不要であ
る。従って、この露光装置200では、アライメント計
測の精度を最大限向上させることができる。また、複数
のレチクルステージ及びウエハステージを移動する場合
に、前述のように個々のステージの駆動によりベース盤
180に対して作用する反力同士を互いにキャンセルす
るためにステージの移動路や速度をステージ間で調整す
る必要がなく、複数のウエハステージ上のウエハに対し
て並行して走査露光を場合の各ステージの動作シーケン
スに対応する制御アルゴリズムの簡略化が可能である。
【0271】また、上記第1の実施形態では、アライメ
ント動作及びウエハ交換動作と、露光動作とを並行処理
する場合について述べたが、これに限らず、本第2の実
施形態では、2つのウエハステージ上で同時に行う動作
として、任意の動作の組み合わせが可能である。例え
ば、アライメント系28Aのベースラインチェック(B
CHK)、ウエハ交換が行われる度に行うキャリブレー
ション等のシーケンスについても同様に露光動作と並行
処理するようにしても良い。
【0272】また、露光装置200では、レチクルステ
ージRS1、RS2の位置やウエハステージWST1〜
WST4の位置の変化にて露光装置本体が全体的に傾い
た場合に、主制御装置40では、第2リニアアクチュエ
ータの制御応答を数Hzにて制御することにより、その
傾き方向にベース盤180が移動する低周波位置ずれを
防止するようになっている。すなわち、第2の実施形態
では、かかる点を考慮して、ベース盤180を第2リニ
アアクチュエータにより定盤190上に浮上支持したも
のである。しかしながら、ベース盤180をエアベアリ
ング、あるいは電磁気的相互作用により単に浮上支持す
る浮上機構を、第2リニアアクチュエータに代わりに設
けても良い。また、本第2の実施形態においてもベース
盤180及び定盤190の少なくなくとも各開口部に対
応する部分を光透過部材で形成しても良い。
【0273】なお、上記第1実施形態の露光装置10に
おいて、ウエハ上の例えば1つの区画領域と別の区画領
域とに順次レチクルパターンを転写するとき、前記1つ
の区画領域の走査露光と前記別の区画領域の走査露光と
の間でウエハステージを停止させることなく移動させる
ことが望ましい。さらに、その走査露光間でのウエハの
移動軌跡が放物線状(又はU次状)となるように移動す
ることが望ましい。かかる場合には、ウエハステージは
レチクルステージの減速中にステッピング方向への加速
が開始され、かつレチクルステージの次ショットの露光
のための加速中に減速されることになるが、このとき、
第1ウエハステージWS1と第2ウエハステージWS2
とでそのステッピング方向を逆向きにするとともに、そ
の加減速のタイミングを一致させることが望ましい。一
方、第2の実施形態の露光装置200では、上記の如
く、第1ウエハステージWS1と第2ウエハステージW
S2とでそのステッピング方向を逆向きにしたり、その
加減速のタイミングを一致させたりしなくても良い。
【0274】なお、上記実施形態では、同一面上を移動
するウエハステージが4つ設けられた場合について説明
したが、本発明はこれに限定されることはなく、例えば
第1、第2ウエハステージWS1、WS2と同一面上を
移動する第3ウエハステージWS3とが設けられ、アラ
イメントマークを検出するアライメント系も1つだけ設
けられていても良い。かかる場合であっても、第1、第
2ウエハステージWS1、WS2上のウエハW1、W2
に対して前述の如くして走査露光によりレチクルパター
ンが転写されている間に、第3ウエハステージ上のウエ
ハW3に形成された位置合わせマークをアライメント系
により検出することができるので、2つのウエハステー
ジ上のウエハに対する露光動作と、1つのウエハステー
ジ上のウエハに対するマーク位置検出動作(アライメン
ト動作)とが同時並行的に行われるからである。かかる
場合、駆動装置(22、40)は、上記2つのウエハス
テージ上のウエハに対する露光動作の終了後に、マーク
位置検出が終了した第3ウエハステージWS3と第1ウ
エハステージWS1又は第2ウエハステージWS2とを
入れ替え、第3ウエハステージWS3を第1レチクルス
テージRS1又は第2レチクルステージRS2と同期移
動させるようにすれば良い。これにより、第1、第2ウ
エハW1、W2に対する露光動作終了の直後に、第3ウ
エハステージWS3上のウエハW3に対してレチクルパ
ターンを転写するための走査露光が可能になる。この場
合、第3ウエハW3に対するアライメント時間は、第
1、第2ウエハに対する露光時間に完全にオーバーラッ
プされるので、従来に比べスループットの向上が可能で
ある。
【0275】なお、上記第1、第2実施形態ではウエハ
ステージWS1〜WS4として、正方形状のウエハステ
ージを用いる場合について例示したが、本発明がこれに
限定されることはなく、例えば、三角形状のウエハステ
ージを用いても良い。かかる場合には、XY軸に対して
所定角度傾斜した方向の測長軸を有する干渉計を用いて
ウエハステージの位置を管理することができるので、ア
ライメント終了位置から露光位置へ移動する際のウエハ
ステージの位置管理が容易になると考えられる。
【0276】図14には、三角形状のウエハステージT
WST及び該ウエハステージTWSTの第1軸(Y軸)
及びこれに直交する第2軸(X軸)方向の位置及びXY
面内の回転を計測可能な位置計測システムの一例が、平
面図にて示されている。この三角形状ウエハステージT
WSTは、平面視で正三角形状に形成され、その3つの
側面にはそれぞれ鏡面加工がなされて第1、第2、及び
第3の反射面60a、60b、60cが形成されてい
る。
【0277】この場合、前記位置計測システムは、第
1、第2、及び第3の干渉計76X1、76Y、76X
2を含んで構成されている。この内、第1の干渉計76
X1は、図14中のY軸(第1軸)に対して所定角度θ
1傾斜した方向の干渉計ビームIX1を第1反射面60
aに垂直に照射し、その反射光を受光することにより干
渉計ビームIX1の方向である第3軸方向の位置(或い
は速度)を計測する。
【0278】第2の干渉計76Yは、Y軸方向(第1軸
方向)の干渉計ビームIYを第2反射面60bに垂直に
照射し、その反射光を受光することにより、ウエハステ
ージTWSTのY軸方向位置を計測する。
【0279】第3の干渉計76X2は、Y軸方向に対し
て所定角度θ2傾斜した方向の干渉計ビームIX2を第
3反射面60cに垂直に照射し、その反射光を受光する
ことにより干渉計ビームIX2の方向である第4軸方向
の位置を計測する。
【0280】この場合、第2の干渉計76Yの計測値に
よりウエハステージTWSTのY軸方向の位置を求める
ことができる。また、第1の干渉計76X1の計測値と
角度θ1の値、及び第2の干渉計76X2の計測値と角
度θ2の値の少なくとも一方に基づいて計算によりウエ
ハステージWSTのX軸方向の位置を求めることができ
る。あるいは、第1の干渉計76X1の計測値と角度θ
1の値、及び第2の干渉計76X2の計測値と角度θ2
の値の少なくとも一方に基づいて計算によりウエハステ
ージWSTのY軸方向の位置を計算により求めることも
できる。
【0281】この図14に示される三角形状のウエハス
テージTWST及びその位置計測システムを上記各実施
形態の露光装置に搭載する際には、第1軸方向(Y軸方
向)をウエハステージTWSTとレチクルステージRS
2(又はRS1)との同期移動方向と一致させることと
なる。
【0282】このようにすれば、第1、第2及び第3の
干渉計干渉計76X1、76Y、76X2により、ウエ
ハWを保持するウエハステージTWSTの第1、第2及
び第3反射面60a、60b、60cとの距離が測長さ
れ、例えば走査露光中に、特に非走査方向の位置計測に
用いられる干渉計ビームIX1、IX2が、四角形ステ
ージの場合に比べて長い時間当たり続けるので、余分に
反射面を延ばすことなく、ウエハステージTWSTの加
速度及び、最高速度、整定時間を適宜決定することによ
り、ウエハの助走,等速移動までの整定時間によるプリ
スキャン距離及び、ウエハの露光後の等速移動時間及び
減速時間によるオーバスキャン距離により各干渉計光軸
がウエハステージTWSTのそれぞれ異なる第1、第2
及び第3反射面から外れないようにすることができる。
このため、ウエハステージTWSTの3つの側面の範囲
内に反射面を設定できるので、ウエハステージTWST
のバランスが良くなり、ステージ剛性を高めることが可
能となり、その結果、ウエハステージのフォーカス,チ
ルト制御応答を向上させることができる。
【0283】また、前記第1、第2及び第3の各干渉計
光軸が前記ウエハステージのそれぞれ異なる第1、第2
及び第3反射面から外れないウエハステージ上の位置
に、例えば基準マーク板FMを配置することにより、基
準マーク板FM及による計測のために反射面を延ばす必
要が無くなることもウエハステージWSTの軽量化につ
ながる。
【0284】従って、このような三角形状のステージを
使用すれば、X軸及びY軸方向に沿って設けられた反射
鏡を備える従来のステージに比べてステージを小型軽量
化することができ、本発明の露光装置のように複数のマ
スクステージ及び複数の基板ステージを共通のベース盤
上で支持する露光装置とって極めて有効となる。
【0285】また、上記の説明ではウエハステージとし
てを三角形状のステージを用いる場合について説明した
が、円形レチクルを用いる場合には、レチクルステージ
として三角形ステージを用いても良く、この場合にも前
述と同様の効果を得ることができる。
【0286】なお、上記実施形態では、説明の便宜上、
干渉計システムを構成する殆どの干渉計として1軸の干
渉計を用いる場合について説明したが、ヨーイング計測
等が可能な多軸の干渉計を用いても勿論良い。
【0287】なお、上記実施形態では、二重露光を行う
ものとしたが、第1レチクルのパターンと第2レチクル
のパターンとを同一ウエハ上の異なるショット領域にそ
れぞれ転写するようにしても良いし、あるいは1回の走
査露光範囲よりも大きなデバイスを得るために、複数の
レチクルパターンを同一ウエハ上の互いに隣接するショ
ット領域に転写する、いわゆるスティッチング露光を行
うようにしても良い。この場合、前述の多重露光と同様
に、第1走査露光動作による第1レチクルパターンの転
写後にウエハの現像処理を行うことなく、その第1走査
露光動作に続けて第2走査露光動作を行い、第1レチク
ルパターンの転写像が形成されたウエハ上のフォトレジ
ストに第2レチクルパターンの転写像を形成することに
なる。
【0288】また、上記実施形態では、照明光学系IO
P1、IOP2をそれぞれべース盤18に固定するもの
としたが、これに限らず、照明光学系IOP1、IOP
2をベース18盤を支持する除振パッド16と同様の防
振機構を介して床上に配置しても良く、あるいは露光装
置本体が配置されるクリーンルームとは別の部屋(床下
のユーティリティスぺースなど)に、露光用光源12
A、12Bと共に配置しても良い。また、投影光学系P
L1、PL2は本体コラム24を介してベース18盤上
に支持されるものとしたが、そのべース盤18とは独立
の別の架台で投影光学系PL1、PL2を保持するよう
にしても良い。
【0289】また、露光用照明光は波長が200nm程
度以下であるArFエキシマレーザ光やF2レーザ光な
どの真空紫外光(VUV光)に限られるものではなく、
波長が200nm程度以上の紫外光(KrFエキシマレ
ーザ、i線、g線など)であっても良いし、あるいは波
長が5〜15nm、例えば13.4nm、又は11.5
nmである軟X線領域のEUV光(XUV光)であって
も良い。さらに、超高圧水銀灯、エキシマレーザ、又は
2レーザなどの代わりに、DFB半導体レーザ又はフ
ァイバーレーザを光源として設け、これらから発振され
る赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエ
ルビウム(又はエルビウムとイットリビウムの両方)が
ドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結
晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良
い。
【0290】例えば、単一波長レーザの発振波長を1.
51〜1.59μmの範囲内とすると、発生波長が18
9〜199nmの範囲内である8倍高調波、又は発生波
長が151〜159nmの範囲内である10倍高調波が
出力される。特に発振波長を1.544〜1.553μ
mの範囲内とすると、発生波長が193〜194nmの
範曲内の8倍高調波、即ちArFエキシマレーザとほぼ
同一波長となる紫外光が得られ、発振波長を1.57〜
1.58μmの範囲内とすると、発生波長が157〜1
58nmの範囲内の10倍高調波、即ちF2レーザとほ
ぼ同一波長となる紫外光が得られる。
【0291】また、発振波長を1.03〜1.12μm
の範囲内とすると、発生波長が147〜160nmの範
囲内である7倍高調波が出力され、特に発振波長を1.
099〜1.106μmの範囲内とすると、発生波長が
157〜158μmの範囲内の7倍高調波、即ちF2
ーザとほぼ同一波長となる紫外光が得られる。なお。単
一波長発振レーザとしてはイットリビウム・ドープ・フ
ァイバーレーザを用いる。
【0292】なお、上記実施形態で説明した露光装置
で、露光用照明光として波長が200nm程度以下の真
空紫外光を用いるときは、レーザ光源、BMUを含む送
光系、照明光学系、及び投影光学系内をそれぞれ窒素、
又はへリウムなどの不活性ガスで置換しておく。また、
露光用照明光として波長が5〜15nmのEUV光(X
UV光)を用いる場合、SOR又はレーザプラズマ光源
からウエハまでの光路をほぼ真空にしておく。
【0293】前述の実施形態では露光用照明光として真
空紫外光を用いるので、レチクルは透過型で、基板材料
として合成石英、フッ素などがドープされた合成石英、
蛍石、水晶、及びフッ化マグネシウムのいずれか1つが
用いられる。また透過型レチクルはそのパターン面が下
向きとなる(図1では照明系と対向する)ようにレチク
ルステージに保持されるが、例えばペリクルなどでパタ
ーン面への異物の付着が防止されるようになっていれ
ば、そのパターン面が上向きとなる(投影光学系と対向
する)ようにレチクルステージに保持しても良い。な
お、露光用照明光として真空紫外光、又は波長が200
nm程度以上の紫外光(KrFエキシマレーザ、i線、
g線など)を用いる場合、例えばレチクルを反射型と
し、かつレチクルと投影光学系との間にビームスプリッ
タを配置し、そのビームスプリッタを介して露光用照明
光がレチクルに照射されるように、照明光学系をレチク
ルに対して投影光学系と同一側に配置するように構成し
ても良い。
【0294】また、露光用照明光として波長が5〜15
nmのEUV光(XUV光)を用いる場合、レチクルは
反射型となるので、照明光学系はレチクルに対して投影
光学系と同一側に配置され、かつEUV光はその主光線
がレチクルと直交する方向に対して傾けられてレチクル
に入射することになる。なお、投影光学系は複数の反射
光学素子のみから構成され、かつレチクル側が非テレセ
ントリックな光学系となる。
【0295】また、第1レチクルを用いる第1走査露光
と、第2レチクルを用いる第2走査露光とで、第1及び
第2レチクルにそれぞれ形成されるパターンに応じてそ
の走査露光条件を互いに異ならせるようにしても良い。
この走査露光条件の1つとしては、照明光学系内のレチ
クルのパターン面とフーリエ変換の関係となる面(瞳面
に相当)上での照明光の強度分布がある。例えば、第1
レチクルに密集パターン(ラインアンドスぺースパター
ンなど)が形成され、第2レチクルにコンタクトホール
パターンが形成されているときは、第1照明光学系IO
P1ではそのフーリエ変換面(瞳面)上での照明光の強
度分布が中心部よりもその外側で高くなる変形照明法を
採用し、第2照明光学系IOP2ではその強度分布が光
軸を中心とするほぼ円形(又は矩形)の領域内でほぼ一
定となる通常照明法を採用する。なお、変形照明法とし
ては、前述の強度分布を照明光学系の光軸をほぼ中心と
する輪帯領域内でその内側よりも高くする輪帯照明法、
及び照明光学系の光軸からほぼ等距離だけ離れた4つの
局所領域を規定する十字状領域よりもその4つの局所領
域内でそれぞれ高くするSHRINC法などがある。ま
た、第1及び第2照明光学系で共に通常照明法を採用
し、瞳面上での照明光の大きさ(断面積)、即ちレチク
ルに入射する照明光の開口数と投影光学系のレチクル側
の開口数との比である、いわゆるコヒーレンスファクタ
(σ値)を異ならせるだけでも良いし、あるいは第1及
び第2照明光学系の一方で輪帯照明法を使用し、他方で
SHRINC法を使用するようにしても良い。
【0296】さらに、走査露光条件は投影光学系の開口
数を含み、第1及び第2投影光学系PL1、PL2でそ
の開口数を異ならせるようにしても良い。また、本例で
は走査露光条件として、投影光学系内のレチクルのパタ
ーン面とフーリエ変換の関係となる面(瞳面に相当)に
配置される瞳フィルタの有無、及び走査露光時にショッ
ト領域上の1点が照明光を横切る間に、投影光学系の像
面とウエハとをその光軸方向に相対移動する、いわゆる
累進焦点法(FLEX法など)の有無やその条件(振り
幅など)も含むものとする。なお、瞳フイルタとしては
投影光学系の光軸を中心とする円形領域内に分布する光
束を遮光する中心遮光型、あるいは投影光学系の光軸を
中心とする円形領域を通る光束と、その円形領域の外側
を通る光束とでその可干渉性を低減する瞳フィルターな
どがある。また、第1レチクルとして従来のクロムパタ
ーンを有するレチクルを用い、第2レチクルとして位相
シフターを有する位相シフトレチクル(ハーフトーン
型、空間周波数変変調型、エッジ強調型など)を用いる
ようにしても良い。
【0297】なお、上記実施形態では、第1及び第2照
明光学系IOP1、IOP2は共に同一波長の照明光
(ArFエキシマレーザ光、又はF2レーザ光)をレチ
クルに照射する、即ち露光用光源12A、12Bを同一
のものとしたが、第1照明光学系と第2照明光学系とで
互いに波長が異なる照明光をそれぞれ用いるようにして
も良い。例えば、第1照明光学系でArFエキシマレー
ザ光を用いて130nmのラインアンドスぺースパター
ンをウエハ上に転写し、第2照明光学系でF2レーザ光
又はEUV(XUV)光を用いて100nmのラインア
ンドスぺースパターンをウエハ上に転写するようにして
も良い。また、第1及び第2投影光学系PL1、PL2
はその解像力が同一であっても良いし、あるいは異なっ
ていても良い。さらに、第1及び第2照明光学系はその
構成が同一であっても良いし、あるいはその一部が異な
っていても良い。このことは第1及び第2投影光学系に
ついても同様である。
【0298】さらに本発明は半導体素子の製造に用いら
れる露光装置だけでなく、液晶表示素子などを含むディ
スプレイの製造に用いられる、デバイスパターンをガラ
スプレート上に転写する露光装置、薄膜磁気へッドの製
造に用いられる、デバイスパターンをセラミックウエハ
上に転写する露光装置、及び撮像索子(CCDなど)の
製造に用いられる露光装置などにも適用することができ
る。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでな
く、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び
電子線露光装置などで使用されるレチクル又はマスクを
製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに
回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用でき
る。ここで、DUV(遠紫外)光やVUV(真空紫外)
光などを用いる露光装置では一般的に透過型レチクルが
用いられ、レチクル基板としては石英ガラス、フッ素が
ドープされた石英ガラス、蛍石、フッ化マグネシウム、
又は水晶などが用いられる。また、プロキシミティ方式
のX線露光装置、又は電子線露光装置などでは透過型マ
スク(ステンシルマスク、メンブレンマスク)が用いら
れ、マスク基板としてはシリコンウエハなどが用いられ
る。
【0299】《デバイス製造方法》次に、上述した露光
装置及び露光方法をリソグラフィ工程で使用したデバイ
スの製造方法の実施形態について説明する。
【0300】図15には、デバイス(ICやLSI等の
半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、
マイクロマシン等)の製造例のフローチャートが示され
ている。図15に示されるように、まず、ステップ20
1(設計ステップ)において、デバイスの機能・性能設
計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、そ
の機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続
き、ステップ202(マスク製作ステップ)において、
設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一
方、ステップ203(ウエハ製造ステップ)において、
シリコン等の材料を用いてウエハを製造する。
【0301】次に、ステップ204(ウエハ処理ステッ
プ)において、ステップ201〜ステップ203で用意
したマスクとウエハを使用して、後述するように、リソ
グラフィ技術等によってウエハ上に実際の回路等を形成
する。次いで、ステップ205(デバイス組立ステッ
プ)において、ステップ204で処理されたウエハを用
いてデバイス組立を行う。このステップ205には、ダ
イシング工程、ボンディング工程、及びパッケージング
工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。
【0302】最後に、ステップ206(検査ステップ)
において、ステップ205で作製されたデバイスの動作
確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工
程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
【0303】図16には、半導体デバイスの場合におけ
る、上記ステップ204の詳細なフロー例が示されてい
る。図16において、ステップ211(酸化ステップ)
においてはウエハの表面を酸化させる。ステップ212
(CVDステップ)においてはウエハ表面に絶縁膜を形
成する。ステップ213(電極形成ステップ)において
はウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ2
14(イオン打込みステップ)においてはウエハにイオ
ンを打ち込む。以上のステップ211〜ステップ214
それぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成し
ており、各段階において必要な処理に応じて選択されて
実行される。
【0304】ウエハプロセスの各段階において、上述の
前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程
が実行される。この後処理工程では、まず、ステップ2
15(レジスト形成ステップ)において、ウエハに感光
剤を塗布する。引き続き、ステップ216(露光ステッ
プ)において、上で説明した露光装置及び露光方法によ
ってマスクの回路パターンをウエハに転写する。次に、
ステップ217(現像ステップ)においては露光された
ウエハを現像し、ステップ218(エッチングステッ
プ)において、レジストが残存している部分以外の部分
の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステ
ップ219(レジスト除去ステップ)において、エッチ
ングが済んで不要となったレジストを取り除く。
【0305】これらの前処理工程と後処理工程とを繰り
返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターン
が形成される。
【0306】以上説明した本実施形態のデバイス製造方
法を用いれば、露光工程(ステップ216)において上
述した露光装置10、200等が用いられるので、スル
ープットの向上によるコストの低減が可能になり、特に
二重露光を行う場合には、解像力の向上とDOFの向上
により従来は製造が難しかった高集積度のデバイスを低
コストに製造することが可能になる。
【0307】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る露光
装置によれば、スループットの向上を図ることができる
という効果がある。また、一定の専有床面積当たりの生
産性を向上させることができるという効果もある。
【0308】特に、請求項11及び12に記載の各発明
に係る露光装置によれば、スループットの向上を図るこ
とができるとともに、微細パターンの高精度な露光を実
現することができるという従来にない優れた効果があ
る。
【0309】また、本発明に係る露光方法によれば、ス
ループットの向上を図ることができるという効果があ
る。
【0310】特に、請求項15、56及び66に記載の
各発明に係る露光方法によれば、スループットの向上を
図ることができるとともに、微細パターンの高精度な露
光を実現することができるという効果がある。
【0311】さらに、本発明に係るデバイス製造方法に
よれば、マイクロデバイスを高スループット、かつ低コ
ストに製造することができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る露光装置の構成を概略的
に示す図である。
【図2】図1の露光装置を構成する投影光学系を取り除
いた露光装置本体の平面図である。
【図3】図1の投影光学系の具体的な構成例を示す図で
ある。
【図4】図1の装置の第1ウエハステージ近傍を拡大し
て示す図である。
【図5】図1の装置の制御系の概略構成を示す図であ
る。
【図6】図1の装置における走査露光の原理説明図であ
る。
【図7】4つのウエハステージWS1〜WS4による並
行処理について説明するための図であって、走査露光と
ウエハ交換とが同時に行われれている状態を示す図であ
る。
【図8】4つのウエハステージWS1〜WS4による並
行処理について説明するための図であって、走査露光と
アライメントとが同時に行われれている状態を示す図で
ある。
【図9】4つのウエハステージWS1〜WS4による並
行処理について説明するための図であって、ウエハ交換
とアライメントとが同時に行われれている状態を示す図
である。
【図10】通常露光が行われる場合のウエハステージW
S1とWS3との並行処理の流れを示す図である。
【図11】二重露光が行われる場合のウエハステージW
S1とWS3との並行処理の流れを示す図である。
【図12】ウエハW3上の二重露光の様子を示す図であ
る((A)、(B))。
【図13】第2の実施形態に係る露光装置の構成を概略
的に示す図である。
【図14】変形例を示す図であって、三角形状のウエハ
ステージWST及びその位置計測システムの一例を示す
平面図である。
【図15】本発明に係るデバイス製造方法の実施形態を
説明するためのフローチャートである。
【図16】図15のステップ204における処理を示す
フローチャートである。
【符号の説明】
10…露光装置、12A、12B…レーザ光源(照明系
の一部)、20…レチクル交換機構(マスク交換機
構)、22…磁気浮上型2次元リニアアクチュエータ
(駆動装置の一部、第1リニアアクチュエータ)、28
A…アライメント系(第1マーク検出系)、28B…ア
ライメント系(第2マーク検出系)、40…主制御装置
(駆動装置の一部)、R1…第1レチクル(第1マス
ク)、R2…第2レチクル(第2マスク)、RS1…第
1レチクルステージ(第1マスクステージ)、RS2…
第2レチクルステージ(第2マスクステージ)、BMU
1、BMU2…ビームマッチングユニット(照明系の一
部)、IOP1、IOP2…照明光学系(照明系の一
部)、PL1…第1投影光学系、PL2…第2投影光学
系、WS1…第1ウエハステージ(第1基板ステー
ジ)、WS2…第2ウエハステージ(第2基板ステー
ジ)、WS3…第3ウエハステージ(第3基板ステー
ジ)、WS4…第4ウエハステージ(第4基板ステー
ジ)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 21/30 525X (72)発明者 市原 裕 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン内 (72)発明者 水谷 英夫 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン内

Claims (69)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスクに形成されたパターンを基板上に
    転写する露光装置であって、 マスクをそれぞれ保持して第1方向に移動可能な第1、
    第2マスクステージと;前記各マスクに照明光を照射す
    る照明系と;前記各マスクから出射される照明光を基板
    上に投射する第1、第2投影光学系と;前記第1、第2
    投影光学系に対し前記第1、第2マスクステージと同じ
    側に配置され、前記基板をそれぞれ保持して移動可能な
    第1、第2基板ステージと;前記第1マスクステージと
    前記第1基板ステージとを前記第1投影光学系の投影倍
    率に応じた速度比で前記第1方向に同期移動させるとと
    もに、前記第2マスクステージと前記第2基板ステージ
    とを前記第2投影光学系の投影倍率に応じた速度比で前
    記第1方向に同期移動させる駆動装置とを備える露光装
    置。
  2. 【請求項2】 前記同期移動時の前記第1マスクステー
    ジと第2マスクステージの移動方向は、前記第1方向に
    おいて互いに逆向きであり、前記同期移動時の前記第1
    基板ステージと第2基板ステージの移動方向は前記第1
    方向において互いに逆向きであることを特徴とする請求
    項1に記載の露光装置。
  3. 【請求項3】 前記各マスクステージと前記各基板ステ
    ージとは、同一面上を移動することを特徴とする請求項
    1に記載の露光装置。
  4. 【請求項4】 前記第1、第2基板ステージと同一面上
    を移動する第3基板ステージと;前記基板に形成された
    位置合わせマークを検出する第1マーク検出系とを更に
    備える請求項1〜3のいずれか一項に記載の露光装置。
  5. 【請求項5】 前記駆動装置は、前記第1基板ステージ
    又は前記第2基板ステージに代えて、前記第3基板ステ
    ージを前記第1マスクステージ又は前記第2マスクステ
    ージと同期移動させることを特徴とする請求項4に記載
    の露光装置。
  6. 【請求項6】 前記基板を保持して前記第1、第2、第
    3基板ステージと同一面上を移動する第4基板ステージ
    と;前記基板に形成された位置合わせマークを検出する
    第2マーク検出系とを更に備える請求項4に記載の露光
    装置。
  7. 【請求項7】 前記駆動装置は、前記第1基板ステー
    ジ、第2基板ステージに代えて、前記第3基板ステー
    ジ、第4基板ステージを前記第1マスクステージ、前記
    第2マスクステージとそれぞれ同期移動させることを特
    徴とする請求項6に記載の露光装置。
  8. 【請求項8】 前記各マスクステージがほぼ同一質量を
    有するとともに、前記各基板ステージがほぼ同一質量を
    有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に
    記載の露光装置。
  9. 【請求項9】 前記各投影光学系が同一の投影倍率を有
    し、前記各マスクステージの質量が前記各基板ステージ
    の質量の前記投影倍率倍であることを特徴とする請求項
    2、5、7及び8のいずれか一項に記載の露光装置。
  10. 【請求項10】 前記駆動装置は、前記第1、第2マス
    クステージと前記第1、第2基板ステージとを同一直線
    上で駆動することを特徴とする請求項8に記載の露光装
    置。
  11. 【請求項11】 前記第1マスクステージ上のマスクと
    前記第2マスクステージ上のマスクとを交換するマスク
    交換機構を更に備えることを特徴とする請求項1〜10
    のいずれか一項に記載の露光装置。
  12. 【請求項12】 前記各投影光学系は、反射屈折光学系
    であり、前記照明光の波長は200nm以下であること
    を特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の露
    光装置。
  13. 【請求項13】 マスクに形成されたパターンを基板上
    に転写する露光方法であって、 第1マスクと第1基板とを第1投影光学系の投影倍率に
    応じた速度比で第1方向に同期移動させつつ、照明光に
    より前記第1マスクを照射して該第1マスクに形成され
    たパターンを前記第1投影光学系を介して前記第1基板
    上の第1区画領域に転写する第1工程と;前記第1工程
    と同時に、第2マスクと第2基板とを第2投影光学系の
    投影倍率に応じた速度比で前記第1方向に同期移動させ
    つつ、照明光により前記第2マスクを照射し、該第2マ
    スクに形成されたパターンを前記第2投影光学系を介し
    て前記第2基板上の第2区画領域に転写する第2工程と
    を含む露光方法。
  14. 【請求項14】 前記第1、第2工程と同時に、前記第
    1、第2基板と異なる第3基板、第4基板にそれぞれ形
    成された位置合わせマークの検出を行う第3工程を更に
    含むことを特徴とする請求項13に記載の露光方法。
  15. 【請求項15】 前記第1、第2工程の処理の終了後
    に、前記第2マスクと前記第1基板とを第1投影光学系
    の投影倍率に応じた速度比で第1方向に同期移動させつ
    つ、照明光により前記第2マスクを照射して該第2マス
    クに形成されたパターンを前記第1投影光学系を介して
    前記第1基板上の前記第1区画領域に重ねて転写する第
    3工程と;前記第3工程と同時に、前記第1マスクと前
    記第2基板とを第2投影光学系の投影倍率に応じた速度
    比で前記第1方向に同期移動させつつ、照明光により前
    記第1マスクを照射し、該第1マスクに形成されたパタ
    ーンを前記第2投影光学系を介して前記第2基板上の前
    記第2区画領域に重ねて転写する第4工程とを更に含む
    ことを特徴とする請求項13に記載の露光方法。
  16. 【請求項16】 マイクロデバイスを製造するフォトリ
    ソグラフィ工程で使用される露光装置であって、 第1マスクを保持する第1マスクステージと;少なくと
    も2つの反射光学素子を有する第1投影光学系と;前記
    第1投影光学系に対して前記第1マスクステージ側で第
    1基板を保持する第1基板ステージと;第2マスクを保
    持する第2マスクステージと;少なくとも2つの反射光
    学素子を有する第2投影光学系と;前記第2投影光学系
    に対して前記第2マスクステージ側で第2基板を保持す
    る第2基板ステージと;前記第1及び第2基板をそれぞ
    れ走査露光するとき、前記第1及び第2基板ステージを
    所定方向に沿って互いに逆向きに駆動する駆動装置とを
    備える露光装置。
  17. 【請求項17】 デバイスパターンを基板上に転写する
    露光方法であって、 第1投影光学系に対して第1マスク側に第1基板を配置
    し、前記第1マスクと前記第1基板とを同期移動して前
    記第1マスクのパターンを前記第1基板上に転写する第
    1工程と;第2投影光学系に対して第2マスク側に第2
    基板を配置し、前記第2マスクと前記第2基板とを同期
    移動して前記第2マスクのパターンを前記第2基板上に
    転写する第2工程とを含み、 前記第1及び第2工程はほぼ同時に実行され、かつ前記
    第1及び第2基板は所定方向に沿って互いに逆向きに移
    動されることを特徴とする露光方法。
  18. 【請求項18】 前記第1マスクは前記所定方向に沿っ
    て前記第1基板とは逆向きに移動され、前記第2マスク
    は前記所定方向に沿って前記第2基板とは逆向きに移動
    されることを特徴とする請求項17に記載の露光方法。
  19. 【請求項19】 前記第1及び第2マスクと前記第1及
    び第2基板は同一直線上で移動されることを特徴とする
    請求項18に記載の露光方法。
  20. 【請求項20】 前記第1マスクと前記第1基板との同
    期移動によって生じる反力と、前記第2マスクと前記第
    2基板との同期移動によって生じる反力とが互いに打ち
    消し合うことを特徴とする請求項17〜19のいずれか
    一項に記載の露光方法。
  21. 【請求項21】 前記第1及び第2工程の後、前記第1
    基板と前記第2基板とはそれぞれ前記所定方向と直交す
    る方向に沿って互いに逆向きに移動されることを特徴と
    する請求項17〜20のいずれか一項に記載の露光方
    法。
  22. 【請求項22】 請求項1〜12及び16のいずれか一
    項に記載の露光装置を用いたリソグラフィ工程を含むこ
    とを特徴とするデバイス製造方法。
  23. 【請求項23】 請求項13〜15及び17〜21のい
    ずれか一項に記載の露光方法を用いたことを特徴とする
    デバイス製造方法。
  24. 【請求項24】 パターンを有する第1物体に照射され
    るエネルギー線で第2物体を露光する装置であって、 第1定盤と;前記エネルギー線に対して前記第1物体を
    相対移動するために、前記第1定盤上に配置される、前
    記第1物体を保持可能な複数の第1可動体と;前記第2
    物体の走査露光時に、前記第1物体の移動に同期して前
    記エネルギー線に対して前記第2物体を相対移動するた
    めに、前記第1定盤上に配置される、前記第2物体を保
    持可能な複数の第2可動体と;前記各第1可動体に保持
    される第1物体に前記エネルギー線をそれぞれ照射する
    ために、前記第1定盤に関して前記第1物体と反対側に
    少なくとも1つの光学素子が配置される照明系とを備え
    る露光装置。
  25. 【請求項25】 前記複数の第1及び第2可動体の少な
    くとも1つの移動に応じて前記第1定盤が移動するよう
    に、前記第1定盤を支持する第2定盤を更に備えること
    を特徴とする請求項24に記載の露光装置。
  26. 【請求項26】 前記第2定盤には、前記第1定盤を非
    接触で支持する浮上機構が設けられることを特徴とする
    請求項25に記載の露光装置。
  27. 【請求項27】 前記浮上機構は、前記第1定盤を2次
    元方向に駆動する第2リニアアクチュエータであること
    を特徴とする請求項26に記載の露光装置。
  28. 【請求項28】 前記第1定盤は、前記複数の第1及び
    第2可動体をそれぞれ非接触で支持し、所定方向に駆動
    する第1リニアアクチュエータが設けられることを特徴
    とする請求項24〜27のいずれか一項に記載の露光装
    置。
  29. 【請求項29】 前記第1リニアアクチュエータは、前
    記複数の第1及び第2可動体をそれぞれ6自由度で駆動
    することを特徴とする請求項28に記載の露光装置。
  30. 【請求項30】 前記第2物体の走査露光時、前記複数
    の第1可動体の2つを互いに逆向きに移動するために、
    前記第1定盤に設けられるアクチュエータを更に備える
    ことを特徴とする請求項24又は25に記載の露光装
    置。
  31. 【請求項31】 前記アクチュエータは、前記2つの第
    1可動体に対応する2つの第2可動体を互いに逆向きに
    移動することを特徴とする請求項30に記載の露光装
    置。
  32. 【請求項32】 前記アクチュエータは、前記2つの第
    1可動体の1つとこれに対応する第2可動体とを互いに
    逆向きに移動することを特徴とする請求項31に記載の
    露光装置。
  33. 【請求項33】 前記アクチュエータは、前記2つの第
    1可動体と前記2つの第2可動体とをほぼ同一直線上で
    移動することを特徴とする請求項31又は32に記載の
    露光装置。
  34. 【請求項34】 前記複数の第1可動体の位置情報をそ
    れぞれ検出する複数の第1干渉計を更に備えることを特
    徴とする請求項24又は25に記載の露光装置。
  35. 【請求項35】 前記複数の第1干渉計はそれぞれ前記
    走査露光時に前記第1物体が移動される第1軸方向とこ
    れと直交する第2軸方向とに関する位置情報の検出に用
    いられる複数の第1測長軸を有することを特徴とする請
    求項34に記載の露光装置。
  36. 【請求項36】 前記複数の第1測長軸は、前記第1及
    び第2軸と直交する第3軸に関する、前記第1可動体の
    回転に関する情報の検出に用いられる測長軸を含むこと
    を特徴とする請求項35に記載の露光装置。
  37. 【請求項37】 前記複数の第1測長軸は、前記第1及
    び第2軸の少なくとも1つに関する、前記第1可動体の
    回転に関する情報の検出に用いられる少なくとも1つの
    測長軸を含むことを特徴とする請求項36に記載の露光
    装置。
  38. 【請求項38】 前記複数の第2可動体の位置情報をそ
    れぞれ検出する複数の第2干渉計を更に備えることを特
    徴とする請求項34に記載の露光装置。
  39. 【請求項39】 前記複数の第2干渉計はそれぞれ前記
    走査露光時に前記第2物体が移動される第1軸方向とこ
    れと直交する第2軸方向とに関する位置情報の検出に用
    いられる複数の第2測長軸を有することを特徴とする請
    求項38に記載の露光装置。
  40. 【請求項40】 前記複数の第2測長軸は、前記第1及
    び第2軸と直交する第3軸に関する、前記第2可動体の
    回転に関する情報の検出に用いられる測長軸を含むこと
    を特徴とする請求項39に記載の露光装置。
  41. 【請求項41】 前記複数の第2測長軸は、前記第1及
    び第2軸の少なくとも1つに関する、前記第2可動体の
    回転に関する情報の検出に用いられる少なくとも1つの
    測長軸を含むことを特徴とする請求項40に記載の露光
    装置。
  42. 【請求項42】 前記複数の第2可動体はその数が前記
    複数の第1可動体よりも少なくとも1つ多いことを特徴
    とする請求項24〜27のいずれか一項に記載の露光装
    置。
  43. 【請求項43】 前記複数の第1可動体とこれに対応す
    る複数の第2可動体とをそれぞれ同期移動し、かつ前記
    同期移動とは無関係に前記少なくとも1つの第2可動体
    を移動するために、前記第1定盤に設けられる第1リニ
    アアクチュエータを更に備えることを特徴とする請求項
    42に記載の露光装置。
  44. 【請求項44】 前記同期移動される複数の第2可動体
    の位置情報をそれぞれ検出するために、少なくとも前記
    エネルギー線の照射領域内で交差する2つの第2測長軸
    を有する複数の第2干渉計と、前記少なくとも1つの第
    2可動体の位置情報を検出するために、少なくとも前記
    照射領域外で交差する2つの第3測長軸を有する第3干
    渉計とを更に備えることを特徴とする請求項43に記載
    の露光装置。
  45. 【請求項45】 前記複数の第2干渉計の1つと前記第
    3干渉計とは、前記複数の第2可動体の1つがその1つ
    の第2干渉計の少なくとも1つの第2測長軸と、前記第
    3干渉計の少なくとも1つの第3測長軸とで同一位置で
    又は同時に検出可能に配置されることを特徴とする請求
    項44に記載の露光装置。
  46. 【請求項46】 前記少なくとも1つの第2可動体に保
    持される第2物体上のマークを検出するために、前記2
    つの第3測長軸の交点にほぼ検出中心を有するマーク検
    出系を更に備えることを特徴とする請求項44又は45
    に記載の露光装置。
  47. 【請求項47】 前記第1リニアアクチュエータは、前
    記複数の第1可動体の1つと同期移動される1つの第2
    可動体と、前記同期移動と無関係に移動される第2可動
    体とを、その1つの第2可動体に保持される第2物体の
    走査露光の終了後に交換することを特徴とする請求項4
    3に記載の露光装置。
  48. 【請求項48】 マスクに照射されるエネルギー線で基
    板を露光する方法において、 前記エネルギー線で第1及び第2基板をそれぞれ走査露
    光するために、第1マスクと前記第1基板とを同期移動
    するとともに、第2マスクと前記第2基板とを同期移動
    し、かつ前記第1及び第2マスク、又は前記第1及び第
    2基板を同一面上で逆向きに移動することを特徴とする
    露光方法。
  49. 【請求項49】 前記第1マスクと前記第1基板との同
    期移動と、前記第2マスクと前記第2基板との同期移動
    とはほぼ同時に行われることを特徴とする請求項48に
    記載の露光方法。
  50. 【請求項50】 前記第1及び第2マスクと前記第1及
    び第2基板とは同一面上に配置されることを特徴とする
    請求項48又は49に記載の露光方法。
  51. 【請求項51】 前記第1及び第2マスク、及び前記第
    1及び第2基板はそれぞれ逆向きに移動されることを特
    徴とする請求項48〜50のいずれか一項に記載の露光
    方法。
  52. 【請求項52】 前記第1マスクと前記第1基板とは逆
    向きに移動されることを特徴とする請求項51に記載の
    露光方法。
  53. 【請求項53】 前記第1及び第2マスクと前記第1及
    び第2基板とはほぼ同一直線上で移動されることを特徴
    とする請求項52に記載の露光方法。
  54. 【請求項54】 前記第1基板は、前記第1マスクを用
    いる第1走査露光に続けて前記第2マスクを用いる第2
    走査露光が行われることを特徴とする請求項48〜50
    のいずれか一項に記載の露光方法。
  55. 【請求項55】 前記第2走査露光前に前記第1マスク
    が前記第2マスクと交換されることを特徴とする請求項
    54に記載の露光方法。
  56. 【請求項56】 前記第1基板は、前記第1及び第2走
    査露光によって多重露光されることを特微とする請求項
    54又は55に記載の露光方法。
  57. 【請求項57】 前記第1基板は、前記第1及び第2走
    査露光によって、前記第1マスクの第1パターンと前記
    第2マスクの第2パターンとが異なる領域に転写される
    ことを特徴とする請求項54又は55に記載の露光方
    法。
  58. 【請求項58】 前記第1基板の走査露光動作と並行し
    て第3基板上のマークを検出し、この検出結果を用いて
    前記第3基板の走査露光を行うことを特徴とする請求項
    48〜50のいずれか一項に記載の露光方法。
  59. 【請求項59】 前記第3基板の走査露光に先立って、
    前記第1マスク上のマークが、前記第3基板が保持され
    る可動体に設けられる基準マークと共に検出されること
    を特徴とする請求項58に記載の露光方法。
  60. 【請求項60】 前記第3基板上のマークの検出と、前
    記基準マークの検出とで互いに異なる干渉計を用いるこ
    とを特徴とする請求項59に記載の露光方法。
  61. 【請求項61】 前記第3基板上のマークの検出に用い
    られる干渉計の測長軸と、前記基準マークの検出に用い
    られる干渉計の測長軸とによって前記可動体が同一位置
    で又は同時に検出可能なとき、その2つの干渉計の各計
    測値を対応付けることを特徴とする請求項60に記載の
    露光方法。
  62. 【請求項62】 前記第1基板の走査露光条件と前記第
    2基板の走査露光条件とを異ならせることを特徴とする
    請求項48〜50のいずれか一項に記載の露光方法。
  63. 【請求項63】 前記走査露光条件は、前記エネルギー
    線を射出する照明光学系の瞳面上での前記エネルギー線
    の強度分布と、前記エネルギー線が通過する投影光学系
    の開口数とを含むことを特徴とする請求項62に記載の
    露光方法。
  64. 【請求項64】 前記第1及び第2マスクは透過型マス
    クであり、前記第1及び第2マスクが配置されるべース
    に関してその反対側から前記第1及び第2マスクにそれ
    ぞれ前記エネルギー線を照射することを特徴とする請求
    項48〜50のいずれか一項に記載の露光方法。
  65. 【請求項65】 前記エネルギー線は、波長が200n
    m程度以下の真空紫外光であることを特徴とする請求項
    64に記載の露光方法。
  66. 【請求項66】 前記第1及び第2マスクは反射型マス
    クであり、前記第1及び第2マスクが配置されるべース
    に関して同一側から前記第1及び第2マスクにそれぞれ
    前記エネルギー線を照射することを特徴とする請求項4
    8〜50のいずれか一項に記載の露光方法。
  67. 【請求項67】 前記エネルギー線は波長が5〜15n
    mの範囲内であるEUV光であり、前記第1及び第2マ
    スクと直交する方向に対してその主光線が傾けられるこ
    とを特徴とする請求項66に記載の露光方法。
  68. 【請求項68】 前記第1及び第2マスクにそれぞれ照
    射されるエネルギー線は、相互に波長が異なることを特
    徴とする請求項48〜67のいずれか一項に記載の露光
    方法。
  69. 【請求項69】 マスクに形成されたパターンにエネル
    ギー線を照射して前記パターンで被露光物体を露光する
    露光装置であって、 前記マスクを各々保持して移動可能な複数のマスクステ
    ージと;前記被露光物体を各々保持して移動可能な複数
    の物体ステージと;前記複数のマスクステージ及び前記
    複数の物体ステージを移動可能に支持する共通のベース
    盤と;前記各マスクを透過したエネルギー線を、対応す
    る被露光物体上に投影する複数の投影系と;を備え、 前記各投影系に対して前記各マスクステージとそれに対
    応する前記物体ステージとを同期移動することによっ
    て、前記各マスクのパターンで被露光物体を露光するこ
    とを特徴とする露光装置。
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