JP2006121119A - 投影露光方法及び投影露光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】マスクステージの自重変形等に起因してその反射面に湾曲が生じた場合であっても、これに影響されることなく、マスクステージの走査時の位置制御を高精度に行う。
【解決手段】走査型の投影露光装置は、搭載された複数のマスクRをその面内で駆動可能で且つ、走査方向と直交する非走査方向の側部に反射面36が形成されたマスクステージRSTと、予め計測された前記反射面の表面湾曲データが各マスクに対応して独立に記憶されたメモリ91と、メモリ91に記憶された前記反射面の表面湾曲データに基づいてマスクステージの位置を制御する主制御装置90とを備えている。このため、仮にマスクステージの自重変形等に起因してその反射面に湾曲が生じた場合であっても、これに影響されることなく、マスクステージの走査時の位置制御を高精度に行うことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、投影露光方法及び投影露光装置に係り、更に詳しくはマスクに形成されたパターンの像を投影光学系を介して感応基板上に投影露光する投影露光方法及び投影露光装置に関するものであり、特に、複数のマスクのパターン像を感応基板上の所定領域に重ね合わせ露光する点に特徴を有している。
従来より、半導体素子又は液晶表示素子等をフォトリソグラフィ工程で製造する場合に、種々の露光装置が使用されているが、現在では、フォトマスク又はレチクル(以下、「レチクル」と総称する)のパターン像を、投影光学系を介して表面にフォトレジスト等の感光材が塗布されたウエハ又はガラスプレート等の基板(以下、適宜「感応基板」と称する)上に転写する投影露光装置が一般的に使用されている。近年では、この投影露光装置として、感応基板を2次元的に移動自在な基板ステージ上に載置し、この基板ステージにより感応基板を歩進(ステッピング)させて、レチクルのパターン像を感応基板上の各ショット領域に順次露光する動作を繰り返す、所謂ステップ・アンド・リピート方式の縮小投影露光装置(いわゆるステッパー)が主流となっている。
最近になって、このステッパー等の静止型露光装置に改良を加えた、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置(例えば特許文献1に記載された様な走査型露光装置)も比較的多く用いられるようになってきた。このステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置は、(a)ステッパーに比べると大フィールドをより小さな光学系で露光できるため、投影光学系の製造が容易であるとともに、大フィールド露光によるショット数の減少により高スループットが期待出来る、(b)投影光学系に対してレチクル及びウエハを相対走査することで平均化効果があり、ディストーションの低減や焦点深度の向上が期待出来る等のメリットがある。さらに、半導体素子の集積度が16M(メガ)から64MのDRAM、更に将来的には256M、1G(ギガ)というように時代とともに高くなるのに伴い、大フィールドが必須になるため、ステッパーに代わってスキャン型投影露光装置が主流になるであろうと言われている。
また、これらの投影露光装置を用いて感応基板を露光する場合、例えば、特許文献2等に記載されているように、いわゆる変形照明法(SHRINC:Super High Resolution by Illumination Control)を用いて、形成すべきパターンの解像度と焦点深度の向上を図ることが行われていた。
この種の投影露光装置は、主として半導体素子等の量産機として使用されるものであることから、一定時間内にどれだけの枚数のウエハを露光処理できるかという処理能力、すなわちスループットを向上させることが必然的に要請される。
これに関し、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置の場合、大フィールドを露光する場合には先に述べたように、ウエハ内に露光するショット数が少なくなるのでスループットの向上が見込まれるが、露光はレチクルとウエハとの同期走査による等速移動中に行われることから、その等速移動領域の前後に加減速領域が必要となり、仮にステッパーのショットサイズと同等の大きさのショットを露光する場合には、却ってステッパーよりスループットが落ちる可能性がある。
この種の投影露光装置における処理の流れは、大要次のようになっている。
a. まず、ウエハローダを使ってウエハをウエハテーブル上にロードするウエハロード工程が行われる。
b. 次に、サーチアライメント機構によりウエハの大まかな位置検出を行うサーチアライメント工程が行われる。このサーチアライメント工程は、具体的には、例えば、ウエハの外形を基準としたり、あるいは、ウエハ上のサーチアライメントマークを検出することにより行われる。
c. 次に、ウエハ上の各ショット領域の位置を正確に求めるファインアライメント工程が行われる。このファインアライメント工程は、一般にEGA(エンハンスト・グローバル・アライメント)方式が用いられ、この方式は、ウエハ内の複数のサンプルショットを選択しておき、当該サンプルショットに付設されたアライメントマーク(ウエハマーク)の位置を順次計測し、この計測結果とショット配列の設計値とに基づいて、いわゆる最小自乗法等による統計演算を行って、ウエハ上の全ショット配列データを求めるものであり(特許文献3等参照)、高スループットで各ショット領域の座標位置を比較的高精度に求めることができる。
d. 次に、上述したEGA方式等により求めた各ショット領域の座標位置と予め計測したベースライン量とに基づいて露光位置にウエハ上の各ショット領域を順次位置決めしつつ、投影光学系を介してレチクルのパターン像をウエハ上に転写する露光工程が行われる。
e. 次に、露光処理されたウエハテーブル上のウエハをウエハアンローダを使ってウエハアンロードさせるウエハアンロード工程が行われる。このウエハアンロード工程は、露光処理を行うウエハの上記a.のウエハロード工程と同時に行われる。すなわち、a.とe.とによってウエハ交換工程が構成される。
このように、従来の投影露光装置では、ウエハ交換→サーチアライメント→ファインアライメント→露光→ウエハ交換……のように、大きく4つの動作が1つのウエハステージを用いて繰り返し行われている。
また、この種の投影露光装置のスループットTHOR[枚/時間]は、上述したウエハ交換時間をT1、サーチアライメント時間をT2、ファインアライメント時間をT3、露光時間をT4とした場合に、次式(1)のように表すことができる。
THOR=3600/(T1+T2+T3+T4) ………(1)
上記T1〜T4の動作は、T1→T2→T3→T4→T1……のように順次(シーケンシャルに)繰り返し実行される。このため、T1〜T4までの個々の要素を高速化すれば分母が小さくなって、スループットTHORを向上させることができる。しかし、上述したT1(ウエハ交換時間)とT2(サーチアライメント時間)は、ウエハ1枚に対して一動作が行われるだけであるから改善の効果は比較的小さい。また、T3(ファインアライメント時間)の場合は、上述したEGA方式を用いる際にショットのサンプリング数を少なくしたり、ショット単体の計測時間を短縮すればスループットを向上させることができるが、逆にアライメント精度を劣化させることになるため、安易にT3を短縮することはできない。
また、T4(露光時間)は、ウエハ露光時間とショット間のステッピング時間とを含んでいる。例えば、ステップ・アンド・スキャン方式のような走査型投影露光装置の場合は、ウエハ露光時間を短縮させる分だけレチクルとウエハの相対走査速度を上げる必要があるが、同期精度が劣化することから、安易に走査速度を上げることができない。
また、この種の投影露光装置で上記スループット面の他に、重要な条件としては、a)ア解像度、b)焦点深度(DOF:Depth of Forcus )、c)線幅制御精度が挙げられる。解像度Rは、露光波長をλとし、投影レンズの開口数をN.A.(Numerical Aperture )とすると、λ/N.A.に比例し、焦点深度DOFはλ/(N.A.)2に比例する。
このため、解像度Rを向上させる(Rの値を小さくする)には、露光波長λを小さくするか、あるいは開口数N.A.を大きくする必要がある。特に、最近では半導体素子等の高密度化が進んでおり、デバイスルールが0.2μmL/S(ライン・アンド・スペース)以下となってきていることから、これらのパターンを露光する為には照明光源としてKrFエキシマレーザを用いている。しかしながら、前述したように半導体素子の集積度は、将来的に更に上がることは必至であり、KrFより短波長な光源を備えた装置の開発が望まれる。このようなより短波長な光源を備えた次世代の装置の候補として、ArFエキシマレーザを光源とした装置、電子線露光装置等が代表的に挙げられるが、ArFエキシマレーザの場合は、酸素のある所では光が殆ど透過せず、高出力が出にくい上、レーザの寿命も短く、装置コストが高いという技術的な課題が山積しており、また、電子線露光装置の場合、光露光装置に比べてスループットが著しく低下するという不都合があることから、短波長化を主な観点とした次世代機の開発は思うようにいかないというのが現実である。
解像度Rを上げる他の手法としては、開口数N.A.を大きくすることも考えられるが、N.A.を大きくすると、投影光学系のDOFが小さくなるというデメリットがある。このDOFは、UDOF(User Depth of Forcus:ユーザ側で使用する部分:パターン段差やレジスト厚等)と、装置自身の総合焦点差とに大別することができる。これまでは、UDOFの比率が大きかったため、DOFを大きく取る方向が露光装置開発の主軸であり、このDOFを大きくとる技術として例えば変形照明等が実用化されている。
ところで、デバイスを製造するためには、L/S(ライン・アンド・スペース)、孤立L(ライン)、孤立S(スペース)、及びCH(コンタクトホール)等が組み合わさったパターンをウエハ上に形成する必要があるが、上記のL/S、孤立ライン等のパターン形状毎に最適露光を行うための露光パラメータが異なっている。このため、従来は、ED−TREE(レチクルが異なるCHは除く)という手法を用いて、解像線幅が目標値に対して所定の許容誤差内となり、かつ所定のDOFが得られるような共通の露光パラメータ(コヒーレンスファクタσ、N.A.、露光制御精度、レチクル描画精度等)を求めて、これを露光装置の仕様とすることが行われている。しかしながら、今後は以下のような技術的な流れがあると考えられている。
A.プロセス技術(ウェハ上平坦化)向上により、パターン低段差化、レジスト厚減少が進み、UDOFが1μm台→0.4μm以下になる可能性がある。
B.露光波長がg線(436nm)→i線(365nm)→KrF(248nm)と短波長化している。しかし、今後はArF(193nm)までの光源しか検討されてなく、その技術的ハードルも高い。その後はEB露光に移行する。
C.ステップ・アンド・リピートのような静止露光に代わりステップ・アンド・スキャンのような走査露光がステッパーの主流になる事が予想されている。この技術は、径の小さい投影光学系で大フィールド露光が可能であり(特にスキャン方向)、その分高N.A.化を実現し易い。
上記のような技術動向を背景にして、限界解像度を向上させる方法として、二重露光法が見直され、この二重露光法をKrF及び将来的にはArF露光装置に用い、0.1μmL/Sまで露光しようという試みが検討されている。一般に、二重露光法は以下の3つの方法に大別される。
(1)露光パラメータの異なるL/S、孤立線を別々のレチクルに形成し、各々最適露光条件により同一ウエハ上に二重に露光を行う。
(2)位相シフト法等を導入すると、孤立線よりL/Sの方が同一DOFにて限界解像度が高い。これを利用することにより、1枚目のレチクルで全てのパターンをL/Sで形成し、2枚目のレチクルにてL/Sを間引きすることで孤立線を形成する。
(3)一般に、L/Sより孤立線は、小さなN.A.にて高い解像度を得ることができる(但し、DOFは小さくなる)。そこで、全てのパターンを孤立線で形成し、1枚目と2枚目のレチクルによってそれぞれ形成した孤立線の組み合わせにより、L/Sを形成する。
上記の二重露光法は解像度向上、DOF向上の2つの効果がある。
しかし、二重露光法は、複数のレチクルを使って露光処理を複数回行う必要があるため、従来の装置に比べて露光時間(T4)が倍以上になり、スループットが大幅に劣化するという不都合があったことから、現実には、二重露光法はあまり真剣に検討されてなく、従来より露光波長の紫外化、変形照明、位相シフトレチクル等により、解像度、焦点深度(DOF)の向上が行われてきた。
しかしながら、次世代機の目標とする解像線幅である0.1μmは、上記の露光波長の紫外化、変形照明、位相シフトレチクル等の工夫では、実現が困難である。従って、先に述べた二重露光法をKrF、ArF露光装置に用いることにより0.1μmL/Sまでの露光を実現することが、256M、1GのDRAMの量産を目的とする次世代機の開発の有力な選択肢であることは疑いない。
二重露光法により更に解像力を向上させるための手段として、前述した変形照明を用いて二重露光を行うことが考えられるが、従来の変形照明法では、所定方向のL/Sや孤立Lに対しては解像度と焦点深度(DOF)の向上を図ることが可能であるが、前記所定方向に直交する方向のパターンの解像度と焦点深度が著しく低下するという不都合があり、かかる不都合は直交2軸方向から変形照明を同時に行うことにより殆ど解決できるが、各Lパターンについて見ると、そのパターンの両端部(2次元エッジが存在する部分)では像が著しく劣化する(例えば、エッジ部がだれてテーパ状となる)ため、輪帯型の照明方法を用いて露光する場合よりも却って精度向上が見込まれないという不都合があった。
また、二重露光法に独特の別の問題として、前述の如く複数のレチクルを使って露光処理を複数回行う必要からスループットが必然的に低下するという不都合があった。この場合、実露光時間の増加のみでなく、従来はレチクルステージに搭載されるレチクルが1枚であったため、二重露光法を実施する場合は、(A)レチクルローダ等を用いてレチクルライブラリに所蔵されたレチクルを1枚ずつ取り出してレチクルステージとの間でレチクル交換を行い、(B)レチクルを位置合わせ(アライメント)した後、(C)そのレチクルを介して露光処理が行われ、再び(A)に戻ってレチクル交換を行うという一連のシーケンスを順次繰り返す必要があったため、その分スループットが低下するという不都合もあった。従って、複数枚のレチクルを交換して使用する場合に、レチクルの交換時間を短縮して幾分でもスループットを向上させることが要請されている。
かかるレチクル交換時間を短縮する方法として、レチクルステージ上にレチクルを複数枚載せることも考えられるが、このようにした場合には、ステージが大型化して、特に走査型露光装置の場合にその位置制御性が劣化するという不都合も生じる。
更に、上記した二重露光法のように複数のレチクルをセットで使用する場合は、それら複数のレチクルの管理に関しても特別の工夫が要請される。
特開平7−176468号公報 特開平4−273245号公報 特開昭61−44429号公報
本発明は、上述の事情の下になされたもので、第1の観点からすると、照明光により照明された所定の照明領域(IA)に対してマスク(R)を走査方向に移動させるのに同期して前記照明領域(IA)に共役な露光領域に対して感応基板(W1又はW2)を前記走査方向に移動させることにより前記マスク(R)のパターンを感応基板(W1又はW2)に露光する走査型の投影露光装置であって、前記マスク(R)を複数搭載して、前記マスク(R3、R4、R5)をその面内で駆動可能で且つ、前記走査方向と直交する非走査方向の側部に反射面(262)が形成されたマスクステージ(RST)と;予め計測された前記反射面(262)の表面湾曲データが各マスク(R3、R4、R5)に対応して独立に記憶された記憶手段(91)と;前記記憶手段(91)に記憶された前記反射面(262)の表面湾曲データに基づいて前記マスクステージ(RST)位置を制御する制御手段(90)と;を備える第1の投影露光装置である。
これによれば、制御手段が、記憶手段に記憶された各マスクに対応したマスクステージの反射面の表面湾曲データに基づいて、マスクステージの位置を制御することから、仮にマスクステージの自重変形等に起因してその反射面に湾曲が生じた場合であっても、これに影響されることなく、マスクステージの走査時の位置制御を高精度に行うことができる。
本発明は、第2の観点からすると、複数のマスク(例えば、316、318)に形成されたパターンの像を投影光学系(PL)を介して感応基板(W1又はW2)上にそれぞれ投影露光する投影露光装置であって、第1のマスク(316)を搭載して2次元平面内を移動可能な第1のマスクステージ(312)と;第2のマスク(318)を搭載して前記第1のマスクステージ(312)と同一平面内を前記第1のマスクステージ(312)とは独立に移動可能な第2のマスクステージ(314)と;前記投影光学系(PL)とは別に設けられ、前記第1のマスク(316)及び前記第2のマスク(318)のマークを検出するマスクアライメント系(326L1、326R1、326L2、326R2)と;前記第1のマスクステージ(312)及び前記第2のマスクステージ(314)との間でマスク(例えば、316、318)の受け渡しを行う搬送システム(322、324)と;前記第1のマスクステージ(312)及び前記第2のマスクステージ(314)のいずれか一方のマスクステージ上のマスク(例えば、318)を用いて前記投影光学系(PL)を介した露光が行われる間に、他方のマスクステージ(例えば、312)上で前記搬送システム(322)によるマスク交換、あるいは前記マスクアライメント系(326L1、326R1)によるマーク検出のうち少なくとも一方が並行処理されるように、前記第1のマスクステージ(312)、前記第2のマスクステージ(314)及び前記搬送システム(322、324)をそれぞれ制御する制御部(90)と;を備える第2の投影露光装置である。
これによれば、第1のマスクが搭載された第1のマスクステージと第2のマスクが搭載された第2のマスクステージとは独立して移動可能であって、いずれか一方のマスクステージ上のマスクを用いて投影光学系を介した露光が行われている間に、他方のマスクステージ上ではマスクアライメント系によるマスクのマーク検出と搬送システムによるマスク交換の少なくとも一方が並行処理されるように制御部により第1のマスクステージ、第2のマスクステージ及び搬送システムの動作が制御されることから、一方のマスクステージ上のマスクの露光終了後に、他方のマスクステージ上でマスク交換、マスクマークの検出、他方のステージ上のマスクを用いての露光が順次シーケンシャルに行われる場合に比べて、スループットを向上させることが可能になる。
この場合、マスクアライメント系が投影光学系とは別に設けられていれば良いが、例えば、マスクアライメント系が、前記第1のマスクステージ(312)上の第1のマスク(316)のマークを検出する第1のマスクアライメント系(326L1、326R1)と、前記投影光学系(PL)と前記第1のマスクアライメント系(326L1、326R1)とを結ぶ第1軸方向で前記投影光学系(PL)を介して前記第1のマスクアライメント系(326L1、326R1)と反対側に設けられ、前記第2のマスクステージ(314)上の第2のマスク(318)のマークを検出する第2のマスクアライメント系(326L2、326R2)とを有する場合には、前記第1軸方向の一方側から前記第1のマスクステージ(312)の前記第1軸方向の位置を常に計測する第1測長軸(BI11Y)と、前記第1軸方向の他方側から前記第2のマスクステージ(314)の前記第1軸方向の位置を常に計測する第2測長軸(BI12Y)と、前記投影光学系(PL)の露光位置で前記第1軸と垂直に交差する第3測長軸(BI13X)と、前記第1のマスクアライメント系(326L1、326R1)の検出位置で前記第1軸と垂直に交差する第4測長軸(BI14X)と、前記第2のマスクアライメント系(326L2、326R2)の検出位置で前記第1軸と垂直に交差する第5測長軸(BI15X)とを有し、これらの測長軸により前記第1のマスクステージ(312)及び前記第2のマスクステージ(314)の2次元位置をそれぞれ計測する干渉計システム(BI11Y、BI12Y、BI13X、BI14X、BI15X)をさらに備え、前記制御部(90)は、前記第1のマスクステージ(312)を、前記干渉計システム(BI11Y、BI12Y、BI13X、BI14X、BI15X)の前記第4測長軸(BI14X)の計測値を用いて管理される位置から露光位置へ移動させた際に、前記第3測長軸(BI13X)の計測値を用いて前記マスクステージ(312)の位置計測が可能な状態で第3測長軸(BI13X)の干渉計をリセットし、前記第1のマスクステージ(312)を、前記第3測長軸(BI13X)の計測値を用いて管理される位置からアライメント位置へ移動させた際に、前記第4測長軸(BI14X)の計測値を用いて前記マスクステージ(312)の位置計測が可能な状態で第4測長軸(BI14X)の干渉計をリセットするとともに、前記第2のマスクステージ(314)を、前記干渉計システム(BI11Y、BI12Y、BI13X、BI14X、BI15X)の前記第5測長軸(BI15X)の計測値を用いて管理される位置から露光位置へ移動させた際に、前記第3測長軸(BI13X)の計測値を用いて前記マスクステージ(314)の位置計測が可能な状態で第3測長軸(BI13X)の干渉計をリセットし、前記第2のマスクステージ(314)を、前記第3測長軸(BI13X)の計測値を用いて管理される位置からアライメント位置へ移動させた際に、前記第5測長軸(BI15X)の計測値を用いて前記マスクステージ(314)の位置計測が可能な状態で第5測長軸(BI15X)の干渉計をリセットするようにすることが望ましい。
このようにした場合には、中央に位置する投影光学系で一方のマスクステージ上のマスクを使って露光を行っている間に(露光動作)、他方のマスクステージ上のマスクを一方のマスクアライメント系を使ってマーク検出を行い(アライメント動作)、露光動作とアライメント動作とを切り換える場合は、2つのマスクステージを第1軸方向に沿って他方のマスクアライメント系の方に移動させるだけで、投影光学系の下にあった一方のマスクステージを他方のマスクアライメント系位置に移動させ、一方のマスクアライメント系位置にあった他方のマスクステージを投影光学系の下まで移動させることを容易に行うことができる。それらの各マスクステージの位置は、干渉計を使って位置検出が行われるが、投影光学系とマスクアライメント系の各位置に向けて配置されている干渉計の測長軸をまたがってマスクステージが移動する場合であっても、干渉計をリセットすることにより、投影光学系とマスクアライメント系の各位置における位置計測が可能になる。このようにして複数のマスクを順次使用する場合は、2つのマスクアライメント系を交互に使用して露光動作とアライメント動作とを並行処理することが可能となる。また、この場合、干渉計リセット機能により、第3、第4、第5測長軸が切れることを前提としているので、マスクステージの小型軽量化が可能になり、具体的には、各マスクステージはマスクより幾分大きい程度で十分になる。
本発明は、第3の観点からすると、複数のマスク(例えば、R1、R2)に形成されたパターンの像を投影光学系(PL)を介して感応基板(W1又はW2)上にそれぞれ投影露光する投影露光装置であって、前記各マスク(R1、R2)を独立して収納可能な収納領域が複数設けられ、前記各収納領域にそれぞれマスク(R1、R2)を収納する収納容器と;前記収納容器を容器単位で収容するマスクライブラリ(例えば、220)と;を備える第3の投影露光装置である。
これによれば、例えば、二重露光のように複数のマスクをセットで使用する場合は、所定の枚数分のマスクを1つの収納容器にそれぞれ独立して収納可能であって、その収納容器をマスクライブラリに対して出し入れする動作を1動作で行うことができるとともに、複数のマスクを保管する際にマスクの組み合わせを間違えたりし難くなって、複数のマスクの管理を容易に行うことができる。
本発明は、第4の観点からすると、複数のマスク(例えば、R1、R2)に形成されたパターンの像を投影光学系(PL)を介して感応基板(W1又はW2)上にそれぞれ投影露光する投影露光装置であって、前記各マスク(R1、R2)をそれぞれ個別に収納する複数の個別収納容器(212、214)と;前記個別収納容器(212、214)を複数まとめて固定する固定具(216)と;前記固定具(216)で固定され一体化された複数の個別収納容器及び前記個別収納容器単体を収容可能なマスクライブラリ(220)と;を備える第4の投影露光装置である。
これによれば、複数のマスクをセットで使用するような場合、各マスクを個別収納容器にそれぞれ収納して、それらの各個別収納容器を固定具により複数まとめて固定することができるため、例えば、固定された状態の複数のマスクを持ち運んだり、そのままマスクライブラリに収容することができ、複数のマスクをセット単位で容易に管理可能となる。また、複数の個別収納容器を固定具で固定する前は、マスクが個別に収納された個別収納容器単体となるので、マスク上のゴミを計測する従来のゴミ計測機構がそのまま利用できるという利点がある。このように、複数のマスクを使って露光する場合であっても、マスクの管理を容易に行うことができる。
この場合、固定具は複数の個別収納容器を直接重ね合わせて固定するものでも良いが、例えば個別収納容器(例えば、232、234、236)を複数重ね合わせ方向に所定間隔を隔てた状態で連結する連結具(238a、238b)であっても良い。このように、複数の個別収納容器を所定間隔を隔てて重ね合わせ方向に連結させた場合、例えば、連結された各個別収納容器の間に入り込んで個別に支持する支持ガイドがマスクライブラリ側に設けられていると、個別収納容器が単体であっても、個別収納容器が連結されていても、同一のマスクライブラリに対して無理なく収容することが可能となり、従来のマスクを個別に収納するためのカセット用のマスクライブラリをそのまま使用することが可能である。
本発明は、第5の観点からすると、マスクに形成されたパターンの像を投影光学系を介して感応基板上に投影露光する投影露光装置であって、マスクを搭載して2次元平面内を移動可能な第1のマスクステージ(312)と;マスクを搭載して、第1のマスクステージ(312)とは独立に移動可能な第2のマスクステージ(316)と;投影光学系(PL)とは別に設けられ、マスクのマークを検出する検出系(326L1,326R1)と;マスクの交換を行うための搬送システム(322,324)と;第1のマスクステージ(312)及び第2のマスクステージ(316)の一方のマスクステージ(例えば312)上のマスクを用いて投影光学系(PL)を介した露光が行われる間に、他方のマスクステージ(316)側で搬送システム(322,324)によるマスク交換、あるいは検出系(326L1,326R1)によるマーク検出のうち少なくとも一方が並行処理されるように、第1のマスクステージ(312)、及び第2のマスクステージ(316)の移動を制御する制御部(90)と;を備える第5の投影露光装置である。
これによれば、一方のマスクステージ上のマスクを用いて投影光学系を介した露光が行われている間に、他方のマスクステージ上でマスクのマーク検出、あるいはマスク交換の少なくとも一方が並行処理されるように、第1のマスクステージ、及び第2のマスクステージの動作が制御されることから、スループットを向上させることができる。
本発明は、第6の観点からすると、複数のマスクに形成されたパターンの像を投影光学系を介して感応基板上にそれぞれ投影露光する投影露光方法であって、第1マスク(例えば316)を用いて第1基板ステージ(例えばWS1)に保持された感応基板を露光した後に、第2マスク(例えば318)を用いて第1基板ステージ(WS1)に保持された感応基板を露光し、第1基板ステージ(WS1)に保持された感応基板を露光している間に、第2基板ステージ(WS2)に保持された感応基板上のアライメントマークを検出し、第1基板ステージ(WS1)に保持された感応基板を第2マスク(318)を用いて露光した後であって、第2基板ステージ(WS2)に保持された感応基板上のアライメントマークを検出した後に、第2基板ステージ(WS2)に保持された感応基板を第2マスク(318)を用いて露光し、第2基板ステージ(WS2)に保持された感応基板を第2マスク(318)を用いて露光した後に、第2基板ステージ(WS2)に保持された感応基板を第1マスク(316)を用いて露光する投影露光方法である。
これによれば、一方の基板ステージで感応基板の露光を行っている間に、他方の基板ステージで感応基板上のアライメントマークの検出を行うようにしているばかりでなく、一方の基板ステージに保持された感応基板の露光処理終了後に、マスクを交換せずに、他方の基板ステージに保持された感応基板の露光処理を行うようにしているので、多重露光処理を行う場合にもスループットを向上させることができる。
《第1の実施形態》
以下、本発明の第1の実施形態を図1ないし図23に基づいて説明する。
図1には、第1の実施形態に係る投影露光装置10の概略構成が示されている。この投影露光装置10は、いわゆるステップ・アンド・スキャン方式の走査露光型の投影露光装置である。
この投影露光装置10は、ベース盤12上を感応基板としてのウエハW1、W2をそれぞれ保持して独立して2次元方向に移動するウエハステージWS1、WS2を備えたステージ装置、このステージ装置の上方に配置された投影光学系PL、投影光学系PLの上方でマスクとしてのレチクルRを主として所定の走査方向、ここではY軸方向(図1における紙面直交方向)に駆動するレチクル駆動機構、レチクルRを上方から照明する照明系及びこれら各部を制御する制御系等を備えている。
前記ステージ装置は、ベース盤12上に不図示の空気軸受けを介して浮上支持され、X軸方向(図1における紙面左右方向)及びY軸方向(図1における紙面直交方向)に独立して2次元移動可能な2つのウエハステージWS1、WS2と、これらのウエハステージWS1、WS2を駆動するステージ駆動系と、ウエハステージWS1、WS2の位置を計測する干渉計システムとを備えている。
これをさらに詳述すると、ウエハステージWS1、WS2の底面には不図示のエアパッド(例えば、真空予圧型空気軸受け)が複数ヶ所に設けられており、このエアパッドの空気噴き出し力と真空予圧力とのバランスにより例えば数ミクロンの間隔を保った状態で、ベース盤12上に浮上支持されている。
ベース盤12上には、図3の平面図に示されるように、X軸方向に延びる2本のX軸リニアガイド(例えば、いわゆるムービングコイル型のリニアモータの固定側マグネットのようなもの)122、124が平行に設けられており、これらのX軸リニアガイド122、124には、当該各X軸リニアガイドに沿って移動可能な各2つの移動部材114、118及び116、120がそれぞれ取り付けられている。これら4つの移動部材114、118、116、120の底面部には、X軸リニアガイド122又は124を上方及び側方から囲むように不図示の駆動コイルがそれぞれ取り付けられており、これらの駆動コイルとX軸リニアガイド122又は124とによって、各移動部材114、116、118、120をX軸方向に駆動するムービングコイル型のリニアモータが、それぞれ構成されている。但し、以下の説明では、便宜上、上記移動部材114、116、118、120をX軸リニアモータと呼ぶものとする。
この内2つのX軸リニアモータ114、116は、Y軸方向に延びるY軸リニアガイド(例えば、ムービングマグネット型のリニアモータの固定側コイルのようなもの)110の両端にそれぞれ設けられ、また、残り2つのX軸リニアモータ118、120は、Y軸方向に延びる同様のY軸リニアガイド112の両端に固定されている。従って、Y軸リニアガイド110は、X軸リニアモータ114、116によってX軸リニアガイド122、124に沿って駆動され、またY軸リニアガイド112は、X軸リニアモータ118、120によってX軸リニアガイド122、124に沿って駆動されるようになっている。
一方、ウエハステージWS1の底部には、一方のY軸リニアガイド110を上方及び側方から囲む不図示のマグネットが設けられており、このマグネットとY軸リニアガイド110とによってウエハステージWS1をY軸方向に駆動するムービングマグネット型のリニアモータが構成されている。また、ウエハステージWS2の底部には、他方のY軸リニアガイド112を上方及び側方から囲む不図示のマグネットが設けられており、このマグネットとY軸リニアガイド112とによってウエハステージWS2をY軸方向に駆動するムービングマグネット型のリニアモータが構成されている。
すなわち、本第1の実施形態では、上述したX軸リニアガイド122、124、X軸リニアモータ114、116、118、120、Y軸リニアガイド110、112及びウエハステージWS1、WS2底部の不図示のマグネット等によってウエハステージWS1、WS2を独立してXY2次元駆動するステージ駆動系が構成されている。このステージ駆動系は、図1のステージ制御装置38によって制御される。
なお、Y軸リニアガイド110の両端に設けられた一対のX軸リニアモータ114、116のトルクを若干可変する事で、ウエハステージWS1に微少ヨーイングを発生させたり、除去したりする事も可能である。同様に、Y軸リニアガイド112の両端に設けられた一対のX軸リニアモータ118、120のトルクを若干可変する事で、ウエハステージWS2に微少ヨーイングを発生させたり、除去したりする事も可能である。
前記ウエハステージWS1、WS2上には、不図示のウエハホルダを介してウエハW1、W2が真空吸着等により固定されている。ウエハホルダは、不図示のZ・θ駆動機構によって、XY平面に直交するZ軸方向及びθ方向(Z軸回りの回転方向)に微小駆動されるようになっている。また、ウエハステージWS1、WS2の上面には、種々の基準マークが形成された基準マーク板FM1、FM2がウエハW1、W2とそれぞれほぼ同じ高さになるように設置されている。これらの基準マーク板FM1、FM2は、例えば各ウエハステージの基準位置を検出する際に用いられる。
また、ウエハステージWS1のX軸方向一側の面(図1における左側面)20とY軸方向一側の面(図1における紙面奥側の面)21とは、鏡面仕上げがなされた反射面となっており、同様に、ウエハステージWS2のX軸方向他側の面(図1における右側面)22とY軸方向の一側の面23とは、鏡面仕上げがなされた反射面となっている。これらの反射面に、後述する干渉計システムを構成する各測長軸(BI1X、BI2X等)の干渉計ビームが投射され、その反射光を各干渉計で受光することにより、各反射面の基準位置(一般には投影光学系側面や、アライメント光学系の側面に固定ミラーを配置し、そこを基準面とする)からの変位を計測し、これにより、ウエハステージWS1、WS2の2次元位置がそれぞれ計測されるようになっている。なお、干渉計システムの測長軸の構成については、後に詳述する。
前記投影光学系PLとしては、ここでは、Z軸方向の共通の光軸を有する複数枚のレンズエレメントから成り、両側テレセントリックで所定の縮小倍率、例えば1/4、1/5、1/6を有する屈折光学系が使用されている。このため、ステップ・アンド・スキャン方式の走査露光時におけるウエハステージの走査方向の移動速度は、レチクルステージの移動速度のそれぞれ1/4、1/5、1/6となる。
この投影光学系PLのX軸方向の両側には、図1に示されるように、同じ機能を持ったオフアクシス(off-axis)方式のアライメント系24a、24bが、投影光学系PLの光軸中心(レチクルパターン像の投影中心と一致)よりそれぞれ同一距離だけ離れた位置に設置されている。これらのアライメント系24a、24bは、LSA(Laser Step Alignment)系、FIA( Filed Image Alignment)系、LIA(Laser Interferometric Alignment )系の3種類のアライメントセンサを有しており、基準マーク板上の基準マーク及びウエハ上のアライメントマークのX、Y2次元方向の位置計測を行うことが可能である。
ここで、LSA系は、レーザ光をマークに照射して、回折・散乱された光を利用してマーク位置を計測する最も汎用性のあるセンサであり、従来から幅広いプロセスウエハに使用される。FIA系は、ハロゲンランプ等のブロードバンド(広帯域)光でマークを照明し、このマーク画像を画像処理することによってマーク位置を計測するセンサであり、アルミ層やウエハ表面の非対称マークに有効に使用される。また、LIA系は、回折格子状のマークに周波数をわずかに変えたレーザ光を2方向から照射し、発生した2つの回折光を干渉させて、その位相からマークの位置情報を検出するセンサであり、低段差や表面荒れウエハに有効に使用される。
本第1の実施形態では、これら3種類のアライメントセンサを、適宜目的に応じて使い分け、ウエハ上の3点の一次元マークの位置を検出してウエハの概略位置計測を行ういわゆるサーチアライメントや、ウエハ上の各ショット領域の正確な位置計測を行うファインアライメント等を行うようになっている。
この場合、アライメント系24aは、ウエハステージWS1上に保持されたウエハW1上のアライメントマーク及び基準マーク板FM1上に形成された基準マークの位置計測等に用いられる。また、アライメント系24bは、ウエハステージWS2上に保持されたウエハW2上のアライメントマーク及び基準マーク板FM2上に形成された基準マークの位置計測等に用いられる。
これらのアライメント系24a、24bを構成する各アライメントセンサからの情報は、アライメント制御装置80によりA/D変換され、デジタル化された波形信号を演算処理してマーク位置が検出される。この結果が主制御装置90に送られ、主制御装置90からその結果に応じてステージ制御装置38に対し露光時の同期位置補正等が指示されるようになっている。
さらに、本第1の実施形態の露光装置10では、図1では図示を省略したが、レチクルRの上方に、図5に示されるような、投影光学系PLを介してレチクルR上のレチクルマーク(図示省略)と基準マーク板FM1、FM2上のマークとを同時に観察するための露光波長を用いたTTR(Through The Reticle )アライメント光学系から成る一対のレチクルアライメント顕微鏡142、144が設けられている。これらのレチクルアライメント顕微鏡142、144の検出信号は、主制御装置90に供給されるようになっている。この場合、レチクルRからの検出光をそれぞれレチクルアライメント顕微鏡142及び144に導くための偏向ミラー146及び148が移動自在に配置され、露光シーケンスが開始されると、主制御装置90からの指令のもとで、不図示のミラー駆動装置により偏向ミラー146及び148が待避される。なお、レチクルアライメント顕微鏡142、144と同等の構成は、例えば特開平7−176468号公報等に開示されているのでここでは詳細な説明については省略する。
また、図1では図示を省略したが、投影光学系PL、アライメント系24a、24bのそれぞれには、図4に示されるように、合焦位置を調べるためのオートフォーカス/オートレベリング計測機構(以下、「AF/AL系」という)130、132、134が設けられている。この内、AF/AL系132は、スキャン露光によりレチクルR上のパターンをウエハ(W1又はW2)上に正確に転写するには、レチクルR上のパターン形成面とウエハWの露光面とが投影光学系PLに関して共役になっている必要があることから、ウエハWの露光面が投影光学系PLの像面に焦点深度の範囲内で合致しているかどうか(合焦しているかどうか)を検出するために、設けられているものである。本第1の実施形態では、AF/AL系132として、いわゆる多点AF系が使用されている。
ここで、このAF/AL系132を構成する多点AF系の詳細構成について、図5及び図6に基づいて説明する。
このAF/AL系(多点AF系)132は、図5に示されるように、光ファイバ束150、集光レンズ152、パターン形成板154、レンズ156、ミラー158及び照射対物レンズ160から成る照射光学系151と、集光対物レンズ162、回転方向振動板164、結像レンズ166、受光器168から成る集光光学系161とから構成されている。
ここで、このAF/AL系(多点AF系)132の上記構成各部についてその作用と共に説明する。
露光光ELとは異なるウエハW1(又はW2)上のフォトレジストを感光させない波長の照明光が、図示しない照明光源から光ファイバ束150を介して導かれ、この光ファイバ束150から射出された照明光が、集光レンズ152を経てパターン形成板154を照明する。このパターン形成板154を透過した照明光は、レンズ156、ミラー158及び照射対物レンズ160を経てウエハWの露光面に投影され、ウエハW1(又はW2)の露光面に対してパターン形成板154上のパターンの像が光軸AXに対して斜めに投影結像される。ウエハW1で反射された照明光は、集光対物レンズ162、回転方向振動板164及び結像レンズ166を経て受光器168の受光面に投影され、受光器168の受光面にパターン形成板154上のパターンの像が再結像される。ここで、主制御装置90は、加振装置172を介して回転方向振動板164に所定の振動を与えるとともに、受光器168の多数(具体的には、パターン形成板154のスリットパターンと同数)の受光素子からの検出信号を信号処理装置170に供給する。また、信号処理装置170は、各検出信号を加振装置172の駆動信号で同期検波して得た多数のフォーカス信号をステージ制御装置38を介して主制御装置90へ供給する。
この場合、パターン形成板154には、図6に示されるように、例えば5×9=45個の上下方向のスリット状の開口パターン93−11〜93−59が形成されており、これらのスリット状の開口パターンの像がウエハWの露光面上にX軸及びY軸に対して斜め(45°)に投影される。この結果、図4に示されるようなX軸及びY軸に対して45°に傾斜したマトリクス配置のスリット像が形成される。なお、図4における符号IFは、照明系により照明されるレチクル上の照明領域と共役なウエハ上の照明フィールドを示す。この図4からも明らかなように、投影光学系PL下の照明フィールドIFより2次元的に十分大きいエリアに検出用ビームが照射されている。
その他のAF/AL系130、134も、このAF/AL系132と同様に構成されている。すなわち、本第1の実施形態では、露光時の焦点検出に用いられるAF/AL系132とほぼ同一の領域をアライメントマークの計測時に用いられるAF/AL機構130、134によっても検出ビームが照射可能な構成となっている。このため、アライメント系24a、24bによるアライメントセンサの計測時に、露光時と同様のAF/AL系の計測、制御によるオートフォーカス/オートレベリングを実行しつつアライメントマークの位置計測を行うことにより、高精度なアライメント計測が可能になる。換言すれば、露光時とアライメント時との間で、ステージの姿勢によるオフセット(誤差)が発生しなくなる。
次に、レチクル駆動機構について、図1及び図2に基づいて説明する。
このレチクル駆動機構は、レチクルベース盤32上をレチクルRを保持してXYの2次元方向に移動可能なレチクルステージRSTと、このレチクルステージRSTを駆動する不図示のリニアモータと、このレチクルステージRSTの位置を管理するレチクル干渉計システムとを備えている。
これを更に詳述すると、レチクルステージRSTには、図2に示されるように、2枚のレチクルR1、R2がスキャン方向(Y軸方向)に直列に設置できる様になっており、このレチクルステージRSTは、不図示のエアーベアリング等を介してレチクルベース盤32上に浮上支持され、不図示のリニアモータ等から成る駆動機構30(図1参照)によりX軸方向の微小駆動、θ方向の微小回転及びY軸方向の走査駆動がなされるようになっている。なお、駆動機構30は、前述したステージ装置と同様のリニアモータを駆動源とする機構であるが、図1では図示の便宜上及び説明の便宜上から単なるブロックとして示しているものである。このため、レチクルステージRST上のレチクルR1、R2が例えば二重露光の際に選択的に使用され、いずれのレチクルについてもウエハ側と同期スキャンできる様な構成となっている。
このレチクルステージRST上には、X軸方向の他側の端部に、レチクルステージRSTと同じ素材(例えばセラミック等)から成る平行平板移動鏡34がY軸方向に延設されており、この移動鏡34のX軸方向の他側の面には鏡面加工により反射面が形成されている。この移動鏡34の反射面に向けて測長軸BI6Xで示される干渉計36からの干渉計ビームが照射され、その干渉計ではその反射光を受光してウエハステージ側と同様にして基準面に対する相対変位を計測することにより、レチクルステージRSTの位置を計測している。ここで、この測長軸BI6Xを有する干渉計は、実際には独立に計測可能な2本の干渉計光軸を有しており、レチクルステージのX軸方向の位置計測と、ヨーイング量の計測が可能となっている。この測長軸BI6Xを有する干渉計の計測値は、ウエハステージ側の測長軸BI1X、BI2Xを有する干渉計16、18からのウエハステージWS1、WS2のヨーイング情報やX位置情報に基づいてレチクルとウエハの相対回転(回転誤差)をキャンセルする方向にレチクルステージRSTを回転制御したり、X方向同期制御を行うために用いられる。
一方、レチクルステージRSTの走査方向(スキャン方向)であるY軸方向の他側(図1における紙面手前側)には、一対のコーナーキューブミラー35、37が設置されている。そして、不図示の一対のダブルパス干渉計から、これらのコーナーキューブミラー35、37に対して図2に測長軸BI7Y、BI8Yで示される干渉計ビームが照射され、レチクルベース盤32上の反射面にコーナーキューブミラー35、37より戻され、そこで反射したそれぞれの反射光が同一光路を戻り、それぞれのダブルパス干渉計で受光され、それぞれのコーナーキューブミラー35、37の基準位置(レファレンス位置で前記レチクルベース盤32上の反射面)からの相対変位が計測される。そして、これらのダブルパス干渉計の計測値が図1のステージ制御装置38に供給され、その平均値に基づいてレチクルステージRSTのY軸方向の位置が計測される。このY軸方向位置の情報は、ウエハ側の測長軸BI3Yを有する干渉計の計測値に基づくレチクルステージRSTとウエハステージWS1又はWS2との相対位置の算出、及びこれに基づく走査露光時の走査方向(Y軸方向)のレチクルとウエハの同期制御に用いられる。
すなわち、本第1の実施形態では、干渉計36及び測長軸BI7Y、BI8Yで示される一対のダブルパス干渉計によってレチクル干渉計システムが構成されている。
次に、ウエハステージWST1、WST2の位置を管理する干渉計システムについて、図1ないし図3を参照しつつ説明する。
これらの図に示されるように、投影光学系PLの投影中心とアライメント系24a、24bのそれぞれの検出中心とを通る第1軸(X軸)に沿ってウエハステージWS1のX軸方向一側の面には、図1の干渉計16からの測長軸BI1Xで示される干渉計ビームが照射され、同様に、第1軸に沿ってウエハステージWS2のX軸方向の他側の面には、図1の干渉計18からの測長軸BI2Xで示される干渉計ビームが照射されている。そして、干渉計16、18ではこれらの反射光を受光することにより、各反射面の基準位置からの相対変位を計測し、ウエハステージWS1、WS2のX軸方向位置を計測するようになっている。ここで、干渉計16、18は、図2に示されるように、各3本の光軸を有する3軸干渉計であり、ウエハステージWS1、WS2のX軸方向の計測以外に、チルト計測及びθ計測が可能となっている。各光軸の出力値は独立に計測できる様になっている。ここで、ウエハステージWS1、WS2のθ回転を行う不図示のθステージ及びZ軸方向の微小駆動及び傾斜駆動を行う不図示のZ・レベリングステージは、実際には、反射面の下にあるので、ウエハステージのチルト制御時の駆動量は全て、これらの干渉計16、18によりモニターする事ができる。
なお、測長軸BI1X、BI2Xの各干渉計ビームは、ウエハステージWS1、WS2の移動範囲の全域で常にウエハステージWS1、WS2に当たるようになっており、従って、X軸方向については、投影光学系PLを用いた露光時、アライメント系24a、24bの使用時等いずれのときにもウエハステージWS1、WS2の位置は、測長軸BI1X、BI2Xの計測値に基づいて管理される。
また、図2及び図3に示されるように、投影光学系PLの投影中心で第1軸(X軸)と垂直に交差する測長軸BI3Yを有する干渉計と、アライメント系24a、24bのそれぞれの検出中心で第1軸(X軸)とそれぞれ垂直に交差する測長軸BI4Y、BI5Yをそれぞれ有する干渉計とが設けられている(但し、図中では測長軸のみが図示されている)。
本第1の実施形態の場合、投影光学系PLを用いた露光時のウエハステージWS1、WS2のY方向位置計測には、投影光学系の投影中心、すなわち光軸AXを通過する測長軸BI3Yの干渉計の計測値が用いられ、アライメント系24aの使用時のウエハステージWS1のY方向位置計測には、アライメント系24aの検出中心、すなわち光軸SXを通過する測長軸BI4Yの干渉計の計測値が用いられ、アライメント系24b使用時のウエハステージWS2のY方向位置計測には、アライメント系24bの検出中心、すなわち光軸SXを通過する測長軸BI5Yの干渉計の計測値が用いられる。
従って、各使用条件により、Y軸方向の干渉計測長軸がウエハステージWS1、WS2の反射面より外れる事となるが、少なくとも一つの測長軸、すなわち測長軸BI1X、BI2XはそれぞれのウエハステージWS1、WS2の反射面から外れることがないので、使用する干渉計光軸が反射面上に入った適宜な位置でY側の干渉計のリセットを行うことができる。この干渉計のリセット方法については、後に詳述する。
なお、上記Y計測用の測長軸BI3Y、BI4Y、BI5Yの各干渉計は、各2本の光軸を有する2軸干渉計であり、ウエハステージWS1、WS2のY軸方向の計測以外に、チルト計測が可能となっている。各光軸の出力値は独立に計測できるようになっている
本第1の実施形態では、干渉計16、18及び測長軸BI3Y、BI4Y、BI5Yを有する3つの干渉計の合計5つの干渉計によって、ウエハステージWS1、WS2の2次元座標位置を管理する干渉計システムが構成されている。
また、本第1の実施形態では、後述するように、ウエハステージWS1、WS2の内の一方が露光シーケンスを実行している間、他方はウエハ交換、ウエハアライメントシーケンスを実行するが、この際に両ステージの干渉がないように、各干渉計の出力値に基づいて主制御装置90の指令に応じてステージ制御装置38により、ウエハステージWS1、WS2の移動が管理されている。
次に、照明系について、図1に基づいて説明する。この照明系は、図1に示されるように、光源部40、シャッタ42、ミラー44、ビームエキスパンダ46、48、第1フライアイレンズ50、レンズ52、振動ミラー54、レンズ56、第2フライアイレンズ58、照明系開口絞り板(以下、「レボルバー」という)61、レンズ60、固定ブラインド62、可動ブラインド64、リレーレンズ66、68等から構成されている。
ここで、この照明系の上記構成各部についてその作用とともに説明する。
光源であるKrFエキシマレーザと減光システム(減光板、開口絞り等)よりなる光源部40から射出されたレーザ光は、シャッタ42を透過した後、ミラー44により偏向されて、ビームエキスパンダ46、48により適当なビーム径に整形され、第1フライアイレンズ50に入射される。この第1フライアイレンズ50に入射された光束は、2次元的に配列されたフライアイレンズのエレメントにより複数の光束に分割され、レンズ52、振動ミラー54、レンズ56により再び各光束が異なった角度より第2フライアイレンズ58に入射される。この第2フライアイレンズ58より射出された光束は、レボルバー61(これについては後に詳述する)上に設けられたいずれかの開口絞りにて所定の照明光束に整形された後、レンズ60により、レチクルRと共役な位置に設置された固定ブラインド62に達し、ここで所定形状にその断面形状が規定された後、レチクルRの共役面から僅かにデフォーカスされた位置に配置された可動ブラインド64を通過し、リレーレンズ66、68を経た均一な照明光として、レチクルR上の上記固定ブラインド62によって規定された所定形状、ここでは矩形スリット状の照明領域IA(図2参照)を照明する。
前記レボルバー61は、第2フライアイレンズ58の射出面の近傍、すなわちレチクルRのフーリエ変換面の近傍に配置されており、このレボルバー61上のいずれかの開口絞り59(これについては後述する)によりレチクルRを照明する照明光の空間的コヒーレンシーを制御している。一般的に空間的コヒーレンシーは、投影光学系PLの開口数と照明光学系の開口数の比であるコヒーレンスファクタ(σ値)で表される。
レボルバー61には、図7に拡大して示されるように、複数種類(ここでは、6種類)の開口絞り59(59A〜59F)が等角度間隔で配置されており、ロータリモータより成るレボルバー駆動機構63によって、回転可能に構成されている。レボルバー61の回転角がレボルバー駆動機構63を介して主制御装置90により制御されるようになっており、これによって開口絞り59A〜59Fの内の所望の開口絞りが照明光の光路上に選択的に設定されるようになっている。
ここで、開口絞り59A〜59Fについて、簡単に説明すると、開口絞り59Aは小さな円形開口より成りコヒーレンスファクタであるσ値を小さくするための開口絞り(以下、「小σ絞り」と呼ぶ)であり、開口絞り59Bは円形開口より成る通常照明用の開口絞り(以下、「通常絞り」と呼ぶ)である。また、開口絞り59C、59D、59Eは、変形照明用に複数の開口を偏心させて配置して成る変形開口絞りであり、この内の開口絞り59C、59Dを以下「二つ目絞り」呼ぶ(開口絞り59Cと59Dとは二つ目の位置関係が互いに直交する関係(90°)になっている)。また、照明系開口絞り59Eを以下「四つ目絞り」と呼ぶ。残りの開口絞り59Fは、輪帯照明用の照明系開口絞りであり、輪帯比(中心部の遮光部の直径と周囲の透光部の外径との比)がここでは例えば1/2とされている。
レボルバー61は、前記の如くレチクルRのパターン形成面に対するフーリエ変換面、もしくはその近傍に配置されており、第2フライアイレンズ58からの2次光源(面光源)像を制限している。
次に、制御系について図1に基づいて説明する。この制御系は、装置全体を統括的に制御する主制御装置90を中心に、この主制御装置90の配下にある露光量制御装置70及びステージ制御装置38等から構成されている。
ここで、制御系の上記構成各部の動作を中心に本実施形態に係る投影露光装置10の露光時の動作について説明する。
露光量制御装置70は、レチクルRとウエハ(W1又はW2)との同期走査が開始されるのに先立って、シャッタ駆動装置72に指示してシャッタ駆動部74を駆動させてシャッタ42をオープンする。
この後、ステージ制御装置38により、主制御装置90の指示に応じてレチクルRとウエハ(W1又はW2)、すなわちレチクルステージRSTとウエハステージ(WS1又はWS2)の同期走査(スキャン制御)が開始される。この同期走査は、前述した干渉計システムの測長軸BI3Yと測長軸BI1X又はBI2X及びレチクル干渉計システムの測長軸BI7Y、BI8Yと測長軸BI6Xの計測値をモニタしつつ、ステージ制御装置38によってレチクル駆動部30及びウエハステージの駆動系を構成する各リニアモータを制御することにより行われる。
そして、両ステージが所定の許容誤差以内に等速度制御された時点で、露光量制御装置70では、レーザ制御装置76に指示してパルス発光を開始させる。これにより、上記照明系開口絞り59を透過した照明系からの照明光により、その下面にパターンがクロム蒸着されたレチクルRの前記矩形の照明領域IAが照明され、レチクルR上のパターンで回折されて、投影光学系PLに入射される。投影光学系PLの瞳面EPは、前記2次光源面と互いに共役な位置関係となっており、レチクルRのパターン形成面に対してフーリエ変換の位置関係となっている。このように、照明系開口絞り59を透過して、レチクルR上のパターンにより回折され、投影光学系PLの瞳面EPを通過した回折光は、レチクルRと互いに共役な位置関係に置かれたウエハのレジスト層に結像される。ここで、図2からも明らかなように、レチクル上のパターン領域に比べ照明領域IAの走査方向のスリット幅は狭く、上記のようにレチクルRとウエハ(W1又はW2)とを同期走査することで、パターンの全面の像がウエハ上のショット領域に順次形成される。
上述のようにして照明光で照明されたレチクルR上のパターンの像が、投影光学系PLを介して所定の投影倍率(例えば、1/4倍、1/5倍又は1/6倍)でウエハステージWST上のウエハWに投影され、ウエハW上の所定の領域にパターンの縮小像が形成される。
ここで、前述したパルス発光の開始と同時に、露光量制御装置70は、ミラー駆動装置78に指示して振動ミラー54を駆動させ、レチクルR上のパターン領域が完全に照明領域IA(図2参照)を通過するまで、すなわちパターンの全面の像がウエハ上のショット領域に形成されるまで、連続してこの制御を行うことで2つのフライアイレンズ50、58で発生する干渉縞のムラ低減を行う。
また、上記の走査露光中にショットエッジ部でのレチクル上の遮光領域よりも外に照明光が漏れないように、レチクルRとウエハWのスキャンと同期して可動ブラインド64がブラインド制御装置39によって駆動制御されており、これらの一連の同期動作がステージ制御装置38により管理されている。
ところで、上述したレーザ制御装置76によるパルス発光は、ウエハW1、W2上の任意の点が照明フィールド幅(w)を通過する間にn回(nは正の整数)発光する必要があるため、発振周波数をfとし、ウエハスキャン速度をVとすると、次式(2)を満たす必要がある。
f/n=V/w ………………(2)
また、ウエハ上に照射される1パルスの照射エネルギーをPとし、レジスト感度をEとすると、次式(3)を満たす必要がある。
nP=E ………………(3)
このように、露光量制御装置70は、照射エネルギーPや発振周波数fの可変量について全て演算を行い、レーザ制御装置76に対して指令を出して光源部40内に設けられた減光システムを制御することによって照射エネルギーPや発振周波数fを可変させたり、シャッタ駆動装置72やミラー駆動装置78を制御したりするように構成されている。
さらに、主制御装置90では、例えば、スキャン露光時に同期走査を行うレチクルステージとウエハステージの移動開始位置(同期位置)を補正する場合、各ステージを移動制御するステージ制御装置38に対して補正量に応じたステージ位置の補正を指示する。
更に、本実施形態の投影露光装置では、ウエハステージWS1との間でウエハの交換を行う第1の搬送システムと、ウエハステージWS2との間でウエハ交換を行う第2の搬送システムとが設けられている。
第1の搬送システムは、図8に示されるように、左側のウエハローディング位置にあるウエハステージWS1との間で後述するようにしてウエハ交換を行う。この第1の搬送システムは、Y軸方向に延びる第1のローディングガイド182、このローディングガイド182に沿って移動する第1のスライダ186及び第2のスライダ190、第1のスライダ186に取り付けられた第1のアンロードアーム184、第2のスライダ190に取り付けられた第1のロードアーム188等を含んで構成される第1のウエハローダと、ウエハステージWS1上に設けられた3本の上下動部材から成る第1のセンターアップ180とから構成される。
ここで、この第1の搬送システムによるウエハ交換の動作について、簡単に説明する。
ここでは、図8に示されるように、左側のウエハローディング位置にあるウエハステージWS1上にあるウエハW1’と第1のウエハローダにより搬送されてきたウエハW1とが交換される場合について説明する。
まず、主制御装置90では、ウエハステージWS1上の不図示のウエハホルダのバキュームを不図示のスイッチを介してオフし、ウエハW1’の吸着を解除する。
次に、主制御装置90では、不図示のセンターアップ駆動系を介してセンターアップ180を所定量上昇駆動する。これにより、ウエハW1’が所定位置まで持ち上げられる。この状態で、主制御装置90では、不図示のウエハローダ制御装置に第1のアンロードアーム184の移動を指示する。これにより、ウエハローダ制御装置により第1のスライダ186が駆動制御され、第1のアンロードアーム184がローディングガイド182に沿ってウエハステージWS1上まで移動してウエハW1’の真下に位置する。
この状態で、主制御装置90では、センターアップ180を所定位置まで下降駆動させる。このセンターアップ180の下降の途中で、ウエハW1’が第1のアンロードアーム184に受け渡されるので、主制御装置90ではウエハローダ制御装置に第1のアンロードアーム184のバキューム開始を指示する。これにより、第1のアンロードアーム184にウエハW1’が吸着保持される。
次に、主制御装置90では、ウエハローダ制御装置に第1のアンロードアーム184の退避と第1のロードアーム188の移動開始を指示する。これにより、第1のスライダ186と一体的に第1のアンロードアーム184が図10の−Y方向に移動を開始すると同時に第2のスライダ190がウエハW1を保持した第1のロードアーム188と一体的に+Y方向に移動を開始する。そして、第1のロードアーム188がウエハステージWS1の上方に来たとき、ウエハローダ制御装置により第2のスライダ190が停止されるとともに第1のロードアーム188のバキュームが解除される。
この状態で、主制御装置90ではセンターアップ180を上昇駆動し、センターアップ180によりウエハW1を下方から持ち上げさせる。次いで、主制御装置90ではウエハローダ制御装置にロードアームの退避を指示する。これにより、第2のスライダ190が第1のロードアーム188と一体的に−Y方向に移動を開始して第1のロードアーム188の退避が行われる。この第1のロードアーム188の退避開始と同時に主制御装置90では、センターアップ180の下降駆動を開始してウエハW1をウエハステージWS1上の不図示のウエハホルダに載置させ、当該ウエハホルダのバキュームをオンにする。これにより、ウエハ交換の一連のシーケンスが終了する。
第2の搬送システムは、同様に、図9に示されるように、右側のウエハローディング位置にあるウエハステージWS2との間で上述と同様にしてウエハ交換を行う。この第2の搬送システムは、Y軸方向に延びる第2のローディングガイド192、この第2のローディングガイド192に沿って移動する第3のスライダ196及び第4のスライダ200、第3のスライダ196に取り付けられた第2のアンロードアーム194、第4のスライダ200に取り付けられた第2のロードアーム198等を含んで構成される第2のウエハローダと、ウエハステージWS2上に設けられた不図示の第2のセンターアップとから構成される。
次に、図8及び図9に基づいて、本第1の実施形態の特徴である2つのウエハステージによる並行処理について説明する。
図8には、ウエハステージWS2上のウエハW2を投影光学系PLを介して露光動作を行っている間に、左側ローディング位置にて上述の様にしてウエハステージWS1と第1の搬送システムとの間でウエハの交換が行われている状態の平面図が示されている。この場合、ウエハステージWS1上では、ウエハ交換に引き続いて後述するようにしてアライメント動作が行われる。なお、図8において、露光動作中のウエハステージWS2の位置制御は、干渉計システムの測長軸BI2X、BI3Yの計測値に基づいて行われ、ウエハ交換とアライメント動作が行われるウエハステージWS1の位置制御は、干渉計システムの測長軸BI1X、BI4Yの計測値に基づいて行われる。
この図8に示される左側のローディング位置ではアライメント系24aの真下にウエハステージWS1の基準マーク板FM1上の基準マークが来るような配置となっている。このため、主制御装置90では、アライメント系24aにより基準マーク板FM1上の基準マークを計測する以前に、干渉計システムの測長軸BI4Yの干渉計のリセットを実施している。
上述したウエハ交換、干渉計のリセットに引き続いて、サーチアライメントが行われる。そのウエハ交換後に行われるサーチアライメントとは、ウエハW1の搬送中になされるプリアライメントだけでは位置誤差が大きいため、ウエハステージWS1上で再度行われるプリアライメントのことである。具体的には、ステージWS1上に載置されたウエハW1上に形成された3つのサーチアライメントマーク(図示せず)の位置をアライメント系24aのLSA系のセンサ等を用いて計測し、その計測結果に基づいてウエハW1のX、Y、θ方向の位置合わせを行う。このサーチアライメントの際の各部の動作は、主制御装置90により制御される。
このサーチアライメントの終了後、ウエハW1上の各ショット領域の配列をここではEGAを使って求めるファインアライメントが行われる。具体的には、干渉計システム(測長軸BI1X、BI4Y)により、ウエハステージWS1の位置を管理しつつ、設計上のショット配列データ(アライメントマーク位置データ)をもとに、ウエハステージWS1を順次移動させつつ、ウエハW1上の所定のサンプルショットのアライメントマーク位置をアライメント系24aのFIA系のセンサ等で計測し、この計測結果とショット配列の設計座標データに基づいて最小自乗法による統計演算により、全てのショット配列データを演算する。なお、このEGAの際の各部の動作は主制御装置90により制御され、上記の演算は主制御装置90により行われる。なお、この演算結果は、基準マーク板FM1の基準マーク位置を基準とする座標系に変換しておくことが望ましい。
本実施形態の場合、前述したように、アライメント系24aによる計測時に、露光時と同じAF/AL系132(図4参照)の計測、制御によるオートフォーカス/オートレベリングを実行しつつアライメントマークの位置計測が行われ、アライメント時と露光時との間にステージの姿勢によるオフセット(誤差)を生じさせないようにすることができる。
ウエハステージWS1側で、上記のウエハ交換、アライメント動作が行われている間に、ウエハステージWS2側では、図10に示されるような2枚のレチクルR1、R2を使い、露光条件を変えながら連続してステップ・アンド・スキャン方式により二重露光が行われる。
具体的には、前述したウエハW1側と同様にして、事前にEGAによるファインアライメントが行われており、この結果得られたウエハW2上のショット配列データ(基準マーク板FM2上の基準マークを基準とする)に基づいて、順次ウエハW2上のショット領域を投影光学系PLの光軸下方に移動させた後、各ショット領域の露光の都度、レチクルステージRSTとウエハステージWS2とを走査方向に同期走査させることにより、スキャン露光が行われる。このようなウエハW2上の全ショット領域に対する露光がレチクル交換後にも連続して行われる。具体的な二重露光の露光順序としては、図11(A)に示されるように、ウエハW1の各ショット領域をレチクルR2(Aパターン)を使ってA1〜A12まで順次スキャン露光を行った後、駆動系30を用いてレチクルステージRSTを走査方向に所定量移動してレチクルR1(Bパターン)を露光位置に設定した後、図11(B)に示されるB1〜B12の順序でスキャン露光を行う。この時、レチクルR2とレチクルR1では露光条件(AF/AL、露光量)や透過率が異なるので、レチクルアライメント時にそれぞれの条件を計測し、その結果に応じて条件の変更を行う必要がある。
このウエハW2の二重露光中の各部の動作も主制御装置90によって制御される。なお、二重露光の具体的方法(具体例)については、その原理を含め、後に詳述する。
上述した図8に示す2つのウエハステージWS1、WS2上で並行して行われる露光シーケンスとウエハ交換・アライメントシーケンスとは、先に終了したウエハステージの方が待ち状態となり、両方の動作が終了した時点で図9に示す位置までウエハステージWS1、WS2が移動制御される。そして、露光シーケンスが終了したウエハステージWS2上のウエハW2は、右側ローディングポジションでウエハ交換がなされ、アライメントシーケンスが終了したウエハステージWS1上のウエハW1は、投影光学系PLの下で露光シーケンスが行われる。
図9に示される右側ローディングポジションでは、左側ローディングポジションと同様にアライメント系24bの下に基準マーク板FM2上の基準マークが来るように配置されており、前述のウエハ交換動作とアライメントシーケンスとが実行される事となる。勿論、干渉計システムの測長軸BI5Yの干渉計のリセット動作は、アライメント系24bによる基準マーク板FM2上のマーク検出に先立って実行されている。
次に、図8の状態から図9の状態へ移行する際の、主制御装置90による干渉計のリセット動作について説明する。
ウエハステージWS1は、左側ローディングポジションでアライメントを行った後に、図9に示される投影光学系PLの光軸AX中心(投影中心)の真下に基準板FM1上の基準マークが来る位置まで移動されるが、この移動の途中で測長軸BI4Yの干渉計ビームが、ウエハステージWS1の反射面21に入射されなくなるので、アライメント終了後直ちに図9の位置までウエハステージを移動させることは困難である。このため、本実施形態では、次のような工夫をしている。
すなわち、先に説明したように、本実施形態では、左側ローディングポジションにウエハステージWS1がある場合に、アライメント系24aの真下に基準マーク板FM1が来るように設定されており、この位置で測長軸BI4Yの干渉計がリセットされているので、この位置までウエハステージWS1を一旦戻し、その位置から予めわかっているアライメント系24aの検出中心と投影光学系PLの光軸中心(投影中心)との距離(便宜上BLとする)にもとづいて、干渉計ビームの切れることのない測長軸BI1Xの干渉計16の計測値をモニタしつつ、ウエハステージWS1を距離BLだけX軸方向右側に移動させる。これにより、図9に示される位置までウエハステージWS1が移動されることになる。そして、主制御装置90では、レチクルアライメント顕微鏡142、144の少なくとも一方を用いて、基準マーク板FM1上のマークとレチクルマークとの相対位置関係を計測するのに先立って測長軸BI3Yの干渉計をリセットする。このリセット動作は、次に使用する測長軸がウエハステージ側面を照射できるようになった時点で実行することができる。
このように、干渉計のリセット動作を行っても高精度アライメントが可能な理由は、アライメント系24aにより基準マーク板FM1上の基準マークを計測した後、ウエハW1上の各ショット領域のアライメントマークを計測することにより、基準マークと、ウエハマークの計測により算出された仮想位置との間隔を同一のセンサにより算出しているためである。この時点で基準マークと露光すべき位置の相対距離が求められていることから、露光前にレチクルアライメント顕微鏡142、144により露光位置と基準マーク位置との対応がとれていれば、その値に前記相対距離を加えることにより、Y軸方向の干渉計の干渉計ビームがウエハステージの移動中に切れて再度リセットを行ったとしても高精度な露光動作を行うことができるのである。
なお、アライメント終了位置から図9の位置にウエハステージWS1が移動する間に、測長軸BI4Yが切れないような場合には、測長軸BI1X、BI4Yの計測値をモニタしつつ、アライメント終了後に直ちに、図9の位置までウエハステージを直線的に移動させてもよいことは勿論である。この場合、ウエハステージWS1のY軸と直交する反射面21に投影光学系PLの光軸AXを通る測長軸BI3Yがかかった時点で干渉計のリセット動作を行うようにしても良い。
上記と同様にして、露光終了位置からウエハステージWS2を図9に示される右側のローディングポジションまで移動させ、測長軸BI5Yの干渉計のリセット動作を行えば良い。
また、図12には、ウエハステージWS1上に保持されるウエハW1上の各ショット領域を順次露光する露光シーケンスのタイミングの一例が示されており、図13には、これと並列的に行われるウエハステージWS2上に保持されるウエハW2上のアライメントシーケンスのタイミングが示されている。本第1の実施形態では、2つのウエハステージWS1、WS2を独立して2次元方向に移動させながら、各ウエハステージ上のウエハW1、W2に対して露光シーケンスとウエハ交換・アライメントシーケンスとを並行して行うことにより、スループットの向上を図っている。
ところが、2つのウエハステージを使って2つの動作を同時並行処理する場合は、一方のウエハステージ上で行われる動作が外乱要因として、他方のウエハステージで行われる動作に影響を与える場合がある。また、逆に、一方のウエハステージ上で行われる動作が他方のウエハステージで行われる動作に影響を与えない動作もある。そこで、本第1の実施形態では、並行処理する動作の内、外乱要因となる動作とならない動作とに分けて、外乱要因となる動作同士、あるいは外乱要因とならない動作同士が同時に行われるように、各動作のタイミング調整が図られる。
例えば、スキャン露光中は、ウエハW1とレチクルRとを等速で同期走査させることから外乱要因とならない上、他からの外乱要因を極力排除する必要がある。このため、一方のウエハステージWS1上でのスキャン露光中は、他方のウエハステージWS2上のウエハW2で行われるアライメントシーケンスにおいて静止状態となるようにタイミング調整がなされる。すなわち、アライメントシーケンスにおけるマーク計測は、ウエハステージWS2をマーク位置で静止させた状態で行われるため、スキャン露光にとって外乱要因とならず、スキャン露光中に並行してマーク計測を行うことができる。これを図12及び図13で見ると、図12においてウエハW1に対し動作番号「1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23」で示されるスキャン露光と、図13においてウエハW2に対し動作番号「1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23」で示される各アライメントマーク位置におけるマーク計測動作が相互に同期して行われていることがわかる。一方、アライメントシーケンスにおいても、スキャン露光中は、等速運動なので外乱とはならず高精度計測が行えることになる。
また、ウエハ交換時においても同様のことが考えられる。特に、ロードアームからウエハをセンターアップに受け渡す際に生じる振動等は、外乱要因となり得るため、スキャン露光前、あるいは、同期走査が等速度で行われるようになる前後の加減速時(外乱要因となる)に合わせてウエハの受け渡しをするようにしても良い。
上述したタイミング調整は、主制御装置90によって行われる。
次に、本第1の実施形態における二重露光の具体的方法について説明する。まず、この露光方法における第1の露光工程、第2の露光工程で採用される変形照明の基本原理を図14及び図15に基づいて説明する。この基本原理については、特開平4−273245号公報に記載されているものと同様である。
例えば、レチクルRに形成される回路パターンの中には、図14(B)に示されるようなラインパターン(L/Sや孤立ライン)が多く含まれており、そのパターンの方向も複数方向にわたっている。この内、所定方向に形成された孤立ライン(孤立L)やL/Sから成るレチクルパターンRPに対して照明光学系から照明光が照射されると、レチクルパターンRPからは0次回折光成分(D0)、±1次回折光成分(Dp、Dm)及びより高次の回折光成分がパターンの周期性に応じた方向に発生する。この様子が、図15に示されている。この図15に示されるように、レチクルパターンRPが形成されたレチクルRのパターン面のほぼフーリエ変換相当面、もしくはその近傍の面内にレボルバー61に設けられた開口絞り59が配置されており、この開口絞り59によりフライアイレンズ58からの2次光源像が所定の開口形状で制限される。ここで、開口絞りとして、図14(A)に示されるように、光軸AXに関する点対称位置にそれぞれの中心を有する2つの偏心領域に照明光を透過させる形状(前述した2つ目絞り59C又は59Dと同様の形状)の開口絞りを用いると、この開口絞り59を透過した照明光束は、図15に示されるように、レンズ系60,66,68を透過した後、レチクルパターンRPの周期方向に対して所定角度傾いた状態で入射するため、レチクルパターンRPから発生する各次数の回折光成分に一定の傾き(角度ずれ)を持たせることができる。図15中の照明光L1は、光軸AXに対して角度ψだけ傾いてレチクルRに入射されているものとする。
このため、レチクルパターンRPからは光軸AXに対してψだけ傾いた方向に進む0次回折光D0と、0次回折光D0に対してθpだけ傾いた+1次回折光Dpと、0次回折光D0に対してθmだけ傾いて進む−1次回折光Dmとが発生する。従って、+1次回折光Dpは、光軸AXに対して(θp+ψ)の方向に進行し、−1次回折光Dmは、光軸AXに対して(θm−ψ)の方向に進行することになる。このときの回折角θp、θmは、露光波長をλ、パターンピッチをPとすると、それぞれ
sin(θp+ψ)−sinψ=λ/P ………(4)
sin(θm−ψ)+sinψ=λ/P ………(5)
で表すことができる。
ここで、レチクルパターンRPが微細化して回折角が増大すると、それまで投影光学系PLの瞳EPを透過していた+1次回折光Dpと−1次回折光Dmのうち、(θp+ψ)の方向に進行する+1次回折光Dpが投影光学系PLの瞳EPを透過できなくなる。すなわち、sin(θp+ψ)>NAR(レチクル側開口数)の関係になってくる。しかし、上記したように照明光L1が光軸AXに対して傾いて入射しているため、このときの回折角であっても−1次回折光Dmは、投影光学系PLに入射可能となる。すなわち、sin(θm−ψ)<NARの関係となる。
従って、ウエハW上には0次回折光D0と−1次回折光Dmの2光束による干渉縞が生じる。この干渉縞は、レチクルパターンRPの像であり、このときの解像限界は、
sin(θm−ψ)=NAR ………(6)
となる。従って、上記(6)式に(5)式を代入するとNAR+sinψ=λ/Pとなり、これを展開すると
P=λ/(NAR+sinψ) ………(7)
となる。これが転写可能な最小パターンのレチクル側でのピッチである。
そこで、上記(7)式のsinψを一例として0.5×NAR程度に定めるとすると、転写可能なレチクル上のパターンの最小ピッチは、
P=λ/(NAR+0.5NAR
=2λ/3NAR ………(8)
となる。
ここで、瞳面上での0次回折光成分と−1次回折光成分のパターン周期方向の間隔は、レチクルパターンRPの微細度(空間周波数)に比例する。上記(6)式は最大の解像度を得るためにこの間隔を最大とすることを意味している。これに対して、照明光の瞳EP上での分布が投影光学系PLの光軸AXを中心とする円形領域内である従来の露光装置の場合、解像限界は、P≒λ/NARであるため、これを(8)式と比較すると、より高い解像度が実現できることがわかる。
次に、レチクルパターンRPに対してその周期方向に所定角度傾けた露光光を照射することによって、その結果発生する0次回折光成分と1次回折光成分とを用いてウエハ上に結像パターンを形成することにより、焦点深度を大きくすることができる点について、以下説明する。図15に示されるように、ウエハWの位置が投影光学系PLの焦点位置(最良結像面)と一致している場合、レチクルパターンRP中の1点を出てウエハW上の一点に達する各回折光は、投影光学系PLのどの部分を通過するものであっても全て等しい光路長を有することができる。このため、従来のように0次回折光成分が投影光学系PLの瞳面EPのほぼ中心(光軸近傍)を貫通する場合でも、0次回折光成分とその他の回折光成分とで光路長が相等しくなるため、相互の波面収差も零となる。しかし、ウエハWの位置が投影光学系PLの焦点位置に精密に一致していないデフォーカス状態の場合、斜めに入射する高次の回折光の光路長は、光軸近傍を通る0次回折光に対して焦点前方(投影光学系PLから遠ざかる方)では短く、焦点後方(投影光学系PL近づく方)では長くなり、その差は入射角の差に応じたものとなる。従って、0次、1次……の各回折光は、相互に波面収差を形成することになり、焦点位置の前後におけるボケを発生させる。
前述した波面収差は、ウエハWの焦点位置からのずれ量をΔF、各回折光がウエハWに入射するときの入射角θmの正弦をr(r=sinθm)とすると、ΔF・r2/2で与えられる量である(rは、各回折光の瞳面EPでの光軸AXからの距離を表す)。従来の投影露光装置では、0次回折光D0は、光軸AXの近傍を通るので、r(0次)=0となり、一方±1次回折光Dp、Dmは、r(1次)=M・λ/Pとなる(Mは投影光学系の倍率)。従って、0次回折光D0と±1次回折光Dp、Dmのデフォーカスによる波面収差は、ΔF・M2(λ/P)2/2で与えられる。
これに対して、本第1の実施形態で採用する変形照明法では、図15に示されるように、照明光L1を光軸AXに対して角度ψだけ傾けて入射させるため、0次回折光成分D0は、光軸AXから角度ψだけ傾いた方向に発生し、瞳面EPにおける0次光成分の光軸Aからの距離は、r(0次)=M・sinψとなる。一方、−1次回折光成分Dmの瞳面EPにおける光軸からの距離は、r(−1次)=M・sin(θm−ψ)となる。そして、このとき、sinψ=sin(θm−ψ)となれば、0次回折光成分D0と−1次回折光成分Dmのデフォーカスによる相対的な波面収差は零となり、ウエハWが焦点位置より光軸方向に若干ずれたとしてもレチクルパターンRPの像ボケは、従来程大きく生じないことになる。すなわち、焦点深度が増大することになる。また、上記(5)式のように、sin(θm−ψ)+sinψ=λ/Pであるから、照明光束L1のレチクルRへの入射角ψをピッチPのパターンに対して、
sinψ=λ/2P ………(9)
の関係にするならば焦点深度をきわめて増大させることが可能となる。
そこで、レチクルRに形成されたパターンは、図14(B)に示されるように、周期方向が一方向の遮光部(Cr)と透光部(図中のハッチングで示したガラス部分)とからなるレチクルパターンRPである場合に、上記(9)式の関係を満たし、レチクルRのパターン形成面のほぼフーリエ変換相当面、もしくはその近傍の面内に図14(A)に示されるような照明系開口絞り59を配置して照明光を透過させることにより、レチクルパターンRPの周期方向に対して所定角度傾いた照明光束L1が入射され、図15に示される投影露光装置PLの瞳面EPにおいて0次回折光成分D0と−1次回折光成分Dmとを光軸AXに対してほぼ等距離で分布させることができることから、高解像度且つ大焦点深度でパターンの露光を行うことができる。
このように、所定方向に形成されたレチクルパターンRPの周期方向に対して照明光束を所定角度傾けて照射することにより、高解像度且つ大焦点深度でパターンの露光を行うことができる。ところが、上記方法により解像度と焦点深度の向上が図れるのは、周期方向と直交する長手方向のラインパターンのエッジ部分であり、そのラインパターンの長手方向の両端エッジ部では、この部分のパターンを解像するための上下方向や斜め方向からの照明がないことから、パターン像が著しく劣化する。このような理由により、従来は輪帯照明が比較的多く用いられていたのであるが、輪帯照明では、パターンの両端部において著しい像の劣化が起こらない代わりに、完全な2光束干渉が得られないことから、波面収差の発生により解像度と焦点深度の向上に一定の限界があった。
そこで、本第1の実施形態では、次のような二重露光法を採用する。
ここでは、図18に示されるL/Sパターン像を得る場合を例にとって、本第1の実施形態に係る二重露光法について説明する。
第1の露光工程においては、レチクルRのパターン形成面に対してほぼフーリエ変換相当面若しくはその近傍の面における光量分布が、図16(A)に示されるように、光軸中心から形成すべきL/Sパターンの周期方向に対して直交する方向に対称に偏心した位置に中心を有する2つの領域を光が透過し、その他が遮光領域となるような分布となる開口絞り59Cが用いられ、第2の露光工程においては、図17(A)に示されるように、レチクルRのパターン形成面に対してほぼフーリエ変換相当面若しくはその近傍の面における光量分布が、光軸中心から図16(A)の場合と直交する方向に対称に偏心した位置に中心を有する2つの領域を光が透過し、その他が遮光領域となるような分布となる開口絞り59Dが用いられる。
また、第1の露光工程においては、図16(B)に示されるような形成すべきパターンと同様のL/SパターンRP1が形成されたレチクル(以下、説明の便宜上「レチクルR1」と呼ぶ)が用いられ、第2の露光工程においては、図17(B)に示されるような形成すべきパターンと直交する方向に所定間隔隔てて配置された2本の孤立ラインからなるパターンRP2が形成されたレチクル(以下、説明の便宜上「レチクルR2」と呼ぶ)が用いられる。これら図16(B)、図17(B)においてハッチング部分はガラスの光透過部分、その他の部分はCrによる遮光部分となっている。
この場合、レチクルステージRST上には、レチクルR1とR2とが搭載されているものとする(図2参照)。
まず、第1の露光工程において、主制御装置90は、開口絞り59Cが照明光の光路上に設定されるように、レボルバー駆動機構63を回転制御する。この照明条件の下でレチクルR1を用いて前述した走査露光が行われると、開口絞り59の各開口を透過した照明光束は、レンズ系60、66、68を介してレチクルパターンRP1のL/Sのピッチ方向に光軸AXに対して所定角度(ここでは、光軸AXに関して対称に角度ψ)傾いた方向からレチクルR1のパターン面をそれぞれ照射する(図15参照)。その結果、開口絞り59の一方の開口を透過した照明光束L1によりレチクルパターンRP1が照射されることにより、先に説明した図15と同様に、レチクルパターンRP1から光軸AXに対して角度ψだけ傾いた0次回折光D01と、回折による±1次回折光DP1、Dm1とが発生する。同様に、開口絞り59の他方の開口を透過した照明光束によりレチクルパターンRP1が照射されることにより、レチクルパターンRP1から光軸AXに対して照明光束L1の0次回折光D01と対称に角度ψだけ傾いた0次回折光D02と、回折による±1次回折光DP2、Dm2とが発生する。この場合、開口絞り59C上の2つの開口は、投影光学系PL内での一方の0次回折光D01と−1次回折光Dm1とが光軸AXに対して対称となり、他方の0次回折光D02と+1次回折光DP2とが光軸AXに対して対称となり、かつ一方の0次回折光D01と他方の+1次回折光DP2との光路が一致し、他方の0次回折光D02と一方の−1次回折光Dm1との光路が一致し、これら0次回折光D01、D02、+1次回折光DP2、−1次回折光Dm1の光路長が全て同じになる傾斜角度ψでレチクルパターンRP1が照射されるように、照明系開口絞り59の2つの開口部の偏心量が、レチクルパターンRP1の線幅に応じて設定されているものとする。従って、投影光学系PL内を2光束のみが通過し、完全な2光束干渉となってウエハW上では波面収差が発生しなくなる。
この結果、例えば、ウエハW上に塗布されたレジストとして、光の当たらない部分にレジスト像が残るポジレジストを用いているものとすると、図16(C)に示されるパターン像P1が現像後に残ることになる(但し、本実施形態の場合は、二重露光が終了するまでは、現実には現像は行われない)。この場合、先に説明したように、パターンRP1の周期方向については、高解像度且つ大焦点深度でパターンRP1の露光を行うことができ、従ってパターン像P1はその周期方向については良好な像となる。しかし、図16(C)に示されるように、パターン像P1の両端部では、この部分のパターンを解像するための上下方向や斜め方向からの照明がないことから、パターン像が著しく劣化することになる(エッジ部がだれてテーパ状となる)。
そこで、本第1の実施形態では、上述した第1の露光工程による2光束干渉条件による露光終了後、次の第2の露光工程により像が劣化している部分(パターンの両端部)を除去することにより、中央部分の良好なパターン像を有効に利用している。
すなわち、第2の露光工程において、レチクルR2上のパターンRP2は第1の露光工程で形成されるであろう仮想的なL/Sパターン像の両端部を除去可能な位置に配置されている。
主制御装置90は、開口絞り59Dが照明光の光路上に設定されるように、レボルバー駆動機構63を回転制御する。これにより、開口絞り59Dの照明分布の方向と、レチクルR2に形成されたレチクルパターンRP2の方向とが第1の露光工程の場合に対して直交関係になる。そして、上記と同様の2光束干渉条件の下でレチクルR2を用いて前述した走査露光が行われると、仮に光の当たった部分にレジスト像が残るネガレジストを使用している場合には、図17(C)に実線で示されるようなパターン像P1が現像後に残る筈である。しかし、本実施形態の場合はポジレジストが使われているため、レチクルパターンRP2が除去パターンとして機能して、図17(C)に示されるように、破線で示されるパターン像P1の両端部に対して、パターン像P2が重ね合わせ露光される結果、パターン像P1の露光不良部分が除去され、露光後に現像して得られる最終的なパターン像は、図18に示されるような、エッジ部の鮮明なレジストパターン像となる。ここでは、ポジレジストを用いて残しのL/Sを形成したが、残しの孤立ラインも同様の方法で形成することができる。
なお、ネガレジストを用いて、上記第1の露光工程及び第2の露光工程と同様のことを行えば、貫きのL/Sや貫きの孤立ラインを形成することも可能となる。
以上説明した、第1の露光工程、第2露光工程と同様に、形成すべきパターンを所定方向のラインパターンと、これと直交する方向のラインパターンとの少なくとも2種類のラインパターンに分けて、それぞれのパターンを同一又は別々のレチクルRにそれぞれ形成したものを用意し、主制御装置90によりレボルバー駆動機構63を介して開口絞り59C、59Dを切り換えて、第1の露光工程、第2露光工程と同様の重ね合わせ露光を行うことにより、例えば、2次元格子状のパターン像を形成することも可能である。
本第1の実施形態では、上記の如く、2枚以上のレチクル(R1、R2など)を使って重ね合わせ露光するなどの二重露光が行われるが、このように同一の露光工程で複数のレチクルを取り扱うような場合に、レチクルをセットで管理できるようにすることが望ましい。このため、本第1の実施形態では、図19ないし図23に示されるようなレチクルカセット、及びそのレチクルカセットが収容されるレチクルライブラリを用いている。
図19には、例えばレチクルR1、R2がそれぞれ個別に収納された個別収納容器としてのレチクルカセット212、214が固定具としてのカセット固定部材216によって固定され、一体化された状態の斜視図が示されている。
レチクルカセット212と214の前面には、レチクルを出し入れする際に開閉可能な蓋212a、214aが設けられている。
前記カセット固定部材216は、例えば、図19及び図20に示されるような断面コ字状の固定部材で構成されている。このカセット固定部材216は、レチクルカセット212と214を積み重ねた状態で、背面側(蓋212a、214aが設けられた側と反対側)から挿入することにより、レチクルカセット212と214を上下方向から挟持して一体化させる。より詳しくは、図19中のA線位置縦断面図を示した図20のように、コ字状のカセット固定部材216のレチクルカセット212、214にそれぞれ対向する部分には、断面楔状の爪部216a、216bが形成されており、これらの爪部がレチクルカセット212、214の傾斜溝部212b、214bに係合することにより、レチクルカセット212、214が一体化される。なお、傾斜溝部は、それぞれのレチクルカセットの上下面に形成することがより望ましい。このようにすれば、どのレチクルカセットにどのレチクルを収納した場合であっても、固定部材216により2つのレチクルを一体化させることができるからである。
勿論、図20の矢印方向にカセット固定部材216の両端部を開くことにより、溝部212b、214bに係合していた爪部216a、216bが外れて、一体化されたレチクルカセット212、214を分離させることができることは言うまでもない。
なお、図19に示されるカセット固定部材216は、2個のレチクルカセットを固定するものであったが、これに限定されるものではなく、固定するレチクルカセット数に応じた3個用、4個用、……をそれぞれ用意しておいても良い。また、レチクルカセットの固定法は、上述した溝部と爪部とを用いたものに限定されるものではなく、接着テープやマグネットの様なものでレチクルカセット同士を固定するものであっても良い。
図21には、図19の固定部材216によって一体化された状態のレチクルカセット212、214を収容可能なレチクルライブラリ220の斜視図が示されている。このレチクルライブラリ220は、固定部材216によって2個ずつ一体化された複数組みのレチクルカセットが収容可能なものであり、レチクルに付着した異物を検査する不図示の「異物検出部」や、レチクルを搬送する「搬送部」等が近くに配設され、相互間でレチクルの受け渡しが行われるようになっている。
このレチクルライブラリ220は、前面及び背面が開口した箱型の筐体222から成り、この筐体222の内壁の両側に固定部材216によって2個ずつ一体化されたレチクルカセット組みを支持するカセット支持部224a〜224dが上下方向に所定間隔で設けられている。このレチクルライブラリ220ではカセット支持部224a〜224dの上下の間隔がカセット固定部材216で固定されたレチクルカセットの厚さに応じて(ここでは、レチクルカセット2個分の間隔)設定されている。
このように、本第1の実施形態では、カセット固定部材216によりセット数に応じたレチクルカセットを一体化して固定することができるため、複数のレチクルをセット単位で容易に管理することが可能となる。また、複数のレチクルカセットは、カセット固定部材216による固定を解除すると従来からある個々のレチクルカセットに戻せるため、従来から有る異物検出部を用いて異物検査を行うことができる。但し、レチクルの管理面だけを考えれば、一つのレチクルカセットの内部空間を上下に複数分割して、それぞれの分割空間内にレチクルを収納するようなレチクルカセットの構造も採用できる。
なお、上記カセット支持部を一定間隔で固定するのではなく、使用するレチクルカセットの数(1個用、2個用、3個用、……)に応じて複数種類の間隔を設定したり、あるいはカセット支持部を上下方向に可動として適宜その間隔が変えられるように構成したりしても良い。このカセット支持部224a〜224dの上下方向の間隔は、当該露光装置で通常露光工程が多いか、二重露光工程が多いかなどにより決定すれば良い。
この場合、カセット固定部材216によりセット単位で一体化された状態でレチクルライブラリ220に収容されたレチクルカセット(例えば212)から取り出されたレチクル(例えば、R1)は、不図示のレチクルローダによってレチクルステージRST(図2参照)まで運ばれる。レチクルR1は、搬送後にレチクルステージRST上に搭載され、そのレチクルR1のレチクルアライメントを実行している間に、他方のレチクルR2をレチクルカセット214から取り出してレチクル待機位置(図示しない)で待機させる。そして、最初のレチクルR1のレチクルアライメントが終了した時点でレチクルR2をレチクルステージRST上に搭載し、レチクルR2のレチクルアライメントを行うことにより、レチクルステージRST上に2枚のレチクルR1、R2のローディング作業が終了する。
ところで、前述した固定部材216によりレチクルカセットを一体化する場合には、レチクルライブラリとして、カセット支持部の間隔が通常と異なる特殊なレチクルライブラリを使用する必要がある。しかし、図22に示されるように、レチクルカセット232、234、236同士を重ね合わせ方向に所定間隔を隔てて連結し一体化する固定具としてのカセット固定部材238a、238bを用いるならば、図23に示されるように、レチクルカセットを個別に支持するカセット支持部244a〜244fが設けられた筐体242から成る通常のレチクルライブラリ240を使用したとしても、レチクルカセット246(単体)、232,234,236(3枚セット)、248,250(2枚セット)などを所望の位置に収容することが可能となる。
以上説明したように、本第1の実施形態の投影露光装置10によると、ウエハ上に形成すべきパターンを、所定方向のラインパターンから成る第1のパターンと、その第1のパターンに直交する第2のパターンとをレチクルに形成し、光軸に対して各パターンのライン方向と直交する方向に所定量だけ傾いた照明(いわゆる変形照明)を照明することにより、それぞれのライン方向で高解像度と大焦点深度を持ったパターン像が形成可能となる。従って、第1のパターンと第2のパターンとの重ね合わせ露光を行い、一方のパターンの像劣化部分を他方のパターンで除去する二重露光により、各ライン方向に対して高解像度で大焦点深度を持ったパターン像が形成可能になる。
また、上記第1の実施形態によると、例えば、二重露光のように複数のレチクルをセットで使用する場合は、所定枚数のレチクルを1つの収納容器に独立して収納したり、複数の個別収納容器にそれぞれ収納して固定具により複数まとめて固定し、レチクルライブラリにも収容可能としたため、複数のレチクルをセット単位で容易に管理可能になる。
さらに、本第1の実施形態の投影露光装置10によると、2枚のウエハをそれぞれ独立に保持する2つのウエハステージを具備し、これら2つのウエハステージをXYZ方向に独立に移動させて、一方のウエハステージでウエハ交換とアライメント動作を実行する間に、他方のウエハステージで露光動作を実行する事とし、両方の動作が終了した時点でお互いの動作を切り換えるようにしたことから、スループットを大幅に向上させることが可能になる。
また、上記第1の実施形態によると、投影光学系PLを挟んでマーク検出を行う少なくとも2つのアライメント系を具備しているため、2つのウエハステージを交互にずらすことにより、各アライメント系を交互に使って行われるアライメント動作と露光動作とを並行処理することが可能になる。
その上、上記第1の実施形態によると、ウエハ交換を行うウエハローダがアライメント系の近辺、特に、各アライメント位置で行えるように配置されているため、ウエハ交換からアライメントシーケンスへの移行がスムースに行われ、より高いスループットを得ることができる。
さらに、上記第1の実施形態によると、上述したような高スループットが得られるため、オフアクシスのアライメント系を投影光学系PLより大きく離して設置したとしてもスループットの劣化の影響が殆ど無くなる。このため、高N.A.(開口数)であって且つ収差の小さい直筒型の光学系を設計して設置することが可能となる。
また、上記第1の実施形態によると、2本のアライメント系及び投影光学系PLの各光軸のほぼ中心を計測する干渉計からの干渉計ビームを各光学系毎に有しているため、アライメント時や投影光学系を介してのパターン露光時のいずれの場合にも2つのウエハステージ位置をアッべ誤差のない状態でそれぞれ正確に計測することができ、2つのウエハステージを独立して移動させることが可能になる。
さらに、2つのウエハステージWS1、WS2が並ぶ方向(ここではX軸方向)に沿って両側から投影光学系PLの投影中心に向けて設けられた測長軸BI1X、BI2Xは、常にウエハステージWS1、WS2に対して照射され、各ウエハステージのX軸方向位置を計測するため、2つのウエハステージが互いに干渉しないように移動制御することが可能になる。
その上、上記測長軸BI1X、BI2Xに対してアライメント系の検出中心や投影光学系PLの投影中心位置に向けて垂直に交差する方向(ここではY軸方向)に測長軸BI3Y、BI4Y、BI5Yが照射されるように干渉計が配置され、ウエハステージを移動させて反射面から測長軸が外れたとしても、干渉計をリセットすることによりウエハステージを正確に位置制御することが可能となる。
そして、2つのウエハステージWS1、WS2上には、それぞれ基準マーク板FM1、FM2が設けられ、その基準マーク板上のマーク位置とウエハ上のマーク位置とを予めアライメント系で計測することによって得られる補正座標系との間隔を、露光前の基準板計測位置に対してそれぞれ加算する事によって、従来の様な投影光学系とアライメント系との間隔を計測するベースライン計測を行うことなくウエハの位置合わせが可能となり、特開平7―176468号公報に記載されるような大きな基準マーク板の搭載も不要となる。
また、上記第1の実施形態によると、複数枚のレチクルRを使って二重露光を行うことから、高解像度とDOF(焦点深度)の向上効果が得られる。しかし、この二重露光法は、露光工程を少なくとも2度繰り返さなければならないため、露光時間が長くなって大幅にスループットが低下するが、本実施形態の投影露光装置を用いることにより、スループットが大幅に改善できるため、スループットを低下させることなく高解像度とDOFの向上効果とが得られる。例えば、T1(ウエハ交換時間)、T2(サーチアライメント時間)、T3(ファインアライメント時間)、T4(1回の露光時間)において、8インチウエハにおける各処理時間をT1:9秒、T2:9秒、T3:12秒、T4:28秒とした場合、1つのウエハステージを使って一連の露光処理が為される従来技術により二重露光が行われると、スループットTHOR=3600/(T1+T2+T3+T4*2)=3600/(30+28*2)=41[枚/時]となり、1つのウエハステージを使って一重露光法を実施する従来装置のスループット(THOR=3600/(T1+T2+T3+T4)=3600/58=62[枚/時])と比べてスループットが66%までダウンする。ところが、本実施形態の投影露光装置を用いてT1、T2、T3とT4とを並列処理しながら二重露光を行う場合は、露光時間の方が大きいため、スループットTHOR=3600/(28+28)=64[枚/時]となることから、高解像度とDOFの向上効果を維持しつつスループットを改善することが可能となる。また、露光時間が長い分、EGA点数を増やすことが可能となり、アライメント精度が向上する。
なお、上記第1の実施形態では、本発明が二重露光法を用いてウエハの露光を行う装置に適用された場合について説明したが、同様の技術であるスティッチングにも適用できる。更に、前述の如く、本発明の装置により、一方のウエハステージ側で2枚のレチクルにて2回露光を行う(二重露光、スティッチング)間に、独立に可動できる他方のウエハステージ側でウエハ交換とウエハアライメントを並行して実施する場合に、従来の一重露光よりも高いスループットが得られるとともに、解像力の大幅な向上が図れるという特に大きな効果があるためである。しかしながら、本発明の適用範囲がこれに限定されるものではなく、一重露光法により露光する場合にも本発明は好適に適用できるものである。例えば、8インチウエハの各処理時間(T1〜T4)が前述と同様であるとすると、本発明のように2つのウエハステージを使って一重露光法で露光処理する場合、T1、T2、T3を1グループとし(計30秒)、T4(28秒)と並列処理を行うと、スループットはTHOR=3600/30=120[枚/時]となり、1つのウエハステージを使って一重露光法を実施する従来のスループットTHOR=62[枚/時]に比べてほぼ倍の高スループットを得る事が可能となる。
また、上記第1の実施形態では、ステップ・アンド・スキャン方式により走査露光を行う場合について説明したが、本発明がこれに限定されるものではなく、ステップ・アンド・リピート方式による静止露光を行う場合及びEB露光装置やX線露光装置、さらにはチップとチップを合成するスティッチング露光時であっても同様に適用できることは勿論である。
《第2の実施形態》
以下、本発明の第2の実施形態を図24ないし図30に基づいて説明する。ここで、前述した第1の実施形態と同一又は同等の構成部分については、同一の符号を用いて説明するものとする。この第2の実施形態では、レチクルステージとして、図24に示されるような3枚のレチクルR3、R4、R5を搭載可能なレチクルステージRSTが用いられている点が、第1の実施形態と異なるのみで、その他の部分の構成は、第1の実施形態と同一である。
本第2の実施形態では、レチクルステージRSTの側面に鏡面加工を施して反射面262を形成し、この反射面262を第1の実施形態における移動鏡34と同様に機能させることにしている。これにより、3枚のレチクルを1つのレチクルステージ上に搭載した場合に、その重量による歪み等から、移動鏡がステージと別体である場合には、その取付け条件によっては取り付け部に経時的な変形等を生じる可能性があったが、そのような不都合の発生を防止することができる。また、図25に示されるように、パターンが形成されたレチクルRの下面と測長軸BI6Xとが同一の高さになるように、レチクルステージRSTのレチクル保持面の上面にレチクルバキューム部260を設けて、アッベ誤差が発生しない様にしている。
この場合、3枚のレチクルR3、R4、R5を独立に吸着可能なようにレチクルバキューム部260a、260b、260cが、図24に示されるように、各レチクルの4角の部分に対向するレチクル保持面にそれぞれ設けられている。
更に、反射面262はレチクル3枚に対し測長軸BI6Xがケラレないように長くとる必要があるので、その平面度を維持することが困難となるが、本第2の実施形態では、次のような工夫により、かかる不都合に起因するレチクルステージRSTの位置制御系の悪化を防止している。
すなわち、予めレチクルステージRSTを走査方向の全ストロークに渡って移動しながら、その際に測長軸BI7Y、BI8Yを有するレチクル干渉計によってレチクルステージRSTの回転をモニタしつつ、測長軸BI6Xを有する2光束干渉計の2本の光軸からの出力差を全ストロークに渡ってサンプリングする。各サンプリング結果(これからレチクルステージRSTの回転誤差分を除いたもの)は、レチクル干渉計BI6Xの2本の光軸の中心位置の仮想的傾きとなるので、この値を積分する事で反射面(移動鏡)262の曲がりを算出できる。従って、本第2の実施形態では、上記のようにして算出した反射面(移動鏡)262の曲がり誤差データ(凹凸データ)をメモリ91に記憶しておいて、主制御装置90がレチクルの移動を行う際の干渉計目標値にその曲がり誤差データ分のオフセットを加える事で、反射面262の曲がり状況に依存する事なく、レチクルステージの位置を精度良く制御する。
レチクルステージRSTが露光中の露光光吸収等あるいは経時的変形のいずれの場合でも、上記の計測を行えば、反射面262の曲がりを求めることができるので、上記計測を定期的に行って、メモリ91内の曲がり誤差データを更新するようにすることが望ましい。また、実際に必要な曲がり誤差データは、3枚のレチクルRに対応する反射面262の曲がり誤差のデータであって、レチクルとレチクルの間の部分に対応する部分の反射面262の曲がり誤差のデータは、必ずしも必要ではなく、その意味では、各レチクルに対応して曲がり誤差のデータを独立に記憶しておけば足りる。これにより、各レチクル位置を正確に制御することが可能となる。
以上のような種々の工夫により、本第2の実施形態では、投影光学系PL上方の照明領域IA位置に、高速に各レチクルRを移動し、スキャン露光できるようになっている。
次に、上記レチクルステージRST上に搭載された3枚のレチクルR3、R4、R5を順次連続して用いて行われる、三重露光法の一例を図26ないし図30に基づいて説明する。
ここでは、図30に示されるコンタクトホールを最終的に得る場合を例にとって説明する。
第1の露光工程においては、図26(B)に示されるようなL/SパターンRP3が形成されたレチクル(以下、説明の便宜上「レチクルR3」と呼ぶ)が用いられ、第2の露光工程においては、図27(B)に示されるようなL/SパターンRP4が形成されたレチクル(以下、説明の便宜上「レチクルR4」と呼ぶ)が用いられ、第3露光工程においては、図29(B)に示されるようなパターンRP5が形成されたレチクル(以下、説明の便宜上「レチクルR5」と呼ぶ)が用いられる。これら図26(B)、図27(B)、図29(B)においてハッチング部分はガラスの光透過部分、その他の部分はCrによる遮光部分となっている。
この場合、レチクルステージRST上には、上記したレチクルR3とR4とR5とが搭載されているものとする(図24参照)。
また、第1の露光工程においては、レチクルR3のパターン形成面に対してほぼフーリエ変換相当面若しくはその近傍の面における光量分布が、図26(A)に示されるような分布となる開口絞り59Cが用いられ、第2の露光工程においては、レチクルR4のパターン形成面に対してほぼフーリエ変換相当面若しくはその近傍の面における光量分布が、図27(A)に示されるような分布となる開口絞り59Dが用いられ、第3の露光工程においては、レチクルR3のパターン形成面に対してほぼフーリエ変換相当面若しくはその近傍の面における光量分布が図29(A)に示されるような分布となる輪帯絞り59Fが用いられる。
まず、第1の露光工程において、主制御装置90は、開口絞り59Cが照明光の光路上に設定されるように、レボルバー駆動機構63を回転制御する。この照明条件の下でレチクルR3を用いて前述した走査露光が行われると、第1の実施形態の第1露光工程と同様の理由により、投影光学系PL内を2光束のみが通過し、完全な2光束干渉となってウエハW上では波面収差が発生しなくなる。この結果、例えば、ウエハW上に塗布されたレジストとして、光の当たる部分にレジスト像が残るネガレジストを用いているものとすると、図26(C)に示されるパターン像P3が現像後に残ることになる(但し、本実施形態の場合は、三重露光が終了するまでは、現実には現像は行われない)。この場合、先に説明したように、パターンRP1の周期方向については、高解像度且つ大焦点深度でパターンRP1の露光を行うことができ、従ってパターン像P3はその周期方向については良好な像となる。
第2の露光工程において、レチクルR4上のパターンRP4は第1の露光工程で形成されるであろう仮想的なL/Sパターン像に直交して配置されている。
主制御装置90は、開口絞り59Dが照明光の光路上に設定されるように、レボルバー駆動機構63を回転制御する。これにより、開口絞り59Dの照明分布の方向と、レチクルR2に形成されたレチクルパターンRP4の方向とが第1の露光工程の場合に対して直交関係になる。そして、上記と同様の2光束干渉条件の下でレチクルR4を用いて前述した走査露光が行われると、図27(C)に実線で示されるようなパターン像P4が現像後に残る筈である。しかし、ここでは、図27(C)に示されるように、破線で示されるパターン像P3の両端部に対して、パターン像P4が重ね合わせ露光される結果、この第2の露光工程終了後に現像を行えば、図28に示されるようなレジスト像が残る筈である(但し、本実施形態の場合は、三重露光が終了するまでは、現実には現像は行われない)。
第1、第2の露光工程の結果得られるパターン像は、中央部に4つ良好なコンタクトホールが得られているが、L/Sの組み合わせである為に図28と図30とを比べると明らかなように、不要な部分にもコンタクトホールが形成されている。
第3の露光工程において、レチクルR5上のパターンRP5は第1、第2の露光工程で形成されるであろう仮想的な図28のパターン像の内、最終的に得たい3つのコンタクトホール部分のみにガラスから成る光透過部が対応して配置されている。
主制御装置90は、輪帯絞り59Fが照明光の光路上に設定されるように、レボルバー駆動機構63を回転制御する。そして、この輪帯照明条件下でレチクルR5を用いて前述した走査露光が行われ、現像が行われると、不要な部分が全部除去され、最終的に図30に示されるように良好なコンタクトホール像が形成される。ここで最後の不要な部分の除去時に使用される照明を輪帯照明としたのは、レチクルパターンRP5にて遮光された位置のコンタクトホールに干渉する事なく、不要な部分を除去するためである。
なお、図29(C)には、レチクルパターンRP5が形成されたレチクルR5を用いて輪帯照明条件下で露光が行われた際に、得られるであろうレジスト像P5が示されている。
以上説明したように、本第2の実施形態によると、複数のレチクル(ここでは3枚)が搭載された1つのレチクルステージの反射面の表面湾曲データを各レチクルに対応させてメモリに記憶しているため、その表面湾曲データに基づいてレチクルステージの位置を補正しながら位置制御を行うようにする。すなわち、3枚のレチクルを搭載することによってレチクルステージが長くなったことにより、あるいは温度分布条件等によりレチクルステージの反射面が変形する場合に生ずる不都合を、反射面の表面湾曲データに基づいて制御位置を補正することにより解消することができる。また、1つのレチクルステージ上に3枚のレチクルが一体化されて搭載されているため、複数のレチクルを用いて交互に重ね合わせ露光する際に高いスループットを得ることが可能になる。
さらに、本第2の実施形態によると、3枚のレチクルを用いて三重露光を行う際に、第1の露光工程と第2の露光工程の重ね合わせ露光の結果形成される、高解像度かつ大焦点深度から成るパターン像のうち、第3の露光工程により特定のパターン以外のパターンを除去することにより、特定のパターンの像のみから成る高解像度なパターン像を得ることができる。
《第3の実施形態》
上述した第1の実施形態及び第2の実施形態では、複数のレチクルを使って二重露光や三重露光を行う場合、例えば、図2あるいは図24に示されるように、1つのレチクルステージRST上に複数のレチクルRを搭載し、このレチクルステージRSTを移動制御することによって、レチクルRを所定方向に走査したり、レチクルRの切り換えが行われたりしていた。これに対し、本第3の実施形態では、複数のレチクルをそれぞれ個別に保持する複数のレチクルステージを有し、それらのレチクルステージがレチクル面と平行な面内を独立に移動可能とした点に特徴がある。
図31及び図32は、本第3の実施形態に係る2つのレチクルステージを独立して移動制御するレチクルステージ装置300の概略構成とその動作を説明する平面図である。
図31に示されるように、このレチクルステージ装置300は、レチクルステージフラットガイド310上に不図示の空気軸受けを介して浮上支持され、X軸方向(図31における紙面左右方向)及びY軸方向(図31における紙面上下方向)に独立して2次元移動可能な2つのレチクルステージ312、314と、レチクルステージ312、314の位置を計測する干渉計システムとを備えている。
前記レチクルステージ312、314の底面には不図示のエアパッド(例えば、真空予圧型空気軸受け)が複数ヶ所に設けられており、レチクルステージ312、314は、エアパッドの空気噴き出し力と真空予圧力とのバランスにより例えば数ミクロンの間隔を保った状態で、レチクルステージフラットガイド310上に浮上支持されている。そして、レチクルステージ312、314は、不図示のレチクル駆動系、例えば、2次元リニアモータによりXY面内でX軸方向及びZ軸回りの回転方向に微小駆動されるとともに、走査方向であるY軸方向には、所定のストロークの範囲で駆動される。レチクルステージ駆動系は、図1のステージ制御装置38によって制御されるようになっている。
前記レチクルステージ312、314上には、レチクル316、320が真空吸着等により固定されている。また、レチクル316、320の紙面左右方向の両端部には、位置合わせ用の複数のレチクルマーク(例えば、特開平7−17648号公報に記載されたようなマーク)が形成されている。
また、レチクルステージ312のX軸方向一側の面(図31における右側面)とY軸方向一側の面(図31における上側面)とは、鏡面仕上げがなされた反射面となっており、同様に、レチクルステージ314のX軸方向一側の面(図31における右側面)とY軸方向の他側の面(図31における下側面)とは、鏡面仕上げがなされた反射面となっている。これらの反射面に、後述する干渉計システムを構成する干渉計からの各測長軸の干渉計ビームが投射され、その反射光を各干渉計で受光することにより、各反射面の基準位置からの変位を計測し、これにより、レチクルステージ312、314の2次元位置がそれぞれ計測されるようになっている。
更に、本第3の実施形態では、一方のレチクルステージ312のレチクルローディング/アンローディングポジション(図31中に実線で示される位置:以下、「レチクル交換位置」という)に対応して第1のマスクアライメント系としての一対のレチクルマーク計測センサ326L1、326R1が設けられ、同様に、他方のレチクルステージ314のレチクルローディング/アンローディングポジション(図31に仮想線で示される位置:以下、「レチクル交換位置」という)に対応して第2のマスクアライメント系としての一対のレチクルマーク計測センサ326L2、326R2が設けられている。レチクルマーク計測センサ326L1、326R1は、レチクルステージ312上のレチクルのレチクルマークを計測してレチクル描画誤差の計測及びサーチアライメント等を行うためのものである。同様に、レチクルマーク計測センサ326L2、326R2は、レチクルステージ314上のレチクルのレチクルマークを計測してレチクル描画誤差の計測及びサーチアライメント等を行うためのものである。
次に、レチクルステージ312、314の位置を管理する干渉計システムについて説明する。
この干渉計システムは、Y軸方向の一側からレチクルステージ312のY軸方向の位置を常に計測する第1測長軸としての測長軸BI11Yと、Y軸方向の他側からレチクルステージ314のY軸方向の位置を常に計測する第2測長軸としての測長軸BI12Yと、投影光学系PLの露光位置(照明領域IAの位置)でY軸と垂直に交差する第3測長軸としての測長軸BI13Xと、レチクルマーク計測センサ326L1、326R1の検出位置でY軸と垂直に交差する第4測長軸としての測長軸BI14Xと、レチクルマーク計測センサ326L2、326R2の検出位置でY軸と垂直に交差する第5測長軸としてのBI15Xとを有し、これらの測長軸によりレチクルステージ312及びレチクルステージ314の2次元位置をそれぞれ計測する。
本第3の実施形態では、走査露光を行う場合、照明領域IAの近くまでレチクルを移動させて走査することにより露光動作が行われるが、この露光時におけるレチクルステージ312、314のX方向の位置計測には、照明領域IAの位置でY軸と垂直に交差する測長軸BI13Xの干渉計の計測値が用いられるため、照明領域IAにいずれかのレチクルステージ(312又は314)を移動させる場合は、干渉計をリセットすることにより測長軸BI14X←→BI13Xの切り換え、測長軸BI15X←→BI13Xの切り換えを行う必要がある。このように、使用条件によって、X軸方向の干渉計の測長軸がレチクルステージ312、314の反射面より外れるが、少なくとも1つの測長軸、すなわち測長軸BI11Y、BI12Yは、それぞれのレチクルステージ312、314の反射面から外れることがないので、使用する干渉計光軸が反射面上に入った適宜な位置でX側の干渉計のリセットを行うことができる。この干渉計のリセット方法については、後に詳述する。
さらに、本第3の実施形態では、搬送システムとしてのレチクルステージ312との間でレチクルの受け渡しを行う第1のレチクル搬送系322と、レチクルステージ314との間でレチクルの受け渡しを行う第2のレチクル搬送系324とが設けられている。第1のレチクル搬送系322は、図31に示されるように、レチクル交換位置にあるレチクルステージ312との間でレチクル交換を行い、第2のレチクル搬送系324は、図31に示されるように、レチクル交換位置にある仮想線で示したレチクルステージ314との間でレチクル交換を行う。ここでは、第1のレチクル搬送系322、第2のレチクル搬送系324ともに、それぞれのF字状の搬送アームのみが示されているので、以下では、特に必要がない限り、搬送アーム322、324と呼ぶ。これらの搬送アーム322、324には、レチクルを吸着して保持するための吸着部322a、324aがそれぞれ数個所に設けられている。
以上が、本第3の実施形態に係る走査型露光装置の特徴的な構成であり、その他の部分は、第1の実施形態の走査型露光装置と同様に構成されている。
次に、上述のようにして構成された本第3の実施形態の走査型露光装置による三重露光のシーケンスの一例について図31及び図32を用いて説明する。
まず、搬送アーム324によりレチクル320が搬送され、図31中に仮想線で示されるレチクル交換位置に待機しているレチクルステージ314に渡され、該レチクルステージ314上にセッティングされる。このレチクル320のセッティング後、主制御装置90では、レチクルステージ314を移動させながらレチクルマーク計測センサ326L2、326R2を使ってレチクル320の両端部に形成された不図示のレチクルマークを計測することにより、レチクル上描画誤差を補正したレチクル座標を求める。このレチクルマークの計測に先立って、主制御装置90では測長軸BI15Xの干渉計のリセットが実行される。
上記のレチクル320のセッティング及びレチクルマーク計測等が行われた後(あるいはこれと並行して)、搬送アーム322によりレチクル316が搬送され、図31中に実線で示されるレチクル交換位置に待機しているレチクルステージ312に渡され、該レチクルステージ312上にセッティングされる。このレチクル316のセッティング後、主制御装置90ではレチクルステージ312を移動させながらレチクルマーク計測センサ326L1、326R1を使ってレチクル316の両端部に形成された不図示のレチクルマークを計測することにより、レチクル上描画誤差を補正したレチクル座標を求める。このレチクルマークの計測に先立って、主制御装置90では測長軸BI14Xの干渉計のリセットを実行している。
次に、主制御装置90では、レチクルステージ314を第1の実施形態で説明したウエハステージの場合と同様に測長軸BI12Yの干渉計の計測値に基づいて投影光学系PL上方の照明領域IAまで移動させて、レチクル320上のレチクルマークとウエハステージ上の基準板FMとを用いて、レチクルアライメント(ファインアライメント)を行う。このレチクルアライメントに先立って主制御装置90では測長軸BI13Xの干渉計のリセットを実行している。これにより、レチクル座標とウエハ座標の対応をとることができる。そして、主制御装置90では、レチクル320を用いて一方のウエハステージ上のウエハ全面に対してステップ・アンド・スキャン方式により露光を行う(第1の露光工程)。
このようにしてレチクル320による露光が終了すると、レチクルステージ314をレチクル交換位置(図31の仮想線位置)まで戻し、これと並行してレチクルステージ312を上記と同様に測長軸BI11Yの干渉計の計測値に基づいて投影光学系PL上方の照明領域IAまで移動させて、レチクル316上のレチクルマークとウエハステージ上の基準板FMとを用いて、レチクルアライメント(ファインアライメント)を行う(図32参照)。この場合も、このレチクルアライメントに先立って主制御装置90では測長軸BI13Xの干渉計のリセットを実行している。そして、主制御装置90では、レチクル316を用いて一方のウエハステージ上のウエハ全面に対して第1の露光工程で露光されたレチクル320の露光パターンに対して所定の条件で重ね合わせ露光が為されるようにステップ・アンド・スキャン方式で露光を行う(第2の露光工程)。
このレチクル316を用いての第2の露光工程における露光が行われているのと並行して、主制御装置90では、搬送アーム324により図32に実線で示される交換位置で待機しているレチクルステージ314上で先の露光で用いたレチクル320とレチクル318との交換を行った後、レチクルマーク計測センサ326L2、326R2によるレチクル318上のレチクルマーク計測及びこれに先立つ測長軸BI15Xの干渉計のリセットを実行している。そして、レチクルステージ314をそのまま待機させる。
そして、レチクル316による第2の露光工程の露光が終了した時点で、主制御装置90では、レチクルステージ312をレチクル交換位置に戻し、これと並行してレチクルステージ314を上記と同様に測長軸BI12Yの干渉計の計測値に基づいて投影光学系PL上方の照明領域IAまで移動させて、レチクル318上のレチクルマークとウエハステージ上の基準板FMとを用いて、レチクルアライメント(ファインアライメント)が行われる。この場合も、このレチクルアライメントに先立って主制御装置90では測長軸BI13Xの干渉計のリセットを実行している。そして、主制御装置90では、一方のウエハステージ上のウエハ全面に対してレチクル320、316によって先に形成されたウエハ上のパターンに対して所定の条件で重ね合わせ露光がなされるように、レチクル318を用いてステップ・アンド・スキャン方式で露光を行う(第3の露光工程)。この第3の露光工程の状態は、丁度、図31に示されるレチクル320がレチクル318と入れ替わったのと同じ状態になる。
このようにして、ウエハ1枚に対する露光が終了すると、ウエハステージ側ではウエハステージの交換が第1の実施形態で説明したように行われ、他方のウエハステージ上のウエハに対して上記と同様に三重露光が行われることになる。但し、この他方のウエハステージ上の次ウエハに対する露光工程では、上述した第3露光工程終了の状態(図31においてレチクル320と318とが入れ替わった状態)から明らかなように、既にレチクルステージ312、314上にはレチクル316と318が搭載されているため、露光に使用されるレチクルの順番が入れ替わる。すなわち、この次ウエハの露光工程ではレチクル318→レチクル316→(レチクル318とレチクル320を交換)→レチクル320というように露光順序が入れ替わることになる。このようにするのは、1枚目のウエハ露光工程が終了し、レチクルを交換せずに次の露光処理を行った方が露光処理時間を短縮(スループットを向上)することができるためである(但し、次のウエハ露光工程を開始するまでの間に、ウエハステージの交換を行う僅かな時間は必要となる)。
以上説明したように、本第3の実施形態によると、レチクルをそれぞれ保持して2次元面内を独立して移動する2つのレチクルステージを設け、各レチクルステージの位置をレチクル交換位置と露光位置とでそれぞれ管理する干渉計測長軸を異ならしめ、それらの測長軸の干渉計を必要に応じて切り換える(干渉計のリセットを行う)ようにしたことから、複数のレチクルを用いて露光を行う場合であっても、各レチクルステージの小型軽量化を図ることができ、各レチクルステージの位置制御性の向上、ウエハステージとの同期走査時の同期精度の向上を図ることが可能となる。
また、レチクルステージ312上のレチクル316を用いて露光が行われるのと並行して、レチクルステージ314上でレチクル320とレチクル318との交換及び該レチクル318に対するレチクルマーク計測センサ326L2、326R2によるレチクル318上のレチクルマーク計測を行うようにした。すなわち、一方のレチクルステージ上のレチクルを用いて露光している間に、他方のレチクルステージ上でレチクル交換、及びその交換したレチクルの複数のレチクルマークの位置検出を行うようにしたことから、3枚のレチクルを用いるにもかかわらず、高スループットが実現できるとともに、3枚のレチクルを一列に並べて駆動する場合と比べると、レチクルの駆動範囲が小さくなり、フットプリントを小さくすることができるという利点もある。
更に、レチクル交換位置でレチクルマーク計測センサ326L1、326R1、及び326L2、326R2により予めレチクルアライメントを実行するようにしたことから、レチクルの描画誤差計測及びサーチアライメント等が予め終了した状態で、露光前に照明領域IA上で行われるレチクルとウエハステージの基準板FMとを用いたレチクルのファインアライメントに要する時間を短縮することができる。
また、上述した3枚のレチクルを用いる露光条件というのは、コンタクトホール等を形成する場合の限られた露光工程であるが、2枚交換型のレチクル駆動に最適化された本第3の実施形態の場合は、それらを共用することができるという点から考えてコストパフォーマンスが高いといえる。
なお、上記第3の実施形態の場合は、レチクルステージ314側でのみレチクル交換を行う場合について説明したが、レチクルステージ312側でもレチクル交換が可能であるので、最大4枚まで高速レチクル交換を行うことも可能である。
また、上記第3の実施形態中では特に説明しなかったが、使用するレチクルに応じて変形照明条件、ウエハベストフォーカス位置、ディストーション補正機構、像面・アス補正システム等を駆動する事により、各露光条件に合ったセッティングが行われるが、勿論これらの制御内容もウエハ毎に、使用されるレチクルの露光順序の変化に伴って変更されることは勿論である。
さらに、上記第3の実施形態では、例えば、レチクル320と318との交換が行われるが、レチクル交換の際にレチクルとレチクルステージ上の吸着部との間にゴミが挟まったり、姿勢の変化によりディストーション値が変わった場合(レチクルのたわみ変化によるレチクル厚みに依存した誤差)であっても、予め計測しておくことにより補正する事が可能となる。
以上説明したように、本発明の投影露光装置及び投影露光方法は、半導体デバイス等の電子デバイスを製造するのに適している。
本第1の実施形態にかかる投影露光装置の概略構成を示す図である。 2つのウエハステージとレチクルステージと投影光学系とアライメント系の位置関係を示す斜視図である。 ウエハステージの駆動機構の構成を示す平面図である。 投影光学系とアライメント系にそれぞれ設けられているAF/AL系を示す図である。 AF/AL系とTTRアライメント系の構成を示す投影露光装置の概略構成を示す図である。 図5のパターン形成板の形状を示す図である。 照明系開口絞り板の一例を示す図である。 2つのウエハステージを使ってウエハ交換・アライメントシーケンスと露光シーケンスとが行われている状態を示す平面図である。 図8のウエハ交換・アライメントシーケンスと露光シーケンスとの切り換えを行った状態を示す図である。 2枚のレチクルを保持する二重露光用のレチクルステージを示す図である。 図11(A)は、図10のパターンAのレチクルを使ってウエハの露光を行った状態を示す図であり、図11(B)は図10のパターンBのレチクルを使ってウエハの露光を行った状態を示す図である。 2つのウエハステージの一方に保持されたウエハ上の各ショット領域毎の露光順序を示す図である。 2つのウエハステージの他方に保持されたウエハ上の各ショット領域毎のマーク検出順序を示す図である。 図14(A)及び図14(B)は、第1の実施形態における二重露光の基本原理を説明する図であり、このうち図14(A)は開口絞りを示す図であり、図14(B)は露光に用いるレチクルパターンの図である。 第1の実施形態における二重露光の基本原理を説明する投影露光装置の概略構成図である。 図16(A)〜図16(C)は、第1の実施形態における二重露光の第1の露光工程を示す図であり、このうち図16(A)は開口絞りであり、図16(B)はレチクルパターンであり、図16(C)は図16(B)のレチクルパターンを用いて露光した場合の予想形成パターンである。 図17(A)〜図17(C)は、第1の実施形態における二重露光の第2の露光工程を示す図であり、図17(A)は開口絞りであり、図17(B)はレチクルパターンであり、図17(C)は図17(B)のレチクルパターンを用いて露光した場合の予想形成パターンである。 第1の実施形態おける二重露光の結果形成される完成パターンを示す図である。 複数のレチクルカセットを固定部材で固定して一体化した状態の斜視図である。 図19のA線位置の縦断面図である。 図19のレチクルカセットを収容するレチクルライブラリの斜視図である。 複数のレチクルカセットをカセット固定部材で固定した状態を示す正面図である。 図22のレチクルカセット等が収容された状態を示すレチクルライブラリの正面図である。 第2の実施形態において3枚のレチクルが搭載可能なレチクルステージの斜視図である。 図24のB−B線断面図である。 図26(A)〜図26(C)は、第2の実施形態における三重露光の第1の露光工程を示す図であり、このうち図26(A)は開口絞りであり、図26(B)はレチクルパターンであり、図26(C)は図26(B)のレチクルパターンを用いて露光した場合の予想形成パターンである。 図27(A)〜図27(C)は、第2の実施形態における三重露光の第2の露光工程を示す図であり、このうち図27(A)は開口絞り、図27(B)はレチクルパターンであり、図27(C)は図27(B)のレチクルパターンを用いて露光した場合の予想形成パターンである。 第2の露光工程後に現像した場合に形成される予想形成パターンである。 図29(A)〜図29(C)は、第2の実施形態における三重露光の第3の露光工程を示す図であり、このうち図29(A)は開口絞りであり、図29(B)はレチクルパターンであり、図29(C)は図29(B)のレチクルパターンを用いて露光した場合の予想形成パターンである。 第2の実施形態おける三重露光の結果形成される完成パターンを示す図である。 第3の実施形態に係る2つのレチクルステージを独立して移動制御するレチクルステージ装置の概略構成とその動作を説明する平面図である。 第3の実施形態に係る2つのレチクルステージを独立して移動制御するレチクルステージ装置の概略構成とその動作を説明する平面図である。
符号の説明
10…投影露光装置、90…主制御装置、91…メモリ、216…固定部材、212,214,232,234,236…レチクルカセット、238a,238b,238c…カセット固定部材、220,242…レチクルライブラリ、262…反射面、312,314…レチクルステージ、316,318…レチクル、322,324…搬送アーム、326L1,326R1,326L2,326R2…レチクルマーク計測センサ、W1,W2…ウエハ、PL…投影光学系、BI11X〜BI12Y…測長軸、BI13X〜BI15X…測長軸、RST…レチクルステージ、R1〜R5…レチクル、RP1〜RP5…レチクルパターン、AX…光軸、L1…照明光束、IA…照明領域。

Claims (10)

  1. 照明光により照明された所定の照明領域に対してマスクを走査方向に移動させるのに同期して前記照明領域に共役な露光領域に対して感応基板を前記走査方向に移動させることにより前記マスクのパターンを感応基板に露光する走査型の投影露光装置であって、
    前記マスクを複数搭載して、前記マスクをその面内で駆動可能で且つ、前記走査方向と直交する非走査方向の側部に反射面が形成されたマスクステージと;
    予め計測された前記反射面の表面湾曲データが各マスクに対応して独立に記憶された記憶手段と;
    前記記憶手段に記憶された前記反射面の表面湾曲データに基づいて前記マスクステージ位置を制御する制御部と;
    を備える投影露光装置。
  2. 複数のマスクに形成されたパターンの像を投影光学系を介して感応基板上にそれぞれ投影露光する投影露光装置であって、
    第1のマスクを搭載して2次元平面内を移動可能な第1のマスクステージと;
    第2のマスクを搭載して前記第1のマスクステージと同一平面内を前記第1のマスクステージとは独立に移動可能な第2のマスクステージと;
    前記投影光学系とは別に設けられ、前記第1のマスク及び前記第2のマスクのマークを検出するマスクアライメント系と;
    前記第1のマスクステージ及び前記第2のマスクステージとの間でマスクの受け渡しを行う搬送システムと;
    前記第1のマスクステージ及び前記第2のマスクステージのいずれか一方のマスクステージ上のマスクを用いて前記投影光学系を介した露光が行われる間に、他方のマスクステージで前記搬送システムによるマスク交換、あるいは前記マスクアライメント系によるマーク検出のうち少なくとも一方が並行処理されるように、前記第1のマスクステージ、前記第2のマスクステージ及び前記搬送システムをそれぞれ制御する制御部と;
    を備える投影露光装置。
  3. 前記マスクアライメント系は、前記第1のマスクステージ上の第1のマスクのマークを検出する第1のマスクアライメント系と、前記投影光学系と前記第1のマスクアライメント系とを結ぶ第1軸方向で前記投影光学系を介して前記第1のマスクアライメント系と反対側に設けられ、前記第2のマスクステージ上の第2のマスクのマークを検出する第2のマスクアライメント系とを有し、
    前記第1軸方向の一方側から前記第1のマスクステージの前記第1軸方向の位置を常に計測する第1測長軸と、前記第1軸方向の他方側から前記第2のマスクステージの前記第1軸方向の位置を常に計測する第2測長軸と、前記投影光学系の露光位置で前記第1軸と垂直に交差する第3測長軸と、前記第1のマスクアライメント系の検出位置で前記第1軸と垂直に交差する第4測長軸と、前記第2のマスクアライメント系の検出位置で前記第1軸と垂直に交差する第5測長軸とを有し、これらの測長軸により前記第1のマスクステージ及び前記第2のマスクステージの2次元位置をそれぞれ計測する干渉計システムをさらに備え、
    前記制御部は、前記第1のマスクステージを、前記干渉計システムの前記第4測長軸の計測値を用いて管理される位置から露光位置へ移動させた際に、前記第3測長軸の計測値を用いて前記マスクステージの位置計測が可能な状態で第3測長軸の干渉計をリセットし、前記第1のマスクステージを、前記第3測長軸の計測値を用いて管理される位置からアライメント位置へ移動させた際に、前記第4測長軸の計測値を用いて前記マスクステージの位置計測が可能な状態で第4測長軸の干渉計をリセットするとともに、
    前記第2のマスクステージを、前記干渉計システムの前記第5測長軸の計測値を用いて管理される位置から露光位置へ移動させた際に、前記第3測長軸の計測値を用いて前記マスクステージの位置計測が可能な状態で第3測長軸の干渉計をリセットし、前記第2のマスクステージを、前記第3測長軸の計測値を用いて管理される位置からアライメント位置へ移動させた際に、前記第5測長軸の計測値を用いて前記マスクステージの位置計測が可能な状態で第5測長軸の干渉計をリセットすることを特徴とする請求項2に記載の投影露光装置。
  4. 複数のマスクに形成されたパターンの像を投影光学系を介して感応基板上にそれぞれ投影露光する投影露光装置であって、
    前記各マスクを独立して収納可能な収納領域が複数設けられ、前記各収納領域にそれぞれマスクを収納する収納容器と;
    前記収納容器を容器単位で収容するマスクライブラリと;
    を備える投影露光装置。
  5. 複数のマスクに形成されたパターンの像を投影光学系を介して感応基板上にそれぞれ投影露光する投影露光装置であって、
    前記各マスクをそれぞれ個別に収納する複数の個別収納容器と;
    前記個別収納容器を複数まとめて固定する固定具と;
    前記固定具で固定され一体化された複数の個別収納容器及び前記個別収納容器単体を収容可能なマスクライブラリと;
    を備える投影露光装置。
  6. 前記固定具は、前記個別収納容器を複数重ね合わせ方向に所定間隔を隔てた状態で連結する連結具であることを特徴とする請求項5に記載の投影露光装置。
  7. マスクに形成されたパターンの像を投影光学系を介して感応基板上に投影露光する投影露光装置であって、
    マスクを搭載して2次元平面内を移動可能な第1のマスクステージと;
    マスクを搭載して、前記第1のマスクステージとは独立に移動可能な第2のマスクステージと;
    前記投影光学系とは別に設けられ、マスクのマークを検出する検出系と;
    マスクの交換を行うための搬送システムと;
    前記第1のマスクステージ及び前記第2のマスクステージの一方のマスクステージ上のマスクを用いて前記投影光学系を介した露光が行われる間に、他方のマスクステージ側で前記搬送システムによるマスク交換、あるいは前記検出系によるマーク検出のうち少なくとも一方が並行処理されるように、前記第1のマスクステージ、及び前記第2のマスクステージの移動を制御する制御部と;
    を備える投影露光装置。
  8. 感応基板を保持して2次元方向に移動可能な第1基板ステージと;
    感応基板を保持して、前記第1基板ステージとは独立に、2次元方向に移動可能な第2基板ステージとを更に備え、
    前記制御部は、前記第1基板ステージ及び第2基板ステージのうちの一方の基板ステージに保持された感応基板上のマーク検出を行うアライメントシーケンスを実行している間に、他方の基板ステージに保持された感応基板の露光を行う露光シーケンスが実行されるように、前記第1基板ステージと前記第2基板ステージの移動をそれぞれ制御する請求項1、2、7のいずれか一項に記載の投影露光装置。
  9. 複数のマスクに形成されたパターンの像を投影光学系を介して感応基板上にそれぞれ投影露光する投影露光方法であって、
    第1マスクを用いて第1基板ステージに保持された感応基板を露光した後に、第2マスクを用いて前記第1基板ステージに保持された感応基板を露光し;
    前記第1基板ステージに保持された感応基板を露光している間に、第2基板ステージに保持された感応基板上のアライメントマークを検出し;
    前記第1基板ステージに保持された感応基板を前記第2マスクを用いて露光した後であって、前記第2基板ステージに保持された感応基板上のアライメントマークを検出した後に、前記第2基板ステージに保持された感応基板を前記第2マスクを用いて露光し;
    前記第2基板ステージに保持された感応基板を前記第2マスクを用いて露光した後に、前記第2基板ステージに保持された感応基板を前記第1マスクを用いて露光する投影露光方法。
  10. 前記第1基板ステージに保持された感応基板を露光している間に、前記第2基板ステージに保持された感応基板上のアライメントマークを検出することによって、前記第2基板ステージに設けられた基準と前記第2基板ステージに保持された感応基板上のショット領域との位置関係を求め;
    前記第1基板ステージに保持された感応基板を前記第2マスクを用いて露光した後であって、前記第2基板ステージに保持された感応基板上のアライメントマークを検出した後に、前記第2マスクのマークと前記第2基板ステージに設けられた基準との位置関係を前記投影光学系を介して検出し、前記求められた前記第2基板ステージの基準と前記ショット領域との位置関係と、前記検出された前記第2基板ステージの基準と前記2マスクのマークとの位置関係とに基づいて、前記第2基板ステージに保持された感応基板を前記第2マスクを用いて露光し;
    前記第2基板ステージに保持された感応基板を前記第2マスクを用いて露光した後に、前記第1マスクのマークと前記第2基板ステージに設けられた基準との位置関係を前記投影光学系を介して検出し、前記求められた前記第2基板ステージの基準と前記ショット領域との位置関係と、前記検出された前記第2基板ステージの基準と前記1マスクのマークとの位置関係とに基づいて、前記第2基板ステージに保持された感応基板を前記第1マスクを用いて露光する請求項9に記載の投影露光方法。
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JP2009258391A (ja) * 2008-04-16 2009-11-05 Nikon Corp ステージ装置、露光方法及び装置、並びにデバイス製造方法

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