JPH11214295A - 露光装置、露光条件決定方法及び露光方法、並びにデバイス製造方法 - Google Patents

露光装置、露光条件決定方法及び露光方法、並びにデバイス製造方法

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JPH11214295A
JPH11214295A JP10026384A JP2638498A JPH11214295A JP H11214295 A JPH11214295 A JP H11214295A JP 10026384 A JP10026384 A JP 10026384A JP 2638498 A JP2638498 A JP 2638498A JP H11214295 A JPH11214295 A JP H11214295A
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JP
Japan
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mask
suction
exposure
optical system
test pattern
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Withdrawn
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JP10026384A
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English (en)
Inventor
Yuji Imai
裕二 今井
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
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Publication of JPH11214295A publication Critical patent/JPH11214295A/ja
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70691Handling of masks or workpieces

Abstract

(57)【要約】 【課題】 マスクの歪みに起因する露光不良の発生を効
果的に防止する。 【解決手段】 マスクステージRSの複数の吸着部34
によりマスクRの周辺部が吸着保持され、この状態で主
制御装置44により、前記各吸着部34が独立して投影
光学系PLの光軸AX方向に駆動される。この場合、主
制御装置44では各吸着部を適宜駆動することにより、
マスクRに歪みが殆ど生じない状態で複数の吸着部34
によりマスクが保持されるようになる。従って、この状
態で、マスクRに形成されたパターンを投影光学系PL
を介して感応基板W上に転写することにより、マスクの
歪みに起因する位置ずれやデフォーカスによる像ぼけの
ないパターンの転写像を感応基板上に形成することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、露光装置、露光条
件決定方法及び露光方法、並びにデバイス製造方法に係
り、更に詳しくは、半導体素子、液晶表示素子等をリソ
グラフィ工程で製造する際に用いられる露光装置、該露
光装置による感応基板(ウエハ、ガラスプレート等)の
露光条件を決定する決定方法、及びこの決定方法により
決定された露光条件を用いて露光を行う露光方法、並び
にデバイス製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体素子又は液晶表示素子
等をフォトリソグラフィ工程で製造する場合に、種々の
露光装置が使用されているが、現在では、フォトマスク
又はレチクル(以下、適宜「レチクル」と総称する)の
パターンを表面にフォトレジスト等の感光剤が塗布され
た基板、例えばウエハ上に投影光学系を介して転写する
露光装置、例えばステップ・アンド・リピート方式の縮
小投影型露光装置(いわゆるステッパ)やステップ・ア
ンド・スキャン方式の走査型露光装置などが一般的に使
用されている。
【0003】この種の露光装置では、レチクルを保持す
るレチクルステージ上には複数の吸着部(プレテン部と
も呼ばれる)が設けられており、これらの吸着部によっ
てレチクルの周辺部を吸着(例えば真空吸着)した状態
で、レチクルのパターンが投影光学系を介してウエハ上
に転写されるようになっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の露光装置にあっては、レチクルを吸着部に吸着固定
したとき、レチクルに歪みを与え、この状態でレチクル
のパターンが投影光学系を介して転写されると、そのパ
ターンの転写像に位置ずれ、あるいはデフォーカスによ
る像ぼけが生じ、露光不良が生ずるという不都合があっ
た。この露光不良は、当然に集積回路等のマイクロデバ
イスの製造に際しての歩留まり悪化の要因となる。
【0005】本発明は、かかる従来技術の有する不都合
に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、マスクの
歪みに起因する露光不良の発生を効果的に防止すること
ができる露光装置を提供することにある。
【0006】また、本発明の第2の目的は、マスクの歪
みの発生による露光不良が発生するのを防止する露光条
件決定方法を提供することにある。
【0007】また、本発明の第3の目的は、マスクの歪
みに起因する露光不良の発生を効果的に防止することが
できる露光方法を提供することにある。
【0008】さらに、本発明の第4の目的は、高集積度
のマイクロデバイスの製造に際してその歩留まりを向上
させることができるデバイス製造方法を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、マスク(R)に形成されたパターンを投影光学系
(PL)を介して感応基板(W)上に転写する露光装置
であって、前記マスクに対する接触面(34d)が形成
され、該接触面に前記マスクの周辺部を吸着及び吸着解
除することにより、前記マスクを着脱自在に保持する複
数の吸着部(34)を有するマスクステージ(RS)
と;前記複数の吸着部の内の特定の1つを除く残りの吸
着部、あるいは全ての吸着部を、独立して前記投影光学
系の光軸(AX)方向に駆動する駆動装置(38、4
4)とを備える。
【0010】これによれば、マスクステージの複数の吸
着部の接触面にマスクの周辺部が接触した状態で該マス
クが吸着保持され、この状態で駆動装置により、複数の
吸着部の内の特定の1つを除く残りの吸着部、あるいは
全ての吸着部が、独立して投影光学系の光軸方向に駆動
される。このため、例えば、駆動装置では各吸着部を適
宜駆動することにより、マスクに歪みが殆ど生じない状
態(ほぼ平面状態)で、複数の吸着部によりマスクが保
持されるようになる。従って、この状態で、マスクに形
成されたパターンを投影光学系を介して感応基板上に転
写することにより、マスクの歪みに起因する位置ずれや
デフォーカスによる像ぼけのないパターンの転写像を感
応基板上に形成することができ、これによりマスクの歪
みに起因する露光不良の発生を防止することができる。
【0011】この場合において、請求項2に記載の発明
の如く、前記マスク(R)の所定の基準面に対する前記
光軸(AX)方向の相対位置を計測する計測装置を更に
備えていても良い。かかる場合には、計測装置により、
前記各吸着部の近傍でマスクの所定の基準面に対する光
軸方向の相対位置を計測することにより、マスクがほぼ
平面状態となる前記各吸着部の駆動量を求めることがで
きるからである。
【0012】前記の計測装置としては、種々のものが考
えられるが、要は、請求項3に記載の発明の如く、前記
計測装置は、前記マスクの前記光軸方向の駆動が可能な
吸着部の近傍位置で前記マスクの所定の基準面に対する
前記光軸方向の相対位置を計測できれば良い。具体的に
は、請求項4に記載の発明の如く、前記計測装置は、前
記感応基板(W)表面とほぼ同一面である前記基準面に
対する前記マスクの前記光軸方向の相対距離を前記投影
光学系を介して計測する焦点距離計測装置(30)であ
っても良く、あるいは、請求項5に記載の発明の如く、
前記計測装置は、前記投影光学系(PL)と前記マスク
(R)との間の前記光軸(AX)方向の距離を計測する
装置であっても良い。
【0013】また、上記請求項2に記載の露光装置にお
いて、請求項6に記載の発明の如く、前記駆動装置(3
8、44)は、前記吸着部(34)による前記マスク
(R)の吸着状態で前記計測装置の計測結果に基づいて
前記マスクのパターン面がほぼ平面となるように前記各
吸着部を独立して駆動するようにすることが望ましい。
かかる場合には、露光に先立ってあるいは露光中に速や
かに、マスクのパターン面をほぼ平面状態にすることが
できる。
【0014】請求項7に記載の発明は、前記請求項1に
記載の露光装置において、前記吸着部(34)によりテ
ストパターン(M1、M2、等)が形成された所定の計
測用マスク(R1)を吸着した状態で前記感応基板上の
所定領域に転写された前記テストパターンの第1の転写
像(例えばM1’、M2’)と前記吸着部による前記計
測用マスクの吸着を解除した状態で前記感応基板上の前
記所定領域と異なる領域に転写された前記テストパター
ンの第2の転写像(例えばM1”、M2”)との位置ず
れ量を計測する位置ずれ計測装置(AS’)と;前記位
置ずれ計測装置の計測結果に基づいて前記位置ずれ量が
所定値以下となるような前記各吸着部の駆動量を算出す
る演算装置(44)とを更に備え、前記駆動装置(3
8、44)が、前記演算装置で算出された駆動量に基づ
いて前記各吸着部を駆動することを特徴とする。
【0015】これによれば、吸着部による所定の計測用
マスクの吸着状態で前記感応基板上の所定領域に前記計
測用マスク上に形成されたテストパターンを転写し、吸
着部による計測用マスクの吸着解除状態で感応基板上の
所定領域と異なる領域にテストパターンを転写した後、
それぞれのテストパターンの転写像間の位置ずれ量(第
1の転写像と第2の転写像との位置ずれ量)が位置ずれ
計測装置で計測される。そして、演算装置によりその位
置ずれ計測装置の計測結果に基づいて前記位置ずれ量が
所定値以下となるような前記各吸着部の駆動量が算出さ
れる。この場合、投影光学系の結像特性が設計値通りに
調整され且つ感応基板が投影光学系の結像面に一致して
いるものとすると、吸着部による吸着が解除された状態
では、マスクには吸着に起因する歪みが生じないので、
前記第1の転写像には位置ずれ等は生じない。従って、
第1の転写像と第2の転写像との位置ずれは、吸着によ
るマスクの歪みに対応したものとなる。従って、演算装
置によりその位置ずれ計測装置の計測結果に基づいて算
出される、位置ずれ量が所定値以下になるような各吸着
部の駆動量とは、マスクの歪みを許容範囲内にするため
の各吸着部の駆動量に他ならない。この結果、駆動装置
が、演算装置で算出された駆動量に基づいて前記各吸着
部を駆動することにより、マスクの歪みは許容範囲内に
補正される。この状態で、マスクに形成されたパターン
を投影光学系を介して感応基板上に転写することによ
り、マスクの歪みに起因する位置ずれやデフォーカスに
よる像ぼけが許容範囲内のパターンの転写像を感応基板
上に形成することができ、これによりマスクの歪みに起
因する露光不良の発生を防止することができる。
【0016】請求項8に記載の発明は、請求項1に記載
の露光装置において、前記吸着部(34)によりテスト
パターン(M1、M2等)が形成された所定の計測用マ
スク(R1)を吸着した状態で行われる第1露光と前記
吸着部による前記計測用マスクの吸着解除状態で行われ
る第2露光とで、前記感応基板の同一領域に重ねて転写
された前記テストパターンの転写像(例えばM1’、M
2’)の線幅を計測する線幅計測装置(AS)と;前記
線幅計測装置の計測結果に基づいて前記線幅の基準値か
らの変化量が所定値以下となるような前記各吸着部の駆
動量を算出する演算装置(44)とを更に備え、前記駆
動装置(38、44)が、前記演算装置で算出された駆
動量に基づいて前記各吸着部を駆動することを特徴とす
る。
【0017】これによれば、吸着部による所定の計測用
マスクの吸着状態で感応基板上の所定領域に計測用マス
ク上に形成されたテストパターンを転写(第1露光)
し、吸着部による計測用マスクの吸着解除状態で感応基
板上の前記所定領域にテストパターンを重ねて転写(第
2露光)した後、線幅計測装置によりその感応基板の同
一領域に重ねて転写されたテストパターンの転写像の線
幅が計測されると、演算装置によりその線幅計測装置の
計測結果に基づいて線幅の基準値からの変化量が所定値
以下となるような前記各吸着部の駆動量が算出される。
この場合、投影光学系の結像特性が設計値通りに調整さ
れ且つ感応基板が投影光学系の結像面に一致しているも
のとすると、吸着部により吸着が解除された状態では、
マスクには吸着に起因する歪みが生じないので、上記第
1露光では基準値にほぼ一致した線幅の転写像が感応基
板上に形成される。従って、線幅計測装置によって計測
される、上記の感応基板の同一領域に重ねて転写された
テストパターンの転写像の線幅の基準値からのずれは、
吸着によるマスクの歪みに対応したものとなる。従っ
て、演算装置により算出される、前記線幅の基準値から
の変化量が所定値以下となるような各吸着部の駆動量と
は、マスクの歪みを許容範囲内にするための各吸着部の
駆動量に他ならない。従って、駆動装置が、演算装置で
算出された駆動量に基づいて前記各吸着部を駆動するこ
とにより、マスクの歪みは許容範囲内に補正される。こ
の状態で、マスクに形成されたパターンを投影光学系を
介して感応基板上に転写することにより、マスクの歪み
に起因する位置ずれやデフォーカスによる像ぼけが許容
範囲内にあるパターンの転写像を感応基板上に形成する
ことができ、これによりマスクの歪みに起因する露光不
良の発生を防止することができる。
【0018】請求項9に記載の発明に係る露光条件の決
定方法は、マスクステージ上に複数の吸着部を介してマ
スクを保持し、前記マスクに形成されたパターンを投影
光学系を介して感応基板上に転写するための露光条件の
決定方法であって、所定のテストパターンが形成された
計測用マスクを前記マスクステージ上の複数の吸着部で
吸着した状態で前記テストパターンを前記投影光学系を
介して感応基板上の所定領域に転写する第1工程と;前
記複数の吸着部による前記計測用マスクの吸着解除状態
で前記テストパターンを前記投影光学系を介して前記感
応基板上の前記所定領域とは異なる領域に転写する第2
工程と;前記第1工程により前記感応基板上に形成され
た前記テストパターンの像と前記第2工程により前記感
応基板上に形成された前記テストパターンの像との位置
ずれを計測し、この計測結果に基づいて前記位置ずれ量
が所定値以下となるような前記各吸着部の前記投影光学
系の光軸方向の駆動量を決定する第3工程とを含む。
【0019】これによれば、第1工程において、所定の
テストパターンが形成された計測用マスクをマスクステ
ージ上の複数の吸着部で吸着した状態でテストパターン
が投影光学系を介して感応基板上の所定領域に転写さ
れ、第2工程において、複数の吸着部による計測用マス
クの吸着解除状態でテストパターンが投影光学系を介し
て感応基板上の前記所定領域とは異なる領域に転写され
る。そして、第3工程において、第1工程により感応基
板上に形成されたテストパターンの像と第2工程により
感応基板上に形成されたテストパターンの像との位置ず
れを計測し、この計測結果に基づいて位置ずれ量が所定
値以下となるような各吸着部の投影光学系の光軸方向の
駆動量を決定する。
【0020】この場合、投影光学系の結像特性が設計値
通りに調整され且つ感応基板が投影光学系の結像面に一
致しているものとすると、吸着部により吸着が解除され
た状態では、マスクには吸着に起因する歪みが生じない
ので、前記第1工程における転写像には位置ずれ等は生
じない。従って、第1工程により感応基板上に形成され
たテストパターンの像と第2工程により感応基板上に形
成されたテストパターンの像との位置ずれは、吸着によ
るマスクの歪みに対応したものとなる。従って、第3工
程において決定されるその位置ずれ量が所定値以下にな
るような各吸着部の投影光学系の光軸方向の駆動量と
は、マスクの歪みを許容範囲内にするための各吸着部の
駆動量に他ならない。すなわち、本請求項9に記載の発
明によれば、マスクの歪みを許容範囲内に補正してマス
クの歪みの発生による露光不良が発生するのが防止する
ための各吸着部の投影光学系の光軸方向の駆動量を露光
条件の1つとして決定することができる。
【0021】請求項10に記載の発明に係る露光条件の
決定方法は、マスクステージ(RS)上に複数の吸着部
(34)を介してマスク(R)を保持し、前記マスク
(R)に形成されたパターンを投影光学系(PL)を介
して感応基板(W)上に転写するための露光条件の決定
方法であって、所定のテストパターン(M1〜M4)が
形成された計測用マスク(R1)を前記マスクステージ
上の前記吸着部で吸着した状態で前記テストパターンを
投影光学系を介して感応基板上の所定領域に転写する第
1工程と;前記吸着部による前記計測用マスクの吸着解
除状態で前記テストパターンを前記感応基板上の前記所
定領域に重ねて転写する第2工程と;前記第2工程後に
前記感応基板上に形成された前記テストパターン像の線
幅を計測し、この計測結果に基づいて前記線幅の基準値
からの変化量が所定値以下となるような前記各吸着部の
前記投影光学系の光軸方向の駆動量を決定する第4工程
とを含む。
【0022】これによれば、第1工程において、所定の
テストパターンが形成された計測用マスクをマスクステ
ージ上の複数の吸着部で吸着した状態でテストパターン
が投影光学系を介して感応基板上の所定領域に転写さ
れ、第2工程において、複数の吸着部による計測用マス
クの吸着解除状態でテストパターンが投影光学系を介し
て感応基板上の前記所定領域に重ねて転写される。そし
て、第3工程において、第2工程後に感応基板上に形成
されたテストパターンの像の線幅を計測し、第4工程に
おいて、この計測結果に基づいて前記線幅の基準値から
の変化量が所定値以下となるような各吸着部の投影光学
系の光軸方向の駆動量を決定する。
【0023】この場合、投影光学系の結像特性が設計値
通りに調整され且つ感応基板が投影光学系の結像面に一
致しているものとすると、吸着部により吸着が解除され
た状態では、マスクには吸着に起因する歪みが殆ど生じ
ないので、第1工程では所定の基準値にほぼ一致した線
幅の転写像が感応基板上に形成される。従って、第3工
程において計測される、上記の感応基板の同一領域に重
ねて転写されたテストパターンの転写像の線幅の基準値
からの変化量は、吸着によるマスクの歪みに対応したも
のとなる。従って、第4工程において決定される線幅の
基準値からの変化量が所定値以下となるような各吸着部
の投影光学系の光軸方向の駆動量とは、マスクの歪みを
許容範囲内にするための各吸着部の駆動量に他ならな
い。すなわち、本請求項10に記載の発明によれば、マ
スクの歪みを許容範囲内に補正してマスクの歪みの発生
による露光不良が発生するのが防止するための各吸着部
の投影光学系の光軸方向の駆動量が露光条件の1つとし
て決定することができる。
【0024】請求項11に記載の発明に係る露光方法
は、マスクステージ(RS)上に複数の吸着部(34)
を介してマスクを保持し、前記マスクに形成されたパタ
ーンを投影光学系(PL)を介して感応基板(W)上に
転写する露光方法であって、前記請求項9又は10に記
載の露光条件決定方法を用いて決定された駆動量に応じ
て前記各吸着部を駆動し、この状態を維持した状態で前
記マスクに形成されたパターンを前記投影光学系を介し
て前記感応基板上に転写することを特徴とする。
【0025】これによれば、請求項9又は10に記載の
露光条件決定方法を用いて決定された駆動量に応じて前
記各吸着部を駆動するので、マスクの歪みは許容範囲内
に補正され、この状態を維持した状態でマスクに形成さ
れたパターンが投影光学系を介して感応基板上に転写さ
れるので、結果的にマスクの歪みの発生による露光不良
の発生を防止することができる。
【0026】請求項12に記載の発明に係るデバイス製
造方法は、請求項6〜8のいずれか一項に記載の露光装
置を用いたリソグラフィ工程を含むことを特徴とする。
これによれば、請求項6〜8に記載の各露光装置によ
り、マスクの歪みに起因する露光不良の発生が防止され
るので、高集積度のマイクロデバイスの製造に際してそ
の歩留まりを向上させることができる。
【0027】請求項13に記載の発明は、マスクステー
ジ(RS)上に複数の吸着部(34)を介してマスク
(R)を保持し、所定波長の露光光で前記マスクに形成
されたパターンを投影光学系(PL)を介して基板ステ
ージ(18)上に載置された感応基板(W)上に転写す
るための露光条件の決定方法であって、所定のテストパ
ターンが形成された計測用マスク(R1)に対して、前
記マスクステージ上の前記吸着部で吸着した状態で前記
露光光を照射する第1工程と;前記吸着部による前記計
測用マスクの吸着解除状態で当該計測用マスクに対して
前記露光光を照射する第2工程と;前記第1工程で前記
投影光学系を介して形成された前記テストパターン像と
前記第2工程で前記投影光学系を介して形成された前記
テストパターン像との変化を計測する第3工程と;前記
第3工程の計測結果を利用して露光条件を決定する第4
工程とを含む。
【0028】これによれば、第1工程において所定のテ
ストパターンが形成された計測用マスクに対して、マス
クステージ上の吸着部で吸着した状態で露光光が照射さ
れ、第2工程において吸着部による計測用マスクの吸着
解除状態で当該計測用マスクに対して露光光が照射さ
れ、投影光学系を介してテストパターンの像がそれぞれ
形成される。そして、第3工程において、第1工程で投
影光学系を介して形成されたテストパターン像と第2工
程で投影光学系を介して形成されたテストパターン像と
の変化が計測され、第4工程においてその計測結果を利
用して露光条件が決定される。
【0029】この場合、第3工程で計測される、第1工
程で投影光学系を介して形成されたテストパターン像と
第2工程で投影光学系を介して形成されたテストパター
ン像との変化は、投影光学系の結像特性が設計値通りに
調整されているものとすると、吸着によるマスクの歪み
に対応したものとなる。従って、第4工程において決定
される露光条件は、例えば、吸着部の吸着によりマスク
の歪みの影響を許容範囲内にするための露光条件とな
る。
【0030】この場合において、第3工程における計測
は、例えば請求項14に記載の発明の如く、前記第1、
第2工程で前記感応基板上にそれぞれ転写された前記テ
ストパターン像相互の位置変化を計測することにより行
っても良いが、請求項15に記載の発明の如く、前記第
1工程、第2工程でそれぞれ形成された前記テストパタ
ーン像の光束を前記基板ステージ上に設けられた受光部
により受光して得られる光電変換信号に基づいて行って
も良い。すなわち、テストパターンの転写像の位置変化
を計測してマスクの吸着前後のテストパターン像の変化
を求めても良く、あるいはテストパターンの像光束を受
光して得られる光電変換信号、例えば光強度信号に基づ
いてマスクの吸着前後のテストパターン像の変化を求め
ても良い。
【0031】
【発明の実施の形態】《第1の実施形態》以下、本発明
の第1の実施形態を図1ないし図9に基づいて説明す
る。
【0032】図1には、第1の実施形態に係る露光装置
10の概略構成が示されている。この露光装置10は、
いわゆるステップ・アンド・リピート方式の縮小投影型
露光装置である。
【0033】この露光装置10は、マスクとしてのレチ
クルRに照明光を照射する照明光学系、レチクルRを保
持するレチクルステージRS、レチクルステージRSの
下方に配置された投影光学系PL、この投影光学系PL
の下方で感光基板としてのウエハWを保持してXY平面
内をXY直交2軸方向及びXY平面に直交するZ軸方向
の直交3軸方向に移動可能な基板テーブル18を備えた
XYステージ装置14、焦点検出系(40、42)、ア
ライメントセンサ(アライメントセンサ)AS、及びこ
れらの制御系等を備えている。
【0034】前記照明光学系は、光源(例えば水銀ラン
プ又はkrFエキシマレーザ)、光源から射出された露
光光(例えば、紫外域の輝線(g線、i線等)又は波長
248nmのKrFエキシマレーザ光)を透過又は遮光
するシャッタ、シャッタを通過した露光光の照度を均一
化するフライアイレンズ(後側(レチクル側)焦点面に
多数の二次光源を形成する)等を含む照度均一化光学系
(いずれも図示省略)、ミラー97、前記二次光源から
射出された露光光を集光してレチクルRを均一な照度で
照明するメインコンデンサレンズ99等を含んで構成さ
れる。なお、露光光としてKrFエキシマレーザ光より
短波長のArFエキシマレーザ光(波長:193nm)
やF2 エキシマレーザ光(波長:173nm)等を用い
ても良い。
【0035】また、本実施形態では、照明光学系内に
は、2枚のL字型の可動ブレード45A、45Bを有す
る可動ブラインド(以下、この可動ブラインドを適宜
「可動ブラインド45A、45B」と呼ぶ)が設けられ
ており、この可動ブラインド45A、45Bの配置面は
レチクルRのパターン面と共役となっている。また、こ
の可動ブラインド45A、45Bの近傍に、開口形状が
固定された固定ブラインド46が配置されている。固定
ブラインド46は、例えば4個のナイフエッジにより矩
形の開口を囲んだ視野絞りであり、その矩形開口により
投影光学系PLによる露光可能領域が規定される。
【0036】可動ブラインド45A、45Bは、可動ブ
ラインド駆動機構43A、43BによってXZ平面内で
X、Z軸方向に駆動され、これによって固定ブラインド
46で規定されたレチクルR上の照明領域の一部がマス
クキングされ、照明領域が任意の形状(大きさを含む)
の矩形状に設定され、結果的にレチクルR上の照明領域
と共役なウエハW上の露光領域も任意形状(大きさを含
む)の矩形領域に設定される。すなわち、本実施形態で
は、可動ブラインド45A、45BによってウエハW上
の露光領域が設定されるようになっている。駆動機構4
3A、43Bの動作が不図示のメインコンピュータから
のブラインド設定情報(マスキング情報)に応じて主制
御装置44によって制御されるようになっている。
【0037】前記レチクルステージRSは、その上面の
4つのコーナー部分に真空吸着部34を有し、これらの
真空吸着部34を介してレチクルRがレチクルステージ
RS上に保持されている。このレチクルステージRS
は、レチクルR上の回路パターンが形成された領域であ
るパターン領域PAに対応した矩形開口36を有し、不
図示の駆動機構によりX方向、Y方向、θ方向(Z軸回
りの回転方向)に微動可能となっており、これによっ
て、パターン領域PAの中心(レチクルセンタ)が投影
光学系PLの光軸AXを通るようにレチクルRの位置決
めが可能な構成となっている。
【0038】図2(A)、(B)には、レチクルステー
ジRSが取り出して示されており、この内図2(A)は
レチクルステージRSの概略斜視図、図2(B)は図2
(A)の矢印A方向から見た正面図である。これらの図
に示されるように、レチクルステージRSは、中央部に
上記矩形開口36が形成された平面視長方形状のステー
ジ本体32と、このステージ本体上面の4角の部分に配
置された4つの吸着部34とを備えている。各吸着部3
4は、その上面がレチクルRとの接触面34dとされる
吸着部本体34aと、この吸着部本体34aの土台部を
成す基台34bとから成る。各吸着部本体34aの中央
部には、所定深さの吸引用開口34cが形成され、この
吸引用開口34cの内部空間と外部の真空ポンプ等の真
空源に接続されたチューブ25(図2(B)参照)とを
連通させるための孔が吸着部本体34aの側面に穿設さ
れ、この孔に前記チューブ35が接続されている。更
に、各基台34bとステージ本体32上面との間には、
複数のピエゾ素子から成る駆動機構38がそれぞれ設け
られており(図2(B)参照)、各駆動機構38によっ
て対応する吸着部34が投影光学系PLの光軸AX方向
であるZ方向に駆動されるようになっている。各駆動機
構(すなわちピエゾ素子群)38は、図1に示されるよ
うに、主制御装置44によって独立して制御されるよう
になっている。すなわち、本実施形態では、4つの駆動
機構38と主制御装置44とによって4つの吸着部34
を、独立してZ方向、すなわち後述する投影光学系PL
の光軸AX方向に駆動する駆動装置が構成されている。
【0039】前記投影光学系PLとしては、ここでは共
通のZ軸方向の光軸を有し、両側テレセントリックな光
学配置となるように配置された複数枚のレンズエレメン
トから成る屈折光学系が用いられている。また、この投
影光学系PLとしては投影倍率β(βは1/4又は1/
5)の縮小投影光学系が用いられている。このため、ミ
ラー97、メインコンデンサレンズ99を含む照明光学
系から射出された露光光ELによりレチクルRのパター
ン領域PAがほぼ均一な照度で照明されると、レチクル
Rのパターンの縮小像が投影光学系PLを介して表面に
フォトレジストが塗布されたウエハW上に結像されるよ
うになっている。
【0040】なお、露光光としてArFエキシマレーザ
光やF2 エキシマレーザ光を用いる場合には、投影光学
系の大型化を防止すべく反射屈折光学系を用いることが
望ましく、また、該反射屈折光学系を構成する硝材とし
て合成石英あるいは蛍石(後者の場合は蛍石)を用いる
必要がある。
【0041】前記XYステージ装置14は、ベース11
と、このベース11上を図1におけるY方向(紙面左右
方向)に往復移動可能なYステージ16と、このYステ
ージ16上をY方向と直交するX方向(紙面直交方向)
に往復移動可能なXステージ12と、このXステージ1
2上に設けられた基板ステージとしてのウエハテーブル
18とを有している。また、ウエハテーブル18上に、
ウエハホルダ25が載置され、このウエハホルダ25に
よってウエハWが真空吸着によって保持されている。
【0042】ウエハテーブル18は、Xステージ12上
にXY方向に位置決めされかつZ軸方向の移動及びZ軸
回りの回転(θ回転)が許容された状態で取り付けられ
ており、このウエハテーブル18上には移動鏡27が固
定され、外部に配置された干渉計31によってウエハテ
ーブル18のX方向、Y方向及びθ方向(Z軸回りの回
転方向)の位置が高精度(例えば、1nm以下の分解能
で)モニタされ、干渉計31により得られた位置情報が
主制御装置44に供給されている。主制御装置44は、
駆動装置21等を介してYステージ16、Xステージ1
2及びウエハテーブル18の位置決め動作を制御すると
共に、装置全体の動作を統括制御する。なお、ウエハテ
ーブル18のZ軸方向駆動及びθ回転は、駆動装置21
により不図示のZ・θ駆動機構を介して行われる。
【0043】ここで、XYステージ装置を、ウエハを吸
着保持するウエハテーブルと、このウエハテーブルを6
自由度方向に駆動する磁気浮上型の平面モータ(この平
面モータは、例えばウエハテーブルの底部に設けられた
マグネットと、ベース11内に所定間隔でマトリックス
状に埋め込まれたコイル(X回路、Y回路、Z回路)と
から成る)によって構成しても良い。
【0044】また、ウエハテーブル18上の一端部に
は、後述するオフアクシス方式のアライメント検出系の
検出中心から投影光学系PLの光軸までの距離を計測す
るベースライン計測等のための各種基準マークが形成さ
れた基準マーク板FMが固定されている。この基準マー
ク板FM上のマークには、投影光学系PLの最良結像面
の検出に用いられる基準パターンが含まれる。なお、こ
の投影光学系PLの最良結像面を検出する第2の焦点検
出系の構成等については、後に詳述する。
【0045】前記焦点検出系(40、42)は、投影光
学系PLによるパターンの投影領域内にウエハWが位置
したとき、ウエハW表面のZ方向(光軸AX方向)の位
置を検出するためのもので、ここでは斜入射光式の焦点
検出系が用いられている。この焦点検出系は、光ファイ
バ束81、集光レンズ82、スリット板83、レンズ8
4、ミラー85及び照射対物レンズ86から成る照射光
学系40と、集光対物レンズ87、回転方向振動板8
8、結像レンズ89、受光スリット板93及びシリコン
フォトダイオード又はフォトトランジスタ等のフォトセ
ンサ90から成る受光光学系42とから構成されてい
る。
【0046】ここで、この焦点検出系(40、42)の
構成各部の作用を説明すると、露光光ELとは異なるウ
エハW上のフォトレジストを感光させない波長の照明光
が、図示しない照明光源から光ファイバ束81を介して
導かれている。光ファイバ束81から射出された照明光
は、集光レンズ82を経てスリット板83を照明する。
スリット板83のスリット(開口)を透過した照明光
は、レンズ84、ミラー85及び照射対物レンズ86を
介してウエハWを斜めに照射する。このとき、ウエハW
の表面が最良結像面にあると、スリット板83のスリッ
トの像がレンズ84、照射対物レンズ86によってウエ
ハWの表面に結像される。また、対物レンズ86の光軸
とウエハ表面との角度は5〜12度位に設定され、スリ
ット板83のスリット像の中心は、投影光学系PLの光
軸AXがウエハWと交差する点に位置する。
【0047】さて、ウエハWで反射したスリット像光束
は、集光対物レンズ87、回転方向振動板88及び結像
レンズ89を経てフォトセンサ90の手前側に配置され
た受光用スリット板93上に再結像される。回転方向振
動板88は受光用スリット板93にできるスリット像
を、その長手方向と直交する方向に微小振動させるもの
である。ここで、結像レンズ89と受光用スリット板9
3との間に、受光用スリット板93上のスリットとウエ
ハWからの反射スリット像の振動中心との相対関係を、
スリット長手方向と直交する方向にシフトさせるため
の、プレーンパラレルを配置しても良い。
【0048】ここで、主制御装置44には発振器(OS
C.)が内蔵されており、このOSC.からの駆動信号
でドライブされる加振装置92により回転方向振動板8
8が振動される。
【0049】こうして、スリット像が受光用スリット板
93上で振動すると、スリット板93のスリットを透過
した光束はフォトセンサ90で受光される。そして、フ
ォトセンサ90からの検出信号(光電変換信号)が信号
処理装置91に供給される。この信号処理装置91に
は、同期検波回路(PSD)が内蔵されており、このP
SDにはOSC.からの駆動信号と同じ位相の交流信号
が入力されている。そして、信号処理装置91では上記
の交流信号の位相を基準として同期整流を行ない、その
検波出力信号、すなわち焦点位置検出信号FSは主制御
装置44に出力される。焦点位置検出信号FSは、いわ
ゆるSカーブ信号と呼ばれ、受光用スリット板93のス
リット中心とウエハWからの反射スリット像の振動中心
とが一致したときに零レベルとなり、ウエハWがその状
態から上方に変位しているときは正のレベル、ウエハW
が下方に変位しているときは負のレベルになる。従っ
て、焦点位置検出信号FSが零レベルになるウエハWの
高さ位置(光軸方向位置)が合焦点として検出される。
【0050】ただし、このような斜入射光方式では合焦
点(信号FSが零レベル)となったウエハWの高さ位置
が、いつでも最良結像面と必ず一致しているという保証
はない。すなわち、焦点位置検出信号FSは、基準マー
ク板FM又はウエハWの投影光学系PLの光軸方向の位
置を示す信号であり、間接方式で焦点位置を示す信号で
ある。従って、その焦点位置検出信号FSを使用して合
焦点を検出するには、予め直接方式で基準マーク板FM
又はウエハWの投影光学系PLに対する合焦状態を調べ
ておき、真の合焦点又は後述のようにその近傍の位置で
の焦点位置検出信号FSのレベルが予め定められたレベ
ル(これを「擬似的な合焦レベル」という)になるよう
にオフセットの調整(焦点検出系(40、42)のキャ
リブレーション)を行い、以後は信号FSがその擬似的
な合焦レベルになるようにウエハテーブル18のZ軸方
向の動きを制御すればよい。その擬似的な合焦レベルと
しては、例えば0が使用される。
【0051】このような場合、合焦点等でその焦点位置
検出信号FSのレベルに所定のオフセットを設定して焦
点検出系(40、42)のキャリブレーションを行うに
は、光学的及び電気的な手法があるが、光学的に設定す
るには、要は基準マーク板FM等がZ軸方向の所定の位
置に在る状態でフォトセンサ90の受光面での光量の分
布を、所定の位置に変化させてやれば良い。例えば、前
述したように、フォトセンサ90の前面にプレーンパラ
レルを配置してこのプレーンパラレルの角度を変える
と、フォトセンサ90の受光面での光量の分布が変化す
るので、これによりキャリブレーションを行うことがで
きる。また、信号FSの値がその合焦レベルになるよう
に電気的にオフセットを加えるようにしてもよい。
【0052】このように、焦点位置検出信号FSは間接
方式で合焦点を示す信号であるため、露光光吸収等で投
影光学系PLの結像面(焦点)の位置が変化したような
場合には、信号FSが擬似的な合焦レベルになる合焦点
と実際の合焦点との間にずれが生じている虞がある。そ
こで、本実施形態では、キャリブレーション信号KSを
用いてその焦点位置検出信号FSのオフセット設定(焦
点検出系(40、42)のキャリブレーション)を行
う。このため、本実施形態では、投影光学系PLの最良
結像面を検出してキャリブレーション信号KSを主制御
装置44に出力する第2の焦点検出系が設けられてい
る。
【0053】次に、この投影光学系PLの最良結像面を
検出する第2の焦点検出系30について、図3に基づい
て説明する。
【0054】図3には、本実施形態に係る露光装置10
を構成する投影光学系PLのベストフォーカス面を検出
するTTL方式の第2の焦点検出系30の構成が示され
ている。
【0055】この第2の焦点検出系30は、ウエハテー
ブル18上にウエハWの表面とほぼ等しい高さ位置で固
定された基準マーク板FM(より正確には、この上の基
準パターン)と、基準マーク板FMの下方(ウエハテー
ブル18の内部)に設けられたミラーM1、照明用対物
レンズ50及び光ファイバ51と、この光ファイバ51
の入射端側に設けられたビームスプリッタ52、レンズ
系53、54及び光電センサ55等を含んで構成されて
いる。
【0056】図3において、絞り面(瞳面)EPを挾ん
で前群、後群に分けて模式的に表わした投影光学系PL
の光軸AXはレチクルRの中心、すなわちパターン領域
PAの中心を、レチクルパターン面に対して垂直に通
る。
【0057】前記基準マーク板FMの上面には、図4に
示されるように、一定ピッチのライン/スペースよりな
る振幅型の回折格子マーク28A並びにこの回折格子マ
ーク28Aを反時計方向にそれぞれ45°、90°及び
135°回転させて得られる格子よりなる回折格子マー
ク28B、28C及び28Dが形成されている。これら
4種類の回折格子マーク28A〜28Dにより基準パタ
ーン28が構成される。このように種々の方向の回折格
子マークを形成するのは、レチクルR上のパターンの影
響を除くため、及び投影光学系PLのイメージフィール
ド内の任意の点におけるサジタル(S)方向及びメリデ
ィオナル(M)方向の焦点位置(非点収差)を計測可能
とするためである。基準マーク板FMの回折格子マーク
形成面とウエハWの露光面とは投影光学系PLの光軸方
向に同じ高さになるようにしておく。なお、基準マーク
板FM上に形成するパターンは、位相型の回折格子マー
クであってもよい。
【0058】さて、図3において、露光用照明光ELが
レンズ系53及び光ファイバ51の入射端側に配置され
たビームスプリッタ52を介して、光ファイバ51に導
入される。この照明光は、光ファイバ51の射出端から
射出され対物レンズ50によって集光されて、ミラーM
1を介して基準マーク板FMの回折格子マーク28A〜
28Dをともに裏側から照射する。ここで、照明光EL
はレチクルR照明用の光源(水銀ランプ、エキシマレー
ザ等)から得るのが望ましいが、別に専用の光源を用意
しても良い。ただし、別光源にするときは、露光用照明
光と同一波長、又はそれに極めて近似した波長の照明光
にする必要がある。
【0059】また、対物レンズ50による基準マーク板
FMの照明条件は、パターン投影時の投影光学系PLで
の照明条件と極力合わせる、すなわち、投影光学系PL
の像側の照明光の開口数(N.A.)と対物レンズ50
から基準マーク板FMへの照明光の開口数(N.A.)
とをほぼ一致させることが望ましい。
【0060】照明光ELにより照射された基準マーク板
FM上の回折格子マーク28A〜28Dからは投影光学
系PLへ送進する像光束が発生する。図3において、ウ
エハテーブル18は投影光学系PLの最良結像面(レチ
クル共役面)Foから僅かに下方に基準マーク板FMが
位置するようにセットされていものとする。このとき基
準マーク板FM上の1点から発生した像光束L1は投影
光学系PLの瞳面EPの中心を通り、レチクルRのパタ
ーン面からわずかに下方へずれた面Fr内で集光した後
に発散し、レチクルRのパターン面で反射してから元の
光路を戻る。ここで、面Frは、投影光学系PLに関し
て基準マーク板FMと共役な位置にある。投影光学系P
Lが両側テレセントリック系であると、基準マーク板F
M上の回折格子マーク(発光マーク)28A〜28Dか
らの像光束は、レチクルRの下面(パターン面)で正規
反射して再び回折格子マーク(発光マーク)28A〜2
8Dと重畳するように戻ってくる。但し、図3のように
基準マーク板FMが結像面Foからずれていると、基準
マーク板FM上には各マーク28A〜28Dのぼけた反
射像が形成され、基準マーク板FMが結像面Foと一致
しているときは、面FrもレチクルRのパターン面と一
致することになり、基準マーク板FM上には各マーク2
8A〜28Dのシャープな反射像がそれぞれのマークに
重畳して形成されることになる。両側テレセントリック
な投影光学系PLでは、レチクルRのパターン面からの
反射像は自身の源である発光マーク28A〜28D上に
投射される。そして基準マーク板FMがデフォーカスし
ていると、反射像は、マーク28A〜28Dの形状寸法
よりも大きくなり、かつ単位面積あたりの照度も低下す
る。
【0061】そこで、基準マーク板FM上にできる反射
像のうち、元のマーク28A〜28Dで遮光されなかっ
た像部分の光束をミラーM1、対物レンズ50を介して
光ファイバ51で受光し、ビームスプリッタ52、レン
ズ系54を介して光電センサ55で受光するようにす
る。光電センサ55の受光面は投影光学系PLの瞳面
(フーリエ変換面)EPとほぼ共役に配置される。
【0062】図3の構成においては、ウエハテーブル1
8を上下方向(Z方向)に移動させるだけでコントラス
ト信号を得ることができる。
【0063】図5には、光電センサ55の出力信号、す
なわちキャリブレーション信号KSの信号レベル特性が
示されている。この図5において、横軸はウエハテーブ
ル18のZ方向の位置、すなわち基準マーク板FMの光
軸AX方向の高さ位置を表わす。ここで、図5(A)は
発光マーク28A〜28DがレチクルRのパターン面内
のクロム部分に逆投影されたときの信号レベルを示し、
図5(B)はパターン面内のガラス部分(透明部分)に
逆投影されたときの信号レベルを示す。通常、レチクル
のクロム部分は0.3〜0.5μm程度の厚みでガラス(石
英)板に蒸着されており、クロム部分の反射率は当然の
ことながらガラス部分の反射率よりは格段に大きい。し
かしながら、ガラス部分での反射率は完全に零というこ
とはないので、図5(B)のようにレベルとしてはかな
り小さくなるが、検出は可能である。また一般に実デバ
イス製造用のレチクルは、パターン密度が高いために、
発光マーク28A〜28Dの全ての逆投影像がレチクル
パターン中のガラス部分(透明部分)に同時にかかる確
率は極めて少ないと考えられる。
【0064】いずれの場合にしろ、基準マーク板FMの
表面が最良結像面Foを横切るように光軸方向に移動さ
れると、Z方向の位置Zoで信号レベルが極大値とな
る。従って、ウエハテーブル18のZ方向位置と出力信
号KSとを同時に計測し、信号レベルが極大となったと
きのZ方向位置を検出することで、最良結像面Foの位
置が求まり、しかもこの検出方式ではレチクルR内の任
意の位置で結像面Foの検出が可能となる。すなわち、
レチクルRが投影光学系PLの物体側にセットされてさ
えいれば、いつでも投影視野(イメージフィールド)内
の任意の位置で絶対フォーカス位置(最良結像面Fo)
が計測できる。また先に述べたようにレチクルRのクロ
ム層は0.3〜0.5μm厚であり、この厚みによって生
じる最良結像面Foの検出誤差は、投影光学系PLの投
影倍率を例えば1/5縮小とすると、(0.3〜0.5)
×(1/5)2 =0.012〜0.02μmとなり、これ
はほとんど無視できる値である。
【0065】上記のようにして求められた投影光学系P
Lの最良結像面位置に対応する第2の焦点検出系30の
出力信号KSの極大値に基づいて、主制御装置44によ
って焦点検出系(40、42)の焦点位置検出信号FS
のオフセット設定(焦点検出系(40、42)のキャリ
ブレーション)が前述した光学的手法又は電気的手法を
用いて行われる。
【0066】更に、本実施形態の露光装置10では、図
1に示されるように、投影光学系PLの側面(X方向一
側の側面)にウエハW上の位置合わせマーク(アライメ
ントマーク)又は基準マーク板FM上の基準マークを検
出するためのアライメントセンサASが設けられてい
る。このアライメントセンサASとしては、ここでは、
指標マークを有し、この指標マークの中心を検出中心と
してマークの位置検出を行う、すなわち指標中心を基準
とするマークの相対位置を検出する画像処理方式の結像
式アライメントセンサが用いられている。この結像式ア
ライメントセンサとしては、例えば特開平7−1764
68号公報に開示されるものと同様のものが使用され
る。本実施形態では、このアライメントセンサASが、
後述する線幅計測の際の線幅計測装置としても用いられ
る。
【0067】次に、図6のフローチャートに沿って、本
発明に係る露光条件の決定方法、すなわち上記レチクル
ステージRST上の各吸着部34の駆動量の決定方法に
ついて説明する。
【0068】まず、ステップ100で不図示のレチクル
ローダにより、計測用レチクルR1がレチクルステージ
上にロードされる。ここで、前記計測用レチクルR1に
は、例えば、図7に示されるように、パターン領域PA
内の4角の部分(各吸着部34によって吸着される近傍
の部分)に、Y方向にピッチ2Pを有しデューティ比1
のラインアンドスペース(L/S)パターンから成るテ
ストパターンM1〜M4が描画されている。
【0069】図6に戻り、次のステップ102では、計
測用レチクルR1を所定位置に位置決めするレチクルア
ライメントを行う。このレチクルアライメントは、具体
的には、主制御装置44によって不図示の一対のレチク
ルアライメント顕微鏡を用いて行われる。すなわち、主
制御装置44では干渉計31の計測値をモニタしつつ駆
動装置21を介して前記一対のレチクルアライメント顕
微鏡の視野内に基準マーク板FM上の一対のレチクルア
ライメント用基準マークが入る位置までウエハテーブル
18を移動した後、前記一対のレチクルアライメント顕
微鏡を用いて計測用レチクルR1上のパターン領域の両
脇に形成されたアライメントマークMr、Ml(図7参
照)と一対のレチクルアライメント用基準マークとを同
時に観察する。そして、主制御装置44ではこのときの
一対のレチクルアライメント顕微鏡からの画像情報に基
づき、アライメントマークMr、Mlの対応する基準マ
ークからの相対位置ずれをそれぞれ検出し、これらの相
対位置ずれがともに最小となるように不図示の駆動系を
介してレチクルステージRSをX、Y、θ方向に微小駆
動することによって、レチクルアライメントを行う。
【0070】このとき計測用レチクルR1は、4つの吸
着部34によって吸着されており、固定状態にある。
【0071】次のステップ104では、その表面にフォ
トレジストが塗布されたウエハ(以下、便宜上「ウエハ
W1」と呼ぶ)が、不図示のウエハローダによってウエ
ハテーブル18上にロードされる。ここで、ウエハW1
は外形基準でプリアライメント(中心位置合わせ、回転
位置合わせ)が行われた状態でウエハテーブル18上に
ロードされている。
【0072】次のステップ106では、計測用レチクル
R1上の前記テストパターンM1〜M4が投影光学系を
介してウエハW1上の所定領域に転写(露光)される。
この露光は、主制御装置44からの指令に基づき、不図
示の露光コントローラにより照明光学系内のシャッタが
所定時間開放されることによって行われる。
【0073】次のステップ108では、主制御装置44
からの指示に応じ、外部の真空ポンプの制御装置により
真空ポンプによる吸引が解除され、これにより4つの吸
着部34による計測用レチクルR1の吸着が解除され
る。
【0074】次のステップ110では、上記ステップ1
06と同様にして、計測用レチクルR1上の前記テスト
パターンM1〜M4が投影光学系を介してウエハW1上
の前記所定領域に重ねて転写される。
【0075】次のステップ112では、不図示のウエハ
アンローダによりウエハテーブル18からウエハW1が
アンロードされ、不図示の現像装置に送られる。
【0076】次のステップ114では、現像装置によっ
て前記ウエハW1が現像され、これによりウエハW1上
には、前記ステップ106及び110で重ね焼きされた
テストパターンM1〜M4のレジスト像(テストパター
ンの転写像:ここでは「M1’〜M4’」と呼ぶ)が形
成される。
【0077】次のステップ116では、再びウエハW1
がウエハテーブル上にロードされ、そのウエハW1上の
テストパターンM1〜M4のレジスト像M1’〜M4’
の線幅が順次計測される(ステップ118)。このステ
ップ118における線幅の計測は、主制御装置によって
干渉計31の計測値をモニタしつつ、各レジスト像M
1’〜M4’をアライメントセンサASの直下に位置決
めし、各レジスト像M1’〜M4’の画像を取り込むこ
とによって行われる。この場合、吸着による計測レチク
ルR1の歪みが全くない場合には、各線幅としてP・β
=p(設計値)が得られる筈である。
【0078】そこで、主制御装置44では、次のステッ
プ120で、前記の線幅計測結果に基づいて各レジスト
像M1’〜M4’の各線幅の基準値からの変化量が所定
位置以下となるような各吸着部34のZ方向の駆動量を
演算する。ここで、上記基準値の取り方は、いろいろ考
えられるが、例えば、上記設計値pを基準値としても良
い。具体的に説明すると、例えば、図8に示されるよう
に、3本のバーマークから成るレジスト像M2’の線幅
計測結果として、p1〜p3が得られたものとすると、
M2’の線幅の基準値からの変化量Δpを、次式(1)
に基づいてを求めるようにしても良い。
【0079】 Δp={(p1−p)+(p2−p)+(p3−p)}/3 ……(1) この場合、同様にして、他のレジスト像M1’、M
3’、M4’の線幅の基準値からの変化量Δpを求める
ことは勿論である。
【0080】あるいは、吸着部34による吸着を解除し
た状態で転写したテストパターンM2の転写像(レジス
ト像)の各バーマーク線幅(b1+b2+b3)を予め
計測し、これらの線幅計測値の平均値(b1+b2+b
3)/3を上記基準値として用い、各バーマークの線幅
計測値p1、p2、p3の上記平均値に対する差のそれ
ぞれ、あるいは前記差の平均値を、レジスト像M2’の
線幅の基準値からの変化量Δpとしても良い。この場合
も、同様にして、他のレジスト像M1’、M3’、M
4’の線幅の基準値からの変化量Δpを求めることは勿
論である。
【0081】いずれにしても、主制御装置44では上記
の如くして求めた各レジスト像M1’〜M4’の線幅の
基準値からの変化量Δpが所定値以下となるような各吸
着部34のZ方向の駆動量Δi (i=1、2、3、4)
を求め、この求めた駆動量を不図示の内部メモリに記憶
する。
【0082】ここで、線幅の基準値からの変化量に基づ
いて各吸着部34の駆動量を求める求め方の前提となる
マークの転写像の位置ずれからそのマーク位置のレチク
ルのZ変位を求める求め方の原理について、図9を用い
て簡単に説明する。ここでは、説明の簡略化のため等倍
正立像が転写される場合であってかつY方向についての
みマークの転写位置ずれが生ずる場合を例にとって説明
する。
【0083】図9中の実線で示されるように当初水平で
あった計測用レチクルR1が、4つの吸着部34の吸着
により変形し、計測用レチクルR1のY方向一端部に同
図中に点線で示されるような角度θ(θは微小角)の傾
斜変形が生じたものとする。この場合、端点Aから距離
Lの位置にマークMがあるものとし、そのマーク位置で
のZ変位をΔZとし、レチクルの傾斜によるマークMの
転写位置のずれをΔLとすると、幾何学的関係から、次
式(2)が成立する。
【0084】 ΔL=ΔZtanθ=L(1−cosθ) ……(2) 上記式より、θを消去すると、 ΔZ=L{2・ΔL/L−(ΔL/L)2 1/2 ……(3) の関係が得られる。
【0085】従って、既知の距離Lと計測によって得ら
れるマーク転写位置ずれΔLとに基づいて、マーク位置
でのZ変位ΔZを演算で求められることがわかる。そこ
で、実際の投影倍率βを考慮すると、上記(3)式のΔ
LにΔL/βを代入することにより、次式(4)が得ら
れ、この(4)式から既知の距離Lと計測によって得ら
れるマーク転写位置ずれΔLとに基づいて、マーク位置
でのZ変位ΔZを演算で求めることができる。
【0086】 ΔZ=L{2・ΔL/β/L−(ΔL/β/L)2 1/2 ……(4) ところで、本第1の実施形態では、計測するのは線幅
(例えば線幅p1、p2、p3等)であるが、この線幅
の基準値からの変化量Δpと上記マーク転写位置ずれΔ
Lとは、密接な関係がある。
【0087】例えば、上記図9の場合は、前述の如く、
吸着による計測レチクルR1の歪みが全くない場合に
は、各線幅としてP・β=p(設計値)が得られる筈で
あるから、基準値pとして上記設計値P・βをとれば、
上記(1)式に基づいて得られるΔpは、上記ΔLと実
質的に等価である。
【0088】従って、ΔLとΔpとを入れ替えることに
より、(4)式は、本実施形態の場合にもそのまま成立
する。
【0089】すなわち、 ΔZ=L{2・Δp/β/L−(Δp/β/L)2 1/2 ……(5) そこで、主制御装置44では、上記ステップ120で、
上記ステップ118の線幅計測結果に基づいて、例えば
(1)式に基づいてΔpi (i=1、2、3、4)を求
め、このΔpi を用いて上記(5)式に基づいて、ΔZ
i (i=1、2、3、4)を、それぞれ求め、ΔZi
所定値以下となるような、すなわちレチクルの歪みが許
容値内となりレチクルがほぼ水平になるような、各吸着
部34のZ方向駆動量を求め、不図示の内部メモリに記
憶した後、一連の処理を終了する。
【0090】次に、本実施形態の露光装置10による実
際のデバイスパターンの露光動作について説明する。
【0091】ここでは、例えば特開昭61−44429
号等に開示されているような、ウエハW上のアライメン
トマーク位置の計測値とショット配列の設計値とに基づ
いて、最小自乗法を用いた統計演算によりウエハ上の全
ショット配列座標を求め、これに基づいて各ショット領
域を露光位置に位置決めするいわゆるエンハンスト・グ
ローバル・アライメント(以下、「EGA」という)方
式により、ステップ・アンド・リピート方式の露光が行
われる場合について説明する。
【0092】この場合、前提として、レチクルステージ
RS上にデバイスパターンが描画されたレチクルRがロ
ードされ、またウエハテーブル18上に既に複数のショ
ット領域が形成されたウエハWが搭載され、かつ不図示
のレチクル顕微鏡によるレチクルアライメントは終了し
ているものとする。
【0093】始めに、主制御装置44では、基準マーク
板FMが投影光学系PLの下に位置するように駆動装置
21を介してYステージ16、Xステージ12を駆動し
て、ウエハテーブル18を移動させ、このときのレーザ
干渉計31の出力を不図示の内部メモリに記憶する。次
に、主制御装置44では基準マーク板FMがアライメン
トセンサASの下に位置するように、駆動装置21を介
してXステージ12及びYステージ16の一方又は両方
を駆動してウエハテーブル18を移動し、このときのア
ライメントセンサの出力とレーザ干渉計31の出力とを
内部メモリに記憶する。すなわち、このようにしてベー
スライン計測を行う。なお、ベースライン計測のシーケ
ンスは本実施形態においても従来の露光装置と同様であ
るので、その詳細な説明は省略する。
【0094】次に、主制御装置44では不図示の内部メ
モリに記憶された各吸着部の駆動量に基づいて、レチク
ルステージRS上の4つの吸着部34を駆動する各駆動
機構(すなわちピエゾ群)38にそれぞれ前記駆動量に
対応する制御電圧を印加することにより、各吸着部34
を駆動する。これにより、レチクルRの歪みが補正され
ほぼ水平状態に設定される。
【0095】続いて、主制御装置44では、ウエハW上
のアライメント用マークがアライメントセンサASの下
に位置するように駆動装置21を介してウエハテーブル
18を移動させ、アライメントセンサASの出力とレー
ザ干渉計31の出力とに基づいてアライメントマーク位
置を検出する。このようにして、所定のサンプルショッ
トに付設されたアライメントマークの位置計測を実行
し、この計測結果を用いていわゆるEGA演算によりウ
エハW上の全てのショット配列座標を求める。なお、こ
のEGA演算については、上記特開昭61−44429
号等に詳細に開示されているので、ここではその説明を
省略する。
【0096】しかる後、主制御装置44では上記のアラ
イメント用マーク位置の検出結果と前述したベースライ
ン計測結果とに基づいて、各ショット領域(例えば,1
ショット1チップ取りの場合は各半導体チップに相当)
が投影光学系PLの下に順次位置決めされるようにウエ
ハテーブル18を位置制御すると同時に信号処理装置9
1からの焦点位置検出信号FSに基づいてオートフォー
カス動作を実行しつつ、照明系内の不図示のシャッタの
開閉を制御して、ウエハテーブル18のステッピングと
露光を繰り返す。このようにして、ステップ・アンド・
リピート方式でウエハW上の各ショット領域へ順次重ね
合わせ露光が行われる。
【0097】以上説明したように、本第1の実施形態に
よると、吸着部34にレチクルRを吸着固定した時の、
レチクルRの歪みを補正することが出来るので、レチク
ルRの吸着に伴う変形に起因するデフォーカスの発生
や、転写パターンの歪みの発生を抑制することができ、
ウエハW上へのレチクルパターン(デバイスパターン)
の高精度な転写が可能となる。また、露光装置に固有の
吸着部による吸着に起因して発生するレチクルの歪みを
補正出来るので、複数の露光装置間でのマッチング特性
も向上する。
【0098】《第2の実施形態》次に、本発明の第2の
実施形態について、図10〜図12に基づいて説明す
る。ここで、前述した第1の実施形態と同一又は同等の
構成要素については、同一の符号を用いるとともに、そ
の説明を省略するものとする。
【0099】本第2の実施形態の露光装置90は、前述
した第1の実施形態に係る露光装置10と比べ、結像式
アライメントセンサASに代えて、LIA(Laser Inte
rferometric Alignment )系のアライメントセンサA
S’が設けられている点、及びレチクルステージRS上
の各吸着部の駆動量の決定方法の具体的なやり方が一部
において相違するのみであり、その他構成、作用等は、
全く同様であるから、以下、これらの点を中心に説明す
る。
【0100】図10に示される露光装置90を構成する
アライメントセンサAS’は、前述したテストパターン
M1〜M4のような回折格子状のマークに周波数をわず
かに変えたレーザ光を2方向から照射し、発生した2つ
の回折光を干渉させて、その位相からマークの位置情報
を検出するセンサであり、高精度にマークの位置を検出
することができる。このアライメントセンサAS’とし
ては、例えば特開昭63−283129号公報に開示さ
れるアライメントセンサが用いられる。本第2の実施形
態では、このアライメントセンサAS’が、位置ずれ計
測装置としても用いられる。
【0101】次に、図11のフローチャートに沿って、
本第2の実施形態に係る露光条件の決定方法、すなわち
上記レチクルステージRS上の各吸着部の駆動量の決定
方法について説明する。
【0102】まず、ステップ130で不図示のレチクル
ローダにより、計測用レチクルR1がレチクルステージ
上にロードされる。
【0103】次のステップ132では、計測用レチクル
R1を所定位置に位置決めするレチクルアライメントを
前述したステップ102と同様にして行う。
【0104】このとき計測用レチクルR1は、4つの吸
着部34によって吸着されており、固定状態にある。
【0105】次のステップ134では、その表面にフォ
トレジストが塗布されたウエハ(以下、便宜上「ウエハ
W2」と呼ぶ)が、不図示のウエハローダによってウエ
ハテーブル18上にロードされる。ここで、ウエハW2
は外形基準でプリアライメントが行われた状態でウエハ
テーブル18上にロードされている。
【0106】次のステップ136では、計測用レチクル
R1上の前記テストパターンM1〜M4が投影光学系P
Lを介してウエハW2上の所定領域(1stショット)
に転写(露光)される。この露光は、主制御装置44か
らの指令に基づき、不図示の露光コントローラにより照
明光学系内のシャッタが所定時間開放されることによっ
て行われる。
【0107】次のステップ137では、ウエハテーブル
18を所定量(例えば1ショット分)X方向(又はY方
向)に移動する。このウエハテーブル18の移動は、主
制御装置44によって干渉計31の計測値をモニタしつ
つ、駆動装置21を制御することにより行われる。
【0108】次のステップ138では、主制御装置44
からの指示に応じ、外部の真空ポンプの制御装置により
真空ポンプによる吸引が解除され、これにより4つの吸
着部34による計測用レチクルR1の吸着が解除され
る。
【0109】次のステップ140では、上記ステップ1
36と同様にして、計測用レチクルR1上の前記テスト
パターンM1〜M4が投影光学系を介してウエハW2上
の前記所定領域に隣接する別のショット領域(2ndシ
ョット)に転写される。
【0110】次のステップ142では、不図示のウエハ
アンローダによりウエハテーブル18からウエハW2が
アンロードされ、不図示の現像装置に送られる。
【0111】次のステップ144では、現像装置によっ
て前記ウエハW2が現像され、これによりウエハW2上
には、前記ステップ136、ステップ140で1stシ
ョット、2ndショットにそれぞれ転写されたテストパ
ターンM1〜M4のレジスト像(テストパターンの転写
像、「M1’〜M4’」及び「M1”〜M4”」とす
る)が形成される。
【0112】次のステップ146では、再びウエハW2
がウエハテーブル18上にロードされ、そのウエハW2
上の1stショットと2ndショットのテストパターン
M1〜M4のレジスト像M1’〜M4’及びレジスト像
M1”〜M4”相互間の位置ずれが順次計測される(ス
テップ148)。このステップ148における線幅の計
測は、主制御装置44によって干渉計31の計測値をモ
ニタしつつ、1stショット、2ndショットの各レジ
スト像をアライメントセンサAS’の直下に順次位置決
めし、そのときのアライメントセンサAS’の計測値
(各レジスト像から発生した2つの回折光を干渉させ
て、その位相から検出されたマークの位置情報)を不図
示の内部メモリに干渉計31の計測値とともに順次取り
込むことによって行われる。
【0113】この結果、例えば、図12に示されるよう
に、1stショットのレジスト像M1’を構成する各バ
ーマークと2ndショットのレジスト像M1”を構成す
る各バーマークの位置ずれ量計測結果として、Δp1〜
Δp3が得られたものとする。この場合、吸着による計
測レチクルR1の歪みが全くない場合には、Δp1=Δ
p2=Δp3=0が得られる筈である。
【0114】そこで、主制御装置44では、次のステッ
プ150で、前記の位置ずれ量計測結果に基づいて各レ
ジスト像の位置ずれ量が所定位置以下となるような各吸
着部34のZ方向の駆動量を演算する。
【0115】例えば、主制御装置44では、上記の位置
ずれ計測結果Δp1、Δp2、Δp3の平均値Δp=
(Δp1+Δp2+Δp3)を例えば前述した(5)式
に代入して、テストパターンM1の位置におけるZ方向
変位ΔZを求め、この変位ΔZが許容範囲内となるよう
なテストパターンM1に近接する吸着部34の駆動量、
すなわち位置ずれ量が所定値以下となるようなテストパ
ターンM1に近接する吸着部34の駆動量を算出する。
同様にして、他のテストパターンM2〜M4の位置ずれ
計測結果に基づき、各レジスト像の位置ずれ量が所定値
以下となるような各吸着部34のZ方向の駆動量Δ
i (i=2、3、4)を求める。そして、このようにし
て求めた各吸着部34 のZ方向の駆動量Δi (i=
1、2、3、4)を不図示の内部メモリに記憶した後、
一連の処理を終了する。
【0116】そして、実際のデバイスパターンの露光に
際し、前述した第1の実施形態と同様に、レチクルパタ
ーンの転写に先立って、主制御装置44により4つの吸
着部34が前述と同様にしてそれぞれ駆動され、レチク
ルRの歪みが許容範囲内となるような補正が行われる。
そして、この状態で前述した第1の実施形態と同様にし
て、ステップ・アンド・リピート方式の露光が行われ、
レチクルパターンがウエハW上のショット領域に順次転
写される。
【0117】かかる第2の実施形態の露光装置及びその
露光方法によっても、吸着部34にレチクルRを吸着固
定した時の、レチクルRの歪みを補正することが出来る
ので、レチクルRの吸着に伴う変形に起因するデフォー
カスの発生や、転写パターンの歪みの発生を抑制するこ
とができ、ウエハW上へのレチクルパターン(デバイス
パターン)の高精度な転写が可能となる。また、同様
に、複数の露光装置間でのマッチング特性も向上する。
【0118】なお、上記第1、第2の実施形態では、図
7に示されるようにY方向に所定ピッチを有するL/S
マークから成るテストパターンが形成された計測用レチ
クルR1を用い、これに応じて各テストパターンの転写
像(レジスト像)の線幅計測、位置ずれ計測もその所定
の一方向についてのみ行う場合について説明したが、こ
れは説明の簡略化のためにこのようにしたものであっ
て、本発明がこれに限定されないことは勿論である。す
なわち、計測用レチクルとしてY方向に所定ピッチを有
するL/Sマークと、X方向に所定ピッチを有するL/
Sマークとから成るテストパターンが前記M1〜M4と
ほぼ同一の位置に形成されたレチクルを用い、このレチ
クルパターンの転写による得られる各テストパターンの
転写像(レジスト像)について上記第1、第2の実施形
態と同様の手順でX方向、Y方向のそれぞれの方向につ
いて、線幅計測、位置ずれ計測を行い、それぞれの計測
結果に基づいてレチクルのXY2次元方向のテストパタ
ーンの位置におけるZ方向変位を演算で求め、この演算
結果に基づいて、各吸着部34の駆動量を求めるように
しても良い。このようにすれば、より正確にレチクルの
歪みを補正することが可能になる。また、上記実施形態
では各駆動機構38が各吸着部34をZ方向にのみ駆動
する場合について説明したが、各駆動機構を少なくとも
3つのピエゾ素子等で構成する場合には、各吸着部をX
Y平面に対して傾斜駆動するようにしても良い。特に上
記の如く、X方向、Y方向のそれぞれの方向について、
線幅計測、位置ずれ計測を行い、それぞれの計測結果に
基づいてレチクルのXY2次元方向のテストパターンの
位置におけるZ方向変位を演算で求めるような場合に
は、各吸着部をZ方向及びXY平面に対し傾斜駆動する
ようにすることが望ましい。
【0119】また、上記第1、第2の実施形態では、吸
着部34が4つ設けられ、全ての吸着部がZ方向に駆動
可能である場合について説明したが、本発明がこれに限
定されるものではない。例えば、吸着部の数はいくつで
も良く、また、この内の1つはZ方向に駆動ができない
構成であっても良い。
【0120】なお、上記第1の実施形態、第2の実施形
態では、露光装置に設けられたそれぞれのアライメント
センサAS、AS’を用いて、線幅計測、位置ずれ計測
を行う場合について説明したが、本発明がこれに限定さ
れることはなく、線幅計測、あるいは位置ずれ計測を、
露光装置とは別の計測装置、例えば、走査型電子顕微
鏡、あるいは原子間力顕微鏡、あるいは走査型トンネル
顕微鏡等を用いて行っても良い。
【0121】また、上記第1、第2の実施形態では、テ
ストパターンの転写像の線幅又は位置ずれの計測結果を
用いてレチクルの歪みを補正するための各吸着部の駆動
量を算出する場合について説明したが、本発明がこれに
限定されるものではない。例えば、ウエハ表面とほぼ同
一面である基準面(ウエハステージ基準面)に対するレ
チクルのZ方向(光軸方向)の相対距離を投影光学系P
Lを介して計測する焦点距離計測装置を用いて、各吸着
部の近傍位置で前記相対距離を直接的に計測するように
しても良く、かかる場合にはこの計測結果に基づいてレ
チクルの歪みを補正するための各吸着部の駆動量を算出
すれば良い。上記第1、第2の実施形態に係る第2の焦
点検出系30によると、レチクルRが投影光学系PLの
物体側にセットされてさえいれば、いつでもイメージフ
ィールド内の任意の位置で最良結像面位置を計測でき、
この最良結像面位置はレチクルのZ位置に他ならないの
で、この第2の焦点検出系30を上記焦点距離計測装置
として用いることができ、かかる場合には、上記線幅計
測、位置ずれ計測の結果を用いる場合に比べて計測精度
が多少低下する場合が考えられるが、十分な程度にレチ
クルRの歪みを補正することは可能である。
【0122】あるいは、投影光学系PLとレチクルRと
の間のZ方向(光軸方向)の距離を計測する装置を用い
て、各吸着部の近傍位置での前記距離を直接的に計測す
るようにしても良い。例えば、レチクルステージRS
を、例えば2次元平面モータで2次元方向に自在に移動
できるような構成にすれば、投影光学系PLにZ方向の
測長軸を有するレーザ干渉計を取り付けることにより、
高精度(例えば1nm以下の分解能)で各吸着部の近傍
位置での投影光学系PLとレチクルRとの間のZ方向距
離を計測することが可能である。
【0123】なお、上記実施形態では、吸着部34がレ
チクルを吸着する前後でパターン像を基板上に転写し、
その転写されたパターン像の位置ずれを実測することに
より、吸着部34によるレチクルの吸着前後におけるパ
ターンの転写像の位置ずれを検出していた。しかしなが
ら、本発明がこれに限定されるものではない。例えば、
図3に示されるように、基準マーク板FMに設けられた
微小開口領域を透過したパターン像の光束を受光部とし
ての光電センサ55で受光し、得られる光電変換信号、
例えば光強度信号に基づいて吸着部34によるレチクル
の吸着前後で光強度分布を検出し、その光強度分布のピ
ーク値のずれから吸着前後におけるパターンの転写像の
位置ずれを検出するようにしても良い。
【0124】なお、上記第1、第2の実施形態では、レ
チクルステージRSがXY面内の微動のみ可能なステッ
プ・アンド・リピート方式の投影露光装置に、本発明が
適用された場合について説明したが、これに限らず、ス
テップ・アンド・スキャン方式等の走査型露光装置にも
本発明は同様に適用できるものである。
【0125】《デバイス製造方法》次に、上述した露光
装置及び露光方法をリソグラフィ工程で使用したデバイ
スの製造方法の実施形態について説明する。
【0126】図13には、デバイス(ICやLSI等の
半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、
マイクロマシン等)の製造例のフローチャートが示され
ている。図13に示されるように、まず、ステップ20
1(設計ステップ)において、デバイスの機能・性能設
計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、そ
の機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続
き、ステップ202(マスク製作ステップ)において、
設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一
方、ステップ203(ウエハ製造ステップ)において、
シリコン等の材料を用いてウエハを製造する。
【0127】次に、ステップ204(ウエハ処理ステッ
プ)において、ステップ201〜ステップ203で用意
したマスクとウエハを使用して、後述するように、リソ
グラフィ技術等によってウエハ上に実際の回路等を形成
する。次いで、ステップ205(デバイス組立ステッ
プ)において、ステップ204で処理されたウエハを用
いてデバイス組立を行う。このステップ205には、ダ
イシング工程、ボンディング工程、及びパッケージング
工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。
【0128】最後に、ステップ206(検査ステップ)
において、ステップY5で作製されたデバイスの動作確
認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程
を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
【0129】図14には、半導体デバイスの場合におけ
る、上記ステップ204の詳細なフロー例が示されてい
る。図14において、ステップ211(酸化ステップ)
においてはウエハの表面を酸化させる。ステップ212
(CVDステップ)においてはウエハ表面に絶縁膜を形
成する。ステップ213(電極形成ステップ)において
はウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ2
14(イオン打込みステップ)においてはウエハにイオ
ンを打ち込む。以上のステップ211〜ステップ214
それぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成し
ており、各段階において必要な処理に応じて選択されて
実行される。
【0130】ウエハプロセスの各段階において、上述の
前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程
が実行される。この後処理工程では、まず、ステップ2
15(レジスト形成ステップ)において、ウエハに感光
剤を塗布する。引き続き、ステップ216(露光ステッ
プ)において、上記説明した露光装置及び露光方法によ
ってマスクの回路パターンをウエハに転写する。次に、
ステップ217(現像ステップ)においては露光された
ウエハを現像し、ステップ218(エッチングステッ
プ)において、レジストが残存している部分以外の部分
の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステ
ップ219(レジスト除去ステップ)において、エッチ
ングが済んで不要となったレジストを取り除く。
【0131】これらの前処理工程と後処理工程とを繰り
返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターン
が形成される。
【0132】以上説明した本実施形態のデバイス製造方
法を用いれば、露光工程(ステップ216)において上
記各実施形態の露光装置が用いられるので、レチクルの
歪みに起因するデフォーカス、及び転写パターンの位置
ずれ等の露光不良が発生するのを抑制でき、結果的にマ
イクロデバイスの製造に際しての製品の歩留まりが向上
し、結果的に高集積度のデバイスを低コストに製造する
ことが可能になる。
【0133】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る露光
装置によれば、マスクの歪みに起因する露光不良の発生
を効果的に防止することができるという効果がある。
【0134】また、本発明に係る露光条件決定方法によ
れば、これに従ってマスクの変形を補正することがで
き、結果的にマスクの歪みの発生による露光不良が発生
するのを防止するができるという効果がある。
【0135】また、本発明に係る露光方法によれば、マ
スクの歪みに起因する露光不良の発生を効果的に防止す
ることができるという効果がある。
【0136】また、本発明に係るデバイス製造方法によ
れば、高集積度のマイクロデバイスの製造に際してその
歩留まりを向上させることができるという効果がある。
また、複数台の露光装置を用いてデバイスを製造するミ
ックス・アンド・マッチにおいて、良好な重ね合わせが
できるという効果がある。更に、吸着部が独立駆動する
ことで、レチクル間差(例えば、レチクル板の平行度)
の補正が出来るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る露光装置の構成を概略的
に示す図である。
【図2】(A)は図1のレチクルステージの概略斜視
図、(B)は(A)の矢印A方向から見た正面図であ
る。
【図3】第2の焦点検出系の構成を説明するための図で
ある。
【図4】基準マーク板上の振幅型の回折格子マークの一
例を示す図である。
【図5】光電センサの出力信号、すなわちキャリブレー
ション信号KSの信号レベル特性を示す図である。
【図6】第1の実施形態に係る露光条件決定方法の処理
の流れを示すフローチャートである。
【図7】計測用レチクルの一例を示す平面図である。
【図8】重ね焼きされたテストパターンの転写像(レジ
スト像)の線幅計測の意義を説明するための図である。
【図9】マークの転写像の位置ずれからそのマーク位置
のレチクルのZ変位を求める求め方の原理を説明するた
めの図である。
【図10】第2の実施形態に係る露光装置の構成を概略
的に示す図である。
【図11】第2の実施形態に係る露光条件決定方法の処
理の流れを示すフローチャートである。
【図12】テストパターンの転写像相互間の位置ずれ計
測を説明するための図である。
【図13】本発明に係るデバイス製造方法の実施形態を
説明するためのフローチャートである。
【図14】図13のステップ204における処理を示す
フローチャートである。
【符号の説明】
10 露光装置 18 ウエハテーブル(基板ステージ) 30 第2の焦点検出系(焦点位置計測装置、計測装
置) 34 吸着部 34d 接触面 38 駆動機構(駆動装置の一部) 44 主制御装置(演算装置、駆動装置の一部) 55 光電センサ(受光部) R レチクル(マスク) PL 投影光学系 W ウエハ(感応基板) RS レチクルステージ(マスクステージ) R1 計測用レチクル(計測用マスク) AS アライメントセンサ(線幅計測装置) AS’ アライメントセンサ(位置ずれ計測装置)

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスクに形成されたパターンを投影光学
    系を介して感応基板上に転写する露光装置であって、 前記マスクに対する接触面が形成され、該接触面に前記
    マスクの周辺部を吸着及び吸着解除することにより、前
    記マスクを着脱自在に保持する複数の吸着部を有するマ
    スクステージと;前記複数の吸着部の内の特定の1つを
    除く残りの吸着部、あるいは全ての吸着部を、独立して
    前記投影光学系の光軸方向に駆動する駆動装置とを備え
    る露光装置。
  2. 【請求項2】 前記マスクの所定の基準面に対する前記
    光軸方向の相対位置を計測する計測装置を更に備える請
    求項1に記載の露光装置。
  3. 【請求項3】 前記計測装置は、前記マスクの前記光軸
    方向の駆動が可能な吸着部の近傍位置で前記マスクの所
    定の基準面に対する前記光軸方向の相対位置を計測する
    ことを特徴とする請求項2に記載の露光装置。
  4. 【請求項4】 前記計測装置は、前記感応基板表面とほ
    ぼ同一面である前記基準面に対する前記マスクの前記光
    軸方向の相対距離を前記投影光学系を介して計測する焦
    点距離計測装置であることを特徴とする請求項2に記載
    の露光装置。
  5. 【請求項5】 前記計測装置は、前記投影光学系と前記
    マスクとの間の前記光軸方向の距離を計測する装置であ
    ることを特徴とする請求項2に記載の露光装置。
  6. 【請求項6】 前記駆動装置は、前記吸着部による前記
    マスクの吸着状態で前記計測装置の計測結果に基づいて
    前記マスクのパターン面がほぼ平面となるように前記各
    吸着部を独立して駆動することを特徴とする請求項2に
    記載の露光装置。
  7. 【請求項7】 前記吸着部によりテストパターンが形成
    された所定の計測用マスクを吸着した状態で前記感応基
    板上の所定領域に転写された前記テストパターンの第1
    の転写像と前記吸着部による前記計測用マスクの吸着を
    解除した状態で前記感応基板上の前記所定領域と異なる
    領域に転写された前記テストパターンの第2の転写像と
    の位置ずれ量を計測する位置ずれ計測装置と;前記位置
    ずれ計測装置の計測結果に基づいて前記位置ずれ量が所
    定値以下となるような前記各吸着部の駆動量を算出する
    演算装置とを更に備え、 前記駆動装置が、前記演算装置で算出された駆動量に基
    づいて前記各吸着部を駆動することを特徴とする請求項
    1に記載の露光装置。
  8. 【請求項8】 前記吸着部によりテストパターンが形成
    された所定の計測用マスクを吸着した状態で行われる第
    1露光と前記吸着部による前記計測用マスクの吸着解除
    状態で行われる第2露光とで、前記感応基板の同一領域
    に重ねて転写された前記テストパターンの転写像の線幅
    を計測する線幅計測装置と;前記線幅計測装置の計測結
    果に基づいて前記線幅の基準値からの変化量が所定値以
    下となるような前記各吸着部の駆動量を算出する演算装
    置とを更に備え、 前記駆動装置が、前記演算装置で算出された駆動量に基
    づいて前記各吸着部を駆動することを特徴とする請求項
    1に記載の露光装置。
  9. 【請求項9】 マスクステージ上に複数の吸着部を介し
    てマスクを保持し、前記マスクに形成されたパターンを
    投影光学系を介して感応基板上に転写するための露光条
    件の決定方法であって、 所定のテストパターンが形成された計測用マスクを前記
    マスクステージ上の複数の吸着部で吸着した状態で前記
    テストパターンを前記投影光学系を介して感応基板上の
    所定領域に転写する第1工程と;前記複数の吸着部によ
    る前記計測用マスクの吸着解除状態で前記テストパター
    ンを前記投影光学系を介して前記感応基板上の前記所定
    領域とは異なる領域に転写する第2工程と;前記第1工
    程により前記感応基板上に形成された前記テストパター
    ンの像と前記第2工程により前記感応基板上に形成され
    た前記テストパターンの像との位置ずれを計測し、この
    計測結果に基づいて前記位置ずれ量が所定値以下となる
    ような前記各吸着部の前記投影光学系の光軸方向の駆動
    量を決定する第3工程とを含む露光条件の決定方法。
  10. 【請求項10】 マスクステージ上に複数の吸着部を介
    してマスクを保持し、前記マスクに形成されたパターン
    を投影光学系を介して感応基板上に転写するための露光
    条件の決定方法であって、 所定のテストパターンが形成された計測用マスクを前記
    マスクステージ上の前記吸着部で吸着した状態で前記テ
    ストパターンを感応基板上の所定領域に転写する第1工
    程と;前記吸着部による前記計測用マスクの吸着解除状
    態で前記テストパターンを前記感応基板上の前記所定領
    域に重ねて転写する第2工程と;前記第2工程後前記感
    応基板上に形成された前記テストパターン像の線幅を計
    測し、この計測結果に基づいて前記線幅の基準値からの
    変化量が所定値以下となるような前記各吸着部の前記投
    影光学系の光軸方向の駆動量を決定する第4工程とを含
    む露光条件の決定方法。
  11. 【請求項11】 マスクステージ上に複数の吸着部を介
    してマスクを保持し、前記マスクに形成されたパターン
    を投影光学系を介して感応基板上に転写する露光方法で
    あって、 前記請求項9又は10に記載の露光条件決定方法を用い
    て決定された駆動量に応じて前記各吸着部を駆動し、こ
    の状態を維持した状態で前記マスクに形成されたパター
    ンを前記投影光学系を介して転写することを特徴とする
    露光方法。
  12. 【請求項12】 請求項6〜8のいずれか一項に記載の
    露光装置を用いたリソグラフィ工程を含むことを特徴と
    するデバイス製造方法。
  13. 【請求項13】 マスクステージ上に複数の吸着部を介
    してマスクを保持し、所定波長の露光光で前記マスクに
    形成されたパターンを投影光学系を介して基板ステージ
    上に載置された感応基板上に転写するための露光条件の
    決定方法であって、 所定のテストパターンが形成された計測用マスクに対し
    て、前記マスクステージ上の前記吸着部で吸着した状態
    で前記露光光を照射する第1工程と;前記吸着部による
    前記計測用マスクの吸着解除状態で当該計測用マスクに
    対して前記露光光を照射する第2工程と;前記第1工程
    で前記投影光学系を介して形成された前記テストパター
    ン像と前記第2工程で前記投影光学系を介して形成され
    た前記テストパターン像との変化を計測する第3工程
    と;前記第3工程の計測結果を利用して露光条件を決定
    する第4工程とを含む露光条件の決定方法。
  14. 【請求項14】 前記第3工程における計測は、前記第
    1、第2工程で前記感応基板上にそれぞれ転写された前
    記テストパターン像相互の位置変化を計測することによ
    り行われることを特徴とする請求項13に記載の露光条
    件決定方法。
  15. 【請求項15】 前記第3工程における計測は、前記第
    1工程、第2工程でそれぞれ形成された前記テストパタ
    ーン像の光束を前記基板ステージ上に設けられた受光部
    により受光して得られる光電変換信号に基づいて行われ
    ることを特徴とする請求項13に記載の露光条件決定方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007178819A (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Ushio Inc 支持機構及び支持機構を使ったマスクステージ
JP2010032942A (ja) * 2008-07-31 2010-02-12 Panasonic Corp 露光方法、露光装置およびフラットパネルディスプレイの製造方法

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