JP4029360B2 - 投影露光装置及び投影露光方法並びに走査露光方法 - Google Patents

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本発明は、投影露光装置及び投影露光方法並びに走査露光方法に係り、更に詳しくはマスクに形成されたパターンの像を投影光学系を介して感応基板上に投影露光する投影露光装置及び投影露光方法並びに走査露光方法に関する。
従来より、半導体素子又は液晶表示素子等をフォトリソグラフィ工程で製造する場合に、種々の露光装置が使用されているが、現在では、フォトマスク又はレチクル(以下、「レチクル」と総称する)のパターン像を、投影光学系を介して表面にフォトレジスト等の感光材が塗布されたウエハ又はガラスプレート等の基板(以下、適宜「感応基板」と称する)上に転写する投影露光装置が一般的に使用されている。近年では、この投影露光装置として、感応基板を2次元的に移動自在な基板ステージ上に載置し、この基板ステージにより感応基板を歩進(ステッピング)させて、レチクルのパターン像を感応基板上の各ショット領域に順次露光する動作を繰り返す、所謂ステップ・アンド・リピート方式の縮小投影露光装置(いわゆるステッパー)が主流となっている。
最近になって、このステッパー等の静止型露光装置に改良を加えた、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置(例えば特開平7−176468号公報に記載された様な走査型露光装置)も比較的多く用いられるようになってきた。このステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置は、ステッパーに比べると大フィールドをより小さな光学系で露光できるため、投影光学系の製造が容易であるとともに、大フィールド露光によるショット数の減少により高スループットが期待出来る、投影光学系に対してレチクル及びウエハを相対走査することで平均化効果があり、ディストーションや焦点深度の向上が期待出来る等のメリットがある。さらに、半導体素子の集積度が16M(メガ)から64MのDRAM、更に将来的には256M、1G(ギガ)というように時代とともに高くなるのに伴い、大フィールドが必須になるため、ステッパーに代わってスキャン型投影露光装置が主流になるであろうと言われている。
そこで、このスキャン型投影露光装置を用いて感応基板を露光する場合は、例えば、特開平6−283403号公報等に記載されているように、露光フィールドに対して走査方向の手前側に設けられた1列全ての検出点をサンプル点として、予め露光前にそのサンプル点でのフォーカス位置の値を全て計測し、平均化処理やフィルタリング処理を行って、位相遅れを見込んで露光時にオープンでオートフォーカス及びオートレベリング機構を制御する。そして、それと並行して上記1列の各サンプル点でのフォーカス位置の計測値から最小自乗近似法で非スキャン方向の傾きを求め、非スキャン方向のレベリング制御をオープン制御で行う、いわゆる完全先読み制御法が実施されていた。
この種の投影露光装置は、主として半導体素子等の量産機として使用されるものであることから、一定時間内にどれだけの枚数のウエハを露光処理できるかという処理能力、すなわちスループットを向上させることが必然的に要請される。
これに関し、上記したステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置の場合、大フィールドを露光する場合には先に述べたように、ウエハ内に露光するショット数が少なくなるのでスループットの向上が見込まれるが、露光はレチクルとウエハとの同期走査による等速移動中に行われることから、その等速移動領域の前後に加減速領域が必要となり、仮にステッパーのショットサイズと同等の大きさのショットを露光する場合には、却ってステッパーよりスループットが落ちる可能性がある。
この種の投影露光装置における処理の流れは、大要次のようになっている。
1.まず、ウエハローダを使ってウエハをウエハテーブル上にロードするウエハロード工程が行われる。
2.次に、サーチアライメント機構によりウエハの大まかな位置検出を行うサーチアライメント工程が行われる。このサーチアライメント工程は、具体的には、例えば、ウエハの外形を基準としたり、あるいは、ウエハ上のサーチアライメントマークを検出することにより行われる。
3.次に、ウエハ上の各ショット領域の位置を正確に求めるファインアライメント工程が行われる。このファインアライメント工程は、一般にEGA(エンハンスト・グローバル・アライメント)方式が用いられ、この方式は、ウエハ内の複数のサンプルショットを選択しておき、当該サンプルショットに付設されたアライメントマーク(ウエハマーク)の位置を順次計測し、この計測結果とショット配列の設計値とに基づいて、いわゆる最小自乗法等による統計演算を行って、ウエハ上の全ショット配列データを求めるものであり(特開昭61−44429号等参照)、高スループットで各ショット領域の座標位置を比較的高精度に求めることができる。
4.次に、上述したEGA方式等により求めた各ショット領域の座標位置と予め計測したベースライン量とに基づいて露光位置にウエハ上の各ショット領域を順次位置決めしつつ、投影光学系を介してレチクルのパターン像をウエハ上に転写する露光工程が行われる。
5.次に、露光処理されたウエハテーブル上のウエハをウエハアンローダを使ってウエハアンロードさせるウエハアンロード工程が行われる。このウエハアンロード工程は、露光処理を行うウエハの上記1.のウエハロード工程と同時に行われる。すなわち、1.と5.とによってウエハ交換工程が構成される。
このように、従来の投影露光装置では、ウエハ交換→サーチアライメント→ファインアライメント→露光→ウエハ交換……のように、大きく4つの動作が1つのウエハステージを用いて繰り返し行われている。
また、この種の投影露光装置のスループットTHOR[枚/時間]は、上述したウエハ交換時間をT1、サーチアライメント時間をT2、ファインアライメント時間をT3、露光時間をT4とした場合に、次式(1)のように表すことができる。
THOR=3600/(T1+T2+T3+T4) ………(1)
上記T1〜T4の動作は、T1→T2→T3→T4→T1……のように順次(シーケンシャルに)繰り返し実行される。このため、T1〜T4までの個々の要素を高速化すれば分母が小さくなって、スループットTHORを向上させることができる。しかし、上述したT1(ウエハ交換時間)とT2(サーチアライメント時間)は、ウエハ1枚に対して一動作が行われるだけであるから改善の効果は比較的小さい。また、T3(ファインアライメント時間)の場合は、上述したEGA方式を用いる際にショットのサンプリング数を少なくしたり、ショット単体の計測時間を短縮すればスループットを向上させることができるが、逆にアライメント精度を劣化させることになるため、安易にT3を短縮することはできない。
また、T4(露光時間)は、ウエハ露光時間とショット間のステッピング時間とを含んでいる。例えば、ステップ・アンド・スキャン方式のような走査型投影露光装置の場合は、ウエハ露光時間を短縮させる分だけレチクルとウエハの相対走査速度を上げる必要があるが、同期精度が劣化することから、安易に走査速度を上げることができない。
また、この種の投影露光装置で上記スループット面の他に、重要な条件としては、解像度、焦点深度(DOF:Depth of Forcus )、線幅制御精度が挙げられる。解像度Rは、露光波長をλとし、投影レンズの開口数をN.A.(Numerical Aperture )とすると、λ/N.A.に比例し、焦点深度DOFはλ/(N.A.)2 に比例する。
このため、解像度Rを向上させる(Rの値を小さくする)には、露光波長λを小さくするか、あるいは開口数N.A.を大きくする必要がある。特に、最近では半導体素子等の高密度化が進んでおり、デバイスルールが0.2μmL/S(ライン・アンド・スペース)以下となってきていることから、これらのパターンを露光する為には照明光源としてKrFエキシマレーザを用いている。しかしながら、前述したように半導体素子の集積度は、将来的に更に上がることは必至であり、KrFより短波長な光源を備えた装置の開発が望まれる。このようなより短波長な光源を備えた次世代の装置の候補として、ArFエキシマレーザを光源とした装置、電子線露光装置等が代表的に挙げられるが、ArFエキシマレーザの場合は、酸素のある所では光が殆ど透過せず、高出力が出にくい上、レーザの寿命も短く、装置コストが高いという技術的な課題が山積しており、また、電子線露光装置の場合、光露光装置に比べてスループットが著しく低いという不都合があることから、短波長化を主な観点とした次世代機の開発は思うようにいかないというのが現実である。
解像度Rを上げる他の手法としては、開口数N.A.を大きくすることも考えられるが、N.A.を大きくすると、投影光学系のDOFが小さくなるというデメリットがある。このDOFは、UDOF(User Depth of Forcus:ユーザ側で使用する部分:パターン段差やレジスト厚等)と、装置自身の総合焦点差とに大別することができる。これまでは、UDOFの比率が大きかったため、DOFを大きく取る方向が露光装置開発の主軸であり、このDOFを大きくとる技術として例えば変形照明等が実用化されている。
ところで、デバイスを製造するためには、L/S(ライン・アンド・スペース)、孤立L(ライン)、孤立S(スペース)、及びCH(コンタクトホール)等が組み合わさったパターンをウエハ上に形成する必要があるが、上記のL/S、孤立ライン等のパターン形状毎に最適露光を行うための露光パラメータが異なっている。このため、従来は、ED−TREE(レチクルが異なるCHは除く)という手法を用いて、解像線幅が目標値に対して所定の許容誤差内となり、かつ所定のDOFが得られるような共通の露光パラメータ(コヒーレンスファクタσ、N.A.、露光制御精度、レチクル描画精度等)を求めて、これを露光装置の仕様とすることが行われている。しかしながら、今後は以下のような技術的な流れがあると考えられている。
1.プロセス技術(ウェハ上平坦化)向上により、パターン低段差化、レジスト厚減少が進み、UDOFが1μm台→0.4μm以下になる可能性がある。
2.露光波長がg線(436nm)→i線(365nm)→KrF(248nm)と短波長化している。しかし、今後はArF(193)までの光源しか検討されてなく、その技術的ハードルも高い。その後はEB露光に移行する。
3.ステップ・アンド・リピートのような静止露光に代わりステップ・アンド・スキャンのような走査露光がステッパーの主流になる事が予想されている。この技術は、径の小さい投影光学系で大フィールド露光が可能であり(特にスキャン方向)、その分高N.A.化を実現し易い。
上記のような技術動向を背景にして、限界解像度を向上させる方法として、二重露光法が見直され、この二重露光法をKrF及び将来的にはArF露光装置に用い、0.1μmL/Sまで露光しようという試みが検討されている。一般に二重露光法は以下の3つの方法に大別される。
(1)露光パラメータの異なるL/S、孤立線を別々のレチクルに形成し、各々最適露光条件により同一ウエハ上に二重に露光を行う。
(2)位相シフト法等を導入すると、孤立線よりL/Sの方が同一DOFにて限界解像度が高い。これを利用することにより、1枚目のレチクルで全てのパターンをL/Sで形成し、2枚目のレチクルにてL/Sを間引きすることで孤立線を形成する。
(3)一般に、L/Sより孤立線は、小さなN.A.にて高い解像度を得ることができる(但し、DOFは小さくなる)。そこで、全てのパターンを孤立線で形成し、1枚目と2枚目のレチクルによってそれぞれ形成した孤立線の組み合わせにより、L/Sを形成する。
上記の二重露光法は解像度向上、DOF向上の2つの効果がある。
しかし、二重露光法は、複数のレチクルを使って露光処理を複数回行う必要があるため、従来の装置に比べて露光時間(T4)が倍以上になり、スループットが大幅に劣化するという不都合があったことから、現実には、二重露光法はあまり真剣に検討されてなく、従来より露光波長の紫外化、変形照明、位相シフトレチクル等により、解像度、焦点深度(DOF)の向上が行われてきた。
しかしながら、先に述べた二重露光法をKrF、ArF露光装置に用いると0.1μmL/Sまでの露光が実現することにより、256M、1GのDRAMの量産を目的とする次世代機の開発の有力な選択肢であることは疑いなく、このためのネックとなる二重露光法の課題であるスループットの向上のため新技術の開発が待望されていた。
これに関し、前述した4つの動作すなわちウエハ交換、サーチアライメント、ファインアライメント、及び露光動作の内の複数動作同士を部分的にでも同時並行的に処理できれば、これら4つの動作をシーケンシャルに行う場合に比べて、スループットを向上させることができると考えられ、そのためには基板ステージを複数設けることが前提となる。この基板ステージを複数設けることは公知であり、理論上簡単なように思えるが、充分な効果を発揮させるために解決しなければならない多くの問題が山積している。例えば、現状と同程度の大きさの基板ステージを単に2つ並べて配置するのでは、装置の設置面積(いわゆるフットプリント)が著しく増大し、露光装置が置かれるクリーンルームのコストアップを招くという不都合がある。また、高精度な重ね合わせを実現するためには、同一の基板ステージ上の感応基板に対し、アライメントを実行した後、そのアライメントの結果を用いてマスクのパターン像と感応基板の位置合わせを実行して露光を行う必要があるため、単に2つの基板ステージの内、一方を例えば露光専用、他方をアライメント専用等とすることは、現実的な解決策とは成り得ない。
更に、走査型の投影露光装置では、ウエハW上の各ショット領域に対する露光順序は、1.スキャン時加減速時間、2.整定時間、3.露光時間、4.隣接ショットへのステッピング時間等の1.〜4.の各パラメータにより決定されるが、一般にレチクルステージの加減速が律速条件となるため、レチクルステージを走査方向の一側から他側、他側から一側に交互に走査し、これに合わせてウエハをレチクルステージと反対方向に交互に走査する(このためには、ウエハは1ショット露光後、非走査方向へ1ショット分ステッピングされる)ことが最も効率的である。
しかしながら、上述した従来の完全先読み制御(特開平6−283403号公報等)を行なう場合には、上述した最も効率的な露光順序で露光を行なうことが困難であった。すなわち、ウエハ中心近傍のショット領域を露光する場合は、特に問題なく上記完全先読み制御を行なうことができるが、ウエハ外周近傍に存在するショット領域や、外周での欠けショットでは、その走査方向によっては完全先読み制御が困難な場合があり、完全先読みを行なうために走査方向をウエハの内側から外側にせざるを得ないのが現状だからである。このため、スループットの低下を招いていた。
本発明は、第1の観点からすると、照明光(EL)で照明された照明領域(IA)に対してマスク(R)を走査方向に移動させるのと同期して前記照明領域(IA)に共役な露光領域(IF)に対して感応基板(W1又はW2)を前記走査方向に移動させることにより、前記感応基板(W1又はW2)上の複数のショット領域(210)の各々に前記マスク(R)のパターンの像を投影光学系(PL)を介して露光する投影露光方法であって、前記感応基板(W1又はW2)上の複数のショット領域(210)の内前記露光領域(IF)に対して前記感応基板(W1又はW2)の外側から内側へ走査されるように設定された外周近傍のショット領域(210)を含むように、前記複数のショット領域(210)の内の幾つかをサンプルショット領域として選択し;前記幾つかのサンプルショット領域の座標位置をそれぞれ計測し;前記幾つかのサンプルショット領域の座標位置を計測する際に前記幾つかのサンプルショット領域毎に前記感応基板(W1又はW2)の所定基準面に対する相対位置を検出し;前記計測されたサンプルショット領域の座標位置に基づいて前記感応基板(W1又はW2)上の複数のショット領域(210)の配列を決定し;前記露光領域(IF)に対して前記感応基板(W1又はW2)の外側から内側へ走査されるように設定された外周近傍のショット領域(210)を各々露光するときに、前記決定されたショット領域(210)の配列に基づいて前記マスク(R)のパターン像との位置合わせを行うとともに、前記座標位置の計測の際に検出された相対位置に基づいて前記感応基板(W1又はW2)の面位置を調整することを特徴とする投影露光方法である。
これによれば、感応基板上の複数のショット領域の内の露光領域に対して感応基板の外側から内側へ走査されるように設定された外周近傍のショット領域を含むように、複数のショット領域の内の幾つかがサンプルショット領域として選択される。そして、その幾つかのサンプルショット領域の座標位置がそれぞれ計測され、この幾つかのサンプルショット領域の座標位置が計測される際に幾つかのサンプルショット領域毎に感応基板の所定基準面に対する相対位置が検出される。次いで、計測されたサンプルショット領域の座標位置に基づいて感応基板上の複数のショット領域の配列が決定される。
そして、露光領域に対して感応基板の外側から内側へ走査されるように設定された外周近傍のショット領域を各々露光するときには、上で決定されたショット領域の配列に基づいて該ショット領域のマスクのパターン像との位置合わせが行われるとともに、座標位置の計測の際に検出された相対位置に基づいて感応基板の面位置が調整される。
このため、露光領域に対して感応基板の外側から内側へ走査されるように設定された外周近傍のショット領域を各々露光する場合であっても、座標位置の計測の際に検出された相対位置に基づいて感応基板の面位置を調整することができるので、このようなショット領域の露光に際してその走査方向を内側から外側へ変えてスループットを犠牲にするというような不都合を回避することができる。
この場合において、外周近傍のサンプルショット領域の座標位置を計測する際に、必ずしも露光時と同一方向に感応基板を移動させて感応基板の所定基準面に対する相対位置を検出しなくても良いが、サンプルショット領域の内の露光領域(IF)に対して感応基板(W1又はW2)の外側から内側へ走査されるように設定された外周近傍のショット領域(210)の座標位置を計測する際に、露光時と同じ方向に感応基板(W1又はW2)を移動しながら感応基板(W1又はW2)の所定基準面に対する相対位置を検出するようにすることが望ましい。このようにする場合には、感応基板(W1又はW2)の移動方向に依存するオフセット等が除去されたフォーカス制御を行うことが可能となるからである。
本発明は、第2の観点からすると、照明光(EL)で照明された照明領域(IA)に対してマスク(R)を走査方向に移動させるのと同期して前記照明領域(IA)に共役な露光領域(IF)に対して感応基板(W)を前記走査方向に移動させることにより前記マスク(R)のパターン像を前記感応基板(W)上に露光する走査型の投影露光装置であって、感応基板(W)を保持して2次元平面内を移動可能な基板ステージ(WS)と;前記露光領域(IF)に対して前記走査方向の一方側と他方側に前記走査方向に直交する非走査方向の幅が前記露光領域(IF)より広い検出領域をそれぞれ有し、該各検出領域内に前記非走査方向に沿って設定された複数の検出点(例えば、FA1〜FA9)の少なくとも1つで前記感応基板(W)面の所定基準面に対する相対位置を検出する位置検出系(151、161)と;前記基板ステージ(WS)に設けられ、ステージ(WS)上に保持された感応基板(W)の面位置を調整するための基板駆動系(LS)と;前記基板ステージ(WS)上に保持された感応基板(W)の外周近傍のショット領域を、前記露光領域が感応基板の外側から内側へ走査されるように露光する際に、前記位置検出系(151、161)の検出結果に基づいて前記基板駆動系(LS)を制御する制御手段(90)と;を有する投影露光装置である。
これによれば、位置検出系が露光領域に対して走査方向の一方側と他方側にそれぞれ走査方向に直交する非走査方向に配列され、その非走査方向の幅が露光領域よりも広い検出領域を有しており、各検出領域内の非走査方向に沿って設定された複数の検出点の少なくとも1つで感応基板面の所定基準面に対する相対位置を検出し、制御手段では基板ステージ上に保持された感応基板の外周近傍のショット領域を、露光領域が感応基板の外側から内側へ走査されるように露光する際に、位置検出系の検出結果に基づいて基板駆動系を制御する。このため、例えば、従来の露光領域と同一幅の検出領域しか持たない先読みセンサでは、感応基板の外側から内側へ走査する場合、感応基板の外周近傍の領域では先読み制御が困難であったのと異なり、このような場合でも、露光領域の外側にはみ出した検出領域部分の検出点により隣接部の感応基板面の所定基準面に対する相対位置を検出することが可能であり、この検出データに基づいて基板駆動系を制御することにより感応基板の面位置を調整することが可能となる。従って、感応基板の走査方向の変更によるスループット低下を防止することができるとともに、上記検出データの活用によりフォーカス制御の追い込みが可能となる。
あるいは、基板外周部のあるショット領域の露光中にその隣接するショット領域の面位置情報を露光領域の外側にはみ出した走査方向一方と他方側の検出領域部分の検出点により検出し、これを記憶しておくことにより、前記隣接するショット領域の露光の際に、仮にこの隣接ショットが、前述した従来の先読みセンサによる先読み制御が困難なショット領域であっても、記憶した面位置情報に基づいて迅速なフォーカスの追い込みが可能になる。
この場合において、制御手段(90)では、位置検出系の検出結果の内感応基板の走査方向に向かって露光領域の手前に設定された検出領域内の複数の検出点(例えば、FA1〜FA9)の少なくとも1つの検出結果に基づいて基板駆動系(LS)を制御するようにしても良い。すなわち、位置検出系を先読みセンサとしてのみ用いても良い。
また、感応基板の面位置を調整するために基板駆動系の制御を開始する時期として種々の時期が考えられるが、制御手段(90)は、感応基板(W)の外周近傍のショット領域(212)を感応基板(W)の外側から内側に向かって走査露光する際に、複数の検出点(例えば、FA1〜FA9)の内の少なくとも1つが感応基板(W)上の有効領域内にかかった時点から、感応基板(W)上にかかる検出点(FA1〜FA9)の検出結果に基づいて感応基板(W)の面位置調整のため基板駆動系(LS)の制御を開始するようにしても良い。これは、検出点の少なくとも1つが有効領域にかかった状態から基板駆動系の制御を開始することにより、迅速な面位置の追い込み(フォーカスの追い込み)が可能になるからである。
また、ショット領域にかかる検出点が1点である場合に基板駆動系を介して感応基板の面位置(傾きを含む)を調整するにあたって、制御手段(90)は、感応基板(W)の外周近傍のショット領域(212)を走査露光する際に、当該ショット領域(212)にかかる検出点(例えば、FA3〜FA7)が1点である場合には所定の固定値に基づいて基板駆動系(LS)を介して感応基板(W)の傾きを調整するようにしても良い。例えば、所定の固定値として傾き零が挙げられ、この場合には上記検出点で検出された基準面に直交する方向の面位置を含む水平面に感応基板表面が設定されることになる。従って、検出点が1点であってもフォーカス制御に加え、レベリング制御を行うことが可能になる。
あるいは、制御手段(90)は、感応基板(W)の外周近傍のショット領域(212)を走査露光する際に、当該ショット領域(212)にかかる検出点(例えば、FA3〜FA7)が1点である場合には当該ショット領域(212)に隣接するショット領域上にかかる他の検出点(例えば、FA1、FA2、FA8、FA9)の検出結果と1点の検出結果とに基づいて基板駆動系(LS)を介して感応基板(W)の傾きを調整するようにしても良い。このように、隣接ショット領域上の検出結果と1点の検出結果とを用いることにより、露光ショット領域内の検出点が1点であっても、ある程度正確なフォーカス、レベリング制御を行うことが可能になる。
本発明の投影露光装置では、制御手段は(90)、感応基板(W)上の複数のショット領域(212)毎に、複数の検出点(例えば、FA1〜FA9)の内のいずれの検出点の検出結果を用いるかを予め決定し、感応基板(W)上のあるショット領域(212)を走査露光する際には、当該ショット領域(212)に対して決定された検出点の検出結果のみを用いて前記基板駆動系(LS)を介して前記感応基板(W)の面位置を調整しても良い。このように、各ショット領域に応じた面位置の検出に適した検出点を予め決めておくことにより、効率の良い誤差の少ない面位置調整(フォーカス・レベリング制御)が可能になる。
また、上記感応基板上の有効領域は、感応基板(W)上の全面または感応基板(W)の周縁部に定められた禁止帯(パターン禁止帯)の内側であることが望ましい。この場合、少なくとも1つの検出点が感応基板、あるいは感応基板の周縁部に定められた禁止帯の内側にかかった時点から感応基板の面位置を調整するための基板駆動系の制御が開始されることになる。特に、感応基板の周縁部に定められた禁止帯の内側とすることにより、感応基板の外周付近の反りやゴミの影響を受け難くなるため、一層正確に感応基板の面位置を検出することができる。
また、有効領域か否かを判断する判断基準としては種々のものがあるが、例えば、制御手段(90)は、感応基板(W)の外周位置情報、位置検出系(151、161)の各検出点(例えば、FA1〜FA9)の位置情報、及び露光対象のショット領域(212)の位置情報に基づいて、位置検出系(151、161)の検出点(FA1〜FA9)のいずれが感応基板(W)上の有効領域にかかっているか否かを判断するようにしても良い。これにより、位置検出系のいずれの検出点が感応基板上の有効領域にかかっているか否かを正確に判断することが可能となり、基板駆動系による感応基板の面位置調整の制御を正確に開始させることができる。
さらに、有効領域か否かを判断する判断基準としては、例えば、制御手段(90)は、位置検出系(151、161)の複数の検出点(例えば、FA1〜FA9)の検出結果をそれぞれ所定の許容値と比較することにより、位置検出系(151、161)の検出点(FA1〜FA9)のいずれが感応基板(W)上の有効領域にかかっているか否かを判断するようにしても良い。この場合は、所定の許容値の範囲内に検出値が入っているか否かで有効領域か否かを判断するもので、有効領域内でも感応基板の反りやゴミ等の影響による誤差要因がある場合、許容値の範囲外であればこれを除去することが可能なため、不測の事態にも対処できる利点がある。
また、制御手段により基板駆動系を介して感応基板の傾き調整を開始する時期として、例えば、感応基板(W)の外周近傍のショット領域(212)を走査露光する際に、当該ショット領域(212)にかかる検出点(例えば、FA1〜FA9)が複数になった時点から、当該ショット領域(212)にかかる検出点(FA1〜FA9)の検出結果だけに基づく感応基板(W)の傾き調整を基板駆動系(LS)を介して開始しても良い。これにより、当該ショット領域にかかる検出点が複数になった場合は、ショット領域の面の傾きがわかるため、正確なレベリング制御を行うことが可能になる。
また、位置検出系のどの検出点がいずれのショット領域にかかっているか否かを判断する判断基準として種々のものがあるが、例えば、制御手段(90)は、感応基板(W)の外周位置情報、位置検出系(151、161)の各検出点(例えば、FA1〜FA9)の位置情報、及び露光対象のショット領域(212)の位置情報に基づいて、位置検出系(151、161)の検出点のいずれが当該ショット領域(212)にかかっているか否かを判断するようにしても良い。これにより、位置検出系のいずれの検出点が感応基板上のいずれのショット領域にかかっているか否かを正確に判断することができるため、ショット領域にかかる検出点の数を正確に判断することができる。
また、制御手段(90)は、感応基板(W)の外周近傍のショット領域(212)を走査露光する際に、当該ショット領域(212)にかかる検出点(例えば、FA1〜FA9)が1点である場合には1点の検出点(FA1〜FA9の内の1点)とこれに隣接する少なくとも1点の検出点(FA1〜FA9の内の隣接する点)とを含む所定数の検出点(FA1〜FA9)の検出結果に基づいて基板駆動系(LS)を介して感応基板(W)の傾き調整を開始し、その後、傾き調整に使用する検出点(FA1〜FA9)を順次当該ショット領域(212)内部側にシフトするようにしても良い。当該ショット領域にかかる検出点が1点であっても、その1点の検出点に隣接する少なくとも1点の検出点を含む検出点の検出結果に基づいて感応基板の傾き調整を開始し、当該ショット領域内部の検出点が増えるに従って傾き調整に使用する検出点を順次当該ショット領域内部側にシフトすることにより、より正確な傾き調整を行うことができる。
本発明は、第3の観点からすると、照明光(EL)で照明された照明領域(IA)に対してマスク(R)を走査方向に移動させるのと同期して前記照明領域(IA)に共役な露光領域(IF)に対して感応基板(W)を前記走査方向に移動させることにより前記マスク(W)のパターン像を前記感応基板(W)上に露光する走査露光方法において、感応基板(W)の外周近傍のショット領域を、前記露光領域が感応基板の外側から内側へ走査するように露光する際に、前記露光領域(IF)に対して前記走査方向の一方側と他方側にそれぞれ位置する前記走査方向に直交する非走査方向の幅が前記露光領域(IF)より広い検出領域(ABE、AFE)内に前記非走査方向に沿って複数のスリット像が配置されるように、所定角度傾斜した方向から前記感応基板(W)表面にスリット像を投影し、前記感応基板(W)からの前記各スリット像の反射光束を受光し、その光電変換信号に基づいて前記スリット像が投影される各検出点(例えば、AF1〜AF9)における前記感応基板(W)面の所定の基準面からの相対位置をそれぞれ算出し、この算出結果に基づいて前記露光領域(IF)内における前記感応基板(W)の面位置を調整することを特徴とする走査露光方法である。
これによれば、感応基板の外周近傍のショット領域を、前記露光領域が感応基板の外側から内側へ走査するように露光する際に、露光領域に対して走査方向の一方側と他方側にそれぞれ位置する走査方向に直交する非走査方向の幅が露光領域よりも広い検出領域内に非走査方向に沿って複数のスリット像が配置されるように、所定角度傾斜した方向から感応基板表面にスリット像が投影され、感応基板からの各スリット像の反射光束を受光して得られる光電変換信号に基づいてスリット像が投影される各検出点における感応基板面の所定の基準面からの相対位置がそれぞれ算出される。そして、この算出結果に基づいて露光領域内における感応基板の面位置が調整される。このため、例えば、感応基板の外周近傍の領域を露光する際に感応基板の外側から内側へ走査する場合に、露光領域の外側にはみ出した検出点おけるスリット像の反射光束の光電変換信号に基づいてその検出点における感応基板面の所定の基準面からの相対位置を算出することができる。この結果、前記露光領域の外側にはみ出した検出点により隣接部の感応基板面の所定基準面に対する相対位置を算出することが可能であり、この算出結果に基づいて感応基板の面位置を調整することが可能となり、感応基板の走査方向の変更によるスループット低下を防止することができるとともに、上記算出データの活用によりフォーカス制御の追い込みが可能となる。
《第1の実施形態》
以下、本発明の第1の実施形態を図1ないし図18に基づいて説明する。
図1には、第1の実施形態に係る投影露光装置10の概略構成が示されている。この投影露光装置10は、いわゆるステップ・アンド・スキャン方式の走査露光型の投影露光装置である。
この投影露光装置10は、ベース盤12上を感応基板としてのウエハW1、W2をそれぞれ保持して独立して2次元方向に移動する第1、第2の基板ステージとしてのウエハステージWS1、WS2を備えたステージ装置、このステージ装置の上方に配置された投影光学系PL、投影光学系PLの上方でマスクとしてのレチクルRを主として所定の走査方向、ここではY軸方向(図1における紙面直交方向)に駆動するレチクル駆動機構、レチクルRを上方から照明する照明系及びこれら各部を制御する制御系等を備えている。
前記ステージ装置は、ベース盤12上に不図示の空気軸受けを介して浮上支持され、X軸方向(図1における紙面左右方向)及びY軸方向(図1における紙面直交方向)に独立して2次元移動可能な2つのウエハステージWS1、WS2と、これらのウエハステージWS1、WS2を駆動するステージ駆動系と、ウエハステージWS1、WS2の位置を計測する干渉計システムとを備えている。
これをさらに詳述すると、ウエハステージWS1、WS2の底面には不図示のエアパッド(例えば、真空予圧型空気軸受け)が複数ヶ所に設けられており、このエアパッドの空気噴き出し力と真空予圧力とのバランスにより例えば数ミクロンの間隔を保った状態で、ベース盤12上に浮上支持されている。
ベース盤12上には、図3の平面図に示されるように、X軸方向に延びる2本のX軸リニアガイド(例えば、いわゆるムービングコイル型のリニアモータの固定側マグネットのようなもの)122、124が平行に設けられており、これらのX軸リニアガイド122、124には、当該各X軸リニアガイドに沿って移動可能な各2つの移動部材114、118及び116、120がそれぞれ取り付けられている。これら4つの移動部材114、118、116、120の底面部には、X軸リニアガイド122又は124を上方及び側方から囲むように不図示の駆動コイルがそれぞれ取り付けられており、これらの駆動コイルとX軸リニアガイド122又は124とによって、各移動部材114、116、118、120をX軸方向に駆動するムービングコイル型のリニアモータが、それぞれ構成されている。但し、以下の説明では、便宜上、上記移動部材114、116、118、120をX軸リニアモータと呼ぶものとする。
この内2つのX軸リニアモータ114、116は、Y軸方向に延びるY軸リニアガイド(例えば、ムービングマグネット型のリニアモータの固定側コイルのようなもの)110の両端にそれぞれ設けられ、また、残り2つのX軸リニアモータ118、120は、Y軸方向に延びる同様のY軸リニアガイド112の両端に固定されている。従って、Y軸リニアガイド110は、X軸リニアモータ114、116によってX軸リニアガイド122、124に沿って駆動され、またY軸リニアガイド112は、X軸リニアモータ118、120によってX軸リニアガイド122、124に沿って駆動されるようになっている。
一方、ウエハステージWS1の底部には、一方のY軸リニアガイド110を上方及び側方から囲む不図示のマグネットが設けられており、このマグネットとY軸リニアガイド110とによってウエハステージWS1をY軸方向に駆動するムービングマグネット型のリニアモータが構成されている。また、ウエハステージWS2の底部には、他方のY軸リニアガイド112を上方及び側方から囲む不図示のマグネットが設けられており、このマグネットとY軸リニアガイド112とによってウエハステージWS2をY軸方向に駆動するムービングマグネット型のリニアモータが構成されている。
すなわち、本第1の実施形態では、上述したX軸リニアガイド122、124、X軸リニアモータ114、116、118、120、Y軸リニアガイド110、112及びウエハステージWS1、WS2底部の不図示のマグネット等によってウエハステージWS1、WS2を独立してXY2次元駆動するステージ駆動系が構成されている。このステージ駆動系は、図1のステージ制御装置38によって制御される。
なお、Y軸リニアガイド110の両端に設けられた一対のX軸リニアモータ114、116のトルクを若干可変する事で、ウエハステージWS1に微少ヨーイングを発生させたり、除去する事も可能である。同様に、Y軸リニアガイド112の両端に設けられた一対のX軸リニアモータ118、120のトルクを若干可変する事で、ウエハステージWS2に微少ヨーイングを発生させたり、除去する事も可能である。
前記ウエハステージWS1、WS2上には、不図示のウエハホルダを介してウエハW1、W2が真空吸着等により固定されている。ウエハホルダは、不図示のZ・θ駆動機構によって、XY平面に直交するZ軸方向及びθ方向(Z軸回りの回転方向)に微小駆動されるようになっている。また、ウエハステージWS1、WS2の上面には、種々の基準マークが形成された基準マーク板FM1、FM2がウエハW1、W2とそれぞれほぼ同じ高さになるように設置されている。これらの基準マーク板FM1、FM2は、例えば各ウエハステージの基準位置を検出する際に用いられる。
また、ウエハステージWS1のX軸方向一側の面(図1における左側面)20とY軸方向一側の面(図1における紙面奥側の面)21とは、鏡面仕上げがなされた反射面となっており、同様に、ウエハステージWS2のX軸方向他側の面(図1における右側面)22とY軸方向の一側の面23とは、鏡面仕上げがなされた反射面となっている。これらの反射面に、後述する干渉計システムを構成する各測長軸(BI1X、BI2X等)の干渉計ビームが投射され、その反射光を各干渉計で受光することにより、各反射面の基準位置(一般には投影光学系側面やアライメント光学系の側面に固定ミラーを配置し、そこを基準面とする)からの変位を計測し、これにより、ウエハステージWS1、WS2の2次元位置がそれぞれ計測されるようになっている。なお、干渉計システムの測長軸の構成については、後に詳述する。
前記投影光学系PLとしては、ここでは、Z軸方向の共通の光軸を有する複数枚のレンズエレメントから成り、両側テレセントリックで所定の縮小倍率、例えば1/5を有する屈折光学系が使用されている。このため、ステップ・アンド・スキャン方式の走査露光時におけるウエハステージの走査方向の移動速度は、レチクルステージの移動速度の1/5となる。
この投影光学系PLのX軸方向の両側には、図1に示されるように、同じ機能を持ったオフアクシス(off-axis)方式のアライメント系24a、24bが、投影光学系PLの光軸中心(レチクルパターン像の投影中心と一致)よりそれぞれ同一距離だけ離れた位置に設置されている。これらのアライメント系24a、24bは、LSA(Laser Step Alignment)系、FIA( Filed Image Alignment)系、LIA(Laser Interferometric Alignment )系の3種類のアライメントセンサを有しており、基準マーク板上の基準マーク及びウエハ上のアライメントマークのX、Y2次元方向の位置計測を行うことが可能である。
ここで、LSA系は、レーザ光をマークに照射して、回折・散乱された光を利用してマーク位置を計測する最も汎用性のあるセンサであり、従来から幅広いプロセスウエハに使用される。FIA系は、ハロゲンランプ等のブロードバンド(広帯域)光でマークを照明し、このマーク画像を画像処理することによってマーク位置を計測するセンサであり、アルミ層やウエハ表面の非対称マークに有効に使用される。また、LIA系は、回折格子状のマークに周波数をわずかに変えたレーザ光を2方向から照射し、発生した2つの回折光を干渉させて、その位相からマークの位置情報を検出するセンサであり、低段差や表面荒れウエハに有効に使用される。
本第1の実施形態では、これら3種類のアライメントセンサを、適宜目的に応じて使い分け、ウエハ上の3点の一次元マークの位置を検出してウエハの概略位置計測を行ういわゆるサーチアライメントや、ウエハ上の各ショット領域の正確な位置計測を行うファインアライメント等を行うようになっている。
この場合、アライメント系24aは、ウエハステージWS1上に保持されたウエハW1上のアライメントマーク及び基準マーク板FM1上に形成された基準マークの位置計測等に用いられる。また、アライメント系24bは、ウエハステージWS2上に保持されたウエハW2上のアライメントマーク及び基準マーク板FM2上に形成された基準マークの位置計測等に用いられる。
これらのアライメント系24a、24bを構成する各アライメントセンサからの情報は、アライメント制御装置80によりA/D変換され、デジタル化された波形信号を演算処理してマーク位置が検出される。この結果が制御手段としての主制御装置90に送られ、主制御装置90からその結果に応じてステージ制御装置に対し露光時の同期位置補正等が指示されるようになっている。
さらに、本第1の実施形態の露光装置10では、図1では図示を省略したが、レチクルRの上方に、図5に示されるような、投影光学系PLを介してレチクルR上のレチクルマーク(図示省略)と基準マーク板FM1、FM2上のマークとを同時に観察するための露光波長を用いたTTR(Through The Reticle )アライメント光学系から成る一対のレチクルアライメント顕微鏡142、144が設けられている。これらのレチクルアライメント顕微鏡142、144の検出信号は、主制御装置90に供給されるようになっている。この場合、レチクルRからの検出光をそれぞれレチクルアライメント顕微鏡142及び144に導くための偏向ミラー146及び148が移動自在に配置され、露光シーケンスが開始されると、主制御装置90からの指令のもとで、不図示のミラー駆動装置によりそれぞれ偏向ミラー146及び148が待避される。なお、レチクルアライメント顕微鏡142、144と同等の構成は、例えば特開平7−176468号公報等に開示されているのでここでは詳細な説明については省略する。
また、図1では図示を省略したが、投影光学系PL、アライメント系24a、24bのそれぞれには、図4に示されるように、合焦位置を調べるためのオートフォーカス/オートレベリング計測機構(以下、「AF/AL系」という)130、132、134が設けられている。この内、第2の検出系としてのAF/AL系132は、スキャン露光によりレチクルR上のパターンをウエハ(W1又はW2)上に正確に転写するには、レチクルR上のパターン形成面とウエハWの露光面とが投影光学系PLに関して共役になっている必要があることから、ウエハWの露光面が投影光学系PLの像面に焦点深度の範囲内で合致しているかどうか(合焦しているかどうか)を検出するために、設けられているものである。本第1の実施形態では、AF/AL系132として、いわゆる多点AF系が使用されている。
ここで、このAF/AL系132を構成する多点AF系の詳細構成について、図5及び図6に基づいて説明する。
このAF/AL系(多点AF系)132は、図5に示されるように、光ファイバ束150、集光レンズ152、パターン形成板154、レンズ156、ミラー158及び照射対物レンズ160から成る照射光学系151と、集光対物レンズ162、回転方向振動板164、結像レンズ166、受光器168から成る集光光学系161とから構成されている。
ここで、このAF/AL系(多点AF系)132の上記構成各部についてその作用と共に説明する。
露光光ELとは異なるウエハW1(又はW2)上のフォトレジストを感光させない波長の照明光が、図示しない照明光源から光ファイバ束150を介して導かれ、この光ファイバ束150から射出された照明光が、集光レンズ152を経てパターン形成板154を照明する。このパターン形成板154を透過した照明光は、レンズ156、ミラー158及び照射対物レンズ160を経てウエハWの露光面に投影され、ウエハW1(又はW2)の露光面に対してパターン形成板154上のパターンの像が光軸AXに対して斜めに投影結像される。ウエハW1で反射された照明光は、集光対物レンズ162、回転方向振動板164及び結像レンズ166を経て受光器168の受光面に投影され、受光器168の受光面にパターン形成板154上のパターンの像が再結像される。ここで、主制御装置90は、加振装置172を介して回転方向振動板164に所定の振動を与えるとともに、受光器168の多数(具体的には、パターン形成板154のスリットパターンと同数)の受光素子からの検出信号を信号処理装置170に供給する。また、信号処理装置170は、各検出信号を加振装置172の駆動信号で同期検波して得た多数のフォーカス信号をステージ制御装置38を介して主制御装置90へ供給する。
この場合、パターン形成板154には、図6に示されるように、例えば5×9=45個の上下方向のスリット状の開口パターン93−11〜93−59が形成されており、これらのスリット状の開口パターンの像がウエハWの露光面上にX軸及びY軸に対して斜め(45°)に投影される。この結果、図4に示されるようなX軸及びY軸に対して45°に傾斜したマトリクス配置のスリット像が形成される。なお、図4における符号IFは、照明系により照明されるレチクル上の照明領域と共役なウエハ上の照明フィールドを示す。この図4からも明らかなように、投影光学系PL下の照明フィールドIFより2次元的に十分大きいエリアに検出用ビームが照射されている。
その他の第1の検出系としてのAF/AL系130、134も、このAF/AL系132と同様に構成されている。すなわち、本第1の実施形態では、露光時の焦点検出に用いられるAF/AL系132とほぼ同一の領域をアライメントマークの計測時に用いられるAF/AL機構130、134によっても検出ビームが照射可能な構成となっている。このため、アライメント系24a、24bによるアライメントセンサの計測時に、露光時と同様のAF/AL系の計測、制御によるオートフォーカス/オートレベリングを実行しつつアライメントマークの位置計測を行うことにより、高精度なアライメント計測が可能になる。換言すれば、露光時とアライメント時との間で、ステージの姿勢によるオフセット(誤差)が発生しなくなる。
次に、レチクル駆動機構について、図1及び図2に基づいて説明する。
このレチクル駆動機構は、レチクルベース盤32上をレチクルRを保持してXYの2次元方向に移動可能なレチクルステージRSTと、このレチクルステージRSTを駆動する不図示のリニアモータと、このレチクルステージRSTの位置を管理するレチクル干渉計システムとを備えている。
これを更に詳述すると、レチクルステージRSTには、図2に示されるように、2枚のレチクルR1、R2がスキャン方向(Y軸方向)に直列に設置できる様になっており、このレチクルステージRSTは、不図示のエアーベアリング等を介してレチクルベース盤32上に浮上支持され、不図示のリニアモータ等から成る駆動機構30(図1参照)によりX軸方向の微小駆動、θ方向の微小回転及びY軸方向の走査駆動がなされるようになっている。なお、駆動機構30は、前述したステージ装置と同様のリニアモータを駆動源とする機構であるが、図1では図示の便宜上及び説明の便宜上から単なるブロックとして示しているものである。このため、レチクルステージRST上のレチクルR1、R2が例えば二重露光の際に選択的に使用され、いずれのレチクルについてもウエハ側と同期スキャンできる様な構成となっている。
このレチクルステージRST上には、X軸方向の一側の端部に、レチクルステージRSTと同じ素材(例えばセラミック等)から成る平行平板移動鏡34がY軸方向に延設されており、この移動鏡34のX軸方向の一側の面には鏡面加工により反射面が形成されている。この移動鏡34の反射面に向けて図1の干渉計システム36を構成する測長軸BI6Xで示される干渉計からの干渉計ビームが照射され、干渉計ではその反射光を受光してウエハステージ側と同様にして基準面に対する相対変位を計測することにより、レチクルステージRSTの位置を計測している。ここで、この測長軸BI6Xを有する干渉計は、実際には独立に計測可能な2本の干渉計光軸を有しており、レチクルステージのX軸方向の位置計測と、ヨイーング量の計測が可能となっている。この測長軸BI6Xを有する干渉計は、後述するウエハステージ側の測長軸BI1X、BI2Xを有する干渉計16、18からのウエハステージWS1、WS2のヨーイング情報やX位置情報に基づいてレチクルとウエハの相対回転(回転誤差)をキャンセルする方向にレチクルステージRSTを回転制御したり、X方向同期制御を行うために用いられる。
一方、レチクルステージRSTの走査方向(スキャン方向)であるY軸方向の他側(図1における紙面手前側)には、一対のコーナーキューブミラー35、37が設置されている。そして、不図示の一対のダブルパス干渉計から、これらのコーナーキューブミラー35、37に対して図2に測長軸BI7Y、BI8Yで示される干渉計ビームが照射され、レチクルベース盤32上の反射面にコーナーキューブミラー35、37より戻され、そこで反射したそれぞれの反射光が同一光路を戻り、それぞれのダブルパス干渉計で受光され、それぞれのコーナーキューブミラー35、37の基準位置(レファレンス位置で前記レチクルベース盤32上の反射面)からの相対変位が計測される。そして、これらのダブルパス干渉計の計測値が図1のステージ制御装置38に供給され、その平均値に基づいてレチクルステージRSTのY軸方向の位置が計測される。このY軸方向位置の情報は、ウエハ側の測長軸BI3Yを有する干渉計の計測値に基づくレチクルステージRSTとウエハステージWS1又はWS2との相対位置の算出、及びこれに基づく走査露光時の走査方向(Y軸方向)のレチクルとウエハの同期制御に用いられる。
すなわち、本第1の実施形態では、干渉計36及び測長軸BI7Y、BI8Yで示される一対のダブルパス干渉計によってレチクル干渉計システムが構成されている。
次に、ウエハステージWST1、WST2の位置を管理する干渉計システムについて、図1ないし図3を参照しつつ説明する。
これらの図に示されるように、投影光学系PLの投影中心とアライメント系24a、24bのそれぞれの検出中心とを通る第1軸(X軸)に沿ってウエハステージWS1のX軸方向一側の面には、図1の干渉計16からの第1測長軸BI1Xで示される干渉計ビームが照射され、同様に、第1軸に沿ってウエハステージWS2のX軸方向の他側の面には、図1の干渉計18からの第2測長軸BI2Xで示される干渉計ビームが照射されている。そして、干渉計16、18ではこれらの反射光を受光することにより、各反射面の基準位置からの相対変位を計測し、ウエハステージWS1、WS2のX軸方向位置を計測するようになっている。ここで、干渉計16、18は、図2に示されるように、各3本の光軸を有する3軸干渉計であり、ウエハステージWS1、WS2のX軸方向の計測以外に、チルト計測及びθ計測が可能となっている。各光軸の出力値は独立に計測できる様になっている。ここで、ウエハステージWS1、WS2のθ回転を行う不図示のθステージ及びZ軸方向の微小駆動及び傾斜駆動を行う基板駆動系としてのZ・レベリングステージRS1、RS2は、実際には、反射面の下にあるので、ウエハステージのチルト制御時の駆動量は全て、これらの干渉計16、18によりモニターする事ができる(基板駆動系)。
なお、第1測長軸BI1X、第2測長軸BI2Xの各干渉計ビームは、ウエハステージWS1、WS2の移動範囲の全域で常にウエハステージWS1、WS2に当たるようになっており、従って、X軸方向については、投影光学系PLを用いた露光時、アライメント系24a、24bの使用時等いずれのときにもウエハステージWS1、WS2の位置は、第1測長軸BI1X、第2測長軸BI2Xの計測値に基づいて管理される。
また、図2及び図3に示されるように、投影光学系PLの投影中心で第1軸(X軸)と垂直に交差する第3測長軸BI3Yを有する干渉計と、アライメント系24a、24bのそれぞれの検出中心で第1軸(X軸)とそれぞれ垂直に交差する第4測長軸としての測長軸BI4Y、BI5Yをそれぞれ有する干渉計とが設けられている(但し、図中では測長軸のみが図示されている)。
本第1の実施形態の場合、投影光学系PLを用いた露光時のウエハステージWS1、WS2のY方向位置計測には、投影光学系の投影中心、すなわち光軸AXを通過する測長軸BI3Yの干渉計の計測値が用いられ、アライメント系24aの使用時のウエハステージWS1のY方向位置計測には、アライメント系24aの検出中心、すなわち光軸SXを通過する測長軸BI4Yの計測値が用いられ、アライメント系24b使用時のウエハステージWS2のY方向位置計測には、アライメント系24bの検出中心、すなわち光軸SXを通過する測長軸BI5Yの計測値が用いられる。
従って、各使用条件により、Y軸方向の干渉計測長軸がウエハステージWS1、WS2の反射面より外れる事となるが、少なくとも一つの測長軸、すなわち測長軸BI1X、BI2XはそれぞれのウエハステージWS1、WS2の反射面から外れることがないので、使用する干渉計光軸が反射面上に入った適宜な位置でY側の干渉計のリセットを行うことができる。この干渉計のリセット方法については、後に詳述する。
なお、上記Y計測用の測長軸BI3Y、BI4Y、BI5Yの各干渉計は、各2本の光軸を有する2軸干渉計であり、ウエハステージWS1、WS2のY軸方向の計測以外に、チルト計測が可能となっている。各光軸の出力値は独立に計測できるようになっている。
本第1の実施形態では、干渉計16、18及び測長軸BI3Y、BI4Y、BI5Yを有する3つの干渉計の合計5つの干渉計によって、ウエハステージWS1、WS2の2次元座標位置を管理する干渉計システムが構成されている。
また、本第1の実施形態では、後述するように、ウエハステージWS1、WS2の内の一方が露光シーケンスを実行している間、他方はウエハ交換、ウエハアライメントシーケンスを実行するが、この際に両ステージの干渉がないように、各干渉計の出力値に基づいて主制御装置90の指令に応じてステージ制御装置38により、ウエハステージWS1、WS2の移動が管理されている。
次に、照明系について、図1に基づいて説明する。この照明系は、図1に示されるように、露光光源40、シャッタ42、ミラー44、ビームエキスパンダ46、48、第1フライアイレンズ50、レンズ52、振動ミラー54、レンズ56、第2フライアイレンズ58、レンズ60、固定ブラインド62、可動ブラインド64、リレーレンズ66、68等から構成されている。
ここで、この照明系の上記構成各部についてその作用とともに説明する。
光源であるKrFエキシマレーザと減光システム(減光板、開口絞り等)よりなる光源部40から射出されたレーザ光は、シャッタ42を透過した後、ミラー44により偏向されて、ビームエキスパンダ46、48により適当なビーム径に整形され、第1フライアイレンズ50に入射される。この第1フライアイレンズ50に入射された光束は、2次元的に配列されたフライアイレンズのエレメントにより複数の光束に分割され、レンズ52、振動ミラー54、レンズ56により再び各光束が異なった角度より第2フライアイレンズ58に入射される。この第2フライアイレンズ58より射出された光束は、レンズ60により、レチクルRと共役な位置に設置された固定ブラインド62に達し、ここで所定形状にその断面形状が規定された後、レチクルRの共役面から僅かにデフォーカスされた位置に配置された可動ブラインド64を通過し、リレーレンズ66、68を経て均一な照明光として、レチクルR上の上記固定ブラインド62によって規定された所定形状、ここでは矩形スリット状の照明領域IA(図2参照)を照明する。
次に、制御系について図1に基づいて説明する。この制御系は、装置全体を統括的に制御する主制御装置90を中心に、この主制御装置90の配下にある露光量制御装置70及びステージ制御装置38等から構成されている。
ここで、制御系の上記構成各部の動作を中心に本第1の実施形態に係る投影露光装置10の露光時の動作について説明する。
露光量制御装置70は、レチクルRとウエハ(W1又はW2)との同期走査が開始されるのに先立って、シャッタ駆動装置72に指示してシャッタ駆動部74を駆動させてシャッタ42をオープンする。
この後、ステージ制御装置38により、主制御装置90の指示に応じてレチクルRとウエハ(W1又はW2)、すなわちレチクルステージRSTとウエハステージ(WS1又はWS2)の同期走査(スキャン制御)が開始される。この同期走査は、前述した干渉計システムの測長軸BI3Yと測長軸BI1X又はBI2X及びレチクル干渉計システムの測長軸BI7Y、BI8Yと測長軸BI6Xの計測値をモニタしつつ、ステージ制御装置38によってレチクル駆動部30及びウエハステージの駆動系を構成する各リニアモータを制御することにより行われる。
そして、両ステージが所定の許容誤差以内に等速度制御された時点で、露光量制御装置70では、レーザ制御装置76に指示してパルス発光を開始させる。これにより、照明系からの照明光により、その下面にパターンがクロム蒸着されたレチクルRの前記矩形の照明領域IAが照明され、その照明領域内のパターンの像が投影光学系PLにより1/5倍に縮小され、その表面にフォトレジストが塗布されたウエハ(W1又はW2)上に投影露光される。ここで、図2からも明らかなように、レチクル上のパターン領域に比べ照明領域IAの走査方向のスリット幅は狭く、上記のようにレチクルRとウエハ(W1又はW2)とを同期走査することで、パターンの全面の像がウエハ上のショット領域に順次形成される。
ここで、前述したパルス発光の開始と同時に、露光量制御装置70は、ミラー駆動装置78に指示して振動ミラー54を駆動させ、レチクルR上のパターン領域が完全に照明領域IA(図2参照)を通過するまで、すなわちパターンの全面の像がウエハ上のショット領域に形成されるまで、連続してこの制御を行うことで2つのフライアイレンズ50、58で発生する干渉縞のムラ低減を行う。
また、上記の走査露光中にショットエッジ部でのレチクル上の遮光領域よりも外に照明光が漏れないように、レチクルRとウエハWのスキャンと同期して可動ブラインド64がブラインド制御装置39によって駆動制御されており、これらの一連の同期動作がステージ制御装置38により管理されている。
ところで、上述したレーザ制御装置76によるパルス発光は、ウエハW1、W2上の任意の点が照明フィールド幅(w)を通過する間にn回(nは正の整数)発光する必要があるため、発振周波数をfとし、ウエハスキャン速度をVとすると、次式(1)を満たす必要がある。
f/n=V/w ………………(1)
また、ウエハ上に照射される1パルスの照射エネルギーをPとし、レジスト感度をEとすると、次式(2)を満たす必要がある。
nP=E ………………(2)
このように、露光量制御装置70は、照射エネルギーPや発振周波数fの可変量について全て演算を行い、レーザ制御装置76に対して指令を出して露光光源40内に設けられた減光システムを制御することによって照射エネルギーPや発振周波数fを可変させたり、シャッタ駆動装置72やミラー駆動装置78を制御するように構成されている。
さらに、主制御装置90では、例えば、スキャン露光時に同期走査を行うレチクルステージとウエハステージの移動開始位置(同期位置)を補正する場合、各ステージを移動制御するステージ制御装置38に対して補正量に応じたステージ位置の補正を指示する。
更に、本第1の実施形態の投影露光装置では、ウエハステージWS1との間でウエハの交換を行う第1の搬送システムと、ウエハステージWS2との間でウエハ交換を行う第2の搬送システムとが設けられている。
第1の搬送システムは、図7に示されるように、左側のウエハローディング位置にあるウエハステージWS1との間で後述するようにしてウエハ交換を行う。この第1の搬送システムは、Y軸方向に延びる第1のローディングガイド182、このローディングガイド182に沿って移動する第1のスライダ186及び第2のスライダ190、第1のスライダ186に取り付けられた第1のアンロードアーム184、第2のスライダ190に取り付けられた第1のロードアーム188等を含んで構成される第1のウエハローダと、ウエハステージWS1上に設けられた3本の上下動部材から成る第1のセンターアップ180とから構成される。
ここで、この第1の搬送システムによるウエハ交換の動作について、簡単に説明する。
ここでは、図7に示されるように、左側のウエハローディング位置にあるウエハステージWS1上にあるウエハW1’と第1のウエハローダにより搬送されてきたウエハW1とが交換される場合について説明する。
まず、主制御装置90では、ウエハステージWS1上の不図示のウエハホルダのバキュームを不図示のスイッチを介してオフし、ウエハW1’の吸着を解除する。
次に、主制御装置90では、不図示のセンターアップ駆動系を介してセンターアップ180を所定量上昇駆動する。これにより、ウエハW1’が所定位置まで持ち上げられる。この状態で、主制御装置90では、不図示のウエハローダ制御装置に第1のアンロードアーム184の移動を支持する。これにより、ウエハローダ制御装置により第1のスライダ186が駆動制御され、第1のアンロードアーム184がローディングガイド182に沿ってウエハステージWS1上まで移動してウエハW1’の真下に位置する。
この状態で、主制御装置90では、センターアップ180を所定位置まで下降駆動させる。このセンターアップ180の下降の途中で、ウエハW1’が第1のアンロードアーム184に受け渡されるので、主制御装置90ではウエハローダ制御装置に第1のアンロードアーム184のバキューム開始を指示する。これにより、第1のアンロードアーム184にウエハW1’が吸着保持される。
次に、主制御装置90では、ウエハローダ制御装置に第1のアンロードアーム184の退避と第1のロードアーム188の移動開始を指示する。これにより、第1のスライダ186と一体的に第1のアンロードアーム184が図7の−Y方向に移動を開始すると同時に第2のスライダ190がウエハW1を保持した第1のロードアーム188と一体的に+Y方向に移動を開始する。そして、第1のロードアーム188がウエハステージWS1の上方に来たとき、ウエハローダ制御装置により第2のスライダ190が停止されるとともに第1のロードアーム188のバキュームが解除される。
この状態で、主制御装置90ではセンターアップ180を上昇駆動し、センターアップ180によりウエハW1を下方から持ち上げさせる。次いで、主制御装置90ではウエハローダ制御装置にロードアームの退避を指示する。これにより、第2のスライダ190が第1のロードアーム188と一体的に−Y方向に移動を開始して第1のロードアーム188の退避が行われる。この第1のロードアーム188の退避開始と同時に主制御装置90では、センターアップ180の下降駆動を開始してウエハW1をウエハステージWS1上の不図示のウエハホルダに載置させ、当該ウエハホルダのバキュームをオンにする。これにより、ウエハ交換の一連のシーケンスが終了する。
第2の搬送システムは、同様に、図8に示されるように、右側のウエハローディング位置にあるウエハステージWS2との間で上述と同様にしてウエハ交換を行う。この第2の搬送システムは、Y軸方向に延びる第2のローディングガイド192、この第2のローディングガイド192に沿って移動する第3のスライダ196及び第4のスライダ200、第3のスライダ196に取り付けられた第2のアンロードアーム194、第4のスライダ200に取り付けられた第2のロードアーム198等を含んで構成される第2のウエハローダと、ウエハステージWS2上に設けられた不図示の第2のセンターアップとから構成される。
次に、図7及び図8に基づいて、本第1の実施形態の特徴である2つのウエハステージによる並行処理について説明する。
図7には、ウエハステージWS2上のウエハW2を投影光学系PLを介して露光動作を行っている間に、左側ローディング位置にて上述の様にしてウエハステージWS1と第1の搬送システムとの間でウエハの交換が行われている状態の平面図が示されている。この場合、ウエハステージWS1上では、ウエハ交換に引き続いて後述するようにしてアライメント動作が行われる。なお、図7において、露光動作中のウエハステージWS2の位置制御は、干渉計システムの測長軸BI2X、BI3Yの計測値に基づいて行われ、ウエハ交換とアライメント動作が行われるウエハステージWS1の位置制御は、干渉計システムの測長軸BI1X、BI4Yの計測値に基づいて行われる。
この図7に示される左側のローディング位置ではアライメント系24aの真下にウエハステージWS1の基準マーク板FM1上の基準マークが来るような配置となっている。このため、主制御装置90では、アライメント系24aにより基準マーク板FM1上の基準マークを計測する以前に、干渉計システムの測長軸BI4Yの干渉計のリセットを実施している。
上述したウエハ交換、干渉計のリセットに引き続いて、サーチアライメントが行われる。そのウエハ交換後に行われるサーチアライメントとは、ウエハW1の搬送中になされるプリアライメントだけでは位置誤差が大きいため、ウエハステージWS1上で再度行われるプリアライメントのことである。具体的には、ステージWS1上に載置されたウエハW1上に形成された3つのサーチアライメントマーク(図示せず)の位置をアライメント系24aのLSA系のセンサ等を用いて計測し、その計測結果に基づいてウエハW1のX、Y、θ方向の位置合わせを行う。このサーチアライメントの際の各部の動作は、主制御装置90により制御される。
このサーチアライメントの終了後、ウエハW1上の各ショット領域の配列をここではEGAを使って求めるファインアライメントが行われる。具体的には、干渉計システム(測長軸BI1X、BI4Y)により、ウエハステージWS1の位置を管理しつつ、設計上のショット配列データ(アライメントマーク位置データ)をもとに、ウエハステージWS1を順次移動させつつ、ウエハW1上の所定のサンプルショットのアライメントマーク位置をアライメント系24aのFIA系のセンサ等で計測し、この計測結果とショット配列の設計座標データに基づいて最小自乗法による統計演算により、全てのショット配列データを演算する。なお、このEGAの際の各部の動作は主制御装置90により制御され、上記の演算は主制御装置90により行われる。なお、この演算結果は、基準マーク板FM1の基準マーク位置を基準とする座標系に変換しておくことが望ましい。
本第1の実施形態の場合、前述したように、アライメント系24aによる計測時に、露光時と同じAF/AL系132(図4参照)の計測、制御によるオートフォーカス/オートレベリングを実行しつつアライメントマークの位置計測が行われ、アライメント時と露光時との間にステージの姿勢によるオフセット(誤差)を生じさせないようにすることができる。
ウエハステージWS1側で、上記のウエハ交換、アライメント動作が行われている間に、ウエハステージWS2側では、図9に示されるような2枚のレチクルR1、R2を使い、露光条件を変えながら連続してステップ・アンド・スキャン方式により二重露光が行われる。
具体的には、前述したウエハW1側と同様にして、事前にEGAによるファインアライメントが行われており、この結果得られたウエハW2上のショット配列データ(基準マーク板FM2上の基準マークを基準とする)に基づいて、順次ウエハW2上のショット領域を投影光学系PLの光軸下方に移動させた後、各ショット領域の露光の都度、レチクルステージRSTとウエハステージWS2とを走査方向に同期走査させることにより、スキャン露光が行われる。このようなウエハW2上の全ショット領域に対する露光がレチクル交換後にも連続して行われる。具体的な二重露光の露光順序としては、図10(A)に示されるように、ウエハW1の各ショット領域をレチクルR2(Aパターン)を使ってA1〜A12まで順次スキャン露光を行った後、駆動系30を用いてレチクルステージRSTを走査方向に所定量移動してレチクルR1(Bパターン)を露光位置に設定した後、図10(B)に示されるBI1X〜BI1X2の順序でスキャン露光を行う。この時、レチクルR2とレチクルR1では露光条件(AF/AL、露光量)や透過率が異なるので、レチクルアライメント時にそれぞれの条件を計測し、その結果に応じて条件の変更を行う必要がある。
このウエハW2の二重露光中の各部の動作も主制御装置90によって制御される。
上述した図7に示す2つのウエハステージWS1、WS2上で並行して行われる露光シーケンスとウエハ交換・アライメントシーケンスとは、先に終了したウエハステージの方が待ち状態となり、両方の動作が終了した時点で図8に示す位置までウエハステージWS1、WS2が移動制御される。そして、露光シーケンスが終了したウエハステージWS2上のウエハW2は、右側ローディングポジションでウエハ交換がなされ、アライメントシーケンスが終了したウエハステージWS1上のウエハW1は、投影光学系PLの下で露光シーケンスが行われる。
図8に示される右側ローディングポジションでは、左側ローディングポジションと同様にアライメント系24bの下に基準マーク板FM2上の基準マークが来るように配置されており、前述のウエハ交換動作とアライメントシーケンスとが実行される事となる。勿論、干渉計システムの測長軸BI5Yの干渉計のリセット動作は、アライメント系24bによる基準マーク板FM2上のマーク検出に先立って実行されている。
次に、図7の状態から図8の状態へ移行する際の、主制御装置90による干渉計のリセット動作について説明する。
ウエハステージWS1は、左側ローディングポジションでアライメントを行った後に、図8に示される投影光学系PLの光軸AX中心(投影中心)の真下に基準板FM1上の基準マークが来る位置まで移動されるが、この移動の途中で測長軸BI4Yの干渉計ビームが、ウエハステージWS1の反射面21に入射されなくなるので、アライメント終了後直ちに図8の位置までウエハステージを移動させることは困難である。このため、本第1の実施形態では、次のような工夫をしている。
すなわち、先に説明したように、本第1の実施形態では、左側ローディングポジションにウエハステージWS1がある場合に、アライメント系24aの真下に基準マーク板FM1が来るように設定されており、この位置で測長軸BI4Yの干渉計がリセットされているので、この位置までウエハステージWS1を一旦戻し、その位置から予めわかっているアライメント系24aの検出中心と投影光学系PLの光軸中心(投影中心)との距離(便宜上BLとする)にもとづいて、干渉計ビームの切れることのない測長軸BI1Xの干渉計16の計測値をモニタしつつ、ウエハステージWS1を距離BLだけX軸方向右側に移動させる。これにより、図8に示される位置までウエハステージWS1が移動されることになる。そして、主制御装置90では、レチクルアライメント顕微鏡142、144の少なくとも一方を用いて、基準マーク板FM1上のマークとレチクルマークとの相対位置関係を計測するのに先立って測長軸BI3Yの干渉計をリセットする。リセット動作は、次に使用する測長軸がウエハステージ側面を照射できるようになった時点で実行することができる。
このように、干渉計のリセット動作を行っても高精度アライメントが可能な理由は、アライメント系24aにより基準マーク板FM1上の基準マークを計測した後、ウエハW1上の各ショット領域のアライメントマークを計測することにより、基準マークと、ウエハマークの計測により算出された仮想位置との間隔を同一のセンサにより算出しているためである。この時点で基準マークと露光すべき位置の相対距離が求められていることから、露光前にレチクルアライメント顕微鏡142、144により露光位置と基準マーク位置との対応がとれていれば、その値に前記相対距離を加えることにより、Y軸方向の干渉計の干渉計ビームがウエハステージの移動中に切れて再度リセットを行ったとしても高精度な露光動作を行うことができるのである。
なお、アライメント終了位置から図8の位置にウエハステージWS1が移動する間に、測長軸BI4Yが切れないような場合には、測長軸BI1X、BI4Yの計測値をモニタしつつ、アライメント終了後に直ちに、図8の位置までウエハステージを直線的に移動させてもよいことは勿論である。この場合、ウエハステージWS1のY軸と直交する反射面21に投影光学系PLの光軸AXを通る測長軸BI3Yがかかった時点で干渉計のリセット動作を行うようにしても良い。
上記と同様にして、露光終了位置からウエハステージWS2を図8に示される右側のローディングポジションまで移動させ、測長軸BI5Yの干渉計のリセット動作を行えば良い。
また、図11には、ウエハステージWS1上に保持されるウエハW1上の各ショット領域を順次露光する露光シーケンスのタイミングの一例が示されており、図12には、これと並列的に行われるウエハステージWS2上に保持されるウエハW2上のアライメントシーケンスのタイミングが示されている。本第1の実施形態では、2つのウエハステージWS1、WS2を独立して2次元方向に移動させながら、各ウエハステージ上のウエハW1、W2に対して露光シーケンスとウエハ交換・アライメントシーケンスとを並行して行うことにより、スループットの向上を図っている。
ところが、2つのウエハステージを使って2つの動作を同時並行処理する場合は、一方のウエハステージ上で行われる動作が外乱要因として、他方のウエハステージで行われる動作に影響を与える場合がある。また、逆に、一方のウエハステージ上で行われる動作が他方のウエハステージで行われる動作に影響を与えない動作もある。そこで、本第1の実施形態では、並行処理する動作の内、外乱要因となる動作とならない動作とに分けて、外乱要因となる動作同士、あるいは外乱要因とならない動作同士が同時に行われるように、各動作のタイミング調整が図られる。
例えば、スキャン露光中は、ウエハW1とレチクルRとを等速で同期走査させることから外乱要因とならない上、他からの外乱要因を極力排除する必要がある。このため、一方のウエハステージWS1上でのスキャン露光中は、他方のウエハステージWS2上のウエハW2で行われるアライメントシーケンスにおいて静止状態となるようにタイミング調整がなされる。すなわち、アライメントシーケンスにおけるマーク計測は、ウエハステージWS2をマーク位置で静止させた状態で行われるため、スキャン露光にとって外乱要因とならず、スキャン露光中に並行してマーク計測を行うことができる。これを図11及び図12で見ると、図11においてウエハW1に対し動作番号「1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23」で示されるスキャン露光と、図12においてウエハW2に対し動作番号「1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23」で示される各アライメントマーク位置におけるマーク計測動作が相互に同期して行われていることがわかる。一方、アライメントシーケンスにおいても、スキャン露光中は、等速運動なので外乱とはならず高精度計測が行えることになる。
また、ウエハ交換時においても同様のことが考えられる。特に、ロードアームからウエハをセンターアップに受け渡す際に生じる振動等は、外乱要因となり得るため、スキャン露光前、あるいは、同期走査が等速度で行われるようになる前後の加減速時(外乱要因となる)に合わせてウエハの受け渡しをするようにしても良い。
上述したタイミング調整は、主制御装置90によって行われる。
次に、本第1実施形態の投影露光装置10において、アライメント系24aに設けられたAF/AL系130、又はアライメント系24bに設けられたAF/AL系134を用いてアライメント時にウエハのAF計測を行い、この計測結果と、投影光学系PLに設けられたAF/AL系132によるウエハのAF計測結果とに基づいて露光時に、フォーカス・レベリング制御を行う方法について説明する。
ウエハW上の各ショット領域に対する露光順序は、前述したように、1.スキャン時加減速時間、2.整定時間、3.露光時間、4.隣接ショットへのステッピング時間等の1.〜4.の各パラメータにより決定されるが、一般にレチクルステージの加減速が律速条件となるため、縦ステッピング(図13のY方向へのステッピング)により2ショットステッピングが行われない場合は、ウエハを±Y方向に交互に走査する(図13のX方向に隣接するショットを順次走査露光する)のが最も効率が良くなる。
図13には、このようにして決定されたウエハW1上のショット領域210の露光順序が示されている。この図13は、ウエハW1内に全てのショット配列が入っている場合の例である。
本実施形態においても、各ショット領域の露光に先立って、特開平6−283403号公報等に記載されるような完全先読み制御が行われるのであるが、図13に示されるような最も効率の良い露光順序で露光を行なおうとすると、図13中の符号A、B、Cで示される各位置では、先読み用のAF検出点がウエハW1の外周にかかるため、部分的にウエハW1の面上を計測(検出)できないAF検出点が発生する。このような場合には、上記の完全先読み制御を行なうことができない。
これを更に詳述する。図14(A)、(B)、(C)には、図13中にA、B、Cで示される各位置で先読み用のAF計測を行う場合の拡大平面図がそれぞれ示されている。なお、実際には、レチクル上の照明領域IAに共役な露光領域IF及びAF検出点AF1〜AF5等が固定で、これらに対しウエハW1が走査されるのであるが、便宜上、図14(A)、(B)、(C)においては、露光領域IF及びAF検出点がウエハ面に対して走査されるように図示されている。従って、以下の説明においては、実際のウエハW1の走査方向と反対方向をスキャン方向として説明する。
この場合、露光領域IFの走査方向(紙面の上下方向)の一方側には、第2検出系としてのAF検出点AF1〜AF5が非走査方向(紙面の左右方向)に配列され(図14(A)参照)、また、露光領域IFの走査方向の他方側には、第2検出系としてのAF検出点AB1〜AB5が非走査方向に配列されているものとする(図14(B)参照)。
図14(A)において+Y方向にスャンしながらAF計測を行う場合、検出点AF1及びAF2がウエハW1面上を外れており、また、図14(B)と(C)の場合もウエハW1面上を検出点(AB1〜AB5,AF4及びAF5)が外れていることから、前述した先読み制御を行うことができなくなるのである。
このような場合、従来においては、上記A、B、Cの位置において検出点がウエハW1面上から外れないようにするため、ウエハW1の内側から外側に向けてスキャン(内スキャンという)を行うようにスキャン方向の反転を行なっていたが、スキャン方向を反転させると、上記のように決定された露光順序が変更される結果、スループットが低下するという不都合がある。
かかるスループットの低下を防止するため、図15(比較例)に示されるように、先読み用のAF検出点(例えば、AF1〜AF5)が全てのウエハ面上に存在して計測可能になった時点DでAF計測を開始し、オートフォーカス、オートレベリング制御(以下、AF/AL制御という)を実施する方法を採用すると、AF/ALの追従の位相遅れによる誤差が追従終了点E〜Fの間で発生する。なお、この図15における点Eは、正常な先読み制御が行われる場合の追従完了位置を示すものであり、これより明らかなように、このようなAF計測ではAF/AL制御精度を悪化させることがわかる。
そこで、本第1の実施形態では、ウエハ露光時の先読み制御に先立って、アライメント系24aに設けられたAF/AL系130、又はアライメント系24bに設けられたAF/AL系134を用いてアライメント時にウエハW1のAF計測を、露光時と同じ条件で行なうことにより、上記のAF/ALの追従の位相遅れによる誤差であるAF/AL制御精度の悪化を防止しようとするものである。なお、上記AF/AL系130あるいはAF/AL系134には、上述した投影光学系PLに設けられているのと同じ条件でウエハW1表面をAF/AL計測することができる第1検出系としてのAF検出点(AF1〜AF5に相当:図14(A)参照)及びAF検出点(AB1〜AB5に相当:図14(B)参照)を有している。
すなわち、図16に示されるように、アライメントが行われるウエハW1では、EGAの計測点数がAL1〜AL6(6点)であって、その間に露光シーケンスと同じ方向でAF計測が計測点C,A,Bにて行われる。この場合も、2つの基板ステージの動作が互いに影響し合うことがない様にするため、ステッピング動作同士(外乱要因動作同士)、あるいは露光動作とアライメント動作(非外乱要因動作)同士を同期させるとともに、互いに干渉しない順序でステージを移動するようにしている。この場合、露光時間>アライメント時間+先読み計測時間となっているものとする。
図17には、図16のA点における本発明の特徴であるアライメント時のAF計測による検出点AF1〜AF5までの計測結果が示されている。図17では、図を簡略化するため、ウエハ面位置をレベリングを0として示したが、通常はAF1〜AF5までの結果がばらついているのが一般的である。
この場合、図14(A)に示されるように、検出点AF4及びAF5では、AF計測を正常に行うことができるので、図17においてもそのAF計測値はウエハ面位置を示している。これに対し、検出点AF3,AF2,AF1は、走査方向に移動するにつれて順次ウエハ面位置を示す様になる。このようにして、ウエハ外周近傍のショット領域のフォーカス計測を予め行っておくと、次の露光シーケンスでは、例えば図16中のA、B、Cの各位置においてどのような計測値を示すかが分かるため、実際の露光時の先読み制御の際には、図18に示されるように、図15の場合に比べ、ウエハ面位置の計測再現性の誤差の範囲内でウエハ位置を目標位置(0)に近づけておく事ができる。すなわち、フォーカスの追い込みを迅速に行なうことができる。
もともとオートフォーカスの追従制御応答は、特開平6―283403号公報に示されるように、1次応答として、絶対誤差の30%分追従できる条件であり、初期の絶対値誤差を小さくする事によって、追従終了点Fが早くなり(許容値が同じため)、正常な先読み制御が行われていた時の追従完了点Eよりも更に前に追従を終了させる事が可能となる。
以上説明したように、本第1の実施形態の投影露光装置10によると、ウエハを保持する2つのウエハステージを独立して移動させ、一方のステージ上でウエハ交換及びアライメント動作を行い、他方のステージ上で露光動作を並行して行い、上記のアライメントの際に、アライメント系のAF/AL系を使ってウエハ面のAF計測を行うこととし、両方の動作が終了した時点で、お互いの動作を切り換える事としたので、ウエハ外周でフォーカス計測を事前に実施し、その結果を用いることで、露光時に先読み位置にウエハ表面が無いようなウエハ外周の近傍でウエハの外側から内側へ向けてスキャン露光するショット領域であってもフォーカスの迅速な追い込みが可能であり、先読み制御の追従の遅れを防止することができる。従って、高精度でフォーカス、レベリング制御が可能であるとともに、ウエハ外周の近傍のショット領域をウエハの外側から内側へ向けてスキャン露光する場合であっても内スキャンを採用する必要がなく、最も効率の良い露光順序で各ショット領域を露光することができるのでスループットの向上が可能である。
また、上記のアライメント時のAF計測は、外周ショットの走査露光時と同じ方向から走査しながら行われるので、ステージの走り方向等に依存したオフセット等を除去したフォーカス制御が可能となる。
また、上記第1の実施形態の投影露光装置10によると、2枚のウエハをそれぞれ独立に保持する2つのウエハステージを具備し、これら2つのウエハステージをXYZ方向に独立に移動させて、一方のウエハステージでウエハ交換とアライメント動作を実行する間に、他方のウエハステージで露光動作を実行する事とし、両方の動作が終了した時点でお互いの動作を切り換えるようにしたことから、スループットを大幅に向上させることが可能になる。
また、上記第1の実施形態によると、投影光学系PLを挟んでマーク検出を行う少なくとも2つのアライメント系を具備しているため、2つのウエハステージを交互にずらすことにより、各アライメント系を交互に使って行われるアライメント動作と露光動作とを並行処理することが可能になる。
その上、上記第1の実施形態によると、ウエハ交換を行うウエハローダがアライメント系の近辺、特に、各アライメント位置で行えるように配置されているため、ウエハ交換からアライメントシーケンスへの移行がスムースに行われ、より高いスループットを得ることができる。
さらに、上記第1の実施形態によると、上述したような高スループットが得られるため、オフアクシスのアライメント系を投影光学系PLより大きく離して設置したとしてもスループットの劣化の影響が殆ど無くなる。このため、高N.A.(開口数)であって且つ収差の小さい直筒型の光学系を設計して設置することが可能となる。
また、上記第1の実施形態によると、2本のアライメント系及び投影光学系PLの各光軸のほぼ中心を計測する干渉計からの干渉計ビームを各光学系毎に有しているため、アライメント時や投影光学系を介してのパターン露光時のいずれの場合にも2つのウエハステージ位置をアッべ誤差のない状態でそれぞれ正確に計測することができ、2つのウェハステージを独立して移動させることが可能になる。
さらに、2つのウェハステージWS1、WS2が並ぶ方向(ここではX軸方向)に沿って両側から投影光学系PLの投影中心に向けて設けられた測長軸BI1X、BI2Xは、常にウエハステージWS1、WS2に対して照射され、各ウエハステージのX軸方向位置を計測するため、2つのウエハステージが互いに干渉しないように移動制御することが可能になる。
その上、上記測長軸BI1X、BI2Xに対してアライメント系の検出中心や投影光学系PLの投影中心位置に向けて垂直に交差する方向(ここではY軸方向)に測長軸BI3Y、BI4Y、BI5Yが照射されるように干渉計が配置され、ウエハステージを移動させて反射面から測長軸が外れたとしても、干渉計をリセットすることによりウエハステージを正確に位置制御することが可能となる。
そして、2つのウエハステージWS1、WS2上には、それぞれ基準マーク板FM1、FM2が設けられ、その基準マーク板上のマーク位置とウエハ上のマーク位置とを予めアライメント系で計測することによって得られる補正座標系との間隔を、露光前の基準板計測位置に対してそれぞれ加算する事によって、従来の様な投影光学系とアライメント系との間隔を計測するベースライン計測を行うことなくウエハの位置合わせが可能となり、特開平7―176468号公報に記載されるような大きな基準マーク板の搭載も不要となる。
また、上記第1の実施形態によると、複数枚のレチクルRを使って二重露光を行うことから、高解像度とDOF(焦点深度)の向上効果が得られる。しかし、この二重露光法は、露光工程を少なくとも2度繰り返さなければならないため、露光時間が長くなって大幅にスループットが低下するが、本第1の実施形態の投影露光装置を用いることにより、スループットが大幅に改善できるため、スループットを低下させることなく高解像度とDOFの向上効果とが得られる。例えば、T1(ウエハ交換時間)、T2(サーチアライメント時間)、T3(ファインアライメント時間)、T4(1回の露光時間)において、8インチウエハにおける各処理時間をT1:9秒、T2:9秒、T3:12秒、T4:28秒とした場合、1つのウエハステージを使って一連の露光処理が為される従来技術により二重露光が行われると、スループットTHOR=3600/(T1+T2+T3+T4*2)=3600/(30+28*2)=41[枚/時]となり、1つのウエハステージを使って一重露光法を実施する従来装置のスループット(THOR=3600/(T1+T2+T3+T4)=3600/58=62[枚/時])と比べてスループットが66%までダウンする。ところが、本第1の実施形態の投影露光装置を用いてT1、T2、T3とT4とを並列処理しながら二重露光を行う場合は、露光時間の方が大きいため、スループットTHOR=3600/(28+28)=64[枚/時]となることから、高解像度とDOFの向上効果を維持しつつスループットを改善することが可能となる。また、露光時間が長い分、EGA点数を増やすことが可能となり、アライメント精度が向上する。
なお、上記第1の実施形態では、本発明が二重露光法を用いてウエハの露光を行う装置に適用された場合について説明したが、これは、前述の如く、本発明の装置により、一方のウエハステージ側で2枚のレチクルにて2回露光を行う(二重露光)間に、独立に可動できる他方のウエハステージ側でウエハ交換とウエハアライメントを並行して実施する場合に、従来の一重露光よりも高いスループットが得られるとともに、解像力の大幅な向上が図れるという特に大きな効果があるためである。しかしながら、本発明の適用範囲がこれに限定されるものではなく、一重露光法により露光する場合にも本発明は好適に適用できるものである。例えば、8インチウエハの各処理時間(T1〜T4)が前述と同様であるとすると、本発明のように2つのウエハステージを使って一重露光法で露光処理する場合、T1、T2、T3を1グループとし(計30秒)、T4(28秒)と並列処理を行うと、スループットはTHOR=3600/30=120[枚/時]となり、1つのウエハステージを使って一重露光法を実施する従来のスループット(THOR=62[枚/時]に比べてほぼ倍の高スループットを得る事が可能となる。
また、上記実施形態では、ステップ・アンド・スキャン方式により走査露光を行う場合について説明したが、本発明がこれに限定されるものではなく、ステップ・アンド・リピート方式による静止露光を行う場合及びEB露光装置やX線露光装置、さらにはチップとチップを合成するスティッチング露光時であっても同様に適用できることは勿論である。
《第2の実施形態》
次に、本発明の第2の実施形態を図19ないし図33に基づいて説明する。
本第2の実施形態は、1つのウエハステージWSを使って先読みAF/AL計測を行いつつ、その計測結果に基づいてフォーカス・レベリング制御を行って露光を行うものである。
図19には、第2の実施形態に係る投影露光装置214の概略構成が示されており、この投影露光装置214は、第1の実施形態と同様にステップ・アンド・スキャン方式の走査露光型の投影露光装置であって、図1に示される第1の実施形態の投影露光装置10と基本的な構成部分において同一であり、同一部分に同一符号を付して構成説明を省略する。第1の実施形態の投影露光装置10と異なる点は、ウエハステージWSが1つで構成されており、先読み制御用のウエハW上の面位置を計測するAF/AL系が、露光領域IFの走査方向の一方側と他方側に設けられ、露光領域IFの非走査方向の幅よりも広い範囲に複数の検出点が配列されるように構成された斜入射式の照射光学系151と集光光学系161とで構成されている点である。また、本第2の実施形態のウエハステージWSには、ウエハWを保持してZ軸方向の微小駆動及び傾斜駆動させる基板駆動系としてのZ・レベリングステージLSを備えている。
これを露光領域IFに対する先読み制御用のAF検出点の配置を斜視図で示した図20で見ると、露光領域IFの走査方向(+Y方向)には、非走査方向(±X方向)に検出点AF1〜AF9で構成される検出領域AFE(図25参照)が設けられ、露光領域IFの非走査方向の幅よりも大きい範囲に配列されている。また、露光領域IFの走査方向(−Y方向)には、非走査方向(±X方向)に検出点AB1〜AB9で構成される検出領域ABE(図25参照)が設けられ、露光領域IFの非走査方向の幅よりも大きい範囲に配列されている。これらの検出点AF1〜AF9及び検出点AB1〜AB9は、それぞれ露光領域IFを走査する走査方向(+Y方向、−Y方向)の手前側に配置されていて、各検出点におけるウエハW面が所定の基準面に対してどの程度ずれているかの相対位置がショット領域の露光に先立って検出される。
図21は、図20を走査方向から見た側面図であり、図22は、図21の平面図であり、図23は、図22を非走査方向から見た側面図である。
図22及び図23に示されるように、斜入射式のAF/AL系の照射光学系151a及び151bから射出された光束は、ウエハW面上の非走査方向に延びた検出点AB1〜AB9と検出点AF1〜AF9を形成し、ウエハW面にて反射された光束が斜入射式のAF/AL系の集光光学系161a及び161bにて受光されるようになっている。これは、投影光学系PLの投影レンズのN.A.(開口数)が大きくなるにつれて投影レンズ下面とウエハW間のワーキングディスタンスが狭くなるため、露光領域IF内を斜入射AF系で計測できなくなるが、かかる場合であっても完全先読み計測を実行するためにこのようにしたものである。
また、図21及び図23に示されるように、本第2の実施形態の投影光学系PLの下端付近の形状は、逆円錐台となっており、照射光学系151a及び151bからの複数の照射光がウエハWのそれぞれの検出点位置に照射され、ウエハW表面からの反射光が投影光学系PLの両脇を通り抜けて、集光光学系161a及び161bにて受光されるように構成されている。これは、AF光束が投影光学系PLの下端付近でけられないようにするためであり、N.A.の広がり部と投影光学系PLの45°方向に合わせるとともに、投影光学系PLを構成する投影レンズの収差を補正する為、投影光学系PLの最下面に平行平板216が走査方向に合わせて長方形に配置されている。そして、その平行平板216の走査方向の前後には、一次元の非走査方向に延びたAF検出点が+Y走査用と−Y走査用として2ヶ所に配置されている。これを例えば、特開平6―283403号公報に記載されている様な2次元検出型のAF機構と比べると、露光位置でのAF計測が出来ない反面、非走査方向に長くスポット群を形成する事が可能になるとともに、検出点が1次元に配列されているため、各AFスポットのZ方向面内湾曲によるオフセット誤差を容易に補正できるという利点がある。更に、2方向入射により非走査方向に干渉縞を形成する方法を採用する場合などでは、その干渉縞の間隔誤差、位置変動より1次元画像処理にてAF/AL位置を検出する1次元処理の先読み制御法であるので、本発明の適用が容易となる利点がある。また、光束が検出領域AFE、ABEの2ヶ所に分かれているので、それぞれの光束を遮光しない様なカバーを設置し、カバー内に温度調節が為された気体を流すことで温度変化によるAF/AL精度を向上させる様にすれば、更に検出誤差を軽減する効果がある。
次に、本第2の実施形態の投影露光装置214により、ウエハWの外周よりショット配列の方が大きい場合の先読み制御について説明する。例えば、図32は、ウエハWの外周よりショット配列の方が大きい場合の先読み制御に関する比較例を示した図である。図32では、走査露光を行う露光領域IFに対して走査方向(紙面上方の矢印方向:実際には露光領域IF及びAF検出点AF1〜AF5が固定でこれらに対してウエハWが走査されるが、便宜上図の露光領域IF及びAF検出点がウエハ面に対して走査されるように図示する)の手前に、非走査方向に配列されたAF検出点AF1〜AF5が配列されている。このAF検出点AF1〜AF5で構成される検出領域AFBは、完全先読み制御を行うためにAF計測を行うもので、その検出領域AFBの幅が露光領域IFの非走査方向の幅とほぼ同じ幅で構成されている。この図32(比較例)のように構成された投影露光装置を用いて先読み制御をする場合は、図33に示されるように、ステージの移動に伴ってAF1〜AF5までのAF出力値が得られる。この図33の横軸はステージの移動時間〔t〕を示し、縦軸はウエハ面位置に対するZ方向の相対位置〔μm〕を示している。この図33の線図に示されるように、ウエハW面上にかかる検出点AF5〜AF3については、検出点が走査方向に移動するにつれて順次ウエハ面位置を示す様になるが、検出点AF2及びAF1については最後までウエハ面上を通過しないため、正常な出力値が得られなくなる。このように、図32及び図33の比較例による5点計測で全ショット領域の先読み制御を実施しようとすると、ウエハの外周近傍のショット領域ではエラーが発生してしまい、AF/AL制御ができなくなることがあった。これを回避するため、ウエハWの内側から外側に向って走査しながら先読み制御を行ったり、隣接ショットのウエハ面位置の計測データを使って露光処理が為されるように、欠けショット領域におけるAF/AL制御シーケンスに変える必要があった。
これに対し、本第2実施形態では、図20に示されるように、露光領域IFに対してAF検出点の非走査方向の幅を広げることにより、隣接するショット領域のウエハ面位置を計測することが可能となり、その計測結果を利用することによってエラーが発生し難い先読み制御を行うようにしたものである。
図24には、第2の実施形態に係るAF/AL系を用いた先読み制御法を説明するウエハWの平面図が示されている。この図24は、最も高速にウエハWを露光することができる順序にて先読み制御を実施した場合の各ショット領域のグループ化を示したものである。図25には、フォーカス計測時における露光領域IFとAF検出点の位置関係が示されている。ここで、各ショット領域毎にどのAF検出点(AF1〜AF9、AB1〜AB9)を使用してAF計測を行うかを「A,B,C,D,E,F,AF,AB」の様にグルーピングを行って、これらの各グループ毎に使用する検出点位置を図26の表に示されるように予め決めておく。図26に示される表の横方向には、使用するAF検出点(AF1〜AF9、AB1〜AB9)の位置が示され、縦方向には各ショット領域をグルーピングしたグループ名が示されている。そして、それらのクロス位置に○印が付いたAF検出点(センサ)を使用して先読み制御が行われるように、主制御装置90により制御される。
例えば、図27はAグループ(例えば、図24の左端上のショット領域を露光する場合など)のショット領域212を露光する際に使用されるAF検出点とウエハ面の先読み制御開始時の位置関係を示している。この場合、露光領域IFから走査方向に距離Lだけ離れた位置に存在するAF検出点AF7、AF8、AF9が用いられるように主制御装置90により制御される。ここで、図27に示される先読み制御開始時には、主制御装置90により指定された3つのAF検出点(AF7、AF8、AF9)が全てウエハ面上に位置しているため、破線で示したショット領域212の露光が終了するまでこの3つのAF検出点AF7、AF8、AF9で計測された計測値に基づいて先読み制御を行うようにする。
この図26及び図27の場合は、ショット領域に応じて使用するAF検出点が予め固定されている「AF検出点固定法」である。図27の例におけるショット領域212内の実計測は、検出点AF7だけであって、隣接するショット領域上の検出点AF8,AF9の計測値を用いることにより、先読みによるAF/AL制御を行うことができる。
また、ショット領域内において先読み制御時に欠けているAF検出点が無い場合、すなわち、図24に示されるグループAFやグループABの場合は、図26の表で指定されるショット領域内に位置する検出点AF3〜AF7、AB3〜AB7のみを用いて計測が行われ、ショット領域外の検出点AF1、AF2、AF8、AF9は使用されない。
また、図24に示されるグループEの場合は、図26の表で指定されるように、検出点AF1〜AF5を用いて計測が行われる。このグループEでは、図24に示されるように、先読み制御の途中で検出点AF6及びAF7が計測可能となるので、この検出点AF6とAF7の計測値を使用した方が精度は高くなるが、ショット配列の設定時に一回の露光動作内で使用するAF検出点を変更する必要がない分、主制御装置90の制御処理が簡略化できるという利点がある。従って、制御処理に余裕がある場合は、検出点AF6及びAF7の計測値を使うようにして、一層高精度なフォーカス、レベリング制御を行うようにしても良い。次に、上記以外の先読み制御法について説明する。
図28は、使用するAF検出点の数を変えることなくウエハW面上でAF計測が可能なセンサを順次走査方向の移動に合わせて、AF検出点を移動させて所定のショット領域に対してウエハ面のフォーカス計測を行うようにする「AF検出点移動型」である。先読み制御のAF計測方法としては、原理的に精度の最も優れた計測方法である。この「AF検出点移動型」を実施するにあたって、主制御装置90は、ウエハWを走査方向に移動させながらウエハWの周縁部に定められた禁止帯の内側の有効領域内にいずれのAF検出点がかかっているかを把握するため、ウエハの外周位置情報と、AF検出点の位置情報と、露光対象であるショット領域の位置情報とに基づいてAF検出点の切り換えを行うように制御する。例えば、図28の場合は、最初は検出点AF7、AF8、AF9の3つを用いて計測を行い、次に、検出点AF6、AF7、AF8、その次には、検出点AF5、AF6、AF7となり、最後に検出点AF4、AF5、AF6というように、ウエハ面上の有効領域内であって、できるだけショット領域212内の3つの検出点が選ばれるようにセンサの切り換えが行われる。これにより、ショット領域が設けられたウエハWの外周部を露光領域IFが外側から内側へ走査露光する場合であっても(実際には、移動しない露光領域IFに対してウエハW側が移動して相対走査が行われる)、先読み制御をすることによりウエハ面位置を投影光学系PLの結像面に迅速に追い込むことが可能となり、迅速かつ高精度なフォーカス、レベリング制御を行うことができる。切り換えの方法は、前述のように、グルーピングを行っても良いし、全センサの出力を常時モニターし、許容値内になった検出点を使用する様にしても良い。
また、図29では、使用するAF検出点の数に関係なく、計測可能な検出点であれば全て使用する「AFセンサ数、位置可変型」である。この場合、複数のAF検出点を使用することによって、平均化効果が高くなり、ウエハ外周部のソリ等の影響を受け難くできるという特徴がある。また、AF計測において再現性が悪い場合などでは、この効果は一層高くなる。この図29の場合も図28と同様に、主制御装置90は、ウエハWを走査方向に移動させながらウエハWの周縁部に定められた禁止帯の内側の有効領域内にいずれのAF検出点がかかっているかを把握するため、ウエハの外周位置情報と、AF検出点の位置情報と、露光対象であるショット領域の位置情報とに基づいてAF検出点の切り換えを行うように制御する。ここでは、AF検出点の数に限定がないため、AF1〜AF9までの検出点のうち、有効領域内に含まれる検出点全てを使ってAF/AL計測を行うようにする。これにより、ウエハWの外周近傍のショット領域を外側から内側へ走査露光する場合であっても、先読み制御を行うことによってウエハ面位置を投影光学系PLの結像面に迅速に追い込むことが可能になり、迅速かつ高精度なフォーカス、レベリング制御を行うことができる。
以上述べたような先読み制御法を使って、例えば、特開平6−283403号公報に記載されている技術に付加することにより、ウエハ外周近傍やウエハ内のショット領域の区別に関係なく、最も迅速に行える露光順序に従ってウエハ面の各ショット領域に対して、高速且つ高精度な走査露光を行う事が可能となる。
次に、上述した先読み制御を行うにあたって、いずれのデータを先読み計測データとして採用するかについて説明する。これは、例えば、露光領域IFの走査方向の幅を6〜8mmとし、露光時におけるウエハの走査速度を80〜90mm/secとすると、ウエハ面のうねり周波数にもよるが、先読みAF検出点が露光時におけるウエハ走査速度に達するまでの加速+整定距離(L=8〜10mm)である事がスループット上不要な助走が無い分望ましい。これは、先読みの位置をデータファイル内のウエハの外周位置、ショット領域の座標位置、露光領域IFからAF検出点までの距離Lの情報により算出し、ウエハ外周のパターン禁止帯(通常3mm程度:図30参照)より先読み開始位置が内側になっている場合にそのセンサを採用する事となるが、ウエハ外周はソリ、ゴミの影響を受け易く、データファイルに設定された先読み開始位置であったとしても、ウエハ面の位置を正確に表わしていない場合がある。
ここで、図30及び図31を用いて、上記場合における制御誤差をできるだけ小さくなるようにする点について説明する。図30では、上述した「AF検出点固定法」において、例えばグループCのようにAF検出点AF6〜AF9を使用する場合、データファイル上の計算によると、先読み制御開始座標は図31中の1であるが、1はパターン禁止帯の影響を受け、かなりデフォーカスしているとする。この場合の各センサ出力値は、図31に示されるように、1の位置で先読み制御を開始すると、検出点AF6の影響によって、先読みによる計測結果は目標に対しかなり誤差を持つ場合は、AF検出点の最右端に位置するセンサであるので、レベリング制御に重大な影響を与えることになる。
仮に、先読み検出点が80mm/secで移動して走査時にはその70%の制御が可能な様に設計されている場合、右端に設けられた検出点AF6がZ軸方向に数μm以下の誤差であったならば、先読み制御時の平均化効果により小さい誤差で済む。ところが、Z軸方向に数十μmもの誤差がある場合は、その値を加味した結果を目標値としてレベリング制御を行うと、許容できない程度の誤差が発生することになる。このため、先読み検出点の計測開始時データをモニターした時の結果が許容範囲内である場合に先読み計測を開始するようにし、許容範囲を越える場合であれば許容範囲内となる点2まで先読み制御の計測結果を使用しないようにするのが望ましい。
また、上述した「AFセンサ位置移動型」や「AFセンサ数、位置可変型」では、許容範囲内となったAF検出点のみを使用するようにすることができる。
更に、各検出点間の計測誤差についても許容範囲を設定し、その許容範囲を超える原因となるAF検出点を除くAF検出点を用いる様にすれば、例えば、ウエハ裏面側に設けられたゴミ等の影響によってAFエラーが発生するような頻度を少なくすることができる。但しこれらの方法は、予めウエハ面を目標AFへの追い込み位置からの許容範囲内に入れておく必要があるため、ウエハアライメント時のフォーカス計測結果に基づいてグローバルAF又は、グローバルAF/ALを実行しておく必要がある。
以上説明したように、本第2の実施形態に係る投影露光装置214によれば、レチクルR上のパターンを投影光学系PLを介してウエハW上に走査露光する際に、ウエハW上の露光領域IFよりも非走査方向に広い領域に対して複数のAF検出点が配置されている。そして、ウエハW外周近傍のショット領域212を露光するのに先立って、ウエハW面上に複数のAF検出点の一部がかかった時点でフォーカスの先読み計測が開始され、その計測結果に基づいてフォーカス制御を開始するようにしたため、従来の走査型投影露光装置の先読み制御では計測できなかった内側のフォーカス情報を先読みデータとしてフォーカス制御に用いる事が可能である。従って、スループットを劣化させずに高精度なフォーカス制御を行うことができる。
また、複数のAF検出点におけるウエハW面上のAF検出点が一点である場合に、露光時におけるレベリング制御は、隣接ショットのレベリング情報を用いるか、固定値(例えば、X方向の傾斜量、Y方向の傾斜量が共に「0」)を用いるようにしたため、ウエハの外周近傍の欠けショット領域であっても先読み制御を開始することができる。
更に、1点のウエハW面上のAF検出点にて先読み制御実行時に、それと異なるAF検出点がウエハW面上にかかってきた場合にその位置で先読み計測を開始し、露光開始までに両方の先読み計測結果を用いたレベリング制御が可能になった場合は、上述した隣接ショットのレベリングや固定値によるレベリング補正からショット内の先読み計測によるレベリング制御に切り換えるようにする。こうすることにより、外周部の欠けショットに対する先読み制御であっても高精度でフォーカス、レベリング制御を行うことができる。
また、先読み計測を行う場合に使用するAF検出点は、ウエハW上のショット配列が決定された時点でウエハWの外周位置情報、複数のAF検出点の位置情報、ウエハW上のショット領域の座標位置に基づいて決定したり、あるいは、先読み制御に用いるAF検出点による検出をウエハ走査時に常時実行して、いずれかの検出点での検出結果が許容値以内になった時点から先読み制御を開始するようにしたため、ウエハの外周エッジの影響を設計座標から予想以上に受けた場合に、その時点でフォーカス制御が開始される事がなくなり、大きなフォーカス、レベリング誤差の発生を防止することができる。
なお、上記第2の実施形態では、1つのウエハステージを使った場合で説明したが、上記第1の実施形態で説明したような2つのウエハステージを使う場合であっても勿論実施することが可能である。この場合は、必ずしもアライメント系を使って事前にフォーカス計測を行う必要はないが、さらに高精度にする目的でアライメント系でフォーカス計測を行っても良い。また、アライメント系によるフォーカス計測を行わない場合は、その動作時間を他の動作時間として使用することができる利点がある。
本第1の実施形態にかかる投影露光装置の概略構成を示す図である。 2つのウエハステージとレチクルステージと投影光学系とアライメント系の位置関係を示す斜視図である。 ウエハステージの駆動機構の構成を示す平面図である。 投影光学系とアライメント系にそれぞれ設けられているAF/AL系を示す図である。 AF/AL系とTTRアライメント系の構成を示す投影露光装置の概略構成を示す図である。 図5のパターン形成板の形状を示す図である。 2つのウエハステージを使ってウエハ交換・アライメントシーケンスと露光シーケンスとが行われている状態を示す平面図である。 図7のウエハ交換・アライメントシーケンスと露光シーケンスとの切り換えを行った状態を示す図である。 2枚のレチクルを保持する二重露光用のレチクルステージを示す図である。 (A)は図9のパターンAのレチクルを使ってウエハの露光を行った状態を示す図であり、(B)は図9のパターンBのレチクルを使ってウエハの露光を行った状態を示す図である。 2つのウエハステージの一方に保持されたウエハ上の各ショット領域毎の露光順序を示す図である。 2つのウエハステージの他方に保持されたウエハ上の各ショット領域毎のマーク検出順序を示す図である。 ウエハ内に全てのショット配列が入っている場合のスキャン型投影露光装置の露光順序を示すウエハの平面図である。 (A)は、図13のA位置において先読み用のAF計測を行う拡大平面図であり、(B)は、図13のB位置において先読み用のAF計測を行う拡大平面図であり、(C)は、図13中のC位置において先読み用のAF計測を行う拡大平面図である。 ウエハ外周近傍のショット領域における比較例の先読み制御結果を示す線図である。 ウエハ内に全てのショット配列が入っている場合のスキャン型投影露光装置のアライメント順序を示すウエハの平面図である。 第1の実施形態における先読み制御結果を示す線図である。 第1の実施形態において計測再現性に誤差がある場合の先読み制御結果を示す線図である。 第2の実施形態に係る投影露光装置の概略構成を示す図である。 露光領域に対する先読み制御用のAF検出点の配置を示す斜視図である。 図20を走査方向から見た側面図である。 図21の平面図である。 図22を非走査方向から見た側面図である。 第2の実施形態に係るAF/AL系を用いた先読み制御法を説明するウエハWの平面図である。 フォーカス計測時における露光領域IFとAF検出点の位置関係が示されている。 ショット領域毎のAF計測に使用するAF検出点位置を指定するための選択図である。 Aグループに属するショット領域を露光する際に使用するAF検出点とウエハ面の先読み制御開始時の位置を示す図である。 使用するAF検出点の数を変えずにAF検出点を移動させてウエハ面のフォーカス計測を行う場合のAF検出点を示す図である。 計測可能なAF検出点を全て使用してウエハ面のフォーカス計測を行う場合のAF検出点を示す図である。 Cグループに属するショット領域を露光する際に使用するAF検出点とウエハ面の先読み制御開始時の位置を示す図である。 図30における先読み制御結果を示す線図である。 ウエハWの外周よりショット配列の方が大きい場合の先読み制御に関する比較例を示す図である。 ウエハWの外周よりショット配列の方が大きい場合の先読み制御に関する比較例を示す図である。
符号の説明
10…投影露光装置、24a、24b…アライメント系、38…ステージ制御手段、90…主制御装置、130、132、134…AF/AL系、151…照射光学系、161…集光光学系、210、212…ショット領域、214…投影露光装置、W、W1、W2…ウエハ(感応基板)、WS、WS1、WS2…ウエハステージ、PL…投影光学系、R…レチクル、IF…露光領域、IA…照明領域、AF1〜AF9、AB1〜AB9…AF検出点、LS、LS1、LS2…Z・レベリングステージ(基板駆動系)。

Claims (19)

  1. 照明光で照明された照明領域に対してマスクを走査方向に移動させるのと同期して前記照明領域に共役な露光領域に対して感応基板を前記走査方向に移動させることにより、前記感応基板上の複数のショット領域の各々に前記マスクのパターンの像を投影光学系を介して露光する投影露光方法であって、
    前記感応基板上の複数のショット領域の内前記露光領域に対して前記感応基板の外側から内側へ走査されるように設定された外周近傍のショット領域を含むように、前記複数のショット領域の内の幾つかをサンプルショット領域として選択し;
    前記幾つかのサンプルショット領域の座標位置をそれぞれ計測し;
    前記幾つかのサンプルショット領域の座標位置を計測する際に前記幾つかのサンプルショット領域毎に前記感応基板の所定基準面に対する相対位置を検出し;
    前記計測されたサンプルショット領域の座標位置に基づいて前記感応基板上の複数のショット領域の配列を決定し;
    前記露光領域に対して前記感応基板の外側から内側へ走査されるように設定された外周近傍のショット領域を各々露光するときに、前記決定されたショット領域の配列に基づいて前記マスクのパターン像との位置合わせを行うとともに、前記座標位置の計測の際に検出された相対位置に基づいて前記感応基板の面位置を調整する投影露光方法。
  2. 前記サンプルショット領域の内前記露光領域に対して前記感応基板の外側から内側へ走査されるように設定された外周近傍のショット領域の座標位置を計測する際に、露光時と同じ方向に前記感応基板を移動しながら前記感応基板の所定基準面に対する相対位置を検出することを特徴とする請求項1に記載の投影露光方法。
  3. 照明光で照明された照明領域に対してマスクを走査方向に移動させるのと同期して前記照明領域に共役な露光領域に対して感応基板を前記走査方向に移動させることにより前記マスクのパターン像を前記感応基板上に露光する走査型の投影露光装置であって、
    感応基板を保持して2次元平面内を移動可能な基板ステージと;
    前記露光領域に対して前記走査方向の一方側と他方側に前記走査方向に直交する非走査方向の幅が前記露光領域より広い検出領域をそれぞれ有し、該各検出領域内に前記非走査方向に沿って設定された複数の検出点の少なくとも1つで前記感応基板面の所定基準面に対する相対位置を検出する位置検出系と;
    前記基板ステージに設けられ、ステージ上に保持された感応基板の面位置を調整するための基板駆動系と;
    前記基板ステージ上に保持された感応基板の外周近傍のショット領域を、前記露光領域が感応基板の外側から内側へ走査されるように露光する際に、前記位置検出系の検出結果に基づいて前記基板駆動系を制御する制御手段と;を有する投影露光装置。
  4. 前記制御手段は、前記位置検出系の検出結果の内前記感応基板の走査方向に向かって前記露光領域の手前に設定された検出領域内の複数の検出点の少なくとも1つの検出結果に基づいて前記基板駆動系を制御することを特徴とする請求項3に記載の投影露光装置。
  5. 前記制御手段は、前記感応基板の外周近傍のショット領域を前記感応基板の外側から内側へ向かって走査露光する際に、前記複数の検出点の内の少なくとも1つが前記感応基板上の有効領域内にかかった時点から、前記感応基板上にかかる検出点の検出結果に基づいて前記感応基板の面位置調整のため前記基板駆動系の制御を開始することを特徴とする請求項3に記載の投影露光装置。
  6. 前記制御手段は、前記感応基板の外周近傍のショット領域を走査露光する際に、当該ショット領域にかかる検出点が1点である場合には所定の固定値に基づいて前記基板駆動系を介して前記感応基板の傾きを調整することを特徴とする請求項3に記載の投影露光装置。
  7. 前記制御手段は、前記感応基板の外周近傍のショット領域を走査露光する際に、当該ショット領域にかかる検出点が1点である場合には当該ショット領域に隣接するショット領域上にかかる他の検出点の検出結果と前記1点の検出結果とに基づいて前記基板駆動系を介して前記感応基板の傾きを調整することを特徴とする請求項3に記載の投影露光装置。
  8. 前記制御手段は、前記感応基板上の複数のショット領域毎に、前記複数の検出点の内のいずれの検出点の検出結果を用いるかを予め決定し、前記感応基板上のあるショット領域を走査露光する際には、当該ショット領域に対して決定された検出点の検出結果のみを用いて前記基板駆動系を介して前記感応基板の面位置を調整することを特徴とする請求項3に記載の投影露光装置。
  9. 前記感応基板上の有効領域は、前記感応基板上の全面または前記感応基板の周縁部に定められた禁止帯の内側であることを特徴とする請求項5に記載の投影露光装置。
  10. 前記制御手段は、前記感応基板の外周位置情報、前記位置検出系の各検出点の位置情報、及び露光対象のショット領域の位置情報に基づいて、前記位置検出系の検出点のいずれが前記感応基板上の有効領域にかかっているか否かを判断することを特徴とする請求項5に記載の投影露光装置。
  11. 前記制御手段は、前記位置検出系の複数の検出点の検出結果をそれぞれ所定の許容値と比較することにより、前記位置検出系の検出点のいずれが前記感応基板上の有効領域にかかっているか否かを判断することを特徴とする請求項5に記載の投影露光装置。
  12. 前記制御手段は、前記感応基板の外周近傍のショット領域を走査露光する際に、当該ショット領域にかかる検出点が複数になった時点から、当該ショット領域にかかる検出点の検出結果だけに基づく前記感応基板の傾き調整を前記基板駆動系を介して開始することを特徴とする請求項6又は7に記載の投影露光装置。
  13. 前記制御手段は、前記感応基板の外周位置情報、前記位置検出系の各検出点の位置情報、及び露光対象のショット領域の位置情報に基づいて、前記位置検出系の検出点のいずれが当該ショット領域にかかっているか否かを判断することを特徴とする請求項6又は7に記載の投影露光装置。
  14. 前記制御手段は、前記感応基板の外周近傍のショット領域を走査露光する際に、当該ショット領域にかかる検出点が1点である場合には前記1点の検出点とこれに隣接する少なくとも1点の検出点とを含む所定数の検出点の検出結果に基づいて前記基板駆動系を介して前記感応基板の傾き調整を開始し、その後前記傾き調整に使用する検出点を順次当該ショット領域内部側にシフトすることを特徴とする請求項7に記載の投影露光装置。
  15. 照明光で照明された照明領域に対してマスクを走査方向に移動させるのと同期して前記照明領域に共役な露光領域に対して感応基板を前記走査方向に移動させることにより前記マスクのパターン像を前記感応基板上に露光する走査露光方法において、
    前記感応基板の外周近傍のショット領域を、前記露光領域が感応基板の外側から内側へ走査するように露光する際に、前記露光領域に対して前記走査方向の一方側と他方側にそれぞれ位置する前記走査方向に直交する非走査方向の幅が前記露光領域より広い検出領域内に前記非走査方向に沿って複数のスリット像が配置されるように、所定角度傾斜した方向から前記感応基板表面にスリット像を投影し、
    前記感応基板からの前記各スリット像の反射光束を受光し、その光電変換信号に基づいて前記スリット像が投影される各検出点における前記感応基板面の所定の基準面からの相対位置をそれぞれ算出し、
    この算出結果に基づいて前記露光領域内における前記感応基板の面位置を調整することを特徴とする走査露光方法。
  16. 前記検出点のうちの予め定められた検出点を使って、前記感応基板面の所定基準面からの相対位置が算出される請求項15に記載の走査露光方法。
  17. 前記感応基板の外周位置情報、前記検出点の位置情報、及び前記ショット領域の位置情報に基づいて選択された検出点を使って、前記感応基板面の所定基準面からの相対位置が算出される請求項15に記載の走査露光方法。
  18. 前記ショット領域の露光中に、前記選択される検出点の数を変えることなく前記相対位置の算出が行われる請求項17に記載の走査露光方法。
  19. 前記ショット領域の露光中に、前記選択される検出点の数が可変である請求項17に記載の走査露光方法。
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