JP2000031015A - 位置検出方法、位置調整方法、走査露光方法及び走査型露光装置並びにデバイス製造方法 - Google Patents

位置検出方法、位置調整方法、走査露光方法及び走査型露光装置並びにデバイス製造方法

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JP2000031015A
JP2000031015A JP10196953A JP19695398A JP2000031015A JP 2000031015 A JP2000031015 A JP 2000031015A JP 10196953 A JP10196953 A JP 10196953A JP 19695398 A JP19695398 A JP 19695398A JP 2000031015 A JP2000031015 A JP 2000031015A
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JP10196953A
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Tsuneyuki Hagiwara
恒幸 萩原
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Nikon Corp
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    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70216Mask projection systems
    • G03F7/70358Scanning exposure, i.e. relative movement of patterned beam and workpiece during imaging

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 走査露光中に感応基板又はマスクの位置を高
精度に検出する。 【解決手段】マスクR側の投影光学系PLの投影視野
(イメージサークル)内に位置する照明領域IAR、I
BRを露光光ILにより照明し、マスクRと感応基板W
との同期移動中に、照明領域の1つ(IBR)を検出用
照明領域として、Y方向、X方向、及びZ方向の内の少
なくとも一方向に関するマスクR及び感応基板Wの少な
くとも一方の位置又は両者の相対位置を、位置検出装置
30により露光光を使って光学的に検出する。通常、投
影光学系PLは露光光の波長に対して収差が殆どないよ
うに結像性能が調整されていることから、走査露光中に
露光光を用いて殆ど無収差でマスク及び感応基板の少な
くとも一方の位置又は両者の相対位置を高精度に検出す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、位置検出方法、位
置調整方法、走査露光方法及び走査型露光装置並びにデ
バイス製造方法に係り、更に詳しくは、半導体素子や液
晶表示素子等のマイクロデバイスの製造におけるリソグ
ラフィ工程で用いられる走査型露光装置、この装置に適
用される走査露光方法、この走査露光中のマスク又は感
応基板の位置検出方法及び位置調整方法、並びに前記走
査型露光装置及び走査露光方法を用いたデバイス製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体素子又は液晶表示素子
等をフォトリソグラフィ工程で製造する際に、フォトマ
スク又はレチクル(以下、「レチクル」と総称する)の
パターンを、投影光学系を介して表面にフォトレジスト
等の感光剤が塗布されたウエハ又はガラスプレート等の
感応基板上に転写する投影露光装置、例えばステップ・
アンド・リピート方式の縮小投影露光装置(いわゆるス
テッパ)が用いられている。このステッパは、各ショッ
ト領域の露光がレチクルと感応基板とを静止させた状態
で行われるため、静止型露光装置とも呼ばれる。
【0003】ところで、半導体素子等を製造する場合に
は、異なる回路パターンを感応基板上に幾層にも積み重
ねて形成する必要があるため、回路パターンが描画され
たレチクルと、感応基板上の各ショット領域に既に形成
されたパターンとを精確に重ね合わせることが重要であ
る。
【0004】ところで、集積回路等は年々高集積化して
おり、これに伴って回路パターンの最小線幅(デバイス
ルール)も年々微細化の傾向を強め、重ね合わせ精度を
含む露光精度に対する要求も厳しくなってきた。
【0005】かかる背景の下、近年では、矩形又は円弧
状の照明光によりレチクルを照明し、レチクル及び感応
基板を投影光学系に対して1次元方向に同期走査するこ
とにより、レチクルパターンを投影光学系を介して感応
基板上に逐次転写する所謂スリット・スキャン方式、あ
るいは、所謂ステップ・アンド・スキャン方式などの走
査型露光装置が開発され、現在ではこの走査型露光装置
が主流になりつつある。かかる走査型露光装置によれ
ば、収差の最も少ない投影光学系の有効露光フィールド
の一部(中央部)のみを使用してレチクルパターンの転
写が可能となるため、静止型露光装置に比べてより微細
なパターンをより高精度に露光することが可能になる。
また、走査型露光装置によれば、走査方向には投影光学
系の制限を受けずに露光フィールドを拡大することがで
きるので、大面積露光が可能であり、また、投影光学系
に対してレチクル及びウエハを相対走査することで平均
化効果があり、ディストーションや焦点深度の向上が期
待出来る等のメリットがある。
【0006】図18には、従来の走査型露光装置の一例
が示されている。この走査型露光装置は、照明装置10
1、レチクルRを保持してY方向に移動するレチクルス
テージRST、投影光学系PL、ウエハWを保持してX
Y2次元方向に移動するウエハテーブル106等を備え
ている。この走査型露光装置では、照明装置101から
発せられる露光用照明光により、その下面に回路パター
ンが描画されたレチクルRのスリット状の照明領域IA
Rが照明され、レチクルRの照明領域IAR内に存在す
る回路パターンの像が投影光学系PLを介してウエハW
上に投影される。この場合、レチクルR上の照明領域I
AR内の回路パターンとウエハW上の照明領域IAとは
共役関係にあり、レチクルR(レチクルステージRS
T)が−Y方向に等速度VRで走査されるのに同期して
ウエハW(ウエハテーブル106)が+Y方向に等速度
W(VW=β・VR、βは投影光学系PLの投影倍率)
で走査されることにより、ウエハW上にレチクルRに描
画された回路パターンの縮小像を歪み無く形成すること
ができる。このような焼き付け、露光の仕方を同期露
光、スキャン露光、あるいは走査露光と呼ぶ。
【0007】この場合、ウエハWはウエハテーブル10
6上にウエハホルダ107を介して吸着保持されてお
り、ウエハテーブル106は不図示のZ・レベリング機
構(レベリング・フォーカシングアクチュエータ)によ
って、X方向に移動するXステージ108上に3点支持
されており、このXステージ108は不図示のベース上
をY方向に移動するYステージ110上に載置されてい
る。前記ウエハテーブル106と不図示のZ・レベリン
グ機構とによってウエハWをZ位置及びXY面に対する
傾斜方向に駆動するZレベリングステージが構成されて
いる。また、ウエハWの複数点のZ方向位置が斜入射光
式の多点焦点位置検出系(141、142)によって計
測されている。そして、スキャン露光中に不図示の制御
系によって、多点焦点位置検出系(141、142)の
計測値に基づいてZ・レベリング機構を介してテーブル
106がZ方向及びXY面に対する傾斜方向に駆動さ
れ、ウエハW上の上記照明領域IAがレチクルRのパタ
ーン面と共役になるように駆動され、このようにしてい
わゆるオートフォーカス(AF)・オートレベリング
(AL)動作が行われるようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した図18に示さ
れるような走査型露光装置では、ウエハWとレチクルR
とのXY方向の相対位置合わせのためウエハW上のアラ
イメントマークを検出するマーク検出系としては、従来
の静止露光(ステップ・アンド・リピート露光)方式の
ステッパと同様のオフアクシスアライメントセンサ14
0が用いられ、同様にしてアライメントが行われてい
る。すなわち、この走査型露光装置では、レチクルR及
びウエハWの静止時に、アライメントセンサ140を用
いてウエハW上の複数のアライメントマークとアライメ
ントセンサ140の検出中心との相対位置を順次検出
し、この検出結果及びその検出時のテーブル106の位
置を計測する干渉計の計測値とに基づいて干渉計測長軸
で規定されるステージ座標系上で前記複数のアライメン
トマークの位置を求め、これらのアライメントマークの
位置座標を用いて例えばEGA(エンハンスト・グロー
バル・アライメント)と呼ばれる統計処理演算によりウ
エハW上のショット配列座標を算出する。そして、各シ
ョットの露光の際には、上記のショット配列座標と予め
計測したベースライン量(レチクルパターンの投影位置
とオフアクシスアライメントセンサ140の検出中心と
の距離)とに基づいて、各ショットの露光のための走査
開始位置にウエハWを位置決めし、それ以後のスキャン
露光中のウエハW及びレチクルRの位置制御は干渉計の
計測値のみに基づいて行われている。換言すれば、スキ
ャン露光中にウエハWとレチクルRとのXY方向の相対
位置合わせ(アライメント)を行うことが困難であり、
ベースライン量の変動等に起因して重ね合せ誤差が生じ
るという不都合があった。
【0009】一方、フォーカス・レベリング制御につい
ては、テーブル制御にダイナミックな制御能力が要求さ
れるという点を除けば、従来のステップ・アンド・リピ
ート方式と同様の斜入射方式の多点AFセンサ(14
1、142)を用いても現時点(最小線幅0.35μ
m)では特に支障はない。
【0010】しかしながら、256M(メガ)ビット、
1G(ギガ)ビットD−RAMクラスの集積度を有し、
最小線幅が0.25μm、0.17μm以下の次世代、
次次世代の回路デバイスの量産に対応する露光装置に
は、スキャン露光中の投影光学系の像面のZ位置の計測
及びフォーカシングの精度の更なる向上が要求される
が、上記斜入射光式のフォーカスセンサは、実際の像面
を計測しているものではないため、かかる要求に対応す
ることが困難であるという不都合があった。また、露光
装置の解像力向上のための投影光学系の大N.A.化に
伴い、ワーキングディスタンス(作動距離:投影光学系
を構成する対物レンズ(先玉)とウエハとの距離)がま
すます縮小してきており、斜入射光式のフォーカスセン
サではウエハ面上の上記照明領域(露光領域)のZ位置
を計測することが困難となりつつあり、ワーキングディ
スタンスの縮小に対応できる別の焦点位置検出方式の開
発が急務となっている。
【0011】本発明は、かかる事情の下になされたもの
で、その第1の目的は、走査露光中に感応基板又はマス
クの位置を高精度に検出することが可能な位置検出方法
を提供することにある。
【0012】また、本発明の第2の目的は、走査露光中
に感応基板又はマスクの位置を高精度に調整することが
できる位置調整方法を提供することにある。
【0013】また、本発明の第3の目的は、走査露光中
に感応基板又はマスクの位置を高精度に検出することが
可能な走査型露光装置を提供することにある。
【0014】また、本発明の第4の目的は、露光精度を
一層向上させることができる走査型露光装置及び走査露
光方法を提供することにある。
【0015】また、本発明の第5の目的は、より高集積
度のマイクロデバイスの生産性の向上を図ることができ
るデバイス製造方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、マスク(R)と感応基板(W)とを第1方向(Y方
向)に同期移動させつつ前記マスクに形成されたパター
ンを投影光学系(PL)を介して感応基板上に逐次転写
する走査露光を行う際の位置検出方法において、前記マ
スク側の前記投影光学系の投影視野(PL’)内に位置
する複数の照明領域(IAR、IBR)を露光光(I
L)により照明し、前記マスクと感応基板との前記同期
移動中に、前記複数の照明領域の少なくとも1つ(IB
R)を検出用照明領域として、前記第1方向、前記マス
クの移動面内で前記第1方向に直交する第2方向(X方
向)、及び前記第1、第2方向に直交する第3方向(Z
方向)の内の少なくとも一方向に関する前記マスク及び
前記感応基板の少なくとも一方の位置又は両者の相対位
置を前記露光光を使って光学的に検出することを特徴と
する。
【0017】これによれば、マスク側の投影光学系の投
影視野(イメージサークル)内に位置する複数の照明領
域を露光光により照明し、マスクと感応基板との同期移
動中に、複数の照明領域の少なくとも1つを検出用照明
領域として、第1方向、前記マスクの移動面内で前記第
1方向に直交する第2方向、及び第1、第2方向に直交
する第3方向の内の少なくとも一方向に関するマスク及
び感応基板の少なくとも一方の位置又は両者の相対位置
を露光光を使って光学的に検出する。通常、投影光学系
は露光光の波長に対して収差が殆どないように結像性能
が調整されていることから、本請求項1の位置検出方法
によれば走査露光中に露光光を用いて殆ど無収差でマス
ク及び感応基板の少なくとも一方の位置又は両者の相対
位置を高精度に検出することができる。
【0018】請求項2に記載の発明は、マスク(R)と
感応基板(W)とを第1方向(Y方向)に同期移動させ
つつ前記マスクに形成されたパターンを投影光学系(P
L)を介して感応基板上に逐次転写する走査露光を行う
際の位置調整方法において、前記マスク側の前記投影光
学系の投影視野(PL’)内に位置する複数の照明領域
(IAR、IBR)を露光光(IL)により照明し、前
記マスクと感応基板との前記同期移動中に、前記複数の
照明領域の少なくとも1つ(IBR)を検出用照明領域
として、前記第1方向、前記マスクの移動面内で前記第
1方向に直交する第2方向、及び前記第1、第2方向に
直交する第3方向の内の少なくとも一方向に関する前記
マスク及び前記感応基板の少なくとも一方の位置又は両
者の相対位置を前記露光光を使って光学的に検出し、こ
の検出結果に基づいて前記マスク及び前記感応基板の少
なくとも一方の前記検出方向の位置を調整することを特
徴とする。
【0019】これによれば、請求項1の位置検出方法と
同様に、走査露光中に露光光を用いて殆ど無収差でマス
ク及び感応基板の少なくとも一方の位置又は両者の相対
位置を高精度に検出することができ、この検出結果に基
づいてマスク及び感応基板の少なくとも一方の検出方向
の位置を調整することにより、走査露光中に感応基板及
びマスクの一方の位置又は両者の相対位置を高精度に調
整することが可能となる。
【0020】請求項3に記載の発明は、マスク(R)と
感応基板(W)との各々を所定方向に同期移動させつつ
前記マスクに形成されたパターンを投影光学系(PL)
を介して感応基板上に逐次転写する走査露光方法におい
て、前記投影光学系の投影視野(PL’)内に位置する
照明領域(IAR、IBR)を露光光(IL)により照
明し、前記マスクと前記感応基板の同期移動中に、前記
照明領域の少なくとも一部(IBR部分)を検出用照明
領域として、前記マスクと前記感応基板との相対位置関
係を前記検出領域に照射される露光光を使って光学的に
検出し、この検出結果に基づいて前記マスク及び前記感
応基板の位置関係を調整しながら、前記マスクと前記感
応基板とを同期移動させることを特徴とする。
【0021】ここで、検出用照明領域は、複数の照明領
域の内の少なくとも一部の照明領域、あるいは単一の照
明領域の少なくとも一部の何れであっても良い。
【0022】これによれば、マスクと感応基板との各々
を所定方向に同期移動させつつマスクに形成されたパタ
ーンを投影光学系を介して感応基板上に逐次転写する走
査露光方法において、投影光学系の投影視野内に位置す
る照明領域を露光光により照明し、前記マスクと感応基
板の同期移動中に、照明領域の少なくとも1部を検出用
照明領域として、マスクと感応基板との相対位置関係を
検出用照明領域に照射される露光光を使って光学的に検
出し、この検出結果に基づいてマスク及び感応基板の位
置関係を調整しながら、マスクと感応基板とを同期移動
させる。このため、マスクと感応基板との同期移動中
に、マスク及び感応基板の相対位置関係を高精度に検出
し、かつ高精度に調整することができるので、結果的に
露光精度を一層向上させることができる。
【0023】この場合において、請求項4に記載の発明
の如く、前記マスク(R)と前記感応基板(W)との相
対位置関係は、前記投影光学系(PL)の光軸(AX)
方向の位置関係と前記投影光学系の光軸と垂直な方向の
位置関係の少なくとも一方を含んでいることが望まし
い。すなわち、投影光学系の光軸方向のマスクと感応基
板との相対位置関係の調整はフォーカスの調整に他なら
ず、投影光学系の光軸と垂直な方向のマスクと感応基板
との相対位置関係の調整は重ね合わせの調整に他ならな
いので、いずれにしても露光精度(線幅制御性、重ね合
せ精度)が向上する。
【0024】請求項5に記載の発明は、マスク(R)と
感応基板(W)とを同期移動させつつ、前記マスクのパ
ターンを投影光学系(PL)を介して前記感応基板上に
転写する走査露光方法であって、前記同期移動中に、前
記マスクと前記感応基板との相対的な位置関係を露光光
(IL)を使って検出し、前記同期移動中に、その検出
結果に基づいて前記マスクと前記感応基板との相対的な
位置関係を調整することを特徴とする。
【0025】これによれば、マスクと感応基板との同期
移動中にマスクと前記感応基板との相対的な位置関係を
露光光を使って殆ど収差なく検出し、かつ同期移動中
に、その検出結果に基づいてマスクと感応基板との相対
的な位置関係が調整されるので、結果的に露光精度が向
上する。
【0026】この場合において、請求項4と同様に、前
記相対的な位置関係は、前記投影光学系の光軸方向の位
置関係と前記投影光学系の光軸と垂直な方向の位置関係
との少なくとも一方を含むことが望ましい。
【0027】上記請求項5に記載の走査露光方法におい
て、請求項7に記載の発明の如く、前記同期移動中に前
記マスク(R)上の位置合わせマーク(RM)と前記感
応基板上の位置合わせマーク(WM)とを露光光(I
L)を使って検出することにより前記相対的な位置関係
を検出しても良い。
【0028】請求項8に記載の発明は、マスク(R)と
感応基板(W)とを第1方向(Y方向)に同期移動させ
つつ前記マスクに形成されたパターンを投影光学系(P
L)を介して感応基板上に逐次転写する走査型露光装置
であって、前記マスク側の前記投影光学系の投影視野
(PL’)内に位置する複数の照明領域(IAR、IB
R)を露光光(IL)により照明する照明系(10)
と;前記マスクと感応基板との同期移動中に、前記複数
の照明領域の少なくとも1つ(IBR)を検出用照明領
域として、前記第1方向、前記マスクの移動面内で前記
第1方向に直交する第2方向(X方向)、及び前記第
1、第2方向に直交する第3方向(Z方向)の内の少な
くとも一方向に関する前記マスク及び前記感応基板の少
なくとも一方の位置又は両者の相対位置を前記露光光を
使って光学的に検出する位置検出装置(30)とを備え
る。
【0029】これによれば、照明光学系によりマスク側
の投影光学系の投影視野内に位置する複数の照明領域が
露光光により照明され、位置検出装置により、マスクと
感応基板との同期移動中に、複数の照明領域の少なくと
も1つを検出用照明領域として、第1方向、マスクの移
動面内で第1方向に直交する第2方向、及び第1、第2
方向に直交する第3方向の内の少なくとも一方向に関す
るマスク及び感応基板の少なくとも一方の位置又は両者
の相対位置が露光光を使って光学的に検出される。通
常、投影光学系は露光光の波長に対して収差が殆どない
ように結像性能が調整されていることから、本請求項8
の走査型露光装置によれば走査露光中に露光光を用いて
殆ど無収差でマスク及び感応基板の少なくとも一方の位
置又は両者の相対位置を高精度に検出することができ
る。
【0030】この場合において、請求項9に記載の発明
の如く、前記マスク(R)と感応基板(W)との同期移
動中に、前記位置検出装置(30)の検出結果に基づい
て前記マスク及び前記感応基板の少なくとも一方の前記
検出方向の位置を調整する駆動装置(RST、12、1
6、18、19、20、21)を備えることが望まし
い。かかる場合には、駆動装置によりマスクと感応基板
との同期移動中、すなわち走査露光中に位置検出装置の
検出結果に基づいてマスク及び感応基板の少なくとも一
方の検出方向の位置が調整されるので、両者の相対位置
関係の高精度な調整が可能になり、結果的に露光精度を
向上させることができる。
【0031】上記請求項8に記載の走査型露光装置にお
いて、位置検出装置の構成は種々考えられるが、例えば
請求項10に記載の発明の如く、前記位置検出装置(3
0)は、前記マスク(R)からの反射光及び前記投影光
学系(PL)を介しての前記感応基板(W)からの反射
光の少なくとも一方を2分割する分割光学素子(42)
と、該分割光学素子で分割された2光束を受光し、それ
ぞれの入射位置に応じた信号を出力する光電変換素子
(46A、46B)と、該光電変換素子の出力に応じて
前記マスク及び感応基板の少なくとも一方の前記第3方
向の位置を求める演算装置(36)とを有する焦点位置
検出装置であっても良く、あるいは請求項11に記載の
発明の如く、前記位置検出装置(30)は、前記マスク
(R)からの反射光及び前記投影光学系(PL)を介し
ての前記感応基板(W)からの反射光を前記感応基板表
面の共役面で受光する撮像素子(58)と、該撮像素子
からの撮像信号に基づいて前記マスクと前記感応基板と
の前記第1方向及び第2方向の少なくとも一方の方向の
相対位置を算出する演算装置(36)とを有するアライ
メント装置であっても良い。
【0032】上記請求項11に記載の発明において、請
求項12に記載の発明の如く、前記アライメント装置
は、前記マスク(R)上のマーク(RM)と前記感応基
板(W)上のマーク(WM)の相対位置を検出する装置
であり、前記マスク上の検出用照明領域(IBR)を照
明する露光光の光量を所定レベルまで減光する減光部材
(68)を備えていても良い。露光光は、ある光量以上
では感応基板上の感光剤を感光させるので、減光部材に
よりマスク上の検出用照明領域を照明する露光光の光量
を所定レベルまで減光することにより、感応基板上のマ
ークが現像後のプロセスによって荒らされるのを防止で
きるからである。
【0033】この場合において、請求項13に記載の発
明の如く、前記減光部材(68)を前記マスク(R)上
の前記マーク(RM)領域に対向した位置に保持して前
記マスクと同期移動する移動体(66A、66B)を有
する可動ブラインド装置(64)を更に備えていること
が望ましい。かかる場合には、マスクと感応基板との同
期移動中ずっと減光部材がマーク領域に対向した位置に
保持されるので、感応基板上のマークが現像後のプロセ
スによって荒らされるのを確実に防止することができ
る。
【0034】この場合、請求項14に記載の発明の如
く、前記減光部材(68)は、前記移動体(66A、6
6B)に対し前記第1方向に相対移動可能であっても良
い。かかる場合には、マスク上のマーク(RM)及び感
応基板(W)上のマーク(WM)が第1方向の異なる位
置に形成されても感応基板上のマークが現像後のプロセ
スによって荒らされるのを確実に防止することができ
る。すなわち、いわゆるマークの打ち替えがあっても対
応が可能である。
【0035】上記請求項8に記載の走査型露光装置にお
いて、請求項15に記載の発明の如く、前記位置検出装
置(30)は、前記複数の照明領域の内の第1の照明領
域を前記マスク(R)の位置を検出するための検出用照
明領域として用い、前記複数の照明領域の内の第2の照
明領域を前記感応基板(W)の位置を検出するための検
出用照明領域として用いても良い。
【0036】また、上記請求項9に記載の走査型露光装
置において、請求項16に記載の発明の如く、前記照明
系(10)は、前記複数の照明領域として、前記マスク
(R)と前記感応基板(W)の相対的な位置関係を検出
するための検出用照明領域(IBR)と前記マスクのパ
ターンを前記感応基板上に転写するための露光用照明領
域(IAR)とを前記第1方向(Y方向)に並べて形成
し、前記位置検出装置(30)は、前記同期移動中に前
記マスク上のあるパターン領域が前記露光用照明領域内
に位置する前に前記検出用照明領域へ照射される露光光
を使って前記マスクと前記感応基板との位置関係を検出
し、前記駆動装置は、前記検出結果に基づいて、前記同
期移動中に前記マスク上のあるパターン領域が前記露光
用照明領域内に位置するときの前記マスクと前記感応基
板との位置関係を調整するようにしても良い。
【0037】上記請求項9に記載の走査型露光装置にお
いて、請求項17に記載の発明の如く、前記位置検出装
置(30)は、前記マスク(R)からの反射光及び前記
投影光学系(PL)を介しての前記感応基板(W)から
の反射光を2分割する分割光学素子(56)と、該分割
光学素子で分割された一方の光束を前記感応基板表面の
共役面から光路前方側に所定量だけデフォーカスした位
置で受光する第1の撮像素子(58A)と、該分割光学
素子で分割された他方の光束を前記感応基板表面の共役
面から光路後方側に前記所定量だけデフォーカスした位
置で受光する第2の撮像素子(58B)とを備える場合
には、前記駆動装置(RST、12、16、18、1
9、20、21)は、前記第1の撮像素子で撮像された
像のコントラストと前記第2の撮像素子で撮像された像
のコントラストとが一致するように前記マスクと感応基
板との前記第3方向(Z方向)の相対位置を調整するよ
うにしても良い。
【0038】上記請求項10に記載の発明において、前
記光電変換素子は、単一の光電変換素子であっても勿論
良いが、請求項18に記載の発明の如く、前記光電変換
素子は、前記分割光学素子で分割された2光束を個別に
受光するものが2つ設けられていても良い。
【0039】また、請求項10に記載の発明において、
請求項19に記載の発明の如く、前記焦点位置検出装置
(30)は、前記マスク(R)上の前記検出用照明領域
(IBR)に入射する前記露光光(IL)の光路上に配
置された偏光ビームスプリッタ(48)と、前記マスク
と前記感応基板との間の前記検出用照明領域を透過した
前記露光光の光路上に配置された四分の一波長板(5
0)とを更に有していても良く、あるいは請求項20に
記載の発明の如く、前記焦点位置検出装置(30)は、
前記マスクと前記感応基板との間の前記検出用照明領域
を透過した前記露光光の光路上に配置された遮光板(5
2)を更に有していても良い。
【0040】上記請求項8、9、10、11、17に記
載の各発明において、請求項21に記載の発明の如く、
前記複数の照明領域の内の少なくとも1つの検出用照明
領域と、その残りの露光用照明領域とが、前記第1方向
に並置されている場合には、前記複数の照明領域に照射
される露光光の光量の前記第1方向(Y方向)の積算値
が前記第2方向(X方向)についてほぼ均一となるよう
に、前記各照明領域内に照射される露光光の光量が設定
されていることが望ましい。
【0041】また、上記請求項8、9、10、11、1
7に記載の各発明において、請求項22に記載の発明の
如く、前記複数の照明領域の内の露光用照明領域が少な
くとも一部に前記第1及び第2方向に交差する傾斜部を
有し、前記検出用照明領域が前記第1方向で前記傾斜部
に重なる傾斜部を有していても良い。
【0042】請求項23に記載の発明に係るデバイス製
造方法は、請求項3又は5に記載の走査露光方法を用い
たことを特徴とする。
【0043】
【発明の実施の形態】《第1の実施形態》以下、本発明
の第1の実施形態を図1ないし図6に基づいて説明す
る。
【0044】図1には、第1の実施形態に係る走査型露
光装置100の概略的な構成が示されている。この走査
型露光装置100は、いわゆるステップ・アンド・スキ
ャン露光方式の投影露光装置である。
【0045】この走査型露光装置100は、光源及び照
明光学系を含む照明系10、マスクとしてのレチクルR
を保持するレチクルステージRST、投影光学系PL、
感応基板としてのウエハWを保持してXY平面内をXY
2次元方向に移動する基板テーブル18を備えたXYス
テージ装置14、及びこれらを制御する制御系等を備え
ている。
【0046】前記照明系10は、光源、照度均一化光学
系(コリメータレンズ、フライアイレンズ等から成
る)、リレーレンズ系、レチクルブラインド、及びコン
デンサレンズ等(いずれも図示せず)を含んで構成され
ている。光源で発生した露光光としての照明光ILは不
図示のシャッターを通過した後、照度均一化光学系によ
り照度分布がほぼ均一な光束に変換される。照明光IL
としては、例えばKrFエキシマレーザ光、ArFエキ
シマレーザ光あるいはF2エキシマレーザ光(波長:1
57nm)等のエキシマレーザ光、銅蒸気レーザやYA
Gレーザの高調波、あるいは超高圧水銀ランプからの紫
外域の輝線(g線、i線等)等が用いられる。
【0047】照度均一化光学系から射出された光束は、
リレーレンズ系を介してレチクルRのパターン面と共役
な位置及びその近傍に配置されたレチクルブラインドに
達する。レチクルブラインドとしては、ここでは開口形
状が可変な可動ブラインドと、開口形状が固定された固
定ブラインドとが設けられている点は通常と同様である
が、その固定ブラインドによってレチクルRを照明する
露光用照明領域(レジスト露光用)としてのスリット状
照明領域IARと、検出用照明領域として落射照明領域
IBRとが規定されるようになっている点が通常と異な
る。この場合、レチクルブラインドを通過した光束は、
リレーレンズ系、コンデンサレンズ系を通過して回路パ
ターン等が描かれたレチクルRの照明領域IAR及び上
記落射照明領域IBR部分をそれぞれ照明する。
【0048】前記レチクルステージRST上にはレチク
ルRが、例えば真空吸着(又は静電吸着)により固定さ
れている。レチクルステージRSTは、ここでは、磁気
浮上型2次元リニアアクチュエータから成る不図示のレ
チクルステージ駆動系により、後述する投影光学系PL
の光軸AXに垂直な平面内で2次元的に(X軸方向及び
これに直交するY軸方向及びXY平面に直交するZ軸回
りの回転方向に)微少駆動可能であるとともに、不図示
のレチクルベース上を所定の走査方向(ここではY軸方
向とする)に指定された走査速度で移動可能となってい
る。このレチクルステージRSTは、レチクルRの全面
が少なくとも投影光学系PLの光軸AXを横切ることが
できるだけのY軸方向の移動ストロークを有している。
また、本実施形態では、上記の磁気浮上型2次元リニア
アクチュエータとして、X制御用コイル、Y制御用コイ
ルの他にZ制御用コイルを備えたタイプが用いられてお
り、これによってレチクルステージRSTがZ軸方向に
も微小範囲で駆動可能に構成されている。
【0049】レチクルステージRST上には、レチクル
レーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」という)13
からのレーザビームを反射する移動鏡15が固定されて
おり、レチクルステージRSTのXY面内の位置はレチ
クル干渉計13によって、例えば0.5〜1nm程度の
分解能で常時検出される。ここで、実際には、レチクル
ステージRST上には走査方向(Y軸方向)に直交する
反射面を有する移動鏡と非走査方向(X軸方向)に直交
する反射面を有する移動鏡とが設けられ、レチクル干渉
計13は走査方向に1軸、非走査方向には2軸設けられ
ているが、図1ではこれらが代表的に移動鏡15、レチ
クル干渉計13として示されている。
【0050】レチクル干渉計13からのレチクルステー
ジRSTの位置情報はステージ制御系19及びこれを介
してワークステーション(又はマイクロコンピュータ)
から成る主制御装置20に送られ、ステージ制御系19
では主制御装置20からの指示に応じてレチクルステー
ジRSTの位置情報に基づいてレチクルステージ駆動系
を介してレチクルステージRSTを駆動する。
【0051】前記投影光学系PLは、レチクルステージ
RSTの図1における下方に配置され、その光軸AXの
方向がZ軸方向とされ、ここでは両側テレセントリック
な光学配置となるように光軸AX方向に沿って所定間隔
で配置された複数枚のレンズエレメントから成る屈折光
学系が使用されている。この投影光学系PLは所定の投
影倍率、例えば1/5(あるいは1/4)を有する縮小
光学系である。このため、照明系10からの照明光IL
によってレチクルRのスリット状照明領域IARが照明
されると、このレチクルRを通過した照明光ILによ
り、投影光学系PLを介してそのスリット状照明領域I
AR内のレチクルRの回路パターンの縮小像(部分倒立
像)が表面にフォトレジストが塗布されたウエハW上に
形成される。
【0052】前記XYステージ装置14は、不図示のベ
ース上を走査方向であるY軸方向(図1における左右方
向)に往復移動可能なYステージ16と、このYステー
ジ16上をY軸方向と直交するX軸方向(図1における
紙面直交方向)に往復移動可能なXステージ12と、こ
のXステージ12上に設けられた基板テーブル18とを
有している。また、基板テーブル18上に、ウエハホル
ダ25が載置され、このウエハホルダ25によって感応
基板としてのウエハWが真空吸着(又は静電吸着)によ
って保持されている。
【0053】基板テーブル18は、Xステージ12上に
XY方向に位置決めされ、かつZ軸方向の移動及び傾斜
が許容された状態で取り付けられている。すなわち、こ
の基板テーブル18は、異なる3点の支持点でピエゾ素
子等から成るレベリング・フォーカシングアクチュエー
タ(図示省略)によって支持されており、これら3つの
レベリング・フォーカシングアクチュエータがウエハ駆
動装置21によって独立してZ軸方向に駆動され、これ
によって基板テーブル18上に保持されたウエハWの面
位置(Z軸方向位置及びXY平面に対する傾斜)が所望
の状態に設定されるようになっている。
【0054】基板テーブル18上にはウエハレーザ干渉
計(以下、「ウエハ干渉計」という)31からのレーザ
ビームを反射する移動鏡27が固定され、外部に配置さ
れたウエハ干渉計31により、基板テーブル18のXY
面内の位置が例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時
検出されている。
【0055】ここで、実際には、基板テーブル18上に
は走査方向であるY軸方向に直交する反射面を有する移
動鏡と非走査方向であるX軸方向に直交する反射面を有
する移動鏡とが設けられ、ウエハ干渉計31は走査方向
に1軸、非走査方向には2軸設けられているが、図1で
はこれらが代表的に移動鏡27、ウエハ干渉計31とし
て示されている。基板テーブル18の位置情報(又は速
度情報)はステージ制御系19及びこれを介して主制御
装置20に送られ、ステージ制御系19では主制御装置
20からの指示に応じて前記位置情報(又は速度情報)
に基づいてウエハ駆動装置21(これは、Xステージ1
2、Yステージ16の駆動系及び基板テーブル18の駆
動系の全てを含む)を介してYステージ16、Xステー
ジ12を制御する。
【0056】また、基板テーブル18上には、後述する
レチクルアライメントのための基準マーク等が形成され
た基準マーク板FMが固定されている。
【0057】本実施形態の走査型露光装置100におい
ては、図2に示されるように、レチクルRの走査方向
(Y軸方向)に対して垂直な方向に長手方向を有する長
方形のスリット状照明領域IARでレチクルRが照明さ
れ、レチクルRは露光時に−Y方向に速度VRで走査
(スキャン)される。照明領域IARは投影光学系PL
(図2においてはレチクルR側のイメージサークルが符
号PL’で示され、またウエハW側のイメージサークル
が符号PL”で示されている)を介してウエハW上に投
影され、照明領域IARに共役なスリット状投影領域、
すなわち露光領域IAWが形成される。ウエハWはレチ
クルRとは倒立結像関係にあるため、ウエハWは速度V
Rの方向とは反対方向(+Y方向)にレチクルRに同期
して速度VWで走査され、ウエハW上のショット領域S
の全面が露光可能となっている。走査速度の比VW/VR
は正確に投影光学系PLの縮小倍率に応じたものになっ
ており、上記の如く、ウエハWとレチクルRの同期移動
が行われることにより、図3に示されるように、レチク
ルRのパターン領域PAのパターン(ここでは、「Fパ
ターン」を含むパターン)がウエハW上のショット領域
S上に正確に(歪みなく)縮小転写される。スリット状
照明領域IARの長手方向の幅は、実際には、照明系1
0内の固定ブラインドによって、レチクルR上のパター
ン領域PAよりも広く、パターン領域PAを区画する遮
光領域の最大幅よりも狭くなるように設定され、レチク
ルRを走査(スキャン)することによりパターン領域P
A全面が照明されるようになっている。
【0058】本実施形態の走査型露光装置100では、
上記のようなウエハW上のショット領域に対する走査露
光によるレチクルパターンの転写と、次ショット領域の
走査開始位置へのステッピング動作とを繰り返し行うこ
とにより、ステップ・アンド・スキャン方式の露光が行
われ、ウエハW上の全ショット領域にレチクルパターン
が転写されるようになっている。
【0059】図1に戻り、この走査型露光装置100に
は、投影光学系の投影視野(イメージサークル内)を常
時モニタするための位置検出装置30が設けられてい
る。この位置検出装置30は、照明系10とレチクルR
との間に斜設されたビームスプリッタ32と、センサユ
ニット34と、信号処理装置36とを含んで構成されて
いる。この位置検出装置30は、前述した落射照明領域
IBRを検出用照明領域として、後述するような種々の
計測を行う。照明領域IBRは、前述したスリット状照
明領域IARがウエハW上の露光領域IAWと共役関係
にあるのと同様に、ウエハW上の照明領域IBWと共役
関係にあり、投影光学系PLを介してウエハW表面の照
明領域IBW内に照射(投射)された照明光ILの光束
はウエハWによって反射され、その反射光束は入射光路
と同一の光路を反対向きに進んで、ビームスプリッタ3
2に到達し、センサユニット34に向かって反射され
る。センサユニット34は、例えば2次元のCCDカメ
ラやポジションセンシティブセンサ(ビーム位置検出
器)などの光電変換素子、レンズエレメント等の光学素
子などによって構成されている。
【0060】本実施形態では、センサユニット34は、
レチクルRのパターン面からの反射光束や投影光学系P
L及びレチクルRを介してのウエハ面からの反射光束を
受光して光電変換したり、あるいはレチクルRの回路パ
ターンの画像や投影光学系PL及びレチクルRを介して
のウエハW上の回路パターンの画像やアライメント用マ
ークの画像等を取り込んで画像信号に変換したりするよ
うになっている。そして、信号処理装置36ではセンサ
ユニット34からの信号を処理するとともに所定の演算
によってウエハWのX,Y,Z位置、あるいはレチクル
RのX、Y、Z位置、あるいはレチクルRとウエハWと
のX、Y、Z方向の相対位置を算出するようになってい
る。
【0061】ここで、図2に示されるように、レチクル
R上ではスリット状照明領域IARより先に落射照明領
域IBRがレチクルRのパターン領域PAに到達するよ
うに、従ってウエハW上では露光領域IAWに先行して
照明領域IBWがショット領域Sの上を横切るように、
照明領域IARと照明領域IBWが定められている。こ
のため、位置検出装置30では、実際の露光に先立っ
て、レチクルRとウエハWとの同期移動開始時にレチク
ルR及びウエハWの少なくとも一方の回路パターンの
X,Y,Z位置を検出することができるので、いわゆる
先読み制御が可能であり、制御応答遅れが発生し難く、
位置合わせの精度向上が期待される。また、照明領域I
ARとIBRとの走査方向の間隔は基板テーブル18の
制御応答特性等を総合して最適な間隔とする。すなわ
ち、基板テーブル18の動作が緩慢なほど両者の間隔を
広げることが望ましい。
【0062】ここで、上述のようにして構成された本第
1の実施形態の走査型露光装置100の露光動作の流れ
を簡単に説明する。
【0063】先ず、最初に、基板テーブル18上の基準
板FM上の基準点が投影光学系PLの光軸の直下に位置
するように、主制御装置20によってXステージ12、
Yステージ16が駆動される。次に、主制御装置20で
はレチクルR上のレチクルアライメントマーク(以下、
適宜「レチクルマーク」という)RM1、RM2(図2
参照)とこれらに対応する基準マーク板FM上の不図示
のレチクルアライメント用基準マークとを位置検出装置
30によって同時に観察可能な位置までレチクルステー
ジRSTを移動させ、レチクルマークRM1、RM2と
これらに対応する基準板FM上のレチクルアライメント
用基準マークとを位置検出装置30によて同時に観察す
る。同様にして、主制御装置20ではレチクルR上のレ
チクルマークRM3、RM4(又はRM5、RM6)と
これらに対応する基準マーク板FM上のレチクルアライ
メント用基準マークとを位置検出装置30によって同時
に観察する。そして、主制御装置20では、上記の計測
によって得られた相互に対応するレチクルマークRMと
レチクルアライメント用基準マークとの相対位置ずれが
全て同時に最小になるように、レチクルステージRST
をXY面内で微少駆動して、レチクルRの初期位置設
定、すなわちレチクルアライメントを行う。
【0064】次に、上記のレチクルアライメントの終了
後、ウエハWが載置された基板テーブル18とレチクル
ステージRSTとが主制御装置20によって第1ショッ
トの露光(レチクルパターンの転写)のための走査開始
位置まで移動され、その第1ショットに対し前述の如く
して走査露光が行われる。この走査露光中に、位置検出
装置30により前述した種々の検出が行われ、該位置検
出装置30を構成するセンサユニット34からの信号に
基づいて信号処理装置36によってレチクルR又はウエ
ハWのX、Y、Z方向の位置及びレチクルRとウエハW
のX、Y、Z方向の相対位置が算出される。そして、こ
の信号処理装置36の算出結果が主制御装置20に通知
され、主制御装置20ではこの算出結果に基づいてステ
ージ制御系19及びウエハ駆動装置21を介して基板テ
ーブル18、すなわちウエハWの位置・姿勢を制御す
る、あるいはこれとともにレチクルステージ駆動系を介
してレチクルステージRST、すなわちレチクルRの位
置を制御することにより、ウエハWとレチクルRとの
X、Y、Z方向の相対位置合わせを、スキャン中(レチ
クルRとウエハWの同期移動中)に行う。
【0065】これまでの説明から明らかなように、本第
1の実施形態では、主制御装置20、ステージ制御系1
9、ウエハ駆動装置21、Xステージ12、Yステージ
16、基板テーブル18、レチクルステージRST(不
図示のレチクルステージ駆動系を含む)、によってレチ
クルRとウエハWとの同期移動中に、位置検出装置30
の検出結果に基づいてレチクルR及びウエハWの少なく
とも一方の検出方向の位置を調整する駆動装置が構成さ
れている。
【0066】次に、上記の位置検出装置30についてさ
らに具体的に説明する。この位置検出装置30は、ウエ
ハW又はレチクルRの投影光学系PLの光軸AX方向位
置、あるいは両者の光軸AX方向の相対位置(ずれ)を
検出するいわゆる焦点位置検出装置として構成しても良
く、あるいはウエハWとレチクルRのXY位置又は両者
のXY面内で相対位置関係を検出するアライメント装置
として構成しても良く、あるいは上記の如くその両方の
機能を備えた位置検出装置として構成しても良い。
【0067】図4には、図1の位置検出装置30を焦点
位置検出装置としてとして構成した一構成例が示されて
いる。この図4においては、XYステージ装置14等の
構成部分は図示が省略されている。
【0068】この図4においては、レチクルR上の落射
照明領域IBR内の任意の点が照明系10からのスポッ
ト状の照明光ILによって照明されている。また、この
場合、センサユニット34は、レンズ38、ミラー4
0、レンズ42、分割光学素子としての瞳分割プリズム
44及び一対の光電変換素子としてのビーム位置検出器
46A、46Bを含んで構成されている。ここで、この
位置検出装置30の検出原理について簡単に説明する
と、レチクルR上の落射照明領域IBR内の任意の点が
スポット状の照明光ILで照明されると、該照明光IL
は投影光学系PLを介してこれと共役なウエハW上の点
IBWに投射される。そして、この照明光ILはウエハ
Wの表面によって反射され、入射光路を逆向きに進んで
ビームスプリッタ32によって反射されて、レンズ3
8、ミラー40、レンズ42を経て瞳面に配置された瞳
分割プリズム(プリズムビームスプリッタ)44に到達
し、該瞳分割プリズム44によって2つの光束に分割さ
れ、一対のビーム位置検出器46A、46B上に光スポ
ットを結像する。ウエハWがレチクルRのパターン形成
面と共役な位置からZ方向にデフォーカスしていると、
ビーム位置検出器46A、46B上に結像される光スポ
ットの光量の重心位置は、該ビーム位置検出器46A、
46Bの受光面上で中心位置から左右(図4中ではY方
向)にずれる。このずれ量、すなわちビーム位置検出器
46A、46B上での光スポットの結像位置に応じたデ
フォーカス信号が信号処理装置36に入力され、この信
号処理装置36では所定の信号処理を施すとともに所定
の演算を行ってウエハW表面のZ位置(投影光学系PL
の最良結像面からのZ方向の位置ずれ量)を求める。こ
の場合、ビーム位置検出器は1つでもその受光面上での
光スポットの光量の重心位置の変化に応じてウエハWの
デフォーカス量を検出することは可能であるが、一対
(2つ)のビーム位置検出器46A、46Bが設けられ
ていることから、これら2つのビーム位置検出器46
A、46Bからのデフォーカス信号を用いることによ
り、ウエハW表面が傾斜していてもその影響をほぼ確実
に排除して、高精度にウエハWのZ位置を求めることが
できる。なお、ビーム位置検出器46A、46Bとし
て、4分割受光素子等のビームの光量の重心位置の変化
として2次元の位置ずれを検出可能な光電変換素子を用
いる場合などには、これらの素子からの光電変換信号に
基づいて所定の演算により、デフォーカス量とともに
X、Y軸回りの傾斜を求めることも可能である。また、
位置検出装置30において、信号処理装置36では信号
処理のみを行い、デフォーカス量、相対位置ずれ等の演
算は、主制御装置で行うようにしても良いことは勿論で
ある。
【0069】ここで、レチクルRの反射が問題になると
きは、図5に示されるように、図4のビームスプリッタ
32に代えて偏光ビームスプリッタ48を用い、さらに
レチクルRとウエハWとの間(図4ではレチクルRと投
影光学系PLとの間)の光路上に四分の一波長板(λ/
4板)50を配置し、いわゆるアイソレータの構成とし
ても良い。
【0070】この場合、照明系10から射出された照明
光IL(所定の直線偏光)は、偏光ビームスプリッタ4
8を透過してレチクルR上の落射照明領域IBR内の任
意の1点を照明する。次に、このレチクルRを通過した
照明光ILは、四分の一波長板50を通過することによ
り、円偏光に変換される。そして、この照明光IL(円
偏光)は投影光学系PLを介してレチクルRのパターン
面と共役なウエハW上の点IBWに投射される。そし
て、この照明光ILはウエハWの表面で反射され、入射
光路を逆向きに進んで四分の一波長板50を通過するこ
とにより、位相が前とλ/4(π/2)異なる直線偏光
に変換される。そして、この照明光ILは、偏光ビーム
スプリッタ48によって反射されて、レンズ38、ミラ
ー40、レンズ42を経て瞳分割プリズム44に到達
し、該瞳分割プリズム44によって2つの光束に分割さ
れ、一対のビーム位置検出器46A、46B上に光スポ
ットを結像する。
【0071】この一方、レチクルRのパターン面で反射
された照明光ILは、偏光ビームスプリッタ48に達す
るが、これをそのまま透過して照明系10の方に進み、
レンズ38には全く入射しない。従って、図5のように
すれば、レチクルRからの反射光の影響を遮断すること
が可能である。
【0072】上記と反対に、レチクルRの回路パターン
の描画面のZ位置を検出する場合には、図6に示される
ように、遮光部材としてのシャッタ52をレチクルRと
ウエハWとの間(図6ではレチクルRと投影光学系PL
との間)の光路上に挿入すればよい。この図6のような
構成は、デバイスルール(最小線幅)が小さくなるにつ
れ、必要度が高くなるものと予想される。すなわち、両
側テレセントリックの投影光学系と言ってもウエハ側は
ともかく、レチクル側まで厳密にテレセントリックに調
整することは殆ど困難であり、レチクル側が僅かながら
非テレセントリックになっているのが通常である。この
ため、レチクルRのZ方向位置ずれ(フォーカス誤差)
は、結果的にウエハW面上での像の横ずれの原因とな
る。かかる横ずれは、最小線幅が0.25μm、0.1
7μm以下の次世代、次次世代の回路デバイスを量産す
る将来の露光装置では、無視できなくなると予想される
ので、レチクルRの回路パターンの描画面のZ位置を検
出する必要性が高くなるからである。
【0073】この一方、ウエハ面のZ位置(投影光学系
PLの光軸方向位置)を検出する焦点位置検出装置とし
て現在用いられている斜入射光式の装置の如く間接的に
像面の位置を検出する装置では、次世代、次次世代の露
光装置に要求されるスキャン露光中の投影光学系の像面
のZ位置の計測及びフォーカシング精度の更なる向上に
対応できず、また解像力の向上に伴う投影光学系の高
N.A.化によるワーキングディスタンスの縮小化にも
対応できないため、先に説明した図4や図5のような焦
点位置検出装置の必要性も高くなる。
【0074】このような理由により、図5(又は図4)
の焦点位置検出装置と図6の焦点位置検出装置とを同時
に用いる必要性も高い。かかる場合には、投影光学系P
Lのイメージサークル内で視野分割(検出用の照明領域
を分割配置)すれば良い。具体的には、例えば、非走査
方向(X方向)に長いスリット状の照明領域をY方向に
並置し、その一方を図5(又は図4)の焦点位置検出装
置によるウエハWのZ位置検出用照明領域として用い、
他方をレチクルRの回路パターン描画面のZ位置検出用
照明領域として用いれば良い。
【0075】いずれにしても前述した図1の位置検出装
置30を採用する本第1の実施形態の走査型露光装置1
00によると、先に説明した走査露光の際に、位置検出
装置30によって露光用照明光ILによって投影光学系
PLの収差による影響を受けることなく、レチクルR及
びウエハWのX、Y、Z位置及び両者のX、Y、Z方向
の相対位置の任意の1つ、あるいは任意の組み合わせを
高精度に検出することができる。従って、主制御装置2
0では、この位置検出装置30からの検出信号に基づい
て、レチクルRとウエハWの同期移動中にステージ制御
系19、不図示のレチクルステージ駆動系及びウエハ駆
動装置21等を介してレチクルステージRSTや基板テ
ーブル18を所定の方向(Z軸方向及び傾斜方向を含
む)に駆動することにより、走査露光中にレチクルRと
ウエハWとのXY方向の相対位置合わせ(アライメン
ト)や、レチクルRのパターン面とウエハW表面とが投
影光学系PLに関して共役となるように、かつ投影光学
系PLの結像面とウエハW表面とが一致する(ウエハ表
面が投影光学系PLの最良結像面の焦点深度の範囲内に
入る)ような面位置の調整を、将来の要求に応えられる
程度に高精度に行うことができる。従って、重ね合せ精
度を含む露光精度を向上させることができる。
【0076】また、本実施形態に係る走査型露光装置1
00では、前述の如く、実際の露光に先立って、回路パ
ターンのX,Y,Z位置を検出することができ、いわゆ
る先読み制御が可能なように、露光用照明領域IARと
検出用照明領域IBRとの配置が定められている(図2
参照)ので、制御応答遅れが発生し難く、位置合わせの
精度向上が期待される。かかる意味では、露光用照明領
域の走査方向の一側と他側にそれぞれ検出用照明領域を
配置するような視野分割を行い、いわゆる交互スキャ
ン、例えば完全交互スキャンに対応できるようにするこ
とが一層望ましい。
【0077】更に、本実施形態では先読み制御のための
検出用照明領域IBRと露光用照明領域IARとが走査
方向に並置されているにもかかわらず、図2からも明ら
かなように、いわゆるダブルフライアイレンズ等により
照度均一性を高くするだけで、2つの照明領域IAR、
IBRに照射される露光光の光量の走査方向(Y方向)
の積算値が非走査方向(X方向)についてほぼ均一とな
るので、露光量ムラを防止することは容易である。な
お、露光量ムラを防止するためND(ニュートラルデン
シティ)フィルタによって光量分布を照明領域内で制御
しても良いことは勿論である。
【0078】《第2の実施形態》次に、本発明の第2の
実施形態を図7〜図8に基づいて説明する。ここで、前
述した第1の実施形態と同一若しくは同等の構成部分に
ついては同一の符号を用いるとともに、その説明を簡略
にし若しくは省略するものとする。
【0079】この第2の実施形態に係る走査型露光装置
110は、前述した第1の実施形態における位置検出装
置としての焦点位置検出装置30の構成が多少異なる
点、及びこれに伴い照明視野の分割方法が第1の実施形
態と異なる点に特徴を有する。
【0080】図7に示される走査型露光装置110に備
えられた焦点位置検出装置30は、照明系10とレチク
ルRとの間に斜設されたビームスプリッタ32と、セン
サユニット54と、信号処理装置36とを含んで構成さ
れている。
【0081】この図7の走査型露光装置110において
は、レチクルR上の落射照明領域IBRが照明系10か
らの照明光ILによって照明されている。図8には、こ
の走査型露光装置110におけるレチクルR側の投影光
学系PLのイメージサークルPL’内に設定された露光
用照明領域IARと検出用照明領域(落射照明領域)I
BR(IBR1とIBR2)、及びこれらに対応するウ
エハW側の投影光学系PLのイメージサークルPL”内
に形成される照明領域IAWと検出用照明領域(落射照
明領域)IBW(IBW1とIBW2)が示されてい
る。この図8は、フォーカス制御開始直前の状態を示し
たものである。この図8から明らかなように、イメージ
サークルPL’内に設定された露光用照明領域IAR
は、非走査方向(X方向)に細長い長方形の両端部が一
部三角形状に切り取られた形状を有しており、2つの照
明領域IBR1、IBR2が丁度この切り取られた三角
形状を有し、これら2つの照明領域IBR1、IBR2
は、本露光(レチクルパターン像転写のための露光)に
先立って、フォーカス制御動作(いわゆる先読み制御)
を開始できるような位置、すなわち照明領域IARから
極く僅かに走査方向(Y方向)に離れた位置にそれぞれ
配置されている。このように、本実施形態では先読み制
御のため2つの照明領域IBR1、IBR2と露光用照
明領域IARとが走査方向に並置されているにもかかわ
らず、いわゆるダブルフライアイレンズ等により照度均
一性を高くするだけで、3つの照明領域IAR、IBR
1、IBR2に照射される露光光の光量の走査方向(Y
方向)の積算値が非走査方向(X方向)についてほぼ均
一となるので、露光量ムラを防止すること容易である。
なお、露光量ムラを防止するための手法は、本実施形態
の如く、照明領域の分割形状(スリット幅の変化の形
状)を工夫する他、ND(ニュートラルデンシティ)フ
ィルタによって光量分布を照明領域内で制御しても良
い。但し、本実施形態の如く、照明領域の分割部分の境
界線を斜め線にすることで露光用照明領域IARと、検
出用照明領域IBR1、IBR2のX方向の位置ずれが
あっても、積算露光量のX方向についてのバラツキは僅
かとなり、パターン転写像が殆ど劣化することがないよ
うになるというメリットがある。上記3つの照明領域I
AR、IBR1、IBR2は照明系10内部の固定レチ
クルブラインドによって規定される。
【0082】図7に戻り、前記センサユニット54は、
レンズ38、ミラー40、レンズ42、及び分割光学素
子としてのビームスプリッタ56、及び第1、第2の撮
像素子としてのCCDカメラ58A、58B等を含んで
構成されている。前述の如く、本実施形態では、検出用
照明領域が2つ設けられているので、これに対応してセ
ンサユニット54も実際には2つ設けられている。
【0083】ここで、図7に示される焦点位置検出装置
30の検出原理について簡単に説明すると、レチクルR
上の落射照明領域IBR1、IBR2が照明光ILで照
明されると、該照明光はILは投影光学系PLを介して
ウエハW上の照明領域IBW1、IBW2にそれぞれ投
射される。そして、この照明光ILはウエハWの表面に
よって反射され、入射光路を逆向きに進んでビームスプ
リッタ32によって反射されて、レンズ38、ミラー4
0、レンズ42を経て、ビームスプリッタ56によって
2分割される。この内、ビームスプリッタ56を透過し
た光束は、ウエハW表面の共役面に対して所定量だけ光
路前方側にデフォーカスした位置にその光検知面(撮像
面)が配置されたCCDカメラ58Aに入射する。一
方、ビームスプリッタ56で反射された光束は、ウエハ
W表面の共役面に対して前記所定量だけ光路後方側にデ
フォーカスした位置にその光検知面が配置されたCCD
カメラ58Bに入射する。
【0084】この場合、レチクルRの回路パターン(物
体)の像の形成される像面にウエハW表面を合わせるこ
とが目的であるから、レチクル側の照明領域IBR1、
IBR2内に所定のパターン、例えばレチクルアライメ
ントマークRMがある状態で、このレチクルアライメン
トマークRMの直接像及びこのウエハW面上への投影像
の光束を前記の如くしてCCDカメラ58A、58Bの
撮像面上で結像させて、これらのCCDカメラ58A、
58Bの撮像信号を信号処理装置36で画像処理して得
られた画像データを主制御装置20に供給することによ
り、主制御装置20ではそれぞれのCCDカメラ58
A、58Bから得られる画像データによる画像のコント
ラストに基づいて、フォーカシングエラー(位置誤差)
を検出し、この位置誤差がなくなるように、すなわち両
画像のコントラストがほぼ一致するように、ステージ制
御系19、ウエハ駆動装置21、及び不図示のレチクル
ステージ駆動系を介してウエハテーブル18、レチクル
ステージRSTのどちらか一方又は両方の位置を調整す
ることによって、オートフォーカスを実行する。ここ
で、上記のフォーカシングエラー(位置誤差)の検出及
びオートフォーカスの動作は、レチクルRとウエハWの
同期移動中に行われるので、レチクルアライメントマー
クRMの直接像又はウエハWによる反射像の取り込み中
にも、レチクルR、ウエハWは移動するため、CCDカ
メラ58A、58Bとしては、TDI(Time Delay Int
egration;時間遅延積分)センサを用いることが望まし
い。TDIセンサは、画像の動きに垂直方向のクロック
及びTDI転送方向を同期(一致)させることにより、
電荷をTDIの段数に応じて加算する。従って、ライン
スキャンセンサに比べてTDIの段数倍(例えば、3
2、64、96倍)の露光時間を与えて高感度な撮像が
可能になる。また、このTDIセンサによると、解像度
やスキャニング速度を犠牲にすることなく、平均化効果
によりノイズが減少してSN比が向上するというメリッ
トがある。勿論、通常のCCDの2次元センサを用いて
も良い。
【0085】その他の部分の構成等は、前述した第1の
実施形態と同様になっている。
【0086】以上のようにして構成された本第2の実施
形態の走査型露光装置110によると、先に説明した走
査露光の際に、焦点位置検出装置30によって露光用照
明光ILを用いて投影光学系PLの収差による影響を受
けることなく、レチクルR及びウエハWのZ位置又は両
者のZ方向の相対位置を高精度に検出することができ
る。従って、主制御装置20では、この焦点位置検出装
置30からの検出信号に基づいて、レチクルRとウエハ
Wの同期移動中にステージ制御系19、不図示のレチク
ルステージ駆動系及びウエハ駆動装置21等を介してレ
チクルステージRSTや基板テーブル18を所定の方向
(Z軸方向)に駆動することにより、走査露光中にレチ
クルRのパターン面とウエハW表面とが投影光学系PL
に関して共役となるように、かつ投影光学系PLの結像
面とウエハW表面とが一致する(ウエハ表面が投影光学
系PLの最良結像面の焦点深度の範囲内に入る)ような
面位置の調整を、将来の要求に応えられる程度に高精度
に行うことができる。従って、露光精度を向上させるこ
とができる。
【0087】《第3の実施形態》次に、本発明の第3の
実施形態を図9〜図11に基づいて説明する。ここで、
前述した第1の実施形態と同一若しくは同等の構成部分
については同一の符号を用いるとともに、その説明を簡
略にし若しくは省略するものとする。
【0088】この第3の実施形態に係る走査型露光装置
120は、前述した第1の実施形態における位置検出装
置としてアライメント装置30が設けられている点、及
びこれに伴い照明視野の分割方法として前述した第2の
実施形態と同様のものが採用されている点に特徴を有す
る。
【0089】図9に示される走査型露光装置120に備
えられたアライメント装置30は、照明系10とレチク
ルRとの間に斜設されたビームスプリッタ32と、セン
サユニット64と、信号処理装置36とを含んで構成さ
れている。
【0090】走査型露光装置120においては、レチク
ルR上の落射照明領域IBRが照明系10からの照明光
ILによって照明されている。図10には、この走査型
露光装置120におけるレチクルR側の投影光学系PL
のイメージサークルPL’内に設定された露光用照明領
域IARと検出用照明領域(落射照明領域)IBR(I
BR1とIBR2)、及びこれらに対応するウエハW側
の投影光学系PLのイメージサークルPL”内に形成さ
れる照明領域IAWと検出用照明領域(落射照明領域)
IBW(IBW1とIBW2)が示されている。この図
10は、アライメント制御開始直前の状態を示したもの
である。この図10から明らかなように、本実施形態で
は、イメージサークルPL’内に設定された露光用照明
領域IARは、非走査方向(X方向)に細長い長方形の
両端部が一部三角形状に切り取られた形状を有してお
り、2つの照明領域IBR1、IBR2が丁度この切り
取られた三角形状を有し、これら2つの照明領域IBR
1、IBR2は、本露光(レチクルパターン像転写のた
めの露光)に先立って、アライメント制御動作(いわゆ
る先読み制御)を開始できるような位置、すなわち照明
領域IARから極く僅かに走査方向(Y方向)に離れた
位置にそれぞれ配置されている。
【0091】図9に戻り、前記センサユニット64は、
レンズ38、ミラー40、レンズ42、及び撮像素子と
してのCCDカメラ58等を含んで構成されている。前
述の如く、本実施形態では、検出用照明領域が2つ設け
られているので、これに対応してセンサユニット64も
実際には2つ設けられている。
【0092】ここで、図9に示されるアライメント装置
30の検出原理について簡単に説明すると、レチクルR
上の落射照明領域IBR1、IBR2が照明光ILで照
明されると、該照明光はILは投影光学系PLを介して
ウエハW上の照明領域IBW1、IBW2にそれぞれ投
射される。そして、この照明光ILはウエハWの表面に
よって反射され、入射光路を逆向きに進んでビームスプ
リッタ32によって反射されて、レンズ38、ミラー4
0、レンズ42を経て、CCDカメラ58に入射する。
この場合、CCDカメラ58の光検知面(撮像面)はウ
エハW表面と共役になっており、アライメント装置30
では、レチクルRの透明部及び投影光学系PLを介して
ウエハW上の回路パターンや位置合わせマークとしての
ウエハアライメントマーク(ウエハマーク)WMを観察
できる。これと、同時にレチクルR上の回路パターンと
レチクルアライメントマーク(レチクルマーク)RMも
観察可能なので、これらの相対的な位置関係を検出する
ことが可能である。
【0093】例えば、レチクルマークRM1、RM2を
ウエハマークWM1、WM2に合わせる場合、レチクル
側の照明領域IBR1、IBR2内にレチクルアライメ
ントマークRM1、RM2があり、該マークRM1、R
M2が形成されたレチクルパターン面と共役なウエハW
側の照明領域IBW1、IBW2内にウエハマークWM
1、WM2がある状態で、CCDカメラ58でこれらの
画像を取り込み、このCCDカメラ58の撮像信号を信
号処理装置36で画像処理するとともに、その結果得ら
れた画像データに基づいて所定の演算によりアライメン
トエラー、すなわちレチクルマークRM1とウエハマー
クWM1とのXY面内での相対位置ずれ、及びレチクル
マークRM2とウエハマークWM2とのXY面内での相
対位置ずれを算出する。そして、このアライメントエラ
ーの算出結果が主制御装置20に通知され、主制御装置
20ではこのアライメントエラーがともに最小となるよ
うに、ステージ制御系19、ウエハ駆動装置21、及び
不図示のレチクルステージ駆動系を介してウエハテーブ
ル18、レチクルステージRSTのどちらか一方又は両
方のXY位置を調整することによって、ウエハWとレチ
クルRの相対位置を逐次制御する。この場合も、上記の
アライメントエラー(相対位置ずれ)の検出及び相対位
置合わせの動作は、レチクルRとウエハWの同期移動中
に行われることから、レチクルアライメントマークR
M、ウエハマークWMの画像取り込み中にも、レチクル
R、ウエハWは移動するため、CCDカメラ58として
は、TDI(Time Delay Integration;時間遅延積分)
センサ又2次元CCDセンサを用いることが望ましい。
【0094】さらに、本実施形態では、図9に示される
ように、レチクルRのZ方向上方に可動ブラインド装置
としてのマークブラインド65が設けられている。この
マークブラインド65は、図10に示されるように、レ
チクルRのX方向両側に配置されそれぞれY方向に延び
る一対の移動体としての支持部材66A、66Bと、こ
れらの支持部材66A、66BによってレチクルRに対
向してそれぞれ保持された各3つ合計6つの減光部材と
しての透過光減衰部材68とを備えている。支持部材6
6A、66Bは、不図示の駆動系によりXY面内でY方
向に、レチクルRと同じ向きに同じ速度で走査される。
ここで、前記6つの透過光減衰部材68は、不図示の駆
動機構により支持部材66A、66Bに対してY方向に
相対移動可能されており、この駆動機構が主制御装置2
0によって制御される。通常、主制御装置20では走査
露光の開始に先立って、レチクルマークRM1〜RM6
にそれぞれ対向する位置に、各透過光減衰部材68を移
動させる。これは、レチクルマークRM1〜RM6に当
たる照明光ILの光量をウエハW上のレジストが感光し
ない程度まで減衰させるためである。透過光減衰部材6
8としては、例えばガラス上にクロム膜などの金属膜が
形成されたもの、又はメッシュ上の金属網などが用いら
れる。なお、マークブラインド65は、照明系10内部
に配置しても良く、その場合には可動ブラインドを構成
する各ブレードに透過光減衰部材を取り付ければ良い。
【0095】その他の部分の構成等は、前述した第1の
実施形態と同様になっている。
【0096】次に、本第3の実施形態の走査型露光装置
120による複数レイヤ(層)のレチクルパターンをウ
エハW上に重ね焼きする際の動作の流れを簡単に説明す
る。
【0097】先ず、最初に、前述した如くして、レチク
ルRの初期位置設定、すなわちレチクルアライメントが
行われる。
【0098】この状態で、前述したステップ・アンド・
スキャン方式の走査露光が行われ、ファーストレイヤ
(第1層)の回路パターンがウエハW上の各ショット領
域に順次転写される。このファーストレイヤの回路パタ
ーンの転写の際には、レチクルブラインド65は、所定
の待機位置、例えば図10の位置にそのまま停止してお
り、レチクルステージRSTのみが基板テーブル18と
Y方向に同期移動する。このため、レチクルR上のレチ
クルマークRM1〜RM6が、回路パターンとともにウ
エハW上の各ショット領域内またはショット間のストリ
ートライン上に転写される。
【0099】その後、後に詳細に説明するように、現像
等の処理が行われ、セカンドレイヤ(第2層)のレチク
ルRのレチクルアライメント等の処理の後、第2層(セ
カンドレイヤ)の回路パターン転写のためのステップ・
アンド・スキャン方式の走査露光が行われるが、この第
2層の回路パターンの転写のための走査露光の際には、
主制御装置20ではウエハW上のレジストを介して(レ
ジスト越し)に、ウエハW上のアライメントマークWM
を検出することになる。従って、このとき、主制御装置
20では前述したマークブラインド65をレチクルステ
ージRSTと同期させてY方向に移動し、照明領域IB
W1、IBW2に照射される光の光量が、ウエハW上の
レジスト層の下に形成されたアライメントマークの位置
検出に十分な光量かつ、レジストを感光させない光量と
なるようにする。なお、アライメント精度が必要になる
ときは、照明光の輝度は増加させずに、マークの面積を
増加させる。
【0100】図11(A)〜(C)には、一例としてセ
カンドレイヤ(第2層目)以降の露光の際のアライメン
トに用いられるウエハW上に形成されたアライメントマ
ーク(ウエハマーク)部分の断面図が示されている。図
11(A)のアライメントマークは、シリコンウエハ
W’上に、第1層目の材質、例えばSiO膜80によっ
て形成され、その上にレジスト層82が形成されてい
る。また、図11(B)のアライメントマークは、シリ
コンウエハW’上に、例えばSiO膜80によって形成
され、さらにその上にアルミ層84がスパッタされ、さ
らにその上にレジスト層82が形成されている。図11
(C)のアライメントマークは、最近見られるようにな
ったもので、シリコンウエハW’上に、例えばSiO膜
80によって形成され、さらにその上にアルミ層84が
スパッタされ、そのアルミ層84をウエハ平坦化技術の
1つであるCMP(ケミカルメカニカルポリッシング)
やエッチングによって平坦化し、その上にレジスト層8
2を形成したものである。この図11(C)のようにC
MPによって平坦化したウエハ上にレジストを塗布する
場合には、レジスト層を薄く塗布できるという効果のあ
ることが知られている。
【0101】図11(A)〜(C)はアライメントマー
ク部分の例であるがアラインメントマーク以外の回路パ
ターンもこのような構造になっており、実際の回路パタ
ーンを用いてアライメントを行う場合も、事情は同じで
ある。しかし、レチクルRのパターン領域を介してウエ
ハW上に既に形成されたパターンを検出する際は観察で
きる場所はレチクルR上のパターンの光透過部分に制約
される。
【0102】セカンドレイヤの露光の際には、図11か
ら明らかなように、レジスト層82を介してアライメン
トマークWM(80)を検出することになる。露光波長
に対し、レジスト層の透過率は様々であるが、今後主流
となるとみられる化学増幅型レジストは露光波長に対す
る透過率が高いため、本実施形態のように露光光を照明
光として用いてアライメントマークの位置検出を行う場
合、化学増幅型レジストを用いればレジスト層の下にあ
るアライメントマークを直接観察することが可能であ
り、レジスト層の膜の厚さムラなどに起因するアライメ
ントエラー(位置検出誤差)を低減することができる。
【0103】また、現在一般的に使われているポジ型レ
ジストは化学増幅型レジストに限らず、ガンマ値が高
く、コントラストが高い。すなわち、ある露光量(適正
露光量)を閾値として一挙にレジスト膜の膜減りが進行
するため、適正露光量に達するまでは現像しても何の像
も転写しない。この性質を応用し、適正露光量以下のエ
ネルギでウエハW上のアライメントマーク(ウエハマー
ク)WMを観察すればウエハマークWM上のレジストを
感光させずにマーク検出が行え、現像処理後も、ウエハ
マークWM上のレジスト膜の厚さが減少することはな
く、結果的に現像後のプロセス(エッチング、CVDな
ど)によってウエハマークWMが荒らされることがレジ
スト膜の存在によって防止される。このような意味か
ら、本実施形態の走査型露光装置120でもウエハW上
のウエハマークWM部分のレジストを感光させずに、レ
チクルマークRMとウエハマークWMの相対位置ずれを
検出できることが望ましい。
【0104】かかる点を考慮して、本実施形態の走査型
露光装置120では、前述したマークブラインド65を
設け、主制御装置20が走査露光の開始に先立って、レ
チクルマークRM1〜RM6にそれぞれ対向する位置
に、各透過光減衰部材68を移動させ、レチクルマーク
RM1〜RM6部分に当たる照明光ILの光量をウエハ
W上のレジストが感光しない程度まで減衰させた状態
で、走査露光を開始し、この際にマークブラインド65
をレチクルステージRSTと同期移動させることとした
ものである。
【0105】その他の部分の構成等は、前述した第1の
実施形態と同様になっている。
【0106】以上のようにして構成された本第3の実施
形態の走査型露光装置120によると、先に説明した走
査露光の際に、アライメント装置30によって露光用照
明光ILを用いて投影光学系PLの収差による影響を受
けることなく、レチクルRとウエハWとのXY方向の相
対位置を高精度に検出することができる。従って、主制
御装置20では、このアライメント装置30からの検出
信号に基づいて、レチクルRとウエハWの同期移動中に
ステージ制御系19、不図示のレチクルステージ駆動系
及びウエハ駆動装置21等を介してレチクルステージR
STや基板テーブル18を所定の方向(X、Y方向)に
駆動することにより、走査露光中にレチクルRのパター
ンとウエハWの各ショット領域に既に形成された回路パ
ターンとを高精度に位置合わせすることができ、重ね合
せ精度を向上させることができる。また、走査露光中に
レチクルRを介してウエハW上のウエハトマークWMを
検出するにもかかわらず、ウエハマークWM上のレジス
トを感光させずにマーク検出ができるので、ウエハマー
ク(アライメントマーク)があらされることもない。
【0107】また、本実施形態においても、3つの照明
領域IAR、IBR1、IBR2に照射される露光光の
光量の走査方向(Y方向)の積算値が非走査方向(X方
向)についてほぼ均一となり、露光量ムラが防止されて
いる。また、検出用照明領域IBR1、IBR2のX方
向の位置ずれがあっても、積算露光量のX方向について
のバラツキは僅かとなり、パターン転写像が殆ど劣化す
ることがないようになるというメリットがある。
【0108】なお、他のレイヤの露光の際に用いられる
レチクルRのアライメントマークRM1’〜RM6’、
ウエハWのアライメントマークWM1’〜WM6’の位
置が、図12に示されるように、図10の場合と異なる
場合には、図12に示されるように、主制御装置20で
は走査露光の開始に先立って、透過光減衰部材68をY
方向にシフトさせ、レチクルマークRM1’〜RM6’
に対向する位置に初期設定し、この状態でレチクルRと
同一方向同一速度でマークブラインド65をY方向に走
査すれば良い。これにより、いわゆるマークの打ち替え
が行われたときにも容易に対応が可能である。図12に
おいては、図10の場合のレチクルアライメントマーク
RM1〜RM6が点線で示されている。
【0109】《第4の実施形態》次に、本発明の第4の
実施形態を図13〜図15に基づいて説明する。ここ
で、前述した第3の実施形態と同一若しくは同等の構成
部分については同一の符号を用いるとともに、その説明
を省略するものとする。この第4の実施形態の走査型露
光装置では、その構成は、基本的には前述した第3の実
施形態とほぼ同様になっているが、投影光学系PLのイ
メージサイクルPL’内の照明領域の視野分割の方法が
異なる。
【0110】図13には、第4の実施形態に係る走査型
露光装置のイメージサークルPL’内の視野分割の方法
とアライメントマーク位置、形状を説明するための図が
示されている。本実施形態は、本発明に係る位置検出方
法によると、露光光を検出光として用いる関係から投影
光学系PLを介してマーク検出が可能であり、大N.
A.でアライメントマークの像を検出できるという点に
着目した実施形態である。すなわち、大きなN.A.に
よりアライメントマークを検出する場合、アライメント
マークを微細化できるので露光用照明領域IARの非走
査方向両端部の微小幅の帯状領域を検出用照明領域IB
R1、IBR2として利用するものである。
【0111】図13の上側は投影光学系PLのレチクル
R側のイメージサークルPL’と各照明領域を示し、下
側は投影光学系PLのウエハW側のイメージサークルP
L”と各照明領域を示す。
【0112】レチクルR側では照明領域IBR1、IB
R2、ウエハW側では照明領域IBW1、IBW2が検
出用照明領域、すなわちX,Yアライメント用照明領域
である。この領域に対応するレチクルR上の領域、具体
的にはパターン描画エリア(パターン領域)PAの非走
査方向(X方向)の両側にアライメントマーク描画エリ
アALA1、ALA2があり、各アライメントマーク描
画エリアにはスキャン中逐次同期制御を行えるだけの
X,Y方向のアライメントマークが書き込まれている。
【0113】第1層(ファーストレイヤ)の走査露光に
際しては、レチクルR上の照明領域IAR、IBR1、
IBR2が露光光によって照明され、ウエハW上のショ
ット領域Sに回路パターン(Fパターン)が転写され
る。この際、そのショット領域SのX方向の両端のスト
リートラインの領域WMA1、WMA2にレチクルRの
照明領域IBR1、IBR2に照射され、アライメント
マーク描画エリアALA1、ALA2部分を透過した光
束が、投影光学系PLによってウエハW上のアライメン
ト用照明領域IBW1、IBW2内に照射され、アライ
メントマークの像が転写されウエハマークWMが形成さ
れる。このウエハマークWMはセカンドレイヤ以降の露
光の際の重ね合せのためのX,Yのアライメントに用い
られるものである。
【0114】セカンドレイヤ以降の露光の際には、前述
の如く、レジスト層を介してアライメントマークWMを
検出することになる(図11参照)。このとき、前述の
如く、照明領域IBW1、IBW2がアライメントマー
クWMを当該アライメントマークWMの位置検出に十分
な光量かつ、レジストを感光させない光量で照明するこ
とが重要である。アライメント精度が必要になるときは
照明光の輝度は増加させずに、マーク面積を増加させれ
ば良い。
【0115】このため、本第4の実施形態においても、
図14に示されるように、レチクルRのZ方向上方にマ
ークブラインド65が設けられている。このマークブラ
インド65は、レチクルRのX方向両側に配置されそれ
ぞれY方向に延びる一対の移動体としての支持部材66
A、66Bと、これらの支持部材66A、66Bによっ
てレチクルRに対向してそれぞれ保持された減光部材と
しての板状の透過光減衰部材68とを備えている。この
場合、透過光減衰部材68は支持部材66A、66Bに
対して固定で良い。支持部材66A、66Bは、不図示
の駆動系によりXY面内でY方向に、レチクルRと同じ
向きに同じ速度で走査される。これにより、アライメン
トマークRMに当たる照明光ILの光量をウエハW上の
レジストが感光しない程度まで減衰させることができ、
これにより、第3の実施形態と同様に、現像後のプロセ
ス(エッチング、CVDなど)によってウエハW上のア
ライメントマークが荒らされることがレジスト膜の存在
によって防止される。
【0116】図15には、本第4の実施形態の走査型露
光装置に最適なウエハW上のアライメントマークの形成
方法の一例が示されている。通常のLSIプロセスにお
いて、ウエハW上のアライメントマークは6〜7種類の
物質の膜によって形成される。ウエハW上のパターン描
画領域(ショット領域)S内にX,Yそれぞれ7種類程
度のアライメントマークを描画する必要があるので、図
15に示されるように分離してアライメントマークWM
1〜WM7を形成する。アライメントマークWM1〜W
M7の占有するX方向の幅Dは小さい程良いが、実用的
にはウエハWを切断して複数のLSIチップに分離する
際に用いるダイシングソー(鋸)の歯の幅(隣接ショッ
トS相互間のストリートラインWMAの幅にほぼ一致)
が100μm程度であるのでその程度以内なら支障はな
い。
【0117】なお、上記第2〜第4実施形態では、走査
型露光装置が位置検出装置として焦点位置検出装置、ア
ライメント装置のいずれかを備えた場合について説明し
たが、本発明がこれに限定されないことは勿論である。
すなわち、本発明によれば、検出光として露光光を用い
るため、投影光学系を介してウエハ面、ウエハW上のア
ライメントマーク(又は回路パターン)の検出を行うこ
とができ、投影光学系の視野を必要な数だけ分割するこ
とにより、ウエハWのX、Y、Z位置とレチクルのX、
Y、Z位置との任意の組み合わせを同時に検出すること
ができるので、先に説明した第1の実施形態と同様に、
スキャン露光中に3次元のアライメントを行うようにし
ても勿論良い。
【0118】なお、上記各実施形態では、投影光学系P
Lの投影視野内の複数の照明領域を露光光により照明
し、レチクルRとウエハWとの同期移動中に、前記複数
の照明領域の一部を検出用照明領域として、レチクルR
とウエハWとの相対位置関係をその検出用照明領域に照
射される露光光を使って光学的に検出するものとした
が、本発明に係る走査露光方法がこれに限定されるもの
ではない。すなわち、投影光学系PLの投影視野内の照
明領域の視野分割を行うことなく、すなわちブラインド
によって照明領域を区画することなく、単一の照明領域
の少なくとも一部を検出用照明領域として、レチクルR
とウエハWの同期移動中に、レチクルR及びウエハWの
位置あるいは両者の相対位置関係をその検出用照明領域
に照射される露光光を使って光学的に検出し、この検出
結果に基づいてレチクルRとウエハWとの位置関係を調
整しながら、スキャン露光を行うようにしても良い。こ
の場合、照明領域を1つにしてその照明光路内の例えば
レチクルRの上方に上記実施形態と同様にビームスプリ
ッタ32を挿入して、いわゆるTTR(through-the-re
ticle)タイプのセンサを構成するようにすれば良い。
【0119】《デバイス製造方法》次に、上述した走査
型露光装置及び走査露光方法をリソグラフィ工程で使用
したデバイスの製造方法の実施形態について説明する。
【0120】図16には、デバイス(ICやLSI等の
半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、
マイクロマシン等)の製造例のフローチャートが示され
ている。図16に示されるように、まず、ステップ20
1(設計ステップ)において、デバイスの機能・性能設
計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、そ
の機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続
き、ステップ202(マスク製作ステップ)において、
設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一
方、ステップ203(ウエハ製造ステップ)において、
シリコン等の材料を用いてウエハを製造する。
【0121】次に、ステップ204(ウエハ処理ステッ
プ)において、ステップ201〜ステップ203で用意
したマスクとウエハを使用して、後述するように、リソ
グラフィ技術等によってウエハ上に実際の回路等を形成
する。次いで、ステップ205(デバイス組立ステッ
プ)において、ステップ204で処理されたウエハを用
いてデバイス組立を行う。このステップ205には、ダ
イシング工程、ボンディング工程、及びパッケージング
工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。
【0122】最後に、ステップ206(検査ステップ)
において、ステップ205で作製されたデバイスの動作
確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工
程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
【0123】図17には、半導体デバイスの場合におけ
る、上記ステップ204の詳細なフロー例が示されてい
る。図17において、ステップ211(酸化ステップ)
においてはウエハの表面を酸化させる。ステップ212
(CVDステップ)においてはウエハ表面に絶縁膜を形
成する。ステップ213(電極形成ステップ)において
はウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ2
14(イオン打込みステップ)においてはウエハにイオ
ンを打ち込む。以上のステップ211〜ステップ214
それぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成し
ており、各段階において必要な処理に応じて選択されて
実行される。
【0124】ウエハプロセスの各段階において、上述の
前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程
が実行される。この後処理工程では、まず、ステップ2
15(レジスト形成ステップ)において、ウエハに感光
剤を塗布する。引き続き、ステップ216(露光ステッ
プ)において、上で説明した露光装置及び露光方法によ
ってマスクの回路パターンをウエハに転写する。次に、
ステップ217(現像ステップ)においては露光された
ウエハを現像し、ステップ218(エッチングステッ
プ)において、レジストが残存している部分以外の部分
の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステ
ップ219(レジスト除去ステップ)において、エッチ
ングが済んで不要となったレジストを取り除く。
【0125】これらの前処理工程と後処理工程とを繰り
返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターン
が形成される。
【0126】以上説明した本実施形態のデバイス製造方
法を用いれば、露光工程(ステップ216)において上
記の走査型露光装置100、110、120及びその露
光方法が用いられるので、従来製造が困難であった高集
積度のデバイスを歩留まり良く生産することが可能にな
る。すなわち、本発明の露光方法では上記各実施形態で
説明したように、走査露光中にフォーカス制御、XYア
ライメント制御を常に行うことができるので、256M
(メガ)ビット、1G(ギガ)ビットD−RAMクラス
の集積度を有し、最小線幅が0.25μm、0.17μ
m以下の次世代、次次世代の回路デバイスの量産におい
ても大きな効果を発揮するものと期待される。
【0127】なお、上記実施形態では、本発明がステッ
プ・アンド・スキャン方式の投影露光装置に適用された
場合について説明したが、これに限らず、例えば投影光
学系を用いることなくマスクと基板とを密接させてマス
クのパターンを基板に転写するプロキシミティ方式の走
査型露光装置にも本発明を適用することができる。ま
た、上記実施形態では、本発明が半導体製造用の露光装
置に適用された場合について説明したが、これに限ら
ず、例えば、角型のガラスブレートに液晶表示素子パタ
ーンを転写する液晶用の露光装置や、薄膜磁気へッドを
製造するための露光装置にも本発明は広く適用できる。
【0128】また、上記各実施形態では、露光用照明光
としてg線(436nm)、i線(365nm)、Kr
Fエキシマレーザ光(248nm)、ArFエキシマレ
ーザ光(193nm)、F2レーザ光(157nm)、
銅蒸気レーザ、YAGレーザの高調波等を用いる場合に
ついて説明したが、これに限らず、X線や電子線などの
荷電粒子線を用いることができる。例えば、電子線を用
いる場合には電子銃として、熱電子放射型のランタンへ
キサボライト(LaB6)、夕ンタル(Ta)を用いる
ことができる。
【0129】また、上記各実施形態では、投影光学系と
して縮小系を用いる場合について説明したが、これに限
らず、投影光学系として等倍あるいは拡大系用いても良
い。
【0130】また、投影光学系の硝材は、露光用照明光
に応じたものを用いる必要がある。すなわち、エキシマ
レーザなどの遠紫外線を用いる場合は硝材として石英や
蛍石などの遠紫外線を透過する材料を用い、F2レーザ
やX線を用いる場合は反射屈折系または反射系の光学系
にし(レチクルも反射型タイプのものを用いる)、ま
た、電子線を用いる場合には光学系として電子レンズお
よび偏向器からなる電子光学系を用いれば良い。なお、
電子線が通過する光路は真空状態にすることはいうまで
もない。
【0131】また、ウエハステージやレチクルステージ
にリニアモータ(米国特許第5,623,853号又は
米国特許第5,528,118号の公報参照)を用いる
場合は、エアべアリングを用いたエア浮上型およびロー
レンツ力又はリアクタンス力を用いた磁気浮上型のどち
らを用いても良い。
【0132】また、ステージは、ガイドに沿って移動す
るタイブでも良いし、ガイドを設けないガイドレスタイ
プでも良い。
【0133】ウエハステージの移動により発生する反力
は、特開平8−166475号公報(米国特許第5,5
28,l18号)に記載されているように、フレーム部
材を用いて機械的に床(大地)に逃がしても良い。
【0134】レチクルステージの移動により発生する反
力は、特開平8−330224号公報(米国特許出願シ
リアルナンバー416558号)に記載されているよう
に、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がし
ても良い。
【0135】複数のレンズから構成される照明光学系、
投影光学系を露光装置本体に組み込み光学調整をすると
ともに、多数の機械部品からなるレチクルステージやウ
エハステージを露光装置本体に取り付けて配線や配管を
接続し、更に総合調整(電気調整、動作確認等)をする
ことにより本実施形態の露光装置を製造することができ
る。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が
管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0136】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る位置
検出方法によれば、走査露光中に感応基板又はマスクの
位置を高精度に検出することができるという効果があ
る。
【0137】また、本発明に係る位置調整方法によれ
ば、走査露光中に感応基板又はマスクの位置を高精度に
調整することができるという効果がある。
【0138】また、本発明に係る走査露光方法によれ
ば、露光精度を一層向上させることができるという効果
がある。
【0139】また、本発明に係る走査型露光装置によれ
ば、走査露光中に感応基板又はマスクの位置を高精度に
検出することができ、露光精度を一層向上させることが
できるという従来にない優れた効果がある。
【0140】また、本発明に係るデバイス製造方法によ
れば、高集積度のマイクロデバイスの生産性の向上を図
ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の走査型露光装置の概略構成を
示す図である。
【図2】図1の装置の走査露光動作を説明するための
図、かつ投影光学系のイメージサークル内の視野分割方
法を説明するための図である。
【図3】図2の状態からレチクルとウエハが同期移動さ
れ、ウエハ上にレチクルパターンが転写された状態を示
す図である。
【図4】図1の位置検出装置を焦点位置検出装置として
構成した一構成例を示す図である。
【図5】図4の位置検出装置を一部変形した位置検出装
置の他の構成例を示す図である。
【図6】図4の位置検出装置を一部変形した位置検出装
置のその他の構成例を示す図である。
【図7】第2の実施形態の走査型露光装置の概略構成を
示す図である。
【図8】図7の装置の投影光学系のイメージサークル内
の視野分割方法を説明するための図である。
【図9】第3の実施形態の走査型露光装置の概略構成を
示す図である。
【図10】図9の装置の投影光学系のイメージサークル
内の視野分割方法、及びマークブラインドを説明するた
めの図である。
【図11】ウエハ上に形成されたアライメントマーク
(ウエハマーク)部分の断面図である((A)〜
(C))。
【図12】アライメントマークの位置が変更された場合
のマークブラインドの位置制御の様子を説明するための
図である。
【図13】第4の実施形態の投影光学系のイメージサー
クル内の視野分割方法を示す図である。
【図14】第4の実施形態のマークブラインドを説明す
るための図である。
【図15】第4実施形態の走査型露光装置に最適なウエ
ハ上のアライメントマークの形成方法の一例を示す図で
ある。
【図16】本発明に係るデバイス製造方法の実施形態を
説明するためのフローチャートである。
【図17】図16のステップ204における処理を示す
フローチャートである。
【図18】従来例を示す説明図である。
【符号の説明】
10…照明系、12…Xステージ(駆動装置の一部)、
18…Yステージ(駆動装置の一部)、19…ステージ
制御系(駆動装置の一部)、20…主制御装置(駆動装
置の一部)、21…ウエハ駆動装置(駆動装置の一
部)、30…位置検出装置、焦点位置検出装置、アライ
メント装置、36…信号処理装置(演算装置)、42…
瞳分割プリズム(分割光学素子)、46A、46B…ビ
ーム位置検出器(光電変換素子)、48…偏光ビームス
プリッタ、50…四分の一波長板、52…シャッタ(遮
光板)、56…ビームスプリッタ(分割光学素子)、5
8…CCDカメラ(撮像素子)、58A…CCDカメラ
(第1の撮像素子)、58B…CCDカメラ(第2の撮
像素子)、65…マークブラインド(可動ブラインド装
置)、66A、66B…支持部材(移動体)、68…透
過光減衰部材(減光部材)、100…走査型露光装置、
R…レチクル(マスク)、RST…レチクルステージ
(駆動装置の一部)、W…ウエハ(感応基板)、PL…
投影光学系、PL’…マスク側の投影光学系の投影視
野、IAR…露光用照明領域、IBR…検出用照明領
域、IL…露光光、AX…光軸、RM…レチクルマーク
(マスク上位置合わせマーク)、WM…ウエハマーク
(感応基板上位置合わせマーク)。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/30 525X Fターム(参考) 2F065 BB27 CC18 CC19 CC20 DD06 FF02 FF10 FF55 GG04 HH03 LL04 LL12 LL24 LL30 LL36 LL37 LL46 MM03 PP12 PP23 UU01 5F046 BA04 BA05 CA03 CA04 CA08 CB05 CC01 CC02 CC03 CC05 CC06 CC10 CC13 CC16 CC18 DA02 DA14 EA02 EB03 ED03 FA02 FA10 FB07 FB08 FB20 FC05

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスクと感応基板とを第1方向に同期移
    動させつつ前記マスクに形成されたパターンを投影光学
    系を介して感応基板上に逐次転写する走査露光を行う際
    の位置検出方法において、 前記マスク側の前記投影光学系の投影視野内に位置する
    複数の照明領域を露光光により照明し、 前記マスクと感応基板との前記同期移動中に、前記複数
    の照明領域の少なくとも1つを検出用照明領域として、
    前記第1方向、前記マスクの移動面内で前記第1方向に
    直交する第2方向、及び前記第1、第2方向に直交する
    第3方向の内の少なくとも一方向に関する前記マスク及
    び前記感応基板の少なくとも一方の位置又は両者の相対
    位置を前記露光光を使って光学的に検出することを特徴
    とする位置検出方法。
  2. 【請求項2】 マスクと感応基板とを第1方向に同期移
    動させつつ前記マスクに形成されたパターンを投影光学
    系を介して感応基板上に逐次転写する走査露光を行う際
    の位置調整方法において、 前記マスク側の前記投影光学系の投影視野内に位置する
    複数の照明領域を露光光により照明し、 前記マスクと感応基板との前記同期移動中に、前記複数
    の照明領域の少なくとも1つを検出用照明領域として、
    前記第1方向、前記マスクの移動面内で前記第1方向に
    直交する第2方向、及び前記第1、第2方向に直交する
    第3方向の内の少なくとも一方向に関する前記マスク及
    び前記感応基板の少なくとも一方の位置又は両者の相対
    位置を前記露光光を使って光学的に検出し、この検出結
    果に基づいて前記マスク及び前記感応基板の少なくとも
    一方の前記検出方向の位置を調整することを特徴とする
    位置調整方法。
  3. 【請求項3】 マスクと感応基板との各々を所定方向に
    同期移動させつつ前記マスクに形成されたパターンを投
    影光学系を介して感応基板上に逐次転写する走査露光方
    法において、 前記投影光学系の投影視野内の照明領域を露光光により
    照明し、 前記マスクと前記感応基板の同期移動中に、前記照明領
    域の少なくとも一部を検出用照明領域として、前記マス
    クと前記感応基板との相対位置関係を前記検出用照明領
    域に照射される露光光を使って光学的に検出し、 この検出結果に基づいて前記マスク及び前記感応基板の
    位置関係を調整しながら、前記マスクと前記感応基板と
    を同期移動させることを特徴とする走査露光方法。
  4. 【請求項4】 前記マスクと前記感応基板との相対位置
    関係は、前記投影光学系の光軸方向の位置関係と前記投
    影光学系の光軸と垂直な方向の位置関係の少なくとも一
    方を含むことを特徴とする請求項3に記載の走査露光方
    法。
  5. 【請求項5】 マスクと感応基板とを同期移動させつ
    つ、前記マスクのパターンを投影光学系を介して前記感
    応基板上に転写する走査露光方法であって、 前記同期移動中に、前記マスクと前記感応基板との相対
    的な位置関係を露光光を使って検出し、 前記同期移動中に、その検出結果に基づいて前記マスク
    と前記感応基板との相対的な位置関係を調整することを
    特徴とする走査露光方法。
  6. 【請求項6】 前記相対的な位置関係は、前記投影光学
    系の光軸方向の位置関係と前記投影光学系の光軸と垂直
    な方向の位置関係の少なくとも一方を含むことを特徴と
    する請求項5に記載の走査露光方法。
  7. 【請求項7】前記同期移動中に前記マスク上の位置合わ
    せマークと前記感応基板上の位置合わせマークとを露光
    光を使って検出することにより前記相対的な位置関係を
    検出することを特徴とする請求項5に記載の走査露光方
    法。
  8. 【請求項8】 マスクと感応基板とを第1方向に同期移
    動させつつ前記マスクに形成されたパターンを投影光学
    系を介して感応基板上に逐次転写する走査型露光装置で
    あって、 前記マスク側の前記投影光学系の投影視野内に位置する
    複数の照明領域を露光光により照明する照明系と;前記
    マスクと感応基板との同期移動中に、前記複数の照明領
    域の少なくとも1つを検出用照明領域として、前記第1
    方向、前記マスクの移動面内で前記第1方向に直交する
    第2方向、及び前記第1、第2方向に直交する第3方向
    の内の少なくとも一方向に関する前記マスク及び前記感
    応基板の少なくとも一方の位置又は両者の相対位置を前
    記露光光を使って光学的に検出する位置検出装置とを備
    える走査型露光装置。
  9. 【請求項9】 前記マスクと感応基板との同期移動中
    に、前記位置検出装置の検出結果に基づいて前記マスク
    及び前記感応基板の少なくとも一方の前記検出方向の位
    置を調整する駆動装置を備えることを特徴とする請求項
    8に記載の走査型露光装置。
  10. 【請求項10】 前記位置検出装置は、前記マスクから
    の反射光及び前記投影光学系を介しての前記感応基板か
    らの反射光の少なくとも一方を2分割する分割光学素子
    と、該分割光学素子で分割された2光束を受光し、それ
    ぞれの入射位置に応じた信号を出力する光電変換素子
    と、該光電変換素子の出力に応じて前記マスク及び感応
    基板の少なくとも一方の前記第3方向の位置を求める演
    算装置とを有する焦点位置検出装置であることを特徴と
    する請求項8に記載の走査型露光装置。
  11. 【請求項11】 前記位置検出装置は、前記マスクから
    の反射光及び前記投影光学系を介しての前記感応基板か
    らの反射光を前記感応基板表面の共役面で受光する撮像
    素子と、該撮像素子からの撮像信号に基づいて前記マス
    クと前記感応基板との前記第1方向及び第2方向の少な
    くとも一方の方向の相対位置を算出する演算装置とを有
    するアライメント装置であることを特徴とする請求項8
    に記載の走査型露光装置。
  12. 【請求項12】 前記アライメント装置は、前記マスク
    上のマークと前記感応基板上のマークの相対位置を検出
    する装置であり、 前記マスク上の検出用照明領域を照明する露光光の光量
    を所定レベルまで減光する減光部材を備えることを特徴
    とする請求項11に記載の走査型露光装置。
  13. 【請求項13】 前記減光部材を前記マスク上の前記マ
    ーク領域に対向した位置に保持して前記マスクと同期移
    動する移動体を有する可動ブラインド装置を更に備える
    ことを特徴とする請求項12に記載の走査型露光装置。
  14. 【請求項14】 前記減光部材は、前記移動体に対し前
    記第1方向に相対移動可能であることを特徴とする請求
    項13に記載の走査型露光装置。
  15. 【請求項15】 前記位置検出装置は、前記複数の照明
    領域の内の第1の照明領域を前記マスクの位置を検出す
    るための検出用照明領域として用い、前記複数の照明領
    域の内の第2の照明領域を前記感応基板の位置を検出す
    るための検出用照明領域として用いることを特徴とする
    請求項8に記載の走査型露光装置。
  16. 【請求項16】 前記照明光学系は、前記複数の照明領
    域として、前記マスクと前記感応基板の相対的な位置関
    係を検出するための検出用照明領域と前記マスクのパタ
    ーンを前記感応基板上に転写するための露光用照明領域
    とを前記第1方向に並べて形成し、 前記位置検出装置は、前記同期移動中に前記マスク上の
    あるパターン領域が前記露光用照明領域内に位置する前
    に前記検出用照明領域へ照射される露光光を使って前記
    マスクと前記感応基板との位置関係を検出し、 前記駆動装置は、前記検出結果に基づいて、前記同期移
    動中に前記マスク上のあるパターン領域が前記露光用照
    明領域内に位置するときの前記マスクと前記感応基板と
    の位置関係を調整することを特徴とする請求項9に記載
    の走査型露光装置。
  17. 【請求項17】 前記位置検出装置は、前記マスクから
    の反射光及び前記投影光学系を介しての前記感応基板か
    らの反射光を2分割する分割光学素子と、該分割光学素
    子で分割された一方の光束を前記感応基板表面の共役面
    から光路前方側に所定量だけデフォーカスした位置で受
    光する第1の撮像素子と、該分割光学素子で分割された
    他方の光束を前記感応基板表面の共役面から光路後方側
    に前記所定量だけデフォーカスした位置で受光する第2
    の撮像素子とを備え、 前記駆動装置は、前記第1の撮像素子で撮像された像の
    コントラストと前記第2の撮像素子で撮像された像のコ
    ントラストとが一致するように前記マスクと感応基板と
    の前記第3方向の相対位置を調整することを特徴とする
    請求項9に記載の走査型露光装置。
  18. 【請求項18】 前記光電変換素子は、前記分割光学素
    子で分割された2光束を個別に受光するものが2つ設け
    られていることを特徴とする請求項10に記載の走査型
    露光装置。
  19. 【請求項19】 前記焦点位置検出装置は、前記マスク
    上の前記検出用照明領域に入射する前記露光光の光路上
    に配置された偏光ビームスプリッタと、前記マスクと前
    記感応基板との間の前記検出用照明領域を透過した前記
    露光光の光路上に配置された四分の一波長板とを更に有
    することを特徴とする請求項10に記載の走査型露光装
    置。
  20. 【請求項20】 前記焦点位置検出装置は、前記マスク
    と前記感応基板との間の前記検出用照明領域を透過した
    前記露光光の光路上に配置された遮光板を更に有するこ
    とを特徴とする請求項10に記載の走査型露光装置。
  21. 【請求項21】 前記複数の照明領域の内の少なくとも
    1つの検出用照明領域と、その残りの露光用照明領域と
    が、前記第1方向に並置され、前記複数の照明領域に照
    射される露光光の光量の前記第1方向の積算値が前記第
    2方向についてほぼ均一となるように、前記各照明領域
    内に照射される露光光の光量が設定されていることを特
    徴とする請求項8、9、10、11、17のいずれか一
    項に記載の走査型露光装置。
  22. 【請求項22】 前記複数の照明領域の内の露光用照明
    領域が少なくとも一部に前記第1及び第2方向に交差す
    る傾斜部を有し、前記検出用照明領域が前記第1方向で
    前記傾斜部に重なる傾斜部を有することを特徴とする請
    求項8、9、10、11、17のいずれか一項に記載の
    走査型露光装置。
  23. 【請求項23】 請求項3又は5に記載の走査露光方法
    を用いたことを特徴とするデバイス製造方法。
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