JP4661015B2 - 波面収差測定装置及び波面収差測定方法、並びに、露光装置及びデバイスの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検光学系の波面収差を測定する波面収差測定装置及び波面収差測定方法、並びに、例えば半導体素子、液晶表示素子、撮像素子、薄膜磁気ヘッド等のいデバイス、レチクル、フォトマスク等のマスク等の製造プロセスにおけるリソグラフィ工程で使用される露光装置、及び、前記のようなデバイスの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の露光装置としては、例えば次のようなものが知られている。すなわち、レチクル、フォトマスク等のマスク上に形成されたパターンの像を所定の露光光で照明することにより、前記パターンの像を投影光学系を介してフォトレジスト等の感光性材料の塗布されたウエハ、ガラスプレート等の基板上に転写するようになっている。
【0003】
ここで、特に半導体素子は近年ますます高集積化しており、その回路パターンにおける一層の微細化の要求が高まってきている。この微細化要求に対応するため、より波長の短い遠紫外光、例えばKrFエキシマレーザ光(λ=248nm)、ArFエキシマレーザ光(λ=193nm)、F2 レーザ光(λ=157nm)等のパルス光を用いた露光装置も開発されてきている。
【0004】
このような、より高解像度の露光装置に対する要求の高まりに対応して、前記投影光学系に残存する収差をより正確にかつ迅速に測定するため、図13及び図14に示すように、例えばShack−Hartmann(シャック−ハルトマン)方式により、前記投影光学系の収差を波面収差として測定する収差測定装置301が提案されている。この収差測定装置301では、測定対象となる投影光学系302にテストレチクルRt上のピンホールPHからの球面波SWを入射させる。そして、この球面波SWは、収差測定装置301の第1面303を介して結像させる球面波SWを、リレーレンズ304にて平行光PBに変換される。そして、その平行光PBを、多数のマイクロレンズ305が2次元的に配列されたマイクロレンズアレイ306に入射させる。これにより、前記平行光PBは、各マイクロレンズ305毎により、所定位置に配置された撮像素子(CCD)307上に二次像として結像される。
【0005】
ここで、図14(a)に示すように、前記投影光学系302に収差が存在しない場合には、前記マイクロレンズアレイ306に入射する平行光PBは平行な波面WFpnを有する。このため、マイクロレンズアレイ306の各マイクロレンズ305による二次像Fnは、各マイクロレンズ305の光軸AXn上に結像される。
【0006】
一方、図14(b)に示すように、前記投影光学系302に収差が存在する場合には、前記マイクロレンズアレイに入射する平行光PBは前記収差に応じて歪んだ波面WFpaを有する。このため、同平行光PBは、各マイクロレンズ305毎にそれぞれ異なる波面WFpaの傾きAXpを持つことになる。そして、各マイクロレンズ305による二次像Faは、各マイクロレンズ305毎にその光軸AXnから前記波面WFpaの傾き量に応じて横ずれした位置に結像することになる。このように、各マイクロレンズ305毎の光束の結像位置の横ずれ量から波面WFpaの傾きAXpを求めることにより、前記投影光学系302の収差を波面収差として測定することができる。
【0007】
このようにすることで、従来より広く使用されていた、投影光学系により形成される収差測定用のパターンの像を実際に焼き付けた後に現像して、投影光学系の収差を測定する方式に比べて、感光材料の塗布ムラ、現像ムラ等のプロセス誤差を低減することができ、より正確な収差測定が可能になる。また、投影光学系の収差を測定するために現像工程を行う必要がなく、短時間での収差測定が可能となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年の露光装置は、より高精度な露光を実現するために、投影光学系の基板側にあたる基板ステージの周辺には数多くの装置が装着されている。このため、投影光学系の波面収差を測定するための収差測定装置を装着するスペースも限られている。
【0009】
ところが、前記従来の収差測定装置301では、図13及び図14に示すように、収差測定光を受光する受光部の構成要素であるリレーレンズ304、マイクロレンズアレイ306及びCCD307が、いずれも入射する収差測定光と直交するように配置されている。ここで、例えばマイクロレンズアレイ306の各マイクロレンズ305で分割された各光束をCCD307上に正確に結像させるためには、前記マイクロレンズアレイ306とCCD307とを所定の間隔をおいて配置する必要がある。このように、前記各構成要素は、それぞれ所定の間隔をおいて配列する必要がある。このため、前記収差測定装置301が、その前記各構成要素の配列方向に大型化して、露光装置への装着に手間がかかるという問題があった。
【0010】
このような問題を解決するために、前記収差測定装置の小型化を図るべく、例えば図15に示すような検出部を有する収差測定装置311が考えられる。この収差測定装置311では、リレーレンズ304の射出面側にミラー312が設けられており、リレーレンズ304から射出された平行光PBがほぼ直角に折り曲げられるようになっている。そして、この折り曲げられた平行光PBに対して直交するようにマイクロレンズアレイ306が配置され、さらにそのマイクロレンズアレイ306に対向するようにCCD307が設けられている。
【0011】
従って、前記のようにマイクロレンズアレイ306及びCCD307を配置することによって、マイクロレンズアレイ306とCCD307との間に所定の間隔を確保することに起因する収差測定装置311全体の大型化が抑制される。
【0012】
しかしながら、この収差測定装置311においても、前記マイクロレンズアレイ306は、多数のマイクロレンズ305が2次元的に配列されている。従って、各マイクロレンズ305毎に結像される像を全て同時に撮像するために、CCD307も、各マイクロレンズ305に対応する大きさのものを使用せざるを得ない。このため、収差測定装置311は、依然として、露光装置に対して容易に装着できる程度に小型化されていないという問題があった。
【0013】
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的としては、露光装置への装着が容易で、被検光学系の収差を迅速かつ高精度に測定可能な小型の波面収差測定装置を提供することにある。また、被検光学系の収差を迅速かつ高精度に測定可能な波面収差測定方法を提供することにある。さらに、露光精度を向上できて、デバイス等を高精度にかつ生産性よく製造可能な露光装置及びデバイスの製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本願請求項1に記載の発明は、被検光学系の波面収差を測定する波面収差測定装置において、前記被検光学系を通過した収差測定光を少なくとも2つの第1の光に分割する第1光学系と、前記少なくとも2つの第1の光のそれぞれをさらに複数の第2の光に分割する第2光学系と、前記第2の光のそれぞれを受光する受光装置と、前記受光装置で受光した前記第2の光のそれぞれの位置情報に基づいて前記被検光学系の波面収差情報を算出する収差算出装置とを有することを特徴とするものである。
【0015】
この本願請求項1に記載の発明では、収差測定光が、第1光学系を介して、まず、その光軸とほぼ直交する面内でより小さな断面積の第1の光に分割される。このため、被検光学系の波面収差を測定するために、その各第1の光をさらに複数の第2の光に分割する第2光学系を小型化することが可能となる。また、波面収差測定装置に入射する収差測定光を単一で大型の光学系を用いることなく、被検光学系の波面収差を測定することが可能となる。そして、露光装置に対する波面収差測定装置の取付作業が容易なものとなる。また、波面収差情報を利用することで、被検光学系の収差を迅速にかつ精度よく測定することが可能となる。
【0016】
また、本願請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記第1光学系は、前記収差測定光を該測定光の光軸に対して交差する面内で前記少なくとも2つの第1の光に分割するとともに、前記第1の光のそれぞれを互いに異なる方向に偏向する反射光学素子を有することを特徴とするものである。
【0017】
この本願請求項2に記載の発明では、前記請求項1に記載の発明の作用に加えて、例えば被検光学系が露光装置の投影光学系であるような場合、投影光学系の下方に配置され、大きな表面積を有する基板ステージの表面またはその内部を利用して効率よく収差測定光を分割することが可能となる。
【0018】
また、本願請求項3に記載の発明は、前記請求項2に記載の発明において、前記被検光学系の結像位置を焦点位置とする凹面を有する反射鏡を有し、前記反射光学素子は、前記被検光学系の結像位置と前記反射鏡との間に配置され、前記収差測定光を前記反射鏡に向けて透過するとともに、前記反射鏡で反射された前記収差測定光を前記少なくとも2つの第1の光に分割することを特徴とするものである。
【0019】
この本願請求項3に記載の発明では、前記請求項2に記載の発明の作用に加えて、収束光として入射し発散光となる収差測定光が、新たな収差成分を加えることなく平行光に変換される。前記のような反射鏡の構成は、簡単である。
【0020】
また、本願請求項4に記載の発明は、前記請求項2または請求項3に記載の発明において、前記反射光学素子は、前記少なくとも2つの第1の光のうち、一つの第1の光を第1方向に偏向する第1反射面と、前記少なくとも2つの第1の光のうち、他の一つの第1の光を前記第1方向とは異なる第2方向に偏向する第2反射面と、前記第1反射面で反射された第1の光と前記第2反射面で反射された第1の光とを隔離する隔離部材とを有することを特徴とするものである。
【0021】
この本願請求項4に記載の発明では、前記請求項2または請求項3に記載の発明の作用に加えて、反射鏡で反射された反射光で第1方向に偏向された第1の光が、第2方向に迷光として漏れ込んで第2方向の第1の光の位置情報の検出に影響が出るのが回避される。また、逆に、第2方向に偏向された第1の光が、第1方向に迷光として漏れ込んで第1方向の第1の光の位置情報の検出に影響が出るのが回避される。
【0022】
また、本願請求項5に記載の発明は、前記請求項4に記載の発明において、前記受光装置は、前記第1反射面で反射された第1の光が、さらに前記第2光学系で分割された複数の第2の光を受光する第1受光素子と、前記第2反射面で反射された第1の光が、さらに前記第2光学系で分割された複数の第2の光を受光する第2受光素子とを有することを特徴とするものである。
【0023】
この本願請求項5に記載の発明では、前記請求項4に記載の発明の作用に加えて、第1受光素子で検出された第2の光の位置情報と、第2受光素子で検出された第2の光の位置情報とを合成することで、もとの収差測定光の波面収差情報を容易に算出することが可能となる。
【0024】
また、本願請求項6に記載の発明は、前記請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の発明において、前記第1光学系は、前記収差測定光の入射する入射面と前記収差測定光を射出する射出面との間が、前記被検光学系と前記第1光学系との間の媒質よりも高い屈折率を有する媒質で形成されることを特徴とするものである。
【0025】
この本願請求項6に記載の発明では、前記請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、収差測定光が第1光学系に入射すると、その収差測定光の開き角度が小さくなる。このため、反射鏡から射出される平行光の幅が小さくなり、この平行光をさらに少なくとも2つの第1の光に分割することで、第2光学系に入射する第1の光における光軸とほぼ直交する面内での断面積が小さくなる。これにより、第2光学系及び受光装置をさらに小型化することが可能となる。
【0026】
また、本願請求項7に記載の発明は、前記請求項1〜請求項6のうちいずれか一項に記載の発明において、前記被検光学系は、マスクに形成されたパターンを基板上に転写する投影光学系であり、前記第1光学系と前記第2光学系と前記受光装置との少なくとも一つは、前記基板を保持するホルダと実質的に同一形状の収容部材内に収容されることを特徴とするものである。
【0027】
この本願請求項7に記載の発明では、前記請求項1〜請求項6のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、波面収差測定装置を、容易に交換可能な基板を保持するホルダと同様に取り扱うことが可能になる。このため、波面収差測定装置の露光装置に対する装着を、前記ホルダを交換するための装置を用いて行うことができ、その装着作業が極めて容易なものとなる。
【0028】
また、本願請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第2光学系は、前記第1の光の光軸と略直交する面内に、二次元的に配列される複数の光学素子で構成され、前記第1光学系で前記収差測定光が少なくとも2つの第1の光に分割される境界が、前記複数の光学素子の配列の境界に一致することを特徴とするものである。
【0029】
この本願請求項8に記載の発明では、前記請求項1に記載の発明の作用に加えて、第1光学系において、収差測定光がその光軸を含む面で少なくとも2つに分割される。この分割に際して、その分割の境界は、前記収差測定光の直径の位置に対応したものとなる。そして、その第1の光の境界と光学素子の配列の境界を一致させることで、クロストークなどの影響が少なくなり、各第2の光の測定結果から前記第1の光の波面を復元するための計算時に有利である。
【0030】
また、本願請求項9に記載の発明は、被検光学系の波面収差を測定する波面収差測定方法において、前記被検光学系を通過した収差測定光を、第1光学系により少なくとも2つの第1の光に分割し、前記少なくとも2つの第1の光のそれぞれを、第2光学系によりさらに複数の第2の光に分割し、前記第2の光のそれぞれを受光する受光装置により受光し、前記受光装置で受光した前記第2の光のそれぞれの位置情報に基づいて前記被検光学系の波面収差情報を算出することを特徴とするものである。
【0031】
この本願請求項9に記載の発明では、前記請求項1に記載の発明とほぼ同様の作用が奏される。
また、本願請求項10に記載の発明は、前記請求項9に記載の発明において、前記第1光学系を前記被検光学系の光軸の周りに回転させて、その第1光学系の複数の回転位置で前記被検光学系の波面収差情報を測定し、その複数の回転位置での波面収差情報に基づいて前記被検光学系の波面収差情報を算出し直すことを特徴とするものである。
【0032】
この本願請求項10に記載の発明では、前記請求項9に記載の発明の作用に加えて、第1光学系における複数の回転位置における被検光学系の波面収差情報に基づいて、被検光学系の収差情報をより正確に把握することが可能となる。
【0033】
また、本願請求項11に記載の発明は、マスクに形成されたパターンを投影光学系を介して基板上に転写する露光装置において、前記投影光学系の物体面に配置され、収差測定光を生成する生成部材と、前記投影光学系の像面側に配置され、前記投影光学系を被検光学系として波面収差情報を測定する前記請求項1〜請求項8のうちいずれか一項に記載の波面収差測定装置とを有することを特徴とするものである。
【0034】
この本願請求項11に記載の発明では、投影光学系の収差情報を迅速かつ容易に、しかも精度よく測定することができ、投影光学系の結像特性を精度よく補正することが可能となる。
【0035】
また、本願請求項12に記載の発明は、前記請求項11に記載の発明において、前記基板を保持するホルダと、そのホルダを交換可能に載置する基板ステージと、その基板ステージが配置されたステージ室と、そのステージ室の内外の間で前記ホルダを搬送する搬送系とを備え、その搬送系は前記波面収差測定装置の少なくとも一部を前記ステージ室の内外の間で搬送することを特徴とするものである。
【0036】
この本願請求項12に記載の発明では、前記請求項11に記載の発明の作用に加えて、前記請求項7に記載の発明とほぼ同様の作用が奏される。
また、本願請求項13に記載の発明は、リソグラフィ工程を含むデバイスの製造方法において、前記リソグラフィ工程で請求項11または請求項12に記載の露光装置を用いて露光を行うことを特徴とするものである。
【0037】
この本願請求項13に記載の発明では、投影光学系の収差を高精度に測定して、投影光学系の結像特性をより正確に補正でき、マスク上のパターンの像をより高精度に転写することが可能となる。しかも、投影光学系の収差測定のための露光装置の運転停止時間を短縮することが可能となる。
【0038】
次に、前記各請求項に記載の発明にさらに含まれる技術的思想について、それらの作用とともに以下に記載する。
(1) 前記第1光学系における前記収差測定光の入射面上またはその入射面の近傍に、その入射面またはその入射面の近傍を通過する収差測定光の通過を許容する開口を設け、その開口の外側に前記第1光学系から射出される反射光を遮光する遮光体を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の波面収差測定装置。
【0039】
第1光学系内で反射された収差測定光の一部が、迷光として被検光学系側に戻ってくることがある。これに対して、この(1)に記載の構成によれば、前記のような迷光が、収差測定光の通過を許容する開口の外側に設けられた遮光体により遮光される。このため、第1光学側からの反射光による迷光の影響を抑制できて、より正確に被検光学系の波面収差情報を検出することができるという作用及び効果が得られる。
【0040】
(2) 前記被検光学系の結像位置と前記第1光学系における前記収差測定光の入射面との間に集光光学系を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項5、前記(1)のうちいずれか一項に記載の波面収差測定装置。
【0041】
ここで、例えば収差測定光の光量が少ないような場合には、マスク上の球面波を発生させる開口を拡大して波面収差測定装置に到達する収差測定光の光量を増加させることがある。しかし、このようにマスク上の開口を拡大すると、波面収差測定装置の第1面で、収差測定光が所定の大きさを持った像として結像される。この収差測定光が第1光学系内の凹面鏡で反射させて平行光に変換したときに、その平行光の外側部分に新たに収差を生じるおそれがある。これに対して、この(2)に記載の構成によれば、収差測定光は、集光光学系を介して第1光学系に入射することになるため、前記のような外側部分に生じる収差が補正される。これにより、前記のようにマスク上の開口が拡大されているような場合にも、被検光学系の波面収差情報を迅速かつ高精度に測定することができるという作用及び効果が得られる。
【0042】
また、収差測定光を集光光学系を通過させることで、第1光学系内における収差測定光の開き角度がさらに小さくなる。このため、反射鏡から射出される平行光の幅が一層小さくなり、この平行光をさらに少なくとも2つの第1の光に分割することで、第2光学系に入射する第1の光における光軸とほぼ直交する面内での断面積が一層小さくなる。これにより、第2光学系及び受光装置をさらに一層小型化することができるという作用及び効果が得られる。
【0043】
(3) 前記第1光学系における収差測定光の射出面と、前記第2光学系との間にリレー光学系を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項5、前記(1)、(2)のうちいずれか一項に記載の波面収差測定装置。
【0044】
従って、この(3)に記載の構成によれば、第1光学系から射出される第1の光の瞳位置を自由に調整することができて、設計の自由度が向上されるという作用及び効果が得られる。
【0045】
(4) 前記第1光学系と前記第2光学系との間に、前記第1の光の一部を透過させるとともに他の一部を前記第1光学系の射出面とほぼ同じ高さ位置で反射させる第3光学系と、その第3光学系で反射された反射光を受光する第2受光装置とをさらに備えることを特徴とする請求項1〜請求項6、前記(1)〜(3)のうちいずれか一項に記載の波面収差測定装置。
【0046】
ここで、波面収差情報を測定するための受光装置に加えて、例えば第1光学系から射出される第1の光の瞳の形状を観察するために、第2受光装置を装備することがある。これに対して、この(4)に記載の構成によれば、受光装置と第2受光装置とが第1光学系の射出面とほぼ同じ高さ位置に配置されるため、その第2受光装置の装備により波面収差測定装置が収差計測光の入射方向に大型化するのを抑制できるという作用及び効果が得られる。
【0047】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下に、本発明を、半導体素子製造用の、いわゆるステップ・アンド・スキャン方式の走査露光型の露光装置、及び、その投影光学系の波面収差を測定するための波面収差測定装置に具体化した第1実施形態について、図1〜図6に基づいて説明する。
【0048】
図1には、第1実施形態に係る露光装置30の概略構成が示されている。この露光装置30は、ベース盤31、基板ステージとしてのウエハステージWS、投影光学系PL、レチクルステージRS、そして照明光学系IL及び制御系等を備えている。
【0049】
前記ウエハステージWSは、前記投影光学系PLの像面側に配置され、前記ベース盤31上に不図示の気体軸受けを介して浮上支持されている。そして、前記ウエハステージWSは、X軸方向(図1における紙面左右方向)及びY軸方向(図1における紙面直交方向)に独立して2次元移動可能に構成されている。ウエハステージWS上には、基板としてのウエハWがそれぞれホルダ34を介して真空吸着されている。前記ウエハステージWSは、ウエハステージ駆動系35により駆動されるとともに、その位置がウエハ干渉計システム36により検出されるようになっている。このウエハ干渉計システム36で検出されたウエハステージWSの位置情報は、露光装置30全体の動作を制御する主制御装置MPUに供給される。
【0050】
前記投影光学系PLは、前記ウエハステージWSの上方に配置される。投影光学系PLは、複数のレンズエレメントの集合体であり、全体として両側テレセントリックで所定の縮小倍率、例えば1/4を有する屈折光学系をなしている。そして、各レンズエレメントは、その姿勢や他のレンズエレメントとの相対位置が変更可能に保持されている。これら各レンズエレメントは、不図示の結像特性調整機構により、その姿勢や相対位置を調整することによって、投影光学系PLに残存する収差が補正されるようになっている。
【0051】
前記レチクルステージRSは、前記投影光学系PLの物体面側に配置される。
このレチクルステージRSは、マスクとしてのレチクルRを主として所定の走査方向、ここではY軸方向(図1における紙面直交方向)に駆動可能に保持している。このレチクルステージRSは、レチクルステージ駆動系41により駆動されるとともに、その位置がレチクル干渉計システム42により検出されるようになっている。このレチクル干渉計システム42で検出されたレチクルステージRSの位置情報は、前記主制御装置MPUに供給される。
【0052】
前記照明光学系ILは、前記レチクルRを上方から照明する照明系をなしている。この照明光学系ILは、図1に示すように、光源部46、シャッタ47、及び、ミラー48、ビームエキスパンダ49,50、第1フライアイレンズ51、レンズ52、振動ミラー53、レンズ54、第2フライアイレンズ55、レンズ56、固定ブラインド57、可動ブラインド58、リレーレンズ59,60等から構成されている。
【0053】
前記光源部46は、例えばArFエキシマレーザを出射する光源と減光システム(減光板、開口絞り等)とを有している。光源部46から射出されたレーザ光は、シャッタ47を透過した後、ミラー48により偏向されて、ビームエキスパンダ49,50により適当なビーム径に整形され、第1フライアイレンズ51に入射される。この第1フライアイレンズ51に入射された光束は、2次元的に配列されたそのエレメントにより複数の光束に分割され、レンズ52、振動ミラー53、レンズ54により、分割された各光束が異なった角度より第2フライアイレンズ55に入射される。この第2フライアイレンズ55より射出された光束は、レンズ56により、前記レチクルRと共役な位置に設置された固定ブラインド57に達し、ここで所定形状にその断面形状が規定される。そして、レチクルRの共役面から僅かにデフォーカスされた位置に配置された可動ブラインド58を通過し、リレーレンズ59,60を経て均一な露光光ELとして、レチクルR上を照明する。ここで、露光光ELは、レチクルR上の、前記固定ブラインド57によって規定された所定形状、ここでは矩形スリット状の照明領域を照明する。
【0054】
また、前記投影光学系PLには、ウエハWの合焦状態を調べるためのオートフォーカス/オートレベリング計測機構(以下、「AF/AL系」という)63が設けられている。ここで、スキャン露光によりレチクルR上のパターンをウエハW上に正確に転写するには、レチクルR上のパターン形成面とウエハWの露光面とが投影光学系PLに関して共役になっている必要がある。そこで、前記AF/AL系63は、ウエハWの露光面が投影光学系PLの像面に焦点深度の範囲内で合致しているかどうか(合焦しているかどうか)を検出するようになっている。また、このAF/AL系63は、ウエハWの露光面の傾斜が投影光学系PLの像面の傾斜に対してほぼ合致しているかどうかを検出するようになっている。
【0055】
このAF/AL系63は、投射光学系64と受光光学系65とを備えた、いわゆる斜入射方式のAF/AL系となっている。つまり、前記投射光学系64は、前記ウエハWの露光面に対して、前記ウエハW上に塗布されたフォトレジストを感光させない前記露光光ELとは異なる照明光FLで照明された所定のパターンの像を斜め上方から投射する。前記受光光学系65は、その露光面上に投射された前記パターンの像の反射光を受光するとともに、受光したパターンの像の位置情報を前記主制御装置MPUに供給するようになっている。そして、主制御装置MPUは、供給されたパターンの像の位置情報に基づいてウエハWの合焦状態及び傾斜を算出し、その露光面が投影光学系PLの像面と合致させるべく、ウエハステージ駆動系35を介してウエハステージWSの姿勢、すなわちウエハWの姿勢を制御する。
【0056】
ここで、ステップ・アンド・スキャン方式でレチクルR上の回路パターンをウエハW上のショット領域に走査露光する場合、前述のように矩形状に整形された照明領域は、レチクルR側の走査方向(+Y方向)に対して直交する方向に長手方向を有するものとなっている。そして、前記主制御装置MPUの制御のもとで、レチクルステージ駆動系41を介して、レチクルステージRSを走査方向(+Y方向)に所定の速度Vrで移動させる。これにより、レチクルRが所定の速度Vrで走査され、前記レチクルR上の回路パターンが前記矩形状の照明領域で一端側から他端側に向かって順次照明される。そして、前記照明領域内におけるレチクルR上の回路パターンが、前記投影光学系PLを介してウエハW上に投影され、投影領域が形成される。
【0057】
このとき、ウエハWはレチクルRとは倒立結像関係にある。このため、前記主制御装置MPUの制御のもとで、ウエハステージ駆動系35を介して、ウエハステージWSを前記レチクルRの走査方向とは反対方向(−Y方向)へ、前記レチクルRの走査に同期して所定の速度Vwで走査させる。これにより、ウエハWのショット領域の全面が露光可能となる。走査速度の比Vw/Vrは正確に投影光学系PLの縮小倍率に応じたものになっており、レチクルR上の回路パターンがウエハW上の各ショット領域上に正確に縮小転写される。
【0058】
さらに、本実施形態の露光装置30では、ウエハステージWS上に載置されたウエハW及びホルダ34の交換を行うホルダ搬送系としての搬送システム68が設けられている。この搬送システム68は、図2に示すように、ローディングガイド69、第1及び第2スライダ70,71、アンロードアーム72、ロードアーム73等を含むウエハローダ74と、浮上機構(図示略)とから構成されている。
【0059】
前記ローディングガイド69はY軸方向に延びており、第1及び第2スライダ70,71がこのローディングガイド69に沿って移動可能に取り付けられている。前記第1スライダ70にはアンロードアーム72が取り付けられており、前記第2スライダ71にはロードアーム73が取り付けられている。
【0060】
ここで、露光装置30におけるウエハ交換の動作について、ウエハステージWS上にあるウエハW’とウエハローダ74により搬送されてきたウエハWとが交換される場合について説明する。
【0061】
まず、主制御装置MPUは、ウエハステージWS上のホルダ34の真空吸着を不図示のスイッチを介してオフし、ウエハW’の吸着を解除させる。次に、主制御装置MPUは、不図示の浮上機構駆動系を介して、同じく不図示の浮上機構を所定量上昇駆動させる。これにより、ウエハW’が所定位置まで持ち上げられる。この状態で、主制御装置MPUは、不図示のウエハローダ制御装置にアンロードアーム72の移動を指示し、ウエハローダ制御装置により第1スライダ70が駆動制御される。そして、アンロードアーム72が、ローディングガイド69に沿ってウエハステージWS上まで移動されてウエハW’の真下に配置される。
【0062】
この状態で、主制御装置MPUは、浮上機構を所定位置まで下降駆動させる。
この浮上機構の下降の途中で、ウエハW’がアンロードアーム72に受け渡されるので、主制御装置MPUはウエハローダ制御装置にアンロードアーム72の真空吸着開始を指示する。これにより、アンロードアーム72にウエハW’が吸着保持される。
【0063】
次に、主制御装置MPUは、ウエハローダ制御装置にアンロードアーム72の退避とロードアーム73の移動開始を指示する。これにより、アンロードアーム72が、図2の−Y方向に第1スライダ70と一体的に移動が開始される。このアンロードアーム72の移動開始と同時に、第2スライダ71がウエハWを保持したロードアーム73と一体的に+Y方向に移動される。そして、ロードアーム73がウエハステージWSの上方に来たとき、ウエハローダ制御装置により、第2スライダ71が停止されるとともにロードアーム73の真空吸着が解除される。
【0064】
この状態で、主制御装置MPUは浮上機構を上昇駆動させ、浮上機構によりウエハWを下方から持ち上げさせる。次いで、主制御装置MPUは、ウエハローダ制御装置にロードアーム73の退避を指示する。これにより、第2スライダ71がロードアーム73と一体的に−Y方向に移動を開始して、ロードアーム73の退避が行われる。このロードアーム73の退避開始と同時に、主制御装置MPUは、浮上機構の下降駆動を開始させる。これにより、ウエハWをウエハステージWS上のホルダ34に載置させ、このホルダ34の真空吸着をオンにし、ウエハ交換の一連のシーケンスが終了する。
【0065】
なお、ウエハステージWS上に載置された前記ホルダ34を交換する際にも、このウエハ交換時と同様のシーケンスにより行われる。
次に、以上のように構成された露光装置30において、その投影光学系PLの収差測定に好適な波面収差測定装置81について、図3〜図6に基づいて説明する。
【0066】
図3に示すように、波面収差測定装置81は、収容部材としての受光筐体82と波面収差算出部83とインタフェイス84とからなっている。前記受光筐体82は、前記ウエハステージWS上において、前記ホルダ34に代えて着脱可能に載置されている。また、前記受光筐体82は、その外形が前記ホルダ34とほぼ同一形状に形成されており、前記搬送システム68を利用して、前述のウエハWの交換方法と同様にしてウエハステージWSに対して着脱するようになっている。その受光筐体82の内部には、前記投影光学系PLを通過した収差測定光MLを受光する受光部85が収容されている。
【0067】
なお、この波面収差測定装置81を使用する際には、前記露光装置30のレチクルステージRS上に、複数のピンホールPHが形成されたテストレチクルRtを載置する。そして、前記露光光ELを、そのピンホールPHを介して球面波を有する収差測定光MLに変換して前記投影光学系PLに入射させる。この状態で、前記受光筐体82を、その上面が前記投影光学系PLの像面に位置するように配置する。
【0068】
前記インタフェイス84は、前記受光部85と前記波面収差算出部83とを接続するものであり、前記受光部85のワイヤレス送信機86からの信号を受信するワイヤレス受信機87を装備している。前記波面収差算出部83は、前記インタフェイス84を介して入力された前記受光部85での前記収差測定光MLの検出情報に基づいて前記投影光学系PLの波面収差情報を算出するものとなっている。この波面収差算出部83は、前記露光装置30の主制御装置MPUに接続されており、算出された投影光学系PLの波面収差情報が前記主制御装置MPUに供給されるようになっている。
【0069】
次に、前記受光部85の概略構成について説明する。
図4〜図6に示すように、前記受光部85は、第1光学系としての分割素子88と、一対の第1ハーフミラー89a,89bと、第2光学系としてのマイクロレンズアレイ90a,90bと、受光装置としての一対の収差測定用撮像素子(以下、「収差用CCD」という)91a,91bと、一対の瞳計測用撮像素子(以下、「瞳計測用CCD」という)92a,92bと、各CCD91a,91b,92a,92bを制御する制御基板93とを有している。
【0070】
前記分割素子88は、略円柱状をなす合成石英、蛍石等の光学材料からなり、その一方の端面には平面状の入射面96が、他方の端面にはその入射面96の中心を焦点位置とする放物面状の反射鏡を構成する反射面97が形成されている。この入射面96上には、前記投影光学系PLを通過した前記収差測定光MLが結像され、前記ピンホールPHの一次像が形成される。前記反射面97は、前記入射面96から入射した収差測定光MLの入射光IBを反射するとともに平行光PB1,PB2に変換する。そして、この分割素子88は、前記受光筐体82に対してその中心部の表面に前記入射面96が配置されている。
【0071】
前記分割素子88には、前記入射面96より若干内部側に、中央部に前記収差測定光MLの通過を許容する程度の開口98を有する円環状の遮光体99が封入されている。この遮光体99の存在により、前記反射面97で反射された平行光PB1,PB2の一部が前記入射面96から射出され、迷光として投影光学系PLに入射するのが抑制されるようになっている。
【0072】
また、この分割素子88は、その遮光体99より前記反射面97側の部分が前記収差測定光MLの光軸を含む境界面100で図4及び図6において左右に二分されている。そして、その境界面100に沿うように隔離部材としての隔離体101が封入されている。この隔離体101の存在により、反射面97における隔離体101の一方側で反射された光が、迷光として隔離体101の他方側の光路部分102bに侵入するのが抑制される。また、同様に、反射面97における隔離体101の他方側で反射された光が、迷光として隔離体101の一方側の光路部分102aに侵入するのが抑制される。
【0073】
前記隔離体101で隔離される両側の各光路部分102a,102bには、反射光学素子としての第2ハーフミラー103a,103bが封入されている。これら第2ハーフミラー103a,103bは、前記入射光IBを前記反射面97に向けて透過するとともにその反射面97で反射された前記平行光PB1,PB2を反射すべく前記平行光PB1,PB2に対して斜めに交差するように配置されている。ここで、第2ハーフミラー103aは、前記隔離体101の一方側の第1平行光PB1を、図4及び図6において左方向の第1方向に偏向する第1反射面をなしている。一方、第2ハーフミラー103bは、前記隔離体101の他方側の第2平行光PB2を、図4及び図6において右方向の第1方向とは反対の第2方向に偏向する第2反射面をなしている。このように、これら第2ハーフミラー103a,103bにより、前記反射面97で反射された収差測定光MLが、互いに方向の異なる第1平行光PB1と第2平行光PB2とに分割されるようになっている。なお、この場合、分割された各平行光PB1,PB2の断面形状は、半円形状になっている。
【0074】
前記分割素子88の外周面の前記第1及び第2方向における各第2ハーフミラー103a,103bと対応する位置には、前記各平行光PB1,PB2を分割素子88の外部に射出する射出面104a,104bが形成されている。そして、この分割素子88では、前記収差測定光MLが入射する入射面96から前記各平行光PB1,PB2が射出される射出面104a,104bに至るまでの間が、全て前記光学材料で充填されている。言い換えると、分割素子88の入射面96と射出面104a,104bとの間が、前記投影光学系PLと分離素子88との間の雰囲気媒体に比べて屈折率の高い媒体で形成されていることになる。
【0075】
前記収差用CCD91a,91bは、前記分割素子88の各射出面104a,104bに対して所定の間隔をおいて対向するように配置されている。そして、前記分割素子88の射出面104aと第1受光素子としての第1収差用CCD91aとの間の第1平行光PB1の光路内には、第1ハーフミラー89aと第1マイクロレンズアレイ90aとが介装されている。また、前記分割素子88の射出面104bと第2受光素子としての第2収差用CCD91bとの間の第2平行光PB2の光路内には、第1ハーフミラー89bと第2マイクロレンズアレイ90bとが介装されている。
【0076】
前記各第1ハーフミラー89a,89bは、前記各平行光PB1,PB2に対して斜めに配置されている。そして、各第1ハーフミラー89a,89bは、前記各平行光PB1,PB2の一部を、透過平行光PB1t,PB2tとして前記各マイクロレンズアレイ90a,90bに向かって透過させる。この一方で、各第1ハーフミラー89a,89bは、前記各平行光PB1,PB2の他の一部を、反射平行光PB1r,PB2rとして反射してほぼ直角に折り曲げる。
【0077】
この各透過平行光PB1t,PB2tは、前記各マイクロレンズアレイ90a,90bに入射する。このマイクロレンズアレイ90a,90bは、多数のマイクロレンズ105が前記各透過平行光PB1t,PB2tの光路の断面全体をカバーするように平面略半円形状に配列されている。そして、前記各透過平行光PB1t,PB2tは、この各マイクロレンズアレイ90a,90bを介して、その複数のマイクロレンズ105a,105bごとに第2の光としての多数のスポット光SLに分割される。
【0078】
そして、各スポット光SLは、前記マイクロレンズアレイ90a,90bに対向するように配置された前記収差用CCD91a,91b上に結像される。これにより、前記収差用CCD91a,91b上に、前記ピンホールPHの形成される。この各収差用CCD91a,91bは、全てのスポット光SLを受光するのに十分な面積を持ち、前記マイクロレンズアレイ90a,90bと対応するように、多数の画素が平面略半円形状に配列されている。そして、この各収差用CCD91a,91bにより、各スポット光SLの集光点Fpの位置(結像位置)が検出される。
【0079】
ここで、前記マイクロレンズアレイ90a,90bは、前記分割素子88で分割された透過平行光PB1t,PB2tの光軸と略直交する面内に、二次元的に配列される複数のマイクロレンズ105a,105bからなっている。そして、前記マイクロレンズアレイ90a,90bは、前記透過平行光PB1t,PB2tの光軸と略直交する面内において、前記複数のマイクロレンズ105a,105bの配列の境界、前記透過平行光PB1t,PB2tの分割された境界と一致するように配置されている。言い換えると、マイクロレンズ105a,105bの配列の境界が、前記透過平行光PB1t,PB2tの直径に対応する部分と一致するようになっている。このため、クロストークなどの影響を少なくできて、各スポット光SLの測定結果から前記透過平行光PB1t,PB2tの波面を計算する際に、その波面をより正確に復元することができて有利である。
【0080】
一方、前記各反射平行光PB1r,PB2rは、前記各第1ハーフミラー89a,89bと所定間隔をおいて反射平行光PB1r,PB2rと直交するように配置された前記各瞳計測用CCD92a,92bに入射する。ここで、この瞳計測用CCD92a,92bは、前記両第1ハーフミラー89a,89b、前記両マイクロレンズアレイ90a,90b及び前記両収差用CCD91a,91bとともに、前記分割素子88の両射出面104a,104bと同じ高さ位置となるように、前記受光筐体82内に収容されている。
【0081】
この瞳計測用CCD92a,92b上には、前記各第2ハーフミラー103a,103bで分割された各平行光PB1,PB2の瞳の像が形成される。この各収差用CCD91a,91bは、前記反射平行光PB1r,PB2rの断面全体を受光するのに十分な面積を持つように、多数の画素が平面略半円形状に配列されている。そして、この各瞳計測用CCD92a,92bにより、前記各平行光PB1,PB2の瞳の形状が検出される。このように検出された前記各平行光PB1,PB2の瞳の形状は計算により合成され、その合成結果から分割素子88に入射した入射光IBに基づく瞳の形状が求められる。
【0082】
なお、この瞳の形状を検出する場合には、前記露光光ELを、前記テストレチクルRtに一部に形成された瞳計測用開口Opを介して前記投影光学系PLに入射させる。この状態で、前記受光筐体82を、その上面が前記投影光学系PLの像面に位置するように配置する。
【0083】
前記収差用CCD91a,91bで検出された前記各スポット光SLの集光点Fpの位置情報、及び、瞳計測用CCD92a,92bで検出された瞳の形状に関する情報は、前記制御基板93に供給される。そして、それらの情報は、前記制御基板93に設けられたワイヤレス送信機86を介して、受光筐体82の外部のインタフェイス84のワイヤレス受信機87に無線通信され、さらに前記波面収差算出部83に供給される。
【0084】
このように、前記各スポット光SLの集光点Fpの位置情報及び前記瞳の形状に関する情報の検出を、前記受光筐体82を所定角度ずつ回転させながら、前記分割素子88を複数の回転位置に配置して繰り返し行う。そして、前記制御基板93は、その都度、検出された前記各スポット光SLの集光点Fpの位置情報及び前記瞳の形状に関する情報を前記インタフェイス84を介して前記波面収差算出部83に供給するようになっている。
【0085】
この波面収差算出部83は、供給された前記複数の回転位置での各スポット光SLの集光点Fpの位置情報及び前記瞳の形状に関する情報に基づいて、前記投影光学系PLの波面収差情報の算出を繰り返す。そして、波面収差算出部83は、算出された波面収差情報に平均等の統計処理を施して、前記投影光学系PLの波面収差の算出結果を前記露光装置30の主制御装置MPUに供給する。そして、この主制御装置MPUは、供給された波面収差の算出結果に基づいて、前記投影光学系PLの収差を補正すべく、その投影光学系PL内の各レンズエレメントの姿勢や他のレンズエレメントとの相対位置を結像状態調整機構(図示略)を介して調整するようになっている。
【0086】
次に、前記分割素子88の製造方法について、説明する。
前記分割素子88は、図4及び図6に示すように、5つのエレメントで構成されている。すなわち、この分割素子88は、前記入射面96を有する平行平板エレメント111、図4及び図6においてその下方に配置される2つの直角プリズムエレメント112,113、及び、そのさらに下方に配置される2つの下部エレメント114,115からなっている。この下部エレメント114,115の上部には、前記直角プリズムエレメント112,113の斜面112a,113aに接するような斜面状の一端面114a,115aが形成されている。
【0087】
前記分割素子88を製造するにあたっては、まず、前記平行平板エレメント111の入射面96とは反対側の裏面111aに、前記収差測定光MLを透過しない材料で円環状の前記遮光体99を形成する。
【0088】
前記各直角プリズムエレメント112,113には、その直角部と対向する斜面112a,113aに前記収差測定光MLの一部を透過し、前記反射面97で反射した光を反射する前記各第2ハーフミラー103a,103bを形成する。また、その直角プリズムエレメント112,113のいずれか一方には、前記斜面112a,113aが斜め下方を向くように配置したときの垂直面112b,113bの少なくとも一方に、前記収差測定光MLを透過しない材料で前記隔離体101の一部を形成する。この垂直面112b,113bは、直角プリズムエレメント112,113同士を固定する固定面として機能する。
【0089】
前記各下部エレメント114,115の前駆体114’,115’には、その一端面114a,115aに前記直角プリズムエレメント112,113の斜面112a,113aに対応する斜面を形成する。これに対して、その前駆体114’,115の他端面114b、115b側は、垂直平面114c,115cと直交するような水平面のままとしておく。さらに、その前駆体114’,115’のいずれか一方には、前記垂直平面114c,115cに前記収差測定光MLを透過しない材料で前記隔離体101の一部を形成する。
【0090】
そして、前記平行平板エレメント111の裏面111aに、前記垂直面112b,113b同士が貼り合わされた両プリズムエレメント112,113の両水平面112c,113cを貼り合わせる。次いで、前記両プリズムエレメント112,113の両斜面112a,113aに、前記垂直平面114c,115c同士が貼り合わされた前記前駆体114’,115’の両一端面114a,115aを貼り合わせる。このように、各エレメント111〜113及び前記前駆体114’,115’が貼り合わされたものは、その両端面が平面状をなす円柱体となっている。
【0091】
次に、このような円柱体における前記下部エレメント114,115の前駆体114’、115’の他端面114b,115b側に、化学的気化加工法(CVM: Chemical Vapor Machining )により、前記入射面96の中心を焦点位置とする放物面からなる反射面97を形成する。そして、その反射面97上に、例えば金属蒸着、金属めっき等を施して反射鏡を形成することにより、分割素子88を形成する。
【0092】
従って、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(イ) この波面収差測定装置81では、投影光学系PLを通過した収差測定光MLを第1平行光PB1と第2平行光PB2とに分割する分割素子88を有している。また、この波面収差測定装置81は、前記各平行光PB1,PB2をさらに複数のスポット光SLに分割する第1及び第2マイクロレンズアレイ90a,90bと、その各スポット光SLを受光する第1及び第2収差用CCD91a,91bとを有している。さらに、この波面収差測定装置81は、前記各収差用CCD92a,91bで受光した前記各スポット光SLの位置情報に基づいて前記投影光学系PLの波面収差情報を算出する波面収差算出部83を有している。
【0093】
このため、断面円形状の収差測定光MLが、分割素子88を介して、その光軸とほぼ直交する面内において断面略半円形状をなし、断面積が半分の第1及び第2平行光PB1,PB2に分割される。このため、投影光学系PLの波面収差情報を測定するために、その各平行光PB1,PB2をさらに複数のスポット光SLに分割する第1及び第2マイクロレンズアレイ90a,90bを小型化することができる。これにより、波面収差測定装置81に入射する収差測定光MLを単一で大型のマイクロレンズアレイを用いることなく、投影光学系PLの波面収差情報を測定することができる。従って、波面収差測定装置81を小型化することができて、波面収差測定装置81を露光装置30に対して容易に取り付けることができる。また、波面収差情報を利用することで、投影光学系PLの収差を迅速にかつ精度よく測定することができる。
【0094】
(ロ) この波面収差測定装置81では、分割素子88の収差測定光MLをその光軸に対して交差する面内で第1及び第2平行光PB1,PB2に分割する。また、前記各第2ハーフミラー103a,103bは、前記両平行光PB1,PB2を互いに異なる方向に偏向するようになっている。
【0095】
このため、波面収差測定装置81を投影光学系PLの下方に配置され、大きな表面積を有するウエハステージWSに装着することで、そのウエハステージWSの表面またはその内部を利用して効率よく収差測定光MLを分割することができる。従って、波面収差測定装置81の一層の小型化を図ることができる。
【0096】
(ハ) この波面収差測定装置81では、投影光学系PLの結像位置を焦点位置とする凹面をなす反射面97を有している。そして、第2ハーフミラー103a,103bが、前記投影光学系PLの結像位置と前記反射面97との間に配置されている。そして、前記両第2ハーフミラー103a,103bは、収差測定光MLを前記反射面97に向けて透過するとともに、前記反射面97で反射された前記収差測定光MLを第1及び第2平行光PB1,PB2に分割するようになっている。
【0097】
このため、波面収差測定装置81に収束光として入射し、そして発散光となる収差測定光MLを、簡単な構成で新たな収差成分が加えられることなく平行光PB1,PB2に変換することができる。
【0098】
(ニ) この波面収差測定装置81では、第1平行光PB1を第1方向に偏向する第2ハーフミラー103aと、第2平行光PB2を前記第1方向とは異なる第2方向に偏向する第2ハーフミラー103bとを有している。そして、前記第1平行光PB1と前記第2平行光PB2とを隔離する隔離体101を有している。
【0099】
このため、第1平行光PB1が、第2方向に迷光として漏れ込んで第2方向の第2平行光PB2の位置情報の検出に影響が出るのが回避される。また、逆に、第2平行光PB2が、第1方向に迷光として漏れ込んで第1平行光PB1の位置情報の検出に影響が出るのが回避される。従って、互いに異なる方向に偏向された第1及び第2平行光PB1,PB2の一方が、他方に対して迷光として影響するのを抑制できて、より正確に波面収差情報を検出することができる。
【0100】
(ホ) この波面収差測定装置81では、第2ハーフミラー103aで反射された第1平行光PB1が、第1マイクロレンズアレイ90aで複数のスポット光SLに分割され、そのスポット光SLを受光する第1収差用CCD91aを有している。また、第2ハーフミラー103bで反射された第2平行光PB2が、第2マイクロレンズアレイ90bで複数のスポット光SLに分割され、そのスポット光SLを受光する第2収差用CCD91bを有している。
【0101】
このため、第1収差用CCD91aで検出された各スポット光SLの位置情報と、第2収差用CCD91bで検出された各スポット光SLの位置情報とを合成することで、もとの収差測定光MLの波面収差情報を容易に算出することができる。
【0102】
(ヘ) この波面収差測定装置81では、分割素子88において、収差測定光MLの入射する入射面96とその収差測定光MLの分割された第1及び第2平行光PB1,PB2を射出する射出面104a,104bとの間が、投影光学系PLと分割素子88との間の不活性ガスよりも屈折率の高い光学材料で形成されている。
【0103】
このため、収差測定光MLが分割素子88に入射すると、その収差測定光MLの開き角度2θ1から2θ2(ここで、θ1>θ2、図4参照)へと小さくなる。このため、反射面97から射出される平行光PB1,PB2の幅が小さくなり、この平行光PB1,PB2を、さらに第1及び第2平行光PB1,PB2に分割することで、第1及び第2マイクロレンズアレイ90a,90bに入射する前記各平行光PB1,PB2における光軸とほぼ直交する面内での断面積がさらに小さくなる。従って、第1及び第2マイクロレンズアレイ90a,90b及び第1及び第2収差用CCDをさらに小型化することができ、さらに波面収差測定装置81全体を一層小型化することができる。
【0104】
(ト) この波面収差測定装置81は、レチクルRに形成されたパターンの像をウエハW上に転写する投影光学系PLの波面収差を測定するものである。そして、この波面収差測定装置81では、分割素子88と第1及び第2マイクロレンズアレイ103a,103bと第1及び第2収差用CCD91a,91bとが、ウエハWを保持するホルダ34と実質的に同一形状の受光筐体82内に収容されている。
【0105】
このため、波面収差測定装置81を、容易に交換可能なホルダ34と同様に取り扱うことが可能になる。従って、波面収差測定装置81の露光装置30に対する装着を、ホルダ34を交換する搬送システム68を用いて行うことができ、その装着作業を極めて容易に行うことができる。
【0106】
(チ) この波面収差測定装置81では、分割素子88を投影光学系PLの光軸AXの周りに回転させて、その分割素子88の複数の回転位置で投影光学系PLの波面収差情報を測定する。そして、その複数の回転位置での波面収差情報に基づいて、前記投影光学系PLの波面収差情報を算出し直すようになっている。
【0107】
このため、分割素子88における複数の回転位置における投影光学系PLの波面収差情報に基づいて、投影光学系PLの収差情報をより正確に把握することができる。
【0108】
(リ) この波面収差測定装置81では、分割素子88における収差測定光MLの入射面96の近傍に、その入射面96の近傍を通過する収差測定光MLの通過を許容する開口98が設けられている。そして、その開口98の外側には、前記分割素子88から投影光学系PL側に戻ってくる収差測定光MLの一部を遮光する遮光体99が設けられている。
【0109】
このため、分割素子88内で反射され、迷光として投影光学系PL側に戻ってくる収差測定光MLの一部が、遮光体99により遮光される。従って、分割素子88側からの迷光の影響を抑制できて、より正確に被検光学系PLの波面収差情報を検出することができる。
【0110】
(ヌ) この波面収差測定装置81では、分割素子88と前記第1及び第2マイクロレンズアレイ90a,90bとの間における、前記分割素子88の射出面104a,104bとほぼ同じ高さ位置に、第1ハーフミラー89a,89bが設けられている。これら各第1ハーフミラー89a,89bは、それぞれ第1及び第2平行光PB1,PB2の一部を透過させるとともに、他の一部を反射させてほぼ直角に折り曲げる。そして、その各第1ハーフミラー89a,89bで折り曲げられた平行光PB1,PB2の他の一部を受光する第1及び第2瞳計測用CCD92a,92bが設けられている。
【0111】
このため、第1及び第2収差用CCD91a,91bと、分割素子88から射出される第1及び第2平行光PB1,PB2の瞳の形状を観察するための第1及び第2瞳計測用CCD92a,92bとを、分割素子88の射出面104a,104bとほぼ同じ高さ位置に配置することが可能となる。従って、前記両収差用CCD91a,91bに加えて、さらに前記両瞳計測用CCD92a,92bを装備する構成にも関わらず、波面収差測定装置81の収差測定光MLの入射方向における大型化を抑制することができる。
【0112】
(ル) この露光装置30では、収差測定光MLを生成するピンホールPHを有するテストレチクルRtを、投影光学系PLの物体面側のレチクルステージRSに配置する。そして、波面収差測定装置81を前記投影光学系PLの像面側に配置して、投影光学系PLの波面収差情報を測定するようになっている。
【0113】
このため、投影光学系PLの波面収差情報を迅速かつ容易に、しかも精度よく測定することができ、測定された波面収差情報を利用して投影光学系PLの結像特性を精度よく補正することができる。
【0114】
(第2実施形態)
つぎに、本発明の第2実施形態について、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0115】
図7に示すように、この第2実施形態の波面収差測定装置121では、前記分割素子88の入射面96の投影光学系PL側に集光光学系としての集光レンズ122が設けられている。そして、この波面収差測定装置121を用いる場合には、この集光レンズ122の上面123を投影光学系PLの像面に合わせ込んで、その投影光学系PLの波面収差情報を測定するようになっている。
【0116】
従って、本実施形態によれば、前記第1実施形態における(イ)〜(ル)に記載したのとほぼ同様の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
(ヲ) ここで、例えば収差測定光MLの光量が少ないような場合には、テストレチクルRt上の球面波を発生させるピンホールPHの開口径を拡大して波面収差測定装置121に到達する収差測定光MLの光量を増加させることがある。しかし、このようにテストレチクルRt上のピンホールPHの開口径を拡大すると、波面収差測定装置121の入射面96で、収差測定光MLが所定の大きさを持った像として結像される。この収差測定光MLを分割素子88内の反射面97で反射させて平行光に変換すると、その平行光の外側部分に新たに収差を生じるおそれがある。
【0117】
これに対して、この波面収差測定装置121では、収差測定光MLは、集光レンズ122を介して分割素子88に入射することになるため、前記のような外側部分に生じる収差が補正される。従って、前記のようにテストレチクルRt上のピンホールPHの開口径が拡大されているような場合にも、投影光学系PLの波面収差情報を迅速かつ高精度に測定することができる。
【0118】
また、収差測定光MLを集光レンズ122を通過させることで、分割素子88内における収差測定光MLの開き角θ3が、前記第1実施形態の同分割素子88内での開き角θ2よりさらに小さくなる。このため、反射面97から射出される平行光PB1,PB2の幅が一層小さくなる。これにより、この平行光PB1,PB2を、さらに第1及び第2平行光PB1,PB2に分割することで、第1及び第2マイクロレンズアレイ90a,90bに入射する各平行光PB1,PB2における光軸とほぼ直交する面内での断面積が一層小さくなる。従って、第1及び第2マイクロレンズアレイ90a,90b及び第1及び第2収差用CCD91a,91bを一層小型化することができる。
【0119】
(第3実施形態)
つぎに、本発明の第3実施形態について、前記各実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0120】
図8に示すように、この第3実施形態の波面収差測定装置131では、前記第2実施形態の波面収差測定装置121において、その分割素子88の各射出面104a,104bの各マイクロレンズアレイ90a,90b側にリレー光学系としてのリレーレンズ132が設けられている。なお、このリレーレンズ132も、分割された各平行光PB1,PB2の光軸と直交する断面での形状に対応する平面形状、つまり略半円形状をなすように形成されている。
【0121】
従って、本実施形態によれば、前記各実施形態における(イ)〜(ヲ)に記載したのとほぼ同様の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
(ワ) このように、リレーレンズ132を介在させることで、分割素子88から射出される各平行光PB1,PB2の瞳位置を自由に調整することが可能となる。従って、波面収差測定装置131の設計の自由度を向上することができる。
【0122】
(第4実施形態)
つぎに、本発明の第4実施形態について、前記各実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0123】
図9に示すように、この第4実施形態の波面収差測定装置141では、分割素子の構成が前記各実施形態とは異なっている。すなわち、この波面収差測定装置141における第1光学系としての分割素子142は、平行平板ガラス143とコリメータレンズ144と反射光学素子としてのプリズム145とからなっている。
【0124】
前記平行平板ガラス143は、その上面が投影光学系PLを通過した収差測定光MLの入射面96をなしている。前記投影光学系PLの波面収差情報の測定時には、この平行平板ガラス143は、その入射面96が投影光学系PLの結像面に一致するように配置される。前記コリメータレンズ144は、前記平行平板ガラス143の下方に配置され、その平行平板ガラス143を介して入射し、発散光をなす収差測定光MLを平行光PBに変換する役割を担っている。
【0125】
前記プリズム145は、断面直角三角形状をなしており、前記コリメータレンズ144の下方において稜146が前記収差測定光MLの光軸に直交するように配置されている。この稜146を挟む一対の斜面は、反射膜が形成された第1及び第2反射面147a,147bとなっている。そして、この両反射面147a,147bにより前記平行光PBが、第1及び第2平行光PB1,PB2に分割されるようになっている。ここで、第1反射面147aは、前記第1平行光PB1を図9において左方向の第1方向に偏向する。一方、第2反射面147bは、前記第2平行光PB2を図9において右方向の第1方向とは反対の第2方向に偏向するようになっている。そして、これら両反射面147a,147bは、前記各平行光PB1,PB2の射出面を兼ねている。そして、このプリズム145で分割され、偏向された第1及び第2平行光PB1,PB2が、それぞれ第1及び第2マイクロレンズアレイ90a,90bに入射するようになっている。
【0126】
また、この波面収差測定装置141では、第1ハーフミラー89a,89bと第1及び第2瞳計測用CCD92a,92bとが省略されている。
従って、本実施形態によれば、前記第1実施形態における(イ)、(ロ)、(ホ)、(ト)、(チ)及び(ル)に記載したのとほぼ同様の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
【0127】
(カ) この波面収差測定装置141では、入射した収差測定光MLを断面直角三角形状のプリズム145で、第1及び第2平行光PB1,PB2に分割している。このように単純な形状のプリズム145でもって、前記収差測定光MLを分割することが可能となり、波面収差測定装置141の構成の簡素化を図ることができる。
【0128】
(第5実施形態)
つぎに、本発明の第5実施形態について、前記各実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0129】
図10に示すように、この第5実施形態の波面収差測定装置151では、分割素子の構成が前記各実施形態とは異なっている。すなわち、この波面収差測定装置151における第1光学系としての分割素子152は、反射光学素子としてのプリズム153とコリメータレンズ154とからなっている。
【0130】
前記プリズム153は、前記第4実施形態のプリズム145とほぼ同様の構成のものである。ただし、この波面収差測定装置151のプリズム153は、その稜155が投影光学系PLの結像位置より投影光学系PL側で収差測定光MLの光軸に直交するように配置されている。この稜155を挟む一対の斜面は、反射膜が形成された第1及び第2反射面156a,156bとなっている。そして、この両反射面156a,156bにより前記収差測定光MLが、第1の光としての第1及び第2反射光RB1,RB2に分割されるようになっている。ここで、第1反射面156aは、前記第1反射光RB1を図10において左方向の第1方向に偏向する。一方、第2反射面156bは、前記第2反射光RB2を図10において右方向の第1方向とは反対の第2方向に偏向するようになっている。
【0131】
前記各反射面156a,156bで反射された前記各反射光RB1,RB2は、一旦焦点を結んだ後に、プリズム153と第1及び第2マイクロレンズアレイ90a,90bとの間に配設された第1及び第2コリメータレンズ154a,154bにそれぞれ入射するようになっている。そして、この各コリメータレンズ154a,154bにより、前記各反射光RB1,RB2がそれぞれ第1及び第2平行光PB1,PB2に変換され、その各平行光PB1,PB2が前記各マイクロレンズアレイ90a,90bに入射するようになっている。
【0132】
また、この波面収差測定装置151では、第1ハーフミラー89a,89bと第1及び第2瞳計測用CCD92a,92bとが省略されている。
従って、本実施形態によれば、前記第4実施形態に記載したのとほぼ同様の効果を得ることができる。
【0133】
(変更例)
なお、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・ 前記第1〜第3実施形態において、第1ハーフミラー89a,89bと第1及び第2瞳計測用CCD92a,92bとを省略してもよい。
【0134】
・ 前記第4実施形態において、プリズム145と第1及び第2マイクロレンズアレイ90a,90bとの間に、第1ハーフミラー89a,89bを設け、その各第1ハーフミラー89a,89bと対応するように第1及び第2瞳計測用CCD92a,92bを設けてもよい。
【0135】
・ 前記第5実施形態において、第1及び第2コリメータレンズ154a,154bと第1及び第2マイクロレンズアレイ90a,90bとの間に、第1ハーフミラー89a,89bを設け、その各第1ハーフミラー89a,89bと対応するように第1及び第2瞳計測用CCD92a,92bを設けてもよい。
【0136】
・ 前記第4実施形態において、プリズム145と第1及び第2ミクロレンズアレイ90a,90bとの間に、リレーレンズ132を設けてもよい。
・ 前記第5実施形態において、第1及び第2コリメータレンズ154a,154bと第1及び第2マイクロレンズアレイ90a,90bとの間に、リレーレンズ132を設けてもよい。
【0137】
・ 前記各実施形態において、収差測定光MLを、例えば3つ以上の平行光に分割し、その分割された平行光のそれぞれに対応するようにマイクロレンズアレイ及び収差用CCDを設けるようにしてもよい。
【0138】
・ 前記第各実施形態において、第1平行光PB1と第2平行光PB2とを必ずしも正反対の方向に偏向させる必要はなく、また両平行光PB1,PB2も、必ずしもほぼ直角に折り曲げる必要もない。要は、受光筐体82内で、折り曲げられた各平行光PB1,PB2がその受光筐体82の内壁に干渉しない範囲であって、第1平行光PB1と第2平行光PB2とが互いに異なる方向に折り曲げられる構成であればよい。
【0139】
・ 前記各実施形態では、各CCD91a,91b,92a,92bで検出された情報を、ワイヤレス通信で波面収差算出部83に供給する構成とした。これに対して、例えばウエハステージWS等の波面収差測定装置81,121,131,141が接する場所に、その波面収差測定装置81,121,131,141との電気的接点を設け、その電気的接点を介して前記各CCD91a,91b,92a,92bで検出された情報を波面収差算出部83に供給するようにしてもよい。
【0140】
・ 前記各実施形態では、分割素子88,142,152を複数の回転位置で投影光学系PLの波面収差情報を測定する構成としたが、前記分割素子88,141,152を回転させることなく、例えば代表的な1つの位置で投影光学系PLの波面収差情報を測定するようにしてもよい。
【0141】
・ 前記各実施形態では、投影光学系PLに入射する収差測定光MLに球面波を発生させるための生成部材として、ピンホールPHが形成されたテストレチクルRtを用いる構成について説明した。しかしながら、本発明は、収差測定光MLに球面波SWを発生できるものであれば、この構成に限定されるものではない。例えば、投影光学系PLの波面収差情報を測定するに際しては、テストレチクルRtに代えて、レチクルステージRS上に開口部を形成し、この開口部を塞ぐように取り付けられた透明板上に、ピンホールPHパターンを形成してもよい。その他に、通常のデバイス用レチクルに、同様のピンホールPHパターンを形成してもよい。また、レチクルステージRS自体に、同様のピンホールPHパターンを形成してもよい。これらの場合、前記ピンホールPHの数は、1つであってもよいし、複数であってもよい。
【0142】
・ 前記各実施形態において、前記投影光学系PLの照明領域内の複数箇所について波面収差情報を測定し、それらの波面収差情報に基づいて、投影光学系PLの収差情報を求めるようにしてもよい。
【0143】
・ 前記各実施形態では、露光光ELとしてArFエキシマレーザ(193nm)あるいはF2レーザ(157nm)を露光光ELとしたが、露光光ELとして、例えばKrFエキシマレーザ(248nm)、Kr2レーザ(146nm)、Ar2レーザ(126nm)等の他、金属蒸気レーザやYAGレーザの高調波、あるいはg線(436nm)、i線(365nm)等の超高圧水銀ランプの輝線等を採用してもよい。
【0144】
・ 前記各実施形態では、前記露光光ELとは異なる収差測定光MLを投影光学系PLに入射させて波面収差情報の測定を行ってもよい。この場合、収差測定光MLとしては、例えばDFB半導体レーザまたはファイバレーザから発振される赤外域、または可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(またはエルビウムとイッテルビウムの双方)がドープされたファイバアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換された高調波を用いてもよい。また、収差測定光MLとしては、アルゴンランプ、クリプトンランプ、キセノンランプ等の希ガス放電ランプ、キセノン−水銀ランプ、ハロゲンランプ、蛍光灯、白熱灯、水銀灯、ナトリウムランプ、メタルハライドランプ等から出射される紫外光、可視光または赤外光、またはそれらの光を単波長化した光の高調波、YAGレーザ光、金属蒸気レーザ光等の高調波等も適用できる。
【0145】
・ 前記各実施形態では、露光装置30の投影光学系PLを波面収差情報の測定対象の被検光学系として具体化したが、露光装置30における照明光学系IL等その他の光学系、あるいは露光装置とは異なった光学装置における光学系の波面収差測定装置に具体化してもよい。
【0146】
・ 前記各実施形態では、本発明を半導体素子製造用の露光装置30に適用している。これに対して、例えば液晶表示素子(LCD)などを含むディスプレイの製造に用いられてデバイスパターンをガラスプレート上へ転写する露光装置、薄膜磁気ヘッドの製造に用いられてデバイスパターンをセラミックウエハ上へ転写する露光装置、及びCCD等の撮像素子の製造に用いられる露光装置等にも、本発明を適用することができる。
【0147】
また、半導体素子等のデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクルまたはマスクを製造するために、マザーレチクルからガラス基板やシリコンウエハ等へ回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。ここで、DUV(深紫外)やVUV(真空紫外)光等を用いる露光装置では、一般的に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては石英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、蛍石、フッ化マグネシウム、または水晶などが用いられる。また、プロキシミティ方式のX線露光装置や電子線露光装置等では、透過型マスク(ステンシルマスク、メンブレンマスク)が用いられ、マスク基板としてはシリコンウエハ等が用いられる。
【0148】
・ また、露光装置として、投影光学系PLを用いることなく、マスクと基板とを密接させてマスクのパターンを露光するコンタクト露光装置、マスクと基板とを近接させてマスクのパターンを露光するプロキシミティ露光装置の光学系にも適用することができる。また、投影光学系としては、全屈折タイプに限らず、反射屈折タイプであってもよい。
【0149】
・ さらに、本発明の露光装置は、縮小露光型の露光装置に限定されるものではなく、本発明を、例えば等倍露光型、拡大露光型の露光装置に適用してもよい。また、本発明は、マスクと基板とを相対移動させながらマスクのパターンを基板へ転写し、基板を順次ステップ移動させるスキャニング・ステッパに限らず、マスクと基板とを静止した状態でマスクのパターンを基板へ転写し、基板を順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の露光装置に適用してもよい。
【0150】
・ 前記各実施形態におけるレンズエレメント、分割素子88,142、マイクロレンズアレイ90a,90b等の光学素子としては、蛍石、石英などが主に採用されるが、フッ化リチウム、フッ化マグネシウム、フッ化ストロンチウム、リチウム−カルシウム−アルミニウム−フロオライド、及びリチウム−ストロンチウム−アルミニウム−フロオライド等の結晶や、ジルコニウム−バリウム−ランタン−アルミニウムからなるフッ化ガラスや、フッ素をドープした石英ガラス、フッ素に加えて水素もドープされた石英ガラス、OH基を含有させた石英ガラス、フッ素に加えてOH基を含有した石英ガラス等の改良石英を用いてもよい。
【0151】
なお、複数のレンズから構成される照明光学系IL、投影光学系PLを露光装置30の本体に組み込み光学調整するとともに、多数の機械部品からなるレチクルステージRSやウエハステージWSを露光装置30の本体に取り付けて配線や配管を接続し、さらに総合調整(電気調整、動作確認等)をすることにより前記実施形態の露光装置30を製造することができる。露光装置30の製造は、温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0152】
次に、上述した露光装置30をリソグラフィ工程で使用したデバイスの製造方法の実施形態について説明する。
図11は、デバイス(ICやLSI等の半導体素子、液晶表示素子、撮像素子(CCD等)、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例のフローチャートを示す図である。図11に示すように、まず、ステップS201(設計ステップ)において、デバイスの機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップS202(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスク(レクチルR等)を製作する。一方、ステップS203(基板製造ステップ)において、シリコン、ガラスプレート等の材料を用いて基板(シリコン材料を用いた場合にはウエハWとなる。)を製造する。
【0153】
次に、ステップS204(基板処理ステップ)において、ステップS201〜S203で用意したマスクと基板を使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によって基板上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップS205(デバイス組立ステップ)において、ステップS204で処理された基板を用いてデバイス組立を行う。このステップS205には、ダイシング工程、ボンディング工程、及びパッケージング工程(チップ封入等)等の工程が必要に応じて含まれる。
【0154】
最後に、ステップS206(検査ステップ)において、ステップS205で作製されたデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
【0155】
図12は、半導体デバイスの場合における、図12のステップS204の詳細なフローの一例を示す図である。図12において、ステップS211(酸化ステップ)では、ウエハWの表面を酸化させる。ステップS212(CVDステップ)では、ウエハW表面に絶縁膜を形成する。ステップS213(電極形成ステップ)では、ウエハW上に電極を蒸着によって形成する。ステップS214(イオン打込みステップ)では、ウエハWにイオンを打ち込む。以上のステップS211〜S214のそれぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
【0156】
ウエハプロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップS215(レジスト形成ステップ)において、ウエハWに感光剤を塗布する。引き続き、ステップS216(露光ステップ)において、先に説明したリソグラフィシステム(露光装置30)によってマスク(レチクルR)の回路パターンをウエハW上に転写する。次に、ステップS217(現像ステップ)では露光されたウエハWを現像し、ステップS218(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップS219(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。
【0157】
これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、ウエハW上に多重に回路パターンが形成される。
以上説明した本実施形態のデバイス製造方法を用いれば、露光工程(ステップS216)において上記の露光装置30が用いられ、真空紫外域の露光光ELにより解像力の向上が可能となり、しかも露光量制御を高精度に行うことができる。さらに、投影光学系PLの収差を高精度に測定して、その投影光学系PLの結像特性をより正確に補正でき、マスク上のパターンの像をより高精度に転写することが可能となる。しかも、投影光学系PLの収差測定のための露光装置30の運転停止時間を短縮することが可能となる。従って、結果的に最小線幅が0.1μm程度の高集積度のデバイスを高精度に歩留まりよく生産することができる。
【0158】
【発明の効果】
以上詳述したように、本願請求項1及び請求項9に記載の発明によれば、波面収差測定装置を小型化することができて、露光装置に対する装着が容易となり、被検光学系の収差を迅速かつ高精度に測定することができる。
【0159】
また、本願請求項2に記載の発明によれば、前記請求項1に記載の発明の効果に加えて、収差測定光を効率よく分割することができて、波面収差測定装置の一層の小型化を図ることができる。
【0160】
また、本願請求項3に記載の発明によれば、前記請求項2に記載の発明の効果に加えて、簡単な構成で収差測定光を平行光に変換することができる。
また、本願請求項4に記載の発明によれば、前記請求項2または請求項3に記載の発明の効果に加えて、他の方向に偏向された第1の光による迷光の影響を抑制できて、より正確に波面収差情報を検出することができる。
【0161】
また、本願請求項5に記載の発明によれば、前記請求項4に記載の発明の効果に加えて、第1受光素子での検出結果と第2受光素子での検出結果とを合成することで、もとの収差測定光の波面収差情報を容易に算出することができる。
【0162】
また、本願請求項6に記載の発明によれば、前記請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、装置全体を一層小型化することができる。
【0163】
また、本願請求項7及び請求項12に記載の発明によれば、前記請求項1〜請求項6のうちいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、波面収差測定装置を、露光装置に対して基板を保持するホルダの交換装置を用いて装着でき、その装着作業が極めて容易なものとなる。
【0164】
また、本願請求項8に記載の発明によれば、前記請求項1に記載の発明の効果に加えて、各第2の光間でのクロストークなどの影響が少なくなり、各第2の光の測定結果から前記第1の光の波面を復元するための計算時に有利である。
【0165】
また、本願請求項10に記載の発明によれば、前記請求項9に記載の発明の効果に加えて、第1光学系における複数の回転位置における被検光学系の波面収差情報に基づいて、被検光学系の収差情報をより正確に把握することができる。
【0166】
また、本願請求項11に記載の発明によれば、投影光学系の結像特性を精度よく補正することができ、露光精度の向上を図ることができる。
また、本願請求項13に記載の発明によれば、デバイスを高精度にかつ生産性よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 露光装置を示す概略構成図。
【図2】 図1のウエハステージにおけるウエハ交換に関する説明図。
【図3】 第1実施形態の波面収差測定装置を示す概略構成図。
【図4】 図3の受光部を示す断面図。
【図5】 図3の受光部を示す平断面図。
【図6】 図3の分割素子を拡大して示す断面図。
【図7】 第2実施形態の波面収差測定装置の受光部を示す断面図。
【図8】 第3実施形態の波面収差測定装置の受光部を示す断面図。
【図9】 第4実施形態の波面収差測定装置の受光部を示す断面図。
【図10】 第5実施形態の波面収差測定装置の受光部を示す断面図。
【図11】 デバイスの製造例のフローチャート。
【図12】 半導体デバイスの場合における図11の基板処理に関する詳細なフローチャート。
【図13】 従来の波面収差測定装置の概略構成図。
【図14】 (a)は投影光学系に収差が存在しない場合の、(b)は投影光学系に収差が存在する場合の波面収差測定装置における波面収差の計測状態に関する説明図。
【図15】 従来の波面収差測定装置における一改良例の概略構成図。
【符号の説明】
30…露光装置、34…ホルダ、68…搬送系としての搬送システム、81,121,131,141,151…波面収差測定装置、82…収容部材としての受光筐体、88,142,152…第1光学系としての分割素子、83…収差算出装置としての波面収差算出部、90a…第2光学系として第1マイクロレンズアレイ、90b…第2光学系として第2マイクロレンズアレイ、91a…受光装置及び第1受光素子としての第1収差測定用撮像素子、92a…受光装置及び第2受光素子としての第2収差測定用撮像素子、96…入射面、97…反射鏡を構成する反射面、101…隔離部材としての隔離体、103a…反射光学素子及び第1反射面を構成する第2ハーフミラー、103b…反射光学素子及び第2反射面を構成する第2ハーフミラー、104a,104b…射出面、145,153…反射光学素子としてのプリズム、147a,156a…第1反射面、147b,156b…第2反射面、ML…収差測定光、PB1…第1の光としての第1平行光、PB2…第2の光としての第2平行光、PL…被検光学系としての投影光学系、R…マスクとしてのレチクル、RB1…第1の光としての第1反射光、RB2…第2の光としての第2反射光、Rt…生成部材としてのテストレチクル、SL…第2の光としてのスポット光、W,W’…基板としてのウエハ、WS…基板ステージとしてのウエハステージ。
Claims (13)
- 被検光学系の波面収差を測定する波面収差測定装置において、
前記被検光学系を通過した収差測定光を少なくとも2つの第1の光に分割する第1光学系と、
前記少なくとも2つの第1の光のそれぞれをさらに複数の第2の光に分割する第2光学系と、
前記第2の光のそれぞれを受光する受光装置と、
前記受光装置で受光した前記第2の光のそれぞれの位置情報に基づいて前記被検光学系の波面収差情報を算出する収差算出装置とを有することを特徴とする波面収差測定装置。 - 前記第1光学系は、前記収差測定光を該測定光の光軸に対して交差する面内で前記少なくとも2つの第1の光に分割するとともに、前記第1の光のそれぞれを互いに異なる方向に偏向する反射光学素子を有することを特徴とする請求項1に記載の波面収差測定装置。
- 前記被検光学系の結像位置を焦点位置とする凹面を有する反射鏡を有し、前記反射光学素子は、前記被検光学系の結像位置と前記反射鏡との間に配置され、前記収差測定光を前記反射鏡に向けて透過するとともに、前記反射鏡で反射された前記収差測定光を前記少なくとも2つの第1の光に分割することを特徴とする請求項2に記載の波面収差測定装置。
- 前記反射光学素子は、前記少なくとも2つの第1の光のうち、一つの第1の光を第1方向に偏向する第1反射面と、前記少なくとも2つの第1の光のうち、他の一つの第1の光を前記第1方向とは異なる第2方向に偏向する第2反射面と、前記第1反射面で反射された第1の光と前記第2反射面で反射された第1の光とを隔離する隔離部材とを有することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の波面収差測定装置。
- 前記受光装置は、前記第1反射面で反射された第1の光が、さらに前記第2光学系で分割された複数の第2の光を受光する第1受光素子と、前記第2反射面で反射された第1の光が、さらに前記第2光学系で分割された複数の第2の光を受光する第2受光素子とを有することを特徴とする請求項4に記載の波面収差測定装置。
- 前記第1光学系は、前記収差測定光の入射する入射面と前記収差測定光を射出する射出面との間が、前記被検光学系と前記第1光学系との間の媒質よりも高い屈折率を有する媒質で形成されることを特徴とする請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の波面収差測定装置。
- 前記被検光学系は、マスクに形成されたパターンを基板上に転写する投影光学系であり、前記第1光学系と前記第2光学系と前記受光装置との少なくとも一つは、前記基板を保持するホルダと実質的に同一形状の収容部材内に収容されることを特徴とする請求項1〜請求項6のうちいずれか一項に記載の波面収差測定装置。
- 前記第2光学系は、前記第1の光の光軸と略直交する面内に、二次元的に配列される複数の光学素子で構成され、前記第1光学系で前記収差測定光が少なくとも2つの第1の光に分割される境界が、前記複数の光学素子の配列の境界に一致することを特徴とする請求項1に記載の波面収差測定装置。
- 被検光学系の波面収差を測定する波面収差測定方法において、
前記被検光学系を通過した収差測定光を、第1光学系により少なくとも2つの第1の光に分割し、
前記少なくとも2つの第1の光のそれぞれを、第2光学系によりさらに複数の第2の光に分割し、
前記第2の光のそれぞれを受光する受光装置により受光し、
前記受光装置で受光した前記第2の光のそれぞれの位置情報に基づいて前記被検光学系の波面収差情報を算出することを特徴とする波面収差測定方法。 - 前記第1光学系を前記被検光学系の光軸の周りに回転させて、その第1光学系の複数の回転位置で前記被検光学系の波面収差情報を測定し、その複数の回転位置での波面収差情報に基づいて前記被検光学系の波面収差情報を算出し直すことを特徴とする請求項9に記載の波面収差測定方法。
- マスクに形成されたパターンを投影光学系を介して基板上に転写する露光装置において、
前記投影光学系の物体面に配置され、収差測定光を生成する生成部材と、
前記投影光学系の像面側に配置され、前記投影光学系を被検光学系として波面収差情報を測定する前記請求項1〜請求項8のうちいずれか一項に記載の波面収差測定装置とを有することを特徴とする露光装置。 - 前記基板を保持するホルダと、そのホルダを交換可能に載置する基板ステージと、その基板ステージが配置されたステージ室と、そのステージ室の内外の間で前記ホルダを搬送する搬送系とを備え、その搬送系は前記波面収差測定装置の少なくとも一部を前記ステージ室の内外の間で搬送することを特徴とする請求項11に記載の露光装置。
- リソグラフィ工程を含むデバイスの製造方法において、
前記リソグラフィ工程で請求項11または請求項12に記載の露光装置を用いて露光を行うことを特徴とするデバイスの製造方法。
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