JP4590711B2 - 情報提供システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、歩行速度で移動する旅行者に情報提供をしたり、目的地へ経路案内をする情報提供システムの構成法に関する。またそのシステムを利用して、旅行者以外の他者に対して旅行者の位置情報を提供するサービスにも関する。
【0002】
【従来の技術】
日本では、目下急速に高齢化が進展している。それに伴い、社会生活上必要な活動に対し適応性を欠いたり、対応に時間を要したり、情報不足からくる戸惑いや動転をもたらすといった人々が増加している。また、何らかの障害を持つ社会生活上の弱者と言われる人々に対するバリアフリー化の要求も高まっている。更に健常者においても携帯電話型情報通信端末を使用して屋外から各種情報にアクセスできる状況となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、現在、これら様々な人々に、夫々必要な情報を個別に提供しうる位置情報提供システムはなかった。
【0004】
高度情報通信社会の実現の中で、国家的プロジェクトであるITS( Intelligent Transport Systems 高度道路交通システム )においても重要な開発テーマの1つになっている。「歩行者ITS」と通称されるこのプロジェクトは、IT(Information Technology 情報技術)を活用して歩行者等が安全かつ安心して移動できる歩行者のための空間を作り、歩行者の環境条件を向上させる事によって、歩行者の利便性や快適性の向上、交通事故の減少等の実現を目指している。
【0005】
上記プロジェクトでは「歩行者」という言葉が使用されている。しかし、「歩行者」は、視覚障害者(A)、聴覚障害者(B)、発声困難者(C)、車椅子利用者(D)、歩行に時間がかかる人(E)、健常者(F)、等と多岐にわたっていると捉えるべきであろう。そこで、ここでは「歩行者」の代わりに「旅行者」と呼ぶことにする。上記の如く区分した場合、各区分に属する旅行者が各人それぞれ利便性や快適性を享受するためには、できうる限り各人にとって最良のサービス方法を実現したい。即ち、「旅行者一人一人に対応できるシステムの構築が必要である」と考えるべきである。しかもシステムおよび提供するサービスは経済的に実現され、かつ運用されなくてはならない。システムの実現には多くの知恵を集積する必要があるように思われる。特に、次の3項目については十分な検討必要となる。
【0006】
(1)最適な携帯情報端末に何を使用するか。情報提供や経路誘導を旅行者一人一人に対応しようとすれば、各旅行者は携帯情報端末を必要とする。高価でかつ使い勝手が複雑な端末は旅行者自身にとって経済的にも、使用面でも大きな負担となる。またこの負担が旅行者の加入数に制限をもたらすとすれば、システムの普及やサービスの運用もおぼつかなくなる。旅行者が使用する情報通信端末を、小型、軽量、安価にしたい。一般に、旅行者が歩行中に情報提供を受ける限り、一回当たりの情報量は多くても役に立たないと思われる。できれば最も一般的な情報通信端末として広く普及している携帯電話型情報通信端末を使用することはできないか。ここで言う携帯電話型情報通信端末とは、NTTドコモが提供しているiモードサービスに対応しているものの類である。そして、視覚障害者には「音声」、その他の旅行者には音声または表示、もしくは音声と表示の組合せで実施できれば見通しがたつ。
【0007】
(2)旅行者を目的地へ経路誘導する手段をどのように実現するか。視覚障害者Aは自身の目を利用して目的地への経路を見つけ出すことはできない。触覚、聴覚を有効に活用できる手段を提供する必要がある。従来から「点字ブロック」を使用してきているが、これに置き換わる手段があるか。または、「点字ブロック」をもっと有効活用する方策はないか。加えて、視覚障害者用の経路誘導は不可避なのだから、他の旅行者にもその仕組みを利用できるようにシステムを構築し、システムの価値を高めることはできないか。例えば車椅子利用者Dの場合や、歩行に時間がかかる人Eには有効に適用できるものと思われる。車椅子の利用者Dの場合、視野の中に目的地が入って方角や距離が推定できたとしても、段差のないルートを独自で選択することは困難であろう。また歩行に時間のかかる人Eの場合も、階段が少なくしかもゆっくり安心して通れるルートの経路誘導は有益に思われる。 聴覚障害者B、発声困難者C、健常者Fにも有益に活用する方法が見つけられないか。
【0008】
(3)最適な情報提供の場所の位置精度や情報提供の方法は如何にあるべきか。個々の旅行者に個別の情報提供を実現しようとすれば、各旅行者の「位置の把握」が不可欠である。この位置の把握法も種々の方法が存在する。それらは測位許容条件、測位精度、ハードウエアの煩雑さ等でそれぞれ特徴がある。どの方式を採用するべきかの検討が必要である。
【0009】
旅行者への情報提供を考えると、一番厳しく精度が要求されるケースは視覚障害者Aの場合と考えられる。視覚障害者の場合、触覚と聴覚が頼りである。情報提供される内容と実際に取得する感覚との間に乖離が大きいと旅行者は不安になる。この点を解決するには位置精度に依存する領域が大きそうに思われる。ある存在物の場所を情報提供することは簡単そうに思えるが、実際には結構大変である。それにも拘わらず、旅行者への情報提供の主要な部分は、この「存在物の場所」が占める。
【0010】
場所の案内は通常次のようになされる。まず旅行者の身近な所に基準点を決め、そこを起点にしてそこからの方角と、距離の情報を提供する。一例を挙げると、「次のコーナー(起点)を右折(方角)して10m(距離)先にトイレがあります」のようになる。これから分かるように、起点は旅行者から極く近い場所、方角は「右」、「左」の使用頻度が高い、そして距離は見通せる距離以内、が望ましいことがわかる。視覚障害者の場合は「起点」を確実に把握できるような工夫も必要である。また方角を示すには、旅行者の進行方向も把握しないといけない。
【0011】
一方、場所に関係しない情報、例えばイベント情報や商品の広告宣伝と言った情報は情報提供エリア内の任意の場所で受信しても構わない。旅行者の進行方向も無関係と考えて差し支えない。
【0012】
このように異なるタイプの情報が混在するシステムが実際には必要である。この場合、システムの構成条件は、厳しい要求を満足させる条件と合致する。
【0013】
上記3項目の解決には、関連する領域の知識を正しく活用する必要がある。主要なものについて整理する。1つめは、HMI(Human Machine Interface)についてである。HMIは旅行者の区分によって最適な方法が異なる。図15を利用して個々の区分の最適なHMIを整理する。HMIとしては、液晶等の「表示」によるもの、音声(音を含む)によるもの、および振動(バイブレータ)によるものの3つが現実的な手段として広く使用されている。これらのHMIは携帯電話においても普通に使用されているものであり、コスト面でも妥当なものである。さて、視覚障害者A場合は、当然の事であるが、「表示」は適用不可である。音声または振動が考えられる。聴覚障害者Bの場合は、情報提供に「音声」の利用はできない。表示または振動を利用することになる。発声困難者C、車椅子利用者D、および歩行に時間がかかる人Eにおいては、「表示」、「音声」、および「振動」のいずれにおいても適用可能である。しかし、留意すべきは手や腕を多用途に使用する場合が多いことである、手や腕の自由度を制限する方法は避けることが望ましい。健常者Fについては、3つの手段のいずれも適用可能である。
【0014】
次にHMIの手段としての、「表示」、「音声」、「振動」について説明する。表示は視覚を利用できるのでHMIとしては多くの情報量を提供できる利点がある。しかし、多くの情報量を提供するには表示面に大きさを必要とすることになり、機器が大きく、重く、コスト高、使用可能時間が短い、携帯性の低下、等をもたらす面がある。
【0015】
音声の場合は、表示の持つ不都合をほぼ一掃できると考えて良いが、逆に短時間に提供できる情報量には限界がでる。
【0016】
振動の場合は、図15の6区分すべてに適用できる。旅行者以外の他人におよぼす影響がないので貴重なHMIになりうるが、次の弱点を持つ。触覚に頼る振動はエネルギーの消費が大きく、その割には情報の伝達量が少ない点である。通常は情報の有無、即ち1又は0の2値の情報提供として利用されることが多い。
【0017】
以上のことから、HMIとしては「音声」と「表示」が旅行者区分に対応して必ず必要であり、「振動」についてはそれらの補助手段として役立つことがわかる。そしてこれらのHMIは通常の携帯電話型情報通信端末には一般的に使用されているので、携帯電話型情報通信端末を利用することは可能である。
【0018】
2つめは、経路誘導についてである。視覚障害者Aにとっては経路誘導の重要性が高い。通常、視覚障害者は杖を使用し、その杖で進行方向の障害物の検知、通路状態の変化を予知する。したがい杖の先からの情報を触覚や聴覚を鋭敏にして、また足裏からの情報に対して触覚を鋭敏にして、入手する。杖を手に持つ関係から、杖は軽くなくてはならない。目的地への経路の案内は、既に従来から次の方法が実現されている。即ち、通路上に設置された図1および図2に示すような点字ブロックの集合体が歩行ルートのガイドラインを構成する方法である。即ち、点字ブロックという物理的手段により通路を限定して特定し、かつ目的地までの通路をネットワーク化している。但し、個々の目的地を個別に誘導できる仕組みは備えていないから、その使用法は限定されたものである。例えば、「駅で切符販売機の所在場所から改札口へ誘導し、更にプラットホームへ誘導する」といった、分岐のノードっを含まない、線状の経路誘導路が実現されている。視覚障害者は、この物理的手段のネットワークを杖からの触覚や足裏の触覚により検知して、ネットワーク上を誘導されて行く。
【0019】
この物理的手段の通路ネットワークは旅行者をそのネットワーク上に拘束する。したがい、旅行者に最適な場所で情報提供することを容易にする。これはこの方式が持つメリットである。このネットワークをITで武装化すると高度な経路誘導が実現できる。また物理的ネットワークは肉眼でも確認できる。応用次第では、視覚障害者以外でもこの物理ネットワークを利用できる。反対に問題点は、この物理的ネットワークが現在非常に限定された場所にしか設置されていないことである。
【0020】
3つめは「音声」の活用法である。「音声」の利用はシステムや端末機器が経済的に構成できる。また、旅行者が端末機器を手に持ち、「表示部」を見ながら歩行する必要はない。携帯電話型情報端末機を容易に活用できる可能性がある。しかもハンズフリーマイクロフォンとイヤホンのアクセサリーも一般化されて使用されている。これを使えば端末機器を手に持ちつつ使用することもなくなるから、旅行者に手の自由度を増すメリットを提供できる。これらは「音声」利用の大きなメリットである。この場合、聴覚障害者Bへの情報提供はできないが、それ以外の旅行者には適用できる。現在インターネットにおける情報の取得は文字、画像で得られるものがほとんどである。しかし、旅行者への情報提供においては「音声」の利用を推進する意義とその効用はある。
【0021】
4つ目は「表示」の活用法である。視力が利用できる旅行者には「表示」による情報提供ができる。携帯電話型情報通信端末は小さい表示画面を有効活用して効果的な情報提供をしている。この方法を利用するのも1つの方策である。また、旅行者に共通でかつ時間的に情報が変化しないような表示、例えばトイレットと言ったもの、については適切な場所にその「案内板」を設置すればば有効に機能する。この方法は経済性の点でメリットが生かせる可能性がある。例えば、点字ブロックによる通路ネットワークと案内板を組み合わせる方法もある。一方、「案内板」に相当するものとして、システムのインフラ側にCRTやプラズマディスプレイのような「電子表示装置」を用意することは可能である。このような手段を活用すると時々刻々変化して行く情報提供が可能となる。一般に、「表示」においては画像や動画を提供してその効果を最大化できるが、そのためには多くの情報量を必要とする。これを無線回線経由で個々の旅行者に伝送することは、システムの経済性や周波数の有効利用の観点から一般には馴染まない。しかし、上述のようにシステムのインフラ側に直接接続するとこの問題は容易に解決ことはできる。ブロードキャスト型として多くの旅行者に効果的な情報提供も可能である。
【0022】
5つ目は、旅行者の位置情報の取得法である。旅行者への情報提供は、旅行者の位置情報がトリガーとなって開始される。即ち、ある旅行者の存在場所がシステム内で検知された場合に、システムはその場所のその旅行者に対して、あらかじめ決められている情報提供を行う。位置情報の取得には幾つかの方法がある。例えば、自動車のカーナビゲーションシステムではGPS(Global Positioning System 全地球位置把握システム)が広く普及しているし、PHSにおいては無線基地局の位置情報を利用する方法が普及している。 GPSの測位原理についてはオーム社の移動通信ハンドブックを始め幾つかの説明資料が発行されているのでここでは触れないが、位置情報としては、GPS端末機の所在する場所の絶対測位情報として、その場所の緯度、経度情報を得ることができる。したがい、この測位情報を旅行者の位置情報として使用することは可能である。但し、GPSには次のような不都合も存在する。
【0023】
最も普及しているGPS測位法において、比較的条件が良い場合の測位精度でも精度は10m程度の誤差を伴う。条件が悪化すれば誤差は拡大する。DGPS(Differential GPS)を採用すれば精度や感度を向上する方法も実現できるが、コストアップ要素が増す。電波伝搬の関係で建物内や地下街等では測位不可能となることが多い。高さ方向の誤差が一般的に大きいために、建物において階数の特定は困難が多い。測位演算処理は消費電力が多く、携帯端末用としては不向きである。コスト面でも不利である。
【0024】
一方、PHSで採用している方法は、アクセスする無線基地局の位置情報(絶対測位)を流用している。それ故旅行者の位置情報としては、実際には誤差が存在し、その最大値は通信可能エリアの外周までの距離となる。したがい、100mオーダーの誤差は許容して使用せざるを得ない。複数の無線基地局との間の通信時間差を利用して、位置精度を上げる方法も実用化されてはいるが、それでも数10mのオーダーの誤差は許容せざるを得ない。ところで、PHSと同じく無線基地局の絶対位置を利用する方法のシステムでは、通信可能エリアを小さくすることにより無線基地局と旅行者の絶対誤差は減少して行く。この方法は、既に旅行者の所在が点字ブロックのような物理的通路ネットワーク上に決まっている条件下では、旅行者への情報提供サービスに上手く利用できる。例えば秒速2m(時速7.2Km)で歩行する旅行者を考える。この旅行者は高速移動者と考えて良い。そして、無線基地局の通信可能エリアは半径10mとする。この時旅行者は無線基地局より10m手前から通信が可能となる。そして、無線基地局を超えて通信エリア外に至る迄10秒間程度の通信可能時間を確保できることになる。実質の通信時間が仮に50%であるとしても、十分旅行者に情報提供は可能である。
【0025】
6つ目は、旅行者の進行方向検出の必要性である。旅行者がある地点を通行しているとする。この時旅行者に情報提供することを想定する。この地点において、旅行者の進行方向に関係無く情報提供されたらどうなるだろうか。例えば、「この先を右折すれば5m先にトイレがあります」と情報提供されたとする。正しく情報を受け取れる旅行者は問題ないが、反対方向から近づいて来る旅行者は、全く異なる方向にトイレの所在を情報提供されてしまう。視覚を使える旅行者にとっては状況判断から情報提供の不適切さを認識し、トイレを見つけることはできる。しかし視覚障害者Aは全く混乱してしまうであろう。上の例では文中の「右折」に問題発生の要因がある。しかし、この言い回しはごく普通に使用されるものであり、もしこれを簡単な言い回しで、しかも分かりやすい文にしようとすると、なかなか適切な文が用意できないのである。
【0026】
旅行者の進行方向の検出手法には別の方法も存在する。例えばシステムがある地点を通過した旅行者の通過時間履歴を管理しているものとする。この場合は、過去の履歴を参照することにより旅行者の進行方向を決定できる。時間軸上で通過地点のサンプリングがなされているからである。しかしこの場合も、厳密に言えば、サンプリングにおける分解能以下の旅行者の挙動がある場合は、それに対して何らかの対策が必要になる場合もある。
【0027】
7つ目は、周波数の有効利用の観点からの見方である。無線通信においては、通信回線を確立するためにはインフラ側の無線基地局か旅行者の情報通信端末機のどちらかから相手の存在を確認する作業が必要となる。これは電波の発信者がどちらであろうとも、絶え間なく電波が発射されることを意味する。電波の発射は間欠的である場合もあるし、連続的な場合もある。周波数の有効利用の観点から言えば、電波の発射は必要最小限で有るべきである。他システムへの電波干渉等を考慮すれば、極力電波発射は少なくしたい。
【0028】
まず、インフラ側の無線基地局が絶え間なく電波を発射する場合を考える。この時は、システム内の全ての無線基地局が絶え間なく電波を発射し続けることになる。たとえシステム内に旅行者が一人も存在しない時間帯においてもである。今度は、旅行者の携帯型情報通信端末が絶え間なく電波を発射し続ける場合を考える。この時は、旅行者と無線通信が確立できるインフラの無線基地局のみが対応すればよい。しかも旅行者は、一定時間のうちにシステム外に出てしまう可能性もあるし、システム外では電波発射をしないように制御する方法も考えられる。この場合の難点は、エネルギー使用制限の厳しい携帯型情報通信端末にエネルギー消費の負担を増すことである。
【0029】
従って、本発明の目的は、情報通信手段を所有し歩行速度で移動する旅行者に対し、最適な場所で的確に情報提供および経路誘導ができる銃砲提供システムを提供することである。
【0030】
【課題を解決するための手段】
本発明において、通路上のノード及びターミナルポイントの無線通信装置と通路上の旅行者が携帯する移動通信端末との間で無線通信する情報提供システムであって、移動通信端末の保有する個別信号から旅行者を特定し、旅行者に応じた情報を提供する中央処理装置を有し、ノードまたはターミナルポイントの無線通信装置は、通路上の移動物体の有無を把握する移動物体検出装置を具備し、移動物体の存在するときのみ無線通信装置は電波を発射する。また、移動物体検出装置は移動物体の進行方向を検知する機能をさらに有し、中央処理装置で作成された旅行者の位置情報履歴と検知した移動物体の進行方向を参照して旅行者の移動方向を検出する。
【0031】
【発明の実施の形態】
図3は特定された地理的および空間的エリア内における、本発明の必須構成要件をなす通路ネットワークを示す。この実施例においては、物理的な通路ネットワークの構成は、通常使用される点字ブロックを使用した場合について説明される。10〜19はリンク、20〜23はノード、30〜37はターミナルポイント、40はターミナルポイント間結合部である。これらのリンク、ノードおよびターミナルポイントは図1、図2に示されるような特定形状の点字ブロックの集合体で形成される。ブロックの表面は両図に示されるような図形が凹凸によって作られている。図1に示すブロックは通路がまっすぐ延びている場合に使用される。図2のブロックは通路に変化が生じる場合、例えばノードが有る場合とか通路が折れ曲がる場合とか或いは階段が接続している場合等に於いて、旅行者に状態の変化を知らせるために使用される。即ち、これらは視覚障害者の通行支援用として通常用いられているものである。ブロックはタイル製、ゴム製、合成樹脂製等のものが通路面に設置されることが一般的である。
【0032】
図4は本発明の必須構成要件をなす情報通信手段50を示す。ノードまたはターミナルポイントに設置されるものである。情報通信手段50は個々の情報通信手段を識別可能とするために、個別信号発生器510を具備している。
【0033】
図5は情報通信手段50のアンテナ部550の構成例である。この構成例はノードに設置される場合について示している。
【0034】
図6は本発明の必須構成要件をなす旅行者の情報通信手段60を示す。情報通信手段60は個々の情報通信手段を識別可能とするために、個別信号発生器610を具備している。
【0035】
図7は情報提供システムの実施例について示す。この図は情報通信システムについて実施例を記載するものであり、発明の必須要件である通路ネットワークは記載されていない。通路ネットワークは図3による。
【0036】
図7中の1はインターネットのネットワークを示す。M(M>1)個のユーザ端末2(M)はインターネット1に接続されている。N(N>1)個のデータ信号伝送路3(N)は中央処理装置7とノード又はターミナルポイントの無線通信装置5(N)間の双方向通信を司るケーブルである。図7では無線通信装置5(N)と同数のケーブルが使用される場合を記している。図形4は無線通信装置5(N)と旅行者の情報通信端末6(P)とが双方向無線通信されることを示している。無線通信装置5(N)は情報通信手段50と情報処理装置55を構成要素に含む。情報処理装置55はデータ信号伝送路3(N)を介して中央処理装置7のLAN71に接続される。旅行者の情報通信端末6(P)は情報通信手段60、情報処理回路62およびHMI(ヒューマンマシンインターフェース)部63を構成要素に持つ。旅行者への情報提供はHMI部63を介して実現される。
【0037】
図8は図3の通路ネットワーク上の一部において、図7の情報提供システムがサービスされる空間領域201,202,203,301および311を図示するものである。リンク10,11および12,ノード20、ターミナルポイント30および31は図3のものと同一である。空間領域201,202および203はノード20に、空間領域301はターミナルポイント30に、空間領域311はターミナルポイント31にそれぞれ属している。
【0038】
次に、図1〜図8を使用して本発明の実施例の動作の説明説明する。図3は駅前広場であるとする。また旅行者は「視覚障害者」とする。したがい旅行者は盲人用杖を使用している。杖は一般に盲人が使用しているものであり、特別な装置が加えられてはいないものである。また旅行者は図6の情報通信手段60を構成要素とする、図7に示す情報通信端末6(P)を携帯している。
【0039】
旅行者が駅前広場に近づいて来て、図3のターミナルポイント30に到達する。ターミナルポイント30に設置された図4の情報通信手段50は特定の方法により旅行者の近接を感知し、前記旅行者の情報通信手段60との間に通信路を開設する。ターミナルポイント30は図2に示す点字ブロックの集合体で構成される。そして、そこから図1の点字ブロックの集合体で構成されるリンク10が伸びてノード20に至る。情報通信手段50の構成例としては、次のものがある。ターミナルポイントの側部にポールが設置され、その上部にアンテナ550がターミナルポイント近傍を受信可能エリアとするように下方に指向性を有して設置される。その他の構成要素はアンテナと同じ場所でも良いし、別の場所でも構わない。前記の旅行者の近接を感知する方法の一例としては、例えば情報通信手段50が一定の時間間隔でアンテナから電波を発信し、旅行者の情報通信端末6(P)からの応答の有無を確認する方法がある。
【0040】
情報通信手段50と情報通信手段60との間で通信路が開設されると、情報通信手段50から情報通信手段60に向けて情報提供が開始される。提供される情報の内容は場所の案内に関するものが主体であるが、その他にも催しものの案内や交通機関の運行状況に関する情報、緊急案内情報等各種ある。どの情報が旅行者に提供されるかについては、事前のサービス主体との契約に依存する。この契約に基づくサービスメニューは、例えば、視覚障害者A用、聴覚障害者B用、車椅子利用者D用、健常者F用といったカテゴリーに分かれている。これは旅行者の必要とする情報の提供の仕方には自ずから違いがあるからである。一例を紹介すると、視覚障害者用では、駅前広場におけるトイレの場所、バス乗り場、駅の改札口、横断歩道の場所、階段の有無の報知といった場所に関する情報にウエートが高く、これを音声案内する事が望ましいが、聴覚障害者用では同じ場所の案内でも地図表示によるものが必要となる。車椅子利用者の場合は音声でも地図表示でも可能であるが、段差の少ない通路の案内をしようとすれば、音声案内と表示方式を用いて経路誘導する方が旅行者にとって具合が良い。健常者においては、場所の案内等の情報は必要最小限にして、各種イベント情報等を案内することが適している。
【0041】
さて、タ−ミナルポイント30の地点で、情報通信手段から「ここは駅前広場の西口です。ここからは駅の改札口、バス乗り場、国道の横断用地下道、公衆トイレ、駅前交番に道案内が有ります。通路の点字ブロックに沿ってお進み下さい。」の情報を受信する。この情報提供により、旅行者はこの駅前広場の概要について知ることができる。そして、旅行者は杖を使用してブロックをたどりながらリンク10を進みはじめる。旅行者はやがてノード20に近づくが、その直前にノード20に属する空間領域201が存在し、ここで次の情報提供がはじまる。情報提供の実行方法はターミナルポイント30の場合と同じである。ここでは、「駅の改札口は右折して20m先に有ります」が受信される。即ちノード20を右折してリンク11に沿って20m行くとターミナルポイント31に到着して、駅の改札口に至る。したがい、駅に行きたい旅行者はノード20を右折すれば良い。ターミナルポイント31では、再度改札口の案内を提供することも可能であるし、改札口が解りやすい場合には案内が省略されることもある。
【0042】
駅に行かない旅行者はノード20をそのまま直進して、さらにリンク12をたどり、やがてノード21に近づく。ノード21における情報提供の実行方法はノード20の場合と同じである。ここでは、「左折して50m先にバスターミナルがあります。乗り場の案内はバスターミナルでなされます」の情報提供がなされる。ターミナルポイント32はバスターミナルに存在する。ターミナルポイント32ではバス乗り場の詳しい案内が提供される。それ故、バスを利用する場合はノード21を左折する。バスを利用しない旅行者はノード21を直進しリンク14に沿って進み、ターミナルポイント33に近づく。ターミナルポイト33の先は階段40がある。ターミナルポイント33では、「この先上り階段があります。段数は20段です。上りきると片町方面に行けます。交番、公衆トイレへは階段を上って下さい」の情報提供がなされる。
【0043】
以上の説明から、ターミナルポイントは1つの空間領域を持ち、ノードは接続されるリンク数分の空間領域を持つことが理解できる筈である。このような構成法を必要とする理由は、図1の通路ネットワーク上を歩く旅行者の進行方向を判定するためにある。これについては後で詳しく説明する。
【0044】
このように通路上にブロックの集合体で通路ネットワークを構成し、そのネットワークのノードやターミナルポイントで必要最小限の情報を適切に提供することにより、旅行者を不安にすることなしに所望の場所に案内したり、効果的に情報提供することができるわけである。
【0045】
今、図1のようなブロックの集合体による通路ネットワークが無くて、通信手段による情報提供のみが駅前広場の幾つかの場所で行われたと想定する。確かに情報は提供されるから、広場の概要は知ることはできる。しかし肝心の行き先へ誘導する手段がないので、どう行動すべきかが明確にならず、旅行者は不安になることは明白である。以上説明したように、この発明は上記の不都合を解決し、的確に旅行者に経路誘導をしたり情報提供をすることができる。
【0046】
さて、今まで旅行者は視覚障害者であるとして説明してきた。確かにそれ以外の旅行者は自分の視力を用いて周辺の状況を判断できる。今まで述べて来たような通路ネットワークは絶対必要な設備ではない。しかし、視覚障害者用に用意されたこの通路ネットワークは、その基本的構成法が理解されると他の旅行者にとっても有効である。それは点字ブロックが視力でも確認できることによる。例えば視覚が正常な人の場合においても不慣れな場所においては視野が狭くなりがちである。仮に100m先が良く見える人であったとしても、10m先の「トイレ」を瞬時に見つけることは結構難しい。なぜならば、「トイレ」の表示は一般には小さい見難いものであるし、また形状が一見してそれとわかる特徴でももっていない限り特定することは難しい。その近くまで足を運んで確認する必要がでるのである。ましてや夜のように視界がきかない時は視覚障害者と同様に考える方が正解である。このような場合、路上の点字ブロックをたどれば目的地に到達できると言う知識を旅行者が獲得できれば、この点字ブロックはほとんどの旅行者にとって優れた経路誘導機能を発揮する。この場合には、視覚障害者以外の旅行者用として、ターミナルポイントやノードに音声案内の代わりに案内板を設置することもできる。
【0047】
続いて、ここでは前述の実施例に使用される、情報通信手段について説明する。図4はノードまたはターミナルポイントに設置される情報通信手段50である。情報通信手段50は、送信信号入力端子501,個別信号発生器510,送信信号合成器520,変調器530、送信出力部540、アンテナ部550、増幅器560、復調器570、受信信号合成器580、受信信号出力端子502およびアンテナ切替スイッチ制御信号入力端子503を主要構成要素としている。送信信号入力端子501は旅行者に情報提供するための信号の入力部である。信号は入力端子501に接続している情報処理装置55から送られてくる。個別信号発生器510は、この発生器が組み込まれる情報通信手段50に固別番号を付与するために用意される。個別番号は2進法による特定の数値を選択する方法が採用される。例えば2進法で10桁の数字が選択できるようにすれば、1024通りの異なる個別番号をつくることができる。20桁では実に百万以上の個別番号をつくれることになる。今仮に特定の個別番号を付与された情報通信手段50が駅前広場のターミナルポイント30、即ち「駅前広場の西口」に設置されたとすると、この「駅前広場の西口」と「個別番号」は一対一の対応を持つことになる。したがって個別番号に対応している個別信号を管理すれば、容易に場所を特定することができる。
【0048】
送信信号合成器520は入力端子501からの入力信号と個別信号発生器510の信号出力を合成して送信信号を作成する。また、送信信号合成器520では旅行者の情報通信手段60がこの情報通信手段50の信号を受信する際に信号同期が取りやすくなるようにプリアンブル信号を付加する機能も有する。送信信号合成器520の出力信号は変調器530に送られ、送信出力部540を経由してアンテナ部550から電波として発射される。この時、情報通信手段50の送信部は一定周期の間欠送信機能を有していて、同一の情報が繰り返して送信されている。このための制御信号は55の情報処理装置でつくられ、入力端子503に入るアンテナ切替スイッチ制御信号を利用して実施される。
【0049】
ところで図8に示すように、ターミナルポイント30において情報提供システムがサービスされる空間領域301は1つである。したがい図4のアンテナ部は図5の構成より簡略化可能である。即ちアンテナ素子556の配置箇所は1カ所で良いからアンテナ切替スイッチ554は不要であり、アンテナ素子556は接続用ケーブル555を介して直接アンテナデュープレクサ553に接続することができる。このようにターミナルポイントではアンテナ切替スイッチを不要とできる場合が多い。但し入力端子503からのアンテナ切替制御信号は間欠送信の制御も担当するので省くことはできない。
【0050】
一方旅行者の情報通信手段60は図6に示されている。信号入力端子601は端末側の情報処理回路62からの信号入力部である。情報処理回路62からの信号は、旅行者が中央処理センターに対し何かの情報をリクエストしたい場合等に発生する。旅行者が単に情報提供のみを期待している場合には入力端子601への信号入力はない。個別信号発生器610はこの旅行者の情報通信手段60に個別番号を付与するためのものである。個別信号発生器610の機能は情報通信手段50における個別信号発生器510と同一である。
送信信号620,変調器630、送信出力部640、およびアンテナ部650については、それぞれ前述の情報通信手段50のものと同一の機能を有しているが、形状寸法、重量等は携帯性を優先する関係で異なる場合もある。
【0051】
さて、図4のアンテナ部550から発射された電波は図6のアンテナ部650でキャッチされる。受信波は増幅器660で増幅され、復調器670で復調される。復調された受信信号は受信信号合成器680で先の個別信号発生器610の出力と合成され信号出力端子602を経由して情報処理回路62に送られる。この時信号出力端子602を経由する信号には、情報通信手段50の個別信号、情報通信手段60の個別信号、旅行者への提供情報が含まれている。
【0052】
もう一つ必要な機能がある。情報通信手段60は情報通信手段50からの信号が完全に受信できた場合に、自己の所有する個別信号を相手側の情報通信手段50を経由して情報処理装置55に返答する必要がある。何故ならば、情報処理装置55はこの個別信号を中央処理装置7に伝送し、中央処理装置7から提供すべき情報のメニューの指示や情報提供の有無の指示等を受けるからである。また、後述の位置情報提供サービスを実現するためにも、情報通信手段60の個別信号を入手し、中央処理装置7に伝送する必要がある。
【0053】
この情報通信手段60の個別信号は個別信号発生器610で作られ、送信信号合成器620,変調器630、送信出力部640を経由してアンテナ部650から情報通信手段50に送り返される。アンテナ550で受信された情報通信手段60からの電波は増幅器560,復調器570を経由して受信信号合成器580に至る。受信信号合成器では個別信号発生器510の信号が合成される。かくして信号出力端子502を経由する出力信号には、情報通信手段60の個別信号、情報通信手段50の個別信号、および必要に応じて情報通信端末6から入力された旅行者のサービス要求情報が含まれる。そしてそれらは情報処理装置55に伝送される。この一連の信号送出、受信制御は情報通信手段50が主導権を持って実行する。
【0054】
尚ここまでは、システムが正常に機能する場合について説明してきた。しかし現実には機能の低下を避けるための対策が必要である。特に次に説明する2項目を解決しておかなければならない。2項目とも情報提供システムがサービスされる空間領域において無線通信方式が使用されることに起因するものであり、システム稼働の高信頼性を確保するためには、対策が必要である。1番目は、空間領域間の相互干渉問題が発生する場合の対策である。2番目は、情報提供システムがサービスされる空間領域に複数の旅行者が存在する場合の対策である。両者とも、しかるべき技術を採用して解決できるが、その説明は本特許に直接関わることではないので省略する。
【0055】
さて、具体的な情報通信システムにおける通信方式について説明する。このような情報提供システムは社会のインフラとして便利なサービスを提供しうるものであるが、旅行者は携帯型の情報通信端末6(P)を少なくとも必要とする。その際、旅行者は大きく、重く、操作が複雑な端末を携帯することには抵抗を感じてしまう。できる限りシンプルな情報通信端末を実現すべきである。まず、情報通信手段50および情報通信手段60について考える。ここには次の3通りの方法が現実に適用できる。1番目はブルートゥースの採用である。小型、軽量、安価という面では優れている。2番目はITSで使用されるDSRCを活用する方法である。これは5.8GHz帯の高周波を使用するので機器を小型化し易いことに加えて、多くの車載搭載用機器が市場に出回るので部品の共用化等による経済的な効果を得ることができる。3番目はPHSのアドホック通信を活用することである。アドホック通信は通信料を無料とする可能性があり、かつそのPHS端末を公衆通信用としても併用できる可能性を有するからである。
【0056】
前述の実施例において、旅行者はターミナルポイントやノードにおいて適切な情報提供が受けられると説明した。例えば、ターミナルポイント30における、「ここは駅前広場の西口です。ここからは駅の改札口、バス乗り場、国道の横断用地下道、公衆トイレ、駅前交番に道案内が有ります。通路のブロックに沿ってお進み下さい。」や、空間領域201における、「駅の改札口は右折して20m先に有ります」と言った情報提供である。しかしこれらの情報提供内容は、旅行者がサービス主体と契約するサービスメニューによって異なる。また「駅の改札口は右折して……」と情報提供するのは、配信する情報量を少なくしつつ、かつ旅行者が理解し易い方法として極めて日常的に使用される方法であるが、「旅行者の進行方向」が把握されていなければ実現できないことは明白である。これらのことから情報提供サービスは、旅行者に対して、個別対応する仕組みが必要である。これを可能とするために、情報通信手段50と情報通信手段60が固有の番号を所有する。その固有番号を中央処理装置7に伝送するために、それぞれが個別信号発生器を具備することは既に説明した。またノードに接続されるリンクにそれぞれ空間領域を設置することも述べた。ここではこの実施例を具体的に説明する。サービスは図7における中央処理装置7と情報処理装置55および情報通信手段50の協調によって実現される。
【0057】
まず中央処理装置7が管理すべきものについて示す。それらは管理すべきエリア内の各ターミナルポイントの固有番号(または個別信号)C1、各ノードの固有番号(または個別信号)C2、各ノードにおける、情報提供システムがサービスされる空間領域の構成(またはアンテナの配置)C3、各情報提供システムがサービスされる空間領域において、隣接する情報提供システムがサービスされる空間領域C4、旅行者の契約しているサービスメニュー区分C5、旅行者の情報通信手段60が特定の空間領域を通過した時間記録C6、等である。
【0058】
次に情報処理装置55が管理するものは、所属するターミナルポイント又はノードにおいて情報提供サービスすべきコンテンツJ1、付近の地図表示用データJ2、等がある。
【0059】
実施例について、図8の通路ネットワークを利用して説明する。今旅行者がターミナルポイント30に左側から近づいてくる。空間領域301に入ると無線通信装置5(N)の主導で旅行者の情報通信端末6(P)に対し無線回線確立の手順がなされ、確立後に旅行者の情報端末6(P)の情報通信手段60からの個別信号が無線通信装置5(N)を経由して中央処理装置7に伝達される。中央処理装置7ではサーバ72がデータベース73を参照しながら、情報通信手段60の個別信号を検索して旅行者を特定する。旅行者が特定できた場合は、旅行者があらかじめ契約済みのサービスメニューにしたがって情報提供するように無線通信装置5(N)の情報処理装置55に指示を出す。これによって旅行者は情報提供サービスが受信できる。同時にサーバ72は、旅行者がタ−ミナルポイント30に到達した時間として、個別信号到達時の時間をデータベース化する。一方、サーバ72が旅行者を特定できない場合もある。その際は、「一定時間無線回線を遮断する」ように情報処理装置55に指示を出し、情報処理装置55は情報通信装置50を制御して無線回線を遮断する。説明でわかるように、ターミナルポイントやノードに関する固有の情報コンテンツは情報処理装置55に収容されている。しかしコンテンツのメンテナンスは作業効率の関係から中央処理装置7で実施される。
【0060】
さて、旅行者はリンク10を経由してノード20に属する空間領域201に達する。ここでも、ノード20の無線通信装置5(N)の主導で無線回線確立の手順がなされる。ノード20の無線通信装置5(N)がターミナルポイント30のものと異なるところはアンテナ部である。ノード20ではリンク毎にアンテナを設置して、これらのアンテナを時分割で利用しながら回線の確立を図る。したがい、旅行者が空間領域201において無線通信確立がなされると、空間領域301の場合と全く同様のプロセスが実行される。但し、ノードにおいてはアクセスポイントと異なるプロセスが存在する。ノード20のどのアンテナで旅行者と無線回線確立をしたかをデータベース化する必要があるからである。まず、「空間領域201のアンテナを使用して無線回線が確立されたこと」を中央処理装置7に伝達する。中央処理装置7はこの情報をデータベース化する。続いて、中央処理装置7は「直前に無線回線が確立した場所」をデータベースより検索する。この事例ではターミナルポイント30で有ったことがデータベースより判定される。中央処理装置7はこの2つのデータベースから、「旅行者はノード20に近づいている」と決定する。この結果を中央処理装置7は無線通信装置5(N)の情報処理装置55に伝達し、かつ「情報提供」の指示をだす。かくして旅行者は空間領域201においてノード20の関連情報を受信できる。情報提供が完了すると無線回線は自動的に遮断される。そして一定時間経過後に、また無線通信装置5(N)の主導のもとに同じプロセスが繰り替えされる。この「繰り返し」は空間領域を旅行者が通過する間に2回程度に設定される。そして必要な回数の繰り返しを完了すれば、情報提供は最早実行されない。この様な判断処理は情報処理装置55が全て担当する。
【0061】
やがて旅行者はノード20に到達する。そしてそこで右折してターミナル31、即ち「駅の改札口」に向かう。今度は間もなく空間領域202に達する。ここでも無線回線確立のプロセスが空間領域201の場合と全く同様に行われる。無線通信確立のプロセスが完了すると、旅行者に情報提供が開始される。ここでは「このルートは駅の改札口へ通じています」と案内される。旅行者が駅の改札口へ向かっている場合は、旅行者は安心して進んでいくことができる。
【0062】
ところで、旅行者が通路を間違えてしまった場合についてはどうなるだろうか。空間領域202で受信した情報から、旅行者が通路を間違えたと判断したと仮定する。この時旅行者は2つの行動パターンをとることが考えられる。1つはそのままターミナルポイント31まで進んでから間違いを確認して、再度同じルートを引き返してくるパターンである。この場合は再度空間領域202に今度は逆方向から進入してくる。この場合は一度空間領域311を経由しているので、空間領域202では「旅行者はノード20に向かって来る」と中央処理装置は判定する。したがって、それに適した情報提供をすれば良い。もう1つのパターンは空間領域202の情報提供内容を聞いて間違いに気づき、すぐに反転して来たルートを引き返す場合である。この場合は残念ながら情報提供による救済処置はない。しかし、一般に空間領域202はノード20の近傍にあるので通路ネットワークを頼りに戻ることになる。そしてノード20において左右どちらかに進路を選択する。結果として、次に情報提供を受けることができる場所は空間領域201か空間領域203になる。
【0063】
以上述べたように旅行者が通路ネットワーク上の幾つかの空間領域で自動的に情報提供を受けられるこのシステムでは、中央処理装置7において、特定の旅行者が通過した空間領域(ターミナルポイントおよびノードに属する)を時系列的にデータベース化することができる。これは旅行者の時系列的歩行履歴を離散的に提供できることを意味する。
【0064】
続いて、旅行者の位置情報提供サービスについて説明する。図7の情報通信手段50および旅行者の情報通信手段60は前述の如くそれぞれ個別信号発生器を具備している。しかもそれらの発生器からの個別信号は前述の如く情報処理装置55を経由して中央処理装置7のサーバ72に集められる。サーバ72では、旅行者の情報通信手段60の個別信号がどの時刻に中央処理装置7に届いたかを管理し、データベースを作成してデータベース73として保管、管理している。勿論データベース記憶容量には限界があるので、一定の時間を経過したデータについては廃棄する場合もある。またサーバ72は旅行者の情報提供手段60の個別信号を、登録リストと照合して提供すべきサービスメニューを決定し、情報処理装置55に通知する。
【0065】
位置情報提供サービスは次のように実施される。今情報取得希望者がユーザ端末2(M)を起動して、インターネット1を経由して中央処理装置7にアクセスする場合を考える。中央処理装置7はセキュリティー対策を十分にしているので誰でも接続できる訳ではないが、特別のアクセス許可を得ている者は接続される。そしてルータ74、LAN71を経由してサーバ72にアクセスできる。データベース73より旅行者のデータベースを検索し、適切な処理を要求することにより、ユーザ端末2の情報取得希望者は特定の旅行者の旅行履歴を入手する事ができる。したがい、中央処理装置7を運営する企業がこれを有料サービスとして事業化することができる。
【0066】
さて、実際に位置情報提供サービスを事業化しようとすればコンテンツの提供の仕方がユーザに許容されなくてはならない。例えば、地図上に経路履歴を時系列的に連続表示すると効果的な場合もあるし、単に現在位置を地図上に表示するだけの方法が良い場合もある。また、地図表示は不要で、位置の緯度経度情報の提供が期待される場合もある。これらのユーザニーズに対して、前述のデータベースを使用しながら付加価値の高いコンテンツを作成して行くためには、中央処理装置7以外の設備として、更にサーバ群や各種データベースが必要になる。それらの設備は中央処理装置7のLAN71に接続することでシステムを構築することができる。
【0067】
本実施例の効果は次の通りである。
【0068】
旅行者への情報提供システムとして、的確な経路誘導システムを構成できる。それは 路上に点字ブロックによる通路ネットワークを構成して経路誘導を明確化し、しかもその要所に於いて簡潔かつ的確な情報提供を可能にするからである。
【0069】
通路ネットワークのターミナルポイントやノードにおける情報通信手段(50)および旅行者の情報通信手段(60)がそれぞれ固別番号を所有し、それらに対応する個別信号を中央処理装置で適切に処理および管理することによって、旅行者の旅行履歴を把握する事ができる。これは旅行者以外に対し、旅行者の位置情報の提供を可能にする。
【0070】
システムの構成法は地下街や建物内部にも容易に適用可能である。それ故旅行者の位置把握に電波の到来時間を利用して測位をする方法、例えばGPSを利用する方式や携帯電話システムを利用する方法に比較して、適用エリアを拡大できる。
【0071】
情報通信手段として今後の普及が期待されているブルーツースやDSRCを活用できる。また、PHSの場合はアドホック通信を利用すれば、1台のPHS端末機で情報提供システムと公衆通信用端末機を兼ねることができ、経済的なシステム構築ができるのみならず、旅行者の端末機器携帯の負担を軽減する。
【0072】
尚、本発明の重要な部分を占める物理的な構成の通路ネットワークについて、この実施例では、通常使用される点字ブロックを使用して説明した。しかし、点字ブロック以外でも、聴覚、触覚および視覚に作用する手段を用いて物理的な構成の通路ネットワークが構成される限り、発明の効果が損なわれるものではない。
【0073】
他の実施例1:前述の実施例においては、旅行者の検出法としてターミナルポイントやノードの無線通信装置5(N)の情報通信手段50が適当な時間間隔で図8の空間領域内に電波を発射して、旅行者の情報通信端末6(P)からの応答を検出する方法がとられている。
【0074】
ここに示す実施例は、無線通信装置5(N)が移動物体検出装置56を具備して、これにより図8の空間領域内に移動物体が存在するか否かを検知する。そして移動物体の存在するときのみ電波を発射する。即ち、電波の絶え間ない発射を減少させて周波数の有効利用をはかり、またシステム内外の電波混信等を防ぐ対策をしている。この部分が前述の実施例に付加されたところであり、本発明の一端を担っている。またこの付加された部分は旅行者の進行方向を検知する手段も兼ねている点も発明に含まれる。
【0075】
前述の実施例では、図7の無線通信装置5(N)の情報通信手段50と旅行者の情報通信端末6(P)の情報通信手段60との間の無線通信回線確立方法は単純である。即ち、ターミナルポイントやノードの空間領域において、情報通信手段51が一定の時間間隔でアンテナから電波を発信し、その応答の有無を確認する方法である。この方法はシステムがシンプルに構築できるので、ETC(自動料金収受システム)等にも採用されている。しかしこの方法は旅行者の有無に関わらず一定時間間隔で電波を発射するため、旅行者の通過頻度が低い場合は、貴重な周波数資源を浪費する欠点を持つ。そこで、この欠点を改善するために、例えば無線通信装置5(R)が特定の手段によりターミナルポイントやノードの旅行者を検出する方法を導入する。
【0076】
さらに、旅行者に最適な情報をターミナルポイントやノードで実施するためには、旅行者の進行方向を正しく把握することが必要である。前述の実施例では情報処理装置55が全て判定処理を担当しているが、これは情報処理装置55の計算処理負荷を重くする。この負荷を軽減するために、図9の移動物体検出装置56を導入して、移動物体の検出と、その移動物体の進行方向を検知する手段を実現するものである。
【0077】
この時の情報提供システムの実施例を図9に示す。図9において無線通信装置5(N)は移動物体検出装置56を具備している。それ以外のシステム構成要素は前述の実施例と同一である。
【0078】
移動物体検出装置56の構成法は種々の実現方法が考えられるが、いずれの方法においても重要なことは、移動物体の進行方向を特定できる機能を有することである。
【0079】
図10に実施例を示す。本図は通路ネットワークのリンク10を上部から見下ろした場合のものである。リンク10の空間領域201内に移動物体検出装置56が設置されている。移動物体検出装置56は遠赤外線放射デバイス561、遠赤外線感応ダイオード564および565、検出回路566、および出力端子567を主構成要素にしている。また、遠赤外線感応ダイオードはリンク10にほぼ平行する水平線上に配置されている。遠赤外線放射デバイス561はリンク10をはさんで遠赤外線感応ダイオード564および565と対向して設置される。遠赤外線を利用するのは、太陽光の影響を受けにくいこと、発光が目に見えないことから周辺におよぼす影響がないこと、の理由による。このような配置とすることにより、リンク10に沿って物体が存在しない場合は、遠赤外線562および563はそれぞれ遠赤外線感応ダイオード564および565に到達する。一方仮りに物体が移動してきて、遠赤外線を遮断した場合には遠赤外線感応ダイオードは遠赤外線を感知できない。この状態変化をダイオードの電流変化で捉えることで遠赤外線遮断物体の有無を検出できる。遠赤外線感応ダイオードを2個適当な間隔を開けて設置する理由は次の理由による。今、例えば移動物体がリンク上を左から接近してくるものとする。この時は左側に設置されたダイオード564がまず遠赤外線を検出不能となる。続いてダイオード565が同様な結果となる。その後この領域を移動物体が通過し終わると全てのダイオードは再び遠赤外線を検出出来るようになり、最初の状態に復帰する。ところで、今度は反対方向から移動物体が通過する場合を考えてみる。その時はダイオードは右側のダイオード565から遠赤外線の検出が不能となり、ついでダイオード564が不能となる。これらのダイオードの時系列的な遠赤外線検出不能結果を検出回路566で処理をすると、移動物体の有無および移動方向を検出する事が出来る。出力端子567はこの検出結果を無線通信装置5(N)の情報処理装置55に送るために用意されている。以上説明したようにこれは移動物体の検出装置であり、旅行者だけを検出しているわけではない。しかし、無線通信装置5(N)が一定周期で電波の放射を繰り返す場合と比較すれば、その電波放射頻度を軽減できるし、また移動物体として検出される中に旅行者が含まれるので、前述の実施例と同じく旅行者に対し無線回線を確立できる。
【0080】
さらにその時の旅行者の移動方向を検出しているために、ノードにおける適切な情報提供が行える。一方、移動物体を検出して、無線通信装置5(N)が無線回線の確立の手順に入ったとしても、もし移動物体が旅行者でない場合は旅行者側からの無線応答が帰らないので無線回線確立は成功しない。
【0081】
しかし、この方式が旅行者の進行方向を完全に判定することはできない。それは空間領域に旅行者は存在しているが、移動物体として移動物体検出装置を動作させたのが旅行者以外で有る場合に発生する。この時の問題解決法を説明する。この場合2つの状態が存在する。1つは同一空間領域に存在する旅行者と移動物体が同じリンク上を同一方向に進む場合であり、他の1つは反対方向に進む場合である。まずは同一方向に進む場合について説明する。この時移動物体検出装置は両者に対し時系列的に反応する。そして無線通信装置5(N)に対し移動物体の存在を知らせる。それ故、この時旅行者の通信端末は無線通信装置5(N)と2回通信をする事になる。これをそのまま放置しても特に不都合ではないが、旅行者は同じ情報を繰り返し受け取ることになり、できればこれを避けたい。これを避ける手段を移動物体検出装置56で実現することは難しい。そこで無線通信装置5(N)の情報処理装置55の判断を利用することが考えられる。情報処理装置55が旅行者の直近の履歴を参照して判断する方法がある。即ち同じ空間領域を同じ個別信号を持つ旅行者の情報通信端末が同一方向に2回進行すると判断できたら、2回目の情報提供を実行しなければ良いのである。
【0082】
次に、旅行者と移動物体が同一空間領域内を反対方向に進路を取っている場合について説明する。この時は旅行者以外の移動物体が旅行者とは反対方向に進路をとっているために、移動物体検出装置56は、旅行者が移動物体と同じ方向に進んでいると判定してしまう。したがい、この判定にも関わらず正しく旅行者に情報提供しようとすれば、前例と同様、情報処理装置55が旅行者の直近の履歴を参照して判断する方法が採用される。そして旅行者の進行方向が正しくないと判定した場合は情報提供は行わない。この無線通信回線確立はシステムが自動的に行うので、旅行者は何も関与しない状態で実行される。
【0083】
ここまではノードの近傍におけるリンク上での移動物体の検出について説明した。同様な移動物体の検出はターミナルポイントにおいても必要である。この場合の実現方法はノードの例から容易に発想できる。例えば図8におけるターミナルポイント30において説明する。ターミナルポイントの場合はノードの場合と異なり分岐するリンクは存在しない。関わり合うリンクはただ1つである。したがいそのリンク上で前述の移動物体検出装置を設置すれば、移動物体の有無およびその進行方向を検出できるわけである。
【0084】
更に別の移動物体検出法の事例を説明する。図8に示されているそれぞれの空間領域を動画撮影装置でモニターして物体を撮影する方法である。そして撮影された画像に対し、画像処理技術を用いて移動物体の有無を検出し、移動物体を認知した時には無線通信装置5(N)を起動して通信路を開設するものである。この時、画像処理において移動物体の進行方向を検出することもできる。この機能は前述の赤外線ダイオード利用の方式と同等である。検出結果を無線通信装置5(N)に送って送信出力制御を行う事により、前例と同様に電波発射頻度を減少できる。この時、動画撮影装置は太陽光の影響を受け難くするためと、また夜間でも利用可能とする目的で遠赤外線カメラを採用することが効果的である。この方法は空間領域内の移動物体の有無を検出しているので、真に情報通信端末6(P)を所有する旅行者を検出しているわけではない。この点も前例と同じである。
【0085】
他の実施例2:次に説明する実施例は、旅行者の情報通信端末が携帯電話機そのもので構成される場合であり、旅行者側の情報携帯端末を最もシンプルにしようとするものである。この場合、携帯電話機はPHSが使用される。また携帯電話機の使用においては、HMIとして音声と文字表示は充分活用可能であるが、画像の表示に関しては、データ伝送時間の問題や画面サイズから来る画質の限界を伴う。更に毎回携帯電話を手に取って情報入手することも煩わしいことである。そこで、携帯電話は音声提供のみとしてイヤホンで受信し、文字や画像情報の提供はターミナルポイントやノードに設置される表示装置を活用するのがこの実施例である。
【0086】
システム全体の構成図を図11に示す。図11において、無線通信装置500(R)は表示装置56を具備し、情報通信手段51はPHS送受信機で構成される。そして、この時の両者間の無線通信はピアトゥピアのアドホック通信が使用される。したがい旅行者のPHS送受信機は通常はアドホックモードに設定される。この通信は無料で実施される。この方式のメリットは旅行者の情報通信端末機がPHS携帯電話機一台のみで済むことである。即ち、システムの小型化、軽量化、および経済化ができることである。加えて、広く普及している携帯電話機65を旅行者の情報通信端末として有効に活用できることである。この時、携帯電話機65の表示装置は大きさの関係でHMI部として画像を表示するには適さない場合がある。また携帯電話機65をその都度手に取って見ることが必要となるので、旅行者の手の負担を増す。そこでノードやターミナルポイントに設置される無線通信装置500(R)に表示装置56を設けて画像提供サービスを行うとこの問題点を解決することができる。この画像提供サービスの方法は、視覚障害者を除く他の旅行者には有効である。勿論この時旅行者は表示装置56を見ることが主となるが、携帯端末機65の表示画像を見ることもできる。但し通信容量等の関係で同等の画質を得ることはできない。
【0087】
ターミナルポイントやノードの表示装置56は直接無線通信装置5(N)の情報処理装置55によって駆動されるので高品質な画像表示は可能であり、また多くの旅行者によって共用されるので投資効果も悪くはない。さらに携帯情報端末65を所有しない一般の通過者に対して、緊急時に情報提供をするような活用法も可能である。
【0088】
尚、旅行者が携帯電話機を使用して公衆通信を行う場合は、旅行者が発呼するための行為を携帯電話機が自動検知して、自動的に公衆通信モードに切り替える。これにより旅行者はいつでも公衆通信回線を利用できる。公衆通信回線の利用終了後は携帯電話機はまた自動的にアドホック通信モードに戻り待機する。以上の説明より旅行者は1台の情報通信端末としての携帯電話機を2つのサービスに利用できる点が特徴である。
【0089】
他の実施例2の構成における通路ネットワークは図1に示されるものであり、前述の事例と同じである。図11は情報提供システムの実施例を示す。
【0090】
R(R>1)個のデータ信号伝送路300(R)は中央処理装置7とノード又はターミナルポイントの無線通信装置500(R)間の双方向通信を司るケーブルである。図11では無線通信装置500(R)と同数のケーブルが使用される場合を記している。無線通信装置500(R)は情報通信手段51、情報処理装置55、移動物体検出装置56、および表示装置57を構成要素に含む。情報通信手段51は前述の通りPHS送受信機であり、構成は図4に示される。表示装置57はタ−ミナルポイントやノードにおいて、直接利用者に画像の提供をするものである。これにより情報通信手段51と旅行者の携帯電話端末機65間の情報伝送量を軽減することもできる。情報処理装置55は無線通信装置500(R)の前述の構成要素を制御するのみならず、旅行者に提供するサービスコンテンツの蓄積も担当する。情報処理装置55は信号伝送路300(R)を介して中央処理装置7に接続される。図形4の無線通信路はPHSのアドホック通信によって構成される。旅行者の携帯電話機65は図6に示す構成を持つ。さらに、双方向無線通信回線800(S)を介して携帯電話ネットワーク900の無線基地局に接続される機能も具備している。携帯電話ネットワークは回線交換もパケット交換も取り扱う。携帯電話ネットワーク900はゲートウェイ910を介してインターネット1に接続される。インターネット1は中央処理装置7のLAN71にルータ74を介して接続される。それ以外のシステム構成要素は前述の事例(3項および4項)と同じである。
【0091】
他の実施例2の動作の説明を、図8〜図11を使用して説明する。旅行者が情報提供システム内で行動するパターンは第1の実施例と同じとする。
【0092】
図11の無線通信装置500(R)が移動物体検出装置56を具備していることから、4項の実施例で説明した如く、図10に示す移動物体検出装置56により、図8における空間領域内の移動物体の検出とその進行方向の検知は可能である。
【0093】
今空間領域201において移動物体が左から右方向へ移動すると仮定する。移動物体検出装置56はその検出結果を情報処理装置55に伝達する。それを受けた情報処理装置55は直ちに情報通信手段51に電波の発射を指示を出す。情報通信手段51は電波の発射を行い、かつ応答波が有るかどうかを受信する。応答が無ければ移動物体は旅行者でないと判断し、情報処理装置55に結果を通知すると共に電波発射を断とする。一方応答が有った場合は、空間領域内に旅行者が存在することになるので、情報処理装置55に受信した旅行者の携帯電話機の個別信号、進行方向の情報を伝達する。情報処理装置55はこの情報を受けて、直ちに中央処理装置7に受信した携帯電話機の個別信号を伝達し、旅行者の検索依頼をする。中央処理装置7のサーバ72はデータベース73から旅行者を検索し、旅行者に提供するサービスメニューの種類、直近の通過履歴の有無および履歴内容を情報処理装置55に返送する。情報処理装置55はサーバ72からの情報により提供すべき情報を自身のメモリから選択して、情報通信手段51に送信指示すると共に、情報の伝達を行う。これにより、旅行者は正しく情報提供をうけることができる。情報処理装置55は規定の回数分の情報サービスを実施の後サービスを停止し、情報通信手段51の送信を断とする指示を出す。これで情報提供サービスは完了する。情報処理装置55は情報提供サービス完了通知を中央処理装置7に伝達する。これを受けて、サーバ72は旅行者のデータベースに最新の情報を追加する。
【0094】
さて図11に示す如く、旅行者の携帯電話機は携帯電話ネットワークを介してインターネットに接続し、中央処理装置のサーバ72にアクセス可能である。それ故、例えば友人の旅行者が今どこに存在するかを確認したい場合は、このルートを経由して、位置情報提供サービスを受けることができる。これは本発明の持つ効果の1つである。
【0095】
インターネットに接続するユーザ端末から旅行者の位置情報提供サービスが受けられるのは前述の実施例と変わらない。
【0096】
他の実施例2の効果としては、前述の実施例の効果と同一である。さらに言えば前述のものより旅行者の携帯情報端末の小型、軽量化に効果が大である。また携帯電話ネットワークを利用して中央処理装置にアクセスできるので、他の旅行者の位置情報確認もできる。加えて、通常の携帯電話機としても使用できる。
【0097】
更に無線通信装置が具備する表示装置により、旅行者に高品質な画像情報を提供することもできるし、非常事態発生時等には旅行者以外の一般の通過者に対して情報提供することも可能である。
【0098】
次に、他の実施例3について説明する。先の実施例では、路上に設置される通路ネットワークを点字ブロックという物理的手段で構成している。この手段は視覚障害者に便利に使用されてきた。視覚障害者は杖を介して感じる手の触覚、足裏で感じる触覚、杖の先端が発する音の変化を感じる聴覚を活用して、視覚の不十分さを補っている。
【0099】
ところが最近車椅子の使用が増えるのに比例して、点字ブロックの欠点が強く指摘されるようになった。点字ブロックの表面の凹凸が車椅子のスムーズな運行の障害物と見られたり、旅行者が歩行時につまずく要因として指摘されるようになってきた。旅行者全体の受容性を高め、しかも視覚障害者の利便性を低減しない手段の実現が期待される。ここに示す実施例は、点字ブロックに替わる通路ネットワークの構成法である。
【0100】
この時の通路ネットワークの実施例を図12に示す。図12に記載されている部分は、図3に示した通路ネットワークの左半分に示される部分に相当する。したがい、図12のターミナルポイント30,31,32および33と、ノード20および21は図3のものと同一である。
【0101】
図12の100,110,120,130および140はループコイルを示す。ループコイルは通路に埋設して設置される。ループコイル100は図3のリンク10に相当し、点字ブロックに替わるものである。同様にループコイル110、130および140はそれぞれ図3の11,13および14に替わるものである。図12の120はノード20および21の間のリンクを示す。このリンク120はループコイル100および140の一部分を組合わせて構成されている。このようなリンクの構成法も実現可能なことを示している。
【0102】
ループコイルおよびループコイル駆動装置の構成例を図13に示す。ループコイル100は図12に示すものと同一である。ケーブル101はループコイル100とループコイル駆動装置160を接続する。外部雑音の重畳を防ぎ、また外部へ不要な信号発射を防止するために電磁シールドされたケーブルである。102はケーブル101をループコイル駆動装置160に接続するためのコネクタである。ループコイル駆動装置160は、制御部入力端子161,周波数発生部163,送信キャリア発生部164、変調部165,電力増幅部166,変調信号発生部167,電源部168および制御部169を主構成要素としている。参考までにこのシステムにおける、旅行者側の受信機を図14に示す。二次コイルとしてのピックアップコイルで入力した信号を復調して可聴音を発生する。
【0103】
図12の通路ネットワークの動作について説明する。図3の通路ネットワークとの違いは、点字ブロックがループコイルに置き換わったことである。そしてループコイルは地中に埋められるから目には見えない。一番顕著な違いは両者の外観が全く異なることである。即ち点字ブロックで構成された通路ネットワークは、どこにターミナルポイント、ノードおよびリンクが存在するのか、一見して認識できる。これに対してループコイルの場合は視覚で認識はできないから、どうしてもその機能が必要な場合には別の手段を追加することになる。例えば、通路の舗装部分を色分けするといった手段がある。
【0104】
次に図13を用いてループコイル駆動装置160の動作について説明する。装置内では周波数発生部163の信号をもとに、送信キャリア発生部164で送信キャリアがつくられる。この送信キャリアは変調部165に送られ、変調信号発生部167で作られた変調信号によって変調される。変調部165の出力、即ち変調された送信キャリアは電力増幅部166に送られ増幅される。電力増幅部166の出力はケーブル101を経由してループコイル100を駆動する。電源部168は電力を必要とする回路に電力を供給する機能を負っている。多くのばあい、太陽電池や発電機と蓄電池を組合わせたり、また商用電源と蓄電池を組み合わせたりする。制御部169は外部からの制御信号を制御部入力端子161より入力して、その信号によりループコイル駆動装置160内の構成要素の動作を制御する。制御の主要な目的は、必要最小限の時間だけループコイルを駆動すること、およびシステムの消費電力をミニマイズすることである。
【0105】
ループコイル100は細長い矩形の形状をしている。短い一辺は1m程度でありほぼ通路の幅程度である。これは視覚障害者が使用する杖が到達する範囲内で決められる。長い一辺の長さはループコイルの用途により決められるが、最長の長さは送信キャリアの周波数によって制限を受けることになる。これは後で説明する。そしてループコイルは、設置工事の容易さを考慮して、原則的には1ターンのループを構成する。ループコイル100以外の他のループコイルについても同様である。
【0106】
今送信キャリア周波数が1MHzであり、また1kHzの変調信号で変調されているとする。この送信キャリアがループコイル100を流れている。それ故このループコイルは線状アンテナの一つであるループアンテナを通路のほぼ表面で構成していることになる。このようなループアンテナはループの周囲長が波長の10分の1以下になると電界よりも磁界に感応し易い性質を持っている。ちなみに周波数1MHzの波長は300mであるから周囲長が30m以下、即ちループコイルの長辺が10数m以下のループコイルであれば磁界結合を利用するアンテナとして機能する。これはループに送信キャリアが流れると導線の周囲に電流と直角方向に回転磁界が発生しているからである。そこでこの導線の近傍に二次コイルを近づけると、二次コイル側に磁気誘導により起電力を発生させることができる。この時二次コイルに誘起される起電力の大きさは、変圧器の原理として良く知られているように、一次コイルと二次コイル間の相互インダクタンス(M<sub>12</sub>)によって決定される。その相互インダクタンス(M<sub>12</sub>)はまた一次コイルであるループコイル100の自己インダクタンス(L<sub>1</sub>)、二次コイルの自己インダクタンス(L<sub>2</sub>)および結合係数(k)との間に、(M<sub>12</sub>)<sup>2</sup>=kL<sub>1</sub>L<sub>2</sub>の関係があるから、起電力を大きくするには右辺の各要素をそれぞれ大きくすれば良い。しかし実際には、上述のように一次コイルには長さの制限があるためにループコイルの自己インダクタンス(L<sub>1</sub>)には限界がある。二次コイルの自己インダクタンス(L<sub>2</sub>)を大きくしたいが、これも旅行者の負担を軽減するためには限界がでる。したがって、できるだけ結合係数(k)を大きくする工夫、即ち杖の先端に二次コイルを装着したり、そのコイルの形状を工夫することは必要になる。一例として、今全長30mのループコイルから実効電力で3ワット(W)相当の磁界エネルギーが発射されるとすれば、ループコイル1cm当たりのエネルギー密度は1mWになる。仮に二次コイルの寸法が1cm程度の大きさであり、しかも伝達効率が1%程度に留まったとしても、二次コイルには10マイクロワット程度の起電力は期待できることになる。
【0107】
二次コイルがループコイルの導体の近傍にある時は、上に述べた説明が成り立つ。一方遠方からこのループコイルを眺めると、丁度平行する2電線に電流がお互いに反対方向に流れ、平衡電線を構成していることがわかる。したがい、遠方では発生する磁界はキャンセルされてしまう。この現象は磁界が周辺に及ぼす影響を軽減できるので好都合である。
【0108】
次にループコイル駆動装置160の中の変調信号発生部167について説明する。送信キャリアに変調をかける理由は二つある。一つは、二次コイルでピックアップされた送信キャリアを旅行者側の受信機で復調して可聴音を発生させることである。これは通路のループコイルの位置を音響の大小から判断できるようにして、点字ブロックに替わる経路案内機能即ちリンク機能を実現するのに使われる。
【0109】
他の一つは特定の個別信号を送出するためである。個別信号はループコイル個々に設定される個別番号に対応して生成される。この手段により、ある特定の位置に設置されたループコイルからの個別信号を検出することで、位置情報を取得することが可能になる。この方法は簡易な方法でかつ測位精度も設計時点で確定できるというメリットを生む。電波伝搬条件の影響を無視できることから、建物内や地下街等にも使用し易い。
【0110】
旅行者側の受信機について説明する。図14に受信機170の構成図を示す。図13のループコイル100に近接して信号をピックアップする二次コイルは図14ではピックアップコイル171である。杖の先端部に設置される。ピックアップコイル171の信号は能動回路を経由することなくBPF(帯域通過フィルタ)172に入力される。これはピックアップコイルに誘起する希望波以外の成分を除去して増幅器の負荷を軽減し、結果的に低消費電力受信機を実現するためである。BPF172を通過した希望波は増幅器173で増幅され、検波器173に送られ復調される。
【0111】
一番簡単な実用例を紹介する。例えば図13の変調部で可聴周波数によりAM変調がされたとする。そして図14の増幅器173は固定利得とすると、検波器174の復調出力はピックアップコイル171の起電力に比例した可聴周波数の出力を得ることができる。この出力を信号処理回路でスピーカを駆動できるレベルに調節すると、ピックアップコイルの起電力に比例した音量の可聴音をスピーカより出力できる。さらに機能を高めるとすれば、図14の増幅器173を自動利得制御増幅器とする方法もある。この時は入力の強度に応じて利得を加減して出力を一定に保持する機能を増幅器173は必要とする。これは入力の強度をモニターする機能を備えていることを意味するから、このモニター信号に応じて出力部の音量を加減することができる。例えば入力強度が大となると、音声出力も比例して大きく出るようにすることができる。ピックアップコイルへの入力のダイナミックレンジが大きい場合には、この方式が前者より優れている。
【0112】
他の一つの効果は図13の変調信号発生部に各ループコイルの個別信号が使用されている場合である。上述のごとくこの個別信号は位置情報として利用できる。図14の信号処理回路で復元した個別信号は出力端子179より取り出せる。この個別信号を旅行者の情報通信端末に入力すれば、測位情報機能付きの端末が構成できる。前述の他の事例説明ではシステムのインフラ側にある無線通信装置5(N)の位置情報に依存しているが、このループコイルの個別信号を加えることにより、さらにきめ細かい位置情報の取得が可能になる。
【0113】
本実施例の効果について以下説明する。視覚障害者の旅行者が杖を前方で左右に動かしながら歩行して行くとする。杖がループコイルの近傍に行くと可聴音が大きくなるから、旅行者はその可聴音の大きさを頼りにループコイルの所在を判断できる。可聴音が大きくなる場所は左右2カ所に存在するから、旅行者は通路の両側を判断できるわけである。しかも可聴音は歩行しながら連続的に聴くことができるから、まさに点字ブロックの場合と同様に経路案内が可能になる。触覚を利用する代わりに聴覚を有効活用して、点字ブロックと同様な効果をこの手段で実現できる。
【0114】
ループコイルは地中に埋められるから目視はできない。視覚障害の旅行者以外には不都合な場合がある。この時は通路の舗装色でループコイルの存在を知らしめる方法をとればよい。ナビゲーション用の地図でループコイルの存在を表示する方法も有効利用を促進する手段として有効と言える。
【0115】
この手段によると通路上の表面の凹凸をなくすことができる。車椅子旅行者やつまずきやすい旅行者には利便性を増すことができる。
【0116】
測位機能を利用すると、旅行者の時間軸上の個別信号をセンターシステム側に順次送り込み、位置情報としてデータベス化することを可能にする。これは旅行者の位置情報提供サービスに活用される。この方法によると、電波伝搬環境に測位精度が左右されない強みがある。
【0117】
ループコイル使用による効果については上述の通りであるが、それ以外の発明の効果は最初の実施例と同じである。
【0118】
【発明の効果】
本発明の効果は次の通りである。旅行者への情報提供システムとして、的確な経路誘導システムを構成できる。それは 路上に点字ブロックによる通路ネットワークを構成して経路誘導を明確化し、しかもその要所に於いて簡潔かつ的確な情報提供を可能にするからである。
【0119】
通路ネットワークのターミナルポイントやノードにおける情報通信手段(50)および旅行者の情報通信手段(60)がそれぞれ固別番号を所有し、それらに対応する個別信号を中央処理装置で適切に処理および管理することによって、旅行者の旅行履歴を把握する事ができる。これは旅行者以外に対し、旅行者の位置情報の提供を可能にする。
【0120】
システムの構成法は地下街や建物内部にも容易に適用可能である。それ故旅行者の位置把握に電波の到来時間を利用して測位をする方法、例えばGPSを利用する方式や携帯電話システムを利用する方法に比較して、適用エリアを拡大できる。
【0121】
情報通信手段として今後の普及が期待されているブルーツースやDSRCを活用できる。また、PHSの場合はアドホック通信を利用すれば、1台のPHS端末機で情報提供システムと公衆通信用端末機を兼ねることができ、経済的なシステム構築ができるのみならず、旅行者の端末機器携帯の負担を軽減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、特定形状の点字ブロックの集合体で形成される、リンク、ノードおよびターミナルポイントを示し、。通路がまっすぐ延びている場合に使用される例を示す。
【図2】図2は、特定形状の点字ブロックの集合体で形成される、リンク、ノードおよびターミナルポイントを示し、通路に変化が生じる場合に使用される例を示す。
【図3】図3は特定された地理的および空間的エリア内における本発明の必須構成要件をなす通路ネットワークを示す図。
【図4】図4は本発明の必須構成要件をなす情報通信手段50を示す図。
【図5】図5は情報通信手段50のアンテナ部550の構成例を示す図で、この構成例はノードに設置される場合について示している。
【図6】図6は本発明の必須構成要件をなす旅行者の情報通信手段60を示す図。
【図7】図7は本発明の情報提供システムの構成を示す図。
【図8】図8は図3の通路ネットワーク上の一部において、図7の情報提供システムがサービスされる空間領域201,202,203,301および311を示す図。
【図9】本発明の他の実施例1の情報提供システムの構成を示す図。
【図10】図9の移動物体検出装置の構成を示す図。
【図11】本発明の他の実施例2の情報提供システムの構成を示す図。
【図12】本発明の他の実施例3の通路ネットワークを示す図。
【図13】本発本明に係わるループコイル駆動装置を示す図。
【図14】本発本明に係わる旅行者の携帯する受信機の構成を示す図。
【図15】条件の異なる人(旅行者)と様々なヒューマンインターフェイスの関係を示す図。
【符号の説明】
1 インターネット
2 ユーザ端末
5 無線通信装置
6 情報通信端末
7 中央処理装置
10−19 リンク
20−23 ノード
30−37 ターミナルポイント
50 情報通信手段
60 情報通信手段

Claims (3)

  1. 通路上のノード及びターミナルポイントの無線通信装置と通路上の旅行者が携帯する移動通信端末との間で無線信する情報提供システムであって、
    前記情報提供システムは、前記移動通信端末の保有する個別信号から前記旅行者を特定し、前記旅行者に応じた情報を提供する中央処理装置を有し、
    前記無線通信装置は前記通路上の移動物体の有無を把握する移動物体検出装置を具備し、
    前記移動物体検出装置は、複数本の遠赤外線が通路を横切るように配置された遠赤外線放射デバイスと遠赤外線感応ダイオードとを具備し、通路に進入してきた移動物体によって遮断される遠赤外線の時系列的な検出不能結果により移動物体の存在および進行方向を検知し、前記中央処理装置で作成された前記旅行者の位置情報履歴と遠赤外線で検知された前記移動物体の進行方向とを参照して前記旅行者の移動方向を判断し、
    前記無線通信装置は、前記通路上の前記移動通信端末との無線回線を主導して確立・遮断し、前記移動物体の存在するときのみ電波を発射し、前記中央処理装置において前記旅行者を特定できない場合および前記旅行者の進行方向が案内経路に対して正しくないと判定された場合には無線回線を遮断することを特徴とする情報提供システム。
  2. 前記移動通信端末は携帯電話機であって、前記移動通信端末と前記無線通信装置との無線通信はアドホック通信によって構成され、前記旅行者が前記携帯電話機を使用して公衆通信を行う場合は、前記移動通信端末の無線通信を公衆通信モードに切り替え、公衆通信回線の利用終了後はアドホック通信モードに戻すことを特徴とする請求項1記載の情報提供システム。
  3. 通路上のノード及びターミナルポイントの無線通信装置と通路上の旅行者が携帯する移動通信端末との間で無線信する情報提供システムであって、
    前記情報提供システムは、前記移動通信端末の保有する個別信号から前記旅行者を特定し、前記旅行者に応じた情報を提供する中央処理装置を有し、
    前記無線通信装置は前記通路上の移動物体の有無を把握する移動物体検出装置を具備し、
    前記移動物体検出装置は動画像撮影装置と画像処理機能を具備し、該動画像撮影装置は一定間隔で撮影する複数枚の画像情報を画像処理装置に伝送し、該画像処理装置は画像処理により移動物体の有無、および移動物体の進行方向を検知し、前記中央処理装置で作成された旅行者の位置情報履歴と検知された前記移動物体の進行方向とを参照して前記旅行者の移動方向を判断し、
    前記無線通信装置は、前記通路上の前記移動通信端末との無線回線を主導して確立・遮断し、前記移動物体の存在するときのみ電波を発射し、前記中央処理装置において前記旅行者を特定できない場合および前記旅行者の進行方向が案内経路に対して正しくないと判定された場合には無線回線を遮断することを特徴とする情報提供システム。
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