JP4587772B2 - 多層プリント配線板 - Google Patents
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Description
基幹網においては、情報量の増大に伴い、交換機、ルータ等のスイッチング装置の高速化が進行しているため、例えば、ブックシェルフ型のバックプレーンボードにおいて、ドータボードとスイッチングボードとの間での信号伝送を光通信により行うことが検討されており、光コネクタを用いた光ファイバにより光通信が検討されている(特許文献1参照)。
また、端末機器に光トランシーバを配設し、光ファイバにより光通信を行うことも検討されている。
また、上述したように、光ファイバを用いて光通信を行う場合、例えば、ドータボードを構成するプリント配線板では、その端部周辺に光コネクタが実装されることとなり、さらに、この光コネクタは、プリント配線板に実装された光電気変換素子に接続されることとなる。また、光トランシーバも、通常、多層プリント配線板に実装された状態で端末機器に配設されている。
上記複数の光配線は、コアと無機粒子が配合されたクラッドとを有する光導波路からなり、
上記複数の光配線には、上記第一の表面側に位置する最外層の絶縁層のさらに外層側に形成された第一光配線と、上記第二の表面側に位置する最外層の絶縁層のさらに外層側に形成された第二光配線とが含まれており、
上記第一の表面及び第二の表面にそれぞれ独立して、光学素子および/または光学素子が実装されたパッケージ基板を実装するための半田バンプが形成されており、
少なくとも一層の上記絶縁層を貫通し、上記光学素子および/または光学素子が実装されたパッケージ基板を上記第一の表面の半田バンプに実装した際に、その一端が上記光学素子と光学的に接続するとともに、その他端が上記第二光配線と光学的に接続する第一光信号通過領域が形成されており、
少なくとも一層の上記絶縁層を貫通し、上記光学素子および/または光学素子が実装されたパッケージ基板を上記第二の表面の半田バンプに実装した際に、その一端が上記光学素子と光学的に接続するとともに、その他端が上記第一光配線と光学的に接続する第二光信号通過領域が形成されていることを特徴とする。
互いに階層の異なる光配線の、一の光配線の一部と他の一の光配線の一部とが、重なって視認されることが望ましい。
上記バイアホールは、貫通バイアホールおよび/または非貫通バイアホールであることが望ましい。
また、上記多層プリント配線板では、上記光配線は、コアとクラッドとを有しており、
多層プリント配線板を一の主面に垂直な方向に透視した際に、
上記コアと上記非貫通バイアホールの一部とが、重なって視認されることが望ましい。
また、本発明の多層プリント配線板は、高密度配線にも対応し易い、これは、光配線の形成位置や、光学部品の実装位置の自由度が高まることにより、多層プリント配線板の設計においてフリースペースが広くなるからである。そのため、各種光学部品や電子部品の高密度実装も可能となる。
なお、上記フリースペースとは、導体回路を形成したり、ICチップやコンデンサ等の電子部品を実装したりする領域をいう。
なお、本明細書において、光信号通過領域と光配線とが光学的に接続されているとは、両者の間で光信号を伝送することができるように構成されている状態をいい、その具体的な態様については後述する。
本発明の多層プリント配線板は、第一の表面と上記第一の表面の反対側に位置する第二の表面とを備え、少なくとも一層の絶縁層と、導体回路と、異なる階層に位置する複数の光配線とが積層形成されてなる多層プリント配線板であって、
上記複数の光配線は、コアと無機粒子が配合されたクラッドとを有する光導波路からなり、
上記複数の光配線には、上記第一の表面側に位置する最外層の絶縁層のさらに外層側に形成された第一光配線と、上記第二の表面側に位置する最外層の絶縁層のさらに外層側に形成された第二光配線とが含まれており、
上記第一の表面及び第二の表面にそれぞれ独立して、光学素子および/または光学素子が実装されたパッケージ基板を実装するための半田バンプが形成されており、
少なくとも一層の上記絶縁層を貫通し、上記光学素子および/または光学素子が実装されたパッケージ基板を上記第一の表面の半田バンプに実装した際に、その一端が上記光学素子と光学的に接続するとともに、その他端が上記第二光配線と光学的に接続する第一光信号通過領域が形成されており、
少なくとも一層の上記絶縁層を貫通し、上記光学素子および/または光学素子が実装されたパッケージ基板を上記第二の表面の半田バンプに実装した際に、その一端が上記光学素子と光学的に接続するとともに、その他端が上記第一光配線と光学的に接続する第二光信号通過領域が形成されていることを特徴とする。
上記光配線が、異なる階層に形成されている態様としては、後に、図面を参照しながら詳細に説明するが、例えば、2つの最外層の絶縁層の両方のさらに外層側に光配線が形成されている態様、2つの最外層の絶縁層のいずれかについて、さらに外層側に一方の光配線が形成されている態様(この場合、他方の光配線は絶縁層間に形成されていることとなる)、絶縁層間にのみ光配線が形成されている態様等が挙げられる。
なお、上記多層プリント配線板においては、上述したように、異なる階層に光配線が形成されていれば、同一階層に複数の光配線が形成されていてもよい。
上記光導波路としては、ポリマー材料等からなる有機系光導波路、石英ガラス、化合物半導体等からなる無機系光導波路等が挙げられる。これらのなかでは、ポリマー材料等からなる有機系光導波路が望ましい。絶縁層との密着性に優れ、加工が容易だからである。
上記ポリマー材料としては、通信波長帯での吸収が少ないものであれば特に限定されず、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、感光性樹脂、熱硬化性樹脂の一部が感光性化された樹脂、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との樹脂複合体、感光性樹脂と熱可塑性樹脂との複合体等が挙げられる。
また、上記光導波路のコアの厚さと幅との比は、1:1に近いほうが望ましい。これは、通常、上記受光素子の受光部や上記発光素子の発光部の平面形状が円形状だからである。なお、上記厚さと幅との比は特に限定されるものではなく、通常、約1:2〜約2:1程度であればよい。
マルチモードの光導波路が望ましいのは、シングルモードの光導波路に比べて、光導波路と光学素子との位置合わせが比較的容易で、また、位置ズレに対する許容値も大きいからである。
上記粒子としては、無機粒子が望ましく、シリカ、チタニアまたはアルミナからなる粒子が望ましい。また、シリカ、チタニアおよびアルミナのうちの少なくとも2種を混合、溶融させて形成した混合組成の粒子も望ましい。
また、上記樹脂粒子等の粒子の形状は特に限定されず、球状、楕円球状、破砕状、多面体状等が挙げられる。
上記粒子径は、その下限が0.01μmで、上限が0.8μmであることがより望ましい。この範囲を外れる粒子を含んでいると、粒度分布が広くなりすぎて、樹脂組成物中に混合した際に、該樹脂組成物の粘度のバラツキが大きくなり、樹脂組成物を調製する場合の再現性が低くなり、所定の粘度を有する樹脂組成物を調製することが困難になることがあるからである。
上記粒子径は、その下限が0.2μmで、その上限が0.6μmであることが特に望ましい。この範囲が、樹脂組成物の塗布、光導波路のコアの形成に特に適している。さらに、形成した光導波路ごとのバラツキ、特に、コアのバラツキが最も小さくなり、多層プリント配線板の特性に特に優れることとなるからである。
また、この範囲の粒子径を有する粒子であれば、2種類以上の異なる粒子径の粒子が含まれていてもよい。
また、上記光導波路がコアとクラッドとから構成されているものである場合、上記粒子は、コアとクラッドとの両方に配合されていてもよいが、コアには粒子が配合されておらず、該コアの周囲を覆うクラッドにのみ粒子が配合されていることが望ましい。その理由は以下の通りである。
すなわち、光導波路に粒子を配合する場合、該粒子と光導波路の樹脂成分との密着性によっては、粒子と樹脂成分との界面に空気層が生じてしまうことがあり、この場合には、この空気層により光の屈折方向が変わり、光導波路の伝播損失が大きくなることがあるのに対し、クラッドにのみ粒子が配合を配合した場合には、上述したような粒子を配合することにより、光導波路の伝播損失が大きくなるというような問題が発生することがないとともに、光導波路でクラックが発生しにくくなるとの上述した効果を得ることができるからである。
上記光ファイバとしては、特に限定されず、石英ガラス系光ファイバ(SOF)、ポリマークラッド光ファイバ(PCF)、ハードポリマークラッド光ファイバ(HPCF)、プラスチック光ファイバ(POF)等が挙げられる。これらのなかでは、厚さを薄くすることができる点から、石英ガラス系光ファイバ(SOF)が望ましい。
また、1本の光ファイバのみを周囲を樹脂組成物で覆い、フィルム状に成形したものも上記光ファイバシートとして用いることができる。
上記光路変換ミラーの形成は、後述するように、光配線を切削し、さらに必要に応じて、金属蒸着層等を形成することにより行うことができる。また、光配線に光路変換ミラーを形成する代わりに、光配線の端部の先に、光路変換部を有する部材を配置してもよい。
また、上記光路変換ミラーを形成する場合、その形成角度は特に限定されず、光路に応じて適宜選択すればよいが、該光路変換ミラーは、通常、絶縁層に接する面とのなす角度が、45°または135°となるように形成する。特に、上記角度が45°となるように形成することが望ましく、この場合、その形成が特に容易である。
光配線がこのような位置に配設されることとなる場合、光配線の設計の位置の自由度が向上することとなるため、光信号を最短距離で伝送することができるように設計することができ、多層プリント配線板内での伝播損失を小さくすることができる。
また、光配線の設計の自由度が向上することにより、多層プリント配線板の小型化、高密度配線を実装することができ、さらには、光学部品や電子部品の表面実装密度も向上することとなる。
なお、一の光配線の一部と他の一の光配線の一部とが、重なって視認される態様としては、両者が、直交、斜めに交差、並行で一部が重なっている等の態様が挙げられる。
このような光信号通過領域を形成することにより、光配線を異なる階層に位置するように形成する際に、設計の自由度がより向上することとなるからである。
具体的には、例えば、エポキシ樹脂、UV硬化性エポキシ樹脂、ポリオレフィン系樹脂、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、重水素化PMMA、重水素フッ素化PMMA等のアクリル樹脂、フッ素化ポリイミド等のポリイミド樹脂、重水素化シリコーン樹脂等のシリコーン樹脂、ベンゾシクロブテンから製造されるポリマー等が挙げられる。
上記粒子としては、例えば、無機粒子、樹脂粒子、金属粒子等が挙げられる。
上記無機粒子としては、例えば、アルミナ、水酸化アルミニウム等のアルミニウム化合物、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム等のカルシウム化合物、炭酸カリウム等のカリウム化合物、マグネシア、ドロマイト、塩基性炭酸マグネシウム、タルク等のマグネシウム化合物、シリカ、ゼオライト等のケイ素化合物、チタニア等のチタン化合物等からなるものが挙げられる。また、少なくとも2種類の無機材料を混合、溶融した混合組成の粒子であってもよい。
また、これらの粒子は、単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
また、上記粒子の形状、最大長さ、その含有量等も上記光導波路に含まれる粒子と同様であることが望ましい。
なお、本明細書において、樹脂組成物の透過率とは、長さ1mmあたりの伝播光の透過率をいう。また、上記透過率とは、25〜30℃で測定した透過率をいう。
また、上記マルチチャンネルの光配線を介した光信号を伝送することができる光信号通過領域は、全てのチャンネルの光信号を伝送することができる一括貫通孔構造を有していてもよいし、各チャンネルの光信号ごとに伝送することができる個別貫通孔構造を有していてもよい。なお、どちらの場合も、そのチャンネル数は限定されない。
また、一の多層プリント配線板において、一括貫通孔構造の光信号通過領域と個別貫通孔構造の光信号通過領域とが混在していてもよい。
また、上記光信号通過領域の形状が、複数の円柱が並列に並べられ、互いに隣り合う円柱の側面の一部が繋がった形状である場合には、その一部に、実際には、光信号通過領域として機能しないダミー円柱が形成されていてもよい。
上記断面の径が100μm未満では、光信号の伝送が阻害されることがあり、一方、5mmを超えても、光信号の伝播損失の向上はみられず、上記多層プリント配線板の小型化が難しくなる。
より望ましい径の下限は250μmであり、より望ましい径の上限は350μmである。
なお、上記光信号通過領域の上記基板および上記絶縁層を貫通する部分の断面の径とは、上記光信号通過領域が円柱状の場合にはその断面の直径、楕円柱状の場合にはその断面の長径、四角柱状や多角柱状の場合にはその断面の最も長い部分の長さをいう。また、本発明において、光信号通過領域の断面とは、多層プリント配線板の主面に平行な方向の断面をいう。
ここで、上記光信号通過領域の壁面は、通常、絶縁層が露出しているため、絶縁層と同様の材質で構成されていることとなる。従って、絶縁層が樹脂からなるものである場合に、特に何ら処理を施さなくても、上記光信号通過領域の壁面は、樹脂により構成されていることとなる。
ただし、上記光信号通過領域の壁面には、別途、樹脂層を形成してもよく、この場合には、樹脂層がクラッドとして機能し、上記光信号通過領域の内部に充填される樹脂組成物がコアとして機能するように構成されていることが望ましい。
また、上記光信号通過領域の壁面が金属により構成されている場合、即ち、光信号通過領域の壁面に金属層が形成されている場合、この金属層は、1層から形成されていてもよいし、2層以上から構成されていてもよい。
また、上記金属層は、場合によっては、バイアホールとしての役目、即ち、基板を挟んだ導体回路間や、基板と絶縁層とを挟んだ導体回路間を電気的に接続する役目を果たすことができる。
なお、上記粗化面は、エッチング処理等により形成すればよい。
特に、高多層板である場合には、光信号通過領域の長さが長くなるため、光を反射させながら光信号を伝送する方法が有効となる。
マイクロレンズを配設することにより、光信号が、マイクロレンズで集光されることとなり、より確実に光信号を伝送することが可能となるからである。
なお、上記マイクロレンズの形状は、凸形状レンズに限定されるわけではなく、光信号を所望の方向に集光することができる形状であればよい。
通信波長光の透過率が70%/mm未満では、光信号の損失が大きく、光信号の伝送性の低下に繋がることがあるからである。上記透過率は、90%/mm以上であることがより望ましい。
粒子を含ませることにより、マイクロレンズの強度が向上し、形状がより確実に維持されることとなるとともに、上記基板や絶縁層等との間で熱膨張係数を整合させることができ、熱膨張係数の差に起因したクラック等がより発生しにくくなるからである。
具体的には、例えば、樹脂成分が屈折率1.53のエポキシ樹脂である場合、マイクロレンズに含まれる粒子は、屈折率が1.46のシリカ粒子と屈折率が2.65のチタニア粒子とを混ぜ合わせて、溶解して粒子としたもの等が望ましい。
なお、粒子を混ぜ合わせる方法としては、混練する方法、2種類以上の粒子を溶かして混ぜ合わせた後、粒子状にする方法等が挙げられる。
なお、上記粒子の具体例としては、上記光信号通過領域に配合される粒子と同様のもの等が挙げられる。
上記マイクロレンズは、通常、インクジェット装置やディスペンサーを用いて配設されることとなるが、インクジェット装置の塗布ノズルの内径や、ディスペンサーのノズル内径寸法は、20μmが現在の最小寸法であり、粒子径が上記範囲にある場合には、ノズルが詰まることなく、塗布することができるからである。
また、上記粒子径の下限は0.1μmであることがより望ましい。
上記粒子径が、この範囲にあることはインクジェット装置やディスペンサー等による塗布での粘度の安定性や、塗布量のバラツキの観点からより望ましいからである。
上記光学接着剤としては特に限定されず、エポキシ樹脂系、アクリル樹脂系、シリコーン樹脂系等の光学接着剤を用いることができる。
上記光学接着剤の特性は、粘度:0.2〜1.0Pa・s、屈折率:1.4〜1.6、光透過率:80%/mm以上、熱膨張係数(CTE):4.0×10−5〜9.0×10−5(/℃)であることが望ましい。
また、上記光学接着剤の厚さは、50μm以下であることが望ましい。
インクジョット装置等でマイクロレンズを形成するための樹脂を塗布した際に、ソルダーレジスト層を形成するまでの工程条件のバラツキや放置時間に起因するマイクロレンズを配設する部位の濡れ性のバラツキにより、マイクロレンズの形状、特にサグ高さにバラツキが発生しやすいのに対し、撥水コート剤による表面処理等を施すことにより、サグ高さのバラツキを抑えることができる。
上記レンズマーカとしては、例えば、特開2002−331532号公報に開示されたもの等が挙げられる。
また、レンズマーカが形成されている場合、上記マイクロレンズは、撥水処理または親水処理が施されたレンズマーカに配設されていることが望ましい。
レンズマーカ表面が汚れていた場合、マイクロレンズの形成に用いる樹脂組成物(レンズ用樹脂組成物)が均一に広がらず、所望の形状のマイクロレンズを形成することができない原因になることがあるが、上述した撥水処理や親水処理を施すことにより、レンズマーカ表面の汚れを除去することができ、上記レンズ用樹脂組成物をレンズマーカ上に均一に広げることができるからである。
さらには、レンズマーカには、撥水処理よりも親水処理が施されていることが望ましい。
親水処理が施されている場合、レンズマーカ上にマイクロレンズを配設する際に滴下したレンズ用樹脂組成物が、レンズマーカ上の全体に広がりやすく、また、レンズマーカの外周でその樹脂の広がりが確実に停止するため、表面張力により所定の形状のマイクロレンズを形成するのに適しているからである。
ここで、「両表面のそれぞれに独立して」とは、上述した実施形態では、多層プリント配線板の表面に、光学素子のみ、光学素子実装パッケージ基板のみ、光学素子と光学素子実装パッケージ基板の両者が実装されていることとなるが、この際、多層プリント配線板の一方の表面と他方の表面とに必ずしも同一のものが実装されている必要がなく、例えば、一方の表面には光学素子が実装され、他方の表面には光学素子実装パッケージ基板が実装されている等であってもよいことを意味する。勿論、両表面に同一のものが実装されていてもよい。
これらは、上記多層プリント配線板の構成や、要求特性等を考慮して適宜使い分ければよい。
上記受光素子の材料としては、Si、Ge、InGaAs等が挙げられる。これらのなかでは、受光感度に優れる点からInGaAsが望ましい。
上記受光素子としては、例えば、PD(フォトダイオード)、APD(アバランシェフォトダイオード)等が挙げられる。
これらは、上記多層プリント配線板の構成や要求特性等を考慮して適宜使い分ければよい。
これらは、通信波長を考慮して使い分ければよく、例えば、通信波長が0.85μm帯の場合にはGaAlAsを使用することができ、通信波長が1.3μm帯や1.55μm帯の場合には、InGaAsやInGaAsPを使用することができる。
また、上記光学素子は、フリップチップボンディングにより実装されるものでもよく、ワイヤボンディングにより実装されるものでもよい。
上記光学素子実装パッケージ基板としては、上述した光学素子が実装されたパッケージ基板を用いることができる。
上記アンダーフィルの材料としては特に限定されず、例えば、熱硬化性樹脂、感光性樹脂、熱硬化性樹脂の一部に感光性基が付与された樹脂や、これらと熱可塑性樹脂とを含む樹脂複合体等を用いることができる。また、市販のアンダーフィル用樹脂を用いることもできる。
また、上記熱硬化性樹脂の一部に感光性基が付与された樹脂としては、例えば、上記した熱硬化性樹脂の熱硬化基とメタクリル酸やアクリル酸とをアクリル化反応させたもの等が挙げられる。
上記粒子の具体例として、上述した光信号通過領域に含まれる粒子と同様のもの等が挙げられる。
より望ましい下限は30重量%であり、より望ましい上限は60重量%である。
貫通バイアホールを形成した場合には、光配線が多層プリント配線板の内層(絶縁層間)に形成されている場合であっても、簡単な構造で、かつ、一括に各層の導体回路間を接続することができる。
また、非貫通バイアホールを形成する場合には、バイアホール径を小さくすることができるため、多層プリント配線板の高密度配線に適している。
なお、非貫通バイアホールや貫通バイアホールは、その一方または両方を多層プリント配線板の設計に応じて形成すればよく、これらを形成することにより、光配線が内層にあっても導体回路の設計の自由度を向上させることができ、高密度配線を達成することができる。
この場合、光配線を非貫通バイアホールが形成されていない箇所を迂回させて配線する必要がなく、非貫通バイアホールが形成されていない層に光配線を形成することができるため、光配線と導体回路とを高密度で配線するのに適していることとなる。
なお、この場合、上記コアと上記非貫通バイアホールとの上下関係は問わない。
2つの最外層の絶縁層のうち、一方または両方の絶縁層のさらに外層側に、光配線が形成されていることが望ましく、さらに、上記絶縁層間にも光配線が形成されていることが望ましい。
また、上記絶縁層間にのみ光配線が形成されていることも望ましい。
(1)両最外層の絶縁層上に光配線が形成された形態、(2)片面最外層の絶縁層と内層の絶縁層上とに光配線が形成された形態、(3)両最外層の絶縁層上と内層の絶縁層上に光配線が形成された形態、(4)内層の絶縁層上であって、階層の異なる絶縁層上に光配線が形成された形態が挙げられる。
以下、これらの実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の多層プリント配線板の一実施形態を模式的に示す断面図である。
なお、光導波路150には、光路変換ミラー153が形成されており、この光路変換ミラー153には、金属蒸着層が形成されている。
また、この光路変換ミラー153は、光導波路150の絶縁層に接する面とのなす角が45°である。
なお、下部クラッド152aの厚さは、最外層の導体回路の厚さよりも厚くなっている。
図2(a)は、本発明の多層プリント配線板の別の実施形態を模式的に示す断面図であり、(b)、(c)は、本発明の多層プリント配線板の別の実施形態の部分拡大断面図である。
このように、マイクロレンズを配設することにより、光信号の伝播損失を抑えることができる。
また、多層プリント配線板200では、最外層全体が、下部クラッド252a、コア251および上部クラッド252bからなる光導波路250により覆われており、その一部(光信号通過領域252の真上または真下)に、金属蒸着層からなる光路変換ミラー253が形成されている。
また、上記マイクロレンズが形成される光信号通過領域の端部には、親水処理や撥水処理等の表面処理が施されていてもよい。
上記マイクロレンズの配設位置は、光信号通過領域の端部に限定されるわけではなく、光信号通過領域の内部であってもよい。
また、マイクロレンズを配設する場合、発光素子239と対向する側に配設されたマイクロレンズは、発光素子に対向する側と反対側の光導波路のコアに焦点が合うように設計することが望ましく、また受光素子238と対向する側に配設されたマイクロレンズは光導波路から伝送されてきた光をコリメート光にするように設計されていることが望ましい。
即ち、(b)に示すように、コア1251とクラッド1252とからなる光導波路1250上に、ソルダーレジスト層1234と、導体回路やパッドが積層形成され、そこに半田バンプ1237が形成された態様であってもよい。この場合、絶縁層1222上に形成された最外層の導体回路1225と、光導波路1250上に形成された導体回路(パッド)1225bとは、非貫通バイアホール1227bにより接続されている。
なお、非非貫通バイアホール1227bの形成は、例えば、光導波路1250にレーザ処理で穴あけを行い、この穴内を含む光導波路の表面に無電解めっき、スパッタリング等により薄膜導体層を形成し、さらに、めっきレジストの形成、電解めっき、および、めっきレジストとめっきレジスト下の薄膜導体層との除去を行うことにより形成すればよい。
また、(c)に示したような実施形態において、上部クラッド上に、さらにソルダーレジスト層が形成されていてもよい。
図3、4は、それぞれ本発明の多層プリント配線板の別の実施形態を模式的に示す断面図である。
図3に示すように、多層プリント配線板300は、基板(絶縁層)321の両面に導体回路325と絶縁層322とが順次積層形成され、基板(絶縁層)321を挟んだ導体回路同士、および、絶縁層322を挟んだ導体回路同士は、それぞれ、非貫通バイアホール327により電気的に接続されている。
また、両面の最外層の絶縁層322上には、伝送光に対して透明なソルダーレジスト層334が形成されており、このソルダーレジスト層334上の一部には、光導波路フィルムを透明なUV硬化性エポキシ樹脂で接着固定することにより光導波路350a、350bが形成されており、この光導波路350a、350bは、それぞれ、コア351と下部クラッド352aと上部クラッド352bとから構成されている。また、光導波路350a、350bのそれぞれの両端には、絶縁層の光導波路と接する面とのなす角が45°の光路変換ミラー353が形成されており、この光路変換ミラー353には、金属蒸着層が形成されている。
このように多層プリント配線板300では、異なる階層、すなわち、基板321を挟んだ両側のソルダーレジスト層334上のそれぞれに光導波路350a、350bが形成されている。
なお、本明細書において、ソルダーレジスト層が透明であるとは、光信号の透過率が60%/30mmであることをいう。
また、この光信号通過領域342a〜342dの内部の一部には、樹脂組成物347が充填されている。
さらに、片面のソルダーレジスト層334には、半田パッドを介して半田バンプ337が形成されている。従って、多層プリント配線板300では、この半田バンプ337を介して、CPU等の各種電子部品を実装することができる。さらには、この半田バンプを介して、ICチップ実装用基板やその他の外部基板等との接続を行うこともできる。
なお、多層プリント配線板300においては、片側のソルダーレジスト層にのみ半田バンプが形成されているが、本発明の多層プリント配線板においては、両側のソルダーレジスト層のそれぞれに半田バンプが形成されていてもよい。
また、ソルダーレジスト層334の光信号通過領域342a〜342dを構成する部分には開口が形成されているが、この部分はソルダーレジスト層で覆われていてもよい。ソルダーレジスト層が透明だからである。
また、多層プリント配線板300では、光信号の伝送を行うとともに、導体回路、バイアホールを介して、電気信号の伝送も行うことができる。
図4に示す多層プリント配線板400は、基板(絶縁層)421の両面に導体回路425と絶縁層422とが順次積層形成され、基板421を挟んだ導体回路同士、および、絶縁層422を挟んだ導体回路同士は、それぞれ、非貫通バイアホール427により電気的に接続されている。
このように多層プリント配線板400では、異なる階層に光導波路が形成されている。
このような光信号通過領域のうち、光信号通過領域442は、その両端のそれぞれが、光導波路450a、450bのいずれかと光学的に接続されており、光信号通過領域442aは、その一端が光導波路450aと光学的に接続されており、光信号通過領域442cは、その一端が光導波路450cと光学的に接続されている。
すなわち、光信号通過領域442a、442bの下端の直下に、光路変換ミラー453のそれぞれが配設されるように光導波路450aが形成され、光信号通過領域442b、442cの上端の直上に、光路変換ミラー453のそれぞれが配設されるように光導波路450bが形成されている。
また、この光信号通過領域442a〜442cは、その内部の一部または全部に樹脂組成物447が充填されている。
さらに、多層プリント配線板400の両最外層には、ソルダーレジスト層434が形成されており、片面のソルダーレジスト層434には、半田パッドを介して半田バンプ437が形成されている。従って、多層プリント配線板400では、この半田バンプ437を介して、CPU等の各種電子部品を実装することができる。さらには、この半田バンプを介して、ICチップ実装用基板やその他の外部基板との接続等を行うこともできる。
また、多層プリント配線板400では、光信号の伝送を行うとともに、導体回路、バイアホールを介して、電気信号の伝送も行うことができる。
図5に示すように、多層プリント配線板500では、その両面に導体回路525が形成された基板(絶縁層)521a、その両面に導体回路525が形成され、さらに片面に光導波路550aが形成された基板(絶縁層)521b、および、その両面に導体回路525が形成され、さらに片面に光導波路550bが形成された基板(絶縁層)521cについて、基板521aを中心に、この基板521aを挟むように基板521b、521cが接着性絶縁材料からなる絶縁層522を介して積層形成されている。ここで、基板521b、521cのそれぞれは、光導波路が基板521a側を向くように積層されている。
また、光導波路550a、550bはともに、下部クラッド552a、コア551および上部クラッド552bから構成されている。
また、基板521b、521cのそれぞれには、光信号通過領域542a〜542dが形成されており、各光信号通過領域542a〜542dの一端は、光導波路550a、550bのいずれかと光学的に接続されている。従って、光導波路550a、550bのそれぞれには、各光信号通過領域542a〜542dに対応する位置に光路変換ミラー553が形成されている。そして、光路変換ミラー553には、金属蒸着層が形成されている。
図6は、本発明の多層プリント配線板の別の一例を模式的に示す断面図である。
図6に示すように、多層プリント配線板600では、その両面に導体回路625が形成された基板(絶縁層)621a、621b、および、コア651a、651bとクラッド652a、652b、652cとが交互に位置するように積層された光導波路フィルム650について、光導波路フィルム650を挟むように基板621a、621bが接着性絶縁材料からなる絶縁層622を介して積層形成されている。
また、基板621a、621bのそれぞれには、光信号通過領域642a、642bが形成されており、各光信号通過領域642a、642bの一端は、絶縁層622を介して、光導波路フィルム650と光学的に接続されている。従って、絶縁層622は、伝送光に対して透明な接着性絶縁材料を用いて形成されている。また、光導波路フィルム650には、各光信号通過領域642a、642bに対応する位置に光路変換ミラー653a、653bが形成されている。そして、光路変換ミラーには、金属蒸着層が形成されている。
さらに、図示はしていないが、基板621a、621b、光導波路フィルム650および絶縁層622を挟んだ導体回路間、即ち、基板621a、621bのそれぞれの外層側に形成された導体回路間は貫通バイアホール(図示せず)により接続されている。
図7は、本発明の多層プリント配線板の別の一例を模式的に示す断面図である。
図7に示すように、多層プリント配線板700では、その両面に導体回路725が形成され、さらに片面に光導波路750aが形成された基板(絶縁層)721a、および、その両面に導体回路725が形成され、さらに片面に光導波路750bが形成された基板(絶縁層)721bについて、両者のそれぞれに形成された光導波路750a、750bが対向するように、接着性絶縁材料からなる絶縁層722を介して張り合わされている。
また、光導波路750a、750bはともに、下部クラッド752a、コア751および上部クラッド752bから構成されている。
また、基板721a、721bのそれぞれには、光信号通過領域742a〜742dが形成されており、各光信号通過領域742a〜742dの一端は、光導波路750a、750bのいずれかと光学的に接続されている。従って、光導波路750a、750bのそれぞれには、各光信号通過領域742a〜742dに対応する位置に光路変換ミラー753が形成されている。そして、光路変換ミラー753には、金属蒸着層が形成されている。
また、発光素子739cからの光信号は、光導波路750dを介して外部基板に伝送されることなり、基板外部からの光信号は、光導波路750cを介して、受光素子738cに伝送されることとなる。
図8は、本発明の多層プリント配線板の別の一例を模式的に示す断面図である。
図8に示した多層プリント配線板800は、図7に示した多層プリント配線板700と略同様の構造を有しており、異なるのは、基板(絶縁層)821a、821bのそれぞれの外層側に形成された導体回路間を接続する態様である。従って、多層プリント配線板800については、この点のみを説明し、その他の態様については、その説明を省略することとする。
図9に示すように、多層プリント配線板900では、その両面に導体回路925が形成された基板(絶縁層)921a、921b、および、光ファイバ961の周囲がカバー樹脂層962で被覆された光ファイバシート960について、光ファイバシート960を挟むように基板921a、921bが接着性絶縁材料からなる絶縁層922を介して積層形成されている。
また、基板921a、921bのそれぞれには、光信号通過領域942a、942bが形成されており、各光信号通過領域942a、942bの一端は、絶縁層622を介して、光ファイバシート960と光学的に接続されている。従って、絶縁層922は、伝送光に対して透明な接着性絶縁材料を用いて形成されている。また、光ファイバシート960には、各光信号通過領域942a、942bに対応する位置に光路変換ミラー963a、963bが形成されている。そして、光路変換ミラーには、金属蒸着層が形成されている。
さらに、基板921b側の最外層では、ソルダーレジスト層934上にコア951とクラッド952とからなり、光路変換ミラー953が形成された光導波路950が形成されており、この光導波路950と光学的に接続された光信号通過領域942cが、基板921a、921b、光ファイバシート960および絶縁層922を貫通するように形成されている。そして、光導波路950が形成された側と反対側の最外層には、受光素子938bが実装されている。
また、多層プリント配線板900外から伝送された光信号は、光導波路950、ソルダーレジスト層934、光信号通過領域942cおよびソルダーレジスト層934を介して受光素子938b(受光部2938a)に伝送されることとなる。
図10に示すように、多層プリント配線板1000では、その両面に導体回路1025と光導波路1050b、1050cが形成された基板(絶縁層)1021a、その両面に導体回路1025が形成された基板(絶縁層)1021b、1021cについて、基板1021aを中心に、この基板1021aを挟むように基板1021b、1021cが接着性絶縁材料からなる絶縁層1022を介して積層形成されている。
また、光導波路1050b、1050cはともに、クラッド1052およびコア1051
から構成されている。
また、基板1021bに外層側に形成されたソルダーレジスト層1034上には、光導波路1050aが形成されている。
また、基板1021a〜1021cを貫通する光信号通過領域1042a、1042b、基板1021a、1021bを貫通する光信号通過領域1042c、1042d、および、基板1021a、1021cを貫通する光信号通過領域1042e、1042fが形成されており、各光信号通過領域1042a〜1042fの一端は、光導波路1050a〜1050cのいずれかと光学的に接続されている。従って、光導波路1050a〜1050cのそれぞれには、各光信号通過領域1042a〜1042fに対応する位置に光路変換ミラー1053が形成されている。そして、光路変換ミラー1053には、金属蒸着層が形成されている。
また、図9、10に示した実施形態においては、基板の片面の最外層のみならず、基板の両面の最外層に光導波路が形成されていてもよく、この場合、上記(3)の実施形態、即ち、両最外層の絶縁層上と内層の絶縁層上に光配線が形成された形態を有することとなる。
また、図1〜10に示した多層プリント配線板では、光学素子が直接実装されているが、光学素子に代えて、光学素子が実装されたパッケージ基板(図38参照)が実装されていてもよい。
本発明の多層プリント配線板を製造する方法は、大きく2種類の方法に分けることができ、その一つは、ベースとなる絶縁層(基板)を出発材料とし、その両面に順次、導体回路、絶縁層および光配設を積層形成していく方法(以下、第一の製造方法という)であり、他の一つは、ベースとなる絶縁層(基板)の片面または両面に、必要に応じて導体回路、絶縁層および光配線を積層したものを、必要枚数用意し、これらを接着性絶縁材料を介して圧着する方法(以下、第二の製造方法という)である。
また、両者を比較した場合、第一の製造方法は、多層プリント配線板の最外層に光配線を形成する方法として適しており、第二の製造方法、多層プリント配線板の内層に光配線を形成する方法として適している。
(1)絶縁性基板(ベースとなる絶縁層)を出発材料とし、まず、該絶縁性基板上に導体回路を形成する。
上記絶縁性基板としては特に限定されず、例えば、ガラスエポキシ基板、ビスマレイミド−トリアジン(BT)樹脂基板、銅張積層板、RCC基板等の樹脂基板、窒化アルミニウム基板等のセラミック基板、シリコン基板、ガラス基板等が挙げられる。
上記導体回路は、例えば、上記絶縁性基板の表面に無電解めっき処理等によりベタの導体層を形成した後、エッチング処理を施すことにより形成することができる。
また、上記絶縁性基板を挟んだ導体回路間を接続するための非貫通バイアホールを形成してもよい。また、導体回路を形成した後には、必要に応じて、導体回路の表面にエッチング処理等により粗化面を形成してもよい。
上記非貫通バイアホールは、上記絶縁性基板にドリル等で穴あけを行い、その壁面にめっき処理を施すことにより形成することができる。
上記絶縁層は、熱硬化性樹脂、感光性樹脂、熱硬化性樹脂の一部に感光性基が付与された樹脂や、これらと熱可塑性樹脂と含む樹脂複合体等を用いて形成すればよい。
具体的には、まず、未硬化の樹脂をロールコーター、カーテンコーター等により塗布したり、樹脂フィルムを熱圧着したりすることにより樹脂層を形成し、その後、必要に応じて、硬化処理を施すとともに、レーザ処理や露光現像処理によりバイアホール用開口を形成することにより絶縁層を形成することができる。
また、上記熱可塑性樹脂からなる樹脂層は、フィルム状に成形した樹脂成形体を熱圧着することにより形成することができる。
上記感光性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂等が挙げられる。
また、上記熱硬化性樹脂の一部に感光性基が付与された樹脂としては、例えば、上記した熱硬化性樹脂の熱硬化基とメタクリル酸やアクリル酸とをアクリル化反応させたもの等が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリスルフォン(PSF)、ポリフェニレンスルフォン(PPS)ポリフェニレンサルファイド(PPES)、ポリフェニレンエーテル(PPE)ポリエーテルイミド(PI)等が挙げられる。
また、上記絶縁層は、2層以上の異なる樹脂層から構成されていてもよい。
上記粗化面形成用樹脂組成物とは、例えば、酸、アルカリおよび酸化剤から選ばれる少なくとも1種からなる粗化液に対して難溶性の未硬化の耐熱性樹脂マトリックス中に、酸、アルカリおよび酸化剤から選ばれる少なくとも1種からなる粗化液に対して可溶性の物質が分散されたものである。
なお、上記「難溶性」および「可溶性」という語は、同一の粗化液に同一時間浸漬した場合に、相対的に溶解速度の早いものを便宜上「可溶性」といい、相対的に溶解速度の遅いものを便宜上「難溶性」と呼ぶ。
また、この工程では、必要に応じて、全ての絶縁層を貫通するバイアホール用開口を形成してもよい。
まず、セミアディティブ法による導体回路の形成方法を説明する。
具体的には、まず、絶縁層の表面に、無電解めっきやスパッタリング等により薄膜導体層を形成し、次いで、その表面の一部にめっきレジストを形成した後、めっきレジスト非形成部に電解めっき層を形成する。次に、めっきレジストと、該めっきレジスト下の薄膜導体層とを除去し、導体回路を形成する。
また、上記薄膜導体層の厚さは、0.1〜2.0μmが望ましい。
また、上記薄膜導体層形成前には、絶縁層の表面に粗化面を形成しておいてもよい。
また、上記電解めっき層の厚さは5〜20μmが望ましい。上記電解めっき層を形成するための電解めっきとしては、銅めっきが望ましい。
また、上記導体回路を形成した後、必要に応じて、絶縁層上の触媒を酸や酸化剤を用いて除去してもよい。電気特性の低下を防止することができるからである。
この場合は、絶縁層の表面に、無電解めっきやスパッタリング等により薄膜導体層を形成し、次いで、必要に応じて、電解めっき等により、導体層の厚付けを行う。
その後、導体層の表面の一部にエッチングレジストを形成し、エッチングレジスト非形成部に導体層を除去することより導体回路を形成する。
なお、電解めっきやエッチング等は、例えば、セミアディティブ法で用いた方法と同様の方法を用いることができる。
その後、必要に応じて、(3)および(2)の工程を繰り返すことにより、導体回路と絶縁層とを積層形成してもよい。
ここで、光信号通過領域は、その端部が、最外層の絶縁層の表面よりも突出するように形成してもよい。
また、この工程で、光信号通過領域を形成する際には、光信号通過領域の壁面に金属層を形成してもよい。金属層を形成することなく、光路用貫通孔の壁面に必要に応じてデスミア処理を施した後、光路用貫通孔内に樹脂組成物を充填した場合には、樹脂組成物にボイドが発生するおそれがあるが、上記金属層を形成することにより、ボイドが発生するおそれが少なくなる。
また、上記金属層を形成した場合、その表面には、粗化処理を施すことが望ましく、その場合、表面粗さRaは、0.1〜5μm程度であることが望ましい。粗化処理を施すことにより、樹脂組成物との密着性が向上することとなるからである。
また、光信号通過領域の壁面には、別途、樹脂層を形成してもよい。
(a)まず、最外層の絶縁層上に、上記(3)の工程で用いた方法と同様の方法を用いて、薄膜導体層を形成し、次いで、必要に応じて、電解めっき等により、導体層の厚付けを行う。
上記光路用貫通孔の形成は、例えば、ドリル加工やルータ加工、レーザ処理等により行う。
上記レーザ処理において使用するレーザとしては、上記バイアホール用開口の形成において使用するレーザと同様のもの等が挙げられる。
上記ドリル加工においては、多層配線板の認識マークを読み、加工位置を補正してドリル加工を行う認識マークの認識機能付き装置を用いることが望ましい。
ここでは、設計に応じて、一括貫通孔構造や個別貫通孔構造の光信号通過領域に対応した光路用貫通孔を形成する。
側面の一部が繋がった、隣り合う円柱を連続して形成しようとすると、ドリルの先端が既に形成された円柱の方向へ逃げようとしてドリルの先端ふれが発生し、ドリル加工時の精度が低下することがあるからである。
上記デスミア処理は、例えば、過マンガン酸溶液による処理や、プラズマ処理、コロナ処理等を用いて行うことができる。なお、上記デスミア処理を行うことにより、光路用貫通孔内の樹脂残り、バリ等を除去することができ、完成した光信号通過領域における壁面での光の乱反射に起因した光信号の伝播損失の増加を防止することができる。
上記粗化面の形成は、例えば、硫酸、塩酸、硝酸等の酸;クロム酸、クロム硫酸、過マンガン酸塩等の酸化剤等により行うことができる。また、プラズマ処理やコロナ処理等により行うこともできる。
光路用貫通孔内に、未硬化の樹脂組成物を充填した後、硬化処理を施すことにより、その端部が最外層の絶縁層の表面よりも突出している光信号通過領域を形成することができる。
具体的な未硬化の樹脂組成物の充填方法としては特に限定されず、例えば、印刷やポッティング等の方法を用いることができる。
ここで、エッチング処理は、上記(3)の工程で用いた方法と同様の方法により行うことができる。
すなわち、上記(a)の工程において、薄膜導体層を形成した後、導体層の圧付けを行うことなく、上記(c)の工程までを行い、上記(d)の工程において、薄膜導体層上にめっきレジストを形成した後、めっきレジスト非形成部に、電解めっき層を形成し、その後、電解めっき層の除去と、このめっきレジスト下の薄膜導体層の除去とを行うことにより、導体回路と光信号通過領域とを形成してもよい。
なお、上記光配線は、後述する工程で、必要に応じて形成するソルダーレジスト層上に形成してよい。
上記光配線として光導波路を形成する場合であって、上記光導波路の形成を、その材料に石英ガラス等の無機材料を用いて行う場合には、予め、所定の形状に成形しておいた光導波路を光学接着剤を介して取り付けることにより行うことができる。
また、上記無機材料からなる光導波路は、LiNbO3、LiTaO3等の無機材料を液相エピタキシヤル法、化学堆積法(CVD)、分子線エピタキシヤル法等により成膜させることにより形成することができる。
なお、光導波路の形成方法としては、ガラス基板等上に光導波路を形成する場合も、絶縁層等上に光導波路を形成する場合も同様の方法を用いて行うことができる。
なお、光導波路フィルムを形成する場合は、ガラス基板等にシリコン樹脂等の離形材を塗布しておいてもよい。また、光導波路フィルムは、形成後、フッ酸溶液等により剥離することができる。
上記反応性イオンエッチングを用いた方法では、(i)まず、ガラス基板や絶縁層等(以下、単にガラス基板等という)の上に下部クラッドを形成し、(ii)次に、この下部クラッド上にコア用樹脂組成物を塗布し、さらに、必要に応じて、硬化処理を施すことによりコア形成用樹脂層とする。(iii)次に、上記コア形成用樹脂層上に、マスク形成用の樹脂層を形成し、次いで、このマスク形成用の樹脂層に露光現像処理を施すことにより、コア形成用樹脂層上にマスク(エッチングレジスト)を形成する。
(iv)次に、コア形成用樹脂層に反応性イオンエッチングを施すことにより、マスク非形成部分のコア形成用樹脂層を除去し、下部クラッド上にコアを形成する。(v)最後に、上記コアを覆うように下部クラッド上に上部クラッドを形成し、光導波路とする。
この反応性イオンエッチングを用いた方法は、寸法信頼性に優れた光導波路を形成することができる。また、この方法は、再現性にも優れている。
(iii)次に、上記コア形成用樹脂組成物の層上に、コア形成部分に対応したパターンが描画されたマスクを載置し、その後、露光現像処理を施すことにより、下部クラッド上にコアを形成する。(iv)最後に、上記コアを覆うように下部クラッド上に上部クラッドを形成し、光導波路とする。
この露光現像法は、工程数が少ないため、光導波路を量産する際に好適に用いることができ、また、加熱工程が少ないため、光導波路に応力が発生しにくい。
この金型形成法は、光導波路を量産する際に好適に用いることができ、寸法信頼性に優れた光導波路を形成することができる。また、この方法は、再現性にも優れている。
(iii)次に、下部クラッド上のレジスト非形成部分にコア用樹脂組成物の塗布し、(iv)さらに、コア用樹脂組成物を硬化した後、上記コア形成用レジストを剥離することにより、下部クラッド上にコアを形成する。(v)最後に、上記コアを覆うように下部クラッド上に上部クラッドを形成し、光導波路とする。
このレジスト形成法は、光導波路を量産する際に好適に用いることができ、寸法信頼性に優れた光導波路を形成することができる。また、この方法は、再現性にも優れている。
すなわち、下部クラッドに金型形成によりコア形成用の溝を形成し、その後、この溝内にコアを形成する金型形成法でコアを形成した場合には、コアに配合される粒子は全部、コア中に入ってしまうこととなるため、コアの表面は平坦で光信号の伝送性に優れるのに対し、露光現像法でコアを形成した場合には、現像後のコアにおいて、コア表面から粒子の一部が突出していたり、コア表面に粒子がとれた窪みが形成されていたりして、コアの表面に凹凸が形成されることがあり、この凹凸によって光が所望の方向に反射しなくなり、その結果、光信号の伝送性が低下することがあるからである。
また、下部クラッドの形成に際して、クラッド用樹脂組成物をスピンコータで塗布する場合には、塗布量を多くして、回転速度の調整を行うことにより、導体回路間に充分に樹脂組成物を供給し、表面の平坦な下部クラッドを形成することができる。
また、下部クラッドを形成時には、クラッド用樹脂組成物を塗布後、フィルムを載置し、さらに平板を介して圧力を付加する等の平坦化処理を施してもよい。
なお、光導波路用樹脂組成物(クラッド用樹脂組成物、コア用樹脂組成物)の塗布は、スピンコータ以外に、ロールコータ、バーコータ、カーテンコータ等を用いることができる。
また、光ファイバシートは、ポリイミド樹脂等からなるベースフィルム(カバー樹脂層)上に、必要本数の光ファイバを光ファイバ布線装置を用いて布線した後、その周囲をポリイミド樹脂等からなる保護フィルム(カバー樹脂層)で被覆することにより形成することができる。なお、市販の光ファイバシートを用いることもできる。
上記光路変換ミラーは、光配線を絶縁層上に取り付ける前に形成しておいてもよいし、絶縁層上に取り付けた後に形成してもよいが、該光配線を絶縁層上に直接形成する場合を除いて、予め光路変換ミラーを形成しておくことが望ましい。作業を容易に行うことができ、また、作業時に多層プリント配線板を構成する他の部材、基板や導体回路、絶縁層等に傷を付けたり、これらを破損させたりするおそれがないからである。ただし、絶縁層上に取り付けた後に形成したほうが精度は向上する。
上記光路変換ミラーを形成する方法としては特に限定されず、従来公知の形成方法を用いることができる。具体的には、先端がV形90°のダイヤモンドソーや刃物、ブレードによる機械加工、反応性イオンエッチングによる加工、レーザアブレーション等を用いることができる。また、光導波路フィルム等の両端に光路変換ミラーを形成する場合には、該光導波路フィルム等を研磨機の冶具に固定し、両端を研磨することにより光路変換ミラーを形成してもよい。
また、光路変換ミラーを形成する代わりに光路変換部材を埋め込んでもよい。
また、光導波路に90度光路変換ミラーを形成する場合には、下部クラッドの基板または絶縁層と接する面と、光路変換面とのなす角は、45度であってもよいし、135度であってもよい。
上記ソルダーレジスト層は、未硬化のソルダーレジスト組成物を塗布した後、硬化処理を施したり、上記ソルダーレジスト組成物からなるフィルムを圧着し、さらに必要に応じて、硬化処理を施したりすることにより形成することができる。
上記光路用開口は、例えば、上記ソルダーレジスト組成物を塗布した後、露光現像処理を施すことにより形成することができる。
また、光路用開口の形成と同時に半田バンプ形成用開口(ICチップや光学素子を実装するための開口)を形成してもよい。勿論、光路用開口と半田バンプ形成用開口とは別々に形成してもよい。
また、ソルダーレジスト層を形成する際に、予め、所望の位置に開口を有する樹脂フィルムを作製し、該樹脂フィルムを張り付けることにより、光路用開口や半田バンプ形成用開口を有するソルダーレジスト層を形成してもよい。
また、この工程で形成した光路用開口内には、光路用貫通孔内に充填した樹脂組成物と同様の樹脂組成物を充填してもよい。
なお、マイクロレンズの配設は、上記ソルダーレジスト層として透明ソルダーレジスト層を形成した場合には、そのソルダーレジスト層上に配設すればよい。
上記撥水コート剤による処理を行う場合には、まず、マイクロレンズを形成する部分に対応する部分が開口したマスクを行い、次にスプレー塗布やスピンコータでの塗布により撥水コート剤を塗布し、その後、撥水コート剤を自然乾燥させ、さらにマスクを剥がすことにより表面処理を終了する。なお、撥水コート剤層の厚さは、通常、1μm程度である。ここでは、メッシュ版やレジスト形成したマスクを用いればよい。
なお、撥水コート剤による処理を行う場合には、マスクを用いることなく、ソルダーレジスト層全体に撥水コート剤による処理を施してもよい。
また、上記O2プラズマによる親水処理を行う場合には、まず、ソルダーレジスト層上のマイクロレンズを形成する部分に対応する部分が開口したマスクを行い、次に、O2プラズマ処理を行い、さらにマスクを剥がすことにより表面処理を終了する。ここでは、メタル版やレジスト形成したマスクを用いればよい。
また、上記撥水処理(撥水コート剤による処理含む)と親水処理とを組み合わせて行うことが望ましい。
上記ソルダーレジスト層上にマイクロレンズを直接配設する方法としては、例えば、未硬化の光学レンズ用樹脂を樹脂組成物上に適量滴下し、この滴下した未硬化の光学レンズ用樹脂に硬化処理を施す方法が挙げられる。
上記方法において、未硬化の光学レンズ用樹脂をソルダーレジスト層上に適量滴下する際には、ディスペンサー、インクジェット、マイクロピペット、マイクロシリンジ等の装置を用いることができる。また、このような装置を用いてソルダーレジスト層上に滴下した未硬化の光学レンズ用樹脂は、その表面張力により球形になろうとするため、上記ソルダーレジスト層上で半球状となり、その後、半球状の未硬化の光学レンズ用樹脂に硬化処理を施すことで、ソルダーレジスト層上に半球状のマイクロレンズを形成することができるのである。
なお、このようにして形成するマイクロレンズの直径や曲面の形状等は、ソルダーレジスト層と未硬化の光学レンズ用樹脂との濡れ性を考慮しながら、適宜未硬化の光学レンズ用樹脂の粘度等を調整することで制御することができる。
すなわち、上記半田バンプ形成用開口を形成することにより露出した導体回路部分を、必要に応じて、ニッケル、パラジウム、金、銀、白金等の耐食性金属により被覆し、半田パッドとする。
上記被覆層は、例えば、めっき、蒸着、電着等により形成することができるが、これらのなかでは、被覆層の均一性に優れるという点からめっきにより形成することが望ましい。
なお、半田パッドの形成は、上記マイクロレンズ配設工程の前に行うこととしてもよい。
さらに、ソルダーレジスト層に光学素子(受光素子や発光素子)等を実装する。光学素子等の実装は、例えば、上記半田バンプを介して行うことができる。また、例えば、上記半田バンプを形成する際に、半田ペーストを充填した時点で、光学素子を取り付けておき、リフローと同時に光学素子の実装を行ってもよい。また、ここで用いる半田の組成は特に限定されず、Sn/Pb、Sn/Pb/Ag、Sn/Ag/Cu、Sn/Cu等どのような組成であってもよい。
また、半田に代えて、導電性接着剤等を用いて光学素子を実装してもよい。
このような工程を経ることにより、本発明の多層プリント配線板を製造することができる。
(1)まず、第一の製造方法の(1)の工程と同様、絶縁性基板(ベースとなる絶縁層)を出発材料として、この絶縁性基板上に導体回路や、ベタの導体層を形成する。ここでは、絶縁性基板の一方の面に導体回路を形成し、他方の面にベタの導体層を形成してもよい。
ここで、絶縁層の形成は、第一の製造方法の(2)の工程で用いた方法と同様の方法により行うことができる。また、上記絶縁層を形成した場合には、さらに、第一の製造方法の(3)の工程と同様の方法により導体回路を積層形成するとともに、バイアホールを形成することが望ましい。
また、光配線の形成は、第一の製造方法の(6)の工程で用いた方法と同様の方法により行うことができる。また、上記光配線を形成する場合には、必要に応じて、絶縁性基板に光信号通過領域を形成してもよい。
さらに、絶縁層の形成と光配線の形成との両者を行ってもよく、この場合、その形成順序は問わない。また、この場合、上記(5)の工程と同様の方法を用いて光信号通過領域を形成してもよい。
なお、この(1)、(2)の工程では、絶縁性基板の両面に絶縁層や光配線を積層形成した配線板を必要枚数形成する。
また、上記絶縁層が樹脂材料からなるあるものである場合には、絶縁層の材料となる樹脂と接着性絶縁材料の材料となる樹脂とは同一であることが望ましい。
また、シート状材料を用いる場合、プレス前には、2枚の配線板間に介在させておくだけでもよいし、片方の配線板に予め圧着しておいてもよいし、両方の配線板のそれぞれに予め圧着しておいてもよい。なお、両方の配線板に圧着しておく場合には、2枚のシート材料を使用することとなる。
また、樹脂液状樹脂組成物を使用する場合は、予め、一方または両方の配線板に塗布し、Bステージ状態まで硬化させた後、プレスしてもよいし、一方または両方の配線板に塗布した状態でプレスしてもよい。また、上記液状樹脂組成物には粒子が配合されていてもよい。
透過率が60%/30μmである場合には、プリプレグ等に起因する伝播損失は2.0dBであり、80%/30μmである場合には、伝播損失は0.8dB程度であり、90%/30μmである場合には、伝播損失は0.4dB程度であり、この程度の損失であれば光信号を伝送することができる。なお、透過率は伝送距離に応じて選択してもよい。
このような透過率の高い樹脂、具体的には、透過率が70%/1mmの樹脂を30μmの厚さで用いた場合、その伝播損失は0.05dB程度、透過率が90%/1mmの樹脂を30μmの厚さで用いた場合、その伝播損失は0.01dB程度と極めて小さくすることができる。
また、上述した方法でプレスを行う場合、最外層(熱板と接することとなる面)は、ベタの導体層で構成されていることが望ましい。例えば、最外層が導体回路が形成されている場合、熱板から伝わる圧力が不均一となり(導体回路形成領域に伝わる圧力が、非形成領域に比べて大きくなる)、その結果、各層を構成する導体回路、絶縁層、光配線にうねりが発生してしまうことがある。特に、光配線にうねりが発生した場合には、伝播損失が増大する原因となり、また、不均一な圧力は、光配線の位置ズレの原因ともなる。
また、この工程において、配線板と接着性絶縁材料とを積層プレスする場合には、3枚以上の配線板を用意し、それぞれの配線板の間に接着性絶縁材料を挟んで、プレスしてもよい。
なお、この工程で、積層する部材としては、片面プリプレグ付き銅箔等も用いることができる。
上記貫通バイアホールの形成は、例えば、絶縁層全体を貫通する貫通孔をドリル加工等により形成し、その後、この貫通孔の壁面にめっき等により導体層を形成することにより形成することができる。
また、この工程では、絶縁層全体を貫通する光信号通過領域を形成してもよく、また、この場合、最外層に光配線を形成することが望ましい。
このような非貫通バイアホールの形成は、例えば、内層に形成された一つの導体回路に向かって、積層された絶縁層の両面からレーザ加工により非貫通孔を形成し(この場合、それぞれの非貫通孔は、上記した導体回路の両面を底とする有低孔となる)、その後、非貫通孔の壁面(内部全体であってもよい)にめっき等により導体層を形成することにより行うことができる。
このような工程を経ることによっても、本発明の多層プリント配線板を製造することができる。
また、第一および第二の製造方法では、非貫通バイアホールをフォトバイアホールやレーザバイアホールとして説明したが、上記非貫通バイアホールの形状は、コンフォーマルバイアホールや、フィールドバイアホール、スタッドバイアホール等特に限定されない。
(実施例1)
A.絶縁層用樹脂フィルムの作製
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量469、油化シェルエポキシ社製エピコート1001)30重量部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量215、大日本インキ化学工業社製 エピクロンN−673)40重量部、トリアジン構造含有フェノールノボラック樹脂(フェノール性水酸基当量120、大日本インキ化学工業社製 フェノライトKA−7052)30重量部をエチルジグリコールアセテート20重量部、ソルベントナフサ20重量部に攪拌しながら加熱溶解させ、そこへ末端エポキシ化ポリブタジエンゴム(ナガセ化成工業社製 デナレックスR−45EPT)15重量部と2−フェニル−4、5−ビス(ヒドロキシメチル)イミダゾール粉砕品1.5重量部、微粉砕シリカ2重量部、シリコーン系消泡剤0.5重量部を添加しエポキシ樹脂組成物を調製した。
得られたエポキシ樹脂組成物を厚さ38μmのPETフィルム上に乾燥後の厚さが50μmとなるようにロールコーターを用いて塗布した後、80〜120℃で10分間乾燥させることにより、絶縁層用樹脂フィルムを作製した。
ビスフェノールF型エポキシモノマー(油化シェル社製、分子量:310、YL983U)100重量部、粒径0.4〜0.6μmのSiO2球状粒子(アドマテック社製、SO−E2)170重量部およびレベリング剤(サンノプコ社製 ペレノールS4)1.5重量部を容器にとり、攪拌混合することにより、その粘度が23±1℃で45〜49Pa・sの樹脂充填材を調製した。なお、硬化剤として、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、2E4MZ−CN)6.5重量部を用いた。
(1)厚さ0.8mmのガラスエポキシ樹脂またはBT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる絶縁性基板(絶縁層)21の両面に18μmの銅箔28がラミネートされている銅張積層板を出発材料とした(図11(a)参照)。まず、この銅張積層板をドリル削孔し、無電解めっき処理を施し、パターン状にエッチングすることにより、基板21の両面に導体回路25と非貫通バイアホール27とを形成した。
すなわち、まず、スキージを用いて非貫通バイアホール内に樹脂充填材を押し込んだ後、100℃、20分の条件で乾燥させた。次に、導体回路非形成部に相当する部分が開口したマスクを基板上に載置し、スキージを用いて凹部となっている導体回路非形成部にも樹脂充填材を充填し、100℃、20分の条件で乾燥させることにより樹脂充填材30′の層を形成した(図11(c)参照)。
次いで、100℃で1時間、120℃で3時間、150℃で1時間、180℃で7時間の加熱処理を行って樹脂充填材層30を形成した。
すなわち、絶縁層用樹脂フィルムを基板上に、真空度65Pa、圧力0.4MPa、温度80℃、時間60秒の条件で本圧着し、その後、170℃で30分間熱硬化させた。
さらに、粗面化処理(粗化深さ3μm)した該基板の表面に、パラジウム触媒を付与することにより、絶縁層22の表面(バイアホール用開口26の内壁面を含む)に触媒核を付着させた(図示せず)。すなわち、上記基板を塩化パラジウム(PdCl2)と塩化第一スズ(SnCl2)とを含む触媒液中に浸漬し、パラジウム金属を析出させることにより触媒を付与した。
〔無電解めっき水溶液〕
NiSO4 0.003 mol/l
酒石酸 0.200 mol/l
硫酸銅 0.030 mol/l
HCHO 0.050 mol/l
NaOH 0.100 mol/l
α、α′−ビピリジル 100 mg/l
ポリエチレングリコール(PEG) 0.10 g/l
〔無電解めっき条件〕
30℃の液温度で40分
〔電解めっき液〕
硫酸 2.24 mol/l
硫酸銅 0.26 mol/l
添加剤 19.5 ml/l
(アトテックジャパン社製、カパラシドHL)
〔電解めっき条件〕
電流密度 1 A/dm2
時間 65 分
温度 22±2 ℃
次に、直径395μmのドリルを用いて、ルータ加工を行うことにより、基板21および絶縁層22を貫通する光路用貫通孔46を形成し、さらに、光路用貫通孔46の壁面にデスミア処理を施した(図14(a)〜図15(a)参照)。
コア形成用樹脂としてアクリル系樹脂(屈折率1.52、透過率94%、CTE72ppm)を、クラッド形成用樹脂としてアクリル系樹脂(屈折率1.51、透過率93%、CTE70ppm)に、粒径0.4〜0.6μmのSiO2球状粒子(アドマテック社製、SO−E2)を25重量%添加して透過率を81%、CTEを53ppm、粘度を1000cpsとしたものを準備した。
次に、下部クラッド52上に、コア形成用樹脂を塗布し、80℃で10分間のプリベーク、500mJのマスク露光処理、1%TMAH(テトラメチルアンモニウム水溶液)を用いたディップによる2分間の現像処理、2000mJのベタ露光処理、150℃で1時間のポストベークを行い、幅50μm×厚さ50μmのコア51を形成した。
次に、スピンコータ(1000pm/10sec)を用いてクラッド形成用樹脂を塗布し、80℃で10分間のプリベーク、2000mJの露光処理、150℃で1時間のポストベークを行い、コア51上を含む基板の最外層全体に上部クラッド層51を形成し、光導波路50とした(図16(a)参照)。
すなわち、UV硬化型エポキシ系樹脂(透過率91%/mm、屈折率1.53)を室温(25℃)で、粘度20cpsに調整した後、この樹脂をインクジェット装置の樹脂容器内で、温度40℃、粘度8cpsに調整し、その後、上部クラッド上の所定の位置に塗布し、UV硬化させることにより、直径220μmの凸状レンズを配設した。
なお、マイクロレンズのサグ高さは、後工程を経て、受光素子を実装したパッケージ基板に対向することとなる側では、伝送光をコリメート光とできる形状で、発光素子を実装したパッケージ基板に対向することとなる側では、その焦点が光導波路のコアと一致する形状で形成した。
次に、半田バンプを介して、受光素子38としてPDが実装されたパッケージ基板、および、発光素子39としてVCSELが実装されたパッケージ基板を実装し、多層プリント配線板とした。
なお、図中1134はソルダーレジスト層、1138は光学素子、1144半田接続部である。
1.配線板Aの作製
(1)厚さ0.8mmのガラスエポキシ樹脂またはBT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる絶縁性基板10021の両面に18μmの銅箔がラミネートされ、表面導体層10028が形成されている銅張積層板を出発材料とした(図18(a)参照)。まず、この銅張積層板をドリル削孔し、無電解めっき処理を施し、さらに穴10009内に樹脂組成物10030を充填することにより、その壁面に非貫通バイアホールを構成する導体層10027′を形成した(図18(b)(c)参照)。
この工程で樹脂組成物としては、エポキシ樹脂(透過率91%、CTE82ppm)に0.1〜0.8μmの粒度分布を有する粉砕シリカを40重量%添加して、透過率82%、CTE42ppmとし、粘度を200000cpsに調整したをものを用いた。
まず、コア形成用樹脂としてアクリル系樹脂(屈折率1.52、透過率94%、CTE72ppm)を、クラッド形成用樹脂としてアクリル系樹脂(屈折率1.51、透過率93%、CTE70ppm)に、粒径0.4〜0.6μmのSiO2球状粒子(アドマテック社製、SO−E2)を25重量%添加して透過率を81%、CTEを53ppm、粘度を1000cpsとしたものを準備した。
次に、下部クラッド10052上に、スピンコータ(1200pm/10sec)を用いてコア形成用樹脂を塗布し、80℃で10分間のプリベーク、500mJのマスク露光処理、1%TMAH(テトラメチルアンモニウム水溶液)を用いたディップによる2分間の現像処理、2000mJのベタ露光処理、150℃で1時間のポストベークを行い、幅50μm×厚さ50μmのコア10051を形成した。
次に、スピンコータ(1000pm/10sec)を用いてクラッド形成用樹脂を塗布し、80℃で10分間のプリベーク、2000mJの露光処理、150℃で1時間のポストベークを行い、コア上での厚さが50μmの上部クラッドを形成し、コア10051とクラッド10052とからなる光導波路10050とした。
その後、光導波路10050上であって、光信号通過領域に対応する部分に、90度の♯3000ブレードを用いたダイシング加工を施し、さらに、加工により露出した面にAu/Cr蒸着膜を形成し、90度光路変換ミラー10053とした(図19(b)参照)。
このような工程を経ることにより、配線板Aを完成した。
(6)次に、上記配線板Aを2枚と、厚さ80μmの高Tgエポキシ製プレプレグ(日立化成社製、MCL−E−679)1枚とを用意し、このプリプレグ10022の両側に配線板Aを、光導波路10050が内側に位置するようにピンラミネーション方式で位置合わせをしながら積層した後、圧力が30kg/cm2で、プレス時間が、温度180℃以上の時間が45分間で、トータルプレス時間が150分間の条件でプレスした(図20(a)参照)。なお、配線板Aには、ガイド穴(図示せず)を予め空けておいた。
導体層10029′は、貫通孔10019の壁面にパラジウム触媒を付与した後、基板表面にマスクを形成し、以下の組成の無電解銅めっき水溶液中に、基板を浸漬することにより、無電解めっき銅めっき膜形成し、その後、下記の組成の電解銅めっき膜で厚付けを行うことにより形成した(図21(a)参照)。
NiSO4 0.003 mol/l
酒石酸 0.200 mol/l
硫酸銅 0.030 mol/l
HCHO 0.050 mol/l
NaOH 0.100 mol/l
α、α′−ビピリジル 100 mg/l
ポリエチレングリコール(PEG) 0.10 g/l
〔無電解めっき条件〕
30℃の液温度で40分
硫酸 2.24 mol/l
硫酸銅 0.26 mol/l
添加剤 19.5 ml/l
(アトテックジャパン社製、カパラシドHL)
〔電解めっき条件〕
電流密度 1 A/dm2
時間 65 分
温度 22±2 ℃
また、樹脂組成物10047としては、上記(3)の工程で充填した樹脂組成物と同様のものを用いた。
また、この工程では、同時に貫通バイアホール10029が形成されることとなる。
上記ソルダーレジスト組成物としては、DMDGに溶解させた60重量%のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社製)のエポキシ基50%をアクリル化した感光性付与のオリゴマー(分子量4000)を46.67g、メチルエチルケトンに溶解させた80重量%のビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル社製、エピコート1001)15.0g、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、商品名:2E4MZ−CN)1.6g、感光性モノマーである多価アクリルモノマー(日本化薬社製、商品名:R604)3g、同じく多価アクリルモノマー(共栄社化学社製、商品名:DPE6A)1.5g、分散系消泡剤(サンノプコ社製、商品名:S−65)0.71gを混合し、さらにこの混合物に対して光開始剤としてのベンゾフェノン(関東化学社製)を2g、光増感剤としてのミヒラーケトン(関東化学社製)を0.2g加えて、粘度を25℃で2.0Pa・sに調整したものを用いた。
なお、粘度測定は、B型粘度計(東京計器、DVL−B型)で60rpmの場合はローターNo.4、6rpmの場合はローターNo.3によった。
さらに、80℃で1時間、100℃で1時間、120℃で1時間、150℃で3時間の条件でそれぞれ加熱処理を行ってソルダーレジスト組成物の層を硬化させ、半田バンプ形成用開口を有し、光導波路形成領域が露出したソルダーレジスト層10034を形成した(図24(a)参照)。
すなわち、UV硬化型エポキシ系樹脂(透過率91%/mm、屈折率1.53)を室温(25℃)で、粘度20cpsに調整した後、この樹脂をインクジェット装置の樹脂容器内で、温度40℃、粘度8cpsに調整し、その後、上部クラッド上の所定の位置に塗布し、UV硬化させることにより、直径220μmの凸状レンズを配設した。
なお、マイクロレンズのサグ高さは、後工程を経て、受光素子を実装したパッケージ基板に対向することとなる側では、伝送光をコリメート光とできる形状で、発光素子を実装したパッケージ基板に対向することとなる側では、その焦点が光導波路のコアと一致する形状で形成した。
次に、半田バンプを介して、受光素子としてPDが実装されたパッケージ基板、および、発光素子としてVCSELが実装されたパッケージ基板を実装し、多層プリント配線板とした。なお、パッケージ基板としては、実施例1で使用したものと同様のものを用いた。
1.配線板Aの作製
(1)実施例2と同様にして、配線板Aを作製した。
(2)厚さ0.8mmのガラスエポキシ樹脂またはBT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる絶縁性基板10021の両面に18μmの銅箔がラミネートされ、表面導体層10028が形成されている銅張積層板を出発材料とした(図25(a)参照)。まず、この銅張積層板をドリル削孔し、無電解めっき処理を施し、さらに穴10009内に樹脂組成物を充填することにより、その壁面に非貫通バイアホールを構成する導体層10027′を形成した(図25(b)(c)参照)。
なお、樹脂組成物としては、配線板Aの作製で用いたものと同様のものを使用した。
(4)次に、上記配線板Aを2枚、上記配線板Bを1枚、および、厚さ80μmのエポキシ製ガラス不織布プレプレグ(日立化成社製、AS−5000GP)2枚を用意し、上記配線板B1枚を中心にして、この両面にプリプレグ10022を介して、配線板Aを光導波路10050が内側に位置するように配置し、ピンラミネーション方式で位置合わせをしながら積層した。その後、圧力が30kg/cm2で、プレス時間が、温度180℃以上の時間が45分間で、トータルプレス時間が150分間の条件でプレスした(図26(a)参照)。なお、配線板A、Bには、ガイド穴(図示せず)を予め空けておいた。
導体層10029′は、貫通孔10019の壁面にパラジウム触媒を付与した後、基板表面にマスクを形成し、無電解銅めっき水溶液中に、基板を浸漬することにより、無電解めっき銅めっき膜形成し、その後、電解銅めっき膜で厚付けを行うことにより形成した。
なお、無電解銅めっきおよび電解銅めっきは、実施例2の(7)の条件と同様の条件で行った。
上記ソルダーレジスト組成物としては、実施例2で使用したものと同様のものを用いた。
さらに、80℃で1時間、100℃で1時間、120℃で1時間、150℃で3時間の条件でそれぞれ加熱処理を行ってソルダーレジスト組成物の層を硬化させ、半田バンプ形成用開口を有するソルダーレジスト層10034を形成した。
(11)さらに、実施例1の(15)(16)の工程と同様にして、マイクロレンズ10049の配設、および、半田バンプ10037の形成を行い、さらにパッケージ基板を実装して多層プリント配線板を製造した(図28参照)。
1.配線板Cの作製
(1)厚さ0.8mmのガラスエポキシ樹脂またはBT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる絶縁性基板10021の両面に18μmの銅箔がラミネートされ、表面導体層10028が形成されている銅張積層板を出発材料として、実施例2の(1)〜(3)の工程と同様の方法を用いて、所定の位置に樹脂組成物10047から構成される光信号通過領域10042を形成した。(図29(a)〜30(b)参照)。
(4)実施例3の(2)、(3)の工程と同様の方法を用いて、樹脂組成物10047が充填された光信号通過領域10042が形成された配線板Dの作製を作成した。
なお、ここでは、実施例3の(3)と同様の工程により、導体回路を形成する際に、基板に片面にのみ導体回路10025を形成し、他方の面は、ベタの導体回路(表面導体層10028)のままにしておいた(図31(a)〜32(b)参照)。
(5)実施例3の(2)、(3)の工程と同様の方法を用いて、樹脂組成物10047が充填された光信号通過領域10042が形成された配線板Eの作製を作成した。
なお、ここでは、実施例3の(3)と同様の工程により、導体回路を形成する際に、基板に片面にのみ導体回路10025を形成し、他方の面は、ベタの導体回路(表面導体層10028)のままにしておいた(図33(a)〜34(b)参照)。
(6)次に、上記配線板C〜Eを1枚ずつ、および、厚さ80μmの下記の方法で作製した接着性絶縁フィルム2枚を用意し、上記配線板Cを中心にして、この両面にプリプレグ10022を介して、配線板D、Eを光導波路10050が内側に位置するように配置し、ピンラミネーション方式で位置合わせをしながら積層した。その後、圧力が30kg/cm2で、プレス時間が、温度180℃以上の時間が45分間で、トータルプレス時間が150分間の条件でプレスした(図35(a)参照)。
その後、この樹脂組成物を基材上にスピンコータで塗布し、UV照射で仮硬化させることより、接着性絶縁フィルムを作製した。なお、接着性絶縁フィルムは、屈折率1.58、850nm光の透過率97%/37μmである。
導体層10029′は、実施例3の(5)の工程と同様の方法で形成した。
なお、光信号の伝送性の評価は、下記の方法を用いて行った。
すなわち、パッケージ基板にICチップを実施しておき、テスト用コネクタにパルスジェネレータで、2.5Gbpsの電気信号を入力し、ドライバーICを経由して、VCSELで発光させ、多層プリント配線板に光信号を伝送し、さらに、多層プリント配線板(光信号通過領域および光配線)を介して伝送されてきた光信号をPDで受光して電気信号に変換し、アンプICを経由して、テスト用コネクタから電気信号を取り出し、オシロスコープによって、光信号伝送が正常に行うことができたかをアイパターンで判断した。
なお、試験用サンプルとしては,2枚の多層プリント配線板を用意した。
121 基板(絶縁層)
122 絶縁層
125 導体回路
127 非貫通バイアホール
129 貫通バイアホール
134 ソルダーレジスト層
137 半田バンプ
150 光導波路
153 光路変換ミラー
138 受光素子
139 発光素子
142 光信号通過領域
Claims (11)
- 第一の表面と前記第一の表面の反対側に位置する第二の表面とを備え、少なくとも一層の絶縁層と、導体回路と、異なる階層に位置する複数の光配線とが積層形成されてなる多層プリント配線板であって、
前記複数の光配線は、コアと無機粒子が配合されたクラッドとを有する光導波路からなり、
前記複数の光配線には、前記第一の表面側に位置する最外層の絶縁層のさらに外層側に形成された第一光配線と、前記第二の表面側に位置する最外層の絶縁層のさらに外層側に形成された第二光配線とが含まれており、
前記第一の表面及び第二の表面にそれぞれ独立して、光学素子および/または光学素子が実装されたパッケージ基板を実装するための半田バンプが形成されており、
少なくとも一層の前記絶縁層を貫通し、前記光学素子および/または光学素子が実装されたパッケージ基板を前記第一の表面の半田バンプに実装した際に、その一端が前記光学素子と光学的に接続するとともに、その他端が前記第二光配線と光学的に接続する第一光信号通過領域が形成されており、
少なくとも一層の前記絶縁層を貫通し、前記光学素子および/または光学素子が実装されたパッケージ基板を前記第二の表面の半田バンプに実装した際に、その一端が前記光学素子と光学的に接続するとともに、その他端が前記第一光配線と光学的に接続する第二光信号通過領域が形成されていることを特徴とする多層プリント配線板。 - 前記無機粒子の粒子径は、0.01〜0.8μmである請求項1に記載の多層プリント配線板。
- 前記無機粒子の配合量は、10〜80重量%である請求項1又は2に記載の多層プリント配線板。
- 前記第一の表面側又は第二の表面側に位置する最外層の絶縁層と、前記第一光配線又は第二光配線との間には、最外層の導体回路が形成されており、
前記第一光配線上又は第二光配線上には、導体回路からなるパッドが形成されており、
前記パッド上には、ソルダーレジスト層が形成されており、
前記最外層の導体回路と前記パッドとが、非貫通バイアホールにより接続している請求項1〜3のいずれかに記載の多層プリント配線板。 - 前記第一の表面側又は第二の表面側に位置する最外層の絶縁層と、前記第一光配線又は第二光配線との間には、最外層の導体回路が形成されており、
前記第一光配線又は第二光配線のコア上には、導体回路からなるパッドが形成されており、
前記パッド上には、上部クラッドが形成されており、
前記最外層の導体回路と前記パッドとが、非貫通バイアホールにより接続している請求項1〜3のいずれかに記載の多層プリント配線板。 - 多層プリント配線板を一の主面に垂直な方向に透視した際に、
互いに階層の異なる光配線の、一の光配線の一部と他の一の光配線の一部とが、重なって視認される請求項1〜5のいずれかに記載の多層プリント配線板。 - 両表面にそれぞれ独立して、光学素子および/または光学素子が実装されたパッケージ基板が実装された請求項1〜6のいずれかに記載の多層プリント配線板。
- 前記絶縁層を挟んだ導体回路間を接続するためのバイアホールが形成されており、
前記バイアホールは、貫通バイアホールおよび/または非貫通バイアホールである請求項1〜7のいずれかに記載の多層プリント配線板。 - 前記プリント配線板を一の主面に垂直な方向に透視した際に、
前記コアと前記非貫通バイアホールの一部とが、重なって視認される請求項8に記載の多層プリント配線板。 - さらに、前記絶縁層間にも光配線が形成されている請求項1〜9のいずれかに記載の多層プリント配線板。
- 前記光信号通過領域が樹脂組成物から構成されている請求項1〜10のいずれかに記載の多層プリント配線板。
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