JP2003215372A - 光通信用デバイス、および、光通信用デバイスの製造方法 - Google Patents

光通信用デバイス、および、光通信用デバイスの製造方法

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JP2003215372A JP2002017287A JP2002017287A JP2003215372A JP 2003215372 A JP2003215372 A JP 2003215372A JP 2002017287 A JP2002017287 A JP 2002017287A JP 2002017287 A JP2002017287 A JP 2002017287A JP 2003215372 A JP2003215372 A JP 2003215372A
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    • H01L2224/16225Disposition the bump connector connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive the body and the item being stacked the item being non-metallic, e.g. insulating substrate with or without metallisation

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  • Combinations Of Printed Boards (AREA)
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  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
  • Structures For Mounting Electric Components On Printed Circuit Boards (AREA)
  • Structure Of Printed Boards (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光信号伝送用光路内を伝送する光信号が上記
光信号伝送用光路の壁面で反射する際に減衰されたり、
上記壁面に吸収されたりしにくく、光信号の損失が発生
しにくいため、光信号の伝送の信頼性が高く正確な光通
信を行うことができるとともに、光通信に必要な光学部
品と電子部品とを一体化することにより小型化された光
通信用デバイスを提供する。 【解決手段】 ICチップ実装用基板と多層プリント配
線板とからなる光通信用デバイスであって、前記ICチ
ップ実装用基板には、該ICチップ実装用基板を貫通す
る光信号伝送用光路が配設されており、前記光信号伝送
用光路は、その壁面の一部または全部に光沢を有する金
属層が形成されていることを特徴とする光通信用デバイ
ス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信用デバイ
ス、および、光通信用デバイスの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、通信分野を中心として光ファイバ
に注目が集まっている。特にIT(情報技術)分野にお
いては、高速インターネット網の整備に、光ファイバを
用いた通信技術が必要となる。光ファイバは、低損
失、高帯域、細径・軽量、無誘導、省資源等の
特徴を有しており、これらの特徴を有する光ファイバを
用いた通信システムでは、従来のメタリックケーブルを
用いた通信システムに比べ、中継器数を大幅に削減する
ことができ、建設、保守が容易になり、通信システムの
経済化、高信頼性化を図ることができる。
【0003】また、光ファイバは、一つの波長の光だけ
でなく、多くの異なる波長の光を1本の光ファイバで同
時に多重伝送することができるため、多様な用途に対応
可能な大容量の伝送路を実現することができ、映像サー
ビス等にも対応することができる。
【0004】そこで、このようなインターネット等のネ
ットワーク通信においては、光ファイバを用いた光通信
を、基幹網の通信のみならず、基幹網と端末機器(パソ
コン、モバイル、ゲーム等)との通信や、端末機器同士
の通信にも用いることが提案されている。
【0005】このように基幹網と端末機器との通信等に
光通信を用いる場合、端末機器には光通信用デバイスを
取り付ける必要があり、光通信用デバイスとしては、基
板に光信号を伝送する光導波路、光信号を処理する受光
素子や発光素子等の光学素子を備えたものが提案されて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
光通信用デバイスは、接続信頼性の点で充分に満足のい
くものではなかった。すなわち、光通信用デバイスを構
成するICチップを実装したパッケージ基板、光信号を
処理する受光素子や発光素子等の光学素子等を別々に実
装した場合には、装置自体が大きくなり、端末機器の小
型化をはかることが難しかった。また、光学素子が内蔵
され、ICチップが実装されたICチップ実装用基板を
用いる場合は、装置自体が大きくなるという問題は解消
されるものの、以下のような不都合があった。
【0007】すなわち、光学素子内蔵パッケージ基板で
は、光学素子が基板内に完全に内蔵されているため、外
部の光学素子(光ファイバや光導波路等)と接続する際
に、位置合わせの微調整を行うことが難しく、また、パ
ッケージ基板を製造する際に予め光学素子を内蔵してお
くため、光学素子の位置ずれが発生しやすかった。これ
は、パッケージ基板の製造工程において、熱処理等を施
す必要があり、光学素子を樹脂層に内蔵する場合には、
この熱処理時に光学素子の位置ずれが発生するものと考
えられる。このように、内蔵した光学素子に位置ずれが
発生した場合、外部の光学部品(例えば、光導波路)と
接続した際の接続損失が大きく、光通信における接続信
頼性の低下につながっていた。また、この光学素子内蔵
パッケージ基板では、内蔵した光学素子のいずれかに不
都合が発生した場合、その光学素子のみを取り替えるこ
とができず、その光学素子内蔵パッケージ基板自体が不
良品となるため、経済的に不利であった。また、光学素
子の実装位置は、光信号伝送用光路の確保や、光学素子
と外部基板に取り付けた光学部品(光導波路等)との位
置関係により制限されてしまい、そのため、ICチップ
実装用基板の高密度化が困難になることがあった。
【0008】また、このような従来の端末機器では、I
Cチップ実装用基板と光学部品との距離が離れているた
め、電気配線距離が長く、信号伝送時にクロストークノ
イズ等による信号エラー等が発生しやすかった。
【0009】そこで、このような課題を解決するため
に、本発明者らは、先に、基板の両面に導体回路と層間
樹脂絶縁層とが積層形成され、最外層にソルダーレジス
ト層が形成されるとともに、光学素子が実装されてお
り、上記基板、層間樹脂絶縁層およびソルダーレジスト
層を貫通する光信号伝送用光路が配設された構造のIC
チップ実装用基板を発明した。上記ICチップ実装用基
板は、光信号伝送用光路を介して、光学素子の入出力信
号を伝送することができ、また、このICチップ実装用
基板にICチップを実装した場合、ICチップと光学素
子との距離が短く、電気信号伝送の信頼性に優れるとと
もに、ICチップを実装した上記ICチップ実装用基板
では、光通信に必要な電子部品や光学素子を一体化する
ことができるため、光通信用端末器の小型化に寄与する
ことができるものであった。
【0010】このようなICチップ実装用基板において
は、光信号伝送用光路の内部に光路用樹脂層が形成され
ている場合、該光路用樹脂層と光信号伝送用光路の壁面
との密着性を優れたものとするために、上記壁面に黒化
−還元処理等の粗化処理を施して粗化面を形成してい
た。
【0011】しかしながら、このような粗化面が形成さ
れた光信号伝送用光路は、その壁面が黒色であったた
め、上記光信号伝送用光路内を伝送する光信号が上記壁
面で反射する際に減衰されたり、上記壁面に吸収された
りして、光信号に損失が発生し、光信号の伝送の信頼性
が低下して正確な光通信を行うことができなくなってし
まうことがあった。また、上記光信号伝送用光路の壁面
に粗化面を形成しない場合であっても、上記壁面は光沢
がない状態であったため、やはり、光信号が上記壁面で
反射する際に減衰されたり、上記壁面に吸収されたりし
て、光信号に損失が発生し、光信号の伝送の信頼性が低
下して正確な光通信を行うことができなくなってしまう
ことがあった。
【0012】また、本発明者らが先に発明したICチッ
プ実装用基板に実装された光学素子と、所定の位置に光
導波路が形成された多層プリント配線板の該光導波路と
が、光信号伝送用光路を介して光信号の伝送が可能なよ
うに構成された光通信用デバイスも、上記光信号が光信
号伝送用光路の壁面で反射する際に減衰されたり、上記
壁面に吸収されたりして、上記光信号に損失が発生し、
光信号の伝送の信頼性が低下して正確な光通信を行うこ
とができなくなることがあった。
【0013】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
さらに詳細に検討を行った結果、光信号伝送用光路の壁
面の一部または全部に光沢を有する金属層を形成するこ
とで、光信号伝送用光路の壁面に当たった光信号が吸収
されることなく反射され、光信号に損失が発生しにく
く、光信号の伝送の信頼性に優れ、正確な光通信を行う
ことができることを見出し、下記の構成からなる本発明
の光通信用デバイスを完成させた。
【0014】すなわち、第一の本発明の光通信用デバイ
スは、ICチップ実装用基板と多層プリント配線板とか
らなる光通信用デバイスであって、上記ICチップ実装
用基板には、該ICチップ実装用基板を貫通する光信号
伝送用光路が配設されており、上記光信号伝送用光路
は、その壁面の一部または全部に光沢を有する金属層が
形成されていることを特徴とする。
【0015】第二の本発明の光通信用デバイスは、IC
チップ実装用基板と多層プリント配線板とからなる光通
信用デバイスであって、上記多層プリント配線板は、基
板と導体回路とを含んで構成され、上記多層プリント配
線板には、少なくとも基板を貫通する光信号伝送用光路
が配設されており、上記光信号伝送用光路は、その壁面
の一部または全部に光沢を有する金属層が形成されてい
ることを特徴とする。
【0016】第三の本発明の光通信用デバイスは、IC
チップ実装用基板と多層プリント配線板とからなる光通
信用デバイスであって、上記ICチップ実装用基板に
は、該ICチップ実装用基板を貫通する光信号伝送用光
路が配設されており、上記多層プリント配線板は、基板
と導体回路とを含んで構成され、上記多層プリント配線
板には、少なくとも基板を貫通する光信号伝送用光路が
形成されており、上記光信号伝送用光路は、その壁面の
一部または全部に光沢を有する金属層が形成されている
ことを特徴とする。
【0017】第一〜第三の本発明の光通信用デバイスに
おいて、上記光信号伝送用光路は、空隙を含んで構成さ
れているか、樹脂組成物を含んで構成されているか、ま
たは、空隙および樹脂組成物を含んで構成されているこ
とが望ましい。
【0018】また、上記光通信用デバイスにおいて、上
記金属層には、粗化面が形成されていることが望まし
い。また、上記光通信用デバイスにおいて、上記光信号
伝送用光路を構成する樹脂組成物は、通信波長光の透過
率が70%以上であることが望ましい。
【0019】第四の本発明の光通信用デバイスの製造方
法は、(a)基板の両面に導体回路と層間樹脂絶縁層と
を積層形成し、多層配線板とする多層配線板製造工程
と、(b)上記多層配線板に貫通孔を形成する貫通孔形
成工程と、(c)上記貫通孔の壁面に光沢を有する金属
層を形成する金属層形成工程と、(d)上記貫通孔を介
して光信号を伝送することができる位置に光学素子を実
装する光学素子実装工程とを含む方法を用いてICチッ
プ実装用基板を製造し、これとは別に、光導波路を有す
る多層プリント配線板を製造した後、上記ICチップ実
装用基板の光学素子と上記多層プリント配線板の光導波
路との間で、光信号の伝送ができる位置に両者を配置、
固定することを特徴とする。
【0020】また、第五の本発明の光通信用デバイスの
製造方法は、光学素子が実装されたICチップ実装用基
板を製造し、これとは別に、(A)基板の両面に導体回
路と層間樹脂絶縁層とを積層形成し、多層配線板とする
多層配線板製造工程と、(B)上記多層配線板に貫通孔
を形成する貫通孔形成工程と、(C)上記貫通孔の壁面
に光沢を有する金属層を形成する金属層形成工程と、
(D)上記貫通孔を介して光信号を伝送することができ
る位置に光導波路を形成する光導波路形成工程とを含む
方法を用いて多層プリント配線板を製造した後、上記I
Cチップ実装用基板の光学素子と上記多層プリント配線
板の光導波路との間で、光信号の伝送ができる位置に両
者を配置、固定することを特徴とする。
【0021】また、第六の本発明の光通信用デバイスの
製造方法は、(a)基板の両面に導体回路と層間樹脂絶
縁層とを積層形成し、多層配線板とする多層配線板製造
工程と、(b)上記多層配線板に貫通孔を形成する貫通
孔形成工程と、(c)上記貫通孔の壁面に光沢を有する
金属層を形成する金属層形成工程と、(d)上記貫通孔
を介して光信号を伝送することができる位置に光学素子
を実装する光学素子実装工程とを含む方法を用いてIC
チップ実装用基板を製造し、これとは別に、(A)基板
の両面に導体回路と層間樹脂絶縁層とを積層形成し、多
層配線板とする多層配線板製造工程と、(B)上記多層
配線板に貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、(C)上
記貫通孔の壁面に光沢を有する金属層を形成する金属層
形成工程と、(D)上記貫通孔を介して光信号を伝送す
ることができる位置に光導波路を形成する光導波路形成
工程とを含む方法を用いて多層プリント配線板を製造し
た後、上記ICチップ実装用基板の光学素子と上記多層
プリント配線板の光導波路との間で、光信号の伝送がで
きる位置に両者を配置、固定することを特徴とする。
【0022】また、第四〜第六の本発明の光通信用デバ
イスの製造方法では、上記ICチップ実装用基板と上記
多層プリント配線板との間に封止用樹脂組成物を流し込
んだ後、硬化処理を施すことにより封止樹脂層を形成す
ることが望ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】まず、第一の本発明の光通信用デ
バイスについて説明する。第一の本発明の光通信用デバ
イスは、ICチップ実装用基板と多層プリント配線板と
からなる光通信用デバイスであって、上記ICチップ実
装用基板には、該ICチップ実装用基板を貫通する光信
号伝送用光路が配設されており、上記光信号伝送用光路
は、その壁面の一部または全部に光沢を有する金属層が
形成されていることを特徴とする。
【0024】第一の本発明の光通信用デバイスでは、光
信号伝送用光路の壁面の一部または全部に形成された光
沢を有する金属層が、上記光信号伝送用光路内を伝送す
る光信号を好適に反射させることができるため、上記光
信号が光信号伝送用光路の壁面に当たることで減衰され
たり、吸収されたりしにくい。従って、第一の本発明の
光通信用デバイスによると、光信号伝送用光路内を伝送
する光信号に損失が発生しにくいため、光信号の伝送の
信頼性が高く、正確な光通信を実現することができる。
【0025】第一の本発明の光通信用デバイスでは、光
通信用デバイスを構成するICチップ実装用基板に、該
ICチップ実装用基板を貫通する光信号伝送用光路が配
設されている。このような光信号伝送用光路が配設され
たICチップ実装用基板を含んでなる本発明の光通信用
デバイスでは、上記ICチップ実装用基板に実装した光
学素子と多層プリント配線板に実装した光学部品との情
報の授受を、この光信号伝送用光路を介して光信号によ
り行うことができる。
【0026】第一の本発明の光通信用デバイスにおい
て、上記光信号伝送用光路は、その壁面の一部または全
部に光沢を有する金属層が形成されている。このよう
に、光沢を有する金属層が光信号伝送用光路の壁面の一
部または全部に形成されていると、上記光信号伝送用光
路の内部を伝送する光信号が光信号伝送用光路の壁面に
当たった際、上記光沢を有する金属層で好適に反射され
るため、光信号に損失が発生しにくく、光信号伝送の信
頼性を向上させることができる。なお、上記光沢を有す
る金属層は、光信号伝送用光路の壁面の一部に形成され
ているか、または、上記壁面の全部に形成されているの
であるが、上記光沢を有する金属層が光信号伝送用光路
の壁面の一部に形成されている場合、上記光沢を有する
金属層は光信号伝送用光路の基板および層間樹脂絶縁層
を貫通する部分の壁面に形成されていることが望まし
い。通常、基板や層間樹脂絶縁層は金属との密着性が高
く、ソルダーレジスト層は金属との密着性が低いからで
ある。
【0027】また、上記光信号伝送用光路は、空隙を含
んで構成されていることが望ましい。光信号伝送用光路
が空隙を含んで形成されている場合には、その形成が容
易であるとともに、該光信号伝送用光路を介した光信号
の伝送において、伝送損失が発生しにくい。なお、上記
光信号伝送用光路の構成を空隙とするか否かは、ICチ
ップ実装用基板の厚さ等を考慮して適宜決定すればよ
い。
【0028】また、上記光信号伝送用光路は、樹脂組成
物を含んで構成されていることも望ましい。上記光信号
伝送用光路が樹脂組成物を含んで構成されている場合に
は、ICチップ実装用基板の強度の低下を防止すること
ができる。また、光信号伝送用光路が樹脂組成物により
構成されていると、該光信号伝送用光路内にゴミや異物
等が入り込むことを防止することができるため、ゴミや
異物等の存在に起因して光信号の伝送が阻害されること
を防止することができる。
【0029】また、上記光信号伝送用光路は、樹脂組成
物および空隙を含んで構成されていることも望ましい。
上記光信号伝送用光路が樹脂組成物および空隙を含んで
構成されている場合には、ICチップ実装用基板の強度
の低下を防ぐことができる。なお、上記光信号伝送用光
路が樹脂組成物および空隙により構成されている場合に
は、基板および層間絶縁層を貫通する部分に形成された
光信号伝送用光路が樹脂組成物により構成され、ソルダ
ーレジスト層に形成された光信号伝送用光路が空隙によ
り構成されていることが望ましい。通常、基板や層間絶
縁層は樹脂との密着性が高く、ソルダーレジスト層は樹
脂との密着性が低いからである。
【0030】以下、第一の本発明の光通信用デバイスに
ついて、図面を参照しながら説明する。図1は、第一の
本発明の光通信用デバイスの一実施形態を模式的に示す
断面図である。なお、図1には、ICチップが実装され
た状態の光通信用デバイスを示す。
【0031】図1に示すように、第一の本発明の光通信
用デバイス150は、ICチップ140を実装したIC
チップ実装用基板120と多層プリント配線板100と
から構成され、ICチップ実装用基板120と多層プリ
ント配線板100とは、半田接続部141を介して電気
的に接続されている。
【0032】ICチップ実装用基板120は、基板12
1の両面に導体回路124と層間絶縁層122とが積層
形成され、基板121を挟んだ導体回路同士、および、
層間絶縁層122を挟んだ導体回路同士は、それぞれ、
スルーホール129およびバイアホール127により電
気的に接続されている。また、ICチップ実装用基板1
20には、これを貫通する光信号伝送用光路151が形
成されており、この光信号伝送用光路151は、その内
部の一部に形成された光路用樹脂層151aと、光路用
樹脂層151aの基板121および層間樹脂絶縁層12
2を貫通する部分の周囲の壁面に形成された光沢を有す
る金属層151bとから構成されている。従って、光信
号伝送用光路151は、光路用樹脂層(樹脂組成物)1
51aおよび空隙とこれらの周囲の金属層151bとか
ら構成されている。なお、図1に示す光通信用デバイス
150では、光信号伝送用光路151は、光路用樹脂層
(樹脂組成物)151aおよび空隙とこれらの周囲の金
属層151bとから構成されているが、光信号伝送用光
路151は、空隙とこれら周囲の金属層とから構成され
ていてもよく、光路用樹脂層(樹脂組成物)とこれら周
囲の金属層とから構成されていてもよい。
【0033】また、ICチップ実装用基板120では、
ICチップ140が実装された側の面に受光素子138
および発光素子139が実装され、光信号伝送用光路1
51を介して、受光素子138や発光素子139と光導
波路119(119a、119b)との間で光信号を伝
送することができるように構成されている。さらに、I
Cチップ用実装基板120の最外層には、半田バンプを
備えたソルダーレジスト層134が形成されている。
【0034】多層プリント配線板100は、基板101
の両面に導体回路104と層間絶縁層102とが積層形
成され、基板101を挟んだ導体回路同士、および、層
間絶縁層102を挟んだ導体回路同士は、それぞれ、ス
ルーホール109およびバイアホール107により電気
的に接続されている。また、多層プリント配線板100
のICチップ用実装基板120と対向する側の最外層に
は、光路用開口111と半田バンプとを備えたソルダー
レジスト層114が形成されるとともに、光路用開口1
11(111a、111b)直下に光変換ミラー119
(119a、119b)を備えた光導波路118(11
8a、118b)が形成されている。
【0035】このような構成からなる光通信用デバイス
150では、光ファイバ(図示せず)を介して外部から
送られてきた光信号が、光導波路118aに導入され、
光路変換ミラー119a、光路用開口111aおよび光
信号伝送用光路151を介して受光素子138(受光部
138a)に送られた後、受光素子138で電気信号に
変換され、さらに、半田接続部142、導体回路12
4、バイアホール127、および、半田接続部143を
介してICチップ140に送られることとなる。
【0036】また、ICチップ140から送り出された
電気信号は、半田接続部143、バイアホール127、
導体回路124、および、半田接続部142を介して発
光素子139に送られた後、発光素子139で光信号に
変換され、この光信号が発光素子139(発光部139
a)から光信号伝送用光路151、光路用開口111b
および光変換ミラー119b介して光導波路118bに
導入され、さらに、光ファイバ(図示せず)を介して光
信号として外部に送りだされることとなる。
【0037】このような第一の本発明の光通信用デバイ
スを構成するICチップ実装用基板では、ICチップ実
装用基板内、すなわち、ICチップに近い位置に実装さ
れた受光素子および発光素子において、光/電気信号変
換を行うため、電気信号の伝送距離が短く、信号伝送の
信頼性に優れ、より高速通信に対応することができると
ともに、光通信に必要な光学部品と電子部品とを一体化
することができるため、光通信用端末機器の小型化に寄
与することができる。また、ICチップから送り出され
た電気信号は、上述したように光信号に変換された後、
光ファイバを介して外部に送りだされるだけでなく、半
田接続部を介して多層プリント配線板に送られ、該多層
プリント配線板の導体回路(バイアホール、スルーホー
ルを含む)を介して、多層プリント配線板に実装された
他のICチップ等の電子部品に送られることとなる。ま
た、このような構成からなる光通信用デバイス150で
は、ICチップ実装用基板に実装した受光素子および発
光素子、ならびに、多層プリント配線板に形成した光導
波路に位置ズレが発生しにくいため、光信号の接続信頼
性に優れることとなる。
【0038】なお、図1に示した多層プリント配線板に
おける光導波路の形成位置は、ICチップ実装用基板に
近い側の最外層の層間絶縁層上であるが、第一の本発明
の光通信用デバイスを構成する多層プリント配線板にお
いて、光導波路の形成位置はここに限定されるわけでは
なく、層間絶縁層同士の間であってもよいし、基板上で
あってもよい。
【0039】また、図1に示すICチップ実装用基板1
20では、光信号伝送用光路151の基板121および
層間樹脂絶縁層122を貫通する部分の壁面に光沢を有
する金属層151bが形成されている。このように光信
号伝送用光路の壁面に光沢を有する金属層が形成されて
いることで、第一の本発明の光通信用デバイスは、光信
号が光信号伝送用光路内を伝送する際、上記金属層で光
信号が好適に反射され、光信号の損失が発生しにくく、
信号伝送の信頼性に優れたものとなる。また、図1に示
すICチップ実装用基板120では、金属層151bは
光信号伝送用光路151の一部(基板121および層間
樹脂絶縁層122を貫通する部分)に形成されている
が、第一の本発明の光通信用デバイスを構成するICチ
ップ実装用基板は、例えば、光信号伝送用光路の壁面の
全部に金属層が形成された構造であってもよい。
【0040】上記金属層は、光沢を有する金属層であ
り、その材質としては、金、銀、ニッケル、白金、アル
ミニウム、ロジウム等が挙げられる。これらの金属はい
ずれも光沢を有し、光信号を好適に反射することができ
るからである。また、場合によっては、上記金属層の材
料として、例えば、銅、パラジウム等を用いることもで
きる。ただし、これらの材料は酸化されやすく、形成し
た金属層の表面の光沢度を低下させる酸化被膜が形成さ
れやすいため、上記酸化被膜を除去することにより金属
層の表面の光沢度を上昇させる必要がある。なお、第一
の本発明の光通信用デバイスを構成するICチップ実装
用基板において、金属層の材料としては、上述したもの
に限定されることはなく、鏡面光沢または鮮明度光沢を
有するものであれば、その他の金属も用いることができ
る。
【0041】上記金属層の光沢度は、金属面の分光反射
率を測定することにより得られた値によって表すことが
できる。上記金属面の分光反射率の測定は、上記金属層
の材質と同様の材質からなる金属膜を真空蒸着により形
成しておき、この金属膜に波長0.85μmの光を垂直
に投射した場合の金属膜表面での反射率を測定すること
により行うことができる。また、第一の本発明の光通信
用デバイスにおける上記光沢を有する金属層は、上記分
光反射率が75%以上のものであることが望ましい。
【0042】また、第一の本発明の光通信用デバイスに
おいて、上記光信号伝送用光路の内部に上記光路用樹脂
層が形成されている場合、上記金属層には、粗化面が形
成されていることが望ましい。上記光信号伝送用光路に
粗化面を形成することにより、光信号伝送用光路と上記
光路用樹脂との密着性をより向上させることができる。
ここで、上記金属層に形成する粗化面の平均粗度は、通
常、望ましい下限が0.1μmであり、望ましい上限が
5μmであり、導体回路と層間絶縁層との密着性等を考
慮すると、より望ましい下限が0.5μmであり、より
望ましい上限が3μmである。なお、上記光信号伝送用
光路の内部に上記光路用樹脂層が形成されていない場合
であっても、上記金属層に、粗化面を形成することとし
てもよい。
【0043】また、上記光沢を有する金属層は、一層か
らなるものであってもよく、二層以上の複数層からなる
ものであってもよく、また、上記金属層が二層以上から
なる場合、光信号伝送用光路を構成する空隙や樹脂組成
物と接する金属層(以下、最内層ともいう)が光沢を有
するものであればよい。また、上記金属層が二層以上か
らなる場合、上記最内層の金属層をよりも外側の金属層
(基板や層間樹脂絶縁層に近い側の金属層)に粗化面を
形成し、この粗化面の形状に追従するように最内層の金
属層を形成してもよい。金属層同士の密着性が向上する
とともに、金属層と樹脂組成物との密着性も向上するか
らである。この場合も、金属層に形成した粗化面の平均
粗度は、上記範囲にあることが望ましい。また、上記外
側の金属層に粗化面を形成し、該粗化面を覆うように最
内層の金属層を形成する際には、この最内層の金属層
は、その被覆樹脂層等と接する面ができるだけ平坦にな
るように形成することも望ましい。光信号が好適に反射
し、光信号に損失が発生しにくくなるからである。
【0044】また、第一の本発明の光通信用デバイスに
おいて、上記光信号伝送用光路が樹脂組成物を含んで構
成されている場合、該樹脂組成物は、その通信波長光の
透過率が70%以上であることが望ましい。通信波長光
の透過率が70%未満では、光信号の損失が大きく、光
信号の伝送性の低下に繋がることがあるからである。な
お、本明細書において、通信波長光の透過率とは、長さ
1mmあたりの通信波長光の透過率をいう。具体的に
は、例えば、強さIの光が上記光路用樹脂層(樹脂組
成物)に入射し、該光路用樹脂層を1mm通過して出て
きたとした際に、出てきた光の強さがIである場合に
下記式(1)により算出される値である。
【0045】 透過率(%)=(I/I)×100・・・(1)
【0046】上記光路用樹脂層としては、通信波長帯で
の吸収が少ないものであれば特に限定されず、その材料
としては、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、感光
性樹脂、熱硬化性樹脂の一部が感光化された樹脂等が挙
げられる。具体的には、例えば、PMMA(ポリメチル
メタクリレート)、重水素化PMMA、重水素フッ素化
PMMA等のアクリル樹脂;フッ素化ポリイミド等のポ
リイミド樹脂;エポキシ樹脂;UV硬化性エポキシ樹
脂;重水素化シリコーン樹脂等のシリコーン樹脂;ベン
ゾシクロブテンから製造されるポリマー等が挙げられ
る。
【0047】また、上記光路用樹脂層には、樹脂粒子、
無機粒子、金属粒子等の粒子が含まれていることが望ま
しい。粒子を含ませることにより、光信号伝送用光路、
基板、層間樹脂絶縁層およびソルダーレジスト層等との
間で熱膨張係数を整合させることができ、熱膨張係数の
差に起因したクラック等がより発生しにくくなるからで
ある。また、粒子の種類によっては難燃性を付与するこ
ともできる。上記樹脂粒子としては、例えば、熱硬化性
樹脂、熱可塑性樹脂、感光性樹脂、熱硬化性樹脂の一部
が感光性化された樹脂、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂と
の樹脂複合体、感光性樹脂と熱可塑性樹脂との複合体等
からなるものが挙げられる。
【0048】具体的には、例えば、エポキシ樹脂、フェ
ノール樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポ
リフェニレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂等
の熱硬化性樹脂;これらの熱硬化性樹脂の熱硬化基(例
えば、エポキシ樹脂におけるエポキシ基)にメタクリル
酸やアクリル酸等を反応させ、アクリル基を付与した樹
脂;フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン(PE
S)、ポリスルフォン(PSF)、ポリフェニレンスル
ホン(PPS)、ポリフェニレンサルファイド(PPE
S)、ポリフェニルエーテル(PPE)、ポリエーテル
イミド(PI)等の熱可塑性樹脂;アクリル樹脂等の感
光性樹脂等からなるものが挙げられる。また、上記熱硬
化性樹脂と上記熱可塑性樹脂との樹脂複合体や、上記ア
クリル基を付与した樹脂や上記感光性樹脂と上記熱可塑
性樹脂との樹脂複合体からなるものを用いることもでき
る。また、上記樹脂粒子としては、ゴムからなる樹脂粒
子を用いることもできる。
【0049】また、上記無機粒子としては、例えば、ア
ルミナ、水酸化アルミニウム等のアルミニウム化合物、
炭酸カルシウム、水酸化カルシウム等のカルシウム化合
物、炭酸カリウム等のカリウム化合物、マグネシア、ド
ロマイト、塩基性炭酸マグネシウム等のマグネシウム化
合物、シリカ、ゼオライト等のケイ素化合物、チタニア
等のチタン化合物等からなるものが挙げられる。また、
シリカとチタニアとを一定の割合で混ぜ、溶融させて均
一化したものを用いてもよい。また、上記無機粒子とし
て、リンやリン化合物からなるものを用いることもでき
る。
【0050】上記金属粒子としては、例えば、金、銀、
銅、パラジウム、ニッケル、白金、鉄、亜鉛、鉛、アル
ミニウム、マグネシウム、カルシウム等からなるものが
挙げられる。これらの樹脂粒子、無機粒子および金属粒
子は、単独で用いても良いし、2種以上併用してもよ
い。
【0051】また、上記粒子の形状は特に限定されず、
例えば、球状、楕円球状、破砕状、多面体状等が挙げら
れる。これらのなかでは、球状、または、楕円球状が望
ましい。球状や楕円球状の粒子には角がないため、光路
用樹脂層にクラック等がより発生しにくいからである。
【0052】また、上記粒子の粒径は、通信波長より短
いことが望ましい。粒径が通信波長より長いと光信号の
伝送を阻害することがあるからである。また、この範囲
の粒径を有する粒子であれば、2種類以上の異なる粒径
の粒子を含んでいてもよい。なお、本明細書において、
粒子の粒径とは、粒子の一番長い部分の長さをいう。
【0053】上記光路用樹脂層に含まれる粒子の配合量
の望ましい下限は10重量%であり、より望ましい下限
は20重量%である。一方、上記粒子の配合量の望まし
い上限は80重量%であり、より望ましい上限は70重
量%である。粒子の配合量が10重量%未満であると、
粒子を配合させる効果が得られないことがあり、粒子の
配合量が80重量%を超えると、光信号の伝送が阻害さ
れることがあるからである。
【0054】また、上記光信号伝送用光路の形状は特に
限定されず、例えば、円柱状、楕円柱状、四角柱状、多
角柱状等が挙げられる。これらのなかでは、円柱状が望
ましい。その形成が容易だからである。
【0055】また、上記光信号伝送用光路の断面の径の
望ましい下限は、100μmである。上記断面の径が1
00μm未満では、光路が塞がれてしまうおそれがある
とともに、該光信号伝送用光路の内部に光路用樹脂層を
形成することが困難になることがあるからである。一
方、上記断面の径の望ましい上限は、500μmであ
る。500μmより大きくしても光信号の伝送性はあま
り向上せず、ICチップ実装用基板に形成する導体回路
の設計の自由度を阻害する原因となることがあるからで
ある。上記断面の径は、光信号の伝送性と設計の自由度
とがより優れるとともに、未硬化の樹脂組成物を充填す
る際にも不都合が発生しないという点から、そのより望
ましい下限が250μmであり、より望ましい上限が3
50μmである。なお、上記光信号伝送用光路の断面の
径とは、上記光信号伝送用光路が円柱状の場合にはその
断面の直径、楕円柱状の場合にはその断面の長径、四角
柱状や多角柱状の場合にはその断面の最も長い部分の長
さをいう。
【0056】また、上記光信号伝送用光路のソルダーレ
ジスト層を貫通する部分の断面の径は、基板および層間
樹脂絶縁層を貫通する部分の断面の径よりも小さくても
よく、具体的には、上記ソルダーレジスト層を貫通する
部分の断面の径は、上記基板および層間樹脂絶縁層を貫
通する部分の断面の径よりも20〜150μm小さくて
もよい。なお、上記光信号伝送用光路の壁面に形成され
た光沢を有する金属層は、場合によっては、スルーホー
ルとしての役目、即ち、基板を挟んだ導体回路間や、基
板と層間樹脂絶縁層とを挟んだ導体回路間を電気的に接
続する役目を果たすことができる。
【0057】また、第一の本発明の光通信用デバイスを
構成するICチップ実装用基板には、受光素子や発光素
子等の光学素子が実装されていることが望ましい。上記
受光素子としては、例えば、PD(フォトダイオー
ド)、APD(アバランシェフォトダイオード)等が挙
げられる。これらは、上記ICチップ実装用基板の構成
や、要求特性等を考慮して適宜使い分ければよい。上記
受光素子の材料としては、Si、Ge、InGaAs等
が挙げられる。これらのなかでは、受光感度に優れる点
からInGaAsが望ましい。
【0058】上記発光素子としては、例えば、LD(半
導体レーザ)、DFB−LD(分布帰還型−半導体レー
ザ)、LED(発光ダイオード)等が挙げられる。これ
らは、上記ICチップ実装用基板の構成や要求特性等を
考慮して適宜使い分ければよい。
【0059】上記発光素子の材料としては、ガリウム、
砒素およびリンの化合物(GaAsP)、ガリウム、ア
ルミニウムおよび砒素の化合物(GaAlAs)、ガリ
ウムおよび砒素の化合物(GaAs)、インジウム、ガ
リウムおよび砒素の化合物(InGaAs)、インジウ
ム、ガリウム、砒素およびリンの化合物(InGaAs
P)等が挙げられる。これらは、通信波長を考慮して使
い分ければよく、例えば、通信波長が0.85μm帯の
場合にはGaAlAsを使用することができ、通信波長
が1.3μm帯や1.55μm帯の場合には、InGa
AsやInGaAsPを使用することができる。
【0060】第一の本発明の光通信用デバイスを構成す
る多層プリント配線板には、光導波路が形成されている
ことが望ましい。上記光導波路としては、例えば、ポリ
マー材料等からなる有機系光導波路、石英ガラス、化合
物半導体等からなる無機系光導波路等が挙げられる。こ
れらのなかでは、ポリマー材料等からなる有機系光導波
路が望ましい。層間樹脂絶縁層との密着性に優れ、加工
が容易だからである。
【0061】上記ポリマー材料としては、通信波長帯で
の吸収が少ないものであれば特に限定されず、例えば、
熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、感光性樹脂、熱硬化性樹
脂の一部が感光性化された樹脂、熱硬化性樹脂と熱可塑
性樹脂との複合体、感光性樹脂と熱可塑性樹脂との複合
体等が挙げられる。
【0062】具体的には、例えば、PMMA(ポリメチ
ルメタクリレート)、重水素化PMMA、重水素フッ素
化PMMA等のアクリル樹脂、フッ素化ポリイミド等の
ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、UV硬化性エポキシ樹
脂、ポリオレフィン系樹脂、重水素化シリコーン樹脂等
のシリコーン樹脂、ベンゾシクロブテンから製造される
ポリマー等が挙げられる。
【0063】上記光導波路には、上記樹脂成分以外に、
例えば、樹脂粒子、無機粒子、金属粒子等の粒子が含ま
れていてもよい。上記粒子の具体例としては、上記封止
樹脂層に含まれる粒子と同様のもの等が挙げられる。
【0064】また、上記粒子の形状は特に限定されず、
例えば、球状、楕円球状、破砕状、多面体状等が挙げら
れる。これらのなかでは、球状、または、楕円球状が望
ましい。球状や楕円球状の粒子には角がないため、光導
波路にクラック等がより発生しにくいからである。
【0065】また、上記粒子の粒径は、通信波長より短
いことが望ましい。粒径が通信波長より長いと光信号の
伝送を阻害することがあるからである。また、この範囲
の粒径を有する粒子であれば、2種類以上の異なる粒径
の粒子が含まれていてもよい。
【0066】上記光導波路に含まれる粒子の配合量の望
ましい下限は10重量%であり、より望ましい下限は2
0重量%である。一方、上記粒子の配合量の望ましい上
限は80重量%であり、より望ましい上限は70重量%
である。粒子の配合量が10重量%未満であると、粒子
を配合させる効果が得られないことがあり、粒子の配合
量が80重量%を超えると、光信号の伝送が阻害される
ことがあるからであるまた、上記光導波路の形状は特に
限定されないが、その形成が容易であることから、シー
ト状が望ましい。
【0067】このように光導波路に粒子が含まれる場合
には、光導波路と、多層プリント配線板を構成する基板
や層間樹脂絶縁層等との間で熱膨張係数の整合をはかる
ことができ、熱膨張係数の差に起因するクラックや剥離
等がより発生しにくくなる。
【0068】また、上記光導波路の厚さは1〜100μ
mが望ましく、その幅は1〜100μmが望ましい。上
記幅が1μm未満では、その形成が容易でないことがあ
り、一方、上記幅が100μmを超えると、多層プリン
ト配線板を構成する導体回路等の設計の自由度を阻害す
る原因となることがある。
【0069】また、上記光導波路の厚さと幅との比は、
1:1に近いほうが望ましい。上記厚さと幅との比が
1:1からはずれれば、はずれるほど光信号を伝送する
際の損失が大きくなるからである。さらに、上記光導波
路が通信波長1.55μmのシングルモードの光導波路
である場合には、その厚さおよび幅は5〜15μmであ
ることが望ましく、上記光導波路が通信波長0.85μ
mでマルチモードの光導波路である場合には、その厚さ
および幅は20〜80μmであることが望ましい。
【0070】また、上記光導波路としては、受光用光導
波路と発光用光導波路とが形成されていることが望まし
い。なお、上記受光用光導波路とは、光ファイバ等を介
して外部から送られてきた光信号を受光素子へ伝送する
ための光導波路をいい、上記発光用光導波路とは、発光
素子から送られてきた光信号を光ファイバ等へ伝送する
ための光導波路をいう。また、上記受光用光導波路と上
記発光用光導波路とは同一の材料からなるものであるこ
とが望ましい。熱膨張係数等の整合がはかりやすく、形
成が容易であるからである。
【0071】上記光導波路には、上述したように、光路
変換ミラーが形成されていることが望ましい。光路変換
ミラーを形成することにより、光路を所望の角度に変更
することが可能だからである。上記光路変換ミラーの形
成は、後述するように、例えば、光導波路の一端を切削
することにより行うことができる。
【0072】また、図1に示した多層プリント配線板で
は、光導波路が形成され、さらに、最外層にソルダーレ
ジスト層が形成されているが、このソルダーレジスト層
は、必要に応じて形成すればよく、例えば、ソルダーレ
ジスト層を形成せず、下部クラッド、コアおよび上部ク
ラッドからなる光導波路を層間樹脂絶縁層上の全面に形
成し、上記上部にクラッドによって、ソルダーレジスト
層としての役割を果たしてもよい。このような構成から
なる本発明の光通信用デバイスは、後述する本発明の光
通信用デバイスの製造方法により製造することができ
る。
【0073】また、図1に示す光通信用デバイス150
では、ICチップ実装用基板120と多層プリント配線
板100とは、半田接続部141を介して電気的に接続
されているため、ICチップから送り出された電気信号
は、上述したように光信号に変換された後、光信号伝送
用光路151等を介して多層プリント配線板100に送
りだされるだけでなく、半田接続部141を介しても多
層プリント配線板100に送られることとなる。
【0074】このように半田接続部を介してICチップ
実装用基板と多層プリント配線板とが接続されている場
合には、半田が有するセルフアライメント作用により上
記ICチップ実装用基板を所定の位置に配置することが
できる。
【0075】なお、上記セルフアライメント作用とは、
リフロー処理時に半田が自己の有する流動性により半田
バンプ形成用開口の中央付近により安定な形状で存在し
ようとする作用をいい、この作用は、半田がソルダーレ
ジスト層にはじかれるとともに、半田が金属に付く場合
には、球形になろうとする表面張力が強く働くために起
こるものと考えられる。このセルフアライメント作用を
利用した場合、上記半田接続部を介して、上記ICチッ
プ実装用基板を多層プリント配線板に接続する際に、リ
フロー前には両者に位置ズレが発生していたとしても、
リフロー時に上記ICチップ実装用基板が移動し、該I
Cチップ実装用基板を多層プリント配線板上の正確な位
置に取り付けることができる。従って、上記ICチップ
実装用基板に実装された受光素子や発光素子と、外部の
光学部品とを光信号伝送用光路を介して、光信号の伝送
を行う場合に、上記ICチップ実装用基板に実装された
受光素子や発光素子の実装位置が正確であれば、上記I
Cチップ実装用基板と上記多層プリント配線板との間で
正確な光信号の伝送を行うことができる。
【0076】また、上記光通信用デバイスにおいては、
上記光信号伝送用光路の少なくとも片側の端部に、マイ
クロレンズが配設されていてもよい。なお、上記マイク
ロレンズは、例えば、光信号伝送用光路の端部に直接配
設されていてもよく、接着剤層を介して配設されていて
もよく、また、場合によっては、上記マイクロレンズ
は、光信号伝送用光路の内部であって、光路用樹脂層中
に配設されていてもよい。
【0077】また、上記光信号伝送用光路の一端(多層
プリント配線板側)に配設されるマイクロレンズの屈折
率は、上記光信号伝送用光路の内部に形成される光路用
樹脂層の屈折率よりも大きいことが望ましい。このよう
な屈折率を有するマイクロレンズを配設することによ
り、所望の方向に光信号を集光させることができるた
め、より確実に光信号の伝送を行うことができる。
【0078】また、上記マイクロレンズが凸形状のレン
ズである場合、このレンズの凸面の曲率半径は、光信号
伝送用光路の設計等を考慮して適宜選択すればよい。具
体的には、例えば、焦点距離を長くする必要があるとき
には、曲率半径を小さくすることが望ましく、焦点距離
を短くする必要があるときには、曲率半径を大きくする
ことが望ましい。
【0079】上記マイクロレンズとしては特に限定され
ず、光学レンズに使用されているものが挙げられ、その
材質の具体例としては、光学ガラス、光学レンズ用樹脂
等が挙げられる。上記光学レンズ用樹脂としては、例え
ば、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、重水素化
PMMA、重水素フッ素化PMMA等のアクリル樹脂;
フッ素化ポリイミド等のポリイミド樹脂;エポキシ樹
脂;UV硬化性エポキシ樹脂;ポリオレフィン系樹脂;
重水素化シリコーン樹脂等のシリコーン樹脂;ベンゾシ
クロブテンから製造されるポリマー等が挙げられる。
【0080】上記光信号伝送用光路の端部にマイクロレ
ンズを配設する場合、該マイクロレンズは光信号伝送用
光路の端部に直接配設されていてもよく、特に、光信号
伝送用光路(ソルダーレジスト層を貫通する部分)の内
部に光路用樹脂層が形成されている場合には、該光路用
樹脂層に直接配設されていることが望ましい。
【0081】また、マイクロレンズの配設位置は、受光
素子および発光素子に対向する側の光信号伝送用光路の
端部が望ましいものの、ここに限定されることはなく、
例えば、受光素子や発光素子側の光信号伝送用光路の端
部に配設されていてもよいし、光信号伝送用光路の両端
部に配設されていてもよい。上記マイクロレンズの形状
は、凸形状のレンズのほか、光信号を所望の方向に集光
することができるものであればよい。
【0082】また、第一の本発明の光通信用デバイスの
実施形態は、図1に示す形態に限定されるものではな
く、例えば、図2に示すような形態であってもよい。な
お、図2には、ICチップが実装された状態の光通信用
デバイスを示す。図2に示すように、光通信用デバイス
250は、ICチップ240を実装したICチップ実装
用基板220と多層プリント配線板200とから構成さ
れ、ICチップ実装用基板220と多層プリント配線板
200とは、半田接続部241を介して電気的に接続さ
れている。また、ICチップ実装用基板220と多層プ
リント配線板200との間には、封止樹脂層260が形
成されている。
【0083】ICチップ実装用基板220は、基板22
1の両面に導体回路224と層間絶縁層222とが積層
形成され、基板221を挟んだ導体回路同士、および、
層間絶縁層222を挟んだ導体回路同士は、それぞれ、
スルーホール229およびバイアホール227により電
気的に接続されている。また、ICチップ実装用基板2
20には、これを貫通する光信号伝送用光路251が形
成されており、この光信号伝送用光路251は、その内
部の一部に形成された光路用樹脂層251aと、光路用
樹脂層251aの基板221および層間樹脂絶縁層22
2を貫通する部分の周囲の壁面に形成された光沢を有す
る金属層251bとから構成されている。従って、光信
号伝送用光路251は、光路用樹脂層251aおよび空
隙とこれらの周囲の金属層251bとから構成されてい
る。
【0084】多層プリント配線板200は、基板201
の両面に導体回路204と層間樹脂絶縁層202とが積
層形成され、基板201を挟んだ導体回路同士、およ
び、層間樹脂絶縁層202を挟んだ導体回路同士は、そ
れぞれ、スルーホール209およびバイアホール207
により電気的に接続されている。また、多層プリント配
線板200のICチップ用実装基板220と対向する側
の最外層には、光路用開口211と半田バンプとを備え
たソルダーレジスト層214が形成されるとともに、光
路用開口211(211a、211b)直下に光変換ミ
ラー219(219a、219b)を備えた光導波路2
18(218a、218b)が形成されており、光路用
開口211内には、光路用樹脂層208(208a、2
08b)が形成されている。
【0085】このような構成からなる光通信用デバイス
250では、光ファイバ等(図示せず)を介して外部か
ら送られてきた光信号が、光導波路218aに導入さ
れ、光路変換ミラー219a、光路用開口211aおよ
び封止樹脂層260、さらには、光信号伝送用光路25
1を介して受光素子238(受光部238a)に送られ
た後、受光素子238で電気信号に変換され、さらに、
導体回路および半田接続部を介してICチップ240に
送られることとなる。
【0086】また、ICチップ240から送り出された
電気信号は、半田接続部および導体回路を介して発光素
子239に送られた後、発光素子239で光信号に変換
され、この光信号が発光素子239(発光部239a)
から光信号伝送用光路251、封止樹脂層260、光路
用開口211bおよび光変換ミラー219b介して光導
波路218bに導入され、さらに、光ファイバ等(図示
せず)を介して光信号として外部に送りだされることと
なる。
【0087】また、図2に示す光通信用デバイス250
では、ICチップ実装用基板220と多層プリント配線
板200との間に封止樹脂層260が形成されている。
このように、ICチップ実装用基板と、多層プリント配
線板との間に封止樹脂層が形成されている光通信用デバ
イスは、光学素子と光導波路との間に、空気中を浮遊し
ているゴミや異物等が入り込むことがなく、ゴミや異物
の存在により光信号の伝送が阻害されることがないた
め、より信頼性に優れることとなる。
【0088】上記封止樹脂層としては、通信波長帯での
吸収が少ないものであれば特に限定されず、その材料と
しては、例えば、第一の本発明の光通信用デバイスにお
いて光信号伝送用光路内に形成した光路用樹脂層と同様
のものが挙げられる。
【0089】また、上記封止樹脂層は、通信波長光の透
過率が70%以上であることが望ましい。通信波長光の
透過率が70%未満では、光信号の損失が大きく、光通
信用デバイスの信頼性の低下に繋がることがあるからで
ある。なお、上記通信波長光の透過率とは、上述した通
りである。
【0090】また、上記封止樹脂層には、樹脂粒子、無
機粒子、金属粒子等の粒子が含まれていることが望まし
い。粒子を含ませることにより、上記ICチップ実装用
基板や上記多層プリント配線板との間で熱膨張係数を整
合させることができ、熱膨張係数の差に起因したクラッ
ク等がより発生しにくくなるからである。上記粒子の具
体例としては、第一の本発明の光通信用デバイスを構成
するICチップ実装用基板において説明した光路用樹脂
層に含まれる粒子と同様のもの等が挙げられる。
【0091】第一の本発明の光通信用デバイスでは、上
記光信号伝送用光路の屈折率が、上記封止樹脂層の屈折
率よりも小さいことが望ましい。このような場合、上記
光信号伝送用光路を介して伝送される光信号が受光素子
の受光部に向かって集光することとなるため、より確実
に光信号の伝送を行うことができる。また、上記発光素
子から送り出された光信号は、光信号伝送用光路と封止
樹脂層との界面で広がらない方向に屈折するため、封止
樹脂層を介してより確実に光導波路に向かって伝送され
ることとなる。
【0092】上記光通信用デバイスにおいて、光信号伝
送用光路は、その壁面に金属層が形成されており、図2
に示すように、その内部の全体に光路用樹脂層が形成さ
れていることが望ましい。封止樹脂層を形成する際に、
光信号伝送用光路の内部が空隙により構成されている場
合には、該光信号伝送用光路内の一部に封止樹脂層が入
り込んでしまうことがあり、これにより光信号の伝送が
阻害されてしまうことがある。
【0093】また、上記光通信用デバイスでは、多層プ
リント配線板に設けられた光路用開口内にも光路用樹脂
層が形成されていることが望ましく、この場合、上記樹
脂組成物の屈折率は、封止樹脂層の屈折率よりも小さい
ことが望ましい。この場合、ICチップ実装用基板側か
ら伝送される光信号は、多層プリント配線板に形成した
光導波路の光路変換ミラーに向かって集光されることと
なり、より確実に光信号の伝送を行うことができる。ま
た、光導波路から送り出された光信号は、上記光路用開
口と封止樹脂層との界面で広がらない方向に屈折するた
め、封止樹脂層を介してより確実に光信号伝送用光路に
向かって伝送されることとなる。
【0094】また、上記光信号伝送用光路の内部に光路
用樹脂層が形成されるとともに、上記光路用開口の内部
にも光路用樹脂層が形成されており、かつ、上記光信号
伝送用光路の厚さと光路用開口の厚さとが略同一である
場合には、両光路用樹脂層の屈折率は、封止樹脂層の屈
折率よりも小さく、かつ、略同一であることが望まし
い。光学素子と光導波路との間でより確実に光信号の伝
送を行うことができるからである。このような構成から
なる第一の本発明の光通信用デバイスは、例えば、後述
する第四の本発明の光通信用デバイスの製造方法を用い
て製造することができる。
【0095】次に、第四の本発明の光通信用デバイスの
製造方法について説明する。第四の本発明の光通信用デ
バイスの製造方法は、(a)基板の両面に導体回路と層
間樹脂絶縁層とを積層形成し、多層配線板とする多層配
線板製造工程と、(b)上記多層配線板に貫通孔を形成
する貫通孔形成工程と、(c)上記貫通孔の壁面に光沢
を有する金属層を形成する金属層形成工程と、(d)上
記貫通孔を介して光信号を伝送することができる位置に
光学素子を実装する光学素子実装工程とを含む方法を用
いてICチップ実装用基板を製造し、これとは別に、光
導波路を有する多層プリント配線板を製造した後、上記
ICチップ実装用基板の光学素子と上記多層プリント配
線板の光導波路との間で、光信号の伝送ができる位置に
両者を配置、固定することを特徴とする。
【0096】第四の本発明の光通信用デバイスの製造方
法により製造した光通信用デバイスを構成するICチッ
プ実装用基板は、所定の位置に光学素子が実装されると
ともに、光信号伝送用光路の壁面の一部または全部に光
沢を有する金属層が形成され、該金属層が、上記光信号
伝送用光路内を伝送する光信号を好適に反射させること
ができるため、上記光信号が光信号伝送用光路の壁面に
当たることで減衰されたり、吸収されたりしにくく、光
信号伝送用光路内を伝送する光信号の損失が発生しにく
いため光信号の伝送の信頼性が高く、正確な光通信を実
現することができるものである。したがって、第四の本
発明の光通信用デバイスの製造方法によると、実装した
光学部品間の接続損失が低く、接続信頼性に優れる光通
信用デバイスを製造することができる。
【0097】上記光通信用デバイスの製造は、例えば、
まず、ICチップ実装用基板と多層プリント配線板とを
別々に製造し、その後、両者を半田等を介して接続する
ことにより行うことができる。従って、ここでは、ま
ず、ICチップ実装用基板と多層プリント配線板とのそ
れぞれを製造する方法について別々に説明し、その後、
両者を接続する方法について説明する。
【0098】以下に、ICチップ実装用基板の製造方法
について説明する。まず、上記(a)の工程、すなわ
ち、多層配線板を製造する多層配線板製造工程について
工程順に説明する。具体的には、例えば、下記(1)〜
(9)の工程を経ることにより多層配線板を製造するこ
とができる。 (1)絶縁性基板を出発材料とし、まず、該絶縁性基板
上に導体回路を形成する。上記絶縁性基板としては、例
えば、ガラスエポキシ基板、ポリエステル基板、ポリイ
ミド基板、ビスマレイミド−トリアジン樹脂(BT樹
脂)基板、熱硬化性ポリフェニレンエーテル基板、銅張
積層板、RCC基板等が挙げられる。また、窒化アルミ
ニウム基板等のセラミック基板や、シリコン基板を用い
てもよい。上記導体回路は、例えば、上記絶縁性基板の
表面に無電解めっき処理等によりベタの導体層を形成し
た後、エッチング処理を施すことにより形成することが
できる。また、銅張積層板やRCC基板にエッチング処
理を施すことにより形成してもよい。
【0099】また、上記絶縁性基板を挟んだ導体回路間
の接続をスルーホールにより行う場合には、例えば、上
記絶縁性基板にドリルやレーザ等を用いて貫通孔を形成
した後、無電解めっき処理等を施すことによりスルーホ
ールを形成しておく。なお、上記スルーホール用の貫通
孔の直径は、通常、100〜300μmである。また、
スルーホールを形成した場合には、該スルーホール内に
樹脂充填材を充填することが望ましい。
【0100】(2)次に、必要に応じて、導体回路の表
面に粗化形成処理を施す。上記粗化形成処理としては、
例えば、黒化(酸化)−還元処理、第二銅錯体と有機酸
塩とを含むエッチング液等を用いたエッチング処理、C
u−Ni−P針状合金めっきによる処理等が挙げられ
る。ここで、粗化面を形成した場合、通常、該粗化面の
平均粗度の下限は0.1μmが望ましく、上限は5μm
が望ましい。導体回路と層間樹脂絶縁層との密着性、導
体回路の電気信号伝送能に対する影響等を考慮すると上
記平均粗度の下限は2μmがより望ましく、上限は4μ
mがより望ましい。なお、この粗化形成処理は、スルー
ホール内に樹脂充填材を充填する前に行い、スルーホー
ルの壁面にも粗化面を形成してもよい。スルーホールと
樹脂充填材との密着性が向上するからである。
【0101】(3)次に、導体回路を形成した基板上
に、熱硬化性樹脂、感光性樹脂、熱硬化性樹脂の一部に
感光性基が付与された樹脂や、これらと熱可塑性樹脂と
含む樹脂複合体からなる未硬化の樹脂層を形成するか、
または、熱可塑性樹脂からなる樹脂層を形成する。な
お、これらの樹脂層の形成には、例えば、基板に用いる
樹脂と同様の樹脂等を用いることもできる。上記未硬化
の樹脂層は、未硬化の樹脂をロールコーター、カーテン
コーター等により塗布したり、未硬化(半硬化)の樹脂
フィルムを熱圧着したりすることにより形成することが
できる。また、上記熱可塑性樹脂からなる樹脂層は、フ
ィルム状に成形した樹脂成形体を熱圧着することにより
形成することができる。
【0102】これらのなかでは、未硬化(半硬化)の樹
脂フィルムを熱圧着する方法が望ましく、樹脂フィルム
の圧着は、例えば、真空ラミネータ等を用いて行うこと
ができる。また、圧着条件は特に限定されず、樹脂フィ
ルムの組成等を考慮して適宜選択すればよいが、通常
は、圧力0.25〜1.0MPa、温度40〜70℃、
真空度13〜1300Pa、時間10〜120秒程度の
条件で行うことが望ましい。
【0103】上記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポ
キシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエス
テル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリオレフィン系樹
脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレン樹
脂、フッ素樹脂等が挙げられる。上記エポキシ樹脂の具
体例としては、例えば、フェノールノボラック型、クレ
ゾールノボラック型等のノボラック型エポキシ樹脂や、
ジシクロペンタジエン変成した脂環式エポキシ樹脂等が
挙げられる。
【0104】上記感光性樹脂としては、例えば、アクリ
ル樹脂等が挙げられる。また、上記熱硬化性樹脂の一部
に感光性基が付与された樹脂としては、例えば、上記し
た熱硬化性樹脂の熱硬化基とメタクリル酸やアクリル酸
とをアクリル化反応させたもの等が挙げられる。
【0105】上記熱可塑性樹脂としては、例えば、フェ
ノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリ
スルフォン(PSF)、ポリフェニレンスルフォン(P
PS)ポリフェニレンサルファイド(PPES)、ポリ
フェニレンエーテル(PPE)ポリエーテルイミド(P
I)等が挙げられる。
【0106】また、上記樹脂複合体としては、熱硬化性
樹脂や感光性樹脂(熱硬化性樹脂の一部に感光性基が付
与された樹脂も含む)と熱可塑性樹脂とを含むものであ
れば特に限定されず、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との
具体的な組み合わせとしては、例えば、フェノール樹脂
/ポリエーテルスルフォン、ポリイミド樹脂/ポリスル
フォン、エポキシ樹脂/ポリエーテルスルフォン、エポ
キシ樹脂/フェノキシ樹脂等が挙げられる。また、感光
性樹脂と熱可塑性樹脂との具体的な組み合わせとして
は、例えば、アクリル樹脂/フェノキシ樹脂、エポキシ
基の一部をアクリル化したエポキシ樹脂/ポリエーテル
スルフォン等が挙げられる。
【0107】また、上記樹脂複合体における熱硬化性樹
脂や感光性樹脂と熱可塑性樹脂との配合比率は、熱硬化
性樹脂または感光性樹脂/熱可塑性樹脂=95/5〜5
0/50が望ましい。耐熱性を損なうことなく、高い靱
性値を確保することができるからである。
【0108】また、上記樹脂層は、2層以上の異なる樹
脂層から構成されていてもよい。具体的には、例えば、
下層が熱硬化性樹脂または感光性樹脂/熱可塑性樹脂=
50/50の樹脂複合体から形成され、上層が熱硬化性
樹脂または感光性樹脂/熱可塑性樹脂=90/10の樹
脂複合体から形成されている等である。このような構成
にすることにより、絶縁性基板との優れた密着性を確保
するとともに、後工程でバイアホール用開口等を形成す
る際の形成容易性を確保することができる。
【0109】また、上記樹脂層は、粗化面形成用樹脂組
成物を用いて形成してもよい。上記粗化面形成用樹脂組
成物とは、例えば、酸、アルカリおよび酸化剤から選ば
れる少なくとも1種からなる粗化液に対して難溶性の未
硬化の耐熱性樹脂マトリックス中に、酸、アルカリおよ
び酸化剤から選ばれる少なくとも1種からなる粗化液に
対して可溶性の物質が分散されたものである。なお、上
記「難溶性」および「可溶性」という語は、同一の粗化
液に同一時間浸漬した場合に、相対的に溶解速度の早い
ものを便宜上「可溶性」といい、相対的に溶解速度の遅
いものを便宜上「難溶性」と呼ぶ。
【0110】上記耐熱性樹脂マトリックスとしては、層
間樹脂絶縁層に上記粗化液を用いて粗化面を形成する際
に、粗化面の形状を保持することができるものが好まし
く、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、これらの複
合体等が挙げられる。また、感光性樹脂を用いてもよ
い。なお、感光性樹脂を用いた場合には、層間樹脂絶縁
層に露光、現像処理を用いてバイアホール用開口を形成
することができる。
【0111】上記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポ
キシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレ
フィン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。また、上記熱
硬化性樹脂を感光化する場合は、メタクリル酸やアクリ
ル酸等を用い、熱硬化基を(メタ)アクリル化反応させ
る。
【0112】上記エポキシ樹脂としては、例えば、クレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型
エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェ
ノールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノール
ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノールF型エポキシ
樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエ
ン型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性水酸基
を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物、
トリグリシジルイソシアヌレート、脂環式エポキシ樹脂
等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種
以上併用してもよい。それにより、耐熱性等に優れるも
のとなる。
【0113】上記熱可塑性樹脂としては、例えば、フェ
ノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォ
ン、ポリフェニレンスルフォン、ポリフェニレンサルフ
ァイド、ポリフェニルエーテル、ポリエーテルイミド等
が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以
上併用してもよい。
【0114】上記酸、アルカリおよび酸化剤から選ばれ
る少なくとも1種からなる粗化液に対して可溶性の物質
は、無機粒子、樹脂粒子および金属粒子から選ばれる少
なくとも1種であることが望ましい。
【0115】上記無機粒子としては、例えば、アルミ
ナ、水酸化アルミニウム等のアルミニウム化合物、炭酸
カルシウム、水酸化カルシウム等のカルシウム化合物、
炭酸カリウム等のカリウム化合物、マグネシア、ドロマ
イト、塩基性炭酸マグネシウム、タルク等のマグネシウ
ム化合物、シリカ、ゼオライト等のケイ素化合物等から
なるものが挙げられる。これらは単独で用いてもよい
し、2種以上併用してもよい。
【0116】上記樹脂粒子としては、例えば、熱硬化性
樹脂、熱可塑性樹脂等からなるものが挙げられ、酸、ア
ルカリおよび酸化剤から選ばれる少なくとも1種からな
る粗化液に浸漬した場合に、上記耐熱性樹脂マトリック
スよりも溶解速度の早いものであれば特に限定されず、
具体的には、例えば、アミノ樹脂(メラミン樹脂、尿素
樹脂、グアナミン樹脂等)、エポキシ樹脂、フェノール
樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレ
ン樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、ビスマレイ
ミド−トリアジン樹脂等が挙げられる。これらは、単独
で用いてもよく、2種以上併用してもよい。なお、上記
樹脂粒子は予め硬化処理されていることが必要である。
硬化させておかないと上記樹脂粒子が樹脂マトリックス
を溶解させる溶剤に溶解してしまうこととなるからであ
る。また、上記樹脂粒子としては、ゴム粒子や液相樹
脂、液相ゴム等を用いてもよい。
【0117】上記金属粒子としては、例えば、金、銀、
銅、スズ、亜鉛、ステンレス、アルミニウム、ニッケ
ル、鉄、鉛等が挙げられる。これらは、単独で用いても
よく、2種以上併用してもよい。また、上記金属粒子
は、絶縁性を確保するために、表層が樹脂等により被覆
されていてもよい。
【0118】上記可溶性の物質を、2種以上混合して用
いる場合、混合する2種の可溶性の物質の組み合わせと
しては、樹脂粒子と無機粒子との組み合わせが望まし
い。両者とも導電性が低くいため、層間樹脂絶縁層の絶
縁性を確保することができるとともに、難溶性樹脂との
間で熱膨張の調整が図りやすく、粗化面形成用樹脂組成
物からなる層間樹脂絶縁層にクラックが発生せず、層間
樹脂絶縁層と導体回路との間で剥離が発生しないからで
ある。
【0119】上記粗化液として用いる酸としては、例え
ば、リン酸、塩酸、硫酸、硝酸や、蟻酸、酢酸等の有機
酸等が挙げられるが、これらのなかでは有機酸を用いる
ことが望ましい。粗化処理した場合に、バイアホールの
底面から露出する導体回路を腐食させにくいからであ
る。上記酸化剤としては、例えば、クロム酸、クロム硫
酸、アルカリ性過マンガン酸塩(過マンガン酸カリウム
等)の水溶液等を用いることが望ましい。また、上記ア
ルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等
の水溶液が望ましい。
【0120】上記可溶性の物質の平均粒径は、10μm
以下が望ましい。また、平均粒径が2μm以下の平均粒
径の相対的に大きな粗粒子と平均粒径が相対的に小さな
微粒子とを組み合わせて使用してもよい。すなわち、平
均粒径が0.1〜0.5μmの可溶性の物質と平均粒径
が1〜2μmの可溶性の物質とを組み合わせる等であ
る。
【0121】このように、平均粒子と相対的に大きな粗
粒子と平均粒径が相対的に小さな微粒子とを組み合わせ
ることにより、無電解めっき膜の溶解残渣をなくし、め
っきレジスト下のパラジウム触媒量を少なくし、さら
に、浅くて複雑な粗化面を形成することができる。さら
に、複雑な粗化面を形成することにより、粗化面の凹凸
が小さくても実用的なピール強度を維持することができ
る。上記粗粒子は平均粒径が0.8μmを超え2.0μ
m未満であり、微粒子は平均粒径が0.1〜0.8μm
であることが望ましい。
【0122】(4)次に、その材料として熱硬化性樹脂
や樹脂複合体を用いた層間樹脂絶縁層を形成する場合に
は、未硬化の樹脂絶縁層に硬化処理を施すとともに、バ
イアホール用開口を形成し、層間樹脂絶縁層とする。ま
た、この工程では、必要に応じて、貫通孔を形成しても
よい。上記バイアホール用開口は、レーザ処理により形
成することが望ましい。また、層間樹脂絶縁層の材料と
して感光性樹脂を用いた場合には、露光現像処理により
形成してもよい。
【0123】また、その材料として熱可塑性樹脂を用い
た層間樹脂絶縁層を形成する場合には、熱可塑性樹脂か
らなる樹脂層にバイアホール用開口を形成し、層間樹脂
絶縁層とする。この場合、バイアホール用開口は、レー
ザ処理を施すことにより形成することができる。また、
この工程で貫通孔を形成する場合、該貫通孔は、ドリル
加工やレーザ処理等により形成すればよい。
【0124】上記レーザ処理に使用するレーザとして
は、例えば、炭酸ガスレーザ、紫外線レーザ、エキシマ
レーザ等が挙げられる。これらのなかでは、エキシマレ
ーザや短パルスの炭酸ガスレーザが望ましい。
【0125】また、エキシマレーザのなかでも、ホログ
ラム方式のエキシマレーザを用いることが望ましい。ホ
ログラム方式とは、レーザ光をホログラム、集光レン
ズ、レーザマスク、転写レンズ等を介して目的物に照射
する方式であり、この方式を用いることにより、一度の
照射で樹脂フィルム層に多数の開口を効率的に形成する
ことができる。
【0126】また、炭酸ガスレーザを用いる場合、その
パルス間隔は、10-4〜10-8秒であることが望まし
い。また、開口を形成するためのレーザを照射する時間
は、10〜500μ秒であることが望ましい。また、光
学系レンズと、マスクとを介してレーザ光を照射するこ
とにより、一度に多数のバイアホール用開口を形成する
ことができる。光学系レンズとマスクとを介することに
より、同一強度で、かつ、照射強度が同一のレーザ光を
複数の部分に照射することができるからである。このよ
うにしてバイアホール用開口を形成した後、必要に応じ
て、デスミア処理を施してもよい。
【0127】(5)次に、バイアホール用開口の内壁を
含む層間樹脂絶縁層の表面に、導体回路を形成する。導
体回路を形成するにあたっては、まず、層間樹脂絶縁層
の表面に薄膜導体層を形成する。上記薄膜導体層は、無
電解めっき、スパッタリング等の方法により形成するこ
とができる。
【0128】上記薄膜導体層の材質としては、例えば、
銅、ニッケル、スズ、亜鉛、コバルト、タリウム、鉛等
が挙げられる。これらのなかでは、電気特性、経済性等
に優れる点から銅や銅およびニッケルからなるものが望
ましい。また、上記薄膜導体層の厚さは、無電解めっき
により薄膜導体層を形成する場合には、望ましい下限が
0.3μm、より望ましい下限が0.6μmであり、望
ましい上限が2.0μm、より望ましい上限が1.2μ
mである。また、スパッタリングにより形成する場合に
は、0.1〜1.0μmが望ましい。
【0129】また、上記薄膜導体層を形成する前に、層
間樹脂絶縁層の表面に粗化面を形成しておいてもよい。
粗化面を形成することにより、層間樹脂絶縁層と薄膜導
体層との密着性を向上させることができる。特に、粗化
面形成用樹脂組成物を用いて層間樹脂絶縁層を形成した
場合には、酸や酸化剤等を用いて粗化面を形成すること
が望ましい。
【0130】また、上記(4)の工程で貫通孔を形成し
た場合には、層間樹脂絶縁層上に薄膜導体層を形成する
際に、貫通孔の壁面にも薄膜導体層を形成することによ
りスルーホールとしてもよい。
【0131】(6)次いで、その表面に薄膜導体層が形
成された層間樹脂絶縁層の上にめっきレジストを形成す
る。上記めっきレジストは、例えば、感光性ドライフィ
ルムを張り付けた後、めっきレジストパターンが描画さ
れたガラス基板等からなるフォトマスクを密着配置し、
露光現像処理を施すことにより形成することができる。
【0132】(7)その後、薄膜導体層をめっきリード
として電解めっきを行い、上記めっきレジスト非形成部
に電解めっき層を形成する。上記電解めっきとしては、
銅めっきが望ましい。また、上記電解めっき層の厚さ
は、5〜20μmが望ましい。
【0133】その後、上記めっきレジストと該めっきレ
ジスト下の薄膜導体層とを除去することにより導体回路
(バイアホールを含む)を形成することができる。上記
めっきレジストの除去は、例えば、アルカリ水溶液等を
用いて行えばよく、上記薄膜導体層の除去は、硫酸と過
酸化水素との混合液、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモ
ニウム、塩化第二鉄、塩化第二銅等のエッチング液を用
いて行えばよい。また、上記導体回路を形成した後、必
要に応じて、層間樹脂絶縁層上の触媒を酸や酸化剤を用
いて除去してもよい。電気特性の低下を防止することが
できるからである。また、このめっきレジストを形成し
た後、電解めっき層を形成する方法(工程(6)および
(7))に代えて、薄膜導体層上の全面に電解めっき層
を形成した後、エッチング処理を施す方法を用いて導体
回路を形成してもよい。
【0134】また、上記(4)および(5)の工程にお
いてスルーホールを形成した場合には、該スルーホール
内に樹脂充填材を充填してもよい。また、スルーホール
内に樹脂充填材を充填した場合、必要に応じて、無電解
めっきを行うことにより樹脂充填材層の表層部を覆う蓋
めっき層を形成してもよい。
【0135】(8)次に、蓋めっき層を形成した場合に
は、必要に応じて、該蓋めっき層の表面に粗化処理を行
い、さらに、上記(3)および(4)の工程を繰り返す
ことにより層間樹脂絶縁層を形成することができる。
【0136】(9)その後、必要に応じて、上記(3)
〜(8)の工程を繰り返すことにより、その両面に導体
回路と層間樹脂絶縁層とを積層形成する。なお、この工
程では、スルーホールを形成してもよいし、形成しなく
てもよい。
【0137】このような(1)〜(9)の工程を行うこ
とにより、基板の両面に導体回路と層間樹脂絶縁層とが
積層形成された多層配線板を製造することができる。な
お、ここで詳述した多層配線板の製造方法は、セミアデ
ィテブ法であるが、上記(a)の工程で製造する多層配
線板の製造方法は、セミアディテブ法に限定されず、フ
ルアディテブ法、サブトラクティブ法、一括積層法、コ
ンフォーマル法等を用いて行うこともできる。これらの
なかでは、セミアディテブ法やフルアディテブ法のアデ
ィテブ法が望ましい。エッチング精度が高いため、より
微細な導体回路を形成するのに適しているとともに、導
体回路の設計の自由度が向上するからである。
【0138】第四の本発明の光通信用デバイスの製造方
法では、上記(a)の工程を経て、多層配線板を製造し
た後、上記(b)の工程、すなわち、上記多層配線板に
貫通孔を形成する貫通孔形成工程を行う。この工程で形
成する貫通孔は、ICチップ実装用基板において光信号
伝送用光路の役割を果たすこととなる。従って、この工
程で形成する貫通孔を、以下、光路用貫通孔ともいう。
【0139】上記光路用貫通孔の形成は、例えば、ドリ
ル加工やレーザ処理等により行う。上記レーザ処理にお
いて使用するレーザとしては、上記バイアホール用開口
の形成において使用するレーザと同様のもの等が挙げら
れる。上記光路用貫通孔の形成位置は特に限定されず、
導体回路の設計、ICチップや光学素子の実装位置等を
考慮して適宜選択すればよい。また、上記光路用貫通孔
は、受光素子や発光素子等の光学素子ごとに形成するこ
とが望ましい。また、信号波長ごとに形成してもよい。
また、上記光路用貫通孔の断面の径は、100〜500
μmであることが望ましい。100μm未満であると、
光路用貫通孔が塞がれてしまうことがあり、一方、50
0μmを超えても光信号伝送用光路の光信号の伝送性は
あまり向上せず、ICチップ実装用基板を構成する導体
回路等の設計の自由度を阻害する原因となることがあ
る。
【0140】また、光路用貫通孔形成後、必要に応じ
て、光路用貫通孔の壁面にデスミア処理を行ってもよ
い。上記デスミア処理は、例えば、過マンガン酸溶液に
よる処理や、プラズマ処理、コロナ処理等を用いて行う
ことができる。なお、上記デスミア処理を行うことによ
り、光路用貫通孔内の樹脂残り、バリ等を除去すること
ができる。
【0141】次に、上記(c)の工程、すなわち、上記
貫通孔(光路用貫通孔)の壁面に光沢を有する金属層を
形成する金属層形成工程を行う。この金属層形成工程に
おいては、光路用貫通孔の壁面に光沢を有する金属層を
形成するとともに、最外層の層間樹脂絶縁層上に導体回
路を形成することが望ましい。従って、光路用貫通孔に
光沢を有する金属層を形成するとともに、最外層の層間
樹脂絶縁層上に導体回路を形成する方法について、以下
に説明する。
【0142】まず、無電解めっき等により光路用貫通孔
の壁面に導体層を形成するとともに、層間樹脂絶縁層の
表面全体に導体層を形成する。
【0143】次に、上記導体層の表面全体(光路用貫通
孔の壁面に形成した導体層を除く)にめっきレジストを
形成する。めっきレジストの形成は、例えば、上記
(a)の(6)の工程と同様の方法等により行えばよ
い。
【0144】次に、上記光路用貫通孔の壁面に形成した
導体層上に電解めっきや無電解めっき等を行い、上記光
路用貫通孔の壁面に光沢を有する金属層を形成し、その
後、めっきレジストを除去する。上記金属層の材料とし
ては、例えば、金、銀、ニッケル、白金、アルミニウ
ム、ロジウム等が挙げられる。
【0145】次に、再度、上記層間樹脂絶縁層表面に形
成した導体層上の導体回路非形成部分(上記光路用貫通
孔の端面部分を含む)にめっきレジストを形成する。め
っきレジストの形成は、例えば、上記(a)の(6)の
工程で行った方法と同様の方法等により行えばよい。
【0146】さらに、上記層間樹脂絶縁層上に形成した
導体層をめっきリードとして電解めっきを行い、上記め
っきレジスト非形成部に電解めっき層を形成し、その
後、めっきレジストと該めっきレジスト下の導体層とを
除去することにより層間樹脂絶縁層上に独立した導体回
路を形成する。
【0147】また、上記光路用貫通孔の壁面に光沢を有
する金属層を形成するとともに、上記多層配線板の最外
層の層間樹脂絶縁層上に、最外層の導体回路を形成する
別の方法として、以下のような方法を用いてもよい。す
なわち、まず、無電解めっき等により光路用貫通孔の壁
面に導体層を形成する際に、層間樹脂絶縁層の表面全体
にも導体層を形成する。
【0148】次に、この層間樹脂絶縁層表面に形成した
導体層上の導体回路非形成部分にめっきレジストを形成
する。めっきレジストの形成は、例えば、上記(a)の
(6)の工程で行った方法と同様の方法等により行えば
よい。
【0149】さらに、上記光路用貫通孔の壁面、およ
び、上記層間樹脂絶縁層上に形成した導体層をめっきリ
ードとして電解めっきを行い、上記光路用貫通孔の壁
面、および、上記めっきレジスト非形成部に電解めっき
層を形成し、その後、めっきレジストと該めっきレジス
ト下の導体層を除去することにより、光路用貫通孔の壁
面に光沢を有する金属層を形成するとともに、層間樹脂
絶縁層上に独立した導体回路を形成する。この方法によ
ると、めっきレジストを形成する工程や電解めっきを施
す工程を少なくすることができる。なお、この方法にお
いて、導体層および光路用貫通孔に形成する電解めっき
層の材料としては、金、銀、ニッケル、白金またはアル
ミニウムを用いることができる。従って、この場合、上
記導体回路の一部は、光沢を有する金属により構成され
ることとなる。
【0150】また、第四の本発明の光通信用デバイスの
製造方法では、上記光路用貫通孔に形成する光沢を有す
る金属層と、最外層の層間樹脂絶縁層上に形成する導体
回路とを別々に形成してもよい。この場合、まず、多層
配線板の表面全体(光路用貫通孔の壁面を除く)にめっ
きレジストを形成した後、無電解めっき等を施して上記
光路用貫通孔の壁面に導体層を形成する。なお、上記め
っきレジストの形成は、例えば、上記(a)の(6)の
工程と同様の方法等により行えばよい。そして、上記導
体層上に無電解めっきや電解めっきを行い、光路用貫通
孔の壁面に光沢を有する金属層を形成する。上記光沢を
有する金属層の材料としては、金、銀、ニッケル、白
金、アルミニウム、ロジウム等が挙げられる。その後、
上記めっきレジストを剥離することで、上記多層配線板
の光路用貫通孔の壁面に導体層を介して光沢を有する金
属層を形成することができる。なお、上記めっきレジス
トの除去は、例えば、アルカリ水溶液等を用いて行うこ
とができる。このように光路用貫通孔の壁面に光沢を有
する金属層を形成した後、上記(a)の(6)および
(7)の工程と同様にして最外層の層間樹脂絶縁層の表
面に導体回路を形成することができる。なお、光路用貫
通孔の壁面に光沢を有する金属層を形成する方法として
は、電解めっきや無電解めっき以外にも、例えば、真空
蒸着、スパッタリング等の方法を用いることができる。
【0151】この(c)の工程においては、光路用貫通
孔の壁面に形成した光沢を有する金属層の壁面に、必要
に応じて、粗化面を形成してもよい。上記粗化面を形成
する方法としては、例えば、第二銅錯体と有機酸塩とを
含むエッチング液を用いたエッチング処理、Cu−Ni
−P針状合金めっきによる処理等が挙げられる。また、
無電解めっき処理等により導体層を形成した後、該導体
層に粗化面を形成し、この粗化面の形状に追従するよう
に光沢を有する金属層を形成してもよい。なお、無電解
めっき処理等で形成した導体層に粗化面を形成した後に
は、表面が平坦な光沢を有する金属層を形成してもよ
い。
【0152】また、上記(c)の工程で、貫通孔(光路
用貫通孔)内に金属層を形成した後には、この光路用貫
通孔内に未硬化の樹脂組成物を充填することが望まし
い。光路用貫通孔内に、未硬化の樹脂組成物を充填した
後、硬化処理を施すことにより、その内部に光路用樹脂
層が形成された光信号伝送用光路とすることができる。
未硬化の樹脂組成物を充填する方法としては特に限定さ
れず、例えば、印刷やポッティング等の方法を用いるこ
とができる。なお、未硬化の樹脂組成物の充填を印刷に
より行う場合、該未硬化の樹脂組成物は1回で充填して
もよいし、2回以上に分けて印刷してもよい。また、多
層配線板の両側から印刷を行ってもよい。
【0153】また、未硬化の樹脂組成物の充填を行う際
には、上記光路用貫通孔の内積よりも少し多い量の未硬
化の樹脂組成物を充填し、充填終了後、光路用貫通孔か
ら溢れた余分な樹脂組成物を除去してもよい。上記余分
な樹脂組成物の除去は、例えば、研磨等により行うこと
ができる。また、余分な樹脂組成物を除去する場合、樹
脂組成物の状態は半硬化状態であってもよいし、完全に
硬化した状態であってもよく、樹脂組成物の組成等を考
慮して適宜選択すればよい。なお、上記未硬化の樹脂組
成物としては、第一の本発明の光通信用デバイスを構成
するICチップ実装用基板において説明した光路用樹脂
層の材料と同様のもの等が挙げられる。
【0154】このような貫通孔形成工程と、金属層形成
工程と、必要に応じて行う樹脂組成物充填工程とを経る
ことにより上記(a)の工程を経て製造した多層配線板
に、その内部に樹脂組成物が充填されるとともに、その
周囲の壁面に金属層が形成された光信号伝送用光路の、
基板および層間樹脂絶縁層を貫通する部分を形成するこ
とができる。また、上記金属層形成工程を行う際に、層
間樹脂絶縁層の表面にも導体層を形成し、上述した処理
を行うことにより独立した導体回路を形成することがで
きる。
【0155】次に、必要に応じて、上記(b)の工程で
形成した貫通孔(光路用貫通孔)に連通する開口を有す
るソルダーレジスト層を形成するソルダーレジスト層形
成工程を行う。具体的には、例えば、下記(1)および
(2)の工程を行うことによりソルダーレジスト層を形
成することができる。
【0156】(1)まず、光路用貫通孔を形成した多層
配線板の最外層にソルダーレジスト組成物の層を形成す
る。上記ソルダーレジスト組成物の層は、例えば、ポリ
フェニレンエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素
樹脂、熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、ポリイミ
ド樹脂等からなるソルダーレジスト組成物を用いて形成
することができる。
【0157】また、上記以外のソルダーレジスト組成物
としては、例えば、ノボラック型エポキシ樹脂の(メ
タ)アクリレート、イミダゾール硬化剤、2官能性(メ
タ)アクリル酸エステルモノマー、分子量500〜50
00程度の(メタ)アクリル酸エステルの重合体、ビス
フェノール型エポキシ樹脂等からなる熱硬化性樹脂、多
価アクリル系モノマー等の感光性モノマー、グリコール
エーテル系溶剤などを含むペースト状の流動体が挙げら
れ、その粘度は25℃で1〜10Pa・sに調整されて
いることが望ましい。また、市販のソルダーレジスト組
成物を用いてもよい。また、この工程では、上記ソルダ
ーレジスト組成物からなるフィルムを圧着してソルダー
レジスト組成物の層を形成してもよい。
【0158】(2)次に、上記ソルダーレジスト組成物
の層に、上記光路用貫通孔に連通した開口(以下、光路
用開口ともいう)を形成する。具体的には、例えば、バ
イアホール用開口を形成する方法と同様の方法、すなわ
ち、露光現像処理やレーザ処理等により形成する。ま
た、上記光路用開口を形成する際には、同時に、半田バ
ンプ形成用開口(ICチップや光学素子を実装するため
の開口や、多層プリント配線板等の外部基板と接続する
ための開口)を形成することが望ましい。なお、上記光
路用開口の形成と、上記半田バンプ形成用開口の形成と
は、別々に行ってもよい。
【0159】また、ソルダーレジスト層を形成する際
に、予め、所望の位置に開口を有する樹脂フィルムを作
製し、該樹脂フィルムを張り付けることにより、光路用
開口と半田バンプ形成用開口とを有するソルダーレジス
ト層を形成してもよい。このような(1)および(2)
の工程を経ることにより、光路用貫通孔を形成した多層
配線板上に、該光路用貫通孔と連通した開口を有するソ
ルダーレジスト層を形成することができる。なお、上記
光路用開口の径は、上記光路用貫通孔の径と同一であっ
てもよいし、上記光路用貫通孔の径よりも小さくてもよ
い。
【0160】また、上記(c)の工程の後、光路用貫通
孔内に光路用樹脂層を形成した場合には、この工程で
も、ソルダーレジスト層に形成した光路用開口に未硬化
の樹脂組成物に充填し、その後、硬化処理を施すことに
より光路用樹脂層を形成することが望ましい。この工程
においても光路用樹脂層を形成することにより、光信号
伝送用光路の内部全体に光路用樹脂層が形成されること
となる。また、上記光路用開口内に充填する未硬化の樹
脂組成物としては、上記した光路用貫通孔内に充填する
未硬化の樹脂組成物と同一のものであることが望まし
い。
【0161】また、その内部全体に光路用樹脂層が形成
された光信号伝送用光路を形成する場合には、上記
(c)の工程の後に未硬化の樹脂組成物の充填を行わ
ず、この工程において、光路用貫通孔内およびこれに連
通した光路用開口内に未硬化の樹脂組成物を充填し、そ
の後、硬化処理を施すことにより、その内部全体に光路
用樹脂層が形成された光信号伝送用光路としてもよい。
【0162】また、上記(c)の工程において、光路用
貫通孔に未硬化の樹脂組成物を充填した後、この樹脂組
成物を半硬化させ、その後、上述した方法で光路用開口
を有するソルダーレジスト層の形成を行い、さらに、上
記光路用開口内に未硬化の樹脂組成物を充填した後、光
路用貫通孔内の樹脂組成物および光路用開口内の樹脂組
成物に同時に硬化処理を施すことにより、光路用樹脂層
を形成してもよい。
【0163】また、必要に応じて、光信号伝送用光路の
端部にマイクロレンズを配設する。上記光信号伝送用光
路の端部にマイクロレンズを配設するには、ソルダーレ
ジスト層上に形成した接着剤層を介して光信号伝送用光
路の端部に配設すればよいが、特に、光信号伝送用光路
の内部に光路用樹脂層が形成されている場合には、該光
路用樹脂層上に直接配設することが望ましい。
【0164】上記光路用樹脂層上にマイクロレンズを直
接配設する方法としては、例えば、未硬化の光学レンズ
用樹脂を光路用樹脂層上に適量滴下し、この滴下した未
硬化の光学レンズ用樹脂に硬化処理を施す方法等が挙げ
られる。上記未硬化の光学レンズ用樹脂を光路用樹脂層
上に適量滴下する際には、ディスペンサー、インクジェ
ット、マイクロピペット、マイクロシリンジ等の装置を
用いることができる。このような装置を用いて光路用樹
脂層上に滴下した未硬化の光学レンズ用樹脂は、その表
面張力により球形になろうとするため、上記光路用樹脂
層上で半球状となり、その後、半球状の未硬化の光学レ
ンズ用樹脂に硬化処理を施すことで、光路用樹脂層上に
半球状のマイクロレンズを配設することができる。
【0165】上記未硬化の光学レンズ用樹脂としては第
一の本発明の光通信用デバイスにおいて説明した光学レ
ンズ用樹脂と同様の樹脂を挙げることができる。なお、
上述した方法により形成するマイクロレンズの直径や曲
面の形状等は、樹脂組成物と未硬化の光学レンズ用樹脂
との濡れ性を考慮しながら、適宜未硬化の光学レンズ用
樹脂の粘度等を調整することで制御することができる。
【0166】また、上記半田バンプ形成用開口等を形成
することにより露出した導体回路部分を、必要に応じ
て、ニッケル、パラジウム、金、銀、白金等の耐食性金
属により被覆し、半田パッドとする。これらのなかで
は、ニッケル−金、ニッケル−銀、ニッケル−パラジウ
ム、ニッケル−パラジウム−金等の金属により被覆層を
形成することが望ましい。上記被覆層は、例えば、めっ
き、蒸着、電着等により形成することができるが、これ
らのなかでは、被覆層の均一性に優れるという点からめ
っきにより形成することが望ましい。
【0167】また、ICチップを実装するための開口
(ICチップ実装用開口)や、多層プリント配線板等の
外部基板と接続するための開口(多層プリント配線板接
続用開口)に相当する部分に開口部が形成されたマスク
を介して、上記半田パッドに半田ペーストを充填した
後、リフローすることにより半田バンプを形成する。こ
のような半田バンプを形成することにより、該半田バン
プを介してICチップを実装したり、多層プリント配線
板等の外部基板を接続したりすることが可能となる。な
お、この半田バンプは、必要に応じて形成すればよく、
半田バンプを形成しない場合であっても、実装するIC
チップや接続する多層プリント配線板等の外部基板のバ
ンプを介して、これらとICチップ実装用基板とを電気
的に接続することができる。
【0168】次に、上記(d)の工程、すなわち、上記
開口(光路用開口)および上記貫通孔(光路用貫通孔)
を介して光信号を伝送することができる位置に光学素子
を実装する光学素子実装工程を行う。
【0169】上記光学素子の実装は、例えば、上記IC
チップを実装するための開口等に半田ペーストを充填す
る工程で光学素子を実装するための開口(光学素子実装
用開口)にも半田ペーストを充填しておき、さらに、リ
フローを行う際に、上記光学素子を取り付けることによ
り半田を介して実装すればよい。また、半田ペーストに
代えて、導電性接着剤等を用いて光学素子を実装しても
よい。なお、上記光学素子としては、例えば、上記した
受光素子や発光素子等が挙げられる。このような工程を
経ることにより、ICチップ実装用基板を製造すること
ができる。
【0170】次に、多層プリント配線板の製造方法につ
いて説明する。 (1)まず、上記ICチップ実装用基板の製造方法の
(a)の(1)および(2)の工程と同様にして、基板
の両面に導体回路を形成するともに、基板を挟んだ導体
回路間を接続するスルーホールを形成する。また、この
工程でも、導体回路の表面やスルーホールの壁面に、必
要に応じて、粗化面を形成する。
【0171】(2)次に、必要に応じて、導体回路を形
成した基板上に層間樹脂絶縁層と導体回路とを積層形成
する。具体的には、まず、上記ICチップ実装用基板の
製造方法の(a)の(3)および(4)の工程と同様に
して、バイアホール用開口を有する層間樹脂絶縁層を形
成し、さらに、ICチップ実装用基板の製造方法の
(5)の工程と同様にして、バイアホール用開口の壁面
を含む層間樹脂絶縁層の表面に薄膜導体層を形成する。
【0172】次に、上記薄膜導体層上の全面に電気めっ
き層等を形成することにより導体層の厚さを厚くする。
なお、電気めっき層等の形成は、必要に応じて行えばよ
い。次いで、上記導体層上にエッチングレジストを形成
する。上記エッチングレジストは、例えば、感光性ドラ
イフィルムを張り付けた後、該感光性ドライフィルム上
にフォトマスクを密着配置し、露光現像処理を施すこと
により形成する。
【0173】さらに、上記エッチングレジスト非形成部
下の導体層をエッチング処理により除去し、その後、エ
ッチングレジストを剥離することにより層間樹脂絶縁層
上に導体回路(バイアホールを含む)を形成する。な
お、上記エッチング処理は、例えば、硫酸と過酸化水素
との混合液、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、
塩化第二鉄、塩化第二銅等のエッチング液を用いて行う
ことができ、エッチングレジストの剥離は、アルカリ水
溶液等を用いて行うことができる。
【0174】なお、ここで説明した導体回路の形成方法
はサブトラクティブ法であるが、層間樹脂絶縁層上に導
体回路を形成する方法としては、上記ICチップ実装用
基板の製造方法の(a)の(5)〜(7)と同様の方法
を用いて導体回路を形成してもよい。また、この(2)
の工程、すなわち、層間樹脂絶縁層と導体回路とを積層
する工程は、1回のみ行ってもよいし、複数回行っても
よい。
【0175】(3)次に、ICチップ実装用基板と対向
する側の基板上、または、層間樹脂絶縁層上の導体回路
非形成部に光導波路を形成する。上記光導波路の形成
は、その材料に石英ガラス等の無機材料を用いて行う場
合、予め、所定の形状に成形しておいた光導波路を、接
着剤を介して取り付けることにより行うことができる。
また、上記無機材料からなる光導波路は、例えば、Li
NbO3 、LiTaO3等の無機材料を液相エピタキシ
ヤル法、化学堆積法(CVD)、分子線エピタキシヤル
法等により成膜させることにより形成することができ
る。
【0176】また、上記光導波路を、ポリマー材料を用
いて形成する場合は、予め、基板や離型フィルム上でフ
ィルム状に成形しておいた光導波路形成用フィルムを層
間樹脂絶縁層上に張り付けたり、層間樹脂絶縁層上に直
接形成したりすることより、光導波路を形成することが
できる。具体的には、反応性イオンエッチングを用いた
方法、露光現像法、金型形成法、レジスト形成法、これ
らを組み合わせた方法等を用いて形成することができ
る。なお、これらの方法は、光導波路を基板や離型フィ
ルム上に形成する場合にも、層間樹脂絶縁層上に直接形
成する場合にも用いることができる。
【0177】上記反応性イオンエッチングを用いた方法
では、(i)まず、離型フィルム等の上に下部クラッド
を形成し、(ii)次に、この下部クラッド上にコア用樹
脂組成物を塗布し、さらに、必要に応じて、硬化処理を
施すことによりコア形成用樹脂層とする。(iii)次
に、上記コア形成用樹脂層上に、マスク形成用の樹脂層
を形成し、次いで、このマスク形成用の樹脂層に露光現
像処理を施すことにより、コア形成用樹脂層上にマスク
(エッチングレジスト)を形成する。
【0178】(iv)次に、コア形成用樹脂層に反応性イ
オンエッチングを施すことにより、マスク非形成部分の
コア形成用樹脂層を除去し、下部クラッド上にコアを形
成する。(v)最後に、上記コアを覆うように下部クラ
ッド上に上部クラッドを形成し、光導波路とする。この
反応性イオンエッチングを用いた方法では、寸法信頼性
に優れた光導波路を形成することができる。また、この
方法は、再現性にも優れている。
【0179】また、露光現像法では、(i)まず、離型
フィルム等の上に下部クラッドを形成し、(ii)次に、
この下部クラッド上にコア用樹脂組成物を塗布し、さら
に、必要に応じて、半硬化処理を施すことによりコア形
成用樹脂組成物の層を形成する。
【0180】(iii)次に、上記コア形成用樹脂組成物
の層上に、コア形成部分に対応したパターンが描画され
たマスクを載置し、その後、露光現像処理を施すことに
より、下部クラッド上にコアを形成する。(v)最後
に、上記コアを覆うように下部クラッド上に上部クラッ
ドを形成し、光導波路とする。この露光現像法は、工程
数が少ないため、光導波路を量産する際に好適に用いる
ことができ、また、加熱工程が少ないため、光導波路に
応力が発生しにくい。
【0181】また、上記金型形成法では、(i)まず、
離型フィルム等の上に下部クラッドを形成し、(ii)次
に、下部クラッドに金型形成によりコア形成用の溝を形
成する。(iii)さらに、上記溝内にコア用樹脂組成物
を印刷により充填し、その後、硬化処理を施すことによ
りコアを形成する。(iv)最後に、上記コアを覆うよう
に下部クラッド上に上部クラッドを形成し、光導波路と
する。この金型形成法は、光導波路を量産する際に好適
に用いることができ、寸法信頼性に優れた光導波路を形
成することができる。また、この方法は、再現性にも優
れている。
【0182】また、上記レジスト形成法では、(i)ま
ず、離型フィルム等の上に下部クラッドを形成し、(i
i)さらに、この下部クラッド上にレジスト用樹脂組成
物を塗布した後、露光現像処理を施すことにより、上記
下部クラッド上のコア非形成部分に、コア形成用レジス
ト形成する。
【0183】(iii)次に、下部クラッド上のレジスト
非形成部分にコア用樹脂組成物の塗布し、(iv)さら
に、コア用樹脂組成物を硬化した後、上記コア形成用レ
ジストを剥離することにより、下部クラッド上にコアを
形成する。(v)最後に、上記コアを覆うように下部ク
ラッド上に上部クラッドを形成し、光導波路とする。こ
のレジスト形成法は、光導波路を量産する際に好適に用
いることができ、寸法信頼性に優れた光導波路を形成す
ることができる。また、この方法は、再現性にも優れて
いる。なお、これらの方法で形成する光導波路では、コ
アの屈折率をクラッドの屈折率よりも大きくする。
【0184】また、この工程で光導波路を形成する際に
は、上述したような下部クラッドとコアと上部クラッド
とを順次積層形成する方法を用いて、光導波路を基板上
または層間樹脂絶縁層上に直接形成し、さらに、この場
合に上部クラッドを基板上または層間樹脂絶縁層上全体
に形成することより、上部クラッドがソルダーレジスト
層としての役割を果たすことができる。また、下部クラ
ッドとコアとを予めフィルム状に形成しておき、これを
基板上または層間樹脂絶縁層上の所定の位置に貼り付
け、さらに、上記基板上または層間樹脂絶縁層上の全体
に上部クラッドを形成することによっても、該上部クラ
ッドがソルダーレジスト層としての役割を果たすことが
できる。
【0185】また、上記光導波路には、光路変換ミラー
を形成する。上記光路変換ミラーは、光導波路を層間樹
脂絶縁層上に取り付ける前に形成しておいてもよいし、
層間樹脂絶縁層上に取り付けた後に形成してもよいが、
該光導波路を層間樹脂絶縁層上に直接形成する場合を除
いて、予め光路変換ミラーを形成しておくことが望まし
い。作業を容易に行うことができ、また、作業時に多層
プリント配線板を構成する他の部材、例えば、基板や導
体回路、層間樹脂絶縁層等に傷を付けたり、これらを破
損させたりするおそれがないからである。
【0186】上記光路変換ミラーを形成する方法として
は特に限定されず、従来公知の形成方法を用いることが
できる。具体的には、先端がV形90°のダイヤモンド
ソーや刃物による機械加工、反応性イオンエッチングに
よる加工、レーザアブレーション等を用いることができ
る。
【0187】(4)次に、必要に応じて、光導波路を形
成した基板の最外層にソルダーレジスト層を形成する。
上記ソルダーレジスト層は、例えば、上記ICチップ実
装用基板のソルダーレジスト層を形成する際に用いた樹
脂組成物と同様の樹脂組成物を用いて形成することがで
きる。
【0188】(5)次に、ICチップ実装用基板と対向
する側のソルダーレジスト層に半田バンプ形成用開口
(ICチップ実装用基板や各種表面実装型電子部品を実
装するための開口)と光路用開口とを形成する。上記半
田バンプ形成用開口と光路用開口との形成は、ICチッ
プ実装用基板に半田バンプ形成用開口を形成する方法と
同様の方法、すなわち、露光現像処理やレーザ処理等を
用いて行うことができる。なお、上記半田バンプ形成用
開口の形成と、光路用開口の形成とは同時に行ってもよ
いし、別々に行ってもよい。
【0189】これらのなかでは、ソルダーレジスト層を
形成する際に、その材料として感光性樹脂を含む樹脂組
成物を塗布し、露光現像処理を施すことにより半田バン
プ形成用開口と光路用開口とを形成する方法を選択する
ことが望ましい。露光現像処理により光路用開口を形成
する場合には、開口形成時に、該光路用開口の下に存在
する光導波路に傷を付けるおそれがないからである。ま
た、ソルダーレジスト層を形成する際に、予め、所望の
位置に開口を有する樹脂フィルムを作製し、該樹脂フィ
ルムを張り付けることにより、半田バンプ形成用開口と
光路用開口とを有するソルダーレジスト層を形成しても
よい。
【0190】また、必要に応じて、ICチップ実装用基
板と対向する面と反対側のソルダーレジスト層にも半田
バンプ形成用開口を形成してもよい。後工程を経ること
により、ICチップ実装用基板と対向する面と反対側の
ソルダーレジスト層にも外部接続端子を形成することが
できるからである。
【0191】(6)次に、上記半田バンプ形成用開口を
形成することにより露出した導体回路部分を、必要に応
じて、ニッケル、パラジウム、金、銀、白金等の耐食性
金属により被覆し、半田パッドとする。具体的には、I
Cチップ実装用基板の製造方法で説明した方法と同様の
方法を用いて行えばよい。
【0192】(7)次に、必要に応じて、上記(5)の
工程で形成した光路用開口内に、未硬化の樹脂組成物を
充填し、その後、硬化処理を施すことにより光路用樹脂
層を形成する。なお、この工程で充填する未硬化の樹脂
組成物は、ICチップ実装用基板の製造工程で、光路用
貫通孔および光路用開口に充填する樹脂組成物と同一の
ものであることが望ましい。
【0193】(8)次に、上記半田パッドに相当する部
分に開口部が形成されたマスクを介して、上記半田パッ
ドに半田ペーストを充填した後、リフローすることによ
り半田バンプを形成する。このような半田バンプを形成
することにより、該半田バンプを介してICチップ実装
用基板や各種表面実装型電子部品を実装することが可能
となる。なお、この半田バンプは、必要に応じて形成す
ればよく、半田バンプを形成しない場合であっても、実
装するICチップ実装用基板や各種表面実装型電子部品
のバンプを介してこれらを実装することができる。ま
た、ICチップ実装用基板と対向する面と反対側のソル
ダーレジスト層では、特に、外部接続端子を形成しなく
てもよいし、必要に応じて、ピンを配設したり、半田ボ
ールを形成したりすることにより、PGA(Pin Grid A
rray)やBGA(Ball Grid Array)としてもよい。こ
のような工程を経ることにより、光通信用デバイスを構
成する多層プリント配線板を製造することができる。
【0194】第四の本発明の光通信用デバイスの製造方
法では、次に、ICチップ実装用基板の光学素子と多層
プリント配線板の光導波路との間で、光信号伝送用光路
を介して光信号の伝送ができる位置に両者を配置、固定
する。ここでは、ICチップ実装用基板と多層プリント
配線板とを対向配置した後、上記ICチップ実装用基板
の半田バンプと、上記多層プリント配線板の半田バンプ
とにより半田接続部を形成し、両者を電気的に接続する
とともに、両者を固定する。すなわち、ICチップ実装
用基板と多層プリント配線板とをそれぞれ所定の位置
に、所定の向きで対向配置し、リフローすることにより
両者を接続する。なお、上述したように、ICチップ実
装用基板と多層プリント配線板との両者を固定するため
の半田バンプは、両者のどちらか一方にのみ形成されて
いてもよい。
【0195】また、この工程では、ICチップ実装用基
板と多層プリント配線板とを両者の半田バンプを用いて
接続するため、両者を対向配置した際に、両者の間で若
干の位置ズレが存在していても、リフロー時に半田の有
するセルフアライメント効果により両者を所定の位置に
配置することができる。
【0196】また、本発明の製造方法では、ICチップ
実装用基板と多層プリント配線板とを所定の位置に配
置、固定した後、上記ICチップ実装用基板と上記多層
プリント配線板との間に、封止用樹脂組成物を流し込
み、その後、硬化処理を施すことにより封止樹脂層を形
成してもよい。
【0197】上記封止用樹脂組成物としては、上述した
PMMA(ポリメチルメタクリレート)、重水素化PM
MA、重水素フッ素化PMMA等のアクリル樹脂;フッ
素化ポリイミド等のポリイミド樹脂;エポキシ樹脂;U
V硬化性エポキシ樹脂;重水素化シリコーン樹脂等のシ
リコーン樹脂;ベンゾシクロブテンから製造されるポリ
マー等の樹脂成分と、必要に応じて含まれる粒子とに加
えて、硬化剤や各種添加剤、溶剤等が適宜配合されたも
の等が挙げられる。また、上記封止用樹脂組成物は、硬
化後の通信波長光の透過率が70%以上であることが望
ましい。
【0198】ここで、ICチップ実装用基板および多層
プリント配線板の間に流し込む封止用樹脂組成物の粘度
や、該封止用樹脂組成物を流し込んだ後の硬化処理の条
件としては、封止用樹脂組成物の組成、ICチップ実装
用基板および多層プリント配線板の設計等を考慮して適
宜選択すればよい。
【0199】次に、ICチップ実装用基板にICチップ
を実装し、その後、必要に応じて、ICチップの樹脂封
止を行うことにより光通信用デバイスとする。上記IC
チップの実装は従来公知の方法で行うことができる。ま
た、ICチップの実装を、ICチップ実装用基板と多層
プリント配線板とを接続する前に行い、ICチップを実
装したICチップ実装用基板と多層プリント配線板とを
接続することにより光通信用デバイスとしてもよい。
【0200】次に、第二の本発明の光通信用デバイスに
ついて説明する。第二の本発明の光通信用デバイスは、
ICチップ実装用基板と多層プリント配線板とからなる
光通信用デバイスであって、上記多層プリント配線板
は、基板と導体回路とを含んで構成され、上記多層プリ
ント配線板には、少なくとも基板を貫通する光信号伝送
用光路が配設されており、上記光信号伝送用光路は、そ
の壁面の一部または全部に光沢を有する金属層が形成さ
れていることを特徴とする
【0201】第二の本発明の光通信用デバイスは、光信
号伝送用光路の壁面の一部または全部に形成された光沢
を有する金属層が、上記光信号伝送用光路内を伝送する
光信号を好適に反射させることができるため、上記光信
号が光信号伝送用光路の壁面に当たることで減衰された
り、吸収されたりしにくい。従って、第二の本発明の光
通信用デバイスによると、光信号伝送用光路内を伝送す
る光信号に損失が発生しにくいため、光信号の伝送の信
頼性が高く、正確な光通信を実現することができる。
【0202】第二の本発明の光通信用デバイスにおい
て、該光通信用デバイスを構成する多層プリント配線板
には、少なくとも基板を貫通する光信号伝送用光路が配
設されている。このような光信号伝送用光路が配設され
た多層プリント配線板では、この光信号伝送用光路を介
して光信号の伝送を行うことができる。
【0203】第二の本発明の光通信用デバイスにおい
て、上記光信号伝送用光路は、その壁面の一部または全
部に光沢を有する金属層が形成されている。このよう
に、光沢を有する金属層が光信号伝送用光路の壁面の一
部または全部に形成されていると、上記光信号伝送用光
路の内部を伝送する光信号が光信号伝送用光路の壁面に
当たった際、上記光沢を有する金属層で好適に反射され
るため、光信号に損失が発生しにくく、光信号伝送の信
頼性を向上させることができる。なお、上記光沢を有す
る金属層は、光信号伝送用光路の壁面の一部に形成され
ているか、または、上記壁面の全部に形成されているの
であるが、上記光沢を有する金属層が光信号伝送用光路
の壁面の一部に形成されている場合、上記光沢を有する
金属層は光信号伝送用光路の基板および層間樹脂絶縁層
を貫通する部分の壁面に形成されていることが望まし
い。通常、基板や層間樹脂絶縁層は金属との密着性が高
く、ソルダーレジスト層は金属との密着性が低いからで
ある。
【0204】また、上記光信号伝送用光路は、空隙を含
んで構成されていることが望ましい。光信号伝送用光路
が空隙を含んで形成されている場合には、その形成が容
易であるとともに、該光信号伝送用光路を介した光信号
の伝送において、伝送損失が発生しにくい。なお、上記
光信号伝送用光路の構成を空隙とするか否かは、多層プ
リント配線板の厚さ等を考慮して適宜決定すればよい。
【0205】また、上記光信号伝送用光路は、樹脂組成
物を含んで構成されていることも望ましい。上記光信号
伝送用光路が樹脂組成物を含んで構成されている場合に
は、多層プリント配線板の強度の低下を防止することが
できる。また、光信号伝送用光路が樹脂組成物により構
成されていると、該光信号伝送用光路内にゴミや異物等
が入り込むことを防止することができるため、ゴミや異
物等の存在に起因して光信号の伝送が阻害されることを
防止することができる。
【0206】また、上記光信号伝送用光路は、樹脂組成
物および空隙を含んで構成されていることも望ましい。
上記光信号伝送用光路が樹脂組成物および空隙を含んで
構成されている場合には、多層プリント配線板の強度の
低下を防ぐことができる。なお、上記光信号伝送用光路
が樹脂組成物および空隙により構成されている場合に
は、基板および層間絶縁層を貫通する部分に形成された
光信号伝送用光路が樹脂組成物により構成され、ソルダ
ーレジスト層に形成された光信号伝送用光路が空隙によ
り構成されていることが望ましい。通常、基板や層間絶
縁層は樹脂との密着性が高く、ソルダーレジスト層は樹
脂との密着性が低いからである。
【0207】上記光通信用デバイスを構成するICチッ
プ実装用基板としては特に限定されず、例えば、第一の
本発明の光通信用デバイスを構成するICチップ実装用
基板等が挙げられる。また、第二の本発明の光通信用デ
バイスを構成するICチップ実装用基板には、必ずしも
光信号伝送用光路が形成されている必要はない。従っ
て、上記ICチップ実装用基板に受光素子や発光素子等
の光学素子を実装する場合には、ICチップ実装用基板
の多層プリント配線板と対向する側に、半田や導電性接
着剤等を介して取り付ければよい。この場合、ICチッ
プ実装用基板に光信号伝送用光路が形成されていなくて
も、受光素子や発光素子と多層プリント配線板に形成し
た光導波路との間で光信号の伝送を行うことができる。
【0208】以下、第二の本発明の光通信用デバイスに
ついて、図面を参照しながら説明する。図3は、第二の
本発明の光通信用デバイスの一実施形態を模式的に示す
断面図である。なお、図3には、ICチップが実装され
た状態の光通信用デバイスを示す。
【0209】図3に示すように、第二の本発明の光通信
用デバイス350は、ICチップ340を実装したIC
チップ実装用基板320と多層プリント配線板300と
から構成され、ICチップ実装用基板320と多層プリ
ント配線板300とは、半田接続部341を介して電気
的に接続されている。
【0210】ICチップ用実装基板320は、基板32
1の両面に導体回路324と層間絶縁層322とが積層
形成され、基板321を挟んだ導体回路同士、および、
層間絶縁層322を挟んだ導体回路同士は、それぞれ、
スルーホール329およびバイアホール327により電
気的に接続されている。また、ICチップ用実装基板3
20の最外層には、半田バンプを備えたソルダーレジス
ト層334が形成されており、加えて、多層プリント配
線板300と対向する側の最外層は、受光部338aお
よび発光部339aがそれぞれ露出するように、受光素
子338および発光素子339を備えている。
【0211】多層プリント配線板300は、基板301
の両面に導体回路304と層間絶縁層302とが積層形
成され、基板301を挟んだ導体回路同士、および、層
間絶縁層302を挟んだ導体回路同士は、それぞれ、ス
ルーホール309およびバイアホール307により電気
的に接続されている。また、多層プリント配線板300
には、基板301と層間絶縁層302とソルダーレジス
ト層314とを貫通する光信号伝送用光路361が形成
されており、この光信号伝送用光路361を介して、光
導波路319(319a、319b)と受光素子338
や発光素子339との間で光信号の伝送を行うことがで
きるように構成されている。さらに、この光信号伝送用
光路361は、その壁面の一部に金属層361bが形成
され、その内部の一部に光路用樹脂層361aが形成さ
れている。多層プリント配線板300では、光導波路3
19が、基板301を挟んでICチップ実装用基板32
0と反対側の最外層の層間絶縁層302上に形成されて
おり、光導波路319は光路変換ミラー319(319
a、319b)を備えている。図3に示す光通信用デバ
イス350では、受光素子および発光素子が多層プリン
ト配線板と対向する側の面に実装されることとなる。
【0212】このような第二の本発明の光通信用デバイ
スでは、ICチップ実装用基板内、すなわち、ICチッ
プに近い位置で、光/電気信号変換を行うため、電気信
号の伝送距離が短く、より高速通信に対応することがで
きる。また、ICチップから送り出された電気信号は、
上述したように光信号に変換された後、光ファイバを介
して外部に送りだされるだけでなく、半田接続部を介し
て多層プリント配線板に送られ、該多層プリント配線板
の導体回路(バイアホール、スルーホールを含む)を介
して、多層プリント配線板に実装された他のICチップ
等の電子部品に送られることとなる。また、このような
構成からなる光通信用デバイスでは、ICチップ実装用
基板に実装した受光素子および発光素子、ならびに、多
層プリント配線板に形成した光導波路に位置ズレが発生
しにくいため、光信号の接続信頼性に優れることとな
る。
【0213】なお、図3に示した多層プリント配線板に
おける光導波路の形成位置は、最外層の層間絶縁層上で
あるが、第二の本発明の光通信用デバイスを構成する多
層プリント配線板において、光導波路の形成位置はここ
に限定されるわけではなく、層間絶縁層同士の間であっ
てもよいし、基板上であってもよい。
【0214】また、図3に示す多層プリント配線板30
0では、光信号伝送用光路361の基板301および層
間樹脂絶縁層302を貫通する部分の壁面に光沢を有す
る金属層361bが形成されている。このように光信号
伝送用光路の壁面に光沢を有する金属層が形成されてい
ることで、第二の本発明の光通信用デバイスは、光信号
が光信号伝送用光路内を伝送する際、上記金属層で光信
号が好適に反射され、光信号に損失が発生しにくく、信
号伝送の信頼性に優れたものとなる。また、図3に示す
多層プリント配線板300では、金属層361bは光信
号伝送用光路361の一部(基板301および層間樹脂
絶縁層302を貫通する部分)に形成されているが、第
二の本発明の光通信用デバイスを構成するICチップ実
装用基板は、例えば、光信号伝送用光路の壁面の全部に
金属層が形成された構造であってもよい。
【0215】なお、第二の本発明の光通信用デバイスに
おける光信号伝送用光路、光学素子、光導波路等の材質
等は、第一の本発明の光通信用デバイスのものとほぼ同
様であるため、その説明については省略することとす
る。このような構成からなる第二の本発明の光通信用デ
バイスは、例えば、後述する第五の本発明の光通信用デ
バイスの製造方法を用いて製造することができる。
【0216】次に、第五の本発明の光通信用デバイスの
製造方法について説明する。第五の本発明の光通信用デ
バイスの製造方法は、光学素子が実装されたICチップ
実装用基板を製造し、これとは別に、(A)基板の両面
に導体回路と層間樹脂絶縁層とを積層形成し、多層配線
板とする多層配線板製造工程と、(B)上記多層配線板
に貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、(C)上記貫通
孔の壁面に光沢を有する金属層を形成する金属層形成工
程と、(D)上記貫通孔を介して光信号を伝送すること
ができる位置に光導波路を形成する光導波路形成工程と
を含む方法を用いて多層プリント配線板を製造した後、
上記ICチップ実装用基板の光学素子と上記多層プリン
ト配線板の光導波路との間で、光信号の伝送ができる位
置に両者を配置、固定することを特徴とする。
【0217】第五の本発明の光通信用デバイスの製造方
法により製造した光通信用デバイスを構成する多層プリ
ント配線板では、光信号伝送用光路の一部または全部に
光沢を有する金属層が形成され、該金属層が、上記光信
号伝送用光路内を伝送する光信号を好適に反射させるこ
とができるため、上記光信号が光信号伝送用光路の壁面
に当たることで減衰されたり、吸収されたりしにくく、
光信号伝送用光路内を伝送する光信号に損失が発生しに
くいため、光信号の伝送の信頼性が高く、正確な光通信
を実現することができるものである。したがって、第五
の本発明の光通信用デバイスの製造方法によると、実装
した光学部品間の接続損失が低く、接続信頼性に優れる
光通信用デバイスを製造することができる。
【0218】第五の本発明の光通信用デバイスもまた、
第四の本発明の光通信用デバイスの製造方法と同様、ま
ず、ICチップ実装用基板と多層プリント配線板とを別
々に製造し、その後、両者を半田等を介して接続するこ
とにより製造することができる。従って、ここでは、ま
ず、ICチップ実装用基板と多層プリント配線板とのそ
れぞれを製造する方法について別々に説明し、その後、
両者を接続する方法について説明する。
【0219】上記ICチップ実装用基板を製造する方法
としては、例えば、第四の本発明の光通信用デバイスの
製造方法におけるICチップ実装用基板を製造する方法
と同様の方法等を用いることができる。なお、上述した
ように、第五の本発明の光通信用デバイスの製造方法に
おいては、ICチップ実装用基板には、光信号伝送用光
路が配設されていなくてもよい。従って、光信号伝送用
光路が形成されていないICチップ実装用基板を製造す
る場合には、例えば、第五の本発明の光通信用デバイス
の製造方法におけるICチップ実装用基板を製造する方
法において、(b)の工程を行わず、さらに、(c)の
工程において光路用開口の形成を行わずに、必要に応じ
て、光学素子実装用開口の形成を行えばよい。また、上
記ICチップ実装用基板を形成する場合、ソルダーレジ
スト層の形成は、必要に応じて行えばよい。
【0220】上記多層プリント配線板を製造する方法と
しては、例えば、下記(1)〜(5)の工程を行う方法
等を用いることができる。 (1)第四の本発明の光通信用デバイスの製造方法にお
けるICチップ実装用基板の製造方法の(a)および
(b)の工程と同様の方法を用いて、光路用貫通孔が形
成された多層配線板を製造する。
【0221】(2)次に、上記多層配線板の層間絶縁層
上の導体回路非形成部に光導波路を形成する。該光導波
路は、光路用貫通孔を介して、光信号を伝送することが
できる位置に形成する。なお、具体的な光導波路の形成
方法としては、第四の本発明の光通信用デバイスの製造
方法における多層プリント配線板を製造する方法の
(3)の工程で用いる方法と同様の方法等を用いること
ができる。また、ここで形成する光導波路には、光路変
換ミラーを形成する。
【0222】(3)次に、光導波路を形成した多層配線
板の最外層に、ソルダーレジスト層を形成する。上記ソ
ルダーレジスト層は、第四の本発明の光通信用デバイス
の製造方法における多層プリント配線板を製造する方法
の(4)の工程で用いる方法と同様の方法等を用いて形
成すればよい。なお、上記ソルダーレジスト層の形成は
必要に応じて行えばよい。
【0223】(4)次に、ICチップ実装用基板と対向
する側のソルダーレジスト層に半田バンプ形成用開口と
光路用開口とを形成する。上記半田バンプ形成用開口と
光路用開口とは、第四の本発明の光通信用デバイスの製
造方法における多層プリント配線板を製造する方法の
(5)の工程で用いる方法と同様の方法等を用いて形成
すればよい。また、上記光路用開口は、上記(1)の工
程で形成した光路用貫通孔に連通するように形成する。
また、この工程では、光路用開口を形成した後、光路用
開口内に樹脂組成物を充填してもよい。上記樹脂組成物
としては、上記(1)の工程で光路用貫通孔に充填する
樹脂組成物と同様のもの等が挙げられる。この工程で、
光路用貫通孔と光路用開口とに同時に樹脂組成物を充填
してもよい。
【0224】(5)次に、第四の本発明の光通信用デバ
イスの製造方法における多層プリント配線板を製造する
方法の(6)および(8)の工程で用いる方法と同様の
方法等を用いて、半田パッドや半田バンプ等を形成する
ことにより、多層プリント配線板を製造することができ
る。
【0225】次に、上記した方法で製造したICチップ
実装用基板と多層プリント配線板とを接続し、光通信用
デバイスを製造する。具体的には、第四の本発明の光通
信用デバイスを製造する際に用いた方法と同様の方法を
用いて行えばよい。また、第四の本発明の光通信用デバ
イスを製造する場合と同様、上記ICチップ実装用基板
と上記多層プリント配線板とは、その対向する面のうち
どちらか一方にのみ半田バンプが形成されていてもよ
い。この場合も両者を接続することができるからであ
る。
【0226】次に、第三の本発明の光通信用デバイスに
ついて説明する。第三の本発明の光通信用デバイスは、
ICチップ実装用基板と多層プリント配線板とからなる
光通信用デバイスであって、上記ICチップ実装用基板
には、該ICチップ実装用基板を貫通する光信号伝送用
光路が配設されており、上記多層プリント配線板は、基
板と導体回路とを含んで構成され、上記多層プリント配
線板には、少なくとも基板を貫通する光信号伝送用光路
が形成されており、上記光信号伝送用光路は、その壁面
の一部または全部に光沢を有する金属層が形成されてい
ることを特徴とする。
【0227】第三の本発明の光通信用デバイスは、光信
号伝送用光路の壁面の一部または全部に形成された光沢
を有する金属層が、上記光信号伝送用光路内を伝送する
光信号を好適に反射させることができるため、上記光信
号が光信号伝送用光路の壁面に当たることで減衰された
り、吸収されたりしにくい。従って、第三の本発明の光
通信用デバイスによると、光信号伝送用光路内を伝送す
る光信号に損失が発生しにくいため、光信号の伝送の信
頼性が高く、正確な光通信を実現することができる。
【0228】第三の本発明の光通信用デバイスでは、光
通信用デバイスを構成するICチップ実装用基板に、該
ICチップ実装用基板を貫通する光信号伝送用光路が配
設されており、光通信用デバイスを構成する多層プリン
ト配線板に、少なくとも基板を貫通する光信号伝送用光
路が配設されている。このような光信号伝送用光路が配
設された第三の本発明の光通信用デバイスでは、上記I
Cチップ実装用基板に配設された光信号伝送用光路、お
よび、上記多層プリント配線板に配設された光信号伝送
用光路を介して光信号の伝送を行うことができる。
【0229】第三の本発明の光通信用デバイスにおい
て、上記光信号伝送用光路には、その壁面の一部または
全部に光沢を有する金属層が形成されている。このよう
に、光沢を有する金属層が光信号伝送用光路の壁面の一
部または全部に形成されていると、上記光信号伝送用光
路の内部を伝送する光信号が光信号伝送用光路の壁面に
当たった際、上記光沢を有する金属層で好適に反射され
るため、光信号に損失が発生しにくく、光信号伝送の信
頼性を向上させることができる。なお、上記光沢を有す
る金属層は、光信号伝送用光路の壁面の一部に形成され
ているか、または、上記壁面の全部に形成されているの
であるが、上記光沢を有する金属層が光信号伝送用光路
の壁面の一部に形成されている場合、上記光沢を有する
金属層は光信号伝送用光路の基板および層間樹脂絶縁層
を貫通する部分の壁面に形成されていることが望まし
い。通常、基板や層間樹脂絶縁層は金属との密着性が高
く、ソルダーレジスト層は金属との密着性が低いからで
ある。
【0230】また、上記光信号伝送用光路は、空隙を含
んで構成されていることが望ましい。光信号伝送用光路
が空隙を含んで形成されている場合には、その形成が容
易であるとともに、該光信号伝送用光路を介した光信号
の伝送において、伝送損失が発生しにくい。なお、上記
光信号伝送用光路の構成を空隙とするか否かは、ICチ
ップ実装用基板または多層プリント配線板の厚さ等を考
慮して適宜決定すればよい。
【0231】また、上記光信号伝送用光路は、樹脂組成
物を含んで構成されていることも望ましい。上記光信号
伝送用光路が樹脂組成物を含んで構成されている場合に
は、ICチップ実装用基板または多層プリント配線板の
強度の低下を防止することができる。また、光信号伝送
用光路が樹脂組成物により構成されていると、該光信号
伝送用光路内にゴミや異物等が入り込むことを防止する
ことができるため、ゴミや異物等の存在に起因して光信
号の伝送が阻害されることを防止することができる。
【0232】また、上記光信号伝送用光路は、樹脂組成
物および空隙を含んで構成されていることも望ましい。
上記光信号伝送用光路が樹脂組成物および空隙を含んで
構成されている場合には、ICチップ実装用基板または
多層プリント配線板の強度の低下を防ぐことができる。
なお、上記光信号伝送用光路が樹脂組成物および空隙に
より構成されている場合には、基板および層間絶縁層を
貫通する部分に形成された光信号伝送用光路が樹脂組成
物により構成され、ソルダーレジスト層に形成された光
信号伝送用光路が空隙により構成されていることが望ま
しい。通常、基板や層間絶縁層は樹脂との密着性が高
く、ソルダーレジスト層は樹脂との密着性が低いからで
ある。
【0233】第三の本発明の光通信用デバイスを構成す
るICチップ実装用基板としては、該ICチップ実装用
基板を貫通する光信号伝送用光路が形成されているもの
であれば特に限定されず、例えば、第一の本発明の光通
信用デバイスを構成するICチップ実装用基板と同様の
もの等が挙げられる。このようなICチップ実装用基板
を用いることにより、上述した種々の効果を得ることが
できる。
【0234】第三の本発明の光通信用デバイスを構成す
る多層プリント配線板としては、基板と導体回路とを含
んで構成されており、さらに、少なくとも上記基板を貫
通する光信号伝送用光路が形成されたものであれば特に
限定されず、例えば、第二の本発明の光通信用デバイス
を構成する多層プリント配線板と同様のもの等が挙げら
れる。このような多層プリント配線板を用いることによ
り、上述した種々の効果を得ることができる。
【0235】具体的には、ICチップ実装用基板および
多層プリント配線板に光信号伝送用光路が形成されてい
るため、ICチップ実装用基板に光学素子を実装した
り、多層プリント配線板に光導波路を形成したりする際
に、光学素子の実装位置や光導波路の形成位置の自由度
が高まることとなり、ICチップ実装用基板および多層
プリント配線板の高密度化をはかることができる。これ
は、ICチップ実装用基板および多層プリント配線板の
設計において、フリースペースが広くなるからである。
【0236】また、上記ICチップ実装用基板および多
層プリント配線板のそれぞれに形成された光信号伝送用
光路を基準として、光学的処理や機械的処理により光学
素子の実装位置や光導波路の形成位置の位置合わせを行
うことができるため、正確に、かつ、所望の位置に光学
素子や光導波路を実装することができる。さらに、上述
したような構成の光信号伝送用光路は、熱処理工程や信
頼性試験下において、熱等による悪影響が発生しにく
い。
【0237】以下、第三の本発明の光通信用デバイスに
ついて、図面を参照しながら説明する。図4は、第三の
本発明の光通信用デバイスの一実施形態を模式的に示す
断面図である。なお、図4では、ICチップが実装され
た状態の光通信用デバイスを示す。
【0238】図4に示すように、第三の本発明の光通信
用デバイス450は、ICチップ440を実装したIC
チップ実装用基板420と多層プリント配線板400と
から構成され、ICチップ実装用基板420と多層プリ
ント配線板400とは、半田接続部441を介して電気
的に接続されている。
【0239】また、光通信用デバイス450では、IC
チップ実装用基板420に、これを貫通する光信号伝送
用光路451が形成されており、この光信号伝送用光路
451は、その壁面の一部に金属層451bが形成され
ており、さらに、その内部の一部には光路用樹脂層45
1aが形成されている。このICチップ実装用基板42
0の構成は、図1に示したICチップ実装用基板220
の構成と同一である。
【0240】また、多層プリント配線板400には、基
板401と層間絶縁層402とソルダーレジスト層41
4とを貫通する光信号伝送用光路461が形成されてお
り、この光信号伝送用光路461を介して、光導波路4
19と受光素子438や発光素子439との間で光信号
の伝送を行うことができるように構成されている。この
光信号伝送用光路461は、その壁面の一部に金属層4
61bが形成されており、さらに、その内部の一部には
光路用樹脂層461aが形成されている。この多層プリ
ント配線板400の構成は、図2に示した多層プリント
配線板300の構成と同一である。この光通信用デバイ
ス450では、受光素子438や発光素子439と光導
波路419とが、ICチップ実装用基板420に形成さ
れた、これを貫通する光信号伝送用光路451と、多層
プリント配線板400に形成された基板401と層間絶
縁層402とソルダーレジスト層414とを貫通する光
信号伝送用光路461とを介して光信号の伝送を行うこ
とができる。また、第三の本発明の光通信用デバイスの
実施形態は、図4に示す形態に限定されるものではな
く、例えば、図5、6に示すような形態であってもよ
い。
【0241】図5に示すICチップ実装用基板550で
は、受光素子538がICチップ実装用基板520の多
層プリント配線板500と対向する側の面に実装されて
おり、発光素子539が多層プリント配線板500と対
向する側の面と反対側の面に実装されている。また、発
光素子539が多層プリント配線板500に形成された
光導波路との間で光信号の伝送を行うことができるよう
に、ICチップ実装用基板520を貫通する光信号伝送
用光路551が形成されている。光信号伝送用光路55
1は、その壁面の一部に金属層551bが形成され、そ
の内部の一部に光路用樹脂層551aが充填されてい
る。
【0242】また、多層プリント配線板500には、光
導波路が形成されており、受光素子538との間で光信
号を伝送するための光導波路518aが、基板501を
挟んでICチップ実装用基板520に近い側の最外層の
層間絶縁層502上に形成されており、発光素子539
との間で光信号を伝送するための光導波路518bは、
基板501を挟んでICチップ実装用基板520と反対
側の最外層の層間絶縁層502上に形成されている。さ
らに、多層プリント配線板500には、発光素子539
と光導波路518bとの間で光信号を伝送するための光
信号伝送用光路561が形成されている。光信号伝送用
光路561は、基板501と層間絶縁層502とソルダ
ーレジスト層514とを貫通するように形成されてお
り、その壁面の一部には金属層561bが形成され、そ
の内部の一部には光路用樹脂層561aが充填されてい
る。
【0243】この光通信用デバイス550では、発光素
子539と光導波路519bとが、ICチップ実装用基
板520に形成された、これを貫通する光信号伝送用光
路551と、多層プリント配線板500に形成された基
板501と層間絶縁層502とソルダーレジスト層51
4とを貫通する光信号伝送用光路561とを介して光信
号の伝送を行うことができる。なお、受光素子538と
光導波路519aとは、多層プリント配線板500のソ
ルダーレジスト層に形成された光路用開口511aを介
して光信号を伝送することができる。
【0244】また、図6に示す光通信用デバイス650
では、ICチップ実装用基板620の多層プリント配線
板600と対向する側の面と反対側の面に受光素子63
8が実装されており、発光素子639が多層プリント配
線板600と対向する側の面に実装されている。また、
受光素子638が多層プリント配線板600に形成され
た光導波路618aとの間で光信号の伝送を行うことが
できるように、ICチップ実装用基板620を貫通する
光信号伝送用光路651が形成されている。この光信号
伝送用光路651は、その壁面の一部に金属層651b
が形成されており、その内部の一部に光路用樹脂層65
1aが充填されている。
【0245】また、多層プリント配線板600には、光
導波路619が形成されており、受光素子638との間
で光信号を伝送するための光導波路618aは、基板6
01を挟んでICチップ実装用基板620に近い側の最
外層の層間絶縁層上に形成されており、発光素子639
との間で光信号を伝送するための光導波路618bは、
基板601を挟んでICチップ実装用基板620と反対
側の最外層の層間絶縁層上に形成されている。さらに、
多層プリント配線板600には、発光素子639と光導
波路618bとの間で光信号を伝送するための光信号伝
送用光路651が形成されている。光信号伝送用光路6
61は、基板601と層間絶縁層602とソルダーレジ
スト層614とを貫通するように形成されており、その
壁面の一部には金属層661bが形成され、その内部の
一部には光路用樹脂層661aが充填されている。
【0246】この光通信用デバイス650では、発光素
子639と光導波路619bとが、多層プリント配線板
600に形成された基板601と層間絶縁層602とソ
ルダーレジスト層614を貫通する光信号伝送用光路6
61を介して光信号の伝送を行うことができる。また、
受光素子638と光導波路619aとは、ICチップ実
装用基板620に形成された、これを貫通する光信号伝
送用光路651を介して光信号を伝送することができ
る。
【0247】なお、上述したように、第三の本発明の光
通信用デバイスの実施形態は、図4〜6に示した形態に
限定されるわけではなく、受光素子や発光素子の実装位
置、光導波路の形成位置、光信号伝送用光路を形成する
か否かを適宜選択して組み合わせた形態であればよい。
【0248】なお、図4〜6に示した多層プリント配線
板における光導波路の形成位置は、最外層の層間絶縁層
上であるが、第三の本発明の光通信用デバイスを構成す
る多層プリント配線板において、光導波路の形成位置は
ここに限定されるわけではなく、層間絶縁層同士の間で
あってもよいし、基板上であってもよい。
【0249】なお、第三の本発明の光通信用デバイスに
おける光信号伝送用光路、光学素子、光導波路等の材質
等は、第一の本発明の光通信用デバイスのものとほぼ同
様であるため、その説明については省略することとす
る。このような構成からなる第三の本発明の光通信用デ
バイスは、例えば、後述する第六の本発明の光通信用デ
バイスの製造方法を用いて製造することができる。
【0250】次に、第六の本発明の光通信用デバイスの
製造方法について説明する。第六の本発明の光通信用デ
バイスの製造方法は、(a)基板の両面に導体回路と層
間樹脂絶縁層とを積層形成し、多層配線板とする多層配
線板製造工程と、(b)上記多層配線板に貫通孔を形成
する貫通孔形成工程と、(c)上記貫通孔の壁面に光沢
を有する金属層を形成する金属層形成工程と、(d)上
記貫通孔を介して光信号を伝送することができる位置に
光学素子を実装する光学素子実装工程とを含む方法を用
いてICチップ実装用基板を製造し、これとは別に、
(A)基板の両面に導体回路と層間樹脂絶縁層とを積層
形成し、多層配線板とする多層配線板製造工程と、
(B)上記多層配線板に貫通孔を形成する貫通孔形成工
程と、(C)上記貫通孔の壁面に光沢を有する金属層を
形成する金属層形成工程と、(D)上記貫通孔を介して
光信号を伝送することができる位置に光導波路を形成す
る光導波路形成工程とを含む方法を用いて多層プリント
配線板を製造した後、上記ICチップ実装用基板の光学
素子と上記多層プリント配線板の光導波路との間で、光
信号の伝送ができる位置に両者を配置、固定することを
特徴とする。
【0251】第六の本発明の光通信用デバイスの製造方
法により製造した光通信用デバイスを構成するICチッ
プ実装用基板および多層プリント配線板には、それぞれ
その一部または全部に光沢を有する金属層が形成され、
該金属層が、上記光信号伝送用光路内を伝送する光信号
を好適に反射させることができるため、上記光信号が光
信号伝送用光路の壁面に当たることで減衰されたり、吸
収されたりしにくく、光信号伝送用光路内を伝送する光
信号に損失が発生しにくいため、光信号の伝送の信頼性
が高く、正確な光通信を実現することができるものであ
る。したがって、第六の本発明の光通信用デバイスの製
造方法によると、実装した光学部品間の接続損失が低
く、接続信頼性に優れる光通信用デバイスを製造するこ
とができる。上記光通信用デバイスを製造する場合もま
た、第四の本発明の光通信用デバイスの製造方法と同
様、まず、ICチップ実装用基板と多層プリント配線板
とを別々に製造し、その後、両者を半田等を介して接続
することにより製造することができる。従って、ここで
は、まず、ICチップ実装用基板と多層プリント配線板
とのそれぞれを製造する方法について説明し、その後、
両者を接続する方法について説明する。
【0252】上記ICチップ実装用基板を製造する方法
としては、例えば、第四の本発明の光通信用デバイスの
製造方法におけるICチップ実装用基板を製造する方法
と同様の方法等を用いることができる。上記ICチップ
実装用基板を形成する場合、ソルダーレジスト層の形成
は、必要に応じて行えばよい。
【0253】上記多層プリント配線板を製造する方法と
しては、例えば、第五の本発明の光通信用デバイスの製
造方法における多層プリント配線板を製造する方法と同
様の方法等を用いることができる。上記多層プリント配
線板を形成する場合、ソルダーレジスト層の形成は、必
要に応じて行えばよい。
【0254】次に、上記した方法で製造したICチップ
実装用基板と多層プリント配線板と接続し、光通信用デ
バイスを製造する。具体的には、第四の本発明の光通信
用デバイスを製造方法で用いた方法と同様の方法等を用
いて行えばよい。
【0255】なお、第四〜第六の本発明の光通信用デバ
イスの製造方法で実装されるICチップは、ワイヤボン
ディングにより実装されるものであってもよいし、フリ
ップチップ接続により実装されるものであってもよい
が、フリップチップ接続により実装されるものであるこ
とが望ましい。
【0256】
【実施例】以下、本発明をさらに詳細に説明する。 (実施例1) A.ICチップ実装用基板の作製 A−1.層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムの作製 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量46
9、油化シェルエポキシ社製エピコート1001)30
重量部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキ
シ当量215、大日本インキ化学工業社製 エピクロン
N−673)40重量部、トリアジン構造含有フェノー
ルノボラック樹脂(フェノール性水酸基当量120、大
日本インキ化学工業社製 フェノライトKA−705
2)30重量部をエチルジグリコールアセテート20重
量部、ソルベントナフサ20重量部に攪拌しながら加熱
溶解させ、そこへ末端エポキシ化ポリブタジエンゴム
(ナガセ化成工業社製 デナレックスR−45EPT)
15重量部と2−フェニル−4、5−ビス(ヒドロキシ
メチル)イミダゾール粉砕品1.5重量部、微粉砕シリ
カ2重量部、シリコーン系消泡剤0.5重量部を添加し
エポキシ樹脂組成物を調製した。得られたエポキシ樹脂
組成物を厚さ38μmのPETフィルム上に乾燥後の厚
さが50μmとなるようにロールコーターを用いて塗布
した後、80〜120℃で10分間乾燥させることによ
り、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを作製した。
【0257】A−2.貫通孔充填用樹脂組成物の調製 ビスフェノールF型エポキシモノマー(油化シェル社
製、分子量:310、YL983U)100重量部、表
面にシランカップリング剤がコーティングされた平均粒
径が1.6μmで、最大粒子の直径が15μm以下のS
iO球状粒子(アドテック社製、CRS 1101−
CE)170重量部およびレベリング剤(サンノプコ社
製 ペレノールS4)1.5重量部を容器にとり、攪拌
混合することにより、その粘度が23±1℃で45〜4
9Pa・sの樹脂充填材を調製した。なお、硬化剤とし
て、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、2E4MZ−
CN)6.5重量部を用いた。
【0258】A−3.ICチップ実装用基板の製造 (1)厚さ0.8mmのガラスエポキシ樹脂またはBT
(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる絶縁性基板
21の両面に18μmの銅箔28がラミネートされてい
る銅張積層板を出発材料とした(図7(a)参照)。ま
ず、この銅張積層板をドリル削孔し、無電解めっき処理
を施し、パターン状にエッチングすることにより、基板
21の両面に導体回路24とスルーホール29とを形成
した(図7(b)参照)。
【0259】(2)スルーホール29と導体回路24と
を形成した基板を水洗いし、乾燥した後、NaOH(1
0g/l)、NaClO(40g/l)、NaPO
(6g/l)を含む水溶液を黒化浴(酸化浴)とする
黒化処理、および、NaOH(10g/l)、NaBH
(6g/l)を含む水溶液を還元浴とする還元処理を
行い、スルーホール29を含む導体回路24の表面に粗
化面(図示せず)を形成した。
【0260】(3)上記A−2に記載した樹脂充填材を
調製した後、下記の方法により調製後24時間以内に、
スルーホール29内および基板21の片面の導体回路非
形成部と導体回路24の外縁部とに樹脂充填材30′の
層を形成した。すなわち、まず、スキージを用いてスル
ーホール内に樹脂充填材を押し込んだ後、100℃、2
0分の条件で乾燥させた。次に、導体回路非形成部に相
当する部分が開口したマスクを基板上に載置し、スキー
ジを用いて凹部となっている導体回路非形成部にも樹脂
充填材を充填し、100℃、20分の条件で乾燥させる
ことにより樹脂充填材30′の層を形成した(図7
(c)参照)。
【0261】(4)上記(3)の処理を終えた基板の片
面を、♯600のベルト研磨紙(三共理化学社製)を用
いたベルトサンダー研磨により、導体回路24の表面や
スルーホール29のランド表面に樹脂充填材30′が残
らないように研磨し、次いで、上記ベルトサンダー研磨
による傷を取り除くためのバフ研磨を行った。このよう
な一連の研磨を基板の他方の面についても同様に行っ
た。次いで、100℃で1時間、120℃で3時間、1
50℃で1時間、180℃で7時間の加熱処理を行って
樹脂充填材層30を形成した。
【0262】このようにして、スルーホール29や導体
回路非形成部に形成された樹脂充填材30の表層部およ
び導体回路24の表面を平坦化し、樹脂充填材30と導
体回路24の側面とが粗化面を介して強固に密着し、ま
た、スルーホール29の内壁面と樹脂充填材30とが粗
化面を介して強固に密着した絶縁性基板を得た(図7
(d)参照)。この工程により、樹脂充填材層30の表
面と導体回路24の表面とが同一平面となる。
【0263】(5)上記基板を水洗、酸性脱脂した後、
ソフトエッチングし、次いで、エッチング液を基板の両
面にスプレイで吹き付けて、導体回路24の表面とスル
ーホール29のランド表面とをエッチングすることによ
り、導体回路24の全表面に粗化面(図示せず)を形成
した。エッチング液として、イミダゾール銅(II)錯
体10重量部、グリコール酸7重量部、塩化カリウム5
重量部を含むエッチング液(メック社製、メックエッチ
ボンド)を使用した。
【0264】(6)次に、上記A−1で作製した基板よ
り少し大きめの層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを基板上
に載置し、圧力0.4MPa、温度80℃、圧着時間1
0秒の条件で仮圧着して裁断した後、さらに、以下の方
法により真空ラミネータ装置を用いて貼り付けることに
より層間樹脂絶縁層22を形成した(図7(e)参
照)。すなわち、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを基板
上に、真空度65Pa、圧力0.4MPa、温度80、
時間60秒の条件で本圧着し、その後、170℃で30
分間熱硬化させた。
【0265】(7)次に、層間樹脂絶縁層22上に、厚
さ1.2mmの貫通孔が形成されたマスクを介して、波
長10.4μmのCOガスレーザにて、ビーム径4.
0mm、トップハットモード、パルス幅8.0μ秒、マ
スクの貫通孔の径1.0mm、1ショットの条件で層間
樹脂絶縁層22に、直径80μmのバイアホール用開口
26を形成した(図8(a)参照)。
【0266】(8)バイアホール用開口26を形成した
基板を、60g/lの過マンガン酸を含む80℃の溶液
に10分間浸漬し、層間樹脂絶縁層22の表面に存在す
るエポキシ樹脂粒子を溶解除去することにより、バイア
ホール用開口26の内壁面を含むその表面に粗化面(図
示せず)を形成した。
【0267】(9)次に、上記処理を終えた基板を、中
和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いした。さ
らに、粗面化処理(粗化深さ3μm)した該基板の表面
に、パラジウム触媒を付与することにより、層間樹脂絶
縁層22の表面(バイアホール用開口26の内壁面を含
む)に触媒核を付着させた(図示せず)。すなわち、上
記基板を塩化パラジウム(PdCl)と塩化第一スズ
(SnCl)とを含む触媒液中に浸漬し、パラジウム
金属を析出させることにより触媒を付与した。
【0268】(10)次に、以下の組成の無電解銅めっ
き水溶液中に、基板を浸漬し、層間樹脂絶縁層22の表
面(バイアホール用開口26の内壁面を含む)に厚さ
0.6〜3.0μmの無電解銅めっき膜32を形成した
(図8(b)参照)。
【0269】 〔無電解めっき水溶液〕 NiSO4 0.003 mol/l 酒石酸 0.200 mol/l 硫酸銅 0.030 mol/l HCHO 0.050 mol/l NaOH 0.100 mol/l α、α′−ビピリジル 100 mg/l ポリエチレングリコール(PEG) 0.10 g/l 〔無電解めっき条件〕 30℃の液温度で40分
【0270】(11)次に、無電解銅めっき膜32が形
成された基板に市販の感光性ドライフィルムを張り付
け、マスクを載置して、100mJ/cmで露光し、
0.8%炭酸ナトリウム水溶液で現像処理することによ
り、厚さ20μmのめっきレジスト23を設けた(図8
(c)参照)。
【0271】(12)ついで、基板を50℃の水で洗浄
して脱脂し、25℃の水で水洗後、さらに硫酸で洗浄し
てから、以下の条件で電解めっきを施し、めっきレジス
ト23非形成部に、厚さ20μmの電解銅めっき膜33
を形成した(図8(d)参照)。
【0272】〔電解めっき液〕 硫酸 2.24 mol/l 硫酸銅 0.26 mol/l 添加剤 19.5 ml/l (アトテックジャパン社製、カパラシドGL) 〔電解めっき条件〕 電流密度 1 A/dm 時間 65 分 温度 22±2 ℃
【0273】(13)さらに、めっきレジスト23を5
%NaOHで剥離除去した後、めっきレジスト23下の
無電解めっき膜を硫酸と過酸化水素との混合液でエッチ
ング処理して溶解除去し、無電解銅めっき膜32と電解
銅めっき膜33とからなる厚さ18μmの導体回路25
(バイアホール27を含む)を形成した(図9(a)参
照)。
【0274】(14)さらに、上記(5)の工程で用い
たエッチング液と同様のエッチング液を用いて、導体回
路25の表面に粗化面(図示せず)を形成し、次いで、
上記(6)〜(8)の工程と同様にしてバイアホール用
開口26を有し、その表面に粗化面(図示せず)が形成
された層間樹脂絶縁層22を積層形成した(図9(b)
参照)。その後、直径300μmのドリルを用いて、基
板21および層間樹脂絶縁層22を貫通する光路用貫通
孔46を形成し、さらに、光路用貫通孔46の壁面にデ
スミア処理を施した(図9(c)参照)。なお、光路用
貫通孔を形成する際に使用するドリルの直径は、200
〜400μmが望ましく、本実施例では、直径が300
μmのドリルを使用した。
【0275】(15)次に、上記(9)の工程で用いた
方法と同様の方法で、光路用貫通孔46の壁面および層
間樹脂絶縁層22の表面に触媒を付与し、さらに、上記
(10)の工程で用いた無電解めっき液と同様の無電解
銅めっき水溶液中に、基板を浸漬し、層間樹脂絶縁層2
2の表面(バイアホール用開口26の内壁面を含む)、
および、光路用貫通孔46の壁面に薄膜導体層(無電解
銅めっき膜)32を形成した(図10(a)参照)。
【0276】(16)次に、上記(11)の工程で用い
た方法と同様の方法で、めっきレジスト38を層間樹脂
絶縁層22の表面全体(光路用貫通孔46の壁面に形成
した薄膜導体層32部分を除く)に設け、シアン化金カ
リウム(7.6×10−3mol/l)、塩化アンモニ
ウム(1.9×10−1mol/l)、クエン酸ナトリ
ウム(1.2×10−1mol/l)、次亜リン酸ナト
リウム(1.7×10 mol/l)を含む無電解金
めっき液に80℃の条件で7.5分間浸漬して光路用貫
通孔46の壁面に金属層(金めっき層)45を形成し
た。その後、めっきレジスト38を5%NaOHで剥離
除去した。
【0277】(17)次に、上記(11)の工程で用い
た方法と同様の方法で、金属層45を形成した光路用貫
通孔の端面部分を含む部分にめっきレジスト23を設
け、さらに、上記(12)の工程で用いた方法と同様の
方法で、めっきレジスト23非形成部に、厚さ20μm
の電解銅めっき膜33を形成した(図10(b)参
照)。
【0278】(18)次に、上記(13)の工程で用い
た方法と同様の方法で、めっきレジスト23の剥離と、
めっきレジスト23下の薄膜導体層の除去とを行い、導
体回路25(バイアホール27を含む)を形成した。
(図10(c)参照)。
【0279】(19)次に、スキージを用いて、金属層
45が形成された光路用貫通孔46内にエポキシ樹脂を
含む樹脂組成物を充填し、乾燥させた後、バフ研磨によ
りその表層を平坦化した。さらに、硬化処理を施し、光
路用樹脂層42を形成した(図11(a)参照)。さら
に、上記(2)の工程で用いた方法と同様の方法で、酸
化還元処理を行い、導体回路25の表面を粗化面(図示
せず)とした。
【0280】(20)次に、ジエチレングリコールジメ
チルエーテル(DMDG)に60重量%の濃度になるよ
うに溶解させた、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂
(日本化薬社製)のエポキシ基50%をアクリル化した
感光性付与のオリゴマー(分子量:4000)46.6
7重量部、メチルエチルケトンに溶解させた80重量%
のビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル社製、
商品名:エピコート1001)15.0重量部、イミダ
ゾール硬化剤(四国化成社製、商品名:2E4MZ−C
N)1.6重量部、感光性モノマーである2官能アクリ
ルモノマー(日本化薬社製、商品名:R604)4.5
重量部、同じく多価アクリルモノマー(共栄化学社製、
商品名:DPE6A)1.5重量部、分散系消泡剤(サ
ンノプコ社製、S−65)0.71重量部を容器にと
り、攪拌、混合して混合組成物を調製し、この混合組成
物に対して光重合開始剤としてベンゾフェノン(関東化
学社製)2.0重量部、光増感剤としてのミヒラーケト
ン(関東化学社製)0.2重量部、を加えることによ
り、粘度を25℃で2.0Pa・sに調整したソルダー
レジスト組成物を得た。なお、粘度測定は、B型粘度計
(東京計器社製、DVL−B型)で60min 1(r
pm)の場合はローターNo.4、6min‐1(rp
m)の場合はローターNo.3によった。
【0281】(21)次に、層間樹脂絶縁層22と導体
回路25(バイアホール27を含む)とを形成した基板
の両面に、上記ソルダーレジスト組成物を30μmの厚
さで塗布し、70℃で20分間、70℃で30分間の条
件で乾燥処理を行い、ソルダーレジス組成物の層34′
を形成した(図11(b)参照)。
【0282】(22)次いで、光路用開口と半田バンプ
形成用開口(ICチップ実装用開口および光学素子実装
用開口)とのパターンが描画された厚さ5mmのフォト
マスクをICチップ実装側のソルダーレジスト組成物の
層34′に密着させて1000mJ/cmの紫外線で
露光し、DMTG溶液で現像処理し、開口を形成した。
そして、さらに、80℃で1時間、100℃で1時間、
120℃で1時間、150℃で3時間の条件でそれぞれ
加熱処理を行ってソルダーレジスト層を硬化させ、光路
用開口31と半田バンプ形成用開口35とを有し、その
厚さが20μmのソルダーレジスト層34を形成した。
また、他方のソルダーレジスト組成物の層には、半田バ
ンプ形成用開口(多層プリント配線板接続用開口)のパ
ターンが描画されたフォトマスクを密着させ、上記した
露光現像条件と同様の条件で露光現像処理を施すことに
より、多層プリント配線板と接続するための半田バンプ
形成用開口35を形成した(図12(a)参照)。
【0283】(23)次に、上記(22)の工程で形成
した光路用開口内に、上記(19)の工程で充填したエ
ポキシ樹脂を含む樹脂組成物と同様の樹脂組成物をスキ
ージを用いて充填し、乾燥させた後、バフ研磨によりそ
の表層を平坦化した。さらに、硬化処理を施し、光路用
樹脂層42を形成した。なお、本工程および上記(1
9)の工程で形成した光路用樹脂層は、透過率が85%
であり、屈折率が1.60である。
【0284】(24)次に、ソルダーレジスト層34を
形成した基板を、塩化ニッケル(2.3×10−1mo
l/l)、次亜リン酸ナトリウム(2.8×10−1
ol/l)、クエン酸ナトリウム(1.6×10−1
ol/l)を含むpH=4.5の無電解ニッケルめっき
液に20分間浸漬して、半田バンプ形成用開口35と光
学素子実装用開口31に厚さ5μmのニッケルめっき層
を形成した。さらに、その基板をシアン化金カリウム
(7.6×10−3mol/l)、塩化アンモニウム
(1.9×10−1mol/l)、クエン酸ナトリウム
(1.2×10−1mol/l)、次亜リン酸ナトリウ
ム(1.7×10−1mol/l)を含む無電解金めっ
き液に80℃の条件で7.5分間浸漬して、ニッケルめ
っき層上に、厚さ0.03μmの金めっき層を形成し、
半田パッド36とした。
【0285】(25)次に、ソルダーレジスト層34に
形成した半田バンプ形成用開口35に半田ペーストを印
刷し、さらに、光学素子実装用開口に印刷した半田ペー
ストに、受光素子38および発光素子39を、それぞれ
の受光部38aおよび発光部39aの位置合わせを行い
ながら取り付け、200℃でリフローすることにより、
受光素子38および発光素子39を半田を介して実装す
るとともに、ICチップ実装用開口および多層プリント
配線板実装用開口に半田バンプ37を形成し、ICチッ
プ実装用基板とした(図12(b)参照)。なお、受光
素子38としては、InGaAsからなるものを用い、
発光素子39としては、InGaAsPからなるものを
用いた。
【0286】B.多層プリント配線板の作製 B−1.層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムの作製 A−1で用いた方法と同様の方法を用いて層間樹脂絶縁
層用樹脂フィルムを作製した。 B−2.貫通孔充填用樹脂組成物の調製 A−2で用いた方法と同様の方法を用いて貫通孔充填用
樹脂組成物を作製した。
【0287】B−3.多層プリント配線板の製造 (1)厚さ0.6mmのガラスエポキシ樹脂またはBT
樹脂からなる絶縁性基板1の両面に18μmの銅箔4′
がラミネートされている銅張積層板を出発材料とした
(図13(a)参照)。まず、この銅張積層板をドリル
削孔し、無電解めっき処理を施し、パターン状にエッチ
ングすることにより、基板1の両面に導体回路4とスル
ーホール9とを形成した(図13(b)参照)。
【0288】(2)スルーホール9と導体回路4とを形
成した基板を水洗いし、乾燥した後、エッチング液(メ
ック社製、メックエッチボンド)をスプレイで吹き付
け、スルーホール9を含む導体回路4の表面に粗化面
(図示せず)を形成した。
【0289】(3)上記B−2に記載した樹脂充填材を
調製した後、下記の方法により調製後24時間以内に、
スルーホール9内および基板1の片面の導体回路非形成
部と導体回路4の外縁部とに樹脂充填材10′の層を形
成した。すなわち、まず、スキージを用いてスルーホー
ル内に樹脂充填材を押し込んだ後、100℃、20分の
条件で乾燥させた。次に、導体回路非形成部に相当する
部分が開口したマスクを基板上に載置し、スキージを用
いて凹部となっている導体回路非形成部にも樹脂充填材
を充填し、100℃、20分の条件で乾燥させることに
より樹脂充填材10′の層を形成した(図13(c)参
照)。
【0290】(4)上記(3)の処理を終えた基板の片
面を、♯600のベルト研磨紙(三共理化学社製)を用
いたベルトサンダー研磨により、導体回路4の表面やス
ルーホール9のランド表面に樹脂充填材10′が残らな
いように研磨し、次いで、上記ベルトサンダー研磨によ
る傷を取り除くためのバフ研磨を行った。このような一
連の研磨を基板の他方の面についても同様に行った。次
いで、100℃で1時間、120℃で3時間、150℃
で1時間、180℃で7時間の加熱処理を行って樹脂充
填材層10を形成した。
【0291】このようにして、スルーホール9や導体回
路非形成部に形成された樹脂充填材10の表層部および
導体回路4の表面を平坦化し、樹脂充填材10と導体回
路4の側面とが粗化面を介して強固に密着し、また、ス
ルーホール9の内壁面と樹脂充填材10とが粗化面を介
して強固に密着した絶縁性基板を得た(図13(d)参
照)。この工程により、樹脂充填材層10の表面と導体
回路4の表面とが同一平面となる。
【0292】(5)上記基板を水洗、酸性脱脂した後、
ソフトエッチングし、次いで、エッチング液を基板の両
面にスプレイで吹き付けて、導体回路4の表面とスルー
ホール9のランド表面とをエッチングすることにより、
導体回路4の全表面に粗化面(図示せず)を形成した。
なお、エッチング液としては、メック社製、メックエッ
チボンドを使用した。
【0293】(6)次に、上記B−1で作製した基板よ
り少し大きめの層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを基板上
に載置し、圧力0.4MPa、温度80℃、圧着時間1
0秒の条件で仮圧着して裁断した後、さらに、以下の方
法により真空ラミネータ装置を用いて貼り付けることに
より層間樹脂絶縁層2を形成した(図13(e)参
照)。すなわち、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを基板
上に、真空度65Pa、圧力0.4MPa、温度80、
時間60秒の条件で本圧着し、その後、170℃で30
分間熱硬化させた。
【0294】(7)次に、層間樹脂絶縁層2上に、厚さ
1.2mmの貫通孔が形成されたマスクを介して、波長
10.4μmのCOガスレーザにて、ビーム径4.0
mm、トップハットモード、パルス幅8.0μ秒、マス
クの貫通孔の径1.0mm、1ショットの条件で層間樹
脂絶縁層2に、直径80μmのバイアホール用開口6を
形成した(図14(a)参照)。
【0295】(8)バイアホール用開口6を形成した基
板を、60g/lの過マンガン酸を含む80℃の溶液に
10分間浸漬し、層間樹脂絶縁層2の表面に存在するエ
ポキシ樹脂粒子を溶解除去することにより、バイアホー
ル用開口6の内壁面を含むその表面に粗化面(図示せ
ず)を形成した。
【0296】(9)次に、上記処理を終えた基板を、中
和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いした。さ
らに、粗化面処理(粗化深さ3μm)した該基板の表面
に、パラジウム触媒を付与することにより、層間樹脂絶
縁層2の表面(バイアホール用開口6の内壁面を含む)
に触媒核を付着させた(図示せず)。すなわち、上記基
板を塩化パラジウム(PdCl)と塩化第一スズ(S
nCl)とを含む触媒液中に浸漬し、パラジウム金属
を析出させることにより触媒を付与した。
【0297】(10)次に、基板を無電解銅めっき水溶
液中に浸漬し、層間樹脂絶縁層2の表面(バイアホール
用開口6の内壁面を含む)に厚さ0.6〜3.0μmの
無電解銅めっき膜12を形成した(図14(b)参
照)。なお、使用した無電解めっき水溶液、および、無
電解めっき条件は、ICチップ実装用基板の製造工程の
(10)と同様である。
【0298】(11)次に、無電解銅めっき膜12が形
成された基板に市販の感光性ドライフィルムを張り付
け、マスクを載置して、100mJ/cmで露光し、
0.8%炭酸ナトリウム水溶液で現像処理することによ
り、厚さ20μmのめっきレジスト3を設けた(図14
(c)参照)。
【0299】(12)ついで、基板を50℃の水で洗浄
して脱脂し、25℃の水で水洗後、さらに硫酸で洗浄し
てから、以下の条件で電解めっきを施し、めっきレジス
ト3非形成部に、厚さ20μmの電解銅めっき膜13を
形成した(図14(d)参照)。なお、使用した電解め
っき液、および、電解めっき条件は、ICチップ実装用
基板の製造工程の(12)と同様である。
【0300】(13)さらに、めっきレジスト3を5%
NaOHで剥離除去した後、めっきレジスト3下の無電
解めっき膜を硫酸と過酸化水素との混合液でエッチング
処理して溶解除去し、無電解銅めっき膜12と電解銅め
っき膜13とからなる厚さ18μmの導体回路5(バイ
アホール7を含む)を形成した(図15(a)参照)。
【0301】(14)さらに、上記(5)の工程で用い
たエッチング液と同様のエッチング液を用いて、導体回
路5の表面に粗化面(図示せず)を形成し、次いで、上
記(6)〜(8)の工程と同様にしてバイアホール用開
口6を有し、その表面に粗化面(図示せず)が形成され
た層間樹脂絶縁層2を積層形成した(図15(b)参
照)。その後、直径300μmのドリルを用いて、基板
1および層間樹脂絶縁層2を貫通する光路用貫通孔8を
形成し、さらに、光路用貫通孔8の壁面にデスミア処理
を施した(図15(c)参照)。なお、光路用貫通孔を
形成する際に使用するドリルの直径は、200〜400
μmが望ましく、本実施例では、直径が300μmのド
リルを使用した。
【0302】(15)次に、上記(9)の工程で用いた
方法と同様の方法で、光路用貫通孔8の壁面および層間
樹脂絶縁層2の表面に触媒を付与し、さらに、上記(1
0)の工程で用いた無電解めっき液と同様の無電解銅め
っき水溶液中に、基板を浸漬し、層間樹脂絶縁層2の表
面(バイアホール用開口6の内壁面を含む)、および、
光路用貫通孔8の壁面に薄膜導体層(無電解銅めっき
膜)12を形成した。
【0303】(16)次に、上記(11)の工程で用い
た方法と同様の方法で、めっきレジスト18を層間樹脂
絶縁層2の表面全体(光路用貫通孔8の壁面に形成した
薄膜導体層12部分を除く)に設け、シアン化金カリウ
ム(7.6×10−3mol/l)、塩化アンモニウム
(1.9×10−1mol/l)、クエン酸ナトリウム
(1.2×10−1mol/l)、次亜リン酸ナトリウ
ム(1.7×10−1mol/l)を含む無電解金めっ
き液に80℃の条件で7.5分間浸漬して光路用貫通孔
8の壁面に金属層(金めっき層)16を形成した(図1
6(a)参照)。その後、めっきレジスト18を5%N
aOHで剥離除去した。
【0304】(17)次に、上記(11)の工程で用い
た方法と同様の方法で、金属層16を形成した光路用貫
通孔の端面部分を含む部分にめっきレジスト3を設け、
さらに、上記(12)の工程で用いた方法と同様の方法
で、めっきレジスト3非形成部に、厚さ20μmの電解
銅めっき膜13を形成した(図16(b)参照)。
【0305】(18)次に、上記(13)の工程で用い
た方法と同様の方法で、めっきレジスト3の剥離と、め
っきレジスト3下の薄膜導体層の除去とを行い、導体回
路5(バイアホール7を含む)を形成した。(図16
(c)参照)。
【0306】(19)次に、スキージを用いて、金属層
16が形成された光路用貫通孔8内にエポキシ樹脂を含
む樹脂組成物を充填し、乾燥させた後、バフ研磨により
その表層を平坦化した。さらに、硬化処理を施し、光路
用樹脂層20を形成した(図17(a)参照)。さら
に、上記(2)の工程で用いた方法と同様の方法で、酸
化還元処理を行い、導体回路5の表面を粗化面(図示せ
ず)とした。
【0307】(20)次に、層間樹脂絶縁層2および光
路用樹脂層20表面の所定の位置に、以下の方法を用い
て光路変換ミラー19(19a、19b)を有する光導
波路18(18a、18b)を形成した。すなわち、予
め、その一端に先端がV形90°のダイヤモンドソーを
用いて45°光路変換ミラー19を形成しておいたPM
MAからなるフィルム状の光導波路(マイクロパーツ社
製:幅25μm、厚さ25μm)を、光変換ミラー非形
成側の他端の側面と層間樹脂絶縁層の側面とが揃うよう
に貼り付けた。なお光導波路の貼り付けは、該光導波路
の層間樹脂絶縁層との接着面に熱硬化性樹脂からなる接
着剤を厚さ10μmに塗布しておき、圧着後、60℃で
1時間硬化させることにより行った。なお、本実施例で
は、60℃/1時間の条件で硬化を行ったが、場合によ
ってはステップ硬化をおこなってもよい。貼り付け時に
光導波路により応力が発生しにくいからである。
【0308】(21)次に、ICチップ実装用基板の製
造工程の(20)と同様の方法により、ソルダーレジス
ト組成物を調整し、層間樹脂絶縁層2と導体回路5(バ
イアホール7を含む)とを形成した基板の両面に、上記
ソルダーレジスト組成物を30μmの厚さで塗布し、7
0℃で20分間、70℃で30分間の条件で乾燥処理を
行い、ソルダーレジスト組成物の層14′を形成した
(図17(b)参照)。
【0309】(22)次いで、基板の片面に、半田バン
プ形成用開口(パッケージ基板と接続するための開口)
と光路用開口とのパターンが描画された厚さ5mmのフ
ォトマスクをソルダーレジスト層に密着させて1000
mJ/cmの紫外線で露光し、DMTG溶液で現像処
理を施すことにより開口を形成した。そして、さらに、
80℃で1時間、100℃で1時間、120℃で1時
間、150℃で3時間の条件でそれぞれ加熱処理を行っ
てソルダーレジスト層を硬化させ、光路用開口11と半
田バンプ形成用開口15とを有し、その厚さが20μm
のソルダーレジスト層14を形成した(図18(a)参
照)。
【0310】(23)次に、上記(22)の工程で形成
した光路用開口内に、上記(19)の工程で充填したエ
ポキシ樹脂を含む樹脂組成物と同様の樹脂組成物をスキ
ージを用いて充填し、乾燥させた後、バフ研磨によりそ
の表層を平坦化した。さらに、硬化処理を施し、光路用
樹脂層20を形成した。なお、本工程および上記(1
9)の工程で形成した光路用樹脂層は、透過率が85%
であり、屈折率が1.60である。
【0311】(24)次に、ICチップ実装用基板の製
造工程の(24)の工程と同様にして、ニッケルめっき
層と金めっき層とを形成し、半田パッドとした。
【0312】(25)次に、ソルダーレジスト層14に
形成した半田バンプ形成用開口15に半田ペーストを印
刷し、200℃でリフローすることにより半田バンプ形
成用開口15に半田バンプ17を形成し、多層プリント
配線板とした(図18(b)参照)。
【0313】C.IC実装光通信用デバイスの製造 まず、上記Aの工程を経て製造したICチップ実装用基
板に、ICチップを実装し、その後、樹脂封止を行い、
ICチップ実装基板を得た。次に、このICチップ実装
基板と上記Bの工程を経て製造した多層プリント配線板
とを所定の位置に対向配置させ、200℃でリフローす
ることにより両基板の半田バンプ同士を接続して半田接
続部を形成し、光通信用デバイスとした(図4参照)。
なお、図4に示した光通信用デバイスでは、光信号伝送
用光路が樹脂組成物および空隙とその周囲の金属層とに
より構成されているが、本実施例で製造した光通信用デ
バイスは、光信号伝送用光路が樹脂組成物とその周囲の
金属層とにより構成されている。
【0314】(実施例2)実施例1のAの(16)およ
びBの(16)の工程で無電解銅めっき膜上に形成した
金めっき層に代えて、AgCN(5g/l)、KCN
(60g/l)、KCO(15g/l)を含む電解
銀めっき液に温度25℃、電流密度1.0A/dm
条件で8分間浸漬して光路用貫通孔の壁面に金属層(銀
めっき層)を形成した。そして、実施例1のAの(1
9)、(23)の工程で光路用樹脂層42を形成せず、
Bの(19)、(23)の工程で光路用樹脂層20を形
成しなかった以外は実施例1と同様にして光通信用デバ
イスを製造した。なお、本実施例で製造したICチップ
実装用基板および多層プリント配線板では、光信号伝送
用光路が空隙とその周囲の金属層とにより構成されるこ
ととなる。
【0315】(実施例3)実施例1のAの(16)およ
びBの(16)の工程で無電解銅めっき膜上に形成した
金めっき層に代えて、塩化ニッケル(2.3×10−1
mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(2.8×10
−1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.6×10
−1mol/l)を含むpH=4.5の無電解ニッケル
めっき液に20分間浸漬して光路用貫通孔の壁面に金属
層(ニッケルめっき層)を形成した。そして、実施例1
のAの(23)の工程で、光路用開口内に樹脂組成物を
充填する工程を行わず、Bの(23)の工程で光路用開
口内に樹脂組成物を充填しなかった以外は実施例1と同
様にして光通信用デバイスを製造した。なお、本実施例
で製造したICチップ実装用基板および多層プリント配
線板では、光信号伝送用光路が樹脂組成物および空隙と
その周囲の金属層とにより構成されることとなる(図4
参照)。
【0316】(実施例4)半田接続部を介して接続した
ICチップ実装用基板と多層プリント配線板との間に、
封止用樹脂組成物を充填し、その後、硬化処理を施すこ
とにより封止樹脂層を形成した以外は、実施例1と同様
にして、光通信用デバイスを製造した。なお、封止用樹
脂組成物としては、エポキシ樹脂を含む樹脂組成物を用
いた。また、形成した封止樹脂層は、透過率が85%で
あり、屈折率が1.60であった。
【0317】(実施例5)実施例1のAの(16)の工
程で無電解銅めっき膜上に形成した金めっき層に代え
て、PtCl・5HO(4g/l)、NHHPO
・12HO(100g/l)、(NHHPO
(20g/l)を含む電解白金めっき液に温度60
℃、電流密度1.0A/dmの条件で10分間浸漬し
て光路用貫通孔の壁面に金属層(白金めっき層)を形成
した以外は実施例1と同様にしてICチップ実装用基板
を製造した後、実施例1のBの(14)〜(19)、
(22)、(23)の工程で、光信号伝送用光路を形成
する工程を行わなかった以外は、実施例1と同様にし
て、光通信用デバイスを製造した。
【0318】(実施例6)実施例1のAの(23)の工
程で、光路用開口内に樹脂組成物を充填しなかった以外
は実施例5と同様にして光通信用デバイスを製造した。
なお、本実施例で製造したICチップ実装用基板では、
光信号伝送用光路が樹脂組成物および空隙とその周囲の
金属層とにより構成されることとなる(図1参照)。
【0319】(実施例7)実施例1のAの(14)〜
(19)、(22)、(23)の工程で、光信号伝送用
光路を形成する工程を行わず、実施例1のAの(22)
の工程で、多層プリント配線板接続側のソルダーレジス
ト組成物の層に光学素子実装用開口のパターンが描画さ
れたフォトマスクを密着させ、露光現像処理を施すこと
により、光学素子実装用開口を形成した後、光学素子実
装用開口に半田ペーストを印刷し、受光素子および発光
素子を200℃でリフローすることにより、受光素子お
よび発光素子を半田を介して実装した以外は、実施例1
のAと同様にして、ICチップ実装用基板を製造した。
そして、実施例1のBおよびCの工程を行うことによ
り、光通信用デバイスを製造した。
【0320】(実施例8)実施例1のBの(19)、
(23)の工程で、光路用開口内に樹脂組成物を充填し
なかった以外は実施例7と同様にして光通信用デバイス
を製造した。なお、本実施例で製造した多層プリント配
線板では、光信号伝送用光路が空隙とその周囲の金属層
とにより構成されることとなる。
【0321】(実施例9)実施例1のAの(24)の工
程を行った後、光路用樹脂層の多層プリント配線板と接
続する側の端部に、下記の方法を用いてマイクロレンズ
を配設した以外は、実施例1と同様にして光通信用デバ
イスを製造した。すなわち、光路用樹脂層の端部にディ
スペンサーを用いてエポキシ樹脂を滴下し、その後、硬
化処理を施すことによりマイクロレンズを形成した。な
お、ここで形成したマイクロレンズの透過率は92%で
あり、屈折率は1.62である。
【0322】(比較例1)実施例1のAの(16)の工
程およびBの(16)の工程で光路用貫通孔の壁面に金
属層を形成せず、Aの(17)の工程およびBの(1
7)の工程で光路用貫通孔の壁面にも電解銅めっき膜を
形成した後、該電解銅めっき膜上にNaOH(10g/
l)、NaClO(40g/l)、NaPO(6
g/l)を含む水溶液を黒化浴(酸化浴)とする黒化処
理、および、NaOH(10g/l)、NaBH(6
g/l)を含む水溶液を還元浴とする還元処理を行った
ほかは、実施例1と同様にして光通信用デバイスを製造
した。
【0323】このようにして得られた実施例1〜9、比
較例1の光通信用デバイスについて、それぞれの光沢を
有する金属層の分光反射率、光信号伝送用光路の長さ、
光信号伝送用光路の断面の径、発光素子の発光角度等の
設計値に基づき、受光素子に対向する光導波路の多層プ
リント配線板の露出面から光信号を伝送した場合の光信
号の光路をシミュレーションした結果、実施例1〜9に
係る光通信用デバイスでは、発光素子に対向する光導波
路の多層プリント配線板の露出面において、所望の光信
号を受信することができ、本実施例1〜9で製造した光
通信用デバイスが、光通信用デバイスとして充分満足で
きる性能を有していることが明らかとなった。なお、実
施例9では、マイクロレンズの曲率半径も設計値として
考慮した。
【0324】一方、比較例1に係る光通信用デバイスに
おいて、上記シミュレーションを行った結果、光信号伝
送用光路の内部を伝送する光信号が光信号伝送用光路の
壁面に当たった際に光の乱反射が起こり、光信号に損失
が発生するため、発光素子に対向する光導波路の多層プ
リント配線板の露出面において、所望の光信号を受信す
ることができないことがあり、比較例1に係る光通信用
デバイスが、光通信用デバイスとしての性能が不充分で
あることが明らかとなった。さらに、基板および層間樹
脂絶縁層を貫通する光路用貫通孔を形成し、壁面にデス
ミア処理を施した後、光路用貫通孔に樹脂組成物を充填
したほかは比較例1と同様の光通信用デバイスについ
て、上記方法でシミュレーションした場合も、比較例1
に係る光通信用デバイスと同様の結果となった。
【0325】なお、比較例1に係る光通信用デバイスに
おいて、光信号伝送用光路を光信号が光信号伝送用光路
の壁面にあたらないような長さに設定し、シュミレーシ
ョンを行った場合には、発光素子に対向する光導波路の
多層プリント配線板の露出面において、所望の光信号を
受信することができた。
【0326】また、実施例1〜9の光通信用デバイスに
係るICチップ実装用基板に実装した発光素子と、この
発光素子と対向する、多層プリント配線板に形成した光
導波路との間での導波損失を下記の方法で測定したとこ
ろ、その導波損失は小さく、充分に光信号を伝送するこ
とができることが明らかとなった。上記導波損失の測定
は、受光素子に対向する光導波路を通るように多層プリ
ント配線板を刃物で切断し、光導波路の端面を露出さ
せ、露出面に光ファイバを取り付け、受光素子に光ファ
イバを介してパワーメータを取り付けた後、露出面から
測定波長が850nmの光信号を伝送し、光導波路およ
び光信号伝送用光路を介して受光素子に伝送された光信
号をパワーメータで検出することにより行った。
【0327】
【発明の効果】第一〜第三の本発明の光通信用デバイス
では、上記したように、ICチップ実装用基板および多
層プリント配線板のうちの少なくともいずれか一方に、
その壁面の一部または全部に光沢を有する金属層が形成
された光信号伝送用光路が配設され、この光沢を有する
金属層は、上記光信号伝送用光路内を伝送する光信号を
好適に反射させることができるため、上記光信号が光信
号伝送用光路の壁面に当たることで減衰されたり、吸収
されたりしにくい。従って、第一〜第三の本発明の光通
信用デバイスによると、光信号伝送用光路内を伝送する
光信号に損失が発生しにくく、光信号の伝送の信頼性が
高く、正確な光通信を実現することができる。また、本
発明の光通信用デバイスでは、光信号伝送用光路が上述
したような特徴を有するため、光信号が上記光信号伝送
用光路で反射されるような設計であっても、好適に光信
号の伝送を行うことができる。
【0328】また、第一〜第三の本発明の光通信用デバ
イスにおいて、ICチップ実装用基板の所定の位置に受
光素子および発光素子が実装され、多層プリント配線板
の所定の位置に光導波路が形成されるとともに、ICチ
ップ実装用基板および多層プリント配線板のうちの少な
くともいずれか一方に、上述した態様の光信号伝送用光
路が形成されている場合には、実装した光学部品間の接
続損失が低く、光通信用デバイスとして接続信頼性に優
れる。
【0329】第四〜第六の本発明の光通信用デバイスの
製造方法では、光信号伝送用光路の壁面に光沢を有する
金属層を形成する工程を含むため、光信号伝送用光路内
を伝送する光信号に損失が発生することがなく、光信号
の伝送の信頼性が高く、正確な光通信を実現することが
できる光通信用デバイスを好適に製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の本発明の光通信用デバイスの一実施形態
を模式的に示す断面図である。
【図2】第一の本発明の光通信用デバイスの別の一実施
形態を模式的に示す断面図である。
【図3】第二の本発明の光通信用デバイスの一実施形態
を模式的に示す断面図である。
【図4】第三の本発明の光通信用デバイスの一実施形態
を模式的に示す断面図である。
【図5】第三の本発明の光通信用デバイスの別の一実施
形態を模式的に示す断面図である。
【図6】第三の本発明の光通信用デバイスのさらに別の
一実施形態を模式的に示す断面図である。
【図7】第四および第六の本発明の光通信用デバイスの
製造方法の一部を模式的に示す断面図である。
【図8】第四および第六の本発明の光通信用デバイスの
製造方法の一部を模式的に示す断面図である。
【図9】第四および第六の本発明の光通信用デバイスの
製造方法の一部を模式的に示す断面図である。
【図10】第四および第六の本発明の光通信用デバイス
の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。
【図11】第四および第六の本発明の光通信用デバイス
の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。
【図12】第四および第六の本発明の光通信用デバイス
の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。
【図13】第五および第六の本発明の光通信用デバイス
の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。
【図14】第五および第六の本発明の光通信用デバイス
の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。
【図15】第五および第六の本発明の光通信用デバイス
の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。
【図16】第五および第六の本発明の光通信用デバイス
の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。
【図17】第五および第六の本発明の光通信用デバイス
の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。
【図18】第五および第六の本発明の光通信用デバイス
の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
100、200、300、400、500、600 多
層プリント配線板 101、201、301、401、501、601 基
板 102、202、302、402、502、602 層
間樹脂絶縁層 104、204、304、404、504、604 導
体回路 107、207、307、407、507、607 バ
イアホール 208、361、461、561、661 光信号伝送
用光路 208a、361a、461a、561a、661a
光路用樹脂層 208b、361b、461b、561b、661b
金属層 109、209、309、409、509、609 ス
ルーホール 111、211 光路用開口 114、214、314、414、514、614 ソ
ルダーレジスト層 118、218、318、418、518、618 光
導波路 119、219、319、419、519、619 光
変換用ミラー 120、220、320、420、520、620 I
Cチップ実装用基板 121、221、321、421、521、621 基
板 122、222、322、422、522、622 層
間樹脂絶縁層 124、224、324、424、524、624 導
体回路 127、227、327、427、527、627 バ
イアホール 129、229、329、429、529、629 ス
ルーホール 134、234、334、434、534、634 ソ
ルダーレジスト層 137、237、337、437、537、637 半
田バンプ 138、238、338、438、538、638 受
光素子 139、239、339、439、539、639 発
光素子 140、240、340、440、540、640 I
Cチップ 151、251、451、551、651 光信号伝送
用光路 151a、251a、451a、551a、651a
光路用樹脂層 151b、251b、451b、551b、651b
金属層 150、250、350、450、550、650 光
通信用デバイス 260 封止樹脂層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 3/46 G02B 6/12 B H01L 23/12 Q N Fターム(参考) 2H047 KA04 KB08 KB09 LA09 MA07 PA02 PA15 PA28 QA05 RA08 TA05 TA11 5E338 AA03 BB02 BB13 BB25 BB75 BB80 CC01 CC10 CD11 EE22 5E346 AA15 AA42 BB16 BB20 CC60 DD24 DD32 DD50 GG15

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ICチップ実装用基板と多層プリント配
    線板とからなる光通信用デバイスであって、前記ICチ
    ップ実装用基板には、該ICチップ実装用基板を貫通す
    る光信号伝送用光路が配設されており、前記光信号伝送
    用光路は、その壁面の一部または全部に光沢を有する金
    属層が形成されていることを特徴とする光通信用デバイ
    ス。
  2. 【請求項2】 ICチップ実装用基板と多層プリント配
    線板とからなる光通信用デバイスであって、前記多層プ
    リント配線板は、基板と導体回路とを含んで構成され、
    前記多層プリント配線板には、少なくとも基板を貫通す
    る光信号伝送用光路が配設されており、前記光信号伝送
    用光路は、その壁面の一部または全部に光沢を有する金
    属層が形成されていることを特徴とする光通信用デバイ
    ス。
  3. 【請求項3】 ICチップ実装用基板と多層プリント配
    線板とからなる光通信用デバイスであって、前記ICチ
    ップ実装用基板には、該ICチップ実装用基板を貫通す
    る光信号伝送用光路が配設されており、前記多層プリン
    ト配線板は、基板と導体回路とを含んで構成され、前記
    多層プリント配線板には、少なくとも基板を貫通する光
    信号伝送用光路が形成されており、前記光信号伝送用光
    路は、その壁面の一部または全部に光沢を有する金属層
    が形成されていることを特徴とする光通信用デバイス。
  4. 【請求項4】 前記光信号伝送用光路は、空隙を含んで
    構成されている請求項1〜3のいずれか1に記載の光通
    信用デバイス。
  5. 【請求項5】 前記光信号伝送用光路は、樹脂組成物を
    含んで構成されている請求項1〜3のいずれか1に記載
    の光通信用デバイス。
  6. 【請求項6】 前記光信号伝送用光路は、空隙および樹
    脂組成物を含んで構成されている請求項1〜3のいずれ
    か1に記載の光通信用デバイス。
  7. 【請求項7】 前記金属層には、粗化面が形成されてい
    る請求項5または6に記載の光通信用デバイス。
  8. 【請求項8】 前記光信号伝送用光路を構成する樹脂組
    成物は、通信波長光の透過率が70%以上である請求項
    5〜7のいずれか1に記載の光通信用デバイス。
  9. 【請求項9】 (a)基板の両面に導体回路と層間樹脂
    絶縁層とを積層形成し、多層配線板とする多層配線板製
    造工程と、(b)前記多層配線板に貫通孔を形成する貫
    通孔形成工程と、(c)前記貫通孔の壁面に光沢を有す
    る金属層を形成する金属層形成工程と、(d)前記貫通
    孔を介して光信号を伝送することができる位置に光学素
    子を実装する光学素子実装工程とを含む方法を用いてI
    Cチップ実装用基板を製造し、これとは別に、光導波路
    を有する多層プリント配線板を製造した後、前記ICチ
    ップ実装用基板の光学素子と前記多層プリント配線板の
    光導波路との間で、光信号の伝送ができる位置に両者を
    配置、固定することを特徴とする光通信用デバイスの製
    造方法。
  10. 【請求項10】 光学素子が実装されたICチップ実装
    用基板を製造し、これとは別に、(A)基板の両面に導
    体回路と層間樹脂絶縁層とを積層形成し、多層配線板と
    する多層配線板製造工程と、(B)前記多層配線板に貫
    通孔を形成する貫通孔形成工程と、(C)前記貫通孔の
    壁面に光沢を有する金属層を形成する金属層形成工程
    と、(D)前記貫通孔を介して光信号を伝送することが
    できる位置に光導波路を形成する光導波路形成工程とを
    含む方法を用いて多層プリント配線板を製造した後、前
    記ICチップ実装用基板の光学素子と前記多層プリント
    配線板の光導波路との間で、光信号の伝送ができる位置
    に両者を配置、固定することを特徴とする光通信用デバ
    イスの製造方法。
  11. 【請求項11】 (a)基板の両面に導体回路と層間樹
    脂絶縁層とを積層形成し、多層配線板とする多層配線板
    製造工程と、(b)前記多層配線板に貫通孔を形成する
    貫通孔形成工程と、(c)前記貫通孔の壁面に光沢を有
    する金属層を形成する金属層形成工程と、(d)前記貫
    通孔を介して光信号を伝送することができる位置に光学
    素子を実装する光学素子実装工程とを含む方法を用いて
    ICチップ実装用基板を製造し、これとは別に、(A)
    基板の両面に導体回路と層間樹脂絶縁層とを積層形成
    し、多層配線板とする多層配線板製造工程と、(B)前
    記多層配線板に貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、
    (C)前記貫通孔の壁面に光沢を有する金属層を形成す
    る金属層形成工程と、(D)前記貫通孔を介して光信号
    を伝送することができる位置に光導波路を形成する光導
    波路形成工程とを含む方法を用いて多層プリント配線板
    を製造した後、前記ICチップ実装用基板の光学素子と
    前記多層プリント配線板の光導波路との間で、光信号の
    伝送ができる位置に両者を配置、固定することを特徴と
    する光通信用デバイスの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記ICチップ実装用基板と前記多層
    プリント配線板との間に封止用樹脂組成物を流し込んだ
    後、硬化処理を施すことにより封止樹脂層を形成する請
    求項9〜11のいずれか1に記載の光通信用デバイスの
    製造方法。
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