JP4831901B2 - 多層プリント配線板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多層プリント配線板に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、通信分野を中心として光ファイバに注目が集まっている。特にIT(情報技術)分野においては、高速インターネット網の整備に、光ファイバを用いた通信技術が必要となる。
光ファイバは、▲1▼低損失、▲2▼高帯域、▲3▼細径・軽量、▲4▼無誘導、▲5▼省資源等の特徴を有しており、この特徴を有する光ファイバを用いた通信システムでは、従来のメタリックケーブルを用いた通信システムに比べ、中継器数を大幅に削減することができ、建設、保守が容易になり、通信システムの経済化、高信頼性化を図ることができる。
【0003】
また、光ファイバは、一つの波長の光だけでなく、多くの異なる波長の光を1本の光ファイバで同時に多重伝送することができるため、多様な用途に対応可能な大容量の伝送路を実現することができ、映像サービス等にも対応することができる。
【0004】
そこで、このようなインターネット等のネットワーク通信においては、光ファイバを用いた光通信を、基幹網の通信のみならず、基幹網と端末機器(パソコン、モバイル、ゲーム等)との通信や、端末機器同士の通信にも用いることが提案されている。
このように基幹網と端末機器との通信等に光通信を用いる場合、端末機器において情報(信号)処理を行うICが、電気信号で動作するため、端末機器には、光→電気変換器や電気→光変換器等の光信号と電気信号とを変換する装置(以下、光/電気変換器ともいう)を取り付ける必要がある。
そこで、従来の端末機器では、例えば、光ファイバ等を介して外部から送られてきた光信号を光/電気変換器へ伝送したり、光/電気変換器から送られる光信号を光ファイバ等へ伝送したりする光導波路と半田バンプを介して電気信号を伝送する多層プリント配線板とを別々に実装し、信号伝送および信号処理を行っていた。
【0005】
このような従来の端末機器では、光導波路と多層プリント配線板とを別々に実装しているため、装置全体が大きくなり、端末機器の小型化をはかることが難しかった。
そこで、本発明者らは、先に、端末機器の小型化に寄与することができる多層プリント配線板として、光導波路がその内部や表面に形成された多層プリント配線板を提案した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
また、このような多層プリント配線板に内蔵される光導波路においては、通常、光ファイバ、受光素子、発光素子等の光学素子と光導波路とを効率良く接続するために、その端部に光路変換ミラーが形成されており、このような光路変換ミラーは、例えば、V形90°のダイヤモンドソーよる機械加工等により形成されていた。
【0007】
このような機械加工等を用いて形成された光路変換ミラーでは、該光路変換ミラーを形成する際に、基板や層間樹脂絶縁層に大きな応力がかかることとなり、この応力によって、基板や層間樹脂絶縁層にクラックが発生することがあった。
また、光路変換ミラーを形成したフィルム状の光導波路を張り付けることによっても、光導波路が形成された多層プリント配線板を製造することができるが、この場合には、光導波路を張り付ける際に、該光導波路に応力がかかり、その結果、張り付けた光導波路に傷やクラック等が発生することがあった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは、上記問題を解決するために鋭意検討した結果、基板上や層間樹脂絶縁層上に弾性材層を介して光導波路が形成された構成にすることにより、光導波路形成時、特に、光路変換ミラー形成時に基板や層間樹脂絶縁層にクラックが発生することを防止することができ、信頼性に優れた多層プリント配線板となることを見出し、以下に示す本発明を完成した。
加えて、光導波路形成時に、予め光路変換ミラーを形成しておいた光導波路を張り付ける場合には、上記弾性材層によって光導波路にかかる応力を緩和することができ、光導波路に傷やクラック等が発生するのを防止することができることを見出した。
【0009】
即ち、第一の本発明の多層プリント配線板は、基板の両面に導体回路と層間樹脂絶縁層とが積層形成されるとともに、
上記基板上に光導波路が形成された多層プリント配線板であって、
上記基板と上記光導波路との間に弾性材層が形成されていることを特徴とする。
【0010】
第二の本発明の多層プリント配線板は、基板の両面に導体回路と層間樹脂絶縁層とが積層形成されるとともに、
最外層の層間樹脂絶縁層上に光導波路が形成された多層プリント配線板であって、
上記最外層の層間樹脂絶縁層と上記光導波路との間に弾性材層が形成されていることを特徴とする。
【0011】
第一または第二の本発明の多層プリント配線板において、上記弾性材層は、弾性率が2.5×10MPa以下であることが望ましく、上記弾性率は、1.0〜1.0×10MPaであることがより望ましい。
また、第一または第二の本発明の多層プリント配線板において、上記弾性材層は、ポリオレフィン系樹脂および/またはポリイミド樹脂からなることが望ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
まず、第一の本発明の多層プリント配線板について説明する。
第一の本発明の多層プリント配線板は、基板の両面に導体回路と層間樹脂絶縁層とが積層形成されるとともに、上記基板上に光導波路が形成された多層プリント配線板であって、
上記基板と上記光導波路との間に弾性材層が形成されていることを特徴とする。
【0013】
第一の本発明の多層プリント配線板では、基板上に弾性材層を介して光導波路が形成されているため、光導波路形成時、特に、光導波路に光路変換ミラーを形成する際に基板にかかる応力を緩和することができ、この応力に起因したクラック等が基板に発生するのを防ぐことができる。従って、基板に発生したクラック等により多層プリント配線板の信頼性の低下を招くこともない。
加えて、光導波路形成時に、予め光路変換ミラーを形成しておいたフィルム状の光導波路を張り付ける場合には、上記弾性材層によって光導波路にかかる応力を緩和することができ、光導波路に傷やクラック等が発生することを防止することができる。
【0014】
また、上記多層プリント配線板には、導体回路と光導波路とが形成されているため、光信号と電気信号との両方を伝送することができ、また、多層プリント配線板内に光導波路が内蔵されているため、光通信用端末機器の小型化に寄与することができる。
【0015】
第一の本発明の多層プリント配線板は、基板上に光導波路が形成された多層プリント配線板であって、上記基板と上記光導波路との間に弾性材層が形成されている。
上記弾性材層としては、その弾性率が2.5×10MPa(250kgf/mm)以下であるのものが望ましく、1.0〜1.0×10MPa(0.1〜100kgf/mm)であるものがより望ましい。上記弾性率が2.5×10MPaを超えると、光導波路形成時、特に、光導波路に光路変換ミラーを形成する際に基板にかかる応力を充分に緩和することができず、基板にクラック等が発生するのを防止することができないことがあることに加え、光導波路と基板や層間樹脂絶縁層との熱膨張係数の差を原因として光導波路にかかる応力を充分に緩和することができず、光導波路にクラックが発生することがあるからである。さらに、光導波路の形成を、フィルム状の光導波路を張り付けることにより行う場合には、光導波路にかかる応力を充分に緩和することができず、光導波路に傷やクラック等が発生することがある。
また、上記弾性材層の具体的な材質としては、上記範囲の弾性率を有するポリオレフィン系樹脂および/またはポリイミド系樹脂からなるものが望ましい。
なお、上記弾性材層の形成方法については、後に詳述する。
【0016】
第一の本発明の多層プリント配線板においては、上記弾性材層の上に光導波路が形成されている。
上記光導波路として、例えば、ポリマー材料等からなる有機系光導波路、石英ガラス、化合物半導体等からなる無機系光導波路等が挙げられる。これらのなかでは、有機系光導波路が望ましい。基板や層間樹脂絶縁層との密着性に優れるとともに、容易に形成、加工することができるからである。
【0017】
上記ポリマー材料としては、通信波長帯での吸収が少ないものであれば特に限定されず、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、感光性樹脂、熱硬化性樹脂の一部が感光性化された樹脂、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との樹脂複合体、感光性樹脂と熱可塑性樹脂との複合体等が挙げられる。
【0018】
具体的には、例えば、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、重水素化PMMA、重水素フッ素化PMMA等のアクリル樹脂、フッ素化ポリイミド等のポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、UV硬化性エポキシ樹脂、ポリオレフィン系樹脂、重水素化シリコーン樹脂等のシリコーン樹脂、ベンゾシクロブテンから製造されるポリマー等が挙げられる。
【0019】
上記光導波路には、上記樹脂成分以外に、例えば、樹脂粒子、無機粒子、金属粒子等の粒子が含まれていてもよい。
上記樹脂粒子としては、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、感光性樹脂、熱硬化性樹脂の一部が感光性化された樹脂、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との樹脂複合体、感光性樹脂と熱可塑性樹脂との複合体等からなるものが挙げられる。
【0020】
具体的には、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂等の熱硬化性樹脂;これらの熱硬化性樹脂の熱硬化基(例えば、エポキシ樹脂におけるエポキシ基)にメタクリル酸やアクリル酸等を反応させ、アクリル基を付与した樹脂;フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリスルフォン(PSF)、ポリフェニレンスルホン(PPS)、ポリフェニレンサルファイド(PPES)、ポリフェニルエーテル(PPE)、ポリエーテルイミド(PI)等の熱可塑性樹脂;アクリル樹脂等の感光性樹脂等からなるものが挙げられる。
また、上記熱硬化性樹脂と上記熱可塑性樹脂との樹脂複合体や、上記アクリル基を付与した樹脂や上記感光性樹脂と上記熱可塑性樹脂との樹脂複合体からなるものを用いることもできる。
また、上記樹脂粒子としては、ゴムからなる樹脂粒子を用いることもできる。
【0021】
また、上記無機粒子としては、例えば、アルミナ、水酸化アルミニウム等のアルミニウム化合物、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム等のカルシウム化合物、炭酸カリウム等のカリウム化合物、マグネシア、ドロマイト、塩基性炭酸マグネシウム等のマグネシウム化合物、シリカ、ゼオライト等のケイ素化合物、チタニア等のチタン化合物等からなるものが挙げられる。また、シリカとチタニアとを一定の割合で混ぜ、溶融させて均一化したものを用いてもよい。
また、上記無機粒子として、リンやリン化合物からなるものを用いることもできる。
【0022】
上記金属粒子としては、例えば、金、銀、銅、パラジウム、ニッケル、白金、鉄、亜鉛、鉛、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム等からなるものが挙げられる。
これらの樹脂粒子、無機粒子および金属粒子は、単独で用いても良いし、2種以上併用してもよい。
【0023】
また、上記粒子の形状は特に限定されず、例えば、球状、楕円球状、破砕状、多面体状等が挙げられる。これらのなかでは、球状、または、楕円球状が望ましい。球状や楕円球状の粒子には角がないため、光導波路にクラック等がより発生しにくいからである。
【0024】
また、上記粒子の粒径は、通信波長より短いことが望ましい。粒径が通信波長より長いと光信号の伝送を阻害することがあるからである。
具体的な粒子の平均粒径としては、0.1〜20μmが望ましく、特には、0.5〜10μmが望ましい。この粒径の範囲であれば、2種類以上の異なる粒径の粒子を含有していてもよい。即ち、平均粒径が0.5〜4μmの粒子と平均粒径が1〜10μmの粒子とを含有する場合等である。なお、本明細書において、粒子の粒径とは、粒子の一番長い部分の長さをいう。
【0025】
上記光導波路が含有する粒子の配合量は、10〜80重量%であることが望ましく、20〜70重量%であることがより望ましい。粒子の配合量が10重量%未満であると、粒子を配合させる効果が得られないことがあり、粒子の配合量が80重量%を超えると、光信号の伝送が阻害されることがあるからである。
また、上記光導波路の形状は特に限定されないが、その形成が容易であることから、シート状が望ましい。
【0026】
このように光導波路に粒子を含有させた場合、光導波路と多層プリント配線板を構成する基板や層間樹脂絶縁層等との間で熱膨張係数の整合をはかることができ、熱膨張係数の差に起因するクラックや剥離等がより発生しにくくなる。加えて、粒子を含有する光導波路は、光導波路の基板等と接触した面方向の膨張率と、基板等と直交する方向の膨張率とが略均一であるため、光導波路のTMモードとTEモードとのバランスが崩れることもほとんどない。従って、これらに起因した光信号の伝送損失を抑制することができ、良好に光信号を伝送することができる。
【0027】
また、上記光導波路の厚さは5〜50μmが望ましい。
また、上記光導波路の幅は5〜50μmが望ましい。上記幅が5μm未満では、その形成が容易でないことがあり、一方、上記幅が50μmを超えると、多層プリント配線板を構成する導体回路等の設計の自由度を阻害する原因となることがある。
【0028】
また、上記光導波路の厚さと幅との比は、1:1に近いほうが望ましい。上記厚さと幅との比が1:1からはずれれば,はずれるほど光信号を伝送する際の損失が大きくなるからである。
さらに、上記光導波路が通信波長1.55μmのシングルモードの光導波路である場合には、その厚さおよび幅は5〜15μmであることがより望ましく、上記光導波路が通信波長0.85μmでマルチモードの光導波路である場合には、その厚さおよび幅は20〜80μmであることがより望ましい。
【0029】
また、上記光導波路としては、受光用光導波路と発光用光導波路とが形成されていることが望ましい。なお、上記受光用光導波路とは、光ファイバ等を介して外部から送られてきた光信号を受光素子へ伝送するための光導波路をいい、上記発光用光導波路とは、発光素子から送られてきた光信号を光ファイバ等へ伝送するための光導波路をいう。
また、上記受光用光導波路と上記発光用光導波路とは同一の材料からなるものであることが望ましい。熱膨張係数等の整合がはかりやすく、形成が容易であるからである。
【0030】
上記光導波路には、上述したように、光路変換ミラーが形成されていることが望ましい。光路変換ミラーを形成することにより、光路を所望の角度に変更することが可能だからである。
上記光路変換ミラーの形成は、後述するように、例えば、光導波路の一端を切削することにより行うことができる。
【0031】
また、第一の本発明の多層プリント配線板においては、基板の表面の一部に光導波路が形成されているため、該光導波路と外部の光学素子(受光素子や発光素子、光ファイバ等)との間で光信号を伝送するための光路用開口が形成されていることが望ましい。
具体的には、基板の片面に積層形成された層間樹脂絶縁層を貫通する光路用開口が形成されていることが望ましい。また、後述するように、多層プリント配線板の最外層にソルダーレジスト層が形成されている場合には、片面のソルダーレジスト層と層間樹脂絶縁層とを貫通する連通した光路用開口が形成されていることが望ましい。
また、上記光路用開口内は、光信号の伝送を阻害しない樹脂、例えば、上記光導波路に用いる樹脂と同様の樹脂等で充填されていてもよい。光路用開口内を樹脂で充填することにより、基板上に形成した光導波路を保護することができるからである。
【0032】
また、上記多層プリント配線板において、層間樹脂絶縁層を挟んだ導体回路間は、バイアホールにより接続されていることが望ましい。
導体回路同士をバイアホールで接続することにより、導体回路を高密度で配線することができるとともに、導体回路の設計の自由度が向上する。
また、上記導体回路は、後述する多層プリント配線板の製造方法の説明にあるように、アディティブ法により形成されていることが望ましい。
アディティブ法は、その間隔が50μm以下の微細配線の導体回路を形成するのに適しているからである。
なお、上記アディティブ法は、フルアディティブ法であってもよいし、セミアディティブ法であってもよい。
また、上記導体回路はビルドアップ法により形成されていてもよい。
【0033】
また、上記多層プリント配線板では、最外層にソルダーレジスト層が形成され、該ソルダーレジスト層に、ICチップ実装用基板を実装するための開口や各種表面実装型電子部品を実装するための開口が形成されていることが望ましい。
ソルダーレジスト層に上記開口を形成し、さらに、必要に応じて表面実装用パッドを形成した場合には、半田バンプを形成したり、PGA(Pin Grid Array)やBGA(Ball Grid Array)を配設したりすることができ、これにより多層プリント配線板と外部基板等とを電気的に接続することができる。
また、上記半田バンプや、BGA、PGAを形成しなくても、ICチップ実装用基板のBGAや、表面実装型電子部品に形成されたバンプと、上記表面実装用パッドとを接続することにより、多層プリント配線板にICチップ実装用基板や表面実装型電子部品を実装することができる。
【0034】
また、第一の本発明の多層プリント配線板において、上記光導波路が形成されている側に、発光素子や受光素子等の光学素子が実装された外部基板(ICチップ実装用基板等)を半田バンプを介して接続した場合には、半田が有するセルフアライメント作用により上記多層プリント配線板と上記外部基板とを確実に所定の位置に配置することができる。
そのため、第一の本発明の多層プリント配線板における光導波路の取り付け位置と、上記外部基板における光学素子の取り付け位置とが正確であれば、両者の間で正確な光信号の伝送を行うことができる。
【0035】
なお、セルフアライメント作用とは、リフロー処理時に半田が自己の有する流動性により半田バンプ形成用開口の中央付近により安定な形状で存在しようとする作用をいい、この作用は、半田がソルダーレジスト層にはじかれるとともに、半田が金属に付く場合には、球形になろうとする表面張力が強く働くために起こるものと考えられる。
このセルフアライメント作用を利用した場合、上記半田バンプを介して、上記多層プリント配線板上と、上記外部基板とを接続する際に、リフロー前には両者に位置ズレが発生していたとしても、リフロー時に上記外部基板が移動し、該外部基板を上記多層プリント配線板上の正確な位置に取り付けることができる。
【0036】
以下、上記した構成からなる第一の本発明の多層プリント配線板の実施形態の一例について、図面を参照しながら説明する。
図1は、第一の本発明の多層プリント配線板の一実施形態を模式的に示す断面図である。
【0037】
図1に示すように、多層プリント配線板100では、基板121の両面に導体回路124と層間樹脂絶縁層122とが積層形成され、基板121を挟んだ導体回路間、および、層間樹脂絶縁層122を挟んだ導体回路間は、それぞれ、スルーホール129およびバイアホール127により電気的に接続されており、最外層には、ソルダーレジスト層134が形成されている。
【0038】
また、基板121表面には、最下層の導体回路124とともに、弾性材層152を介して光導波路150(150a、150b)が形成されており、光導波路150の先端の光路変換ミラー151(151a、151b)が形成された部分には、光路用開口138(138a、138b)が、基板121に垂直方向に形成されている。また、この光路用開口138は、空隙により構成されている。
なお、光導波路150a、150bは、一方が、受光用光導波路であり、他方が、発光用光導波路である。
【0039】
このような構成からなる多層プリント配線板100では、光ファイバ(図示せず)等を介して外部から送られてきた光信号が、光導波路150aに導入され、光路変換ミラー151aおよび光路用開口138aを介して受光素子(図示せず)等に送られることとなる。
また、発光素子(図示せず)等から送り出された光信号は、光路用開口138bから光変換ミラー151b介して光導波路150bに導入され、別のICチップ実装用基板の受光素子に送られ電気信号に変換されるか、または、光ファイバ(図示せず)等を介して外部に送りだされることとなる。
【0040】
また、半田バンプ137を介して、ICチップ実装用基板等の外部基板(図示せず)を接続した場合には、多層プリント配線板100と外部基板とを電気的に接続することができ、さらに、この外部基板に光学素子が実装されている場合には、多層プリント配線板100と外部基板との間で光信号と電気信号とを伝送することができる。
【0041】
なお、このような構成からなる第一の本発明の多層プリント配線板は、ソルダーレジスト層にICチップ実装用基板や表面実装型電子部品を実装するための開口を形成するか、否か、また、BGAやPGAを配設するか、否か等を適宜選択することにより、パッケージ基板、マザーボード、ドーターボード等として用いることができる。
【0042】
このような構成の光導波路を有する多層プリント配線板では、光導波路形成時、特に、光導波路に光路変換ミラーを形成する際に、基板にかかる応力を緩和することができる。また、光導波路の形成を、予めフィルム状に成形しておいた光導波路を張り付けることにより行う場合には、張り付け時に光導波路にかかる応力を緩和することができる。
なお、光導波路を形成する方法、および、光導波路に光路変換ミラーを形成する方法については、後に多層プリント配線板の製造方法を説明する際に詳述する。
【0043】
次に、第一の本発明の多層プリント配線板を製造する方法について説明する。
(1)絶縁性基板を出発材料とし、まず、該絶縁性基板上に導体回路を形成する。
上記絶縁性基板としては、例えば、ガラスエポキシ基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、ビスマレイミド−トリアジン(BT)樹脂基板、熱硬化性ポリフェニレンエーテル基板、銅張積層板、RCC基板等が挙げられる。
また、窒化アルミニウム基板等のセラミック基板や、シリコン基板を用いてもよい。
上記導体回路は、例えば、上記絶縁性基板の表面に無電解めっき処理等によりベタの導体層を形成した後、エッチング処理を施すことにより形成することができる。また、銅張積層板やRCC基板にエッチング処理を施すことにより形成してもよい。
【0044】
また、エッチング処理を施すことにより導体回路を形成する方法に代えて、ベタの導体層上にめっきレジストを形成した後、めっきレジスト非形成部に電気めっき層を形成し、その後、めっきレジストと該めっきレジスト下の導体層とを除去することにより導体回路を形成する方法を用いて導体回路を形成してもよい。
【0045】
また、上記絶縁性基板を挟んだ導体回路間の接続をスルーホールにより行う場合には、例えば、上記絶縁性基板にドリルやレーザ等を用いて貫通孔を形成した後、無電解めっき処理等を施すことによりスルーホールを形成しておく。なお、上記貫通孔の直径は、通常、100〜300μmである。
また、スルーホールを形成した場合には、該スルーホール内に樹脂充填材を充填することが望ましい。
【0046】
(2)次に、必要に応じて、導体回路の表面に粗化形成処理を施す。
上記粗化形成処理としては、例えば、黒化(酸化)−還元処理、第二銅錯体と有機酸塩とを含むエッチング液等を用いたエッチング処理、Cu−Ni−P針状合金めっきによる処理等を挙げることができる。
ここで、粗化面を形成した場合、該粗化面の平均粗度は、通常、0.1〜5μmが望ましく、導体回路と層間樹脂絶縁層との密着性、導体回路の電気信号伝送能に対する影響等を考慮すると2〜4μmがより望ましい。
なお、この粗化形成処理は、スルーホール内に樹脂充填材を充填する前に行い、スルーホールの壁面にも粗化面を形成してもよい。スルーホールと樹脂充填材との密着性が向上するからである。
【0047】
(3)次に、基板上の導体回路非形成部に弾性材層と光導波路とを形成する。
上記弾性材層の形成は、例えば、予め所望の大きさに裁断しておいたフィルム状の弾性材を貼り付ける方法や、弾性材層の材料樹脂を含む樹脂組成物をロールコーター、カーテンコーター等を用いて塗布した後、露光、現像処理により所定の位置にのみ弾性材層を形成する方法等を用いて行うことができる。また、上記した方法で樹脂組成物を塗布した後、エッチング法、レジスト形成法等を行うことにより所定の位置に弾性材層を形成してもよい。
【0048】
次いで、上記弾性材層上に光導波路を形成する。光導波路の形成は、例えば、選択重合法、反応性イオンエッチングとフォトリソグラフィーとを用いる方法、直接露光法、射出成形を用いる方法、フォトブリーチング法、これらを組み合わせた方法等を用いることができる。
【0049】
具体的には、例えば、まず、弾性材層上に、アンダークラッド部となる光導波路用樹脂組成物をスピンコーター等を用いて塗布成膜し、これを加熱硬化し、その後、アンダークラッド部上にコア層となる光導波路用樹脂組成物を塗布成膜し、これを加熱硬化する。次に、コア層の表面にレジストを塗布し、フォトリソグラフィーによりレジストパターンを形成してRIE(反応性イオンエッチング)等によりコア部の形状にパターニングする。さらに、アンダークラッド部上(コア部上を含む)にオーバークラッド部となる光導波路用樹脂組成物を塗布成膜し、これを加熱硬化すること等により光導波路を形成することができる。
ここで、光導波路用樹脂組成物の塗布成膜は、カーテンコーターやロールコーターを用いる方法、印刷等により行ってもよい。
なお、上記光導波路用樹脂組成物としては、例えば、上記したポリマー材料や粒子に加えて、必要に応じて、硬化剤、反応安定剤、溶剤等を配合したもの等が挙げられる。
【0050】
ここで、光導波路用樹脂組成物の塗布は、それぞれ一回で行ってもよいし、複数回に分けて行ってもよい。なお、どちらを選択するかは、クラッド部およびコア部の厚さ等を考慮して適宜選択すればよい。
【0051】
また、未硬化の樹脂組成物を塗布成膜する方法に代えて、予め形成しておいた光導波路用樹脂組成物からなるフィルム(フィルム状の光導波路)を貼り付ける方法を用いてもよい。
具体的には、例えば、予め基材や離型フィルム等の上に光導波路用樹脂組成物を用いてフィルム状の光導波路を作製しておき、これを弾性材層上に貼り付けることにより形成する。
この場合、フィルム状の光導波路を基板上(弾性材層上)に張り付ける前に、予め光路変換ミラーを形成しておいてもよい。なお、上記光路変換ミラーの形成は、後述するダイヤモンドソー等を用いる方法と同様の方法により行うことができる。
【0052】
なお、光路変換ミラーの形成を、基板上に光導波路を形成した後に行うか、基板上にフィルム状の光導波路を張り付ける前に行うかは、光路変換ミラーの形状等を考慮して適宜選択すればよい。
具体的には、図1に示した多層プリント配線板では、光導波路150(150a、150b)に設けた光路変換ミラー151(151a、151b)は、光導波路150の底面が上面よりも大きくなるような傾斜を有している。このような形状の光路変換ミラーは、光導波路を基板上(弾性材層上)に形成した後、ダイヤモンドソーを用いた機械加工により容易に形成することができる。従って、このような形状の光路変換ミラーは、基板上(弾性材層上)に光導波路を形成した後に形成すればよい。
【0053】
しかしながら、第一の本発明の多層プリント配線板において、光路変換ミラーを有する光導波路を形成する場合、該光路変換ミラーの形状は、図1に示したような形状に限定されるわけではなく、多層プリント配線板の構造等を考慮して適宜選択すればよい。従って、例えば、図8に示す光導波路1150(1150a、1150b)のように、光導波路1150の上面が底面よりも大きくなるような形状に光路変換ミラー1151(1151a、1151b)が形成されていてもよい。
なお、図8は、第1の本発明の多層プリント配線板の別の一実施形態を模式的に示す断面図であり、図8に示す多層プリント配線板1000は、光導波路1150の形状(光路変換ミラー1151a、1151bの形状)が、図1に示す多層プリント配線板100と異なるのみで、その他の構成は、多層プリント配線板100と同様である。
【0054】
図8に示すように、光導波路の上面が底面よりも大きくなるような形状の光路変換ミラーを有する光導波路を形成する場合、このような光路変換ミラーは、基板上(弾性材層上)に光導波路を形成した後に形成することが難しい。従って、このような光路変換ミラーを有する光導波路の形成は、予め光路変換ミラーを形成しておいたフィルム状の光導波路を基板上(弾性材層上)に張り付けることにより行う。
第一の本発明の多層プリント配線板の製造において、このようにフィルム状の光導波路を張り付ける方法を用いる場合、このフィルム状の光導波路を基板に形成した弾性材層上に張り付けることとなるため、張り付け時に光導波路にかかる応力を緩和することができ、傷やクラック等の発生を防止することができる。
【0055】
また、基板上にフィルムを張り付ける方法を用いて光導波路を形成する場合、予め弾性材層と光導波路とが重ねられた2層からなるフィルムを熱圧着等によって貼り付ける方法を用いて、弾性材層と光導波路とを形成してもよい。この場合も光導波路にかかる応力を緩和することができる。
なお、光導波路の形成工程は、基板上に導体回路を形成する前に行ってもよい。
【0056】
また、上記光導波路に光路変換ミラーを形成する場合、該光路変換ミラーの形成は、基板上(弾性材層上)に光導波路を形成した後に行ってもよい。
上記光路変換ミラーを形成する方法としては特に限定されず、従来公知の形成方法を用いることができる。具体的には、先端がV形90°のダイヤモンドソーや刃物による機械加工等を用いることができる。
このように、弾性材層上に形成した光導波路に、上記した方法で光路変換用ミラーを形成する場合、基板にかかる応力を緩和することができるため、基板にクラック等が発生するのを防止することができる。
【0057】
(4)次に、光導波路および導体回路を形成した基板上に、熱硬化性樹脂、感光性樹脂、熱硬化性樹脂の一部がアクリル化された樹脂や、これらと熱可塑性樹脂と含む樹脂複合体からなる未硬化の樹脂層を形成するか、または、熱可塑性樹脂からなる樹脂層を形成する。
上記未硬化の樹脂層は、未硬化の樹脂をロールコーター、カーテンコーター等により塗布したり、未硬化(半硬化)の樹脂フィルムを熱圧着したりすることにより形成することができる。
また、上記熱可塑性樹脂からなる樹脂層は、フィルム上に成形した樹脂成形体を熱圧着することにより形成することができる。
【0058】
これらのなかでは、未硬化(半硬化)の樹脂フィルムを熱圧着する方法が望ましく、樹脂フィルムの圧着は、例えば、真空ラミネータ等を用いて行うことができる。
また、圧着条件は特に限定されず、樹脂フィルムの組成等を考慮して適宜選択すればよいが、通常は、圧力0.25〜1.0MPa、温度40〜70℃、真空度13〜1300Pa、時間10〜120秒程度の条件で行うことが望ましい。
【0059】
上記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂の具体例としては、例えば、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型等のノボラック型エポキシ樹脂や、ジシクロペンタジエン変成した脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0060】
上記感光性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂等が挙げられる。
また、上記熱硬化性樹脂の一部をアクリル化した樹脂としては、例えば、上記した熱硬化性樹脂の熱硬化基とメタクリル酸やアクリル酸とをアクリル化反応させたもの等が挙げられる。
【0061】
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリスルフォン(PSF)、ポリフェニレンスルフォン(PPS)ポリフェニレンサルファイド(PPES)、ポリフェニレンエーテル(PPE)ポリエーテルイミド(PI)等が挙げられる。
【0062】
また、上記樹脂複合体としては、熱硬化性樹脂や感光性樹脂(熱硬化性樹脂の一部をアクリル化した樹脂も含む)と熱可塑性樹脂とを含むものであれば特に限定されず、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との具体的な組み合わせとしては、例えばフェノール樹脂/ポリエーテルスルフォン、ポリイミド樹脂/ポリスルフォン、エポキシ樹脂/ポリエーテルスルフォン、エポキシ樹脂/フェノキシ樹脂等が挙げられる。また、感光性樹脂と熱可塑性樹脂との具体的な組み合わせとしては、例えば、アクリル樹脂/フェノキシ樹脂、エポキシ基の一部をアクリル化したエポキシ樹脂/ポリエーテルスルフォン等が挙げられる。
【0063】
また、上記樹脂複合体における熱硬化性樹脂や感光性樹脂と熱可塑性樹脂との配合比率は、熱硬化性樹脂または感光性樹脂/熱可塑性樹脂=95/5〜50/50が望ましい。耐熱性を損なうことなく、高い靱性値を確保することができるからである。
【0064】
また、上記樹脂層は、2層以上の異なる樹脂層から構成されていてもよい。
具体的には、例えば、下層が熱硬化性樹脂または感光性樹脂/熱可塑性樹脂=50/50の樹脂複合体から形成され、上層が熱硬化性樹脂または感光性樹脂/熱可塑性樹脂=90/10の樹脂複合体から形成されている等である。
このような構成にすることにより、絶縁性基板等との優れた密着性を確保するとともに、後工程でバイアホール用開口等を形成する際の形成容易性を確保することができる。
【0065】
また、上記樹脂層は、粗化面形成用樹脂組成物を用いて形成してもよい。
上記粗化面形成用樹脂組成物とは、例えば、酸、アルカリおよび酸化剤から選ばれる少なくとも1種からなる粗化液に対して難溶性の未硬化の耐熱性樹脂マトリックス中に、酸、アルカリおよび酸化剤から選ばれる少なくとも1種からなる粗化液に対して可溶性の物質が分散されたものである。
なお、上記「難溶性」および「可溶性」という語は、同一の粗化液に同一時間浸漬した場合に、相対的に溶解速度の早いものを便宜上「可溶性」といい、相対的に溶解速度の遅いものを便宜上「難溶性」と呼ぶ。
【0066】
上記耐熱性樹脂マトリックスとしては、層間樹脂絶縁層に上記粗化液を用いて粗化面を形成する際に、粗化面の形状を保持することができるものが好ましく、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、これらの複合体等が挙げられる。また、感光性樹脂を用いることにより、層間樹脂絶縁層に露光、現像処理を用いてバイアホール用開口を形成してもよい。
【0067】
上記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。また、上記熱硬化性樹脂を感光化する場合は、メタクリル酸やアクリル酸等を用い、熱硬化基を(メタ)アクリル化反応させる。
【0068】
上記エポキシ樹脂としては、例えば、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物、トリグリシジルイソシアヌレート、脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。それにより、耐熱性等に優れるものとなる。
【0069】
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニルエーテル、ポリエーテルイミド等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
【0070】
上記酸、アルカリおよび酸化剤から選ばれる少なくとも1種からなる粗化液に対して可溶性の物質としては、例えば、無機粒子、樹脂粒子、金属粒子、ゴム粒子、液相樹脂、液相ゴム等が挙げられ、これらのなかでは、無機粒子、樹脂粒子および金属粒子が望ましい。また、これらは単独で用いても良いし、2種以上併用してもよい。
【0071】
上記無機粒子としては、例えば、アルミナ、水酸化アルミニウム等のアルミニウム化合物、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム等のカルシウム化合物、炭酸カリウム等のカリウム化合物、マグネシア、ドロマイト、塩基性炭酸マグネシウム、タルク等のマグネシウム化合物、シリカ、ゼオライト等のケイ素化合物、チタニア等のチタン化合物等からなるものが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
上記アルミナ粒子は、ふっ酸で溶解除去することができ、炭酸カルシウムは塩酸で溶解除去することができる。また、ナトリウム含有シリカやドロマイトはアルカリ水溶液で溶解除去することができる。
【0072】
上記樹脂粒子としては、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等からなるものが挙げられ、酸、アルカリおよび酸化剤から選ばれる少なくとも1種からなる粗化液に浸漬した場合に、上記耐熱性樹脂マトリックスよりも溶解速度の早いものであれば特に限定されず、具体的には、例えば、アミノ樹脂(メラミン樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂等)、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂等からなるものが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
なお、上記樹脂粒子は予め硬化処理されていることが必要である。硬化させておかないと上記樹脂粒子が樹脂マトリックスを溶解させる溶剤に溶解してしまうため、均一に混合されてしまい、酸や酸化剤で樹脂粒子のみを選択的に溶解除去することができないからである。
【0073】
上記金属粒子としては、例えば、金、銀、銅、スズ、亜鉛、ステンレス、アルミニウム、ニッケル、鉄、鉛等からなるものが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
また、上記金属粒子は、絶縁性を確保するために、表層が樹脂等により被覆されていてもよい。
【0074】
上記可溶性の物質を、2種以上混合して用いる場合、混合する2種の可溶性の物質の組み合わせとしては、樹脂粒子と無機粒子との組み合わせが望ましい。両者とも導電性が低くいため、層間樹脂絶縁層の絶縁性を確保することができるとともに、難溶性樹脂との間で熱膨張の調整が図りやすく、粗化面形成用樹脂組成物からなる層間樹脂絶縁層にクラックが発生せず、層間樹脂絶縁層と導体回路との間で剥離が発生しないからである。
【0075】
上記粗化液として用いる酸としては、例えば、リン酸、塩酸、硫酸、硝酸や、蟻酸、酢酸等の有機酸等が挙げられるが、これらのなかでは有機酸を用いることが望ましい。粗化処理した場合に、バイアホールから露出する金属導体層を腐食させにくいからである。
また、上記アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
上記酸化剤としては、例えば、クロム酸、クロム硫酸、アルカリ性過マンガン酸塩(過マンガン酸カリウム等)の水溶液等を用いることが望ましい。
【0076】
上記可溶性の物質の平均粒径は、10μm以下が望ましい。
また、平均粒径が2μm以下の平均粒径の相対的に大きな粗粒子と平均粒径が相対的に小さな微粒子とを組み合わせて使用してもよい。即ち、平均粒径が0.1〜0.8μmの可溶性の物質と平均粒径が0.8〜2.0μmの可溶性の物質とを組み合わせる等である。
【0077】
このように、平均粒子と相対的に大きな粗粒子と平均粒径が相対的に小さな微粒子とを組み合わせることにより、無電解めっき膜の溶解残渣をなくし、めっきレジスト下のパラジウム触媒量を少なくし、さらに、浅くて複雑な粗化面を形成することができる。
さらに、複雑な粗化面を形成することにより、粗化面の凹凸が小さくても実用的なピール強度を維持することができる。
【0078】
(5)次に、その材料として熱硬化性樹脂や樹脂複合体を用いた層間樹脂絶縁層を形成する場合には、未硬化の樹脂絶縁層に硬化処理を施すとともに、バイアホール用開口を形成し、層間樹脂絶縁層とする。また、この工程では、必要に応じて、貫通孔を形成してもよい。
上記バイアホール用開口は、レーザ処理により形成することが望ましい。また、層間樹脂絶縁層の材料として感光性樹脂を用いた場合には、露光現像処理により形成してもよい。
【0079】
また、その材料として熱可塑性樹脂を用いた層間樹脂絶縁層を形成する場合には、熱可塑性樹脂からなる樹脂層にバイアホール用開口を形成し、層間樹脂絶縁層とする。この場合、バイアホール用開口は、レーザ処理を施すことにより形成することができる。
また、この工程で貫通孔を形成する場合、該貫通孔は、ドリル加工やレーザ処理等により形成すればよい。
【0080】
上記レーザ処理に使用するレーザとしては、例えば、炭酸ガスレーザ、紫外線レーザ、エキシマレーザ等が挙げられる。これらのなかでは、エキシマレーザや短パルスの炭酸ガスレーザが望ましい。
【0081】
また、エキシマレーザのなかでも、ホログラム方式のエキシマレーザを用いることが望ましい。ホログラム方式とは、レーザ光をホログラム、集光レンズ、レーザマスク、転写レンズ等を介して目的物に照射する方式であり、この方式を用いることにより、一度のレーザ照射で多数の開口を効率的に形成することができる。
【0082】
また、炭酸ガスレーザを用いる場合、そのパルス間隔は、10−4〜10−8秒であることが望ましい。また、開口を形成するためのレーザを照射する時間は、10〜500μ秒であることが望ましい。
また、光学系レンズと、マスクとを介してレーザ光を照射することにより、一度に多数のバイアホール用開口を形成することができる。光学系レンズとマスクとを介することにより、同一強度で、かつ、照射強度が同一のレーザ光を複数の部分に照射することができるからである。
このようにしてバイアホール用開口を形成した後、必要に応じて、デスミア処理を施してもよい。
【0083】
(6)次に、バイアホール用開口の内壁を含む層間樹脂絶縁層の表面に薄膜導体層を形成する。
上記薄膜導体層は、例えば、無電解めっき、スパッタリング等の方法により形成することができる。
【0084】
上記薄膜導体層の材質としては、例えば、銅、ニッケル、スズ、亜鉛、コバルト、タリウム、鉛等が挙げられる。
これらのなかでは、電気特性、経済性等に優れる点から銅や銅およびニッケルからなるものが望ましい。
また、上記薄膜導体層の厚さとしては、無電解めっきにより薄膜導体層を形成する場合には、0.3〜2.0μmが望ましく、0.6〜1.2μmがより望ましい。また、スパッタリングにより形成する場合には、0.1〜1.0μmが望ましい。
なお、無電解めっきにより薄膜導体層を形成する場合には、予め、層間樹脂絶縁層の表面に触媒を付与しておく。上記触媒としては、例えば、塩化パラジウム等が挙げられる。
【0085】
また、上記薄膜導体層を形成する前に、層間樹脂絶縁層の表面に粗化面を形成しておいてもよい。粗化面を形成することにより、層間樹脂絶縁層と薄膜導体層との密着性を向上させることができる。
【0086】
また、上記(5)の工程で貫通孔を形成した場合には、層間樹脂絶縁層上に薄膜導体層を形成する際に、貫通孔の壁面にも薄膜導体層を形成することによりスルーホールとしてもよい。
【0087】
(7)次いで、その表面に薄膜導体層が形成された基板の上にめっきレジストを形成する。
上記めっきレジストは、例えば、感光性ドライフィルムを張り付けた後、めっきレジストパターンが描画されたガラス基板等からなるフォトマスクを密着配置し、露光現像処理を施すことにより形成することができる。
【0088】
(8)その後、薄膜導体層をめっきリードとして電解めっきを行い、上記めっきレジスト非形成部に電解めっき層を形成する。上記電解めっきとしては、銅めっきが望ましい。
また、上記電解めっき層の厚さは、5〜20μmが望ましい。
その後、上記めっきレジストと該めっきレジスト下の無電解めっき膜および薄膜導体層とを除去することにより導体回路(バイアホールを含む)を形成することができる。
上記めっきレジストの除去は、例えば、アルカリ水溶液等を用いて行えばよく、上記薄膜導体層の除去は、硫酸と過酸化水素との混合液、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、塩化第二鉄、塩化第二銅等のエッチング液を用いて行えばよい。
また、上記導体回路を形成した後、必要に応じて、層間樹脂絶縁層上の触媒を酸や酸化剤を用いて除去してもよい。電気特性の低下を防止することができるからである。
このような(6)〜(8)の工程を経ることにより導体回路を形成することができる。
【0089】
なお、上記(6)〜(8)の方法は、セミアディティブ法であるが、この方法に代えて、フルアディティブ法により導体回路を形成してもよい。
具体的には,上記(6)と同様の方法で形成した薄膜導体層上の全面に電解めっき層を形成した後、該電解めっき層上の一部にドライフィルムを用いてエッチングレジストを形成し、その後、エッチングレジスト非形成部下の電解めっき層および薄膜導体層をエッチングにより除去し、さらに、エッチングレジストを剥離することにより独立した導体回路を形成してもよい。
【0090】
このようなアディティブ法は、サブトラクティブ法等の他の導体回路の製造方法に比べ、エッチング精度が高いため、より微細な導体回路を形成することができるとともに、導体回路の設計の自由度が向上する。
なお、上記導体回路は、ビルドアップ法により形成してもよい。
【0091】
また、上記(5)および(6)の工程においてスルーホールを形成した場合には、該スルーホール内に樹脂充填材を充填してもよい。
また、スルーホール内に樹脂充填材を充填した場合、必要に応じて、無電解めっきを行うことにより樹脂充填材層の表層部を覆う蓋めっき層を形成してもよい。
【0092】
(9)次に、蓋めっき層を形成した場合には、必要に応じて、該蓋めっき層の表面に粗化処理を行い、さらに、必要に応じて、(4)〜(8)の工程を繰り返すことにより、その両面に層間樹脂絶縁層と導体回路とを積層形成する。なお、この工程では、スルーホールを形成してもよいし、形成しなくてもよい。
【0093】
(10)次に、必要に応じて、最外層のソルダーレジスト層を形成する。
上記ソルダーレジスト層は、例えば、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等からなるソルダーレジスト組成物を用いて形成することができる。
【0094】
また、上記以外のソルダーレジスト組成物としては、例えば、ノボラック型エポキシ樹脂の(メタ)アクリレート、イミダゾール硬化剤、2官能性(メタ)アクリル酸エステルモノマー、分子量500〜5000程度の(メタ)アクリル酸エステルの重合体、ビスフェノール型エポキシ樹脂等からなる熱硬化性樹脂、多価アクリル系モノマー等の感光性モノマー、グリコールエーテル系溶剤などを含むペースト状の流動体が挙げられ、その粘度は25℃で1〜10Pa・sに調整されていることが望ましい。
最外層に上記ソルダーレジスト層を形成することにより、上記光導波路を損傷や熱等から保護することができる。
【0095】
(11)次に、上記ソルダーレジスト層に、必要に応じて、ICチップ実装用基板や各種表面実装型電子部品を実装するための開口を形成する。具体的には、例えば、バイアホール用開口を形成する方法と同様の方法、即ち、露光現像処理やレーザ処理を用いて行うことができる。なお、このような開口は、片面のソルダーレジスト層にのみ形成してもよいし、両面のソルダーレジスト層のそれぞれに形成してもよい。
また、ソルダーレジスト層を形成する際に、予め、所望の位置に開口を有する樹脂フィルムを作製し、該樹脂フィルムを張り付けることにより、ICチップ実装用基板等を実装するための開口を有するソルダーレジスト層を形成してもよい。また、上記ICチップ実装用基板を実装するための開口の開口径は、500〜1000μmが望ましい。
【0096】
(12)次に、上記ICチップ実装用基板等を実装するための開口を形成することにより露出した導体回路部分を、必要に応じて、ニッケル、パラジウム、金、銀、白金等の耐食性金属により被覆し、表面実装用パッドとする。これらのなかでは、ニッケル−金、ニッケル−銀、ニッケル−パラジウム、ニッケル−パラジウム−金等の金属により被覆層を形成することが望ましい。
上記被覆層は、例えば、めっき、蒸着、電着等により形成することができるが、これらのなかでは、被覆層の均一性に優れるという点からめっきにより形成することが望ましい。
【0097】
(13)次に、基板の片面に、ソルダーレジスト層と層間樹脂絶縁層とを貫通する連通した光路用開口を形成する。
上記光路用開口の形成は、例えば、レーザ処理等により行う。
上記レーザ処理おいて使用するレーザとしては、上記バイアホール用開口の形成において使用するレーザと同様のもの等が挙げられる。
この場合、上記レーザとしては、上記光導波路が吸収を持たない波長のレーザを用いることが望ましい。上記光路用開口を形成する時に上記光導波路表面を傷つけるおそれが少ないからである。
また、上記光路用開口の形成位置は、光導波路からの光信号や光導波路への信号を伝送することができる位置であれば特に限定されず、導体回路の設計等を考慮して適宜選択すればよい。
【0098】
上記光路用開口の開口径は、100〜500μmが望ましい。また、その形状は特に限定されず、例えば、円柱状、楕円柱状、四角柱状、多角柱状等が挙げられる。
なお、光路用開口の形成は、上述したように、ソルダーレジスト層を形成した後行えばよいが、場合によっては、層間樹脂絶縁層を形成後に、一度光路用開口を形成し、ソルダーレジスト層を形成した後に、再度、層間樹脂絶縁層に設けた光路用開口に連通した開口を形成し、光路用開口としてもよい。層間樹脂絶縁層やソルダーレジスト層の厚さによっては、一度のレーザ処理で光路用開口を形成することが難しいことがあるからである。また、2回に分けて開口を形成する場合、ソルダーレジスト層に形成する開口は露光現像処理により形成してもよい。
【0099】
(14)次に、必要に応じて、上記表面実装用パッドに相当する部分に開口部が形成されたマスクを介して、上記表面実装用パッドに半田ペースト(例えば、Sn/Ag=96.5/3.5)を充填した後、リフローすることにより半田バンプを形成する。
また、光導波路を形成する面と反対側のソルダーレジスト層では、必要に応じて、外部基板接続面に導電性接着剤等を用いてピンを配設したり、半田ボールを形成したりすることにより、PGA(Pin Grid Array)やBGA(Ball Grid Array)としてもよい。上記ピンとしては特に限定されないが、T型のピンが望ましい。また、その材質としては、例えば、コバール、42アロイ等が挙げられる。
【0100】
また、ここでは、半田ペーストを充填した後、リフローする前に、ICチップ実装用基板や、その他の表面実装型電子部品を搭載し、その後、リフローすることにより半田付けを行ってもよい。なお、この場合、ICチップ実装用基板や表面実装型電子部品を搭載(半田付け)する順序は、特に限定されないが、接続端子数の多いものを後に搭載することが望ましい。
【0101】
なお、この工程で、半田バンプ、PGA、BGAを形成しなくてもよい。ICチップ実装用基板のBGAや、表面実装型電子部品に形成されたバンプと、上記表面実装用パッドとを接続することにより、多層プリント配線板にICチップ実装用基板や表面実装型電子部品を実装することができる。
このような工程を経ることにより、第一の本発明の多層プリント配線板を製造することができる。
【0102】
次に、第二の本発明の多層プリント配線板について説明する。
第二の本発明の多層プリント配線板は、基板の両面に導体回路と層間樹脂絶縁層とが積層形成されるとともに、最外層の層間樹脂絶縁層上に光導波路が形成された多層プリント配線板であって、
上記最外層の層間樹脂絶縁層と上記光導波路との間に弾性材層が形成されていることを特徴とする。
【0103】
第二の本発明の多層プリント配線板では、最外層の層間樹脂絶縁層上に弾性材層を介して光導波路が形成されているため、光導波路形成時、特に、光導波路に光路変換ミラーを形成する際に層間樹脂絶縁層にかかる応力を緩和することができ、この応力に起因したクラック等が基板に発生するのを防ぐことができる。従って、層間樹脂絶縁層に発生したクラック等により多層プリント配線板の信頼性の低下を招くこともない。
加えて、光導波路形成時に、予め光路変換ミラーを形成しておいたフィルム状の光導波路を張り付ける場合には、上記弾性材層によって光導波路にかかる応力を緩和することができ、光導波路に傷やクラック等が発生することを防止することができる。
【0104】
また、上記多層プリント配線板には、導体回路と光導波路とが形成されているため、光信号と電気信号との両方を伝送することができ、また、多層プリント配線板内に光導波路が内蔵されているため、光通信用端末機器の小型化に寄与することができる。
【0105】
第二の本発明の多層プリント配線板は、最外層の層間樹脂絶縁層上に光導波路が形成された多層プリント配線板であって、上記層間樹脂絶縁層と上記光導波路との間に弾性材層が形成されている。
上記弾性材層としては、第一の本発明の多層プリント配線板の弾性材層と同様、その弾性率が2.5×10MPa以下であるのものが望ましく、1.0〜1.0×10MPaであるものがより望ましい。上記弾性率が2.5×10MPaを超えると、光導波路形成時に層間樹脂絶縁層にかかる応力を充分に緩和することができず、層間樹脂絶縁層にクラック等が発生するのを防止することができないことがあることに加え、光導波路と層間樹脂絶縁層やソルダーレジスト層との熱膨張係数の差に原因して光導波路にかかる応力を充分に緩和することができず、光導波路にクラックが発生することがあるからである。
さらに、光導波路の形成を、フィルム状の光導波路を張り付けることにより行う場合には、光導波路にかかる応力を充分に緩和することができず、光導波路に傷やクラック等が発生することがある。
また、上記弾性材層の具体的な材質としては、上記範囲の弾性率を有するポリオレフィン系樹脂および/またはポリイミド系樹脂からなるものが望ましい。
【0106】
第二の本発明の多層プリント配線板は、光導波路および弾性材層の形成位置が、最外層の層間樹脂絶縁層上という点で第一の本発明の多層プリント配線板とは異なるものの、上記した弾性材層をはじめ、光導波路や層間樹脂絶縁層等の多層プリント配線板を構成する部材やその材料としては、第一の本発明の多層プリント配線板に用いるものと同様のものが挙げられる。
従って、ここでは、第二の本発明の多層プリント配線板を構成する部材の説明は省略することとする。
【0107】
次に、第二の本発明の多層プリント配線板の実施形態の一例について、図面を参照しながら説明する。
図2は、第二の本発明の多層プリント配線板の一実施形態を模式的に示す断面図である。
【0108】
図2に示すように、多層プリント配線板200では、基板221の両面に導体回路224と層間樹脂絶縁層222とが積層形成され、基板221を挟んだ導体回路間、および、層間樹脂絶縁層222を挟んだ導体回路間は、それぞれ、スルーホール229およびバイアホール227により電気的に接続されており、最外層には、ソルダーレジスト層234が形成されている。
【0109】
また、最外層の層間樹脂絶縁層222a上には、弾性材層252を介して光導波路250(250a、250b)が形成されており、光導波路250の先端の光路変換ミラー251(251a、251b)が形成された部分には、光路用開口238(238a、238b)が、基板221に垂直方向に形成されている。また、この光路用開口238は、空隙により構成されている。
なお、光導波路250a、250bは、一方が、受光用光導波路であり、他方が、発光用光導波路である。
【0110】
このような構成からなる多層プリント配線板200では、光ファイバ(図示せず)等を介して外部から送られてきた光信号が、光導波路250aに導入され、光路変換ミラー251aおよび光路用開口238aを介して受光素子(図示せず)等に送られることとなる。
また、発光素子(図示せず)等から送り出された光信号は、光路用開口238bから光変換ミラー251b介して光導波路250bに導入され、別のICチップ実装用基板の受光素子に送られ電気信号に変換されるか、または、光ファイバ(図示せず)等を介して外部に送りだされることとなる。
【0111】
また、半田バンプ237を介して、ICチップ実装基板等の外部基板(図示せず)を接続した場合には、多層プリント配線板200と外部基板とを電気的に接続することができ、さらに、この外部基板に光学素子が実装されている場合には、多層プリント配線板200と外部基板との間で光信号と電気信号とを伝送することができる。
なお、このような構成からなる第二の本発明の多層プリント配線板もまた、ソルダーレジスト層にICチップ実装用基板等を実装するための開口を形成するか、否か、また、BGA等を配設するか、否か等を適宜選択することにより、パッケージ基板、マザーボード、ドーターボード等として用いることができる。
【0112】
また、第二の本発明の多層プリント配線板においても、光導波路に光路変換ミラーが形成されている場合、該光路変換ミラーの形状は、図2に示すような光導波路の底面が上面よりも大きくなるような形状に限定されず、光導波路の上面が底面よりも大きくなるような形状であってもよい。
【0113】
このような構成の光導波路を有する多層プリント配線板では、光導波路形成時、特に、光導波路に光路変換ミラーを形成する際に、層間樹脂絶縁層にかかる応力を緩和することができる。また、光導波路の形成を、予めフィルム状に成形しておいた光導波路を張り付けることにより行う場合には、張り付け時に光導波路にかかる応力を緩和することができる。
【0114】
次に、第二の本発明の多層プリント配線板を製造する方法について説明する。
なお、第二の本発明の多層プリント配線板は、上述したように、第一の本発明の多層プリント配線板と比べて、弾性材層および光導波路の形成位置が異なる。従って、第二の本発明の多層プリント配線板の製造方法は、弾性材層および光導波路の形成工程が第一の本発明の多層プリント配線板の製造方法と異なるのみで、その他の工程は、第一の本発明の多層プリント配線板の製造方法と同様にして行うことができる。
ここでは、弾性材層および光導波路の製造工程を中心に説明し、全製造工程については、簡単に説明することとする。
【0115】
(1)まず、絶縁性基板を出発材料とし、第一の本発明の多層プリント配線板の製造方法の(3)の工程、即ち、基板上に弾性材層と光導波路とを形成する工程を行わない以外は、第一の本発明の多層プリント配線板の製造方法の(1)〜(9)の工程と同様にして多層配線板を形成する。
【0116】
(2)次に、最外層の層間樹脂絶縁層上の導体回路非形成部に弾性材層と光導波路とを形成する。
上記弾性材層の形成は、例えば、予め所望の大きさに裁断しておいたフィルム状の弾性材を貼り付ける方法や、弾性材層の材料樹脂を含む樹脂組成物をロールコーター、カーテンコーター等を用いて塗布した後、露光、現像処理により所定の位置にのみ弾性材層を形成する方法等を用いて行うことができる。また、上記した方法で樹脂組成物を塗布した後、エッチング法やレジスト形成法等を行うことにより、所定の位置に弾性材層を形成してもよい。
【0117】
次いで、上記弾性材層上に光導波路を形成する。光導波路の形成は、例えば、選択重合法、反応性イオンエッチングとフォトリソグラフィーとを用いる方法、直接露光法、射出成形を用いる方法、フォトブリーチング法、これらを組み合わせた方法等を用いることができる。
【0118】
具体的には、例えば、まず、弾性材層上に、アンダークラッド部となる光導波路用樹脂組成物をスピンコーター等を用いて塗布成膜し、これを加熱硬化し、その後、アンダークラッド部上にコア層となる光導波路用樹脂組成物を塗布成膜し、これを加熱硬化する。次に、コア層の表面にレジストを塗布し、フォトリソグラフィーによりレジストパターンを形成してRIE(反応性イオンエッチング)等によりコア部の形状にパターニングする。さらに、アンダークラッド部上(コア部上を含む)にオーバークラッド部となる光導波路用樹脂組成物を塗布成膜し、これを加熱硬化すること等により光導波路を形成することができる。
ここで、光導波路用樹脂組成物の塗布成膜は、カーテンコーターやロールコーターを用いる方法、印刷等により行ってもよい。
なお、上記光導波路用樹脂組成物としては、第一の本発明の多層プリント配線板の製造方法で用いるものと同様のもの等が挙げられる。
【0119】
ここで、光導波路用樹脂組成物の塗布は、それぞれ一回で行ってもよいし、複数回に分けて行ってもよい。なお、どちらを選択するかは、クラッド部およびコア部の厚さ等を考慮して適宜選択すればよい。
【0120】
また、未硬化の樹脂組成物を塗布成膜する方法に代えて、予め形成しておいた光導波路用樹脂組成物からなるフィルム(フィルム状の光導波路)を貼り付ける方法を用いてもよい。
具体的には、例えば、予め基材や離型フィルム等の上に上記光導波路用樹脂組成物を用いてフィルム状の光導波路を作製しておき、これを弾性材層上に貼り付けることにより形成する。
この場合、フィルム状の光導波路を基板上(弾性材層上)に張り付ける前に、予め光路変換ミラーを形成しておいてもよい。光路変換ミラーの形成を、光導波路を基板上に形成した後に行うか、基板上にフィルム状の光導波路を張り付ける前に行うかは、光路変換ミラーの形状等を考慮して適宜選択すればよい。なお、上記光路変換ミラーの形成は、後述するダイヤモンドソー等を用いる方法と同様の方法により行うことができる。
また、光導波路の形成工程は、層間樹脂絶縁層上に導体回路を形成する前に行ってもよい。
【0121】
また、基板上に、予め弾性材層と光導波路とが重ねられた2層からなるフィルムを熱圧着等によって貼り付ける方法を用いて、弾性材層と光導波路とを形成してもよい。
【0122】
また、上記光導波路に光路変換ミラーを形成する場合、該光路変換ミラーの形成は、基板上(弾性材層上)に光導波路を形成した後に行ってもよい。
上記光路変換ミラーを形成する方法としては特に限定されず、従来公知の形成方法を用いることができる。具体的には、先端がV形90°のダイヤモンドソーや刃物による機械加工等を用いることができる。
このように、弾性材層上に形成した光導波路に、上記した方法で光路変換用ミラーを形成する場合、層間樹脂絶縁層にかかる応力を緩和することができるため、層間樹脂絶縁層にクラック等が発生するのを防ぐことができる。
【0123】
(3)次に、第一の本発明の多層プリント配線板の製造方法の(10)〜(12)の工程と同様にして、弾性材層を介して光導波路が形成された層間樹脂絶縁層上に、ICチップ実装用基板等を実装するための開口を有するソルダーレジスト層を形成し、さらに、表面実装用パッドを形成する。
なお、上記開口は片面のソルダーレジスト層にのみ形成してもよいし、両面のソルダーレジスト層に形成してもよい。
【0124】
(4)次に、片面のソルダーレジスト層に光路用開口を形成する。
上記光路用開口の形成は、例えば、レーザ処理等により行う。
上記レーザ処理おいて使用するレーザとしては、上記バイアホール用開口の形成おいて使用するレーザと同様のもの等が挙げられる。
この場合、上記レーザとしては、上記光導波路が吸収を持たない波長のレーザを用いることが望ましい。上記光路用開口を形成する時に上記光導波路表面を傷つけるおそれが少ないからである。
また、上記光路用開口の形成位置は、光導波路からの光信号や光導波路への信号を伝送することができる位置であれば特に限定されず、導体回路の設計等を考慮して適宜選択すればよい。
【0125】
上記光路用開口の開口径は、100〜500μmが望ましい。また、その形状は特に限定されず、例えば、円柱状、楕円柱状、四角柱状、多角柱状等が挙げられる。
【0126】
また、第二の本発明の多層プリント配線板に形成される光路用開口は、片面のソルダーレジスト層のみを貫通する開口である。従って、第二の本発明の多層プリント配線板の製造において、光路用開口を形成する場合には、上記したレーザ処理を用いる方法に代えて、上記(3)の工程で露光現像処理により、ICチップ実装用基板等を実装するための開口を形成する際に、同時に、露光現像処理により光路用開口を形成してもよい。工程数を削減することができるとともに、レーザ処理に比べて光導波路を傷つけるおそれがより少ないからである。
【0127】
(5)次に、第一の本発明の多層プリント配線板の製造方法の(14)の工程と同様にして、半田バンプ、PGA、BGAを形成する。
【0128】
また、第二の本発明の多層プリント配線板を製造する場合においても、この工程で、半田ペーストを充填した後、リフローする前に、ICチップ実装用基板や、その他の表面実装型電子部品を搭載し、その後、リフローすることにより半田付けを行ってもよい。
【0129】
なお、この工程で、半田バンプ、PGA、BGAを形成しなくてもよい。ICチップ実装用基板のBGAや、表面実装型電子部品に形成されたバンプと、上記表面実装用パッドとを接続することにより、多層プリント配線板にICチップ実装用基板や表面実装型電子部品を実装することができる。
このような工程を経ることにより、第二の本発明の多層プリント配線板を製造することができる。
【0130】
なお、本明細書においては、光導波路形成時、特に、光導波路に光路変換ミラーを形成する際に、基板や最外層の層間樹脂絶縁層にかかる応力に起因したクラック等が基板や層間樹脂絶縁層に発生しにくいことに加え、光導波路と基板や層間樹脂絶縁層との熱膨張係数の差を原因として光導波路にかかる応力を緩和することができるため、この応力に起因したクラック等が光導波路に発生しにくく、さらに、フィルム状の光導波路を張り付ける場合にも光導波路にかかる応力を緩和することができ、この応力に起因した傷やクラックが光導波路に発生することを防止することができる多層プリント配線板として、基板上や最外層の層間樹脂絶縁層上に光導波路が弾性材層を介して形成された多層プリント配線板について説明したが、光導波路が上記多層プリント配線板とは異なる位置、即ち、層間樹脂絶縁層同士の間等に弾性材層を介して形成された多層プリント配線板においても上記と同様の効果を得ることができる。
【0131】
【実施例】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
A.層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムの作製
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量469、油化シェルエポキシ社製エピコート1001)30重量部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量215、大日本インキ化学工業社製 エピクロンN−673)40重量部、トリアジン構造含有フェノールノボラック樹脂(フェノール性水酸基当量120、大日本インキ化学工業社製 フェノライトKA−7052)30重量部をエチルジグリコールアセテート20重量部、ソルベントナフサ20重量部に攪拌しながら加熱溶解させ、そこへ末端エポキシ化ポリブタジエンゴム(ナガセ化成工業社製 デナレックスR−45EPT)15重量部と2−フェニル−4、5−ビス(ヒドロキシメチル)イミダゾール粉砕品1.5重量部、微粉砕シリカ2重量部、シリコン系消泡剤0.5重量部を添加しエポキシ樹脂組成物を調製した。
得られたエポキシ樹脂組成物を厚さ38μmのPETフィルム上に乾燥後の厚さが50μmとなるようにロールコーターを用いて塗布した後、80〜120℃で10分間乾燥させることにより、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを作製した。
【0132】
B.貫通孔充填用樹脂組成物の調製
ビスフェノールF型エポキシモノマー(油化シェル社製、分子量:310、YL983U)100重量部、表面にシランカップリング剤がコーティングされた平均粒径が1.6μmで、最大粒子の直径が15μm以下のSiO2 球状粒子(アドテック社製、CRS 1101−CE)170重量部およびレベリング剤(サンノプコ社製 ペレノールS4)1.5重量部を容器にとり、攪拌混合することにより、その粘度が23±1℃で45〜49Pa・sの樹脂充填材を調製した。なお、硬化剤として、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、2E4MZ−CN)6.5重量部を用いた。
【0133】
C.多層プリント配線板の製造
(1)厚さ0.8mmのガラスエポキシ樹脂またはBT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる絶縁性基板21の両面に18μmの銅箔28がラミネートされている銅張積層板を出発材料とした(図3(a)参照)。まず、この銅張積層板をドリル削孔し、無電解めっき処理を施し、パターン状にエッチングすることにより、基板21の両面に導体回路24とスルーホール29とを形成した。
【0134】
(2)スルーホール29および導体回路24を形成した基板を水洗いし、酸性脱脂した後、ソフトエッチングし、次いで、エッチング液を基板の両面にスプレイで吹きつけた後、搬送ロールで送ることでそのスルーホール29を含む導体回路24の表面に粗化面(図示せず)を形成した。エッチング液として、イミダゾール銅 (II)錯体10重量部、グリコール酸7重量部、塩化カリウム5重量部からなるエッチング液(メック社製、メックエッチボンド)を使用した。
【0135】
(3)次に、基板上の所定の位置(導体回路非形成部)に、予め所望の大きさに裁断しておいたポリオレフィン系樹脂からなるドライフィルムをラミネートすることにより、弾性率10MPa、厚さ25μmの弾性材層52を形成した。
【0136】
(4)次に、上記(3)の工程で形成した弾性材層52上に、PMMAからなるフィルム状の有機系光導波路(マイクロパーツ社製:幅25μm、厚さ25μm)50を、光導波路の一端の側面と基板21の側面とが揃うように貼り付けた。有機系光導波路の張り付けは、該有機系光導波路の基板側の面に熱硬化性樹脂からなる接着剤を塗布しておき、圧着後、60℃で1時間硬化させることにより行った。
なお、本実施例では、60℃/1時間の条件で硬化を行ったが、場合によってはステップ硬化を行ってもよい。貼り付け時に有機系光導波路により応力が発生しにくいからである。
【0137】
さらに、光導波路50の一端に、先端がV形90°のダイヤモンドソーを用いて45°光路変換ミラー51を形成した(図3(b)参照)。
【0138】
(5)次に、上記Bに記載した樹脂充填材を調製した後、下記の方法により調製後24時間以内に、スルーホール29内ならびに基板21の片面の導体回路非形成部、光導波路非形成部および導体回路24の外縁部とに樹脂充填材30′の層を形成した(図3(c)参照)。
即ち、まず、スキージを用いてスルーホール内に樹脂充填材を押し込んだ後、100℃、20分の条件で乾燥させた。次に、導体回路非形成部(光導波路非形成部を含む)に相当する部分が開口したマスクを基板上に載置し、スキージを用いて凹部となっている導体回路非形成部にも樹脂充填材を充填し、100℃、20分の条件で乾燥させることにより樹脂充填材30′の層を形成した。ついで、他方の面の導体回路非形成部(光導波路非形成部を含む)と導体回路の外縁部とにも同様にして樹脂充填材30′の層を形成した。
【0139】
(6)上記(5)の処理を終えた基板の片面を、♯600のベルト研磨紙(三共理化学社製)を用いたベルトサンダー研磨により、導体回路24の表面やスルーホール29のランド表面に樹脂充填材30′が残らないように研磨し、次いで、上記ベルトサンダー研磨による傷を取り除くためのバフ研磨を行った。このような一連の研磨を基板の他方の面についても同様に行った。
次いで、100℃で1時間、120℃で3時間、150℃で1時間、180℃で7時間の加熱処理を行って樹脂充填材層30を形成した。
【0140】
このようにして、スルーホール29や導体回路非形成部に形成された樹脂充填材30の表層部および導体回路24の表面を平坦化し、樹脂充填材30と導体回路24の側面とが粗化面を介して強固に密着し、また、スルーホール29の内壁面と樹脂充填材30とが粗化面を介して強固に密着した絶縁性基板を得た(図3(d)参照)。この工程により、樹脂充填材層30の表面と導体回路24の表面とが同一平面となる。
【0141】
(7)上記基板を水洗、酸性脱脂した後、ソフトエッチングし、次いで、エッチング液を基板の両面にスプレイで吹き付けて、導体回路24の表面とスルーホール29のランド表面とをエッチングすることにより、導体回路24の全表面に粗化面を形成した。エッチング液として、イミダゾール銅(II)錯体10重量部、グリコール酸7重量部、塩化カリウム5重量部を含むエッチング液(メック社製、メックエッチボンド)を使用した。
【0142】
(8)次に、上記Aで作製した基板より少し大きめの層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを基板上に載置し、圧力0.4MPa、温度80℃、圧着時間10秒の条件で仮圧着して裁断した後、さらに、以下の方法により真空ラミネータ装置を用いて貼り付けることにより層間樹脂絶縁層22を形成した(図3(e)参照)。
即ち、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを基板上に、真空度65Pa、圧力0.4MPa、温度80℃、時間60秒の条件で本圧着し、その後、170℃で30分間熱硬化させた。
【0143】
(9)次に、層間樹脂絶縁層22上に、厚さ1.2mmの貫通孔が形成されたマスクを介して、波長10.4μmのCO2 ガスレーザにて、ビーム径4.0mm、トップハットモード、パルス幅8.0μ秒、マスクの貫通孔の径1.0mm、1ショットの条件で層間樹脂絶縁層22に、直径80μmのバイアホール用開口26を形成した(図4(a)参照)。
【0144】
(10)バイアホール用開口26を形成した基板を、60g/lの過マンガン酸を含む80℃の溶液に10分間浸漬し、層間樹脂絶縁層22の表面に存在するエポキシ樹脂粒子を溶解除去することにより、バイアホール用開口26の内壁面を含むその表面に粗化面(図示せず)を形成した。
次に、上記処理を終えた基板を、中和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いした。
さらに、粗面化処理(粗化深さ3μm)した該基板の表面に、パラジウム触媒を付与することにより、層間樹脂絶縁層22の表面(バイアホール用開口26の内壁面を含む)に触媒核を付着させた(図示せず)。即ち、上記基板を塩化パラジウム(PdCl)と塩化第一スズ(SnCl)とを含む触媒液中に浸漬し、パラジウム金属を析出させることにより触媒を付与した。
【0145】
(11)次に、以下の組成の無電解銅めっき水溶液中に、基板を浸漬し、層間樹脂絶縁層22の表面(バイアホール用開口26の内壁面を含む)に厚さ0.6〜3.0μmの薄膜導体層(無電解銅めっき膜)32を形成した(図4(b)参照)。
〔無電解めっき水溶液〕
NiSO4 0.003 mol/l
酒石酸 0.200 mol/l
硫酸銅 0.030 mol/l
HCHO 0.050 mol/l
NaOH 0.100 mol/l
α、α′−ビピリジル100 mg/l
ポリエチレングリコール(PEG)0.10 g/l
〔無電解めっき条件〕
30℃の液温度で40分
【0146】
(12)次に、無電解銅めっき膜32が形成された基板に市販の感光性ドライフィルムを張り付け、マスクを載置して、100mJ/cm2 で露光し、0.8%炭酸ナトリウム水溶液で現像処理することにより、厚さ20μmのめっきレジスト23を設けた(図4(c)参照)。
【0147】
(13)ついで、基板を50℃の水で洗浄して脱脂し、25℃の水で水洗後、さらに硫酸で洗浄してから、以下の条件で電解めっきを施し、めっきレジスト23非形成部に、厚さ20μmの電解銅めっき膜33を形成した(図4(d)参照)。
〔電解めっき液〕
硫酸 2.24 mol/l
硫酸銅 0.26 mol/l
添加剤 19.5 ml/l
(アトテックジャパン社製、カパラシドGL)
〔電解めっき条件〕
電流密度 1 A/dm2
時間 65 分
温度 22±2 ℃
【0148】
(14)さらに、めっきレジスト23を5%NaOHで剥離除去した後、そのめっきレジスト23下の無電解銅めっき膜を硫酸と過酸化水素との混合液でエッチング処理して溶解除去し、無電解銅めっき膜32と電解銅めっき膜33とからなる厚さ18μmの導体回路25(バイアホール27を含む)を形成した(図5(a)参照)。
【0149】
(15)次に、上記(7)〜(14)の工程を繰り返すことにより、上層の層間樹脂絶縁層と導体回路とを積層形成した(図5(b)〜図6(b)参照)。さらに、上記(7)の工程で用いた方法と同様の方法を用いて最外層の導体回路25(バイアホール27を含む)に粗化面(図示せず)を形成し、多層配線板を得た。
【0150】
(16)次に、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)に60重量%の濃度になるように溶解させた、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社製)のエポキシ基50%をアクリル化した感光性付与のオリゴマー(分子量:4000)46.67重量部、メチルエチルケトンに溶解させた80重量%のビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル社製、商品名:エピコート1001)15.0重量部、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、商品名:2E4MZ−CN)1.6重量部、感光性モノマーである2官能アクリルモノマー(日本化薬社製、商品名:R604)3.0重量部、同じく多価アクリルモノマー(共栄化学社製、商品名:DPE6A)1.5重量部、分散系消泡剤(サンノプコ社製、S−65)0.71重量部を容器にとり、攪拌、混合して混合組成物を調製し、この混合組成物に対して光重合開始剤としてベンゾフェノン(関東化学社製)2.0重量部、光増感剤としてのミヒラーケトン(関東化学社製)0.2重量部、を加えることにより、粘度を25℃で2.0Pa・sに調整したソルダーレジスト組成物を得た。
なお、粘度測定は、B型粘度計(東京計器社製、DVL−B型)で60min−1(rpm)の場合はローターNo.4、6min−1(rpm)の場合はローターNo.3によった。また、上記ソルダーレジスト組成物としては、市販のソルダーレジスト組成物を使用することもできる。
【0151】
(17)次に、多層配線板の両面に、上記ソルダーレジスト組成物を塗布し、70℃で20分間、70℃で30分間の条件で乾燥処理を行い、ソルダーレジス組成物の層を形成した。
【0152】
(18)次いで、ICチップ実装用基板を実装するための開口や、その他、任意の形状の表面実装用部品を実装するための開口のパターンが描画された厚さ5mmのフォトマスクをソルダーレジスト組成物の層に密着させて1000mJ/cmの紫外線で露光し、DMTG溶液で現像処理し、開口径600μmの開口を形成した。
さらに、80℃で1時間、100℃で1時間、120℃で1時間、150℃で3時間の条件でそれぞれ加熱処理を行ってソルダーレジスト組成物の層を硬化させ、ICチップ実装用基板等を実装するための開口39を有するソルダーレジスト層34を形成した。
【0153】
(19)次に、ソルダーレジスト層34を形成した基板を、塩化ニッケル(2.3×10−1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(2.8×10−1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.6×10−1mol/l)を含むpH=4.5の無電解ニッケルめっき液に20分間浸漬して、開口39に厚さ5μmのニッケルめっき層を形成した。さらに、その基板をシアン化金カリウム(7.6×10−3mol/l)、塩化アンモニウム(1.9×10−1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.2×10−1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(1.7×10−1mol/l)を含む無電解金めっき液に80℃の条件で7.5分間浸漬して、ニッケルめっき層上に、厚さ0.03μmの金めっき層を形成し、表面実装用パッド36とした。(図7(a)参照)。
【0154】
(20)次に、ソルダーレジスト層を形成した基板の片側(光導波路形成側)に、光導波路50に対向する位置に貫通孔が形成されたマスク載置し、炭酸ガスレーザを用いて片面のソルダーレジスト層34および層間樹脂絶縁層22を貫通する直径400μmの開口を形成し、さらに、開口の壁面にデスミア処理を施すことにより光路用開口38とした(図7(b)参照)。
【0155】
(21)次に、ソルダーレジスト層34に形成した開口39に半田ペースト(Sn/Ag=96.5/3.5)を印刷し、250℃でリフローすることにより、開口39に半田バンプを形成し、多層プリント配線板とした(図1参照)。
【0156】
(実施例2)
実施例1の(4)の工程において、PMMAからなるフィルム状の有機系光導波路(マイクロパーツ社製:幅25μm、厚さ25μm)の一端に、まず、先端がV形90°のダイヤモンドソーを用いて45°光路変換ミラーを形成し、その後、この光路変換ミラーが形成された光導波路を、その一端の側面と基板の側面とが揃うように実施例1の(4)の工程と同様の条件で貼り付けた以外は実施例1と同様にして多層プリント配線板を製造した。なお、光導波路は、その上面が底面よりも大きくなるような向きで張り付けた(図8参照)。
【0157】
(実施例3)
(1)実施例1において、(3)および(4)の工程を行わなかった以外は、(1)〜(15)の工程と同様にして、多層配線板を得た。
(2)次に、最外層の層間樹脂絶縁層上の所定の位置(導体回路非形成部)に、予め所望の大きさに裁断しておいたポリイミド樹脂からなるフィルムを貼り付けることにより弾性率2.45×10MPa、厚さ50μmの弾性材層を形成した。
【0158】
(3)次に、上記(2)の工程で形成した弾性材層上に、PMMAからなるフィルム状の有機系光導波路(マイクロパーツ社製:幅50μm、厚さ50μm)を、光導波路の一端の側面と基板の側面とが揃うように貼り付けた。有機系光導波路の張り付けは、実施例1の(4)の工程と同様の条件で行った。
さらに、光導波路の一端に、先端がV形90°のダイヤモンドソーを用いて45°光路変換ミラーを形成した。
【0159】
(4)次に、実施例1の(16)の工程と同様にしてソルダーレジスト組成物を調製し、このソルダーレジスト組成物を、実施例1の(17)の工程と同様の条件で多層配線板の両面にソルダーレジスト組成物を塗布し、ソルダーレジス組成物の層を形成した。
【0160】
(5)次いで、基板の片面に、ICチップ実装用基板等を実装するための開口と光路用開口とのパターンが描画された厚さ5mmのフォトマスクをソルダーレジスト組成物の層に密着させて1000mJ/cmの紫外線で露光し、DMTG溶液で現像処理し、ICチップ実装用基板を実装するための開口と開口径400μmの光路用開口とを形成した。なお、ICチップ実装用基板を実装するための開口は直径600μm、ピッチ1.27mmで形成した。
また、他方の面には、各種表面実装型電子部品を実装するための開口のパターンのみが描画されたマスクを用い、同様の条件で露光現像処理を施し、開口を形成した。
さらに、80℃で1時間、100℃で1時間、120℃で1時間、150℃で3時間の条件でそれぞれ加熱処理を行ってソルダーレジスト組成物の層を硬化させ、ICチップ実装用基板等を実装するための開口と光路用開口とを有するソルダーレジスト層を形成した。
【0161】
(6)次に、実施例1の(19)の工程と同様にして表面実装用パッド36を形成し、さらに、実施例1の(21)の工程と同様にして半田バンプを形成し、多層プリント配線板とした(図2参照)。
【0162】
(実施例4)
実施例3の(3)の工程において、PMMAからなるフィルム状の有機系光導波路(マイクロパーツ社製:幅50μm、厚さ50μm)の一端に、まず、先端がV形90°のダイヤモンドソーを用いて45°光路変換ミラーを形成し、その後、この光路変換ミラーが形成された光導波路を、その一端の側面と基板の側面とが揃うように実施例1の(4)の工程と同様の条件で貼り付けた以外は、実施例3と同様にして多層プリント配線板を製造した。なお、光導波路は、その上面が底面よりも大きくなるような向きで張り付けた。
【0163】
(比較例1)
実施例1において、(4)の工程、即ち、弾性材層を形成する工程を行わなかった以外は、実施例1と同様にして多層プリント配線板を製造した。
【0164】
(比較例2)
実施例3において、(2)の工程、即ち、弾性材層を形成する工程を行わなかった以外は、実施例3と同様にして多層プリント配線板を製造した。
【0165】
実施例1〜4および比較例1、2で得られた多層プリント配線板について、下記の評価方法により、(1)光導波路、ならびに、その下部の基板または層間樹脂絶縁層の形状観察、(2)光信号の検出および(3)導通試験を行った。
【0166】
評価方法
(1)形状観察
得られた多層プリント配線板を光導波路を通るように刃物で切断し、その断面を観察した。
【0167】
(2)光信号の検出
まず、得られた多層プリント配線板の光導波路が形成されている側に、受光素子および発光素子が実装されたICチップ実装用基板を、受光素子および発光素子がそれぞれ光路用開口に対向する位置に配設されるように半田バンプを介して接続した。
次に、発光素子に対向する光導波路の多層プリント配線板側面からの露出面に光ファイバを取り付け、受光素子に対向する光導波路の多層プリント配線板側面からの露出面に検出器を取り付けた後、光ファイバを介して光信号を送り、ICチップで演算させた後、検出器で光信号を検出した。
【0168】
(3)導通試験
上記光信号の検出と同様して、多層プリント配線板にICチップ実装用基板を接続し、その後、導通試験を行い、モニターに表示される結果から導通状態を評価した。
【0169】
上記評価の結果、実施例1の多層プリント配線板は、受光用光導波路および発光用光導波路の2種類の光導波路が所定の位置に形成されており、光導波路および該光導波路の下に存在する基板にもクラックは発生していなかった。また、実施例3の多層プリント配線板は、受光用光導波路および発光用光導波路の2種類の光導波路が所定の位置に形成されており、光導波路および該光導波路の下に存在する層間樹脂絶縁層にもクラックは発生していなかった。さらに、実施例2および4の多層プリント配線板においても光導波路にクラックは発生していなかった。
【0170】
また、実施例1〜4の多層プリント配線板では、ICチップ実装用基板を接続し、光信号を伝送した場合に所望の光信号を検出することができ、本実施例で製造した多層プリント配線板は、充分な光信号伝送能を有していることが明らかとなった。
さらに、実施例1〜4の多層プリント配線板では、半田バンプを介してICチップ実装用基板を接続した場合の導通試験において、電気信号の導通性に問題はなく、光信号とともに、電気信号も伝送することができることが明らかとなった。
【0171】
これに対し、比較例1および2の多層プリント配線板では、受光用光導波路および発光用光導波路の2種類の光導波路が所定の位置に形成されていたものの、該光導波路の下に存在する基板または層間樹脂絶縁層の一部にクラックの発生がみられた。
また、比較例1および2の多層プリント配線板では、ICチップ実装用基板を接続し、光信号を伝送した場合に、実施例の多層プリント配線板よりも光導波路における接続損失が大きく、検出できない光信号が一部に存在した。
なお、導通試験においては、特に大きな問題は見られなかった。
【0172】
【発明の効果】
第一の多層プリント配線板は、上述した構成からなるため、光導波路形成時、特に、光導波路に光路変換ミラーを形成する際に基板にかかる応力を緩和することができ、この応力に起因したクラック等が基板に発生するのを防ぐことができることに加え、光導波路と基板や層間樹脂絶縁層との熱膨張係数の差を原因として光導波路にかかる応力を緩和することができ、この応力に起因したクラック等が光導波路に発生するのを防ぐことができる。従って、基板に発生したクラック等より多層プリント配線板の信頼性の低下を招くこともない。
【0173】
さらに、光導波路形成時に、予め光路変換ミラーを形成しておいたフィルム状の光導波路を張り付ける場合には、上記弾性材層によって光導波路にかかる応力を緩和することができ、光導波路に傷やクラック等が発生することを防止することができる。
また、上記多層プリント配線板には、導体回路と光導波路とが形成されているため、光信号と電気信号との両方を伝送することができ、また、多層プリント配線板内に光導波路が内蔵されているため、光通信用端末機器の小型化に寄与することができる。
【0174】
第二の多層プリント配線板は、上述した構成からなるため、光導波路形成時、特に、光導波路に光路変換ミラーを形成する際に層間樹脂絶縁層にかかる応力を緩和することができ、この応力に起因したクラック等が層間樹脂絶縁層に発生するのを防ぐことができることに加え、光導波路と層間樹脂絶縁層やソルダーレジスト層との熱膨張係数の差を原因として光導波路にかかる応力を緩和することができ、この応力に起因したクラック等が光導波路に発生するのを防ぐことができる。従って、層間樹脂絶縁層に発生したクラック等より多層プリント配線板の信頼性の低下を招くこともない。
【0175】
さらに、光導波路形成時に、予め光路変換ミラーを形成しておいたフィルム状の光導波路を張り付ける場合には、上記弾性材層によって光導波路にかかる応力を緩和することができ、光導波路に傷やクラック等が発生することを防止することができる。
また、上記多層プリント配線板には、導体回路と光導波路とが形成されているため、光信号と電気信号との両方を伝送することができ、また、多層プリント配線板内に光導波路が内蔵されているため、光通信用端末機器の小型化に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の本発明の多層プリント配線板の一実施形態を模式的に示す断面図である。
【図2】第二の本発明の多層プリント配線板の一実施形態を模式的に示す断面図である。
【図3】(a)〜(e)は、第一の本発明の多層プリント配線板を製造する工程の一部を模式的に示す断面図である。
【図4】(a)〜(d)は、第一の本発明の多層プリント配線板を製造する工程の一部を模式的に示す断面図である。
【図5】(a)〜(c)は、第一の本発明の多層プリント配線板を製造する工程の一部を模式的に示す断面図である。
【図6】(a) 、(b)は、第一の本発明の多層プリント配線板を製造する工程の一部を模式的に示す断面図である。
【図7】(a) 、(b)は、第一の本発明の多層プリント配線板を製造する工程の一部を模式的に示す断面図である。
【図8】第一の本発明の多層プリント配線板の別の一実施形態を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
100、200 多層プリント配線板
21、121、221 基板
22、122、222 層間樹脂絶縁層
24、124、224 導体回路
25、125、225 導体回路
27、127、227 バイアホール
29、129、229 スルーホール
38、138、238 光路用開口
34、134、234 ソルダーレジスト層
36、136、236 半田パッド
37、137、237 半田バンプ
50、150、250、1150 光導波路

Claims (5)

  1. 基板の両面に導体回路と層間樹脂絶縁層とが積層形成されるとともに、
    前記基板上に光導波路が形成され、前記光導波路上に前記層間樹脂絶縁層が形成された多層プリント配線板であって、
    前記基板と前記光導波路との間に弾性材層が形成されており、
    前記弾性材層は、ポリオレフィン系樹脂からなり、
    前記光導波路は、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、UV硬化性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、または、ベンゾシクロブテンから製造されるポリマーからなることを特徴とする多層プリント配線板。
  2. 基板の両面に導体回路と層間樹脂絶縁層とが積層形成されるとともに、
    最外層の層間樹脂絶縁層上に光導波路が形成され、前記光導波路上にソルダーレジスト層が形成された多層プリント配線板であって、
    前記最外層の層間樹脂絶縁層と前記光導波路との間に弾性材層が形成されており、
    前記弾性材層は、ポリオレフィン系樹脂からなり、
    前記光導波路は、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、UV硬化性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、または、ベンゾシクロブテンから製造されるポリマーからなることを特徴とする多層プリント配線板。
  3. 前記弾性材層は、弾性率が2.5×10MPa以下である請求項1または2に記載の多層プリント配線板。
  4. 前記弾性率は、1.0〜1.0×10MPaである請求項3に記載の多層プリント配線板。
  5. 前記光導波路は、多層プリント配線板内に内蔵されている請求項1〜のいずれか1に記載の多層プリント配線板。
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