JP2005157115A - Icチップ実装用基板、マザーボード用基板、光通信用デバイス、icチップ実装用基板の製造方法、および、マザーボード用基板の製造方法 - Google Patents

Icチップ実装用基板、マザーボード用基板、光通信用デバイス、icチップ実装用基板の製造方法、および、マザーボード用基板の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005157115A
JP2005157115A JP2003397700A JP2003397700A JP2005157115A JP 2005157115 A JP2005157115 A JP 2005157115A JP 2003397700 A JP2003397700 A JP 2003397700A JP 2003397700 A JP2003397700 A JP 2003397700A JP 2005157115 A JP2005157115 A JP 2005157115A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical
optical signal
optical path
layer
chip mounting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003397700A
Other languages
English (en)
Inventor
Motoo Asai
元雄 浅井
Toyoaki Tanaka
豊秋 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ibiden Co Ltd filed Critical Ibiden Co Ltd
Priority to JP2003397700A priority Critical patent/JP2005157115A/ja
Publication of JP2005157115A publication Critical patent/JP2005157115A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2224/00Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
    • H01L2224/01Means for bonding being attached to, or being formed on, the surface to be connected, e.g. chip-to-package, die-attach, "first-level" interconnects; Manufacturing methods related thereto
    • H01L2224/10Bump connectors; Manufacturing methods related thereto
    • H01L2224/15Structure, shape, material or disposition of the bump connectors after the connecting process
    • H01L2224/16Structure, shape, material or disposition of the bump connectors after the connecting process of an individual bump connector
    • H01L2224/161Disposition
    • H01L2224/16151Disposition the bump connector connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive
    • H01L2224/16221Disposition the bump connector connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive the body and the item being stacked
    • H01L2224/16225Disposition the bump connector connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive the body and the item being stacked the item being non-metallic, e.g. insulating substrate with or without metallisation
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/15Details of package parts other than the semiconductor or other solid state devices to be connected
    • H01L2924/151Die mounting substrate
    • H01L2924/153Connection portion
    • H01L2924/1531Connection portion the connection portion being formed only on the surface of the substrate opposite to the die mounting surface
    • H01L2924/15311Connection portion the connection portion being formed only on the surface of the substrate opposite to the die mounting surface being a ball array, e.g. BGA

Landscapes

  • Optical Integrated Circuits (AREA)
  • Solid State Image Pick-Up Elements (AREA)
  • Non-Metallic Protective Coatings For Printed Circuits (AREA)
  • Structure Of Printed Boards (AREA)

Abstract

【課題】 光学素子が実装されるとともに光信号通過領域が設けられ、接続信頼性に優れるICチップ実装用基板を提供する。
【解決手段】 基板の両面に導体回路と層間樹脂絶縁層とが積層形成され、最外層にソルダーレジスト層が形成されるとともに、光学素子が実装されたICチップ実装用基板であって、
少なくとも上記層間樹脂絶縁層および上記ソルダーレジスト層に光信号伝送用光路が形成されており、上記光信号伝送用光路の上記ソルダーレジスト層を貫通する部分以外の部分には、樹脂組成物が充填されており、
上記光信号伝送用光路のうち、上記ソルダーレジスト層を貫通する部分の断面の径が、上記層間樹脂絶縁層に形成された部分の断面の径よりも小さいことを特徴とするICチップ実装用基板。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ICチップ実装用基板、マザーボード用基板、光通信用デバイス、ICチップ実装用基板の製造方法、および、マザーボード用基板の製造方法に関する。
近年、通信分野を中心として光ファイバに注目が集まっている。特にIT(情報技術)分野においては、高速インターネット網の整備に、光ファイバを用いた通信技術が必要となる。
光ファイバは、(1)低損失、(2)高帯域、(3)細径・軽量、(4)無誘導、(5)省資源等の特徴を有しており、この特徴を有する光ファイバを用いた通信システムでは、従来のメタリックケーブルを用いた通信システムに比べ、中継器数を大幅に削減することができ、建設、保守が容易になり、通信システムの経済化、高信頼性化を図ることができる。
また、光ファイバは、一つの波長の光だけでなく、多くの異なる波長の光を1本の光ファイバで同時に多重伝送することができるため、多様な用途に対応可能な大容量の伝送路を実現することができ、映像サービス等にも対応することができる。
そこで、このようなインターネット等のネットワーク通信においては、光ファイバを用いた光通信を、基幹網の通信のみならず、基幹網と端末機器(パソコン、モバイル、ゲーム等)との通信や、端末機器同士の通信にも用いることが提案されている。
このように基幹網と端末機器との通信等に光通信を用いる場合、端末機器において情報(信号)処理を行うICが、電気信号で動作するため、端末機器には、光→電気変換器や電気→光変換器等の光信号と電気信号とを変換する装置(以下、光/電気変換器ともいう)を取り付ける必要がある。
そこで、従来の端末機器では、例えば、ICチップを実装したパッケージ基板、光信号を処理する受光素子や発光素子等の光学素子等を別々に実装し、これらに電気配線や光導波路を接続し、信号伝送および信号処理を行っていた。
このような従来の端末機器において、ICチップを実装したパッケージ基板、光信号を処理する受光素子や発光素子等の光学素子等を別々に実装した場合には、装置自体が大きくなり、端末機器の小型化を図ることが難しかった。
そこで、本発明者らは、先に、基板の両面に導体回路と層間樹脂絶縁層とが積層形成され、最外層にソルダーレジスト層が形成されるともに、光学素子が実装されたICチップ実装用基板であって、このICチップ実装用基板を貫通する光信号伝送用光路が形成されたICチップ実装用基板を提案している(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−329891号公報
上述したように、上記基板、層間樹脂絶縁層およびソルダーレジスト層を貫通する光信号伝送用光路が形成されたICチップ実装用基板については既に開示されているもの、このようなICチップ実装用基板では、通常、基板および層間樹脂絶縁層を貫通する部分の光信号伝送用光路の断面の径と、ソルダーレジスト層を貫通する部分の光信号伝送用光路の断面の径とが同一であった。このような構成の光信号伝送用光路を有する、ICチップ実装用基板では、該光信号伝送用光路の基板と層間樹脂絶縁層とを貫通する部分に樹脂組成物が充填されている場合には、上記樹脂組成物と上記基板および上記層間樹脂絶縁層との間で、剥離やクラックが発生することがあり、その結果、ICチップ実装用基板としての耐久性、信頼性に劣る場合があった。
そこで、本発明者らは、接続信頼性に優れる光通信を達成するために、光学素子が実装されるとともに光信号伝送用光路が設けられたICチップ実装用基板、光導波路が形成されるとともに光信号伝送用光路が設けられたマザーボード用基板、および、これらを用いた光通信用デバイス、さらには、ICチップ実装用基板やマザーボード用基板の製造方法について鋭意検討を行い、本発明を完成した。
すなわち、本発明のICチップ実装用基板は、基板の両面に導体回路と層間樹脂絶縁層とが積層形成され、最外層にソルダーレジスト層が形成されるとともに、光学素子が実装されたICチップ実装用基板であって、
少なくとも上記層間樹脂絶縁層および上記ソルダーレジスト層に光信号伝送用光路が形成されており、上記光信号伝送用光路の上記ソルダーレジスト層を貫通する部分以外の部分には、樹脂組成物が充填されており、
上記光信号伝送用光路のうち、上記ソルダーレジスト層を貫通する部分の断面の径が、上記層間樹脂絶縁層に形成された部分の断面の径よりも小さいことを特徴とする。
上記ICチップ実装用基板においては、上記樹脂組成物の周囲に導体層が形成されていることが望ましい。
また、上記ICチップ実装用基板において、上記光信号伝送用光路の上記ソルダーレジスト層を貫通する部分の断面の径は、50〜490μmであることが望ましい。
上記ICチップ実装用基板においては、上記光信号伝送用光路が上記基板および上記層間樹脂絶縁層を貫通するように形成されていることが望ましい。
また、上記ICチップ実装用基板においては、上記樹脂組成物の端部であって、
上記光信号伝送用光路の上記ソルダーレジスト層を貫通する部分にマイクロレンズが配設されていることが望ましい。
また、上記ICチップ実装用基板において、上記光学素子は、受光素子および/または発光素子であることが望ましい。ここで、上記受光素子の受光部および/または上記発光素子の発光部のそれぞれは、個別に形成された光信号伝送用光路に対向するように実装されていることが望ましい。
また、上記ICチップ実装用基板において、上記光信号伝送用光路の上記ソルダーレジスト層を貫通する部分の断面の径は、上記光信号伝送用光路の上記層間樹脂絶縁層に形成された部分の断面の径よりも20〜390μm小さいことが望ましい。
また、本発明のマザーボード用基板は、基板の両面に導体回路と層間樹脂絶縁層とが積層形成されるとともに光導波路が形成され、最外層にソルダーレジスト層が形成されたマザーボード用基板であって、
少なくとも上記層間樹脂絶縁層および上記ソルダーレジスト層に光信号伝送用光路が形成されており、上記光信号伝送用光路の上記ソルダーレジスト層を貫通する部分以外の部分には、樹脂組成物が充填されており、
上記光信号伝送用光路のうち、上記ソルダーレジスト層を貫通する部分の断面の径が、上記層間樹脂絶縁層に形成された部分の断面の径よりも小さいことを特徴とする。
上記マザーボード用基板においては、上記樹脂組成物の周囲に導体層が形成されていることが望ましい。
また、上記マザーボード用基板において、上記光信号伝送用光路の上記ソルダーレジスト層を貫通する部分の断面の径は、50〜490μmであることが望ましい。
上記マザーボード用基板においては、上記光信号伝送用光路が上記基板および上記層間樹脂絶縁層を貫通するように形成されていることが望ましい。
また、上記マザーボード用基板においては、上記樹脂組成物の端部であって、
上記光信号伝送用光路の上記ソルダーレジスト層を貫通する部分にマイクロレンズが配設されていることが望ましい。
また、上記マザーボード用基板において、上記光信号伝送用光路の上記ソルダーレジスト層を貫通する部分の断面の径は、上記光信号伝送用光路の上記層間樹脂絶縁層に形成された部分の断面の径よりも20〜390μm小さいことが望ましい。
また、本発明の光通信用デバイスは、本発明のICチップ実装用基板が、本発明のマザーボード用基板に実装されてなることを特徴とする。
また、本発明のICチップ実装用基板の製造方法は、
(a)基板の両面に導体回路と層間樹脂絶縁層とを順次積層形成し、多層配線板とする多層配線板製造工程と、
(b)上記多層配線板を貫通する光信号通過領域を形成するか、または、上記多層配線板の一部に凹部形状の光信号通過領域を形成する光信号通過領域形成工程と、
(c)上記光信号通過領域内に樹脂組成物を充填する樹脂組成物充填工程と、
(d)上記(b)の工程で形成した光信号通過領域に連通し、上記光信号通過領域の断面の径よりも小さな径の開口を有するソルダーレジスト層を形成するソルダーレジスト層形成工程と
を含むことを特徴とする。
また、本発明のマザーボード用基板の製造方法、
(a)基板の両面に導体回路と層間樹脂絶縁層とを順次積層形成するとともに、上記基板上および/または上記層間樹脂絶縁層上に光導波路を形成し、光配線板とする光配線板製造工程と、
(b)上記光配線板に光信号通過領域を形成する光信号通過領域形成工程と、
(c)上記光信号通過領域内に樹脂組成物を充填する樹脂組成物充填工程と、
(d)上記(b)の工程で形成した光信号通過領域に連通し、上記光信号通過領域の断面の径よりも小さな径の開口を有するソルダーレジスト層を形成するソルダーレジスト層形成工程と
を含むことを特徴とする。
本発明のICチップ実装用基板は、上述したように、光信号伝送用光路のソルダーレジスト層を貫通する部分の断面の径が、層間樹脂絶縁層に形成された部分の断面の径よりも小さい。そのため、上記ICチップ実装用基板では、上記光信号伝送用光路に充填された樹脂組成物と、上記層間樹脂絶縁層との境界部分が上記ソルダーレジスト層の一部で覆い隠された状態となっており、上記境界部分および上記樹脂組成物の外縁付近は、上記ソルダーレジスト層によって接着されることとなる。その結果、上記樹脂組成物と上記上記層間樹脂絶縁層等との間では、剥離やクラックが発生しにくく、上記ICチップ実装用基板は、耐久性、信頼性に優れることとなる。
さらに、上記ソルダーレジスト層を貫通する光信号伝送用光路の径が、上記層間樹脂絶縁層に形成された部分の光信号伝送用光路の径よりも小さくなっているため、受光素子で受信する光信号や、発光素子から発信する光信号の拡散を抑えることができ、効率よく受光素子に光信号を伝送することができるとともに、効率よく発光素子から光信号を伝送することができる。
さらに、本発明のICチップ実装用基板では、上記光信号伝送用光路を介して、上記光学素子の入出力信号を伝送することができる。また、このICチップ実装用基板にICチップが実装された場合には、ICチップと光学素子との距離が短く、電気信号伝送の信頼性に優れることとなる。
また、本発明のICチップ実装用基板では、光通信に必要な電子部品や光学素子を一体化することができるため、光通信用端末機器の薄型化、小型化に寄与することができる。
本発明のマザーボード用基板は、上述したように、光信号伝送用光路のソルダーレジスト層を貫通する部分の断面の径が、層間樹脂絶縁層に形成された部分の断面の径よりも小さい。そのため、上記マザーボード用基板では、上記光信号伝送用光路に充填された樹脂組成物と、上記層間樹脂絶縁層との境界部分を上記ソルダーレジスト層の一部で覆い隠された状態となっており、上記境界部分および上記樹脂組成物の外縁付近は、上記ソルダーレジスト層によって接着されることとなる。その結果、上記樹脂組成物と上記層間樹脂絶縁層等との間では、剥離やクラックが発生しにくく、上記マザーボード用基板は、耐久性、信頼性に優れることとなる。
さらに、上記ソルダーレジスト層を貫通する光信号伝送用光路の径が、上記層間樹脂絶縁層に形成された部分の光信号伝送用光路の径よりも小さくなっているため、受光素子で受信する光信号や、発光素子から発信する光信号の拡散を抑えることができ、効率よく受光素子に光信号を伝送することができるとともに、効率よく発光素子から光信号を伝送することができる。
本発明の光通信用デバイスは、本発明のマザーボード用基板に本発明のICチップ実装用基板が実装されたものであるため、光信号の伝送能に優れることとなる。
本発明のICチップ実装用基板の製造方法は、上述した構成からなるため、本発明のICチップ実装用基板、すなわち、層間樹脂絶縁層やソルダーレジスト層に設けられた光信号伝送用光路を介して光学素子の入出力信号の伝送を行うICチップ実装用基板を好適に製造することができる。従って、本発明の製造方法を用いることにより、光信号の伝送性に優れたICチップ実装用基板を製造することができる。
本発明のマザーボード用基板の製造方法は、上述した構成からなるため、本発明のマザーボード用基板、すなわち、層間樹脂絶縁層やソルダーレジスト層に設けられた光信号伝送用光路および光導波路を介して光信号の伝送を行うマザーボード用基板を好適に製造することができる。従って、本発明の製造方法を用いることにより、光信号の伝送性に優れたマザーボード用基板を製造することができる。
まず、本発明のICチップ実装用基板について説明する。
本発明のICチップ実装用基板は、基板の両面に導体回路と層間樹脂絶縁層とが積層形成され、最外層にソルダーレジスト層が形成されるとともに、光学素子が実装されたICチップ実装用基板であって、
少なくとも上記層間樹脂絶縁層および上記ソルダーレジスト層に光信号伝送用光路が形成されており、上記光信号伝送用光路の上記ソルダーレジスト層を貫通する部分以外の部分には、樹脂組成物が充填されており、
上記光信号伝送用光路のうち、上記ソルダーレジスト層を貫通する部分の断面の径が、上記層間樹脂絶縁層に形成された部分の断面の径よりも小さいことを特徴とする。
本発明のICチップ実装用基板では、光信号伝送用光路のソルダーレジスト層を貫通する部分の断面の径が、層間樹脂絶縁層に形成された部分の断面の径よりも小さい。そのため、上記ICチップ実装用基板では、上記光信号伝送用光路に充填された樹脂組成物と、上記層間樹脂絶縁層との境界部分が上記ソルダーレジスト層の一部で覆い隠された状態となっており、上記境界部分および上記樹脂組成物の外縁付近は、上記ソルダーレジスト層によって接着されることとなる。その結果、上記樹脂組成物と上記基板および上記層間樹脂絶縁層との間では、剥離やクラックが発生しにくく、上記ICチップ実装用基板は、耐久性、信頼性に優れることとなる。
さらに、上記ソルダーレジスト層を貫通する光信号伝送用光路の径が、上記基板および層間樹脂絶縁層を貫通する光信号伝送用光路の径よりも小さくなっているため、受光素子で受信する光信号や、発光素子から発信する光信号の拡散を抑えることができ、効率よく受光素子に光信号を伝送することができるとともに、効率よく発光素子から光信号を伝送することができる。
さらに、本発明のICチップ実装用基板において、上記樹脂組成物の端部であって、上記光信号伝送用光路の上記ソルダーレジスト層を貫通する部分にマイクロレンズが配設されている場合には、受光素子に入射する光信号や、発光素子から出射する光信号がマイクロレンズを通過することとなり、光信号の拡散を抑えることができ、光学素子の入出力信号を効率よく伝送することが可能となる。従って、光信号に損失が発生しにくく、伝送損失を抑えたICチップ実装用基板を実現することができる。
また、上記ICチップ実装用基板に配設された光学素子と外部基板等に実装した光学部品等との間で、より確実に光信号の伝送を行うことが可能となり、光信号の伝送の信頼性が高い光通信を実現することができる。
本発明のICチップ実装用基板では、上記光信号伝送用光路の上記ソルダーレジスト層を貫通する部分以外の部分には、樹脂組成物が充填されている。樹脂組成物を充填することにより、ICチップ実装用基板の強度の低下を防ぐことができる。
また、上記樹脂組成物が充填されていると、該光信号伝送用光路にゴミや異物が入り込むことを防止することができ、ゴミや異物等の存在に起因して光信号の伝送が阻害されることを防止することができる。
なお、上記ソルダーレジスト層を貫通する部分には、上記樹脂組成物が充填されていてもよく、充填されていなくてもよい。
なお、本発明のICチップ実装用基板では、ソルダーレジスト層を貫通する部分が空隙により構成され、ソルダーレジスト層を貫通する部分以外の部分に樹脂組成物が充填されていることが望ましい。通常、基板や層間樹脂絶縁層は樹脂との密着性が高く、ソルダーレジスト層は樹脂との密着性が低いからである。
上記樹脂組成物の樹脂成分としては、通信波長帯での吸収が少ないものであれば特に限定されず、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、感光性樹脂、熱硬化性樹脂の一部が感光性化された樹脂等が挙げられる。
具体的には、例えば、エポキシ樹脂、UV硬化性エポキシ樹脂、ポリオレフィン系樹脂、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、重水素化PMMA、重水素フッ素化PMMA等のアクリル樹脂、フッ素化ポリイミド等のポリイミド樹脂、重水素化シリコーン樹脂等のシリコーン樹脂、ベンゾシクロブテンから製造されるポリマー等が挙げられる。
また、上記樹脂組成物には、上記樹脂成分以外に、例えば、樹脂粒子、無機粒子、金属粒子等の粒子が含まれていてもよい。これらの粒子を含ませることにより光信号伝送用光路と、基板、層間樹脂絶縁層、ソルダーレジスト層等との間で熱膨張係数の整合を図ることができ、また、粒子の種類によっては難燃性を付与することもできる。
上記樹脂粒子としては、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、感光性樹脂、熱硬化性樹脂の一部が感光性化された樹脂、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との樹脂複合体、感光性樹脂と熱可塑性樹脂との複合体等が挙げられる。
具体的には、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂等の熱硬化性樹脂;これらの熱硬化性樹脂の熱硬化基(例えば、エポキシ樹脂におけるエポキシ基)にメタクリル酸やアクリル酸等を反応させ、アクリル基を付与した樹脂;フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリスルフォン(PSF)、ポリフェニレンスルホン(PPS)、ポリフェニレンサルファイド(PPES)、ポリフェニルエーテル(PPE)、ポリエーテルイミド(PI)等の熱可塑性樹脂;アクリル樹脂等の感光性樹脂等が挙げられる。
また、上記熱硬化性樹脂と上記熱可塑性樹脂との樹脂複合体や、上記アクリル基を付与した樹脂や上記感光性樹脂と上記熱可塑性樹脂との樹脂複合体を用いることもできる。
また、上記樹脂粒子としては、ゴムからなる樹脂粒子を用いることもできる。
また、上記無機粒子としては、例えば、アルミナ、水酸化アルミニウム等のアルミニウム化合物、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム等のカルシウム化合物、炭酸カリウム等のカリウム化合物、マグネシア、ドロマイト、塩基性炭酸マグネシウム等のマグネシウム化合物、シリカ、ゼオライト等のケイ素化合物、チタニア等のチタン化合物等が挙げられる。
また、上記無機粒子として、リンやリン化合物からなるものを用いることもできる。
また、少なくけとも2種類の無機材料を混合、溶融した混合組成の粒子であってもよい。
上記金属粒子としては、例えば、Au、Ag、Cu、Pd、Ni、Pt、Fe、Zn、Pb、Al、Mg、Ca等が挙げられる。
これらの樹脂粒子、無機粒子および金属粒子の粒子は、それぞれ単独で用いても良いし、2種以上併用してもよい。
また、上記粒子の形状は特に限定されず、例えば、球状、楕円球状、破砕状、多面体状等が挙げられる。これらのなかでは、球状、または、楕円球状が望ましい。粒子に角がないため、光信号伝送用光路に充填された樹脂組成物にクラック等がより発生しにくいからである。
また、上記粒子の粒径(粒子の一番長い部分の長さ)は、通信波長より短いことが望ましい。粒径が通信波長より長いと、場合によっては、光信号の伝送を阻害することがあるからである。
また、上記粒子の平均粒径の下限は0.01μmが望ましく、0.1μmがより望ましく、0.2μmが特に望ましい。一方、上記粒子の平均粒径の上限は0.8μmが望ましく、0.6μmがより望ましい。この粒径の範囲であれば、2種類以上の異なる粒径の粒子を含有してもよい。なお、本明細書において、粒径とは、粒子の一番長い部分の長さをいう。
上記樹脂組成物が含有する粒子の配合量の下限は10重量%が望ましく、上限は50重量%が望ましい。粒子の配合量が10重量%未満であると、粒子を配合させる効果が得られないことがあり、粒子の配合量が50重量%を超えると、光信号伝送用光路内に充填しづらくなるからである。より望ましい上記粒子の配合量の下限は20重量%であり、より望ましい上記粒子の配合量の上限は40重量%である。
また、本発明のICチップ実装用基板においては、上記光信号伝送用光路のうち、上記ソルダーレジスト層を貫通する部分の断面の径が、上記基板および上記層間樹脂絶縁層に形成された部分の断面の径よりも小さい。
また、上記光信号伝送用光路のソルダーレジスト層を貫通する部分の断面の径の具体的な大きさは、上記基板および上記層間樹脂絶縁層に形成された部分の断面の径よりも小さければ特に限定されず、ICチップ実装用基板の設計に応じて適宜選択すればよいが、通常、50〜490μm程度であることが望ましい。
なお、上記ソルダーレジスト層を貫通する部分や、上記基板および上記層間樹脂絶縁層に形成された部分の具体的な形状については、後に詳述する。
また、上記樹脂組成物の周囲に導体層が形成されていてもよい。
上記導体層を形成することにより、光信号伝送用光路の壁面での光の乱反射を低減し、光信号の伝送性を向上させることができる。上記導体層は、1層から形成されていてもよく、2層以上から構成されていてもよい。
上記導体層の材料としては、例えば、銅、ニッケル、クロム、チタン、貴金属等が挙げられる。
また、上記導体層は、場合によっては、スルーホールとしての役目、すなわち、基板を挟んだ導体回路間や、基板と層間樹脂絶縁層とを挟んだ導体回路間を電気的に接続する役目を果たすことができる。
また、上記導体層は、光沢を有する金属(例えば、金、銀、ニッケル、白金、アルミニウム、ロジウム等)により形成されていてもよい。このような光沢を有する金属からなる導体層が形成されている場合、光信号が、光信号伝送用光路の壁面で好適に反射されることとなり、信号強度の減衰等が発生しにくくなるからである。
さらに、導体層の表面自体をエッチング処理等により粗化面としてもよい。
また、上記導体層の上に、さらに、スズ、チタン、亜鉛等からなる被覆層や粗化層を設けてもよい。上記被覆層や粗化層を設けることにより、光の乱反射をより低減し、光信号の伝送性を向上させたり、光信号伝送用光路と、基板や層間樹脂絶縁層との密着性を向上させたりすることができる。
また、上記樹脂組成物が充填された光信号伝送用光路の基板および層間樹脂絶縁層を貫通する部分や上記導体層は、基板や層間樹脂絶縁層と粗化面を介して接していてもよい。上記光信号伝送用光路等が、粗化面を介して接している場合には、基板や層間樹脂絶縁層との密着性に優れ、光信号伝送用光路等の剥離がより発生しにくいからである。
また、本発明のICチップ実装用基板には、受光素子や発光素子等の光学素子が実装されている。
上記受光素子としては、例えば、PD(フォトダイオード)、APD(アバランシェフォトダイオード)等が挙げられる。
これらは、上記ICチップ実装用基板の構成や、要求特性等を考慮して適宜使い分ければよい。
上記受光素子の材料としては、Si、Ge、InGaAs等が挙げられる。
これらのなかでは、受光感度に優れる点からInGaAsが望ましい。
上記発光素子としては、例えば、LD(半導体レーザ)、DFB−LD(分布帰還型−半導体レーザ)、LED(発光ダイオード)、インフラ型または酸化狭窄型のVCSEL(面発光半導体レーザ)等が挙げられる。
これらは、上記ICチップ実装用基板の構成や要求特性等を考慮して適宜使い分ければよい。
上記発光素子の材料としては、ガリウム、砒素およびリンの化合物(GaAsP)、ガリウム、アルミニウムおよび砒素の化合物(GaAlAs)、ガリウムおよび砒素の化合物(GaAs)、インジウム、ガリウムおよび砒素の化合物(InGaAs)、インジウム、ガリウム、砒素およびリンの化合物(InGaAsP)等が挙げられる。
これらは、通信波長を考慮して使い分ければよく、例えば、通信波長が0.85μm帯の場合にはGaAlAsを使用することができ、通信波長が1.3μm帯や1.55μm帯の場合には、InGaAsやInGaAsPを使用することができる。
なお、これらの発光素子および受光素子のそれぞれは、マルチチャンネルのアレイ素子であってもよい。
上記光学素子の実装位置は、上記ICチップ実装用基板の表面であることが望ましい。上述したように、光学素子がICチップ実装用基板の表面に実装されている場合は、一の光学素子に不都合が発生した際に、その光学素子のみを取り替えればよいからである。
また、上記ICチップ実装用基板の表面には、コンデンサ等の電子部品も実装されていることが望ましい。上記光学素子の場合と同様、不都合の発生した部品のみを取り替えることができるからである。
また、光学素子としてワイヤボンディング型の光学素子を実装した場合には、この光学素子を樹脂封止してもよい。さらに、この場合は、光学素子のみを樹脂封止してもよいし、ICチップ等の他の実装部品を含めて全体を樹脂封止してもよい。
また、光学素子としてフリップチップ型の光学素子を実装した場合には、この光学素子に対して、アンダーフィルを封止してもよいし、光学素子の周囲のみ封止してもよく、さらに、全体をカバーケースで覆ってもよい。これにより、光路にゴミや異物が入り込むことを防止することができる。なお、アンダーフィルを封止するか否か、封止する場合のアンダーフィルの屈折率の値等は、設計に応じて適宜選択すればよい。
また、本発明のICチップ実装用基板においては、上記光信号伝送用光路の上記ソルダーレジスト層を貫通する部分以外の部分に充填された樹脂組成物の端部であって、上記光信号伝送用光路のソルダーレジスト層を貫通する部分にマイクロレンズが配設されていることが望ましい。より確実に光信号を伝送することができるからである。
上記マイクロレンズとしては特に限定されず、光学レンズに使用されているものが挙げられ、その材質の具体例としては、光学ガラス、光学レンズ用樹脂等が挙げられる。上記光学レンズ用樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の上記光信号伝送用光路に充填する樹脂組成物として説明したポリマー材料と同様の材料等が挙げられる。
上記マイクロレンズの屈折率は特に限定されず、上記樹脂組成物の屈折率と同一であってもよく、大きくてもよい。
上記マイクロレンズの屈折率が上記光信号伝送用光路の屈折率と同一である場合には、両者の界面で光信号の反射が発生しないため、より確実に光信号の伝送を行うことができ、上記マイクロレンズの屈折率が上記光信号伝送用光路の屈折率より大きい場合には、所望の方向に光信号をより集光させることができるため、より確実に光信号の伝送を行うことができる。
また、上記マイクロレンズの形状としては、例えば、片面にのみ凸面を有する凸形状レンズ等が挙げられ、この場合、上記レンズの凸面の曲率半径は、光信号伝送用光路の設計等を考慮して適宜選択すればよい。具体的には、例えば、焦点距離を長くする必要があるときには、曲率半径を小さくすることが望ましく、焦点距離を短くする必要があるときには、曲率半径を大きくすることが望ましい。
なお、上記マイクロレンズの形状は、凸形状レンズに限定されるわけではなく、光信号を所望の方向に集光することができる形状であればよい。
上記マイクロレンズは、その通信波長光の透過率が70%以上であることが望ましい。
通信波長光の透過率が70%未満では、光信号の損失が大きく、光信号の伝送性の低下に繋がることがあるからである。上記透過率は、90%以上であることがより望ましい。
なお、本明細書において、通信波長光の透過率とは、長さ1mmあたりの通信波長光の透過率をいう。具体的には、例えば、強さIの光がマイクロレンズに入射し、該マイクロレンズを1mm通過して出てきたとした際に、出てきた光の強さがIである場合に下記式(1)により算出される値である。
透過率(%)=(I/I)×100・・・(1)
なお、上記透過率とは、25〜30℃で測定した透過率をいう。
また、上記マイクロレンズには、樹脂粒子、無機粒子、金属粒子等の粒子が含まれていてもよい。
粒子を含ませることにより、マイクロレンズの強度が向上し、形状がより確実に維持されることとなるとともに、上記ICチップ実装用基板や上記多層プリント配線板との間で熱膨張係数を整合させることができ、熱膨張係数の差に起因したクラック等がより発生しにくくなるからである。
上記マイクロレンズに粒子が含まれている場合、該マイクロレンズの樹脂成分の屈折率と、上記粒子の屈折率とは同程度であることが望ましい。そのため、マイクロレンズに含まれる粒子は、屈折率の異なる2種類以上の粒子を混ぜ合わせて、粒子の屈折率が樹脂成分の屈折率と同程度になるようにしたものであることが望ましい。
具体的には、例えば、樹脂成分が屈折率1.53のエポキシ樹脂である場合、マイクロレンズに含まれる粒子は、屈折率が1.46のシリカ粒子と屈折率が2.65のチタニア粒子とを混ぜ合わせて、溶解して粒子としたもの等が望ましい。
なお、粒子を混ぜ合わせる方法としては、混練する方法、2種類以上の粒子を溶かして混ぜ合わせた後、粒子状にする方法等が挙げられる。
なお、上記粒子の具体例としては、上記樹脂組成物に添加される粒子と同様のもの等が挙げられる。
また、上記粒子の形状は特に限定されず、例えば、球状、楕円球状、破砕状、多面体状等が挙げられる。これらのなかでは、球状、または、楕円球状が望ましい。球状や楕円球状の粒子には角がないため、マイクロレンズにクラック等がより発生しにくいからである。
さらに、上記粒子の形状が球状または楕円球状である場合には、該粒子で光が反射しにくく、光信号の損失が低減されることとなる。
また、上記粒子の粒径(粒子の最大長さ)は特に限定されないが、その上限は0.8μm、その下限は0.01μmが望ましい。
上記マイクロレンズは、通常、インクジェット装置やディスペンサーを用いて配設されることとなるが、インクジェット装置の塗布ノズルの内径や、ディスペンサーのノズル内径寸法は、20μmが現在の最小寸法であり、粒径が上記範囲にある場合には、ノズルが詰まることなく、塗布することができるからである。
また、上記粒径の下限は0.1μmであることがより望ましい。
上記粒径が、この範囲にあることはインクジェット装置やディスペンサー等による塗布での粘度の安定性や、塗布量のバラツキの観点からより望ましいからである。
上記マイクロレンズに含まれる粒子の配合量の望ましい下限は5重量%であり、より望ましい下限は10重量%である。一方、上記粒子の配合量の望ましい上限は60重量%であり、より望ましい上限は50重量%である。粒子の配合量が5重量%未満であると、粒子を配合させる効果が得られないことがあり、粒子の配合量が60重量%を超えると、光信号の伝送が阻害されることがあるからである。
また、上記マイクロレンズは、樹脂組成物の端部に直接されていてもよいし、光学接着剤を介して配設されていてもよい。
上記光学接着剤としては特に限定されず、エポキシ樹脂系、アクリル樹脂系、シリコーン樹脂系等の光学接着剤を用いることができる。
上記光学接着剤の特性は、粘度:0.2〜1.0Pa・s、屈折率:1.4〜1.6、光透過率:80%/mm以上、熱膨張係数(CTE):4.0×10−5〜9.0×10−5(/℃)であることが望ましい。
また、上記光学接着剤の厚さは、50μm以下であることが望ましい。
また、上記マイクロレンズが配設される領域には、表面処理が施されていてもよい。
インクジョット装置等でマイクロレンズを形成するための樹脂を塗布した際に、ソルダーレジスト層を形成するまでの工程条件のバラツキや放置時間に起因するマイクロレンズを配設する部位の濡れ性のバラツキにより、マイクロレンズの形状、特にサグ高さにバラツキが発生しやすいのに対し、撥水コート剤による表面処理等を施すことにより、サグ高さのバラツキを抑えることができる。
上記表面処理としては、例えば、フッ素系ポリマーコーティング剤(表面張力10〜12mN/m)等の撥水コート剤による処理、CFプラズマによる撥水処理、Oプラズマによる親水処理等が挙げられる。
上記表面処理の具体的な方法について簡単に説明しておく。
上記撥水コート剤による処理を行う場合には、まず、ICチップ実装用基板のマイクロレンズを形成する部分に対応する部分が開口したマスクを行い、次に、スプレー塗布やスピンコータでの塗布により撥水コート剤を塗布し、その後、撥水コート剤を自然乾燥させ、さらにマスクを剥がすことにより表面処理を終了する。なお、撥水コート剤層の厚さは、通常、1μm程度である。
ここでは、メッシュ版やレジスト形成したマスクを用いればよい。
なお、撥水コート剤による処理を行う場合には、マスクを用いることなく、ソルダーレジスト層の壁面を含む露出面全体に撥水コート剤による処理を施してもよい。ソルダーレジスト層がマイクロレンズを形成する際にダムの効果を果たすこととなるからである。
また、上記CFプラズマによる撥水処理を行う場合には、まず、ICチップ実装用基板のマイクロレンズを形成する部分に対応する部分が開口したマスクを行い、次に、CFプラズマ処理を行い、さらにマスクを剥がすことにより表面処理を終了する。
ここでは、レジスト形成したマスクを用いればよい。
また、上記Oプラズマによる親水処理を行う場合には、まず、ICチップ実装用基板のマイクロレンズを形成する部分に対応する部分が開口したマスクを行い、次に、Oプラズマ処理を行い、さらにマスクを剥がすことにより表面処理を終了する。
ここでは、メタル版やレジスト形成したマスクを用いればよい。
また、上記撥水処理(撥水コート剤による処理含む)と親水処理とを組み合わせて行うことが望ましい。
上述したような表面処理の効果について、850plの光学レンズ用樹脂をインクジェットで塗布し、直径220μm、サグ高さ10μmのマイクロレンズを形成した場合の形状(マイクロレンズの径、および、サグ高さ)を検証してみたところ以下のような結果が得られた。
即ち、フッ素系ポリマーコーティング剤による全面処理(ソルダーレジスト層の壁面を含む露出面全体を処理)を施した場合には、ソルダーレジスト層の濡れ角は100〜105°であり、平均サグ高さ10.03μm(標準偏差σ:0.25)、平均直径220.93μm(σ:3.15)のマイクロレンズを形成することができた。
また、フッ素系ポリマーコーティング剤による部分処理(ソルダーレジスト層の表面のみを処理)を施した場合には、ソルダーレジスト層の濡れ角は100〜105°であり、平均サグ高さ9.95μm(標準偏差σ:0.36)、平均直径220.67μm(σ:4.27)のマイクロレンズを形成することができた。
また、CFプラズマによる全面撥水処理を150〜300秒間施した場合には、処理した部分の濡れ角は80〜95°であり、平均サグ高さ9.98μm(σ:0.41)、平均直径221.07μm(σ:3.36)のマイクロレンズを形成することができた。
また、CFプラズマによる部分撥水処理を150〜300秒間施した場合には、処理した部分の濡れ角は80〜95°であり、平均サグ高さ9.87μm(σ:0.44)、平均直径230.67μm(σ:4.91)のマイクロレンズを形成することができた。
さらに、Oプラズマによる親水処理を30〜120秒間施した場合には、処理した部分の濡れ角は3〜10°であり、平均サグ高さ9.87μm(σ:0.41)、平均直径233.93μm(σ:5.65)のマイクロレンズを形成することができた。
従って、表面処理を施すことにより、より形状の均一なマイクロレンズを形成することができることが明らかとなった。
なお、部分撥水処理は、直径230μmのマスク部を有するメッシュ版を認識マークにより位置合わせを行って、四隅を両面テープで固定し、スプレー塗布またはプラズマ処理を施すことにより行い、部分親水処理は、直径230μmの開口を有するメタルマスクを認識マークにより位置合わせを行って、四隅を両面テープで固定し、プラズマ処理を施すことにより行った。
また、表面処理を施す際に、マスク部や開口部大きさは、メッシュ版等の位置合わせの精度の点から、光信号伝送用光路のソルダーレジスト層を貫通する部分の断面の径より10μm程度大きい大きさであることが望ましい。
なお、本明細書において、マイクロレンズのサグ高さとは、ソルダーレジスト層の表面から突出した部分の高さをいう。
また、本発明のICチップ実装用基板においては、最外層にソルダーレジスト層が形成されているが、このソルダーレジスト層の厚さは、その下限が10μmであることが望ましく、15μmであることがより望ましい。一方、その上限は、40μmであることが望ましく、30μmであることがより望ましい。
また、本発明のICチップ実装用基板においては、上記基板を挟んだ導体回路間がスルーホールを介して接続され、上記層間樹脂絶縁層を挟んだ導体回路間がバイアホールを介して接続されていることが望ましい。ICチップ実装用基板の高密度配線を実現しつつ、その小型化を図ることができるからである。
次に、本発明のICチップ実装用基板の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図1〜3のそれぞれは、本発明のICチップ実装用基板の一例を模式的に示す断面図である。
本発明のICチップ実装用基板の実施形態は、光信号伝送用光路の形態により、大きく3つの形態に分けることができる。
すなわち、光信号伝送用光路が一括貫通孔構造の場合(以下、第一の実施形態のICチップ実装用基板ともいう)、個別貫通孔構造の場合(以下、第二の実施形態のICチップ実装用基板ともいう)、凹部形状の場合(以下、第三の実施形態のICチップ実装用基板ともいう)の3つの形態に分けることができる。
図1には、第一の実施形態のICチップ実装用基板を示す。なお、図1には、光信号伝送用光路のソルダーレジスト層を貫通する部分にマイクロレンズが配設された形態のICチップ実装用基板を示す。
図1に示すように、ICチップ実装用基板120は、基板121の両面に導体回路124と層間樹脂絶縁層122とが積層形成され、基板121を挟んだ導体回路間、および、層間樹脂絶縁層122を挟んだ導体回路間は、それぞれ、スルーホール129およびバイアホール127により電気的に接続されている。また、最外層にはソルダーレジスト層134が形成されている。
このICチップ実装用基板120では、基板121、層間樹脂絶縁層122およびソルダーレジスト層134を貫通するように光信号伝送用光路142が設けられている。
この光信号伝送用光路142では、基板121および層間樹脂絶縁層122を貫通する部分に樹脂組成物147が充填されている。
そして、ソルダーレジスト層134を貫通する部分の径は、基板121および層間樹脂絶縁層122を貫通する部分の径よりも小さくなっている。ソルダーレジスト層134を貫通する部分の縦断面の形状は矩形状である。
なお、光信号伝送用光路のソルダーレジスト層を貫通する部分には、樹脂組成物が充填されていてもよい。また、上記樹脂組成物の周囲には、導体層が形成されていてもよい。
ICチップ実装用基板120の一の面には、受光部139a〜139dのそれぞれが光信号伝送用光路142に対向するように、4チャンネルの受光素子139が半田接続部144を介して表面実装されるとともに、ICチップ140が半田接続部143を介して表面実装されている。また、ICチップ実装用基板120の他の面のソルダーレジスト層134には、半田バンプ137が形成されている。
従って、4チャンネルの受光素子139への入力信号は、光信号伝送用光路142を介して伝送することができる。ここで、光信号伝送用光路142は、4チャンネル分の光信号を伝送することができる大きさで、基板121、層間樹脂絶縁層122およびソルダーレジスト層134を貫通するように一括形成されている。
また、このような光信号伝送用光路142の受光素子139が実装された側と反対側の樹脂組成物147の端部であって、ソルダーレジスト層134を貫通する部分には4つのマイクロレンズレンズ146a〜146dが配設されている。ここで、マイクロレンズ146a〜146dのそれぞれは、受光素子139の各チャンネル139a〜139dに対応する位置に配置されている。
従って、受光素子139への光信号は、マイクロレンズ146a〜146dを通過することとなり、このように、光信号伝送用光路142のソルダーレジスト層を貫通する部分にマイクロレンズを配設することにより、光信号の伝送損失を抑えることができる。
光信号伝送用光路142に配設されるマイクロレンズレンズの数は2つ以上であれば特に限定されず、4つ以上であってもよい。
このような構成からなるICチップ実装用基板120において、外部の光学部品(光ファイバや光導波路等)を介して伝送されてきた電気信号は、マイクロレンズ146a〜146dおよび光信号伝送用光路142を介して受光素子139(受光部139a)に伝送され、この受光素子139で電気信号に変換された後、半田接続部143、導体回路124、バイアホール127等を介してICチップ140に送られ、処理されることとなる。
本発明のICチップ実装用基板では、ICチップに近い位置に実装された受光素子において、光/電気信号変換を行うため、電気信号の伝送距離が短く、信号伝送の信頼性に優れ、より高速通信に対応することができる。
また、ICチップ実装用基板120では、ソルダーレジスト層134に金属めっき層を介して半田バンプ137が形成されているため、ICチップ140と外部基板等との間での電気信号の伝送は、半田バンプ137を介しても行うことができる。
このように半田バンプが形成されている場合には、上記ICチップ実装用基板をマザーボード用基板等の外部基板と半田バンプを介して接続することができ、この場合には、半田が有するセルフアライメント作用により上記ICチップ実装用基板を所定の位置に配置することができる。
なお、上記セルフアラインメント作用とは、リフロー処理時に半田が自己の有する流動性により半田バンプ形成用開口の中央付近により安定な形状で存在しようとする作用をいい、この作用は、半田がソルダーレジスト層にはじかれるとともに、半田が金属に付く場合には、球形になろうとする表面張力が強く働くために起こるものと考えられる。
このセルフアライメント作用を利用した場合、上記半田バンプを介して、上記ICチップ実装用基板を外部基板に接続する際に、リフロー前には両者に位置ズレが発生していたとしても、リフロー時に上記ICチップ実装用基板が移動し、該ICチップ実装用基板を外部基板上の正確な位置に取り付けることができる。
従って、上記ICチップ実装用基板に実装された光学素子と、外部の光学部品とを光信号伝送用光路を介して、光信号の伝送を行う場合に、上記ICチップ実装用基板に実装された光学素子の実装位置が正確であれば、上記ICチップ実装用基板と上記外部基板との間で正確な光信号の伝送を行うことができる。
このように、光学素子として、マルチチャンネルのアレイ素子が実装されたICチップ実装用基板において、マイクロレンズを配設する場合、該マイクロレンズの径は、アレイ素子における各チャンネル間のピッチに応じて適宜決定すればよく、例えば、250μmピッチのアレイ素子を用いる場合には、100〜240μmが望ましく、180〜230μmがより望ましい。100μm未満では、所望の焦点距離を得ることができない場合があり、240μmを超えると隣合うマイクロレンズ同士が接触してしまい、マイクロレンズを所定の位置に配置することができなくなる場合がある。
また、例えば、500μmピッチのアレイ素子を用いる場合には、100〜490μmが望ましく、180〜480μmがより望ましい。100μm未満では、所望の焦点距離を得ることができない場合があり、490μmを超えると隣合うマイクロレンズ同士が接触してしまい、マイクロレンズを所定の位置に配置することができなくなる場合がある。
また、上記一括貫通孔構造の光信号伝送用光路の形状としては、光信号伝送用光路の基板や層間樹脂絶縁層を貫通する部分、および、光信号伝送用光路のソルダーレジスト層を貫通する部分ともに、例えば、円柱、角柱、楕円柱、複数の円柱が並列に並べられ、互いに隣り合う円柱の側面の一部が繋がった形状、直線と円弧とで囲まれた底面を有する柱状体等が挙げられる。なお、上記基板や層間樹脂絶縁層を貫通する部分と、上記ソルダーレジスト層を貫通する部分とは、必ずしも同一の形状を有している必要はない。
また、光信号伝送用光路のソルダーレジスト層を貫通する部分の縦断面の形状は、場合によっては、基板および層間樹脂絶縁層側が短辺となる台形状であってもよい。この場合、その短辺の長さが、ソルダーレジスト層を貫通する部分の断面の径となる。
また、第一の実施形態のICチップ実装用基板では、図1に示すように、基板と層間樹脂絶縁層と貫通する部分には一括貫通光構造の光信号伝送用光路が形成され、ソルダーレジスト層を貫通する部分は、受光素子の受光部に対応する部分にのみ光信号伝送用光路が形成されていてもよいし、ソルダーレジスト層を貫通する部分にも一括貫通光構造の光信号伝送用光路が形成されていてもよい。
また、上記光信号伝送用光路の形状が、複数の円柱が並列に並べられ、互いに隣り合う円柱の側面の一部が繋がった形状である場合には、その一部に、実際には、光信号伝送用光路として機能しないダミー円柱が形成されていてもよい。
上記一括貫通孔構造の光信号伝送用光路において、基板および層間樹脂絶縁層を貫通する部分の断面の大きさは、縦、横のそれぞれが100μm〜5mmであることが望ましい。
また、上記断面の形状が円形である場合には、その直径が上記範囲にあることが望ましい。
上記断面の径が100μm未満では、光信号の伝送が阻害されることがあり、一方、5mmを超えても、光信号の伝送損失の向上はみられず、上記ICチップ実装用基板の小型化が難しくなる。
また、上記一括貫通孔構造の光信号伝送用光路において、ソルダーレジスト層を貫通する部分の断面の径は、80μm〜4.98mmであることが望ましい。上記断面の径が80μm未満では、光信号の伝送が阻害されることがあり、一方、4.98mmを超えても、光信号の伝送損失の向上はみられず、上記ICチップ実装用基板の小型化が難しくなる。
次に、第二の実施形態のICチップ実装用基板について説明する。
図2には、第二の実施形態のICチップ実装用基板を示す。なお、図2には、光信号伝送用光路のソルダーレジスト層を貫通する部分にマイクロレンズが配設された形態のICチップ実装用基板を示す。
第二の実施形態のICチップ実装用基板、すなわち、個別貫通孔構造の光信号伝送用光路を有する実施形態のICチップ実装用基板は、図1に記載した実施形態のICチップ実装用基板と比べて、光信号伝送用光路の形状が異なる以外はその構成は、同一である。従って、ここでは、光信号伝送用光路の形状についてのみ詳細に説明することとする。
図2に示すように、ICチップ実装用基板220では、基板221、層間樹脂絶縁層222およびソルダーレジスト層234を貫通するように4つの独立した光信号伝送用光路242a〜242dが設けられている。
この光信号伝送用光路242a〜242dは、基板221および層間樹脂絶縁層222を貫通する部分に樹脂組成物247が充填されており、ソルダーレジスト層234を貫通する部分は、空隙により構成されている。
そして、ソルダーレジスト層234を貫通する部分の断面の径は、基板221および層間樹脂絶縁層222を貫通する部分の断面の径より小さくなっている。ソルダーレジスト層234を貫通する部分の縦断面の形状は矩形状である。
ICチップ実装用基板220の一の面には、受光部239a〜239dのそれぞれが光信号伝送用光路242a〜242dのそれぞれに対向するように、4チャンネルの受光素子239が半田接続部244を介して表面実装されている。
従って、4チャンネルの受光素子239への入力信号は、光信号伝送用光路242a〜242dのいずれかを介して伝送することができる。ここで、各光信号伝送用光路は、4チャンネルの受光素子が有する各受光部239a〜239dからの光信号を伝送することができるように、個別に独立して形成されている。
なお、光信号伝送用光路のソルダーレジスト層を貫通する部分には、樹脂組成物が充填されていてもよい。また、光信号伝送用光路242a〜242dの基板221および層間樹脂絶縁層222を貫通する部分の周囲には導体層が形成されていてもよい。
上記導体層が形成されている場合、その材料等としては第一の実施形態で説明したものと同様のもの等が挙げられる。
また、このような光信号伝送用光路242a〜242dの受光素子239が実装された側と反対側の樹脂組成物247の端部であって、ソルダーレジスト層234を貫通する部分のそれぞれには、マイクロレンズ246a〜246dが配設されている。
従って、受光素子239への光信号は、マイクロレンズ246a〜246dを通過することとなる。このように、光信号伝送用光路242a〜242dの各一端にマイクロレンズ246a〜246dを配設することにより、光信号の伝送損失を抑えることができる。
第二の実施形態において、光信号伝送用光路242および光信号伝送用光路242に配設されるマイクロレンズレンズの数は2つ以上であれば特に限定されず、4つ以上であってもよい。
また、各光信号伝送用光路の断面の径について、該光信号伝送用光路の基板および層間樹脂絶縁層を貫通する部分は、その下限が150μmで、その上限が450μmであることが望ましい。
具体的には、250μmピッチのアレイ素子を用いる場合には、150〜200μmが望ましく、500μmピッチのアレイ素子を用いる場合には、150〜450μmが望ましい。
また、個別に形成された光信号伝送用光路の断面の径が150μm以上が望ましい理由は以下の通りである。
すなわち、上記形態の光信号伝送用光路は、基板および層間樹脂絶縁層を貫通する貫通孔を形成した後、該貫通孔内に必要に応じて樹脂組成物を充填することにより形成するのであるが、上記貫通孔は、通常ドリルを用いて形成され、ドリル加工で貫通孔を形成する場合、その径が150μm未満の貫通孔を形成することが困難だからである。
一方、上記光信号伝送用光路のソルダーレジスト層を貫通する部分の断面の径は、上記基板や層間樹脂絶縁層を貫通する部分の断面の径よりも20〜390μm小さいことが望ましく、30〜100μm小さいことがより望ましい。
20μm未満の場合には、ソルダーレジスト層を形成する際の露光、現像処理の精度により、ソルダーレジスト層の座切れ(層間樹脂絶縁層と樹脂組成物との界面を覆うようにソルダーレジスト層が形成されず、上記界面より外側にソルダーレジスト層の光路用開口が形成されてしまった状態)が発生してしまうことがある。なお、30μm以上小さいの場合には、座切れを生じることなく、確実に光路用開口を形成することができる。
一方、望ましい上限の390μmは、直径490μmの光路用貫通孔を500μmピッチで形成し、その径が100μmのマイクロレンズを配設する場合に許容される大きさであるが、光路用貫通孔の形成精度、ソルダーレジスト層の形成精度、伝送光が貫通孔等に壁面にぶつからないことが望ましいこと等を考慮した場合、ソルダーレジスト層に形成される光路用開口の断面の径は小さいことが望ましい。従って、その上限は100μmであることがより望ましい。
なお、上記光信号伝送用光路の基板、層間樹脂絶縁層を貫通する部分の断面の径とは、例えば、上記基板や層間樹脂絶縁層を貫通する部分が円柱状の場合にはその断面の直径、楕円柱状の場合にはその断面の長径、四角柱状や多角柱状の場合にはその断面の最も長い部分の長さをいい、また、上記光信号伝送用光路が、その入射端側から出射端側に向かって断面の径が一定でない場合には、入射端側の断面の径をいう。
また、本発明において、光信号伝送用光路の断面とは、ICチップ実装用基板の主面に平行な方向の断面をいい、光信号伝送用光路の縦断面とは、上記主面に垂直な方向の断面をいう。
また、上記光信号伝送用光路の形状は、光信号の入射端側から出射端側に向かって、その断面が連続的に小さくなる部分を含むような形状であってもよい。
また、上記光信号伝送用光路のソルダーレジスト層を貫通する部分縦断面の形状は、場合によっては、層間樹脂絶縁層側が短辺となる台形状であってもよい。
このような構成からなるICチップ実装用基板220においても、外部の光学部品(光ファイバや光導波路等)を介して伝送されてきた電気信号は、マイクロレンズ246a〜246dおよび光信号伝送用光路242を介して受光素子239(受光部239a)に伝送され、この受光素子239で電気信号に変換された後、半田接続部243、導体回路224、バイアホール227等を介してICチップ240に送られ、処理されることとなる。
本発明のICチップ実装用基板では、ICチップに近い位置に実装された受光素子において、光/電気信号変換を行うため、電気信号の伝送距離が短く、信号伝送の信頼性に優れ、より高速通信に対応することができる。
このような実施形態のICチップ実装用基板においても、光信号伝送用光路に配設するマイクロレンズの径は、アレイ素子における各チャンネル間のピッチに応じて適宜決定すればよく、例えば、250μmピッチのアレイ素子を用いる場合には、100〜190μmが望ましい。
また、例えば、500μmピッチのアレイ素子を用いる場合には、100〜490μmが望ましく、180〜480μmがより望ましい。
また、上記マイクロレンズの径は、上記光信号伝送用光路のソルダーレジスト層を貫通する部分の断面の径と同一であることが望ましい。
また、上記個別貫通孔構造の各光信号伝送用光路の形状としては、光信号伝送用光路の基板や層間樹脂絶縁層に形成された部分、および、光信号伝送用光路のソルダーレジスト層を貫通する部分ともに、例えば、円柱、角柱、楕円柱、直線と円弧とで囲まれた底面を有する柱状体等が挙げられる。なお、上記基板や層間樹脂絶縁層に形成された部分と、上記ソルダーレジスト層を貫通する部分とは、必ずしも同一の形状を有している必要はない。
次に、第三の実施形態のICチップ実装用基板について説明する。
図3には、第三の実施形態のICチップ実装用基板を示す。なお、図3には、光信号伝送用光路のソルダーレジスト層を貫通する部分にマイクロレンズが配設された形態のICチップ実装用基板を示す。
図3に示すように、ICチップ実装用基板320は、基板321の両面に導体回路324と層間樹脂絶縁層322とが積層形成され、基板321を挟んだ導体回路間、および、層間樹脂絶縁層322を挟んだ導体回路間は、スルーホール329およびバイアホール327により電気的に接続されている。また、最外層にはソルダーレジスト層334が形成されている。
さらに、ICチップ実装用基板320には、凹部形状の光信号伝送用光路342が形成されている。この光信号伝送用光路342内には、4チャンネルの受光素子339とICチップ340とのそれぞれがワイヤボンディング349により実装されており、さらに、光信号伝送用光路342の一部には、樹脂組成物347が充填されている。
また、凹部形状の光信号伝送用光路を形成した側のソルダーレジスト層334には、半田バンプ337が形成されている。
なお、ICチップは、光信号伝送用光路が形成された側と反対側の表面に実装されていてもよい。
従って、4チャンネルの受光素子339への入力信号は、光信号伝送用光路342を介して伝送されることとなる。ここで、光信号伝送用光路342は、4チャンネル分の光信号を伝送することができる大きさで、層間樹脂絶縁層322およびソルダーレジスト層334の一部に凹部形状に形成されている。
なお、光信号伝送用光路342のソルダーレジスト層334を貫通する部分は、図3に示したように樹脂組成物が充填されていてもよいし、空隙により形成されていてもよい。
また、このような光信号伝送用光路342の受光素子339が実装された側と反対側の樹脂組成物347の端部であって、ソルダーレジスト層334を貫通する部分には、4つのマイクロレンズ346a〜346dが配設されている。ここで、マイクロレンズ346a〜346dのそれぞれは、受光素子339の各チャンネル339a〜339dに対応する位置に個別に配設されている。
従って、受光素子339への光信号は、マイクロレンズ346a〜346dを通過することとなる。このように、光信号伝送用光路342にマイクロレンズ346a〜346dを配設することにより、光信号の伝送損失を抑えることができる。
第三の実施形態において、光信号伝送用光路342に配設されるマイクロレンズレンズの数は2つ以上であれば特に限定されず、4つ以上であってもよい。
このような構成からなるICチップ実装用基板320においても、外部の光学部品(光ファイバや光導波路等)を介して伝送されてきた電気信号は、マイクロレンズ346a〜346dおよび光信号伝送用光路342を介して受光素子339(受光部339a)に伝送され、この受光素子339で電気信号に変換された後、ワイヤボンディング349、導体回路324、バイアホール327等を介してICチップ340に送られ、処理されることとなる。
本発明のICチップ実装用基板では、ICチップに近い位置に実装された受光素子において、光/電気信号変換を行うため、電気信号の伝送距離が短く、信号伝送の信頼性に優れ、より高速通信に対応することができる。
また、ICチップ実装用基板320では、ソルダーレジスト層334に金属めっき層を介して半田バンプ337が形成されているため、ICチップ340と外部基板等との間での電気信号の伝送は、半田バンプ337を介しても行うことができる。
このように半田バンプが形成されている場合には、上記ICチップ実装用基板をマザーボード用基板等の外部基板と半田バンプを介して接続することができ、この場合には、半田が有するセルフアライメント作用により上記ICチップ実装用基板を所定の位置に配置することができる。
また、上記凹部形状の光信号伝送用光路の形状としては、上記光信号伝送用光路の層間樹脂絶縁層に形成された部分、および、上記光信号伝送用光路のソルダーレジスト層を貫通する部分ともに、例えば、円柱、角柱、楕円柱、複数の円柱が並列に並べられ、互いに隣り合う円柱の側面の一部が繋がった形状、直線と円弧とで囲まれた底面を有する柱状体等が挙げられる。なお、上記層間樹脂絶縁層に形成された部分と、上記ソルダーレジスト層に形成された部分とは、必ずしも同一の形状を有している必要はない。
また、上記凹部形状の光信号伝送用光路について、該光信号伝送用光路の層間樹脂絶縁層を貫通する部分の断面の面積は、100mm以上が望ましい。より望ましくは、200mm以上である。この大きさであれば、波長の大きさ等にかかわりなく、光信号の送受信を行うことができる。
一方、上記凹部形状の光信号伝送用光路において、ソルダーレジスト層を貫通する部分の断面の径は、80μm〜4.98mmであることが望ましい。上記断面の径が80μm未満では、光信号の伝送が阻害されることがあり、一方、4.98mmを超えても、光信号の伝送損失の向上はみられず、上記ICチップ実装用基板の小型化が難しくなる。
ここまでの第一〜第三の実施形態のICチップ実装用基板の説明においては、光学素子として、受光素子が実装されたICチップ実装用基板について説明したが、上記した実施形態のICチップ実装用基板では、光学素子として受光.素子の代わりに発光素子が実装されていてもよく、この場合、ICチップ実装用基板の構成は、受光素子を発光素子に代える以外、上記と同様の構成であればよい。
また、本発明のICチップ実装用基板は、図4に示すように、光学素子として、発光素子と受光素子の両方が実装されていてもよい。
図4に示すように、ICチップ実装用基板420は、基板421の両面に導体回路424と層間樹脂絶縁層422とが積層形成され、基板421を挟んだ導体回路間、および、層間樹脂絶縁層422を挟んだ導体回路間は、それぞれ、スルーホール429およびバイアホール427により電気的に接続されている。また、最外層にはソルダーレジスト層434が形成されている。
このICチップ実装用基板420では、基板421、層間樹脂絶縁層422およびソルダーレジスト層434を貫通するように光信号伝送用光路442が設けられている。
この光信号伝送用光路442では、基板421および層間樹脂絶縁層422を貫通する部分に樹脂組成物447が充填されている。
また、この樹脂組成物447の周囲には導体層445が形成されている。
そして、ソルダーレジスト層434を貫通する部分の断面の径は、基板421および層間樹脂絶縁層422を貫通する部分の断面の径よりも小さくなっている。ソルダーレジスト層434を貫通する部分の縦断面の形状は矩形状である。
従って、ICチップ実装用基板420に実装された光学素子(発光素子438および受光素子439)の入出力信号は、光信号伝送用光路442を介して伝送されることとなる。
なお、光信号伝送用光路のソルダーレジスト層を貫通する部分には、樹脂組成物が充填されていてもよい。また、光信号伝送用光路442の基板421および層間樹脂絶縁層422を貫通する部分の周囲には導体層が形成されていなくてもよい。
また、このような光信号伝送用光路442の光学素子(発光素子438、受光素子439)が実装された側と反対側の樹脂組成物の端部であって、光信号伝送用光路442のソルダーレジスト層434を貫通する部分のそれぞれには、マイクロレンズ446a、446bが配設されている。
従って、光信号伝送用光路442に入射する光信号や、光信号伝送用光路442から出射する光信号は、マイクロレンズ446a、446bを通過することとなる。
このように、光信号伝送用光路442にマイクロレンズ446a、446bを配設することにより、光信号の伝送損失を抑えることができる。
さらに、マイクロレンズ446a、446bは、光信号伝送用光路442の基板421および層間樹脂絶縁層422を貫通する部分に充填された樹脂組成物447に直設配設されている。
ICチップ実装用基板420の一の面には、発光部438aおよび受光部439aのそれぞれが光信号伝送用光路442に対向するように、発光素子438および受光素子439が半田接続部444を介して表面実装されるとともに、ICチップ440が半田接続部443を介して表面実装されている。また、ICチップ実装用基板420の他の面のソルダーレジスト層434には、半田バンプ437が形成されている。
また、ICチップ440から送り出された電気信号は、半田接続部443、444、導体回路424、バイアホール427、スルーホール429等を介して発光素子438に送られた後、発光素子438で光信号に変換され、発光素子438(発光部438a)から発信した光信号は、光信号伝送用光路442およびマイクロレンズ446aを介して外部の光学素子(光ファイバや光導波路等)に送り出されることとなる。
このような構成からなるICチップ実装用基板420において、光ファイバや光導波路等(図示せず)を介して外部から送られてきた光信号は、マイクロレンズ446bおよび光信号伝送用光路442を介して受光素子439(受光部439a)で受信した後、受光素子439で電気信号に変換され、さらに、半田接続部443、444、導体回路424、バイアホール427、スルーホール429等を介してICチップ440に送られることとなる。
また、ICチップに近い位置に実装された受光素子および発光素子において、光/電気信号変換を行うため、電気信号の伝送距離が短く、信号伝送の信頼性に優れ、より高速通信に対応することができる。
また、ICチップ実装用基板420では、ソルダーレジスト層434に金属めっき層を介して半田バンプ437が形成されているため、ICチップから送り出された電気信号は、上述したように光信号に変換された後、光信号伝送用光路442等を介して外部に送りだされるだけでなく、半田バンプ437を介しても外部基板等に送られることとなる。
このように半田バンプが形成されている場合には、上記ICチップ実装用基板をマザーボード用基板等の外部基板と半田バンプを介して接続することができ、この場合には、半田が有するセルフアライメント作用により上記ICチップ実装用基板を所定の位置に配置することができる。
なお、図4には、1チャンネルの発光素子および受光素子を実装したICチップ実装用基板を示しているが、発光素子および受光素子の両方が実装された形態のICチップ実装用基板においても、マルチチャンネルの光学素子を実装することできる。
また、マルチチャンネルの光学素子を実装する場合、光信号伝送用光路の構造は、一括貫通孔構造であってもよいし、個別貫通孔構造であってもよい。
また、凹部形状の光信号伝送用光路を有するICチップ実装用基板に受光素子と発光素子とを実装することもできる。
このような構成からなる本発明のICチップ実装用基板は、例えば、本発明のICチップ実装用基板の製造方法を用いて製造することができる。
次に、本発明のICチップ実装用基板の製造方法について説明する。
本発明のICチップ実装用基板の製造方法は、
(a)基板の両面に導体回路と層間樹脂絶縁層とを順次積層形成し、多層配線板とする多層配線板製造工程と、
(b)上記多層配線板を貫通する光信号通過領域を形成するか、または、上記多層配線板の一部に凹部形状の光信号通過領域を形成する光信号通過領域形成工程と、
(c)上記光信号通過領域内に樹脂組成物を充填する樹脂組成物充填工程と、
(d)上記(b)の工程で形成した光信号通過領域に連通し、上記光信号通過領域の断面の径よりも小さな径の開口を有するソルダーレジスト層を形成するソルダーレジスト層形成工程と
を含むことを特徴とする。
本発明のICチップ実装用基板の製造方法は、上記(a)〜(d)の工程を有しているため、本発明のICチップ実装用基板、すなわち、層間樹脂絶縁層やソルダーレジスト層に設けられた光信号伝送用光路を介して光学素子の入出力信号の伝送を行うICチップ実装用基板を好適に製造することができる。従って、本発明の製造方法を用いることにより、光信号の伝送性に優れたICチップ実装用基板を製造することができる。
まず、上記(a)の工程、すなわち、多層配線板を製造する多層配線板製造工程について工程順に説明する。具体的には、例えば、下記(1)〜(9)の工程を経ることにより多層配線板を製造することができる。
(1)絶縁性基板を出発材料とし、まず、該絶縁性基板上に導体回路を形成する。
上記絶縁性基板としては、例えば、ガラスエポキシ基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、ビスマレイミド−トリアジン(BT)樹脂基板、熱硬化性ポリフェニレンエーテル基板、銅張積層板、RCC基板等が挙げられる。
また、窒化アルミニウム基板等のセラミック基板や、シリコン基板を用いてもよい。
上記導体回路は、例えば、上記絶縁性基板の表面に無電解めっき処理等によりベタの導体層を形成した後、エッチング処理を施すことにより形成することができる。また、銅張積層板やRCC基板にエッチング処理を施すことにより形成してもよい。
また、上記絶縁性基板を挟んだ導体回路間の接続をスルーホールにより行う場合には、例えば、上記絶縁性基板にドリルやレーザ等を用いてスルーホール用貫通孔を形成した後、無電解めっき処理等を施すことによりスルーホールを形成しておく。なお、上記スルーホール用貫通孔の直径は、通常、100〜300μmである。
また、スルーホールを形成した場合には、該スルーホール内に樹脂充填材を充填することが望ましい。
(2)次に、必要に応じて、導体回路の表面に粗化形成処理を施す。
上記粗化形成処理としては、例えば、黒化(酸化)−還元処理、第二銅錯体と有機酸塩とを含むエッチング液等を用いたエッチング処理、Cu−Ni−P針状合金めっきによる処理等が挙げられる。
ここで、粗化面を形成した場合、通常、該粗化面の平均粗度の下限は0.1μmが望ましく、上限は5μmが望ましい。導体回路と層間樹脂絶縁層との密着性、導体回路の電気信号伝送能に対する影響等を考慮すると上記平均粗度の下限は2μmがより望ましく、上限は4μmがより望ましい。
なお、この粗化形成処理は、スルーホール内に樹脂充填材を充填する前に行い、スルーホールの壁面にも粗化面を形成してもよい。スルーホールと樹脂充填材との密着性が向上するからである。
(3)次に、導体回路を形成した基板上に、熱硬化性樹脂、感光性樹脂、熱硬化性樹脂の一部に感光性基が付与された樹脂や、これらと熱可塑性樹脂と含む樹脂複合体からなる未硬化の樹脂層を形成するか、または、熱可塑性樹脂からなる樹脂層を形成する。なお、これらの樹脂層の形成には、例えば、基板に用いる樹脂と同様の樹脂等を用いることもできる。
上記未硬化の樹脂層は、未硬化の樹脂をロールコーター、カーテンコーター等により塗布したり、未硬化(半硬化)の樹脂フィルムを熱圧着したりすることにより形成することができる。
また、上記熱可塑性樹脂からなる樹脂層は、フィルム状に成形した樹脂成形体を熱圧着することにより形成することができる。
これらのなかでは、未硬化(半硬化)の樹脂フィルムを熱圧着する方法が望ましく、樹脂フィルムの圧着は、例えば、真空ラミネータ等を用いて行うことができる。
また、圧着条件は特に限定されず、樹脂フィルムの組成等を考慮して適宜選択すればよいが、通常は、圧力0.25〜1.0MPa、温度40〜70℃、真空度13〜1300Pa、時間10〜120秒程度の条件で行うことが望ましい。
上記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂の具体例としては、例えば、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型等のノボラック型エポキシ樹脂や、ジシクロペンタジエン変成した脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記感光性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂等が挙げられる。
また、上記熱硬化性樹脂の一部に感光性基が付与された樹脂としては、例えば、上記した熱硬化性樹脂の熱硬化基とメタクリル酸やアクリル酸とをアクリル化反応させたもの等が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリスルフォン(PSF)、ポリフェニレンスルフォン(PPS)ポリフェニレンサルファイド(PPES)、ポリフェニレンエーテル(PPE)ポリエーテルイミド(PI)等が挙げられる。
また、上記樹脂複合体としては、熱硬化性樹脂や感光性樹脂(熱硬化性樹脂の一部に感光性基が付与された樹脂も含む)と熱可塑性樹脂とを含むものであれば特に限定されず、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との具体的な組み合わせとしては、例えばフェノール樹脂/ポリエーテルスルフォン、ポリイミド樹脂/ポリスルフォン、エポキシ樹脂/ポリエーテルスルフォン、エポキシ樹脂/フェノキシ樹脂等が挙げられる。また、感光性樹脂と熱可塑性樹脂との具体的な組み合わせとしては、例えば、アクリル樹脂/フェノキシ樹脂、エポキシ基の一部をアクリル化したエポキシ樹脂/ポリエーテルスルフォン等が挙げられる。
また、上記樹脂複合体における熱硬化性樹脂や感光性樹脂と熱可塑性樹脂との配合比率は、熱硬化性樹脂または感光性樹脂/熱可塑性樹脂=95/5〜50/50が望ましい。耐熱性を損なうことなく、高い靱性値を確保することができるからである。
また、上記樹脂層は、2層以上の異なる樹脂層から構成されていてもよい。
具体的には、例えば、下層が熱硬化性樹脂または感光性樹脂/熱可塑性樹脂=50/50の樹脂複合体から形成され、上層が熱硬化性樹脂または感光性樹脂/熱可塑性樹脂=90/10の樹脂複合体から形成されている等である。
このような構成にすることにより、基板との優れた密着性を確保するとともに、後工程でバイアホール用開口等を形成する際の形成容易性を確保することができる。
また、上記樹脂層は、粗化面形成用樹脂組成物を用いて形成してもよい。
上記粗化面形成用樹脂組成物とは、例えば、酸、アルカリおよび酸化剤から選ばれる少なくとも1種からなる粗化液に対して難溶性の未硬化の耐熱性樹脂マトリックス中に、酸、アルカリおよび酸化剤から選ばれる少なくとも1種からなる粗化液に対して可溶性の物質が分散されたものである。
なお、上記「難溶性」および「可溶性」という語は、同一の粗化液に同一時間浸漬した場合に、相対的に溶解速度の早いものを便宜上「可溶性」といい、相対的に溶解速度の遅いものを便宜上「難溶性」と呼ぶ。
上記耐熱性樹脂マトリックスとしては、層間樹脂絶縁層に上記粗化液を用いて粗化面を形成する際に、粗化面の形状を保持することができるものが好ましく、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、これらの複合体等が挙げられる。また、感光性樹脂を用いることにより、層間樹脂絶縁層に露光、現像処理を用いてバイアホール用開口を形成することができる。
上記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。また、上記熱硬化性樹脂を感光化する場合は、メタクリル酸やアクリル酸等を用い、熱硬化基を(メタ)アクリル化反応させる。
上記エポキシ樹脂としては、例えば、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物、トリグリシジルイソシアヌレート、脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。それにより、耐熱性等に優れるものとなる。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニルエーテル、ポリエーテルイミド等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
上記酸、アルカリおよび酸化剤から選ばれる少なくとも1種からなる粗化液に対して可溶性の物質は、無機粒子、樹脂粒子および金属粒子から選ばれる少なくとも1種であることが望ましい。
上記無機粒子としては、例えば、アルミナ、水酸化アルミニウム等のアルミニウム化合物、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム等のカルシウム化合物、炭酸カリウム等のカリウム化合物、マグネシア、ドロマイト、塩基性炭酸マグネシウム、タルク等のマグネシウム化合物、シリカ、ゼオライト等のケイ素化合物等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
上記樹脂粒子としては、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等からなるものが挙げられ、酸、アルカリおよび酸化剤から選ばれる少なくとも1種からなる粗化液に浸漬した場合に、上記耐熱性樹脂マトリックスよりも溶解速度の早いものであれば特に限定されず、具体的には、例えば、アミノ樹脂(メラミン樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂等)、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂等からなるものが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
なお、上記樹脂粒子は予め硬化処理されていることが必要である。硬化させておかないと上記樹脂粒子が耐熱性樹脂マトリックスを溶解させる溶剤に溶解してしまうこととなるからである。
また、上記樹脂粒子としては、ゴム粒子や液相樹脂、液相ゴム等を用いてもよい。
上記金属粒子としては、例えば、金、銀、銅、スズ、亜鉛、ステンレス、アルミニウム、ニッケル、鉄、鉛等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
また、上記金属粒子は、絶縁性を確保するために、表層が樹脂等により被覆されていてもよい。
上記可溶性の物質を、2種以上混合して用いる場合、混合する2種の可溶性の物質の組み合わせとしては、樹脂粒子と無機粒子との組み合わせが望ましい。両者とも導電性が低くいため、層間樹脂絶縁層の絶縁性を確保することができるとともに、難溶性樹脂との間で熱膨張の調整が図りやすく、粗化面形成用樹脂組成物からなる層間樹脂絶縁層にクラックが発生せず、層間樹脂絶縁層と導体回路との間で剥離が発生しないからである。
上記粗化液として用いる酸としては、例えば、リン酸、塩酸、硫酸、硝酸や、蟻酸、酢酸等の有機酸等が挙げられるが、これらのなかでは有機酸を用いることが望ましい。粗化処理した場合に、バイアホール用開口の底面に露出する金属導体層を腐食させにくいからである。
上記酸化剤としては、例えば、クロム酸、クロム硫酸、アルカリ性過マンガン酸塩(過マンガン酸カリウム等)の水溶液等を用いることが望ましい。
また、上記アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水溶液が望ましい。
上記可溶性の物質の平均粒径は、10μm以下が望ましい。
また、平均粒径が2μm以下の平均粒径の相対的に大きな粗粒子と平均粒径が相対的に小さな微粒子とを組み合わせて使用してもよい。すなわち、平均粒径が0.1〜0.5μmの可溶性の物質と平均粒径が1〜2μmの可溶性の物質とを組み合わせる等である。
このように、平均粒径が相対的に大きな粗粒子と平均粒径が相対的に小さな微粒子とを組み合わせることにより、薄膜導体層の溶解残渣をなくし、めっきレジスト下のパラジウム触媒量を少なくし、さらに、浅くて複雑な粗化面を形成することができる。
さらに、複雑な粗化面を形成することにより、粗化面の凹凸が小さくても実用的なピール強度を維持することができる。
上記粗粒子は平均粒径が0.8μmを超え2.0μm未満であり、微粒子は平均粒径が0.1〜0.8μmであることが望ましい。
(4)次に、その材料として熱硬化性樹脂や樹脂複合体を用いた層間樹脂絶縁層を形成する場合には、未硬化の樹脂絶縁層に硬化処理を施すとともに、バイアホール用開口を形成し、層間樹脂絶縁層とする。また、この工程では、必要に応じて、スルーホール用貫通孔を形成してもよい。
上記バイアホール用開口は、レーザ処理により形成することが望ましい。また、層間樹脂絶縁層の材料として感光性樹脂を用いた場合には、露光現像処理により形成してもよい。
また、その材料として熱可塑性樹脂を用いた層間樹脂絶縁層を形成する場合には、熱可塑性樹脂からなる樹脂層にバイアホール用開口を形成し、層間樹脂絶縁層とする。この場合、バイアホール用開口は、レーザ処理を施すことにより形成することができる。
また、この工程でスルーホール用貫通孔を形成する場合、該スルーホール用貫通孔は、ドリル加工やレーザ処理等により形成すればよい。
上記レーザ処理に使用するレーザとしては、例えば、炭酸ガスレーザ、紫外線レーザ、エキシマレーザ等が挙げられる。これらのなかでは、エキシマレーザや短パルスの炭酸ガスレーザが望ましい。
また、エキシマレーザのなかでも、ホログラム方式のエキシマレーザを用いることが望ましい。ホログラム方式とは、レーザ光をホログラム、集光レンズ、レーザマスク、転写レンズ等を介して目的物に照射する方式であり、この方式を用いることにより、一度の照射で樹脂フィルム層に多数のバイアホール用開口を効率的に形成することができる。
また、炭酸ガスレーザを用いる場合、そのパルス間隔は、10−4〜10−8秒であることが望ましい。また、開口を形成するためのレーザを照射する時間は、10〜500μ秒であることが望ましい。
また、光学系レンズと、マスクとを介してレーザ光を照射することにより、一度に多数のバイアホール用開口を形成することができる。光学系レンズとマスクとを介することにより、同一強度で、かつ、照射強度が同一のレーザ光を複数の部分に照射することができるからである。
このようにしてバイアホール用開口を形成した後、必要に応じて、デスミア処理を施してもよい。
(5)次に、バイアホール用開口の内壁を含む層間樹脂絶縁層の表面に、導体回路を形成する。
導体回路を形成するにあたっては、まず、層間樹脂絶縁層の表面に薄膜導体層を形成する。
上記薄膜導体層は、無電解めっき、スパッタリング等の方法により形成することができる。
上記薄膜導体層の材質としては、例えば、銅、ニッケル、スズ、亜鉛、コバルト、タリウム、鉛等が挙げられる。
これらのなかでは、電気特性、経済性等に優れる点から銅や銅およびニッケルからなるものが望ましい。
また、上記薄膜導体層の厚さとしては、無電解めっきにより薄膜導体層を形成する場合には、その厚さの下限は0.3μmが望ましく、上限は2.0μmが望ましい。より望ましくは下限が0.6μmであり、上限が1.2μmである。また、スパッタリングにより形成する場合には、0.1〜1.0μmが望ましい。
また、上記薄膜導体層を形成する前に、層間樹脂絶縁層の表面に粗化面を形成しておいてもよい。粗化面を形成することにより、層間樹脂絶縁層と薄膜導体層との密着性を向上させることができる。特に、粗化面形成用樹脂組成物を用いて層間樹脂絶縁層を形成した場合には、酸や酸化剤等を用いて粗化面を形成することが望ましい。
また、上記(4)の工程でスルーホール用貫通孔を形成した場合には、層間樹脂絶縁層上に薄膜導体層を形成する際に、貫通孔の壁面にも薄膜導体層を形成することによりスルーホールとしてもよい。
(6)次いで、その表面に薄膜導体層が形成された層間樹脂絶縁層の一部にめっきレジストを形成する。
上記めっきレジストは、例えば、感光性ドライフィルムを張り付けた後、めっきレジストパターンが描画されたガラス基板等からなるフォトマスクを密着配置し、露光現像処理を施すことにより形成することができる。
(7)その後、薄膜導体層をめっきリードとして電解めっきを行い、上記めっきレジスト非形成部に電解めっき層を形成する。上記電解めっきとしては、銅めっきが望ましい。
また、上記電解めっき層の厚さ、5〜20μmが望ましい。
その後、上記めっきレジストと該めっきレジスト下の薄膜導体層を除去することにより導体回路(バイアホールを含む)を形成することができる。
上記めっきレジストの除去は、例えば、アルカリ水溶液等を用いて行えばよく、上記薄膜導体層の除去は、硫酸と過酸化水素との混合液、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、塩化第二鉄、塩化第二銅等のエッチング液を用いて行えばよい。
また、上記導体回路を形成した後、必要に応じて、層間樹脂絶縁層上の触媒を酸や酸化剤を用いて除去してもよい。電気特性の低下を防止することができるからである。
また、このめっきレジストを形成した後、電解めっき層を形成する方法(工程(6)および(7))に代えて、薄膜導体層上の全面に電解めっき層を形成した後、エッチング処理を施す方法を用いて導体回路を形成してもよい。
また、上記(4)および(5)の工程においてスルーホールを形成した場合には、該スルーホール内に樹脂充填材を充填してもよい。
また、スルーホール内に樹脂充填材を充填した場合、必要に応じて、無電解めっき等を行うことにより樹脂充填材層の表層部を覆う蓋めっき層を形成してもよい。
(8)次に、蓋めっき層を形成した場合には、必要に応じて、該蓋めっき層の表面に粗化処理を行い、さらに、上記(3)および(4)の工程を繰り返すことにより層間樹脂絶縁層を形成する。なお、この工程では、スルーホールを形成してもよいし、形成しなくてもよい。
(9)さらに、必要に応じて、(5)〜(8)の工程を繰り返すことにより、導体回路と層間樹脂絶縁層とを積層形成してもよい。
このような(1)〜(9)の工程を行うことにより、基板の両面に導体回路と層間樹脂絶縁層とが積層形成された多層配線板を製造することができる。
なお、ここで詳述した多層配線板の製造方法は、セミアディテブ法であるが、上記(a)の工程で製造する多層配線板の製造方法は、セミアディテブ法に限定されず、フルアディテブ法、サブトラクティブ法、一括積層法、コンフォーマル法等を用いて行うこともできる。
本発明のICチップ実装用基板の製造方法では、上記(a)の工程を経て、多層配線板を製造した後、上記(b)の工程、すなわち、上記多層配線板を貫通する光信号通過領域を形成するか、または、上記多層配線板の一部に凹部形状の光信号通過領域を形成する光信号通過領域形成工程を行う。
なお、この工程で形成する多層配線板を貫通する光信号通過領域、および、凹部形状の光信号通過領域のそれぞれを、以下、光路用貫通孔および光路用凹部ともいう。
まず、上述した工程を経て作製した多層配線板に、光路用貫通孔または光路用凹部を形成する。
上記光路用貫通孔や上記光路用凹部の形成は、例えば、ドリル加工やレーザ処理等により行う。
上記レーザ処理において使用するレーザとしては、上記バイアホール用開口の形成において使用するレーザと同様のもの等が挙げられる。
上記ドリル加工においては、多層配線板の認識マークを読み、加工位置を補正してドリル加工を行う認識マークの認識機能付き装置を用いることが望ましい。
上記光路用貫通孔の形成位置は特に限定されず、導体回路の設計、ICチップや光学素子等の実装位置等を考慮して適宜選択すればよい。
上記光路用貫通孔は、受光素子や発光素子等の光学素子ごとに形成することが望ましい。また、信号波長ごとに形成してもよい。
また、この工程において、複数の円柱が並列に並べられ、互いに隣り合う円柱の側面の一部が繋がった形状の光路用貫通孔を形成する場合、形成する円柱の個数は、奇数個であることが望ましく、また、隣り合わない円柱をとなる部分をまず形成し、その後、隣り合わない円柱同士の間に、側面の一部が繋がった円柱を形成することが望ましい。
その一部が繋がった隣り合う円柱を連続して形成しようとすると、ドリルの先端が既に形成された円柱の方向へ逃げようとしてドリルの先端ふれが発生し、ドリル加工時の精度が劣ることがあるからである。
なお、隣り合わない円柱をとなる部分をまず形成し、その後、隣り合わない円柱同士の間に、側面の一部が繋がった円柱を形成する場合の加工精度は、約40μmであるの対し、一部が繋がった隣り合う円柱を連続して形成する場合の加工精度は、約10μmである。
また、上記光路用凹部は、その内部に受光素子や発光素子等の光学素子とともに、さらに、ICチップを実装することができるように形成することが望ましい。
また、上記光路用凹部を形成する場合には、上述した多層配線板を作製する工程において、層間樹脂絶縁層を形成する際に、各層間樹脂絶縁層を貫通する開口を形成しておき、層間樹脂絶縁層の積層を完了した際に、光路用凹部が形成されているようにしてもよい。
なお、層間樹脂絶縁層を貫通する開口は、上述したバイアホール開口を形成する方法と同様の方法により形成することができる。
また、光路用貫通孔または光路用凹部(以下、両者を併せて光路用貫通孔等ともいう)を形成した後、必要に応じて、光路用貫通孔等の壁面にデスミア処理を行ってもよい。
上記デスミア処理は、例えば、過マンガン酸溶液による処理や、プラズマ処理、コロナ処理等を用いて行うことができる。なお、上記デスミア処理を行うことにより、光路用貫通孔等内の樹脂残り、バリ等を除去することができ、後工程を経て完成する光信号伝送用光路の壁面での光の乱反射に起因した光信号の伝送損失を低下させることができる。
また、光路用貫通孔等形成後、下記工程で導体層を形成したり、未硬化の樹脂組成物を充填したりする前に、必要に応じて、光路用貫通孔等の壁面を粗化面とする粗化面形成工程を行ってもよい。導体層や樹脂組成物との密着性の向上を図ることができるからである。
上記粗化面の形成は、例えば、硫酸、塩酸、硝酸等の酸;クロム酸、クロム硫酸、過マンガン酸塩等の酸化剤等により、基板や層間樹脂絶縁層等の光路用貫通孔を形成した際に露出した部分を溶解することにより行うことができる。また、プラズマ処理やコロナ処理等により行うこともできる。
上記粗化面の平均粗度(Ra)の下限は0.5μmが望ましく、上限は5μmが望ましい。上記平均粗度(Ra)のより望ましい下限は1μmであり、より望ましい上限は3μmである。この範囲であれば、導体層や樹脂組成物との密着性に優れるともに、光信号の伝送に悪影響を及ぼさないからである。
上記光路用貫通孔等を形成した後には、必要に応じて、上記光路用貫通孔等の壁面に導体層を形成する導体層形成工程を行ってもよい。
上記導体層の形成は、例えば、無電解めっき、スパッタリング、真空蒸着等の方法により行うことができる。
具体的には、例えば、光路用貫通孔等を形成した後、該光路用貫通孔等の壁面に触媒核を付与し、その後、光路用貫通孔等が形成された基板を無電解めっき浴に浸漬する方法等を用いることができる。
また、無電解めっきやスパッタリングを組み合わせて2層以上からなる導体層を形成してもよいし、無電解めっきやスパッタリングの後、電解めっきを行って2層以上からなる導体層を形成してもよい。
また、この工程で導体層を形成する場合、該導体層は、光沢を有する金属層であってもよい。
このような導体層形成工程においては、上記光路用貫通孔等の壁面に導体層を形成するとともに、上記(a)の工程で形成した最外層の層間樹脂絶縁層上に、最外層の導体回路を形成することが望ましい。
具体的には、例えば、まず、無電解めっき等により光路用貫通孔等の壁面に導体層を形成する際に、層間樹脂絶縁層の表面全体にも導体層を形成する。
次に、この層間樹脂絶縁層の表面に形成した導体層上にめっきレジストを形成する。めっきレジストの形成は、例えば、感光性ドライフィルムを張り付けた後、めっきレジストパターンが描画されたガラス基板等からなるフォトマスクを密着載置し、露光現像処理を施すことにより行えばよい。
さらに、上記層間樹脂絶縁層上に形成した導体層をめっきリードとして電解めっきを行い、上記めっきレジスト非形成部に電解めっき層を形成し、その後、上記めっきレジストと該めっきレジスト下の導体層とを除去することにより、最外層の層間樹脂絶縁層上に独立した導体回路を形成する。
また、上記導体層を形成した後、上記導体層の壁面に粗化面を形成してもよい。上記粗化面の形成は、例えば、黒化(酸化)−還元処理、第二銅錯体と有機酸塩とを含むエッチング液等を用いたエッチング処理、Cu−Ni−P針状合金めっきによる処理等を用いて行うことができる。
次に、上記(3)の工程、すなわち、上記(2)の工程で形成した多層配線板を貫通する光信号通過領域や凹部形状の光信号通過領域(光路用貫通孔等)内に樹脂組成物を充填する樹脂組成物充填工程を行う。
光路用貫通孔等内に、未硬化の樹脂組成物を充填した後、硬化処理を施すことにより、後工程を経て完成する光信号伝送用光路において、基板や層間樹脂絶縁層に形成された部分が、樹脂組成物が充填されることとなる。
具体的な未硬化の樹脂組成物の充填方法としては特に限定されず、例えば、印刷やポッティング等の方法を用いることができる。
なお、未硬化の樹脂組成物の充填を印刷により行う場合、未硬化の樹脂組成物は一回で印刷してもよいし、2回以上に分けて印刷してもよい。また、光路用貫通孔内に樹脂組成物を充填する場合には、多層配線板の両面から印刷を行ってもよい。
また、未硬化の樹脂組成物の充填を行う際には、上記光路用貫通孔等の内積よりも少し多い量の未硬化の樹脂組成物を充填し、充填終了後、光路用貫通孔等から溢れた余分な樹脂組成物を除去してもよい。
上記余分な樹脂組成物の除去は、例えば、研磨等により行うことができる。また、余分な樹脂組成物を除去する場合、樹脂組成物の状態は半硬化状態であっても良いし、完全に硬化した状態であってもよく、樹脂組成物の材料等を考慮して適宜選択すればよい。
このような貫通孔形成工程と、必要に応じて行う、粗化面形成工程および導体層形成工程と、上記(c)の工程(樹脂組成物充填工程)とを経ることにより、上記(a)の工程を経て製造した多層配線板に、樹脂組成物が充填された光信号伝送用光路の一部を形成することができる。
また、上記導体層形成工程を行う際に、層間樹脂絶縁層の表面にも導体層を形成し、上述した処理を行うことにより独立した導体回路を形成することができる。勿論、上記導体層形成工程を行わない場合であっても、上述した方法により層間樹脂絶縁層の表面に導体回路を形成することができる。
また、上記樹脂組成物充填工程を行うに際して、多層配線板に光路用凹部を形成していた場合には、樹脂組成物を充填する前に、光学素子を実装しておく必要があり、さらに、光路用凹部内にICチップを実装する場合には、併せてICチップも実装しておく必要がある。なお、ICチップの実装は設計に応じて行えばよく、必ずしも光路用凹部内に実装しなくてもよい。
以下、光路用凹部内に光学素子およびICチップを実装する方法について説明する。
まず、光路用凹部の底面に、光学素子等との接続端子となるよう、導体回路の一部を露出させる。その後、この導体回路の露出した部分に、必要に応じて、めっき層を形成しておいてもよい。
次に、光路用凹部の底面に光学素子およびICチップを取り付けた後、上記光学素子および上記ICチップと多層配線板の導体回路とを電気的に接続する。
上記光学素子および上記ICチップの取り付けは、例えば、共晶結合法、半田結合法、樹脂結合法等により行うことができる。また、銀ペーストや金ペーストを用いて、光学素子等を取り付けてもよい。
上記樹脂結合法では、エポキシ系樹脂やポリイミド系樹脂等の熱硬化性樹脂を主剤とし、これらの樹脂成分以外に硬化剤やフィラー、溶剤等を含むペーストを多層配線板上に塗布し、次いで、光学素子等をペースト上に載置した後、該ペーストを加熱硬化させることにより光学素子等を取り付ける。
なお、上記ペーストの塗布は、例えば、ディスペンス法、スタンピング法、スクリーン印刷法等により行うことができる。
また、銀ペーストを用いる場合には、多層配線板上に銀ペーストを塗布し、ついで、光学素子等をペースト上に載置した後、この銀ぺーストを焼成することにより光学素子を取り付ける。
上記光学素子および上記ICチップと上記多層配線板の導体回路とを電気的に接続する方法としては、ワイヤボンディングを用いることが望ましい。これは、光学素子等を取り付ける際の設計の自由度が大きいとともに、経済的にも有利だからである。
上記ワイヤボンディングとしては、従来公知の方法、即ち、ネイルヘッド・ボンディング法やウエッジ・ボンディング法を用いることができる。
なお、光学素子等の実装は、テープボンディングやフリップチップボンディング等により行ってもよい。
さらに、この工程では、光路用貫通孔等から露出した樹脂組成物の露出面に研磨処理を施し、その露出面を平坦にすることが望ましい。露出面を平坦にすることにより、光信号の伝送が阻害されるおそれがより少なくなるからである。
上記研磨処理は、例えば、バフ研磨、紙やすり等による研磨、鏡面研磨、クリーン研磨、ラッピング等により行うことができる。また、酸や酸化剤、薬液等を用いた化学研磨を行ってもよい。また、これらの方法を2種以上組み合わせて研磨処理を行ってもよい。
次に、上記(d)の工程、すなわち、上記(b)の工程で形成した光信号通過領域に連通し、上記光信号通過領域の断面の径よりも小さな径の開口を有するソルダーレジスト層を形成するソルダーレジスト層形成工程を行う。
具体的には、例えば、下記(1)および(2)の工程を行うことによりソルダーレジスト層を形成することができる。
(1)まず、光路用貫通孔等を形成した多層配線板の最外層にソルダーレジスト組成物の層を形成する。
上記ソルダーレジスト組成物の層は、例えば、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等からなるソルダーレジスト組成物を用いて形成することができる。
また、上記以外のソルダーレジスト組成物としては、例えば、ノボラック型エポキシ樹脂の(メタ)アクリレート、イミダゾール硬化剤、2官能性(メタ)アクリル酸エステルモノマー、分子量500〜5000程度の(メタ)アクリル酸エステルの重合体、ビスフェノール型エポキシ樹脂等からなる熱硬化性樹脂、多価アクリル系モノマー等の感光性モノマー、グリコールエーテル系溶剤などを含むペースト状の流動体が挙げられ、その粘度は25℃で1〜10Pa・sに調整されていることが望ましい。
また、上記ソルダーレジスト組成物からなるフィルムを圧着してソルダーレジスト組成物の層を形成してもよい。
(2)次に、上記ソルダーレジスト組成物の層に、上記光路用貫通孔等に連通し、上記光路用貫通孔等の断面の径よりも小さい径の開口(以下、光路用開口ともいう)を形成する。
具体的には、例えば、露光現像処理やレーザ処理等により形成することができる。
上記光路用開口の断面の径は、上記光路用貫通孔等の断面の径よりも20〜390μm小さいことが望ましく、30〜100μm小さいことがより望ましい。その理由は、本発明のICチップ実装用基板で説明したとおりである。
また、上記光路用開口を形成する際には、同時に、半田バンプ形成用開口(ICチップや光学素子を実装するための開口)を形成することが望ましい。なお、上記光路用開口を形成と、上記半田バンプ形成用開口の形成とは、別々に行ってもよい。
また、ソルダーレジスト層を形成する際に、予め、所望の位置に開口を有する樹脂フィルムを作製し、該樹脂フィルムを張り付けることにより、光路用開口と半田バンプ形成用開口とを有するソルダーレジスト層を形成してもよい。
このような(1)および(2)の工程を経ることにより、光路用貫通孔の形成された多層配線板上に、該光路用貫通孔と連通し、その断面の径が光路用貫通孔の断面の径よりも小さい光路用開口を形成することができる。
また、上記ソルダーレジスト層に形成した光路用開口には、上記光路用貫通孔等と同様の方法で未硬化の樹脂組成物を充填してもよい。
また、場合によっては、ソルダーレジスト層に形成した光路用開口の壁面にも導体層を形成してもよい。
また、この工程では、ソルダーレジスト層を形成した後、光路用貫通孔内に充填した樹脂組成物の端部であって、ソルダーレジスト層に形成した光路用開口内にマイクロレンズを配設するマイクロレンズ配設工程を行ってもよい。
また、マイクロレンズ配設工程を行う場合、予め、撥水処理(撥水コート剤による処理を含む)、親水処理等の表面処理を施しておいてもよい。表面処理を施すことにより、所望の形状のマイクロレンズを配設することができるからである。
なお、上記表面処理は、本発明のICチップ実装用基板で既に説明した方法と同様の方法を用いて行うことができる。
上記マイクロレンズを配設する場合、上記樹脂組成物上に直接配設してもよく、また、接着層を介して配設してもよい。
上記樹脂組成物上にマイクロレンズを直接配設する方法としては、例えば、未硬化の光学レンズ用樹脂を樹脂組成物上に適量滴下し、この滴下した未硬化の光学レンズ用樹脂に硬化処理を施す方法が挙げられる。
上記方法において、未硬化の光学レンズ用樹脂を樹脂組成物上に適量滴下する際には、ディスペンサー、インクジェット、マイクロピペット、マイクロシリンジ等の装置を用いることができる。また、このような装置を用いて樹脂組成物上に滴下した未硬化の光学レンズ用樹脂は、その表面張力により球形になろうとするため、上記樹脂組成物上で半球状となり、その後、半球状の未硬化の光学レンズ用樹脂に硬化処理を施すことで、樹脂組成物上に半球状のマイクロレンズを形成することができるのである。
なお、このようにして形成するマイクロレンズの直径や曲面の形状等は、樹脂組成物と未硬化の光学レンズ用樹脂との濡れ性を考慮しながら、適宜未硬化の光学レンズ用樹脂の粘度等を調整することで制御することができる。
本発明のICチップ実装用基板の製造方法では、このような(a)〜(d)の工程を行った後、上述した工程において光路用貫通孔を形成した場合には、下記の方法を用いて光学素子の実装を行い、さらに、半田パッドや半田バンプの形成を行うことによりICチップ実装用基板を製造することができる。
すなわち、上記半田バンプ形成用開口を形成することにより露出した導体回路部分を、必要に応じて、ニッケル、パラジウム、金、銀、白金等の耐食性金属により被覆し、半田パッドとする。これらのなかでは、ニッケル−金、ニッケル−銀、ニッケル−パラジウム、ニッケル−パラジウム−金等の金属により被覆層を形成することが望ましい。
上記被覆層は、例えば、めっき、蒸着、電着等により形成することができるが、これらのなかでは、被覆層の均一性に優れるという点からめっきにより形成することが望ましい。
なお、半田パッドの形成は、上記マイクロレンズ配設工程の前に行うこととしてもよい。
さらに、上記半田パッドに相当する部分に開口部が形成されたマスクを介して、上記半田パッドに半田ペーストを充填した後、リフローすることにより半田バンプを形成する。
さらに、ソルダーレジスト層に光学素子(受光素子および発光素子)を実装する。光学素子の実装は、例えば、上記半田バンプを介して行うことができる。また、例えば、上記半田バンプを形成する際に、半田ペーストを充填した時点で光学素子を取り付けておき、リフローと同時に光学素子の実装を行ってもよい。
また、半田に代えて、導電性接着剤等を用いて光学素子を実装してもよい。
このような工程を経る本発明の製造方法では、上述した本発明のICチップ実装用基板を製造することができる。
次に、本発明のマザーボード用基板について説明する。
本発明のマザーボード用基板は、基板の両面に導体回路と層間樹脂絶縁層とが積層形成されるとともに光導波路が形成され、最外層にソルダーレジスト層が形成されたマザーボード用基板であって、
少なくとも上記層間樹脂絶縁層および上記ソルダーレジスト層に光信号伝送用光路が形成されており、上記光信号伝送用光路の上記ソルダーレジスト層を貫通する部分以外の部分には、樹脂組成物が充填されており、
上記光信号伝送用光路のうち、上記ソルダーレジスト層を貫通する部分の断面の径が、上記層間樹脂絶縁層に形成された部分の断面の径よりも小さいことを特徴とする。
本発明のマザーボード用基板は、上述したように、光信号伝送用光路のソルダーレジスト層を貫通する部分の断面の径が、層間樹脂絶縁層に形成された部分の断面の径よりも小さい。そのため、上記マザーボード用基板では、上記光信号伝送用光路に充填された樹脂組成物と、上記層間樹脂絶縁層との境界部分を上記ソルダーレジスト層の一部で覆い隠された状態となっており、上記境界部分および上記樹脂組成物の外縁付近は、上記ソルダーレジスト層によって接着されることとなる。その結果、上記樹脂組成物と上記層間樹脂絶縁層等との間では、剥離やクラックが発生しにくく、上記マザーボード用基板は、耐久性、信頼性に優れることとなる。
さらに、上記ソルダーレジスト層を貫通する光信号伝送用光路の径が、上記層間樹脂絶縁層に形成された部分の光信号伝送用光路の径よりも小さくなっているため、受光素子で受信する光信号や、発光素子から発信する光信号の拡散を抑えることができ、効率よく受光素子に光信号を伝送することができるとともに、効率よく発光素子から光信号を伝送することができる。
本発明のマザーボード用基板には、光導波路が形成されており、この光導波路を介して光信号の伝送を行うことができる。
上記光導波路としては、ポリマー材料等からなる有機系光導波路、石英ガラス、化合物半導体等からなる無機系光導波路等が挙げられる。これらのなかでは、ポリマー材料等からなる有機系光導波路が望ましい。層間樹脂絶縁層との密着性に優れ、加工が容易だからである。
上記ポリマー材料としては、通信波長帯での吸収が少ないものであれば特に限定されず、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、感光性樹脂、熱硬化性樹脂の一部が感光性化された樹脂、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との樹脂複合体、感光性樹脂と熱可塑性樹脂との複合体等が挙げられる。
具体的には、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、重水素化PMMA、重水素フッ素化PMMA等のアクリル樹脂、フッ素化ポリイミド等のポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、UV硬化性エポキシ樹脂、ポリオレフィン系樹脂、重水素化シリコーン樹脂等のシリコーン樹脂、シロキサン樹脂、ベンゾシクロブテンから製造されるポリマー等が挙げられる。
また、上記光導波路がマルチモードの光導波路である場合、その材料は、アクリル樹脂やエポキシ樹脂、UV硬化性エポキシ樹脂であることが望ましく、上記光導波路がシングルモードの光導波路である場合、その材料は、ポリイミド樹脂やシリコーン樹脂、シロキサン樹脂であることが望ましい。
また、上記光導波路のコア部の厚さは1〜100μmが望ましく、その幅は1〜100μmが望ましい。上記幅が1μm未満では、その形成が容易でないことがあり、一方、上記幅が100μmを超えると、多層プリント配線板を構成する導体回路等の設計の自由度を阻害する原因となることがある。
また、上記光導波路のコア部の厚さと幅との比は、1:1に近いほうが望ましい。これは、通常、上記受光素子の受光部や上記発光素子の発光部の平面形状が円形状だからである。なお、上記厚さと幅との比は特に限定されるものではなく、通常、約1:2〜約2:1程度であればよい。
さらに、上記光導波路が通信波長1.31μmまたは1.55μmのシングルモードの光導波路である場合には、そのコア部の厚さおよび幅は5〜15μmであることがより望ましく、10μm程度であることが特に望ましい。また、上記光導波路が通信波長0.85μmでマルチモードの光導波路である場合には、そのコア部の厚さおよび幅は20〜80μmであることがより望ましく、50μm程度であることが特に望ましい。
また、上記光導波路には、粒子が配合されていてもよい。粒子が配合されることにより、光導波路にクラックが発生しにくくなるからである。即ち、光導波路に粒子が配合されていない場合には、光導波路と他の層(基板や層間樹脂絶縁層等)との熱膨張係数が異なることに起因して光導波路にクラックが発生することがあるが、光導波路に粒子を配合して熱膨張係数を調整することにより、上記他の層との熱膨張係数の差を小さくした場合には、光導波路にクラックが発生しにくくなるからである。
また、上記光導波路には、上記樹脂成分以外に、樹脂粒子、無機粒子、金属粒子等の粒子が含まれていてもよい。これらの粒子を含ませることにより上記光導波路と、層間樹脂絶縁層やソルダーレジスト層等との間で熱膨張係数の整合を図ることができるからである。
上記樹脂粒子としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、感光性樹脂、熱硬化性樹脂の一部が感光性化された樹脂、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との樹脂複合体、感光性樹脂と熱可塑性樹脂との複合体等からなるものが挙げられる。
具体的には、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂等の熱硬化性樹脂;これらの熱硬化性樹脂の熱硬化基(例えば、エポキシ樹脂におけるエポキシ基)にメタクリル酸やアクリル酸等を反応させ、アクリル基を付与した樹脂;フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリスルフォン(PSF)、ポリフェニレンスルホン(PPS)、ポリフェニレンサルファイド(PPES)、ポリフェニルエーテル(PPE)、ポリエーテルイミド(PI)等の熱可塑性樹脂;アクリル樹脂等の感光性樹脂等からなるものが挙げられる。
また、上記熱硬化性樹脂と上記熱可塑性樹脂との樹脂複合体や、上記アクリル基を付与した樹脂や上記感光性樹脂と上記熱可塑性樹脂との樹脂複合体からなるものを用いることもできる。
また、上記樹脂粒子としては、ゴムからなる樹脂粒子を用いることもできる。
また、上記無機粒子としては、アルミナ、水酸化アルミニウム等のアルミニウム化合物、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム等のカルシウム化合物、炭酸カリウム等のカリウム化合物、マグネシア、ドロマイト、塩基性炭酸マグネシウム等のマグネシウム化合物、シリカ、ゼオライト等のケイ素化合物、チタニア等のチタン化合物等からなるものが挙げられる。また、シリカとチタニアとを一定の割合で混ぜ、溶融させて均一化したものを用いてもよい。
また、上記無機粒子として、リンやリン化合物からなるものを用いることもできる。
上記金属粒子としては、金、銀、銅、パラジウム、ニッケル、白金、鉄、亜鉛、鉛、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム等からなるものが挙げられる。
これらの樹脂粒子、無機粒子および金属粒子の粒子は、それぞれ単独で用いても良いし、2種以上併用してもよい。
上記粒子としては、無機粒子が望ましく、シリカ、チタニアまたはアルミナからなる粒子が望ましい。また、シリカ、チタニアおよびアルミナのうちの少なくとも2種を混合、溶融させて形成した混合組成の粒子も望ましい。
また、上記樹脂粒子等の粒子の形状は特に限定されず、球状、楕円球状、破砕状、多面体状等が挙げられる。
また、上記粒子の粒径は、通信波長より短いことが望ましい。粒径が通信波長より長いと光信号の伝送を阻害することがあるからである。
上記粒径は、その下限が0.01μmで、上限が0.8μmであることがより望ましい。この範囲を外れる粒子を含んでいると、粒度分布が広くなりすぎて、樹脂組成物中に混合した際に、該樹脂組成物の粘度のバラツキが大きくなり、樹脂組成物を調製する場合の再現性が低くなり、所定の粘度を有する樹脂組成物を調製することが困難になることがあるからである。
上記粒径は、その下限が0.1μmで、その上限が0.8μmであることがさらに望ましい。この範囲にあると、スピンコート、ロールコート等を用いて樹脂組成物を塗布するの適しており、また、粒子が混合された樹脂組成物を調製する際に、所定の粘度に調製しやすくなる。
上記粒径は、その下限が0.2μmで、その上限が0.6μmであることが特に望ましい。この範囲が、樹脂組成物の塗布、光導波路のコア部の形成に特に適している。さらに、形成した光導波路ごとのバラツキ、特に、コア部のバラツキが最も小さくなり、マザーボード用基板の特性に特に優れることとなるからである。
また、この範囲の粒径を有する粒子であれば、2種類以上の異なる粒径の粒子が含まれていてもよい。
また、上記範囲内の粒径を有する粒子であれば、2種類以上の異なる粒径の粒子を含有していてもよい。
上記粒子の配合量は、その望ましい下限が10重量%であり、より望ましい下限が20重量%である。一方、上記粒子の望ましい上限は80重量%であり、より望ましい上限は70重量%である。粒子の配合量が10重量%未満であると、粒子を配合させる効果が得られないことがあり、粒子の配合量が80重量%を超えると、光信号の伝送が阻害されることがあるからである。
また、上記光導波路の形状は特に限定されないが、その形成が容易であることから、シート状が好ましい。
また、上記光導波路がコア部とクラッド部とから構成されているものである場合、上記粒子は、コア部とクラッド部との両方に配合されていてもよいが、コア部には粒子が配合されておらず、該コア部の周囲を覆うクラッド部にのみ粒子が配合されていることが望ましい。その理由は以下のとおりである。
すなわち、光導波路に粒子を配合する場合、該粒子と光導波路の樹脂成分との密着性によっては、粒子と樹脂成分との界面に空気層が生じてしまうことがあり、この場合には、この空気層により光の屈折方向が変わり、光導波路の伝送損失が大きくなることがあるのに対し、クラッド部にのみ粒子が配合を配合した場合には、上述したような粒子を配合することにより、光導波路の伝送損失が大きくなるというような問題が発生することがないとともに、光導波路でクラックが発生しにくくなるからである。
また、上記光導波路には、光路変換ミラーが形成されていることが望ましい。光路変換ミラーを形成することにより、光路を所望の角度に変更することが可能だからである。
上記光路変換ミラーの形成は、後述するように、光導波路の一端を切削することにより行うことができる。また、光導波路に光路変換ミラーを形成する代わりに、光導波路の端部の先に、光路変換部を有する部材を配置してもよい。
また、本発明のマザーボード用基板においては、少なくとも層間樹脂絶縁層およびソルダーレジスト層に光信号伝送用光路が形成されており、上記光信号伝送用光路の上記ソルダーレジスト層を貫通する部分以外の部分には、樹脂組成物が充填されている。
ここで、充填する樹脂組成物としては、本発明のICチップ実装用基板において、光信号伝送用光路に充填する樹脂組成物と同様のもの等が挙げられる。
また、本発明のマザーボード用基板においては、上記光信号伝送用光路のうち、上記光ソルダーレジスト層を貫通する部分の断面の径が、上記層間樹脂絶縁層に形成された部分の断面の径よりも小さい。
なお、上記光信号伝送用光路のソルダーレジスト層を貫通する部分の断面の径の具体的な大きさは、上記基板および上記層間樹脂絶縁層に形成された部分の断面の径よりも小さければ特に限定されず、ICチップ実装用基板の設計に応じて適宜選択すればよいが、通常、50〜490μm程度であることが望ましい。
また、本発明のマザーボード用基板においては、上記樹脂組成物の上記光信号伝送用光路の上記ソルダーレジスト層を貫通する部分以外の部分に充填された樹脂組成物の端部であって、上記光信号伝送用光路のソルダーレジスト層を貫通する部分にマイクロレンズが配設されていることが望ましい。より確実に光信号を伝送することができるからである。
なお、上記マイクロレンズの材料、透過率等の特性等としては、本発明のICチップ実装用基板に配設されるマイクロレンズと同様のものが挙げられる。
また、本発明の光通信用デバイスにおいては、本発明のICチップ実装用基板特に限定されず同様、上記マイクロレンズが配設される領域には、表面処理が施されていてもよい。
また、本発明のマザーボード用基板においては、最外層にソルダーレジスト層が形成されているが、このソルダーレジスト層の厚さは、その下限が10μmであることが望ましく、15μmであることがより望ましい。一方、その上限は、40μmであることが望ましく、30μmであることがより望ましい。
また、本発明のマザーボード用基板においては、上記基板を挟んだ導体回路間がスルーホールを介して接続され、上記層間樹脂絶縁層を挟んだ導体回路間がバイアホールを介して接続されていることが望ましい。ICチップ実装用基板の高密度配線を実現しつつ、その小型化を図ることができるからである。
以下、本発明のマザーボード用基板の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
なお、図6、7のそれぞれは、本発明のマザーボード用基板の一例を模式的に示す断面図である。
本発明のマザーボード用基板の実施形態は、光信号伝送用光路の形態に併せて、大きく2つの形態に分けることができる。
すなわち、光信号伝送用光路が一括貫通孔構造の場合(以下、第一の実施形態のマザーボード用基板ともいう)、個別貫通孔構造の場合、(以下、第二の実施形態のマザーボード用基板ともいう)の2つの形態に分けることができる。
図5には、第一の実施形態のマザーボード用基板を示す。
図5に示すように、マザーボード用基板520は、基板521の両面に導体回路524と層間樹脂絶縁層522とが積層形成され、基板521を挟んだ導体回路間、および、層間樹脂絶縁層522を挟んだ導体回路間は、それぞれ、スルーホール529およびバイアホール527により電気的に接続されている。また、最外層にはソルダーレジスト層534が形成されている。
このマザーボード用基板520では、基板521、層間樹脂絶縁層522およびソルダーレジスト層534を貫通するように光信号伝送用光路542が設けられている。
この光信号伝送用光路542には、基板521、層間樹脂絶縁層522およびソルダーレジスト層534を貫通する部分に樹脂組成物547が充填されている。
そして、ソルダーレジスト層534を貫通する部分の断面の径は、基板521および層間樹脂絶縁層522を貫通する部分の断面の径よりも小さくなっている。ソルダーレジスト層534を貫通する部分の縦断面の形状は矩形状である。
なお、上記光信号伝送用光路の壁面には、導体層が形成されていてもよい。
マザーボード用基板520の片面側(図中、下側)の最外層の層間樹脂絶縁層522上には、4つのコア551a〜551dとクラッド552とからなる光導波路550が形成されている。
また、コア551a〜551dのそれぞれの端部には、光路変換ミラーが形成されており、光導波路と光信号伝送用光路542との間で光信号を伝送することができるように構成されている。ここで、光信号伝送用光路542は、4つのコアのいずれを介して伝送された光信号をも伝送することができる大きさで、基板521、層間樹脂絶縁層522およびソルダーレジスト層534を貫通するように一括形成されている。
なお、光信号伝送用光路542のソルダーレジスト層534を貫通する部分は、図5に示したように樹脂組成物が充填されていてもよいし、空隙により形成されていてもよい。また、光信号伝送用光路542の基板521および層間樹脂絶縁層522を貫通する部分の周囲には導体層が形成されていてもよい。
また、マザーボード用基板520の光導波路が形成された側と反対側のソルダーレジスト層534には、半田バンプ537が形成されている。
また、このような光信号伝送用光路542の光導波路550が形成された側と反対側の樹脂組成物547の端部であって、光信号伝送用光路542のソルダーレジスト層534を貫通する部分には、4つのマイクロレンズ546a〜546dが配設されている。ここで、マイクロレンズ546a〜546dのそれぞれは、端部に光路変換ミラーが形成されたコア551a〜551dのそれぞれに対応する位置に配設されている。
従って、光導波路550を介して伝送されてきた光信号は、マイクロレンズ546a〜546dのいずれかを通過することとなり、このようにマイクロレンズ546a〜546dを配設することにより、光信号の伝送損失を抑えることができる。
光信号伝送用光路542に配設されるマイクロレンズレンズの数は2つ以上であれば特に限定されず、4つ以上であってもよい。
また、マザーボード用基板520では、ソルダーレジスト層534に金属めっき層を介して半田バンプ537が形成されているため、ICチップ実装用基板等の外部基板と半田バンプを介して接続することができ、外部基板との間で電気信号の伝送を行うことができる。
また、上記マザーボード用基板に外部基板を半田バンプを介して接続する場合には、該外部基板をセルフアライメント作用により所定の位置に配置することができる。
このような複数のコアを有する光導波路が形成されたマザーボード用基板において、マイクロレンズを配設する場合、該マイクロレンズの径は、コア間のピッチに応じて適宜決定すればよい。
また、上記一括貫通孔構造の光信号伝送用光路の形状としては、例えば、上述した第一の実施形態のICチップ実装用基板が有する光信号伝送用光路の形状と同様の形状等が挙げられる。
上記一括貫通孔構造の光信号伝送用光路において、基板および層間樹脂絶縁層を貫通する部分の断面の大きさは、縦、横のそれぞれが100μm〜5mmであることが望ましい。また、上記断面が円形の場合には、その直径が上記範囲にあることが望ましい。
上記断面の径が100μm未満では、光信号の伝送が阻害されることがあり、一方、5mmを超えても、光信号の伝送損失の向上はみられず、上記マザーボード用基板の小型化が難しくなる。
また、上記一括貫通孔構造の光信号伝送用光路において、ソルダーレジスト層を貫通する部分の断面の径は、80μm〜4.98mmであることが望ましい。上記断面の径が80μm未満では、光信号の伝送が阻害されることがあり、一方、4.98mmを超えても、光信号の伝送損失の向上はみられず、上記マザーボード用基板の小型化が難しくなる。
次に、第二の実施形態のマザーボード用基板について説明する。
図6には、第二の実施形態のマザーボード用基板を示す。
第二の実施形態のマザーボード用基板、すなわち、個別貫通孔構造の光信号伝送用光路を有する実施形態のICチップ実装用基板は、図5に示した実施形態のICチップ実装用基板と比べて、光信号伝送用光路の形状が異なる以外は、その構成は同一である。従って、ここでは、光信号伝送用光路の形状についてのみ詳細に説明することとする。
図6に示すように、マザーボード用基板620では、基板621、層間樹脂絶縁層622およびソルダーレジスト層634を貫通するように4つの独立した光信号伝送用光路642a〜642dが設けられている。
この光信号伝送用光路642a〜642dは、基板621および層間樹脂絶縁層622を貫通する部分に樹脂組成物647が充填されている。
そして、ソルダーレジスト層634を貫通する部分の断面の径は、基板621および層間樹脂絶縁層622を貫通する部分の断面の径より小さくなっている。ソルダーレジスト層634を貫通する部分の縦断面の形状は矩形状である。
マザーボード用基板620の片面側(図中、下側)の最外層の層間樹脂絶縁層622上には、4つのコア651a〜651dとクラッド652とからなる光導波路650が形成されている。
また、コア651a〜651dのそれぞれの端部には、光路変換ミラーが形成されており、光導波路のコア651a〜651dと光信号伝送用光路642a〜642dとの間で光信号を伝送することができるように構成されている。ここで、光信号伝送用光路642は、4つのコアを介して伝送されてきた光信号のそれぞれを伝送することができるように、個別に独立して形成されている。
なお、光信号伝送用光路642a〜642dのソルダーレジスト層634を貫通する部分には、樹脂組成物が充填されていてもよい。
また、光信号伝送用光路642の基板621および層間樹脂絶縁層622を貫通する部分の周囲には導体層645が形成されていてもよい。
また、このような光信号伝送用光路642a〜642dのそれぞれの光導波路650が形成された側と反対側の樹脂組成物647の端部であって、光信号伝送用光路642のソルダーレジスト層634を貫通する部分には、4つのマイクロレンズ646a〜646dが配設されている。
従って、光導波路650を介して伝送されてきた光信号や、光導波路650に向って伝送される光信号は、マイクロレンズ646a〜646dを通過することとなる。このように、光信号伝送用光路642の一端にマイクロレンズ646a〜646dを配設することにより、光信号の伝送損失を抑えることができる。
第二の実施形態において、光信号伝送用光路642および光信号伝送用光路642に配設されるマイクロレンズレンズの数は2つ以上であれば特に限定されず、4つ以上であってもよい。
また、マザーボード用基板620では、ソルダーレジスト層634に金属めっき層を介して半田バンプ637が形成されているため、ICチップ実装用基板等の外部基板と半田バンプを介して接続することができ、外部基板との間で電気信号の伝送を行うことができる。
また、上記マザーボード用基板に外部基板を半田バンプを介して接続する場合には、該外部基板をセルフアライメント作用により所定の位置に配置することができる。
このような複数のコアを有する光導波路が形成されたマザーボード用基板において、マイクロレンズを配設する場合、マイクロレンズの径は、コア間のピッチに応じて適宜決定すればよい。
また、上記一括貫通孔構造の光信号伝送用光路の形状としては、例えば、上述した第二の実施形態のICチップ実装用基板が有する光信号伝送用光路の形状と同様の形状等が挙げられる。
また、上記光信号伝送用光路の断面の径は、該光信号伝送用光路の基板および層間樹脂絶縁層を貫通する部分は、その下限が150μmで、その上限が450μmであることが望ましい。
上記基板および層間樹脂絶縁層を貫通する部分の光信号伝送用光路の径が150μm以上が望ましい理由は以下の通りである。
すなわち、上記形態の光信号伝送用光路は、基板および層間樹脂絶縁層を貫通する貫通孔を形成した後、該貫通孔内に必要に応じて樹脂組成物を充填することにより形成するのであるが、上記貫通孔は、通常ドリルを用いて形成され、ドリル加工で貫通孔を形成する場合、その径が150μm未満の貫通孔を形成することが困難だからである。
一方、光信号伝送用光路のソルダーレジスト層を貫通する部分の断面の径は、上記基板や上記層間樹脂絶縁層を貫通する部分の断面の径よりも20〜390μm小さいことが望ましく、30〜100μm小さいことがより望ましい。
20μm未満の場合には、ソルダーレジスト層を形成する際の露光、現像処理の精度により、ソルダーレジスト層の座切れ(層間樹脂絶縁層と樹脂組成物との界面を覆うようにソルダーレジスト層が形成されず、上記界面より外側にソルダーレジスト層の光路用開口が形成されてしまうこととなる。)が発生してしまうことがある。なお、30μm以上小さいの場合には、座切れを生じることなく、確実に光路用開口を形成することができる。
一方、望ましい上限の390μmは、直径490μmの光路用貫通孔を500μmピッチで形成し、その径が100μmのマイクロレンズを配設する場合に許容される大きさであるが、光路用貫通孔の形成精度、ソルダーレジスト層の形成精度、伝送光が貫通孔等に壁面にぶつからないことが望ましいこと等を考慮した場合、ソルダーレジスト層に形成される光路用開口の径は小さいことが望ましい。従って、その上限は100μmであることがより望ましい。
次に、本発明のマザーボード用基板の製造方法について説明する。
本発明のマザーボード用基板の製造方法は、
(a)基板の両面に導体回路と層間樹脂絶縁層とを順次積層形成するとともに、上記基板上および/または上記層間樹脂絶縁層上に光導波路を形成し、光配線板とする光配線板製造工程と、
(b)上記光配線板に光信号通過領域を形成する光信号通過領域形成工程と、
(c)上記光信号通過領域内に樹脂組成物を充填する樹脂組成物充填工程と、
(d)上記(b)の工程で形成した光信号通過領域に連通し、上記光信号通過領域の断面の径よりも小さな径の開口を有するソルダーレジスト層を形成するソルダーレジスト層形成工程と
を含むことを特徴とする。
本発明のマザーボード用基板の製造方法は、上記(a)〜(d)の工程を有するため、本発明のマザーボード用基板、すなわち、層間樹脂絶縁層やソルダーレジスト層に設けられた光信号伝送用光路および光導波路を介して光信号の伝送を行うマザーボード用基板を好適に製造することができる。従って、本発明の製造方法を用いることにより、光信号の伝送性に優れたマザーボード用基板を製造することができる。
以下、本発明のマザーボード用基板の製造方法について、工程順に説明する。
なお、本発明のマザーボード用基板の製造方法において、上記光配線板製造工程と上記光信号通過領域形成工程とは、必ずしもこの順序で行う必要はなく、マザーボード用基板の設計に応じて、適宜組み合わせて行えばよい。
本発明のマザーボード用基板の製造方法では、まず、上記(a)の工程、すなわち光配線板製造工程と、上記(b)の工程、すなわち光信号通過領域形成工程とを設計に応じて、並行して行う。
具体的には、例えば、下記(1)〜(8)の工程を行う。
(1)まず、本発明のICチップ実装用基板の製造方法の多層配線板製造工程における(1)〜(2)の工程と同様にして、基板の両面に導体回路を形成するともに、基板を挟んだ導体回路間を接続するスルーホールを形成する。また、この工程でも、導体回路の表面やスルーホールの壁面に、必要に応じて、粗化面を形成する。
(2)次に、必要に応じて、導体回路を形成した基板上に層間樹脂絶縁層と導体回路とを積層形成する。
具体的には、本発明のICチップ実装用基板の製造方法の多層配線板製造工程における(3)〜(8)の工程と同様の方法を用いて、層間樹脂絶縁層と導体回路とを積層形成すればよい。
この工程においても、ICチップ実装用基板を製造する場合と同様、基板と層間樹脂絶縁層とを貫通するスルーホールを形成したり、蓋めっき層を形成したりしてもよい。
なお、この層間樹脂絶縁層と導体回路とを積層する工程は、1回のみ行ってもよいし、複数回行ってもよい。
また、この工程で層間樹脂絶縁層上に導体回路を形成する方法としては、上記ICチップ実装用基板を製造する場合と同様、サブトラクティブ法を用いてもよい。
また、後述するように光導波路を形成する際に、該光導波路をICチップ実装用基板等に対向する側と基板を挟んで反対側の層間樹脂絶縁層上等に形成する場合には、この工程において、必要に応じてその内部に樹脂組成物が充填されたり、その壁面に導体層が形成された光路用貫通孔を形成する。なお、この光路用貫通孔が光信号伝送用光路として機能することとなる。
なお、この基板等を貫通する光路用貫通孔(光信号伝送用光路)の形成は、下記(3)の工程で光導波路を形成した後に行ってもよい。
また、光路用貫通孔の形成は、例えば、ドリル加工やレーザ処理等により行うことができる。
また、上記レーザ処理で使用するレーザとしては、例えば、バイアホール用開口を形成す際に用いるレーザと同様のもの等が挙げられる。
また、光路用貫通孔は、一括貫通孔、個別貫通孔のそれぞれを設計に応じて形成すればよい。
(3)次に、基板上および/または層間樹脂絶縁層上の設計に応じた所定の位置に光導波路を形成する。
上記光導波路の形成は、その材料に石英ガラス等の無機材料を用いて行う場合、予め、所定の形状に成形しておいた光導波路を接着剤を介して取り付けることにより行うことができる。
また、上記無機材料からなる光導波路は、LiNbO、LiTaO等の無機材料を液相エピタキシヤル法、化学堆積法(CVD)、分子線エピタキシヤル法等により成膜させることにより形成することができる。
また、ポリマー材料からなる光導波路を形成する方法としては、(1)予め離型フィルム上等にフィルム状に成形しておいた光導波路形成用フィルムを層間樹脂絶縁層上に張り付ける方法や、(2)層間樹脂絶縁層上に下部クラッド、コア、上部クラッドを順次積層形成していくことにより、上記層間樹脂絶縁層等上に直接光導波路を形成する方法等が挙げられる。
なお、光導波路の形成方法としては、離型フィルム上に光導波路を形成する場合も、層間樹脂絶縁層等上に光導波路を形成する場合も同様の方法を用いて行うことができる。
具体的には、反応性イオンエッチングを用いた方法、露光現像法、金型形成法、レジスト形成法、これらを組み合わせた方法等を用いることができる。
上記反応性イオンエッチングを用いた方法では、(i)まず、離型フィルムや層間樹脂絶縁層等(以下、単に離型フィルム等という)の上に下部クラッドを形成し、(ii)次に、この下部クラッド上にコア用樹脂組成物を塗布し、さらに、必要に応じて、硬化処理を施すことによりコア形成用樹脂層とする。(iii)次に、上記コア形成用樹脂層上に、マスク形成用の樹脂層を形成し、次いで、このマスク形成用の樹脂層に露光現像処理を施すことにより、コア形成用樹脂層上にマスク(エッチングレジスト)を形成する。
(iv)次に、コア形成用樹脂層に反応性イオンエッチングを施すことにより、マスク非形成部分のコア形成用樹脂層を除去し、下部クラッド上にコアを形成する。(v)最後に、上記コアを覆うように下部クラッド上に上部クラッドを形成し、光導波路とする。
この反応性イオンエッチングを用いた方法は、寸法信頼性に優れた光導波路を形成することができる。また、この方法は、再現性にも優れている。
また、露光現像法では、(i)まず、離型フィルム等の上に下部クラッドを形成し、(ii)次に、この下部クラッド上にコア用樹脂組成物を塗布し、さらに、必要に応じて、半硬化処理を施すことによりコア形成用樹脂組成物の層を形成する。
(iii)次に、上記コア形成用樹脂組成物の層上に、コア形成部分に対応したパターンが描画されたマスクを載置し、その後、露光現像処理を施すことにより、下部クラッド上にコアを形成する。(iv)最後に、上記コアを覆うように下部クラッド上に上部クラッドを形成し、光導波路とする。
この露光現像法は、工程数が少ないため、光導波路を量産する際に好適に用いることができ、また、加熱工程が少ないため、光導波路に応力が発生しにくい。
また、上記金型形成法では、(i)まず、離型フィルム等の上に下部クラッドを形成し、(ii)次に、下部クラッドに金型形成によりコア形成用の溝を形成する。(iii)さらに、上記溝内にコア用樹脂組成物を印刷により充填し、その後、硬化処理を施すことによりコアを形成する。(iv)最後に、上記コアを覆うように下部クラッド上に上部クラッドを形成し、光導波路とする。
この金型形成法は、光導波路を量産する際に好適に用いることができ、寸法信頼性に優れた光導波路を形成することができる。また、この方法は、再現性にも優れている。
また、上記レジスト形成法では、(i)まず、離型フィルム等の上に下部クラッドを形成し、(ii)さらに、この下部クラッド上にレジスト用樹脂組成物を塗布した後、露光現像処理を施すことにより、上記下部クラッド上のコア非形成部分に、コア形成用レジスト形成する。
(iii)次に、下部クラッド上のレジスト非形成部分にコア用樹脂組成物の塗布し、(iv)さらに、コア用樹脂組成物を硬化した後、上記コア形成用レジストを剥離することにより、下部クラッド上にコアを形成する。(v)最後に、上記コアを覆うように下部クラッド上に上部クラッドを形成し、光導波路とする。
このレジスト形成法は、光導波路を量産する際に好適に用いることができ、寸法信頼性に優れた光導波路を形成することができる。また、この方法は、再現性にも優れている。
これらの方法を用いてポリマー材料からなる光導波路を形成する場合において、コアに粒子が配合された光導波路を形成する場合には、露光現像法に比べて、金型形成法が望ましい。その理由は以下のとおりである。
すなわち、下部クラッドに金型形成によりコア形成用の溝を形成し、その後、この溝内にコアを形成する金型形成法でコアを形成した場合には、コアに配合される粒子は全部、コア中に入ってしまうこととなるため、コアの表面は平坦で光信号の伝送性に優れるのに対し、露光現像法でコアを形成した場合には、現像後のコアにおいて、コア表面から粒子の一部が突出していたり、コア表面に粒子がとれた窪みが形成されていたりして、コアの表面に凹凸が形成されることがあり、この凹凸によって光が所望の方向に反射しなくなり、その結果、光信号の伝送性が低下することがあるからである。
また、上記光導波路には、光路変換ミラーを形成する。
上記光路変換ミラーは、光導波路を層間樹脂絶縁層上に取り付ける前に形成しておいてもよいし、層間樹脂絶縁層上に取り付けた後に形成してもよいが、該光導波路を層間樹脂絶縁層上に直接形成する場合を除いて、予め光路変換ミラーを形成しておくことが望ましい。作業を容易に行うことができ、また、作業時に多層プリント配線板を構成する他の部材、基板や導体回路、層間樹脂絶縁層等に傷を付けたり、これらを破損させたりするおそれがないからである。
上記光路変換ミラーを形成する方法としては特に限定されず、従来公知の形成方法を用いることができる。具体的には、先端がV形90°のダイヤモンドソーや刃物による機械加工、反応性イオンエッチングによる加工、レーザアブレーション等を用いることができる。また、光路変換ミラーを形成する代わりに光路変換部材を埋め込んでもよい。
また、光導波路に90度光路変換ミラーを形成する場合には、下部クラッドの基板または層間樹脂絶縁層と接する面と、光路変換面とのなす角は、45度であってもよいし、135度であってもよい。
なお、ここでは、基板上または最外層の層間樹脂絶縁層上に光導波路を形成する方法について説明したが、上記多層プリント配線板を製造する場合には、上記光導波路は、基板と層間樹脂絶縁層との間や、層間樹脂絶縁層同士の間に形成する場合もある。
基板と層間樹脂絶縁層との間に光導波路を形成する場合には、上記(1)の工程で、その両面に導体回路が形成された基板を作製した後、上記(3)の工程と同様の方法で基板上の導体回路非形成部分に光導波路を形成し、その後、上記(2)の工程と同様の方法で層間樹脂絶縁層を形成することにより、上記した位置に光導波路を形成することができる。
また、層間樹脂絶縁層同士の間に光導波路を形成する場合には、上記(1)および(2)の工程と同様にして導体回路が形成された基板上に少なくとも1層の層間樹脂絶縁層を積層形成した後、上記(3)の工程と同様にして層間樹脂絶縁層上に光導波路を形成し、その後、さらに、上記(2)の工程と同様の工程を繰り返すことにより、層間樹脂絶縁層同士の間に光導波路を形成することができる。
次に、上記(d)の工程、すなわち、上記(b)の工程で形成した光信号通過領域に連通し、上記光信号通過領域の断面の径よりも小さな径の開口を有するソルダーレジスト層を形成するソルダーレジスト層形成工程を行う。
具体的には、例えば、下記(1)および(2)の工程を行うことによりソルダーレジスト層を形成することができる。
(1)まず、その内部に樹脂組成物が充填された光路用貫通孔を形成した多層配線板の最外層にソルダーレジスト組成物の層を形成する。
上記ソルダーレジスト組成物の層の形成は、ICチップ実装用基板の製造方法で用いた方法と同様の方法を用いて行うことができる。
(2)次に、上記ソルダーレジスト組成物の層に、上記(b)の工程で形成した光信号通過領域に連通し、上記光路用貫通孔の断面の径よりも小さい径の開口(以下、光路用開口ともいう)を形成する。
上記光路用開口の形成は、ICチップ実装用基板の製造方法で用いた方法と同様の方法を用いて行うことができる。
上記光路用開口の断面の径は、上記光信号通過領域の断面の径よりも20〜390μm小さいことが望ましく、30〜100μm小さいことがより望ましい。その理由は、本発明のマザーボード用基板で説明したとおりである。
また、上記光路用開口を形成する際には、同時に、半田バンプ形成用開口(ICチップや光学素子を実装するための開口)を形成することが望ましい。なお、上記光路用開口の形成と、上記半田バンプ形成用開口の形成とは、別々に行ってもよい。
また、ソルダーレジスト層を形成する際に、予め、所望の位置に開口を有する樹脂フィルムを作製し、該樹脂フィルムを張り付けることにより、光路用開口と半田バンプ形成用開口とを有するソルダーレジスト層を形成してもよい。
このような(1)および(2)の工程を経ることにより、光信号通過領域(光路用貫通孔)の形成された多層配線板上に、該光信号通過領域と連通し、その断面の径が光信号通過領域の断面の径よりも小さい光路用開口を形成することができる。
また、上記ソルダーレジスト層に形成した光路用開口には、上記光路用貫通孔と同様の方法で未硬化の樹脂組成物を充填してもよい。
また、場合によっては、ソルダーレジスト層に形成した光路用開口の壁面にも導体層を形成してもよい。
また、この工程では、ソルダーレジスト層を形成した後、光路用貫通孔内に充填した樹脂組成物の端部であって、ソルダーレジスト層に形成した光路用開口内にマイクロレンズを配設するマイクロレンズ配設工程を行ってもよい。
また、マイクロレンズ配設工程を行う場合、予め、撥水処理(撥水コート剤による処理を含む)、親水処理等の表面処理を施しておいてもよい。表面処理を施すことにより、所望の形状のマイクロレンズを配設することができるからである。
なお、上記表面処理や上記マイクロレンズ配設工程は、本発明のICチップ実装用基板の製造方法で用いる方法と同様の方法を用いて行うことができる。
本発明のマザーボード用基板の製造方法では、このような(a)〜(d)の工程を行った後、半田パッドや半田バンプの形成を行うことによりマザーボード用基板を製造することができる。
なお、半田パッドや半田バンプの形成は、本発明のICチップ実装用基板の製造方法で用いる方法と同様の方法により行うことができる。
また、場合によっては、上記(a)の(3)の工程で基板の最外層全体に光導波路を形成し、光導波路がソルダーレジスト層としての役割を果たすようにしてもよい。
また、上記半田バンプは、必要に応じて形成すればよく、半田バンプを形成しない場合であっても、実装するICチップ実装用基板や各種表面実装型電子部品のバンプを介してこれらを実装することができる。
また、ICチップ実装用基板と対向する面と反対側のソルダーレジスト層では、特に、外部接続端子を形成しなくてもよいし、必要に応じて、ピンを配設したり、半田ボールを形成したりすることにより、PGAやBGAとしてもよい。
次に、本発明の光通信用デバイスについて説明する。
本発明の光通信用デバイスは、ICチップが実装された本発明のICチップ実装用基板が、本発明のマザーボード用基板に実装されてなることを特徴とする。
本発明の光通信用デバイスでは、ICチップ実装用基板に実装された発光素子からの出力信号や、受光素子への入力信号をマザーボード用基板を介して伝送することができる。
また、本発明のマザーボード用基板に本発明のICチップ実装用基板が実装されているため、光信号の伝送性に優れることとなる。
本発明の光通信用デバイスにおいては、ICチップ実装用基板に形成された光信号伝送用光路のマザーボード用基板に対向する側の端部、および、マザーボード用基板に形成された光信号伝送用光路のICチップ実装用基板に対向する側の端部にマイクロレンズが配設されていることが望ましい。
この部分にマイクロレンズが配設されている場合には、発光素子が実装されたICチップ実装用基板からの光信号を、マザーボード用基板に形成された光導波路を介して、別のICチップ実装用基板に実装された受光素子に確実に伝送することができるからである。
本発明の光通信用デバイスの実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図7は、本発明の光通信用デバイスの実施形態の一例を模式的に示す断面図である。
図7には、マザーボード用基板720に、受光素子2739が実装されたICチップ実装用基板2720と発光素子1738が実装されたICチップ実装用基板1720とが実装された光通信用デバイス760が示されている。
ICチップ実装用基板1720は、基板1721の両面に導体回路1744と層間樹脂絶縁層1722とが積層形成され、基板1721を挟んだ導体回路間、および、層間樹脂絶縁層1722を挟んだ導体回路間は、それぞれ、スルーホールおよびバイアホール1727により電気的に接続されている(図示せず)。また、最外層にはソルダーレジスト層1734が形成されている。
このICチップ実装用基板1720では、基板1721、層間樹脂絶縁層1722およびソルダーレジスト層1734を貫通するように光信号伝送用光路1742が設けられている。
この光信号伝送用光路1742には、基板1721および層間樹脂絶縁層1722を貫通する部分に樹脂組成物1747が充填されている。また、樹脂組成物1747の発光素子1738が実装された側と反対側の端部であって、光信号伝送用光路1742のソルダーレジスト層1734を貫通する部分には、マイクロレンズ1746が配設されている。
ICチップ実装用基板1720の一の面には、発光部1738aが光信号伝送用光路1742に対向するように、発光素子1738が半田接続部1744を介して表面実装されている。また、図示していないが、ICチップ実装用基板1720の発光素子1738が実装された側と同じ側の面には、ICチップが半田接続部を介して表面実装されている。
また、ICチップ実装用基板2720は、基板2721の両面に導体回路2744と層間樹脂絶縁層2722とが積層形成され、基板2721を挟んだ導体回路間、および、層間樹脂絶縁層2722を挟んだ導体回路間は、それぞれ、スルーホールおよびバイアホール2727により電気的に接続されている(図示せず)。また、最外層にはソルダーレジスト層2734が形成されている。
このICチップ実装用基板2720では、基板2721、層間樹脂絶縁層2722およびソルダーレジスト層2734を貫通するように光信号伝送用光路2742が設けられている。
この光信号伝送用光路2742には、基板2721および層間樹脂絶縁層2722を貫通する部分に樹脂組成物2747が充填されている。また、樹脂組成物2747の受光素子2739が実装された側と反対側の端部であって、光信号伝送用光路2742のソルダーレジスト層2734を貫通する部分には、マイクロレンズ2746が配設されている。
ICチップ実装用基板2720の一の面には、受光部2739aが光信号伝送用光路2742に対向するように、受光素子2739が半田接続部2744を介して表面実装されている。また、図示していないが、ICチップ実装用基板2720の受光素子2739が実装された側と同じ側の面には、ICチップが半田接続部を介して表面実装されている。
また、マザーボード用基板720は、基板721の両面に導体回路744と層間樹脂絶縁層722とが積層形成され、基板721を挟んだ導体回路間、および、層間樹脂絶縁層722を挟んだ導体回路間は、それぞれ、スルーホール729およびバイアホール(図示せず)により電気的に接続されている。また、最外層にはソルダーレジスト層734が形成されている。
このマザーボード用基板720では、基板721、層間樹脂絶縁層722およびソルダーレジスト層734を貫通するように光信号伝送用光路742が設けられている。
この光信号伝送用光路742には、基板721および層間樹脂絶縁層722を貫通する部分に樹脂組成物747が充填されている。
そして、ソルダーレジスト層734を貫通する部分の断面の径は、基板721および層間樹脂絶縁層722を貫通する部分の断面の径よりも小さくなっている。
マザーボード用基板720のICチップ実装用基板1720、2720が実装された側と反対側の最外層の層間樹脂絶縁層722上には、コア751とクラッド752とからなる光導波路750が形成されている。
また、光導波路750のそれぞれの端部には、光路変換ミラーが形成されており、光導波路750と光信号伝送用光路742との間で光信号を伝送することができるように構成されている。
また、このような光信号伝送用光路742の光導波路750が形成された側と反対側の端部には、マイクロレンズ746a、746bが配設されている。ここで、マイクロレンズ746a、746bのそれぞれは、端部に光路変換ミラーが形成されたコア751のそれぞれの端部に対応する位置に配設されている。
そして、光通信用デバイス760では、マザーボード用基板720の光導波路750が形成された側と反対側の面に、ICチップ実装用基板1720、2720が半田接続部1744、2744を介して実装されている。
ここで、ICチップ実装用基板1720、2720のそれぞれは、セルフアライメント作用により所定の位置に実装されている。
このような構成からなる光通信用デバイス760では、ICチップ実装用基板1720に実装されたICチップ(図示せず)からの電気信号が、発光素子1738で光信号に変換され、発光素子1738(発光部1738a)から出射した光信号は、光信号伝送用光路1742、マイクロレンズ1746、マイクロレンズ746a、光信号伝送用光路742、光導波路750、光信号伝送用光路742、マイクロレンズ746b、マイクロレンズ2746および光信号伝送用光路2742を介して受光素子2739(受光部2739a)に伝送され、さらに受光素子2739で電気信号に変換された後、ICチップ実装用基板2720に実装されたICチップ(図示せず)に伝送され、処理されることとなる。
このような光通信用デバイスでは、樹脂組成物の端部に配設されたマイクロレンズを介して、光信号が伝送されることとなるため、確実に光信号を伝送することができる。
また、本発明の光通信用デバイスの実施形態は、図7に示したよう実施形態に限定されるわけではなく、例えば、図8に示すような実施形態であってもよい。
図8は、本発明の光通信用デバイスの実施形態の別の一例を模式的に示す断面図である。
図8には、マザーボード用基板820に、発光素子1838が実装されたICチップ実装用基板1820と受光素子2839が実装されたICチップ実装用基板2820とが実装された光通信用デバイス860が示されている。
光通信用デバイス860は、図7に示した光通信用デバイス760と比べて、ICチップ実装用基板1820、2820の構造が異なるものの、マザーボード用基板820の構造は、マザーボード用基板720の構造と同一である。
従って、ここでは、ICチップ実装用基板1820、2820の構造を中心に光通信用デバイス860の実施形態について説明することとする。
ICチップ実装用基板1820は、基板1821の両面に導体回路1844と層間樹脂絶縁層1822とが積層形成され、基板1821を挟んだ導体回路間、および、層間樹脂絶縁層1822を挟んだ導体回路間は、それぞれ、スルーホール1829およびバイアホール1827により電気的に接続されている。また、最外層にはソルダーレジスト層1834が形成されている。
このICチップ実装用基板1820では、凹部形状の光信号伝送用光路1842が設けられている。
この光信号伝送用光路1842内には、発光素子1838とICチップ(図示せず)とがワイヤボンディング1849により実装されており、さらに、光信号伝送用光路1842の層間樹脂絶縁層1822に形成された部分には、樹脂組成物1847が充填されている。
また、樹脂組成物1847の発光素子1838が実装された側と反対側の端部であって、光信号伝送用光路1842のソルダーレジスト層1834を貫通する部分には、マイクロレンズ1846が配設されている。
また、ICチップ実装用基板2820は、基板2821の両面に導体回路2844と層間樹脂絶縁層2822とが積層形成され、基板2821を挟んだ導体回路間、および、層間樹脂絶縁層2822を挟んだ導体回路間は、それぞれ、スルーホール2829およびバイアホール2827により電気的に接続されている。また、最外層にはソルダーレジスト層2834が形成されている。
このICチップ実装用基板2820では、凹部形状の光信号伝送用光路2842が設けられている。
この光信号伝送用光路2842内には、受光素子2839とICチップ(図示せず)とがワイヤボンディング2848により実装されており、さらに、光信号伝送用光路2842の層間樹脂絶縁層2822に形成された部分には、樹脂組成物2847が充填されている。
また、樹脂組成物2847の受光素子2839が実装された側と反対側の端部であって、光信号伝送用光路2842のソルダーレジスト層2834を貫通する部分には、マイクロレンズ2846が配設されている。
また、マザーボード用基板820は、上述したように、図7に示したマザーボード用基板と同様の構成を有している。
そして、光通信用デバイス860では、マザーボード用基板820の光導波路850が形成された側と反対側の面に、ICチップ実装用基板1820、2820が半田接続部1843、2843を介して実装されている。
ここで、ICチップ実装用基板1820、2820のそれぞれは、セルフアライメント作用により所定の位置に実装されている。
このような構成からなる光通信用デバイス860では、ICチップ実装用基板1820に実装されたICチップ(図示せず)からの電気信号が、発光素子1838で光信号に変換され、発光素子1838(発光部1838a)から出射した光信号は、光信号伝送用光路1842、マイクロレンズ1846、マイクロレンズ846a、光信号伝送用光路842、光導波路850、光信号伝送用光路842、マイクロレンズ846b、マイクロレンズ2846および光信号伝送用光路2842を介して受光素子2839(受光部2839a)に伝送され、さらに受光素子2839で電気信号に変換された後、ICチップ実装用基板2820に実装されたICチップ(図示せず)に伝送され、処理されることとなる。
このような光通信用デバイスでは、樹脂組成物の端部に配設されたマイクロレンズを介して、光信号が伝送されることとなるため、確実に光信号を伝送することができる。
また、図7、8に示した光通信用デバイスにおいては、ICチップ実装用基板には、1チャンネル光学素子(発光素子、受光素子)が実装されており、これに対応して、1チャンネルを光信号を伝送するための光信号伝送用光路が、ICチップ実装用基板とマザーボード用基板とのそれぞれに形成されている。
しかしながら、本発明の光通信用デバイスの実施形態は、図7、8に示したような実施形態に限定されるわけではなく、本発明のマザーボード用基板に本発明のICチップ実装用基板が実装された形態であればよい。
従って、ICチップ実装用基板には、マルチチャンネルの光学素子が実装されていてもよく、また、ICチップ実装用基板およびマザーボード用基板のそれぞれには、マルチチャンネルの光学素子の光信号を伝送すべく、一括貫通孔構造の光信号伝送用光路や、個別貫通孔構造の光信号伝送用光路等が形成されていてもよい。
また、マザーボード用基板に複数のICチップ実装用基板が実装されている場合、一括貫通孔構造の光信号伝送用光路が形成されたICチップ実装用基板および凹部形状の光信号伝送用光路が形成されたICチップ実装用基板等、光信号伝送用光路の構造が異なるICチップ実装用基板が、一のマザーボード用基板に実装されていてもよい。
次に、図7に示した実施形態の光通信用デバイスを例に、ICチップ実装用基板およびマザーボード用基板の望ましい厚さについて説明する。
具体的には、例えば、受光素子としてPD(受光径φ60〜80μm)、マイクロレンズとして、ピッチ250μmのマイクロレンズ(直径100〜240μm、サグ高さ3〜120μm)、光導波路としてコアサイズ50×50μmの光導波路を用いる場合において、発光素子としてインプラ型のVCSEL(広がり角度8度、発光エリア径φ15μm)を用いる場合には、ICチップ実装用基板の厚さは、0.5〜1.6mmが望ましい。また、発光素子として酸化狭窄型(広がり角度15度、発光エリア径φ18μm)を用いる場合には、ICチップ実装用基板の厚さは、0.5〜0.9mmが望ましい。さらに、発光素子として酸化狭窄型(広がり角度25度、発光エリア径φ18μm)を用いる場合には、ICチップ実装用基板の厚さは、0.5mm程度が望ましい。0.5mm未満では、基板に反りが発生しやすくなるからである。
マザーボード用基板の厚さは、0.5〜0.75mmが望ましい。
また、上記マイクロレンズは、上述した範囲のなかでも、その直径が200〜240μm、サグ高さ5〜50μmであることが望ましい。
なお、上記ICチップ実装用基板およびマザーボード用基板の望ましい厚さ、ならびに、マイクロレンズの望ましい形状は、光学設計ソフトZEMAX(focus Software,INC.製)によるシミュレーションにより明らかにした。
また、図8に示したような、凹部構造の光信号伝送用光路が形成されたICチップ実装用基板が実装された光通信用デバイスについて、発光素子の発光面や受光素子の受光面から光信号伝送用光路に充填した樹脂組成物の端面(マイクロレンズを配設する面)までの距離Hについて説明する。
具体的には、例えば、受光素子としてPD(受光径φ60〜80μm)、マイクロレンズとして、ピッチ250μmのマイクロレンズ(直径100〜240μm、サグ高さ3〜120μm)、光導波路としてコアサイズ50×50μmの光導波路を用いる場合において、発光素子としてインプラ型のVCSEL(広がり角度8度、発光エリア径φ15μm)を用いる場合には、上記距離Hは0.2〜2.0mmが望ましい。また、発光素子として酸化狭窄型(広がり角度15度、発光エリア径φ18μm)を用いる場合には、上記距離Hは0.2〜1.0mmが望ましい。さらに、発光素子として酸化狭窄型(広がり角度25度、発光エリア径φ18μm)を用いる場合には、上記距離Hは0.2〜0.7mmが望ましい。
なお、距離H望ましい下限は、ワイヤボンディングの高さ0.15mmおよび光学素子を取り付ける樹脂の厚さ0.05mmから定まる値であり、両者の値の和が変更されれば、それとともに望ましい距離H望ましい下限は変わることとなる。
また、上記マイクロレンズは、上述した範囲のなかでも、その直径が200〜240μm、サグ高さ5〜50μmであることが望ましい。
なお、上記距離Hの望ましい大きさや、マイクロレンズの望ましい形状は、光学設計ソフトZEMAXによるシミュレーションにより明らかにした。
さらに、本発明の光通信用デバイスにおいて、配設されるマイクロレンズの望ましい形状について、詳細に説明する。
ここでは、図7に示した実施形態と略同様の実施形態の光通信用デバイスを例にして説明する。
具体的には、ICチップ実装用基板2720として、受光径φ70μm、4チャンネルの受光素子2739が実装され、その平面視形状が角部円弧の長方形である一括貫通孔構造の光信号伝送用光路が形成された厚さ0.7mmのICチップ実装用基板を用い、ICチップ実装用基板1720として、広がり角度8度、4チャンネルの発光素子1738が実装され、その平面形状が角部円弧の長方形である一括貫通孔構造の光信号伝送用光路が形成された厚さ0.7mmのICチップ実装用基板を用い、マザーボード用基板720として、幅×厚さ50×50μmコアが、厚さ50μmのクラッドに挟まれた光導波路が形成され、その平面形状が角部円弧の長方形である一括貫通孔構造の光信号伝送用光路が形成された厚さ0.7mmのマザーボード用基板を用いた光通信用デバイスについて、ICチップ実装用基板1720に形成したマイクロレンズ1746、ICチップ実装用基板2720に形成したマイクロレンズ2746、マザーボード用基板720に形成したマイクロレンズ746a、746bの望ましい形状、特に、それぞれマイクロレンズの直径を220μmとした場合の望ましいマイクロレンズのサグ高さをシミュレーションにより明らかにした。
なお、ICチップ実装用基板2720に配設したマイクロレンズ2746は、受光素子2739の受光エリア1739aに光信号を集光させることを目的とするものであり、ICチップ実装用基板1720に配設したマイクロレンズ1746は、光信号をコリメート光とすることを目的とするものであり、マザーボード用基板720に配設したマイクロレンズ746a、746bのそれぞれは、マイクロレンズ746aが光信号を光導波路750のコア751に向かって集光させることを目的とするものであり、マイクロレンズ746bが光信号をコリメート光とすることを目的とするものである。
また、各マイクロレンズの評価について、ICチップ実装用基板1720に配設したマイクロレンズ1746は、ICチップ実装用基板1720を作製した後、マザーボード用基板に実装する前に、パワーメータのNFP(ニアフィールドパターン)から集光距離を求めることにより評価した。また、マザーボード用基板720に配設したマイクロレンズ746aは、ICチップ実装用基板1720をマザーボード用基板720に実装し、光導波路750の発光素子と対向する側の端部のNFPより評価した。また、マザーボード用基板に配設したマイクロレンズ746bは、ICチップ実装用基板2720の実装領域におけるNFPより評価した。また、ICチップ実装用基板2720に配設したマイクロレンズ2746は、受光素子2739が未実装のICチップ実装用基板2720を実装し、受光素子2739の実装領域におけるNFPより評価した。
その結果、マザーボード用基板720に配設されたマイクロレンズ746aは、そのサグ高さの上限が12μmで、下限が10μmであることが望ましく、この範囲であれば、伝送光を確実にコリメート光とすることができることが明らかとなった。
さらに、マイクロレンズ746aでは、その焦点距離が0.75±0.05mmであることが望ましいことも明らかとなった。
また、発光素子を実装したICチップ実装用基板1720に配設されたマイクロレンズ1746は、そのサグ高さの上限が10μmで、下限が8μmであることが望ましく、この範囲であれば、伝送光を確実にコリメート光とすることができることが明らかとなった。
また、受光素子を実装したICチップ実装用基板2720に配設されたマイクロレンズ2746は、そのサグ高さの上限が12μmで、下限が10μmであることが望ましく、この範囲であれば、伝送光を確実にコリメート光とすることができることが明らかとなった。さらに、マイクロレンズ2746では、その焦点距離が0.75±0.05mmであることが望ましいことも明らかとなった。
また、マザーボード用基板720に配設されたマイクロレンズ746bは、そのサグ高さの上限が10μmで、下限が8μmであることが望ましく、この範囲であれば、伝送光を確実にコリメート光とすることができることが明らかとなった。
さらに、図7に示したような実施形態の光通信用デバイスにおいては、上述した望ましい形状以外の形状のマイクロレンズを配設する場合おいて、図7の実施形態に示した4箇所の全てにマイクロレンズを配設しないと、発光素子から受光素子への光信号の伝送性が大きく低下することも明らかとなった。なお、図8に示した実施形態の光通信用デバイスにおいても同様のことが明らかとなった。
また、本発明の光通信用デバイスにおいては、マザーボード用基板に実装したICチップ実装用基板をアンダーフィルで封止してもよく、ICチップ実装用基板の周囲のみを封止してもよい。これにより、光路にゴミや異物が入り込むことを防止することができる。なお、アンダーフィルで封止するか否か、封止する場合のアンダーフィルの屈折率の値等は、設計に応じて適宜選択すればよい。
次に、本発明の光通信用デバイスの製造方法について説明する。
本発明の光通信用デバイスは、上述した製造方法により、本発明のICチップ実装用基板と本発明のマザーボード用基板とを別々に製造した後、その後、両者を半田等を介して接続することにより製造することができる。
具体的には、半田バンプが形成されたICチップ実装用基板と、半田バンプが形成されたマザーボード用基板とをそれぞれ所定の位置に、所定の向きで対向配置し、その後、リフローすることにより両者を接続し、光通信用デバイスとすることができる。
なお、上記ICチップ実装用基板およびマザーボード用基板のそれぞれの対向する面のうち、どちらか一方の面にのみ半田バンプが形成されていてもよい。
この場合も両者を電気的に接続することができるからである。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
A.層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムの作製
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量469、油化シェルエポキシ社製エピコート1001)30重量部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量215、大日本インキ化学工業社製 エピクロンN−673)40重量部、トリアジン構造含有フェノールノボラック樹脂(フェノール性水酸基当量120、大日本インキ化学工業社製 フェノライトKA−7052)30重量部をエチルジグリコールアセテート20重量部、ソルベントナフサ20重量部に攪拌しながら加熱溶解させ、そこへ末端エポキシ化ポリブタジエンゴム(ナガセ化成工業社製 デナレックスR−45EPT)15重量部と2−フェニル−4、5−ビス(ヒドロキシメチル)イミダゾール粉砕品1.5重量部、微粉砕シリカ2重量部、シリコーン系消泡剤0.5重量部を添加しエポキシ樹脂組成物を調製した。
得られたエポキシ樹脂組成物を厚さ38μmのPETフィルム上に乾燥後の厚さが50μmとなるようにロールコーターを用いて塗布した後、80〜120℃で10分間乾燥させることにより、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを作製した。
B.貫通孔充填用樹脂組成物の調製
ビスフェノールF型エポキシモノマー(油化シェル社製、分子量:310、YL983U)100重量部、表面にシランカップリング剤がコーティングされた平均粒径が1.6μmで、最大粒子の直径が15μm以下のSiO球状粒子(アドテック社製、CRS 1101−CE)170重量部およびレベリング剤(サンノプコ社製 ペレノールS4)1.5重量部を容器にとり、攪拌混合することにより、その粘度が23±1℃で45〜49Pa・sの樹脂充填材を調製した。なお、硬化剤として、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、2E4MZ−CN)6.5重量部を用いた。
C.ICチップ実装用基板の製造
(1)厚さ0.8mmのガラスエポキシ樹脂またはBT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる絶縁性基板21の両面に18μmの銅箔28がラミネートされている銅張積層板を出発材料とした(図9(a)参照)。まず、この銅張積層板をドリル削孔し、無電解めっき処理を施し、パターン状にエッチングすることにより、基板21の両面に導体回路24とスルーホール29とを形成した。
(2)スルーホール29と導体回路24とを形成した基板を水洗いし、乾燥した後、NaOH(10g/l)、NaClO(40g/l)、NaPO(6g/l)を含む水溶液を黒化浴(酸化浴)とする黒化処理、および、NaOH(10g/l)、NaBH(6g/l)を含む水溶液を還元浴とする還元処理を行い、スルーホール29を含む導体回路24の表面に粗化面(図示せず)を形成した(図9(b)参照)。
(3)上記Bに記載した樹脂充填材を調製した後、下記の方法により調製後24時間以内に、スルーホール29内および基板21の片面の導体回路非形成部と導体回路24の外縁部とに樹脂充填材30′の層を形成した。
すなわち、まず、スキージを用いてスルーホール内に樹脂充填材を押し込んだ後、100℃、20分の条件で乾燥させた。次に、導体回路非形成部に相当する部分が開口したマスクを基板上に載置し、スキージを用いて凹部となっている導体回路非形成部にも樹脂充填材を充填し、100℃、20分の条件で乾燥させることにより樹脂充填材30′の層を形成した(図9(c)参照)。
(4)上記(3)の処理を終えた基板の片面を、♯600のベルト研磨紙(三共理化学社製)を用いたベルトサンダー研磨により、導体回路24の表面やスルーホール29のランド表面に樹脂充填材30′が残らないように研磨し、次いで、上記ベルトサンダー研磨による傷を取り除くためのバフ研磨を行った。このような一連の研磨を基板の他方の面についても同様に行った。
次いで、100℃で1時間、120℃で3時間、150℃で1時間、180℃で7時間の加熱処理を行って樹脂充填材層30を形成した。
このようにして、スルーホール29や導体回路非形成部に形成された樹脂充填材30の表層部および導体回路24の表面を平坦化し、樹脂充填材30と導体回路24の側面とが粗化面(図示せず)を介して強固に密着し、また、スルーホール29の内壁面と樹脂充填材30とが粗化面(図示せず)を介して強固に密着した絶縁性基板を得た(図9(d)参照)。この工程により、樹脂充填材層30の表面と導体回路24の表面とが同一平面となる。
(5)上記基板を水洗、酸性脱脂した後、ソフトエッチングし、次いで、エッチング液を基板の両面にスプレーで吹き付けて、導体回路24の表面とスルーホール29のランド表面と内壁とをエッチングすることにより、導体回路24の全表面に粗化面(図示せず)を形成した。エッチング液として、イミダゾール銅(II)錯体10重量部、グリコール酸7重量部、塩化カリウム5重量部を含むエッチング液(メック社製、メックエッチボンド)を使用した。
(6)次に、上記Aで作製した基板より少し大きめの層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを基板上に載置し、圧力0.4MPa、温度80℃、圧着時間10秒の条件で仮圧着して裁断した後、さらに、以下の方法により真空ラミネータ装置を用いて貼り付けることにより層間樹脂絶縁層22を形成した(図9(e)参照)。
すなわち、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを基板上に、真空度65Pa、圧力0.4MPa、温度80℃、時間60秒の条件で本圧着し、その後、170℃で30分間熱硬化させた。
(7)次に、層間樹脂絶縁層22上に、厚さ1.2mmの貫通孔が形成されたマスクを介して、波長10.4μmのCOガスレーザにて、ビーム径4.0mm、トップハットモード、パルス幅8.0μ秒、マスクの貫通孔の径1.0mm、1ショットの条件で層間樹脂絶縁層22に、直径80μmのバイアホール用開口26を形成した(図9(f)参照)。
(8)バイアホール用開口26を形成した基板を、60g/lの過マンガン酸を含む80℃の溶液に10分間浸漬し、層間樹脂絶縁層22の表面に存在するエポキシ樹脂粒子を溶解除去することにより、バイアホール用開口26の内壁面を含むその表面に粗化面(図示せず)を形成した。
(9)次に、上記処理を終えた基板を、中和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いした。
さらに、粗面化処理(粗化深さ3μm)した該基板の表面に、パラジウム触媒を付与することにより、層間樹脂絶縁層22の表面(バイアホール用開口26の内壁面を含む)に触媒核を付着させた(図示せず)。すなわち、上記基板を塩化パラジウム(PdCl)と塩化第一スズ(SnCl)とを含む触媒液中に浸漬し、パラジウム金属を析出させることにより触媒を付与した。
(10)次に、以下の組成の無電解銅めっき水溶液中に、基板を浸漬し、層間樹脂絶縁層22の表面(バイアホール用開口26の内壁面を含む)に厚さ0.6〜3.0μmの薄膜導体層(無電解銅めっき膜)32を形成した(図10(a)参照)。
〔無電解めっき水溶液〕
NiSO 0.003 mol/l
酒石酸 0.200 mol/l
硫酸銅 0.030 mol/l
HCHO 0.050 mol/l
NaOH 0.100 mol/l
α、α′−ビピリジル 100 mg/l
ポリエチレングリコール(PEG) 0.10 g/l
〔無電解めっき条件〕
30℃の液温度で40分
(11)次に、薄膜導体層(無電解銅めっき膜)32が形成された基板に市販の感光性ドライフィルムを張り付け、マスクを載置して、100mJ/cmで露光し、0.8%炭酸ナトリウム水溶液で現像処理することにより、厚さ20μmのめっきレジスト23を設けた(図10(b)参照)。
(12)ついで、基板を50℃の水で洗浄して脱脂し、25℃の水で水洗後、さらに硫酸で洗浄してから、以下の条件で電解めっきを施し、めっきレジスト23非形成部に、厚さ20μmの電解銅めっき膜33を形成した(図10(c)参照)。
〔電解めっき液〕
硫酸 2.24 mol/l
硫酸銅 0.26 mol/l
添加剤 19.5 ml/l
(アトテックジャパン社製、カパラシドHL)
〔電解めっき条件〕
電流密度 1 A/dm
時間 65 分
温度 22±2 ℃
(13)さらに、めっきレジスト23を5%NaOHで剥離除去した後、そのめっきレジスト23下の薄膜導体層を硫酸と過酸化水素との混合液でエッチング処理して溶解除去し、薄膜導体層(無電解銅めっき膜)32と電解銅めっき膜33とからなる厚さ18μmの導体回路24(バイアホール27を含む)を形成した(図10(d)参照)。
(14)さらに、上記(5)の工程で用いたエッチング液と同様のエッチング液を用いて、導体回路24の表面に粗化面(図示せず)を形成し、次いで、上記(6)〜(8)の工程と同様にしてバイアホール用開口26を有し、その表面に粗化面(図示せず)が形成された層間樹脂絶縁層22を積層形成した(図11(a)参照)。
(15)次に、上記(9)の工程で用いた方法と同様の方法で、層間樹脂絶縁層22(バイアホール用開口26の内壁面を含む)の表面に触媒を付与し、さらに、上記(10)の工程で用いた無電解めっき液と同様の無電解銅めっき水溶液中に、基板を浸漬し、層間樹脂絶縁層22の表面(バイアホール用開口26の内壁面を含む)に薄膜導体層(無電解銅めっき膜)32を形成した(図11(b)参照)。
(16)次に、上記(11)の工程で用いた方法と同様の方法で、めっきレジスト23を設け、さらに、上記(12)の工程で用いた方法と同様の方法で、めっきレジスト23非形成部に、厚さ20μmの電解銅めっき膜33を形成した(図11(c)参照)。
(17)次に、上記(13)の工程で用いた方法と同様の方法で、めっきレジスト23の剥離と、めっきレジスト23下の薄膜導体層の除去とを行い、導体回路24(バイアホール27を含む)を形成した。
さらに、上記(2)の工程で用いた方法と同様の方法で、酸化還元処理を行い、導体回路24の表面を粗化面(図示せず)とした。
その後、ドリル加工により、基板21および層間樹脂絶縁層22を貫通する光路用貫通孔31(平面視形状が角部円弧の長方形(縦240μm×横1000μm))を形成し、さらに、光路用貫通孔31の壁面にデスミア処理を施した(図11(d)参照)。この場合、一括貫通孔構造の光路用貫通孔31が形成されることとなる。
(18)次に、樹脂を印刷機の穴埋めマスク上に載せて、スクリーン印刷を行うことにより光路用貫通孔31内に樹脂を充填した後、120℃で1時間および150℃で1時間の条件で硬化処理を施し、その後、光路用貫通孔31内から飛び出している樹脂を、♯3000研磨紙を用いて研磨し、さらに、0.05μmのアルミナ粒子を用いて研磨して表面を平坦化することにより、樹脂組成物層47を形成した。
この工程で樹脂としては、エポキシ樹脂(透過率91%/mm、CTE82ppm)に0.1〜0.8μmの粒度分布を有する粉砕シリカを40重量%添加して、透過率82%/mm、CTE42ppmとし、粘度を200000cpsに調整したものを用いた。
(19)次に、樹脂組成物層42aを形成した基板の両面に、ソルダーレジスト組成物(RPZ−1 日立化成社製)を30μmの厚さで塗布し、70℃で20分間、70℃で30分間の条件で乾燥処理を行い、ソルダーレジスト組成物の層34′を形成した(図12(a)参照)。
(20)次いで、半田バンプ形成用開口および光路用開口のパターンが描画された厚さ5mmのフォトマスクをICチップ実装側のソルダーレジスト組成物の層34′に密着させて1000mJ/cmの紫外線で露光し、DMTG溶液で現像処理し、開口を形成した。
さらに、80℃で1時間、100℃で1時間、120℃で1時間、150℃で3時間の条件でそれぞれ加熱処理を行ってソルダーレジスト組成物の層を硬化させ、半田バンプ形成用開口48、および、光路用開口31bを有し、その厚さが20μmのソルダーレジスト層34を形成した(図12(b)参照)。
ここで形成した光路用開口は、完成後、光学素子を実装する側(図中、上側)が平面視形状が角部円弧の長方形(縦220μm×横970mm)であり、後工程でマイクロレンズを配設することとなる側(図中、下側)は、平面視形状が直径220μmの円である。
従って、この工程で形成したソルダーレジスト層は、光路用貫通孔と樹脂組成物との界面を覆うように形成されていることとなる。
なお、上記ソルダーレジスト組成物としては、市販のソルダーレジスト組成物を使用することもできる。
(21)次に、ソルダーレジスト層34を形成した基板を、塩化ニッケル(2.3×10−1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(2.8×10−1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.6×10−1mol/l)を含むpH=4.5の無電解ニッケルめっき液に20分間浸漬して、半田バンプ形成用開口48に厚さ5μmのニッケルめっき層を形成した。さらに、その基板をシアン化金カリウム(7.6×10−3mol/l)、塩化アンモニウム(1.9×10−1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.2×10−1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(1.7×10−1mol/l)を含む無電解金めっき液に80℃の条件で7.5分間浸漬して、ニッケルめっき層上に、厚さ0.03μmの金めっき層を形成し、半田パッド36とした。
(22)次に、マイクロレンズを配設する側のソルダーレジスト層の表面全体にフッ素系ポリマーの撥水コート剤(EGC−1700 住友3M社製)をスプレー塗布し、エアーブローを行った後、自然乾燥させることにより表面処理を施した。
さらに、樹脂組成物層47の光学素子を実装する側と反対側の端部であって、ソルダーレジスト層34に形成した光路用開口31b内にインクジェット装置を用いて、下記の方法によりマイクロレンズ46a〜46dを配設した(図13(a)参照)。
すなわち、UV硬化型エポキシ系樹脂(透過率94%/mm、屈折率1.53)を室温(25℃)で、粘度20cpsに調製した後、この樹脂をインクジョット装置の樹脂容器内で、温度40℃、粘度は8cpsに調製し、その後、樹脂組成物層47の端部の所定の位置に、直径220μm、サグ高さ9μmの半球状となるように塗布し、さらに、UV光(500mW/分)を照射させて樹脂を硬化させることにより、マイクロレンズ46a〜46dを配設した。
(23)次に、ソルダーレジスト層34に形成した半田バンプ形成用開口47に半田ペーストを印刷し、さらに、発光素子38の発光部38aの位置合わせを行いながら取り付け、200℃でリフローすることにより、発光素子38を実装するとともに、半田バンプ形成用開口48に半田バンプ37を形成した。
その後、エポキシ系樹脂(透過率90%/mm、CTE73ppm)に0.1〜0.8μmの粒度分布の粉砕シリカを60重量%添加して、透過率80%/mm、CTE30ppm、粘度50cpsに調整したアンダーフィル用樹脂を調製した後、このアンダーフィル用樹脂を発光素子の周囲に塗布し、発光素子とソルダーレジスト層とのギャップ(50μm)に放置浸透させ、さらに、このアンダーフィル用樹脂を120℃で1時間および150℃で2時間の条件で硬化させることによりアンダーフィルを形成した。
このような工程を経ることによりICチップ実装用基板を得た(図13(b)参照)。
なお、発光素子38としては、InGaAsPからなるVCSELを用いた。
なお、本実施例で製造したICチップ実装用基板では、光信号伝送用光路の基板および層間樹脂絶縁層を貫通する部分には樹脂組成物が充填され、光信号伝送用光路の基板および層間樹脂絶縁層を貫通する部分の周囲には導体層が形成されている。
(実施例2)
実施例1の(22)の工程において、樹脂組成物層47の端部にマイクロレンズを配設する際に、実施例1で使用したエポキシ系樹脂に粒度分布0.1〜0.8μmの破砕形状のシリカ粒子を20重量%配合したもの(透過率83%/mm)を用いた以外は、実施例1と同様にしてICチップ実装用基板を得た。
(実施例3)
実施例1の(22)の工程において、樹脂組成物層47の端部にマイクロレンズを配設する際に、実施例1で使用したエポキシ系樹脂に粒度分布0.1〜0.8μmの破砕形状のシリカ粒子を40重量%配合したもの(透過率80%/mm)を用いた以外は、実施例1と同様にしてICチップ実装用基板を得た。
(実施例4)
実施例1の(22)の工程において、樹脂組成物層47の端部にマイクロレンズを配設する際に、実施例1で使用したエポキシ系樹脂に粒度分布0.1〜0.8μmの破砕形状のシリカ粒子を50重量%配合したもの(透過率81%/mm)を用いた以外は、実施例1と同様にしてICチップ実装用基板を得た。
(実施例5)
実施例1の(22)の工程において、樹脂組成物層47の端部にマイクロレンズを配設する際に、実施例1で使用したエポキシ系樹脂に粒度分布0.1〜0.8μmの破砕形状のシリカ粒子を60重量%配合したもの(透過率82%/mm)を用いた以外は、実施例1と同様にしてICチップ実装用基板を得た。
(実施例6)
実施例1の(22)の工程において、樹脂組成物層47の端部にマイクロレンズを配設する際に、実施例1で使用したエポキシ系樹脂に粒度分布0.1〜0.8μmの破砕形状のシリカ粒子を70重量%配合したもの(透過率81%/mm)を用いた以外は、実施例1と同様にしてICチップ実装用基板を得た。
(実施例7〜12)
実施例1〜7のそれぞれにおいて、インクジェット装置の代えて、ディスペンサーを用いてマイクロレンズを配設した以外は、実施例1〜7のそれぞれと同様にしてICチップ実装用基板を得た。なお、ディスペンサーを用いる場合には、樹脂を粘度20cpsのまま用いた。
(実施例13)
実施例1の(17)の工程において、光路用貫通孔を形成する際に、直径300μmのドリルを用い、500μmピッチで4つの光路用貫通孔を形成した以外は、実施例1と同様にしてICチップ実装用基板を得た。本実施例で製造したICチップ実装用基板では、個別貫通孔形状の光信号伝送用光路が形成されることとなる。
また、本実施例では、基板および層間樹脂絶縁層を貫通する部分の断面の径が300μm、ソルダーレジスト層を貫通する部分の断面の径が220μmとなるように光信号伝送用光路を形成した。
なお、本実施例では、直径300μmのドリルを用いて光路用貫通孔を形成しているが、通常、直径200〜400μm程度のドリルを用いればよい。
(実施例14)
実施例1の(17)の工程において、光路用貫通孔を形成する際に、直径300μmのドリルを用い、250μmピッチで光路用貫通孔を5個形成した以外は、実施例1と同様にしてICチップ実装用基板を得た。本実施例で製造したICチップ実装用基板では、互いに隣り合う円柱の側面の一部が繋がった形状で、その一部にダミー円柱が形成された一括貫通孔形状の光信号伝送用光路が形成されることとなる。
(実施例15)
まず、実施例1の(1)〜(17)の工程と同様(ドリル加工の工程を除く)にして、基板の両面に導体回路と層間樹脂絶縁層とを積層形成した後、レーザ処理を行うことにより2層の層間樹脂絶縁層を貫通する光路用凹部を形成した。
なお、レーザ処理は、バイアホール用開口を形成する際に用いたレーザと同様のレーザを用いて行った。
次に、光路用凹部の底面に露出した導体回路の表面に、実施例1の(21)の工程と同様の方法を用いて、ニッケルめっき層と金めっき層とを形成し、その後、発光素子とICチップとを光路用凹部の底面にワイヤボンディングにより実装した。
次に、実施例1の(18)の工程で用いた樹脂組成物と同様のエポキシ樹脂を含む樹脂組成物を、スキージを用いて光路用凹部内に充填し、乾燥させた後、バフ研磨によりその表層を平坦化した。さらに、硬化処理を施して樹脂組成物層を形成した。
次に、実施例1の(19)〜(21)の工程と同様にして、半田バンプ形成用開口と光路用凹部に連通した光路用開口とが形成されたソルダーレジスト層を形成した。
次に、樹脂組成物層の端部であって、ソルダーレジスト層に形成した光路用開口内に、インクジェット装置を用いて、実施例1の(22)の工程と同様の方法によりマイクロレンズを配設した。
その後、実施例1の(23)の工程と同様の方法を用いて、半田バンプ形成用開口に半田バンプを形成し、ICチップ実装用基板を得た。
(実施例16)
マイクロレンズを配設しなかった以外は、実施例1と同様にしてICチップ実装用基板を製造した。
このようにして得られた実施例1〜16のICチップ実装用基板について、ICチップの実装と樹脂封止とを行い、さらに、ICチップ実装用基板の光信号伝送用光路の発光素子実装側と反対側の端部に検出器を取り付け、発光素子から光信号を発信し、検出器で光信号を検出したところ、所望の光信号を検出することができた。
従って、本実施例で製造したICチップ実装用基板では、光信号伝送用光路およびマイクロレンズ(実施例16除く)を介して確実に光信号を伝送することができることが明らかとなった。
また、実施例1〜12に係るICチップ実装用基板について、マイクロレンズを配設する際の樹脂の塗布性について検討したところ、実施例1〜4および実施例7〜11に係るICチップ実装用基板では、樹脂の塗布量にバラツキが少なく、所望の形状のマイクロレンズを配設することができ、実施例5、6および12に係るICチップ実装用基板では、樹脂の塗布量に若干のバラツキがあったものの、マイクロレンズとして使用することができるものを配設することができた。
また、実施例1〜16に係るICチップ実装用基板について、−55℃で3分間、125℃で3分間を1サイクルとする液相温度サイクル試験を、それぞれのICチップ実装用基板について、250サイクル、500サイクル、および、1000サイクル行った。
その後、ICチップ実装用基板をクロスカットし、マイクロレンズ(実施例16除く)、光信号伝送用光路を含むICチップ実装用基板内でのクラックの発生を観察したところICチップ実装用基板のいずれの箇所においてもクラックは発生していなかった。
さらに、実施例1〜16に係るICチップ実装用基板について、計5回のリフロー処理を施し、各回のリフロー処理後における光信号伝送用光路およびマイクロレンズ(実施例16除く)でのクラックの発生の有無を観察した。その結果、いずれの条件においてもクラックの発生は観察されなかった。
なお、リフロー処理は、Pb半田の実装を想定して、ピーク温度260℃、220℃オーバータイム30秒以内、余熱温度170〜200℃で1分以上の温度プロファイルで行った。
また、マイクロレンズに粒子を配合した場合のマイクロレンズの伝送損失に対するリフロー処理の影響を確認すべく、下記の試験を行った。
(試験例1〜7)
実施例1においてマイクロレンズを配設するために用いたエポキシ樹脂と同様のエポキシ樹脂に、実施例1でも配合した粒度分布0.1〜0.8μmの粉砕形状のシリカを表1に示す配合量(重量%)で配合して透過率測定サンプルを作成しマイクロレンズの透過率に対するリフロー回数の影響を評価した。結果を表1に示した。
なお、透過率測定サンプルは、縦10mm×横10mm×高さ100μmで作製し、分光光度計(島津製作所社製、UV−3101PC)を用いて測定した。
Figure 2005157115
表1に示した結果から、リフロー処理を施すことにより、透過率は若干低下するものの、リフロー処理を複数回繰り返しても透過率は、殆ど変化しないことが明らかとなった。
(実施例17)
A.層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムの作製
実施例1のAの工程と同様にして層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを作製した。
B.貫通孔充填用樹脂組成物の調製
実施例1のBの工程と同様にして貫通孔充填用樹脂組成物を調整した。
C.マザーボード用基板の製造
(1)厚さ0.8mmのガラスエポキシ樹脂またはBT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる絶縁性基板71の両面に18μmの銅箔78がラミネートされている銅張積層板を出発材料とした(図14(a)参照)。まず、この銅張積層板をドリル削孔し、無電解めっき処理を施し、パターン状にエッチングすることにより、基板71の両面に導体回路74とスルーホール79とを形成した。
(2)スルーホール79と導体回路74とを形成した基板を水洗いし、乾燥した後、NaOH(10g/l)、NaClO(40g/l)、NaPO(6g/l)を含む水溶液を黒化浴(酸化浴)とする黒化処理、および、NaOH(10g/l)、NaBH(6g/l)を含む水溶液を還元浴とする還元処理を行い、スルーホール79を含む導体回路74の表面に粗化面(図示せず)を形成した(図14(b)参照)。
(3)上記Bに記載した樹脂充填材を調製した後、下記の方法により調製後24時間以内に、スルーホール79内および基板71の片面の導体回路非形成部と導体回路74の外縁部とに樹脂充填材80′の層を形成した。
すなわち、まず、スキージを用いてスルーホール内に樹脂充填材を押し込んだ後、100℃、20分の条件で乾燥させた。次に、導体回路非形成部に相当する部分が開口したマスクを基板上に載置し、スキージを用いて凹部となっている導体回路非形成部にも樹脂充填材を充填し、100℃、20分の条件で乾燥させることにより樹脂充填材80′の層を形成した(図14(c)参照)。
(4)上記(3)の処理を終えた基板の片面を、♯600のベルト研磨紙(三共理化学社製)を用いたベルトサンダー研磨により、導体回路74の表面やスルーホール79のランド表面に樹脂充填材80′が残らないように研磨し、次いで、上記ベルトサンダー研磨による傷を取り除くためのバフ研磨を行った。このような一連の研磨を基板の他方の面についても同様に行った。
次いで、100℃で1時間、120℃で3時間、150℃で1時間、180℃で7時間の加熱処理を行って樹脂充填材層80を形成した。
このようにして、スルーホール79や導体回路非形成部に形成された樹脂充填材80の表層部および導体回路74の表面を平坦化し、樹脂充填材80と導体回路74の側面とが粗化面(図示せず)を介して強固に密着し、また、スルーホール79の内壁面と樹脂充填材80とが粗化面(図示せず)を介して強固に密着した絶縁性基板を得た(図14(d)参照)。この工程により、樹脂充填材層80の表面と導体回路74の表面とが同一平面となる。
(5)上記基板を水洗、酸性脱脂した後、ソフトエッチングし、次いで、エッチング液を基板の両面にスプレーで吹き付けて、導体回路74の表面とスルーホール79のランド表面と内壁とをエッチングすることにより、導体回路74の全表面に粗化面(図示せず)を形成した。エッチング液として、イミダゾール銅(II)錯体10重量部、グリコール酸7重量部、塩化カリウム5重量部を含むエッチング液(メック社製、メックエッチボンド)を使用した。
(6)次に、上記Aで作製した基板より少し大きめの層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを基板上に載置し、圧力0.4MPa、温度80℃、圧着時間10秒の条件で仮圧着して裁断した後、さらに、以下の方法により真空ラミネータ装置を用いて貼り付けることにより層間樹脂絶縁層72を形成した(図14(e)参照)。
すなわち、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを基板上に、真空度65Pa、圧力0.4MPa、温度80℃、時間60秒の条件で本圧着し、その後、170℃で30分間熱硬化させた。
(7)次に、層間樹脂絶縁層72上に、厚さ1.2mmの貫通孔が形成されたマスクを介して、波長10.4μmのCOガスレーザにて、ビーム径4.0mm、トップハットモード、パルス幅8.0μ秒、マスクの貫通孔の径1.0mm、1ショットの条件で層間樹脂絶縁層72に、直径80μmのバイアホール用開口76を形成した(図14(f)参照)。
(8)バイアホール用開口76を形成した基板を、60g/lの過マンガン酸を含む80℃の溶液に10分間浸漬し、層間樹脂絶縁層72の表面に存在するエポキシ樹脂粒子を溶解除去することにより、バイアホール用開口76の内壁面を含むその表面に粗化面(図示せず)を形成した。
(9)次に、上記処理を終えた基板を、中和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いした。
さらに、粗面化処理(粗化深さ3μm)した該基板の表面に、パラジウム触媒を付与することにより、層間樹脂絶縁層72の表面(バイアホール用開口76の内壁面を含む)に触媒核を付着させた(図示せず)。すなわち、上記基板を塩化パラジウム(PdCl)と塩化第一スズ(SnCl)とを含む触媒液中に浸漬し、パラジウム金属を析出させることにより触媒を付与した。
(10)次に、以下の組成の無電解銅めっき水溶液中に、基板を浸漬し、層間樹脂絶縁層72の表面(バイアホール用開口76の内壁面を含む)に厚さ0.6〜3.0μmの薄膜導体層(無電解銅めっき膜)72を形成した(図15(a)参照)。
〔無電解めっき水溶液〕
NiSO 0.003 mol/l
酒石酸 0.200 mol/l
硫酸銅 0.030 mol/l
HCHO 0.050 mol/l
NaOH 0.100 mol/l
α、α′−ビピリジル 100 mg/l
ポリエチレングリコール(PEG) 0.10 g/l
〔無電解めっき条件〕
30℃の液温度で40分
(11)次に、薄膜導体層(無電解銅めっき膜)82が形成された基板に市販の感光性ドライフィルムを張り付け、マスクを載置して、100mJ/cmで露光し、0.8%炭酸ナトリウム水溶液で現像処理することにより、厚さ20μmのめっきレジスト73を設けた(図15(b)参照)。
(12)ついで、基板を50℃の水で洗浄して脱脂し、25℃の水で水洗後、さらに硫酸で洗浄してから、以下の条件で電解めっきを施し、めっきレジスト73非形成部に、厚さ20μmの電解銅めっき膜83を形成した(図15(c)参照)。
〔電解めっき液〕
硫酸 2.24 mol/l
硫酸銅 0.26 mol/l
添加剤 19.5 ml/l
(アトテックジャパン社製、カパラシドHL)
〔電解めっき条件〕
電流密度 1 A/dm
時間 65 分
温度 22±2 ℃
(13)さらに、めっきレジスト73を5%NaOHで剥離除去した後、そのめっきレジスト73下の薄膜導体層を硫酸と過酸化水素との混合液でエッチング処理して溶解除去し、薄膜導体層(無電解銅めっき膜)82と電解銅めっき膜83とからなる厚さ18μmの導体回路74(バイアホール77を含む)を形成した(図15(d)参照)。
(14)さらに、上記(5)の工程で用いたエッチング液と同様のエッチング液を用いて、導体回路74の表面に粗化面(図示せず)を形成し、次いで、上記(6)〜上記(8)の工程と同様にしてバイアホール用開口76を有し、その表面に粗化面(図示せず)が形成された層間樹脂絶縁層72を積層形成した。
(15)次に、上記(9)の工程で用いた方法と同様の方法で、層間樹脂絶縁層72(バイアホール用開口76の内壁面を含む)の表面に触媒を付与し、さらに、上記(10)の工程で用いた無電解めっき液と同様の無電解銅めっき水溶液中に、基板を浸漬し、層間樹脂絶縁層72の表面(バイアホール用開口76の内壁面を含む)に薄膜導体層(無電解銅めっき膜)82を形成した(図16(a)参照)。
(16)次に、上記(11)の工程で用いた方法と同様の方法で、めっきレジスト73を設け(図16(b)参照)、さらに、上記(12)の工程で用いた方法と同様の方法で、めっきレジスト73非形成部に、厚さ20μmの電解銅めっき膜83を形成した(図16(c)参照)。
(17)次に、上記(13)の工程で用いた方法と同様の方法で、めっきレジスト73の剥離と、めっきレジスト73下の薄膜導体層の除去とを行い、導体回路74(バイアホール77を含む)を形成した。
さらに、上記(2)の工程で用いた方法と同様の方法で、酸化還元処理を行い、導体回路74の表面を粗化面(図示せず)とした。
その後、ドリル加工により、基板71および層間樹脂絶縁層72を貫通する光路用貫通孔31(平面視形状が角部円弧の長方形(縦240μm×横1000μm))を形成し、さらに、光路用貫通孔81の壁面にデスミア処理を施した(図16(d)参照)。この場合、一括貫通孔構造の光路用貫通孔81が形成されることとなる。
(18)次に、樹脂を印刷機の穴埋めマスク上に載せて、スクリーン印刷を行うことにより光路用貫通孔81内に樹脂を充填した後、120℃で1時間および150℃で1時間の条件で硬化処理を施し、その後、光路用貫通孔81内から飛び出している樹脂を、♯3000研磨紙を用いて研磨し、さらに、0.05μmのアルミナ粒子を用いて研磨して表面を平坦化することにより、樹脂組成物層97を形成した(図17(a)参照)。
この工程で樹脂としては、エポキシ樹脂(透過率91%/mm、CTE82ppm)に0.1〜0.8μmの粒度分布を有する粉砕シリカを40重量%して、透過率82%/mm、CTE42ppmとし、粘度を200000cpsに調整したをものを用いた。
(19)次に、内部に樹脂組成物層97が形成された光路用貫通孔96の端部に、下記の方法を用いて、4つのコア51a〜51dが並列に配設され光導波路50を形成した。
まず、コア形成用樹脂としてアクリル系樹脂(屈折率1.52、透過率94%/mm、CTE72ppm)を、クラッド形成用樹脂としてアクリル系樹脂(屈折率1.51、透過率93%/mm、CTE70ppm)に、0.1〜0.8μmの粒度分布を有する粉砕シリカを25重量%添加して透過率を81%/mm、CTEを53ppm、粘度を1000cpsとしたものを準備した。
次に、光路用貫通孔の端部に、スピンコータ(1000pm/10sec)を用いてクラッド形成用樹脂を塗布し、80℃で10分間のプリベーク、2000mJの露光処理、150℃で1時間のポストベークを行い、厚さ50μmの下部クラッドを形成した(図17(b)参照)。
次に、下部クラッド52上に、スピンコータ(1200pm/10sec)を用いてコア形成用樹脂を塗布し、80℃で10分間のプリベーク、1000mJの露光処理、1%TMHを用いたディップによる2分間の現像処理、150℃で1時間のポストベークを行い、幅50μm×厚さ50μmのコア51a〜51dを形成した(図17(c)参照)。
次に、スピンコータ(1000pm/10sec)を用いてクラッド形成用樹脂を塗布し、80℃で10分間のプリベーク、2000mJの露光処理、150℃で1時間のポストベークを行い、コア上での厚さが50μmの上部クラッドを形成し、コア51a〜51dとクラッド52とからなる光導波路50とした。
その後、光導波路50の両端部に、90度の♯3000ブレードを用いたダイシング加工を施し、90度光路変換ミラーを形成した。なお、このようにして形成した光路変換ミラーでの伝送損失は1.2dBであった。
(20)次に、基板の両面にソルダーレジスト組成物(RPZ−1 日立化成社製)を30μmの厚さで塗布し、70℃で20分間、70℃で30分間の条件で乾燥処理を行い、ソルダーレジスト組成物の層84′を形成した(図17(d)参照)。
(21)次いで、半田バンプ形成用開口および光路用開口のパターンが描画された厚さ5mmのフォトマスクを光導波路50が形成された側と反対側のソルダーレジスト組成物の層84′に密着させて1000mJ/cmの紫外線で露光し、DMTG溶液で現像処理し、開口を形成した。
ここで形成した光路用開口は、平面視形状が直径220μmの円である。
従って、この工程で形成したソルダーレジスト層は、光路用貫通孔と樹脂組成物との界面を覆うように形成されていることとなる。
さらに、80℃で1時間、100℃で1時間、120℃で1時間、150℃で3時間の条件でそれぞれ加熱処理を行ってソルダーレジスト組成物の層を硬化させ、半田バンプ形成用開口98、および、光路用開口81bを有し、その厚さが20μmのソルダーレジスト層84を形成した(図18(a)参照)。
(22)次に、ソルダーレジスト層34を形成した基板を、塩化ニッケル(2.3×10−1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(2.8×10−1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.6×10−1mol/l)を含むpH=4.5の無電解ニッケルめっき液に20分間浸漬して、半田バンプ形成用開口98に厚さ5μmのニッケルめっき層を形成した。さらに、その基板をシアン化金カリウム(7.6×10−3mol/l)、塩化アンモニウム(1.9×10−1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.2×10−1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(1.7×10−1mol/l)を含む無電解金めっき液に80℃の条件で7.5分間浸漬して、ニッケルめっき層上に、厚さ0.03μmの金めっき層を形成し、半田パッド86とした(図18(b)参照)。
(23)次に、マイクロレンズを配設する側のソルダーレジスト層の表面全体にフッ素系ポリマーの撥水コート剤(EGC−1700 住友3M社製)をスプレー塗布し、エアーブローを行った後、自然乾燥させることにより表面処理を施した。
さらに、樹脂組成物層97の光学素子を実装する側と反対側の端部であって、ソルダーレジスト層34に形成した光路用開口81b内にインクジェット装置を用いて、下記の方法によりマイクロレンズ46a〜46dを配設した。
すなわち、UV硬化型エポキシ系樹脂(透過率94%/mm、屈折率1.53)を室温(25℃)で、粘度20cpsに調製した後、この樹脂をインクジョット装置の樹脂容器内で、温度40℃、粘度は8cpsに調製し、その後、樹脂組成物層97の端部の所定の位置に、直径220μm、サグ高さ10μmの半球状となるように塗布し、さらに、UV光(500mW/分)を照射させて樹脂を硬化させることにより、マイクロレンズ96a〜96dを配設した。
(24)次に、ソルダーレジスト層84に形成した半田バンプ形成用開口98に半田ペーストを印刷し、半田バンプ87を形成し、マザーボード用基板を得た(図18(c)参照)。
(実施例18)
実施例17の(23)の工程において、樹脂組成物層97の端部にマイクロレンズを配設する際に、実施例17で使用したエポキシ系樹脂に粒度分布0.1〜0.8μmの破砕形状のシリカ粒子を20重量%配合したもの(透過率83%/mm)を用いた以外は、実施例1と同様にしてマザーボード用基板を得た。
(実施例19)
実施例17の(23)の工程において、樹脂組成物層97の端部にマイクロレンズを配設する際に、実施例17で使用したエポキシ系樹脂に粒度分布0.1〜0.8μmの破砕形状のシリカ粒子を40重量%配合したもの(透過率80%/mm)を用いた以外は、実施例1と同様にしてマザーボード用基板を得た。
(実施例20)
実施例17の(23)の工程において、樹脂組成物層97の端部にマイクロレンズを配設する際に、実施例17で使用したエポキシ系樹脂に粒度分布0.1〜0.8μmの破砕形状のシリカ粒子を50重量%配合したもの(透過率81%/mm)を用いた以外は、実施例1と同様にしてマザーボード用基板を得た。
(実施例21)
実施例17の(23)の工程において、樹脂組成物層97の端部にマイクロレンズを配設する際に、実施例17で使用したエポキシ系樹脂に粒度分布0.1〜0.8μmの破砕形状のシリカ粒子を60重量%配合したもの(透過率83%/mm)を用いた以外は、実施例1と同様にしてマザーボード用基板を得た。
(実施例22)
実施例17の(23)の工程において、樹脂組成物層97の端部にマイクロレンズを配設する際に、実施例17で使用したエポキシ系樹脂に粒度分布0.1〜0.8μmの破砕形状のシリカ粒子を70重量%配合したもの(透過率81%/mm)を用いた以外は、実施例1と同様にしてマザーボード用基板を得た。
(実施例23)
実施例17の(17)の工程において、光路用貫通孔を形成する際に、直径300μmのドリルを用い、500μmピッチで4つの光路用貫通孔を形成した以外は、実施例17と同様にしてマザーボード用基板を得た。本実施例で製造したマザーボード用基板では、個別貫通孔形状の光信号伝送用光路が形成されることとなる。
また、本実施例では、基板および層間樹脂絶縁層を貫通する部分の断面の径が300μm、ソルダーレジスト層を貫通する部分の断面の径が220μmとなるように光信号伝送用光路を形成した。
(実施例24)
実施例17の(17)の工程において、光路用貫通孔を形成する際に、直径300μmのドリルを用い、250μmピッチで光路用貫通孔を5個形成した以外は、実施例17と同様にしてマザーボード用基板を得た。本実施例で製造したマザーボード用基板では、互いに隣り合う円柱の側面の一部が繋がった形状で、その一部にダミー円柱が形成された一括貫通孔形状の光信号伝送用光路が形成されることとなる。
(実施例25)
マイクロレンズを配設しなかった以外は、実施例1と同様にしてマザーボード用基板を製造した。
このようにして得られた実施例17〜25のマザーボード用基板では、光導波路の両端のそれぞれに光学的に接続された光信号伝送用光路が形成されていることとなる。
そこで、一方の光信号伝送用光路の光導波路と接続された側と反対側の端部に、光信号を導入することができるように光ファイバを取り付け、他方の光信号伝送用光路の光導波路と接続された側と反対側の端部に検出器を取り付け、その後、光ファイバを介して光信号を送り、検出器で光信号を検出したところ、所望の光信号を検出することができた。
従って、本実施例で製造したマザーボード用基板では、光導波路、光信号伝送用光路およびマイクロレンズ(実施例25)を介して確実に光信号を伝送することができることが明らかとなった。
また、実施例17〜22に係るマザーボード用基板について、マイクロレンズを配設する際の樹脂の塗布性について検討したところ、実施例17〜20に係るマザーボード用基板では、樹脂の塗布量にバラツキが少なく、所望の形状のマイクロレンズを配設することができ、実施例21、22に係るマザーボード用基板では、樹脂の塗布量に若干のバラツキがあったものの、マイクロレンズとして使用することができるものを配設することができた。
また、実施例17〜25に係るマザーボード用基板について、−55℃で3分間、125℃で3分間を1サイクルとする液相温度サイクル試験を、それぞれのICチップ実装用基板について、250サイクル、500サイクル、および、1000サイクル行った。
その後、マザーボード用基板をクロスカットし、マイクロレンズ(実施例25除く)、光信号伝送用光路および光導波路を含むマザーボード用基板内でのクラックの発生を観察したところマザーボード用基板のいずれの箇所においてもクラックは発生していなかった。
さらに、実施例17〜24に係るマザーボード用基板について、計5回のリフロー処理を施し、各回のリフロー処理後における光信号伝送用光路およびマイクロレンズ(実施例25除く)でのクラックの発生の有無を観察した。その結果、いずれの条件においてもクラックの発生は観察されなかった。
なお、リフロー処理は、ICチップ実装用基板を評価する際の条件と同様の条件で行った。
(実施例26)
実施例1と同様の方法を用いて製造したICチップ実装用基板にICチップを実装し、その後樹脂封止を行い、発光素子を実装したICチップ実装基板を得た。
また、発光素子に代えて受光素子を実装した以外は、実施例1と同様の方法を用いてICチップ実装用基板を製造し、その後、ICチップの実装と樹脂封止とを行うことにより受光素子を実装したICチップ実装基板を得た。なお、この受光素子を実装したICチップ実装基板を製造するに際して、その直径が220μmのマイクロレンズは、そのサグ高さが11μmとなるように調整した。
また、実施例17と同様の方法を用いて、マザーボード用基板を製造した。
次に、発光素子を実装したICチップ実装基板と、受光素子を実装したICチップ実装用基板とのそれぞれを、マザーボード用基板の所定の位置に対向配置させ、200℃でリフローすることにより両基板の半田バンプ同士を接続して半田接続部を形成した。
その後、それぞれのICチップ実装基板の周囲にアンダーフィル用樹脂を塗布し、120℃で1時間および150℃で2時間の硬化処理を行うことにより、ICチップ実装基板の外周部のみを樹脂封止し、光通信用デバイスを得た(図7参照)。
(実施例27)
実施例14と同様の方法を用いて製造したICチップ実装用基板にICチップを実装し、その後樹脂封止を行い、発光素子を実装したICチップ実装基板を得た。
また、発光素子に代えて受光素子を実装した以外は、実施例14と同様の方法を用いてICチップ実装用基板を製造し、その後、ICチップの実装と樹脂封止とを行うことにより受光素子を実装したICチップ実装基板を得た。なお、この受光素子を実装したICチップ実装基板を製造するに際して、その直径が220μmのマイクロレンズは、そのサグ高さが11μmとなるように調整した。
また、実施例17と同様の方法を用いて、マザーボード用基板を製造した。
次に、実施例26と同様にして、それぞれのICチップ実装用基板とマザーボード用基板とを半田接続部を介して接続し、さらに、ICチップ実装基板の周囲を樹脂封止することにより光通信用デバイスを得た。
(実施例28)
実施例15と同様の方法を用いて、発光素子を実装したICチップ実装基板を得た。
また、発光素子に代えて受光素子を実装した以外は、実施例15と同様の方法を用いてICチップ実装基板を得た。なお、この受光素子を実装したICチップ実装基板を製造するに際して、その直径が220μmのマイクロレンズは、そのサグ高さが11μmとなるように調整した。
また、実施例17と同様の方法を用いて、マザーボード用基板を製造した。
次に、実施例26と同様にして、それぞれのICチップ実装用基板とマザーボード用基板とを半田接続部を介して接続し、さらに、ICチップ実装基板の周囲を樹脂封止することにより光通信用デバイスを得た。
(実施例29)
実施例1と同様の方法を用いて製造したICチップ実装用基板にICチップを実装し、その後樹脂封止を行い、発光素子を実装したICチップ実装基板を得た。
また、発光素子に代えて受光素子を実装した以外は、実施例1と同様の方法を用いてICチップ実装用基板を製造し、その後、ICチップの実装と樹脂封止とを行うことにより受光素子を実装したICチップ実装基板を得た。なお、この受光素子を実装したICチップ実装基板を製造するに際して、その直径が220μmのマイクロレンズは、そのサグ高さが11μmとなるように調整した。
また、実施例23と同様の方法を用いて、マザーボード用基板を製造した。
次に、実施例26と同様にして、それぞれのICチップ実装用基板とマザーボード用基板とを半田接続部を介して接続し、さらに、ICチップ実装基板の周囲を樹脂封止することにより光通信用デバイスを得た。
(実施例30)
実施例14と同様の方法を用いて製造したICチップ実装用基板にICチップを実装し、その後樹脂封止を行い、発光素子を実装したICチップ実装基板を得た。
また、発光素子に代えて受光素子を実装した以外は、実施例14と同様の方法を用いてICチップ実装用基板を製造し、その後、ICチップの実装と樹脂封止とを行うことにより受光素子を実装したICチップ実装基板を得た。なお、この受光素子を実装したICチップ実装基板を製造するに際して、その直径が220μmのマイクロレンズは、そのサグ高さが11μmとなるように調整した。
また、実施例23と同様の方法を用いて、マザーボード用基板を製造した。
次に、実施例26と同様にして、それぞれのICチップ実装用基板とマザーボード用基板とを半田接続部を介して接続し、さらに、ICチップ実装基板の周囲を樹脂封止することにより光通信用デバイスを得た。
(実施例31)
実施例15と同様の方法を用いて、発光素子を実装したICチップ実装基板を得た。
また、発光素子に代えて受光素子を実装した以外は、実施例15と同様の方法を用いてICチップ実装基板を得た。なお、この受光素子を実装したICチップ実装基板を製造するに際して、その直径が220μmのマイクロレンズは、そのサグ高さが11μmとなるように調整した。
また、実施例23と同様の方法を用いて、マザーボード用基板を製造した。
次に、実施例26と同様にして、それぞれのICチップ実装用基板とマザーボード用基板とを半田接続部を介して接続し、さらに、ICチップ実装基板の周囲を樹脂封止することにより光通信用デバイスを得た。
このようにして得られた実施例26〜31に係る光通信用デバイスについて、ICチップ実装基板に実装した発光素子(VCSEL)を発光させて発信した光信号を、発光素子を実装したICチップ実装用基板の光信号伝送用光路、マザーボード用基板に形成した光信号伝送用光路および光導波路、発光素子を実装したICチップ実装用基板の光信号伝送用光路、ならびに、それぞれの光信号伝送用光路の端部に配設したマイクロレンズを介して、ICチップ実装基板に実装した受光素子(PINPD)で受光し、その後、ICチップを経由した電気信号のアイパターンを確認したところ、1Gbpsでの伝送を確認することができた。
従って、本実施例で製造した光通信用デバイスでは、光導波路、光信号伝送用光路およびマイクロレンズを介して確実に光信号を伝送することができることが明らかとなった。
また、実施例26〜31に係る光通信用デバイスについて、−55℃で3分間、125℃で3分間を1サイクルとする液相温度サイクル試験を、それぞれの光通信用デバイスについて、250サイクル、500サイクル、および、1000サイクル行った。
その後、光通信用デバイスをクロスカットし、マイクロレンズ、光信号伝送用光路、光導波路を含む光通信用デバイス内でのクラックの発生を観察したところ光通信用デバイスのいずれの箇所においてもクラックは発生していなかった。
(比較例1)
まず、実施例1の(20)の工程において、光路用貫通孔と同一の断面の径を有する光路用開口を形成した以外は、実施例1と同様にして発光素子が実装されたICチップ実装用基板を製造した。その後、ICチップの実装と樹脂封止とを行い、ICチップ実装基板とした。
この比較例1に係るICチップ実装用基板について、実施例1に係るICチップ実装用基板と同様にして光信号の伝送能を評価したところ、光信号の伝送エラーが発生する場合があった。
ICチップ実装用基板をクロスカットし、マイクロレンズ、光信号伝送用光路を含むICチップ実装用基板内でのクラックの発生を観察したところ、基板および層間樹脂絶縁層と光信号伝送用光路内に充填した樹脂組成物との界面でクラックが発生している箇所があり、これが光信号の伝送エラーの原因であると考えられた。
(比較例2)
また、実施例17の(21)の工程において、光路用貫通孔と同一の断面の径を有する光路用開口を形成した以外は、実施例17と同様にしてマザーボード用基板を製造した。
この比較例2に係るマザーボード用基板について、実施例17に係るマザーボード用基板と同様にして光信号の伝送能を評価したところ、光信号の伝送エラーが発生する場合があった。
マザーボード用基板をクロスカットし、マイクロレンズ、光信号伝送用光路を含むマザーボード用基板内でのクラックの発生を観察したところ、基板および層間樹脂絶縁層と光信号伝送用光路内に充填した樹脂組成物との界面でクラックが発生している箇所があり、これが光信号の伝送エラーの原因であると考えられた。
(比較例3)
比較例1と同様の方法を用いて、発光素子を実装したICチップ実装基板を得た。
また、発光素子に代えて受光素子を実装した以外は、比較例1と同様の方法を用いてICチップ実装基板を得た。
また、実施例17と同様の方法を用いて、マザーボード用基板を製造した。
次に、実施例26と同様にして、それぞれのICチップ実装用基板とマザーボード用基板とを半田接続部を介して接続し、さらに、ICチップ実装基板の周囲を樹脂封止することにより光通信用デバイスを得た。
(比較例4)
実施例1と同様の方法を用いて、発光素子を実装したICチップ実装基板を得た。
また、発光素子に代えて受光素子を実装した以外は、実施例1と同様の方法を用いてICチップ実装基板を得た。なお、この受光素子を実装したICチップ実装基板を製造するに際して、その直径が220μmのマイクロレンズは、そのサグ高さが11μmとなるように調整した。
また、比較例2と同様の方法を用いて、マザーボード用基板を製造した。
次に、実施例26と同様にして、それぞれのICチップ実装用基板とマザーボード用基板とを半田接続部を介して接続し、さらに、ICチップ実装基板の周囲を樹脂封止することにより光通信用デバイスを得た。
(比較例5)
比較例1と同様の方法を用いて、発光素子を実装したICチップ実装基板を得た。
また、発光素子に代えて受光素子を実装した以外は、比較例1と同様の方法を用いてICチップ実装基板を得た。
また、比較例2と同様の方法を用いて、マザーボード用基板を製造した。
次に、実施例26と同様にして、それぞれのICチップ実装用基板とマザーボード用基板とを半田接続部を介して接続し、さらに、ICチップ実装基板の周囲を樹脂封止することにより光通信用デバイスを得た。
比較例3〜5で製造した光通信用デバイスについて、実施例26に係る光通信用デバイスと同様にして、光信号の伝送性を評価した。
その結果、比較例3〜5に係る光通信用デバイスでは、発光素子から受光素子に向って光信号伝送した際に、光信号の伝送エラーが発生する場合があった。
本発明のICチップ実装用基板の一例を模式的に示す断面図である。 本発明のICチップ実装用基板の一例を模式的に示す断面図である。 本発明のICチップ実装用基板の一例を模式的に示す断面図である。 本発明のICチップ実装用基板の一例を模式的に示す断面図である。 本発明のマザーボード用基板の一例を模式的に示す断面図である。 本発明のマザーボード用基板の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の光通信用デバイスの実施形態の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の光通信用デバイスの実施形態の別の一例を模式的に示す断面図である。 本発明のICチップ実装用基板の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。 本発明のICチップ実装用基板の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。 本発明のICチップ実装用基板の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。 本発明のICチップ実装用基板の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。 本発明のICチップ実装用基板の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。 本発明のマザーボード用基板の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。 本発明のマザーボード用基板の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。 本発明のマザーボード用基板の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。 本発明のマザーボード用基板の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。 本発明のマザーボード用基板の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。
符号の説明
120、220、320、420 ICチップ実装用基板
121、221、321、421 基板
122、222、322、422 層間樹脂絶縁層
124、224、324、424 導体回路
127、227、327、427 バイアホール
129、229、329、429 スルーホール
134、234、334、434 ソルダーレジスト層
138、238、338、438 発光素子
139、239、339、439 受光素子
142、242、342、442 光信号伝送用光路
146、246、346、446 マイクロレンズ
349 ワイヤボンディング
520、620 マザーボード用基板
521、621 基板
522、622 層間樹脂絶縁層
524、624 導体回路
527、627 バイアホール
529、629 スルーホール
534、634 ソルダーレジスト層
538、638 発光素子
539、639 受光素子
642、642 光信号伝送用光路
546、646 マイクロレンズ
720、820 マザーボード用基板
760、860 光通信用デバイス
1720、1820、2720、2820 ICチップ実装用基板

Claims (17)

  1. 基板の両面に導体回路と層間樹脂絶縁層とが積層形成され、最外層にソルダーレジスト層が形成されるとともに、光学素子が実装されたICチップ実装用基板であって、
    少なくとも前記層間樹脂絶縁層および前記ソルダーレジスト層に光信号伝送用光路が形成されており、前記光信号伝送用光路の前記ソルダーレジスト層を貫通する部分以外の部分には、樹脂組成物が充填されており、
    前記光信号伝送用光路のうち、前記ソルダーレジスト層を貫通する部分の断面の径が、前記層間樹脂絶縁層に形成された部分の断面の径よりも小さいことを特徴とするICチップ実装用基板。
  2. 前記樹脂組成物の周囲に導体層が形成されている請求項1に記載のICチップ実装用基板。
  3. 前記光信号伝送用光路の前記ソルダーレジスト層を貫通する部分の断面の径は、50〜490μmである請求項1または2に記載のICチップ実装用基板。
  4. 前記光信号伝送用光路が前記基板および前記層間樹脂絶縁層を貫通するように形成されている請求項1〜3のいずれか1に記載のICチップ実装用基板。
  5. 前記樹脂組成物の端部であって、
    前記光信号伝送用光路の前記ソルダーレジスト層を貫通する部分にマイクロレンズが配設された請求項1〜4のいずれか1に記載のICチップ実装用基板。
  6. 前記光学素子は、受光素子および/または発光素子である請求項1〜5のいずれか1に記載のICチップ実装用基板。
  7. 前記受光素子の受光部および/または前記発光素子の発光部のそれぞれが、個別に形成された光信号伝送用光路に対向するように実装されている請求項6に記載のICチップ実装用基板。
  8. 前記光信号伝送用光路の前記ソルダーレジスト層を貫通する部分の断面の径は、前記光信号伝送用光路の前記層間樹脂絶縁層に形成された部分の断面の径よりも20〜390μm小さい請求項7に記載のICチップ実装用基板。
  9. 基板の両面に導体回路と層間樹脂絶縁層とが積層形成されるとともに光導波路が形成され、最外層にソルダーレジスト層が形成されたマザーボード用基板であって、
    少なくとも前記層間樹脂絶縁層および前記ソルダーレジスト層に光信号伝送用光路が形成されており、前記光信号伝送用光路の前記ソルダーレジスト層を貫通する部分以外の部分には、樹脂組成物が充填されており、
    前記光信号伝送用光路のうち、前記ソルダーレジスト層を貫通する部分の断面の径が、前記層間樹脂絶縁層に形成された部分の断面の径よりも小さいことを特徴とするICチップ実装用基板。
  10. 前記樹脂組成物の周囲に導体層が形成されている請求項9に記載のマザーボード用基板。
  11. 前記光信号伝送用光路の前記ソルダーレジスト層を貫通する部分の断面の径は、50〜490μmである請求項9または10に記載のマザーボード用基板。
  12. 前記光信号伝送用光路が前記基板および前記層間樹脂絶縁層を貫通するように形成されている請求項9〜11のいずれか1に記載のマザーボード用基板。
  13. 前記樹脂組成物の端部であって、
    前記光信号伝送用光路の前記ソルダーレジスト層を貫通する部分にマイクロレンズが配設された請求項9〜12のいずれか1に記載のマザーボード用基板。
  14. 前記光信号伝送用光路の前記ソルダーレジスト層に形成された部分の断面の径は、前記光信号伝送用光路の前記層間樹脂絶縁層に形成された部分の断面の径よりも20〜390μm小さい請求項9〜13のいずれか1に記載のマザーボード用基板。
  15. ICチップが実装された請求項1〜8のいずれか1に記載のICチップ実装用基板が、請求項9〜14のいずれか1に記載のマザーボード用基板に実装されてなることを特徴とする光通信用デバイス。
  16. (a)基板の両面に導体回路と層間樹脂絶縁層とを順次積層形成し、多層配線板とする多層配線板製造工程と、
    (b)前記多層配線板を貫通する光信号通過領域を形成するか、または、上記多層配線板の一部に凹部形状の光信号通過領域を形成する光信号通過領域形成工程と、
    (c)前記光信号通過領域内に樹脂組成物を充填する樹脂組成物充填工程と、
    (d)前記(b)の工程で形成した光信号通過領域に連通し、前記光信号通過領域の断面の径よりも小さな径の開口を有するソルダーレジスト層を形成するソルダーレジスト層形成工程と
    を含むことを特徴とするICチップ実装用基板の製造方法。
  17. (a)基板の両面に導体回路と層間樹脂絶縁層とを順次積層形成するとともに、前記基板上および/または前記層間樹脂絶縁層上に光導波路を形成し、光配線板とする光配線板製造工程と、
    (b)前記光配線板に光信号通過領域を形成する光信号通過領域形成工程と、
    (c)前記光信号通過領域内に樹脂組成物を充填する樹脂組成物充填工程と、
    (d)前記(b)の工程で形成した光信号通過領域に連通し、前記光信号通過領域の断面の径よりも小さな径の開口を有するソルダーレジスト層を形成するソルダーレジスト層形成工程と
    を含むことを特徴とするマザーボード用基板の製造方法。
JP2003397700A 2003-11-27 2003-11-27 Icチップ実装用基板、マザーボード用基板、光通信用デバイス、icチップ実装用基板の製造方法、および、マザーボード用基板の製造方法 Pending JP2005157115A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003397700A JP2005157115A (ja) 2003-11-27 2003-11-27 Icチップ実装用基板、マザーボード用基板、光通信用デバイス、icチップ実装用基板の製造方法、および、マザーボード用基板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003397700A JP2005157115A (ja) 2003-11-27 2003-11-27 Icチップ実装用基板、マザーボード用基板、光通信用デバイス、icチップ実装用基板の製造方法、および、マザーボード用基板の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005157115A true JP2005157115A (ja) 2005-06-16

Family

ID=34722784

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003397700A Pending JP2005157115A (ja) 2003-11-27 2003-11-27 Icチップ実装用基板、マザーボード用基板、光通信用デバイス、icチップ実装用基板の製造方法、および、マザーボード用基板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005157115A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007111327A1 (ja) * 2006-03-27 2007-10-04 Kyocera Corporation 光伝送基板及びその製造方法並びに光伝送装置
JP2011060892A (ja) * 2009-09-08 2011-03-24 Renesas Electronics Corp 電子装置、電子装置の製造方法
KR101099582B1 (ko) 2010-02-05 2011-12-28 앰코 테크놀로지 코리아 주식회사 반도체 패키지
JP2013105025A (ja) * 2011-11-14 2013-05-30 Panasonic Corp 光電気配線基板及び電子部品の実装体
JP2013222095A (ja) * 2012-04-17 2013-10-28 Panasonic Corp 光モジュールの実装体
JP2015106568A (ja) * 2013-11-28 2015-06-08 京セラ株式会社 配線基板および光モジュール

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007111327A1 (ja) * 2006-03-27 2007-10-04 Kyocera Corporation 光伝送基板及びその製造方法並びに光伝送装置
JP5244585B2 (ja) * 2006-03-27 2013-07-24 京セラ株式会社 光伝送基板及びその製造方法並びに光伝送装置
JP2011060892A (ja) * 2009-09-08 2011-03-24 Renesas Electronics Corp 電子装置、電子装置の製造方法
KR101099582B1 (ko) 2010-02-05 2011-12-28 앰코 테크놀로지 코리아 주식회사 반도체 패키지
JP2013105025A (ja) * 2011-11-14 2013-05-30 Panasonic Corp 光電気配線基板及び電子部品の実装体
JP2013222095A (ja) * 2012-04-17 2013-10-28 Panasonic Corp 光モジュールの実装体
JP2015106568A (ja) * 2013-11-28 2015-06-08 京セラ株式会社 配線基板および光モジュール

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7907801B2 (en) Optical element, package substrate and device for optical communication
US8076782B2 (en) Substrate for mounting IC chip
US7783141B2 (en) Substrate for mounting IC chip and device for optical communication
JP4646618B2 (ja) 光路変換部材、多層プリント配線板および光通信用デバイス
US7437030B2 (en) Substrate for mounting IC chip, substrate for motherboard, device for optical communication, manufacturing method of substrate for mounting IC chip, and manufacturing method of substrate for motherboard
US7919849B2 (en) Package substrate and device for optical communication
JP4587772B2 (ja) 多層プリント配線板
JP4916096B2 (ja) 光通信用デバイス
JP2006120956A (ja) 多層プリント配線板
JP4498102B2 (ja) 光電気配線板、および、光通信用デバイス
JP3801921B2 (ja) 光通信用デバイス、および、光通信用デバイスの製造方法
JP4056315B2 (ja) 光通信用デバイスおよび光通信用デバイスの製造方法
JP4454453B2 (ja) Icチップ実装用基板および光通信用デバイス
JP3992553B2 (ja) 光通信用デバイスおよび光通信用デバイスの製造方法
JP2005157115A (ja) Icチップ実装用基板、マザーボード用基板、光通信用デバイス、icチップ実装用基板の製造方法、および、マザーボード用基板の製造方法
JP4014464B2 (ja) 光通信用デバイスおよび光通信用デバイスの製造方法
JP4393463B2 (ja) 光通信用デバイス
JP4562475B2 (ja) パッケージ基板および光通信用デバイス
JP4610275B2 (ja) 多層プリント配線板
JP4522079B2 (ja) Icチップ実装用基板
JP4149481B2 (ja) 多層プリント配線板および多層プリント配線板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061023

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080801

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080819

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081006

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20081209