JP4454453B2 - Icチップ実装用基板および光通信用デバイス - Google Patents

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Description

本発明は、ICチップ実装用基板および光通信用デバイスに関する。
近年、通信分野を中心として光ファイバに注目が集まっている。特にIT(情報技術)分野においては、高速インターネット網の整備に、光ファイバを用いた通信技術が必要となる。
光ファイバは、(1)低損失、(2)高帯域、(3)細径・軽量、(4)無誘導、(5)省資源等の特徴を有しており、この特徴を有する光ファイバを用いた通信システムでは、従来のメタリックケーブルを用いた通信システムに比べ、中継器数を大幅に削減することができ、建設、保守が容易になり、通信システムの経済化、高信頼性化を図ることができる。
また、光ファイバは、一つの波長の光だけでなく、多くの異なる波長の光を1本の光ファイバで同時に多重伝送することができるため、多様な用途に対応可能な大容量の伝送路を実現することができ、映像サービス等にも対応することができる。
そこで、このようなインターネット等のネットワーク通信においては、光ファイバを用いた光通信を、基幹網の通信のみならず、基幹網と端末機器(パソコン、モバイル、ゲーム等)との通信や、端末機器同士の通信にも用いることが提案されている。
従来、光送受信システムとしては、例えば、多層基板(マザーボード用基板)の上面に一対の面型発光受光素子がフリップチップ接合法を用いてフェイスダウン実装されるとともに、面型発光受光素子の中心真下にコア部とクラッド部とを有する貫通穴がそれぞれ形成されており、さらに、多層基板の下面には、一方の貫通穴の真下から他方の貫通穴の真下にまで直線的に延びる光導波路が形成された光送受信システムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−81524号公報
上述した光送受信システムでは、フェンスダウン実装された光学素子は、アンダーフィルによる封止がなされておらず、ゴミや異物が光学素子と多層基板との間に入り込み、その結果、このゴミや異物によって光信号の伝送が阻害されることがあった。
また、上記光送受信システムでは、光学素子を直接多層基板に実装しているため以下のような問題も生じることとなっていた。すなわち、光学素子をフリップチップ実装するための微細なパターンと、他の実装部品間を接続するためのラフなパターンとが同一基板内に形成されることとなり、その結果、多層基板の作製が困難になるとともに、多層基板作製時の歩留まりが低下し、さらには、多層基板のサイズが大きくなってしまっていた。
そこで、本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行い、本発明を完成した。
すなわち、第一の本発明のICチップ実装用基板は、基板の両面に導体回路と絶縁層とが積層形成されるとともに、光学素子が実装され、光信号伝送用光路が形成されたICチップ実装用基板であって、
上記光学素子の外周に接するように、光学素子封止層が形成されていることを特徴とする 。
第一の本発明のICチップ実装用基板において、上記光信号伝送用光路の上記光学素子に接する部分には、空隙部が形成されていることが望ましい。
また、上記光学素子封止層は、樹脂からなるものであることが望ましい。
第二の本発明のICチップ実装用基板は、基板の両面に導体回路と絶縁層とが積層形成されるとともに、光学素子が実装され、光信号伝送用光路が形成されたICチップ実装用基板であって、
少なくとも上記光学素子を覆うように、キャップ部材が取り付けられていることを特徴とする。
第二のICチップ実装用基板において、上記キャップ部材は、樹脂または半田により接着固定されていることが望ましい。
また、第一または第二の本発明のICチップ実装用基板において、上記光学素子は、受光素子および/または発光素子であることが望ましい。
また、第三の本発明の光通信用デバイスは、基板の少なくとも片面に導体回路と絶縁層とが積層形成されるとともに、光導波路が形成され、さらに、光信号伝送用光路が形成されたマザーボード用基板に、光学素子を実装したICチップ実装用基板が実装された光通信用デバイスであって、
上記ICチップ実装用基板の外周に接するように、ICチップ実装用基板封止層が形成されていることを特徴とする。
第三の本発明の光通信用デバイスにおいて、上記光信号伝送用光路の上記ICチップ実装用基板に接する部分には、空隙部が形成されていることが望ましい。
また、上記ICチップ実装用基板封止層は、樹脂からなるものであることが望ましい。
第四の本発明の光通信用デバイスは、基板の少なくとも片面に導体回路と絶縁層とが積層形成されるとともに、光導波路が形成され、さらに、光信号伝送用光路が形成されたマザーボード用基板に、光学素子を実装したICチップ実装用基板が実装された光通信用デバイスであって、
少なくとも上記ICチップ実装用基板を覆うように、キャップ部材が取り付けられていることを特徴とする。
第四の本発明の光通信用デバイスにおいて、上記キャップ部材は、樹脂または半田により接着固定されていることが望ましい。
第一の本発明のICチップ実装用基板では、光学素子の外周に接するように、光学素子封止層が形成されているため、光学素子と光学素子実装面との間に外部に開放した隙間が存在しておらず、光信号伝送用光路内にゴミや異物等が入り込むことがなく、そのため、このゴミ等の存在に起因して、光信号の伝送が阻害されることもない。
従って、第一の本発明のICチップ実装用基板は、信頼性に優れることとなる。
また、第二の本発明のICチップ実装用基板では、少なくとも光学素子を覆うように、キャップ部材が取り付けられているため、光学素子と光学素子実装面との間に外部に開放した隙間が存在しておらず、光信号伝送用光路内にゴミや異物等が入り込むことがなく、そのため、このゴミ等の存在に起因して、光信号の伝送が阻害されることもない。
従って、第二の本発明のICチップ実装用基板は、信頼性に優れることとなる。
第一および第二の本発明のICチップ実装用基板は、いわゆるパッケージ基板として機能 するため、導体回路は基本的にファインパターンで形成されることとなり、小サイズ化、および、歩留まりの向上を図ることができる。
また、光学素子が実装されるとともに、光信号伝送用光路が形成されているため、上記光信号伝送用光路を介して、上記光学素子の入出力信号を伝送することができる。また、該ICチップ実装用基板にICチップを実装した場合、ICチップと光学素子との距離が短く、電気信号伝送の信頼性に優れる。
第三の本発明の光通信用デバイスでは、ICチップ実装用基板の外周に接するように、ICチップ実装用基板封止層が形成されているため、ICチップ実装用基板と該ICチップ実装用基板を実装する面との間に外部に開放した隙間が存在しておらず、光信号伝送用光路内にゴミや異物等が入り込むことがなく、そのため、このゴミ等の存在に起因して、光信号の伝送が阻害されることもない。
従って、第三の本発明の光通信用デバイスは、信頼性に優れることとなる。
また、第四の本発明の光通信用デバイスでは、ICチップ実装用基板を覆うように、キャップ部材が取り付けられているため、ICチップ実装用基板と該ICチップ実装用基板を実装する面との間に外部に開放した隙間が存在しておらず、光信号伝送用光路内にゴミや異物等が入り込むことがなく、そのため、このゴミ等の存在に起因して、光信号の伝送が阻害されることもない。
従って、第四の本発明の光通信用デバイスは、信頼性に優れることとなる。
また、第三または第四の本発明の光通信用デバイスでは、光通信に必要な電子部品や光学素子をマザーボード用基板に実装して一体化することができるため、光通信用端末機器の薄型化、小型化に寄与することができる。
まず、本発明のICチップ実装用基板について説明する。
第一の本発明のICチップ実装用基板は、基板の両面に導体回路と絶縁層とが積層形成されるとともに、光学素子が実装され、光信号伝送用光路が形成されたICチップ実装用基板であって、
上記光学素子の外周に接するように、光学素子封止層が形成されていることを特徴とする。
第一の本発明のICチップ実装用基板では、光学素子の外周に接するように、光学素子封止層が形成されているため、光学素子と光学素子実装面との間に外部に開放した隙間が存在しておらず、光信号伝送用光路内にゴミや異物等が入り込むことがなく、そのため、このゴミ等の存在に起因して、光信号の伝送が阻害されることもない。
従って、第一の本発明のICチップ実装用基板は、信頼性に優れることとなる。
第一の本発明のICチップ実装用基板は、いわゆるパッケージ基板として機能するため、導体回路は基本的にファインパターンで形成されることとなり、小サイズ化、および、歩留まりの向上を図ることができる。
また、光学素子が実装されるとともに、光信号伝送用光路が形成されているため、上記光信号伝送用光路を介して、上記光学素子の入出力信号を伝送することができる。また、該ICチップ実装用基板にICチップを実装した場合、ICチップと光学素子との距離が短く、電気信号伝送の信頼性に優れる。
また、第一の本発明のICチップ実装用基板では、通常、その両面に導体回路と絶縁層とが積層形成された基板の最外層にソルダーレジスト層が形成されている。
本明細書においては、以下、最外層にソルダーレジスト層が形成された実施形態のICチ ップ実装用基板について説明する。なお、上記ソルダーレジスト層は必ずしも形成されていなくてもよい。
第一の本発明のICチップ実装用基板において、上述したように、最外層にソルダーレジスト層が形成されている場合には、該ソルダーレジスト層上に、光学素子の外周に接するように光学素子封止層が形成されており、光学素子の下側の隙間(光学素子の下面とソルダーレジスト層の表面との隙間)が、外部に開放しないように構成されている。
上記光学素子封止層の材料としては、例えば、熱硬化性樹脂、感光性樹脂、熱硬化性樹脂の一部に感光性基が付与された樹脂や、これらと熱可塑性樹脂とを含む樹脂複合体等を用いることができる。
上記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂の具体例としては、例えば、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型等のノボラック型エポキシ樹脂や、ジシクロペンタジエン変成した脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記感光性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂等が挙げられる。
また、上記熱硬化性樹脂の一部に感光性基が付与された樹脂としては、例えば、上記した熱硬化性樹脂の熱硬化基とメタクリル酸やアクリル酸とをアクリル化反応させたもの等が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリスルフォン(PSF)、ポリフェニレンスルフォン(PPS)ポリフェニレンサルファイド(PPES)、ポリフェニレンエーテル(PPE)ポリエーテルイミド(PI)等が挙げられる。
また、上記光学素子封止層には、粒子が含まれていることが望ましい。粒子が含まれている場合、粒子径や配合量を調整することにより、光学素子封止層を形成するための樹脂組成物のチキソ比を調整し、樹脂組成物を光学素子の外周に塗布するのに適した特性を付与することができる。
また、粒子が配合されている場合、その配合量によって熱膨張係数を調整することができるため、光学素子封止層とICチップ実装用基板や光学素子との間で熱膨張係数の整合を図ることができる。
上記粒子としては、例えば、無機粒子、樹脂粒子、金属粒子等が挙げられる。
上記無機粒子としては、例えば、アルミナ、水酸化アルミニウム等のアルミニウム化合物、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム等のカルシウム化合物、炭酸カリウム等のカリウム化合物、マグネシア、ドロマイト、塩基性炭酸マグネシウム、タルク等のマグネシウム化合物、シリカ、ゼオライト等のケイ素化合物、チタニア等のチタン化合物等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。また、少なくとも2種類の無機材料を混合、溶融した混合組成の粒子であってもよい。
上記樹脂粒子としては、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等からなるものが挙げられ、具体的には、例えば、アミノ樹脂(メラミン樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂等)、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂等からなるものが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
上記金属粒子としては、例えば、金、銀、銅、スズ、亜鉛、ステンレス、アルミニウム、ニッケル、鉄、鉛等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
また、上記金属粒子は、絶縁性を確保するために、表層が樹脂等により被覆されていることが望ましい。
また、光学素子封止層は、ICチップ実装用基板の反りに適応することができるよう低応力のものが望ましい。
上記光学素子封止層を形成する場合、材料となる樹脂組成物の粘度は、その下限が100Pa・sで、その上限が1000Pa・sであることが望ましい。
100Pa・s未満では、樹脂組成物の流動性がよすぎるため、光学素子の周囲の所望の箇所のみを封止することができない場合があり、1000Pa・sを超えると、樹脂組成物が硬すぎて外周部に密着せず、完全に封止できない箇所が発生する場合があるからである。より望ましい下限は200Pa・sであり、より望ましい上限は500Pa・sである。
なお、上記粘度は、BH型粘度計により測定することができる。
上記粒子が上記光学素子封止層に含まれている場合、該粒子の配合量の下限は70重量%が望ましく、上限は85重量%が望ましい。粒子の配合量が70重量%未満であると、上述した望ましい粘度(100Pa・s)にすることが困難であり、粒子の配合量が85重量%を超えると、樹脂組成物が硬すぎて外周部に密着せず、完全に封止できない箇所が発生する場合があるからである。
上記粒子が上記光学素子封止層に含まれている場合、該粒子は、粒子径が1〜500μmであるか、平均粒子径が10〜100μmであることが望ましく、両範囲を満足していることがより望ましい。なお、粒子径とは、粒子の一番長い部分の長さをいう。
上記粒子径が1μm未満では、樹脂組成物の流動性がよくなりすぎることがあり、上記平均粒子径が100μmを超えると粘度が安定しなくなることがある。
また、上記光学素子封止層を形成する場合、材料となる樹脂組成物のチキソ比は、その下限が1.5で、その上限が5.0であることが望ましい。1.5未満では、樹脂組成物の流動性がよすぎることがあり、5.0を超えると、樹脂組成物が乾燥しすぎた状態となり、樹脂ペーストとして使用することができない場合がある。
より望ましい下限は1.5であり、より望ましい上限は3.0である。この範囲であれば樹脂ペーストとして塗布するのに特に適しているからである。
なお、上記チキソ比は、BH型粘度計により測定することができる。
上記光学素子封止層の形成は、未硬化の樹脂組成物をポッティングし、その後、硬化処理を施すこと等により行うことができる。
なお、ポッティングにより上記光学素子封止層を形成する場合、該光学素子封止層は、光学素子の外周に接するように形成されてさえいれば、光学素子を覆うように形成されていてもよい。
また、第一の本発明のICチップ実装用基板には、通常、光学素子を実装した面と同一面側にICチップが実装されることとなるため、上記光学素子封止層は、ICチップを実装した後、該ICチップと上記光学素子とを一体的に覆うように形成されていてもよい。
また、第一の本発明のICチップ実装用基板においては、上記光学素子の下面と上記ソルダーレジスト層の表面との隙間、より具体的には上記光信号伝送用光路の上記光学素子に 接する部分には、空隙部が形成されていることが望ましい。
換言すれば、上記光信号伝送用光路の上記光学素子に接する部分には、光学素子封止層が形成されていないことが望ましい。
以下、その理由を簡単に説明しておく。
第一の理由は、光学素子の下面とソルダーレジスト層の表面との隙間全体に光学素子封止層を形成した場合、該光学素子封止層の透過率が低い場合には、光信号の高速伝送が困難であり、特に、熱膨張係数を調整すべく粒子を配合した場合には、樹脂成分の透過率が90%/mm以上であっても、光学素子封止層の透過率は、75〜85%/mm程度まで低下することとなるため、光信号の高速伝送がより困難であるからである。
また、光学素子封止層の屈折率が、温度によって変化することがあり、使用時に光学素子封止層の屈折率が変化した場合、光信号の伝送能が低下する場合があるからである。
また、光学素子の下面とソルダーレジスト層の表面との隙間全体に光学素子封止層を形成した場合、該光学素子封止層の中央部にボイド(空隙)が発生しやすく、その大きさは通常一定ではない。このように光学素子封止層内に、ボイドができたり、できなかったりする場合があり、さらに、できたボイドの大きさが異なる場合、光信号はボイドの部分で屈折するため、光信号を常に所定の方向へ伝送することが難しく、光信号の伝送損失が大きくなったり、光信号を伝送することができなくなる場合があるからである。
第二の理由は、第一の本発明のICチップ実装用基板においては、後述するように、伝送光の広がりを抑え、より確実に光信号を伝送することができるため、光学素子や光信号伝送用光路にマイクロレンズが配設されていてもよく、このようにマイクロレンズを配設する場合、上記光信号伝送用光路の上記光学素子に接する部分には、空隙部が形成されていることが特に望ましいからである。
というのは、一般にマイクロレンズを使用して光を集光させる場合、マイクロレンズの屈折率とその周囲の屈折率との差が大きいほど、集光距離を短くすることができる。そして、マイクロレンズが樹脂製の場合、屈折率は概ね1.4〜1.6程度であり、マイクロレンズがガラス製の場合、その屈折率は概ね1.8程度である。従って、マイクロレンズの屈折率と、その周囲の屈折率との差を大きくするとの観点から、上記光信号伝送用光路の上記光学素子に接する部分には、光学素子封止層が形成されているよりも、空隙部であること(例えば、屈折率1.0の空気層であること)のほうが望ましいのである。
また、マイクロレンズの屈折率とその周囲の屈折率との差が小さい場合には、伝送光を集光させるため、マイクロレンズの曲率半径を小さくする必要が生じることとなるが、マイクロレンズの曲率半径を大きくした場合には、その形成位置の許容値が小さくなり、少しの位置ズレで伝送損失が大きくなってしまう。これに対し、上述したように、マイクロレンズの屈折率とその周囲の屈折率との差を大きくした場合(すなわち、上記光信号伝送用光路の上記光学素子に接する部分に空隙部を形成した場合)には、マイクロレンズの曲率半径が小さくても、伝送光を集光させることができるため、マイクロレンズの形成位置の許容値が大きくなり、伝送損失を小さくすることができる。
上記未硬化の樹脂組成物が、上記光学素子と上記ソルダーレジスト層との隙間に流入しないようにする方法としては、例えば、上述したような光学素子封止層を形成する際に用いる樹脂組成物の粘度を所定の粘度にする方法や、上記光学素子と上記ソルダーレジスト層との隙間の距離よりも粒子径が大きな粒子を配合する方法、上記光学素子の外周の直下付近のソルダーレジスト層表面に、予め、上記隙間への未硬化の樹脂組成物の流入を防ぐことができる表面処理を施しておく方法等が挙げられる。
上記未硬化の樹脂組成物の粘度を高くする方法としては、例えば、樹脂組成物に配合する 粒子の配合量を多くする方法等が挙げられる。
また、上記光学素子と上記ソルダーレジスト層との隙間の距離よりも粒子径が大きな粒子を配合する場合には、上記隙間の距離は通常30〜100μm程度であり、フリップチップ実装タイプの光学素子を用いる場合の上記隙間の距離は50μm程度が一般的であることを考慮して適宜決定すればよい。
また、上記ソルダーレジスト層表面の所定の部分に予め施しておく上記表面処理としては、例えば、撥水コート等が挙げられる。
また、上記光学素子封止層の形成に特に適した樹脂について検討を行ったところ、下記のような結果が得られた。
すなわち、スペーサによりその間隙が50μmまたは300μmとなるように配置した2枚のガラス板の端部にディスペンサーで樹脂組成物A〜Cのそれぞれを塗布し、該樹脂組成物を硬化後、2枚のガラス板の端部からガラス板の間隙に入り込んだ距離を、このガラス板をクロスカットすることにより観察し、上記入り込んだ距離で、樹脂組成物の流動性を評価した。
なお、樹脂Aとしてはエポキシ系の樹脂成分に粒子径1〜100μm、平均粒子径25μmのシリカ粒子を75重量%配合した粘度235Pa・s、チキソ比1.7の樹脂組成物を用い、樹脂Bとしてはエポキシ系の樹脂成分に、最大粒子径30μm以下の粒子を配合した粘度12Pa・s、チキソ比1.1の樹脂組成物(九州松下電器社製、CCN800D)を用い、樹脂Cとしてはエポキシ系の樹脂成分に、最大粒子径20μm以下の粒子を配合した粘度8Pa・s、チキソ比1.3の樹脂組成物(九州松下電器社製、EPA521D)を用いた。
その結果、樹脂Aを用いた場合には、間隙50μmでの流動性(ガラス板の間隙に入り込んだ距離)が1.0〜2.0mmで、間隙300μmでの流動性が4.0〜5.0mmであった。これに対し、樹脂Aを用いた場合および樹脂Bを用いた場合は、ともに間隙50μmでの流動性も間隙300μmでの流動性も40mm以上であった。
なお、一方(下側)のガラス基板を、その表面にソルダーレジスト層用樹脂組成物(日立化成社製、RPZ1)からなる層が成形された銅張積層板に代えて、同様の検討を行ったところ、2枚のガラス板を用いた場合と同様の結果が得られた。
これらのことからも、上述した特性を有する樹脂組成物が光学素子封止層として特に適していることが明らかとなった。
なお、本発明のICチップ実装用基板においては、上述したように、光信号伝送用光路の光学素子に接する部分には、空隙部が形成され、光学素子封止層が形成されていないことが望ましいが、場合によっては、光信号伝送用光路の上記光学素子に接する部分に光学素子封止層が形成されていることになってもよい。
第一の本発明のICチップ実装用基板では、基板および絶縁層を貫通し、さらに、ソルダーレジスト層が形成されている場合には、該ソルダーレジスト層をも貫通する光信号伝送用光路が配設されている。
このようなICチップ実装用基板では、上記光信号伝送用光路を介して、光信号の伝送を行うことができる。
また、上記ICチップ実装用基板では、その一の面側の最外層等に光学素子を実装し、他の面側に別の光学部品(例えば、光導波路等)を実装したマザーボード用基板等の外部基板と半田等を介して接続することにより、本発明のICチップ実装用基板に実装した光学素子と上記外部基板に実装した光学部品との間の情報の授受を、光信号伝送用光路を介して光信号により行うことができる。
上記光信号伝送用光路の具体的な形態としては、一括貫通孔構造や、個別貫通孔構造等が挙げられる。これらの具体的な構造については、後に図面を参照しながら説明する。
また、上記光信号伝送用光路は、空隙部のみから構成されていてもよいし、その一部に樹脂組成物が充填されていてもよい。具体的には、例えば、基板および絶縁層を貫通する部分に樹脂組成物が充填され、ソルダーレジスト層を貫通する部分が空隙から構成されている等である。さらには、上記基板、上記絶縁層および上記ソルダーレジスト層を貫通する部分に上記樹脂組成物が充填されていてもよい。
樹脂組成物を充填することにより、ICチップ実装用基板の強度を高めることができるからである。
なお、第一の本発明のICチップ実装用基板では、光信号伝送用光路の基板および絶縁層を貫通する部分に樹脂組成物が充填され、ソルダーレジスト層を貫通する部分が空隙部により構成されていることが望ましい。通常、基板や絶縁層は樹脂との密着性が高く、ソルダーレジスト層は樹脂との密着性が低いからである。また、後述するようにソルダーレジスト層を貫通する部分には、マイクロレンズが配設されていてもよい。
また、上述したように、上記光信号伝送用光路の上記光学素子と接する部分には、空隙部が形成されていることが望ましい。
上記樹脂組成物の樹脂成分としては、通信波長帯での吸収が少ないものであれば特に限定されず、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、感光性樹脂、熱硬化性樹脂の一部が感光性化された樹脂等が挙げられる。
具体的には、例えば、エポキシ樹脂、UV硬化性エポキシ樹脂、ポリオレフィン系樹脂、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、重水素化PMMA、重水素フッ素化PMMA等のアクリル樹脂、フッ素化ポリイミド等のポリイミド樹脂、重水素化シリコーン樹脂等のシリコーン樹脂、ベンゾシクロブテンから製造されるポリマー等が挙げられる。
また、上記樹脂組成物には、上記樹脂成分以外に、例えば、樹脂粒子、無機粒子、金属粒子等の粒子が含まれていてもよい。これらの粒子を含ませることにより光信号伝送用光路と、基板、絶縁層、ソルダーレジスト層等との間で熱膨張係数の整合を図ることができ、また、粒子の種類によっては難燃性を付与することもできる。
上記樹脂粒子としては、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、感光性樹脂、熱硬化性樹脂の一部が感光性化された樹脂、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との樹脂複合体、感光性樹脂と熱可塑性樹脂との複合体等が挙げられる。
具体的には、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂等の熱硬化性樹脂;これらの熱硬化性樹脂の熱硬化基(例えば、エポキシ樹脂におけるエポキシ基)にメタクリル酸やアクリル酸等を反応させ、アクリル基を付与した樹脂;フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリスルフォン(PSF)、ポリフェニレンスルホン(PPS)、ポリフェニレンサルファイド(PPES)、ポリフェニルエーテル(PPE)、ポリエーテルイミド(PI)等の熱可塑性樹脂;アクリル樹脂等の感光性樹脂等が挙げられる。
また、上記熱硬化性樹脂と上記熱可塑性樹脂との樹脂複合体や、上記アクリル基を付与した樹脂や上記感光性樹脂と上記熱可塑性樹脂との樹脂複合体を用いることもできる。
また、上記樹脂粒子としては、ゴムからなる樹脂粒子を用いることもできる。
また、上記無機粒子としては、例えば、アルミナ、水酸化アルミニウム等のアルミニウム化合物、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム等のカルシウム化合物、炭酸カリウム等のカリウム化合物、マグネシア、ドロマイト、塩基性炭酸マグネシウム等のマグネシウム化合物、シリカ、ゼオライト等のケイ素化合物、チタニア等のチタン化合物等が挙げられる。また、上記無機粒子として、リンやリン化合物からなるものを用いることもできる。 また、少なくとも2種類の無機材料を混合、溶融した混合組成の粒子であってもよい。
上記金属粒子としては、例えば、Au、Ag、Cu、Pd、Ni、Pt、Fe、Zn、Pb、Al、Mg、Ca等が挙げられる。
これらの樹脂粒子、無機粒子および金属粒子の粒子は、それぞれ単独で用いても良いし、2種以上併用してもよい。
また、上記粒子の形状は特に限定されず、例えば、球状、楕円球状、破砕状、多面体状等が挙げられる。これらのなかでは、球状、または、楕円球状が望ましい。粒子に角がないため、光信号伝送用光路に充填された樹脂組成物にクラック等がより発生しにくいからである。
また、上記粒子の粒径(粒子の一番長い部分の長さ)は、通信波長より短いことが望ましい。粒径が通信波長より長いと、場合によっては、光信号の伝送を阻害することがあるからである。
また、上記粒子の平均粒径の下限は0.01μmが望ましく、0.1μmがより望ましく、0.2μmが特に望ましい。一方、上記粒子の平均粒径の上限は0.8μmが望ましく、0.6μmがより望ましい。この粒径の範囲であれば、2種類以上の異なる粒径の粒子を含有してもよい。なお、本明細書において、粒径とは、粒子の一番長い部分の長さをいう。
上記樹脂組成物が含有する粒子の配合量の下限は10重量%が望ましく、上限は50重量%が望ましい。粒子の配合量が10重量%未満であると、粒子を配合させる効果が得られないことがあり、粒子の配合量が50重量%を超えると、光信号伝送用光路内に充填しづらくなるからである。より望ましい上記粒子の配合量の下限は20重量%であり、より望ましい上記粒子の配合量の上限は40重量%である。
また、第一の本発明のICチップ実装用基板においては、上記光信号伝送用光路の基板および絶縁層を貫通する部分に樹脂組成物が充填されている場合、上記光信号伝送用光路のうち、上記ソルダーレジスト層を貫通する部分の断面の径は、上記基板および上記絶縁層に形成された部分の断面の径よりも小さくてもよい。
ソルダーレジスト層を貫通する部分の断面の径が、基板および絶縁層を貫通する部分の断面の径よりも小さい場合、光信号伝送用光路の絶縁層を貫通する部分と、樹脂組成物との境界部分が、上記ソルダーレジスト層の一部で覆い隠された状態となり、上記境界部分および上記樹脂組成物の外縁付近は、上記ソルダーレジスト層により接着されることとなり、その結果、上記樹脂組成物と上記基板および上記絶縁層との間での剥離やクラックが発生しにくくなり、信頼性に優れることとなるからである。
また、上記光信号伝送用光路のソルダーレジスト層を貫通する部分の断面の径の具体的な大きさは、上記基板および上記絶縁層に形成された部分の断面の径よりも小さければ特に限定されず、ICチップ実装用基板の設計に応じて適宜選択すればよいが、通常、50〜490μm程度であることが望ましい。
また、上記光信号伝送用光路の壁面には、導体層が形成されていてもよい。
上記導体層を形成することにより、光信号伝送用光路の壁面での光の乱反射を低減し、光信号の伝送性を向上させることができる。上記導体層は、1層から形成されていてもよく、2層以上から構成されていてもよい。
上記導体層の材料としては、例えば、銅、ニッケル、クロム、チタン、貴金属等が挙げられる。
また、上記導体層は、場合によっては、スルーホールとしての役目、すなわち、基板を挟 んだ導体回路間や、基板と絶縁層とを挟んだ導体回路間を電気的に接続する役目を果たすことができる。
また、上記導体層は、光沢を有する金属(例えば、金、銀、ニッケル、白金、アルミニウム、ロジウム等)により形成されていてもよい。このような光沢を有する金属からなる導体層が形成されている場合、光信号が、光信号伝送用光路の壁面で好適に反射されることとなり、信号強度の減衰等が発生しにくくなるからである。
さらに、導体層の表面自体をエッチング処理等により粗化面としてもよい。
また、上記導体層の上に、さらに、スズ、チタン、亜鉛等からなる被覆層や粗化層を設けてもよい。上記被覆層や粗化層を設けることにより、光の乱反射をより低減し、光信号の伝送性を向上させたり、光信号伝送用光路と、基板や絶縁層との密着性を向上させたりすることができる。
また、上記樹脂組成物が充填された光信号伝送用光路の基板および絶縁層を貫通する部分や上記導体層は、基板や絶縁層と粗化面を介して接していてもよい。上記光信号伝送用光路等が、粗化面を介して接している場合には、基板や絶縁層との密着性に優れ、光信号伝送用光路等の剥離がより発生しにくいからである。
第一の本発明のICチップ実装用基板には、受光素子や発光素子等の光学素子が実装されている。
上記受光素子としては、例えば、PD(フォトダイオード)、APD(アバランシェフォトダイオード)等が挙げられる。
これらは、上記ICチップ実装用基板の構成や、要求特性等を考慮して適宜使い分ければよい。
上記受光素子の材料としては、Si、Ge、InGaAs等が挙げられる。
これらのなかでは、受光感度に優れる点からInGaAsが望ましい。
上記発光素子としては、例えば、LD(半導体レーザ)、DFB−LD(分布帰還型−半導体レーザ)、LED(発光ダイオード)、インフラ型または酸化狭窄型のVCSEL(面発光半導体レーザ)等が挙げられる。
これらは、上記ICチップ実装用基板の構成や要求特性等を考慮して適宜使い分ければよい。
上記発光素子の材料としては、ガリウム、砒素およびリンの化合物(GaAsP)、ガリウム、アルミニウムおよび砒素の化合物(GaAlAs)、ガリウムおよび砒素の化合物(GaAs)、インジウム、ガリウムおよび砒素の化合物(InGaAs)、インジウム、ガリウム、砒素およびリンの化合物(InGaAsP)等が挙げられる。
これらは、通信波長を考慮して使い分ければよく、例えば、通信波長が0.85μm帯の場合にはGaAlAsを使用することができ、通信波長が1.3μm帯や1.55μm帯の場合には、InGaAsやInGaAsPを使用することができる。
なお、これらの発光素子および受光素子のそれぞれは、マルチチャンネルのアレイ素子であってもよい。
上記光学素子の実装位置は、上記ICチップ実装用基板の表面であることが望ましい。上述したように、光学素子がICチップ実装用基板の表面に実装されている場合は、一の光学素子に不都合が発生した際に、その光学素子のみを取り替えればよいからである。
また、上記ICチップ実装用基板の表面には、コンデンサ等の電子部品も実装されていることが望ましい。上記光学素子の場合と同様、不都合の発生した部品のみを取り替えることができるからである。
また、上記ICチップ実装用基板においては、上記光信号伝送用光路にマイクロレンズが配設されていてもよい。
マイクロレンズを配設することにより、伝送光を集光させることができ、光信号の伝送損失を抑えることができるからである。
具体的には、例えば、光信号伝送用光路の基板、絶縁層およびソルダーレジスト層を貫通する部分に樹脂組成物が充填されている場合には、該樹脂組成物の端部に、直接または接着剤を介してマイクロレンズが配設されていてよく、また、光信号伝送用光路の基板および絶縁層を貫通する部分に樹脂組成物が充填され、ソルダーレジスト層が空隙を貫通する部分に樹脂組成物が充填されていない場合には、樹脂組成物の端部であって、上記光信号伝送用光路のソルダーレジスト層を貫通する部分にマイクロレンズが配設されていてもよい。
また、実装された受光素子の受光部や、発光素子の発光部にマイクロレンズが配設されていてもよい。
上記マイクロレンズとしては特に限定されず、光学レンズに使用されているものが挙げられ、その材質の具体例としては、光学ガラス、光学レンズ用樹脂等が挙げられる。上記光学レンズ用樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の上記光信号伝送用光路に充填する樹脂組成物として説明したポリマー材料と同様の材料等が挙げられる。
上記マイクロレンズの屈折率は特に限定されず、上記光信号伝送用光路内に充填される上記樹脂組成物の屈折率と同一であってもよく、大きくてもよい。
上記マイクロレンズの屈折率が上記光信号伝送用光路の屈折率と同一である場合には、両者の界面で光信号の反射が発生しないため、より確実に光信号の伝送を行うことができ、上記マイクロレンズの屈折率が上記光信号伝送用光路の屈折率より大きい場合には、所望の方向に光信号をより集光させることができるため、より確実に光信号の伝送を行うことができる。
また、上記マイクロレンズの形状としては、例えば、片面にのみ凸面を有する凸形状レンズ等が挙げられ、この場合、上記レンズの凸面の曲率半径は、光信号伝送用光路の設計等を考慮して適宜選択すればよい。具体的には、例えば、焦点距離を長くする必要があるときには、曲率半径を小さくすることが望ましく、焦点距離を短くする必要があるときには、曲率半径を大きくすることが望ましい。但し、上述したように、マイクロレンズの形成位置の許容値を大きくするとの観点からは、マイクロレンズの曲率半径は小さいことが望ましい。
なお、上記マイクロレンズの形状は、凸形状レンズに限定されるわけではなく、光信号を所望の方向に集光することができる形状であればよい。
上記マイクロレンズは、その通信波長光の透過率が70%以上であることが望ましい。
通信波長光の透過率が70%未満では、光信号の損失が大きく、光信号の伝送性の低下に繋がることがあるからである。上記透過率は、90%以上であることがより望ましい。
なお、本明細書において、通信波長光の透過率とは、長さ1mmあたりの通信波長光の透過率をいう。具体的には、例えば、強さIの光がマイクロレンズに入射し、該マイクロレンズを1mm通過して出てきたとした際に、出てきた光の強さがIである場合に下記式(1)により算出される値である。
透過率(%)=(I/I)×100・・・(1)
なお、上記透過率とは、25〜30℃で測定した透過率をいう。
また、上記マイクロレンズには、樹脂粒子、無機粒子、金属粒子等の粒子が含まれていてもよい。
粒子を含ませることにより、マイクロレンズの強度が向上し、形状がより確実に維持されることとなるとともに、上記ICチップ実装用基板や上記多層プリント配線板との間で熱膨張係数を整合させることができ、熱膨張係数の差に起因したクラック等がより発生しにくくなるからである。
上記マイクロレンズに粒子が含まれている場合、該マイクロレンズの樹脂成分の屈折率と、上記粒子の屈折率とは同程度であることが望ましい。そのため、マイクロレンズに含まれる粒子は、屈折率の異なる2種類以上の粒子を混ぜ合わせて、粒子の屈折率が樹脂成分の屈折率と同程度になるようにしたものであることが望ましい。
具体的には、例えば、樹脂成分が屈折率1.53のエポキシ樹脂である場合、マイクロレンズに含まれる粒子は、屈折率が1.46のシリカ粒子と屈折率が2.65のチタニア粒子とを混ぜ合わせて、溶解して粒子としたもの等が望ましい。
なお、粒子を混ぜ合わせる方法としては、混練する方法、2種類以上の粒子を溶かして混ぜ合わせた後、粒子状にする方法等が挙げられる。
なお、上記粒子の具体例としては、上記樹脂組成物に添加される粒子と同様のもの等が挙げられる。
また、上記粒子の形状は特に限定されず、例えば、球状、楕円球状、破砕状、多面体状等が挙げられる。これらのなかでは、球状、または、楕円球状が望ましい。球状や楕円球状の粒子には角がないため、マイクロレンズにクラック等がより発生しにくいからである。さらに、上記粒子の形状が球状または楕円球状である場合には、該粒子で光が反射しにくく、光信号の損失が低減されることとなる。
また、上記粒子の粒径(粒子の最大長さ)は特に限定されないが、その上限は0.8μm、その下限は0.01μmが望ましい。
上記マイクロレンズは、通常、インクジェット装置やディスペンサーを用いて配設されることとなるが、インクジェット装置の塗布ノズルの内径や、ディスペンサーのノズル内径寸法は、20μmが現在の最小寸法であり、粒径が上記範囲にある場合には、ノズルが詰まることなく、塗布することができるからである。
また、上記粒径の下限は0.1μmであることがより望ましい。
上記粒径が、この範囲にあることはインクジェット装置やディスペンサー等による塗布での粘度の安定性や、塗布量のバラツキの観点からより望ましいからである。
上記マイクロレンズに含まれる粒子の配合量の望ましい下限は5重量%であり、より望ましい下限は10重量%である。一方、上記粒子の配合量の望ましい上限は60重量%であり、より望ましい上限は50重量%である。粒子の配合量が5重量%未満であると、粒子を配合させる効果が得られないことがあり、粒子の配合量が60重量%を超えると、光信号の伝送が阻害されることがあるからである。
また、上記マイクロレンズは、樹脂組成物の端部に直接されていてもよいし、光学接着剤を介して配設されていてもよい。
上記光学接着剤としては特に限定されず、エポキシ樹脂系、アクリル樹脂系、シリコーン樹脂系等の光学接着剤を用いることができる。
上記光学接着剤の特性は、粘度:0.2〜1.0Pa・s、屈折率:1.4〜1.6、光透過率:80%/mm以上、熱膨張係数(CTE):4.0×10−5〜9.0×10−5(/℃)であることが望ましい。
また、上記光学接着剤の厚さは、50μm以下であることが望ましい。
また、上記マイクロレンズが配設される領域には、表面処理が施されていてもよい。
インクジョット装置等でマイクロレンズを形成するための樹脂を塗布した際に、ソルダーレジスト層を形成するまでの工程条件のバラツキや放置時間に起因するマイクロレンズを配設する部位の濡れ性のバラツキにより、マイクロレンズの形状、特にサグ高さにバラツキが発生しやすいのに対し、撥水コート剤による表面処理等を施すことにより、サグ高さのバラツキを抑えることができる。
上記表面処理としては、例えば、フッ素系ポリマーコーティング剤(表面張力10〜12mN/m)等の撥水コート剤による処理、CFプラズマによる撥水処理、Oプラズマによる親水処理等が挙げられる。
上記表面処理の具体的な方法について簡単に説明しておく。
上記撥水コート剤による処理を行う場合には、まず、ICチップ実装用基板のマイクロレンズを形成する部分に対応する部分が開口したマスクを行い、次に、スプレー塗布やスピンコータでの塗布により撥水コート剤を塗布し、その後、撥水コート剤を自然乾燥させ、さらにマスクを剥がすことにより表面処理を終了する。なお、撥水コート剤層の厚さは、通常、1μm程度である。
ここでは、メッシュ版やレジスト形成したマスクを用いればよい。
なお、撥水コート剤による処理を行う場合には、マスクを用いることなく、ソルダーレジスト層の壁面を含む露出面全体に撥水コート剤による処理を施してもよい。ソルダーレジスト層がマイクロレンズを形成する際にダムの効果を果たすこととなるからである。
また、上記CFプラズマによる撥水処理を行う場合には、まず、ICチップ実装用基板のマイクロレンズを形成する部分に対応する部分が開口したマスクを行い、次に、CFプラズマ処理を行い、さらにマスクを剥がすことにより表面処理を終了する。
ここでは、レジスト形成したマスクを用いればよい。
また、上記Oプラズマによる親水処理を行う場合には、まず、ICチップ実装用基板のマイクロレンズを形成する部分に対応する部分が開口したマスクを行い、次に、Oプラズマ処理を行い、さらにマスクを剥がすことにより表面処理を終了する。
ここでは、メタル版やレジスト形成したマスクを用いればよい。
また、上記撥水処理(撥水コート剤による処理含む)と親水処理とを組み合わせて行うことが望ましい。
なお、本明細書において、マイクロレンズのサグ高さとは、ソルダーレジスト層の表面から突出した部分の高さをいう。なお、ICチップ実装用基板にソルダーレジスト層が形成されない場合には、最外層の表面から突出した部分の高さをいう。
また、本発明のICチップ実装用基板においては、最外層にソルダーレジスト層が形成されているが、このソルダーレジスト層の厚さは、その下限が10μmであることが望ましく、15μmであることがより望ましい。一方、その上限は、40μmであることが望ましく、30μmであることがより望ましい。
また、本発明のICチップ実装用基板においては、上記基板を挟んだ導体回路間がスルーホールを介して接続され、上記絶縁層を挟んだ導体回路間がバイアホールを介して接続されていることが望ましい。ICチップ実装用基板の高密度配線を実現しつつ、その小型化を図ることができるからである。
次に第一の本発明のICチップ実装用基板について、図面を参照しながら説明する。
図1(a)は、第一の本発明のICチップ実装用基板の一実施形態を模式的に示す断面図であり、(b)は、第一の本発明のICチップ実装用基板の別の一実施形態の一部を模式的に示す部分拡大断面図である。なお、図1(a)では、ICチップが実装された状態の ICチップ実装用基板を示す。
図1に示すように、第一の本発明のICチップ実装用基板120は、基板121の両面に導体回路124と絶縁層122とが積層形成され、基板121を挟んだ導体回路間、および、絶縁層122を挟んだ導体回路間は、それぞれ、スルーホール129およびバイアホール127により電気的に接続されている。また、最外層にはソルダーレジスト層134が形成されている。
このICチップ実装用基板120では、基板121、絶縁層122およびソルダーレジスト層134を貫通するように光信号伝送用光路142が形成されている。
光信号伝送用光路142は、基板121および絶縁層122を貫通する部分に樹脂組成物142aが充填されるとともに、この樹脂組成物142aの周囲に導体層が形成されており、また、ソルダーレジスト層134を貫通する部分には、マイクロレンズ149が配設されている。
ICチップ実装用基板120に実装された光学素子(発光素子138および受光素子139)の入出力信号は、光信号伝送用光路142を介して伝送されることとなる。
なお、光信号伝送用光路のソルダーレジスト層を貫通する部分は、図1に示したように空隙142bにより形成されていてもよいし、樹脂組成物が充填されていてもよい。また、光信号伝送用光路の基板121および絶縁層122を貫通する部分の周囲には導体層145が形成されていなくてもよく、さらに、導体層145は、図1に示すように1層から構成されていてもよいし、2層以上から構成されていてもよい。
ICチップ実装用基板120の一の面には、発光部138aおよび受光部139aのそれぞれが光信号伝送用光路142に対向するように、発光素子138および受光素子139が半田接続部144を介して表面実装されており、さらに、ICチップ140が半田接続部143を介して表面実装されている。
また、一の面のソルダーレジスト層134上には、発光素子138および受光素子139のそれぞれの外周に接するように、光学素子封止層148が形成されており、発光素子138および受光素子139の光信号伝送用光路と接する部分には、空隙部が形成されている。従って、光信号伝送用光路の受光素子138や受光素子139に接する部分には、光学素子封止層148が形成されていない。
このような光学素子封止層148が形成されることにより、光信号伝送用光路142内に、ゴミや異物等が入り込むことがなく、該ゴミや異物等により光信号の伝送が阻害されることもない。
また、ICチップ実装用基板120の他の面のソルダーレジスト層134には、半田バンプ137が形成されている。
このような構成からなるICチップ実装用基板120において、光ファイバや光導波路等(図示せず)を介して外部から送られてきた光信号は、光信号伝送用光路142を介して受光素子139(受光部139a)で受信した後、受光素子139で電気信号に変換され、さらに、半田接続部143、144、導体回路124、バイアホール127、スルーホール129等を介してICチップ140に送られることとなる。
また、ICチップ140から送り出された電気信号は、半田接続部143、144、導体回路124、バイアホール127、スルーホール129等を介して発光素子138に送られた後、発光素子138で光信号に変換され、発光素子138(発光部138a)から発信した光信号は、光信号伝送用光路142を介して外部の光学素子(光ファイバや光導波路等)に送り出されることとなる。
本発明のICチップ実装用基板では、ICチップに近い位置に実装された受光素子および 発光素子において、光/電気信号変換を行うため、電気信号の伝送距離が短く、信号伝送の信頼性に優れ、より高速通信に対応することができる。
また、ICチップ実装用基板120では、ソルダーレジスト層134に金属めっき層を介して半田バンプ137が形成されているため、ICチップから送り出された電気信号は、上述したように光信号に変換された後、光信号伝送用光路142等を介して外部に送りだされるだけでなく、半田バンプ137を介しても外部基板に送られることとなる。
このように半田バンプが形成されている場合には、上記ICチップ実装用基板をマザーボード用基板等の外部基板と半田バンプを介して接続することができ、この場合には、半田が有するセルフアライメント作用により上記ICチップ実装用基板を所定の位置に配置することができる。
なお、上記セルフアラインメント作用とは、リフロー処理時に半田が自己の有する流動性により半田バンプ形成用開口の中央付近により安定な形状で存在しようとする作用をいい、この作用は、半田がソルダーレジスト層にはじかれるとともに、半田が金属に付く場合には、球形になろうとする表面張力が強く働くために起こるものと考えられる。
このセルフアライメント作用を利用した場合、上記半田バンプを介して、上記ICチップ実装用基板を外部基板に接続する際に、リフロー前には両者に位置ズレが発生していたとしても、リフロー時に上記ICチップ実装用基板が移動し、該ICチップ実装用基板を外部基板上の正確な位置に取り付けることができる。
従って、上記ICチップ実装用基板に実装された受光素子や発光素子と、外部の光学素子とを光信号伝送用光路を介して、光信号の伝送を行う場合に、上記ICチップ実装用基板に実装された受光素子や発光素子の実装位置が正確であれば、上記ICチップ実装用基板と上記外部基板との間で正確な光信号の伝送を行うことができる。
また、本発明のICチップ実装用基板では、図1(b)に部分断面図で示すように、光学素子138とソルダーレジスト層との間にダム150が形成されていてもよい。上記ダムを形成することより、上記光学素子封止層をソルダーレジスト層上の所望の部分のみに形成することができる。
特に、ポッティングにより光学素子封止層を形成する場合には、光信号伝送用光路内(発光素子138の受光部138aの直下)への該光学素子封止層の流入を防止することができるため、ダムが形成されていることが適している。
上記ダムの形成は、例えば、エポキシ樹脂や、シリコーン樹脂等を印刷する、打ち抜きプレス機により枠状に打ち抜かれたり、ルーター加工により枠状に切り出されたりしたガラス−エポキシ基材等を接着剤で接着する等により行うことができる。なお、光学素子とソルダーレジスト層との隙間が、通常50μm程度であることを考慮すると、エポキシ樹脂や、シリコーン樹脂等を印刷することによりダムを形成することが望ましい。
また、上記ダムの形成位置は特に限定されず、ICチップ実装用基板の設計に応じて適宜選択すればよく、例えば、ICチップ実装用基板と光学素子とを接続する半田接続部の内側であって、光信号伝送用光路の外側の位置に形成すればよい(図1(b)参照)。また、ICチップ実装用基板と光学素子との間であって、半田接続部の外側に形成してもよい。さらには、半田接続部の一部が光学素子封止層と接することとなる位置に形成してもよい。
また、上記ダムを形成した場合には、光学素子封止層を形成するための樹脂組成物として、流動性に優れる樹脂組成物を使用することが可能となり、光学素子封止層の形成に適した樹脂組成物の粘度、粒子の最大粒子径や平均粒子径、粒子の含有量、チキソ比の選択の自由度がより向上することとなる。具体的には、従来公知のICチップを封止する樹脂組 成物と同様のものを好適に用いることができるようになる。
また、第一の本発明のICチップ実装用基板において、実装される受光素子や発光素子等の光学素子は、図1に示したような1チャンネルのものに限定されず、マルチチャンネル光学素子であってもよい。
また、マルチチャンネルの光学素子を実装した場合、それに応じた形状の光信号伝送用光路(例えば、一括貫通孔構造の光信号伝送用光路や、個別貫通孔構造の光信号伝送用光路等)を形成する必要がある。以下、マルチチャンネルの光学素子を実装した形態のICチップ実装用基板について図面を参照しながら説明する。
また、第一の本発明のICチップ実装用基板において、形成される光学素子封止層は、樹脂からなるものに限定されるわけではなく、例えば、半田からなるものであってもよい。以下、これについて、図1(c)を参照しながら説明する。
図1(c)は、本発明のICチップ実装用基板の別の一例の一部を模式的に示す部分断面図である。
図1(c)に示すICチップ実装用基板では、図1(a)に示したICチップ実装用基板120と同様、ソルダーレジスト層上に半田接続部144を介して発光素子138が表面実装されている。
また、ソルダーレジスト層134上には、発光素子138の外周に接するように、半田からなる光学素子封止層178が形成されている。この半田からなる光学素子封止層178は、層間絶縁層172上に結成された光学素子封止層形成用パッドに半田接続されている。そのため、ソルダーレジスト層134には、光学素子封止層を形成するための開口が設けてある。
また、半田からなる光学素子封止層178と接続性の向上を図るため、発光素子138の側面の光学素子封止層と接する部分には、金属層が形成されていてもよい。この場合、光学素子封止層178により、発光素子138の周囲が確実に封止されることとなるからである。なお、金属層は、めっき、蒸着等の方法により形成すればよい。
このように、本発明のICチップ実装用基板では、光学素子封止層が半田からなるものであってもよい。勿論、この場合も、光信号伝送用光路の発光素子(光学素子)に接する部分には、空隙部が形成されていることが望ましい。
また、光学素子封止層として、半田からなるものを用いた場合には、光学素子の周囲を確実にハーメチックシールド(気密封止)することができ、この場合、空隙部には、空気以外の気体(窒素、アルゴン等)が封入されていてもよく、特に、屈折率が空気より小さい(即ち、1.0以下)の気体が封入されていることが望ましい。マイクロレンズにより光信号を集光させるのに特に適しているからである。
図2は、第一の実施形態のICチップ実装用基板の別の一実施形態を模式的に示す断面図である。
図2に示すように、ICチップ実装用基板220は、基板221の両面に導体回路224と絶縁層222とが積層形成され、基板221を挟んだ導体回路間、および、絶縁層222を挟んだ導体回路間は、それぞれ、スルーホール229およびバイアホール227により電気的に接続されている。また、最外層にはソルダーレジスト層234が形成されている。
このICチップ実装用基板220では、基板221、絶縁層222およびソルダーレジスト層234を貫通するように光信号伝送用光路242が設けられている。
この光信号伝送用光路242では、基板221および絶縁層222を貫通する部分に樹脂組成物247が充填されている。 そして、ソルダーレジスト層234を貫通する部分の径は、基板221および絶縁層222を貫通する部分の径よりも小さくなっている。
なお、光信号伝送用光路のソルダーレジスト層を貫通する部分には、樹脂組成物が充填されていてもよい。また、上記樹脂組成物の周囲には、導体層が形成されていてもよい。
ICチップ実装用基板220の一の面には、受光部239a〜239dのそれぞれが光信号伝送用光路242に対向するように、4チャンネルの受光素子239が半田接続部244を介して表面実装されるとともに、ICチップ240が半田接続部243を介して表面実装されている。
また、一の面のソルダーレジスト層234上には、受光素子239の少なくともそれぞれの外周に接するように、光学素子封止層248が形成されており、受光素子239の光信号伝送用光路と接する部分には、空隙部が形成されている。従って、受光素子239の光信号伝送用光路と接する部分には、光学素子封止層248が形成されていない。
このような光学素子封止層248が形成されることにより、光信号伝送用光路242内に、ゴミや異物等が入り込むことがなく、該ゴミや異物等により光信号の伝送が阻害されることもない。
また、ICチップ実装用基板220の他の面のソルダーレジスト層234には、半田バンプ237が形成されている。
従って、4チャンネルの受光素子239からの出力信号は、光信号伝送用光路242を介して伝送することができる。ここで、光信号伝送用光路242は、4チャンネル分の光信号を伝送することができる大きさで、基板221、絶縁層222およびソルダーレジスト層234を貫通するように一括形成されている。
このような光信号伝送用光路242の受光素子239が実装された側およびその反対側の樹脂組成物247の端部であって、ソルダーレジスト層234を貫通する部分のそれぞれには4つずつのマイクロレンズレンズ249a〜249d、246a〜246dが配設されている。ここで、マイクロレンズ249a〜249d、246a〜246dのそれぞれは、受光素子239の各チャンネル239a〜239dに対応する位置に配置されている。
従って、受光素子239への光信号は、マイクロレンズ246(246a〜246d)、249(249a〜249d)を通過することとなり、このように、光信号伝送用光路242のソルダーレジスト層を貫通する部分にマイクロレンズを配設することにより、光信号の伝送損失を抑えることができる。
このような構成からなるICチップ実装用基板220において、外部の光学部品(光ファイバや光導波路等)を介して伝送されてきた電気信号は、マイクロレンズ246a〜246d、光信号伝送用光路242およびマイクロレンズ249a〜249dを介して受光素子239(受光部239a)に伝送され、この受光素子239で電気信号に変換された後、半田接続部243、導体回路224、バイアホール227等を介してICチップ240に送られ、処理されることとなる。
また、ICチップ実装用基板220では、ソルダーレジスト層234に金属めっき層を介して半田バンプ237が形成されているため、ICチップ240と外部基板等との間での電気信号の伝送は、半田バンプ237を介しても行うことができる。
このように半田バンプが形成されている場合には、上記ICチップ実装用基板をマザーボード用基板等の外部基板と半田バンプを介して接続することができ、この場合には、半田が有するセルフアライメント作用により上記ICチップ実装用基板を所定の位置に配置することができる。
このように、光学素子として、マルチチャンネルのアレイ素子が実装されたICチップ実装用基板において、マイクロレンズを配設する場合、該マイクロレンズの径は、アレイ素子における各チャンネル間のピッチに応じて適宜決定すればよく、例えば、250μmピッチのアレイ素子を用いる場合には、100〜240μmが望ましく、180〜230μmがより望ましい。100μm未満では、所望の焦点距離を得ることができない場合があり、240μmを超えると隣り合うマイクロレンズ同士が接触してしまい、マイクロレンズを所定の位置に配置することができなくなる場合がある。
また、例えば、500μmピッチのアレイ素子を用いる場合には、100〜490μmが望ましく、180〜480μmがより望ましい。100μm未満では、所望の焦点距離を得ることができない場合があり、490μmを超えると隣合うマイクロレンズ同士が接触してしまい、マイクロレンズを所定の位置に配置することができなくなる場合がある。
また、上記一括貫通孔構造の光信号伝送用光路の形状としては、光信号伝送用光路の基板や絶縁層を貫通する部分、および、光信号伝送用光路のソルダーレジスト層を貫通する部分ともに、例えば、円柱、角柱、楕円柱、複数の円柱が並列に並べられ互いに隣り合う円柱の側面の一部が繋がった形状、直線と円弧とで囲まれた底面を有する柱状体等が挙げられる。なお、上記基板や絶縁層を貫通する部分と、上記ソルダーレジスト層を貫通する部分とは、必ずしも同一の形状を有している必要はない。
また、光信号伝送用光路のソルダーレジスト層を貫通する部分の縦断面の形状は、場合によっては、基板および絶縁層側が短辺となる台形状であってもよい。この場合、その短辺の長さが、ソルダーレジスト層を貫通する部分の断面の径となる。
また、第一の実施形態のICチップ実装用基板では、基板と絶縁層と貫通する部分には一括貫通光構造の光信号伝送用光路が形成され、ソルダーレジスト層を貫通する部分は、受光素子の受光部に対応する部分にのみ光信号伝送用光路が形成されていてもよいし、ソルダーレジスト層を貫通する部分にも一括貫通光構造の光信号伝送用光路が形成されていてもよい。
また、上記光信号伝送用光路の形状が、複数の円柱が並列に並べられ、互いに隣り合う円柱の側面の一部が繋がった形状である場合には、その一部に、実際には、光信号伝送用光路として機能しないダミー円柱が形成されていてもよい。
図2に示したような一括貫通孔構造の光信号伝送用光路の大きさは、縦、横のそれぞれが100μm〜5mmであることが望ましい。また、上記光信号伝送用光路の形状が円柱状である場合には、その径が上記範囲にあることが望ましい。
上記断面の径が100μm未満では、光信号の伝送が阻害されることがあり、一方、5mmを超えても、光信号の伝送損失の向上はみられず、上記ICチップ実装用基板の小型化が難しくなる。
なお、基板、絶縁層およびソルダーレジスト層を貫通する光信号伝送用光路において、基板および絶縁層を貫通する部分の断面の径と、ソルダーレジスト層を貫通する部分の断面の径とは、同一であってもよい。
次に、個別貫通孔形状の光信号伝送用光路を有するICチップ実装用基板について説明する。図3は、第一の本発明のICチップ実装用基板の別の一実施形態を模式的に示す断面部である。
図3に示したICチップ実装用基板、すなわち、個別貫通孔構造の光信号伝送用光路を有する実施形態のICチップ実装用基板は、図2に記載した実施形態のICチップ実装用基板と比べて、光信号伝送用光路の形状が異なる以外はその構成は、同一である。従って、 ここでは、光信号伝送用光路の形状についてのみ詳細に説明することとする。
図3に示すように、ICチップ実装用基板320では、基板321、絶縁層322およびソルダーレジスト層334を貫通するように4つの独立した光信号伝送用光路342(342a〜342d)が設けられている。
この光信号伝送用光路342a〜342dは、基板321および絶縁層322を貫通する部分に樹脂組成物347が充填されている。
そして、ソルダーレジスト層234を貫通する部分の断面の径は、基板321および絶縁層322を貫通する部分の断面の径と同一である。なお、ソルダーレジスト層を貫通する部分の径は、基板および絶縁層を貫通する部分の径よりも小さくてもよい。
ICチップ実装用基板320の一の面には、受光部339a〜339dのそれぞれが光信号伝送用光路342a〜342dのそれぞれに対向するように、4チャンネルの受光素子339が半田接続部344を介して表面実装されている。そして、受光素子339の光信号伝送用光路と接する部分には、空隙部が形成されている。
従って、4チャンネルの受光素子339への出力信号は、光信号伝送用光路342a〜342dのいずれかを介して伝送することができる。ここで、各光信号伝送用光路は、4チャンネルの受光素子が有する各受光部339a〜339dからの光信号を伝送することができるように、個別に独立して形成されている。
なお、光信号伝送用光路のソルダーレジスト層を貫通する部分には、樹脂組成物が充填されていてもよい。また、光信号伝送用光路342a〜342dの基板321および絶縁層322を貫通する部分の周囲には導体層が形成されていてもよい。
また、このような光信号伝送用光路342a〜342dの受光素子339が実装された側およびその反対側の樹脂組成物347の端部であって、ソルダーレジスト層334を貫通する部分のそれぞれには、マイクロレンズ349(349a〜349d)、346(346a〜346d)が配設されている。
従って、受光素子339への光信号は、マイクロレンズ349a〜349d、346a〜346dを通過することとなる。このように、光信号伝送用光路342a〜342dの両端にマイクロレンズ349a〜349d、346a〜346dを配設することにより、光信号の伝送損失を抑えることができる。
また、各光信号伝送用光路の断面の径について、該光信号伝送用光路の基板および絶縁層を貫通する部分は、その下限が150μmで、その上限が450μmであることが望ましい。具体的には、250μmピッチのアレイ素子を用いる場合には、150〜200μmが望ましく、500μmピッチのアレイ素子を用いる場合には、150〜450μmが望ましい。
また、個別に形成された光信号伝送用光路の断面の径が150μm以上が望ましい理由は以下の通りである。
すなわち、上記形態の光信号伝送用光路は、基板および絶縁層を貫通する貫通孔を形成した後、該貫通孔内に必要に応じて樹脂組成物を充填することにより形成するのであるが、上記貫通孔は、通常ドリルを用いて形成され、ドリル加工で貫通孔を形成する場合、その径が150μm未満の貫通孔を形成することが困難だからである。
一方、上記光信号伝送用光路のソルダーレジスト層を貫通する部分の断面の径が、上記基板や絶縁層を貫通する部分の断面の径よりも小さい場合、その大きさは、20〜390μm小さいことが望ましく、30〜100μm小さいことがより望ましい。
ソルダーレジスト層を形成する際の露光、現像処理により、ソルダーレジスト層の座切れ(絶縁層と樹脂組成物との界面を覆うようにソルダーレジスト層が形成されず、上記界面 より外側にソルダーレジスト層の光路用開口が形成されてしまった状態)が発生することがないからである。
なお、上記光信号伝送用光路の基板、絶縁層を貫通する部分の断面の径とは、例えば、上記基板や絶縁層を貫通する部分が円柱状の場合にはその断面の直径、楕円柱状の場合にはその断面の長径、四角柱状や多角柱状の場合にはその断面の最も長い部分の長さをいい、また、上記光信号伝送用光路が、その入射端側から出射端側に向かって断面の径が一定でない場合には、入射端側の断面の径をいう。
また、本発明において、光信号伝送用光路の断面とは、ICチップ実装用基板の主面に平行な方向の断面をいい、光信号伝送用光路の縦断面とは、上記主面に垂直な方向の断面をいう。
また、上記光信号伝送用光路の形状は、光信号の入射端側から出射端側に向かって、その断面が連続的に小さくなる部分を含むような形状であってもよい。
また、上記光信号伝送用光路のソルダーレジスト層を貫通する部分縦断面の形状は、場合によっては、絶縁層側が短辺となる台形状であってもよい。
このような構成からなるICチップ実装用基板320においても、外部の光学部品(光ファイバや光導波路等)を介して伝送されてきた電気信号は、マイクロレンズ349a〜349d、346a〜346dおよび光信号伝送用光路342を介して受光素子339(受光部339a)に伝送され、この受光素子339で電気信号に変換された後、半田接続部343、導体回路324、バイアホール327等を介してICチップ340に送られ、処理されることとなる。
第一の本発明のICチップ実装用基板では、ICチップに近い位置に実装された受光素子において、光/電気信号変換を行うため、電気信号の伝送距離が短く、信号伝送の信頼性に優れ、より高速通信に対応することができる。
このような実施形態のICチップ実装用基板においても、光信号伝送用光路に配設するマイクロレンズの径は、アレイ素子における各チャンネル間のピッチに応じて適宜決定すればよく、例えば、250μmピッチのアレイ素子を用いる場合には、100〜190μmが望ましい。
また、例えば、500μmピッチのアレイ素子を用いる場合には、100〜490μmが望ましく、180〜480μmがより望ましい。
また、上記マイクロレンズの径は、上記光信号伝送用光路のソルダーレジスト層を貫通する部分の断面の径と同一であることが望ましい。
また、上記個別貫通孔構造の各光信号伝送用光路の形状としては、光信号伝送用光路の基板や絶縁層に形成された部分、および、光信号伝送用光路のソルダーレジスト層を貫通する部分ともに、例えば、円柱、角柱、楕円柱、直線と円弧とで囲まれた底面を有する柱状体等が挙げられる。なお、上記基板や絶縁層に形成された部分と、上記ソルダーレジスト層を貫通する部分とは、必ずしも同一の形状を有している必要はない。
ここまで、説明してきた第一の本発明のICチップ実装用基板は、基板や絶縁層が樹脂材料から構成されたものである。
しかしながら、基板や絶縁層等が樹脂以外の材料、例えば、ガラスやセラミック等から構成されている場合も、第一の本発明と同様の効果を得ることができる。
すなわち、ガラスやセラミックからなる配線板に、光学素子が実装され、この光学素子の外周に接するように、光学素子封止層が形成されているICチップ実装用基板においても、上述した第一の本発明のICチップ実装用基板と同様の効果を得ることができる。 また、このようなガラスやセラミックからなる配線板を用いたICチップ実装用基板において、光学素子封止層を形成する場合には、該光学素子封止層は、半田からなるものであることが望ましい。
次に、第一の本発明のICチップ実装用基板の製造方法について工程順に説明する。
(1)絶縁性基板を出発材料とし、まず、該絶縁性基板上に導体回路を形成する。
上記絶縁性基板としては、例えば、ガラスエポキシ基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、ビスマレイミド−トリアジン(BT)樹脂基板、熱硬化性ポリフェニレンエーテル基板、銅張積層板、RCC基板等が挙げられる。
また、窒化アルミニウム基板等のセラミック基板や、シリコン基板を用いてもよい。
上記導体回路は、例えば、上記絶縁性基板の表面に無電解めっき処理等によりベタの導体層を形成した後、エッチング処理を施すことにより形成することができる。また、銅張積層板やRCC基板にエッチング処理を施すことにより形成してもよい。
また、上記絶縁性基板を挟んだ導体回路間の接続をスルーホールにより行う場合には、例えば、上記絶縁性基板にドリルやレーザ等を用いてスルーホール用貫通孔を形成した後、無電解めっき処理等を施すことによりスルーホールを形成しておく。なお、上記スルーホール用貫通孔の直径は、通常、100〜300μmである。
また、スルーホールを形成した場合には、該スルーホール内に樹脂充填材を充填することが望ましい。
(2)次に、必要に応じて、導体回路の表面に粗化形成処理を施す。
上記粗化形成処理としては、例えば、黒化(酸化)−還元処理、第二銅錯体と有機酸塩とを含むエッチング液等を用いたエッチング処理、Cu−Ni−P針状合金めっきによる処理等が挙げられる。
ここで、粗化面を形成した場合、通常、該粗化面の平均粗度の下限は0.1μmが望ましく、上限は5μmが望ましい。導体回路と絶縁層との密着性、導体回路の電気信号伝送能に対する影響等を考慮すると上記平均粗度の下限は2μmがより望ましく、上限は4μmがより望ましい。
なお、この粗化形成処理は、スルーホール内に樹脂充填材を充填する前に行い、スルーホールの壁面にも粗化面を形成してもよい。スルーホールと樹脂充填材との密着性が向上するからである。
(3)次に、導体回路を形成した基板上に、熱硬化性樹脂、感光性樹脂、熱硬化性樹脂の一部に感光性基が付与された樹脂や、これらと熱可塑性樹脂と含む樹脂複合体からなる未硬化の樹脂層を形成するか、または、熱可塑性樹脂からなる樹脂層を形成する。なお、これらの樹脂層の形成には、例えば、基板に用いる樹脂と同様の樹脂等を用いることもできる。
上記未硬化の樹脂層は、未硬化の樹脂をロールコーター、カーテンコーター等により塗布したり、未硬化(半硬化)の樹脂フィルムを熱圧着したりすることにより形成することができる。
また、上記熱可塑性樹脂からなる樹脂層は、フィルム状に成形した樹脂成形体を熱圧着することにより形成することができる。
これらのなかでは、未硬化(半硬化)の樹脂フィルムを熱圧着する方法が望ましく、樹脂フィルムの圧着は、例えば、真空ラミネータ等を用いて行うことができる。
また、圧着条件は特に限定されず、樹脂フィルムの組成等を考慮して適宜選択すればよいが、通常は、圧力0.25〜1.0MPa、温度40〜70℃、真空度13〜1300Pa、時間10〜120秒程度の条件で行うことが望ましい。
上記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂の具体例としては、例えば、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型等のノボラック型エポキシ樹脂や、ジシクロペンタジエン変成した脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記感光性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂等が挙げられる。
また、上記熱硬化性樹脂の一部に感光性基が付与された樹脂としては、例えば、上記した熱硬化性樹脂の熱硬化基とメタクリル酸やアクリル酸とをアクリル化反応させたもの等が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリスルフォン(PSF)、ポリフェニレンスルフォン(PPS)ポリフェニレンサルファイド(PPES)、ポリフェニレンエーテル(PPE)ポリエーテルイミド(PI)等が挙げられる。
また、上記樹脂複合体としては、熱硬化性樹脂や感光性樹脂(熱硬化性樹脂の一部に感光性基が付与された樹脂も含む)と熱可塑性樹脂とを含むものであれば特に限定されず、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との具体的な組み合わせとしては、例えばフェノール樹脂/ポリエーテルスルフォン、ポリイミド樹脂/ポリスルフォン、エポキシ樹脂/ポリエーテルスルフォン、エポキシ樹脂/フェノキシ樹脂等が挙げられる。また、感光性樹脂と熱可塑性樹脂との具体的な組み合わせとしては、例えば、アクリル樹脂/フェノキシ樹脂、エポキシ基の一部をアクリル化したエポキシ樹脂/ポリエーテルスルフォン等が挙げられる。
また、上記樹脂複合体における熱硬化性樹脂や感光性樹脂と熱可塑性樹脂との配合比率は、熱硬化性樹脂または感光性樹脂/熱可塑性樹脂=95/5〜50/50が望ましい。耐熱性を損なうことなく、高い靱性値を確保することができるからである。
また、上記樹脂層は、2層以上の異なる樹脂層から構成されていてもよい。
具体的には、例えば、下層が熱硬化性樹脂または感光性樹脂/熱可塑性樹脂=50/50の樹脂複合体から形成され、上層が熱硬化性樹脂または感光性樹脂/熱可塑性樹脂=90/10の樹脂複合体から形成されている等である。
このような構成にすることにより、基板との優れた密着性を確保するとともに、後工程でバイアホール用開口等を形成する際の形成容易性を確保することができる。
また、上記樹脂層は、粗化面形成用樹脂組成物を用いて形成してもよい。
上記粗化面形成用樹脂組成物とは、例えば、酸、アルカリおよび酸化剤から選ばれる少なくとも1種からなる粗化液に対して難溶性の未硬化の耐熱性樹脂マトリックス中に、酸、アルカリおよび酸化剤から選ばれる少なくとも1種からなる粗化液に対して可溶性の物質が分散されたものである。
なお、上記「難溶性」および「可溶性」という語は、同一の粗化液に同一時間浸漬した場合に、相対的に溶解速度の早いものを便宜上「可溶性」といい、相対的に溶解速度の遅いものを便宜上「難溶性」と呼ぶ。
上記耐熱性樹脂マトリックスとしては、絶縁層に上記粗化液を用いて粗化面を形成する際に、粗化面の形状を保持することができるものが好ましく、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、これらの複合体等が挙げられる。また、感光性樹脂を用いることにより、絶縁層に露光、現像処理を用いてバイアホール用開口を形成することができる。
上記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。また、上記熱硬化性樹脂を感光化する場合は、メタクリル酸やアクリル酸等を用い、熱硬化基を(メタ)アクリル化反応させる。
上記エポキシ樹脂としては、例えば、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物、トリグリシジルイソシアヌレート、脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。それにより、耐熱性等に優れるものとなる。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニルエーテル、ポリエーテルイミド等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
上記酸、アルカリおよび酸化剤から選ばれる少なくとも1種からなる粗化液に対して可溶性の物質は、無機粒子、樹脂粒子および金属粒子から選ばれる少なくとも1種であることが望ましい。
上記無機粒子としては、例えば、アルミナ、水酸化アルミニウム等のアルミニウム化合物、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム等のカルシウム化合物、炭酸カリウム等のカリウム化合物、マグネシア、ドロマイト、塩基性炭酸マグネシウム、タルク等のマグネシウム化合物、シリカ、ゼオライト等のケイ素化合物等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
上記樹脂粒子としては、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等からなるものが挙げられ、酸、アルカリおよび酸化剤から選ばれる少なくとも1種からなる粗化液に浸漬した場合に、上記耐熱性樹脂マトリックスよりも溶解速度の早いものであれば特に限定されず、具体的には、例えば、アミノ樹脂(メラミン樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂等)、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂等からなるものが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
なお、上記樹脂粒子は予め硬化処理されていることが必要である。硬化させておかないと上記樹脂粒子が耐熱性樹脂マトリックスを溶解させる溶剤に溶解してしまうこととなるからである。
また、上記樹脂粒子としては、ゴム粒子や液相樹脂、液相ゴム等を用いてもよい。
上記金属粒子としては、例えば、金、銀、銅、スズ、亜鉛、ステンレス、アルミニウム、ニッケル、鉄、鉛等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
また、上記金属粒子は、絶縁性を確保するために、表層が樹脂等により被覆されていてもよい。
上記可溶性の物質を、2種以上混合して用いる場合、混合する2種の可溶性の物質の組み合わせとしては、樹脂粒子と無機粒子との組み合わせが望ましい。両者とも導電性が低くいため、絶縁層の絶縁性を確保することができるとともに、難溶性樹脂との間で熱膨張の調整が図りやすく、粗化面形成用樹脂組成物からなる絶縁層にクラックが発生せず、絶縁 層と導体回路との間で剥離が発生しないからである。
上記粗化液として用いる酸としては、例えば、リン酸、塩酸、硫酸、硝酸や、蟻酸、酢酸等の有機酸等が挙げられるが、これらのなかでは有機酸を用いることが望ましい。粗化処理した場合に、バイアホール用開口の底面に露出する金属導体層を腐食させにくいからである。
上記酸化剤としては、例えば、クロム酸、クロム硫酸、アルカリ性過マンガン酸塩(過マンガン酸カリウム等)の水溶液等を用いることが望ましい。
また、上記アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水溶液が望ましい。
上記可溶性の物質の平均粒径は、10μm以下が望ましい。
また、平均粒径が2μm以下の平均粒径の相対的に大きな粗粒子と平均粒径が相対的に小さな微粒子とを組み合わせて使用してもよい。すなわち、平均粒径が0.1〜0.5μmの可溶性の物質と平均粒径が1〜2μmの可溶性の物質とを組み合わせる等である。
このように、平均粒径が相対的に大きな粗粒子と平均粒径が相対的に小さな微粒子とを組み合わせることにより、薄膜導体層の溶解残渣をなくし、めっきレジスト下のパラジウム触媒量を少なくし、さらに、浅くて複雑な粗化面を形成することができる。
さらに、複雑な粗化面を形成することにより、粗化面の凹凸が小さくても実用的なピール強度を維持することができる。
上記粗粒子は平均粒径が0.8μmを超え2.0μm未満であり、微粒子は平均粒径が0.1〜0.8μmであることが望ましい。
(4)次に、その材料として熱硬化性樹脂や樹脂複合体を用いた絶縁層を形成する場合には、未硬化の樹脂絶縁層に硬化処理を施すとともに、バイアホール用開口を形成し、絶縁層とする。また、この工程では、必要に応じて、スルーホール用貫通孔を形成してもよい。
上記バイアホール用開口は、レーザ処理により形成することが望ましい。また、絶縁層の材料として感光性樹脂を用いた場合には、露光現像処理により形成してもよい。
また、その材料として熱可塑性樹脂を用いた絶縁層を形成する場合には、熱可塑性樹脂からなる樹脂層にバイアホール用開口を形成し、絶縁層とする。この場合、バイアホール用開口は、レーザ処理を施すことにより形成することができる。
また、この工程でスルーホール用貫通孔を形成する場合、該スルーホール用貫通孔は、ドリル加工やレーザ処理等により形成すればよい。
上記レーザ処理に使用するレーザとしては、例えば、炭酸ガスレーザ、紫外線レーザ、エキシマレーザ等が挙げられる。これらのなかでは、エキシマレーザや短パルスの炭酸ガスレーザが望ましい。
また、エキシマレーザのなかでも、ホログラム方式のエキシマレーザを用いることが望ましい。ホログラム方式とは、レーザ光をホログラム、集光レンズ、レーザマスク、転写レンズ等を介して目的物に照射する方式であり、この方式を用いることにより、一度の照射で樹脂フィルム層に多数のバイアホール用開口を効率的に形成することができる。
また、炭酸ガスレーザを用いる場合、そのパルス間隔は、10−4〜10−8秒であることが望ましい。また、開口を形成するためのレーザを照射する時間は、10〜500μ秒であることが望ましい。
また、光学系レンズと、マスクとを介してレーザ光を照射することにより、一度に多数の バイアホール用開口を形成することができる。光学系レンズとマスクとを介することにより、同一強度で、かつ、照射強度が同一のレーザ光を複数の部分に照射することができるからである。
このようにしてバイアホール用開口を形成した後、必要に応じて、デスミア処理を施してもよい。
(5)次に、バイアホール用開口の内壁を含む絶縁層の表面に、導体回路を形成する。
導体回路を形成するにあたっては、まず、絶縁層の表面に薄膜導体層を形成する。
上記薄膜導体層は、無電解めっき、スパッタリング等の方法により形成することができる。
上記薄膜導体層の材質としては、例えば、銅、ニッケル、スズ、亜鉛、コバルト、タリウム、鉛等が挙げられる。
これらのなかでは、電気特性、経済性等に優れる点から銅や銅およびニッケルからなるものが望ましい。
また、上記薄膜導体層の厚さとしては、無電解めっきにより薄膜導体層を形成する場合には、その厚さの下限は0.3μmが望ましく、上限は2.0μmが望ましい。より望ましくは下限が0.6μmであり、上限が1.2μmである。また、スパッタリングにより形成する場合には、0.1〜1.0μmが望ましい。
また、上記薄膜導体層を形成する前に、絶縁層の表面に粗化面を形成しておいてもよい。粗化面を形成することにより、絶縁層と薄膜導体層との密着性を向上させることができる。特に、粗化面形成用樹脂組成物を用いて絶縁層を形成した場合には、酸や酸化剤等を用いて粗化面を形成することが望ましい。
また、上記(4)の工程でスルーホール用貫通孔を形成した場合には、絶縁層上に薄膜導体層を形成する際に、貫通孔の壁面にも薄膜導体層を形成することによりスルーホールとしてもよい。
(6)次いで、その表面に薄膜導体層が形成された絶縁層の一部にめっきレジストを形成する。
上記めっきレジストは、例えば、感光性ドライフィルムを張り付けた後、めっきレジストパターンが描画されたガラス基板等からなるフォトマスクを密着配置し、露光現像処理を施すことにより形成することができる。
(7)その後、薄膜導体層をめっきリードとして電解めっきを行い、上記めっきレジスト非形成部に電解めっき層を形成する。上記電解めっきとしては、銅めっきが望ましい。
また、上記電解めっき層の厚さは5〜20μmが望ましい。
その後、上記めっきレジストと該めっきレジスト下の薄膜導体層を除去することにより導体回路(バイアホールを含む)を形成することができる。
上記めっきレジストの除去は、例えば、アルカリ水溶液等を用いて行えばよく、上記薄膜導体層の除去は、硫酸と過酸化水素との混合液、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、塩化第二鉄、塩化第二銅等のエッチング液を用いて行えばよい。
また、上記導体回路を形成した後、必要に応じて、絶縁層上の触媒を酸や酸化剤を用いて除去してもよい。電気特性の低下を防止することができるからである。
また、このめっきレジストを形成した後、電解めっき層を形成する方法(工程(6)および(7))に代えて、薄膜導体層上の全面に電解めっき層を形成した後、エッチング処理を施す方法を用いて導体回路を形成してもよい。
また、上記(4)および(5)の工程においてスルーホールを形成した場合には、該スルーホール内に樹脂充填材を充填してもよい。
また、スルーホール内に樹脂充填材を充填した場合、必要に応じて、無電解めっき等を行うことにより樹脂充填材層の表層部を覆う蓋めっき層を形成してもよい。
(8)次に、蓋めっき層を形成した場合には、必要に応じて、該蓋めっき層の表面に粗化処理を行い、さらに、上記(3)および(4)の工程を繰り返すことにより絶縁層を形成する。なお、この工程では、スルーホールを形成してもよいし、形成しなくてもよい。
(9)さらに、必要に応じて、(5)〜(8)の工程を繰り返すことにより、導体回路と絶縁層とを積層形成してもよい。
このような(1)〜(9)の工程を行うことにより、基板の両面に導体回路と絶縁層とが積層形成された多層配線板を製造することができる。
なお、ここで詳述した多層配線板の製造方法はセミアディテブ法であるが、該多層配線板の製造方法はセミアディテブ法に限定されず、フルアディテブ法、サブトラクティブ法、一括積層法、コンフォーマル法等を用いて行うこともできる。
(10)次に、上記多層配線板を貫通する光信号伝送用光路を形成する。なお、この工程で形成する多層配線板を貫通する光信号伝送用光路を光路用貫通孔ともいう。
まず、上述した工程を経て作製した多層配線板に、光路用貫通孔を形成する。
上記光路用貫通孔の形成は、例えば、ドリル加工やレーザ処理等により行う。
上記レーザ処理において使用するレーザとしては、上記バイアホール用開口の形成において使用するレーザと同様のもの等が挙げられる。
上記ドリル加工においては、多層配線板の認識マークを読み、加工位置を補正してドリル加工を行う認識マークの認識機能付き装置を用いることが望ましい。
上記光路用貫通孔の形成位置は特に限定されず、導体回路の設計、ICチップや光学素子等の実装位置等を考慮して適宜選択すればよい。
上記光路用貫通孔は、受光素子や発光素子等の光学素子ごとに形成することが望ましい。また、信号波長ごとに形成してもよい。
また、この工程において、複数の円柱が並列に並べられ、互いに隣り合う円柱の側面の一部が繋がった形状の光路用貫通孔を形成する場合、形成する円柱の個数は、奇数個であることが望ましく、また、隣り合わない円柱をとなる部分をまず形成し、その後、隣り合わない円柱同士の間に、側面の一部が繋がった円柱を形成することが望ましい。
その一部が繋がった隣り合う円柱を連続して形成しようとすると、ドリルの先端が既に形成された円柱の方向へ逃げようとしてドリルの先端ふれが発生し、ドリル加工時の精度が劣ることがあるからである。
なお、隣り合わない円柱をとなる部分をまず形成し、その後、隣り合わない円柱同士の間に、側面の一部が繋がった円柱を形成する場合の加工精度は、約40μmであるの対し、一部が繋がった隣り合う円柱を連続して形成する場合の加工精度は、約10μmである。
また、光路用貫通孔を形成した後、必要に応じて、光路用貫通孔の壁面にデスミア処理を行ってもよい。
上記デスミア処理は、例えば、過マンガン酸溶液による処理や、プラズマ処理、コロナ処理等を用いて行うことができる。なお、上記デスミア処理を行うことにより、光路用貫通孔内の樹脂残り、バリ等を除去することができ、後工程を経て完成する光信号伝送用光路の壁面での光の乱反射に起因した光信号の伝送損失を低下させることができる。
また、光路用貫通孔形成後、下記工程で導体層を形成したり、未硬化の樹脂組成物を充填したりする前に、必要に応じて、光路用貫通孔の壁面を粗化面とする粗化面形成工程を行 ってもよい。導体層や樹脂組成物との密着性の向上を図ることができるからである。
上記粗化面の形成は、例えば、硫酸、塩酸、硝酸等の酸;クロム酸、クロム硫酸、過マンガン酸塩等の酸化剤等により、基板や絶縁層等の光路用貫通孔を形成した際に露出した部分を溶解することにより行うことができる。また、プラズマ処理やコロナ処理等により行うこともできる。
上記粗化面の平均粗度(Ra)の下限は0.5μmが望ましく、上限は5μmが望ましい。上記平均粗度(Ra)のより望ましい下限は1μmであり、より望ましい上限は3μmである。この範囲であれば、導体層や樹脂組成物との密着性に優れるともに、光信号の伝送に悪影響を及ぼさないからである。
上記光路用貫通孔を形成した後には、必要に応じて、上記光路用貫通孔の壁面に導体層を形成してもよい。
上記導体層の形成は、例えば、無電解めっき、スパッタリング、真空蒸着等の方法により行うことができる。
具体的には、例えば、光路用貫通孔を形成した後、該光路用貫通孔の壁面に触媒核を付与し、その後、光路用貫通孔が形成された基板を無電解めっき浴に浸漬する方法等を用いることができる。
また、無電解めっきやスパッタリングを組み合わせて2層以上からなる導体層を形成してもよいし、無電解めっきやスパッタリングの後、電解めっきを行って2層以上からなる導体層を形成してもよい。また、この工程で導体層を形成する場合、該導体層は、光沢を有する金属層であってもよい。
このような導体層を形成する場合、上記光路用貫通孔の壁面に導体層を形成するとともに、上記多層配線板の最外層の絶縁層上に、最外層の導体回路を形成することが望ましい。具体的には、例えば、まず、無電解めっき等により光路用貫通孔の壁面に導体層を形成する際に、絶縁層の表面全体にも導体層を形成する。
次に、この絶縁層の表面に形成した導体層上にめっきレジストを形成する。めっきレジストの形成は、例えば、感光性ドライフィルムを張り付けた後、めっきレジストパターンが描画されたガラス基板等からなるフォトマスクを密着載置し、露光現像処理を施すことにより行えばよい。
さらに、上記絶縁層上に形成した導体層をめっきリードとして電解めっきを行い、上記めっきレジスト非形成部に電解めっき層を形成し、その後、上記めっきレジストと該めっきレジスト下の導体層とを除去することにより、最外層の絶縁層上に独立した導体回路を形成する。
また、上記導体層を形成した後、上記導体層の壁面に粗化面を形成してもよい。上記粗化面の形成は、例えば、黒化(酸化)−還元処理、第二銅錯体と有機酸塩とを含むエッチング液等を用いたエッチング処理、Cu−Ni−P針状合金めっきによる処理等を用いて行うことができる。
(11)次に、必要に応じて、上記(10)の工程で形成した多層配線板を貫通する光路用貫通孔内に樹脂組成物を充填する。
光路用貫通孔内に、未硬化の樹脂組成物を充填した後、硬化処理を施すことにより、後工程を経て完成する光信号伝送用光路において、基板や絶縁層に形成された部分が、樹脂組成物で充填されることとなる。
具体的な未硬化の樹脂組成物の充填方法としては特に限定されず、例えば、印刷やポッティング等の方法を用いることができる。
なお、未硬化の樹脂組成物の充填を印刷により行う場合、未硬化の樹脂組成物は一回で印 刷してもよいし、2回以上に分けて印刷してもよい。また、光路用貫通孔内に樹脂組成物を充填する場合には、多層配線板の両面から印刷を行ってもよい。
また、未硬化の樹脂組成物の充填を行う際には、上記光路用貫通孔の内積よりも少し多い量の未硬化の樹脂組成物を充填し、充填終了後、光路用貫通孔から溢れた余分な樹脂組成物を除去してもよい。
上記余分な樹脂組成物の除去は、例えば、研磨等により行うことができる。また、余分な樹脂組成物を除去する場合、樹脂組成物の状態は半硬化状態であっても良いし、完全に硬化した状態であってもよく、樹脂組成物の材料等を考慮して適宜選択すればよい。
このような貫通孔形成工程と、必要に応じて行う、粗化面形成工程、導体層形成工程および樹脂組成物充填工程を経ることにより、上記多層配線板に、必要に応じて樹脂組成物が充填された光信号伝送用光路の一部を形成することができる。
また、上記導体層形成工程を行う際に、絶縁層の表面にも導体層を形成し、上述した処理を行うことにより独立した導体回路を形成することができる。勿論、上記導体層形成工程を行わない場合であっても、上述した方法により絶縁層の表面に導体回路を形成することができる。
さらに、この工程では、光路用貫通孔から露出した樹脂組成物の露出面に研磨処理を施し、その露出面を平坦にすることが望ましい。露出面を平坦にすることにより、光信号の伝送が阻害されるおそれがより少なくなるからである。
上記研磨処理は、例えば、バフ研磨、紙やすり等による研磨、鏡面研磨、クリーン研磨、ラッピング等により行うことができる。また、酸や酸化剤、薬液等を用いた化学研磨を行ってもよい。また、これらの方法を2種以上組み合わせて研磨処理を行ってもよい。
(12)次に、必要に応じて、光路用貫通孔に連通した光路用開口を有するソルダーレジスト層を形成するソルダーレジスト層形成工程を行う。
具体的には、例えば、下記(a)および(b)の工程を行うことによりソルダーレジスト層を形成することができる。
(a)まず、光路用貫通孔を形成した多層配線板の最外層にソルダーレジスト組成物の層
を形成する。
上記ソルダーレジスト組成物の層は、例えば、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等からなるソルダーレジスト組成物を用いて形成することができる。
また、上記以外のソルダーレジスト組成物としては、例えば、ノボラック型エポキシ樹脂の(メタ)アクリレート、イミダゾール硬化剤、2官能性(メタ)アクリル酸エステルモノマー、分子量500〜5000程度の(メタ)アクリル酸エステルの重合体、ビスフェノール型エポキシ樹脂等からなる熱硬化性樹脂、多価アクリル系モノマー等の感光性モノマー、グリコールエーテル系溶剤などを含むペースト状の流動体が挙げられ、その粘度は25℃で1〜10Pa・sに調整されていることが望ましい。また、市販のソルダーレジスト組成物を用いることもできる。
また、上記ソルダーレジスト組成物からなるフィルムを圧着してソルダーレジスト組成物の層を形成してもよい。
(b)次に、上記ソルダーレジスト組成物の層に、上記光路用貫通孔に連通し、上記光路
用貫通孔等の断面の径よりも小さい径の開口(以下、光路用開口ともいう)を形成する。具体的には、例えば、露光現像処理やレーザ処理等により形成することができる。
光信号伝送用光路のソルダーレジスト層を貫通する部分の断面の径を、光信号伝送用光路の基板や絶縁層を貫通する部分の断面の径よりも小さくする場合、上記光路用開口の断面の径は、上記光路用貫通孔の断面の径よりも20〜390μm小さいことが望ましく、30〜100μm小さいことがより望ましい。
また、上記光路用開口を形成する際には、同時に、半田バンプ形成用開口(ICチップや光学素子を実装するための開口)を形成することが望ましい。なお、上記光路用開口の形成と、上記半田バンプ形成用開口の形成とは、別々に行ってもよい。
また、ソルダーレジスト層を形成する際に、予め、所望の位置に開口を有する樹脂フィルムを作製し、該樹脂フィルムを張り付けることにより、光路用開口と半田バンプ形成用開口とを有するソルダーレジスト層を形成してもよい。
このような(a)および(b)の工程を経ることにより、光路用貫通孔の形成された多層配線板上に、該光路用貫通孔と連通した光路用開口を形成することができる。
また、上記ソルダーレジスト層に形成した光路用開口には、上記光路用貫通孔と同様の方法で未硬化の樹脂組成物を充填してもよい。
また、場合によっては、ソルダーレジスト層に形成した光路用開口の壁面にも導体層を形成してもよい。
また、この工程では、ソルダーレジスト層を形成した後、光路用貫通孔内に充填した樹脂組成物の端部であって、ソルダーレジスト層に形成した光路用開口内にマイクロレンズを配設してもよい。
また、マイクロレンズを配設する場合、予め、マイクロレンズが配設される部位に表面処理を施しておいてもよい。
上記マイクロレンズを配設する部位の濡れ性によっては、マイクロレンズの形状、特に、サグ高さにバラツキが発生しやすいのに対し、表面処理を施すことにより、サグ高さのバラツキを抑えることができる。
上記表面処理としては、例えば、フッ素系ポリマーコーティング剤(表面張力10〜12mN/m)等の撥水コート材による処理、CFプラズマによる撥水処理、Oプラズマによる親水処理等が挙げられる。
また、上記マイクロレンズを配設する場合、上記樹脂組成物上に直接配設してもよく、また、接着層を介して配設してもよい。
上記樹脂組成物上にマイクロレンズを直接配設する方法としては、例えば、未硬化の光学レンズ用樹脂を樹脂組成物上に適量滴下し、この滴下した未硬化の光学レンズ用樹脂に硬化処理を施す方法が挙げられる。
上記方法において、未硬化の光学レンズ用樹脂を樹脂組成物上に適量滴下する際には、ディスペンサー、インクジェット、マイクロピペット、マイクロシリンジ等の装置を用いることができる。また、このような装置を用いて樹脂組成物上に滴下した未硬化の光学レンズ用樹脂は、その表面張力により球形になろうとするため、上記樹脂組成物上で半球状となり、その後、半球状の未硬化の光学レンズ用樹脂に硬化処理を施すことで、樹脂組成物上に半球状のマイクロレンズを形成することができるのである。
なお、このようにして形成するマイクロレンズの直径や曲面の形状等は、樹脂組成物と未硬化の光学レンズ用樹脂との濡れ性を考慮しながら、適宜未硬化の光学レンズ用樹脂の粘度等を調整することで制御することができる。
(13)次に、下記の方法を用いて光学素子の実装を行い、さらに、半田パッドや半田バンプの形成を行う。 すなわち、上記半田バンプ形成用開口を形成することにより露出した導体回路部分を、必要に応じて、ニッケル、パラジウム、金、銀、白金等の耐食性金属により被覆し、半田パッドとする。これらのなかでは、ニッケル−金、ニッケル−銀、ニッケル−パラジウム、ニッケル−パラジウム−金等の金属により被覆層を形成することが望ましい。
上記被覆層は、例えば、めっき、蒸着、電着等により形成することができるが、これらのなかでは、被覆層の均一性に優れるという点からめっきにより形成することが望ましい。なお、半田パッドの形成は、上記マイクロレンズ配設工程の前に行うこととしてもよい。
さらに、上記半田パッドに相当する部分に開口部が形成されたマスクを介して、上記半田パッドに半田ペーストを充填した後、リフローすることにより半田バンプを形成する。また、半田バンプに代えて金バンプを形成してもよい。
さらに、ソルダーレジスト層に光学素子(受光素子および発光素子)を実装する。光学素子の実装は、例えば、上記半田バンプを介して行うことができる。また、例えば、上記半田バンプを形成する際に、半田ペーストを充填した時点で光学素子を取り付けておき、リフローと同時に光学素子の実装を行ってもよい。また、ここで用いる半田の組成は特に限定されず、Sn/Pb、Sn/Pb/Ag、Sn/Ag/Cu、Sn/Cu等どのような組成であってもよい。
また、半田に代えて、導電性接着剤等を用いて光学素子を実装してもよい。
また、この工程で実装する光学素子には、予め、マイクロレンズを形成しておいてもよい。
(14)次に、上記光学素子の周囲に接するように、光学素子封止層を形成する。
上記光学素子封止層の形成は、例えば、未効果の樹脂組成物をポッティングし、その後、硬化処理を施すこと等により行うことができる。
なお、ポッティングにより上記光学素子封止層を形成する場合、該光学素子封止層は、光学素子の外周に接するように形成すれば、光学素子を覆うように形成してもよい。
このような工程を経ることにより、第一の本発明のICチップ実装用基板を製造することができる。
次に、第二の本発明のICチップ実装用基板について説明する。
第二の本発明のICチップ実装用基板は、基板の両面に導体回路と絶縁層とが積層形成されるとともに、光学素子が実装され、光信号伝送用光路が形成されたICチップ実装用基板であって、
少なくとも上記光学素子を覆うように、キャップ部材が取り付けられていることを特徴とする。
第二の本発明のICチップ実装用基板では、少なくとも光学素子を覆うようにキャップ部材が取り付けられているため、光学素子と光学素子実装面との間に外部に開放した隙間が存在しておらず、光信号伝送用光路内にゴミや異物等が入り込むことがなく、そのため、このゴミ等の存在に起因して、光信号の伝送が阻害されることもない。
従って、第二の本発明のICチップ実装用基板は、信頼性に優れることとなる。
第二の本発明のICチップ実装用基板は、いわゆるパッケージ基板として機能するため、導体回路は基本的にファインパターンで形成されることとなり、小サイズ化、および、歩留まりの向上を図ることができる。
また、光学素子が実装されるとともに、光信号伝送用光路が形成されているため、上記光信号伝送用光路を介して、上記光学素子の入出力信号を伝送することができる。また、該ICチップ実装用基板にICチップを実装した場合、ICチップと光学素子との距離が短く、電気信号伝送の信頼性に優れる。
また、第二の本発明のICチップ実装用基板も、通常、その両面に導体回路と絶縁層とが積層形成された基板の最外層にソルダーレジスト層が形成されている。従って、以下、最外層にソルダーレジスト層が形成された実施形態のICチップ実装用基板について説明する。なお、上記ソルダーレジスト層は必ずしも形成されていなくてもよい。
なお、第二の本発明のICチップ実装用基板は、第一の本発明のICチップ実装用基板と比べて、光学素子封止層の形成に代えて、光学素子全体を覆うように、キャップ部材が取り付けられている点で第一の本発明のICチップ実装用基板と異なるものの、その他の構成は、第一の本発明のICチップ実装用基板と同様である。従って、ここでは、キャップ部材についてのみ詳しく説明することとする。
図4は、第二の本発明のICチップ実装用基板の一実施形態を模式的に説明する断面図である。なお、図4では、ICチップが実装された状態のICチップ実装用基板を示す。
図4に示すように、第二の本発明のICチップ実装用基板420では、その一の面に、受光部439aおよび発光部438aのそれぞれが光信号伝送用光路442に対向するように、受光素子439および発光素子438が半田接続部444を介して表面実装されており、さらに、ICチップ440が半田接続部443を介して表面実装されている。
また、一の面のソルダーレジスト層434上には、発光素子438および受光素子439を覆うように、それぞれにキャップ部材418が接着剤419を介して取り付けられている。
このようなキャップ部材418が取り付けられることにより、光信号伝送用光路442内に、ゴミや異物等が入り込むことがなく、該ゴミや異物等により光信号の伝送が阻害されることもない。
なお、図4に示したICチップ実装用基板の構成は、上述したように、光学素子封止層が形成されておらず、キャップ部材が取り付けられている以外は、図1に示した第一のICチップ実装用基板と略同一である。
但し、図4に示したICチップ実装用基板420は、受光素子439および発光素子438のそれぞれの受光部および発光部にマイクロレンズが配設されており、光信号伝送用光路のソルダーレジスト層を貫通する部分にマイクロレンズが配設されていない点で異なる。
なお、これについては、第一の本発明でも既に説明したように、光信号伝送用光路のソルダーレジスト層を貫通する部分にマイクロレンズが配設されていてもよいし、また、実装された受光素子の受光部や、発光素子の発光部にマイクロレンズが配設されていてもよく、場合によっては、両者に配設されていてもよいし、また、マイクロレンズが配設さていなくてもよい。
上記キャップ部材の材質、形状等としては特に限定されず、その材質としては、例えば、セラミック、樹脂、金属、ガラス等が挙げられ、これらのなかでは樹脂が望ましい。また、キャップ部材の形状は、断面コの字形状等の上記光学素子を覆うことができる形状であればよい。具体例としては、例えば、シーラント付きセラミックキャップや、接着剤付き樹脂キャップ等が挙げられる。
なお、樹脂製のキャップ部材の作製は、板状の材料基板にザグリ加工を施し、さらに、ダイシング加工を施すことにより作製することができる。また、キャップ部材の外側上面には金属めっき(Ni/Auめっき)を施してもよい。信頼性の向上を図ることができるからである。
図4に示したICチップ実装用基板では、キャップ部材が接着剤(樹脂)を介してソルダーレジスト層に取り付けられているが、第二の本発明のICチップ実装用基板においては、キャップ部材は、半田を介してソルダーレジスト層が形成されていない部分に取り付けられていてもよい。但し、半田を介してキャップ部材を取り付ける場合には、最外層にパ ッドが必要となることから導体回路の設計に制約が加えられ、さらに、半田シールドのための工程が別途必要となるため、キャップ部材は、接着剤(樹脂)を介して取り付けることが望ましい。なお、接着剤(樹脂)を介してキャップ部材を取り付ける場合も、半田を介して取り付ける場合と同等の信頼性を得ることができる。
また、図4に示したICチップ実装用基板では、実装された光学素子のそれぞれを別々に覆うようにキャップ部材が取り付けられているが、第二の本発明のICチップ実装用基板においては、キャップ部材を取り付けた実施形態は、このような形態に限定されない。
図5は、第二の本発明のICチップ実装用基板の別の一実施形態を模式的に示す断面図である。
図5に示すように、ICチップ実装用基板520では、受光素子539とICチップ540とを一括して覆うことができるキャップ部材518が取り付けられている。光学素子が実装されたICチップ実装用基板では、信号伝送速度が速くなるに従い、光学素子とICチップとの距離を短くする必要が生じ、光学素子とICチップとの間にキャップ部材を配置するスペースもなくなるため、受光素子とICチップとを一括して覆うキャップ部材を取り付けるほうが望ましいこともある。
また、抵抗やコンデンサ等の表面実装部品をも光学素子と一括して覆うようにキャップ部材を取り付けてもよい。
なお、ICチップ実装用基板520の構成は、光学素子封止層を形成せず、受光素子539とICチップ540とを一括して覆うことができるキャップ部材518が取り付けられている以外は、図2に示したICチップ実装用基板120と略同様である。
但し、図5に示したICチップ実装用基板520は、受光素子539および発光素子538のそれぞれの受光部および発光部にマイクロレンズが配設されており、光信号伝送用光路のソルダーレジスト層を貫通する部分にマイクロレンズが配設されていない点で異なる。
また、図5に示すICチップ実装用基板では、光学素子やICチップの熱を放熱するためのヒートシンク部519a、519bがキャップ部材518に設けられている。ICチップや光学素子は駆動時に発熱し、特に、ICチップの発熱量は大きく、ICチップからの熱により、その近傍に実装された光学素子の寿命が短くなったり、光学素子が動作しなくなったりすることがあるが、キャップ部材の内側にヒートシンク部を設けることにより、このような不都合をより確実に回避することができる。
上記ヒートシンク部を備えたキャップ部材としては、ICチップ等の熱を放熱することができるものであれば特に限定されず、図5に示したように、キャップ部材518の内側にヒートシンク部519a、519bを備えたものであってもよいし、キャップ部材が金属やセラミックからなるもので、キャップ部材自身がヒートシンク部として機能するものであってもよい。また、キャップ部材が樹脂からなるものである場合には、金属やセラミック等からなるヒートシンク部が形成されているものを用いることができる。すなわち、ヒートシンク部は、キャップ部材と別々に形成されていてもよいし、キャップ部材と一体的に形成されていてもよい。
なお、上記キャップ部材がセラミックからなるものである場合、その材質は、アルミナ、窒化アルミニウム等の熱伝導性に優れるものが望ましい。
上記ヒートシンク部の形状は、四角柱状等どのような形状であってもよい。
また、ヒートシンク部を備えたキャップ部材は、ICチップや光学素子の表面に熱伝導性に優れる接着剤や樹脂を塗布しておき、ICチップ等の熱をこの接着剤等を介してヒートシンク部より放熱することができるように取り付ければよい。
第二の本発明のICチップ実装用基板は、図4、5に示した形態に限定されるわけではなく、複数個の光学素子を一体的に覆うような形状のキャップ部材が取り付けられていてもよいし、さらには、複数個の光学素子とICチップとを一体的に覆うような形状のキャップ部材が取り付けられていてもよい。
また、第二の本発明のICチップ実装用基板では、第一の本発明のICチップ実装用基板と同様、上記光信号伝送用光路の上記光学素子に接する部分には、空隙部が形成されていることが望ましい。
また、第二のICチップ実装用基板において、最外層に実装される光学素子は、第一の本発明のICチップ実装用基板と同様、受光素子および/または発光素子であることが望ましい。
上述したように、第二の本発明のICチップ実装用基板は、光学素子封止層に代えてキャップ部材が取り付けられている以外は、第一の本発明のICチップ実装用基板と同様の構成を有している。従って、第二の本発明のICチップ実装用基板においても、光学素子としてマルチチャンネルの光学素子が実装されていてもよく、一括貫通孔構造の光信号伝送用光路や個別貫通孔構造の光信号伝送用光路が形成されていてもよく、マイクロレンズが形成されていてもよい。
また、光学素子や、その他キャップ部材が取り付けられる表面実装部品が、ワイヤボンディング型のものである場合、キャップ部材を取り付けることにより光学素子等が保護されることとなるため、ワイヤボンディングした後、必ずしも封止する必要はないが、ワイヤボンディングが未封止の場合、キャップ部材を取り付けるまでの取扱いが難しくなるため、ワイヤボンディングは封止しておくことが望ましい。
次に、第二の本発明のICチップ実装用基板を製造する方法について説明する。
第一の本発明のICチップ実装用基板を製造する(14)の工程において、光学素子封止層形成を行わず、下記の方法を用いて、最外層に実装した光学素子を覆うように、キャップ部材を取り付ける以外は、第一の本発明のICチップ実装用基板を製造する方法と略同様の方法を用いて製造することができる。
上記キャップ部材を上記光学素子を覆うように取り付ける方法としては、例えば、予めキャップ部材の所定の部分またはソルダーレジスト層の所定の部分に未硬化の樹脂組成物を塗布した後、キャップ部材を載置し、さらにこの未硬化の樹脂組成物をBステージまで硬化することによりキャップ部材を仮固定し、その後、キャップ部材に重りを載せたり、キャップ部材をクリップ等の治具で固定したりすることにより1〜1000g/cmの荷重をかけ、この状態でオーブンで樹脂組成物の硬化を行うことによりキャップ部材を取り付けることができる。
また、予めキャップ部材の所定の部分またはソルダーレジスト層の所定の部分にBステージの樹脂フィルムを張り付け後、キャップ部材を載置し、さらに、この樹脂フィルムに熱をかけて硬化することによりキャップ部材を仮固定し、その後、キャップ部材に重りを載せたり、キャップ部材をクリップ等の治具で固定したりすることにより1〜1000g/cmの荷重をかけ、この状態でオーブンで樹脂フィルムの硬化を行うことによりキャップ部材を取り付けることもできる。
また、予めキャップ部材の所定の部分または最外層の絶縁層上の所定の部分に半田ペーストを塗布しておき、キャップ部材を所定の位置に配置し、さらにリフロー処理を施すことによりキャップ部材を取り付ける方法を用いることもできる。
また、このような方法を用いて、キャップ部材を取り付ける場合には、1個の光学素子のみを覆うようにキャップ部材を取り付けてもよいし、複数の光学素子を一体的に覆うよう にキャップ部材を取り付けてもよいし、場合によっては、1個または複数個の光学素子とICチップ等の表面実装部品とを一体的に覆うようにキャップ部材を取り付けてもよい。
また、キャップ部材を取り付ける際に用いる接着剤は、信頼性の観点から硬化時に広がらないものが望ましい。従って、第一の本発明のICチップ実装用基板において、光学素子封止層を形成する際に用いる樹脂と同様の特性を有する樹脂組成物を用いることが望ましい。
また、第二の本発明のICチップ実装用基板の製造において、キャップ部材の内部に、各種表面実装部品を半田バンプを介して実装する場合には、上記表面実装部品を実装した後、フラックス洗浄を行うことが望ましい。表面実装部品を実装後、フラックス洗浄を行わなかった場合には、ICチップ実装用基板製造後、フラックス成分が固化して剥れ、光信号伝送用光路内に異物として入り込んでしまい、光信号の伝送損失が増加したり、光信号を伝送することができなくなってしまったりすることがあるからである。
このような方法を用いることにより、第二の本発明のICチップ実装用基板を製造することができる。
ここまで、説明してきた第二の本発明のICチップ実装用基板は、基板や絶縁層が樹脂材料から構成されたものである。
しかしながら、基板や絶縁層等が樹脂以外の材料、例えば、ガラスやセラミック等から構成されている場合も、第二の本発明と同様の効果を得ることができる。
すなわち、ガラスやセラミックからなる配線板に、光学素子が実装され、少なくともこの光学素子を覆うように、キャップ部材が取り付けられているICチップ実装用基板においても、上述した第二の本発明のICチップ実装用基板と同様の効果を得ることができる。
次に、第三の本発明の光通信用デバイスについて説明する。
第三の本発明の光通信用デバイスは、基板の少なくとも片面に導体回路と絶縁層とが積層形成されるとともに、光導波路が形成され、さらに、光信号伝送用光路が形成されたマザーボード用基板に、光学素子を実装したICチップ実装用基板が実装された光通信用デバイスであって、
上記ICチップ実装用基板の外周に接するように、ICチップ実装用基板封止層が形成されていることを特徴とする。
第三の本発明の光通信用デバイスでは、ICチップ実装用基板の外周に接するように、ICチップ実装用基板封止層が形成されているため、ICチップ実装用基板と該ICチップ実装用基板を実装する面との間に外部に開放した隙間が存在しておらず、光信号伝送用光路内にゴミや異物等が入り込むことがなく、そのため、このゴミ等の存在に起因して、光信号の伝送が阻害されることもない。
従って、第三の本発明の光通信用デバイスは、信頼性に優れることとなる。
また、第三の本発明の光通信用デバイスでは、光通信に必要な電子部品や光学素子をマザーボード用基板に実装して一体化することができるため、光通信用端末機器の薄型化、小型化に寄与することができる。
第三の本発明の光通信用デバイスでは、マザーボード用基板にICチップ実装用基板が実装されている。
上記ICチップ実装用基板としては、例えば、上述した第一の本発明のICチップ実装用基板や、第二の本発明のICチップ実装用基板等が挙げられる。また、これらのICチップ実装用基板以外にも、例えば、後述する凹部形状の光信号伝送用光路を有するICチッ プ実装用基板(以下、第三の実施形態のICチップ実装用基板ともいう)等が挙げられる。
上記第三の実施形態のICチップ実装用基板について説明する。
図6には、第三の実施形態のICチップ実装用基板の一例を模式的に示す断面図である。図6に示す第三の実施形態のICチップ実装用基板620は、基板621の両面に導体回路624と絶縁層622とが積層形成され、基板621を挟んだ導体回路間、および、絶縁層622を挟んだ導体回路間は、スルーホール629またはバイアホール627により電気的に接続されている。また、最外層にはソルダーレジスト層634が形成されている。
さらに、ICチップ実装用基板620には、凹部形状の光信号伝送用光路642が形成されている。この光信号伝送用光路642内には、4チャンネルの受光素子639とICチップ640とのそれぞれがワイヤボンディング648により実装されており、さらに、光信号伝送用光路642の一部には、樹脂組成物647が充填されている。
また、凹部形状の光信号伝送用光路を形成した側のソルダーレジスト層634には、半田バンプ637が形成されている。
なお、ICチップは、光信号伝送用光路が形成された側と反対側の表面に実装されていてもよい。
従って、4チャンネルの受光素子639への入力信号は、光信号伝送用光路642を介して伝送されることとなる。ここで、光信号伝送用光路642は、4チャンネル分の光信号を伝送することができる大きさで、絶縁層623およびソルダーレジスト層634の一部に凹部形状に形成されている。
また、このような光信号伝送用光路642の受光素子639が実装された側と反対側の樹脂組成物647の端部には、4つのマイクロレンズ646a〜646dが配設されている。ここで、マイクロレンズ646a〜646dのそれぞれは、受光素子639の各チャンネル639a〜639dに対応する位置に個別に配設されている。
従って、受光素子639への光信号は、マイクロレンズ646a〜646dを通過することとなる。このように、光信号伝送用光路642にマイクロレンズ646a〜646dを配設することにより、光信号の伝送損失を抑えることができる。なお、第三の実施形態のICチップ実装用基板において、マイクロレンズは必要に応じて配設されていればよく、光信号伝送用光路のソルダーレジスト層を貫通する部分は、樹脂組成物が充填されていてもよいし、空隙により形成されていてもよい。
ここで、光信号伝送用光路のソルダーレジスト層を貫通する部分と、絶縁層に形成された部分との平面視した際の開口の大きさは、図6に示したように、ソルダーレジスト層を貫通する部分の方が大きくてもよいし、両者が同一であってもよいし、絶縁層に形成された部分の方が大きくてもよい。また、この場合、マイクロレンズを配設するための形成層(レンズマーカ)を作製しておいてもよい。
以下、上記形成層について、簡単に説明しておく。
上記形成層を作製する場合には、マイクロレンズを配設するのに先立ち、マイクロレンズを形成する部位を含むその周辺に、マイクロレンズ形成用樹脂を塗布して形成層用樹脂層を形成し、さらに、露光、現像処理を施すことにより、マイクロレンズ配設部位にマイクロレンズの土台となる円柱形状の形成層(レンズマーカ)を作製する。
このように、形成層を作製することにより、その後の工程で、マイクロレンズ形成用樹脂組成物を滴下した際に、表面張力により樹脂組成物が形成層上に球状に広がるとともに、この樹脂組成物は、形成層よりも広い領域に広がることがない。そのため、レンズ径や高さのバラツキが発生しにくくなる。なお、上記レンズマーカとしては、例えば、特開2002−331532号公報に開示されたもの等が挙げられる。 また、ソルダーレジスト層のマイクロレンズを配設する部分にのみ光信号伝送用光路が形成されていてもよい。
このような構成からなるICチップ実装用基板620においても、外部の光学部品(光ファイバや光導波路等)を介して伝送されてきた電気信号は、マイクロレンズ646a〜646dおよび光信号伝送用光路642を介して受光素子639(受光部639a)に伝送され、この受光素子639で電気信号に変換された後、ワイヤボンディング649、導体回路624、バイアホール627等を介してICチップ640に送られ、処理されることとなる。
また、ICチップ実装用基板620では、ソルダーレジスト層634に金属めっき層を介して半田バンプ637が形成されているため、ICチップ640と外部基板等との間での電気信号の伝送は、半田バンプ637を介して行うことができる。
このように半田バンプが形成されている場合には、上記ICチップ実装用基板をマザーボード用基板等の外部基板と半田バンプを介して接続することができ、この場合には、半田が有するセルフアライメント作用により上記ICチップ実装用基板を所定の位置に配置することができる。
また、上記凹部形状の光信号伝送用光路の形状としては、上記光信号伝送用光路の絶縁層に形成された部分、および、上記光信号伝送用光路のソルダーレジスト層を貫通する部分ともに、例えば、円柱、角柱、楕円柱、複数の円柱が並列に並べられ、互いに隣り合う円柱の側面の一部が繋がった形状、直線と円弧とで囲まれた底面を有する柱状体等が挙げられる。なお、上記絶縁層に形成された部分と、上記ソルダーレジスト層に形成された部分とは、必ずしも同一の形状を有している必要はない。
また、上記凹部形状の光信号伝送用光路について、その断面の面積は、100mm以上が望ましい。より望ましくは、200mm以上である。この大きさであれば、波長の大きさ等にかかわりなく、光信号の送受信を行うことができる。
図6に示した第三の実施形態のICチップ実装用基板の説明においては、光学素子として、受光素子が実装されたICチップ実装用基板について説明したが、上記した実施形態のICチップ実装用基板では、光学素子として受光素子の代わりに発光素子が実装されていてもよく、この場合、ICチップ実装用基板の構成は、受光素子を発光素子に代える以外、上記と同様の構成であればよい。また、受光素子と発光素子との両方が実装されていてもよい。
第三の本発明の光通信用デバイスでは、このようなICチップ実装用基板がマザーボード用基板に実装されている。
上記マザーボード用基板は、基板の少なくとも片面に導体回路と絶縁層とが積層形成されるとともに、光導波路が形成され、さらに、光信号伝送用光路が形成されている。
上記マザーボード用基板には、光導波路が形成されており、この光導波路を介して光信号の伝送を行うことができる。
上記光導波路としては、ポリマー材料等からなる有機系光導波路、石英ガラス、化合物半導体等からなる無機系光導波路等が挙げられる。これらのなかでは、ポリマー材料等からなる有機系光導波路が望ましい。絶縁層との密着性に優れ、加工が容易だからである。
上記ポリマー材料としては、通信波長帯での吸収が少ないものであれば特に限定されず、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、感光性樹脂、熱硬化性樹脂の一部が感光性化された樹脂、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との樹脂複合体、感光性樹脂と熱可塑性樹脂との複合体等が挙げられる。
具体的には、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、重水素化PMMA、重水素フッ素化PMMA等のアクリル樹脂、フッ素化ポリイミド等のポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、UV硬化性エポキシ樹脂、ポリオレフィン系樹脂、重水素化シリコーン樹脂等のシリコーン樹脂、シロキサン樹脂、ベンゾシクロブテンから製造されるポリマー等が挙げられる。また、上記光導波路がマルチモードの光導波路である場合、その材料は、アクリル樹脂やエポキシ樹脂、UV硬化性エポキシ樹脂であることが望ましく、上記光導波路がシングルモードの光導波路である場合、その材料は、ポリイミド樹脂やシリコーン樹脂、シロキサン樹脂であることが望ましい。
また、上記光導波路のコア部の厚さは1〜100μmが望ましく、その幅は1〜100μmが望ましい。上記幅が1μm未満では、その形成が容易でないことがあり、一方、上記幅が100μmを超えると、多層プリント配線板を構成する導体回路等の設計の自由度を阻害する原因となることがある。
また、上記光導波路のコア部の厚さと幅との比は、1:1に近いほうが望ましい。これは、通常、上記受光素子の受光部や上記発光素子の発光部の平面形状が円形状だからである。なお、上記厚さと幅との比は特に限定されるものではなく、通常、約1:2〜約2:1程度であればよい。
さらに、上記光導波路が通信波長1.31μmまたは1.55μmのシングルモードの光導波路である場合には、そのコア部の厚さおよび幅は5〜15μmであることがより望ましく、10μm程度であることが特に望ましい。また、上記光導波路が通信波長0.85μmでマルチモードの光導波路である場合には、そのコア部の厚さおよび幅は20〜80μmであることがより望ましく、50μm程度であることが特に望ましい。
また、上記光導波路には、粒子が配合されていてもよい。粒子が配合されることにより、光導波路にクラックが発生しにくくなるからである。即ち、光導波路に粒子が配合されていない場合には、光導波路と他の層(基板や絶縁層等)との熱膨張係数が異なることに起因して光導波路にクラックが発生することがあるが、光導波路に粒子を配合して熱膨張係数を調整することにより、上記他の層との熱膨張係数の差を小さくした場合には、光導波路にクラックが発生しにくくなるからである。
また、上記光導波路には、上記樹脂成分以外に、樹脂粒子、無機粒子、金属粒子等の粒子が含まれていてもよい。これらの粒子を含ませることにより上記光導波路と、絶縁層やソルダーレジスト層等との間で熱膨張係数の整合を図ることができるからである。
上記樹脂粒子としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、感光性樹脂、熱硬化性樹脂の一部が感光性化された樹脂、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との樹脂複合体、感光性樹脂と熱可塑性樹脂との複合体等からなるものが挙げられる。
具体的には、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂等の熱硬化性樹脂;これらの熱硬化性樹脂の熱硬化基(例えば、エポキシ樹脂におけるエポキシ基)にメタクリル酸やアクリル酸等を反応させ、アクリル基を付与した樹脂;フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリスルフォン(PSF)、ポリフェニレンスルホン(PPS)、ポリフェニレンサルファイド(PPES)、ポリフェニルエーテル(PPE)、ポリエーテルイミド(PI)等の熱可塑性樹脂;アクリル樹脂等の感光性樹脂等からなるものが挙げられる。
また、上記熱硬化性樹脂と上記熱可塑性樹脂との樹脂複合体や、上記アクリル基を付与した樹脂や上記感光性樹脂と上記熱可塑性樹脂との樹脂複合体からなるものを用いることもできる。
また、上記樹脂粒子としては、ゴムからなる樹脂粒子を用いることもできる。
また、上記無機粒子としては、アルミナ、水酸化アルミニウム等のアルミニウム化合物、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム等のカルシウム化合物、炭酸カリウム等のカリウム化合物、マグネシア、ドロマイト、塩基性炭酸マグネシウム等のマグネシウム化合物、シリカ、ゼオライト等のケイ素化合物、チタニア等のチタン化合物等からなるものが挙げられる。また、シリカとチタニアとを一定の割合で混ぜ、溶融させて均一化したものを用いてもよい。
また、上記無機粒子として、リンやリン化合物からなるものを用いることもできる。
上記金属粒子としては、金、銀、銅、パラジウム、ニッケル、白金、鉄、亜鉛、鉛、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム等からなるものが挙げられる。
これらの樹脂粒子、無機粒子および金属粒子の粒子は、それぞれ単独で用いても良いし、2種以上併用してもよい。
上記粒子としては、無機粒子が望ましく、シリカ、チタニアまたはアルミナからなる粒子が望ましい。また、シリカ、チタニアおよびアルミナのうちの少なくとも2種を混合、溶融させて形成した混合組成の粒子も望ましい。
また、上記樹脂粒子等の粒子の形状は特に限定されず、球状、楕円球状、破砕状、多面体状等が挙げられる。
また、上記粒子の粒径は、通信波長より短いことが望ましい。粒径が通信波長より長いと光信号の伝送を阻害することがあるからである。
上記粒径は、その下限が0.01μmで、上限が0.8μmであることがより望ましい。この範囲を外れる粒子を含んでいると、粒度分布が広くなりすぎて、樹脂組成物中に混合した際に、該樹脂組成物の粘度のバラツキが大きくなり、樹脂組成物を調製する場合の再現性が低くなり、所定の粘度を有する樹脂組成物を調製することが困難になることがあるからである。
上記粒径は、その下限が0.1μmで、その上限が0.8μmであることがさらに望ましい。この範囲にあると、スピンコート、ロールコート等を用いて樹脂組成物を塗布するの適しており、また、粒子が混合された樹脂組成物を調製する際に、所定の粘度に調製しやすくなる。
上記粒径は、その下限が0.2μmで、その上限が0.6μmであることが特に望ましい。この範囲が、樹脂組成物の塗布、光導波路のコア部の形成に特に適している。さらに、形成した光導波路ごとのバラツキ、特に、コア部のバラツキが最も小さくなり、マザーボード用基板の特性に特に優れることとなるからである。
また、この範囲の粒径を有する粒子であれば、2種類以上の異なる粒径の粒子が含まれていてもよい。
また、上記範囲内の粒径を有する粒子であれば、2種類以上の異なる粒径の粒子を含有していてもよい。
上記粒子の配合量は、その望ましい下限が10重量%であり、より望ましい下限が20重量%である。一方、上記粒子の望ましい上限は80重量%であり、より望ましい上限は70重量%である。粒子の配合量が10重量%未満であると、粒子を配合させる効果が得られないことがあり、粒子の配合量が80重量%を超えると、光信号の伝送が阻害されることがあるからである。
また、上記光導波路の形状は特に限定されないが、その形成が容易であることから、シート状が好ましい。
また、上記光導波路がコア部とクラッド部とから構成されているものである場合、上記粒子は、コア部とクラッド部との両方に配合されていてもよいが、コア部には粒子が配合さ れておらず、該コア部の周囲を覆うクラッド部にのみ粒子が配合されていることが望ましい。その理由は以下のとおりである。
すなわち、光導波路に粒子を配合する場合、該粒子と光導波路の樹脂成分との密着性によっては、粒子と樹脂成分との界面に空気層が生じてしまうことがあり、この場合には、この空気層により光の屈折方向が変わり、光導波路の伝送損失が大きくなることがあるのに対し、クラッド部にのみ粒子が配合を配合した場合には、上述したような粒子を配合することにより、光導波路の伝送損失が大きくなるというような問題が発生することがないとともに、光導波路でクラックが発生しにくくなるからである。
また、上記光導波路には、光路変換ミラーが形成されていることが望ましい。光路変換ミラーを形成することにより、光路を所望の角度に変更することが可能だからである。
上記光路変換ミラーの形成は、後述するように、光導波路の一端を切削することにより行うことができる。また、光導波路に光路変換ミラーを形成する代わりに、光導波路の端部の先に、光路変換部を有する部材を配置してもよい。
また、上記マザーボード用基板においては、少なくとも絶縁層およびソルダーレジスト層に光信号伝送用光路が形成されており、上記光信号伝送用光路の上記ソルダーレジスト層を貫通する部分以外の部分には、樹脂組成物が充填されていることが望ましい。
ここで、充填する樹脂組成物としては、上述した本発明のICチップ実装用基板において、光信号伝送用光路に充填する樹脂組成物と同様のもの等が挙げられる。
また、上記光通信用デバイスにおいては、上記光信号伝送用光路のうち、上記光ソルダーレジスト層を貫通する部分の断面の径が、上記絶縁層に形成された部分の断面の径よりも小さくてもよい。
なお、上記光信号伝送用光路のソルダーレジスト層を貫通する部分の断面の径の具体的な大きさはICチップ実装用基板の設計に応じて適宜選択すればよいが、通常、50〜490μm程度であることが望ましい。
また、上記マザーボード用基板においては、上記樹脂組成物の上記光信号伝送用光路の上記ソルダーレジスト層を貫通する部分以外の部分に充填された樹脂組成物の端部であって、上記光信号伝送用光路のソルダーレジスト層を貫通する部分にマイクロレンズが配設されていてもよい。マイクロレンズを配設することにより確実に光信号を伝送することができるからである。
なお、上記マイクロレンズの材料、透過率等の特性等としては、上述した本発明のICチップ実装用基板に配設されるマイクロレンズと同様のものが挙げられる。
また、上記マザーボード用基板においては、本発明のICチップ実装用基板特に限定されず同様、上記マイクロレンズが配設される領域には、表面処理が施されていてもよい。
また、上記マザーボード用基板において、最外層にソルダーレジスト層が形成されている場合、このソルダーレジスト層の厚さは、その下限が10μmであることが望ましく、15μmであることがより望ましい。一方、その上限は、40μmであることが望ましく、30μmであることがより望ましい。
また、上記のマザーボード用基板においては、上記基板を挟んだ導体回路間がスルーホールを介して接続され、上記絶縁層を挟んだ導体回路間がバイアホールを介して接続されていることが望ましい。ICチップ実装用基板の高密度配線を実現しつつ、その小型化を図ることができるからである。
また、上記光通信用デバイスでは、ICチップ実装用基板の外周に接するように、ICチップ実装用基板封止層が形成されているが、このICチップ実装用基板封止層の材質とし ては、上述した第一の本発明のICチップ実装用基板にかかる光学素子封止層と同様のもの等が挙げられる。
従って、上記ICチップ実装用基板封止層は、樹脂からなるものであることが望ましい。勿論、上記ICチップ実装用基板封止層は、半田からなるものであってもよい。
また、後に図面を参照しながら説明するが、上記光通信用デバイスにおいて、上記光信号伝送用光路の上記ICチップ実装用基板に接する部分には、空隙部が形成されていることが望ましい。その理由は、第一の本発明のICチップ実装用基板において、光信号伝送用光路の光学素子に接する部分に空隙部が形成されていることが望ましい理由と同様、光伝送性に優れることとなるからである。
以下、第三の本発明の光通信用デバイスの実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図7は、第三の本発明の光通信用デバイスの実施形態の一例を模式的に示す断面図である。
図7には、マザーボード用基板720に、受光素子2739が実装されたICチップ実装用基板2720と発光素子1738が実装されたICチップ実装用基板1720とが実装された光通信用デバイス760が示されている。なお、ICチップ実装用基板1720、2720としては、ICチップが実装された状態の第一の本発明のICチップ実装用基板が実装されている。
ICチップ実装用基板1720は、基板1721の両面に導体回路1724と絶縁層1722とが積層形成され、基板1721を挟んだ導体回路間、および、絶縁層1722を挟んだ導体回路間は、それぞれ、スルーホール(図示せず)およびバイアホール1727により電気的に接続されている。また、最外層にはソルダーレジスト層1734が形成されている。
このICチップ実装用基板1720では、基板1721、絶縁層1722およびソルダーレジスト層1734を貫通するように光信号伝送用光路1742が設けられている。
この光信号伝送用光路1742には、基板1721および絶縁層1722を貫通する部分に樹脂組成物1747が充填されている。また、樹脂組成物1747の発光素子1738が実装された側およびその反対側の端部であって、光信号伝送用光路1742のソルダーレジスト層を貫通する部分のそれぞれには、マイクロレンズ1749、1746が配設されている。
ICチップ実装用基板1720の一の面には、発光部1738aが光信号伝送用光路1742に対向するように、発光素子1738が半田接続部1744を介して表面実装されている。ICチップ実装用基板1720では、発光素子1738の外周に接するように、光学素子封止層1748が形成されている。
また、図示していないが、ICチップ実装用基板1720の発光素子1738が実装された側と同じ側の面には、ICチップが半田接続部を介して表面実装されている。
また、ICチップ実装用基板2720は、基板2721の両面に導体回路2724と絶縁層2722とが積層形成され、基板2721を挟んだ導体回路間、および、絶縁層2722を挟んだ導体回路間は、それぞれ、スルーホール(図示せず)およびバイアホール2727により電気的に接続されている。また、最外層にはソルダーレジスト層2734が形成されている。
このICチップ実装用基板2720では、基板2721、絶縁層2722およびソルダーレジスト層2734を貫通するように光信号伝送用光路2742が設けられている。 この光信号伝送用光路2742には、基板2721および絶縁層2722を貫通する部分に樹脂組成物2747が充填されている。また、樹脂組成物2747の受光素子2739が実装された側およびその反対側の端部であって、光信号伝送用光路2742のソルダーレジスト層2734を貫通する部分のそれぞれには、マイクロレンズ2749、2746が配設されている。
ICチップ実装用基板2720の一の面には、受光部2739aが光信号伝送用光路2742に対向するように、受光素子2739が半田接続部2744を介して表面実装されている。そして、ICチップ実装用基板2720では、受光素子2739の外周に接するように、光学素子封止層が形成されている。
また、図示していないが、ICチップ実装用基板2720の受光素子2739が実装された側と同じ側の面には、ICチップが半田接続部を介して表面実装されている。
また、マザーボード用基板720は、基板721の両面に導体回路724と絶縁層722とが積層形成され、基板721を挟んだ導体回路間、および、絶縁層722を挟んだ導体回路間は、それぞれ、スルーホール729およびバイアホール(図示せず)により電気的に接続されている。また、最外層にはソルダーレジスト層734が形成されている。
このマザーボード用基板720では、基板721、絶縁層722およびソルダーレジスト層734を貫通するように光信号伝送用光路742が設けられている。
この光信号伝送用光路742では、ソルダーレジスト層734を貫通する部分の断面の径は、基板721および絶縁層722を貫通する部分の断面の径よりも小さくなっている。なお、第三の本発明の光通信用デバイスを構成するマザーボード用基板720において、ソルダーレジスト層734を貫通する部分の断面の径は、必ずしも基板721および絶縁層722を貫通する部分の断面の径よりも小さくなくてもよい。
マザーボード用基板720のICチップ実装用基板1720、2720が実装された側と反対側の最外層の絶縁層722上には、コア751とクラッド752とからなる光導波路750が形成されている。
また、光導波路750のそれぞれの端部には、光路変換ミラーが形成されており、光導波路750と光信号伝送用光路742との間で光信号を伝送することができるように構成されている。
ここで、光導波路750は、後述するが、一旦、最外層の絶縁層上に全面又は一部に樹脂組成物を積層した後、所定の箇所を先端がV形90°のダイヤモンドソー等で切削加工することにより形成されている。なお、マザーボード用基板720においては、その両端がともに光信号伝送用光路742と光学的に接続された部分が、実際に光導波路として機能することとなる。
また、このような光信号伝送用光路742の光導波路750が形成された側と反対側であって、ソルダーレジスト層を貫通する部分には、マイクロレンズ746a、746bが配設されている。ここで、マイクロレンズ746a、746bのそれぞれは、端部に光路変換ミラーが形成されたコア751のそれぞれの端部に対応する位置に配設されている。
そして、光通信用デバイス760では、マザーボード用基板720の光導波路750が形成された側と反対側の面に、ICチップ実装用基板1720、2720が半田接続部1743、2743を介して実装されている。
ここで、ICチップ実装用基板1720、2720のそれぞれは、セルフアライメント作用により所定の位置に実装されている。
さらに、一の面のソルダーレジスト層734上には、ICチップ実装用基板1720、2720のそれぞれの外周に接するように、ICチップ実装用基板封止層748a、748bが形成されており、ICチップ実装用基板封止層748a、748bのそれぞれに形成された光信号伝送用光路の直下には、空隙部が形成されている。従って、光信号伝送用光路のICチップ実装用基板1720、2720に接する部分には、ICチップ実装用基板封止層748a、748bが形成されていない。
このようなICチップ実装用基板封止層748a、748bが形成されることにより、ICチップ実装用基板1720、2720に形成された光信号伝送用光路や、マザーボード用基板に形成された光信号伝送用光路742内に、ゴミや異物等が入り込むことがなく、該ゴミや異物等により光信号の伝送が阻害されることもない。
また、マイクロレンズにより効率良く光信号を集光することができる。
このような構成からなる光通信用デバイス760では、ICチップ実装用基板1720に実装されたICチップ(図示せず)からの電気信号が、発光素子1738で光信号に変換され、発光素子1738(発光部1738a)から出射した光信号は、マイクロレンズ1749、光信号伝送用光路1742、マイクロレンズ1746、マイクロレンズ746a、光信号伝送用光路742、光導波路750、光信号伝送用光路742、マイクロレンズ746b、マイクロレンズ746、光信号伝送用光路2742およびマイクロレンズ2749を介して受光素子2739(受光部2739a)に伝送され、さらに受光素子2739で電気信号に変換された後、ICチップ実装用基板2720に実装されたICチップ(図示せず)に伝送され、処理されることとなる。
このような光通信用デバイスでは、光信号伝送用光路内にゴミや異物等が入り込むことがないため、確実に光信号を伝送することができる。
また、本発明の光通信用デバイスの実施形態は、図7に示したような実施形態に限定されるわけではなく、例えば、図8に示すような実施形態であってもよい。
図8は、本発明の光通信用デバイスの実施形態の別の一例を模式的に示す断面図である。図8には、マザーボード用基板820に、発光素子1838が実装されたICチップ実装用基板1820と受光素子2839が実装されたICチップ実装用基板2820とが実装された光通信用デバイス860が示されている。なお、ICチップ実装用基板1820、2820としては、第三の実施形態のICチップ実装用基板が実装されている。
光通信用デバイス860は、図7に示した光通信用デバイス760と比べて、ICチップ実装用基板1820、2820の構造が異なるものの、マザーボード用基板820の構造は、マザーボード用基板720の構造と同一である。
従って、ここでは、ICチップ実装用基板1820、2820の構造を中心に光通信用デバイス860の実施形態について説明することとする。
ICチップ実装用基板1820は、基板1821の両面に導体回路1824と絶縁層1822とが積層形成され、基板1821を挟んだ導体回路間、および、絶縁層1822を挟んだ導体回路間は、それぞれ、スルーホール1829およびバイアホール1827により電気的に接続されている。また、最外層にはソルダーレジスト層1834が形成されている。
このICチップ実装用基板1820では、凹部形状の光信号伝送用光路1842が設けられている。
この光信号伝送用光路1842内には、発光素子1838とICチップ(図示せず)とがワイヤボンディング1849により実装されており、さらに、光信号伝送用光路1842の絶縁層1822に形成された部分には、樹脂組成物1847が充填されている。
また、樹脂組成物1847の発光素子1838が実装された側と反対側の端部であって、 光信号伝送用光路1842のソルダーレジスト層1834を貫通する部分の一部には、マイクロレンズ1846が配設されている。
また、ICチップ実装用基板2820は、基板2821の両面に導体回路2824と絶縁層2822とが積層形成され、基板2821を挟んだ導体回路間、および、絶縁層2822を挟んだ導体回路間は、それぞれ、スルーホール2829およびバイアホール2827により電気的に接続されている。また、最外層にはソルダーレジスト層2834が形成されている。
このICチップ実装用基板2820では、凹部形状の光信号伝送用光路2842が設けられている。
この光信号伝送用光路2842内には、受光素子2839とICチップ(図示せず)とがワイヤボンディング2849より実装されており、さらに、光信号伝送用光路2842の絶縁層2822に形成された部分には、樹脂組成物2847が充填されている。
また、樹脂組成物2847の受光素子2839が実装された側と反対側の端部であって、光信号伝送用光路2842のソルダーレジスト層2834を貫通する部分の一部には、マイクロレンズ2846が配設されている。
また、マザーボード用基板820は、上述したように、図7に示したマザーボード用基板と同様の構成を有している。
そして、光通信用デバイス860では、マザーボード用基板820の光導波路850が形成された側と反対側の面に、ICチップ実装用基板1820、2820が半田接続部1843、2843を介して実装されている。
ここで、ICチップ実装用基板1820、2820のそれぞれは、セルフアライメント作用により所定の位置に実装されている。
さらに、マザーボード用基板820の一の面のソルダーレジスト層834上には、ICチップ実装用基板1820、2820のそれぞれの外周に接するように、ICチップ実装用基板封止層848a、848bが形成されており、ICチップ実装用基板封止層848a、848bのそれぞれに形成された光信号伝送用光路の直下には、空隙部が形成されている。従って、光信号伝送用光路のICチップ実装用基板1820、2820に接する部分には、ICチップ実装用基板封止層848a、848bが形成されていない。
このようなICチップ実装用基板封止層848a、848bが形成されることにより、ICチップ実装用基板1820、2820に形成された光信号伝送用光路や、マザーボード用基板に形成された光信号伝送用光路内に、ゴミや異物等が入り込むことがなく、該ゴミや異物等により光信号の伝送が阻害されることもない。
また、マイクロレンズにより効率良く光信号を集光することができる。
このような構成からなる光通信用デバイス860では、ICチップ実装用基板1820に実装されたICチップ(図示せず)からの電気信号が、発光素子1838で光信号に変換され、発光素子1838(発光部1838a)から出射した光信号は、光信号伝送用光路1842、マイクロレンズ1846、マイクロレンズ846a、光信号伝送用光路842、光導波路850、光信号伝送用光路842、マイクロレンズ846b、マイクロレンズ2846および光信号伝送用光路2842を介して受光素子2839(受光部2839a)に伝送され、さらに受光素子2839で電気信号に変換された後、ICチップ実装用基板2820に実装されたICチップ(図示せず)に伝送され、処理されることとなる。
このような光通信用デバイスでは、光信号伝送用光路内にゴミや異物等が入り込むことがないため、確実に光信号を伝送することができる。
また、図7、8に示した光通信用デバイスにおいては、ICチップ実装用基板には、1チ ャンネル光学素子(発光素子、受光素子)が実装されており、これに対応して、1チャンネルを光信号を伝送するための光信号伝送用光路が、ICチップ実装用基板とマザーボード用基板とのそれぞれに形成されている。
しかしながら、本発明の光通信用デバイスの実施形態は、図7、8に示したような実施形態に限定されるわけではなく、上述したマザーボード用基板に第一または第二の本発明のICチップ実装用基板や、第三の実施形態のICチップ実装用基板が実装された形態であればよい。
従って、ICチップ実装用基板には、マルチチャンネルの光学素子が実装されていてもよく、また、ICチップ実装用基板およびマザーボード用基板のそれぞれには、マルチチャンネルの光学素子の光信号を伝送すべく、一括貫通孔構造の光信号伝送用光路や、個別貫通孔構造の光信号伝送用光路等が形成されていてもよい。
また、マザーボード用基板に複数のICチップ実装用基板が実装されている場合、一括貫通孔構造の光信号伝送用光路が形成されたICチップ実装用基板と凹部形状の光信号伝送用光路が形成されたICチップ実装用基板等、光信号伝送用光路の構造が異なるICチップ実装用基板が、一のマザーボード用基板に実装されていてもよい。
さらに、図7に示したような実施形態の光通信用デバイスにおいて、マイクロレンズを配設する場合、図7の実施形態に示した6箇所の全てにマイクロレンズを配設することが望ましい。発光素子から受光素子への光信号の伝送能の信頼性に優れることとなるからである。なお、図8に示した実施形態の光通信用デバイスにおいても同様のことが明らかとなった。
また、ICチップ実装用基板に実装された光学素子にマイクロレンズが配設されていてもよい。
また、少なくともICチップ実装用基板とマザーボード用基板とが対向する箇所(4箇所)に、マイクロレンズが配設されていることも望ましい。
また、第三の本発明の光通信用デバイスにおいては、ICチップ実装用基板とマザーボード用基板のソルダーレジスト層との間にダムが形成されていてもよい。
ダムを形成することにより、ICチップ実装用基板封止層をマザーボード用基板のソルダーレジスト層上の所望の位置に形成することができるからである。
特に、ポッティングによりICチップ実装用基板封止層を形成する場合には、ICチップ実装用基板の光信号伝送用光路とマザーボード用基板の光信号伝送用光路との間へのICチップ実装用基板封止層の流入を防止することができるため、ダムが形成されていることが適している。
また、第三の本発明の光通信用デバイスについて、図7に示した実施形態においては、光信号伝送用光路の光学素子と接する部分には光学素子封止層が形成されていないICチップ実装用基板が、マザーボート用基板に実装されており、さらに、マザーボード用基板に形成された光信号伝送用光路のICチップ実装用基板に接する部分には、ICチップ実装用基板封止層が形成されていないが、当然、第三の本発明の光通信用デバイスの実施形態は、このような形態に限定されるわけではない。
具体的には、第三の本発明の光通信用デバイスがとり得る実施形態の組み合わせとしては、図7に示した実施形態を含め、次の4通りが考えられます。
即ち、(1)光信号伝送用光路の光学素子と接する部分に光学素子封止層が形成されていないICチップ実装用基板がマザーボート用基板に実装されており、さらに、マザーボード用基板に形成された光信号伝送用光路のICチップ実装用基板に接する部分にはICチップ実装用基板封止層が形成されていない形態(図7の形態)、
(2)光信号伝送用光路の光学素子と接する部分に光学素子封止層が形成されたICチッ プ実装用基板がマザーボート用基板に実装されており、さらに、マザーボード用基板に形成された光信号伝送用光路のICチップ実装用基板に接する部分にICチップ実装用基板封止層が形成されていない形態、
(3)光信号伝送用光路の光学素子と接する部分に光学素子封止層が形成されていないICチップ実装用基板がマザーボート用基板に実装されており、さらに、マザーボード用基板に形成された光信号伝送用光路のICチップ実装用基板に接する部分にICチップ実装用基板封止層が形成されている形態、
(4)光信号伝送用光路の光学素子と接する部分に光学素子封止層が形成されたICチップ実装用基板がマザーボート用基板に実装されており、さらに、マザーボード用基板に形成された光信号伝送用光路のICチップ実装用基板に接する部分にICチップ実装用基板封止層が形成されている形態、の4通りであります。
これらの実施形態は、全て上述した第三の本発明の目的、即ち、光信号伝送用光路内へゴミや異物等が入り込むことを防止し、優れた光信号伝送能を確保することを達成することができるものであるが、これらの中では、上記(2)の形態が特に望ましい。その理由は下記の通りである。
光学素子とICチップ実装用基板との隙間の距離、及び、ICチップ実装用基板とマザーボード用基板との隙間の距離を比較した場合、通常、前者は50μm以下(大きくても100μm程度)と狭いのに対し、後者は300μm程度(概ね100〜800μm程度)とある程度の距離を有している。
ここで、光学素子封止層及びICチップ実装用基板封止層のそれぞれを形成することを考慮してみると、光学素子封止層を形成する場合には、光学素子とICチップ実装用基板との隙間の距離が狭いため、光信号伝送用光路の光学素子と接する部分に光学素子封止層が形成されていない形態にしようとすると、光学素子封止層を形成するための樹脂組成物の選択の自由度が小さくなってしまうととともに、その形成工程の制御も極めて高い精度が要求されることとなる。一方、ICチップ実装用基板封止層を形成する場合には、ICチップ実装用基板とマザーボード用基板との隙間がある程度の距離を有しているため、比較的容易に、マザーボード用基板に形成された光信号伝送用光路のICチップ実装用基板に接する部分にICチップ実装用基板封止層が形成することなく、その外周付近のみを封止することができ、また、ICチップ実装用基板を形成するためのICチップ実装用基板封止層を形成するための樹脂組成物もある程度自由に選択することができる。
このような点から、第三の本発明の光通信用デバイスの実施形態としては、上記(2)の形態が特に望ましい。
ここまで、説明してきた第三の本発明の光通信用デバイスは、基板や絶縁層が樹脂材料から構成されたものである。
しかしながら、基板や絶縁層等が樹脂以外の材料、例えば、ガラスやセラミック等から構成されている場合も、第三の本発明と同様の効果を得ることができる。
すなわち、ガラスやセラミックからなる配線板に、光学素子が実装されたICチップ実装用基板が、ガラスやセラミックからなる配線板に、光導波路が形成されたマザーボード用基板に実装され、このICチップ実装用基板の外周に接するように、ICチップ実装用基板封止層が形成されている光通信用デバイスにおいても、上述した第三の本発明の光通信用デバイスと同様の効果を得ることができる。なお、ICチップ実装用基板とマザーボード用基板とのいずれかのみが、ガラスやセラミック等から構成されている場合も同様である。
また、このようなガラスやセラミックからなる配線板を用いている場合、ICチップ実装用基板封止層は、半田からなるものであることが望ましい。
次に、第三の本発明の光通信用デバイスの製造方法について説明する。 本発明の光通信用デバイスは、ICチップ実装用基板とマザーボード用基板とを別々に製造した後、両者を半田等を介して接続することにより製造することができる。
上記ICチップ実装用基板を製造する方法は、第一および第二の本発明のICチップ実装用基板については、上述した通りである。
以下、第三の実施形態のICチップ実装用基板を製造する方法について簡単に説明しておく。
(1)第三の実施形態のICチップ実装用基板を製造する場合、まず、第一の本発明のICチップ実装用基板を製造する方法の(1)〜(9)の工程と同様の方法を用いて、基板の両面に導体回路と絶縁層とが積層形成された多層配線板を製造する。
(2)次に、上記多層配線板に、光路用凹部を形成する。
上記光路用凹部の形成は、例えば、上記光路用貫通孔を形成する方法と同様の方法、すなわち、ドリル加工やレーザ処理等により行うことができる。
また、上記光路用凹部を形成する際には、その内部に受光素子や発光素子等の光学素子とともに、さらに、ICチップを実装することができるように形成することが望ましい。
また、上記光路用凹部を形成する場合には、上述した多層配線板を作製する工程において、絶縁層を形成する際に、各絶縁層を貫通する開口を形成しておき、絶縁層の積層を完了した際に、光路用凹部が形成されているようにしてもよい。
また、上記光路用凹部を形成した後には、上記光路用貫通孔等を形成した場合と同様、その壁面にデスミア処理や、壁面を粗化面とする粗化面形成工程を行ってもよい。
上記光路用凹部を形成した後には、上記光路用貫通孔等を形成した場合と同様、必要に応じて、上記光路用凹部の壁面に導体層を形成する導体層形成工程を行ってもよく、さらに、このような導体層形成工程を行う場合には、最外層の絶縁層上に、最外層の導体回路を形成することが望ましい。
また、上記導体層を形成した後には、光路用貫通孔の壁面に導体層を形成した場合と同様、該導体層の壁面に粗化面を形成してもよい。
(3)次に、多層配線板に形成した凹部形状の光信号伝送用光路(光路用凹部)内に樹脂組成物を充填する樹脂組成物充填工程を行う。
光路用凹部内に、未硬化の樹脂組成物を充填した後、硬化処理を施すことにより、後工程を経て完成する光信号伝送用光路において、基板や絶縁層に形成された部分が、樹脂組成物が充填されることとなる。
具体的な未硬化の樹脂組成物の充填方法としては特に限定されず、印刷やポッティング等の上記光路用貫通孔内に樹脂組成物を充填する方法と同様の方法等を用いることができる。
さらに、樹脂組成物を充填した場合には、樹脂組成物の露出面に研磨処理を施し、その露出面を平坦にすることが望ましい。露出面を平坦にすることにより、光信号の伝送が阻害されるおそれがより少なくなるからである。上記研磨処理は、光路用貫通孔に樹脂組成物充填した後に行う方法と同様の方法で行うことができる。
なお、上記樹脂組成物充填工程を行う場合には、その前に、光学素子を実装しておく必要があり、さらに、光路用凹部内にICチップを実装する場合には、併せてICチップも実装しておく必要がある。なお、ICチップの実装は設計に応じて行えばよく、必ずしも光路用凹部内に実装しなくてもよい。
そこで、以下、光路用凹部内に光学素子およびICチップを実装する方法について説明しておく。
まず、光路用凹部の底面に、光学素子等との接続端子となるよう、導体回路の一部を露出させる。その後、この導体回路の露出した部分に、必要に応じて、めっき層を形成しておいてもよい。
次に、光路用凹部の底面に光学素子およびICチップを取り付けた後、上記光学素子および上記ICチップと多層配線板の導体回路とを電気的に接続する。
上記光学素子および上記ICチップの取り付けは、例えば、共晶結合法、半田結合法、樹脂結合法等により行うことができる。また、銀ペーストや金ペーストを用いて、光学素子等を取り付けてもよい。
上記樹脂結合法では、エポキシ系樹脂やポリイミド系樹脂等の熱硬化性樹脂を主剤とし、これらの樹脂成分以外に硬化剤やフィラー、溶剤等を含むペーストを多層配線板上に塗布し、次いで、光学素子等をペースト上に載置した後、該ペーストを加熱硬化させることにより光学素子等を取り付ける。
なお、上記ペーストの塗布は、例えば、ディスペンス法、スタンピング法、スクリーン印刷法等により行うことができる。
また、銀ペーストを用いる場合には、多層配線板上に銀ペーストを塗布し、ついで、光学素子等をペースト上に載置した後、この銀ぺーストを焼成することにより光学素子を取り付ける。
上記光学素子および上記ICチップと上記多層配線板の導体回路とを電気的に接続する方法としては、ワイヤボンディングを用いることが望ましい。これは、光学素子等を取り付ける際の設計の自由度が大きいとともに、経済的にも有利だからである。
上記ワイヤボンディングとしては、従来公知の方法、即ち、ネイルヘッド・ボンディング法やウエッジ・ボンディング法を用いることができる。
なお、光学素子等の実装は、テープボンディングやフリップチップボンディング等により行ってもよい。
(4)次に、上記(3)の工程工程で形成した光信号伝送用光路(光路用凹部)に連通した開口(光路用開口)を有するソルダーレジスト層を形成するソルダーレジスト層形成工程を行う。
具体的には、例えば、第一の本発明のICチップ実装用基板の製造方法の(12)の工程で用いた方法と同様の方法により行うことができる。
なお、この場合も光路用開口の形状は特に限定されるものではなく、平面視した際の開口の大きさは、光路用凹部より大きくてもよいし、同一であってもよいし、小さくてもよい。
また、光信号ごとに光路用開口が形成されていてもよい。
また、上記ソルダーレジスト層に形成した光路用開口には、上記光路用凹部と同様の方法で未硬化の樹脂組成物を充填してもよい。また、場合によっては、ソルダーレジスト層に形成した光路用開口の壁面にも導体層を形成してもよい。
また、この工程では、ソルダーレジスト層を形成した後、光路用貫通孔内に充填した樹脂組成物の端部であって、ソルダーレジスト層に形成した光路用開口内にマイクロレンズを配設してもよい。上記マイクロレンズの配設は、第一の本発明のICチップ実装用基板の製造方法で用いた方法と同様の方法により行うことができる。
(5)その後、第一の本発明のICチップ実装用基板の製造方法と同様にして、半田パッドや半田バンプの形成を行うことにより第三の実施形態のICチップ実装用基板を製造することができる。
次に、上記マザーボード用基板を製造する方法について工程順に説明しておく。
(1)まず、本発明のICチップ実装用基板の製造方法の(1)および(2)の工程と同様にして、基板の両面に導体回路を形成するともに、基板を挟んだ導体回路間を接続するスルーホールを形成する。また、この工程でも、導体回路の表面やスルーホールの壁面に、必要に応じて、粗化面を形成する。
(2)次に、必要に応じて、導体回路を形成した基板上に絶縁層と導体回路とを積層形成する。
具体的には、本発明のICチップ実装用基板の製造方法の(3)〜(8)の工程と同様の方法を用いて、絶縁層と導体回路とを積層形成すればよい。
この工程においても、ICチップ実装用基板を製造する場合と同様、基板と絶縁層とを貫通するスルーホールを形成したり、蓋めっき層を形成したりしてもよい。
なお、この絶縁層と導体回路とを積層する工程は、1回のみ行ってもよいし、複数回行ってもよい。
また、この工程で絶縁層上に導体回路を形成する方法としては、上記ICチップ実装用基板を製造する場合と同様、サブトラクティブ法等を用いてもよい。
また、後述するように光導波路を形成する際に、該光導波路をICチップ実装用基板等に対向する側と基板を挟んで反対側の絶縁層上等に形成する場合には、この工程において、必要に応じてその内部に樹脂組成物が充填されたり、その壁面に導体層が形成された光路用貫通孔を形成する。なお、この光路用貫通孔が光信号伝送用光路として機能することとなる。
なお、この基板等を貫通する光路用貫通孔(光信号伝送用光路)の形成は、下記(3)の工程で光導波路を形成した後に行ってもよい。
また、光路用貫通孔の形成は、例えば、ドリル加工やレーザ処理等により行うことができる。
また、上記レーザ処理で使用するレーザとしては、例えば、バイアホール用開口を形成す際に用いるレーザと同様のもの等が挙げられる。
また、光路用貫通孔は、一括貫通孔や個別貫通孔であってもよい。
(3)次に、基板上および/または絶縁層上の設計に応じた所定の位置に光導波路を形成する。
上記光導波路の形成は、その材料に石英ガラス等の無機材料を用いて行う場合、予め、所定の形状に成形しておいた光導波路を接着剤を介して取り付けることにより行うことができる。
また、上記無機材料からなる光導波路は、LiNbO、LiTaO等の無機材料を液相エピタキシヤル法、化学堆積法(CVD)、分子線エピタキシヤル法等により成膜させることにより形成することができる。
また、ポリマー材料からなる光導波路を形成する方法としては、(1)予め離型フィルム上等にフィルム状に成形しておいた光導波路形成用フィルムを絶縁層上に張り付ける方法や、(2)絶縁層上に下部クラッド、コア、上部クラッドを順次積層形成していくことにより、上記絶縁層等上に直接光導波路を形成する方法等が挙げられる。
なお、光導波路の形成方法としては、離型フィルム上に光導波路を形成する場合も、絶縁層等上に光導波路を形成する場合も同様の方法を用いて行うことができる。
具体的には、反応性イオンエッチングを用いた方法、露光現像法、金型形成法、レジスト形成法、これらを組み合わせた方法等を用いることができる。
上記反応性イオンエッチングを用いた方法では、(i)まず、離型フィルムや絶縁層等( 以下、単に離型フィルム等という)の上に下部クラッドを形成し、(ii)次に、この下部クラッド上にコア用樹脂組成物を塗布し、さらに、必要に応じて、硬化処理を施すことによりコア形成用樹脂層とする。(iii)次に、上記コア形成用樹脂層上に、マスク形成用
の樹脂層を形成し、次いで、このマスク形成用の樹脂層に露光現像処理を施すことにより、コア形成用樹脂層上にマスク(エッチングレジスト)を形成する。
(iv)次に、コア形成用樹脂層に反応性イオンエッチングを施すことにより、マスク非形成部分のコア形成用樹脂層を除去し、下部クラッド上にコアを形成する。(v)最後に、上記コアを覆うように下部クラッド上に上部クラッドを形成し、光導波路とする。
この反応性イオンエッチングを用いた方法は、寸法信頼性に優れた光導波路を形成することができる。また、この方法は、再現性にも優れている。
また、露光現像法では、(i)まず、離型フィルム等の上に下部クラッドを形成し、(ii)次に、この下部クラッド上にコア用樹脂組成物を塗布し、さらに、必要に応じて、半硬化処理を施すことによりコア形成用樹脂組成物の層を形成する。
(iii)次に、上記コア形成用樹脂組成物の層上に、コア形成部分に対応したパターンが
描画されたマスクを載置し、その後、露光現像処理を施すことにより、下部クラッド上にコアを形成する。(iv)最後に、上記コアを覆うように下部クラッド上に上部クラッドを形成し、光導波路とする。
この露光現像法は、工程数が少ないため、光導波路を量産する際に好適に用いることができ、また、加熱工程が少ないため、光導波路に応力が発生しにくい。
また、上記金型形成法では、(i)まず、離型フィルム等の上に下部クラッドを形成し、(ii)次に、下部クラッドに金型形成によりコア形成用の溝を形成する。(iii)さらに
、上記溝内にコア用樹脂組成物を印刷により充填し、その後、硬化処理を施すことによりコアを形成する。(iv)最後に、上記コアを覆うように下部クラッド上に上部クラッドを形成し、光導波路とする。
この金型形成法は、光導波路を量産する際に好適に用いることができ、寸法信頼性に優れた光導波路を形成することができる。また、この方法は、再現性にも優れている。
また、上記レジスト形成法では、(i)まず、離型フィルム等の上に下部クラッドを形成し、(ii)さらに、この下部クラッド上にレジスト用樹脂組成物を塗布した後、露光現像処理を施すことにより、上記下部クラッド上のコア非形成部分に、コア形成用レジスト形成する。
(iii)次に、下部クラッド上のレジスト非形成部分にコア用樹脂組成物の塗布し、(iv
)さらに、コア用樹脂組成物を硬化した後、上記コア形成用レジストを剥離することにより、下部クラッド上にコアを形成する。(v)最後に、上記コアを覆うように下部クラッド上に上部クラッドを形成し、光導波路とする。
このレジスト形成法は、光導波路を量産する際に好適に用いることができ、寸法信頼性に優れた光導波路を形成することができる。また、この方法は、再現性にも優れている。
これらの方法を用いてポリマー材料からなる光導波路を形成する場合において、コアに粒子が配合された光導波路を形成する場合には、露光現像法に比べて、金型形成法が望ましい。その理由は以下のとおりである。
すなわち、下部クラッドに金型形成によりコア形成用の溝を形成し、その後、この溝内にコアを形成する金型形成法でコアを形成した場合には、コアに配合される粒子は全部、コア中に入ってしまうこととなるため、コアの表面は平坦で光信号の伝送性に優れるのに対し、露光現像法でコアを形成した場合には、現像後のコアにおいて、コア表面から粒子の一部が突出していたり、コア表面に粒子がとれた窪みが形成されていたりして、コアの表面に凹凸が形成されることがあり、この凹凸によって光が所望の方向に反射しなくなり、その結果、光信号の伝送性が低下することがあるからである。
また、絶縁層等上に光導波路を形成する場合には、絶縁層等上の全面又は一部に光導波路を下部クラッド、コア、上部クラッドを順次積層形成し、その後、後述する方法で、所定の箇所に光路変換ミラーを形成し、積層形成した光導波路の一部のみが実際に光導波路として機能するようにしてもよい。
また、上記光導波路には、光路変換ミラーを形成する。
上記光路変換ミラーは、光導波路を絶縁層上に取り付ける前に形成しておいてもよいし、絶縁層上に取り付けた後に形成してもよいが、該光導波路を絶縁層上に直接形成する場合を除いて、予め光路変換ミラーを形成しておくことが望ましい。作業を容易に行うことができ、また、作業時に多層プリント配線板を構成する他の部材、基板や導体回路、絶縁層等に傷を付けたり、これらを破損させたりするおそれがないからである。
上記光路変換ミラーを形成する方法としては特に限定されず、従来公知の形成方法を用いることができる。具体的には、先端がV形90°のダイヤモンドソーや刃物による機械加工、反応性イオンエッチングによる加工、レーザアブレーション等を用いることができる。また、光路変換ミラーを形成する代わりに光路変換部材を埋め込んでもよい。
また、光導波路に90度光路変換ミラーを形成する場合には、下部クラッドの基板または絶縁層と接する面と、光路変換面とのなす角は、45度であってもよいし、135度であってもよい。
なお、ここでは、基板上または最外層の絶縁層上に光導波路を形成する方法について説明したが、上記多層プリント配線板を製造する場合には、上記光導波路は、基板と絶縁層との間や、絶縁層同士の間に形成する場合もある。
基板と絶縁層との間に光導波路を形成する場合には、上記(1)の工程で、その両面に導体回路が形成された基板を作製した後、上記(3)の工程と同様の方法で基板上の導体回路非形成部分に光導波路を形成し、その後、上記(2)の工程と同様の方法で絶縁層を形成することにより、上記した位置に光導波路を形成することができる。
また、絶縁層同士の間に光導波路を形成する場合には、上記(1)および(2)の工程と同様にして導体回路が形成された基板上に少なくとも1層の絶縁層を積層形成した後、上記(3)の工程と同様にして絶縁層上に光導波路を形成し、その後、さらに、上記(2)の工程と同様の工程を繰り返すことにより、絶縁層同士の間に光導波路を形成することができる。
(4)次に、必要に応じて、ソルダーレジスト層を形成する。ソルダーレジスト層の形成は、例えば、下記(a)および(b)の工程により行うことができる。
(a)まず、その内部に樹脂組成物が充填された光路用貫通孔を形成した多層配線板の最外層にソルダーレジスト組成物の層を形成する。
上記ソルダーレジスト組成物の層の形成は、ICチップ実装用基板の製造方法で用いた方法と同様の方法を用いて行うことができる。
(b)次に、上記ソルダーレジスト組成物の層に、上記(2)の工程で形成した光路用貫通孔に連通した開口(以下、光路用開口ともいう)を形成する。
上記光路用開口の形成は、ICチップ実装用基板の製造方法で用いた方法と同様の方法を用いて行うことができる。
また、上記光路用開口を形成する際には、同時に、半田バンプ形成用開口(ICチップや光学素子を実装するための開口)を形成することが望ましい。なお、上記光路用開口の形成と、上記半田バンプ形成用開口の形成とは、別々に行ってもよい。
また、ソルダーレジスト層を形成する際に、予め、所望の位置に開口を有する樹脂フィル ムを作製し、該樹脂フィルムを張り付けることにより、光路用開口と半田バンプ形成用開口とを有するソルダーレジスト層を形成してもよい。
このような(a)および(b)の工程を経ることにより、光信号伝送用光路(光路用貫通孔)の形成された多層配線板上に、該光信号伝送用光路と連通した光路用開口を形成することができる。
また、上記ソルダーレジスト層に形成した光路用開口には、上記光路用貫通孔と同様の方法で未硬化の樹脂組成物を充填してもよい。
また、場合によっては、ソルダーレジスト層に形成した光路用開口の壁面にも導体層を形成してもよい。
また、この工程では、ソルダーレジスト層を形成した後、光路用貫通孔内に充填した樹脂組成物の端部であって、ソルダーレジスト層に形成した光路用開口内にマイクロレンズを配設するマイクロレンズ配設工程を行ってもよい。
また、マイクロレンズ配設工程を行う場合、予め、撥水処理(撥水コート剤による処理を含む)、親水処理等の表面処理を施しておいてもよい。表面処理を施すことにより、所望の形状のマイクロレンズを配設することができるからである。
なお、上記表面処理や上記マイクロレンズ配設工程は、本発明のICチップ実装用基板の製造方法で用いる方法と同様の方法を用いて行うことができる。
(5)その後、半田パッドや半田バンプの形成を行うことによりマザーボード用基板を製造することができる。
なお、半田パッドや半田バンプの形成は、本発明のICチップ実装用基板の製造方法で用いる方法と同様の方法により行うことができる。
また、場合によっては、上記(3)の工程で基板の最外層全体に光導波路を形成し、光導波路がソルダーレジスト層としての役割を果たすようにしてもよい。
また、上記半田バンプは、必要に応じて形成すればよく、半田バンプを形成しない場合であっても、実装するICチップ実装用基板や各種表面実装型電子部品のバンプを介してこれらを実装することができる。
また、ICチップ実装用基板と対向する面と反対側のソルダーレジスト層では、特に、外部接続端子を形成しなくてもよいし、必要に応じて、ピンを配設したり、半田ボールを形成したりすることにより、PGAやBGAとしてもよい。
本発明の光通信用デバイスは、上述したような方法を用いてICチップ実装用基板と、マザーボード用基板とを製造した後、両者を半田等を介して接続し、さらに、ICチップ実装用基板の外周に接するように、ICチップ実装用基板封止層を形成することにより製造することができる。
具体的には、まず、半田バンプが形成されたICチップ実装用基板と、半田バンプが形成されたマザーボード用基板とをそれぞれ所定の位置に、所定の向きで対向配置し、その後、リフローすることにより両者を接続する。なお、上記ICチップ実装用基板およびマザーボード用基板のそれぞれの対向する面のうち、どちらか一方の面にのみ半田バンプが形成されていてもよい。この場合も両者を電気的に接続することができるからである。
次に、ICチップ実装用基板の周囲に、ICチップ実装用基板封止層を形成する。
上記ICチップ実装用基板封止層の形成は、例えば、未効果の樹脂組成物をポッティングし、その後、硬化処理を施すこと等により行うことができる。
なお、ポッティングにより上記ICチップ実装用基板封止層を形成する場合、該ICチップ実装用基板は、ICチップ実装用基板の外周に接するように形成すれば、ICチップ実 装用基板を覆うように形成してもよい。
また、マザーボード用基板のソルダーレジスト層上にダムを形成する場合、ダムの形成は、例えば、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂等を印刷する、打ち抜きプレス機により枠状に打ち抜かれたり、ルーター加工により枠状に切り出されたりしたガラス−エポキシ基板等を接着剤で接着する等により行うことができる。なお、ICチップ実装用基板と、マザーボード用基板のソルダーレジスト層との隙間が、通常、300μm程度(概ね100〜800μm程度)であることを考慮すると、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂等を印刷すること、または、ダム基材をエポキシ樹脂等からなる接着剤で接着することによりダムを形成することが望ましい。
このような工程を経ることにより、本発明の光通信用デバイスを製造することができる。
次に、第四の本発明の光通信用デバイスについて説明する。
第四の本発明の光通信用デバイスは、基板の少なくとも片面に導体回路と絶縁層とが積層形成されるとともに、光導波路が形成され、さらに、光信号伝送用光路が形成されたマザーボード用基板に、光学素子を実装したICチップ実装用基板が実装された光通信用デバイスであって、
少なくとも上記ICチップ実装用基板を覆うように、キャップ部材が取り付けられていることを特徴とする。
第四の本発明の光通信用デバイスでは、ICチップ実装用基板を覆うように、キャップ部材が取り付けられているため、ICチップ実装用基板と該ICチップ実装用基板を実装する面との間に外部に開放した隙間が存在しておらず、光信号伝送用光路内にゴミや異物等が入り込むことがなく、そのため、このゴミ等の存在に起因して、光信号の伝送が阻害されることもない。
従って、第四の本発明の光通信用デバイスは、信頼性に優れることとなる。
なお、第四の本発明の光通信用デバイスは、第三の本発明の光通信用デバイスと比べて、ICチップ実装用基板封止層に代えて、ICチップ実装用基板全体を覆うようにキャップ部材が取り付けられている点で第三の本発明の光通信用デバイスとは異なるものの、その他の構成は、第三の本発明の光通信用デバイスと同様である。従って、ここでは、キャップ部材についてのみ詳細に説明することとする。
図9は、第四の本発明の光通信用デバイスの一実施形態を模式的に示す断面図である。
図9には、マザーボード用基板920に、受光素子2939が実装されたICチップ実装用基板2920と発光素子1938が実装されたICチップ実装用基板1920とが実装された光通信用デバイス960が示されている。なお、ICチップ実装用基板1920、2920としては、ICチップが実装された状態の第二の本発明のICチップ実装用基板が実装されている。
また、マザーボード用基板920の構造は、既に説明したマザーボード用基板720の構造と同一である。従って、ここでは、その説明を省略する。
ICチップ実装用基板1920は、基板1921の両面に導体回路1924と絶縁層1922とが積層形成され、基板1921を挟んだ導体回路間、および、絶縁層1922を挟んだ導体回路間は、それぞれ、スルーホール(図示せず)およびバイアホール1927により電気的に接続されている。また、最外層にはソルダーレジスト層1934が形成されている。
このICチップ実装用基板1920では、基板1921、絶縁層1922およびソルダーレジスト層1934を貫通するように光信号伝送用光路1942が設けられている。 この光信号伝送用光路1942には、基板1921および絶縁層1922を貫通する部分に樹脂組成物1947が充填されている。また、樹脂組成物1947の発光素子1938が実装された側およびその反対側の端部であって、光信号伝送用光路1942のソルダーレジスト層を貫通する部分のそれぞれには、マイクロレンズ1949、1946が配設されている。
ICチップ実装用基板1920の一の面には、発光部1938aが光信号伝送用光路1942に対向するように、発光素子1938が半田接続部1944を介して表面実装されている。
ICチップ実装用基板1920では、一の面のソルダーレジスト層上に、発光素子1938を覆うように、キャップ部材1918が、接着剤1919を介して取り付けられている。また、図示していないが、ICチップ実装用基板1920の発光素子1938が実装された側と同じ側の面には、ICチップが半田接続部を介して表面実装されている。
また、ICチップ実装用基板2920は、基板2921の両面に導体回路2924と絶縁層2922とが積層形成され、基板2921を挟んだ導体回路間、および、絶縁層2922を挟んだ導体回路間は、それぞれ、スルーホール(図示せず)およびバイアホール2927により電気的に接続されている。また、最外層にはソルダーレジスト層2934が形成されている。
このICチップ実装用基板2920では、基板2921、絶縁層2922およびソルダーレジスト層2934を貫通するように、光信号伝送用光路2942が設けられている。
この光信号伝送用光路2942には、基板2921および絶縁層2922を貫通する部分に樹脂組成物2947が充填されている。また、樹脂組成物2947の受光素子2939が実装された側およびその反対側の端部であって、光信号伝送用光路2942のソルダーレジスト層2934を貫通する部分のそれぞれには、マイクロレンズ2949、2946が配設されている。
ICチップ実装用基板2920の一の面には、受光部2939aが光信号伝送用光路2942に対向するように、受光素子2939が半田接続部2944を介して表面実装されている。
そして、ICチップ実装用基板2920では、一の面のソルダーレジスト層上に、発光素子2938を覆うように、キャップ部材2918が、接着剤2919を介して取り付けられている。また、図示していないが、ICチップ実装用基板2920の発光素子2938が実装された側と同じ側の面には、ICチップが半田接続部を介して表面実装されている。
なお、マザーボード用基板920の構成は、マザーボード用基板720の構成と同一である。
光通信用デバイス960では、マザーボード用基板920の光導波路950が形成された側と反対側の面に、ICチップ実装用基板1920、2920が半田接続部1943、2943を介して実装されている。ここで、ICチップ実装用基板1920、2920のそれぞれは、セルフアライメント作用により所定の位置に実装されている。
さらに、一の面のソルダーレジスト層734上には、ICチップ実装用基板1920、2920のそれぞれを覆うようにキャップ部材918が接着剤919を介して取り付けられている。ICチップ実装用基板1920、2920のそれぞれに形成された光信号伝送用光路1942、2942の直下には、空隙部が形成されている。
このようにキャップ部材918が取り付けられることにより、ICチップ実装用基板19 20、2920に形成された光信号伝送用光路や、マザーボード用基板に形成された光信号伝送用光路742内に、ゴミや異物等が入り込むことがなく、該ゴミや異物等により光信号の伝送が阻害されることもない。
このような構成からなる光通信用デバイス960では、ICチップ実装用基板1920に実装されたICチップ(図示せず)からの電気信号が、発光素子1938で光信号に変換され、発光素子1938(発光部1938a)から出射した光信号は、マイクロレンズ1949、光信号伝送用光路1942、マイクロレンズ1946、マイクロレンズ946a、光信号伝送用光路942、光導波路950、光信号伝送用光路942、マイクロレンズ946b、マイクロレンズ946、光信号伝送用光路2942およびマイクロレンズ2949を介して受光素子2939(受光部2939a)に伝送され、さらに受光素子2939で電気信号に変換された後、ICチップ実装用基板2920に実装されたICチップ(図示せず)に伝送され、処理されることとなる。
このような光通信用デバイスでは、樹脂組成物の端部に配設されたマイクロレンズを介して、光信号が伝送されることとなるため、確実に光信号を伝送することができる。
上記キャップ部材の材質、形状等としては特に限定されず、その材質としては、例えば、セラミック、樹脂、金属、ガラス等が挙げられ、これらのなかでは樹脂が望ましい。また、キャップ部材の形状は、断面コの字形状等の上記光学素子を覆うことができる形状であればよい。具体例としては、例えば、シーラント付きセラミックキャップや、接着剤付き樹脂キャップ等が挙げられる。
なお、樹脂製のキャップ部材の作製は、板状の材料基板にザグリ加工を施し、さらに、ダイシング加工を施すことにより作製することができる。また、キャップ部材の外側上面には金属めっき(Ni/Auめっき)を施してもよい。信頼性の向上を図ることができるからである。
図9に示した光通信用デバイスでは、キャップ部材が接着剤(樹脂)を介してソルダーレジスト層に取り付けられているが、第四の本発明の光通信用デバイスにおいては、キャップ部材は、半田を介してソルダーレジスト層が形成されていない部分に取り付けられていてもよい。但し、半田を介してキャップ部材を取り付ける場合には、最外層にパッドが必要となることから、導体回路の設計に制約が加えられ、さらに、半田シールドのための工程が別途必要となることから、キャップ部材は、接着剤(樹脂)を介して取り付けることが望ましい。なお、接着剤(樹脂)を介してキャップ部材を取り付ける場合も、半田を介して取り付ける場合と同等の信頼性を得ることができる。
また、図9に示した光通信用デバイスでは、実装されたICチップ実装用基板のそれぞれを別々に覆うようにキャップ部材が取り付けられているが、第四の本発明の光通信用デバイスにおいては、キャップ部材を取り付けた実施形態は、このような形態に限定されない。
具体的には、複数のICチップ実装用基板の全てが、1つのキャップ部材で覆われるように、キャップ部材が取り付けられていてもよい。また、マザーボード用基板に実装されるICチップ実装用基板以外の各種表面実装も同時に覆うようにキャップ部材が取り付けられていてもよい。
また、図9に示した光通信用デバイスでは、ICチップ実装用基板として、光学素子を覆うようにキャップ部材がとりつけられた第二の本発明のICチップ実装用基板が実装されているが、第四の本発明の光通信用デバイスにおいて、マザーボード用基板に実装されるICチップ実装用基板は、第二の本発明のICチップ実装用基板に限定されるわけではなく、光学素子の外周に接するように光学素子封止層が形成された第一の本発明のICチップ実装用基板であってもよいし、第三の実施形態のICチップ実装用基板であってもよい 。
さらには、従来公知の光学素子封止層の形成も、キャップ部材の取り付けもされていないICチップ実装用基板であってもよい。即ち、光学素子が実装されたICチップ実装用基板の全体を一のキャップ部材で覆う構成であってもよいのである。
通常、光学素子に隣接させて接続する駆動ICは、光学素子にできるだけ近い位置に実装することが望ましく、また、ICチップ実装用基板にはその他、抵抗やコンデンサ等も実装する必要がある。さらに、ICチップ実装用基板の小型化も要求されている。これらの点も考慮した場合、光学素子のみをキャップ部材で覆い、さらにICチップ実装用基板を、再度キャップ部材で覆うよりも、光学素子をキャップ部材で覆うことなく、ICチップ実装用基板の全体を一のキャップ部材で覆う構成のほうが望ましいことがある。
なお、上述したように光通信用デバイスを構成するキャップ部材以外の構成部材は、第三の本発明の光通信用デバイスの構成部材と同一であるため、その説明を省略することとする。
ここまで、説明してきた第四の本発明の光通信用デバイスは、基板や絶縁層が樹脂材料から構成されたものである。
しかしながら、基板や絶縁層等が樹脂以外の材料、例えば、ガラスやセラミック等から構成されている場合も、第四の本発明と同様の効果を得ることができる。
すなわち、ガラスやセラミックからなる配線板に、光学素子が実装されたICチップ実装用基板が、ガラスやセラミックからなる配線板に、光導波路が形成されたマザーボード用基板実装され、少なくともこのICチップ実装用基板を覆うように、キャップ部材が取り付けられた光通信用デバイスにおいても、上述した第四の本発明の光通信用デバイスと同様の効果を得ることができる。なお、ICチップ実装用基板とマザーボード用基板とのいずれかのみが、ガラスやセラミック等から構成されている場合も同様である。
次に、第四の本発明の光通信用デバイスを製造する方法について説明する。
第三の本発明の光通信用デバイスを製造する工程において、ICチップ実装用基板封止層の形成を行わず、下記の方法を用いて、マザーボード用基板に実装したICチップ実装用基板を覆うように、キャップ部材を取り付ける以外は、第三の本発明の光通信用デバイスを製造する方法と略同様の方法を用いて製造することができる。
上記キャップ部材を上記ICチップ実装用基板を覆うように取り付ける方法としては、例えば、予めキャップ部材の所定の部分またはマザーボード用基板の表面の所定の部分に未硬化の樹脂組成物を塗布した後、この未硬化の樹脂組成物をBステージまで硬化することによりキャップ部材を仮固定し、その後、キャップ部材に重りを載せたり、キャップ部材をクリップ等の治具で固定したりすることにより1〜1000g/cmの荷重をかけ、この状態でオーブンで樹脂組成物の硬化を行うことによりキャップ部材を取り付けることができる。
また、予めキャップ部材の所定の部分またはソルダーレジスト層の所定の部分にBステージの樹脂フィルムを張り付け後、この樹脂フィルムに熱をかけて硬化することによりキャップ部材を仮固定し、その後、キャップ部材に重りを載せたり、キャップ部材をクリップ等の治具で固定したりすることにより1〜1000g/cmの荷重をかけ、この状態でオーブンで樹脂フィルムの硬化を行うことによりキャップ部材を取り付けることもできる。
また、予めキャップ部材の所定の部分または最外層の絶縁層上の所定の部分に半田ペーストを塗布しておき、キャップ部材を所定の位置に配置し、さらにリフロー処理を施すことによりキャップ部材を取り付ける方法を用いることもできる。
また、このような方法を用いて、キャップ部材を取り付ける場合には、1個のICチップ実装用基板のみを覆うようにキャップ部材を取り付けてもよいし、複数のICチップ実装用基板を一体的に覆うようにキャップ部材を取り付けてもよいし、場合によっては、1個または複数個のICチップ実装用基板と他の表面実装部品とを一体的に覆うようにキャップ部材を取り付けてもよい。
また、キャップ部材を取り付ける際に用いる接着剤は、信頼性の観点から硬化時に広がらないものが望ましい。従って、第三の本発明の光通信用デバイスにおいて、ICチップ実装用基板封止層を形成する際に用いる樹脂と同様の特性を有する樹脂組成物を用いることが望ましい。
また、第四の本発明の光通信用デバイスの製造において、キャップ部材の内部に位置するICチップ実装用基板や各種表面実装部品を半田バンプを介して実装する場合には、上記ICチップ実装用基板等を実装した後、フラックス洗浄を行うことが望ましい。ICチップ実装用基板等を実装後、フラックス洗浄を行わなかった場合には、光通信用デバイス製造後、フラックス成分が固化して剥れ、光信号伝送用光路内に異物として入り込んでしまい、光信号の伝送損失が増加したり、光信号を伝送することができなくなってしまったりすることがあるからである。
このような方法を用いることにより、第四の本発明のICチップ実装用基板を製造することができる。
また、第四の本発明の光通信用デバイスを構成するキャップ部材を取り付ける代わりに、ICチップ実装用基板の下面(マザーボード用基板に対向する側の面)にダム枠を形成しておき、このダム枠が形成されたICチップ実装用基板がマザーボード用基板に実装された光通信用デバイスもまた、第四の本発明の光通信用デバイスと同様の効果を有することとなる。
すなわち、基板の少なくとも片面に導体回路と絶縁層とが積層形成されるとともに、光導波路が形成され、さらに、光信号伝送用光路が形成されたマザーボード用基板に、光学素子を実装したICチップ実装用基板が実装された光通信用デバイスであって、
上記ICチップ実装用基板の下面にダム枠が形成されている光通信用デバイスもまた、第四の本発明の光通信用デバイスと同様、光信号伝送用光路内にゴミや異物等が入り込むことがなく、そのため、このゴミ等の存在に起因して、光信号の伝送が阻害されることもない。したがって、このような構成の光通信用デバイスもまた、信頼性に優れることとなる。
このような構成の光通信用デバイスは、下記の方法により製造することができる。
すわわち、まず、ICチップ実装用基板を製造後、その下面に接着剤を介して、ガラス−エポキシ樹脂等を材料とするダム枠を張り付けておき、次に、このダム枠つきICチップ実装用基板をマザーボード用基板に実装した後、フラックス洗浄を行ってから、上記ダム枠を樹脂封止することにより形成することができる。
ここで、樹脂封止は、ダム枠の周囲にディスペンサーで樹脂を塗布した後、この樹脂Bステージにまで硬化し、その後、ICチップ実装用基板の上側から荷重を加えながら、樹脂を本硬化させる方法等を用いることができる。
また、ICチップ実装用基板の実装方法としては、例えば、クリーム半田印刷、ボンドフラックスを使用したリフローによる実装、高精度フリップチップ実装機を用いたヒートツール方法による実装等が挙げられる。
なお、リフロー方法による実装では、フラックス洗浄が必要になるの対し、ヒートツール方法による実装では、フラックスレス実装が可能であるため、フラックスにより光信号の伝送性が阻害されることがなく、ICチップ実装用基板の実装とダムの封止を同時に行う ことができる点で好ましい。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
A.絶縁層用樹脂フィルムの作製
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量469、油化シェルエポキシ社製エピコート1001)30重量部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量215、大日本インキ化学工業社製 エピクロンN−673)40重量部、トリアジン構造含有フェノールノボラック樹脂(フェノール性水酸基当量120、大日本インキ化学工業社製
フェノライトKA−7052)30重量部をエチルジグリコールアセテート20重量部、ソルベントナフサ20重量部に攪拌しながら加熱溶解させ、そこへ末端エポキシ化ポリブタジエンゴム(ナガセ化成工業社製 デナレックスR−45EPT)15重量部と2−フェニル−4、5−ビス(ヒドロキシメチル)イミダゾール粉砕品1.5重量部、微粉砕シリカ2重量部、シリコーン系消泡剤0.5重量部を添加しエポキシ樹脂組成物を調製した。
得られたエポキシ樹脂組成物を厚さ38μmのPETフィルム上に乾燥後の厚さが50μmとなるようにロールコーターを用いて塗布した後、80〜120℃で10分間乾燥させることにより、絶縁層用樹脂フィルムを作製した。
B.貫通孔充填用樹脂組成物の調製
ビスフェノールF型エポキシモノマー(油化シェル社製、分子量:310、YL983U)100重量部、表面にシランカップリング剤がコーティングされた平均粒径が1.6μmで、最大粒子の直径が15μm以下のSiO球状粒子(アドテック社製、CRS 1101−CE)170重量部およびレベリング剤(サンノプコ社製 ペレノールS4)1.5重量部を容器にとり、攪拌混合することにより、その粘度が23±1℃で45〜49Pa・sの樹脂充填材を調製した。なお、硬化剤として、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、2E4MZ−CN)6.5重量部を用いた。
C.ICチップ実装用基板の製造
(1)厚さ0.8mmのガラスエポキシ樹脂またはBT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる絶縁性基板21の両面に18μmの銅箔28がラミネートされている銅張積層板を出発材料とした(図10(a)参照)。まず、この銅張積層板をドリル削孔し、無電解めっき処理を施し、パターン状にエッチングすることにより、基板21の両面に導体回路24とスルーホール29とを形成した。
(2)スルーホール29と導体回路24とを形成した基板を水洗いし、乾燥した後、NaOH(10g/l)、NaClO(40g/l)、NaPO(6g/l)を含む水溶液を黒化浴(酸化浴)とする黒化処理、および、NaOH(10g/l)、NaBH(6g/l)を含む水溶液を還元浴とする還元処理を行い、スルーホール29を含む導体回路24の表面に粗化面(図示せず)を形成した(図10(b)参照)。
(3)上記Bに記載した樹脂充填材を調製した後、下記の方法により調製後24時間以内に、スルーホール29内および基板21の片面の導体回路非形成部と導体回路24の外縁部とに樹脂充填材30′の層を形成した。
すなわち、まず、スキージを用いてスルーホール内に樹脂充填材を押し込んだ後、100℃、20分の条件で乾燥させた。次に、導体回路非形成部に相当する部分が開口したマスクを基板上に載置し、スキージを用いて凹部となっている導体回路非形成部にも樹脂充填材を充填し、100℃、20分の条件で乾燥させることにより樹脂充填材30′の層を形成した(図10(c)参照)。
(4)上記(3)の処理を終えた基板の片面を、♯600のベルト研磨紙(三共理化学社製)を用いたベルトサンダー研磨により、導体回路24の表面やスルーホール29のランド表面に樹脂充填材30′が残らないように研磨し、次いで、上記ベルトサンダー研磨による傷を取り除くためのバフ研磨を行った。このような一連の研磨を基板の他方の面についても同様に行った。
次いで、100℃で1時間、120℃で3時間、150℃で1時間、180℃で7時間の加熱処理を行って樹脂充填材層30を形成した。
このようにして、スルーホール29や導体回路非形成部に形成された樹脂充填材30の表層部および導体回路24の表面を平坦化し、樹脂充填材30と導体回路24の側面とが粗化面(図示せず)を介して強固に密着し、また、スルーホール29の内壁面と樹脂充填材30とが粗化面(図示せず)を介して強固に密着した絶縁性基板を得た(図10(d)参照)。この工程により、樹脂充填材層30の表面と導体回路24の表面とが同一平面となる。
(5)上記基板を水洗、酸性脱脂した後、ソフトエッチングし、次いで、エッチング液を基板の両面にスプレーで吹き付けて、導体回路24の表面とスルーホール29のランド表面と内壁とをエッチングすることにより、導体回路24の全表面に粗化面(図示せず)を形成した。エッチング液として、イミダゾール銅(II)錯体10重量部、グリコール酸7重量部、塩化カリウム5重量部を含むエッチング液(メック社製、メックエッチボンド)を使用した。
(6)次に、上記Aで作製した基板より少し大きめの絶縁層用樹脂フィルムを基板上に載置し、圧力0.4MPa、温度80℃、圧着時間10秒の条件で仮圧着して裁断した後、さらに、以下の方法により真空ラミネータ装置を用いて貼り付けることにより絶縁層22を形成した(図10(e)参照)。
すなわち、絶縁層用樹脂フィルムを基板上に、真空度65Pa、圧力0.4MPa、温度80℃、時間60秒の条件で本圧着し、その後、170℃で30分間熱硬化させた。
(7)次に、絶縁層22上に、厚さ1.2mmの貫通孔が形成されたマスクを介して、波長10.4μmのCOガスレーザにて、ビーム径4.0mm、トップハットモード、パルス幅8.0μ秒、マスクの貫通孔の径1.0mm、1ショットの条件で絶縁層22に、直径80μmのバイアホール用開口26を形成した(図11(a)参照)。
(8)バイアホール用開口26を形成した基板を、60g/lの過マンガン酸を含む80℃の溶液に10分間浸漬し、絶縁層22の表面に存在するエポキシ樹脂粒子を溶解除去することにより、バイアホール用開口26の内壁面を含むその表面に粗化面(図示せず)を形成した。
(9)次に、上記処理を終えた基板を、中和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いした。
さらに、粗面化処理(粗化深さ3μm)した該基板の表面に、パラジウム触媒を付与することにより、絶縁層22の表面(バイアホール用開口26の内壁面を含む)に触媒核を付着させた(図示せず)。すなわち、上記基板を塩化パラジウム(PdCl)と塩化第一スズ(SnCl)とを含む触媒液中に浸漬し、パラジウム金属を析出させることにより触媒を付与した。
(10)次に、以下の組成の無電解銅めっき水溶液中に、基板を浸漬し、絶縁層22の表面(バイアホール用開口26の内壁面を含む)に厚さ0.6〜3.0μmの薄膜導体層( 無電解銅めっき膜)32を形成した(図11(b)参照)。
〔無電解めっき水溶液〕
NiSO 0.003 mol/l
酒石酸 0.200 mol/l
硫酸銅 0.030 mol/l
HCHO 0.050 mol/l
NaOH 0.100 mol/l
α、α′−ビピリジル 100 mg/l
ポリエチレングリコール(PEG) 0.10 g/l
〔無電解めっき条件〕
30℃の液温度で40分
(11)次に、薄膜導体層(無電解銅めっき膜)32が形成された基板に市販の感光性ドライフィルムを張り付け、マスクを載置して、100mJ/cmで露光し、0.8%炭酸ナトリウム水溶液で現像処理することにより、厚さ20μmのめっきレジスト23を設けた(図11(c)参照)。
(12)ついで、基板を50℃の水で洗浄して脱脂し、25℃の水で水洗後、さらに硫酸で洗浄してから、以下の条件で電解めっきを施し、めっきレジスト23非形成部に、厚さ20μmの電解銅めっき膜33を形成した(図11(d)参照)。
〔電解めっき液〕
硫酸 2.24 mol/l
硫酸銅 0.26 mol/l
添加剤 19.5 ml/l
(アトテックジャパン社製、カパラシドHL)
〔電解めっき条件〕
電流密度 1 A/dm
時間 65 分
温度 22±2 ℃
(13)さらに、めっきレジスト23を5%NaOHで剥離除去した後、そのめっきレジスト23下の薄膜導体層を硫酸と過酸化水素との混合液でエッチング処理して溶解除去し、薄膜導体層(無電解銅めっき膜)32と電解銅めっき膜33とからなる厚さ18μmの導体回路24(バイアホール27を含む)を形成した(図12(a)参照)。
(14)さらに、上記(5)の工程で用いたエッチング液と同様のエッチング液を用いて、導体回路24の表面に粗化面(図示せず)を形成し、次いで、上記(6)〜(8)の工程と同様にしてバイアホール用開口26を有し、その表面に粗化面(図示せず)が形成された絶縁層22を積層形成した(図12(b)参照)。
その後、直径350μmのドリルを用いて、基板21および絶縁層22を貫通する貫通孔46を形成し、さらに、貫通孔46の壁面にデスミア処理を施した(図12(c)参照)。
(15)次に、上記(9)の工程で用いた方法と同様の方法で、貫通孔46の壁面および絶縁層22の表面に触媒を付与し、さらに、上記(10)の工程で用いた無電解めっき液と同様の無電解銅めっき水溶液中に、基板を浸漬し、絶縁層22の表面(バイアホール用開口26の内壁面を含む)、および、貫通孔46の壁面に薄膜導体層(無電解銅めっき膜)32を形成した(図13(a)参照)。
(16)次に、上記(11)の工程で用いた方法と同様の方法で、めっきレジスト23を 設け、さらに、上記(12)の工程で用いた方法と同様の方法で、めっきレジスト23非形成部に、厚さ20μmの電解銅めっき膜33を形成した(図13(b)参照)。
(17)次に、上記(13)の工程で用いた方法と同様の方法で、めっきレジスト23の剥離と、めっきレジスト23下の薄膜導体層の除去とを行い、導体回路24(バイアホール27を含む)および導体層45を形成した。
さらに、上記(2)の工程で用いた方法と同様の方法で、酸化還元処理を行い、導体回路24の表面および導体層45の表面を粗化面(図示せず)とした(図13(c)参照)。
(18)次に、樹脂組成物を印刷機の穴埋めマスク上に載せて、スクリーン印刷を行うことにより、光路用貫通孔内に樹脂を充填した後、120℃で1時間および150℃で1時間の条件で硬化処理を施し、その後、光路用貫通孔81内から飛び出している樹脂を、♯3000研磨紙を用いて研磨し、さらに、0.05μmのアルミナ粒子を用いて研磨して表面を平坦化することにより、樹脂組成物層47を形成した。
この工程で、樹脂組成物としては、エポキシ樹脂(透過率91%/mm、CTE82ppm)に0.1〜0.8μmの粒度分布を有する粉砕シリカを40重量%添加して、透過率82%/mm、CTE42ppmとし、粒度200000cpsに調整したものを用いた(図14(a)参照)。
(19)次に、樹脂組成物層47を形成した基板の両面に、ソルダーレジスト組成物(RPZ−1 日立化成社製)を30μmの厚さで塗布し、70℃で20分間、70℃で30分間の条件で乾燥処理を行い、ソルダーレジスト組成物の層34′を形成した。(図14(b)参照)。
(20)次いで、半田バンプ形成用開口および光路用開口のパターンが描画された厚さ5mmのフォトマスクをICチップ実装側のソルダーレジスト組成物の層34′に密着させて1000mJ/cmの紫外線で露光し、DMTG溶液で現像処理し、直径200μmの開口を形成した。
さらに、80℃で1時間、100℃で1時間、120℃で1時間、150℃で3時間の条件でそれぞれ加熱処理を行ってソルダーレジスト組成物の層を硬化させ、半田バンプ形成用開口47、および、光路用開口42bを有し、その厚さが20μmのソルダーレジスト層34を形成した(図15(a)参照)。
なお、上記ソルダーレジスト組成物としては、市販のソルダーレジスト組成物を使用することもできる。
(21)次に、ソルダーレジスト層34を形成した基板を、塩化ニッケル(2.3×10−1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(2.8×10−1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.6×10−1mol/l)を含むpH=4.5の無電解ニッケルめっき液に20分間浸漬して、半田バンプ形成用開口47に厚さ5μmのニッケルめっき層を形成した。さらに、その基板をシアン化金カリウム(7.6×10−3mol/l)、塩化アンモニウム(1.9×10−1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.2×10−1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(1.7×10−1mol/l)を含む無電解金めっき液に80℃の条件で7.5分間浸漬して、ニッケルめっき層上に、厚さ0.03μmの金めっき層を形成し、半田パッド36とした。
(22)次に、マイクロレンズを配設する側のソルダーレジスト層の表面全体にフッ素系ポリマーの撥水コート剤(EGC−1700 住友3M社製)をスプレー塗布し、エアーブローを行った後、自然乾燥させることにより表面処理を施した。
さらに、樹脂組成物層47の光学素子を実装する側と反対側の端部であって、ソルダーレジスト層34に形成した光路用開口内にインクジェット装置を用いて、下記の方法により マイクロレンズ46を配設した。
すなわち、UV硬化型エポキシ系樹脂(透過率94%/mm、屈折率1.53)を室温(25℃)で、粘度20cpsに調製した後、この樹脂をインクジョット装置の樹脂容器内で、温度40℃、粘度は8cpsに調製し、その後、樹脂組成物層47の端部の所定の位置に、直径220μm、サグ高さ10μmの半球状となるように塗布し、さらに、UV光(500mW/分)を照射させて樹脂を硬化させることにより、マイクロレンズ46を配設した。
(23)次に、ソルダーレジスト層34に形成した半田バンプ形成用開口47に半田ペーストを印刷し、さらに、受光素子39および発光素子38の受光部38aおよび発光部39aの位置合わせを行いながら取り付け、200℃でリフローすることにより、受光素子39および発光素子38を実装するとともに、半田バンプ形成用開口47に半田バンプ37を形成した(図15(b)参照)。
なお、発光素子38としては、フリップチップ型VCSELを用い、受光素子39としては、フリップチップ型PINPDを用いた。
(24)次に、受光素子39および発光素子38のそれぞれの外周に接するように、下記の方法を用いて光学素子封止層を形成し、ICチップ実装用基板を製造した(図16参照)。
すなわち、エポキシ系樹脂に、粒度分布1〜100μm、平均粒子径25μmの球状シリカを75重量%添加して、CTE20ppm、粘度250Pa・s、チキソ比1.7の樹脂組成物を、ボッティングにより受光素子39および発光素子38のそれぞれの外周に接するように塗布した後、150℃で2時間の条件で硬化処理を施すことにより、光学素子封止層を形成した。
なお、本実施例で製造したICチップ実装用基板は、光学素子の底面とソルダーレジスト層の表面との距離は、50μmである。
また、本実施例のICチップ実装用基板において、光信号伝送用光路の光学素子に接する部分には、空隙部が形成されている。従って、光信号伝送用光路の光学素子に接する部分には、光学素子封止層が形成されていない。
(実施例2)
実施例1の(22)の工程の後、(23)の工程を行う前に、下記の方法で、ソルダーレジスト層上の所定の位置(後に形成する光学素子封止層の周囲)に、未硬化の光学素子封止用樹脂の流れを止めるためのダムを形成し、その後、市販のアンダーフィル用樹脂(九州松下電器社製、CCN800D)をディスペンサーで光学素子の周囲に塗布し、その後、硬化処理を施すことにより光学素子封止層を形成した以外は、実施例1と同様にしてICチップ実装用基板を製造した。
ダムの形成は、エポキシ樹脂をシルク印刷し、その後、硬化処理を施すことにより行った。
(実施例3)
実施例1の(24)の工程を行わず、(23)の工程までを行った後、下記の方法を用いて、受光素子および発光素子のそれぞれを覆うようなキャップ部材を取り付けた以外は、実施例1と同様にしてICチップ実装用基板を製造した。
まず、両面銅張ガラスエポキシ基板の片側を全面エッチングした後、銅側に電解Ni/Au層(Ni5μm、Au0.5μmを行い、基材面をザクリ加工した後、ダイシング加工を行うことにより、キャップ部材を作製した。
次に、キャップ部材を取り付ける位置に、エポキシ樹脂に粒度分布1〜30μm、平均粒子径4μmの球状シリカが70重量%添加された樹脂組成物(粘度200Pa・s、チキ ソ比1.8、CTE30ppm)をディスペンサーで塗布しておき、Bステージまでオーブンで硬化させた。
その後、上記キャップ部材をフリップチップ実装機で基板上に位置合わせを行いながら仮固定し、その上記キャップ部材に2g/mmの重しを載せて、オーブンで樹脂組成物を硬化することによりキャップ部材を取り付けた。
(比較例1)
実施例1の(24)の工程、即ち、光学素子封止層の形成を行わなかった以外は、実施例1と同様にしてICチップ実装用基板を製造した。
実施例および比較例に係るICチップ実装用基板について、下記の方法により、その光信号伝送能を評価した。
まず、ICチップ実装用基板にICチップを実装し(図16参照)、その後、ICチップ実装用基板の光信号伝送用光路の発光素子実装側と反対側の端部に検出器を取り付け、発光素子から光信号を発信し、検出器で光信号を検出した。その結果、所望の光信号を検出することができた。
次に、ICチップを実装した実施例および比較例に係るICチップ実装用基板を、比較的ゴミが発生する環境に放置した後、箱に入れて運搬した。その後、上述した方法を用いて、ICチップ実装用基板の光信号伝送能を評価した。その結果、実施例に係るICチップ実装用基板では、ゴミが発生する環境に放置する前と同様、光信号を伝送することができた。一方、比較例にかかるICチップ実装用基板では、光信号を伝送することができないものがあった。これは、光信号伝送用光路内にゴミが侵入してしまったからだと考えられる。
また、実施例3において、樹脂材料からなるキャップ部材に代えてセラミックからなるキャップ部材を用いた場合、および、キャップ部材を接着剤に代えて半田を介して取り付けた場合にも実施例3と同様の結果が得られた。なお、ここでは半田を介してキャップ部材を取り付けるために、予め、最外層の絶縁層上にパッドを形成しておくとともに、この部分には、ソルダーレジスト層を形成しなかった。
また、実施例1〜3に係るICチップ実装用基板では、光学素子として、1チャンネルの発光素子および受光素子がそれぞれ実装されているが、これらの光学素子に代えて4チャンネルの発光素子及び受光素子を実装し、これに応じて、光信号伝送用光路の断面の大きさを大きくしたICチップ実装用基板においても同様の結果が得られた。
また、第一の本発明のICチップ実装用基板では、光学素子とソルダーレジスト層との間に空隙部が存在しえるため、この空隙部に存在する空気が熱膨張することにより半田接続部や光学素子封止層等にクラックが発生することが懸念される。そこで、下記の試験例1〜5を行い、光学素子封止層を形成する部位の違いによる影響を、液相温度サイクル試験後の光導波路や半田接続部、ソルダーレジスト層、絶縁層等でのクラックの発生の有無を指標に評価した。
(試験例1)
基本的には、実施例1と同様の方法によりICチップ実装用基板を製造した。但し、光学素子封止層を形成する際に、半田バンプの外側にのみ封止樹脂層が存在するように光学素子封止層を形成した。
(試験例2)
基本的には、実施例1と同様の方法によりICチップ実装用基板を製造した。但し、光学素子封止層を形成する際に、半田バンプの内側にも封止樹脂層が存在し、半田バンプが封 止樹脂層に埋まる状態になるように光学素子封止層を形成した。
(試験例3)
基本的には、実施例1と同様の方法によりICチップ実装用基板を製造した。但し、光学素子封止層を形成する際に、半田バンプの内側にも封止樹脂層が存在し、半田バンプが封止樹脂層に埋まる状態になっている部分と、半田バンプの外側にのみ封止樹脂層が形成されている部分とが混在するように光学素子封止層を形成した。
(試験例4)
比較例1と同様の方法によりICチップ実装用基板を製造した。すなわち、光学素子封止層を形成しなかった。
(試験例5)
基本的には、実施例1と同様の方法によりICチップ実装用基板を製造した。但し、光学素子封止層に代えて、光学素子とソルダーレジスト層との間全体にアンダーフィルを形成した。
これらの試験例1〜5に係るICチップ実装用基板について、−55℃で3分、および、125℃で3分を1サイクルとする液相温度サイクル試験を、それぞれ5個のICチップ実装用基板について、0サイクル、250サイクル、500サイクルおよび1000サイクルずつ行い、その後、ICチップ実装用基板をクロスカットし、さらに、半田接続部断面、封止樹脂層断面、基板断面、絶縁層断面、ソルダーレジスト層断面、および、光学素子断面において、クラックが発生しているか否かを顕微鏡観察した。
その結果、いずれのICチップ実装用基板においてもクラックは観察されなかった。
このことから、第一の本発明のICチップ実装用基板においては、光学素子封止層を形成することにより、光学素子とソルダーレジスト層との間(光信号伝送用光路の光学素子と接する部分)に空隙部が形成されていても、ICチップ実装用基板に悪影響をおよぼすことがないことが明らかとなった。
(実施例4)
A.絶縁層用樹脂フィルムの作製
実施例1のAの工程と同様にして絶縁層用樹脂フィルムを作製した。
B.貫通孔充填用樹脂組成物の調整
実施例1のBの工程と同様にして貫通孔充填用樹脂組成物を調整した。
C.マザーボード用基板の製造
(1)厚さ0.8mmのガラスエポキシ樹脂またはBT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる絶縁性基板71の両面に18μmの銅箔78がラミネートされている銅張積層板を出発材料とした(図17(a)参照)。まず、この銅張積層板をドリル削孔し、無電解めっき処理を施し、パターン状にエッチングすることにより、基板71の両面に導体回路74とスルーホール79とを形成した。
(2)スルーホール79と導体回路74とを形成した基板を水洗いし、乾燥した後、NaOH(10g/l)、NaClO(40g/l)、NaPO(6g/l)を含む水溶液を黒化浴(酸化浴)とする黒化処理、および、NaOH(10g/l)、NaBH(6g/l)を含む水溶液を還元浴とする還元処理を行い、スルーホール79を含む導体回路74の表面に粗化面(図示せず)を形成した(図17(b)参照)。
(3)上記Bに記載した樹脂充填材を調製した後、下記の方法により調製後24時間以内 に、スルーホール79内および基板71の片面の導体回路非形成部と導体回路74の外縁部とに樹脂充填材80′の層を形成した。
すなわち、まず、スキージを用いてスルーホール内に樹脂充填材を押し込んだ後、100℃、20分の条件で乾燥させた。次に、導体回路非形成部に相当する部分が開口したマスクを基板上に載置し、スキージを用いて凹部となっている導体回路非形成部にも樹脂充填材を充填し、100℃、20分の条件で乾燥させることにより樹脂充填材80′の層を形成した(図17(c)参照)。
(4)上記(3)の処理を終えた基板の片面を、♯600のベルト研磨紙(三共理化学社製)を用いたベルトサンダー研磨により、導体回路74の表面やスルーホール79のランド表面に樹脂充填材80′が残らないように研磨し、次いで、上記ベルトサンダー研磨による傷を取り除くためのバフ研磨を行った。このような一連の研磨を基板の他方の面についても同様に行った。
次いで、100℃で1時間、120℃で3時間、150℃で1時間、180℃で7時間の加熱処理を行って樹脂充填材層80を形成した。
このようにして、スルーホール79や導体回路非形成部に形成された樹脂充填材80の表層部および導体回路74の表面を平坦化し、樹脂充填材80と導体回路74の側面とが粗化面(図示せず)を介して強固に密着し、また、スルーホール79の内壁面と樹脂充填材80とが粗化面(図示せず)を介して強固に密着した絶縁性基板を得た(図17(d)参照)。この工程により、樹脂充填材層80の表面と導体回路74の表面とが同一平面となる。
(5)上記基板を水洗、酸性脱脂した後、ソフトエッチングし、次いで、エッチング液を基板の両面にスプレーで吹き付けて、導体回路74の表面とスルーホール79のランド表面と内壁とをエッチングすることにより、導体回路74の全表面に粗化面(図示せず)を形成した。エッチング液として、イミダゾール銅(II)錯体10重量部、グリコール酸7重量部、塩化カリウム5重量部を含むエッチング液(メック社製、メックエッチボンド)を使用した。
(6)次に、上記Aで作製した基板より少し大きめの絶縁層用樹脂フィルムを基板上に載置し、圧力0.4MPa、温度80℃、圧着時間10秒の条件で仮圧着して裁断した後、さらに、以下の方法により真空ラミネータ装置を用いて貼り付けることにより絶縁層72を形成した(図17(e)参照)。
すなわち、絶縁層用樹脂フィルムを基板上に、真空度65Pa、圧力0.4MPa、温度80℃、時間60秒の条件で本圧着し、その後、170℃で30分間熱硬化させた。
(7)次に、絶縁層72上に、厚さ1.2mmの貫通孔が形成されたマスクを介して、波長10.4μmのCOガスレーザにて、ビーム径4.0mm、トップハットモード、パルス幅8.0μ秒、マスクの貫通孔の径1.0mm、1ショットの条件で絶縁層72に、直径80μmのバイアホール用開口76を形成した(図18(a)参照)。
(8)バイアホール用開口76を形成した基板を、60g/lの過マンガン酸を含む80℃の溶液に10分間浸漬し、絶縁層72の表面に存在するエポキシ樹脂粒子を溶解除去することにより、バイアホール用開口76の内壁面を含むその表面に粗化面(図示せず)を形成した。
(9)次に、上記処理を終えた基板を、中和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いした。
さらに、粗面化処理(粗化深さ3μm)した該基板の表面に、パラジウム触媒を付与する ことにより、絶縁層72の表面(バイアホール用開口76の内壁面を含む)に触媒核を付着させた(図示せず)。すなわち、上記基板を塩化パラジウム(PdCl)と塩化第一スズ(SnCl)とを含む触媒液中に浸漬し、パラジウム金属を析出させることにより触媒を付与した。
(10)次に、以下の組成の無電解銅めっき水溶液中に、基板を浸漬し、絶縁層72の表面(バイアホール用開口76の内壁面を含む)に厚さ0.6〜3.0μmの薄膜導体層(無電解銅めっき膜)72を形成した(図18(b)参照)。
〔無電解めっき水溶液〕
NiSO 0.003 mol/l
酒石酸 0.200 mol/l
硫酸銅 0.030 mol/l
HCHO 0.050 mol/l
NaOH 0.100 mol/l
α、α′−ビピリジル 100 mg/l
ポリエチレングリコール(PEG) 0.10 g/l
〔無電解めっき条件〕
30℃の液温度で40分
(11)次に、薄膜導体層(無電解銅めっき膜)82が形成された基板に市販の感光性ドライフィルムを張り付け、マスクを載置して、100mJ/cmで露光し、0.8%炭酸ナトリウム水溶液で現像処理することにより、厚さ20μmのめっきレジスト73を設けた(図18(c)参照)。
(12)ついで、基板を50℃の水で洗浄して脱脂し、25℃の水で水洗後、さらに硫酸で洗浄してから、以下の条件で電解めっきを施し、めっきレジスト73非形成部に、厚さ20μmの電解銅めっき膜83を形成した(図18(d)参照)。
〔電解めっき液〕
硫酸 2.24 mol/l
硫酸銅 0.26 mol/l
添加剤 19.5 ml/l
(アトテックジャパン社製、カパラシドHL)
〔電解めっき条件〕
電流密度 1 A/dm
時間 65 分
温度 22±2 ℃
(13)さらに、めっきレジスト73を5%NaOHで剥離除去した後、そのめっきレジスト73下の薄膜導体層を硫酸と過酸化水素との混合液でエッチング処理して溶解除去し、薄膜導体層(無電解銅めっき膜)82と電解銅めっき膜83とからなる厚さ18μmの導体回路74(バイアホール77を含む)を形成した(図19(a)参照)。
(14)さらに、上記(5)の工程で用いたエッチング液と同様のエッチング液を用いて、導体回路74の表面に粗化面(図示せず)を形成し、次いで、上記(6)〜(8)の工程と同様にしてバイアホール用開口76を有し、その表面に粗化面(図示せず)が形成された絶縁層72を積層形成した(図19(b)参照)。
その後、直径350μmのドリルを用いて、基板71および絶縁層72を貫通する貫通孔96を形成し、さらに、貫通孔96の壁面にデスミア処理を施した(図19(c)参照)。
(15)次に、上記(9)の工程で用いた方法と同様の方法で、貫通孔96の壁面および絶縁層72(バイアホール用開口76の内壁面を含む)の表面に触媒を付与し、さらに、上記(10)の工程で用いた無電解めっき液と同様の無電解銅めっき水溶液中に、基板を浸漬し、絶縁層72の表面(バイアホール用開口76の内壁面を含む)、および貫通孔96の壁面に薄膜導体層(無電解銅めっき膜)82を形成した(図20(a)参照)。
(16)次に、上記(11)の工程で用いた方法と同様の方法で、めっきレジスト73を設け、さらに、上記(12)の工程で用いた方法と同様の方法で、めっきレジスト73非形成部に、厚さ20μmの電解銅めっき膜83を形成した(図20(b)参照)。
(17)次に、上記(13)の工程で用いた方法と同様の方法で、めっきレジスト73の剥離と、めっきレジスト73下の薄膜導体層の除去とを行い、導体回路74(バイアホール77を含む)を形成した。
さらに、上記(2)の工程で用いた方法と同様の方法で、酸化還元処理を行い、導体回路74の表面および導体層95の表面を粗化面(図示せず)とした(図20(c)参照)。
(18)次に、樹脂を印刷機の穴埋めマスク上に載せて、スクリーン印刷を行うことにより光路用貫通孔81内に樹脂を充填した後、120℃で1時間および150℃で1時間の条件で硬化処理を施し、その後、光路用貫通孔81内から飛び出している樹脂を、♯3000研磨紙を用いて研磨し、さらに、0.05μmのアルミナ粒子を用いて研磨して表面を平坦化することにより、樹脂組成物層97を形成した。
この工程で樹脂としては、エポキシ樹脂(透過率91%/mm、CTE82ppm)に0.1〜0.8μmの粒度分布を有する粉砕シリカを40重量%して、透過率82%/mm、CTE42ppmとし、粘度を200000cpsに調整したをものを用いた。
(19)次に、内部に樹脂組成物層97が形成された光路用貫通孔96の端部に、下記の方法を用いて、光導波路50を形成した。
まず、コア形成用樹脂としてアクリル系樹脂(屈折率1.52、透過率94%/mm、CTE72ppm)を、クラッド形成用樹脂としてアクリル系樹脂(屈折率1.51、透過率93%/mm、CTE70ppm)に、0.1〜0.8μmの粒度分布を有する粉砕シリカを25重量%添加して透過率を81%/mm、CTEを53ppm、粘度を1000cpsとしたものを準備した。
次に、光路用貫通孔の端部に、スピンコータ(1000pm/10sec)を用いてクラッド形成用樹脂を塗布し、80℃で10分間のプリベーク、2000mJの露光処理、150℃で1時間のポストベークを行い、厚さ50μmの下部クラッドを形成した。
次に、下部クラッド52上に、スピンコータ(1200pm/10sec)を用いてコア形成用樹脂を塗布し、80℃で10分間のプリベーク、1000mJの露光処理、1%TMHを用いたディップによる2分間の現像処理、150℃で1時間のポストベークを行い、幅50μm×厚さ50μmのコア51を形成した。
次に、スピンコータ(1000pm/10sec)を用いてクラッド形成用樹脂を塗布し、80℃で10分間のプリベーク、2000mJの露光処理、150℃で1時間のポストベークを行い、コア上での厚さが50μmの上部クラッドを形成し、コア51とクラッド52とからなる光導波路50とした(図21(a)参照)。
その後、光導波路50の両端部に、90度の♯3000ブレードを用いたダイシング加工を施し、90度光路変換ミラーを形成した(図21(b)参照)。なお、このようにして形成した光路変換ミラーでの伝送損失は1.2dBであった。
(20)次に、基板の両面にソルダーレジスト組成物(RPZ−1 日立化成社製)を、硬化後の厚さが30μmとなるように塗布し、70℃で20分間、70℃で30分間の条 件で乾燥処理を行い、ソルダーレジスト組成物の層84′を形成した(図21(c)参照)。
(21)次いで、半田バンプ形成用開口および光路用開口のパターンが描画された厚さ5mmのフォトマスクを光導波路50が形成された側と反対側のソルダーレジスト組成物の層84′に密着させて1000mJ/cmの紫外線で露光し、DMTG溶液で現像処理し、開口を形成した。
ここで形成した光路用開口は、平面視形状が直径220μmの円である。
従って、この工程で形成したソルダーレジスト層は、光路用貫通孔と樹脂組成物との界面を覆うように形成されていることとなる。
さらに、80℃で1時間、100℃で1時間、120℃で1時間、150℃で3時間の条件でそれぞれ加熱処理を行ってソルダーレジスト組成物の層を硬化させ、半田バンプ形成用開口67、および、光路用開口を有し、その厚さが30μmのソルダーレジスト層84を形成した(図22(a)参照)。
(22)次に、ソルダーレジスト層84を形成した基板を、塩化ニッケル(2.3×10−1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(2.8×10−1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.6×10−1mol/l)を含むpH=4.5の無電解ニッケルめっき液に20分間浸漬して、半田バンプ形成用開口98に厚さ5μmのニッケルめっき層を形成した。さらに、その基板をシアン化金カリウム(7.6×10−3mol/l)、塩化アンモニウム(1.9×10−1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.2×10−1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(1.7×10−1mol/l)を含む無電解金めっき液に80℃の条件で7.5分間浸漬して、ニッケルめっき層上に、厚さ0.03μmの金めっき層を形成し、半田パッドとした。
(23)次に、マイクロレンズを配設する側のソルダーレジスト層の表面全体にフッ素系ポリマーの撥水コート剤(EGC−1700 住友3M社製)をスプレー塗布し、エアーブローを行った後、自然乾燥させることにより表面処理を施した。
さらに、樹脂組成物層97の光学素子を実装する側と反対側の端部であって、ソルダーレジスト層84に形成した光路用開口内にインクジェット装置を用いて、下記の方法によりマイクロレンズ96を配設した。
すなわち、UV硬化型エポキシ系樹脂(透過率94%/mm、屈折率1.53)を室温(25℃)で、粘度20cpsに調製した後、この樹脂をインクジョット装置の樹脂容器内で、温度40℃、粘度は8cpsに調製し、その後、樹脂組成物層97の端部の所定の位置に、直径220μm、サグ高さ10μmの半球状となるように塗布し、さらに、UV光(500mW/分)を照射させて樹脂を硬化させることにより、マイクロレンズ96を配設した。
(24)次に、ソルダーレジスト層84に形成した半田バンプ形成用開口98に半田ペーストを印刷し、半田バンプ87を形成し、マザーボード用基板を得た(図22(b)参照)。
D.光通信用デバイスの製造
実施例1で製造したICチップ実装用基板にICチップを実装し、さらにICチップを樹脂封止した後、このICチップ実装用基板を、上記Cの工程で製造したマザーボード用基板の所定の位置に対向配置させ、200℃でリフローすることにより、両基板の半田バンプ同士を接続して半田接続部を形成した。
その後、ICチップ実装用基板の外周に接するように、下記の方法を用いてICチップ実装用基板封止層を形成し、光通信用デバイスを製造した。
すなわち、エポキシ系樹脂に、粒度分布1〜100μm、平均粒子径25μmの球状シリ カを75重量%添加して、CTE20ppm、粘度250Pa・s、チキソ比1.7の樹脂組成物を、ボッティングによりICチップ実装用基板の外周に接するように塗布した後、150℃で2時間の条件で硬化処理を施すことにより、ICチップ実装用基板封止層を形成した。
なお、本実施例で製造した光通信用デバイスは、ICチップ実装用基板の底面とマザーボード用基板の場面との距離は、300μmである。
また、本実施例の光通信用デバイスにおいて、ICチップ実装用基板の光信号伝送用光路とマザーボード用基板の光信号伝送用光路との間は、空隙により形成されている。
(実施例5)
実施例4において、マザーボード用基板に実装するICチップ実装用基板として、実施例3で製造したICチップ実装用基板にICチップを実装し、さらにこのICチップを樹脂封止したものを用いた以外は、実施例4と同様にして光通信用デバイスを製造した。
(実施例6)
実施例4において、マザーボード用基板に実装するICチップ実装用基板として、実施例3で製造したICチップ実装用基板にICチップを実装し、ICチップには樹脂封止しなかったものを用いた以外は、実施例4と同様にして光通信用デバイスを製造した。
(実施例7)
実施例4のDの工程で、ICチップ実装用基板封止層を形成する前に、下記の方法で、マザーボード用基板のソルダーレジスト層上の所定の位置(後に実装するICチップ実装用基板の下部に、未硬化の光学素子封止用樹脂の流れを止めるためのダムを形成し、その後、市販のアンダーフィル用樹脂(九州松下電器社製、CCN800D)をディスペンサーで光学素子の周囲に塗布し、さらに、硬化処理を施すことによりICチップ実装用基板封止層を形成した以外は、実施例4と同様にして光通信用デバイスを製造した。
ダムの形成は、エポキシ樹脂をシルク印刷し、その後、硬化処理を施すことにより行った。
(実施例8)
実施例4のICチップ実装用基板封止層を形成する工程を行わず、下記の方法を用いて、ICチップ実装用基板を覆うようなキャップ部材を取り付けた以外は、実施例4と同様にしてICチップ実装用基板を製造した。
まず、両面銅張ガラスエポキシ基板の片側を全面エッチングした後、銅側に電解Ni/Au層(Ni5μm、Au0.5μmを行い、基材面をザクリ加工した後、ダイシング加工を行うことにより、キャップ部材を作製した。
次に、キャップ部材を取り付ける位置に、エポキシ樹脂に粒度分布1〜30μm、平均粒子径4μmの球状シリカが70重量%添加された樹脂組成物(粘度200Pa・s、チキソ比1.8、CTE30ppm)をディスペンサーで塗布しておき、Bステージまでオーブンで硬化させた。
その後、上記キャップ部材を基板上に位置合わせを行いながら仮固定し、その上記キャップ部材に2g/mmの重しを載せて、オーブンで樹脂組成物を硬化することによりキャップ部材を取り付けた。なお、ICチップ実装用基板を実装した後にはフラックス洗浄を行った。
(実施例9)
実施例8において、マザーボード用基板に実装するICチップ実装用基板として、実施例3で製造したICチップ実装用基板にICチップを実装し、このICチップを樹脂封止したものを用いた以外は、実施例7と同様にして光通信用デバイスを製造した。
(実施例10)
実施例8において、マザーボード用基板に実装するICチップ実装用基板として、比較例1で製造したICチップ実装用基板にICチップを実装し、このICチップを樹脂封止しなかったものを用いた以外は、実施例8と同様にして光通信用デバイスを製造した。
(比較例2)
実施例4において、ICチップ実装用基板封止層を形成しなかった以外は、実施例4と同様にして光通信用デバイスを製造した。
実施例4〜10に係る光通信用デバイスについて、下記の方法により、その光信号伝送能を評価した。
即ち、ICチップ実装基板の発光素子を発光させ、ICチップ実装用基板の光信号伝送用光路、マザーボード用基板の光信号伝送用光路、光導波路、マザーボード用基板の光信号伝送用光路およびICチップ実装用基板の光信号伝送用光路を介して伝送された光信号をICチップ実装用基板の受光素子で受光し、レシーバICを経由した電器信号のアイパターンを確認したところ、1.25Gbpsの伝送を行うことができることが、実施例および比較例に係る光通信用デバイスについて確認することができた。
また、2.5Gbpsの伝送についても同様に光信号を伝送することができることが確認できた。
次に、実施例および比較例に係る光通信用デバイスを比較的ゴミが発生する環境に放置した後、箱に入れて運搬した。その後、上述した方法を用いて、光通信用デバイスの光信号伝送能を評価した。その結果、実施例に係る光通信用デバイスでは、ゴミが発生する環境に放置する前と同様、光信号を伝送することができた。
一方、比較例に係る光通信用デバイスでは、光信号を伝送することができないものがあった。これは、光信号伝送用光路内にゴミが侵入してしまったからだと考えられる。
また、実施例4〜10の光通信用デバイスについて、試験例1〜5で行った液相温度サイクル試験と同様の液相温度サイクル試験を行い、その後のICチップ実装用基板の封止性について、MIL−STD−833に準拠したグロースリーク検査を行った。すなわち、フロロカーボン液体に、光通信用デバイスを1分間浸漬した後、泡の発生を観察することにより封止性を評価した。
その結果、実施例4〜10の光通信用デバイスは充分な封止性を有していることが明らかとなった。
また、実施例4〜10の光通信用デバイスについて、予め、ICチップ実装用基板に全面にアルミスパッタを行ったダミーICチップをワイヤボンディングしておき、液相温度サイクル試験後の抵抗変化率を測定したところ、全ての光通信用デバイスについて、抵抗変化率は、5%未満であった。
また、実施例5において、樹脂材料からなるキャップ部材に代えてセラミックからなるキャップ部材を用いた場合、および、樹脂材料からなるキャップ部材に代えてセラミックからなるキャップ部材を用いるとともに、ICチップを樹脂封止した場合についても実施例5と同様の結果が得られた。
さらに、実施例5において、樹脂材料からなるキャップ部材に代えてセラミックからなるキャップ部材を用いるとともに、このキャップ部材を接着剤に代えて半田を介して取り付けた場合にも実施例5と同様の結果が得られた。なお、ここでは半田を介してキャップ部材を取り付けるために、予め、最外層の絶縁層上にパッドを形成しておくとともに、この部分には、ソルダーレジスト層を形成しなかった。
また、実施例10において、樹脂材料からなるキャップ部材に代えてセラミックからなるキャップ部材を用いた場合にも、実施例10と同様の結果が得られた。
また、実施例10においてセラミックからなるキャップ部材を用いるとともに、キャップ部材を接着剤に代えて半田を介して取り付けた場合にも実施例10と同様の結果が得られた。なお、ここでは半田を介してキャップ部材を取り付けるために、予め、最外層の絶縁層上にパッドを形成しておくとともに、この部分には、ソルダーレジスト層を形成しなかった。
また、実施例8〜10では、フラックス清浄を行っているが、フラックス洗浄を行わなかった場合には、光信号の伝送損失が増加してしまう場合があった。これは、残留していたフラックス成分の影響であると考えられる。
また、実施例4〜10に係る光通信用デバイスでは、光学素子として1チャンネルの発光
素子および受光素子がそれぞれ実装されているが、これらの光学素子に代えて4チャンネルの発光素子および受光素子を実装し、これに応じて、光信号伝送用光路の断面の大きさを大きくした光通信用デバイスにおいても同様の結果が得られた。
また、第三の本発明の光通信用デバイスでは、ICチップ実装用基板とマザーボード用基板のソルダーレジスト層との間に空隙部が存在しえるため、この空隙部に存在する空気が熱膨張することにより両者の半田接続部やICチップ実装用基板封止層等にクラックが発生することが懸念される。そこで、下記の試験例6〜10を行い、ICチップ実装用基板封止層を形成する部位の違いによる影響を、液相温度サイクル試験後の半田接続部やICチップ実装用基板封止層、ICチップ実装用基板、マザーボード用基板等でのクラックの発生の有無を指標に評価した。
(試験例6)
基本的には、実施例4と同様の方法により光通信用デバイスを製造した。但し、ICチップ実装用基板封止層を形成する際に、半田バンプの外側にのみ封止樹脂層が存在するようにICチップ実装用基板封止層を形成した。
(試験例7)
基本的には、実施例4と同様の方法により光通信用デバイスを製造した。但し、ICチップ実装用基板封止層を形成する際に、半田バンプの内側にも封止樹脂層が存在し、半田バンプが封止樹脂層に埋まる状態になるようにICチップ実装用基板封止層を形成した。
(試験例8)
基本的には、実施例4と同様の方法により光通信用デバイスを製造した。但し、ICチップ実装用基板封止層を形成する際に、半田バンプの内側にも封止樹脂層が存在し、半田バンプが封止樹脂層に埋まる状態になっている部分と、半田バンプの外側にのみ封止樹脂層が形成されている部分とが混在するようにICチップ実装用基板封止層を形成した。
(試験例9)
比較例2と同様の方法によりICチップ実装用基板を製造した。すなわち、ICチップ実装用基板封止層を形成しなかった。
(試験例5)
基本的には、実施例4と同様の方法により光通信用デバイスを製造した。但し、ICチップ実装用基板封止層に代えて、ICチップ実装用基板とマザーボード用基板との間全体にアンダーフィルを形成した。
これらの試験例6〜10に係るICチップ実装用基板について、試験例1〜5と同様の液相温度サイクル試験を、それぞれ5個の光通信用デバイスについて、0サイクル、250サイクル、500サイクルおよび1000サイクルずつ行い、その後、光通信用デバイスをクロスカットし、さらに、ICチップ実装用基板封止層断面、半田接続部断面、ICチップ実装用基板断面、マザーボード用基板断面において、クラックが発生しているか否かを顕微鏡観察した。
その結果、いずれの光通信用デバイスにおいてもクラックは観察されなかった。
このことから、第三の本発明の光通信用デバイスにおいては、ICチップ実装用基板封止層を形成することにより、ICチップ実装用基板とマザーボード用基板との間(光信号が伝送される部分)に空隙部が形成されていても、光通信用デバイスに悪影響をおよぼすことがないことが明らかとなった。
(a)は、第一の本発明のICチップ実装用基板の一例を模式的に示す断面図であり、(b)、(c)は、第一の本発明のICチップ実装用基板の別の一例の一部を模式的に示す部分断面図である。 第一の本発明のICチップ実装用基板の一例を模式的に示す断面図である。 第一の本発明のICチップ実装用基板の一例を模式的に示す断面図である。 第二の本発明のICチップ実装用基板の一例を模式的に示す断面図である。 第二の本発明のマザーボード用基板の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の光通信用デバイスに実装するICチップ実装用基板の一例を模式的に示す断面図である。 第三の本発明の光通信用デバイスの実施形態の一例を模式的に示す断面図である。 第三の本発明の光通信用デバイスの実施形態の別の一例を模式的に示す断面図である。 第四の本発明の光通信用デバイスの実施形態の一例を模式的に示す断面図である。 本発明のICチップ実装用基板の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。 本発明のICチップ実装用基板の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。 本発明のICチップ実装用基板の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。 本発明のICチップ実装用基板の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。 本発明のICチップ実装用基板の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。 本発明のICチップ実装用基板の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。 本発明のICチップ実装用基板の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。 本発明の光通信用デバイスを構成するマザーボード用基板の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。 本発明の光通信用デバイスを構成するマザーボード用基板の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。 本発明の光通信用デバイスを構成するマザーボード用基板の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。 本発明の光通信用デバイスを構成するマザーボード用基板の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。 本発明の光通信用デバイスを構成するマザーボード用基板の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。 本発明の光通信用デバイスを構成するマザーボード用基板の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。
符号の説明
120、220、320、420、520 ICチップ実装用基板
121、221、321、421、521 基板
122、222、322、422、522 絶縁層
124、224、324、424、524 導体回路
127、227、327、427、527 バイアホール
129、229、329、429、529 スルーホール
134、234、334、434、534 ソルダーレジスト層
138、238、338、438、538 発光素子
139、239、339、439、539 受光素子
142、242、342、442、542 光信号伝送用光路
146、246、346、446、546 マイクロレンズ
148、248、348 光学素子封止層
418、518 キャップ部材
419、519 接着剤
720、820、920 マザーボード用基板
721、821、921 基板
722、822、921 絶縁層
724、824、924 導体回路
727、827、927 バイアホール
729、829 929 スルーホール
734、834、934 ソルダーレジスト層
742、842、942 光信号伝送用光路
746、846、946 マイクロレンズ
740、850、950 光導波路
760、860、960 光通信用デバイス
1720、1820、2720、2820 ICチップ実装用基板

Claims (2)

  1. 第1の基板の両面に導体回路と絶縁層とが積層形成されてなるとともに最外層にソルダーレジスト層が形成されてなる第2の基板に、光学素子が実装されているとともに、前記光学素子へ、又は、前記光学素子から光信号を伝送する光信号伝送用光路が設けられているICチップ実装用基板であって、
    前記第2の基板の表面上に、前記光学素子の前記光信号伝送用光路に対向する面における外周に接するように未硬化の樹脂組成物をポッティングし、硬化処理を施すことによって形成された封止層が設けられており、
    前記封止層、前記光学素子の前記光信号伝送用光路に対向する面、及び、前記第2の基板の表面により囲まれ、かつ、外部に開放した隙間が存在しないような空隙部が存在し、
    前記ICチップ実装用基板の前記第1の基板及び前記絶縁層を貫通する貫通孔には、樹脂組成物が充填されており、前記ソルダーレジスト層を貫通する貫通孔には、マイクロレンズが配設されており、前記第1の基板、前記絶縁層及び前記ソルダーレジスト層を貫通するように、前記樹脂組成物及び前記マイクロレンズからなる前記光信号伝送用光路が形成されており、
    前記光学素子の前記光信号伝送用光路に対向する面に設けられた受光部又は発光部、及び、前記マイクロレンズが前記空隙部内に存在しており、前記光学素子の受光部又は発光部と前記マイクロレンズが対向していることを特徴とするICチップ実装用基板。
  2. 基板の少なくとも片面に導体回路と絶縁層とが積層形成されるとともに最外層にソルダーレジスト層が形成されてなるマザーボード用基板に、光学素子を実装するとともに、前記光学素子の受光部又は発光部と光学的に接続された第1のマイクロレンズを設けたICチップ実装用基板が実装された光通信用デバイスであって、
    前記マザーボード用基板には、前記光学素子へ、又は、前記光学素子から光信号を伝送する光信号伝送用光路が設けられており、
    前記マザーボード基板の前記ICチップ実装用基板が実装された側と反対側の最外層の絶縁層上に光導波路が形成されており、前記光導波路は前記光信号伝送用光路と光学的に接続されており、
    前記マザーボード用基板の表面上に、前記ICチップ実装用基板の前記光信号伝送用光路に対向する面における外周に接するように未硬化の樹脂組成物をポッティングし、硬化処理を施すことによって形成された封止層が設けられており、
    前記封止層、前記ICチップ実装用基板の前記光信号伝送用光路に対向する面、及び、前記マザーボード用基板の表面により囲まれ、かつ、外部に開放した隙間が存在しないような空隙部が存在し、
    前記マザーボード用基板の前記基板及び前記絶縁層を貫通する貫通孔には、樹脂組成物が充填されており、前記ソルダーレジスト層を貫通する貫通孔には、第2のマイクロレンズが配設されており、前記基板、前記絶縁層及び前記ソルダーレジスト層を貫通するように、前記樹脂組成物及び前記第2のマイクロレンズからなる前記光信号伝送用光路が形成されており、
    前記ICチップ実装用基板の前記光信号伝送用光路に対向する面に配設された前記第1のマイクロレンズ、及び、前記第2のマイクロレンズが前記空隙部内に存在しており、
    前記第1のマイクロレンズと前記第2のマイクロレンズが対向していることを特徴とする光通信用デバイス。
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