JP2002270860A - Icチップ実装用基板 - Google Patents

Icチップ実装用基板

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JP2002270860A JP2001373367A JP2001373367A JP2002270860A JP 2002270860 A JP2002270860 A JP 2002270860A JP 2001373367 A JP2001373367 A JP 2001373367A JP 2001373367 A JP2001373367 A JP 2001373367A JP 2002270860 A JP2002270860 A JP 2002270860A
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resin
chip mounting
light emitting
layer
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Motoo Asai
元雄 浅井
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Ibiden Co Ltd
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  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
  • Light Receiving Elements (AREA)
  • Structures For Mounting Electric Components On Printed Circuit Boards (AREA)
  • Structure Of Printed Boards (AREA)
  • Led Device Packages (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ICチップと光学部品とが一体化された光通
信用部品であって、ICチップと光学部品との距離が短
く、電気信号伝送の信頼性に優れるICチップ実装用基
板を提供する。 【解決手段】 基板の両面に導体回路と層間樹脂絶縁層
とが積層形成されたICチップ実装用基板であって、上
記ICチップ実装用基板の一の表面には、受光部および
発光部がそれぞれ露出するように、受光素子および発光
素子が実装されていることを特徴とするICチップ実装
用基板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ICチップ実装用
基板に関する。
【0002】近年、通信分野を中心として光ファイバに
注目が集まっている。特にIT(情報技術)分野におい
ては、高速インターネット網の整備に、光ファイバを用
いた通信技術が必要となる。光ファイバは、1)低損失、
2)高帯域、3)細径・軽量、4)無誘導、5)省資源等の特徴
を有しており、この特徴を有する光ファイバを用いた通
信システムでは、従来のメタリックケーブルを用いた通
信システムに比べ、中継器数を大幅に削減することがで
き、建設、保守が容易になり、通信システムの経済化、
高信頼性化を図ることができる。
【0003】また、光ファイバは、一つの波長の光だけ
でなく、多くの異なる波長の光を1本の光ファイバで同
時に多重伝送することができるため、多様な用途に対応
可能な大容量の伝送路を実現することができ、映像サー
ビス等にも対応することができる。
【0004】そこで、このようなインターネット等のネ
ットワーク通信においては、光ファイバを用いた光通信
を、基幹網の通信のみならず、基幹網と端末機器(パソ
コン、モバイル、ゲーム等)との通信や、端末機器同士
の通信にも用いることが提案されている。
【0005】このように基幹網と端末機器との通信等に
光通信を用いる場合、端末機器において情報(信号)処
理を行うICが、電気信号で動作するため、端末機器に
は、光→電気変換器や電気→光変換器等の光信号と電気
信号とを変換する装置(以下、光/電気変換器ともい
う)を取り付ける必要がある。そこで、従来の端末機器
では、例えば、ICチップを実装したパッケージ基板、
光信号を処理する受光素子や発光素子等の光学部品等を
別々に実装し、これらに電気配線や光導波路を接続し、
信号伝送および信号処理を行っていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の端末
機器では、IC実装パッケージ基板と光学部品とを別々
に実装しているため、装置全体が大きくなり、端末機器
の小型化を妨げる要因となっていた。また、従来の端末
機器では、IC実装パッケージ基板と光学部品との距離
が離れているため、電気配線距離が長く、信号伝送時に
クロストークノイズ等による信号エラー等が発生しやす
かった。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
接続信頼性に優れる光通信を達成するとともに、端末機
器の小型化に寄与することができるICチップ実装用基
板について鋭意検討した結果、ICチップ実装用基板に
各種光学部品を実装することにより、上述した課題を解
決することができることに想到し、下記の構成からなる
本発明のICチップ実装用基板を完成させた。
【0008】即ち、第一の本発明のICチップ実装用基
板は、基板の両面に導体回路と層間樹脂絶縁層とが積層
形成されたICチップ実装用基板であって、上記ICチ
ップ実装用基板の一の表面には、受光部および発光部が
それぞれ露出するように、受光素子および発光素子が実
装されていることを特徴とする。
【0009】第二の本発明のICチップ実装用基板は、
基板の両面に導体回路と層間樹脂絶縁層とが積層形成さ
れたICチップ実装用基板であって、上記ICチップ実
装用基板の一の面側には、受光部および発光部がそれぞ
れ露出するように、受光素子および発光素子が内蔵また
は収納されていることを特徴とする。
【0010】第三の本発明のICチップ実装用基板は、
基板の両面に導体回路と層間樹脂絶縁層とが積層形成さ
れたICチップ実装用基板であって、上記ICチップ実
装用基板の一の面側には、受光素子および発光素子が埋
設されるとともに、上記受光素子の受光部と光信号を接
続する光路、および、上記発光素子の発光部と光信号を
接続する光路が確保されていることを特徴とする。ま
た、第三の本発明のICチップ実装用基板における上記
光路は、光路用開口であることが望ましい。
【0011】第一〜第三の本発明のICチップ実装用基
板において、上記ICチップ実装用基板の一の面側の最
外層にはソルダーレジスト層が形成され、上記ソルダー
レジスト層には、半田バンプが形成されていることが望
ましい。なお、第一〜第三の本発明のICチップ実装用
基板では、ソルダーレジスト層は形成されていてもよい
し、形成されていなくてもよい。
【0012】また、第一〜第三の本発明のICチップ実
装用基板においては、上記基板を挟んだ導体回路間がス
ルーホールを介して接続され、上記層間樹脂絶縁層を挟
んだ導体回路間がバイアホールを介して接続されている
ことが望ましい。
【0013】また、第一〜第三の本発明のICチップ実
装用基板において、上記受光素子および上記発光素子
は、半田接続することができるものであることが望まし
い。上記半田接続することができる受光素子および発光
素子としては、例えば、フリップチップ型部品であっ
て、受光面および発光面と同じ側に設けられた半田パッ
ドにより上記ICチップ実装用基板に実装されるととも
に、電気接続されるもの。フリップチップ型部品であ
って、受光面および発光面の反対側に設けられた半田パ
ッドにより上記ICチップ実装用基板に実装されるとと
もに、電気接続されるもの。ワイヤーボンディング型
部品であって、受光面および発光面と同じ側に設けられ
た半田パッドにより上記ICチップ実装用基板に実装さ
れ、受光面および発光面の反対側に設けられたワイヤー
ボンディング用パッドにワイヤーボンディングされるこ
とにより電気接続されるもの。ワイヤーボンディング
型部品であって、受光面および発光面の反対側に設けら
れた半田パッドにより上記ICチップ実装用基板に実装
され、受光面および発光面と同じ側に設けられたワイヤ
ーボンディング用パッドにワイヤーボンディングされる
ことにより電気接続されるもの等が挙げられる。これら
のなかでは、上記またはであることが望ましい。半
田が有するセルフアライメント効果を利用して、受光素
子および発光素子(受光部および発光部)の位置を、マ
ザーボード等の外部基板の導光路(光導波路等)に精度
よく合わせることができ、受光素子および発光素子の位
置決め精度に優れるとともに、ワイヤーボンディングが
不要であるため、ICチップ実装用基板に容易に実装す
ることができる。なお、本発明のICチップ実装用基板
に実装される受光素子および発光素子としては、上記
〜に挙げたもののいずれか一種である必要はなく、上
記〜に挙げたものが二種以上が存在していてもよ
い。
【0014】
【発明の実施の形態】まず、第一の本発明のICチップ
実装用基板について説明する。第一の本発明のICチッ
プ実装用基板は、基板の両面に導体回路と層間樹脂絶縁
層とが積層形成されたICチップ実装用基板であって、
上記ICチップ実装用基板の一の表面には、受光部およ
び発光部がそれぞれ露出するように、受光素子および発
光素子が実装されていることを特徴とする。
【0015】第一の本発明のICチップ実装用基板で
は、基板の表面に受光素子および発光素子が実装されて
いるため、該基板にICチップを実装した場合、ICチ
ップと光学部品との距離が短く、電気信号伝送の信頼性
に優れる。また、ICチップを実装した本発明のICチ
ップ実装用基板では、光通信に必要な電子部品や光学部
品を一体化することができるため、光通信用端末機器の
小型化に寄与することができる。
【0016】また、第一の本発明のICチップ実装用基
板において、上記受光素子等が実装されている側の最外
層にソルダーレジスト層が形成されており、上記ソルダ
ーレジスト層に半田バンプが形成されている場合には、
上記ICチップ実装用基板を外部基板と半田バンプを介
して接続することができ、この場合には、半田が有する
セルフアライメント作用により上記ICチップ実装用基
板を所定の位置に配置することができる。
【0017】なお、セルフアライメント作用とは、ソル
ダーレジスト層が半田をはじくため、リフロー処理時に
半田が自己の有する流動性により半田バンプ形成用開口
の中央付近により安定な形状で存在しようとする作用を
いう。このセルフアライメント作用を利用した場合、上
記半田バンプを介して、上記ICチップ実装用基板を外
部基板に接続する際に、リフロー前には両者に位置ズレ
が発生していたとしても、リフロー時に上記ICチップ
実装用基板が移動し、該ICチップ実装用基板を外部基
板上の正確な位置に取り付けることができる。従って、
上記ICチップ実装用基板に実装された受光素子や発光
素子と、上記外部基板に実装された光学部品(光導波路
等)とを介して、光信号の伝送を行う場合に、上記IC
チップ実装用基板に実装された受光素子や発光素子の実
装位置が正確であれば、上記ICチップ実装用基板と上
記外部基板との間で正確な光信号の伝送を行うことがで
きる。
【0018】第一の本発明のICチップ実装用基板で
は、その一の表面に、受光部および発光部がそれぞれ露
出するように、受光素子および発光素子が実装されてい
る。上記受光素子としては、例えば、PD(フォトダイ
オード)、APD(アバランシェフォトダイオード)等
が挙げられる。これらは、上記ICチップ実装用基板の
構成や、要求特性等を考慮して適宜使い分ければよい。
上記受光素子の材料としては、Si、Ge、InGaA
s等が挙げられる。これらのなかでは、受光感度に優れ
る点からInGaAsが望ましい。
【0019】上記発光素子としては、例えば、LD(半
導体レーザ)、DFB−LD(分布帰還型−半導体レー
ザ)、LED(発光ダイオード)等が挙げられる。これ
らは、上記ICチップ実装用基板の構成や要求特性等を
考慮して適宜使い分ければよい。
【0020】上記発光素子の材料としては、ガリウム、
砒素およびリンの化合物(GaAsP)、ガリウム、ア
ルミニウムおよび砒素の化合物(GaAlAs)、ガリ
ウムおよび砒素の化合物(GaAs)、インジウム、ガ
リウムおよび砒素の化合物(InGaAs)、インジウ
ム、ガリウム、砒素およびリンの化合物(InGaAs
P)等が挙げられる。これらは、通信波長(0.6〜
1.6μmの範囲)を考慮して使い分ければよく、例え
ば、通信波長が0.85μm帯の場合にはGaAlAs
を使用することができ、通信波長が1.3μm帯や1.
55μm帯の場合には、InGaAsやInGaAsP
を使用することができる。なお、上記受光素子および上
記発光素子としては、光学素子として市販されているも
のも使用することができ、その大きさとしては、受光部
や発光部を有する面の一辺の長さが2〜15mm程度の
ものが望ましい。
【0021】以下、第一の本発明のICチップ実装用基
板の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、第一の本発明のICチップ実装用基板の一実施
形態を模式的に示す断面図である。なお、図1では、I
Cチップが実装された状態のICチップ実装用基板を示
す。
【0022】図1に示すように、ICチップ用実装基板
120は、基板121の両面に導体回路124(124
a〜124d)と層間樹脂絶縁層122とが積層形成さ
れ、基板121を挟んだ導体回路間、および、層間樹脂
絶縁層122を挟んだ導体回路間は、それぞれ、スルー
ホール129(129a、129b)およびバイアホー
ル127(127a〜127h)により電気的に接続さ
れている。また、最外層にはソルダーレジスト層134
が形成されている。また、ICチップ用実装基板120
の一の表面には、受光部138aおよび発光部139a
がそれぞれ露出するように、受光素子138および発光
素子139が実装され、加えて、受光素子138等が実
装されている側のソルダーレジスト層には、半田バンプ
137が形成されており、ICチップ用実装基板120
の他の表面には、半田接続部143(143a、143
b)を介してICチップ140が実装されている。
【0023】このような構成からなるICチップ実装用
基板120では、光ファイバや光導波路等(図示せず)
を介して外部から送られてきた光信号は、受光素子13
8(受光部138a)で受信した後、受光素子138で
電気信号に変換し、さらに、導電層142a−導体回路
124a−バイアホール127a、127b−スルーホ
ール129a−バイアホール127c、127d−導体
回路124b−半田接続部143aを介してICチップ
140に送られることとなる。
【0024】また、ICチップ140から送り出された
電気信号は、半田接続部143b−導体回路124c−
バイアホール127e、127f−スルーホール129
b−バイアホール127g、127h−導体回路124
d−導電層142bを介して発光素子139に送られた
後、発光素子139で光信号に変換され、この光信号を
発光素子139(発光部139a)から光ファイバや光
導波路に発信することとなる。
【0025】第一の本発明のICチップ実装用基板で
は、ICチップに近い位置に実装された受光素子および
発光素子において、光/電気信号変換を行うため、電気
信号の伝送距離が短く、信号伝送の信頼性に優れ、より
高速通信に対応することができる。
【0026】また、ICチップ実装用基板120では、
一の面側のソルダーレジスト層に半田バンプ137が形
成されているため、ICチップ140から送り出された
電気信号は、上述したように光信号に変換された後、光
導波路等を介して外部に送りだされるだけでなく、半田
バンプを介しても外部基板に送られることとなる。ま
た、半田バンプ137を介して、ICチップ実装用基板
120の外部からICチップを駆動させるのに必要な電
力を供給することもできる。
【0027】次に、第一の本発明のICチップ実装用基
板を製造する方法について説明する。 (1)絶縁性基板を出発材料とし、まず、該絶縁性基板
上に導体回路を形成する。上記絶縁性基板としては、例
えば、ガラスエポキシ基板、ポリエステル基板、ポリイ
ミド基板、ビスマレイミド−トリアジン(BT)樹脂基
板、熱硬化性ポリフェニレンエーテル基板、銅張積層
板、RCC基板等が挙げられる。また、窒化アルミニウ
ム基板等のセラミック基板や、シリコン基板を用いても
よい。上記導体回路は、例えば、上記絶縁性基板の表面
に無電解めっき処理等によりベタの導体層を形成した
後、エッチング処理を施すことにより形成することがで
きる。また、銅張積層板やRCC基板にエッチング処理
を施すことにより形成してもよい。
【0028】また、上記絶縁性基板を挟んだ導体回路間
の接続をスルーホールにより行う場合には、例えば、上
記絶縁性基板にドリルやレーザ等を用いて貫通孔を形成
した後、無電解めっき処理等を施すことによりスルーホ
ールを形成しておく。なお、上記貫通孔の直径は、通
常、100〜300μmである。また、スルーホールを
形成した場合には、該スルーホール内に樹脂充填材を充
填することが望ましい。
【0029】(2)次に、必要に応じて、導体回路の表
面に粗化形成処理を施す。上記粗化形成処理としては、
例えば、黒化(酸化)−還元処理、第二銅錯体と有機酸
塩とを含むエッチング液等を用いたエッチング処理、C
u−Ni−P針状合金めっきによる処理等を挙げること
ができる。ここで、粗化面を形成した場合、通常、該粗
化面の平均粗度の下限は0.1μmが望ましく、上限は
5μmが望ましい。導体回路と層間樹脂絶縁層との密着
性、導体回路の電気信号伝送能に対する影響等を考慮す
ると上記粗化面の下限は2μmがより望ましく、上限は
4μmがより望ましい。なお、この粗化形成処理は、ス
ルーホール内に樹脂充填材を充填する前に行い、スルー
ホールの壁面にも粗化面を形成してもよい。スルーホー
ルと樹脂充填材との密着性が向上するからである。
【0030】(3)次に、導体回路を形成した基板上
に、熱硬化性樹脂、感光性樹脂、熱硬化性樹脂の一部が
アクリル化された樹脂や、これらと熱可塑性樹脂と含む
樹脂複合体からなる未硬化の樹脂層を形成するか、また
は、熱可塑性樹脂からなる樹脂層を形成する。上記未硬
化の樹脂層は、未硬化の樹脂をロールコーター、カーテ
ンコーター等により塗布したり、未硬化(半硬化)の樹
脂フィルムを熱圧着したりすることにより形成すること
ができる。また、上記熱可塑性樹脂からなる樹脂層は、
フィルム上に成形した樹脂成形体を熱圧着することによ
り形成することができる。
【0031】これらのなかでは、未硬化(半硬化)の樹
脂フィルムを熱圧着する方法が望ましく、樹脂フィルム
の圧着は、例えば、真空ラミネータ等を用いて行うこと
ができる。また、圧着条件は特に限定されず、樹脂フィ
ルムの組成等を考慮して適宜選択すればよいが、通常
は、圧力0.25〜1.0MPa、温度40〜70℃、
真空度13〜1300Pa、時間10〜120秒程度の
条件で行うことが望ましい。
【0032】上記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポ
キシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエス
テル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリオレフィン系樹
脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレン樹
脂、フッ素樹脂等が挙げられる。上記エポキシ樹脂の具
体例としては、例えば、フェノールノボラック型、クレ
ゾールノボラック型等のノボラック型エポキシ樹脂や、
ジシクロペンタジエン変成した脂環式エポキシ樹脂等が
挙げられる。
【0033】上記感光性樹脂としては、例えば、アクリ
ル樹脂等が挙げられる。また、上記熱硬化性樹脂の一部
をアクリル化した樹脂としては、例えば、上記した熱硬
化性樹脂の熱硬化基とメタクリル酸やアクリル酸とをア
クリル化反応させたもの等が挙げられる。
【0034】上記熱可塑性樹脂としては、例えば、フェ
ノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリ
スルフォン(PSF)、ポリフェニレンスルフォン(P
PS)ポリフェニレンサルファイド(PPES)、ポリ
フェニレンエーテル(PPE)ポリエーテルイミド(P
I)等が挙げられる。
【0035】また、上記樹脂複合体としては、熱硬化性
樹脂や感光性樹脂(熱硬化性樹脂の一部をアクリル化し
た樹脂も含む)と熱可塑性樹脂とを含むものであれば特
に限定されず、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との具体的
な組み合わせとしては、例えばフェノール樹脂/ポリエ
ーテルスルフォン、ポリイミド樹脂/ポリスルフォン、
エポキシ樹脂/ポリエーテルスルフォン、エポキシ樹脂
/フェノキシ樹脂等が挙げられる。また、感光性樹脂と
熱可塑性樹脂との具体的な組み合わせとしては、例え
ば、アクリル樹脂/フェノキシ樹脂、エポキシ基の一部
をアクリル化したエポキシ樹脂とポリエーテルスルフォ
ン等が挙げられる。
【0036】また、上記樹脂複合体における熱硬化性樹
脂や感光性樹脂と熱可塑性樹脂との配合比率は、熱硬化
性樹脂または感光性樹脂/熱可塑性樹脂=95/5〜5
0/50が望ましい。耐熱性を損なうことなく、高い靱
性値を確保することができるからである。
【0037】また、上記樹脂層は、2層以上の異なる樹
脂層から構成されていてもよい。具体的には、例えば、
下層が熱硬化性樹脂または感光性樹脂/熱可塑性樹脂=
50/50の樹脂複合体から形成され、上層が熱硬化性
樹脂または感光性樹脂/熱可塑性樹脂=90/10の樹
脂複合体から形成されている等である。このような構成
にすることにより、基板との優れた密着性を確保すると
ともに、後工程でバイアホール用開口等を形成する際の
形成容易性を確保することができる。
【0038】また、上記樹脂層は、粗化面形成用樹脂組
成物を用いて形成してもよい。上記粗化面形成用樹脂組
成物とは、例えば、酸、アルカリおよび酸化剤から選ば
れる少なくとも1種からなる粗化液に対して難溶性の未
硬化の耐熱性樹脂マトリックス中に、酸、アルカリおよ
び酸化剤から選ばれる少なくとも1種からなる粗化液に
対して可溶性の物質が分散されたものである。なお、上
記「難溶性」および「可溶性」という語は、同一の粗化
液に同一時間浸漬した場合に、相対的に溶解速度の早い
ものを便宜上「可溶性」といい、相対的に溶解速度の遅
いものを便宜上「難溶性」と呼ぶ。
【0039】上記耐熱性樹脂マトリックスとしては、層
間樹脂絶縁層に上記粗化液を用いて粗化面を形成する際
に、粗化面の形状を保持することができるものが好まし
く、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、これらの複
合体等が挙げられる。また、感光性樹脂を用いることに
より、層間樹脂絶縁層に露光、現像処理を用いてバイア
ホール用開口を形成してもよい。
【0040】上記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポ
キシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレ
フィン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。また、上記熱
硬化性樹脂を感光化する場合は、メタクリル酸やアクリ
ル酸等を用い、熱硬化基を(メタ)アクリル化反応させ
る。
【0041】上記エポキシ樹脂としては、例えば、クレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型
エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェ
ノールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノール
ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノールF型エポキシ
樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエ
ン型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性水酸基
を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物、
トリグリシジルイソシアヌレート、脂環式エポキシ樹脂
等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種
以上併用してもよい。それにより、耐熱性等に優れるも
のとなる。
【0042】上記熱可塑性樹脂としては、例えば、フェ
ノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォ
ン、ポリフェニレンスルフォン、ポリフェニレンサルフ
ァイド、ポリフェニルエーテル、ポリエーテルイミド等
が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以
上併用してもよい。
【0043】上記酸、アルカリおよび酸化剤から選ばれ
る少なくとも1種からなる粗化液に対して可溶性の物質
は、無機粒子、樹脂粒子および金属粒子から選ばれる少
なくとも1種であることが望ましい。
【0044】上記無機粒子としては、例えば、アルミニ
ウム化合物、カルシウム化合物、カリウム化合物、マグ
ネシウム化合物、ケイ素化合物等が挙げられる。これら
は単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
【0045】上記アルミニウム化合物としては、例え
ば、アルミナ、水酸化アルミニウム等が挙げられ、上記
カルシウム化合物としては、例えば、炭酸カルシウム、
水酸化カルシウム等が挙げられ、上記カリウム化合物と
しては、例えば、炭酸カリウム等が挙げられ、上記マグ
ネシウム化合物としては、例えば、マグネシア、ドロマ
イト、塩基性炭酸マグネシウム、タルク等が挙げられ、
上記ケイ素化合物としては、例えば、シリカ、ゼオライ
ト等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2
種以上併用してもよい。
【0046】上記アルミナ粒子は、ふっ酸で溶解除去す
ることができ、炭酸カルシウムは塩酸で溶解除去するこ
とができる。また、ナトリウム含有シリカやドロマイト
はアルカリ水溶液で溶解除去することができる。
【0047】上記樹脂粒子としては、例えば、熱硬化性
樹脂、熱可塑性樹脂等からなるものが挙げられ、酸、ア
ルカリおよび酸化剤から選ばれる少なくとも1種からな
る粗化液に浸漬した場合に、上記耐熱性樹脂マトリック
スよりも溶解速度の早いものであれば特に限定されず、
具体的には、例えば、アミノ樹脂(メラミン樹脂、尿素
樹脂、グアナミン樹脂等)、エポキシ樹脂、フェノール
樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレ
ン樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、ビスマレイ
ミド−トリアジン樹脂等挙げられる。これらは、単独で
用いてもよく、2種以上併用してもよい。なお、上記樹
脂粒子は予め硬化処理されていることが必要である。硬
化させておかないと上記樹脂粒子が樹脂マトリックスを
溶解させる溶剤に溶解してしまうこととなるからであ
る。
【0048】また、上記樹脂粒子としては、ゴム粒子や
液相樹脂、液相ゴム等を用いてもよい。上記ゴム粒子と
しては、例えば、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、
ポリクロロプレンゴム、ポリイソプレンゴム、アクリル
ゴム、多硫系剛性ゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、シ
リコーンゴム、ABS樹脂等が挙げられる。また、例え
ば、ポリブタジエンゴム、エポキシ変性、ウレタン変
性、(メタ)アクリロニトリル変性等の各種変性ポリブ
タジエンゴム、カルボキシル基を含有した(メタ)アク
リロニトリル・ブタジエンゴム等を使用してもよい。
【0049】上記液相樹脂としては、上記熱硬化性樹脂
の未硬化溶液を使用することができ、このような液相樹
脂の具体例としては、例えば、未硬化のエポキシオリゴ
マーとアミン系硬化剤の混合液等が挙げられる。上記液
相ゴムとしては、例えば、上記したポリブタジエンゴ
ム、エポキシ変性、ウレタン変性、(メタ)アクリロニ
トリル変性等の各種変性ポリブタジエンゴム、カルボキ
シル基を含有した(メタ)アクリロニトリル・ブタジエ
ンゴム等の未硬化溶液等を使用することができる。
【0050】上記液相樹脂や液相ゴムを用いて上記感光
性樹脂組成物を調製する場合には、耐熱性樹脂マトリッ
クスと可溶性の物質とが均一に相溶しない(つまり相分
離するように)ように、これらの物質を選択する必要が
ある。上記基準により選択された耐熱性樹脂マトリック
スと可溶性の物質とを混合することにより、上記耐熱性
樹脂マトリックスの「海」の中に液相樹脂または液相ゴ
ムの「島」が分散している状態、または、液相樹脂また
は液相ゴムの「海」の中に、耐熱性樹脂マトリックスの
「島」が分散している状態の感光性樹脂組成物を調製す
ることができる。そして、このような状態の感光性樹脂
組成物を硬化させた後、「海」または「島」の液相樹脂
または液相ゴムを除去することにより粗化面を形成する
ことができる。
【0051】上記金属粒子としては、例えば、金、銀、
銅、スズ、亜鉛、ステンレス、アルミニウム、ニッケ
ル、鉄、鉛等が挙げられる。これらは、単独で用いても
よく、2種以上併用してもよい。また、上記金属粒子
は、絶縁性を確保するために、表層が樹脂等により被覆
されていてもよい。
【0052】上記可溶性の物質を、2種以上混合して用
いる場合、混合する2種の可溶性の物質の組み合わせと
しては、樹脂粒子と無機粒子との組み合わせが望まし
い。両者とも導電性が低くいため、層間樹脂絶縁層の絶
縁性を確保することができるとともに、難溶性樹脂との
間で熱膨張の調整が図りやすく、粗化面形成用樹脂組成
物からなる層間樹脂絶縁層にクラックが発生せず、層間
樹脂絶縁層と導体回路との間で剥離が発生しないからで
ある。
【0053】上記粗化液として用いる酸としては、例え
ば、リン酸、塩酸、硫酸、硝酸や、蟻酸、酢酸等の有機
酸等が挙げられるが、これらのなかでは有機酸を用いる
ことが望ましい。粗化処理した場合に、バイアホールか
ら露出する金属導体層を腐食させにくいからである。上
記酸化剤としては、例えば、クロム酸、クロム硫酸、ア
ルカリ性過マンガン酸塩(過マンガン酸カリウム等)の
水溶液等を用いることが望ましい。また、上記アルカリ
としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水溶
液が望ましい。
【0054】上記可溶性の物質の平均粒径は、10μm
以下が望ましい。また、平均粒径が2μm以下の平均粒
径の相対的に大きな粗粒子と平均粒径が相対的に小さな
微粒子とを組み合わせて使用してもよい。即ち、平均粒
径が0.1〜0.5μmの可溶性の物質と平均粒径が1
〜2μmの可溶性の物質とを組み合わせる等である。
【0055】このように、平均粒子と相対的に大きな粗
粒子と平均粒径が相対的に小さな微粒子とを組み合わせ
ることにより、薄膜導体層の溶解残渣をなくし、めっき
レジスト下のパラジウム触媒量を少なくし、さらに、浅
くて複雑な粗化面を形成することができる。さらに、複
雑な粗化面を形成することにより、粗化面の凹凸が小さ
くても実用的なピール強度を維持することができる。上
記粗粒子は平均粒径が0.8μmを超え2.0μm未満
であり、微粒子は平均粒径が0.1〜0.8μmである
ことが望ましい。
【0056】(4)次に、その材料として熱硬化性樹脂
や樹脂複合体を用いた層間樹脂絶縁層を形成する場合に
は、未硬化の樹脂絶縁層に硬化処理を施すとともに、バ
イアホール用開口を形成し、層間樹脂絶縁層とする。ま
た、この工程では、必要に応じて、貫通孔を形成しても
よい。上記バイアホール用開口は、レーザ処理により形
成することが望ましい。また、層間樹脂絶縁層の材料と
して感光性樹脂を用いた場合には、露光現像処理により
形成してもよい。
【0057】また、その材料として熱可塑性樹脂を用い
た層間樹脂絶縁層を形成する場合には、熱可塑性樹脂か
らなる樹脂層にバイアホール用開口を形成し、層間樹脂
絶縁層とする。この場合、バイアホール用開口は、レー
ザ処理を施すことにより形成することができる。また、
この工程で貫通孔を形成する場合、該貫通孔は、ドリル
加工やレーザ処理等により形成すればよい。
【0058】上記レーザ処理に使用するレーザとして
は、例えば、炭酸ガスレーザ、紫外線レーザ、エキシマ
レーザ等が挙げられる。これらのなかでは、エキシマレ
ーザや短パルスの炭酸ガスレーザが望ましい。
【0059】また、エキシマレーザのなかでも、ホログ
ラム方式のエキシマレーザを用いることが望ましい。ホ
ログラム方式とは、レーザ光をホログラム、集光レン
ズ、レーザマスク、転写レンズ等を介して目的物に照射
する方式であり、この方式を用いることにより、一度の
照射で樹脂フィルム層に多数の開口を効率的に形成する
ことができる。
【0060】また、炭酸ガスレーザを用いる場合、その
パルス間隔は、10-4〜10-8秒であることが望まし
い。また、開口を形成するためのレーザを照射する時間
は、10〜500μ秒であることが望ましい。また、光
学系レンズと、マスクとを介してレーザ光を照射するこ
とにより、一度に多数のバイアホール用開口を形成する
ことができる。光学系レンズとマスクとを介することに
より、同一強度で、かつ、照射強度が同一のレーザ光を
複数の部分に照射することができるからである。このよ
うにしてバイアホール用開口を形成した後、必要に応じ
て、デスミア処理を施してもよい。
【0061】(5)次に、バイアホール用開口の内壁を
含む層間樹脂絶縁層の表面に、導体回路を形成する。導
体回路を形成するにあたっては、まず、層間樹脂絶縁層
の表面に薄膜導体層を形成する。上記薄膜導体層は、無
電解めっき、スパッタリング等の方法により形成するこ
とができる。
【0062】上記薄膜導体層の材質としては、例えば、
銅、ニッケル、スズ、亜鉛、コバルト、タリウム、鉛等
が挙げられる。これらのなかでは、電気特性、経済性等
に優れる点から銅や銅およびニッケルからなるものが望
ましい。また、上記薄膜導体層の厚さとしては、無電解
めっきにより薄膜導体層を形成する場合には、その下限
は0.3μmが望ましく、0.6μmがより望ましい。
また、その上限は2.0μmが望ましく、1.2μmが
より望ましい。また、スパッタリングにより形成する場
合には、0.1〜1.0μmが望ましい。
【0063】また、上記薄膜導体層を形成する前に、層
間樹脂絶縁層の表面に粗化面を形成しておいてもよい。
粗化面を形成することにより、層間樹脂絶縁層と薄膜導
体層との密着性を向上させることができる。特に、粗化
面形成用樹脂組成物を用いて層間樹脂絶縁層を形成した
場合には、酸や酸化剤等を用いて粗化面を形成すること
が望ましい。
【0064】また、上記(4)の工程で貫通孔を形成し
た場合には、層間樹脂絶縁層上に薄膜導体層を形成する
際に、貫通孔の壁面にも薄膜導体層を形成することによ
りスルーホールとしてもよい。
【0065】(6)次いで、その表面に薄膜導体層が形
成された基板の上にめっきレジストを形成する。上記め
っきレジストは、例えば、感光性ドライフィルムを張り
付けた後、めっきレジストパターンが描画されたガラス
基板等からなるフォトマスクを密着配置し、露光現像処
理を施すことにより形成することができる。
【0066】(7)その後、薄膜導体層をめっきリード
として電気めっきを行い、上記めっきレジスト非形成部
に電気めっき層を形成する。上記電気めっきとしては、
銅めっきが望ましい。また、上記電気めっき層の厚さ、
5〜20μmが望ましい。
【0067】その後、上記めっきレジストと該めっきレ
ジスト下の薄膜導体層を除去することにより導体回路
(バイアホールを含む)を形成することができる。上記
めっきレジストの除去は、例えば、アルカリ水溶液等を
用いて行えばよく、上記薄膜導体層の除去は、硫酸と過
酸化水素との混合液、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモ
ニウム、塩化第二鉄、塩化第二銅等のエッチング液を用
いて行えばよい。また、上記導体回路を形成した後、必
要に応じて、層間樹脂絶縁層上の触媒を酸や酸化剤を用
いて除去してもよい。電気特性の低下を防止することが
できるからである。また、このめっきレジストを形成し
た後、電気めっき層を形成する方法(工程(6)および
(7))に代えて、薄膜導体層上の全面に電気めっき層
を形成した後、エッチング処理を施す方法を用いて導体
回路を形成してもよい。
【0068】また、上記(4)および(5)の工程にお
いてスルーホールを形成した場合には、該スルーホール
内に樹脂充填材を充填してもよい。また、スルーホール
内に樹脂充填材を充填した場合、必要に応じて、無電解
めっきを行うことにより樹脂充填材層の表層部を覆う蓋
めっき層を形成してもよい。
【0069】(8)次に、蓋めっき層を形成した場合に
は、必要に応じて、該蓋めっき層の表面に粗化処理を行
い、さらに、必要に応じて、(3)〜(7)の工程を繰
り返すことにより、その両面に層間樹脂絶縁層と導体回
路とを積層形成する。また、この工程では、スルーホー
ルを形成してもよいし、形成しなくてもよい。
【0070】(9)次に、導体回路と層間樹脂絶縁層と
を形成した基板の最外層に、必要に応じて、ソルダーレ
ジスト層を形成する。上記ソルダーレジスト層は、例え
ば、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリオレフィン樹
脂、フッ素樹脂、熱可塑性エラストマー、エポキシ樹
脂、ポリイミド樹脂等からなるソルダーレジスト組成物
を用いて形成することができる。
【0071】また、上記以外のソルダーレジスト組成物
としては、例えば、ノボラック型エポキシ樹脂の(メ
タ)アクリレート、イミダゾール硬化剤、2官能性(メ
タ)アクリル酸エステルモノマー、分子量500〜50
00程度の(メタ)アクリル酸エステルの重合体、ビス
フェノール型エポキシ樹脂等からなる熱硬化性樹脂、多
価アクリル系モノマー等の感光性モノマー、グリコール
エーテル系溶剤などを含むペースト状の流動体が挙げら
れ、その粘度は25℃で1〜10Pa・sに調整されて
いることが望ましい。また、上記ソルダーレジスト層の
厚さの下限は10μmが望ましく、より望ましくは15
μmであり、上限は30μmが望ましく、より望ましく
は25μmである。なお、上記ソルダーレジスト層の厚
さは20μmであることが最も望ましい。
【0072】(10)次に、上記ソルダーレジスト層
に、半田バンプ形成用開口と光学素子実装用開口とを形
成する。上記半田バンプ形成用開口および光学素子実装
用開口の形成は、バイアホール用開口を形成する方法と
同様の方法、即ち、露光現像処理やレーザ処理を用いて
行うことができる。また、ソルダーレジスト層を形成す
る際に、予め、所望の位置に開口を有する樹脂フィルム
を作製し、該樹脂フィルムを張り付けることにより、半
田バンプ形成用開口と光学素子実装用開口とを有するソ
ルダーレジスト層を形成してもよい。また、上記光学素
子実装用開口の開口径としては、受光素子および発光素
子の半田パッド(接続端子)のピッチ(例えば、100
〜250μm)、および、上記半田パッドの直径(例え
ば、50〜200μm)に合わせて適宜調整すればよ
く、具体的には、例えば、上記半田パッドの直径と略同
一であってもよいし、上記半田パッドの直径よりも10
〜30μm程度大きくてもよい。半田パッドの直径より
も大きくした場合には、半田の接合強度を向上させるこ
とができる。
【0073】(11)次に、上記半田バンプ形成用開口
を形成することにより露出した導体回路部分を、必要に
応じて、ニッケル、パラジウム、金、銀、白金等の耐食
性金属により被覆し、半田パッドとする。これらのなか
では、ニッケル−金、ニッケル−銀、ニッケル−パラジ
ウム、ニッケル−パラジウム−金等の金属により被覆層
を形成することが望ましい。上記被覆層は、例えば、め
っき、蒸着、電着等により形成することができるが、こ
れらのなかでは、被覆層の均一性に優れるという点から
めっきにより形成することが望ましい。また、この工程
では、光学素子実装用開口を形成することにより露出し
た導体回路部分にも被覆層を形成することが望ましい。
【0074】(12)次に、上記半田パッドに相当する
部分に開口部が形成されたマスクを介して、上記半田パ
ッドに半田ペーストを充填した後、リフローすることに
より半田バンプを形成する。上記半田ペーストの組成と
しては、Sn:Ag(重量比)=96.5:3.5(融
点221℃、共晶)が挙げられる。また、上記半田ペー
ストのその他の組成としては、例えば、Sn:Ag:C
u(重量比)=96.5:3.0:0.5等のSnAg
Cu系、Sn:Cu(重量比)=99.3:0.7等の
SnCu系、Sn:Sb(重量比)=95.0:5.0
等のSnSb系等が挙げられる。
【0075】(13)さらに、ソルダーレジスト層に光
学素子(受光素子および発光素子)を実装する。光学素
子の実装は、例えば、上記(12)の工程で光学素子実
装用開口にも半田ペーストを充填しておき、さらに、リ
フローを行う際に、位置合わせをして上記光学素子を取
り付けることにより半田(導電層)を介して実装すれば
よい。また、半田に代えて、導電性接着剤等を用いて光
学素子を実装してもよい。これらの方法を用いた場合に
は、受光素子および発光素子はソルダーレジスト層の表
面に実装されることとなる。このような工程を経ること
により、第一の本発明のICチップ実装用基板を製造す
ることができる。
【0076】次に、第二の本発明のICチップ実装用基
板について説明する。第二の本発明のICチップ実装用
基板は、基板の両面に導体回路と層間樹脂絶縁層とが積
層形成されたICチップ実装用基板であって、上記IC
チップ実装用基板の一の面側には、受光部および発光部
がそれぞれ露出するように、受光素子および発光素子が
内蔵または収納されていることを特徴とする。
【0077】第二の本発明のICチップ実装用基板で
は、基板の表面に受光素子および発光素子が実装されて
いるため、該基板にICチップを実装した場合、ICチ
ップと光学部品との距離が短く、電気信号伝送の信頼性
に優れる。また、ICチップを実装した本発明のICチ
ップ実装用基板では、光通信に必要な電子部品や光学部
品を一体化することができるため、光通信用端末機器の
小型化に寄与することができる。
【0078】また、第二の本発明のICチップ実装用基
板においても、上記受光素子等が実装されている側の最
外層にソルダーレジスト層が形成されており、該ソルダ
ーレジスト層に半田バンプが形成されている場合には、
上記ICチップ実装用基板を外部基板と半田バンプを介
して接続することができ、この場合には、半田が有する
セルフアライメント作用により上記ICチップ実装用基
板を所定の位置に配置することができるため、正確な光
信号の伝送を行うことができる。
【0079】第二の本発明のICチップ実装用基板は、
第一の本発明のICチップ実装用基板と比べて、受光素
子および発光素子の実装方法が異なる。即ち、第一の本
発明のICチップ実装用基板では、該ICチップ実装用
基板の一の表面に受光素子および発光素子が実装されて
いるのに対し、第二の本発明のICチップ実装用基板で
は、該ICチップ実装用基板の一の表面側に、受光部お
よび発光部がそれぞれ露出するように、受光素子および
発光素子が内蔵または収納(以下、両者を併せて単に収
納という)されている。
【0080】以下、第二の本発明のICチップ実装用基
板の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図2は、第二の本発明のICチップ実装用基板の一実施
形態を模式的に示す断面図である。なお、図2では、I
Cチップが実装された状態のICチップ実装用基板を示
す。
【0081】図2に示すように、ICチップ用実装基板
220は、基板221の両面に導体回路224と層間樹
脂絶縁層222とが積層形成され、基板221を挟んだ
導体回路間、および、層間樹脂絶縁層222を挟んだ導
体回路間は、それぞれ、スルーホール229およびバイ
アホール227により電気的に接続されている。また、
ICチップ用実装基板220の一の面側には、受光部2
38aおよび発光部239aがそれぞれ露出するよう
に、受光素子238および発光素子239がソルダーレ
ジスト層234に収納され、受光素子238および発光
素子239は導体層242を介して導体回路224に接
続されている。また、受光素子238等が収納されてい
る側のソルダーレジスト層234には半田バンプ237
が形成されており、ICチップ実装用基板220の他の
表面には半田接続部243を介してICチップ240が
実装されている。
【0082】第二の本発明のICチップ実装用基板で
は、ICチップに近い位置に実装された受光素子および
発光素子において、光/電気信号変換を行うため、電気
信号の伝送距離が短く、信号伝送の信頼性に優れ、より
高速通信に対応することができる。
【0083】また、ICチップ実装用基板220では、
一の面側のソルダーレジスト層に半田バンプ237が形
成されているため、ICチップから送り出された電気信
号は、この半田バンプ237を介して外部基板に送りだ
すことができる。また、半田バンプ237を介して、I
Cチップ実装用基板220の外部からICチップを駆動
させるのに必要な電力を供給することもできる。
【0084】このような第二の本発明のICチップ実装
用基板に実装されている受光素子や発光素子としては、
例えば、第一の本発明のICチップ実装用基板に実装さ
れている受光素子や発光素子と同様のもの等が挙げられ
る。
【0085】次に、第二の本発明のICチップ実装用基
板を製造する方法について説明する。 (1)まず、第一の本発明のICチップ実装用基板の製
造方法(1)〜(8)の工程と同様の方法を用いて、そ
の両面に導体回路と層間樹脂絶縁層とが積層形成される
とともに、バイアホールおよびスルーホールが形成され
た基板を製造する。
【0086】(2)次に、導体回路と層間樹脂絶縁層と
を形成した基板の最外層に、必要に応じて、ソルダーレ
ジスト層を形成する。上記ソルダーレジスト層は、第一
の本発明のICチップ実装用基板の製造方法(9)の工
程と同様の方法を用いて形成することができる。なお、
上記ソルダーレジスト層の露出面は、受光素子の受光面
や発光素子の発光面と同一面を形成しており、例えば、
上記受光素子および上記発光素子の厚さが300μmで
あり、これらの半田接続高さが50μmである場合、上
記ソルダーレジスト層の厚さは350μmである。但
し、場合によっては、上記ソルダーレジスト層の厚さ
は、厳密に350μmである必要はなく、例えば、30
0〜400μmであってもよい。
【0087】(3)次に、上記ソルダーレジスト層に、
半田バンプ形成用開口と光学素子収納用開口とを形成す
る。上記半田バンプ形成用開口の形成は、第一の本発明
のICチップ実装用基板の製造方法(10)の工程と同
様の方法、即ち、バイアホール用開口を形成する方法と
同様の方法を用いて行うことができる。また、上記光学
素子収納用開口の形成は、上記半田バンプ形成用開口の
形成と同様の方法を用いて行うことができる。また、ソ
ルダーレジスト層を形成する際に、予め、所望の位置に
開口を有する樹脂フィルムを作製し、該樹脂フィルムを
張り付けることにより、半田バンプ形成用開口と光学素
子収納用開口とを有するソルダーレジスト層を形成して
もよい。
【0088】(4)次に、上記半田バンプ形成用開口を
形成することにより露出した導体回路部分を、必要に応
じて被覆し、半田パッドとする。具体的には、例えば、
第一の本発明をICチップ実装用基板の製造方法(1
1)の工程と同様の方法を用いて被覆層を形成するま
た、この工程では、光学素子収納用開口を形成すること
により露出した導体回路部分にも被覆層を形成すること
が望ましい。
【0089】(5)次に、上記半田パッドに相当する部
分に開口部が形成されたマスクを介して、上記半田パッ
ドに半田ペーストを充填した後、リフローすることによ
り半田バンプを形成する。
【0090】(6)さらに、ソルダーレジスト層に受光
素子および発光素子を、それぞれ受光部および発光部が
露出するように収納する。光学素子(受光素子および発
光素子)の実装は、例えば、上記(5)の工程で光学素
子収納用開口にも半田ペーストを充填しておき、さら
に、リフローを行う際に、上記光学素子を取り付けるこ
とにより半田(導電層)を介して実装すればよい。ま
た、半田に代えて、導電性接着剤等を用いて光学素子を
実装してもよい。
【0091】また、上記(2)〜(5)の工程を行う方
法では、ソルダーレジスト層を形成した後、光学素子を
収納しているが、このような方法に代えて、以下のよう
な方法を用いて光学素子の収納と半田バンプの形成とを
行ってもよい。即ち、上記(1)の工程を経て、その両
面に導体回路と層間樹脂絶縁層とが積層形成されるとと
もに、バイアホールおよびスルーホールが形成された基
板を製造した後、まず、半田ペーストや導電性接着剤を
介して光学素子を導体回路に取り付ける。次に、ソルダ
ーレジスト組成物を光学素子非実装部に塗布したり、光
学素子を収納する部分に相当する部分に開口を有するフ
ィルム状に成形したソルダーレジスト組成物を圧着した
りすることにより光学素子が収納されたソルダーレジス
ト層を形成する。
【0092】さらに、上記(3)〜(5)の工程と同様
にして、半田バンプ形成用開口の形成、必要に応じて被
覆層の形成、および、半田ペーストの充填を行うことに
より半田バンプを形成する。
【0093】これらの方法を用いた場合には、ICチッ
プ実装用基板の一の面側には、受光素子および発光素子
が内蔵または収納されることとなる。このような工程を
経ることにより、第二の本発明のICチップ実装用基板
を製造することができる。
【0094】次に、第三の本発明のICチップ実装用基
板について説明する。第三の本発明のICチップ実装用
基板は、基板の両面に導体回路と層間樹脂絶縁層とが積
層形成されたICチップ実装用基板であって、上記IC
チップ実装用基板の一の面側には、受光素子および発光
素子が埋設されるとともに、上記受光素子の受光部と光
信号を接続する光路、および、上記発光素子の発光部と
光信号を接続する光路が確保されていることを特徴とす
る。
【0095】第三の本発明のICチップ実装用基板で
は、基板の表面に受光素子および発光素子が実装されて
いるため、該基板にICチップを実装した場合、ICチ
ップと光学部品との距離が短く、電気信号伝送の信頼性
に優れる。また、ICチップを実装した本発明のICチ
ップ実装用基板では、光通信に必要な電子部品や光学部
品を一体化することができるため、光通信用端末機器の
小型化に寄与することができる。
【0096】また、第三の本発明のICチップ実装用基
板においても、上記受光素子等が実装されている側の最
外層にソルダーレジスト層を形成し、該ソルダーレジス
ト層に半田バンプが形成されている場合には、上記IC
チップ実装用基板を外部基板と半田バンプを介して接続
することができ、この場合には、半田が有するセルフア
ライメント作用により上記ICチップ実装用基板を所定
の位置に配置することができるため、正確な光信号の伝
送を行うことができる。
【0097】第三の本発明のICチップ実装用基板は、
第一の本発明のICチップ実装用基板と比べて、受光素
子および発光素子の実装方法が異なる。即ち、第一の本
発明のICチップ実装用基板では、該ICチップ実装用
基板の一の表面に受光素子および発光素子が実装されて
いるのに対し、第三の本発明のICチップ実装用基板で
は、該ICチップ実装用基板の一の面側に、受光素子お
よび発光素子が埋設されるとともに、上記受光素子の受
光部や発光素子の発光部と光信号を接続する光路が確保
されている。
【0098】以下、第三の本発明のICチップ実装用基
板の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図3は、第三の本発明のICチップ実装用基板の一実施
形態を模式的に示す断面図である。なお、図3では、I
Cチップが実装された状態のICチップ実装用基板を示
す。
【0099】図3に示すように、ICチップ用実装基板
320は、基板321の両面に導体回路324と層間樹
脂絶縁層322とが積層形成され、基板321を挟んだ
導体回路間、および、層間樹脂絶縁層322を挟んだ導
体回路間は、それぞれ、スルーホール329およびバイ
アホール327により電気的に接続されている。また、
ICチップ用実装基板320の一の面側には、受光素子
338および発光素子339がそれぞれ埋設され、導体
回路324と導体層342を介して接続されるととも
に、受光部338aや発光部339aと光信号を接続す
る光路用開口340が確保されている。
【0100】第三の本発明のICチップ実装用基板で
は、ICチップに近い位置に実装された受光素子および
発光素子において、光/電気信号変換を行うため、電気
信号の伝送距離が短く、信号伝送の信頼性に優れ、より
高速通信に対応することができる。
【0101】また、ICチップ実装用基板320では、
一の面側のソルダーレジスト層に半田バンプ337が形
成されているため、ICチップから送り出された電気信
号は、この半田バンプ337を介して外部基板に送りだ
すことができる。また、半田バンプ337を介して、I
Cチップ実装用基板320の外部からICチップを駆動
させるのに必要な電力を供給することもできる。
【0102】また、ICチップ実装用基板320では、
受光素子338および発光素子339を埋設するために
設けられた光学素子埋設用開口がそのまま光路用開口3
40(340a、340b)となり、受光素子338や
発光素子339と光信号を接続するための光路としての
役割を果たすことになるが、上記光路用開口は、受光素
子および発光素子の受光部および発光部に対向する部分
にのみ設けられていてもよい。また、ICチップ実装用
基板320では、受光素子338および発光素子339
は、ソルダーレジスト層に埋設されているが、受光素子
等の光学素子の埋設位置はソルダーレジスト層に限定さ
れず、光路が確保されていれば層間樹脂絶縁層や基板に
埋設されていてもよいし、複数の層にまたがるように埋
設されていてもよい。
【0103】また、上記光路は、樹脂等により充填され
ていてもよい。この場合、受光部や発光部に埃が付着し
たり、傷がついたりするおそれがなく、より確実に光信
号の高接続信頼性を確保することができる。また、上記
光路に充填する材料としては、通信波長帯での吸収が少
ないものであれば特に限定されず、例えば、エポキシ樹
脂;UV硬化性エポキシ樹脂;ポリオレフィン系樹脂;
PMMA(ポリメチルメタクリレート)、重水素化PM
MA、重水素フッ素化PMMA等のアクリル樹脂;フッ
素化ポリイミド等のポリイミド樹脂;重水素化シリコー
ン樹脂等のシリコーン樹脂;ベンゾシクロブテンから製
造されるポリマー等が挙げられる。
【0104】このような第三の本発明のICチップ実装
用基板に実装されている受光素子や発光素子としては、
例えば、第一の本発明のICチップ実装用基板に実装さ
れている受光素子や発光素子と同様のもの等が挙げられ
る。
【0105】次に、第三の本発明のICチップ実装用基
板を製造する方法について説明する。 (1)まず、第一の本発明のICチップ実装用基板の製
造方法(1)〜(8)の工程と同様の方法を用いて、そ
の両面に導体回路と層間樹脂絶縁層とが積層形成される
とともに、バイアホールおよびスルーホールが形成され
た基板を製造する。
【0106】(2)次に、導体回路と層間樹脂絶縁層と
を形成した基板の最外層に、必要に応じて、ソルダーレ
ジスト層を形成する。上記ソルダーレジスト層は、第一
の本発明のICチップ実装用基板の製造方法(9)の工
程と同様の方法を用いて形成することができる。また、
上記ソルダーレジスト層の厚さは、受光素子および発光
素子がフリップチップ型部品である場合、上記受光素子
および上記発光素子の厚さと、これらの半田接続高さと
を併せた厚さよりも厚ければよく、上記受光素子および
上記発光素子がワイヤーボンディング型部品である場
合、上記受光素子および上記発光素子の厚さと、これら
の半田接続高さと、ワイヤー部分の高さとを併せた厚さ
よりも厚ければよく、上記フリップチップ型部品の場合
よりも100μm程度厚くすればよい。
【0107】(3)次に、上記ソルダーレジスト層に、
半田バンプ形成用開口と光学素子埋設用開口とを形成す
る。上記半田バンプ形成用開口の形成は、第一の本発明
のICチップ実装用基板の製造方法(10)の工程と同
様の方法、即ち、バイアホール用開口を形成する方法と
同様の方法を用いて行うことができる。また、上記光学
素子埋設用開口の形成は、上記半田バンプ形成用開口の
形成と同様の方法を用いて行うことができる。また、ソ
ルダーレジスト層を形成する際に、予め、所望の位置に
開口を有する樹脂フィルムを作製し、該樹脂フィルムを
張り付けることにより、半田バンプ形成用開口と光学素
子埋設用開口とを有するソルダーレジスト層を形成して
もよい。
【0108】(4)次に、上記半田バンプ形成用開口を
形成することにより露出した導体回路部分を、必要に応
じて被覆し、半田パッドとする。具体的には、例えば、
第一の本発明のICチップ実装用基板の製造方法(1
1)の工程と同様の方法を用いて被覆層を形成するま
た、この工程では、光学素子埋設用開口を形成すること
により露出した導体回路部分にも被覆層を形成すること
が望ましい。
【0109】(5)次に、上記半田パッドに相当する部
分に開口部が形成されたマスクを介して、上記半田パッ
ドに半田ペーストを充填した後、リフローすることによ
り半田バンプを形成する。
【0110】(6)さらに、ソルダーレジスト層に受光
素子および発光素子を、それぞれ光学素子埋設用開口に
埋設する。具体的には、上記(5)の工程で光学素子埋
設用開口にも半田ペーストを充填しておき、さらに、リ
フローを行う際に、上記光学素子を取り付けることによ
り半田(導電層)を介して実装すればよい。また、半田
に代えて、導電性接着剤等を用いて光学素子を実装して
もよい。なお、上記受光素子および上記発光素子がワイ
ヤーボンディング型部品である場合、ワイヤー部分を樹
脂で封止し、特に上記ワイヤー部分が受光面および発光
面である場合は、上述した光路を充填する樹脂により封
止する。
【0111】また、上記(2)〜(5)の工程を行う方
法では、ソルダーレジスト層を形成した後、光学素子を
埋設しているが、このような方法に代えて、以下のよう
な方法を用いて光学素子の埋設と半田バンプの形成とを
行ってもよい。特に、光学素子が有する受光部や発光部
に対向する部分にのみ光路を形成する場合には、下記の
方法を用いることが望ましい。
【0112】即ち、上記(1)の工程を経て、その両面
に導体回路と層間樹脂絶縁層とが積層形成されるととも
に、バイアホールおよびスルーホールが形成された基板
を製造した後、まず、半田ペーストや導電性接着剤を介
して光学素子を導体回路に取り付ける。次に、ソルダー
レジスト組成物を光学素子非実装部に塗布したり、光学
素子に相当する部分に開口を有するフィルム状に成形し
たソルダーレジスト組成物を圧着したりすることにより
ソルダーレジスト層を形成する。
【0113】さらに、上記(3)〜(5)の工程と同様
にして、半田バンプ形成用開口および光路用開口の形
成、必要に応じて被覆層の形成、および、半田ペースト
の充填を行うことにより光学素子の埋設と半田バンプの
形成とを行う。なお、この方法を用いて光学素子を埋設
する場合には、ソルダーレジスト組成物に感光性樹脂組
成物を用い、光路用開口の形成を露光、現像処理により
行うことが望ましい。レーザ処理により光路用開口を形
成した場合、光学素子の表面、特に、受光部や発光部に
傷を付けるおそれがあるからである。また、ソルダーレ
ジスト層以外、例えば、層間樹脂絶縁層に光学素子を埋
設する場合には、該層間樹脂絶縁層を形成する際に光学
素子を実装しておき、ソルダーレジスト層を積層形成し
た後、光路を形成すればよい。
【0114】これらの方法を用いた場合には、ICチッ
プ実装用基板の一の面側には、受光素子および発光素子
が埋設されることとなる。このような工程を経ることに
より、第三の本発明のICチップ実装用基板を製造する
ことができる。
【0115】
【実施例】以下、本発明をさらに詳細に説明する。 (実施例1) A.層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムの作製 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量46
9、油化シェルエポキシ社製エピコート1001)30
重量部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキ
シ当量215、大日本インキ化学工業社製 エピクロン
N−673)40重量部、トリアジン構造含有フェノー
ルノボラック樹脂(フェノール性水酸基当量120、大
日本インキ化学工業社製 フェノライトKA−705
2)30重量部をエチルジグリコールアセテート20重
量部、ソルベントナフサ20重量部に攪拌しながら加熱
溶解させ、そこへ末端エポキシ化ポリブタジエンゴム
(ナガセ化成工業社製 デナレックスR−45EPT)
15重量部と2−フェニル−4、5−ビス(ヒドロキシ
メチル)イミダゾール粉砕品1.5重量部、微粉砕シリ
カ2重量部、シリコン系消泡剤0.5重量部を添加しエ
ポキシ樹脂組成物を調製した。得られたエポキシ樹脂組
成物を厚さ38μmのPETフィルム上に乾燥後の厚さ
が50μmとなるようにロールコーターを用いて塗布し
た後、80〜120℃で10分間乾燥させることによ
り、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを作製した。
【0116】B.貫通孔充填用樹脂組成物の調製 ビスフェノールF型エポキシモノマー(油化シェル社
製、分子量:310、YL983U)100重量部、表
面にシランカップリング剤がコーティングされた平均粒
径が1.6μmで、最大粒子の直径が15μm以下のS
iO2 球状粒子(アドテック社製、CRS 1101−
CE)170重量部およびレベリング剤(サンノプコ社
製 ペレノールS4)1.5重量部を容器にとり、攪拌
混合することにより、その粘度が23±1℃で45〜4
9Pa・sの樹脂充填材を調製した。なお、硬化剤とし
て、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、2E4MZ−
CN)6.5重量部を用いた。
【0117】C.ICチップ実装用基板の製造 (1)厚さ0.8mmのガラスエポキシ樹脂またはBT
(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる絶縁性基板
21の両面に18μmの銅箔28がラミネートされてい
る銅張積層板を出発材料とした(図4(a)参照)。ま
ず、この銅張積層板をドリル削孔し、無電解めっき処理
を施し、パターン状にエッチングすることにより、基板
21の両面に導体回路24とスルーホール29とを形成
した。
【0118】(2)スルーホール29と導体回路24と
を形成した基板を水洗いし、乾燥した後、NaOH(1
0g/l)、NaClO2 (40g/l)、Na3 PO
4 (6g/l)を含む水溶液を黒化浴(酸化浴)とする
黒化処理、および、NaOH(10g/l)、NaBH
4 (6g/l)を含む水溶液を還元浴とする還元処理を
行い、スルーホール29を含む導体回路24の表面に粗
化面(図示せず)を形成した(図4(b)参照)。
【0119】(3)上記Bに記載した樹脂充填材を調製
した後、下記の方法により調製後24時間以内に、スル
ーホール29内および基板21の片面の導体回路非形成
部と導体回路24の外縁部とに樹脂充填材30′の層を
形成した。即ち、まず、スキージを用いてスルーホール
内に樹脂充填材を押し込んだ後、100℃、20分の条
件で乾燥させた。次に、導体回路非形成部に相当する部
分が開口したマスクを基板上に載置し、スキージを用い
て凹部となっている導体回路非形成部にも樹脂充填材を
充填し、100℃、20分の条件で乾燥させることによ
り樹脂充填材30′の層を形成した(図4(c)参
照)。
【0120】(4)上記(3)の処理を終えた基板の片
面を、♯600のベルト研磨紙(三共理化学社製)を用
いたベルトサンダー研磨により、導体回路24の表面や
スルーホール29のランド表面に樹脂充填材30′が残
らないように研磨し、次いで、上記ベルトサンダー研磨
による傷を取り除くためのバフ研磨を行った。このよう
な一連の処理を基板の他方の面についても同様に行っ
た。次いで、100℃で1時間、120℃で3時間、1
50℃で1時間、180℃で7時間の加熱処理を行って
樹脂充填材層30を形成した。
【0121】このようにして、スルーホール29や導体
回路非形成部に形成された樹脂充填材30の表層部およ
び導体回路24の表面を平坦化し、樹脂充填材30と導
体回路24の側面とが粗化面(図示せず)を介して強固
に密着し、また、スルーホール29の内壁面と樹脂充填
材30とが粗化面(図示せず)を介して強固に密着した
絶縁性基板を得た(図4(d)参照)。この工程によ
り、樹脂充填材層30の表面と導体回路24の表面とが
同一平面となる。
【0122】(5)上記基板を水洗、酸性脱脂した後、
ソフトエッチングし、次いで、エッチング液を基板の両
面にスプレイで吹き付けて、導体回路24の表面とスル
ーホール29のランド表面と内壁とをエッチングするこ
とにより、導体回路24の全表面に粗化面(図示せ
ず)。エッチング液として、イミダゾール銅(II)錯
体10重量部、グリコール酸7重量部、塩化カリウム5
重量部を含むエッチング液(メック社製、メックエッチ
ボンド)を使用した。
【0123】(6)次に、上記Aで作製した基板より少
し大きめの層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを基板上に載
置し、圧力0.4MPa、温度80℃、圧着時間10秒
の条件で仮圧着して裁断した後、さらに、以下の方法に
より真空ラミネータ装置を用いて貼り付けることにより
層間樹脂絶縁層22を形成した(図4(e)参照)。即
ち、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを基板上に、真空度
65Pa、圧力0.4MPa、温度80、時間60秒の
条件で本圧着し、その後、170℃で30分間熱硬化さ
せた。
【0124】(7)次に、層間樹脂絶縁層22上に、厚
さ1.2mmの貫通孔が形成されたマスクを介して、波
長10.4μmのCO2 ガスレーザにて、ビーム径4.
0mm、トップハットモード、パルス幅8.0μ秒、マ
スクの貫通孔の径1.0mm、1ショットの条件で層間
樹脂絶縁層22に、直径80μmのバイアホール用開口
26を形成した(図5(a)参照)。
【0125】(8)バイアホール用開口26を形成した
基板を、60g/lの過マンガン酸を含む80℃の溶液
に10分間浸漬し、層間樹脂絶縁層22の表面に存在す
るエポキシ樹脂粒子を溶解除去することにより、バイア
ホール用開口26の内壁面を含むその表面に粗化面(図
示せず)を形成した。
【0126】(9)次に、上記処理を終えた基板を、中
和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いした。さ
らに、粗面化処理(粗化深さ3μm)した該基板の表面
に、パラジウム触媒を付与することにより、下層層間樹
脂絶縁層22の表面(バイアホール用開口26の内壁面
を含む)に触媒核を付着させた(図示せず)。即ち、上
記基板を塩化パラジウム(PdCl2 )と塩化第一スズ
(SnCl2 )とを含む触媒液中に浸漬し、パラジウム
金属を析出させることにより触媒を付与した。
【0127】(10)次に、以下の組成の無電解銅めっ
き水溶液中に、基板を浸漬し、層間樹脂絶縁層22の表
面(バイアホール用開口26の内壁面を含む)、およ
び、貫通孔29の壁面に厚さ0.6〜3.0μmの薄膜
導体層(無電解銅めっき膜)32を形成した(図5
(b)参照)。 〔無電解めっき水溶液〕 NiSO4 0.003 mol/l 酒石酸 0.200 mol/l 硫酸銅 0.030 mol/l HCHO 0.050 mol/l NaOH 0.100 mol/l α、α′−ビピリジル 100 mg/l ポリエチレングリコール(PEG) 0.10 g/l 〔無電解めっき条件〕 30℃の液温度で40分
【0128】(11)次に、薄膜導体層(無電解銅めっ
き膜)32が形成された基板に市販の感光性ドライフィ
ルムを張り付け、マスクを載置して、100mJ/cm
2 で露光し、0.8%炭酸ナトリウム水溶液で現像処理
することにより、厚さ20μmのめっきレジスト23を
設けた(図5(c)参照)。
【0129】(12)ついで、基板を50℃の水で洗浄
して脱脂し、25℃の水で水洗後、さらに硫酸で洗浄し
てから、以下の条件で電解めっきを施し、めっきレジス
ト23非形成部に、厚さ20μmの電解銅めっき膜33
を形成した(図5(d)参照)。 〔電解めっき液〕 硫酸 2.24 mol/l 硫酸銅 0.26 mol/l 添加剤 19.5 ml/l (アトテックジャパン社製、カパラシドHL) 〔電解めっき条件〕 電流密度 1 A/dm2 時間 65 分 温度 22±2 ℃
【0130】(13)さらに、めっきレジスト23を5
%NaOHで剥離除去した後、そのめっきレジスト23
下の薄膜導体層を硫酸と過酸化水素との混合液でエッチ
ング処理して溶解除去し、薄膜導体層(無電解銅めっき
膜)32と電解銅めっき膜33とからなる厚さ18μm
の導体回路25(バイアホール27を含む)を形成した
(図6(a)参照)。
【0131】(14)次に、上記(5)〜(13)の工
程の工程を繰り返すことにより、上層の層間樹脂絶縁層
と導体回路とを積層形成した(図6(b)〜図6(c)
参照)。さらに、上記(5)の工程で用いた方法と同様
の方法を用いて最外層の導体回路に粗化面を形成した。
【0132】(15)次に、ジエチレングリコールジメ
チルエーテル(DMDG)に60重量%の濃度になるよ
うに溶解させた、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂
(日本化薬社製)のエポキシ基50%をアクリル化した
感光性付与のオリゴマー(分子量:4000)46.6
7重量部、メチルエチルケトンに溶解させた80重量%
のビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル社製、
商品名:エピコート1001)15.0重量部、イミダ
ゾール硬化剤(四国化成社製、商品名:2E4MZ−C
N)1.6重量部、感光性モノマーである2官能アクリ
ルモノマー(日本化薬社製、商品名:R604)4.5
重量部、同じく多価アクリルモノマー(共栄化学社製、
商品名:DPE6A)1.5重量部、分散系消泡剤(サ
ンノプコ社製、S−65)0.71重量部を容器にと
り、攪拌、混合して混合組成物を調製し、この混合組成
物に対して光重合開始剤としてベンゾフェノン(関東化
学社製)2.0重量部、光増感剤としてのミヒラーケト
ン(関東化学社製)0.2重量部、を加えることによ
り、粘度を25℃で2.0Pa・sに調整したソルダー
レジスト組成物を得た。なお、粘度測定は、B型粘度計
(東京計器社製、DVL−B型)で60min-1(rp
m)の場合はローターNo.4、6min-1(rpm)
の場合はローターNo.3によった。
【0133】(16)次に、層間樹脂絶縁層22と導体
回路25(バイアホール27を含む)とを形成した基板
の両面に、上記ソルダーレジスト組成物を30μmの厚
さで塗布し、70℃で20分間、70℃で30分間の条
件で乾燥処理を行い、ソルダーレジス組成物の層を形成
した。
【0134】(17)次いで、半田バンプ形成用開口の
パターンが描画された厚さ5mmのフォトマスクをIC
チップ実装側のソルダーレジスト組成物の層に密着させ
て1000mJ/cm2 の紫外線で露光し、DMTG溶
液で現像処理し、直径200μmの開口を形成した。ま
た、光学素子実装側のソルダーレジスト組成物の層に
は、半田バンプ形成用開口と光学素子実装用開口とのパ
ターンが描画された厚さ5mmのフォトマスクを密着さ
せ、上記した条件で露光、現像処理を行うことにより直
径200μmの開口と、直径180μmの開口とを形成
した。さらに、80℃で1時間、100℃で1時間、1
20℃で1時間、150℃で3時間の条件でそれぞれ加
熱処理を行ってソルダーレジスト組成物の層を硬化さ
せ、半田バンプ形成用開口35を有し、その厚さが20
μmのソルダーレジスト層と、半田バンプ形成用開口3
5と光学素子実装用開口31とを有し、その厚さが20
μmのソルダーレジスト層34とを形成した(図7
(a)参照)。なお、上記ソルダーレジスト組成物とし
ては、市販のソルダーレジスト組成物を使用することも
できる。
【0135】(18)次に、ソルダーレジスト層34を
形成した基板を、塩化ニッケル(2.3×10-1mol
/l)、次亜リン酸ナトリウム(2.8×10-1mol
/l)、クエン酸ナトリウム(1.6×10-1mol/
l)を含むpH=4.5の無電解ニッケルめっき液に2
0分間浸漬して、半田バンプ形成用開口35と光学素子
実装用開口31に厚さ5μmのニッケルめっき層を形成
した。さらに、その基板をシアン化金カリウム(7.6
×10-3mol/l)、塩化アンモニウム(1.9×1
-1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.2×10
-1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(1.7×10
-1mol/l)を含む無電解金めっき液に80℃の条件
で7.5分間浸漬して、ニッケルめっき層上に、厚さ
0.03μmの金めっき層を形成し、半田パッド36と
した。
【0136】(19)次に、ソルダーレジスト層34に
形成した半田バンプ形成用開口35と光学素子実装用開
口31に半田ペーストを印刷し、さらに、光学素子実装
用開口31に印刷した半田ペーストに、受光素子38お
よび発光素子39の受光部38aおよび発光部39aの
位置合わせを行いながら取り付け、200℃でリフロー
することにより、受光素子38および発光素子39を実
装するとともに、半田バンプ形成用開口35に半田バン
プ37を形成し、ICチップ実装用基板とした。なお、
受光素子38としては、InGaAsからなるものを用
い、発光素子39としては、InGaAsPからなるも
のを用いた(図7(b)参照)。このような工程を経る
ことにより、本実施例では、その一の表面に受光部およ
び発光部がそれぞれ露出するように、受光素子および発
光素子が実装されたICチップ実装用基板を製造した。
【0137】(実施例2) (1)まず、実施例1の(1)〜(14)の工程と同様
の方法を用いてその両面に層間樹脂絶縁層と導体回路と
が積層形成された基板を製造した。 (2)次に、実施例1の(15)および(16)の工程
と同様の方法を用いてソルダーレジスト組成物の層を形
成した。
【0138】(3)さらに、半田バンプ形成用開口のパ
ターンが描画された厚さ5mmのフォトマスクをICチ
ップ実装側のソルダーレジスト組成物の層に密着させて
1000mJ/cm2 の紫外線で露光し、DMTG溶液
で現像処理し、直径200μmの開口を形成した。ま
た、光学素子実装側のソルダーレジスト組成物の層に
は、半田バンプ形成用開口と光学素子収納用開口とのパ
ターンが描画された厚さ5mmのフォトマスクを密着さ
せ、上記した条件で露光、現像処理を行うことにより半
田バンプ形成用開口(直径200μm)と、光学素子収
納用開口とを形成した。さらに、実施例1の(17)と
同様の条件でソルダーレジスト組成物の層を硬化させ、
半田バンプ形成用開口を有し、その厚さが20μmのソ
ルダーレジスト層と、半田バンプ形成用開口と光学素子
収納用開口とを有し、その厚さが20μmのソルダーレ
ジスト層34とを形成した。
【0139】(4)次に、実施例1の(18)の工程と
同様の方法を用いて半田バンプ形成用開口と光学素子収
納用開口とに被覆層(半田パッド)を形成した。 (5)次に、ソルダーレジスト層に形成した半田バンプ
形成用開口に半田バンプを形成するのに必要な量の半田
ペーストを印刷するとともに、光学素子収納用開口にも
半田ペーストを印刷した。さらに、この光学素子収納用
開口に受光素子および発光素子を収納し、200℃でリ
フローすることにより、受光素子および発光素子を実装
するとともに半田バンプを形成し、ICチップ実装用基
板とした。なお、受光素子および発光素子としては、実
施例1と同様のものを用いた。このような工程を経るこ
とにより、本実施例では、その一の面側に受光部および
発光部がそれぞれ露出するように、受光素子および発光
素子が収納されたICチップ実装用基板(図2参照)を
製造した。
【0140】(実施例3)(1)まず、実施例1の
(1)〜(14)の工程と同様の方法を用いてその両面
に層間樹脂絶縁層と導体回路とが積層形成された基板を
製造した。 (2)次に、最外層の導体回路の所定の位置に、導電性
接着剤を介して受光素子および発光素子を取り付けた。
なお、受光素子および発光素子としては、実施例1と同
様のものを用いた。 (3)次に、実施例1の(15)の工程と同様の方法を
用いてソルダーレジスト組成物を調製した。さらに、上
記(2)の工程で導体回路に取り付けた受光素子および
発光素子の受光部および発光部にレジストを貼りつけた
後、上記ソルダーレジスト組成物を塗布し、70℃で2
0分間、70℃で30分間の条件で乾燥処理を行い、ソ
ルダーレジス組成物の層を形成した。なお、上記受光素
子および発光素子の厚さは300μmであった。
【0141】(4)さらに、半田バンプ形成用開口のパ
ターンが描画された厚さ5mmのフォトマスクをICチ
ップ実装側のソルダーレジスト組成物の層に密着させ、
実施例1の(17)と同様の条件で露光、現像処理を行
い、直径200μmの半田バンプ形成用開口を形成し
た。また、光学素子実装側のソルダーレジスト組成物の
層にも同様にして半田バンプ形成用開口を形成した。次
に、上記(3)の工程で受光部および発光部に取りつけ
たレジストを除去し、さらに、実施例1の(17)と同
様の条件でソルダーレジスト組成物の層を硬化させ、半
田バンプ形成用開口と、受光部および発光部に対向する
部分に形成された光路用開口とを有するとともに、光学
素子が完全に埋設したソルダーレジスト層を形成した。
なお、該ソルダーレジスト層の厚さは、ICチップ実装
側の厚さが450μmで、光学素子実装側が450μm
である。
【0142】(4)次に、実施例1の(18)の工程と
同様の方法を用いて半田バンプ形成用開口に被覆層(半
田パッド)を形成した。 (5)次に、半田バンプ形成用開口に半田バンプを形成
するのに必要な量の半田ペーストを印刷し、250℃で
リフローすることにより半田バンプを形成し、ICチッ
プ実装用基板とした。このような工程を経ることによ
り、本実施例では、その一の面側に受光素子および発光
素子が埋設されるともに、該受光素子の受光部や該発光
素子の発光部と光信号を接続する光路が確保されたIC
チップ実装用基板を製造した。
【0143】このようにして得られた実施例1〜3のI
Cチップ実装用基板について、受光素子の受光部に対向
する位置に光ファイバの端面を配置し、発光素子の発光
部に対向する位置に検出器を取りつけ、その後、光ファ
イバを介して光信号を送り、ICチップで演算させた
後、検出器で光信号を検出したところ、所望の光信号を
検出することができた。
【0144】
【発明の効果】第一〜第三の本発明のICチップ実装用
基板は、上記した構成からなるため、基板の表面に受光
素子および発光素子が実装されているため、該基板にI
Cチップを実装した場合、ICチップと光学部品との距
離が短く、電気信号伝送の信頼性に優れる。また、第一
〜第三の本発明のICチップ実装用基板では、ICチッ
プを実装することにより光通信に必要な電子部品や光学
部品を一体化することができるため、光通信用端末機器
の小型化に寄与することができる。
【0145】また、第一〜第三の本発明のICチップ実
装用基板において、受光素子および発光素子が実装され
ている側の最外層にソルダーレジスト層が形成され、上
記ソルダーレジスト層に半田バンプが形成されている場
合には、この半田バンプを介してICチップ実装用基板
を外部基板と接続することができるため、半田が有する
セルフアライメント効果により上記ICチップ実装用基
板を所定の位置に配置することができ、第一〜第三の本
発明のICチップ実装用基板と外部基板との間で正確な
光信号の伝送を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の本発明のICチップ実装用基板の一実施
形態を模式的に示す断面図である。
【図2】第二の本発明のICチップ実装用基板の一実施
形態を模式的に示す断面図である。
【図3】第三の本発明のICチップ実装用基板の一実施
形態を模式的に示す断面図である。
【図4】第一の本発明のICチップ実装用基板を製造す
る工程の一部を模式的に示す断面図である。
【図5】第一の本発明のICチップ実装用基板を製造す
る工程の一部を模式的に示す断面図である。
【図6】第一の本発明のICチップ実装用基板を製造す
る工程の一部を模式的に示す断面図である。
【図7】第一の本発明のICチップ実装用基板を製造す
る工程の一部を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
20 ICチップ実装用基板 21 基板 22 層間樹脂絶縁層 24 導体回路 27 バイアホール 29 スルーホール 31 光学素子実装用開口 34 ソルダーレジスト層 38 受光素子 39 発光素子 120、220、320 ICチップ実装用基板 121、221、321 基板 122、222、322 層間樹脂絶縁層 124、224、324 導体回路 127、227、327 バイアホール 129、229、329 スルーホール 131、231、331 光学素子用開口 134、234、334 ソルダーレジスト層 138、238、338 受光素子 139、239、338 発光素子 140、240、340 ICチップ 142、242、342 導電層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 1/18 H05K 3/46 Q 3/46 H01L 31/02 B 23/12 N Fターム(参考) 5E336 AA08 AA14 BB03 BB11 BC26 BC28 BC32 BC34 CC32 CC42 CC57 CC58 EE03 GG11 GG25 5E338 AA03 AA16 BB03 BB19 BB25 BB63 BB75 CC01 CD03 CD33 EE11 EE23 5E346 AA06 AA12 AA15 AA43 BB02 BB16 CC02 CC08 CC31 DD02 DD22 DD33 DD47 EE31 EE38 FF04 FF45 GG17 GG22 GG25 GG27 GG28 HH05 HH22 5F041 AA47 DA12 DA20 DA83 EE01 FF14 5F088 AA01 BA03 BA15 BB01 JA03 JA14 JA20

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の両面に導体回路と層間樹脂絶縁層
    とが積層形成されたICチップ実装用基板であって、前
    記ICチップ実装用基板の一の表面には、受光部および
    発光部がそれぞれ露出するように、受光素子および発光
    素子が実装されていることを特徴とするICチップ実装
    用基板。
  2. 【請求項2】 基板の両面に導体回路と層間樹脂絶縁層
    とが積層形成されたICチップ実装用基板であって、前
    記ICチップ実装用基板の一の面側には、受光部および
    発光部がそれぞれ露出するように、受光素子および発光
    素子が内蔵または収納されていることを特徴とするIC
    チップ実装用基板。
  3. 【請求項3】 基板の両面に導体回路と層間樹脂絶縁層
    とが積層形成されたICチップ実装用基板であって、前
    記ICチップ実装用基板の一の面側には、受光素子およ
    び発光素子が埋設されるとともに、前記受光素子の受光
    部と光信号を接続する光路、および、前記発光素子の発
    光部と光信号を接続する光路が確保されていることを特
    徴とするICチップ実装用基板。
  4. 【請求項4】 前記光路は、光路用開口である請求項3
    に記載のICチップ実装用基板。
  5. 【請求項5】 前記ICチップ実装用基板の一の面側の
    最外層にはソルダーレジスト層が形成され、前記ソルダ
    ーレジスト層には、半田バンプが形成されている請求項
    1〜4のいずれか1に記載のICチップ実装用基板。
  6. 【請求項6】 前記基板を挟んだ導体回路間がスルーホ
    ールを介して接続され、前記層間樹脂絶縁層を挟んだ導
    体回路間がバイアホールを介して接続されている請求項
    1〜5のいずれか1に記載のICチップ実装用基板。
  7. 【請求項7】 前記受光素子は、半田接続することがで
    きるものである請求項1〜6のいずれか1に記載のパッ
    ケージ基板。
  8. 【請求項8】 前記発光素子は、半田接続することがで
    きるものである請求項1〜6のいずれか1に記載のパッ
    ケージ基板。
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