JP2004004426A - 光通信用デバイスおよび光通信用デバイスの製造方法 - Google Patents

光通信用デバイスおよび光通信用デバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】所定の位置に光学素子が実装されたICチップ実装用基板と、所定の位置に光導波路が形成された多層プリント配線板とから構成されているため、実装した光学部品間の接続損失が低く、接続信頼性に優れるとともに、光通信に必要な光学部品と電子部品とを一体化することにより小型化された光通信用デバイスを提供する。
【解決手段】少なくとも、光学素子が実装されるとともに光路用樹脂充填層が形成された光学素子実装用領域を有するICチップ実装用基板と、
少なくとも光導波路が形成された多層プリント配線板とからなる光通信用デバイスであって、
上記光導波路と上記光学素子とが、上記光路用樹脂充填層を介して光信号を伝達することができるように構成されていることを特徴とする光通信用デバイス。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信用デバイス、および、光通信用デバイスの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、通信分野を中心として光ファイバに注目が集まっている。特にIT(情報技術)分野においては、高速インターネット網の整備に、光ファイバを用いた通信技術が必要となる。
光ファイバは、▲1▼低損失、▲2▼高帯域、▲3▼細径・軽量、▲4▼無誘導、▲5▼省資源等の特徴を有しており、これらの特徴を有する光ファイバを用いた通信システムでは、従来のメタリックケーブルを用いた通信システムに比べ、中継器数を大幅に削減することができ、建設、保守が容易になり、通信システムの経済化、高信頼性化を図ることができる。
【0003】
また、光ファイバは、一つの波長の光だけでなく、多くの異なる波長の光を1本の光ファイバで同時に多重伝送することができるため、多様な用途に対応可能な大容量の伝送路を実現することができ、映像サービス等にも対応することができる。
【0004】
そこで、このようなインターネット等のネットワーク通信においては、光ファイバを用いた光通信を、基幹網の通信のみならず、基幹網と端末機器(パソコン、モバイル、ゲーム等)との通信や、端末機器同士の通信にも用いることが提案されている。
【0005】
このように基幹網と端末機器との通信等に光通信を用いる場合、端末機器において情報(信号)処理を行うICが、電気信号で動作するため、端末機器には、光→電気変換器や電気→光変換器等の光信号と電気信号とを変換する装置(以下、光/電気変換器ともいう)を取り付ける必要がある。そこで、従来の端末機器では、例えば、ICチップを実装したパッケージ基板、光信号を処理する受光素子や発光素子等の光学部品等を別々に実装し、これらに電気配線や光導波路を接続し、信号伝送および信号処理を行っていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の端末機器では、IC実装パッケージ基板と光学部品とを別々に実装しているため、装置全体が大きくなり、端末機器の小型化を妨げる要因となっていた。
また、従来の端末機器では、IC実装パッケージ基板と光学部品との距離が離れているため、電気配線距離が長く、信号伝送時にクロストークノイズ等による信号エラー等が発生しやすかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは鋭意検討した結果、各種光学部品を実装したICチップ実装用基板と多層プリント配線板とを対向配置することにより、接続信頼性に優れる光通信を達成することができるとともに、端末機器の小型化に寄与することができることを見出し、下記の構成からなる本発明の光通信用デバイスを完成させた。
さらに、光通信用デバイスにおいて、対向配置したICチップ実装用基板と多層プリント配線板との間に封止樹脂層を形成した場合には、各光学部品間に空気中を浮遊している異物等が入り込むことがなく、加えて、ICチップ実装用基板と多層プリント配線板との間で発生する応力を緩和することができるため、より信頼性に優れる光通信用デバイスとなることを見出した。
【0008】
すなわち、本発明の光通信用デバイスは、少なくとも、光学素子が実装されるとともに光路用樹脂充填層が形成された光学素子実装用領域を有するICチップ実装用基板と、
少なくとも光導波路が形成された多層プリント配線板とからなる光通信用デバイスであって、
上記光導波路と上記光学素子とが、上記光路用樹脂充填層を介して光信号を伝達することができるように構成されていることを特徴とする。
【0009】
本発明の光通信用デバイスでは、上記ICチップ実装用基板と上記多層プリント配線板との間に封止樹脂層が形成されていることが望ましく、この場合、上記封止樹脂層は、通信波長光の透過率が70%以上であることが望ましい。
また、上記封止樹脂層には、粒子が含まれていることが望ましい。
【0010】
また、本発明の光通信用デバイスにおいては、上記光路用樹脂充填層の多層プリント配線板と対向する面に、少なくとも1つのマイクロレンズが配設されていることが望ましく、また、上記光路用樹脂充填層の多層プリント配線板と対向する面に少なくとも1つのマイクロレンズが配設されており、上記ICチップ実装用基板と上記多層プリント配線板との間に封止樹脂層が形成されている場合には、上記マイクロレンズの屈折率は、上記封止樹脂層の屈折率よりも大きいことが望ましい。
【0011】
また、本発明の光通信用デバイスにおいて、上記光学素子は、受光素子および/または発光素子であることが望ましい。
【0012】
本発明の光通信用デバイスの製造方法は、少なくとも、光学素子が実装されるとともに光路用樹脂充填層が形成された光学素子実装用領域を有するICチップ実装用基板と、少なくとも光導波路が形成された多層プリント配線板とを別々に製造した後、
上記ICチップ実装用基板の光学素子と上記多層プリント配線板の光導波路との間で、光信号の伝送ができる位置に両者を配置、固定し、
さらに、上記ICチップ実装用基板と上記多層プリント配線板との間に封止用樹脂組成物を流し込んだ後、硬化処理を施すことにより封止樹脂層を形成することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の光通信用デバイスについて説明する。
本発明の光通信用デバイスは、少なくとも、光学素子が実装されるとともに光路用樹脂充填層が形成された光学素子実装用領域を有するICチップ実装用基板と、
少なくとも光導波路が形成された多層プリント配線板とからなる光通信用デバイスであって、
上記光導波路と上記光学素子とが、上記光路用樹脂充填層を介して光信号を伝達することができるように構成されていることを特徴とする。
【0014】
本発明の光通信用デバイスは、所定の位置に光学素子が実装されたICチップ実装用基板と、所定の位置に光導波路が形成された多層プリント配線板とから構成されているため、実装した光学部品間の接続損失が低く、光通信用デバイスとして接続信頼性に優れる。
また、上記光通信用デバイスでは、光通信に必要な光学部品と電子部品とを一体化することができるため、光通信用端末機器の小型化に寄与することができる。
【0015】
また、本発明の光通信用デバイスにおいて、ICチップ実装用基板と多層プリント配線板との間には、封止樹脂層が形成されていることが望ましい。封止樹脂層が形成されている場合には、光学素子と光導波路との間に、空気中を浮遊しているゴミや異物等が入り込むことがなく、このゴミや異物等により光信号の伝送が阻害されることがないため、光通信用デバイスとしての信頼性により優れることとなる。
【0016】
さらに、封止樹脂層が形成されている場合には、該封止樹脂層が上記ICチップ実装用基板と上記多層プリント配線板との間で熱膨張係数の差に起因して発生する応力を緩和する役目を果たすことができるため、例えば、ICチップ実装用基板と多層プリント配線板とを接続する半田バンプ付近での破断等を防止することができる。また、上記封止樹脂層を形成した場合には、光学素子や光導波路の位置ズレがより発生しにくく、光学素子と光導波路との間での光信号の伝送も阻害されない。
従って、このような点からもICチップ実装用基板と多層プリント配線板との間に封止樹脂層を形成した場合には、光通信用デバイスとしての信頼性により優れることとなる。
【0017】
また、本発明の光通信用デバイスにおいて、上記ICチップ実装用基板と上記多層プリント配線板とは、半田バンプを介して電気的に接続されていることが望ましい。半田が有するセルフアライメント作用により両者をより確実に所定の位置に配置することができるからである。
なお、セルフアライメント作用とは、リフロー処理時に半田が自己の有する流動性により半田バンプ形成用開口の中央付近により安定な形状で存在しようとする作用をいい、この作用は、半田がソルダーレジスト層にはじかれるとともに、半田が金属に付く場合には、球形になろうとする表面張力が強く働くために起こるものと考えられる。このセルフアライメント作用を利用した場合、上記半田バンプを介して、上記多層プリント配線板上に上記ICチップ実装用基板を接続する際に、リフロー前には両者に位置ズレが発生していたとしても、リフロー時に上記ICチップ実装用基板が移動し、該ICチップ実装用基板を上記多層プリント配線板上の正確な位置に取り付けることができる。
従って、上記ICチップ実装用基板と上記多層プリント配線板とのそれぞれに、受光素子や発光素子、光導波路等の光学部品を正確な位置に取り付けておけば、半田バンプを介して上記多層プリント配線板上に、上記ICチップ実装用基板を接続することにより接続信頼性に優れる光通信用デバイスを製造することができる。
【0018】
以下、本発明の光通信用デバイスについて、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の光通信用デバイスの一実施形態を模式的に示す断面図である。なお、図1には、ICチップが実装された状態の光通信用デバイスを示す。
【0019】
図1に示すように、光通信用デバイス150は、ICチップ実装用基板120と多層プリント配線板100とから構成され、ICチップ実装用基板120と多層プリント配線板100とは、半田接続部(図示せず)を介して電気的に接続されている。
また、ICチップ実装用基板120と多層プリント配線板100との間には、封止樹脂層160が形成されている。
なお、ICチップ実装用基板120には、半田接続部143を介してICチップ140が実装されている。
【0020】
ICチップ実装用基板120では、光学素子実装領域を有する光学素子挿入用基板1100上に、基板1121の両面に導体回路1124、1125と層間樹脂絶縁層1122とが積層形成されるとともに、基板1121を挟んだ導体回路同士がスルーホール1129により接続され、さらに、層間樹脂絶縁層1122を挟んだ導体回路同士がバイアホール1127により接続されたパッケージ基板1120が積層されている。
光学素子挿入用基板1100には、基板1101の両面に導体回路が形成され、該導体回路間を接続するスルーホール1106が形成されており、このスルーホール1106は、その内部に樹脂充填材層1110が形成され、さらに、樹脂充填材層1110を覆うように蓋めっき層1116が形成されている。
【0021】
また、光学素子挿入用基板1100は、その略中央に光学素子実装用領域を有している。この光学素子実装用領域には、受光素子1138および発光素子1139の光学素子がダイボンディング用樹脂(図示せず)を用いて配設されるとともに、光路用樹脂充填層1141が形成され、上記光学素子は、ワイヤ1140を介したワイヤボンディングによりパッケージ基板1120の金属層1136と電気的に接続されている。なお、光学素子の配設には、ダイボンディング用樹脂に代えて導電性ペーストを用いてもよいし、場合によっては、半田を用いてもよい。
なお、ICチップ実装用基板120においては、光路用樹脂充填層1141、光学素子(受光素子1138および発光素子1139)、および、ワイヤ1140の占める領域が光学素子実装用領域に相当する。
また、上記光路用樹脂充填層は、図1に示すように、1層から構成されていてもよいが、例えば、内層光路用樹脂充填層と外層光路用樹脂充填層との2層から構成されていてもよく、3層以上から構成されていてもよい。これについては後に詳述する。
【0022】
また、図1に示す光通信用デバイス150においては、光学素子として、ワイヤボンディング型の光学素子が用いられているが,本発明の光通信用デバイスにおいて用いられる光学素子は、フリップチップ型のものであってもよい。
なお、フリップチップ型の光学素子を用いる場合には、パッケージ基板に光学素子接続用パッドを予め設けておき、ここに、半田を介して光学素子を取り付ければよい。
また、フリップチップ型の光学素子を取り付けた場合には、該光学素子とパッケージ基板との間隙を樹脂封止することが望ましく、具体的には、例えば、内層光路用樹脂層を形成するための樹脂組成物等で樹脂封止すればよい。
【0023】
ICチップ実装用基板120は、パッケージ基板1120側の最外層に開口を有するソルダーレジスト層1134が形成されており、ソルダーレジスト層1134の開口には、半田パッド(金属層)1136を介してICチップを実装するための半田バンプが形成されている。なお、上述したように、図1には、半田接続部143を介してICチップ140が実装された光通信用デバイスを示す。
【0024】
また、多層プリント配線板100は、基板101の両面に導体回路104と層間樹脂絶縁層102とが積層形成され、基板101を挟んだ導体回路同士、および、層間樹脂絶縁層102を挟んだ導体回路同士は、それぞれ、スルーホール109およびバイアホール107により電気的に接続されている。また、スルーホール109内には、樹脂充填材層110が形成されている。
さらに、多層プリント配線板100のICチップ用実装基板120と対向する側の最外層には、光路用開口111を備えたソルダーレジスト層114が形成されるとともに、光路用開口111直下に光路変換ミラー119(119a、119b)を備えた光導波路118(118a、118b)が形成されており、光路用開口111内には、光路用樹脂層108が形成されている。
【0025】
このような構成からなる光通信用デバイス150では、光ファイバ等(図示せず)を介して外部から送られてきた光信号が、光導波路118aに導入され、光路変換ミラー119aおよび光路用開口111、さらには、封止樹脂層160、光路用樹脂充填層1141を介して受光素子1138(受光部1138a)に送られた後、受光素子1138で電気信号に変換され、さらに、導体回路および半田接続部を介してICチップ140に送られることとなる。
【0026】
また、ICチップ140から送り出された電気信号は、半田接続部および導体回路を介して発光素子1139に送られた後、発光素子1139で光信号に変換され、この光信号が発光素子1139(発光部1139a)から光路用樹脂充填層1141、封止樹脂層160、光路用開口111bおよび光路変換ミラー119b介して光導波路118bに導入され、さらに、光ファイバ等(図示せず)を介して光信号として外部に送りだされることとなる。
【0027】
このような本発明の光通信用デバイスでは、ICチップ実装用基板内、すなわち、ICチップに近い位置で、光/電気信号変換を行うため、電気信号の伝送距離が短く、より高速通信に対応することができるとともに、光通信に必要な光学部品と電子部品とを一体化することができるため、光通信用端末機器の小型化に寄与することができる。
【0028】
また、上記光通信用デバイスでは、ICチップから送り出された電気信号は、上述したように光信号に変換された後、光ファイバ等を介して外部に送りだされるだけでなく、半田バンプを介して多層プリント配線板に送られ、該多層プリント配線板の導体回路(バイアホール、スルーホールを含む)を介して、多層プリント配線板に実装された他のICチップ等の電子部品(図示せず)に送られることとなる。
なお、図1に示す光通信用デバイス150の断面図では、ICチップ実装用基板と多層プリント配線板とを接続する半田バンプは図示されていないが、実際には、ICチップ実装用基板および/または多層プリント配線板に形成した半田バンプを介して両者は接続されている。
【0029】
また、図1に示す光通信用デバイス150では、ICチップ実装用基板120と多層プリント配線板100との間に封止樹脂層160が形成されている。このように、ICチップ実装用基板と、多層プリント配線板との間に封止樹脂層が形成されている光通信用デバイスは、光学素子と光導波路との間に、空気中を浮遊しているゴミや異物等が入り込むことがなく、ゴミや異物の存在により光信号の伝送が阻害されることがないため、より信頼性に優れることとなる。
【0030】
上記封止樹脂層としては、通信波長帯での吸収が少ないものであれば特に限定されず、その材料としては、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、感光性樹脂、熱硬化性樹脂の一部が感光化された樹脂、紫外線硬化型樹脂等が挙げられる。これらのなかでは、熱硬化性樹脂が望ましい。
具体的には、例えば、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、重水素化PMMA、重水素フッ素化PMMA等のアクリル樹脂;フッ素化ポリイミド等のポリイミド樹脂;エポキシ樹脂;UV硬化性エポキシ樹脂;重水素化シリコーン樹脂等のシリコーン樹脂;ベンゾシクロブテンから製造されるポリマー等が挙げられる。
【0031】
また、上記封止樹脂層は、通信波長光の透過率が70%以上であることが望ましい。
通信波長光の透過率が70%未満では、光信号の損失が大きく、光通信用デバイスの信頼性の低下に繋がることがあるからである。上記透過率は、90%以上であることがより望ましい。
特に、上記封止樹脂層が上述した樹脂成分のみからなる場合には、その透過率は、90%以上であることが望ましく、後述するように、封止樹脂層に粒子が配合されている場合には、その透過率は、70%以上であることが望ましい。
【0032】
なお、本明細書において、通信波長光の透過率とは、長さ1mmあたりの通信波長光の透過率をいう。具体的には、強さIの光が上記封止樹脂層に入射し、該封止樹脂層を1mm通過して出てきたとした際に、出てきた光の強さがIである場合に下記式(1)により算出される値である。
【0033】
透過率(%)=(I/I)×100・・・(1)
【0034】
なお、上記透過率とは、25〜30℃で測定した透過率をいう。
【0035】
また、上記封止樹脂層には、樹脂粒子、無機粒子、金属粒子等の粒子が含まれていることが望ましい。
粒子を含ませることにより、上記ICチップ実装用基板や上記多層プリント配線板との間で熱膨張係数を整合させることができ、熱膨張係数の差に起因したクラック等がより発生しにくくなるからである。
【0036】
なお、ICチップ実装用基板と多層プリント配線板とからなる本発明の光通信用デバイスにおいて、その構成部材の熱膨張係数(z軸方向)は、例えば、基板が5.0×10−5〜6.0×10−5(/℃)程度、層間樹脂絶縁層が6.0×10−5〜8.0×10−5(/℃)程度、粒子が0.1×10−5〜1.0×10−5(/℃)程度、封止樹脂層が0.1×10−5〜100×10−5(/℃)程度、粒子を配合した封止樹脂層が3.0×10−5〜4.0×10−5(/℃)程度、ICチップやシリコン、ゲルマニウム等を材料とする光学素子が0.5×10−5〜1.5×10−5(/℃)程度、導体回路が1.0×10−5〜2.0×10−5(/℃)程度である。なお、上記熱膨張係数の測定温度は20℃である。
このように、封止樹脂層に粒子が配合されていると、該封止樹脂層と光通信用デバイスを構成する他の構成部材との熱膨張係数の差が小さくなる。そのため、応力が緩和されることとなる。
また、封止樹脂層に粒子が配合されている場合には、光学素子や光導波路の位置ズレがより発生しにくくなる。
【0037】
また、上記封止樹脂層に粒子を配合する場合、該封止樹脂層の樹脂成分の屈折率と、上記粒子の屈折率とは同程度であることが望ましい。そのため、封止樹脂層に粒子を配合する場合には、屈折率の異なる2種類以上の粒子を混ぜ合わせて、粒子の屈折率が樹脂成分の屈折率と同程度になるようにすることが望ましい。
具体的には、例えば、樹脂成分が屈折率1.53のエポキシ樹脂である場合には、屈折率が1.54のシリカ粒子と屈折率が1.52のチタニア粒子とを混ぜ合わせて用いることが望ましい。
なお、粒子を混ぜ合わせる方法としては、混練する方法、2種以上の粒子を溶かして混ぜ合わせた後、粒子状にする方法等が挙げられる。
【0038】
上記樹脂粒子としては、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、感光性樹脂、熱硬化性樹脂の一部が感光性化された樹脂、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との樹脂複合体、感光性樹脂と熱可塑性樹脂との複合体等からなるものが挙げられる。
【0039】
具体的には、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂等の熱硬化性樹脂;これらの熱硬化性樹脂の熱硬化基(例えば、エポキシ樹脂におけるエポキシ基)にメタクリル酸やアクリル酸等を反応させ、アクリル基を付与した樹脂;フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリスルフォン(PSF)、ポリフェニレンスルホン(PPS)、ポリフェニレンサルファイド(PPES)、ポリフェニルエーテル(PPE)、ポリエーテルイミド(PI)等の熱可塑性樹脂;アクリル樹脂等の感光性樹脂等からなるものが挙げられる。
また、上記熱硬化性樹脂と上記熱可塑性樹脂との樹脂複合体や、上記アクリル基を付与した樹脂や上記感光性樹脂と上記熱可塑性樹脂との樹脂複合体からなるものを用いることもできる。
また、上記樹脂粒子としては、ゴムからなる樹脂粒子を用いることもできる。
【0040】
また、上記無機粒子としては、例えば、アルミナ、水酸化アルミニウム等のアルミニウム化合物、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム等のカルシウム化合物、炭酸カリウム等のカリウム化合物、マグネシア、ドロマイト、塩基性炭酸マグネシウム等のマグネシウム化合物、シリカ、ゼオライト等のケイ素化合物、チタニア等のチタン化合物等からなるものが挙げられる。また、シリカとチタニアとを一定の割合で混ぜ、溶融させて均一化したものを用いてもよい。
また、上記無機粒子として、リンやリン化合物からなるものを用いることもできる。
【0041】
上記金属粒子としては、例えば、金、銀、銅、パラジウム、ニッケル、白金、鉄、亜鉛、鉛、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム等からなるものが挙げられる。
これらの樹脂粒子、無機粒子および金属粒子は、単独で用いても良いし、2種以上併用してもよい。
【0042】
また、上記粒子の形状は特に限定されず、例えば、球状、楕円球状、破砕状、多面体状等が挙げられる。これらのなかでは、球状、または、楕円球状が望ましい。球状や楕円球状の粒子には角がないため、封止樹脂層にクラック等がより発生しにくいからである。
さらに、上記粒子の形状が球状または楕円球状である場合には、該粒子で光が反射しにくく、光信号の損失が低減されることとなる。
【0043】
また、上記粒子の粒径の望ましい下限は0.01μmであり、より望ましい下限は0.1μmである。一方、上記粒径の望ましい上限は100μmであり、より望ましい上限は50μmであり、特に、その上限は通信波長より短いことが望ましい。上記粒子の平均粒径が通信波長より短いと、より光信号の伝送が阻害されるおそれが少なくなるからである。
また、この範囲の粒径を有する粒子であれば、2種類以上の異なる粒径の粒子を含んでいてもよい。
なお、本明細書において、粒子の粒径とは、粒子の一番長い部分の長さをいう。
【0044】
上記封止樹脂層に含まれる粒子の配合量の望ましい下限は10重量%であり、より望ましい下限は20重量%である。一方、上記粒子の配合量の望ましい上限は80重量%であり、より望ましい上限は70重量%である。粒子の配合量が10重量%未満であると、粒子を配合させる効果を充分に得られないことがあり、粒子の配合量が80重量%を超えると、光信号の伝送が阻害されることがあるからである。
なお、上記封止樹脂層の組成は、光信号の伝送損失、耐熱性、曲げ強度等の信頼性に影響を及ぼすため、その具体的な組成は、封止樹脂層が光信号の低損失性、優れた耐熱性や耐クラック性を満たすように適宜選択すれば良い。
【0045】
本発明の光通信用デバイスでは、上記光路用樹脂充填層の屈折率と、上記封止樹脂層の屈折率とが同一であることが望ましい。例えば、上記光路用樹脂充填層の屈折率が、上記封止樹脂層の屈折率よりも小さい場合には、光路用樹脂充填層を介して伝送される光信号が受光素子の受光部に向かって集光することとなり、上記発光素子から送り出された光信号は、光路用樹脂充填層と封止樹脂層との界面で広がらない方向に屈折することとなるものの、両者の屈折率が異なることに起因して、光路用樹脂充填層と封止樹脂層との界面で光信号の反射が発生することとなり、その結果、光信号の伝送損失が大きくなる。従って、光信号の伝送損失を小さくするには、光路用樹脂充填層の屈折率と上記封止樹脂層の屈折率とは同一であることが望ましく、通常は、光路用樹脂充填層と封止樹脂層との界面での光信号の反射の度合いと、屈折の度合いとを考慮して、両者の屈折率を適宜選択することとなる。
【0046】
また、上記光通信用デバイスでは、多層プリント配線板に設けられた光路用開口内に光路用樹脂層が形成されていることが望ましく、この場合、上記光路用樹脂層の屈折率と封止樹脂層の屈折率とは同一であることが望ましい。両者の屈折率が同一である場合には、光路用樹脂充填層の屈折率と封止樹脂層の屈折率とが同一の場合と同様、光信号の伝送損失を小さくすることができるからである。
さらに、上記光路用開口内が空隙である場合には、上記光通信用デバイス製造時の封止樹脂層を形成する工程において、封止樹脂層を形成するための未硬化の樹脂組成物が上記光路用開口の空隙内に入り込み、その際にボイドが発生することがあり、このようなボイドの発生は光通信用デバイスの光信号伝送能に悪影響を及ぼすことがあるが、光路用開口内に光路用樹脂層が形成されている場合には、このような問題が発生することもない。
【0047】
また、上記光路用開口の内部に光路用樹脂層が形成されている場合には、上記光路用樹脂充填層、上記光路用樹脂層および上記封止樹脂層のそれぞれの屈折率は同一であることが望ましい。このように三者の屈折率が同一である場合には、上記光路用樹脂充填層と上記封止樹脂層との界面、および、上記封止樹脂層と上記光路用樹脂層との界面で光信号の反射が起こらないからである。
【0048】
なお、上記封止樹脂層や光路用樹脂充填層に用いられる樹脂成分の屈折率は、例えば、エポキシ樹脂が1.50〜1.60程度、アクリル樹脂が1.40〜1.55程度、ポリオレフィンが1.55〜1.65程度であり、上記封止樹脂層等の屈折率を調整する方法としては、例えば、樹脂成分の一部をフッ素化したり、フェニル化したりすることにより分極率を変化させたり、樹脂成分の一部を重水素化することにより分子量を変化させて、樹脂成分の屈折率を変える方法等が挙げられる。なお、このような屈折率の調整方法は、光導波路の屈折率を調整する方法としても用いることができる。
【0049】
また、上記光通信用デバイスにおいては、上記光路用樹脂充填層の多層プリント配線板と対向する面に、少なくとも1つのマイクロレンズが配設されていることが望ましい。
図2は、本発明の光通信用デバイスの別の一実施形態を模式的に示す断面図である。
図2に示す光通信用デバイス250は、図1に示した光通信用デバイス150と同様、ICチップ実装用基板220と多層プリント配線板200とから構成され、ICチップ実装用基板220と多層プリント配線板200との間には、封止樹脂層260が形成されている。
また、ICチップ実装用基板220では、光学素子(発光素子2138および受光素子2139)と光路変換ミラー219との間であって、光路用樹脂充填層2141の封止樹脂層260と対向する面(多層プリント配線板200と対向する面)にマイクロレンズ2246が配設されている。このように、マイクロレンズを配設することにより、光学素子(受光素子および発光素子)と光導波路との間で、より確実に光信号を伝送することができる。
なお、上記マイクロレンズは、図2に示すように、発光素子と光路変換ミラーとの間、および、受光素子と光路変換ミラーとの間の2箇所に配設されていることが望ましいが、場合によっては、どちらか一方にのみ配設されていてもよい。
【0050】
なお、図2に示す光通信用デバイス250の実施形態は、ICチップ実装用基板220の光路用樹脂充填層2141の封止樹脂層160と対向する面にマイクロレンズ246が配設されている以外は、光通信用デバイス150の実施形態と同一である。
【0051】
また、上記光路用樹脂充填層の封止樹脂層と対向する面(多層プリント配線板と対向する面)に配設されるマイクロレンズの屈折率は、上記封止樹脂層の屈折率よりも大きいことが望ましい。このような屈折率を有するマイクロレンズを配設することにより、所望の方向に光信号を集光させることができるため、より確実に光信号の伝送を行うことができる。
【0052】
また、上記マイクロレンズが、図2に示すような片面(封止樹脂層側)にのみ凸面を有する凸形状レンズである場合、上記マイクロレンズの曲率半径は、上記マイクロレンズの焦点距離を考慮して適宜選択する。具体的には、マイクロレンズの焦点距離を長くする場合には曲率半径を小さくし、焦点距離を短くする場合には、曲率半径を大きくする。
【0053】
また、図示はしていないが、多層プリント配線板の光路用開口の内部に光路用樹脂層が形成されている場合には、該光路用開口の封止樹脂層側の端部にもマイクロレンズが配設されていることが望ましく、この場合、マイクロレンズの屈折率は、上記封止樹脂層の屈折率よりも大きいことが望ましい。
【0054】
また、光路用開口の端部にもマイクロレンズが配設されており、かつ、上記受光素子の受光部や上記発光素子の発光部から上記光路用樹脂充填層の表面までの距離と、内部に光路用樹脂層が形成された光路用開口の厚さとが略同一である場合には、光路用開口の端部に配設されたマイクロレンズの屈折率と、光路用樹脂充填層の封止樹脂層と対向する面に配設されたマイクロレンズの屈折率とは、略同一であることが望ましい。
このような屈折率を有するマイクロレンズを配設することにより、所望の方向に光信号を集光することができるため、より確実に光信号の伝送を行うことができる。
【0055】
上記マイクロレンズとしては特に限定されず、光学レンズに使用されているものが挙げられ、その材質の具体例としては、光学ガラス、光学レンズ用樹脂等が挙げられる。
上記光学レンズ用樹脂としては、例えば、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、重水素化PMMA、重水素フッ素化PMMA等のアクリル樹脂;フッ素化ポリイミド等のポリイミド樹脂;エポキシ樹脂;UV硬化性エポキシ樹脂;重水素化シリコーン樹脂等のシリコーン樹脂;ベンゾシクロブテンから製造されるポリマー等が挙げられる。
【0056】
上記光路用樹脂充填層の封止樹脂層と対向する面にマイクロレンズを配設する場合、該マイクロレンズは、光路用樹脂充填層に透明な接着剤層を介して配設されていてもよいし、該光路用樹脂充填層に直接配設されていてもよい。
なお、光路用開口の端部にマイクロレンズを配設する場合も同様に、透明な接着剤層を介して光路用開口の端部に配設すればよく、光路用開口の内部に光路用樹脂層が形成されている場合には、該光路用樹脂層に直接配設されていてもよい。
【0057】
上記マイクロレンズは、受光素子の受光部や発光素子の発光部と、光導波路の光路変換ミラーとを結ぶ直線上にマイクロレンズの中心が位置するように取り付けられていることが望ましい。
また、上記マイクロレンズの形状は、図2に示したような凸形状のレンズに限定されるわけではなく、光信号を所望の方向に集光することができるものであればよい。
【0058】
本発明の光通信用デバイスを構成するICチップ実装用基板の実施形態は、図1または2に示す形態に限定されるものではない。
図3は、本発明の光通信用デバイスの別の実施形態を模式的に示す断面図である。
【0059】
図3に示す光通信用デバイス350もまた、ICチップ実装用基板320と多層プリント配線板300とから構成されるものであり、ICチップ実装用基板の構造が、図1に示す光通信用デバイス150を構成するICチップ実装用基板120とは異なるものの、その他の構造等は、図1に示す光通信用デバイス150と略同一である。従って、ここでは、光通信用デバイス350を構成するICチップ実装用基板320についてのみ詳細に説明することとする。
【0060】
ICチップ実装用基板320は、光学素子実装用領域を有する光学素子挿入用基板3100上に、基板3121の両面に導体回路3124、3125と層間樹脂絶縁層3122とが積層形成され、基板3121を挟んだ導体回路同士がスルーホール3129により接続され、層間樹脂絶縁層3122を挟んだ導体回路間がバイアホールにより接続されたパッケージ基板3120が積層されている。
【0061】
また、光学素子挿入用基板3100は、その略中央に光学素子実装用領域を有しており、この光学素子実装用領域には、受光素子3138および発光素子3139の光学素子が配設されているとともに光路用樹脂充填層(内層光路用樹脂充填層3141a、外層光路用樹脂充填層3141b)が形成され、上記光学素子は、ワイヤ3140を介したワイヤボンディングによりパッケージ基板3120の金属層3136と電気的に接続されている。
また、図3に示す受光素子3138および発光素子3139の電気接続用パッド(光学素子のワイヤと接続する部分)は、それぞれの受光部3138aおよび発光部3139aよりもパッケージ基板側に設けられている。
このような形状の光学素子を用い、光路用樹脂充填層の構造を内層光路用樹脂充填層と外層光路用樹脂充填層との2層からなる構造とすることにより、上記ワイヤおよび上記光学素子のワイヤとの接続部を内層光路用樹脂充填層で保護することができるため、光学素子と導体回路(金属層)との接続信頼性がより優れることとなる。
【0062】
また、ICチップ実装用基板320では、光学素子挿入用基板3100とパッケージ基板3120とを貫通するスルーホール3106が形成され、その内部には、樹脂充填材層3110が形成されている。また、ICチップ実装用基板320は、ICチップを実装する側の最外層に開口を有するソルダーレジスト層3134が形成されており、ソルダーレジスト層3134の開口には半田バンプ(金属層)3136を介して、ICチップを実装するための半田バンプ3143が形成されている。
【0063】
次に、本発明の光通信用デバイスの他の構成部材等について説明する。
本発明の光通信用デバイスを構成するICチップ実装用基板には、光学素子(受光素子、発光素子)が実装されている。
上記受光素子としては、例えば、PD(フォトダイオード)、APD(アバランシェフォトダイオード)等が挙げられる。
これらは、上記光通信用デバイスの構成や、要求特性等を考慮して適宜使い分ければよい。
上記受光素子の材料としては、Si、Ge、InGaAs等が挙げられる。
これらのなかでは、受光感度に優れる点からInGaAsが望ましい。
【0064】
上記発光素子としては、例えば、LD(半導体レーザ)、DFB−LD(分布帰還型−半導体レーザ)、LED(発光ダイオード)等が挙げられる。
これらは、上記光通信用デバイスの構成や要求特性等を考慮して適宜使い分ければよい。
【0065】
上記発光素子の材料としては、ガリウム、砒素およびリンの化合物(GaAsP)、ガリウム、アルミニウムおよび砒素の化合物(GaAlAs)、ガリウムおよび砒素の化合物(GaAs)、インジウム、ガリウムおよび砒素の化合物(InGaAs)、インジウム、ガリウム、砒素およびリンの化合物(InGaAsP)等が挙げられる。
これらは、通信波長を考慮して使い分ければよく、例えば、通信波長が0.85μm帯の場合にはGaAlAsを使用することができ、通信波長が1.3μm帯や1.55μm帯の場合には、InGaAsやInGaAsPを使用することができる。
【0066】
また、本発明の光通信用デバイスを構成するICチップ実装用基板には、光路用樹脂充填層が形成されており、この光路用樹脂充填層を介して上記ICチップ実装用基板に実装された光学素子と、上記多層プリント配線板に形成された光導波路との間で、光信号を伝送することができる。
【0067】
上記光路用樹脂充填層は、図1、2に示す光路用樹脂充填層1141、2141のように1層からなるものであってもよいし、図3に示す光路用樹脂充填層のように、内層光路用樹脂充填層3141aと外層光路用樹脂充填層3141bとの2層からなるものであってもよい。
上記光路用樹脂充填層が2層からなる場合、内層光路用樹脂充填層を光学素子を固定するのに適した樹脂組成物を用いて形成し、外層光路用樹脂充填層を通信波長光の透過率に優れる樹脂組成物を用いて形成することにより光通信用デバイスとしての信頼性をより優れたものとすることができる。
また、このように特性の異なる内層光路用樹脂充填層と外層光路用樹脂充填層とを形成する場合、該内層光路用樹脂充填層の厚さは、上記光学素子の厚さと同じか、それよりも薄いこととなる。上記特性を優する内層光路用樹脂充填層の厚さが上記光学素子の厚さよりも厚いと光信号の伝送を阻害することがあるからである。
なお、上記光路用樹脂充填層は、場合によっては、3層以上からなるものであってもよい。
【0068】
上記光路用樹脂充填層が1層からなる場合、該光路用樹脂充填層は、通信波長光の透過性に優れるものであれば特に限定されず、その材料としては、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、感光性樹脂、熱硬化性樹脂の一部が感光性化された樹脂、これらの複合体等を樹脂成分とする樹脂組成物等が挙げられる。上記樹脂成分の具体例としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、オレフィン樹脂、BT樹脂等が挙げられる。
【0069】
また、上記樹脂組成物には、上記樹脂成分以外に、例えば、樹脂粒子、無機粒子、金属粒子等の粒子が含まれていてもよい。これらの粒子を含ませることにより光路用樹脂充填層と、基板、ソルダーレジスト層、層間樹脂絶縁層等との間で熱膨張係数の整合を図ることができ、また、粒子の種類によっては難燃性を付与することもできる。
上記粒子の具体例としては、例えば、上記封止樹脂層に含まれる粒子と同様のもの等が挙げられる。
【0070】
また、上記粒子の形状は特に限定されず、例えば、球状、楕円球状、破砕状、多面体状等が挙げられる。
また、上記粒子の粒径(粒子の一番長い部分の長さ)の望ましい下限は0.01μmであり、より望ましい下限は0.1μmである。一方、上記粒径の望ましい上限は100μmであり、より望ましい上限は50μmであり、特に、その上限は通信波長より短いことが望ましい。上記粒子の平均粒径が通信波長より短いと、より光信号の伝送が阻害されるおそれが少なくなるからである。
【0071】
また、上記光路用樹脂充填層が内層光路用樹脂充填層と外層光路用樹脂充填層との2層からなる場合、外層光路用樹脂充填層の材料としては、上述した光信号の透過性に優れる樹脂組成物を用いることができ、内層光路用樹脂充填層の材料としては、例えば、従来公知のICチップ封止用樹脂の材料と同様のもの等を用いることができる。
具体的には、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、感光性樹脂、熱硬化性樹脂の一部が感光性化された樹脂、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との樹脂複合体、感光性樹脂と熱可塑性樹脂との複合体等を含む樹脂組成物等が挙げられる。
具体例としては、例えば、クレゾール・ノボラック系のエポキシ樹脂に、硬化剤としてフェノール・ノボラック系樹脂、フィラーとしてシリカ等が配合され、さらに、必要に応じて、反応促進剤、カップリング剤、難燃剤(難燃助剤)、着色剤等のその他の添加剤が配合された樹脂組成物等が挙げられる。
【0072】
上記ICチップ実装用基板において、上記光路用樹脂充填層が1層からなる場合、該光路用樹脂充填層の透過率は、70%以上であることが望ましく、90%以上であることがより望ましい。
なお、本明細書において、光路用樹脂充填層の透過率とは、長さ1mmあたりの通信波長光の透過率をいう。具体的には、強さIの光が上記光路用樹脂充填層に入射し、該光路用樹脂充填層を通過して出てきたとした際に、出てきた光の強さがIである場合に下記(2)により算出される値である。
【0073】
透過率(%)=(I/I)×100・・・(2)
【0074】
なお、上記透過率とは、25〜30℃で測定した透過率をいう。
【0075】
また、上記光路用樹脂充填層が2層からなる場合には、上層光路用樹脂充填層の透過率(長さ1mmあたりの通信波長光の透過率)が、70%以上であることが望ましく、90%以上であることがより望ましい。
【0076】
また、本発明の光通信用デバイスを構成する多層プリント配線板には、光導波路が形成されている。
上記光導波路としては、例えば、ポリマー材料等からなる有機系光導波路、石英ガラス、化合物半導体等からなる無機系光導波路等が挙げられる。これらのなかでは、ポリマー材料等からなる有機系光導波路が望ましい。層間樹脂絶縁層との密着性に優れ、加工が容易だからである。
【0077】
上記ポリマー材料としては、通信波長帯での吸収が少ないものであれば特に限定されず、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、感光性樹脂、熱硬化性樹脂の一部が感光性化された樹脂、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との複合体、感光性樹脂と熱可塑性樹脂との複合体等が挙げられる。
【0078】
具体的には、例えば、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、重水素化PMMA、重水素フッ素化PMMA等のアクリル樹脂、フッ素化ポリイミド等のポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、UV硬化性エポキシ樹脂、ポリオレフィン系樹脂、重水素化シリコーン樹脂等のシリコーン樹脂、ベンゾシクロブテンから製造されるポリマー等が挙げられる。
【0079】
上記光導波路には、上記樹脂成分以外に、例えば、樹脂粒子、無機粒子、金属粒子等の粒子が含まれていてもよい。
上記粒子の具体例としては、上記封止樹脂層に含まれる粒子と同様のもの等が挙げられる。
【0080】
また、上記粒子の形状は特に限定されず、例えば、球状、楕円球状、破砕状、多面体状等が挙げられる。これらのなかでは、球状、または、楕円球状が望ましい。球状や楕円球状の粒子には角がないため、光導波路にクラック等がより発生しにくいからである。さらに、上記粒子の形状が球状または楕円球状である場合には、該粒子で光が反射しにくく、光信号の損失が低減されることとなる。
【0081】
また、上記粒子の粒径の望ましい下限は0.01μmであり、より望ましい下限は0.1μmである。一方、上記粒径の望ましい上限は100μmであり、より望ましい上限は50μmであり、特に、その上限は通信波長より短いことが望ましい。上記粒子の平均粒径が通信波長より短いと、より光信号の伝送が阻害されるおそれが少なくなるからである。
また、この範囲の粒径を有する粒子であれば、2種類以上の異なる粒径の粒子が含まれていてもよい。
【0082】
上記光導波路に含まれる粒子の配合量の望ましい下限は10重量%であり、より望ましい下限は20重量%である。一方、上記粒子の配合量の望ましい上限は80重量%であり、より望ましい上限は70重量%である。粒子の配合量が10重量%未満であると、粒子を配合させる効果が得られないことがあり、粒子の配合量が80重量%を超えると、光信号の伝送が阻害されることがあるからである
また、上記光導波路の形状は特に限定されないが、その形成が容易であることから、シート状が望ましい。
【0083】
このように光導波路に粒子が含まれる場合には、光導波路と、多層プリント配線板を構成する基板や層間樹脂絶縁層等との間で熱膨張係数の整合をはかることができ、熱膨張係数の差に起因するクラックや剥離等がより発生しにくくなる。
【0084】
また、上記光導波路の厚さは1〜100μmが望ましく、その幅は1〜100μmが望ましい。上記幅が1μm未満では、その形成が容易でないことがあり、一方、上記幅が100μmを超えると、多層プリント配線板を構成する導体回路等の設計の自由度を阻害する原因となることがある。
【0085】
また、上記光導波路の厚さと幅との比は、1:1に近いほうが望ましい。これは、通常、上記受光素子の受光部や上記発光素子の発光部の平面形状が円形状だからである。なお、上記厚さと幅との比は特に限定されるものではなく、通常、約1:2〜約2:1程度であればよい。
さらに、上記光導波路が通信波長1.55μmのシングルモードの光導波路である場合には、その厚さおよび幅は5〜15μmであることが望ましく、上記光導波路が通信波長0.85μmでマルチモードの光導波路である場合には、その厚さおよび幅は20〜80μmであることが望ましい。
【0086】
また、上記光導波路としては、受光用光導波路と発光用光導波路とが形成されていることが望ましい。なお、上記受光用光導波路とは、光ファイバ等を介して外部から送られてきた光信号を受光素子へ伝送するための光導波路をいい、上記発光用光導波路とは、発光素子から送られてきた光信号を光ファイバ等へ伝送するための光導波路をいう。
また、上記受光用光導波路と上記発光用光導波路とは同一の材料からなるものであることが望ましい。熱膨張係数等の整合がはかりやすく、形成が容易であるからである。
【0087】
上記光導波路には、上述したように、光路変換ミラーが形成されていることが望ましい。光路変換ミラーを形成することにより、光路を所望の角度に変更することが可能だからである。
上記光路変換ミラーの形成は、後述するように、例えば、光導波路の一端を切削することにより行うことができる。
【0088】
なお、図1〜3に示す多層プリント配線板においては、ICチップ実装用基板と対向する側の最外層の層間樹脂絶縁層上に光導波路が形成されているが、本発明の光通信用デバイスにおける光導波路の形成位置は、ここに限定されるわけではなく、層間樹脂絶縁層同士の間であってもよいし、基板と層間樹脂絶縁層との間であってもよい。さらには、ICチップ実装用基板と対向する側と基板を挟んだ反対側の最外層の層間樹脂絶縁層上や、層間樹脂絶縁層同士の間、基板と層間樹脂絶縁層との間等であってもよい。
【0089】
また、図1〜3に示す多層プリント配線板においては、最外層の層間樹脂絶縁層上に光導波路が形成され、さらに、この層間樹脂絶縁層および光導波路を覆うようにソルダーレジスト層が形成されているが、このソルダーレジスト層は、必ずしも形成されている必要はなく、例えば、最外層の層間樹脂絶縁層上全体に光導波路が形成され、この光導波路がソルダーレジスト層としての役割を果たしていてもよい。
このような構成からなる本発明の光通信用デバイスは、例えば、後述する本発明の光通信用デバイスの製造方法により製造することができる。
【0090】
次に、本発明の光通信用デバイスの製造方法について説明する。
本発明の光通信用デバイスの製造方法は、少なくとも、光学素子が実装されるともに光路用樹脂充填層が形成された光学素子実装用領域を有するICチップ実装用基板と、少なくとも光導波路が形成された多層プリント配線板とを別々に製造した後、
上記ICチップ実装用基板の光学素子と上記多層プリント配線板の光導波路との間で、光信号の伝送ができる位置に両者を配置、固定し、
さらに、上記ICチップ実装用基板と上記多層プリント配線板との間に封止用樹脂組成物を流し込んだ後、硬化処理を施すことにより封止樹脂層を形成することを特徴とする。
【0091】
本発明の光通信用デバイスの製造方法では、ICチップ実装用基板と多層プリント配線板とを所定の位置に配置、固定した後、両者の間に封止樹脂層を形成するため、光学素子と光導波路との間に、空気中を浮遊しているゴミや異物等が入り込むことがなく、光信号の伝送が阻害されることのない光通信用デバイスを好適に製造することができる。
【0092】
また、ICチップ実装用基板と多層プリント配線板との間に封止樹脂層を形成することにより、得られた光通信用デバイスにおいては、該封止樹脂層が上記ICチップ実装用基板と上記多層プリント配線板との間で熱膨張係数の差に起因して発生する応力を緩和する役目を果たすことができ、また、封止樹脂層を形成することにより光学素子や光導波路の位置ズレがより発生しにくくなる。
従って、本発明の製造方法では、信頼性に優れる光通信用デバイスを好適に製造することができる。
【0093】
上記光通信用デバイスの製造方法では、まず、ICチップ実装用基板と多層プリント配線板とを別々に製造する。
従って、ここでは、まず、ICチップ実装用基板の製造方法と、多層プリント配線板の製造方法とを別々に説明し、その後、封止樹脂層を形成する方法について説明することとする。
【0094】
まず、ICチップ実装用基板の製造方法について説明する。
上記ICチップ実装用基板の製造は、例えば、パッケージ基板と光学素子挿入用基板とを別々に作製した後、両者を貼り合わせ、さらに所定の工程を経ることにより行う。そのため、まず、光学素子挿入用基板を作製する方法とパッケージ基板を作製する方法とをそれぞれ工程順に別々に説明し、その後、両者を貼り合わせてICチップ実装用基板とする工程について説明する。
【0095】
パッケージ基板の作製は、例えば、下記(A)〜(C)の工程を経ることにより行うことができる。
(A)まず、基板上に導体回路を形成する。
具体的には、例えば、基板上に無電解めっき処理等によりベタの導体層を形成し、該導体層上にレジストを形成した後、エッチング処理を施すことにより基板上に導体回路を形成する。
また、基板上にめっきレジストを形成し、その後、めっき処理と、めっきレジストの剥離とを行うことによって基板上に導体回路を形成してもよい。
【0096】
上記基板としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂(BT樹脂)、フェノール樹脂、これらの樹脂にガラス繊維等の補強材が含浸された樹脂(例えば、ガラスエポキシ樹脂)等からなる基板、FR−4基板、FR−5基板等が挙げられる。
また、両面銅張積層基板や片面銅張積層基板、RCC基板等をベタの導体層が形成された基板として用いてもよい。
なお、コンフォーマル基板やアディティブ法で形成された基板を導体回路の形成された基板として用いてもよい。
【0097】
また、必要に応じて、上記基板を挟んだ導体回路間を接続するスルーホールを形成してもよい。
スルーホールを形成する場合には、例えば、ベタの導体層を形成する前に、予め、基板にドリル加工やレーザ処理等により貫通孔を形成しておき、ベタの導体層を形成する際に貫通孔の壁面にも導体層を形成し、その後、エッチング処理を施すことにより導体回路を形成するとともにスルーホールを形成すればよい。
また、予め、ベタの導体層が形成された基板に貫通孔を形成した後、該貫通孔の壁面に無電解めっき処理等を施し、さらに、導体層にエッチング処理を施すことにより導体回路とスルーホールとを形成してもよい。
【0098】
また、スルーホールを形成した場合には、該スルーホール内に樹脂充填材を充填することが望ましい。なお、樹脂充填材の充填は、例えば、スルーホールに相当する部分に開口が形成されたマスクを基板上に載置し、スキージを用いて行うことができる。
【0099】
また、導体回路表面(スルーホールのランド表面を含む)には、粗化形成処理を施してもよい。導体回路表面を粗化面とすることにより後工程で積層形成する層間樹脂絶縁層との密着性を向上させることができるからである。
上記粗化形成処理としては、例えば、黒化(酸化)−還元処理、第二銅錯体と有機酸塩とを含むエッチング液等を用いたエッチング処理、Cu−Ni−P針状合金めっきによる処理等が挙げられる。
なお、この粗化形成処理は、スルーホール内に樹脂充填材を充填する前に行い、スルーホールの壁面にも粗化面を形成してもよい。スルーホールと樹脂充填材との密着性が向上するからである。
【0100】
上記スルーホール内に充填する樹脂充填材としては、例えば、エポキシ樹脂と硬化剤と無機粒子とを含む樹脂組成物等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂としては特に限定されないが、ビスフェノール型エポキシ樹脂およびノボラック型エポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも一種が望ましい。
ビスフェノール型エポキシ樹脂は、A型やF型の樹脂を選択することにより、希釈溶媒を使用しなくてもその粘度を調製することができ、ノボラック型エポキシ樹脂は、高強度で耐熱性や耐薬品性に優れ、無電解めっき液等の強塩基性溶液中であっても分解せず、また、熱分解もしにくいからである。
【0101】
上記ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂やビスフェノールF型エポキシ樹脂が望ましく、低粘度で、かつ、無溶剤で使用することができる点からビスフェノールF型エポキシ樹脂がより望ましい。
また、上記ノボラック型エポキシ樹脂としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂およびクレゾールノボラック型エポキシ樹脂から選択される少なくとも一種が望ましい。
【0102】
また、ビスフェノール型エポキシ樹脂とクレゾールノボラック型エポキシ樹脂とを混合して使用してもよい。この場合、ビスフェノール型エポキシ樹脂とクレゾールノボラック型エポキシ樹脂との混合比率は、重量比で1/1〜1/100であることが望ましい。
【0103】
上記樹脂充填材に含まれる硬化剤としては特に限定されず、従来公知の硬化剤を用いることができ、例えば、イミダゾール系硬化剤、酸無水物硬化剤、アミン系硬化剤等が挙げられる。これらのなかでは、イミダゾール系硬化剤が望ましく、特に、25℃において液状の1−ベンジル−2−メチルイミダゾールや、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、および、4−メチル−2−エチルイミダゾールが望ましい。
【0104】
また、上記樹脂充填材に含まれる無機粒子としては、例えば、アルミナ、水酸化アルミニウム等のアルミニウム化合物、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム等のカルシウム化合物、炭酸カリウム等のカリウム化合物、マグネシア、ドロマイト、塩基性炭酸マグネシウム、タルク等のマグネシウム化合物、シリカ、ゼオライト等のケイ素化合物、チタニア等のチタン化合物等からなるものが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
また、上記無機粒子は、シランカップリング剤等により、コーティングされていてもよい。無機粒子とエポキシ樹脂との密着性が向上するからである。
【0105】
また、上記無機粒子の樹脂組成物中の含有比率の望ましい下限は10重量%であり、より望ましい下限は20重量%である。また、上記含有比率の望ましい上限は80重量%であり、より望ましい上限は70重量%である。基板等との間で、熱膨張係数の整合を図ることができるからである。
【0106】
また、上記無機粒子の形状は特に限定されず、球状、楕円球状、破砕状、多面体状等が挙げられる。これらのなかでは、球状や楕円球状が望ましい。粒子の形状に起因したクラックの発生等を抑制することができるからである。
上記無機粒子の平均粒径は、0.01〜5.0μmが望ましい。
【0107】
また、上記樹脂組成物中には、上記したエポキシ樹脂等以外に、他の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂等が含まれていてもよい。
上記熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂等が挙げられ、上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、4フッ化エチレン6フッ化プロピレン共重合体(FEP)、4フッ化エチレンパーフロロアルコキシ共重合体(PFA)等のフッ素樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスルフォン(PSF)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、熱可塑型ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンスルフォン(PPES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、上記エポキシ樹脂に代えて、これらの樹脂を用いてもよい。
【0108】
(B)次に、導体回路を形成した基板上に、バイアホールを有する層間樹脂絶縁層を形成するとともに、該層間樹脂絶縁層上に導体回路を形成する。
具体的には、例えば、下記(i)〜(vi)の工程を経ることにより層間樹脂絶縁層と導体回路との形成を行う。
【0109】
(i)まず、導体回路を形成した基板上に、熱硬化性樹脂や樹脂複合体からなる未硬化の樹脂層を形成するか、または、熱可塑性樹脂からなる樹脂層を形成する。
上記未硬化の樹脂層は、未硬化の樹脂をロールコータ、カーテンコータ等により塗布して成形してもよく、また、未硬化(半硬化)の樹脂フィルムを熱圧着して形成してもよい。さらに、未硬化の樹脂フィルムの片面に銅箔等の金属層が形成された樹脂フィルムを貼付してもよい。
また、熱可塑性樹脂からなる樹脂層は、フィルム状に成形した樹脂成形体を熱圧着することにより形成することが望ましい。
【0110】
上記未硬化の樹脂を塗布する場合には、樹脂を塗布した後、加熱処理を施す。
上記加熱処理を施すことにより、未硬化の樹脂を熱硬化させることができる。
なお、上記熱硬化は、後述するバイアホール用開口を形成した後に行ってもよい。
【0111】
このような樹脂層の形成において使用する熱硬化性樹脂の具体例としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂等が挙げられる。
【0112】
上記エポキシ樹脂としては、例えば、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物、トリグリシジルイソシアヌレート、脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。それにより、耐熱性等に優れるものとなる。
【0113】
上記ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、シクロオレフィン系樹脂、これらの樹脂の共重合体等が挙げられる。
【0114】
また、上記熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン等が挙げられる。
また、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との複合体(樹脂複合体)としては、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とを含むものであれば特に限定されず、その具体例としては、例えば、粗化面形成用樹脂組成物等が挙げられる。
【0115】
上記粗化面形成用樹脂組成物としては、例えば、酸、アルカリおよび酸化剤から選ばれる少なくとも1種からなる粗化液に対して難溶性の未硬化の耐熱性樹脂マトリックス中に、酸、アルカリおよび酸化剤から選ばれる少なくとも1種からなる粗化液に対して可溶性の物質が分散されたもの等が挙げられる。
なお、上記「難溶性」および「可溶性」という語は、同一の粗化液に同一時間浸漬した場合に、相対的に溶解速度の早いものを便宜上「可溶性」といい、相対的に溶解速度の遅いものを便宜上「難溶性」と呼ぶ。
【0116】
上記耐熱性樹脂マトリックスとしては、層間樹脂絶縁層に上記粗化液を用いて粗化面を形成する際に、粗化面の形状を保持できるものが好ましく、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、これらの複合体等が挙げられる。また、感光性樹脂であってもよい。後述するバイアホール用開口を形成する工程において、露光現像処理により開口を形成することができるからである。
【0117】
上記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。また、これらの熱硬化性樹脂に感光性を付与した樹脂、すなわち、メタクリル酸やアクリル酸等を用い、熱硬化基を(メタ)アクリル化反応させた樹脂を用いてもよい。具体的には、エポキシ樹脂の(メタ)アクリレートが望ましく、さらに、1分子中に、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂がより望ましい。
【0118】
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニルエーテル、ポリエーテルイミド等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
【0119】
上記可溶性の物質としては、例えば、無機粒子、樹脂粒子、金属粒子、ゴム粒子、液相樹脂および液相ゴム等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
【0120】
上記無機粒子としては、例えば、アルミナ、水酸化アルミニウム等のアルミニウム化合物;炭酸カルシウム、水酸化カルシウム等のカルシウム化合物;炭酸カリウム等のカリウム化合物;マグネシア、ドロマイト、塩基性炭酸マグネシウム、タルク等のマグネシウム化合物;シリカ、ゼオライト等のケイ素化合物;チタニア等のチタン化合物等からなる粒子が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
上記アルミナ粒子は、ふっ酸で溶解除去することができ、炭酸カルシウムは塩酸で溶解除去することができる。また、ナトリウム含有シリカやドロマイトはアルカリ水溶液で溶解除去することができる。
【0121】
上記樹脂粒子としては、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等からなるものが挙げられ、酸、アルカリおよび酸化剤から選ばれる少なくとも1種からなる粗化液に浸漬した場合に、上記耐熱性樹脂マトリックスよりも溶解速度の早いものであれば特に限定されず、具体的には、例えば、アミノ樹脂(メラミン樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂等)、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂等からなるものが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
なお、上記樹脂粒子は予め硬化処理されていることが必要である。硬化させておかないと上記樹脂粒子が樹脂マトリックスを溶解させる溶剤に溶解してしまうため、均一に混合されてしまい、酸や酸化剤で樹脂粒子のみを選択的に溶解除去することができないからである。
【0122】
上記金属粒子としては、例えば、金、銀、銅、スズ、亜鉛、ステンレス、アルミニウム、ニッケル、鉄、鉛等からなるものが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
また、上記金属粒子は、絶縁性を確保するために、表層が樹脂等により被覆されていてもよい。
【0123】
(ii)次に、その材料として熱硬化性樹脂や樹脂複合体を用いた層間樹脂絶縁層を形成する場合には、未硬化の樹脂層に硬化処理を施すとともに、バイアホール用開口を形成し、層間樹脂絶縁層とする。
上記バイアホール用開口は、レーザ処理により形成することが望ましい。上記レーザ処理は、上記硬化処理前に行ってもよいし、硬化処理後に行ってもよい。
また、感光性樹脂からなる層間樹脂絶縁層を形成した場合には、露光、現像処理を行うことにより、バイアホール用開口を設けてもよい。なお、この場合、露光、現像処理は、上記硬化処理前に行う。
【0124】
また、その材料として熱可塑性樹脂を用いた層間樹脂絶縁層を形成する場合には、熱可塑性樹脂からなる樹脂層にレーザ処理によりバイアホール用開口を形成し、層間樹脂絶縁層とすることができる。
【0125】
このとき、使用するレーザとしては、例えば、炭酸ガスレーザ、エキシマレーザ、UVレーザ、YAGレーザ等が挙げられる。これらは、形成するバイアホール用開口の形状等を考慮して使い分けてもよい。
【0126】
上記バイアホール用開口を形成する場合、マスクを介して、ホログラム方式のエキシマレーザによるレーザ光を照射することにより、一度に多数のバイアホール用開口を形成することができる。
また、短パルスの炭酸ガスレーザを用いて、バイアホール用開口を形成すると、開口内の樹脂残りが少なく、開口周縁の樹脂に対するダメージが小さい。
【0127】
また、光学系レンズとマスクとを介してレーザ光を照射する場合には、一度に多数のバイアホール用開口を形成することができる。
光学系レンズとマスクとを介することにより、同一強度で、かつ、照射角度が同一のレーザ光を複数の部分に同時に照射することができるからである。
【0128】
(iii)次に、バイアホール用開口の内壁を含む層間樹脂絶縁層の表面に、必要に応じて、酸または酸化剤を用いて粗化面を形成する。
なお、この粗化面は、層間樹脂絶縁層とその上に形成する薄膜導体層との密着性を高めるために形成するものであり、層間樹脂絶縁層と薄膜導体層との間に充分な密着性がある場合には形成しなくてもよい。
【0129】
上記酸としては、硫酸、硝酸、塩酸、リン酸、蟻酸等が挙げられ、上記酸化剤としては、クロム酸、クロム硫酸、過マンガン酸ナトリウム等の過マンガン酸塩等が挙げられる。
また、粗化面を形成した後には、アルカリ等の水溶液や中和液等を用いて、層間樹脂絶縁層の表面を中和することが望ましい。
次工程に、酸や酸化剤の影響を与えないようにすることができるからである。
また、上記粗化面の形成は、プラズマ処理等を用いて行ってもよい。
【0130】
また、上記粗化面の最大粗度Rmaxは、0.1〜20μmが望ましい。Rmaxが20μmを超えると粗化面自体が損傷や剥離を受けやすく、Rmaxが0.1μm未満では、導体回路との密着性を充分にえられないことがあるからである。特に、セミアディティブ法により導体回路を形成する場合には、上記最大粗度Rmaxは、0.1〜5μmが望ましい。薄膜導体層との密着性を充分に確保することができるとともに、薄膜導体層の除去が容易だからである。
【0131】
(iv)次に、バイアホール用開口を設けた層間樹脂絶縁層の表面に薄膜導体層を形成する。
上記薄膜導体層は、無電解めっき、スパッタリング、蒸着等の方法を用いて形成する。なお、層間樹脂絶縁層の表面に粗化面を形成しなかった場合には、上記薄膜導体層は、スパッタリングにより形成することが望ましい。
なお、無電解めっきにより薄膜導体層を形成する場合には、被めっき表面に、予め、触媒を付与しておく。上記触媒としては、例えば、塩化パラジウム等が挙げられる。
【0132】
上記薄膜導体層の厚さは特に限定されないが、該薄膜導体層を無電解めっきにより形成した場合には、0.6〜1.2μmが望ましく、スパッタリングにより形成した場合には、0.1〜1.0μmが望ましい。
また、上記薄膜導体層の材質としては、例えば、Cu、Ni、P、Pd、Co、W等が挙げられる。これらのなかでは、CuやNiが望ましい。
【0133】
(v)次に、上記薄膜導体層上の一部にドライフィルムを用いてめっきレジストを形成し、その後、上記薄膜導体層をめっきリードとして電解めっきを行い、上記めっきレジスト非形成部に電解めっき層を形成する。
【0134】
また、この工程では、バイアホール用開口を電解めっきで充填してバイアホールの構造をフィールドビア構造としてもよく、一旦、その上面に窪みを有するバイアホールを形成し、その後、この窪みに導電性ペーストを充填してフィールドビア構造としてもよい。また、上面に窪みを有するバイアホールを形成した後、その窪みに樹脂充填材等を充填し、さらに、その上に蓋めっき層を形成して上面が平坦なバイアホールとしてもよい。バイアホールの構造をフィールドビア構造とすることにより、バイアホールの直上にバイアホールを形成することができる。
【0135】
(vi)さらに、めっきレジストを剥離し、めっきレジストの下に存在していた薄膜導体層をエッチングにより除去し、独立した導体回路とする。エッチング液としては、例えば、硫酸−過酸化水素水溶液、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩水溶液、塩化第二鉄、塩化第二銅、塩酸等が挙げられる。また、エッチング液として上述した第二銅錯体と有機酸とを含む混合溶液を用いてもよい。
【0136】
なお、ここに記載した導体回路の形成方法は、アディティブ法であるが、本発明の製造方法における導体回路の形成方法は、アディティブ法に限定されるわけではなく、例えば、サブトラクティブ法であってもよい。
以下、サブトラクティブ法により導体回路を形成する方法について簡単に説明する。
【0137】
まず、上記(i)〜(iii)の工程と同様にして、バイアホール用開口を有する層間樹脂絶縁層を形成し、さらに、上記(iv)の工程と同様にして、バイアホール用開口の壁面を含む層間樹脂絶縁層の表面に薄膜導体層を形成する。
【0138】
次に、上記薄膜導体層上の全面に電気めっき層等を形成することにより導体層の厚さを厚くする。なお、電気めっき層等の形成は、必要に応じて行えばよい。
次いで、上記導体層上にエッチングレジストを形成する。
上記エッチングレジストは、例えば、感光性ドライフィルムを張り付けた後、該感光性ドライフィルム上にフォトマスクを密着配置し、露光現像処理を施すことにより形成する。
【0139】
さらに、上記エッチングレジスト非形成部下の導体層をエッチング処理により除去し、その後、エッチングレジストを剥離することにより層間樹脂絶縁層上に独立した導体回路(バイアホールを含む)を形成する。
なお、上記エッチング処理は、例えば、硫酸と過酸化水素との混合液、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、塩化第二鉄、塩化第二銅等のエッチング液を用いて行うことができ、エッチングレジストの剥離は、アルカリ水溶液等を用いて行うことができる。
【0140】
このような方法を用いることにより、バイアホールを有する層間樹脂絶縁層を形成するとともに、層間樹脂絶縁層上に導体回路を形成することができる。なお、本発明のICチップ実装用基板では、層間樹脂絶縁層は1層しか形成していないが、製造するICチップ実装用基板によっては、この工程(B)を複数回繰り返すことにより、層間樹脂絶縁層を2層以上積層形成してもよい。
【0141】
また、導体回路の形成方法として、アディティブ法を選択するか、サブトラクティブ法を選択するかは、導体回路の幅や間隔、実装するICチップや光学素子、その他の各種電子部品等の接続端子の数やピッチ等を考慮して適宜選択すればよよい。
【0142】
(C)次に、最外層にソルダーレジスト層を形成する。
具体的には、未硬化のソルダーレジスト組成物をロールコータやカーテンコータ等により塗布したり、フィルム状に成形したソルダーレジスト組成物を圧着したりした後、硬化処理を施すことによりソルダーレジスト層を形成する。
【0143】
上記ソルダーレジスト層は、例えば、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等を含むソルダーレジスト組成物を用いて形成することができる
【0144】
また、上記以外のソルダーレジスト組成物としては、例えば、ノボラック型エポキシ樹脂の(メタ)アクリレート、イミダゾール硬化剤、2官能性(メタ)アクリル酸エステルモノマー、分子量500〜5000程度の(メタ)アクリル酸エステルの重合体、ビスフェノール型エポキシ樹脂等からなる熱硬化性樹脂、多価アクリル系モノマー等の感光性モノマー、グリコールエーテル系溶剤などを含むペースト状の流動体が挙げられ、その粘度は25℃で1〜10Pa・sに調整されていることが望ましい。
また、上記ソルダーレジスト組成物は、エラストマーや無機フィラーが配合されていてもよい。
また、ソルダーレジスト組成物として、市販のソルダーレジスト組成物を使用してもよい。
【0145】
また、上記ソルダーレジスト層には、必要に応じて、レーザ処理や露光現像処理により開口を形成する。この際、使用するレーザとしては、上述したバイアホール用開口を形成する際に用いるレーザと同様のもの等が挙げられる。
【0146】
次に、上記開口の底面に露出した導体回路の表面に、必要に応じて、金属層を形成する。なお、この工程で開口内に形成した金属層は、この開口を有するソルダーレジスト層がICチップ実装用基板の最外層を構成する場合に、半田パッドとしての役割を果たすことがある。
上記金属層は、ニッケル、パラジウム、金、銀、白金等の耐食性金属により上記導体回路表面を被覆することにより形成することができる。
具体的には、ニッケル−金、ニッケル−銀、ニッケル−パラジウム、ニッケル−パラジウム−金等の金属により形成することが望ましい。
また、上記半田パッドは、例えば、めっき、蒸着、電着等の方法を用いて形成することができるが、これらのなかでは、被覆層の均一性に優れるという点からめっきが望ましい。
また、この工程で形成するソルダーレジスト層には、後述する工程で光学素子挿入用基板との貼り合わせの際に用いる位置合わせ用マーク等を形成しておいてもよい。
このような(A)〜(C)の工程を経ることによりパッケージ基板を作製することができる。
【0147】
次に、光学素子挿入用基板の作製方法について説明する。
光学素子挿入用基板の作製は、例えば、下記(a)〜(c)の工程を経ることにより行うことができる。
(a)まず、基板の両面または片面に無電解めっき処理等により導体回路を形成する。
具体的には、例えば、基板上に無電解めっき処理等によりベタの導体層を形成し、該導体層上にレジストを形成した後、エッチング処理を施すことにより基板上に導体回路を形成する。
また、基板上にめっきレジストを形成し、その後、めっき処理と、めっきレジストの剥離とを行うことにより基板上に導体回路を形成してもよい。
【0148】
また、この工程では、基板を挟んだ導体回路間を接続するスルーホールを形成してもよい。
スルーホールの形成は、例えば、無電解めっき処理等によりベタの導体層を形成する前に、予め、基板にドリル加工やレーザ処理等により貫通孔を形成しておき、ベタの導体層を形成する際に貫通孔の壁面にも導体層を形成し、その後、エッチング処理を施すことにより導体回路を形成するとともに、スルーホールを形成してもよい。
また、予め、ベタの導体層が形成された基板に貫通孔を形成した後、該貫通孔の壁面に無電解めっき処理等を施し、さらに、導体層にエッチング処理を施すことにより導体回路とスルーホールとを形成してもよい。
【0149】
また、基板に貫通孔を形成した後、基板の表面の一部にめっきレジストを形成し、その後、貫通孔の壁面およびめっきレジスト非形成部に導体層を形成し、さらに、めっきレジストの剥離を行うことにより導体回路とスルーホールとを形成してもよい。
また、これらの方法により基板に貫通孔を形成する場合には、貫通孔を形成した後、導体層を形成する前に、該貫通孔にデスミア処理を施すことが望ましい。上記デスミア処理としては、例えば、過マンガン酸やクロム酸等の酸化剤を用いた薬液処理や、プラズマを用いたドライ処理等が挙げられる。
【0150】
ここで用いる基板としては、例えば、パッケージ基板を作製する際に用いる基板と同様のもの等が挙げられる。
また、この光学素子挿入用基板を作製する工程においても、上記スルーホールを形成した場合には、該スルーホール内に樹脂充填材を充填し、樹脂充填材層を形成することが望ましい。なお、樹脂充填材の充填は、例えば、スルーホールに相当する部分に開口が形成されたマスクを基板上に載置し、スキージを用いて行うことができる。
また、この工程においても、スルーホール内に樹脂充填材を充填する前にスルーホールの壁面に粗化面を形成しておくことが望ましい。これにより、スルーホールと樹脂充填材層との密着性がより向上するからである。
上記樹脂充填材としては、例えば、パッケージ基板を形成する際に用いた樹脂充填材と同様のもの等を用いることができる。
【0151】
また、この導体回路形成工程においては、スルーホール内に樹脂充填材層を形成した後、該樹脂充填材層のスルーホールからの露出面を覆う蓋めっき層を形成してもよい。蓋めっき層を形成することにより、スルーホールのランド上のみならず、蓋めっき層上にも半田パッドを形成することが可能となるため、設計の自由度がより向上するからである。
【0152】
上記蓋めっき層は、例えば、樹脂充填材層の露出面を含む基板の表面に導体層を形成し、蓋めっき層形成部分にエッチングレジストを形成した後、エッチング処理を施したり、予め、蓋めっき層非形成部分にめっきレジストを形成しておき、めっき処理とめっきレジストの除去とを行うことにより形成することができる。
【0153】
従って、この工程において、スルーホール上に蓋めっき層を形成する場合、下記の手順で処理を行うことにより、導体回路およびスルーホールの形成と蓋めっき層の形成とを同時に行うことができる。
すなわち、まず、基板に貫通孔を形成した後、該貫通孔の壁面を含む基板の表面に導体層を形成し、ついで、その壁面に導体層の形成された貫通孔内に樹脂充填材を充填する。さらに、樹脂充填材の露出面、および、基板表面に形成した導体層上にめっき処理等により導体層を積層形成した後、導体回路非形成部およびスルーホール非形成部の導体層をエッチング除去することにより、導体回路およびスルーホールの形成と蓋めっき層の形成とを同時に行うことができる。
【0154】
(b)次に、導体回路を形成した基板上の導体回路非形成部の少なくとも一部に接着剤層を形成する。なお、本明細書において、スルーホールのランド部分は導体回路に含むものとする。従って、スルーホールのランド部分は、導体回路非形成部には相当しない。
この工程では、後工程でパッケージ基板と貼り合わせる側の導体回路非形成部の全部または一部に接着剤層を形成する。上記接着剤層は、パッケージ基板との充分な接着性が得られるように塗布すればよい。従って、後述する(c)の工程で貫通孔を形成する部分には、接着剤層を形成してもよいし、しなくてもよい。
【0155】
上記接着剤としては、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、感光性樹脂、熱硬化基の一部が感光化された樹脂、および、これらの複合体からなるもの等を用いることができる。
具体例としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、BT樹脂等が挙げられる。また、予め、シート状に成形された接着剤を用いてもよく、プリプレグを用いてもよい。
【0156】
(c)次に接着剤層を形成した基板の一部に貫通孔を形成する。ここで形成する貫通孔内には、後工程において、光学素子が配設されることとなる。
上記貫通孔の形成は、例えば、ルータ加工等により行うことができる。
また、上記貫通孔の形成位置は特に限定されないが、通常、基板の中央に形成する。
【0157】
また、この工程において、貫通孔を形成した後には、貫通孔壁面に存在するバリ等を除去するために、薬液処理や研磨処理等を施してもよい。
上記薬液処理は、例えば、クロム酸、過マンガン酸塩等の水溶液からなる酸化剤を使用して行うことができる。
このような(a)〜(c)の工程を経ることにより光学素子挿入用基板を作製することができる。
【0158】
次に、上記(A)〜(C)の工程を経て作製したパッケージ基板と、上記(a)〜(c)の工程を経て作製した光学素子挿入用基板とを該光学素子挿入用基板が有する接着剤層を介して貼り合わせた後、ICチップ実装用基板とする方法について説明する。
【0159】
パッケージ基板と光学素子挿入用基板との貼り合わせは、例えば、ピンラミネート方式やマスラミネート方式等を用いて行うことができる。
具体的には、両者の位置合わせを行った後、接着剤層が軟化する温度(通常、60〜200℃程度)まで昇温し、次いで、1〜10MPa程度の圧力でプレスすることにより、パッケージ基板と光学素子挿入用基板とを貼り合わせる。その後、下記(1)〜(3)の工程を経てICチップ実装用基板とする。
【0160】
(1)まず、上記光学素子挿入用基板に形成した貫通孔より露出したパッケージ基板の表面に光学素子を取り付けた後、上記光学素子と上記パッケージ基板の導体回路とを電気的に接続する。
上記光学素子の取り付け、および、電気的な接続の方法は、光学素子に応じて適宜選択すればよい。
以下、ワイヤボンディング型の光学素子を用いる場合と、フリップチップ型の光学素子を用いる場合について、具体的に説明する。
【0161】
ワイヤボンディング型の光学素子を用いる場合には、光学素子の取り付けは、例えば、共晶結合法、半田結合法、樹脂結合法等により行うことができる。また、銀ペーストや金ペーストを用いて、光学素子を取り付けてもよい。
上記樹脂結合法では、エポキシ系樹脂やポリイミド系樹脂等の熱硬化性樹脂を主剤とし、これらの樹脂成分以外に硬化剤やフィラー、溶剤等を含むペーストをパッケージ基板上に塗布し、次いで、光学素子をペースト上に載置した後、該ペーストを加熱硬化させることにより光学素子を取り付ける。
なお、上記ペーストの塗布は、例えば、ディスペンス法、スタンピング法、スクリーン印刷法等により行うことができる。
また、銀ペーストを用いる場合には、パッケージ基板上に銀ペーストを塗布し、ついで、光学素子をペースト上に載置した後、この銀ぺーストを焼成することにより光学素子を取り付ける。
【0162】
上記光学素子と上記パッケージ基板の金属層とを電気的に接続には、ワイヤボンディングを用いる。ワイヤボンディングによる光学素子の接続は、取り付ける際の設計の自由度が大きく、経済的にも有利である。
上記ワイヤボンディングとしては、従来公知の方法、すなわち、ネイルヘッド・ボンディング法やウエッジ・ボンディング法を用いることができる。
【0163】
また、フリップチップ型の光学素子を用いる場合には、光学素子の取り付けと、電気的な接続とを同時に行うことができる。なお,フリップチップボンディングの方法としては、従来公知の方法を用いることができる。
また、光学素子としてフリップチップ型の光学素子を用いる場合には、該光学素子と上記パッケージ基板との間隙を樹脂封止することが望ましい。
なお、樹脂封止は、例えば、後工程で光路用樹脂充填層を形成する際に、同時に光学素子とパッケージ基板との間隙に樹脂組成物を充填し、その後、硬化処理することにより行えばよい。勿論、光路用樹脂充填層を形成する工程とは別に、樹脂封止を行ってもよい。
なお、光学素子の電気的な接続は、ワイヤボンディングやフリップチップボンディングに限定されるわけではなく、例えば、テープボンディング等を用いて行ってもよい。
【0164】
(2)次に、上記光学素子挿入用基板に形成した貫通孔内に樹脂組成物を充填し、光路用樹脂充填層を形成する。
樹脂組成物を充填する方法としては特に限定されず、例えば、印刷やポッティング等の方法を用いることができる。また、タブレット状にしたものをプランジャーを用いて充填してもよい。また、樹脂組成物を充填した後には、必要に応じて、硬化処理等を施す。
【0165】
また、上記光路用樹脂充填層が2層以上からなる場合、例えば、内層光路用樹脂充填層と外層光路用樹脂充填層とからなる場合には、この工程では2回に分けて樹脂組成物を充填することとなる。
さらに、2層以上からなる光路用樹脂充填層に形成する工程で、充填した樹脂組成物に硬化処理を施す場合には、該硬化処理は、内層光路用樹脂充填層となる樹脂組成物を充填した後に一度行い、外層光路用樹脂充填層となる樹脂組成物を充填した後に再度行ってもよいし、内層光路用樹脂充填層となる樹脂組成物と外層光路用樹脂充填層となる樹脂組成物とをともに充填した後、同時に行ってもよい。どちらの方法を選択するかは、樹脂組成物に応じて適宜決定すればよい。
特に、内層光路用樹脂充填層となる樹脂組成物と外層光路用樹脂充填層となる樹脂組成物との硬化条件が異なる場合には、内層光路用樹脂充填層となる樹脂組成物を充填した後、一度硬化処理を行い、その後、外層光路用樹脂充填層となる樹脂組成物の充填と硬化処理とを行うことが望ましい。また、この方法を用いた場合には、内層光路用樹脂充填層となる樹脂組成物と外層光路用樹脂充填層となる樹脂組成物とがその界面で混ざり合うことがない。
【0166】
さらに、この工程では、貫通孔から露出した樹脂組成物の露出面に研磨処理を施し、その露出面を平坦にすることが望ましい。露出面を平坦にすることにより、光信号の伝送が阻害されるおそれがより少なくなるからである。
上記研磨処理は、例えば、バフ研磨、紙やすり等による研磨、鏡面研磨、クリーン研磨、ラッピング等により行うことができる。また、酸や酸化剤、薬液等を用いた化学研磨を行ってもよい。また、これらの方法を2種以上組み合わせて研磨処理を行ってもよい。
【0167】
上記光路用樹脂充填層を形成した後には、必要に応じて、該光路用樹脂充填層の露出面(多層プリント配線板と対向する面)の一部にマイクロレンズを配設する。
上記光路用樹脂充填層の露出面の一部にマイクロレンズを配設するには、透明の接着剤層を介して所定の位置に配設してもよいし、該光路用樹脂充填層の露出面の所定の位置に直接配設してもよい。
【0168】
上記光路用樹脂充填層の露出面にマイクロレンズを直接配設する方法としては、例えば、未硬化の光学レンズ用樹脂を光路用樹脂充填層上に適量滴下し、この滴下した未硬化の光学レンズ用樹脂に硬化処理を施す方法等が挙げられる。
上記未硬化の光学レンズ用樹脂を光路用樹脂充填層上に適量滴下する際には、ディスペンサー、インクジェット、マイクロピペット、マイクロシリンジ等の装置を用いることができる。
このような装置を用いて、光路用樹脂層上に滴下した未硬化の光学レンズ用樹脂は、その表面張力により球形になろうとするため、上記光路用樹脂充填層の露出面で半球状となり、その後、半球状の未硬化の光学レンズ用樹脂に硬化処理を施すことで、光路用樹脂層上に半球状のマイクロレンズ(凸形状のレンズ)を配設することができる。
なお、上述した方法により形成するマイクロレンズの直径や曲面の形状等は、光路用樹脂充填層と未硬化の光学レンズ用樹脂との濡れ性等を考慮しながら、適宜未硬化の光学レンズ用樹脂の粘度等を調整することで制御することができる。
【0169】
また、上記光路用樹脂充填層を形成した後には、必要に応じて、上記パッケージ基板と上記光学素子挿入用基板とを貫通するスルーホールを形成してもよい。
具体的には、まず、上記パッケージ基板と上記光学素子挿入用基板とを貫通するスルーホール用貫通孔をドリル加工やレーザ処理等により形成し、次に、このスルーホール用貫通孔の壁面を含むパッケージ基板の露出面および光学素子挿入用基板の露出面に無電解めっき、スパッタリング等により薄膜導体層を形成する。さらに、その表面に薄膜導体層が形成された基板の上にめっきレジストを形成した後、該めっきレジスト非形成部に電解めっき層を形成し、その後、上記めっきレジストと該めっきレジスト下の薄膜導体層を除去することにより、上記パッケージ基板と上記光学素子挿入用基板とを貫通するスルーホールを形成する。
【0170】
上記薄膜導体層の材質としては、例えば、銅、ニッケル、スズ、亜鉛、コバルト、タリウム、鉛等が挙げられる。
これらのなかでは、電気特性、経済性等に優れる点から銅や銅およびニッケルからなるものが望ましい。
また、上記薄膜導体層の厚さとしては、無電解めっきにより薄膜導体層を形成する場合には、0.6〜1.2μmが望ましい。また、スパッタリングにより形成する場合には、0.1〜1.0μmが望ましい。
【0171】
上記電解めっきとしては、銅めっきが望ましく、その厚さとしては、5〜20μmが望ましい。
また、上記めっきレジストの除去は、例えば、アルカリ水溶液等を用いて行えばよく、上記薄膜導体層の除去は、硫酸と過酸化水素との混合液、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、塩化第二鉄、塩化第二銅等のエッチング液を用いて行えばよい。
また、上記導体回路を形成した後、必要に応じて、層間樹脂絶縁層上の触媒を酸や酸化剤を用いて除去してもよい。電気特性の低下を防止することができるからである。
【0172】
また、スルーホールを形成した後には、該スルーホール内に樹脂組成物を充填し、その後、必要に応じて、硬化処理を施すことにより、樹脂充填材層を形成することが望ましい。なお、上記樹脂組成物としては、例えば、パッケージ基板の作製において、スルーホール内を充填する際に用いた樹脂組成物と同様のもの等を用いることができる。
【0173】
また、スルーホール内に樹脂充填材層を形成した場合には、必要に応じて、無電解めっき等を行うことにより樹脂充填材層の表層部を覆う蓋めっき層を形成してもよい。蓋めっき層を形成することにより、スルーホールのランド上のみならず、蓋めっき層上にもはんだパッドを形成することが可能となるため、設計の自由度がより向上するからである。
【0174】
また、上述したようなめっきレジストを形成した後、電解めっき層を形成する方法に代えて、薄膜導体層上の全面に電解めっき層を形成した後、電解めっき層上にエッチングレジストや半田めっき層を形成し、さらに、エッチング処理を施す方法を用いて上記光学素子挿入用基板と上記パッケージ基板とを貫通するスルーホールを形成してもよい。
【0175】
なお、ここで説明したスルーホールの形成は、必ずしも、光学素子の実装、光路用樹脂充填層の形成、および、マイクロレンズの配設を行った後に行う必要はなく、光学素子を実装する前に行ってもよいし、光路用樹脂充填層を形成する前に行ってもよいし、マイクロレンズを配設する前に行ってもよい。
【0176】
(3)次に、上記パッケージ基板の露出面や上記光学素子挿入用基板の露出面にソルダーレジスト層を形成する。
具体的には、未硬化のソルダーレジスト組成物をロールコータやカーテンコータ等により塗布したり、フィルム状に成形したソルダーレジスト組成物を圧着したりした後、硬化処理を施すことによりソルダーレジスト層を形成する。
上記ソルダーレジスト組成物としては、例えば、パッケージ基板を作製する際に用いたソルダーレジスト組成物と同様のもの等を用いることができる。
【0177】
なお、この工程においては、上記(2)の工程で形成した光路用樹脂充填層上には、ソルダーレジスト層を形成する必要がない。
また、上記(2)の工程においてパッケージ基板と光学素子挿入用基板とを貫通するスルーホールを形成しなかった場合には、この工程において、パッケージ基板の露出面にソルダーレジスト層を形成しなくてもよい。この工程を行う前に、パッケージ基板の露出面全部には、既にソルダーレジスト層が形成されているからである。
【0178】
また、上記ソルダーレジスト層には、必要に応じて、レーザ処理や露光現像処理により半田バンプ形成用開口(ICチップを実装するための開口や多層プリント配線板と接続するための開口)を形成する。この際、使用するレーザとしては、上述したバイアホール用開口を形成する際に用いるレーザと同様のもの等が挙げられる。
【0179】
なお、ここで説明したソルダーレジスト層の形成は、必ずしも、光学素子の実装(上記(1)の工程)、光路用樹脂充填層の形成やマイクロレンズの配設(上記(2)の工程)を行った後に行う必要はなく、光学素子を実装する前に行ってもよいし、光路用樹脂充填層を形成する前に行ってもよいし、マイクロレンズを配設する前に行ってもよい。
なお、上述したように、パッケージ基板と光学素子挿入用基板とを貫通するスルーホールを形成する場合は、上記ソルダーレジスト層の形成は、スルーホールを形成した後に行う。
【0180】
次に、上記半田バンプ形成用開口の底面に露出した導体回路の表面に、必要に応じて、金属層を形成する。
上記金属層は、ニッケル、パラジウム、金、銀、白金等の耐食性金属により上記導体回路表面を被覆することにより形成することができる。
具体的には、ニッケル−金、ニッケル−銀、ニッケル−パラジウム、ニッケル−パラジウム−金等の金属により形成することが望ましい。
また、上記金属層は、例えば、めっき、蒸着、電着等の方法を用いて形成することができるが、これらのなかでは、被覆層の均一性に優れるという点からめっきが望ましい。なお、この金属層は、後工程で半田バンプ等を形成する際に半田パッドとしての役割を果たすこととなる。
【0181】
さらに、必要に応じて、ICチップを実装するための開口(ICチップ実装用開口)や、多層プリント配線板と接続するための開口(多層プリント配線板接続用開口)に相当する部分に開口部が形成されたマスクを介して、上記半田パッドに半田ペーストを充填した後、リフローすることにより半田バンプを形成する。
このような半田バンプを形成することにより、該半田バンプを介してICチップを実装したり、多層プリント配線板を接続したりすることが可能となる。
なお、この半田バンプは、必要に応じて形成すればよく、半田バンプを形成しない場合であっても、実装するICチップや接続する多層プリント配線板のバンプを介してこれらとICチップ実装用基板とを電気的に接続することができる。
このような工程を経ることにより、本発明の光通信用デバイスを構成するICチップ実装用基板を製造することができる。
【0182】
次に、多層プリント配線板の製造方法について説明する。
(1)まず、上記パッケージ基板の作製の(A)の工程と同様にして、基板の両面に導体回路を形成するともに、基板を挟んだ導体回路間を接続するスルーホールを形成する。また、この工程でも、導体回路の表面やスルーホールの壁面に、必要に応じて、粗化面を形成する。
【0183】
(2)次に、必要に応じて、上記パッケージ基板の作製の(B)の工程と同様にして、導体回路を形成した基板上に層間樹脂絶縁層と導体回路とを積層形成する。
また、この(2)の工程、すなわち、層間樹脂絶縁層と導体回路とを積層する工程は、1回のみ行ってもよいし、複数回行ってもよい。
【0184】
(3)次に、ICチップ実装用基板と対向する側の基板上、または、層間樹脂絶縁層上の導体回路非形成部に光導波路を形成する。
上記光導波路の形成は、その材料に石英ガラス等の無機材料を用いて行う場合、予め、所定の形状に成形しておいた光導波路を接着剤を介して取り付けることにより行うことができる。
また、上記無機材料からなる光導波路は、例えば、LiNbO3 、LiTaO3 等の無機材料を液相エピタキシヤル法、化学堆積法(CVD)、分子線エピタキシヤル法等により成膜させることにより形成することができる。
【0185】
また、ポリマー材料からなる光導波路を形成する方法としては、例えば、▲1▼予め離型フィルム上等にフィルム状に成形しておいた光導波路形成用フィルムを層間樹脂絶縁層上に張り付ける方法や、▲2▼層間樹脂絶縁層上に下部クラッド、コア、上部クラッドを順次積層形成していくことにより、上記層間樹脂絶縁層上に直接光導波路を形成する方法等が挙げられる。
なお、光導波路の形成方法としては、離型フィルム上に光導波路を形成する場合も、層間樹脂絶縁層上に光導波路を形成する場合も同様の方法を用いて行うことができる。
具体的には、反応性イオンエッチングを用いた方法、露光現像法、金型形成法、レジスト形成法、これらを組み合わせた方法等を用いて形成することができる。
【0186】
上記反応性イオンエッチングを用いた方法では、(i)まず、離型フィルム等の上に下部クラッドを形成し、(ii)次に、この下部クラッド上にコア用樹脂組成物を塗布し、さらに、必要に応じて、硬化処理を施すことによりコア形成用樹脂層とする。(iii)次に、上記コア形成用樹脂層上に、マスク形成用の樹脂層を形成し、次いで、このマスク形成用の樹脂層に露光現像処理を施すことにより、コア形成用樹脂層上にマスク(エッチングレジスト)を形成する。
【0187】
(iv)次に、コア形成用樹脂層に反応性イオンエッチングを施すことにより、マスク非形成部分のコア形成用樹脂層を除去し、下部クラッド上にコアを形成する。(v)最後に、上記コアを覆うように下部クラッド上に上部クラッドを形成し、光導波路とする。
この反応性イオンエッチングを用いた方法は、寸法信頼性に優れた光導波路を形成することができる。また、この方法は、再現性にも優れている。
【0188】
また、露光現像法では、(i)まず、離型フィルム等の上に下部クラッドを形成し、(ii)次に、この下部クラッド上にコア用樹脂組成物を塗布し、さらに、必要に応じて、半硬化処理を施すことによりコア形成用樹脂組成物の層を形成する。
【0189】
(iii)次に、上記コア形成用樹脂組成物の層上に、コア形成部分に対応したパターンが描画されたマスクを載置し、その後、露光現像処理を施すことにより、下部クラッド上にコアを形成する。(iv)最後に、上記コアを覆うように下部クラッド上に上部クラッドを形成し、光導波路とする。
この露光現像法は、工程数が少ないため、光導波路を量産する際に好適に用いることができ、また、加熱工程が少ないため、光導波路に応力が発生しにくい。
【0190】
また、上記金型形成法では、(i)まず、離型フィルム等の上に下部クラッドを形成し、(ii)次に、下部クラッドに金型形成によりコア形成用の溝を形成する。(iii)さらに、上記溝内にコア用樹脂組成物を印刷により充填し、その後、硬化処理を施すことによりコアを形成する。(iv)最後に、上記コアを覆うように下部クラッド上に上部クラッドを形成し、光導波路とする。
この金型形成法は、光導波路を量産する際に好適に用いることができ、寸法信頼性に優れた光導波路を形成することができる。また、この方法は、再現性にも優れている。
【0191】
また、上記レジスト形成法では、(i)まず、離型フィルム等の上に下部クラッドを形成し、(ii)さらに、この下部クラッド上にレジスト用樹脂組成物を塗布した後、露光現像処理を施すことにより、上記下部クラッド上のコア非形成部分に、コア形成用レジストを形成する。
【0192】
(iii)次に、下部クラッド上のレジスト非形成部分にコア用樹脂組成物の塗布し、(iv)さらに、コア用樹脂組成物を硬化した後、上記コア形成用レジストを剥離することにより、下部クラッド上にコアを形成する。(v)最後に、上記コアを覆うように下部クラッド上に上部クラッドを形成し、光導波路とする。
このレジスト形成法は、この金型形成法は、光導波路を量産する際に好適に用いることができ、寸法信頼性に優れた光導波路を形成することができる。また、この方法は、再現性にも優れている。
【0193】
また、上記光導波路には、光路変換ミラーを形成する。
上記光路変換ミラーは、光導波路を層間樹脂絶縁層上に取り付ける前に形成しておいてもよいし、層間樹脂絶縁層上に取り付けた後に形成してもよいが、該光導波路を層間樹脂絶縁層上に直接形成する場合を除いて、予め光路変換ミラーを形成しておくことが望ましい。作業を容易に行うことができ、また、作業時に多層プリント配線板を構成する他の部材、例えば、基板や導体回路、層間樹脂絶縁層等に傷を付けたり、これらを破損させたりするおそれがないからである。
【0194】
上記光路変換ミラーを形成する方法としては特に限定されず、従来公知の形成方法を用いることができる。具体的には、先端がV形90°のダイヤモンドソーや刃物による機械加工、反応性イオンエッチングによる加工、レーザアブレーション等を用いることができる。
なお、ここでは、ICチップ実装用基板に対向する側の基板上または最外層の層間樹脂絶縁層上に光導波路を形成する方法について説明したが、上記多層プリント配線板を製造する場合には、上記光導波路は、基板と層間樹脂絶縁層との間や、層間樹脂絶縁層同士の間に形成する場合もある。
【0195】
基板と層間樹脂絶縁層との間に光導波路を形成する場合には、上記(1)の工程で,その両面に導体回路が形成された基板を作製した後、上記(3)の工程と同様の方法で基板上の導体回路非形成部分に光導波路を形成し、その後、上記(2)の工程と同様の方法で層間樹脂絶縁層を形成することにより、上記した位置に光導波路を形成することができる。
【0196】
また、層間樹脂絶縁層同士の間に光導波路を形成する場合には、上記(1)および(2)の工程と同様にして導体回路が形成された基板上に少なくとも1層の層間樹脂絶縁層を積層形成した後、上記(3)の工程と同様にして層間樹脂絶縁層上に光導波路を形成し、その後、さらに、上記(2)の工程と同様の工程を繰り返すことにより、層間樹脂絶縁層同士の間に光導波路を形成することができる。
【0197】
さらに、本発明の光通信用デバイスを構成する多層プリント配線板においては、ICチップ実装用基板と対向する側と基板を挟んだ反対側に光導波路が形成されていてもよく、このような位置に光導波路が形成された多層プリント配線板を製造する場合には、上記光導波路と、上記ICチップ実装用基板に実装された光学素子との間で光信号の伝送を行うことができるように、少なくとも基板を貫通する光信号伝送用光路を形成する必要があるが、このような光信号伝送用光路は、光導波路を形成する前に、または、光導波路を形成した後に適宜形成すればよい。
【0198】
具体的には、例えば、上記(1)および(2)の工程を経ることにより、多層配線板を作製した後、光導波路を形成する前に、該多層配線板を貫通する光路用貫通孔を形成し、その後、上記光路用貫通孔を介してICチップ実装用基板との間で光信号を伝送することができる位置に、上述した方法で光導波路を形成し、さらに、後述する工程を経て多層プリント配線板とすればよい。なお、上記光路用貫通孔を形成した後には、必要に応じて、その内部や壁面に光路用樹脂層や導体層を形成してもよい。
【0199】
(4)次に、光導波路を形成した基板の最外層にソルダーレジスト層を形成する。
上記ソルダーレジスト層は、例えば、上記ICチップ実装用基板のソルダーレジスト層を形成する際に用いた樹脂組成物と同様の樹脂組成物を用いて形成することができる。
なお、場合によっては、上記(3)の工程で基板の最外層全体に光導波路を形成し、光導波路がソルダーレジスト層としての役割を果たすようにしてもよい。
【0200】
(5)次に、ICチップ実装用基板と対向する側のソルダーレジスト層に半田バンプ形成用開口(ICチップ実装用基板や各種表面実装型電子部品を実装するための開口)と光路用開口とを形成する。
上記半田バンプ形成用開口と光路用開口との形成は、ICチップ実装用基板に半田バンプ形成用開口を形成する方法と同様の方法、すなわち、露光現像処理やレーザ処理等を用いて行うことができる。
なお、上記半田バンプ形成用開口の形成と、光路用開口の形成とは同時に行ってもよいし、別々に行ってもよい。
【0201】
これらのなかでは、ソルダーレジスト層を形成する際に、その材料として感光性樹脂を含む樹脂組成物を塗布し、露光現像処理を施すことにより半田バンプ形成用開口と光路用開口とを形成する方法を選択することが望ましい。
露光現像処理により光路用開口を形成する場合には、開口形成時に、該光路用開口の下に存在する光導波路に傷をつけるおそれがないからである。
また、ソルダーレジスト層を形成する際に、予め、所望の位置に開口を有する樹脂フィルムを作製し、該樹脂フィルムを張り付けることにより、半田バンプ形成用開口と光路用開口とを有するソルダーレジスト層を形成してもよい。
なお、光路用貫通孔を形成し、ICチップ実装用基板と対向する側と基板を挟んだ反対側に光導波路を形成する場合には、この工程で光路用開口を形成する際に、光路用開口を上記光路用貫通孔と連通するように形成する。
【0202】
また、必要に応じて、ICチップ実装用基板と対向する面と反対側のソルダーレジスト層にも半田バンプ形成用開口を形成してもよい。
後工程を経ることにより、ICチップ実装用基板と対向する面と反対側のソルダーレジスト層にも外部接続端子を形成することができるからである。
【0203】
(6)次に、上記半田バンプ形成用開口を形成することにより露出した導体回路部分を、必要に応じて、ニッケル、パラジウム、金、銀、白金等の耐食性金属により被覆し、半田パッドとする。具体的には、ICチップ実装用基板の製造方法の(14)の工程と同様の方法を用いて行えばよい。
【0204】
(7)次に、必要に応じて、上記(5)の工程で形成した光路用開口内に、未硬化の樹脂組成物を充填し、その後、硬化処理を施すことにより光路用樹脂層を形成する。
なお、この工程で充填する未硬化の樹脂組成物は、ICチップ実装用基板の製造工程で、光路用樹脂充填層を形成するために用いた樹脂組成物、特に、上層光路用樹脂充填層を形成するために用いた樹脂組成物と同一のものであることが望ましい。
【0205】
また、上述したように、ICチップ実装用基板と対向する側と基板を挟んだ反対側に光導波路を形成するために、光路用貫通孔と光路用開口とを形成した場合には、該光路用貫通孔と該光路用開口とに未硬化の樹脂組成物を充填してもよく、ここで、上記未硬化の樹脂組成物を充填する場合には、上記光路用貫通孔と上記光路用開口とに同時に充填し、その後硬化処理を施してもよいし、多層配線板に光路用貫通孔を形成した後、未硬化の樹脂組成物の充填と硬化処理とを行い、その後、光路用開口を有するソルダーレジスト層を形成し、さらに、未硬化の樹脂組成物の充填と硬化処理とを行ってもよい。
【0206】
(8)次に、上記半田パッドに相当する部分に開口部が形成されたマスクを介して、上記半田パッドに半田ペーストを充填した後、リフローすることにより半田バンプを形成する。
このような半田バンプを形成することにより、該半田バンプを介してICチップ実装用基板や各種表面実装型電子部品を実装することが可能となる。なお、この半田バンプは、必要に応じて形成すればよく、半田バンプを形成しない場合であっても、実装するICチップ実装用基板や各種表面実装型電子部品のバンプを介してこれらを実装することができる。
また、ICチップ実装用基板と対向する面と反対側のソルダーレジスト層では、特に、外部接続端子を形成しなくてもよいし、必要に応じて、ピンを配設したり、半田ボールを形成したりすることにより、PGA(Pin Grid Array)やBGA(Ball Grid Array)としてもよい。
このような工程を経ることにより、本発明の光通信用デバイスを構成する多層プリント配線板を製造することができる。
【0207】
本発明の光通信用デバイスの製造方法では、次に、ICチップ実装用基板の光学素子と多層プリント配線板の光導波路との間で、光路用樹脂充填層を介して光信号の伝送ができる位置に両者を配置、固定する。
ここでは、ICチップ実装用基板と多層プリント配線板とを対向配置した後、上記ICチップ実装用基板の半田バンプと、上記多層プリント配線板の半田バンプとにより半田接続部を形成し、両者を電気的に接続するとともに、両者を固定する。すなわち、ICチップ実装用基板と多層プリント配線板とをそれぞれ所定の位置に、所定の向きで対向配置し、リフローすることにより両者を接続する。
なお、上述したように、ICチップ実装用基板と多層プリント配線板との両者を固定するための半田バンプは、両者のどちらか一方にのみ形成されていてもよい。
【0208】
また、この工程では、ICチップ実装用基板と多層プリント配線板とを両者の半田バンプを用いて接続するため、両者を対向配置した際に、両者の間で若干の位置ズレが存在していても、リフロー時に半田の有するセルフアライメント効果により両者を所定の位置に配置することができる。
【0209】
次に、上記ICチップ実装用基板と上記多層プリント配線板との間に、封止用樹脂組成物を流し込み、その後、硬化処理を施すことにより封止樹脂層を形成する。
上記封止用樹脂組成物としては、上述したPMMA(ポリメチルメタクリレート)、重水素化PMMA、重水素フッ素化PMMA等のアクリル樹脂;フッ素化ポリイミド等のポリイミド樹脂;エポキシ樹脂;UV硬化性エポキシ樹脂;重水素化シリコーン樹脂等のシリコーン樹脂;ベンゾシクロブテンから製造されるポリマー等の樹脂成分と、必要に応じて含まれる粒子とに加えて、硬化剤や消泡剤、酸無水物、溶剤等の各種添加剤が適宜配合されたもの等が挙げられる。
また、上記封止用樹脂組成物は、硬化後の通信波長光の透過率が70%以上であることが望ましく、90%以上であることがより望ましい。
【0210】
ここで、ICチップ実装用基板および多層プリント配線板の間に流し込む封止用樹脂組成物の粘度や、該封止用樹脂組成物を流し込んだ後の硬化処理の条件としては、封止用樹脂組成物の組成、ICチップ実装用基板および多層プリント配線板の設計等を考慮して適宜選択すればよい。
【0211】
次に、ICチップ実装用基板にICチップを実装し、その後、必要に応じて、ICチップの樹脂封止を行うことにより光通信用デバイスとする。
上記ICチップの実装は従来公知の方法で行うことができる。
また、ICチップの実装を、ICチップ実装用基板と多層プリント配線板とを接続する前に行い、ICチップを実装したICチップ実装用基板と多層プリント配線板とを接続することにより光通信用デバイスとしてもよい。
【0212】
【実施例】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
A.ICチップ実装用基板の作製
A−1.パッケージ基板の作製
(a)層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムの作製
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量469、油化シェルエポキシ社製エピコート1001)30重量部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量215、大日本インキ化学工業社製 エピクロンN−673)40重量部、トリアジン構造含有フェノールノボラック樹脂(フェノール性水酸基当量120、大日本インキ化学工業社製 フェノライトKA−7052)30重量部をエチルジグリコールアセテート20重量部、ソルベントナフサ20重量部に攪拌しながら加熱溶解させ、そこへ末端エポキシ化ポリブタジエンゴム(ナガセ化成工業社製 デナレックスR−45EPT)15重量部と2−フェニル−4、5−ビス(ヒドロキシメチル)イミダゾール粉砕品1.5重量部、微粉砕シリカ2重量部、シリコーン系消泡剤0.5重量部を添加しエポキシ樹脂組成物を調製した。
得られたエポキシ樹脂組成物を厚さ38μmのPETフィルム上に乾燥後の厚さが50μmとなるようにロールコーターを用いて塗布した後、80〜120℃で10分間乾燥させることにより、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを作製した。
【0213】
(b)樹脂充填材(樹脂組成物)の調整
ビスフェノールF型エポキシモノマー(油化シェル社製、分子量:310、YL983U)100重量部、表面にシランカップリング剤がコーティングされた平均粒径が1.6μmで、最大粒子の直径が15μm以下のSiO球状粒子(アドテック社製、CRS 1101−CE)170重量部およびレベリング剤(サンノプコ社製 ペレノールS4)1.5重量部を容器にとり、攪拌混合することにより、その粘度が23±1℃で45〜49Pa・sの樹脂充填材を調製した。なお、硬化剤として、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、2E4MZ−CN)6.5重量部を用いた。
【0214】
(c)パッケージ基板の製造
(1)厚さ0.8mmのガラスエポキシ樹脂またはBT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる絶縁性基板21の両面に18μmの銅箔28がラミネートされている両面銅張積層板を出発材料とした(図4(a)参照)。まず、この銅張積層板をドリル削孔し、無電解めっき処理を施し、パターン状にエッチングすることにより、基板21の両面に導体回路24とスルーホール29とを形成した(図4(b)参照)。
【0215】
(2)下層導体回路24を形成した基板21を水洗いし、乾燥した後、NaOH(10g/l)、NaClO(40g/l)、NaPO(6g/l)を含む水溶液を黒化浴(酸化浴)とする黒化処理、および、NaOH(10g/l)、NaBH(6g/l)を含む水溶液を還元浴とする還元処理を行い、スルーホール29を含む下層導体回路24の表面に粗化面(図示せず)を形成した。
【0216】
(3)次に、上記(b)に記載した樹脂充填材を調製した後、下記の方法により調製後24時間以内に、スルーホール29内および基板21上の導体回路非形成部と導体回路24の外縁部とに樹脂充填材30′の層を形成した。
すなわち、まず、スキージを用いてスルーホール内に樹脂充填材を押し込んだ後、100℃、20分の条件で乾燥させた。次に、導体回路非形成部に相当する部分が開口したマスクを基板上に載置し、スキージを用いて凹部となっている導体回路非形成部にも樹脂充填材を充填し、100℃、20分の条件で乾燥させることにより樹脂充填材30′の層を形成した(図4(c)参照)。
【0217】
(4)上記(3)の処理を終えた基板の片面を、♯600のベルト研磨紙(三共理化学社製)を用いたベルトサンダー研磨により、導体回路24の表面やスルーホール29のランド表面に樹脂充填材30′が残らないように研磨し、次いで、上記ベルトサンダー研磨による傷を取り除くためのバフ研磨を行った。このような一連の研磨を基板の他方の面についても同様に行った。
次いで、100℃で1時間、120℃で3時間、150℃で1時間、180℃で7時間の加熱処理を行って樹脂充填材層30を形成した。
【0218】
このようにして、スルーホール29や導体回路非形成部に形成された樹脂充填材層30の表層部および導体回路24の表面を平坦化し、樹脂充填材層30と導体回路24の側面とが粗化面を介して強固に密着し、また、スルーホール29の内壁面と樹脂充填材30とが粗化面を介して強固に密着した絶縁性基板を得た(図4(d)参照)。この工程により、樹脂充填材層30の表面と導体回路24の表面とが同一平面となる。
【0219】
(5)上記基板を水洗、酸性脱脂した後、ソフトエッチングし、次いで、エッチング液を基板の両面にスプレイで吹き付けて、導体回路24の表面とスルーホール29のランド表面とをエッチングすることにより、導体回路24の全表面に粗化面(図示せず)を形成した。エッチング液として、イミダゾール銅(II)錯体10重量部、グリコール酸7重量部、塩化カリウム5重量部を含むエッチング液(メック社製、メックエッチボンド)を使用した。
【0220】
(6)次に、上記(a)で作製した層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを、温度50〜150℃まで昇温しながら、0.5MPaで真空圧着ラミネートして張り付け、樹脂フィルム層22αを形成した(図4(e)参照)。
【0221】
(7)次に、層間樹脂絶縁層22α上に、厚さ1.2mmの貫通孔が形成されたマスクを介して、波長10.4μmのCOガスレーザにて、ビーム径4.0mm、トップハットモード、パルス幅8.0μ秒、マスクの貫通孔の径1.0mm、1ショットの条件で層間樹脂絶縁層22αに、直径80μmのバイアホール用開口26を形成した(図5(a)参照)。
【0222】
(8)バイアホール用開口26を形成した基板を、60g/lの過マンガン酸を含む80℃の溶液に10分間浸漬し、層間樹脂絶縁層22の表面に存在するエポキシ樹脂粒子を溶解除去することにより、バイアホール用開口26の内壁面を含む層間樹脂絶縁層の表面に粗化面(図示せず)を形成した。
【0223】
(9)次に、上記処理を終えた基板を、中和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いした。
さらに、粗面化処理(粗化深さ3μm)した該基板の表面に、パラジウム触媒を付与することにより、層間樹脂絶縁層22の表面(バイアホール用開口26の内壁面を含む)に触媒核を付着させた(図示せず)。すなわち、上記基板を塩化パラジウム(PdCl)と塩化第一スズ(SnCl)とを含む触媒液中に浸漬し、パラジウム金属を析出させることにより触媒を付与した。
【0224】
(10)次に、以下の組成の無電解銅めっき水溶液中に、基板を浸漬し、層間樹脂絶縁層22の表面(バイアホール用開口26の内壁面を含む)に厚さ0.6〜3.0μmの無電解銅めっき膜32を形成した(図5(b)参照)。
【0225】
〔無電解めっき液〕
NiSO4          0.003 mol/l
酒石酸           0.200 mol/l
硫酸銅           0.030 mol/l
HCHO          0.050 mol/l
NaOH          0.100 mol/l
α、α′−ビピリジル      100 mg/l
ポリエチレングリコール(PEG) 0.10 g/l
〔無電解めっき条件〕
30℃の液温度で40分
【0226】
(11)次に、無電解銅めっき膜32が形成された基板に市販の感光性ドライフィルムを張り付け、マスクを載置して、100mJ/cmで露光し、0.8%炭酸ナトリウム水溶液で現像処理することにより、めっきレジスト23を設けた(図5(c)参照)。
【0227】
(12)ついで、基板を50℃の水で洗浄して脱脂し、25℃の水で水洗後、さらに硫酸で洗浄してから、以下の条件で電解めっきを施し、めっきレジスト23非形成部に、電解銅めっき膜33を形成した(図5(d)参照)。
【0228】
〔電解めっき液〕
硫酸           2.24 mol/l
硫酸銅          0.26 mol/l
添加剤          19.5  ml/l
(アトテックジャパン社製、カパラシドGL)
〔電解めっき条件〕
電流密度          1 A/dm
時間            65 分
温度            22±2 ℃
【0229】
(13)さらに、めっきレジスト23を5%KOHで剥離除去した後、めっきレジスト23下の無電解めっき膜を硫酸と過酸化水素との混合液でエッチング処理して溶解除去し、無電解銅めっき膜32と電解銅めっき膜33とからなる導体回路25(バイアホール27を含む)を形成した(図6(a)参照)。
【0230】
(14)さらに、導体回路25等を形成した基板をエッチング液に浸漬し、導体回路25(バイアホール27を含む)の表面に粗化面(図示せず)を形成した。なお、エッチング液としては、メック社製、メックエッチボンドを使用した。
【0231】
(15)次に、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)に60重量%の濃度になるように溶解させた、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社製)のエポキシ基50%をアクリル化した感光性付与のオリゴマー(分子量:4000)46.67重量部、メチルエチルケトンに溶解させた80重量%のビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル社製、商品名:エピコート1001)15.0重量部、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、商品名:2E4MZ−CN)1.6重量部、感光性モノマーである2官能アクリルモノマー(日本化薬社製、商品名:R604)4.5重量部、同じく多価アクリルモノマー(共栄化学社製、商品名:DPE6A)1.5重量部、分散系消泡剤(サンノプコ社製、S−65)0.71重量部を容器にとり、攪拌、混合して混合組成物を調製し、この混合組成物に対して光重合開始剤としてベンゾフェノン(関東化学社製)2.0重量部、光増感剤としてのミヒラーケトン(関東化学社製)0.2重量部、を加えることにより、粘度を25℃で2.0Pa・sに調整したソルダーレジスト組成物を得た。
また、粘度測定は、B型粘度計(東京計器社製、DVL−B型)で60min (rpm)の場合はローターNo.4、6min (rpm)の場合はローターNo.3によった。
【0232】
(16)次に、導体回路25等を形成した基板の両面に、上記ソルダーレジスト組成物を塗布し、70℃で20分間、70℃で30分間の条件で乾燥処理を行い、ソルダーレジスト組成物の層34αを形成した(図6(b)参照)。次いで、開口部のパターンが描画された厚さ5mmのフォトマスクをソルダーレジスト組成物の層34αに密着させて1000mJ/cmの紫外線で露光し、DMTG
溶液で現像処理し、開口31を形成した。
そして、さらに、80℃で1時間、100℃で1時間、120℃で1時間、150℃で3時間の条件でそれぞれ加熱処理を行って、ソルダーレジスト組成物の層34αを硬化させ、開口31を有するソルダーレジスト層34の形成した(図6(c)参照)。
【0233】
(17)次に、ソルダーレジスト層34を形成した基板を、塩化ニッケル(2.3×10−1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(2.8×10−1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.6×10−1mol/l)を含むpH=4.5の無電解ニッケルめっき液に20分間浸漬して、開口31の一部にニッケルめっき層を形成した。さらに、その基板をシアン化金カリウム(7.6×10−3mol/l)、塩化アンモニウム(1.9×10−1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.2×10−1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(1.7×10−1mol/l)を含む無電解金めっき液に80℃の条件で7.5分間浸漬して、ニッケルめっき層上に、厚さ0.03μmの金めっき層を形成し、パッケージ基板とした(図6(d)参照)。なお、図中では、ニッケルめっき層および金めっき層の2層を合わせて金属層36と示す。
【0234】
A−2.光学素子挿入用基板の作製
(1)厚さ0.8mmのガラスエポキシ基板またはBT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる絶縁性基板1の両面に18μmの銅箔8がラミネートされている両面銅張積層板を出発材料とした(図7(a)参照)。まず、この銅張積層板をドリル削孔し、無電解めっき処理を施すことにより、その表面(貫通孔の壁面を含む)に導体層12を形成した(図7(b)参照)。
【0235】
(2)次に、導体層12を形成した基板1を水洗いし、乾燥した後、NaOH (10g/l)、NaClO(40g/l)、NaPO(6g/l)を含む水溶液を黒化浴(酸化浴)とする黒化処理、および、NaOH(10g/l)、NaBH(6g/l)を含む水溶液を還元浴とする還元処理を行い、導体層12の表面に粗化面(図示せず)を形成した。
【0236】
(3)次に、上記A−1の(b)に記載した樹脂充填材を調整した後、下記の方法により調整後24時間以内に、その壁面に導体層12を形成した貫通孔内に樹脂充填材10′の層を形成した。
すなわち、スキージを用いて貫通孔内に樹脂充填材を押し込んだ後、100℃、20分の条件で乾燥させた(図7(c)参照)。
【0237】
(4)上記(3)の処理を終えた基板の片面を、♯600のベルト研磨紙(三共理化学社製)を用いたベルトサンダー研磨により、樹脂充填材10′の層の露出面および導体層12の表面が平坦になるように研磨し、次いで、上記ベルトサンダー研磨による傷を取り除くためのバフ研磨を行った。このような一連の研磨を基板の他方の面についても同様に行った。
次いで、100℃で1時間、120℃で3時間、150℃で1時間、180℃で7時間の加熱処理を行って、樹脂充填材層10を形成した(図7(d)参照)。
【0238】
(5)次に、導体層12を形成した基板の片面に、無電解めっき処理を施すことにより導体層14を形成した(図7(e)参照)。
なお、導体層14を形成する面には、予め、パラジウム触媒を付与しておき、導体層14を形成しない側の面には、めっきレジストを形成しておくことにより、基板の片面に導体層14を形成した。
【0239】
(6)導体層12や導体層14を形成した基板の導体回路(スルーホールのランド部分を含む)形成部に相当する部分にエッチングレジスト(図示せず)を形成した後、エッチング処理を施すことにより、その内部に樹脂充填材層10が形成され、かつ、その上部に蓋めっき層16が形成されたスルーホール6と、導体回路(図示せず)とを形成した(図7(f)参照)。
【0240】
なお、エッチングレジストの形成は、市販の感光性ドライフィルムを張り付け、マスクを載置して、100mJ/cmで露光し、0.8%炭酸ナトリウム水溶液で現像処理することにより行った。
また、エッチング処理は、硫酸と過酸化水素水との混合液を用いて行った。
【0241】
(7)次に、基板の片面の導体回路非形成部にエポキシ樹脂系接着剤を塗布することにより接着剤層(図示せず)を形成した。
(8)さらに、基板の中央部にルータ加工により貫通孔9を形成し、光学素子挿入用基板とした(図7(g)参照)。
【0242】
A−3.ICチップ実装用基板の作製
(1)マスラミネート方式による積層プレスを行い、上記A−1で作製したパッケージ基板と、上記A−2で作製した光学素子挿入用基板とを上記光学素子挿入用基板に形成した接着剤層を介して貼り合わせた基板を得た(図8(a)参照)。すなわち、両者の位置合わせを行った後、150℃まで昇温し、さらに5MPaの圧力でプレスすることによりパッケージ基板と光学素子挿入用基板とを貼り合わせた。
【0243】
(2)次に、光学素子挿入用基板に形成した貫通孔9より露出したパッケージ基板の表面に、受光素子38および発光素子39を、受光部38aおよび発光部39aがそれぞれ上方に露出するように銀ペーストを用いて取り付けた。
なお、受光素子38としては、InGaAsからなるものを用い、発光素子39としては、InGaAsPからなるものを用いた。
【0244】
(3)次に、受光素子38および発光素子39の電気接続用パッドと貫通孔9より露出したパーケージ基板の表面の金属層36とをワイヤボンディングにより接続した(図8(b)参照)。ここで、ワイヤ40としては、Au製のワイヤを用いた。
【0245】
(4)次に、光学素子挿入用基板に形成した貫通孔9内に、エポキシ樹脂を含む樹脂組成物を印刷により充填し、その後、この樹脂組成物を乾燥させた。
さらに、樹脂組成物の露出面にバフ研磨と鏡面研磨とを施した。その後、加熱処理を行い、光路用樹脂充填層41とした(図8(c)参照)。
なお、光路用樹脂充填材層41は、その屈折率が1.60であり、その透過率が85%である。
【0246】
(5)次に、上記パッケージ基板の作製の(15)の工程で調整したソルダーレジスト組成物と同様の樹脂組成物を調整し、これを基板の光学素子挿入用基板側に塗布し、70℃で20分間、70℃で30分間の条件で乾燥処理を行い、ソルダーレジスト組成物の層54αを形成した(図9(a)参照)。なお、ここで、光路用樹脂充填層41の表面にはソルダーレジスト組成物を塗布しなかった。
次いで、開口部のパターンが描画された厚さ5mmのフォトマスクをソルダーレジスト組成物の層54αに密着させて1000mJ/cmの紫外線で露光し、DMTG溶液で現像処理し、開口51を形成した。
そして、さらに、80℃で1時間、100℃で1時間、120℃で1時間、150℃で3時間の条件でそれぞれ加熱処理を行ってソルダーレジスト組成物の層54αを硬化させ、開口51を有するソルダーレジスト層54を形成した(図9(b)参照)。従って、この工程を終えた際には、光学素子挿入用基板側にはソルダーレジスト層54が、パッケージ基板側にはソルダーレジスト層34がそれぞれ形成されていることとなる。
【0247】
(6)次に、ソルダーレジスト層54を形成した基板を、塩化ニッケル(2.3×10−1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(2.8×10−1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.6×10−1mol/l)を含むpH=4.5の無電解ニッケルめっき液に20分間浸漬して、開口51の一部に厚さ5μmのニッケルめっき層55を形成した。さらに、その基板をシアン化金カリウム(7.6×10−3mol/l)、塩化アンモニウム(1.9×10−1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.2×10−1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(1.7×10−1mol/l)を含む無電解金めっき液に80℃の条件で7.5分間浸漬して、ニッケルめっき層55上に、厚さ0.03μmの金めっき層56を形成した。
【0248】
(7)次に、ソルダーレジスト層54に形成した開口51、および、ソルダーレジスト層34の有する開口31に半田ペースト(Sn/Ag=96.5/3.5)を印刷し、250℃でリフローすることによりICチップ実装用半田バンプ57と多層プリント配線板接続用半田バンプ58とを形成し、ICチップ実装用基板を得た(図9(c)参照)。
【0249】
B.多層プリント配線板の作製
(a)層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムの作製
A−1の(a)で用いた方法と同様の方法を用いて層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを作製した。
(b)樹脂充填材(樹脂組成物)の調製
A−1の(b)で用いた方法と同様の方法を用いて樹脂充填材を調製した。
【0250】
(c).多層プリント配線板の製造
(1)厚さ0.6mmのガラスエポキシ樹脂またはBT樹脂からなる絶縁性基板101の両面に18μmの銅箔8がラミネートされている銅張積層板を出発材料とした(図10(a)参照)。まず、この銅張積層板をドリル削孔し、無電解めっき処理を施し、パターン状にエッチングすることにより、基板101の両面に導体回路104とスルーホール109とを形成した(図10(b)参照)。
【0251】
(2)スルーホール109と導体回路104とを形成した基板を水洗いし、乾燥した後、エッチング液(メック社製、メックエッチボンド)をスプレイで吹き付け、スルーホール109を含む導体回路104の表面に粗化面(図示せず)を形成した。
【0252】
(3)上記(b)に記載した樹脂充填材を調製した後、下記の方法により調製後24時間以内に、スルーホール109内および基板101上の導体回路非形成部と導体回路104の外縁部とに樹脂充填材110′の層を形成した。
すなわち、まず、スキージを用いてスルーホール内に樹脂充填材を押し込んだ後、100℃、20分の条件で乾燥させた。次に、導体回路非形成部に相当する部分が開口したマスクを基板上に載置し、スキージを用いて凹部となっている導体回路非形成部にも樹脂充填材を充填し、100℃、20分の条件で乾燥させることにより樹脂充填材110′の層を形成した(図10(c)参照)。
【0253】
(4)上記(3)の処理を終えた基板の片面を、♯600のベルト研磨紙(三共理化学社製)を用いたベルトサンダー研磨により、導体回路4の表面やスルーホール109のランド表面に樹脂充填材110′が残らないように研磨し、次いで、上記ベルトサンダー研磨による傷を取り除くためのバフ研磨を行った。このような一連の研磨を基板の他方の面についても同様に行った。
次いで、100℃で1時間、120℃で3時間、150℃で1時間、180℃で7時間の加熱処理を行って樹脂充填材層110を形成した。
【0254】
このようにして、スルーホール109や導体回路非形成部に形成された樹脂充填材110の表層部および導体回路104の表面を平坦化し、樹脂充填材110と導体回路104の側面とが粗化面を介して強固に密着し、また、スルーホール109の内壁面と樹脂充填材110とが粗化面を介して強固に密着した絶縁性基板を得た(図10(d)参照)。この工程により、樹脂充填材層110の表面と導体回路104の表面とが同一平面となる。
【0255】
(5)上記基板を水洗、酸性脱脂した後、ソフトエッチングし、次いで、エッチング液を基板の両面にスプレイで吹き付けて、導体回路104の表面とスルーホール109のランド表面とをエッチングすることにより、導体回路104の全表面に粗化面(図示せず)を形成した。なお、エッチング液としては、メック社製、メックエッチボンドを使用した。
【0256】
(6)次に、上記(a)で作製した基板より少し大きめの層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを基板上に載置し、圧力0.4MPa、温度80℃、圧着時間10秒の条件で仮圧着して裁断した後、さらに、以下の方法により真空ラミネータ装置を用いて貼り付けることにより層間樹脂絶縁層102を形成した(図10(e)参照)。すなわち、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを基板上に、真空度65Pa、圧力0.4MPa、温度80、時間60秒の条件で本圧着し、その後、170℃で30分間熱硬化させた。
【0257】
(7)次に、層間樹脂絶縁層102上に、厚さ1.2mmの貫通孔が形成されたマスクを介して、波長10.4μmのCOガスレーザにて、ビーム径4.0mm、トップハットモード、パルス幅8.0μ秒、マスクの貫通孔の径1.0mm、1ショットの条件で層間樹脂絶縁層102に、直径80μmのバイアホール用開口106を形成した(図11(a)参照)。
【0258】
(8)バイアホール用開口106を形成した基板を、60g/lの過マンガン酸を含む80℃の溶液に10分間浸漬し、層間樹脂絶縁層102の表面に存在するエポキシ樹脂粒子を溶解除去することにより、バイアホール用開口106の内壁面を含むその表面に粗化面(図示せず)を形成した。
【0259】
(9)次に、上記処理を終えた基板を、中和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いした。
さらに、粗化面処理(粗化深さ3μm)した該基板の表面に、パラジウム触媒を付与することにより、層間樹脂絶縁層102の表面(バイアホール用開口106の内壁面を含む)に触媒核を付着させた(図示せず)。すなわち、上記基板を塩化パラジウム(PdCl)と塩化第一スズ(SnCl)とを含む触媒液中に浸漬し、パラジウム金属を析出させることにより触媒を付与した。
【0260】
(10)次に、基板を無電解銅めっき水溶液中に浸漬し、層間樹脂絶縁層102の表面(バイアホール用開口106の内壁面を含む)に厚さ0.6〜3.0μmの無電解銅めっき膜112を形成した(図11(b)参照)。
なお、使用した無電解めっき水溶液、および、無電解めっき条件は、パッケージ基板の作製の(10)の工程と同様である。
【0261】
(11)無電解めっき膜112を形成した基板を水洗し、その後、電解めっきを施し、無電解めっき膜112上全体に、電解銅めっき膜113を形成した(図11(c)参照)。
なお、使用した電解めっき水溶液、および、電解めっき条件は、パッケージ基板の作製の(12)の工程と同様である。
【0262】
(12)次に、電解銅めっき膜113が形成された基板に市販の感光性ドライフィルムを張り付け、マスクを載置して、100mJ/cmで露光し、0.8%炭酸ナトリウム水溶液で現像処理することにより、エッチングレジスト103を形成した(図11(d)参照)。
【0263】
(13)次に、エッチングレジスト非形成部下の電解銅めっき膜と無電解めっき膜とを、硫酸と過酸化水素との混合液でエッチング処理して溶解除去し、その後、エッチングレジストを5%NaOH溶液で剥離除去することにより無電解銅めっき膜112と電解銅めっき膜113とからなる導体回路105(バイアホール107を含む)を形成した(図12(a)参照)。
さらに、エッチング液(メックエッチボンド)を用い、導体回路105(バイアホール107を含む)表面に粗化面(図示せず)を形成した。
【0264】
(14)次に、層間樹脂絶縁層102表面の所定の位置に、以下の方法を用いて光路変換ミラー119(119a、119b)を有する光導波路118(118a、118b)を形成した(図12(b)参照)。
すなわち、予め、その一端に先端がV形90°のダイヤモンドソーを用いて45°光路変換ミラー119を形成しておいたPMMAからなるフィルム状の光導波路(幅25μm、厚さ25μm)を、光路変換ミラー非形成側の他端の側面と層間樹脂絶縁層の側面とが揃うように貼り付けた。
なお、光導波路の貼り付けは、該光導波路の層間樹脂絶縁層との接着面に熱硬化性樹脂からなる接着剤を厚さ10μmに塗布しておき、圧着後、60℃で1時間硬化させることにより行った。
なお、本実施例では、60℃/1時間の条件で硬化を行ったが、場合によってはステップ硬化をおこなってもよい。貼り付け時に光導波路により応力が発生しにくいからである。
【0265】
(15)次に、パッケージ基板の作製の(15)の工程と同様にしてソルダーレジスト組成物を調製し、さらに、基板の両面に、上記ソルダーレジスト組成物を35μmの厚さで塗布し、70℃で20分間、70℃で30分間の条件で乾燥処理を行い、ソルダーレジス組成物の層114′を形成した(図12(c)参照)。
【0266】
(16)次いで、基板の片面に、半田バンプ形成用開口(パッケージ基板と接続するための開口)と光路用開口とのパターンが描画された厚さ5mmのフォトマスクをソルダーレジスト層に密着させて1000mJ/cmの紫外線で露光し、DMTG溶液で現像処理を施すことにより開口を形成した。
そして、さらに、80℃で1時間、100℃で1時間、120℃で1時間、150℃で3時間の条件でそれぞれ加熱処理を行ってソルダーレジスト層を硬化させ、半田バンプ形成用開口(図示せず)と光路用開口111とを有し、その厚さが20μmのソルダーレジスト層114を形成した。
【0267】
(17)次に、光路用開口111内に、ICチップ実装用基板の作製の(4)の工程で充填したエポキシ樹脂を含む樹脂組成物と同様の樹脂組成物を充填し、その後、加熱処理を施すことにより光路用開口111内に、光路用樹脂層108を形成した。なお、光路用樹脂層108は、その屈折率が1.60であり、その透過率が85%である。
次に、ICチップ実装用基板の作製の(6)の工程と同様にして、ニッケルめっき層と金めっき層とを形成し、半田パッド(図示せず)とした。
【0268】
(18)次に、ソルダーレジスト層114に形成した半田バンプ形成用開口に半田ペーストを印刷し、200℃でリフローすることにより半田バンプ形成用開口に半田バンプ(図示せず)を形成し、多層プリント配線板とした(図12(d)参照)。
【0269】
C.IC実装光通信用デバイスの製造
まず、上記Aの工程を経て製造したICチップ実装用基板に、ICチップを実装し、その後、樹脂封止を行い、ICチップ実装基板を得た。
次に、このICチップ実装基板と上記Bの工程を経て製造した多層プリント配線板とを所定の位置に対向配置させ、200℃でリフローすることにより両基板の半田バンプ同士を接続して半田接続部を形成した。
【0270】
次に、半田接続部を介して接続した多層プリント配線板とICチップ実装用基板との間に、封止用樹脂組成物を充填し、その後、硬化処理を施すことにより封止樹脂層を形成し、光通信用デバイスとした(図1参照)。
なお、封止用樹脂組成物としては、エポキシ樹脂を含む樹脂組成物を用いた。
また、形成した封止樹脂層は、透過率が85%であり、屈折率が1.60であった。
【0271】
(実施例2)
封止樹脂層を形成する際にオレフィン樹脂を含む樹脂組成物を用いて、その透過率が88%で屈折率が1.58の封止樹脂層を形成し、ICチップ実装用基板の光路用樹脂充填層と多層プリント配線板の光路用樹脂層とを形成する際にオレフィン樹脂を含む樹脂組成物を用いて、その透過率が80%で屈折率が1.58の光路用樹脂充填層を形成した以外は、実施例1と同様にして光通信用デバイスを製造した。
【0272】
(実施例3)
封止樹脂層を形成する際にアクリル樹脂を含む樹脂組成物を用いて、その透過率が85%で屈折率が1.50の封止樹脂層を形成し、ICチップ実装用基板の光路用樹脂充填層と多層プリント配線板の光路用樹脂層とを形成する際にエポキシ樹脂を含む樹脂組成物を用いて、その透過率が85%で屈折率が1.60の光路用樹脂充填層を形成した以外は、実施例1と同様にして光通信用デバイスを製造した。
【0273】
(実施例4)
封止樹脂層を形成する際にアクリル樹脂を含む樹脂組成物を用いて、その透過率が85%で屈折率が1.50の封止樹脂層を形成し、ICチップ実装用基板の光路用樹脂充填層と多層プリント配線板の光路用樹脂層とを形成する際にオレフィン樹脂を含む樹脂組成物を用いて、その透過率が80%で屈折率が1.58の光路用樹脂充填層を形成した以外は、実施例1と同様にして光通信用デバイスを製造した。
【0274】
(実施例5)
実施例1のICチップ実装用基板の作製の(4)の工程を行った後、光路用樹脂充填層の封止樹脂層と対向する側の面に、下記の方法を用いてマイクロレンズを配設した以外は、実施例1と同様にして光通信用デバイスを製造した(図2参照)。
すなわち、光路用樹脂層の端部にディスペンサーを用いてエポキシ樹脂を含む樹脂組成物を滴下し、その後、硬化処理を施すことによりマイクロレンズを形成した。なお、ここで形成したマイクロレンズは、その透過率が92%で、その屈折率が1.62である。
【0275】
(実施例6)
実施例2において、実施例1のICチップ実装用基板の作製の(4)の工程と同様の工程を行うことにより光路用樹脂充填層を形成した後、該光路用樹脂充填層の封止樹脂層と対向する側の面に、下記の方法を用いてマイクロレンズを配設した以外は、実施例2と同様にして光通信用デバイスを製造した。
すなわち、光路用樹脂層の端部にディスペンサーを用いてエポキシ樹脂を含む樹脂組成物を滴下し、その後、硬化処理を施すことによりマイクロレンズを形成した。なお、ここで形成したマイクロレンズは、その透過率が92%で、その屈折率が1.62である。
【0276】
(実施例7)
実施例3において、実施例1のICチップ実装用基板の作製の(4)の工程と同様の工程を行うことにより光路用樹脂充填層を形成した後、該光路用樹脂充填層の封止樹脂層と対向する側の面に、下記の方法を用いてマイクロレンズを配設した以外は、実施例3と同様にして光通信用デバイスを製造した。
すなわち、光路用樹脂層の端部にディスペンサーを用いてエポキシ樹脂を含む樹脂組成物を滴下し、その後、硬化処理を施すことによりマイクロレンズを形成した。なお、ここで形成したマイクロレンズは、その透過率が85%で、その屈折率が1.60である。
【0277】
(実施例8)
実施例4において、実施例1のICチップ実装用基板の作製の(4)の工程と同様の工程を行うことにより光路用樹脂充填層を形成した後、該光路用樹脂充填層の封止樹脂層と対向する側の面に、下記の方法を用いてマイクロレンズを配設した以外は、実施例4と同様にして光通信用デバイスを製造した。
すなわち、光路用樹脂層の端部にディスペンサーを用いてエポキシ樹脂を含む樹脂組成物を滴下し、その後、硬化処理を施すことによりマイクロレンズを形成した。なお、ここで形成したマイクロレンズは、その透過率が92%で、その屈折率が1.62である。
【0278】
(実施例9)
A.ICチップ実装用基板の作製
A−1.パッケージ基板の作製
(a)層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムの作製および樹脂充填材(樹脂組成物)の調製
実施例1のA−1の(a)および(b)と同様にして行った。
【0279】
(b)パッケージ基板の製造
(1)厚さ0.8mmのガラスエポキシ樹脂またはBT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる絶縁性基板21の両面に18μmの銅箔28がラミネートされている両面銅張積層板を出発材料とした(図13(a)参照)。まず、この銅張積層板をドリル削孔し、無電解めっき処理を施し、パターン状にエッチングすることにより、基板の両面に下層導体回路24とスルーホール29とを形成した(図13(b)参照)。
【0280】
(2)下層導体回路24を形成した基板21を水洗いし、乾燥した後、NaOH(10g/l)、NaClO(40g/l)、NaPO(6g/l)を含む水溶液を黒化浴(酸化浴)とする黒化処理、および、NaOH(10g/l)、NaBH(6g/l)を含む水溶液を還元浴とする還元処理を行い、下層導体回路24の表面に粗化面(図示せず)を形成した。
【0281】
(3)次に、上記(a)に記載した樹脂充填材を調製した後、下記の方法により調製後24時間以内に、スルーホール29内および基板21上の導体回路非形成部と下層導体回路24の外縁部とに樹脂充填材30′の層を形成した。
即ち、まず、スキージを用いてスルーホール内に樹脂充填材を押し込んだ後、100℃、20分の条件で乾燥させた。次に、導体回路非形成部に相当する部分が開口したマスクを基板上に載置し、スキージを用いて凹部となっている導体回路非形成部にも樹脂充填材を充填し、100℃、20分の条件で乾燥させることにより樹脂充填材30′の層を形成した(図13(c)参照)。
【0282】
(4)上記(3)の処理を終えた基板の片面を、♯600のベルト研磨紙(三共理化学社製)を用いたベルトサンダー研磨により、導体回路24の表面やスルーホール29のランド表面に樹脂充填材30′が残らないように研磨し、次いで、上記ベルトサンダー研磨による傷を取り除くためのバフ研磨を行った。このような一連の処理を基板の他方の面についても同様に行った。
次いで、100℃で1時間、120℃で3時間、150℃で1時間、180℃で7時間の加熱処理を行って樹脂充填材層30を形成した。
【0283】
このようにして、スルーホール29や導体回路非形成部に形成された樹脂充填材層30の表層部および導体回路24の表面を平坦化し、樹脂充填材層30と導体回路24の側面とが粗化面を介して強固に密着し、また、スルーホール29の内壁面と樹脂充填材層30とが粗化面を介して強固に密着した絶縁性基板を得た(図13(d)参照)。この工程により、樹脂充填材層30の表面と導体回路24の表面とが同一平面となる。
【0284】
(5)上記基板を水洗、酸性脱脂した後、ソフトエッチングし、次いで、エッチング液を基板の両面にスプレイで吹き付けて、導体回路24の表面とスルーホール29のランド表面とをエッチングすることにより、導体回路24の全表面に粗化面(図示せず)を形成した。なお、エッチング液としては、メック社製、メックエッチボンドを使用した。
【0285】
(6)次に、上記(a)で作製した層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを、温度50〜150℃まで昇温しながら、0.5MPaで真空圧着ラミネートして貼り付け、樹脂フィルム層22αを形成した(図13(e)参照)。
【0286】
(7)次に、樹脂フィルム層22α上に、厚さ1.2mmの貫通孔が形成されたマスクを介して、波長10.4μmのCOガスレーザにて、ビーム径4.0mm、トップハットモード、パルス幅8.0μ秒、マスクの貫通孔の径1.0mm、1ショットの条件で樹脂フィルム層22αに、直径80μmのバイアホール用開口26を形成した(図14(a)参照)。
【0287】
(8)バイアホール用開口26を形成した基板を、60g/lの過マンガン酸を含む80℃の溶液に10分間浸漬し、層間樹脂絶縁層22の表面に存在するエポキシ樹脂粒子を溶解除去することにより、バイアホール用開口26の内壁面を含む層間樹脂絶縁層22の表面に粗化面(図示せず)を形成した。
【0288】
(9)次に、上記処理を終えた基板を、中和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いした。
さらに、粗面化処理(粗化深さ3μm)した該基板の表面に、パラジウム触媒を付与することにより、層間樹脂絶縁層22の表面(バイアホール用開口26の内壁面を含む)に触媒核を付着させた(図示せず)。即ち、上記基板を塩化パラジウム(PdCl)と塩化第一スズ(SnCl)とを含む触媒液中に浸漬し、パラジウム金属を析出させることにより触媒を付与した。
【0289】
(10)次に、実施例1のパッケージ基板の作製の(10)の工程で用いた無電解めっき液と同様の組成の無電解銅めっき液中に基板を浸漬し、同様の条件で処理することにより層間樹脂絶縁層22の表面(バイアホール用開口26の内壁面を含む)に厚さ0.6〜3.0μmの無電解銅めっき膜(薄膜導体層)32を形成した(図14(b)参照)。
【0290】
(11)次に、無電解銅めっき膜32が形成された基板に市販の感光性ドライフィルムを張り付け、マスクを載置して、100mJ/cmで露光し、0.8%炭酸ナトリウム水溶液で現像処理することにより、めっきレジスト23を設けた(図14(c)参照)。
【0291】
(12)ついで、基板を50℃の水で洗浄して脱脂し、25℃の水で水洗後、さらに硫酸で洗浄してから、実施例1のパッケージ基板の作製の(12)の工程で用いた電解めっき液と同様の組成の電解銅めっき液中に基板を浸漬し、同様の条件で処理することにより、めっきレジスト23非形成部に、電解銅めっき膜33を形成した(図14(d)参照)。
【0292】
(13)さらに、めっきレジスト23を5%KOHで剥離除去した後、そのめっきレジスト23下の無電解めっき膜を硫酸と過酸化水素との混合液でエッチング処理して溶解除去し、導体回路25(バイアホール27を含む)とした(図15(a)参照)。
【0293】
(14)次に、導体回路25等を形成した基板をエッチング液に浸漬し、導体回路25(バイアホール27を含む)の表面に粗化面(図示せず)を形成した。なお、エッチング液としては、メック社製、メックエッチボンドを使用した。
【0294】
(15)次に、実施例1のパッケージ基板の作製の(15)の工程と同様にしてソルダーレジスト組成物を調製した。
(16)次に、導体回路25等を形成した基板の両面に、上記ソルダーレジスト組成物を塗布し、70℃で20分間、70℃で30分間の条件で乾燥処理を行い、ソルダーレジス組成物の層34αを形成した(図15(b)参照)。次いで、開口部のパターンが描画された厚さ5mmのフォトマスクをソルダーレジスト組成物の層34αに密着させて1000mJ/cmの紫外線で露光し、DMTG溶液で現像処理し、開口31を形成した。
そして、さらに、80℃で1時間、100℃で1時間、120℃で1時間、150℃で3時間の条件でそれぞれ加熱処理を行ってソルダーレジスト組成物の層34αを硬化させ、開口31を有するソルダーレジスト層34を形成した(図15(c)参照)。
【0295】
(17)次に、ソルダーレジスト層34を形成した基板を、塩化ニッケル(2.3×10−1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(2.8×10−1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.6×10−1mol/l)を含むpH=4.5の無電解ニッケルめっき液に20分間浸漬して、開口31の一部にニッケルめっき層を形成した。さらに、その基板をシアン化金カリウム(7.6×10−3mol/l)、塩化アンモニウム(1.9×10−1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.2×10−1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(1.7×10−1mol/l)を含む無電解金めっき液に80℃の条件で7.5分間浸漬して、ニッケルめっき層上に金めっき層を形成し、パッケージ基板とした(図15(d)参照)。なお、図中では、ニッケルめっき層および金めっき層の2層を合わせて金属層36と示す。
【0296】
B.光学素子挿入用基板の作製
(1)厚さ0.8mmのガラスエポキシ樹脂またはBT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる絶縁性基板1の片面に18μmの銅箔8がラミネートされている片面銅張積層板を出発材料とした(図16(a)参照)。まず、この片面銅張積層板の銅箔8をパターン状にエッチングすることにより、基板の片面に導体回路4を形成した(図16(b)参照)。
【0297】
(2)次に、基板の導体回路4を形成した側に導体回路非形成部にエポキシ樹脂系接着剤を塗布することにより接着剤層(図示せず)を形成した。
(3)さらに、基板の中央部にルータ加工により貫通孔9を形成し、光学素子挿入用基板とした(図16(c)参照)。
【0298】
C.ICチップ実装用基板の作製
(1)マスラミネート方式による積層プレスを行い、上記Aで作製したパッケージ基板と、上記Bで作製した光学素子挿入用基板とを上記光学素子挿入用基板に形成した接着剤層を介して貼り合わせた基板を得た(図17(a)参照)。すなわち、両者の位置合わせを行った後、150℃まで昇温し、さらに5MPaの圧力でプレスすることにより光学素子挿入用基板とパッケージ基板とを貼り合わせた。
【0299】
(2)次に、光学素子挿入用基板に形成した貫通孔9より露出したパッケージ基板の表面に、受光素子38および発光素子39を、受光部38aおよび発光部39aがそれぞれ上方に露出するように銀ペーストを用いて取り付けた。
なお、受光素子38としては、InGaAsからなるものを用い、発光素子39としては、InGaAsPからなるものを用いた。また、受光素子38および発光素子39としては、電気接続用パッドが、受光部38aおよび発光部39aよりパッケージ基板側に設けられているものを用いた。
【0300】
(3)次に、受光素子38および発光素子39の電気接続用パッドと貫通孔9より露出したパッケージ基板の表面の金属層36とをワイヤボンディングにより接続した(図17(b)参照)。ここで、ワイヤ40としては、Au製のワイヤを用いた。
【0301】
(4)次に、光学素子挿入用基板に形成した貫通孔9内に、エポキシ樹脂を含む樹脂組成物を印刷により充填し、その後、この樹脂組成物を乾燥させた。
さらに、樹脂組成物の露出面にバフ研磨と鏡面研磨とを施した。その後、加熱処理を行い、光路用樹脂充填層41とした(図17(c)参照)。
なお、光路用樹脂充填層41は、その屈折率が1.60であり、その透過率が85%である。
【0302】
(5)次に、ドリル加工により、光学素子挿入用基板とパッケージ基板とを貫通する直径400μmの貫通孔46を形成した(図18(a)参照)。さらに、60g/lの過マンガン酸を含む80℃の溶液に10分間浸漬することにより、貫通孔46の壁面にデスミア処理を施した。
【0303】
(6)次に、上記処理を終えた基板を、中和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いした。
さらに、貫通孔46の壁面を含む光学素子挿入用基板およびパッケージ基板の露出面にパラジウム触媒を付与することにより、貫通孔46の壁面等に触媒核を付着させた(図示せず)。
【0304】
(7)次に、無電解銅めっき水溶液中に、基板を浸漬し、貫通孔46の壁面を含む光学素子挿入用基板およびパッケージ基板の露出面に厚さ0.6〜3.0μmの無電解銅めっき膜(薄膜導体層)52を形成した(図18(b)参照)。
なお、無電解めっき液としては、パッケージ基板を作製する際の(10)の工程で用いた無電解めっき液と同様のものを用い、同様の条件で処理した。
【0305】
(8)次に、無電解銅めっき膜52が形成された基板に市販の感光性ドライフィルムを張り付け、マスクを載置して、100mJ/cmで露光し、0.8%炭酸ナトリウム水溶液で現像処理することにより、めっきレジスト43を設けた(図18(c)参照)。
【0306】
(9)ついで、基板を50℃の水で洗浄して脱脂し、25℃の水で水洗後、さらに硫酸で洗浄してから電解めっきを施し、めっきレジスト43非形成部に、電解銅めっき膜53を形成した(図19(a)参照)。
なお、電解めっき液としては、パッケージ基板を作製する際の(12)の工程で用いた電解めっき液と同様のものを用い、同様の条件で処理した。
【0307】
(10)さらに、めっきレジスト43を5%KOHで剥離除去した後、そのめっきレジスト43下の無電解めっき膜を硫酸と過酸化水素との混合液でエッチング処理して溶解除去し、光学素子挿入用基板とパッケージ基板とを貫通するスルーホール49とした(図19(b)参照)。
【0308】
(11)次に、スルーホール49を形成した基板をエッチング液(メック社製、メックエッチボンド)に浸漬し、スルーホール49壁面(ランド部分の表面を含む)に粗化面(図示せず)を形成した。
次に、上記パッケージ基板の作製の(a)に記載した樹脂充填材と同様の樹脂組成物を調製した後、下記の方法により調製後24時間以内に、スルーホール49内に樹脂充填材の層を形成した。
即ち、スキージを用いてスルーホール49内に樹脂充填材を押し込んだ後、100℃、20分の条件で乾燥させることにより樹脂充填材の層を形成した。
【0309】
さらに、♯600のベルト研磨紙(三共理化学社製)を用いたベルトサンダー研磨により、スルーホール49のランド表面に樹脂充填材が残らないように研磨し、次いで、上記ベルトサンダー研磨による傷を取り除くためのバフ研磨を行った。さらに、100℃で1時間、120℃で3時間、150℃で1時間、180℃で7時間の加熱処理を行って、そのスルーホールからの露出面が平坦な樹脂充填材層50を形成した(図19(c)参照)。
【0310】
(12)次に、上記パッケージ基板の作製の(15)の工程で調製したソルダーレジスト組成物と同様の樹脂組成物を調製し、これを基板の両面に塗布し、70℃で20分間、70℃で30分間の条件で乾燥処理を行い、ソルダーレジス組成物の層54αを形成した(図20(a)参照)。なお、ここで、樹脂充填層41の表面にはソルダーレジスト組成物を塗布しなかった。
次いで、開口部のパターンが描画された厚さ5mmのフォトマスクをソルダーレジスト組成物の層54αに密着させて1000mJ/cmの紫外線で露光し、DMTG溶液で現像処理し、開口51を形成した。
そして、さらに、80℃で1時間、100℃で1時間、120℃で1時間、150℃で3時間の条件でそれぞれ加熱処理を行ってソルダーレジスト組成物の層54αを硬化させ、開口51を有するソルダーレジスト層54を形成した(図20(b)参照)。
【0311】
(13)次に、ソルダーレジスト層54を形成した基板を、塩化ニッケル(2.3×10−1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(2.8×10−1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.6×10−1mol/l)を含むpH=4.5の無電解ニッケルめっき液に20分間浸漬して、開口51の一部に厚さ5μmのニッケルめっき層55を形成した。さらに、その基板をシアン化金カリウム(7.6×10−3mol/l)、塩化アンモニウム(1.9×10−1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.2×10−1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(1.7×10−1mol/l)を含む無電解金めっき液に80℃の条件で7.5分間浸漬して、ニッケルめっき層上に、厚さ0.03μmの金めっき層56を形成した。
【0312】
(14)次に、ソルダーレジスト層54に形成した開口51に半田ペースト(Sn/Ag=96.5/3.5)を印刷し、250℃でリフローすることによりICチップ実装用半田バンプ57と多層プリント配線板接続用半田バンプ58とを形成し、ICチップ実装用基板を得た(図20(c)参照)。
【0313】
B.多層プリント配線板の作製
実施例1のBと同様にして、多層プリント配線板を製造した。
【0314】
C.ICチップ実装光通信用デバイスの製造
まず、上記Aの工程を経て製造したICチップ実装用基板に、ICチップを実装し、その後、樹脂封止を行い、ICチップ実装基板を得た。
次に、このICチップ実装用基板と上記Bの工程で製造した多層プリント配線板とを所定の位置に対向配置させ、200℃でリフローすることにより両基板の半田バンプ同士を接続して半田接続部を形成した。
【0315】
次に、半田接続部を介して接続した多層プリント配線板とICチップ実装用基板との間に、封止用樹脂組成物を充填し、その後、硬化処理を施すことにより封止樹脂層を形成し、光通信用デバイスとした。なお、封止用樹脂組成物としては、エポキシ樹脂を含む樹脂組成物を用いた。また、形成した封止樹脂層は、透過率が85%であり、屈折率が1.60であった。
【0316】
(実施例10)
光路用樹脂充填層を内層光路用樹脂充填層と外層光路用樹脂充填層とからなる2層構造とした以外は、実施例9と同様にして光通信用デバイスを製造した。具体的には、ICチップ実装用基板の作製の(4)の工程において、下記の方法を用いた以外は実施例9と同様にして光通信用デバイスを製造した(図3参照)。
すなわち、光学素子挿入用基板に形成した貫通孔内に、エポキシ樹脂とシリカ粒子(平均粒径:0.5μm)と硬化剤とを含む樹脂組成物を光学素子(受光素子および発光素子)と同じ高さまで印刷により充填し、その後、この樹脂組成物を加熱硬化させることにより内層光路用樹脂充填層を形成した。
次いで、貫通孔内の内層光路用樹脂充填層上にエポキシ樹脂を含む樹脂組成物を印刷により充填した後、この樹脂組成物を乾燥させ、さらに、樹脂組成物の露出面にバフ研磨と鏡面研磨とを施した。その後、硬化処理を行い外層光路用樹脂充填層を形成した。
なお、外層光路用樹脂充填層は、その屈折率が1.60であり、その透過率が85%である。
【0317】
このようにして得られた実施例1〜10のIC実装光通信用デバイスについて、受光素子に対向する光導波路の多層プリント配線板の側面からの露出面に光ファイバを取り付け、発光素子に対向する光導波路の多層プリント配線板の側面からの露出面に検出器を取り付けた後、光ファイバを介して光信号を送り、ICチップで演算させた後、検出器で光信号を検出したところ、所望の光信号を検出することができ、実施例1〜10で製造したIC実装光通信用デバイスが、光通信用デバイスとして充分満足できる性能を有していることが明らかとなった。
【0318】
また、封止樹脂層の形成、ならびに、光路用樹脂充填層および光路用樹脂層の形成を行わなかった以外は、実施例1〜10と同様の方法を用いて製造した光通信用デバイスと比べても、ICチップ実装用基板に実装した発光素子と、この発光素子と対向する多層プリント配線板に形成した光導波路との間での導波損失はほとんど低下していなかった。
【0319】
さらに、実施例1〜10で得られた光通信用デバイスにおいては、光学素子(受光素子および発光素子)ならびに光導波路の設計からの位置ズレはほとんどみられなかった。
【0320】
【発明の効果】
本発明の光通信用デバイスは、上記したように、所定の位置に受光素子および発光素子が実装されたICチップ実装用基板と、所定の位置に光導波路が形成された多層プリント配線板とから構成されているため、実装した光学部品間の接続損失が低く、光通信用デバイスとして接続信頼性に優れる。
【0321】
また、本発明の光通信用デバイスにおいて、ICチップ実装用基板と多層プリント配線板との間に封止樹脂層が形成されている場合には、光学素子と光導波路との間に、空気中を浮遊しているゴミや異物等が入り込むことがなく、このゴミや異物等により光信号の伝送が阻害されることがないため、光通信用デバイスとしての信頼性により優れることとなる。
さらに、封止樹脂層が形成されている場合には、該封止樹脂層が上記ICチップ実装用基板と上記多層プリント配線板との間で発生する応力を緩和する役目を果たすことができ、また、光学素子や光導波路の位置ズレがより発生しにくくなるため、光通信用デバイスとしての信頼性により優れることとなる。
【0322】
本発明の光通信用デバイスの製造方法では、ICチップ実装用基板と多層プリント配線板とを所定の位置に配置、固定した後、両者の間に封止樹脂層を形成するため、光学素子と光導波路との間に、空気中を浮遊しているゴミや異物等が入り込むことがなく、光信号の伝送が阻害されることのない光通信用デバイスを好適に製造することができる。
【0323】
また、ICチップ実装用基板と多層プリント配線板との間に封止樹脂層を形成することにより、得られた光通信用デバイスにおいては、該封止樹脂層が上記ICチップ実装用基板と上記多層プリント配線板との間で熱膨張係数の差に起因して発生する応力を緩和する役目を果たすことができ、また、封止樹脂層を形成することにより光学素子や光導波路の位置ズレがより発生しにくくなる。
従って、本発明の製造方法では、信頼性に優れる光通信用デバイスを好適に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光通信用デバイスの一実施形態を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明の光通信用デバイスの別の一実施形態を模式的に示す断面図である。
【図3】本発明の光通信用デバイスの別の一実施形態を模式的に示す断面図である。
【図4】本発明の光通信用デバイスを構成するICチップ実装用基板を製造する工程の一部を模式的に示す断面図である。
【図5】本発明の光通信用デバイスを構成するICチップ実装用基板を製造する工程の一部を模式的に示す断面図である。
【図6】本発明の光通信用デバイスを構成するICチップ実装用基板を製造する工程の一部を模式的に示す断面図である。
【図7】本発明の光通信用デバイスを構成するICチップ実装用基板を製造する工程の一部を模式的に示す断面図である。
【図8】本発明の光通信用デバイスを構成するICチップ実装用基板を製造する工程の一部を模式的に示す断面図である。
【図9】本発明の光通信用デバイスを構成するICチップ実装用基板を製造する工程の一部を模式的に示す断面図である。
【図10】本発明の光通信用デバイスを構成する多層プリント配線板を製造する工程の一部を模式的に示す断面図である。
【図11】本発明の光通信用デバイスを構成する多層プリント配線板を製造する工程の一部を模式的に示す断面図である。
【図12】本発明の光通信用デバイスを構成する多層プリント配線板を製造する工程の一部を模式的に示す断面図である。
【図13】本発明の光通信用デバイスを構成するICチップ実装用基板を製造する工程の一部を模式的に示す断面図である。
【図14】本発明の光通信用デバイスを構成するICチップ実装用基板を製造する工程の一部を模式的に示す断面図である。
【図15】本発明の光通信用デバイスを構成するICチップ実装用基板を製造する工程の一部を模式的に示す断面図である。
【図16】本発明の光通信用デバイスを構成するICチップ実装用基板を製造する工程の一部を模式的に示す断面図である。
【図17】本発明の光通信用デバイスを構成するICチップ実装用基板を製造する工程の一部を模式的に示す断面図である。
【図18】本発明の光通信用デバイスを構成するICチップ実装用基板を製造する工程の一部を模式的に示す断面図である。
【図19】本発明の光通信用デバイスを構成するICチップ実装用基板を製造する工程の一部を模式的に示す断面図である。
【図20】本発明の光通信用デバイスを構成するICチップ実装用基板を製造する工程の一部を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
100、200、300 多層プリント配線板
101、201、301 基板
102、202、302 層間樹脂絶縁層
104、204、304 導体回路
107、207、307 バイアホール
109、209、309 スルーホール
111、211、311 光路用開口
114、214、314 ソルダーレジスト層
118、218、318 光導波路
119、219、319 光路変換ミラー
120、220、320 ICチップ実装用基板
1120、2120、3120 パッケージ基板
1100、2100、3100 光学素子挿入用基板
1121、2121、3121 基板
1122、2122、3122 層間樹脂絶縁層
1124、2124、3124 導体回路
1127、2127、3127 バイアホール
1129、2129、3129 スルーホール
1134、2134、3134 ソルダーレジスト層
1138、2138、3138 受光素子
1139、2139、3139 発光素子
140、240 ICチップ
1141、2141 光路用樹脂充填層
150、250、350 光通信用デバイス
160、260、360 封止樹脂層

Claims (8)

  1. 少なくとも、光学素子が実装されるとともに光路用樹脂充填層が形成された光学素子実装用領域を有するICチップ実装用基板と、
    少なくとも光導波路が形成された多層プリント配線板とからなる光通信用デバイスであって、
    前記光導波路と前記光学素子とが、前記光路用樹脂充填層を介して光信号を伝達することができるように構成されていることを特徴とする光通信用デバイス。
  2. 前記ICチップ実装用基板と前記多層プリント配線板との間に封止樹脂層が形成されている請求項1に記載の光通信用デバイス。
  3. 前記封止樹脂層は、通信波長光の透過率が70%以上である請求項2に記載の光通信用デバイス。
  4. 前記封止樹脂層には、粒子が含まれている請求項2または3に記載の光通信用デバイス。
  5. 前記光路用樹脂充填層の多層プリント配線板と対向する面に、少なくとも1つのマイクロレンズが配設されている請求項1〜4のいずれか1に記載の光通信用デバイス。
  6. 前記光路用樹脂充填層の多層プリント配線板と対向する面に少なくとも1つのマイクロレンズが配設され、前記マイクロレンズの屈折率が、前記封止樹脂層の屈折率よりも大きい請求項2〜4のいずれか1に記載の光通信用デバイス。
  7. 前記光学素子は、受光素子および/または発光素子である請求項1〜6のいずれか1に記載の光通信用デバイス。
  8. 少なくとも、光学素子が実装されるとともに光路用樹脂充填層が形成された光学素子実装用領域を有するICチップ実装用基板と、少なくとも光導波路が形成された多層プリント配線板とを別々に製造した後、
    前記ICチップ実装用基板の光学素子と前記多層プリント配線板の光導波路との間で、光信号の伝送ができる位置に両者を配置、固定し、
    さらに、前記ICチップ実装用基板と前記多層プリント配線板との間に封止用樹脂組成物を流し込んだ後、硬化処理を施すことにより封止樹脂層を形成することを特徴とする光通信用デバイスの製造方法。
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